フラットハーネス
【課題】小型化が可能なフラットハーネスを提供する。
【解決手段】複数の導電路31が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体30と、回路基板30の各導電路31に接合された導電路接合部22を備える複数の端子金具20と、端子金具20を収容する複数の端子収容室13が回路構成体30の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジング11とを備える。
【解決手段】複数の導電路31が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体30と、回路基板30の各導電路31に接合された導電路接合部22を備える複数の端子金具20と、端子金具20を収容する複数の端子収容室13が回路構成体30の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジング11とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、例えば自動車等の車両に搭載されたバッテリに接続される電圧検知線及びその端末に設けられたコネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、リチウムイオンバッテリの電圧検出に用いられるもので、現状では1セル毎に電圧検出を行っているため、各セルに接続された電圧検知線を複数本束ね、これを引き回して出力側の機器に接続するためのコネクタに連ねた構成をなしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−18478号公報
【特許文献2】特開2002−260804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電圧検知線は一般にセルの数だけ必要であるため、電圧検知線を絶縁被覆電線とするとハーネスが嵩張り、重量も重くなるという問題があった。
【0005】
そこで、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)といったフラット電線を絶縁被覆電線の代替として適用(例えば特許文献2参照)することも考えられる。この種のフラット電線では、複数の導電路を狭ピッチで横一列に並列させて導電路を高密度化することができ、絶縁被覆電線を束ねたハーネスに比べて薄型化および軽量化を図ることができるはずだからである。ところが、フラット電線の端末にはコネクタを設けねばならず、そのコネクタの端子間ピッチは、端子金具そのもののサイズの制約から、フラット電線の導電路ほどは狭ピッチ化できないという事情がある。このため、フラット電線を使用しても、その導電路の高密度性を十分に活かすことができず、コネクタ側の制約によってコネクタハウジングの横幅を広くせざるを得ず、結局、配索スペースの限られるバッテリモジュールには適用しにくいことがあった。このため、フラット電線を絶縁被覆電線の代替としつつ、コネクタを含むフラットハーネスの小型化が求められていた。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、全体の小型化が可能なフラットハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフラットハーネスは、複数の導電路が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体と、前記回路構成体の各導電路に接合された導電路接合部を備える複数の端子金具と、前記端子金具を収容する複数の端子収容室が前記回路構成体の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジングとを備える。
【0008】
このような構成によれば、コネクタ部分を含むフラットハーネスの小型化が可能である。即ち、コネクタハウジングに端子収容室を複数段に積層させて設けることで、コネクタハウジングの横幅を狭くすることができる。そして、端子金具に接合された回路構成体は、可撓性を有するから、バッテリモジュールの狭い配索スペース内でも自在に経路を変えつつ配策することができる。
【0009】
前記回路構成体は、前記導電路に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部を有することが望ましい。このような構成とすれば、導電路が形成された回路構成体を折り曲げることで、それに接合された端子金具を多段配置し、対応する端子収容室に収容することができる。よって、複数の導電路を1枚の回路構成体上に形成することができるから、例えば導電路を絶縁被覆電線により構成する場合と比較して小型化を図ることができる。また、端子収容室の段ごとに1枚の回路構成体を配置し、それを多段に積層させる場合と比較して、より少ない枚数の回路構成体にて導電路を形成することができるから、部品点数を抑えることができ、製造効率の向上にも寄与できる。
【0010】
前記端子金具は前記端子収容室に収容される角筒状の端子接続部と、前記端子接続部から延出された平板状の前記導電路接合部とを備え、前記回路構成体には、前記各導電路の端末部に前記導電路接合部を重ね合わせて接合する接合用パッドが形成されていてもよい。このように、端子金具の平板状の導電路接合部を同じく平板状の回路構成体の接合用パッドに重ね合わせることで接合する構成とすれば、その接合手段は簡易となるから、この製造工程の自動化を容易に図ることができる。また回路構成体上に複数の接合用パッドを配置すれば、その接合用パッドに、対応する複数の端子金具を同時に接合させることができる。よって、例えば導電路を絶縁被覆電線で構成し、絶縁被覆電線1本1本に端子金具を取り付けていた場合と比較して、接合手段が容易なことや、同時に複数の端子金具を接合させることができるといった点等から、製造効率の向上が期待できる。
【0011】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部と、を備え、前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に位置する第1接合用基板部と、前記回路基板本体の延長上から外れて前記第1接合用基板部の側方に位置する第2接合用基板部とを備え、前記折り曲げ部が前記第1及び第2接合用基板部間に位置して前記回路基板本体の延長方向に沿って折り曲げられていてもよい。
【0012】
このような構成とすれば、従来の例えば導電路を絶縁被覆電線で構成していた場合と比較して、回路基板本体の幅寸法は、基板上に導電路を形成することで狭くすることができ、接合用基板部は端子金具の配置間隔に合わせて幅広く設定することが可能である。そして、この幅広く設定可能な接合用基板部においては、折り曲げ部で折り曲げることによって第2接合用基板部を第1接合用基板部に積層させれば、当該接合用基板部の幅寸法を回路基板本体の幅寸法に合わせることができる。よって、複数の端子金具を有するフラットハーネスであっても、端子収容室の配置に合わせて端子金具を回路構成体に接合させることができるとともに、接合用基板部を折り曲げて積層させれば、回路基板本体に合わせて小型化を図ることができる。
【0013】
前記回路構成体は、支持基板の両面に前記導電路を配設してなる両面基板であってもよい。例えば、折り曲げ部で折り曲げる前の回路構成体の同じ面に各接合用基板部の接合用パッドを設け、その接合用パッドに端子金具を同じ向きに接合し、これを折り返して第1接合用基板部上に第2接合用基板部を積層すると、各接合用基板部ごとに端子金具の積層方向の向きが反転してしまう。よって、端子金具の積層方向の向きを揃えるためには、両面基板を用い、その両面に配設された導電路を一方の面に形成された第1接合用基板部の接合用パッドに接続するものと、他方の面に形成された第2接合用基板部の接合用パッドに接続するものとに分ければ、折り曲げ部で折り曲げて積層させたときに、各端子金具の積層方向の向きを容易に揃えることができる。また、両面基板を用いれば、片面基板と同じ大きさで配設可能な導電路の数を増やすことができるから、小型化を図ることができる。
【0014】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部とを備え、前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に順に位置する第1及び第2の接合用基板部を備え、前記第2接合用基板部には前記第1接合用基板部の側方に位置して前記前記回路基板本体に連なる連絡部を有し、前記折り曲げ部は前記連絡部と前記回路基板本体との間に位置して前記回路基板本体の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられていてもよい。
【0015】
このような構成とすれば、接合用基板部を折り曲げて積層させることで、回路基板本体に合わせて小型化を図ることができる。また、第1接合用基板部に接合される端子金具と、第2接合用基板部に接合される端子金具とが、回路基板本体の延長上に位置し、折り曲げ部はこの回路基板本体の延長方向と略直交する方向に折り曲げられる構成とすることで、各接合用基板部の接合用パッドを回路構成体の同じ面に形成したとしても、端子金具の積層方向の向きを揃えることができ、製造上都合がよい。即ち、各接合用基板部の接合用パッドを回路構成体の同じ面に形成することができれば、一度に対応する端子金具を接合させることができるから、製造効率を向上させることができる。
【0016】
前記コネクタハウジングには前記端子収容室の後方からリテーナが装着されており、このリテーナには前記回路構成体を挿通させるスリットが形成されるとともに、前記コネクタハウジングに装着された状態で前記回路構成体を挟み込む基板挟持部を備えていてもよい。このような構成とすれば、たとえ回路構成体が引っ張られたとしても、コネクタハウジングに装着されたリテーナの基板挟持部が回路構成体を挟み込んでいるから、端子金具の導電路接合部との接続部分に上記外力が及ぶことを抑制し、端子金具と導電路との接続信頼性を確保することができる。また、リテーナに回路構成体を予め挿通させた状態で、コネクタハウジングに装着させれば、作業者がリテーナを掴んでコネクタハウジングの端子収容室に端子金具を収容する作業を行うことができるから、作業性を向上させることができるほか、回路構成体が座屈するのを防ぐことができる。
【0017】
前記リテーナは、前記回路構成体の延長方向に略直交する方向から前記回路構成体を挿通可能とされていてもよい。このような構成とすれば、回路構成体に端子金具を接合させた後であっても、リテーナを当該回路構成体に容易に挿通させることができるから、使い勝手に優れる。
【0018】
前記回路構成体はフレキシブルプリント基板であって、前記導電路はバッテリに接続される電圧検知線であってもよい。本発明のフラットハーネスをバッテリに接続される電圧検知線に適用すれば、小型化が可能であるから、配設部位において、省スペース化を図ることができる。また、導電路を従来の絶縁被覆電線でなく、フレキシブルプリント基板とすることで、軽量化が可能である。更に、回路構成体を屈曲させる場合であっても、フレキシブルプリント基板であればその屈曲状態を維持することが可能であるから、リテーナを装着せずとも端子金具間の間隔を維持することができ、取扱いに優れ、作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、全体の小型化が可能なフラットハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態1に係るフラットハーネスの斜視図
【図2】同平面図
【図3】同底面図
【図4】同側面図
【図5】図2のA−A断面図
【図6】フラットハーネスにフロントリテーナを装着する前の分解斜視図
【図7】バックリテーナの斜視図
【図8】同平面図
【図9】同側面図
【図10】回路基板の斜視図
【図11】同平面図
【図12】同底面図
【図13】端子金具を接合させた回路基板の斜視図
【図14】同平面図
【図15】同底面図
【図16】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態の斜視図
【図17】同側面図
【図18】実施形態1の変形例1に係る端子金具を接合させた回路基板に補強部材を取り付ける前の分解斜視図
【図19】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態において補強部材を取り付ける前の分解斜視図
【図20】実施形態2に係るフラットハーネスの斜視図
【図21】同正面図
【図22】図21のB−B断面図
【図23】バックリテーナの斜視図
【図24】同正面図
【図25】同側面図
【図26】端子金具を接合させた回路基板の斜視図
【図27】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態の斜視図
【図28】同側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図17によって説明する。
本実施形態のフラットハーネス10は、図示しないバッテリと、制御ユニットとの間に接続される電圧検知線に適用した場合を例示するものであって、コネクタハウジング11と、コネクタハウジング11に収容される端子金具20と、端子金具20に接合される導電路31が形成された回路基板30とを備える。以下、回路基板30の長さ方向のうち、コネクタハウジング11側を前側、他方を後側、回路基板30の幅方向と同方向をコネクタハウジング11の幅方向、コネクタハウジング11の第1リテーナ15が装着される側面を下面として説明する。
【0022】
コネクタハウジング11は、図1ないし図6に示すように、ブロック状をなす合成樹脂製であって、ハウジング本体12に、その後方から端子金具20を収容可能な複数のキャビティ13(端子収容室に相当する)が前後方向に貫通して形成されている。キャビティ13は、上下2段、幅方向に7室ずつ並列して配設されており、その各前端は、相手側のコネクタに保持された雄型の端子金具を挿通させる挿通孔13Aとされている。また、キャビティ13の後端は、後述する回路基板30を挟持する第2リテーナ40(リテーナに相当する)をその後方から挿入可能な第2リテーナ装着部13Bとされている。そして、キャビティ13の前後方向略中間部は、ハウジング本体12の下面に開口する第1リテーナ装着開口14に連通し、凹状に刳り抜かれた態様をなしている。
【0023】
キャビティ13内に収容される端子金具20は、金属板材をプレス成形する等して得られる雌型の端子金具であって、角筒状の端子接続部21の後端から後方へ平板状の導電路接続部22を延出させた構成のものである。導電路接合部22は、後述する回路基板30の接合用パッド36に重ね合わせた状態で接合されている。
【0024】
第1リテーナ15は、合成樹脂製であって、第1リテーナ装着開口14に対して仮係止位置と本係止位置との2段階に変位可能に装着されている。第1リテーナ15は、図2に示すように、上下2段のキャビティ13のうち、下段に対応する7つの貫通孔16を備えており、その上側壁と下側壁には、それぞれ上面から係止突部17が突設されている。第1リテーナ15が仮係止位置に装着された状態においては、各貫通孔16は下段のキャビティ13に連通するとともに、貫通孔16の上側壁は、上段のキャビティ13の下側壁の一部を構成する。そして、コネクタハウジング11の後方から各キャビティ13に端子金具20の挿抜を許容する。一方、第1リテーナ15が本係止位置に装着された状態においては、係止突部17が端子金具20の挿入経路内へと進出し、キャビティ13に収容された端子金具20の抜け止めがなされる。即ち、図6に示すように、各キャビティ13に対応する端子金具20を挿入させた後、仮係止位置の第1リテーナ15を本係止位置へと変位させることで、係止突部17が端子金具20の端子接続部21の後側(導電路接合部側)に嵌め込まれ、端子金具20はキャビティ13に対して引き抜き不能に係止される。
【0025】
第2リテーナ40は、合成樹脂製であって、回路基板30を挟持した状態で、キャビティ13の第2リテーナ装着部13Bに装着される。その構成は、図7ないし図9に示すように、ブロック状のリテーナ本体41に、前後方向に貫通するスリット42が形成されている。このスリット42は、後述する回路基板30の回路基板本体32を挿通可能な幅及び厚さ(高さ)寸法に切り込み形成されている。リテーナ本体41の前部には、各キャビティ13に対応して上下2段、幅方向に7つに分岐した基板挟持部43が形成されている。基板挟持部43は、それぞれが各キャビティ13内に挿入可能な片持ち状の弾性片であって、その先端は先細り形状をなしている。このような第2リテーナ40は、スリット42により回路基板30の回路基板本体32を保持すると共に、装着されたキャビティ13の第2リテーナ装着部13Bと基板挟持部43との間で接合用基板部33を挟持させることができる(図6参照)。
【0026】
続いて、回路基板30について図10ないし図17を用いて詳しく説明する。
回路基板30は、コネクタハウジング11の後端から導出され、その導出(延出)方向に沿って形成された導電路31により、図示しないバッテリとバッテリを制御する制御ユニットとの間を接続する電圧検知線様の機能を有する。この回路基板30は、フレキシブルプリント基板(FPC)であって、絶縁フィルムからなる支持基板の上下両面に銅製の導体箔によって導電路31を形成し、保護フィルムで覆った構成である。
【0027】
回路基板30は、帯状をなす回路基板本体32と、回路基板本体32の前端に設けられた接合用基板部33とを備えている。回路基板本体32には、その上下両面にそれぞれ7本の導電路31が並列に形成されている。接合用基板部33は、全体としてその先端が14本の接合片34A,35Aに分岐した櫛歯状をなしており、回路基板本体32の延長上に位置する第1接合用基板部34と、回路基板本体32の延長上から外れて第1接合用基板部34の両側方に位置する第2接合用基板部35とを備えている。
【0028】
図10及び図11に示す、回路基板30の上面30A側には、第2接合用基板部35の各第2接合片35Aに分岐して延びる第2導電路31Aが形成されており、各第2接合片35Aの前部には、対応する第2導電路31Aの端末に連なる第2接合用パッド36Aが形成されている。一方、図12に示す回路基板30の下面30B側には、第1接合用基板部34の各第1接合片34Aに分岐して延びる第1導電路31Bが形成されており、各第1接合片34Aの前部には、対応する第1導電路31Bの端末に連なる第1接合用パッド36Bが形成されている。
【0029】
第2接合用基板部35の第2接合片35Aには、図13及び図14に示すように、端子金具20の端子接続部21がその前部に位置するようにして導電路接合部22が重ね合わされ、対応する第2接合用パッド36Aに対して半田付けにより接合されている。同じようにして、第1接合用基板部34の第1接合片34Aには、図15に示すように、端子金具20の導電路接合部22が重ね合わされ、対応する第1接合用パッド36Bに対して半田付けにより接合されている。
【0030】
さて、第1接合用基板部34とその両側方に位置する第2接合用基板部35との間には、2段階に折り曲げ可能な折り曲げ部37が設けられている。折り曲げ部37は、図16及び図17に示すように、それぞれ回路基板本体32の延長方向に沿って折り曲げられることで、第1接合用基板部34の上に第2接合用基板部35が配置される。これに伴い、上下2段に配置された端子金具20の上下方向の向きは、同じ方向に揃った状態となり、コネクタハウジング11のキャビティ13の配置と整合することとなる。即ち、第2接合用基板部35の第2接合片35A及びそれに接合された端子金具20は、キャビティ13の上下2段のうち、上段に挿入可能とされ、第1接合用基板部34の第1接合片34A及びそれに接合された端子金具20は、キャビティ13の下段に挿入可能とされている。
【0031】
続いて、本実施形態のフラットハーネス10の組付方法について説明する。
まず、図10ないし図12に示すフラットな状態の回路基板30の接合用基板部33に端子金具20を接合する。具体的には、各接合用パッド36A,36Bに端子金具20の端子接続部21をリフロー半田付けにより接合する。続いて、折り曲げ部37において、外側に位置する第2接合用基板部35を内側の第1接合用基板部34上に折り込み(図16及び図17参照)、回路基板本体32をスリット42に挿通させた第2リテーナ40の基板挟持部43に、接合用基板部33を巻き込む。そして、基板挟持部43の各弾性片上に、対応する各接合片34A,35Aの後部から連結部分が載置された状態で、この第2リテーナ40を掴んでコネクタハウジング11の後方から端子金具20をキャビティ13の第2リテーナ装着部13Bへと挿入する。更に押し込んでいくと、第2リテーナ40の基板挟持部43が、キャビティ13内へと挿入されると共に、撓み変形して、各接合片34A,35Aは当該基板挟持部43とキャビティ13の内側壁との間に挟持される(図6参照)。これにより、回路基板30がコネクタハウジング11から引き抜かれるのを防止することができる。
【0032】
続いて、第1リテーナ15を図6に示す本係止位置に押し込むと、係止突部17が端子金具20の端子接続部21の後側へと嵌め込まれ、端子接続部21の後方への移動が妨げられる。これにより、端子金具20のコネクタハウジング11からの抜け止めがなされ、フラットハーネス10の組付けが完了する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、コネクタハウジング11を含むフラットハーネス10の小型化が可能である。即ち、コネクタハウジング11にキャビティ13を複数段積層させて設けることで、コネクタハウジング11の横幅を狭くすることができる。そして、端子金具20を接合した回路基板30は、可撓性を有するFPCからなるから、キャビティ13に収容される端子金具20に合わせてその形態を追従させることができる。よって、限られたスペースに配索されるフラットハーネス10であっても、端末のコネクタハウジング11を含めてそのスペースに合わせた形態への変更及び小型化が可能である。
【0034】
また、導電路31が形成された回路基板30を折り曲げることで、それに接合された端子金具20を多段配置し、対応するキャビティ13に収容することができる。よって、複数の導電路31を1枚の回路基板30上に形成することができるから、例えば導電路を絶縁被覆電線により構成する場合と比較して小型化を図ることができる。また、キャビティ13の段ごとに回路基板30を配置し、それを多段に積層させる場合と比較して、より少ない枚数の回路基板30にて導電路31を形成することができるから、部品点数を抑えることができ、製造効率の向上にも寄与できる。
【0035】
また、端子金具20と回路基板30とは、平板状の導電路接合部22を同じく平板状の回路基板30の接合用パッド36に重ね合わせることで簡易に接合できるから、この製造工程の自動化を容易に図ることができる。また回路基板30の同一面に複数の接合用パッド36を配置すれば、対応する複数の端子金具20を同時に接合させることができる。よって、例えば導電路を絶縁被覆電線で構成し、絶縁被覆電線1本1本に端子金具を取り付けていた場合と比較して、接合手段が容易なことや、同時に複数の端子金具を接合させることができるといった点等から、製造効率の向上が期待できる。
【0036】
また、従来の例えば導電路31を絶縁被覆電線で構成していた場合と比較して、FPCの配線パターンにより導電路31を構成することで、回路基板本体32の幅寸法を狭くすることができる。一方、接合用基板部33は、回路基板本体32の幅寸法に捉われず、端子金具20の配置間隔に合わせて幅広く設定することが可能である。そして、この幅広く設定可能な接合用基板部33においては、折り曲げ部37で折り曲げることによって第2接合用基板部35を第1接合用基板部34に積層させれば、当該接合用基板部33全体の幅寸法を回路基板本体32の幅寸法に合わせることができる。よって、複数の端子金具20を有するフラットハーネス10であっても、キャビティ13の配置に合わせて端子金具20を回路基板30に接合させることができるとともに、接合用基板部33を折り曲げて積層させれば、回路基板本体32に合わせて小型化を図ることができる。
【0037】
また、回路基板30は、支持基板の両面に導電路31を配設してなる両面基板である。例えば、折り曲げ部で折り曲げる前の回路基板の同じ面に各接合用基板部の接合用パッドを設け、その接合用パッドに端子金具を同じ向きに接合し、これを折り返して第1接合用基板部上に第2接合用基板部を積層すると、各接合用基板部ごとに端子金具の積層方向の向きが反転してしまう。よって、端子金具20の積層方向の向きを揃えるためには、両面基板を用い、その両面に配設された導電路31を下面30Bに形成された第1接合用基板部34の第1接合用パッド36Bに接続する第1導電路31Bと、上面30Aに形成された第2接合用基板部35の第2接合用パッド36Aに接続する第2導電路31Aとに分ければ、折り曲げ部37で折り曲げて積層させたときに、各端子金具20の積層方向の向きを容易に揃えることができる。また、両面基板を用いれば、片面基板と同じ大きさで配設可能な導電路31の数を増やすことができるから、小型化を図ることができる。
【0038】
また、第2リテーナ40の基板挟持部43と、キャビティ13の第2リテーナ装着部13Bとの間に接合用基板部33が挟持されているから、たとえコネクタハウジング11から導出された回路基板本体32が引っ張られたとしても、端子金具20の導電路接合部22と接合用基板部33の接合用パッド36との接合部分にその外力が及ぶのを抑制し、端子金具20と導電路31との接続信頼性を確保することができる。また、第2リテーナ40を回路基板本体32に予め挿通させた状態で、コネクタハウジング11に装着する構成とすれば、作業者が第2リテーナ40を掴んでコネクタハウジング11のキャビティ13に端子金具20を収容する作業を行うことができるから、作業性を向上させることができるほか、回路基板30が座屈するのを防ぐことができる。
【0039】
また、回路基板30をFPCにより構成し、導電路31をバッテリに接続される電圧検知線として利用することで、配設部位において省スペース化を図ることができる。また、導電路31を従来の絶縁被覆電線でなく、FPCとすることで、軽量化が可能である。更に、回路基板30を屈曲させる場合であっても、FPCであればその屈曲状態を維持することが可能であるから、第2リテーナ40を装着せずとも端子金具20間の間隔を維持することができ、取扱いに優れ、作業性を向上させることができる。
【0040】
以上本発明の実施形態1を示したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下のような変形例を含むこともできる。なお、以下の変形例において、上記実施形態と同様の部材には、上記実施形態と同符号を付して説明を省略するものもある。
【0041】
[実施形態1の変形例1]
実施形態1の変形例1について図18及び図19を用いて説明する。本変形例は、実施形態1とは、回路基板30の接合用基板部33に第2リテーナ40が装着されているのではなく、補強部材45、46が取り付けられているところが相違する。
【0042】
補強部材45,46は合成樹脂製であって、いずれも平板状をなしている。図18に示すように、第1補強部材45は、第1接合用基板部34の形状に合わせてその先端が7本に分岐した櫛歯状をなしている。この第1補強部材45は、第1接合用基板部34の上面に一致するように重ね合わせた状態で、板面同士が接着材等で接合されている。
【0043】
続いて、第2補強部材46は、図19に示すように、第2接合用基板部35をの形状に合わせて、2つの平板片からなり、それぞれその先端が3本と4本に分岐した櫛歯状をなしている。そして、折り曲げ部37で折り曲げることで第1接合用基板部34上に配置された第2接合用基板部35の上面に、この第2補強部材46が一致するように重ね合わされた状態で、板面同士が接着材等で接合されている。
【0044】
このような構成によれば、実施形態1のように第2リテーナ40を設けずとも、端子金具20の導電路接合部22と回路基板30の接合用基板部33における接合用パッド36との接合部分を補強部材45,46により補強することができる。また、端子金具20をコネクタハウジング11のキャビティ13に挿入する際に、補強部材45,46が取り付けられていれば、接合用基板部33が座屈するのを防止することができる。
【0045】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図20ないし図28によって説明する。
本実施形態のフラットハーネス50は、実施形態1とは、回路基板60が片面基板であって、第1接合用基板部64に対する第2接合用基板部65の配置、及び第2リテーナ70の形態が相違する。他の実施形態については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
コネクタハウジング51は、図20ないし図22に示すように、ハウジング本体52に上下2段、幅方向に10室ずつ並列するキャビティ53を配設してなる。このキャビティ53の前端は、相手側の雄型の端子金具を挿通可能な挿通孔53Aとされ、同後端は、第2リテーナ60を挿入可能な第2リテーナ装着部53Bとされている。そして、キャビティ53の前後方向略中間部は、第1リテーナ装着開口54に連通している。この第1リテーナ装着開口54に装着される第1リテーナ55は、実施形態1と同様に、仮係止位置と本係止位置との2段階に変位可能に装着されている。図22に示すように、第1リテーナ55を本係止位置へと移動させると、係止突部55Aがキャビティ53に挿入された端子金具56の端子接続部57の後側に嵌め込まれ、端子金具56はキャビティ53に対して引き抜き不能に係止される。
【0047】
第2リテーナ70は、合成樹脂製であって、回路基板60を挟持した状態で、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに装着される。その構成は、図23ないし図25に示すように、平板状のリテーナ本体71に、前後方向に貫通するスリット72が上下方向に2本並列に形成されている。スリット72は、図24に示すように、幅方向の一端(図24の左端)が開放されており、この一端から回路基板60を挿入可能とされている。そして、この各スリット72の上下には、スリット72に挿入された回路基板60を挟持するための基板挟持部73が、対応するキャビティ53ごとに突設されている。
【0048】
基板挟持部73は、各キャビティ53ごとに、スリット72を上下に挟むようにして配置された、一対の弾性片73A,73Bから構成される。これら一対の弾性片73A,73Bは、いずれも片持ち状をなしており、その先端は先細り形状となっている。そして、上側に位置する上側弾性片73Aは、下側に位置する下側弾性片73Bに対して、幅寸法及び突出長さが短く設定されている(図25参照)。これら弾性片73A,73Bは、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに挿入されると、その内側壁によって、撓み変形させられることで、スリット72に挿入された回路基板60の接合用基板部63を上下から挟み込む機能を有する。
【0049】
リテーナ本体71の下端であって、幅方向略中央には、コネクタハウジング51の後端に設けられた被係合部52Aに係合する係合片74が突設されている。前後方向に延びる係合片74の先端には、上方に向かって突出する係合爪部74Aが設けられている。このような第2リテーナ70は、幅方向の一端からスリット72に挿入した回路基板60の接合用基板部63を保持した状態で、コネクタハウジング51にその後方から装着可能とされている。
【0050】
続いて、回路基板60について図26ないし図28を用いて説明する。
回路基板60は、FPCであって、支持基板の上面のみに導電路61が形成された片面基板からなる。この回路基板30は、コネクタハウジング51の後端から導出され、帯状をなす回路基板本体62と、回路基板本体62の前端に設けられた接合用基板部63とを備えている。回路基板本体62には、その上面に20本の導電路61が並列に形成されている。接合用基板部63は、回路基板本体62の延長上に順に位置する第1接合用基板部64と、第2接合用基板部65とを備えている。
【0051】
第1接合用基板部64は、その先端が6本の第1接合片64Aに分岐した櫛歯状をなしている。各第1接合片64Aの前部には、対応する第1導電路61Aの端末に連なる図示しない第1接合用パッドが形成されている。一方、第2接合用基板部65は、第1接合用基板部64の前方に位置して、同じくその先端は6本の第2接合片65Aに分岐した櫛歯状をなしている。そして、各第2接合片65Aの前部には、対応する第2導電路61Bの端末に連なる図示しない第2接合用パッドが形成されている。この第2接合片65Aの後端には、第1接合用基板部64の両側方に分岐して、回路基板本体62に連なる連絡部65Bが設けられている。この連絡部65Bには、回路基板本体62から第2接合片65Aにかけて連なる第2導電路61Bが形成されている。なお、各接合片64A,65Aの図示しない接合用パッドには、端子金具56の導電路接続部58が重ね合わせた状態で半田付けにより接合されている。
【0052】
第2接合用基板部65において、連絡部65Bと回路基板本体62との間、及び連絡部65Bの第2接合片65A側の基端には、回路基板本体62の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられる折り曲げ部66A,66Bが設けられている。連絡部65Bと回路基板本体62との境界部分に位置する第1折り曲げ部66Aは、上面を内側にして谷折りされる。そして、連絡部65Bの第2接合片65A側の基端に位置する第2折り曲げ部66Bは、上面を外側にして山折りされる。このように、各折り曲げ部66A,66Bにより、2段階に折り曲げられることで、第1接合用基板部64の上に第2接合用基板部65が配置される(図27及び図28参照)。この際、各接合片64A,65Aの図示しない接合用パッドに接続された端子金具56は、各折り曲げ部66A,66Bにて折り曲げられる前後において、上下・前後方向の向きは同じ方向に揃った状態をなしており、コネクタハウジンング51のキャビティ53の配置と整合することとなる。即ち、第1接合用基板部64の第1接合片64A及びそれに接合された端子金具56は、キャビティ53の上下2段のうち、下段に挿入可能とされ、第2接合用基板部65の第2接合片65A及びそれに接合された端子金具56は、キャビティ53の上段に挿入可能とされている。
【0053】
続いて、本実施形態のフラットハーネス50の組付方法について説明する。
まず、図26に示すフラットな状態の回路基板60の接合用基板部63に端子金具56をリフロー半田付けにより接合する。次に、各折り曲げ部66A,66Bにおいて、それぞれ所定の方向に折り曲げることで、図27及び図28に示す端子金具56が上下2段に積層した状態とする。続いて、第2リテーナ70の各スリット72に回路基板60の対応する接合用基板部63をその側方から挿入する。スリット72の所定の位置に接合用基板部63を保持した状態で、第2リテーナ70をコネクタハウジング51の後方から押し込んでいくと、基板挟持部73の各弾性片73A,73Bは、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに挿入されると共に、その内側壁に押されてスリット72に保持された接合用基板部63側へと撓み変形する。
【0054】
さらにコネクタハウジング51に対して、第2リテーナ70を押し込んでいくと、第2リテーナ70の係合片74が、コネクタハウジング51の被係合部52Aに係合し、第2リテーナ70がコネクタハウジング51に対して装着した状態に保持される。この際、回路基板60の接合用基板部63は、撓み変形した弾性片73A,73Bに上下から挟持された状態にある。よって、回路基板60がコネクタハウジング11から引き抜かれるのを防止することができる。そして、実施形態1と同様に、第1リテーナ55を本係止位置に押し込むことで、端子金具56のコネクタハウジング51からの抜け止めがなされ、フラットハーネス50の組付けが完了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、折り曲げ部66A,66Bにて折り曲げて積層させることで、回路基板本体62に合わせて小型化を図ることができる。また、第1接合用基板部64に接合される端子金具56と、第2接合用基板部65に接合される端子金具56とが、回路基板本体62の延長上に位置し、折り曲げ部66A,66Bはこの回路基板本体62の延長方向と略直交する方向に折り曲げられる構成とすることで、各接合用基板部64,65の接合用パッドを回路基板60の同じ面に形成しても、端子金具56の積層方向の向きを揃えることができ、製造上都合がよい。即ち、接合用パッドがすべて同一面に形成されていれば、一度にすべての端子金具56を接合させることができるから、製造効率を向上させることができる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)上記した実施形態では、端子金具20,56はは所謂雌型のものを例示したが、これに限られず、雄型のものであってもよいし、丸型端子(所謂、LA端子)であってもよい。
【0058】
(2)上記した実施形態では、端子金具20,56の導電路接続部22,58は接合用パッド36に対してリフロー半田付けにより接合されていたが、これに限られず、溶接や異方性導電フィルム等の異方性導電樹脂によって接合されるものであってもよい。
【0059】
(3)上記した実施形態では、コネクタハウジング11,51のキャビティ13,53は上下2段とされていたが、これに限られず、例えば2段以上の3段等であってもよい。
【0060】
(4)上記した実施形態では、回路構成体は、回路基板30,60としてのFPCにより構成されていたが、これに限られず、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC)であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10,50…フラットハーネス
11,51…コネクタハウジング
13,53…キャビティ(端子収容室)
20,56…端子金具
21,57…端子接続部
22,58…導電路接合部
30,60…回路基板(回路構成体)
31,61…導電路
32,62…回路基板本体
33,63…接合用基板部
34,64…第1接合用基板部
35,65…第2接合用基板部
36…接合用パッド
37,66…折り曲げ部
40,70…第2リテーナ
42,72…スリット
43,73…基板挟持部
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、例えば自動車等の車両に搭載されたバッテリに接続される電圧検知線及びその端末に設けられたコネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。このものは、リチウムイオンバッテリの電圧検出に用いられるもので、現状では1セル毎に電圧検出を行っているため、各セルに接続された電圧検知線を複数本束ね、これを引き回して出力側の機器に接続するためのコネクタに連ねた構成をなしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−18478号公報
【特許文献2】特開2002−260804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電圧検知線は一般にセルの数だけ必要であるため、電圧検知線を絶縁被覆電線とするとハーネスが嵩張り、重量も重くなるという問題があった。
【0005】
そこで、可撓性を有するフレキシブルプリント基板(FPC)やフレキシブルフラットケーブル(FFC)といったフラット電線を絶縁被覆電線の代替として適用(例えば特許文献2参照)することも考えられる。この種のフラット電線では、複数の導電路を狭ピッチで横一列に並列させて導電路を高密度化することができ、絶縁被覆電線を束ねたハーネスに比べて薄型化および軽量化を図ることができるはずだからである。ところが、フラット電線の端末にはコネクタを設けねばならず、そのコネクタの端子間ピッチは、端子金具そのもののサイズの制約から、フラット電線の導電路ほどは狭ピッチ化できないという事情がある。このため、フラット電線を使用しても、その導電路の高密度性を十分に活かすことができず、コネクタ側の制約によってコネクタハウジングの横幅を広くせざるを得ず、結局、配索スペースの限られるバッテリモジュールには適用しにくいことがあった。このため、フラット電線を絶縁被覆電線の代替としつつ、コネクタを含むフラットハーネスの小型化が求められていた。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、全体の小型化が可能なフラットハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフラットハーネスは、複数の導電路が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体と、前記回路構成体の各導電路に接合された導電路接合部を備える複数の端子金具と、前記端子金具を収容する複数の端子収容室が前記回路構成体の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジングとを備える。
【0008】
このような構成によれば、コネクタ部分を含むフラットハーネスの小型化が可能である。即ち、コネクタハウジングに端子収容室を複数段に積層させて設けることで、コネクタハウジングの横幅を狭くすることができる。そして、端子金具に接合された回路構成体は、可撓性を有するから、バッテリモジュールの狭い配索スペース内でも自在に経路を変えつつ配策することができる。
【0009】
前記回路構成体は、前記導電路に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部を有することが望ましい。このような構成とすれば、導電路が形成された回路構成体を折り曲げることで、それに接合された端子金具を多段配置し、対応する端子収容室に収容することができる。よって、複数の導電路を1枚の回路構成体上に形成することができるから、例えば導電路を絶縁被覆電線により構成する場合と比較して小型化を図ることができる。また、端子収容室の段ごとに1枚の回路構成体を配置し、それを多段に積層させる場合と比較して、より少ない枚数の回路構成体にて導電路を形成することができるから、部品点数を抑えることができ、製造効率の向上にも寄与できる。
【0010】
前記端子金具は前記端子収容室に収容される角筒状の端子接続部と、前記端子接続部から延出された平板状の前記導電路接合部とを備え、前記回路構成体には、前記各導電路の端末部に前記導電路接合部を重ね合わせて接合する接合用パッドが形成されていてもよい。このように、端子金具の平板状の導電路接合部を同じく平板状の回路構成体の接合用パッドに重ね合わせることで接合する構成とすれば、その接合手段は簡易となるから、この製造工程の自動化を容易に図ることができる。また回路構成体上に複数の接合用パッドを配置すれば、その接合用パッドに、対応する複数の端子金具を同時に接合させることができる。よって、例えば導電路を絶縁被覆電線で構成し、絶縁被覆電線1本1本に端子金具を取り付けていた場合と比較して、接合手段が容易なことや、同時に複数の端子金具を接合させることができるといった点等から、製造効率の向上が期待できる。
【0011】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部と、を備え、前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に位置する第1接合用基板部と、前記回路基板本体の延長上から外れて前記第1接合用基板部の側方に位置する第2接合用基板部とを備え、前記折り曲げ部が前記第1及び第2接合用基板部間に位置して前記回路基板本体の延長方向に沿って折り曲げられていてもよい。
【0012】
このような構成とすれば、従来の例えば導電路を絶縁被覆電線で構成していた場合と比較して、回路基板本体の幅寸法は、基板上に導電路を形成することで狭くすることができ、接合用基板部は端子金具の配置間隔に合わせて幅広く設定することが可能である。そして、この幅広く設定可能な接合用基板部においては、折り曲げ部で折り曲げることによって第2接合用基板部を第1接合用基板部に積層させれば、当該接合用基板部の幅寸法を回路基板本体の幅寸法に合わせることができる。よって、複数の端子金具を有するフラットハーネスであっても、端子収容室の配置に合わせて端子金具を回路構成体に接合させることができるとともに、接合用基板部を折り曲げて積層させれば、回路基板本体に合わせて小型化を図ることができる。
【0013】
前記回路構成体は、支持基板の両面に前記導電路を配設してなる両面基板であってもよい。例えば、折り曲げ部で折り曲げる前の回路構成体の同じ面に各接合用基板部の接合用パッドを設け、その接合用パッドに端子金具を同じ向きに接合し、これを折り返して第1接合用基板部上に第2接合用基板部を積層すると、各接合用基板部ごとに端子金具の積層方向の向きが反転してしまう。よって、端子金具の積層方向の向きを揃えるためには、両面基板を用い、その両面に配設された導電路を一方の面に形成された第1接合用基板部の接合用パッドに接続するものと、他方の面に形成された第2接合用基板部の接合用パッドに接続するものとに分ければ、折り曲げ部で折り曲げて積層させたときに、各端子金具の積層方向の向きを容易に揃えることができる。また、両面基板を用いれば、片面基板と同じ大きさで配設可能な導電路の数を増やすことができるから、小型化を図ることができる。
【0014】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部とを備え、前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に順に位置する第1及び第2の接合用基板部を備え、前記第2接合用基板部には前記第1接合用基板部の側方に位置して前記前記回路基板本体に連なる連絡部を有し、前記折り曲げ部は前記連絡部と前記回路基板本体との間に位置して前記回路基板本体の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられていてもよい。
【0015】
このような構成とすれば、接合用基板部を折り曲げて積層させることで、回路基板本体に合わせて小型化を図ることができる。また、第1接合用基板部に接合される端子金具と、第2接合用基板部に接合される端子金具とが、回路基板本体の延長上に位置し、折り曲げ部はこの回路基板本体の延長方向と略直交する方向に折り曲げられる構成とすることで、各接合用基板部の接合用パッドを回路構成体の同じ面に形成したとしても、端子金具の積層方向の向きを揃えることができ、製造上都合がよい。即ち、各接合用基板部の接合用パッドを回路構成体の同じ面に形成することができれば、一度に対応する端子金具を接合させることができるから、製造効率を向上させることができる。
【0016】
前記コネクタハウジングには前記端子収容室の後方からリテーナが装着されており、このリテーナには前記回路構成体を挿通させるスリットが形成されるとともに、前記コネクタハウジングに装着された状態で前記回路構成体を挟み込む基板挟持部を備えていてもよい。このような構成とすれば、たとえ回路構成体が引っ張られたとしても、コネクタハウジングに装着されたリテーナの基板挟持部が回路構成体を挟み込んでいるから、端子金具の導電路接合部との接続部分に上記外力が及ぶことを抑制し、端子金具と導電路との接続信頼性を確保することができる。また、リテーナに回路構成体を予め挿通させた状態で、コネクタハウジングに装着させれば、作業者がリテーナを掴んでコネクタハウジングの端子収容室に端子金具を収容する作業を行うことができるから、作業性を向上させることができるほか、回路構成体が座屈するのを防ぐことができる。
【0017】
前記リテーナは、前記回路構成体の延長方向に略直交する方向から前記回路構成体を挿通可能とされていてもよい。このような構成とすれば、回路構成体に端子金具を接合させた後であっても、リテーナを当該回路構成体に容易に挿通させることができるから、使い勝手に優れる。
【0018】
前記回路構成体はフレキシブルプリント基板であって、前記導電路はバッテリに接続される電圧検知線であってもよい。本発明のフラットハーネスをバッテリに接続される電圧検知線に適用すれば、小型化が可能であるから、配設部位において、省スペース化を図ることができる。また、導電路を従来の絶縁被覆電線でなく、フレキシブルプリント基板とすることで、軽量化が可能である。更に、回路構成体を屈曲させる場合であっても、フレキシブルプリント基板であればその屈曲状態を維持することが可能であるから、リテーナを装着せずとも端子金具間の間隔を維持することができ、取扱いに優れ、作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、全体の小型化が可能なフラットハーネスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態1に係るフラットハーネスの斜視図
【図2】同平面図
【図3】同底面図
【図4】同側面図
【図5】図2のA−A断面図
【図6】フラットハーネスにフロントリテーナを装着する前の分解斜視図
【図7】バックリテーナの斜視図
【図8】同平面図
【図9】同側面図
【図10】回路基板の斜視図
【図11】同平面図
【図12】同底面図
【図13】端子金具を接合させた回路基板の斜視図
【図14】同平面図
【図15】同底面図
【図16】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態の斜視図
【図17】同側面図
【図18】実施形態1の変形例1に係る端子金具を接合させた回路基板に補強部材を取り付ける前の分解斜視図
【図19】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態において補強部材を取り付ける前の分解斜視図
【図20】実施形態2に係るフラットハーネスの斜視図
【図21】同正面図
【図22】図21のB−B断面図
【図23】バックリテーナの斜視図
【図24】同正面図
【図25】同側面図
【図26】端子金具を接合させた回路基板の斜視図
【図27】端子金具を接合させた回路基板を折り曲げた状態の斜視図
【図28】同側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図17によって説明する。
本実施形態のフラットハーネス10は、図示しないバッテリと、制御ユニットとの間に接続される電圧検知線に適用した場合を例示するものであって、コネクタハウジング11と、コネクタハウジング11に収容される端子金具20と、端子金具20に接合される導電路31が形成された回路基板30とを備える。以下、回路基板30の長さ方向のうち、コネクタハウジング11側を前側、他方を後側、回路基板30の幅方向と同方向をコネクタハウジング11の幅方向、コネクタハウジング11の第1リテーナ15が装着される側面を下面として説明する。
【0022】
コネクタハウジング11は、図1ないし図6に示すように、ブロック状をなす合成樹脂製であって、ハウジング本体12に、その後方から端子金具20を収容可能な複数のキャビティ13(端子収容室に相当する)が前後方向に貫通して形成されている。キャビティ13は、上下2段、幅方向に7室ずつ並列して配設されており、その各前端は、相手側のコネクタに保持された雄型の端子金具を挿通させる挿通孔13Aとされている。また、キャビティ13の後端は、後述する回路基板30を挟持する第2リテーナ40(リテーナに相当する)をその後方から挿入可能な第2リテーナ装着部13Bとされている。そして、キャビティ13の前後方向略中間部は、ハウジング本体12の下面に開口する第1リテーナ装着開口14に連通し、凹状に刳り抜かれた態様をなしている。
【0023】
キャビティ13内に収容される端子金具20は、金属板材をプレス成形する等して得られる雌型の端子金具であって、角筒状の端子接続部21の後端から後方へ平板状の導電路接続部22を延出させた構成のものである。導電路接合部22は、後述する回路基板30の接合用パッド36に重ね合わせた状態で接合されている。
【0024】
第1リテーナ15は、合成樹脂製であって、第1リテーナ装着開口14に対して仮係止位置と本係止位置との2段階に変位可能に装着されている。第1リテーナ15は、図2に示すように、上下2段のキャビティ13のうち、下段に対応する7つの貫通孔16を備えており、その上側壁と下側壁には、それぞれ上面から係止突部17が突設されている。第1リテーナ15が仮係止位置に装着された状態においては、各貫通孔16は下段のキャビティ13に連通するとともに、貫通孔16の上側壁は、上段のキャビティ13の下側壁の一部を構成する。そして、コネクタハウジング11の後方から各キャビティ13に端子金具20の挿抜を許容する。一方、第1リテーナ15が本係止位置に装着された状態においては、係止突部17が端子金具20の挿入経路内へと進出し、キャビティ13に収容された端子金具20の抜け止めがなされる。即ち、図6に示すように、各キャビティ13に対応する端子金具20を挿入させた後、仮係止位置の第1リテーナ15を本係止位置へと変位させることで、係止突部17が端子金具20の端子接続部21の後側(導電路接合部側)に嵌め込まれ、端子金具20はキャビティ13に対して引き抜き不能に係止される。
【0025】
第2リテーナ40は、合成樹脂製であって、回路基板30を挟持した状態で、キャビティ13の第2リテーナ装着部13Bに装着される。その構成は、図7ないし図9に示すように、ブロック状のリテーナ本体41に、前後方向に貫通するスリット42が形成されている。このスリット42は、後述する回路基板30の回路基板本体32を挿通可能な幅及び厚さ(高さ)寸法に切り込み形成されている。リテーナ本体41の前部には、各キャビティ13に対応して上下2段、幅方向に7つに分岐した基板挟持部43が形成されている。基板挟持部43は、それぞれが各キャビティ13内に挿入可能な片持ち状の弾性片であって、その先端は先細り形状をなしている。このような第2リテーナ40は、スリット42により回路基板30の回路基板本体32を保持すると共に、装着されたキャビティ13の第2リテーナ装着部13Bと基板挟持部43との間で接合用基板部33を挟持させることができる(図6参照)。
【0026】
続いて、回路基板30について図10ないし図17を用いて詳しく説明する。
回路基板30は、コネクタハウジング11の後端から導出され、その導出(延出)方向に沿って形成された導電路31により、図示しないバッテリとバッテリを制御する制御ユニットとの間を接続する電圧検知線様の機能を有する。この回路基板30は、フレキシブルプリント基板(FPC)であって、絶縁フィルムからなる支持基板の上下両面に銅製の導体箔によって導電路31を形成し、保護フィルムで覆った構成である。
【0027】
回路基板30は、帯状をなす回路基板本体32と、回路基板本体32の前端に設けられた接合用基板部33とを備えている。回路基板本体32には、その上下両面にそれぞれ7本の導電路31が並列に形成されている。接合用基板部33は、全体としてその先端が14本の接合片34A,35Aに分岐した櫛歯状をなしており、回路基板本体32の延長上に位置する第1接合用基板部34と、回路基板本体32の延長上から外れて第1接合用基板部34の両側方に位置する第2接合用基板部35とを備えている。
【0028】
図10及び図11に示す、回路基板30の上面30A側には、第2接合用基板部35の各第2接合片35Aに分岐して延びる第2導電路31Aが形成されており、各第2接合片35Aの前部には、対応する第2導電路31Aの端末に連なる第2接合用パッド36Aが形成されている。一方、図12に示す回路基板30の下面30B側には、第1接合用基板部34の各第1接合片34Aに分岐して延びる第1導電路31Bが形成されており、各第1接合片34Aの前部には、対応する第1導電路31Bの端末に連なる第1接合用パッド36Bが形成されている。
【0029】
第2接合用基板部35の第2接合片35Aには、図13及び図14に示すように、端子金具20の端子接続部21がその前部に位置するようにして導電路接合部22が重ね合わされ、対応する第2接合用パッド36Aに対して半田付けにより接合されている。同じようにして、第1接合用基板部34の第1接合片34Aには、図15に示すように、端子金具20の導電路接合部22が重ね合わされ、対応する第1接合用パッド36Bに対して半田付けにより接合されている。
【0030】
さて、第1接合用基板部34とその両側方に位置する第2接合用基板部35との間には、2段階に折り曲げ可能な折り曲げ部37が設けられている。折り曲げ部37は、図16及び図17に示すように、それぞれ回路基板本体32の延長方向に沿って折り曲げられることで、第1接合用基板部34の上に第2接合用基板部35が配置される。これに伴い、上下2段に配置された端子金具20の上下方向の向きは、同じ方向に揃った状態となり、コネクタハウジング11のキャビティ13の配置と整合することとなる。即ち、第2接合用基板部35の第2接合片35A及びそれに接合された端子金具20は、キャビティ13の上下2段のうち、上段に挿入可能とされ、第1接合用基板部34の第1接合片34A及びそれに接合された端子金具20は、キャビティ13の下段に挿入可能とされている。
【0031】
続いて、本実施形態のフラットハーネス10の組付方法について説明する。
まず、図10ないし図12に示すフラットな状態の回路基板30の接合用基板部33に端子金具20を接合する。具体的には、各接合用パッド36A,36Bに端子金具20の端子接続部21をリフロー半田付けにより接合する。続いて、折り曲げ部37において、外側に位置する第2接合用基板部35を内側の第1接合用基板部34上に折り込み(図16及び図17参照)、回路基板本体32をスリット42に挿通させた第2リテーナ40の基板挟持部43に、接合用基板部33を巻き込む。そして、基板挟持部43の各弾性片上に、対応する各接合片34A,35Aの後部から連結部分が載置された状態で、この第2リテーナ40を掴んでコネクタハウジング11の後方から端子金具20をキャビティ13の第2リテーナ装着部13Bへと挿入する。更に押し込んでいくと、第2リテーナ40の基板挟持部43が、キャビティ13内へと挿入されると共に、撓み変形して、各接合片34A,35Aは当該基板挟持部43とキャビティ13の内側壁との間に挟持される(図6参照)。これにより、回路基板30がコネクタハウジング11から引き抜かれるのを防止することができる。
【0032】
続いて、第1リテーナ15を図6に示す本係止位置に押し込むと、係止突部17が端子金具20の端子接続部21の後側へと嵌め込まれ、端子接続部21の後方への移動が妨げられる。これにより、端子金具20のコネクタハウジング11からの抜け止めがなされ、フラットハーネス10の組付けが完了する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、コネクタハウジング11を含むフラットハーネス10の小型化が可能である。即ち、コネクタハウジング11にキャビティ13を複数段積層させて設けることで、コネクタハウジング11の横幅を狭くすることができる。そして、端子金具20を接合した回路基板30は、可撓性を有するFPCからなるから、キャビティ13に収容される端子金具20に合わせてその形態を追従させることができる。よって、限られたスペースに配索されるフラットハーネス10であっても、端末のコネクタハウジング11を含めてそのスペースに合わせた形態への変更及び小型化が可能である。
【0034】
また、導電路31が形成された回路基板30を折り曲げることで、それに接合された端子金具20を多段配置し、対応するキャビティ13に収容することができる。よって、複数の導電路31を1枚の回路基板30上に形成することができるから、例えば導電路を絶縁被覆電線により構成する場合と比較して小型化を図ることができる。また、キャビティ13の段ごとに回路基板30を配置し、それを多段に積層させる場合と比較して、より少ない枚数の回路基板30にて導電路31を形成することができるから、部品点数を抑えることができ、製造効率の向上にも寄与できる。
【0035】
また、端子金具20と回路基板30とは、平板状の導電路接合部22を同じく平板状の回路基板30の接合用パッド36に重ね合わせることで簡易に接合できるから、この製造工程の自動化を容易に図ることができる。また回路基板30の同一面に複数の接合用パッド36を配置すれば、対応する複数の端子金具20を同時に接合させることができる。よって、例えば導電路を絶縁被覆電線で構成し、絶縁被覆電線1本1本に端子金具を取り付けていた場合と比較して、接合手段が容易なことや、同時に複数の端子金具を接合させることができるといった点等から、製造効率の向上が期待できる。
【0036】
また、従来の例えば導電路31を絶縁被覆電線で構成していた場合と比較して、FPCの配線パターンにより導電路31を構成することで、回路基板本体32の幅寸法を狭くすることができる。一方、接合用基板部33は、回路基板本体32の幅寸法に捉われず、端子金具20の配置間隔に合わせて幅広く設定することが可能である。そして、この幅広く設定可能な接合用基板部33においては、折り曲げ部37で折り曲げることによって第2接合用基板部35を第1接合用基板部34に積層させれば、当該接合用基板部33全体の幅寸法を回路基板本体32の幅寸法に合わせることができる。よって、複数の端子金具20を有するフラットハーネス10であっても、キャビティ13の配置に合わせて端子金具20を回路基板30に接合させることができるとともに、接合用基板部33を折り曲げて積層させれば、回路基板本体32に合わせて小型化を図ることができる。
【0037】
また、回路基板30は、支持基板の両面に導電路31を配設してなる両面基板である。例えば、折り曲げ部で折り曲げる前の回路基板の同じ面に各接合用基板部の接合用パッドを設け、その接合用パッドに端子金具を同じ向きに接合し、これを折り返して第1接合用基板部上に第2接合用基板部を積層すると、各接合用基板部ごとに端子金具の積層方向の向きが反転してしまう。よって、端子金具20の積層方向の向きを揃えるためには、両面基板を用い、その両面に配設された導電路31を下面30Bに形成された第1接合用基板部34の第1接合用パッド36Bに接続する第1導電路31Bと、上面30Aに形成された第2接合用基板部35の第2接合用パッド36Aに接続する第2導電路31Aとに分ければ、折り曲げ部37で折り曲げて積層させたときに、各端子金具20の積層方向の向きを容易に揃えることができる。また、両面基板を用いれば、片面基板と同じ大きさで配設可能な導電路31の数を増やすことができるから、小型化を図ることができる。
【0038】
また、第2リテーナ40の基板挟持部43と、キャビティ13の第2リテーナ装着部13Bとの間に接合用基板部33が挟持されているから、たとえコネクタハウジング11から導出された回路基板本体32が引っ張られたとしても、端子金具20の導電路接合部22と接合用基板部33の接合用パッド36との接合部分にその外力が及ぶのを抑制し、端子金具20と導電路31との接続信頼性を確保することができる。また、第2リテーナ40を回路基板本体32に予め挿通させた状態で、コネクタハウジング11に装着する構成とすれば、作業者が第2リテーナ40を掴んでコネクタハウジング11のキャビティ13に端子金具20を収容する作業を行うことができるから、作業性を向上させることができるほか、回路基板30が座屈するのを防ぐことができる。
【0039】
また、回路基板30をFPCにより構成し、導電路31をバッテリに接続される電圧検知線として利用することで、配設部位において省スペース化を図ることができる。また、導電路31を従来の絶縁被覆電線でなく、FPCとすることで、軽量化が可能である。更に、回路基板30を屈曲させる場合であっても、FPCであればその屈曲状態を維持することが可能であるから、第2リテーナ40を装着せずとも端子金具20間の間隔を維持することができ、取扱いに優れ、作業性を向上させることができる。
【0040】
以上本発明の実施形態1を示したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下のような変形例を含むこともできる。なお、以下の変形例において、上記実施形態と同様の部材には、上記実施形態と同符号を付して説明を省略するものもある。
【0041】
[実施形態1の変形例1]
実施形態1の変形例1について図18及び図19を用いて説明する。本変形例は、実施形態1とは、回路基板30の接合用基板部33に第2リテーナ40が装着されているのではなく、補強部材45、46が取り付けられているところが相違する。
【0042】
補強部材45,46は合成樹脂製であって、いずれも平板状をなしている。図18に示すように、第1補強部材45は、第1接合用基板部34の形状に合わせてその先端が7本に分岐した櫛歯状をなしている。この第1補強部材45は、第1接合用基板部34の上面に一致するように重ね合わせた状態で、板面同士が接着材等で接合されている。
【0043】
続いて、第2補強部材46は、図19に示すように、第2接合用基板部35をの形状に合わせて、2つの平板片からなり、それぞれその先端が3本と4本に分岐した櫛歯状をなしている。そして、折り曲げ部37で折り曲げることで第1接合用基板部34上に配置された第2接合用基板部35の上面に、この第2補強部材46が一致するように重ね合わされた状態で、板面同士が接着材等で接合されている。
【0044】
このような構成によれば、実施形態1のように第2リテーナ40を設けずとも、端子金具20の導電路接合部22と回路基板30の接合用基板部33における接合用パッド36との接合部分を補強部材45,46により補強することができる。また、端子金具20をコネクタハウジング11のキャビティ13に挿入する際に、補強部材45,46が取り付けられていれば、接合用基板部33が座屈するのを防止することができる。
【0045】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図20ないし図28によって説明する。
本実施形態のフラットハーネス50は、実施形態1とは、回路基板60が片面基板であって、第1接合用基板部64に対する第2接合用基板部65の配置、及び第2リテーナ70の形態が相違する。他の実施形態については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
コネクタハウジング51は、図20ないし図22に示すように、ハウジング本体52に上下2段、幅方向に10室ずつ並列するキャビティ53を配設してなる。このキャビティ53の前端は、相手側の雄型の端子金具を挿通可能な挿通孔53Aとされ、同後端は、第2リテーナ60を挿入可能な第2リテーナ装着部53Bとされている。そして、キャビティ53の前後方向略中間部は、第1リテーナ装着開口54に連通している。この第1リテーナ装着開口54に装着される第1リテーナ55は、実施形態1と同様に、仮係止位置と本係止位置との2段階に変位可能に装着されている。図22に示すように、第1リテーナ55を本係止位置へと移動させると、係止突部55Aがキャビティ53に挿入された端子金具56の端子接続部57の後側に嵌め込まれ、端子金具56はキャビティ53に対して引き抜き不能に係止される。
【0047】
第2リテーナ70は、合成樹脂製であって、回路基板60を挟持した状態で、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに装着される。その構成は、図23ないし図25に示すように、平板状のリテーナ本体71に、前後方向に貫通するスリット72が上下方向に2本並列に形成されている。スリット72は、図24に示すように、幅方向の一端(図24の左端)が開放されており、この一端から回路基板60を挿入可能とされている。そして、この各スリット72の上下には、スリット72に挿入された回路基板60を挟持するための基板挟持部73が、対応するキャビティ53ごとに突設されている。
【0048】
基板挟持部73は、各キャビティ53ごとに、スリット72を上下に挟むようにして配置された、一対の弾性片73A,73Bから構成される。これら一対の弾性片73A,73Bは、いずれも片持ち状をなしており、その先端は先細り形状となっている。そして、上側に位置する上側弾性片73Aは、下側に位置する下側弾性片73Bに対して、幅寸法及び突出長さが短く設定されている(図25参照)。これら弾性片73A,73Bは、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに挿入されると、その内側壁によって、撓み変形させられることで、スリット72に挿入された回路基板60の接合用基板部63を上下から挟み込む機能を有する。
【0049】
リテーナ本体71の下端であって、幅方向略中央には、コネクタハウジング51の後端に設けられた被係合部52Aに係合する係合片74が突設されている。前後方向に延びる係合片74の先端には、上方に向かって突出する係合爪部74Aが設けられている。このような第2リテーナ70は、幅方向の一端からスリット72に挿入した回路基板60の接合用基板部63を保持した状態で、コネクタハウジング51にその後方から装着可能とされている。
【0050】
続いて、回路基板60について図26ないし図28を用いて説明する。
回路基板60は、FPCであって、支持基板の上面のみに導電路61が形成された片面基板からなる。この回路基板30は、コネクタハウジング51の後端から導出され、帯状をなす回路基板本体62と、回路基板本体62の前端に設けられた接合用基板部63とを備えている。回路基板本体62には、その上面に20本の導電路61が並列に形成されている。接合用基板部63は、回路基板本体62の延長上に順に位置する第1接合用基板部64と、第2接合用基板部65とを備えている。
【0051】
第1接合用基板部64は、その先端が6本の第1接合片64Aに分岐した櫛歯状をなしている。各第1接合片64Aの前部には、対応する第1導電路61Aの端末に連なる図示しない第1接合用パッドが形成されている。一方、第2接合用基板部65は、第1接合用基板部64の前方に位置して、同じくその先端は6本の第2接合片65Aに分岐した櫛歯状をなしている。そして、各第2接合片65Aの前部には、対応する第2導電路61Bの端末に連なる図示しない第2接合用パッドが形成されている。この第2接合片65Aの後端には、第1接合用基板部64の両側方に分岐して、回路基板本体62に連なる連絡部65Bが設けられている。この連絡部65Bには、回路基板本体62から第2接合片65Aにかけて連なる第2導電路61Bが形成されている。なお、各接合片64A,65Aの図示しない接合用パッドには、端子金具56の導電路接続部58が重ね合わせた状態で半田付けにより接合されている。
【0052】
第2接合用基板部65において、連絡部65Bと回路基板本体62との間、及び連絡部65Bの第2接合片65A側の基端には、回路基板本体62の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられる折り曲げ部66A,66Bが設けられている。連絡部65Bと回路基板本体62との境界部分に位置する第1折り曲げ部66Aは、上面を内側にして谷折りされる。そして、連絡部65Bの第2接合片65A側の基端に位置する第2折り曲げ部66Bは、上面を外側にして山折りされる。このように、各折り曲げ部66A,66Bにより、2段階に折り曲げられることで、第1接合用基板部64の上に第2接合用基板部65が配置される(図27及び図28参照)。この際、各接合片64A,65Aの図示しない接合用パッドに接続された端子金具56は、各折り曲げ部66A,66Bにて折り曲げられる前後において、上下・前後方向の向きは同じ方向に揃った状態をなしており、コネクタハウジンング51のキャビティ53の配置と整合することとなる。即ち、第1接合用基板部64の第1接合片64A及びそれに接合された端子金具56は、キャビティ53の上下2段のうち、下段に挿入可能とされ、第2接合用基板部65の第2接合片65A及びそれに接合された端子金具56は、キャビティ53の上段に挿入可能とされている。
【0053】
続いて、本実施形態のフラットハーネス50の組付方法について説明する。
まず、図26に示すフラットな状態の回路基板60の接合用基板部63に端子金具56をリフロー半田付けにより接合する。次に、各折り曲げ部66A,66Bにおいて、それぞれ所定の方向に折り曲げることで、図27及び図28に示す端子金具56が上下2段に積層した状態とする。続いて、第2リテーナ70の各スリット72に回路基板60の対応する接合用基板部63をその側方から挿入する。スリット72の所定の位置に接合用基板部63を保持した状態で、第2リテーナ70をコネクタハウジング51の後方から押し込んでいくと、基板挟持部73の各弾性片73A,73Bは、キャビティ53の第2リテーナ装着部53Bに挿入されると共に、その内側壁に押されてスリット72に保持された接合用基板部63側へと撓み変形する。
【0054】
さらにコネクタハウジング51に対して、第2リテーナ70を押し込んでいくと、第2リテーナ70の係合片74が、コネクタハウジング51の被係合部52Aに係合し、第2リテーナ70がコネクタハウジング51に対して装着した状態に保持される。この際、回路基板60の接合用基板部63は、撓み変形した弾性片73A,73Bに上下から挟持された状態にある。よって、回路基板60がコネクタハウジング11から引き抜かれるのを防止することができる。そして、実施形態1と同様に、第1リテーナ55を本係止位置に押し込むことで、端子金具56のコネクタハウジング51からの抜け止めがなされ、フラットハーネス50の組付けが完了する。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、折り曲げ部66A,66Bにて折り曲げて積層させることで、回路基板本体62に合わせて小型化を図ることができる。また、第1接合用基板部64に接合される端子金具56と、第2接合用基板部65に接合される端子金具56とが、回路基板本体62の延長上に位置し、折り曲げ部66A,66Bはこの回路基板本体62の延長方向と略直交する方向に折り曲げられる構成とすることで、各接合用基板部64,65の接合用パッドを回路基板60の同じ面に形成しても、端子金具56の積層方向の向きを揃えることができ、製造上都合がよい。即ち、接合用パッドがすべて同一面に形成されていれば、一度にすべての端子金具56を接合させることができるから、製造効率を向上させることができる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0057】
(1)上記した実施形態では、端子金具20,56はは所謂雌型のものを例示したが、これに限られず、雄型のものであってもよいし、丸型端子(所謂、LA端子)であってもよい。
【0058】
(2)上記した実施形態では、端子金具20,56の導電路接続部22,58は接合用パッド36に対してリフロー半田付けにより接合されていたが、これに限られず、溶接や異方性導電フィルム等の異方性導電樹脂によって接合されるものであってもよい。
【0059】
(3)上記した実施形態では、コネクタハウジング11,51のキャビティ13,53は上下2段とされていたが、これに限られず、例えば2段以上の3段等であってもよい。
【0060】
(4)上記した実施形態では、回路構成体は、回路基板30,60としてのFPCにより構成されていたが、これに限られず、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC)であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10,50…フラットハーネス
11,51…コネクタハウジング
13,53…キャビティ(端子収容室)
20,56…端子金具
21,57…端子接続部
22,58…導電路接合部
30,60…回路基板(回路構成体)
31,61…導電路
32,62…回路基板本体
33,63…接合用基板部
34,64…第1接合用基板部
35,65…第2接合用基板部
36…接合用パッド
37,66…折り曲げ部
40,70…第2リテーナ
42,72…スリット
43,73…基板挟持部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電路が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体と、
前記回路構成体の各導電路に接合された導電路接合部を備える複数の端子金具と、
前記端子金具を収容する複数の端子収容室が前記回路構成体の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジングと、を備えることを特徴とするフラットハーネス。
【請求項2】
前記回路構成体は、前記導電路に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部を有することを特徴とする請求項1に記載のフラットハーネス。
【請求項3】
前記端子金具は前記端子収容室に収容される角筒状の端子接続部と、前記端子接続部から延出された平板状の前記導電路接合部とを備え、
前記回路構成体には、前記各導電路の端末部に前記導電路接合部を重ね合わせて接合する接合用パッドが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフラットハーネス。
【請求項4】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部と、を備え、
前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に位置する第1接合用基板部と、前記回路基板本体の延長上から外れて前記第1接合用基板部の側方に位置する第2接合用基板部とを備え、前記折り曲げ部が前記第1及び第2接合用基板部間に位置して前記回路基板本体の延長方向に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項5】
前記回路構成体は、支持基板の両面に前記導電路を配設してなる両面基板であることを特徴とする請求項4に記載のフラットハーネス。
【請求項6】
前記回路基板は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部とを備え、
前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に順に位置する第1及び第2の接合用基板部を備え、前記第2接合用基板部には前記第1接合用基板部の側方に位置して前記回路基板本体に連なる連絡部を有し、前記折り曲げ部は前記連絡部と前記回路基板本体との間に位置して前記回路基板本体の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3にいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項7】
前記コネクタハウジングには前記端子収容室の後方からリテーナが装着されており、このリテーナには前記回路構成体を挿通させるスリットが形成されるとともに、前記コネクタハウジングに装着された状態で前記回路構成体を挟み込む基板挟持部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項8】
前記リテーナは、前記回路構成体の延長方向に略直交する方向から前記回路構成体を挿通可能とされていることを特徴とする請求項7に記載のフラットハーネス。
【請求項9】
前記回路構成体はフレキシブルプリント基板であって、
前記導電路はバッテリに接続される電圧検知線であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項1】
複数の導電路が形成された可撓性を有する平坦な回路構成体と、
前記回路構成体の各導電路に接合された導電路接合部を備える複数の端子金具と、
前記端子金具を収容する複数の端子収容室が前記回路構成体の幅方向に並びつつ複数段に備えられたコネクタハウジングと、を備えることを特徴とするフラットハーネス。
【請求項2】
前記回路構成体は、前記導電路に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部を有することを特徴とする請求項1に記載のフラットハーネス。
【請求項3】
前記端子金具は前記端子収容室に収容される角筒状の端子接続部と、前記端子接続部から延出された平板状の前記導電路接合部とを備え、
前記回路構成体には、前記各導電路の端末部に前記導電路接合部を重ね合わせて接合する接合用パッドが形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフラットハーネス。
【請求項4】
前記回路構成体は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部と、を備え、
前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に位置する第1接合用基板部と、前記回路基板本体の延長上から外れて前記第1接合用基板部の側方に位置する第2接合用基板部とを備え、前記折り曲げ部が前記第1及び第2接合用基板部間に位置して前記回路基板本体の延長方向に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項5】
前記回路構成体は、支持基板の両面に前記導電路を配設してなる両面基板であることを特徴とする請求項4に記載のフラットハーネス。
【請求項6】
前記回路基板は複数の導電路を有する回路基板から構成され、前記回路基板は、前記複数の導電路が並列に形成された回路基板本体と、その回路基板本体の端末に前記各端子金具に接合される前記接合用パッドを並べた接合用基板部と、前記接合用基板部に接合された前記複数の端子金具が前記複数段に並ぶ各端子収容室に整合するように多段配置するための折り曲げ部とを備え、
前記接合用基板部は、前記回路基板本体の延長上に順に位置する第1及び第2の接合用基板部を備え、前記第2接合用基板部には前記第1接合用基板部の側方に位置して前記回路基板本体に連なる連絡部を有し、前記折り曲げ部は前記連絡部と前記回路基板本体との間に位置して前記回路基板本体の延長方向と略直交する方向に沿って折り曲げられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3にいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項7】
前記コネクタハウジングには前記端子収容室の後方からリテーナが装着されており、このリテーナには前記回路構成体を挿通させるスリットが形成されるとともに、前記コネクタハウジングに装着された状態で前記回路構成体を挟み込む基板挟持部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【請求項8】
前記リテーナは、前記回路構成体の延長方向に略直交する方向から前記回路構成体を挿通可能とされていることを特徴とする請求項7に記載のフラットハーネス。
【請求項9】
前記回路構成体はフレキシブルプリント基板であって、
前記導電路はバッテリに接続される電圧検知線であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のフラットハーネス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−20800(P2013−20800A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152978(P2011−152978)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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