説明

フォトニック結晶及びそれを用いた偏光子

【課題】
高い偏光分離能を有し、しかも波長帯域もシフトしないより高性能な偏光子及びそれに用いられるフォトニック素子を提供すること。
【解決手段】
第一の誘電体と、第一の誘電体内に二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなる第二の誘電体と、を有し、第一の誘電体と前記第二の誘電体の少なくとも一方は屈折率に異方性を有し、第一の誘電体と第二の誘電体との間における屈折率の差のうち最も大きな軸を第一の軸とし、第一の軸に対し垂直な軸を第二の軸とした場合、第一の軸に沿った第一の誘電体と第二の誘電体との間の屈折率の差は0.05より大きく、第二の軸に沿った第一の誘電体と第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さい偏光子とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトニック結晶に関し、更にはそれを用いた偏光子に関する。
【背景技術】
【0002】
偏光子は、不特定の方向に電磁界が振動する無偏光又は楕円偏光のうち、ある特定方向の振動成分だけを透過させて直線偏光にする光学素子である。
【0003】
偏光子は最も基本的な光学素子の一つであり、光通信デバイス、光ディスクのピックアップ、液晶ディスプレイ、光応用計測などに広く利用されている。
【0004】
現在、実用的に使用されている偏光子としては高分子フィルムにヨウ素等の二色性分子を入れたものが一般的である。しかしながら、これは安価で大面積のものを得ることができるという利点を有するものの、偏光分離能が低く、入射される光の50%以上がヨウ素等によって吸収を受け、光利用効率の低下を起こしてしまうという課題がある。
【0005】
上記課題に対し、より高い偏光分離能とより高い光利用効率を得ることを目的として、フォトニック結晶における複屈折の周期性を利用して偏光分離を行う偏光子の開発が期待されている。これに関する公知の文献として下記特許文献1乃至4、非特許文献1乃至3がある。
【0006】
特許文献1には、異なる応力光学係数を有する二種以上の層を複数層積層した偏光子が、特許文献2には、周期的なひだ(うねり)を有する二種以上の薄膜を複数積層した偏光子が、特許文献3には、使用波長に対して透明な基板上に、一定間隔の溝状の空隙部分が複数設けられた周期的多層膜を形成してなる偏光子が、特許文献4には、使用波長に対して透明なポリマー系材料に屈折率の周期的構造を有する2次元フォトニック結晶構造が形成されたスラブ型の光学素子において、屈折率の周期構造を成す二種材料の屈折率差が0.3以上である偏光子が夫々記載されている。
【0007】
また、非特許文献1には、二種の異なる屈折率を有する等方性誘電体からなるダイヤモンド構造が全方位に開かれた完全バンドギャップを形成するため、あらゆる方向から入射する光の透過と反射をコントロールするためには上記構造が非常に有用である旨の記載がある。
【0008】
また非特許文献2、3には、異なる屈折率を有する二種の等方性誘電体からなるウッドパイル構造が全方位に開かれた完全バンドギャップを形成するため、あらゆる方向から入射する光の透過と反射をコントロールするためには上記構造が非常に有用である旨の記載がある。
【0009】
【特許文献1】特開平4−268505号公報
【特許文献2】特開2000−56133号公報
【特許文献3】特開2002−82221号公報
【特許文献4】特開2004−125919号公報
【非特許文献1】Phys.Rev.Lett.65,3152(1990)
【非特許文献2】Solid State Commun. 89, 413(1994)
【非特許文献3】Nature 394,251(1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
確かに特許文献1乃至4に記載の技術は、正面(層が積層される方向)から入射する光に対しては高い偏光分離能を実現することができる。しなしながら、正面から傾いた方向から入射する光の角度が大きくなるに従い光学距離が異なるため、傾いた方向から入射された光に対しては偏光分離能が低下するだけでなく、偏光分離を示す波長帯域がシフトしてしまうという課題を有する。
【0011】
また、上記非特許文献1乃至3に記載の技術に対しても本発明者らが様々な屈折率の組み合わせでシミュレーションを実施したところ、実際に偏光分離能を発現できる光の入射角度は非常に限定されることがわかり、積層方向に対して垂直な方向だけでなく斜め方向から入射する光に対して高い偏光分離能を発現することは困難であることを確認した。
【0012】
そこで本発明は、積層方向に対して正面だけでなく、この正面から大きな角度を有して入射される光に対しても、高い偏光分離能を有し、しかも波長帯域もシフトしないより高性能な偏光子及びそれに用いられるフォトニック素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決すべく本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、用いられる複数の誘電体の間における屈折率と体積率、およびフォトニック結晶の格子構造を調整することにより、正面、および斜めから入射される光に対しても高い偏光分離能(例えば高い光利用効率)を示し、かつ偏光分離される波長帯域が光の入射する角度によって殆どシフトしないフォトニック結晶及びそれを用いた偏光子を得ることができた。
【0014】
すなわち本件発明に係る偏光子は、第一の誘電体と、第一の誘電体内に二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなる第二の誘電体と、を有し、第一の誘電体と第二の誘電体の少なくとも一方は屈折率に異方性を有し、第一の誘電体と第二の誘電体との間における屈折率の差のうち最も大きな軸を第一の軸とし、第一の軸に対し垂直な軸を第二の軸とした場合、第一の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との間の屈折率の差は0.05より大きく、第二の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さいことを特徴とする。なおここでいう「第二の軸」とは、上記のとおり第一の軸に垂直な軸を意味するものであるが、第一の軸に垂直な面上にある軸であればいずれの方向のものを採用しても良い。即ち、「第二の軸に沿った第一の誘電体と第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さい」とは、いずれの方向のものを第二の軸として採用した場合であっても、その軸方向に沿ったそれぞれの間の屈折率の差が0.05より小さくなっていることを意味する。
【0015】
第一の軸において第一の誘電体と第二の誘電体の屈折率の差を0.05より大きくすると、第二偏波に対するバンドギャップ幅が広くなり、より広範囲な波長の光において第二偏波を反射することができるようになり、斜めから入射される光に対し偏光分離される光が殆どシフトすることがない。また第二の軸において第一の誘電体と第二の誘電体の屈折率の差が0.05より小さくすることで第一偏波に対するバンドギャップを消滅させ、第一偏波がフォトニック結晶構造即ち本偏光子を透過することとなるため、高い光利用効率も達成することができる。なお第一の軸における屈折率の差は0.05より大きいことが必要であるが、0.15より大きいことがより望ましく、0.30よりも大きいことが更に望ましい。また、第二の軸における屈折率の差は0.05より小さいことが必要であるが、0.03よりも小さいことがより望ましく、0.01よりも小さいことが更に望ましい。なおこで「第一偏波」とは、偏光子に入射される光のうち、第二の軸に沿って(光の進行方向と第二の軸を含む平面上において)電場が振動する成分を有する偏波をいい、「第二偏波」とは、第一の軸に沿って(光の進行方向と第一の軸を含む平面上において)振動する成分を有する偏波をいう。なお通常、フォトニック結晶構造が第一の軸、第二の軸において鏡映対称性を有していれば固有モードは第一偏波と第二偏波で分類することができる。第一偏波に対するフォトニックバンドギャップの周波数帯域では、第1偏波の入射光は遮断され、第2偏波のフォトニックバンドのバンドギャップ周波数帯域では第二偏波の入射光が遮断される。すなわちこの周波数帯域においてフォトニック結晶構造体は第二偏波を反射し、第一偏波を透過させる偏光子としての動作が可能となっている。
【0016】
また、本発明に係る偏光子において、第二の誘電体は、第一の誘電体内に二次元正方格子構造又は二次元三角格子構造のいずれかを形成して配置されてなり、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率は、5〜78%の範囲内であることもより望ましい。確かに上記誘電体の配置構造や誘電率の差などにより高い偏光分離能と斜めから入射された光を反射する波長帯域が殆どシフトしない効果を達成することができるが、第一及び第二の誘電体の体積の関係において一方の誘電体が占める体積の率が高すぎると第二偏波に対するバンドギャップを形成する波長帯域を狭くしてしまう虞があるため、より幅広い波長帯域で偏光分離能を維持するためには最適な体積率を設計する必要がある。従って、二次元正方格子構造、二次元三角格子構造の場合、第一の誘電体と第二の誘電体において、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積は5〜78%とすることで更なる効果の向上を期待できる。なお、この場合において、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積は10〜50%がより望ましく、さらに望ましくは15〜30%である。また本発明に係る偏光子において、第二の誘電体が三次元単純立方格子構造を形成する場合は第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜53%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。また第二の誘電体が三次元体心立方格子構造を形成する場合は第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜68%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。また第二の誘電体が三次元最密充填構造を形成する場合は特に効果が顕著であり、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜74%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。
【0017】
また、本発明に係るフォトニック結晶は、第一の誘電体と、第一の誘電体内に二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなる第二の誘電体と、を有し、第一の誘電体と第二の誘電体の少なくとも一方は屈折率に異方性を有し、第一の誘電体と第二の誘電体との間における屈折率の差のうち最も大きな軸を第一の軸とし、第一の軸に対し垂直な軸を第二の軸とした場合、第一の軸に沿った第一の誘電体と第二の誘電体との間の屈折率の差は0.05より大きく、第二の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さいこととする。
【0018】
また、本発明に係るフォトニック結晶において、第二の誘電体は、第一の誘電体内に二次元正方格子構造又は二次元三角格子構造のいずれかを形成して配置されてなり、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率は、5〜78%の範囲内であることも望ましい。なおより望ましくは10〜50%、更に望ましくは15〜30%である。
【0019】
また、本発明に係るフォトニック結晶において、第二の誘電体は、第一の誘電体内に三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなり、第二の誘電体が三次元単純立方格子構造を形成する場合は第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜53%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。また第二の誘電体が三次元体心立方格子構造を形成する場合は第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜68%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。また本第二の誘電体が三次元最密充填構造を形成する場合は特に効果が顕著であり、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率が5〜74%の範囲内であることが望ましく、より望ましくは10〜40%、更に望ましくは15〜30%である。
【発明の効果】
【0020】
以上、本発明によって従来の偏光子と比較しても偏光分解能を低下することなく光利用効率を飛躍的に高め、正面からだけでなく斜め方向から入射される光に対しても高い偏光分解能を維持し、更には光の入射する角度によって偏光分離する波長帯域がシフトすることを大幅に低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
図1に、本実施形態に係る偏光子(以下「本偏光子」ともいう。)に用いられるフォトニック結晶の模式図を示す。
【0023】
図1に示す偏光子は、少なくとも2種類の材料を用いて構成されている。本偏光子は、第一の誘電体と、第一の誘電体の内に配置される第二の誘電体とを有し、第二の誘電体は、図1に例示される二次元正方格子、二次元三角格子、三次元単純立方格子、三次元体心立方格子、三次元面心立方格子、のすくなくともいずれかを形成して配置されてなることを特徴としている(なお図1中、白色の部分が第1の誘電体を、灰色の部分が第2の誘電体を夫々示している。また、ここで「第一」、「第二」とはそれぞれ光学的に異なる誘電体であることを意味しているに過ぎず、第一、第二という用法により本発明の範囲が限定されることはない。また、材質は同一であっても延伸等の処理を施すことにより光学特性を異ならせることができるため、このような場合においても第一の誘電体と第二の誘電体に該当する)。また、第一の誘電体と第二の誘電体において、少なくとも一方は屈折異方性を有し、第一の誘電体と第二の誘電体との屈折率の差がもっとも大きくなる方向を第一の軸とした場合、この第一の軸に沿った方向における屈折率の差は0.05より大きく、またこの第一の軸に直行した軸(第二の軸)における屈折率の差は0.05より小さいことを特徴とする。なお、第一の軸に沿った方向における屈折率の差は0.15より大きいことがより望ましく、更には0.30より大きいことが望ましい。また、第二の軸に沿った屈折率の差は0.05より小さいことが望ましく、0.03より小さいことがより望ましく、更には0.01より小さいことが望ましい。
【0024】
第一の誘電体と第二の誘電体との間の屈折率の差について、第一の軸に沿った方向における屈折率の差と、第一の軸に直行する軸における屈折率の差が異なる範囲を有することは第一の誘電体、第二の誘電体のうち少なくとも一方の誘電体は屈折率に異方性を有していることを示している。但し、屈折率に異方性を有している限り第一の誘電体のみが屈折率の異方性を有していても良く、第二の誘電体のみが屈折率の異方性を有していても良い。更には双方とも屈折率の異方性を有している場合もある。また、上記屈折率の差を生ずる限り、第一の誘電体が屈折率の異方性を有していても良いし、第二の誘電体が屈折率の異方性を有していても良い。
【0025】
第一又は第二の誘電体に用いることができる材料としては使用を所望する波長域において透明性が確保でき、上記の屈折率の関係を満たすものであれば特に限定はないが、結晶質または半結晶質材料が望ましく、結晶性ポリマー、非結晶性ポリマー、液晶性ポリマー、無機酸化物またそれらの適当な組み合わせが好適に用いられる。また、第一及び第二の誘電体それぞれは、上記の条件を満たす限りにおいて、下記に示す単独の材質から構成されていても良いし、下記の材質を複合させたものであっても良い。
【0026】
第一又は第二の誘電体の材料のより具体的な例としては、ポリエチレンナフタレート(PEN)、そのイソマー、ポリアルキレンテレフタレート(例:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなど)、ポリイミド(例:ポリアクリルイミド)、ポリエーテルイミド、アタクチックポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート(例:ポリイソブチルメタクリレート、ポリプロピルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートおよびポリメチルメタクリレートなど)、ポリアクリレート(例:ポリブチルアクリレートおよびポリメチルアクリレート)シンジオタクチックポリスチレン(sPS)、シンジオタクチックポリ−α−メチルスチレン、シンジオタクチックポリジクロロスチレンコポリマーおよびこれらのポリスチレンの任意の配合物、セルロース誘導体(例:エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースニトレートなど)、ポリアルキレンポリマー(例:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレンおよびポリ(4−メチル)ペンテンなど)、フッ化ポリマー(例:パーフルオロアルキル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレン−プロピレンコポリマー、ポリビニリデンフルオリドおよびポリクロロトリフルオロエチレンなど)、塩化ポリマー(例:ポリビニリデンクロリドおよびポリ塩化ビニルなど)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコーン樹脂、エラストマー(例:ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびネオプレンなど)およびポリウレタンなどが挙げられる。また、例えばPENのコポリマー(例:2,6−、1,4−、1,5−、2,7−および/または2,3−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステルとテレフタル酸またはそのエステル、イソフタル酸またはそのエステル、フタル酸またはそのエステル、アルカングリコール、シクロアルカングリコール、アルカンジカルボン酸および/またはシクロアルカンジカルボン酸(例:テレフタル酸またはそのエステルと、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル、イソフタル酸またはそのエステル、フタル酸またはそのエステル、アルカングリコール、シクロアルカングリコール(例:シクロヘキサンジメタンジオールなど)、アルカンジカルボン酸および/またはシクロアルカンジカルボン酸(例:シクロヘキサンジカルボン酸など)とのコポリマーなど)、およびスチレンコポリマー(例:スチレン−ブタジエンコポリマーおよびスチレン−アクリロニトリルコポリマーなど)、4,4−ビベンジル酸およびエチレングリコールなどのコポリマー)が好適に用いられる。また、上記各誘電体は上述したポリマーまたはコポリマー2種類以上の配合物(例:sPSとアタクチックポリスチレンとの配合物など)を含んでいてもよい。上述したcoPENも、少なくとも1つの成分がナフタレンジカルボン酸を主成分とするポリマーであって、他の成分がPETやPENまたはco−PENなどの他のポリエステルまたはポリカーボネートであるペレットの配合物であってもよい。また光重合性液晶モノマーで光重合性官能基としてアクリロイオキシ、メタクリロイオキシ、オキシラニルメトキシ、オキシラニル、3,4−エポキシシクロヘキシルオキシ、およびエテニルオキシ基、オキセタン基、チイランキ基等、スペーサーとしてアルキル、アルキルオキシ、オリゴエチルオキシ、オリゴイソプロピルオキシ基等、その他メソゲンおよびスペーサーの例についてはLiquid Crystals in Tabellen,(1巻およびII巻、VEB Leipzig,1974年と1984年)に示されている液晶類の中に見られる。さらにシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物群から適宜選択されたものを好適に用いることができる。
【0027】
二次元正方格子、二次元三角格子において、周期性を有していない軸方向(例えば図1の二次元正方格子及び二次元三角格子においてはy軸方向)に対しては、一様な構造であることが望ましいが、一様でない構造であっても、入射する波長に対して十分に長い距離(概ね100波長以上)だけ一様であれば光学的に類似した構造と考えることができ、たとえ周期的であっても一様なものとほぼ同じと考えることができる。従って、二次元正方格子、二次元三角格子において第二の誘電体は連続体である必要は必ずしもない。また第二の誘電体の断面についても上記の条件を満たしている限り特段に制限は無く、例えば円形、三角形、四角形などの自由度を有している。なお、二次元正方格子、二次元三角格子における周期長(格子定数)は後述する反射する偏波を幅広い波長範囲で実現するために適宜調整可能であり、格子構造により最適範囲は異なるが概ね80〜500nm程度であることが望ましい。
【0028】
三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、三次元面心立方格子はx、y、z方向に周期性を有している。なお図1で示す三次元立方格子は三次元最密充填構造であって、他に六方最密充填構造も可能である。
【0029】
上記の三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、三次元最密充填構造においては、格子を形成する位置に第二の誘電体が配置されることにより達成でき、その形状についても上記条件を満たす限りにおいて特段の制限は無く、球形、立方体などの自由度を有しており、更には、これら格子を形成する位置に配置された誘電体がそれぞれ部分的につながった共連続構造であっても良い。
【0030】
次に、本偏光子における偏光分離について説明するが、本偏光子に入射される光は、上述のいずれの格子を採用した場合においても、z軸に沿って入射されるものと仮定し、第一の誘電体と第二の誘電体との間で最も大きな屈折率を示す軸(第一の軸)をy軸、この軸に対して直交する軸(第二の軸)をx軸とする。また入射する光のうち、第二の軸に沿った偏光成分を第一偏波とし、第一の軸に沿った偏光成分を第二偏波ということとする。
【0031】
この場合において、第一の軸において、第一の誘電体と第二の誘電体の屈折率の差が0.05より大きいときは、第二偏波に対するバンドギャップ幅が広くなり、より広範囲な波長の光において第二偏波を反射することができ、第二の軸において、第一の誘電体と第二の誘電体の屈折率の差が0.05より小さいときは、第一偏波に対するバンドギャップが消滅し、第一偏波成分がフォトニック結晶構造即ち本偏光子を透過することとなる。
【0032】
以上、第一偏波を透過させる一方で、第二偏波を広い波長範囲において反射させることができるため、光が入射される方向が垂直方向(y軸に沿った方向より)傾いた場合であっても、極めて高い偏光分離能を有することとなる。
【0033】
ところで、第一及び第二の誘電体の体積の関係において、一方の誘電体が占める体積の率が高すぎると第二偏波に対するバンドギャップを形成する波長帯域が狭くなる、即ち偏光分離能を発現する波長帯域が非常に狭くなってしまうまたは消滅してしまうため、幅広い波長帯域で偏光分離能を維持するためには最適な体積率を設計する必要がある。最適な体積率は、各格子構造において最も大きい屈折率の差を有する第一の軸に沿った屈折率の差に応じて変化するため、第二偏波に対するバンドギャップの波長幅が最大となる最適な体積分率は、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積の率(以下「体積率」という。)を徐々に変化させて計算することによって求めることができる。即ち、光の周波数が第二偏波のバンドギャップの中にあれば、その偏波は周期構造体の中で伝搬することができず入射光は反射または回折されることとなる一方、光の周波数がエネルギーバンド内にあれば、周期構造体の中を光は波数ベクトルを保存しながら透過することができるため、この範囲を計算することで最適化する。例えば図1に示す二次元正方格子構造、二次元三角格子構造の場合、第一の誘電体と第二の誘電体において、第一の誘電体に対する第二の誘電体の体積は5〜78%が望ましく、より望ましくは10〜50%、さらに望ましくは15〜30%である。また、三次元単純立方格子構造の場合は5〜53%、三次元体心立方格子構造の場合は5〜68%、三次元最密充填構造の場合は5〜74%が望ましい。なお、上記三次元単純立方格子、三次元体心立方格子、三次元最密重点構造のいずれにおいても、より望ましくは40%以下、更に望ましくは30%以下である。
【0034】
以上、本偏光子において、第二の軸に沿った方向では屈折率の変調を受けずバンドギャップが形成されないため、第一偏波を透過させる一方、第一の軸に沿った方向では屈折率の変調を受けるためバンドギャップが形成され第二偏波を反射させることとなる。これによりことによって面型偏光子として作用させることができるようになる。そして更に、周期長や体積率を調節することによって、第二偏波のバンドギャップの波長範囲を任意に調節することができることによって、周期長の異なるフォトニック結晶を適宜重ね合わせることによって幅広い波長範囲において面型偏光子として動作することが可能となる。
【0035】
なおここで、上記の構造のうちの一例、二次元正方格子構造において屈折率を考慮した理論的な解析について説明しておく。なおもちろん、他の格子構造に対しても同様な計算を行うことができる。
【0036】
図1に例示する二次元正方格子構造は周期構造を有するため、1周期領域について注目し、フォトニックバンド構造を計算する。計算は平面波展開法を用いるが、計算の方法は森北出版株式会社迫田和彰著フォトニック結晶入門等が詳しい。
【0037】
図1に示す構造において、周期の長さをL、第1の誘電体のx軸の屈折率をn1x、y軸の屈折率をn1y、z軸の屈折率をn1z、とする。第2の誘電体も同様にn2x,n2y,n2zとする。
【0038】
またこの場合の一例として、n1x=1.50、n1y=1.50、n1z=1.50、n2x=1.50、n2y=2.00、n2z=1.50とし、体積率第一の誘電体=75%、第二の誘電体=25%とし、第二の誘電体のyz平面により切り取られる断面形状を円形とした場合、xy面に垂直に入射する光(k//Z軸)の第一偏波、第二偏波に対するバンド構造を図2に示す。図2の横軸は逆格子空間でのz軸方向無次元化した波数ベクトルkを、縦軸は無次元化した周波数を意味し、曲線の不連続はバンドギャップを示している。
【0039】
図2によると、第一偏波に対してはバンドギャップが形成されていない一方、第2偏波に対してはバンドギャップが形成されている。このことからこのバンドギャップの周波数帯域においては第一偏波を透過、第二偏波成分を反射させることができ、高い偏光分離能を有することができ、偏光子として利用可能となる。
【0040】
また本偏光子は様々な手法により作成することができ、特段に限定されるものではないが例えば二次元三角格子構造、三次元最密充填格子構造を有する偏光子の製造方法の一例としては以下のような手法が考えられる。
【0041】
まず二次元三角格子構造を有する偏光子を製造する方法として、芯の部分にポリエチレンナフタレート、鞘の部分にポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフタレートの共重合ポリマーとする芯鞘構造を有する繊維を用い、これらを複数本束ねて加熱圧縮することが挙げられる。なおこの場合において例えば芯の直径を5μm程度、繊維の直径を10μm程度、束ねる本数を300本程度とした場合、加熱圧縮して100倍程度まで延伸すれば、芯のポリエチレンナフタレートの径が200nm、繊維全径が400nmの二次元三角格子を実現できる。またこの場合において、芯のポリエチレンナフタレート部分は延伸によって高複屈折となり鞘の部分の共重合ポリマーは延伸によって複屈折性を示さないことから第一の軸に沿った屈折率の差(最も大きな屈折率の差)は0.05より大きな屈折率の差を有する一方、第一の軸に直交する軸(第二の軸)では0.05より小さな屈折率差を有することとなる。
【0042】
また、三次元最密充填構造を有する偏光子を製造する方法として、SO−基を付与した粒径150nm程度のコロイダルシリカをアクリルアミドモノマー、N,N−メチレンビスアクリルアミド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミドを含む純水中へ分散させコロイド結晶状態とした後、紫外線光を照射してゲル化させて固定化し、このゲルを自然乾燥させ溶媒である水を除き、乾燥したゲルに光硬化性の液晶性モノマーを含浸させ磁場をかけて一軸方向に液晶分子を配列することが考えられる。この方法によると、液晶分子の一軸配向性を保ったまま紫外線を照射することによって粒子配列を完全に固定化することができ、液晶分子が配列する方向は図1のy軸方向となりx軸とz軸の屈折率はコロイダルシリカとほぼ等しくなることによって三次元最密充填構造をもつ偏光子を実現できる。
【実施例】
【0043】
以下、本実施形態に係る偏光子について、実施例を示しさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の数値に限定されるものではもちろんない。
【0044】
図1に示す各格子構造を有する偏光子について、表1に設定するパラメーター用い、フォトニックバンド計算を行った。
【表1】

【0045】
ここで周期Lは構造における格子の各格子点間の最短距離を示し、n1x、n1y、n1zは第一の誘電体のx、y、z軸方向の屈折率を、n2x、n2y、n2zは第2の誘電体のx、y、z軸方向の屈折率をそれぞれ示す。また体積率は単位ユニットあたりの第一の誘電体、第2の誘電体の体積分率を示している。
【0046】
フォトニック結晶における光の進行方向は通常、スネルの法則には従わないと考えられが、本実施例で使用する2種以上の誘電体の屈折率の差のように、第一の誘電体と第二の誘電体との間の屈折率の差が小さい第二の軸に対しては、第二偏波に対する波数ベクトルkと周波数の分散関係の変化は少なく、一様な物質として考えることができ、スネル法則にほぼ従うと考えられる。
【0047】
また、特に制限されるものではないが、本実施例で用いた誘電体の屈折率は1.5〜2.5であり、最も大きい屈折率の差を有する場合であっても1.0であることから、ほぼスネルの法則に従うと考えられる。これよりフィルム面に対して80°以上の角度で空気界面からフォトニック結晶構造に入射した光においても、フォトニック結晶中の進行角度はスネルの法則より45°以内となる。よってフォトニック結晶中を進行する光フィルム対して0°〜45°以内の進行角度においてバンドギャップ形成すればXZ、YZ面から入射する光に対してフォトニックバンドギャップを形成することができる。
【0048】
(実施例1)
図1に例示する二次元正方格子構造について、表1に示すパラメーターを用いて、xz面,yz面において波数ベクトルkがz軸に対して0°、30°、45°の角度で進行するときのバンド計算を行った。この結果、第二偏波の波数ベクトルkがxz面内でz軸に対して0°のとき536〜567nm、30°のとき465〜492nm、45°のとき392〜417nmの波長範囲でバンドギャップを形成し、yz面内でz軸に対して30°のとき463〜482nm、45°のとき380〜386nmの波長範囲でバンドギャップを形成することを見出した。この結果を表2に示す。
【表2】

【0049】
この結果、第二偏波成分をもつ波数ベクトルkに対してはバンドギャップが形成され、第一偏波成分をもつ波数ベクトルkに対してバンドギャップを形成しないことが確認された。即ちXZ,YZ面内において全角度で入射した光に対してバンドギャップが形成され、偏光分離機能を有することを見出した。
【0050】
(実施例2〜4)
構造を2次元三角格子構造、3次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造に変更した以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果、実施例1の結果と同様、二次元三角格子構造、二次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造において、XZ、YZ面内全角度で入射した光に対してバンドギャップが形成され偏光分離機能を有することを見出した。
【0051】
(実施例5)
構造を最密充填構造に変更した以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果実施例1と同様、この結果、実施例1の結果と同様、最密充填構造において、xz、yz面内全角度で入射した光に対してバンドギャップが形成され偏光分離機能を有することを見出した。なお、実施例1〜4の二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造においては入射角度が大きくなるにつれて短波長側へバンドギャップ波長帯域がシフトし、角度による色変化が発生する場合があるが、特に、本実施例の三次元最密充填格子構造においては入射角度による短波長シフトがより小さいことから特に色変化の抑制に非常に効果があることを見出した。
【0052】
(実施例6)
構造を最密充填格子構造としてn2Yの値を1.75から2.50に変更した以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。本実施例のシミュレーションの結果、実施例4と比較してバンドギャップの幅が広くなったため、n1Yとn2Yの屈折率差が大きいほど偏光分離素子として利用できる波長帯域が広くなることを確認した。
【0053】
(実施例7)
1Yの値を1.50から1.75へ、n2Yの値を1.75から1.50へ、第1の誘電体の体積率を26%、第2の誘電体の体積率を74%とした以外は、実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果、第1の誘電体と第2の誘電体において最も屈折率差のある第1の軸の屈折率において第一の誘電体、第二の誘電体のどちらが大きい場合であってもほぼ同様の偏光分離能を示すことを見出した。
【0054】
(実施例8)
第一の誘電体の体積分率を74%とし、第二の誘電体の体積分率とした以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果、第二の誘電体の体積率が74%まで増加した場合、バンドギャップの波長幅が非常に狭くなり入射角度によっては非常に狭くなるが偏光分離素子として動作することを確認した。
【0055】
(比較例1)
2Xの値を1.58に変更した以外は実施例1と同様の条件でシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果、第二偏波の波数ベクトルkに対しては実施例1と同様の結果となったが、第一偏波の波数ベクトルkに対してはバンドギャップを形成してしまうことから。第一偏波、第二偏波の波数ベクトルkに対してバンドギャップを形成する波長帯域が重なる部分に関しては偏光分離能を示さないことが見出された。
【0056】
(比較例2)
フォトニック結晶構造をダイヤモンド構造に変更した以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。ダイヤモンド構造では特定の入射角度のみでしか偏光分離能として機能しないことが見出された。
【0057】
(比較例3)
フォトニック結晶構造をウッドパイル格子構造に変更した以外は実施例1と同様にしてシミュレーションを実施した。結果を表2に示す。この結果、ウッドパイル格子構造ではn1Yとn2Yの差が1.0と大きくてもバンドギャップの幅は狭く入射角度によっては消滅することから偏光分離素子として機能しない角度が存在することが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施例に係る偏光子の有するフォトニック結晶の格子構造の模式図。
【図2】本発明に係るフォトニック結晶の一例のバンド構造を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の誘電体と、
該第一の誘電体内に二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなる第二の誘電体と、を有し、
前記第一の誘電体と前記第二の誘電体の少なくとも一方は屈折率に異方性を有し、前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との間における屈折率の差のうち最も大きな軸を第一の軸とし、該第一の軸に対し垂直な軸を第二の軸とした場合、前記第一の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との間の屈折率の差は0.05より大きく、前記第二の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さい偏光子。
【請求項2】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に二次元正方格子構造又は二次元三角格子構造のいずれかを形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜78%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
【請求項3】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に三次元単純立方格子構造を形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜53%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
【請求項4】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に三次元体心立方格子構造を形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜68%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
【請求項5】
前記第二の誘電体は、前記三次元最密充填格子構造を形成して配置されてなることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
【請求項6】
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜74%の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の偏光子。
【請求項7】
第一の誘電体と、
該第一の誘電体内に二次元正方格子構造、二次元三角格子構造、三次元単純立方格子構造、三次元体心立方格子構造、又は三次元最密充填格子構造のいずれかを形成して配置されてなる第二の誘電体と、を有し、
前記第一の誘電体と前記第二の誘電体の少なくとも一方は屈折率に異方性を有し、前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との間における屈折率の差のうち最も大きな軸を第一の軸とし、該第一の軸に対し垂直な軸を第二の軸とした場合、前記第一の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との間の屈折率の差は0.05より大きく、前記第二の軸に沿った前記第一の誘電体と前記第二の誘電体との屈折率との差は0.05よりも小さいフォトニック結晶。
【請求項8】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に二次元正方格子構造又は二次元三角格子構造のいずれかを形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜78%の範囲内であることを特徴とする請求項7記載のフォトニック結晶。
【請求項9】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に三次元単純立方格子構造を形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜53%の範囲内であることを特徴とする請求項7記載のフォトニック結晶。
【請求項10】
前記第二の誘電体は、前記第一の誘電体内に三次元体心立方格子構造を形成して配置されてなり、
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜68%の範囲内であることを特徴とする請求項7記載のフォトニック結晶。
【請求項11】
前記第二の誘電体は、前記三次元最密充填格子構造を形成して配置されてなることを特徴とする請求項7記載のフォトニック結晶。
【請求項12】
前記第一の誘電体に対する前記第二の誘電体の体積の率は、5〜74%の範囲内であることを特徴とする請求項7記載のフォトニック結晶。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−284883(P2006−284883A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104182(P2005−104182)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(304021831)国立大学法人 千葉大学 (601)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】