フタロシアニン結晶、電子写真感光体、並びにそれを用いた電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
【課題】高い感度を有し、且つ、使用環境の湿度変化に対する感度の変動が少なく、太陽電池、電子ペーパー、電子写真感光体等の材料として好適に用いることのできる、優れたフタロシアニン結晶を提供する。
【解決手段】フタロシアニン結晶前駆体を芳香族アルデヒド化合物に接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られるフタロシアニン結晶である。
【解決手段】フタロシアニン結晶前駆体を芳香族アルデヒド化合物に接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られるフタロシアニン結晶である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
フタロシアニン結晶前駆体を芳香族アルデヒド化合物に接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項2】
有機酸、有機酸無水物及びヘテロ原子を有する有機酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下、酸性を示す官能基を有さない有機化合物に、フタロシアニン結晶前駆体を接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項3】
1013hPa、25℃の条件下において固体であり、電子吸引性の置換基を有する芳香族化合物の存在下、1013hPa、25℃の条件下において液体状態であり、酸性を示す官能基を有さない有機化合物と、フタロシアニン結晶前駆体とを接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項4】
酸素原子を含有する基、及び、原子量30以上のハロゲン原子を置換基として有する芳香族化合物に、フタロシアニン結晶前駆体を接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項5】
前記の酸素原子を含有する基が、カルボニル基を有する有機基、ニトロ基及びエーテル基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする、請求項4記載のフタロシアニン結晶。
【請求項6】
フタロシアニンの結晶型を変換する工程を、水の共存下で行なうことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項7】
少なくともオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項8】
CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる回折ピークを有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項9】
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、請求項1〜8の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項10】
導電性支持体上に膜厚35±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(1)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする、電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.059 (1)
(上記式(1)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項11】
導電性支持体上に膜厚30±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(2)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.061 (2)
(上記式(2)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項12】
導電性支持体上に膜厚25±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(3)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.066 (3)
(上記式(3)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項13】
導電性支持体上に膜厚20±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(4)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.079 (4)
(上記式(4)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項14】
導電性支持体上に膜厚15±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(5)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.090 (5)
(上記式(5)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項15】
該感光層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする、請求項10〜14の何れか一項に記載の電子写真感光体。
【請求項16】
該感光層が、請求項1〜8の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする、請求項10〜15の何れか一項に記載の電子写真感光体。
【請求項17】
請求項10〜16の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
【請求項18】
請求項10〜16の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
フタロシアニン結晶前駆体を芳香族アルデヒド化合物に接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項2】
有機酸、有機酸無水物及びヘテロ原子を有する有機酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の存在下、酸性を示す官能基を有さない有機化合物に、フタロシアニン結晶前駆体を接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項3】
1013hPa、25℃の条件下において固体であり、電子吸引性の置換基を有する芳香族化合物の存在下、1013hPa、25℃の条件下において液体状態であり、酸性を示す官能基を有さない有機化合物と、フタロシアニン結晶前駆体とを接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項4】
酸素原子を含有する基、及び、原子量30以上のハロゲン原子を置換基として有する芳香族化合物に、フタロシアニン結晶前駆体を接触させることにより結晶型を変換する工程を経て得られることを特徴とするフタロシアニン結晶。
【請求項5】
前記の酸素原子を含有する基が、カルボニル基を有する有機基、ニトロ基及びエーテル基からなる群より選ばれる基であることを特徴とする、請求項4記載のフタロシアニン結晶。
【請求項6】
フタロシアニンの結晶型を変換する工程を、水の共存下で行なうことを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項7】
少なくともオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項8】
CuKα特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる回折ピークを有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶。
【請求項9】
導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、請求項1〜8の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする電子写真感光体。
【請求項10】
導電性支持体上に膜厚35±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(1)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする、電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.059 (1)
(上記式(1)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項11】
導電性支持体上に膜厚30±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(2)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.061 (2)
(上記式(2)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項12】
導電性支持体上に膜厚25±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(3)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.066 (3)
(上記式(3)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項13】
導電性支持体上に膜厚20±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(4)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.079 (4)
(上記式(4)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項14】
導電性支持体上に膜厚15±2.5μmの感光層を有する電子写真感光体において、温度25℃、相対湿度50%rhにおける半減露光量E1/2が下記式(5)を満たし、且つ、温度25℃、相対湿度50%rhにおける光減衰曲線と温度25℃、相対湿度10%rhにおける光減衰曲線とを比較したときに、半減露光量E1/2の0倍以上10倍以下の露光量の範囲において、同じ露光量における表面電位の差の絶対値が50V未満であることを特徴とする電子写真感光体。
E1/2 ≦ 0.090 (5)
(上記式(5)において、E1/2は、感光体の表面電位V0の絶対値|V0|を550Vから275Vまで減衰させるのに必要とされる波長780nmの光の露光量(μJ/cm2)を表わす。)
【請求項15】
該感光層がオキシチタニウムフタロシアニンを含有することを特徴とする、請求項10〜14の何れか一項に記載の電子写真感光体。
【請求項16】
該感光層が、請求項1〜8の何れか一項に記載のフタロシアニン結晶を含有することを特徴とする、請求項10〜15の何れか一項に記載の電子写真感光体。
【請求項17】
請求項10〜16の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部、該電子写真感光体上をクリーニングするクリーニング部のうち、少なくとも一つとを備えることを特徴とする電子写真感光体カートリッジ。
【請求項18】
請求項10〜16の何れか一項に記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電させる帯電部、帯電した該電子写真感光体を露光させ静電潜像を形成する露光部、及び該電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公開番号】特開2008−19417(P2008−19417A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73260(P2007−73260)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】
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