フリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット
【課題】接点の継断時の電気的スパークが発生することないため、クリーンルーム内を高いクリーン度に保つことができ、製品の品質を保った状態で搬送することが可能なフリーフローコンベヤを提供する。
【解決手段】各センサーユニット21a・21b、23a・23b、一腕部に検知回転体31が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部27aが設けられ、軸29を中心に搖動するように支持された搖動アーム27、搖動アーム27を、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材35、搖動アーム27の各作動部27a側に設けられ、搖動アーム27の搖動に伴って移動する作動部27aにより検知信号を出力する一対の無接点型センサ37,39、から構成する。
【解決手段】各センサーユニット21a・21b、23a・23b、一腕部に検知回転体31が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部27aが設けられ、軸29を中心に搖動するように支持された搖動アーム27、搖動アーム27を、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材35、搖動アーム27の各作動部27a側に設けられ、搖動アーム27の搖動に伴って移動する作動部27aにより検知信号を出力する一対の無接点型センサ37,39、から構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット、詳しくは、例えばクリーンルーム等に設置されるフリーフローコンベヤに適した防塵、防爆タイプのセンサーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願には、特許文献1において、製品の供給位置と取出位置との間にて少なくとも3台以上の単位搬送装置を接続して製品を搬送する搬送システムで、各単位搬送装置はその搬送長が搬送方向における製品の長さとほぼ一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットをそれぞれ設け、搬送方向上手に位置する単位搬送装置に製品が供給され、該単位搬送装置の各センサーユニットが製品検出状態に遷移した際に、該単位搬送装置の搬送方向下手に隣接する単位搬送装置の各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら単位搬送装置を搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送する、上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位搬送装置に製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に隣接する各単位搬送装置の搬送を停止制御して製品を整列搬送する搬送システムを提案した。
【0003】
上記搬送システムのセンサーユニットとしては、各単位搬送装置の搬入側及び搬出側に、例えばリミットスイッチ等の有接点構造の位置検出器を配置し、搬送方向に沿って配置された隣接する単位搬送装置における各位置検出器からの信号に基づいてそれぞれの単位搬送装置を駆動制御及び停止制御している。
【0004】
しかし、上記した搬送システムを、例えば電子デバイス製造装置等が設置されたクリーンルームに設置して使用する場合には、以下の問題を有している。即ち、一般に有接点構造の位置検出器にあっては、低電圧、低電流の導通、遮断により位置検出を行っているが、接点継断時に過電流が印加されると、電気的スパークにより接点が溶融気化して雰囲気中に飛散してクリーンルーム内を汚染し、搬送される製品に付着して品質を低下させたり、不良品化する恐れがある。
【0005】
また、経時使用により接点が酸化して酸化被膜が形成されて電気抵抗値が増大し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できない恐れがある。この欠点を解決するには、一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換することにより解決することができるが、その場合には、電子デバイス製造装置等の運転を一時的に停止しなければならず、製品の製造効率を低下させる問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-40430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、有接点構造の位置検出器にあっては、接点継断時に過電流が印加された場合には、電気的スパークにより接点が溶融気化して雰囲気中に飛散してクリーンルーム内を汚染し、搬送される製品に付着して品質を低下させたり、不良品化させたりする点にある。また、経時使用により接点が酸化して酸化被膜が形成されて電気抵抗値が増大し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できない点にある。一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換しなければならず、その場合には、電子デバイス製造装置等の運転を一時的に停止する必要があり、製品の製造効率を低下させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、製品の供給位置と取出位置の間に少なくとも3台以上の単位コンベヤを接続し、各単位コンベヤにはその搬送長が製品の搬送方向長さに一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットがそれぞれ設けられ、搬送方向上手に位置する単位コンベヤに製品が供給されてその各センサーユニットが製品検出状態に遷移した状態で該単位コンベヤの搬送方向下手に隣接する単位コンベヤの各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら隣接する単位コンベヤをそれぞれ搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送し、次に上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位コンベヤに製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に搬送方向上手に隣接する単位コンベヤの搬送を停止制御して製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおいて、上記各センサーユニットは、一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサとから構成したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、接点の継断時に過電流が印加された場合であっても、電気的スパークが発生することなく、フリーフローコンベヤが設置されるクリーンルーム内を高いクリーン度に保つことができ、製品の品質を保った状態で搬送することができる。また、経時使用により電気抵抗値が増大するのを回避し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できる。一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換する必要がなく、長時間にわたって電子デバイス製造装置等の運転することができ、製品の製造効率が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】フリーフローコンベヤの概略を示す全体斜視図である。
【図2】単位コンベヤの拡大斜視図である。
【図3】センサーユニットの内部構造を示す略体斜視図である。
【図4】製品供給側における制御概略を示す電気的ブロック図である。
【図5】各センサーユニットからの信号と各搬送装置における電動モータの駆動状態を示すタイミングチャートである。
【図6】制御概略を示す電気的ブロック図である。
【図7】製品取出し側における各センサーユニットからの信号と各搬送装置における電動モータの駆動状態を示すタイミングチャートである。
【図8】正方向へ搬送される製品の検出状態を示す説明図である。
【図9】逆方向へ搬送される製品の検出状態を示す説明図である。
【図10】上下二段接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【図11】分岐接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【図12】反転接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、各センサーユニットを、一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサとから構成したことを最良の実施形態とする。
【実施例1】
【0012】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
先ず、本発明が適用されるフリーフローコンベヤに付いて説明すると、図1及び図2に示すように、製品1が供給される供給位置Aと、搬送された製品1を取り出す取出位置Bとの間には多数の多数の単位コンベヤ3を接続したフリーフローコンベヤ5が配置される。多数の単位コンベヤ3の接続態様としては直列接続、並列接続、上下二段接続、分岐接続(集合接続)、反転接続のいずれか又は組み合わせによりフリーフローコンベヤ5を構成してもよい。
【0013】
各単位コンベヤ3はローラ形式、ベルト形式又はキャタピラー形式の何れであってもよい。本実施形態の単位コンベヤ3はキャタピラー形式のものを示し、一対の本体フレーム7は軽量化を図るため、アルミニウム押出型材で、その長手方向が製品1の搬送方向長さにほぼ一致し、かつ製品1の搬送直交方向幅の間隔をおいて相対配置された状態で固定バー4により連結されて固定される。即ち、単位コンベヤ3は製品1、1個分の搬送長さに設定される。
【0014】
各本体フレーム7の一方端部(搬送方向下手側)には駆動軸9が、また他方端部(搬送方向上手側)には従動軸11が夫々回転可能に支持され、駆動軸9の軸端部には駆動歯車(図示せず)が、また従動軸11の軸端部には従動歯車(図示せず)が固定される。そして駆動軸9には一方の本体フレーム7に固定された電動モータ17が連結され、電動モータ17の駆動に伴って駆動軸9を正逆方向へ回転させる。
【0015】
各駆動歯車と従動歯車との間には搬送キャタピラー19が張設される。該搬送キャタピラー19は多数の単位部材19aを回動可能に軸支した構造で、各単位部材19aの搬送面には高摩擦係数のゴム板等からなる滑り止め部材(図示せず)が取り付けられる。
【0016】
駆動軸9の近傍に位置する本体フレーム7には搬送直交方向へ並行して配置された2個の搬出側センサーユニット21a・21bが取付けられる。また、従動軸11の近傍に位置する本体フレーム7には搬送直交方向へ並行して配置された2個の搬入側センサーユニット23a・23bが取付けられる。
【0017】
図3に示すように、各センサーユニット21a・21b、23a・23bの本体ケース25の上面には、開口25aが形成され、内部には、搖動アーム27の下部が軸29を中心に所要の角度で回動するように軸支されている。該回動アーム27の先端部(図示する上部)には、検知回転体31が回転するように軸支されている。また、上記上記搖動レバー27の基端部には、図示する左右方向へ突出し、下面が幅広V字型の作動部27aが設けられている。
【0018】
また、上記搖動レバー27の下方に応じた本体ケース25には、上記作動部27aの下面に当接する当接部33aを有した軸33が図示する上下方向へ移動するように支持され、該軸33は、弾性部材としての圧縮ばね35のばね力により常には図示する上方へ移動して当接部33aが作動部27aに圧接するように付勢される。
【0019】
各作動部27a先端部の搖動軌跡上に応じた本体ケース25内には、無接点型センサとしてのフォトセンサ37・39がそれぞれ設けられている。上記各フォトセンサ37・39は、上記作動片27aが通過可能な間隙をおいて相対配置される発光部材及び受光部材(いずれも図示せず)により構成され、発光部材から受光部材に照射される光が間隙内を通過する作動部27aにより遮断された際に製品検知信号を出力する光透過型からなる。
【0020】
該フォトセンサ37・39としては、同一取付け面上に上記発光部材及び受光部材を隣接配置し、間隙内を通過する作動部27aにより発光部材から照射される光が反射されて受光部材に受光されることにより製品検知信号を出力する反射型として構成してもよい。
【0021】
上記センサーユニット21a・21b、23a・23bは、製品1の通過に伴って製品検出状態のときにはH(High)、製品非検出状態のときにはL(LOW)の信号を隣接する単位コンベヤ3毎に設けられた制御ユニット41に出力して後述するフリーフロー搬送を実行させる。
【0022】
次に、フリーフローコンベヤ5による製品1のフリーフロー搬送作用を説明する。なお、説明の便宜上、供給位置Aから取出位置Bに向って接続された各単位コンベヤ3を符号3−1,3−2,・・・3−n、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nに設けられた搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bを符号21a−1,21a−2,・・・21a−n、21b−1,21b−2,・・・21b−n、23a−1,23a−2,・・・23a−n、23b−1,23b−2,・・・23b−nとする。
【0023】
先ず、フリーフローコンベヤ5を正方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送する場合に付いて説明すると、図4及び図5に示すように、供給位置Aの単位コンベヤ3−1上に製品1が戴置されると、搬出側センサーユニット21a−1,搬入側センサーユニット23a−1が夫々Hに遷移する。このとき、単位コンベヤ3−1の搬送方向下手に位置する単位コンベヤ3−2の搬出側センサーユニット21b−2,搬入側センサーユニット23b−2が共にLであることを条件に単位コンベヤ3−1及び3−2の各電動モータ17をそれぞれ駆動して単位コンベヤ3−1上の製品1を隣接する単位コンベヤ3−2へ搬送して移戴させる。
【0024】
この移戴に伴って搬入側センサーユニット23a−1及び搬出側センサーユニット21a−1が順にLへ遷移すると共に搬入側センサーユニット23a/b−2が共にHに遷移した後に搬出側センサーユニット21a/b‐2がHに遷移したタイミングで単位コンベヤ3−1の電動モータ17の駆動を停止する。
【0025】
単位コンベヤ3−1の電動モータ17が駆動停止された際に、搬出側センサーユニット21a−2及び搬入側センサーユニット23a−2が夫々Hであると共に単位コンベヤ3−2の搬送方向下手に位置する単位コンベヤ3−3に対して製品1が搬入されていず、搬出側センサーユニット21b−3,搬入側センサーユニット23b−3がLになっているため、単位コンベヤ3−2の電動モータ17を駆動継続させる。
【0026】
上記動作の繰り返しによりフリーフローコンベヤ5の供給位置Aにて製品1が順次供給されると、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nは供給される製品1を取出位置Bに向って単位コンベヤ3の搬送長分、従って製品1の1個分の間隔をおいて順次搬送する。
【0027】
そしてフリーフローコンベヤ5の取出位置Bに設けられた単位コンベヤ3−nに製品1が搬入されてストッパに押し当てられると、Hに変化する搬出側センサーユニット21a−nからの信号遷移に基づいて単位コンベヤ3−nの電動モータ17を駆動停止させる。
【0028】
このとき、単位コンベヤ3−nの搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・には製品1が搬入されていず、搬出側センサーユニット21a−・‐・,搬入側センサーユニット23a−・‐・がLであるため、これにより搬送方向上手の単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17及び単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動継続し、単位コンベヤ3−・‐・上の製品1を次位の単位コンベヤ3−・‐・へ搬送させる。
【0029】
そして単位コンベヤ3−・‐・における搬出側センサーユニット21a−・‐・がHに遷移したタイミングで単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動停止して単位コンベヤ3−・‐・上にて製品1を停止保持させる。そして上記動作の繰り返しにより各単位コンベヤ3−1上に順次供給される各製品1を、製品1の1個分の間隔をおいた状態でフリーフロー搬送する。
【0030】
次に、図6及び図7に示すように、取出位置Bにて単位コンベヤ3−n上の製品1が取り出されると、該単位コンベヤ3−nにおける搬出側センサーユニット21a/b−n及び搬入側センサーユニット23a/b−nがHからLへ遷移することにより該単位コンベヤ3−n及びこれより搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・の各電動モータ17を駆動して単位コンベヤ3−・‐・上の製品1を単位コンベヤ3−nに向かって搬送して移戴させる。
【0031】
このとき、単位コンベヤ3−nにおける搬出側センサーユニット21a/b−n,搬入側センサーユニット23a/b−nがLからHへ遷移して単位コンベヤ3−nの電動モータ17を駆動停止させると共に単位コンベヤ3−・‐・における搬出側センサーユニット21a/b−・‐・,搬入側センサーユニット23a/b−・‐・がHからLに遷移することにより該単位コンベヤ3−・‐・の搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動させる。
【0032】
上記動作の繰り返しにより搬送方向上手に位置する各単位コンベヤ3−・‐・、3−・‐・・・・・におけるそれぞれの電動モータ17を順に駆動して夫々に戴置された製品1を取出位置B側に向って単位コンベヤ3の1台分づつの距離で搬送して製品1相互が詰まったフリーフロー状態で搬送する。
【0033】
なお、フリーフローコンベヤ5を上記とは逆方向へ搬送駆動して製品1を図示の取出位置Bから単位コンベヤ3上に製品1を供給して供給位置Aへフリーフロー搬送するには、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nの各電動モータ17を逆転駆動させると共に各単位コンベヤ3−n,3−n−1、・・・・3−2,3−1に設けられたそれぞれの搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bからの製品検知信号に基づいて上記と逆に搬送駆動することにより製品1をフリーフロー搬送させる。
【0034】
次に、各単位コンベヤ3−1、・・・・3−nを正方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送させる際の搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bによる製品1の検出動作を説明すると、単位コンベヤ3の搬送駆動に伴って搬送される製品1が搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに位置した際に、製品1の底面に対する検知回転体31の当接により搖動アーム27を圧縮ばね35のばね力に抗して軸29を中心に図8に示す時計方向へ搖動させる。
【0035】
上記搖動アーム27の搖動により図示する左側の作動部27aがフォトセンサ37の間隙内へ進入されると、フォトセンサ37の間隙内にて発光部材から受光部材に向かって照射される光が上記作動部27aにより遮断されることにより受光部材が光の受光状態から非受光状態へ遷移して製品1の検知信号を出力する。
【0036】
そして搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに対する製品1の通過に伴って底面に対する検知回転体31の当接が解除されると、搖動アーム27は、圧縮ばね35のばね力により図示する反時計方向へ搖動して検知回転体31を開口25aから上方へ突出させると共にフォトセンサ37の間隙内から作動部27aを離脱させる。これにより上記フォトセンサ37の受光部材は、光の非受光状態から受光状態へ遷移して製品1の非検知信号を出力させる。
【0037】
反対に、各単位コンベヤ3−1・・・3−nを逆方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送させる際の搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bによる製品1の検出動作を説明すると、単位コンベヤ3の搬送駆動に伴って搬送される製品1が搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに位置した際に、製品1の底面に対する検知回転体31の当接により搖動アーム27を圧縮ばね35のばね力に抗して軸29を中心に図9に示す反時計方向へ搖動させる。
【0038】
上記搖動アーム27の搖動により図示する右側の作動部27aがフォトセンサ39の間隙内へ進入されると、フォトセンサ39の間隙内にて発光部材から受光部材に向かって照射される光が上記作動部27aにより遮断されることにより受光部材が光の受光状態から非受光状態へ遷移して製品1の検知信号を出力する。
【0039】
そして搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに対する製品1の通過に伴って底面に対する検知回転体31の当接が解除されると、搖動アーム27は、圧縮ばね35のばね力により図示する時計方向へ搖動して検知回転体31を開口25aから上方へ突出させると共にフォトセンサ39の間隙内から作動部27aを離脱させる。これにより上記フォトセンサ39の受光部材は、光の非受光状態から受光状態へ遷移して製品1の非検知信号を出力させる。
【0040】
本実施形態は、接点の継断時の電気的スパークが発生することないため、フリーフローコンベヤが設置されるクリーンルーム内を高いクリーン度に保つことができ、製品の品質を保った状態で搬送することができる。また、経時使用により電気抵抗値が増大するのを回避し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できる。更に、一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換する必要がなく、長時間にわたって電子デバイス製造装置等の運転することができ、製品の製造効率が低下するのを防止することができる。
【0041】
また更に、本実施例は、単一の搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bによりフリーフローコンベヤ5により正方向及び逆方向へ搬送される製品1を検出することができ、製品1の検出機構を簡易化及び小型化することができる。
【0042】
フリーフローコンベヤ5における単位コンベヤ3の接続態様としては、製品1の供給位置Aと取出位置Bとの関係から上記したように並列接続、上下二段接続、分岐接続(集合接続)及び傾斜接続すればよい。
【0043】
即ち、上下二段接続するには、図10に示すように昇降搬送装置101の搬入側下方に、上記した多数の単位コンベヤ3を直列接続した搬入搬送ライン103を設けると共に搬出側の上方及び下方に上記した多数の単位コンベヤ3を直列接続した搬出搬送ライン105・107を設け、昇降搬送装置101に設けられた単位コンベヤ3を選択的に昇降して搬入搬送ライン103を、上方或は下方の搬出搬送ライン105・107に一致させて製品1を二段搬送してもよい。
【0044】
また、分岐接続するには、図11に示すようにスライド搬送装置111の搬入側に上記した搬入搬送ライン113を設けると共に搬出側の両端部に上記した搬出搬送ライン115・117を設け、スライド搬送装置111に設けられた単位コンベヤ3を搬入及び搬出搬送ライン113,115・117の搬送方向と直交する方向へ選択的に移動して搬入搬送ライン113により搬入される製品1を搬出搬送ライン115・117へ振り分けて分岐搬送する。
【0045】
更に、反転接続する場合には、図12(図12は搬送路を90度で変更する場合を示す)に示すように単位コンベヤ3を90度又は任意の角度で回動する反転搬送装置121の搬入側に上記と同様に搬入搬送ライン123を接続すると共に搬出側に搬出搬送ライン125を搬入搬送ライン123の搬送方向に対して任意の角度で接続し、搬入搬送ライン123から搬入される製品1を、回動する単位コンベヤ3により搬入搬送ライン123に対して所望の角度で設置された搬出搬送ライン125へ接続して搬送すればよい。
【0046】
なお、図10乃至図12に示す搬入搬送ライン103,113,123及び搬出搬送ライン105・107,115・117,125は、実施形態で説明した単位コンベヤ3を多数接続したものであり、その詳細については説明を省略する。
【0047】
上記説明において無接点型センサをフォトセンサ37・39としたが、ホール素子等の磁気検知器としてもよい。この場合にあっては、各作動部27aに永久磁石を取り付け、磁気検知器に永久磁石が近接した際に製品検知信号を出力すればよい。
【符号の説明】
【0048】
1 製品
3 単位コンベヤ
4 固定バー
5 フリーフローコンベヤ
7 本体フレーム
9 駆動軸
11 従動軸
17 電動モータ
19 キャタピラー
19a 単位部材
21a・21b 搬出側センサーユニット
23a・23b 搬入側センサーユニット
25 本体ケース
25a 開口
27 搖動アーム
27a 作動部
29 軸
31 検知回転体
33 軸
33a 当接部
35 弾性部材としての圧縮ばね
37・39 無接点型センサとしてのフォトセンサ
41 制御ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット、詳しくは、例えばクリーンルーム等に設置されるフリーフローコンベヤに適した防塵、防爆タイプのセンサーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願には、特許文献1において、製品の供給位置と取出位置との間にて少なくとも3台以上の単位搬送装置を接続して製品を搬送する搬送システムで、各単位搬送装置はその搬送長が搬送方向における製品の長さとほぼ一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットをそれぞれ設け、搬送方向上手に位置する単位搬送装置に製品が供給され、該単位搬送装置の各センサーユニットが製品検出状態に遷移した際に、該単位搬送装置の搬送方向下手に隣接する単位搬送装置の各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら単位搬送装置を搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送する、上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位搬送装置に製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に隣接する各単位搬送装置の搬送を停止制御して製品を整列搬送する搬送システムを提案した。
【0003】
上記搬送システムのセンサーユニットとしては、各単位搬送装置の搬入側及び搬出側に、例えばリミットスイッチ等の有接点構造の位置検出器を配置し、搬送方向に沿って配置された隣接する単位搬送装置における各位置検出器からの信号に基づいてそれぞれの単位搬送装置を駆動制御及び停止制御している。
【0004】
しかし、上記した搬送システムを、例えば電子デバイス製造装置等が設置されたクリーンルームに設置して使用する場合には、以下の問題を有している。即ち、一般に有接点構造の位置検出器にあっては、低電圧、低電流の導通、遮断により位置検出を行っているが、接点継断時に過電流が印加されると、電気的スパークにより接点が溶融気化して雰囲気中に飛散してクリーンルーム内を汚染し、搬送される製品に付着して品質を低下させたり、不良品化する恐れがある。
【0005】
また、経時使用により接点が酸化して酸化被膜が形成されて電気抵抗値が増大し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できない恐れがある。この欠点を解決するには、一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換することにより解決することができるが、その場合には、電子デバイス製造装置等の運転を一時的に停止しなければならず、製品の製造効率を低下させる問題を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-40430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は、有接点構造の位置検出器にあっては、接点継断時に過電流が印加された場合には、電気的スパークにより接点が溶融気化して雰囲気中に飛散してクリーンルーム内を汚染し、搬送される製品に付着して品質を低下させたり、不良品化させたりする点にある。また、経時使用により接点が酸化して酸化被膜が形成されて電気抵抗値が増大し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できない点にある。一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換しなければならず、その場合には、電子デバイス製造装置等の運転を一時的に停止する必要があり、製品の製造効率を低下させる点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、製品の供給位置と取出位置の間に少なくとも3台以上の単位コンベヤを接続し、各単位コンベヤにはその搬送長が製品の搬送方向長さに一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットがそれぞれ設けられ、搬送方向上手に位置する単位コンベヤに製品が供給されてその各センサーユニットが製品検出状態に遷移した状態で該単位コンベヤの搬送方向下手に隣接する単位コンベヤの各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら隣接する単位コンベヤをそれぞれ搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送し、次に上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位コンベヤに製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に搬送方向上手に隣接する単位コンベヤの搬送を停止制御して製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおいて、上記各センサーユニットは、一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサとから構成したことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、接点の継断時に過電流が印加された場合であっても、電気的スパークが発生することなく、フリーフローコンベヤが設置されるクリーンルーム内を高いクリーン度に保つことができ、製品の品質を保った状態で搬送することができる。また、経時使用により電気抵抗値が増大するのを回避し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できる。一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換する必要がなく、長時間にわたって電子デバイス製造装置等の運転することができ、製品の製造効率が低下するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】フリーフローコンベヤの概略を示す全体斜視図である。
【図2】単位コンベヤの拡大斜視図である。
【図3】センサーユニットの内部構造を示す略体斜視図である。
【図4】製品供給側における制御概略を示す電気的ブロック図である。
【図5】各センサーユニットからの信号と各搬送装置における電動モータの駆動状態を示すタイミングチャートである。
【図6】制御概略を示す電気的ブロック図である。
【図7】製品取出し側における各センサーユニットからの信号と各搬送装置における電動モータの駆動状態を示すタイミングチャートである。
【図8】正方向へ搬送される製品の検出状態を示す説明図である。
【図9】逆方向へ搬送される製品の検出状態を示す説明図である。
【図10】上下二段接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【図11】分岐接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【図12】反転接続のフリーフローコンベヤ例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、各センサーユニットを、一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサとから構成したことを最良の実施形態とする。
【実施例1】
【0012】
以下、実施例を示す図に従って本発明を説明する。
先ず、本発明が適用されるフリーフローコンベヤに付いて説明すると、図1及び図2に示すように、製品1が供給される供給位置Aと、搬送された製品1を取り出す取出位置Bとの間には多数の多数の単位コンベヤ3を接続したフリーフローコンベヤ5が配置される。多数の単位コンベヤ3の接続態様としては直列接続、並列接続、上下二段接続、分岐接続(集合接続)、反転接続のいずれか又は組み合わせによりフリーフローコンベヤ5を構成してもよい。
【0013】
各単位コンベヤ3はローラ形式、ベルト形式又はキャタピラー形式の何れであってもよい。本実施形態の単位コンベヤ3はキャタピラー形式のものを示し、一対の本体フレーム7は軽量化を図るため、アルミニウム押出型材で、その長手方向が製品1の搬送方向長さにほぼ一致し、かつ製品1の搬送直交方向幅の間隔をおいて相対配置された状態で固定バー4により連結されて固定される。即ち、単位コンベヤ3は製品1、1個分の搬送長さに設定される。
【0014】
各本体フレーム7の一方端部(搬送方向下手側)には駆動軸9が、また他方端部(搬送方向上手側)には従動軸11が夫々回転可能に支持され、駆動軸9の軸端部には駆動歯車(図示せず)が、また従動軸11の軸端部には従動歯車(図示せず)が固定される。そして駆動軸9には一方の本体フレーム7に固定された電動モータ17が連結され、電動モータ17の駆動に伴って駆動軸9を正逆方向へ回転させる。
【0015】
各駆動歯車と従動歯車との間には搬送キャタピラー19が張設される。該搬送キャタピラー19は多数の単位部材19aを回動可能に軸支した構造で、各単位部材19aの搬送面には高摩擦係数のゴム板等からなる滑り止め部材(図示せず)が取り付けられる。
【0016】
駆動軸9の近傍に位置する本体フレーム7には搬送直交方向へ並行して配置された2個の搬出側センサーユニット21a・21bが取付けられる。また、従動軸11の近傍に位置する本体フレーム7には搬送直交方向へ並行して配置された2個の搬入側センサーユニット23a・23bが取付けられる。
【0017】
図3に示すように、各センサーユニット21a・21b、23a・23bの本体ケース25の上面には、開口25aが形成され、内部には、搖動アーム27の下部が軸29を中心に所要の角度で回動するように軸支されている。該回動アーム27の先端部(図示する上部)には、検知回転体31が回転するように軸支されている。また、上記上記搖動レバー27の基端部には、図示する左右方向へ突出し、下面が幅広V字型の作動部27aが設けられている。
【0018】
また、上記搖動レバー27の下方に応じた本体ケース25には、上記作動部27aの下面に当接する当接部33aを有した軸33が図示する上下方向へ移動するように支持され、該軸33は、弾性部材としての圧縮ばね35のばね力により常には図示する上方へ移動して当接部33aが作動部27aに圧接するように付勢される。
【0019】
各作動部27a先端部の搖動軌跡上に応じた本体ケース25内には、無接点型センサとしてのフォトセンサ37・39がそれぞれ設けられている。上記各フォトセンサ37・39は、上記作動片27aが通過可能な間隙をおいて相対配置される発光部材及び受光部材(いずれも図示せず)により構成され、発光部材から受光部材に照射される光が間隙内を通過する作動部27aにより遮断された際に製品検知信号を出力する光透過型からなる。
【0020】
該フォトセンサ37・39としては、同一取付け面上に上記発光部材及び受光部材を隣接配置し、間隙内を通過する作動部27aにより発光部材から照射される光が反射されて受光部材に受光されることにより製品検知信号を出力する反射型として構成してもよい。
【0021】
上記センサーユニット21a・21b、23a・23bは、製品1の通過に伴って製品検出状態のときにはH(High)、製品非検出状態のときにはL(LOW)の信号を隣接する単位コンベヤ3毎に設けられた制御ユニット41に出力して後述するフリーフロー搬送を実行させる。
【0022】
次に、フリーフローコンベヤ5による製品1のフリーフロー搬送作用を説明する。なお、説明の便宜上、供給位置Aから取出位置Bに向って接続された各単位コンベヤ3を符号3−1,3−2,・・・3−n、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nに設けられた搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bを符号21a−1,21a−2,・・・21a−n、21b−1,21b−2,・・・21b−n、23a−1,23a−2,・・・23a−n、23b−1,23b−2,・・・23b−nとする。
【0023】
先ず、フリーフローコンベヤ5を正方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送する場合に付いて説明すると、図4及び図5に示すように、供給位置Aの単位コンベヤ3−1上に製品1が戴置されると、搬出側センサーユニット21a−1,搬入側センサーユニット23a−1が夫々Hに遷移する。このとき、単位コンベヤ3−1の搬送方向下手に位置する単位コンベヤ3−2の搬出側センサーユニット21b−2,搬入側センサーユニット23b−2が共にLであることを条件に単位コンベヤ3−1及び3−2の各電動モータ17をそれぞれ駆動して単位コンベヤ3−1上の製品1を隣接する単位コンベヤ3−2へ搬送して移戴させる。
【0024】
この移戴に伴って搬入側センサーユニット23a−1及び搬出側センサーユニット21a−1が順にLへ遷移すると共に搬入側センサーユニット23a/b−2が共にHに遷移した後に搬出側センサーユニット21a/b‐2がHに遷移したタイミングで単位コンベヤ3−1の電動モータ17の駆動を停止する。
【0025】
単位コンベヤ3−1の電動モータ17が駆動停止された際に、搬出側センサーユニット21a−2及び搬入側センサーユニット23a−2が夫々Hであると共に単位コンベヤ3−2の搬送方向下手に位置する単位コンベヤ3−3に対して製品1が搬入されていず、搬出側センサーユニット21b−3,搬入側センサーユニット23b−3がLになっているため、単位コンベヤ3−2の電動モータ17を駆動継続させる。
【0026】
上記動作の繰り返しによりフリーフローコンベヤ5の供給位置Aにて製品1が順次供給されると、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nは供給される製品1を取出位置Bに向って単位コンベヤ3の搬送長分、従って製品1の1個分の間隔をおいて順次搬送する。
【0027】
そしてフリーフローコンベヤ5の取出位置Bに設けられた単位コンベヤ3−nに製品1が搬入されてストッパに押し当てられると、Hに変化する搬出側センサーユニット21a−nからの信号遷移に基づいて単位コンベヤ3−nの電動モータ17を駆動停止させる。
【0028】
このとき、単位コンベヤ3−nの搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・には製品1が搬入されていず、搬出側センサーユニット21a−・‐・,搬入側センサーユニット23a−・‐・がLであるため、これにより搬送方向上手の単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17及び単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動継続し、単位コンベヤ3−・‐・上の製品1を次位の単位コンベヤ3−・‐・へ搬送させる。
【0029】
そして単位コンベヤ3−・‐・における搬出側センサーユニット21a−・‐・がHに遷移したタイミングで単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動停止して単位コンベヤ3−・‐・上にて製品1を停止保持させる。そして上記動作の繰り返しにより各単位コンベヤ3−1上に順次供給される各製品1を、製品1の1個分の間隔をおいた状態でフリーフロー搬送する。
【0030】
次に、図6及び図7に示すように、取出位置Bにて単位コンベヤ3−n上の製品1が取り出されると、該単位コンベヤ3−nにおける搬出側センサーユニット21a/b−n及び搬入側センサーユニット23a/b−nがHからLへ遷移することにより該単位コンベヤ3−n及びこれより搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・の各電動モータ17を駆動して単位コンベヤ3−・‐・上の製品1を単位コンベヤ3−nに向かって搬送して移戴させる。
【0031】
このとき、単位コンベヤ3−nにおける搬出側センサーユニット21a/b−n,搬入側センサーユニット23a/b−nがLからHへ遷移して単位コンベヤ3−nの電動モータ17を駆動停止させると共に単位コンベヤ3−・‐・における搬出側センサーユニット21a/b−・‐・,搬入側センサーユニット23a/b−・‐・がHからLに遷移することにより該単位コンベヤ3−・‐・の搬送方向上手に位置する単位コンベヤ3−・‐・の電動モータ17を駆動させる。
【0032】
上記動作の繰り返しにより搬送方向上手に位置する各単位コンベヤ3−・‐・、3−・‐・・・・・におけるそれぞれの電動モータ17を順に駆動して夫々に戴置された製品1を取出位置B側に向って単位コンベヤ3の1台分づつの距離で搬送して製品1相互が詰まったフリーフロー状態で搬送する。
【0033】
なお、フリーフローコンベヤ5を上記とは逆方向へ搬送駆動して製品1を図示の取出位置Bから単位コンベヤ3上に製品1を供給して供給位置Aへフリーフロー搬送するには、各単位コンベヤ3−1,3−2,・・・3−nの各電動モータ17を逆転駆動させると共に各単位コンベヤ3−n,3−n−1、・・・・3−2,3−1に設けられたそれぞれの搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bからの製品検知信号に基づいて上記と逆に搬送駆動することにより製品1をフリーフロー搬送させる。
【0034】
次に、各単位コンベヤ3−1、・・・・3−nを正方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送させる際の搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bによる製品1の検出動作を説明すると、単位コンベヤ3の搬送駆動に伴って搬送される製品1が搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに位置した際に、製品1の底面に対する検知回転体31の当接により搖動アーム27を圧縮ばね35のばね力に抗して軸29を中心に図8に示す時計方向へ搖動させる。
【0035】
上記搖動アーム27の搖動により図示する左側の作動部27aがフォトセンサ37の間隙内へ進入されると、フォトセンサ37の間隙内にて発光部材から受光部材に向かって照射される光が上記作動部27aにより遮断されることにより受光部材が光の受光状態から非受光状態へ遷移して製品1の検知信号を出力する。
【0036】
そして搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに対する製品1の通過に伴って底面に対する検知回転体31の当接が解除されると、搖動アーム27は、圧縮ばね35のばね力により図示する反時計方向へ搖動して検知回転体31を開口25aから上方へ突出させると共にフォトセンサ37の間隙内から作動部27aを離脱させる。これにより上記フォトセンサ37の受光部材は、光の非受光状態から受光状態へ遷移して製品1の非検知信号を出力させる。
【0037】
反対に、各単位コンベヤ3−1・・・3−nを逆方向へ搬送駆動して製品1をフリーフロー搬送させる際の搬出側センサーユニット21a・21b及び搬入側センサーユニット23a・23bによる製品1の検出動作を説明すると、単位コンベヤ3の搬送駆動に伴って搬送される製品1が搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに位置した際に、製品1の底面に対する検知回転体31の当接により搖動アーム27を圧縮ばね35のばね力に抗して軸29を中心に図9に示す反時計方向へ搖動させる。
【0038】
上記搖動アーム27の搖動により図示する右側の作動部27aがフォトセンサ39の間隙内へ進入されると、フォトセンサ39の間隙内にて発光部材から受光部材に向かって照射される光が上記作動部27aにより遮断されることにより受光部材が光の受光状態から非受光状態へ遷移して製品1の検知信号を出力する。
【0039】
そして搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bに対する製品1の通過に伴って底面に対する検知回転体31の当接が解除されると、搖動アーム27は、圧縮ばね35のばね力により図示する時計方向へ搖動して検知回転体31を開口25aから上方へ突出させると共にフォトセンサ39の間隙内から作動部27aを離脱させる。これにより上記フォトセンサ39の受光部材は、光の非受光状態から受光状態へ遷移して製品1の非検知信号を出力させる。
【0040】
本実施形態は、接点の継断時の電気的スパークが発生することないため、フリーフローコンベヤが設置されるクリーンルーム内を高いクリーン度に保つことができ、製品の品質を保った状態で搬送することができる。また、経時使用により電気抵抗値が増大するのを回避し、製品の搬送位置を長期にわたって正確に検出できる。更に、一定の使用時間毎にセンサーユニットを交換する必要がなく、長時間にわたって電子デバイス製造装置等の運転することができ、製品の製造効率が低下するのを防止することができる。
【0041】
また更に、本実施例は、単一の搬出側センサーユニット21a・21b又は搬入側センサーユニット23a・23bによりフリーフローコンベヤ5により正方向及び逆方向へ搬送される製品1を検出することができ、製品1の検出機構を簡易化及び小型化することができる。
【0042】
フリーフローコンベヤ5における単位コンベヤ3の接続態様としては、製品1の供給位置Aと取出位置Bとの関係から上記したように並列接続、上下二段接続、分岐接続(集合接続)及び傾斜接続すればよい。
【0043】
即ち、上下二段接続するには、図10に示すように昇降搬送装置101の搬入側下方に、上記した多数の単位コンベヤ3を直列接続した搬入搬送ライン103を設けると共に搬出側の上方及び下方に上記した多数の単位コンベヤ3を直列接続した搬出搬送ライン105・107を設け、昇降搬送装置101に設けられた単位コンベヤ3を選択的に昇降して搬入搬送ライン103を、上方或は下方の搬出搬送ライン105・107に一致させて製品1を二段搬送してもよい。
【0044】
また、分岐接続するには、図11に示すようにスライド搬送装置111の搬入側に上記した搬入搬送ライン113を設けると共に搬出側の両端部に上記した搬出搬送ライン115・117を設け、スライド搬送装置111に設けられた単位コンベヤ3を搬入及び搬出搬送ライン113,115・117の搬送方向と直交する方向へ選択的に移動して搬入搬送ライン113により搬入される製品1を搬出搬送ライン115・117へ振り分けて分岐搬送する。
【0045】
更に、反転接続する場合には、図12(図12は搬送路を90度で変更する場合を示す)に示すように単位コンベヤ3を90度又は任意の角度で回動する反転搬送装置121の搬入側に上記と同様に搬入搬送ライン123を接続すると共に搬出側に搬出搬送ライン125を搬入搬送ライン123の搬送方向に対して任意の角度で接続し、搬入搬送ライン123から搬入される製品1を、回動する単位コンベヤ3により搬入搬送ライン123に対して所望の角度で設置された搬出搬送ライン125へ接続して搬送すればよい。
【0046】
なお、図10乃至図12に示す搬入搬送ライン103,113,123及び搬出搬送ライン105・107,115・117,125は、実施形態で説明した単位コンベヤ3を多数接続したものであり、その詳細については説明を省略する。
【0047】
上記説明において無接点型センサをフォトセンサ37・39としたが、ホール素子等の磁気検知器としてもよい。この場合にあっては、各作動部27aに永久磁石を取り付け、磁気検知器に永久磁石が近接した際に製品検知信号を出力すればよい。
【符号の説明】
【0048】
1 製品
3 単位コンベヤ
4 固定バー
5 フリーフローコンベヤ
7 本体フレーム
9 駆動軸
11 従動軸
17 電動モータ
19 キャタピラー
19a 単位部材
21a・21b 搬出側センサーユニット
23a・23b 搬入側センサーユニット
25 本体ケース
25a 開口
27 搖動アーム
27a 作動部
29 軸
31 検知回転体
33 軸
33a 当接部
35 弾性部材としての圧縮ばね
37・39 無接点型センサとしてのフォトセンサ
41 制御ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の供給位置と取出位置の間に少なくとも3台以上の単位コンベヤを接続し、各単位コンベヤにはその搬送長が製品の搬送方向長さに一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットがそれぞれ設けられ、搬送方向上手に位置する単位コンベヤに製品が供給されてその各センサーユニットが製品検出状態に遷移した状態で該単位コンベヤの搬送方向下手に隣接する単位コンベヤの各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら隣接する単位コンベヤをそれぞれ搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送し、次に上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位コンベヤに製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に搬送方向上手に隣接する単位コンベヤの搬送を停止制御して製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおいて、
上記各センサーユニットは、
一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、
上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、
上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサと、
から構成したフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項2】
請求項1において、無接点型センサは、発光部材及び受光部材を所要の間隙を設けて相対配置し、間隙内に進入する作動部により発光部材から受光部材に向かって照射される光が遮断された際に製品検出信号を出力するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項3】
請求項1において、無接点型センサは、発光部材及び受光部材を隣接して設け、発光部材及び受光部材に近接して進入する作動部により発光部材から照射された光を反射して受光部材に受光された際に製品検出信号を出力するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項4】
請求項1において、作動部には、磁気部材を設けると共に無接点型センサはホール素子からなるフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項1】
製品の供給位置と取出位置の間に少なくとも3台以上の単位コンベヤを接続し、各単位コンベヤにはその搬送長が製品の搬送方向長さに一致すると共に搬入側及び搬出側にセンサーユニットがそれぞれ設けられ、搬送方向上手に位置する単位コンベヤに製品が供給されてその各センサーユニットが製品検出状態に遷移した状態で該単位コンベヤの搬送方向下手に隣接する単位コンベヤの各センサーユニットが製品非検出状態のとき、これら隣接する単位コンベヤをそれぞれ搬送駆動して製品を搬送方向へ搬送し、次に上記による搬送駆動により搬送方向下手の単位コンベヤに製品が移載されて搬出側のセンサーユニットが製品検出状態へ遷移した際に搬送方向上手に隣接する単位コンベヤの搬送を停止制御して製品をフリーフロー搬送するフリーフローコンベヤにおいて、
上記各センサーユニットは、
一腕部に検知回転体が回転可能に支持されると共に他腕部の両側に作動部が設けられ、軸を中心に搖動するように支持された搖動アームと、
上記搖動アームを、常には中立位置に付勢して上記検知回転体を製品に当接可能にする弾性部材と、
上記搖動アームの各作動部側に設けられ、搖動アームの搖動に伴って移動する作動部により検知信号を出力する一対の無接点型センサと、
から構成したフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項2】
請求項1において、無接点型センサは、発光部材及び受光部材を所要の間隙を設けて相対配置し、間隙内に進入する作動部により発光部材から受光部材に向かって照射される光が遮断された際に製品検出信号を出力するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項3】
請求項1において、無接点型センサは、発光部材及び受光部材を隣接して設け、発光部材及び受光部材に近接して進入する作動部により発光部材から照射された光を反射して受光部材に受光された際に製品検出信号を出力するフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【請求項4】
請求項1において、作動部には、磁気部材を設けると共に無接点型センサはホール素子からなるフリーフローコンベヤにおけるセンサーユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−62158(P2012−62158A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207399(P2010−207399)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(506329292)スターテクノ株式会社 (45)
【Fターム(参考)】
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