説明

フランジを用いた管継手装置

本発明は、フランジを用いた管継手装置であって、その構成は接続しようとする管または管と管継手の継手部位に外嵌固定され、外周に沿って少なくとも1つ以上のリング溝が形成されているフランジと、前記フランジに外嵌され、前記リング溝に密着するように内周に沿って突出リングが一体形成されているパッキンと、前記パッキンを収容するパッキン収容部、及び両側部が内側に曲げられて延びている係止爪を備え、複数に分割形成されて前記パッキンを取り囲んだ後、締結具により結合されるクランプとを含む。
本発明によれば、極めて簡単な施工を行い、地震をはじめとする外部の衝撃または気候変化にともなう温度偏差による管のずれに効果的に適応でき、外力が消滅すると元の位置に戻ることができるという効果がある。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手装置に関し、より詳しくは、地震をはじめとする外部の衝撃または気候変化にともなう温度偏差による管のずれに効果的に適応できるフランジを用いた管継手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
管継手は、堅固さとともに施工の簡便性が求められる。通常、管は取り扱いしやすい長さに製作され、現場で必要な形態に配列して管の方向に沿ってレジューサ(reducer)や、ティー(Tee)、エルボ(elbow)を用いて溶接して管を接続してきた。また、流体の供給または遮断を選択的に行う必要がある場合にはバルブを設置することもあった。図11を参照して、フランジを用いたバルブと管の接続構造を説明すれば、管110とバルブ120にフランジ130を溶接して接合し、両フランジの間にガスケット140を介在した後、ボルトとナット150を締結して連結している。
【0003】
上記の方法による管継作業は、堅固であるというメリットはあるものの、溶接部位にひび割れが生じやすいという欠点があり、これによる漏水が発生するといった様々な問題点が露呈した。さらに、このような問題が飲料水の通過する水道管で発生すると、気候変化にともなう温度偏差により管の長さが収縮及び膨脹し、外部の衝撃及び地震などにより発生する管のずれに全く適応できないという問題点があった。これらの問題は管破裂の原因となり、管の破裂は飲料水の漏水や汚染、ガス漏れによる爆発及び原子力発電所の配管施設が破裂した場合には人命にかかわる事故につながる恐れがあるため、大きな危険をもたらす。
【0004】
上述した方法以外に、管を接続する方法としてゴムパッキン及びクランプを用いる方法も汎用されているが、水平方向または垂直方向の外力が作用すると接続されている管が前記ゴムパッキンから離脱するという問題があった。このような問題点を解決するために、改善された形態のパッキンが開示されており、図12を参照してその構成を説明すれば、下方及び内部が図に示すように折り曲げ形成されている。このように構成されるパッキン160及びクランプ170を用いて管を接続した状態を図13に示した。このように接続されている管は水平方向の外力が作用すると管間の間隔が広くなり、それに対応して前記パッキン160の切開部位Aも広がってパッキンの形状が変形され、依然としてパッキンは両管に密着する。また、外力が消滅すると形状が変形されたパッキンの弾性復元力により、管が元の位置に復帰する。このような従来の改善されたパッキンは、外力に対する柔軟な対応及び弾性復元力において非常に画期的な効果がある。しかしながら、パッキンの内部が折れ曲がっているため、流体を移送する過程で異物が付着し、それにより送水能力の低下や、細菌の繁殖につながる恐れがあった。また、パッキンを切り抜くため、相対的に流体圧力に弱いという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、地震をはじめとする外部の衝撃または気候変化にともなう温度偏差による管のずれに適応できる、フランジを用いた管継手装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、長期間の使用により老朽化した管継手装置を再び施工することなく、簡単な操作で性能を向上させることができる、フランジを用いた管継手装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によるフランジを用いた管継手装置の構成は、接続しようとする管または管と管継手の継手部位に外嵌固定され、外周に沿って少なくとも1つ以上のリング溝が形成されているフランジと、前記フランジに外嵌され、前記リング溝に密着するように内周に沿って突出リングが一体形成されているパッキンと、前記パッキンを収容するパッキン収容部、及び両側部が内側に曲げられて延びている係止爪を備え、複数に分割形成されて前記パッキンを取り囲んだ後、締結具により結合されるクランプとを含む。
【0008】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記パッキンの外周の中央部に沿って凹溝が形成され、前記凹溝に対応するように前記パッキン収容部に突出部が形成されることが好ましい。
【0009】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記パッキンに前記凹溝を基準として左右側に対称に1つ以上の補助凹溝がさらに形成され、前記補助凹溝に対応するように前記パッキン収容部に補助突出部がさらに形成されることが好ましい。
【0010】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記管継手がバルブ(valve)、レジューサ(reducer)、ティー(Tee)及びエルボ(elbow)よりなる群から選ばれたいずれか1種であることが好ましい。
【0011】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記フランジが前記管または管と管継手の継手部位の外側に溶接固定されることが好ましい。
【0012】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記管または管と管継手が前記クランプから離脱するのを防止するために、前記フランジの一端部が前記係止爪に係止されることが好ましい。
【0013】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記管または管と管継手が前記クランプから離脱するのを防止するために、前記フランジの外周に沿って係止溝を形成し、前記係止溝に前記係止爪が係止されることが好ましい。
【0014】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記パッキンの内部には少なくとも1つ以上の中空部が形成されることが好ましい。
【0015】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記中空部が2つ以上複数形成される場合、左右対称となるように形成されることが好ましい。
【0016】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記分割形成されているクランプを締結するときに前記パッキンに発生する変形部位との摩擦力を減少させるために、前記パッキンの外周に沿って全体的にまたは一部に金属板材の摩擦力減少用部材がさらに結合されることが好ましい。
【0017】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記クランプの両側に形成されている係止爪を貫通してその内側に挿入され、前記パッキンを厚さ方向に圧縮できるように構成される締付部材がさらに含まれることが好ましい。
【0018】
また、本発明のフランジを用いた管継手装置において、前記締付部材を締め付けるときに発生する圧縮力が前記パッキンの側面に均等に伝達されるように前記パッキンと前記係止爪との間に金属リングがさらに設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、接続しようとする管またはバルブなどの管継手に、リング溝が形成されているフランジを固定させ、パッキン及びクランプを用いて通常の締結作業を行うことで管が地震をはじめとする外部の衝撃または気候変化にともなう温度偏差による管のずれに効果的に適応でき、外力が消滅すると元の位置に戻るという効果を奏する。そのため、連結部位の破損による漏水を効率よく予防できる。
【0020】
また、パッキンとクランプにそれぞれ凹溝と突出部を形成することにより、クランプがパッキンを一層効果的に拘束でき、これにより前記パッキンとフランジのリング溝が一層効果的に作用できる。
【0021】
また、パッキンの内部に中空部を形成することにより、パッキン自体の柔軟性を向上させ変形しやすくなるとともに、弾性復元力が向上し、締付部材の作用を極大化するという効果も得られる。
【0022】
また、突出リングをリング溝にできる限り深く密着させるためには、パッキンよりも小さなクランプを用いた方が一層効果的であるが、このとき、表面が滑らかな金属材の摩擦力減少用部材をさらに備えることにより、分割されているそれぞれのクランプを容易に締結することができる。
【0023】
また、本発明によれば、締付部材を締付けてパッキンを圧縮することにより、長期間の使用により前記の機能が弱まった場合にそれを調節することができ、前記締付部材を複数備えるとその効果は一層高まる。さらに、金属リングをさらに設けることにより、前記圧縮力がパッキンの側面に均等に伝達できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図を参照して、本発明の構成及び作用について説明する。
【0025】
図1及び図2を参照して本発明によるパッキンの構成を説明すれば、前記パッキン20はその外周に沿って凹溝23または凹溝23及び補助凹溝23aが形成されてなる。前記補助凹溝23aは前記凹溝23を基準として左右対称となるように1つ以上形成できる。また、パッキン20の内部に中空部22が形成され、パッキン20の内周に沿ってフランジのリング溝12に密着する突出リング21が形成される。前記中空部22はパッキン20の中央部に1つの楕円形に形成することもでき、中央を中心に左右側に対称となるように2つ以上形成することもできる。前記中空部22の大きさは、パッキン20の大きさ及びその他の環境に応じて多様な選択ができることはいうまでもない。さらに、前記突出リング21も左右側に対称に2つ以上形成できる。前記パッキン20に突出リングを特に別途に形成しなくても結合過程でフランジのリング溝12により、突出リング12を形成した場合と同様の作用をすることができる。これについては、後述する。
【0026】
また、前記パッキン20の外周を覆う金属板材の摩擦力減少用部材60が設けられている。前記摩擦力減少用部材60はパッキン20の外周の全体または一部を覆うように形成する。一部を覆うというのは、分割形成されているクランプ30の締結時に形成される変形部位24の上面のみ覆うことを意味する。前記摩擦力減少用部材60をパッキン20に取り付ける方法は接着剤による方法など、多様な方法が考えられる。特に、変形部位24にのみ取り付ける場合は、摩擦力減少用部材60をパッキン20の表面から内部に押して、パッキン20と嵌合することが便利であり、外周の全体またはほとんどを覆うように結合する場合には摩擦力減少用部材60を一側が切断された不連続のリング状に形成することにより、パッキン20の外周に容易に取り付けられる。また、図に示すように、パッキン20の外周に沿って凹溝23または凹溝23及び補助凹溝23aが形成されている場合は、摩擦力減少用部材60をそれに相応する形状に曲げ、前記凹溝23または凹溝23及び補助凹溝23aに嵌合するだけで、パッキン20の外周の全体または一部に取り付けできる。
【0027】
図3を参照して、前記摩擦力減少用部材60の作用を説明する。パッキン20を分割形成されているクランプ30で覆い、クランプ30を締結具34により締結するとき、前記パッキン20の形状が歪んでしまい、変形部位24が生じる。前記変形部位24とクランプ30との接点には、大きい摩擦力が発生して締結具34による締結が困難になる。特に、一般に使われるパッキンの材質がゴムであり、ゴムの特性の上、その摩擦力が大きいため、管継手作業が極めて難しくなる。したがって、前記パッキンに形成される変形部位24上側に、本発明のように、パッキン20外周に沿って全体的にまたは一部に金属板材である摩擦力減少用部材60を設けると、クランプ30の締結が容易になる。したがって、上述した如く、前記摩擦力減少用部材60はパッキン20の外周に沿って全体的にまたは一部に取り付けるが、特に一部にのみ取り付ける場合にはクランプ30の締結部位(分割部位)に対応する位置に複数取り付けることもでき、また1つだけを取り付けて取付部位が締結部位となるようにすることで、前記目的を達成できる。
【0028】
図4は、図1に示したパッキン及び摩擦力減少用部材を用いた実施例であり、これを参照して説明すると、本発明による管継手装置はフランジ11、パッキン20、クランプ30及び締付部材40で構成される。
【0029】
前記管10の継手部位の外側には、2つのフランジ11が溶接などの方法により結合される。前記各フランジ11の外周に沿って1つのリング溝12が形成されている。この際、前記リング溝12は前記パッキン20の内周に密着するか、または別途に前記突出リング21が形成されているパッキンの場合、前記突出リング21に密着する。そのため、突出リング21が形成されていない場合は関係ないが、突出リング21が別途に形成されているパッキン20を適用する場合は、突出リング21と同じ数及び同じ間隔を有する前記リング溝12を形成しなければならない。
【0030】
もちろん、前記管10の継手部位の外周に沿って直接リング溝を形成することもでき、このような場合にはフランジが不要になり、このため、リング溝が形成されている管の継手部位に直接パッキン20を外嵌することで、フランジを使用した場合と同様の作用をすることができる。
【0031】
前記パッキン20及び摩擦力減少用部材60は上述した通りである。ただし、フランジ11のリング溝12が1つずつ形成されるため、パッキン20の内周に沿って2つの突出リング21が形成される。
【0032】
前記クランプ30は内側にパッキン収容部31が形成される。また、前記パッキン収容部31の両側端部が内側に曲げられて内径が縮小し、結果として係止爪33が形成される。前記係止爪33は前記フランジ11の端部に係止されることで、管10が前記パッキン20またはクランプ30から離脱することを防止するようになっている。また、前記パッキン収容部31には内側に突出部32が形成されて前記パッキン20の凹溝23と係合される。このようなクランプ30を通常2分割または3分割し、分割されたそれぞれの部分により前記パッキン20を取り囲み、その後、ボルトとナットなどの締結具34を用いて結合することで管10を接続する。
【0033】
前記締付部材40は、前記クランプ30の側壁である係止爪33を貫通して締め付けたり、緩めたりすることができるネジよりなる。
【0034】
図5は、図2に示したパッキンと摩擦力減少用部材とを用いた実施例であって、図4の実施例と比較すると、パッキン20の外周に沿って凹溝23はもとより、その左右側に補助凹溝23aがそれぞれ形成され、それに対応してクランプ30にも突出部32の左右側に補助突出部32aがそれぞれ形成されている。また、フランジ11の夫々にリング溝12が2つずつ形成され、それに対応してパッキン20の内周に沿って4つの突出リング21が突設されている。さらに、摩擦力減少用部材60も図4に比べて相対的に小さな面積を有しているため、パッキン20の一部(変形部位24)にのみ取り付けられている。その他の構成は、図4の実施例と同様である。
【0035】
図6を参照して、図5に示した実施例の結合関係を説明すると、前記フランジ11を接続しようとする管10の継手部位に外嵌した後、溶接などの方法で固定する。前記フランジ11に、全体的にまたは一部に前記摩擦力減少用部材60が取り付けられているパッキン20を外嵌するが、このとき、パッキン20の内周に沿って別途の突出リング21が形成されている場合には前記突出リング21が前記リング溝12に密着するようにパッキン20の位置を調整する必要がある。もちろん、前記突出リング21が別途に形成されていないパッキンを用いる場合には、上述した位置調整は不要となる。前記パッキン20の側部に予め取り付けられるか、または別途に形成された金属リング50を前記パッキン20の側面にあてがい、その外側をクランプ30で覆って、分割された部位を締結具34により締結することで管10を接続できる。このとき、摩擦力減少用部材60が取り付けられている部位にパッキンの変形部位24が生じるようにクランプ30の締結部位を調整して締結することにより、一層容易に接続作業を行うことができる。また、クランプ30の係止爪33を前記フランジ11の端部に係止して、前記管10のクランプ30からの離脱を防止する。
【0036】
仮に、内周に沿って突出リングが別途に形成されていない場合にも、前記締結具34を締結するとき、ゴムなどの柔軟性材質のパッキン20の内周が前記リング溝12の形状に対応して変形しながら挿入されるため、結果として突出リング21と類似した形状の突出部位が生成される。したがって、突出リング21を別途に形成しなくても類似の効果が得られる。また、締付部材40で締め付けることにより、パッキン20を圧縮して前記突出リング21またはこれと類似した形状の変形部位が前記リング溝12に一層密着するようになる。よって、前記クランプ30が前記パッキン20よりも小さなものであれば、前記のような効果が一層高まる。ただし、この場合、クランプ30の締結時にパッキン20の変形部位24が一層大きくなり、摩擦力も上がり、このために前記の摩擦力減少用部材60が一層切望される。
【0037】
図7を参照すれば、前記フランジ11の外周に沿って係止溝13が形成され、前記係止溝13に前記クランプ30の係止爪33が係止される点において相違点があるが、その他の構成及び結合関係は前記図6に示した実施例と同様である。
【0038】
図8を参照して、管を接続した状態で地震などの水平方向の外力または温度差による管の長手方向への膨脹があった場合における、本発明による管継手装置の作動について説明する。
【0039】
本発明により2つの管10a、10bを接続した状態で外から力が加えられなければ、partAはもとよりpartBの突出リング21a、21bとリング溝12a、12bは、均等に密着拘束される。この状態で右側管10bに右側方向の力が加えられると、左側管10a、パッキン及びクランプは元の位置にあるが、右側管10b及びこれに固定されているフランジは右側に移動する。したがって、partAの突出リング21aとリング溝12aは均等に密着するが、partBの突出リング21bとリング溝12bは相互に離隔せしめられる。より具体的には、突出リング21bはリング溝12bの右側壁からは離れ、左側壁にのみ一層密着しながらその形状が変形される。また、前記パッキンの内部に中空部が形成されていて、前記パッキン自体の柔軟性が向上するため、このような形状の変形は一層大きくなる。また前記係止爪が係止溝に係止されるため、管の離脱が防止される。
【0040】
さらに、前記右側方向の力が消滅すると、前記変形された突出リング21bの弾性復元力により右側に移動していた右側管10bが左側に戻り、また右側突出リング21bとリング溝12bは全面にかけて密着するようになる。このように本発明によれば、突出リング21a、21bとリング溝12a、12bとの相互作用により水平方向の引張力のみではなく、圧縮力に対しても極めて柔軟に適応できるため、管が継手装置から離れることを防ぎ、外からの力が消滅すると元の位置に戻ることができる。
【0041】
また、本発明により接続された管に垂直方向の外力が作用する場合も類似した作用を示す。
【0042】
また、本発明によるパッキン及び管継手装置を用いて管を接続した後、 時間が経てば、突出リング21の弾性復元力が減少し、前記のような効果が低下する。この場合、本発明による締付部材40を一層締め付けることにより、劣化した機能をある程度回復させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図9を参照すれば、前記締付部材40は管10の大きさ及び環境に応じて複数設置することができるが、好ましくは前記クランプ30の両側壁に対称に設置し、さらに好ましくは一側壁に4つずつ計8つ設置する。
【0044】
図10は、上述した締付部材40を用いてパッキン20を圧縮し、それにより突出リング21がリング溝12に一層密着するように調整することを示す。同図に示すように、前記締付部材40とパッキン20との間に金属リング50が設けられているが、これは前記締付部材40を締め付けてパッキン20を圧縮するとき、その圧縮力をパッキン20の側面に均等に伝達するためのものである。したがって、前記金属リング50は、好ましくは、パッキンの側壁とクランプの係止爪33との間に隙間の発生を防止する形状を採用する。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、接続しようとする管またはバルブなどの管継手に、リング溝が形成されているフランジを固定させ、パッキン及びクランプを用いて通常の締結作業を行うことで管が地震をはじめとする外部の衝撃または気候変化にともなう温度偏差による管のずれに効果的に適応でき、外力が消滅すると元の位置に戻るという効果を奏する。そのため、連結部位の破損による漏水を効率よく予防できる。
【0046】
また、パッキンとクランプにそれぞれ凹溝と突出部を形成することにより、クランプがパッキンを一層効果的に拘束でき、これにより前記パッキンの突出リングとフランジのリング溝が一層効果的に作用できる。
【0047】
また、パッキンの内部に中空部を形成することにより、パッキン自体の柔軟性を向上させより変形しやすくなるとともに、弾性復元力が向上し、締付部材の作用を極大化するという効果も得られる。
【0048】
また、突出リングをリング溝にできる限り深く密着させるためには、パッキンよりも小さなクランプを用いた方が一層効果的であるが、このとき、表面が滑らかな金属材の摩擦力減少用部材をさらに備えることにより、分割されているそれぞれのクランプを容易に締結することができる。
【0049】
また、本発明によれば、締付部材を締付けてパッキンを圧縮することにより、長期間の使用により前記の機能が弱まった場合にこれを調節することができ、前記締付部材を複数備えるとその効果は一層高まる。さらに、金属リングをさらに設けることにより、前記圧縮力がパッキンの側面に均等に伝達できる。
【0050】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形・変更が可能であることは当該技術分野における通常の知識を有するものにとっては自明であり、このような変形・変更が添付の特許請求の範囲に属することは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、本発明によるパッキンの一部が切り欠かれた分離斜視図である。
【図2】図2は、本発明による他のパッキンの一部が切り欠かれた分離斜視図である。
【図3】図3は、本発明を用いた管継手作業状態の側面図である。
【図4】図4は、図1に示したパッキンを用いた実施例の分離斜視図である。
【図5】図5は、図2に示したパッキンを用いた実施例の分離斜視図である。
【図6】図6は、図5に示した実施例の結合状態の断面図である。
【図7】図7は、他の実施例の結合状態の断面図である。
【図8】図8は、図7のように接続されている管に水平方向の外力が作用するときの使用状態の断面図である。
【図9】図9は、図5に示した実施例の結合状態の正面図である。
【図10】図10は、主要構成要素に対する部分拡大図である。
【図11】図11は、従来の管及びバルブの継手装置を示す図である。
【図12】図12は、従来の改善されたパッキン及びこれを用いた管継手装置を示す図である。
【図13】図13は、従来の改善されたパッキン及びこれを用いた管継手装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続しようとする管または管と管継手の継手部位に外嵌固定され、外周に沿って少なくとも1つ以上のリング溝が形成されているフランジと、
前記フランジに外嵌され、前記リング溝に密着するように内周に沿って突出リングが一体形成されているパッキンと、
前記パッキンを収容するパッキン収容部、及び両側部が内側に曲げられて延びている係止爪を備え、複数に分割形成して前記パッキンを取り囲んだ後、締結具により結合されるクランプとを含むことを特徴とするフランジを用いた管継手装置。
【請求項2】
前記パッキンの外周の中央部に沿って凹溝が形成され、前記凹溝に対応するように前記パッキン収容部に突出部が形成されることを特徴とする請求項1記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項3】
前記パッキンに前記凹溝を基準として左右側に対称に1つ以上の補助凹溝がさらに形成され、前記補助凹溝に対応するように前記パッキン収容部に補助突出部がさらに形成されることを特徴とする請求項2記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項4】
前記管継手は、バルブ(valve)、レジューサ(reducer)、ティー(Tee)及びエルボ(elbow)よりなる群から選ばれたいずれか1種であることを特徴とする請求項1記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項5】
前記フランジは、前記管または管と管継手の継手部位の外側に溶接固定されることを特徴とする請求項1記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項6】
前記管または管と管継手が前記クランプから離脱するのを防止するために、前記フランジの一端部が前記係止爪に係止されることを特徴とする請求項1記載の前記フランジを用いた管継手装置。
【請求項7】
前記管または管と管継手が前記クランプから離脱するのを防止するために、前記フランジの外周に沿って係止溝を形成し、前記係止溝に前記係止爪が係止されることを特徴とする請求項1記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項8】
前記パッキンの内部には少なくとも1つ以上の中空部が形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項9】
前記中空部が2つ以上形成される場合、左右対称となるように形成されることを特徴とする請求項8記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項10】
前記分割形成されているクランプを締結するときに前記パッキンに発生する変形部位との摩擦力を減少させるために、前記パッキンの外周に沿って全体的に又は一部に金属板材の摩擦力減少用部材がさらに結合されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項11】
前記クランプの両側に形成されている係止爪を貫通してその内側に挿入され、前記パッキンを厚さ方向に圧縮できるように構成される締付部材がさらに含まれることを特徴とする請求項1記載のフランジを用いた管継手装置。
【請求項12】
前記締付部材を締め付ける時に発生する圧縮力が前記パッキンの側面に均等に伝達されるように前記パッキンと前記係止爪との間に金属リングがさらに設けられることを特徴とする請求項11記載のフランジを用いた管継手装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−500324(P2007−500324A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521780(P2006−521780)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/KR2004/001821
【国際公開番号】WO2005/010422
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506027712)
【氏名又は名称原語表記】KIM, Su Gen
【住所又は居所原語表記】Janwoo Officetel No.320,339−4,Huam−dong,Yongsan−gu,Seoul The Republic of Korea
【Fターム(参考)】