説明

フルオレニレン化合物およびそれを使用した有機発光素子

【課題】有機発光素子として有用な新規なピレニルフルオレニレン化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式[1]で示されるフルオレニレン化合物を含有する有機発光素子は、高効率で高輝度な光出力を有する。


[式中R〜Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基等を、R、Rはアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基等を、R、Rはイソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アダマンチル基等を示す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機化合物およびそれを用いた有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、陽極と陰極間に蛍光性または燐光性有機化合物を含む薄膜を挟持させた構造を有する。素子に各電極から電子およびホール(正孔)を注入することにより、蛍光性または燐光性化合物の励起子を生成させ、この励起子が基底状態にもどる際に放射される光を利用する。
【0003】
有機発光素子における最近の進歩は著しく、その特徴は低印加電圧で高輝度、発光波長の多様性、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能であることから、広汎な用途への可能性を示唆している。
【0004】
しかしながら、現状では更なる高輝度の光出力あるいは高変換効率が必要である。また、長時間の使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体や湿気などによる劣化等の耐久性の面で未だ多くの問題がある。さらにはフルカラーディスプレイ等への応用を考えた場合の色純度の良い青、緑、赤の発光が必要となるが、これらの問題に関してもまだ十分ではなかった。
【0005】
特許文献1には、ピレンがベンゼン環に置換した材料を用いた有機発光素子が、発光特性、耐久性が良好であることが開示されているが、素子の外部量子効率は低く、耐久寿命に関しての具体的な記載がない。
【0006】
【特許文献1】特開2002−324678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、新規なピレニルフルオレニレン化合物を提供することにある。
【0008】
また本発明の目的は、置換基を有するフルオレニレン化合物を用い、極めて高効率で高輝度な光出力を有する有機発光素子を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、極めて耐久性のある有機発光素子を提供することにある。
【0010】
さらには、本発明の目的は、製造が容易でかつ比較的安価に作成可能な有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明のフルオレニレン化合物は、下記一般式[1]または[2]で示されることを特徴とする。
【0013】
【化1】

【0014】
(式中、2つのピレニル基はそれぞれ独立して1位または4位がフルオレニレン基と結合する。
【0015】
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0016】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0017】
5は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。cが2以上の整数であるとき、R5同士は同一でも異なっていても良い。
【0018】
6は、置換あるいは無置換の炭素数1乃至2のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。dが2以上の整数であるとき、R6同士は同一でも異なっていても良い。
【0019】
7およびR8は、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、iso−アミル基、及び置換のシリル基を表わす。
【0020】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。c、dは0乃至8の整数を表し、c+dは1乃至16の整数である。nは1乃至10の整数を表す。)
【0021】
【化2】

【0022】
(式中、2つのピレニル基はそれぞれ独立して1位または4位がフルオレニレン基と結合する。
【0023】
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0024】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0025】
5は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。cが2以上の整数であるとき、R5同士は同一でも異なっていても良い。
【0026】
7は、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、iso−アミル基、及び置換のシリル基を表わす。
【0027】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。cは1乃至8の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)
【0028】
また、本発明の有機発光素子は、少なくとも一方が透明か半透明である陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に侠持された有機化合物を含む一または複数の層を有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、上記フルオレニレン化合物を少なくとも一種類含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
一般式[1]または[2]で示されるフルオレニレン化合物を用いると、真空蒸着あるいはキャステイング法等を用いて有機発光素子を作成可能であり、比較的安価で大面積の有機発光素子を容易に作成できる。
【0030】
また、本発明の有機発光素子は、低い印加電圧で高輝度な発光が得られ、耐久性にも優れている。特に本発明のフルオレニレン化合物を含有する有機層は、発光層として優れ、かつ電子輸送層としても優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0032】
まず、本発明のフルオレニレン化合物について説明する。
【0033】
本発明のフルオレニレン化合物は主に有機発光素子用材料として使用できる。その中で、発光層用として使用する場合、発光層において単独で用いることもできるし、ドーパント(ゲスト)材料またはホスト材料の目的で使用することもでき、高色純度、高発光効率、高寿命素子を得ることができる。
【0034】
本発明のフルオレニレン化合物は、フルオレンユニットに、高効率発光ユニットとしてピレン環を二つ導入し、少なくとも一つのピレン環が、少なくとも二つの置換基を有することを特徴とする。少なくとも二つの置換基を有するピレン環においては、一つの置換基が、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、iso−アミル基、及び置換のシリル基から選ばれる基である。また、他の置換基は、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換あるいは無置換の複素環基から選ばれる基、または、置換あるいは無置換の炭素数1乃至2のアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換あるいは無置換の複素環基から選ばれる基である。
【0035】
こうしたピレン環への複数の置換基の導入により、高Tg化(例示化合物3:198℃)、膜性の向上が図れ、安定したアモルファス膜を得ることができる。ピレン環への置換基導入により分子間スタッキングが緩和され、溶解度が向上し、合成、精製過程が容易となる。また、電子輸送性ピレンユニットにより、特にホスト材料として使用する場合、ホール輸送性のドーパントを使用しキヤリアバランスを調整することにより、高効率発光が得られる。
【0036】
以上の考察に加え、本発明のフルオレニレン化合物は重水素原子同位体効果により、分子振動を抑え、熱失活を抑制することを考慮した。
【0037】
本発明のフルオレニレン化合物は、以上のような考察のもとに分子設計し、発明がなされたものである。
【0038】
一般式[1]または[2]において、置換あるいは無置換のアルキル基としては、メチル基、メチル−d1基、メチル−d3基、エチル基、エチル−d5基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−プロピル−d7基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ブチル−d9基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、クロロメチル基、トリクロロメチル基、2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、4−クロロブチル基、5−クロロペンチル基、6−クロロヘキシル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、4−フルオロシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0039】
置換あるいは無置換のアラルキル基としては、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルイソプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基、9−アントリルメチル基、2−(9−アントリル)エチル基、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2―クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2―ブロモベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0040】
置換あるいは無置換のアリール基としては、フェニル基、フェニル−d5基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−トリフルオロフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、メシチル基、4−tert−ブチルフェニル基、ジトリルアミノフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、ナフチル−d7基、アセナフチレニル基、アントリル基、アントリル−d9基、フェナントリル基、フェナントリル−d9基、ピレニル基、ピレニル−d9基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、クリセニル基、ジベンゾクリセニル基、ベンゾアントリル基、ベンゾアントリル−d11基、ジベンゾアントリル基、ナフタセニル基、ピセニル基、ペンタセニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、ペリレニル基、ペリレニル−d−11等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0041】
置換あるいは無置換の複素環基としては、ピロリル基、ピリジル基、ピリジル−d5基、ビピリジル基、メチルピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ターピロリル基、チエニル基、チエニル−d4基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル−d7基、フリル基、フリル−d4基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾフリル−d7基、キノリル基、キノリル−d6基、イソキノリル基、キノキサリニル基、ナフチリジニル基、キナゾリニル基、フェナントリジニル基、インドリジニル基、フェナジニル基、カルバゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、アクリジニル基、フェナジニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0042】
置換または無置換のアミノ基(―NR’R”)としては、R’およびR”が、水素原子、重水素原子、上述した置換または無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、後述する置換あるいは無置換のアリーレン基あるいは二価の複素環基で連結されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基及びアミノ基、置換のシリル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基で表され、例えばアミノ基、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジアニソリルアミノ基、N−メシチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメシチルアミノ基、N−フェニル−N−(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0043】
置換あるいは無置換のアルコキシ基としては、上述した置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基を有するアルキルオキシ基、アラルキルオキシ基、上述した置換あるいは無置換のアリール基、複素環基を有するアリールオキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0044】
上記置換基がさらに有しても良い置換基としては、重水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアルキル基、アラルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、フェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−クロロフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、トリフェニルアミノ基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基等のアリール基、ピリジル基、ビピリジル基、メチルピリジル基、チエニル基、ターチエニル基、プロピルチエニル基、フリル基、キノリル基、カルバゾリル基、N−エチルカルバゾリル基等の複素環基、ハロゲン基、水酸基、シアノ基、ニトロ基が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0045】
尚、本発明のフルオレニレン化合物を構成する水素原子としては重水素原子等の同位体元素も含む。
【0046】
本発明のフルオレニレン化合物の好ましい例としては、一般式[1]において、R7及びR8がtert−ブチル基である化合物、即ち下記一般式[3]で示される化合物が挙げられる。
【0047】
【化3】

【0048】
また、一般式[3]において、ピレニル基の1位がフルオレニレン基の2位または7位と結合し、c=d=1であり、R5及びR6がピレニル基の3位に置換している化合物、即ち下記一般式[4]で示される化合物がより好ましい。
【0049】
【化4】

【0050】
また、一般式[4]において、R3乃至R6がメチル基であり、a=b=1であり、n=1乃至3である化合物、即ち下記一般式[5]で示される化合物が更に好ましい。
【0051】
【化5】

【0052】
次に、本発明のフルオレニレン化合物についてその代表例を挙げる。ただし、本発明のフルオレニレン化合物は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0053】
【化6】

【0054】
【化7】

【0055】
次に、本発明の有機発光素子について詳細に説明する。
【0056】
本発明の有機発光素子は、少なくとも一方が透明か半透明である陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に侠持された有機化合物を含む一または複数の層を有する有機発光素子である。そして、有機化合物を含む層のうち少なくとも一層、好ましくは発光層が、上記本発明のフルオレニレン化合物を少なくとも一種類含有する。
【0057】
本発明の有機発光素子は、本発明のフルオレニレン化合物を少なくとも一種類含有する層が発光層であることが好ましい。この場合、発光層は、本発明のフルオレニレン化合物単独よりなる層であってもよいし、本発明のフルオレニレン化合物をドーパント(ゲスト)材料またはホスト材料として含有してもよい。
【0058】
本発明のフルオレニレン化合物をホスト材料として使用する場合、ホスト材料に対するドーパント濃度は0.01wt%以上80wt%以下、好ましくは1wt%以上50wt%以下である。ドーパント材料はホスト材料からなる層全体に均一に、あるいは濃度勾配を有して含まれるか、あるいはある領域に部分的に含まれてドーパント材料を含まないホスト材料層の領域があってもよい。
【0059】
本発明のフルオレニレン化合物との組み合わせで用いられる化合物としては、下記一般式[6]乃至[11]、[13]乃至[15]に示すアリールアミン化合物、下記一般式[12]に示すアセチレン化合物が望ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
【0060】
【化8】

【0061】
(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0062】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0063】
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0064】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。nは1乃至10の整数を表す。)
【0065】
【化9】

【0066】
(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0067】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0068】
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0069】
1およびX2は、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基を表し、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
【0070】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。nは1乃至10の整数を表す。)
【0071】
【化10】

【0072】
(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,b,dが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0073】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0074】
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0075】
1は、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基を表す。
【0076】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。dは0乃至4の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)
【0077】
【化11】

【0078】
(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0079】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0080】
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0081】
1およびX2は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
【0082】
3は、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
【0083】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。n、n’は1乃至10の整数を表す。)
【0084】
【化12】

【0085】
(式中、R7は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフェニレン基に結合するR7同士は、同じであっても異なっていてもよい。eが2以上の整数であるとき、同じフェニレン基に結合するR7同士は各々同じであっても異なっていても良い。
【0086】
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0087】
1およびX2は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
【0088】
eは0乃至4の整数を表し、異なるフェニレン基上のe同士は、同じであっても異なっていてもよい。mは1乃至10の整数を表す。)
【0089】
【化13】

【0090】
(式中、R7は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフェニレン基に結合するR7同士は、同じであっても異なっていてもよい。fが2以上の整数であるとき、同じフェニレン基に結合するR7同士は各々同じであっても異なっていても良い。
【0091】
8は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。gが2以上の整数であるとき、R8同士は各々同じであっても異なっていても良い。
【0092】
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0093】
1は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよい。
【0094】
fは0乃至4の整数を表し、異なるフェニレン基上のf同士は、同じであっても異なっていてもよい。gは0乃至5の整数を表す。mは1乃至10の整数を表す。)
【0095】
【化14】

【0096】
(式中、Ar5およびAr6は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar5およびAr6は、同じであっても異なっていてもよい。
【0097】
hは、1乃至5の整数を表す。)
【0098】
【化15】

【0099】
(式中、Aは、芳香環、縮合多環、または複素環を含む分子ユニットを示す。
【0100】
Ar7及びAr8は、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、Ar7及びAr8同じであっても異なっていてもよい。また、Ar7及びAr8は、互いに結合し環を形成していてもよい。また、異なるアントリル誘導基上のAr7同士及びAr8同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0101】
4およびX5は、直接結合、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、アリーレン基及び二価の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、同じであっても異なっていてもよい。また、異なるアントリル誘導基上のX4同士及びX5同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0102】
6は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のX6同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0103】
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、スルフィド基、アリール基、複素環基、及びボラニル基、並びに置換のシリル基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のY1同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0104】
2は、置換あるいは無置換のアリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、kが2以上の整数である場合、Y2同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0105】
9は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれた基であり、Lが2以上の整数である場合、R9同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0106】
10およびR11は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。p,qが各々、2以上の整数であるとき、R10同士、R11同士は各々同じであっても異なっていてもよい。異なるアントラセン環に結合するR10同士、R11同士は、同じであっても異なっていてもよい。
【0107】
iは0乃至6の整数を表わす。j+k+L=6−i。ただしi+jは2以上の整数であり、i=0の場合、アントリル基上のY1の内、少なくとも一つは水素原子、ハロゲン原子以外の置換基を含む。pは0乃至8の整数を表わす。)
【0108】
【化16】

【0109】
(式中、Zは、直接結合、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、アリーレン基及び二価の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
【0110】
Ar7及びAr8は、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、Ar7及びAr8同じであっても異なっていてもよい。また、Ar7及びAr8は、互いに結合し環を形成していてもよい。
【0111】
Ar9は、置換あるいは無置換のナフタレン、フェナントレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、クリセン、ベンゾ[c]フェナントレン、ナフタセン、ジベンゾ[a,c]アントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ジベンゾ[b,def]クリセン、ピレン、ピセン、ペリレン、ペンタセンから選ばれる芳香族縮合多環ユニットからなる置換基、または置換あるいは無置換の複素環基であり、qが2以上の整数であるとき、Ar9同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0112】
6は、直直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のX6同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0113】
10は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、pが2以上の整数であるとき、R10同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0114】
12は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アントリル基を除くアリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、rが2以上の整数であるとき、R12同士は同じであっても異なっていてもよい。
【0115】
pは0乃至8の整数、qは1乃至3の整数、rは0乃至4の整数を表す。)
【0116】
【化17】

【0117】
(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
【0118】
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
【0119】
13は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、tが2以上の整数であるとき、R13同士は同一でも異なっていても良い。
【0120】
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
【0121】
1は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよい。
【0122】
7は、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
【0123】
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。tは0乃至9の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)
【0124】
一般式[6]乃至[15]において、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基(芳香族基)、複素環基、アミノ基、アルコキシ基としては、一般式[1][2]における場合と同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
置換あるいは無置換のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基(2−プロペニル基)、1−プロペニル基、iso−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、スチリル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0126】
置換あるいは無置換のアルキニル基としては、アセチレニル基、フェニルアセチレニル基、1−プロピニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0127】
置換あるいは未置換のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、2−メチルプロピレン基、フルオロメチレン基、ジフルオロメチレン基、ブロモメチレン基、ブロモエチレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0128】
置換あるいは未置換のアラルキレン基としては、ベンジレン基、2−フェニルエチレン基、2−フェニルイソプロピレン基、1−ナフチルメチレン基、2−ナフチルメチレン基、9−アントリルメチレン基、2−フルオロベンジレン基、3−フルオロベンジレン基、4−フルオロベンジレン基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0129】
置換あるいは無置換のアルケニレン基としては、ビニレン基、iso−プロペニレン基、スチリレン基、1,2−ジフェニルビニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0130】
置換あるいは無置換のアルキニレン基としては、アセチレニレン基、フェニルアセチレニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0131】
置換あるいは無置換の二価の芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基、テトラフルオロフェニレン基、ジメチルフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基、テトラセニレン基、ペンタセニレン基、ペリレニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0132】
置換あるいは無置換の二価の複素環基としては、フリレン基、ピロリレン基、ピリジレン基、ターピリジレン基、チエニレン基、ターチエニレン基、オキサゾリレン基、チアゾリレン基、カルバゾリレン等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0133】
上記置換基を結合する連結基としては、上記置換あるいは未置換のアリーレン基、二価の複素環基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアラルキレン基、置換のシリル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0134】
置換あるいは無置換のアラルキレン基としては、ベンジレン基、2−フェニルエチレン基、2−フェニルイソプロピレン基、1−ナフチルメチレン基、2−ナフチルメチレン基、9−アントリルメチレン基、2−フルオロベンジレン基、3−フルオロベンジレン基、4−フルオロベンジレン基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0135】
置換あるいは無置換のアルケニレン基としては、ビニレン基、iso−プロペニレン基、スチリレン基、1,2−ジフェニルビニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0136】
置換あるいは無置換のアルキニレン基としては、アセチレニレン基、フェニルアセチレニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0137】
置換あるいは無置換のアリーレン基(2価の芳香族基)としては、フェニレン基、ビフェニレン基、テトラフルオロフェニレン基、ジメチルフェニレン基、ナフチレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基、テトラセニレン基、ペンタセニレン基、ペリレニレン基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0138】
置換あるいは無置換の二価の複素環基としては、フリレン基、ピロリレン基、ピリジレン基、ターピリジレン基、チエニレン基、ターチエニレン基、オキサゾリレン基、チアゾリレン基、カルバゾリレン等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0139】
置換あるいは無置換のスルフィド基としては、上述の置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基を有するアルキルスルフィド基、アラルキルスルフィド基、上述の置換あるいは無置換のアリール基、複素環基を有するアリールスルフィド基が挙げられ、例えばメチルスルフィド基、エチルスルフィド基、フェニルスルフィド基、4−メチルフェニルスルフィド基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0140】
上記置換基を結合する連結基としては、上記置換あるいは無置換のアリーレン基、二価の複素環基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアラルキレン基、置換のシリル基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
【0141】
上記置換基および連結基がさらに有しても良い置換基としては、一般式[1][2]における場合と同様のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0142】
尚、一般式[6]乃至[15]で示される化合物を構成する水素原子としては重水素原子等の同位体元素も含む。
【0143】
一般式[6]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0144】
【化18】

【0145】
次に、一般式[7]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0146】
【化19】

【0147】
次に、一般式[8]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0148】
【化20】

【0149】
次に、一般式[9]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0150】
【化21】

【0151】
【化22】

【0152】
次に、一般式[10]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0153】
【化23】

【0154】
次に、一般式[11]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0155】
【化24】

【0156】
次に、一般式[12]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0157】
【化25】

【0158】
次に、一般式[13]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0159】
【化26】

【0160】
次に、一般式[14]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0161】
【化27】

【0162】
次に、一般式[15]で示される化合物についてその代表例を以下に挙げる。ただし、これらの化合物に限定されるものではない。
【0163】
【表1】

【0164】
【表2】

【0165】
【表3】

【0166】
【表4】

【0167】
【表5】

【0168】
【表6】

【0169】
図1乃至図5に本発明の有機発光素子の好ましい例を示す。
【0170】
図1は、本発明の有機発光素子の一例を示す断面図である。図1は、基板1上に、陽極2、発光層3及び陰極4を順次設けた構成のものである。ここで使用する発光素子は、それ自体でホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の性能を単一で有している場合や、それぞれの特性を有する化合物を混ぜて使う場合に有用である。
【0171】
図2は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図2は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。この場合は、発光物質はホール輸送性かあるいは電子輸送性のいずれか、あるいは両方の機能を有している材料をそれぞれの層に用い、発光性の無い単なるホール輸送物質あるいは電子輸送物質と組み合わせて用いる場合に有用である。また、この場合、発光層は、ホール輸送層5あるいは電子輸送層6のいずれかから成る。
【0172】
図3は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図3は、基板1上に、陽極2、ホール輸送層5、発光層3,電子輸送層6及び陰極4を順次設けた構成のものである。これは、キャリヤ輸送と発光の機能を分離したものであり、ホール輸送性、電子輸送性、発光性の各特性を有した化合物と適時組み合わせて用いられ、極めて材料選択の自由度が増すとともに、発光波長を異にする種々の化合物が使用できる。そのため、発光色相の多様化が可能になる。さらに、中央の発光層3に各キャリヤあるいは励起子を有効に閉じこめて、発光効率の向上を図ることも可能になる。
【0173】
図4は、本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図4は、図3に対して、ホール注入層7を陽極2側に挿入した構成であり、陽極2とホール輸送層5の密着性改善あるいはホールの注入性改善に効果があり、低電圧化に効果的である。
【0174】
図5は本発明の有機発光素子における他の例を示す断面図である。図5は、図3に対してホールあるいは励起子(エキシトン)が陰極4側に抜けることを阻害する層(ホール/エキシトンブロッキング層8)を、発光層3、電子輸送層6間に挿入した構成である。イオン化ポテンシャルの非常に高い化合物をホール/エキシトンブロッキング層8として用いる事により、発光効率の向上に効果的な構成である。
【0175】
ただし、図1乃至図5はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、ホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる2層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
【0176】
本発明のフルオレニレン化合物は、少なくとも図1乃至図5に示すいずれの形態でも使用することができる。
【0177】
特に、本発明のフルオレニレン化合物を用いた有機層は、発光層、電子輸送層あるいはホール輸送層として有用であり、また真空蒸着法や溶液塗布法などによって形成した層は結晶化などが起こりにくく経時安定性に優れている。
【0178】
本発明は、特に発光層の構成成分として、上記本発明のフルオレニレン化合物を用いるが、必要に応じてこれまで知られている低分子系およびポリマー系のホール輸送性化合物、発光性化合物あるいは電子輸送性化合物などを一緒に使用することもできる。
【0179】
以下にこれらの化合物例を挙げる。
【0180】
正孔(ホール)注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にし、また注入されたホールを発光層に輸送する優れたモビリティを有することが好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子および高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、およびポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シリレン)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。以下に、具体例の一部を示す。
【0181】
【化28】

【0182】
【化29】

【0183】
本発明のフルオレニレン化合物以外に使用できる、主に発光機能に関わる材料としては、多環縮合芳香族化合物(例えばナフタレン誘導体、フェナントレン誘導体、フルオレン誘導体、ピレン誘導体、テトラセン誘導体、コロネン誘導体、クリセン誘導体、ペリレン誘導体、9,10−ジフェニルアントラセン誘導体、ルブレンなど)、キナクリドン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、ピラン誘導体、ナイルレッド、ピラジン誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、スチルベン誘導体、有機金属錯体(例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体)およびポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体、ポリ(チエニレンビニレン)誘導体、ポリ(アセチレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。以下に、具体例の一部を示す。
【0184】
【化30】

【0185】
【化31】

【0186】
電子注入輸送性材料としては、陰極からの電子の注入を容易にし、注入された電子を発光層に輸送する機能を有するものから任意に選ぶことができ、ホール輸送材料のキャリア移動度とのバランス等を考慮し選択される。電子注入輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フルオレノン誘導体、アントロン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機金属錯体等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。以下に、具体例の一部を示す。
【0187】
【化32】

【0188】
本発明の有機発光素子において、本発明のフルオレニレン化合物を含有する層およびその他の有機化合物からなる層は、一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマにより薄膜を形成することができる。あるいは、適当な溶媒に溶解させて、例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の塗布法により薄膜を形成することもできる。特に塗布法で成膜する場合は、適当な結着樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0189】
上記結着樹脂としては、広範囲な結着性樹脂より選択でき、例えば、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらは単独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混合してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
【0190】
陽極材料としては、仕事関数がなるべく大きなものがよく、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO),酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフェニレンスルフィド等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は単独で用いるか、あるいは複数併用することもできる。また、陽極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
【0191】
一方、陰極材料としては、仕事関数の小さなものがよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、銀、鉛、錫、クロム等の金属単体あるいはリチウム−インジウム、ナトリウム−カリウム、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム、マグネシウム−インジウム等、複数の合金として用いることができる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は単独で用いるか、あるいは複数併用することもできる。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成をとることもできる。
【0192】
本発明で用いる基板としては、特に限定するものではないが、金属製基板、セラミックス製基板等の不透明性基板、ガラス、石英、プラスチックシート等の透明性基板が用いられる。また、基板にカラーフィルター膜、蛍光色変換フィルター膜、誘電体反射膜などを用いて発色光をコントロールする事も可能である。
【0193】
なお、作成した素子に対して、酸素や水分等との接触を防止する目的で保護層あるいは封止層を設けることもできる。保護層としては、ダイヤモンド薄膜、金属酸化物、金属窒化物等の無機材料膜、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子膜、さらには、光硬化性樹脂等が挙げられる。また、ガラス、気体不透過性フィルム、金属などをカバーし、適当な封止樹脂により素子自体をパッケージングすることもできる。
【0194】
本発明の素子は、基板上に薄膜トランジスタ(TFT)を作成し、それに接続して作成することも可能である。
【0195】
また、素子の光取り出し方向に関しては、ボトムエミッション構成(基板側から光を取り出す構成)および、トップエミッション(基板の反対側から光を取り出す構成)のいずれも可能である。
【実施例】
【0196】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0197】
<実施例1>[例示化合物No.1の製造方法]
(1)中間体の合成
窒素気流下、下記化合物1の2g(5.01mmol)と、下記化合物2から誘導した下記化合物3の2g(5.01mmol)を、脱気したトルエン80ml、エタノール40mlの混合溶媒中に溶解、攪拌した。そこに無水炭酸ナトリウム1.1gを水15mlに溶解させ調整した炭酸ナトリウム水溶液を加え、50℃に加熱したオイルバス上で溶液を攪拌し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム289mg(0.25mmol)を加えた。窒素気流下、70℃に加熱したオイルバス上で約4時間、加熱攪拌した。
【0198】
反応溶液を室温に戻し、トルエン、酢エチ、水を加え有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘプタン=1:3)で精製し、下記中間体を1.1g得た。
【0199】
化合物1:2−ブロモ−7−ヨード−9,9−ジメチルフルオレン
化合物2:7−tert−ブチル−3−メチル−1−ブロモピレン(Organic Preparations and Procedures International(1997),29,321−330.に従い合成)
化合物3:2−(7−tert−ブチル−3−メチルピレン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
中間体:1−(7−ブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−7−tert−ブチル−3−メチルピレン
【0200】
(2)例示化合物1の合成
窒素気流下、上記中間体1g(1.84mmol)と下記化合物4の0.73g(2.21mmol)を、脱気したトルエン60ml、エタノール30mlの混合溶媒中に溶解、攪拌した。そこに無水炭酸ナトリウム0.47gを水10mlに溶解させ調整した炭酸ナトリウム水溶液を加え、50℃に加熱したオイルバス上で溶液を攪拌した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム106mg(0.092mmol)を加えた。窒素気流下、80℃に加熱したオイルバス上で約5時間、加熱攪拌した。
【0201】
反応溶液を室温に戻し、トルエン、酢エチ、水を加え有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘプタン=1:3)で精製し、例示化合物1を0.74g得た。
【0202】
化合物4:2−(ピレン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
【0203】
<実施例2>[例示化合物No.14、15の製造方法]
化合物4に換えて、下記化合物5または6を用いた以外は実施例1と同様にして反応を行い、例示化合物No.14、15を製造した。
【0204】
化合物5:2−(7−iso−プロピル−3−メチルピレン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
化合物6:2−(7−アダマンタン−2−イル−3−メチルピレン−1−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン
【0205】
<実施例3>[例示化合物No.3の製造方法]
窒素気流下、下記化合物7の3g(6.73mmol)と下記化合物8の1.89g(14.8mmol)を、トルエン100ml、エタノール50mlの混合溶媒中に溶解、攪拌した。そこに、無水炭酸ナトリウム1.7gを水25mlに溶解させ調整した炭酸ナトリウム水溶液を加え、50℃に加熱したオイルバス上で溶液を攪拌した。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム855mg(0.74mmol)を加えた。窒素気流下、80℃に加熱したオイルバス上で約5時間、加熱攪拌した。
【0206】
反応溶液を室温に戻し、トルエン、酢エチ、水を加え有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:ヘプタン=1:3)で精製し、例示化合物3を2.5g得た。
【0207】
化合物7:2,7−ビス[2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラニル)−9,9−ジメチルフルオレン
化合物8:7−tert−ブチル−3−メチル−1−ブロモピレン
【0208】
<実施例4>
図3に示す構造の有機発光素子を以下に示す方法で作成した。
【0209】
基板1としてのガラス基板上に、陽極2としての酸化錫インジウム(ITO)をスパッタ法にて120nmの膜厚で成膜したものを透明導電性支持基板として用いた。これをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0210】
正孔輸送材料として下記構造式で示される化合物を用いて、濃度が0.2wt%となるようにクロロホルム溶液を調整した。
【0211】
【化33】

【0212】
この溶液を上記のITO電極上に滴下し、最初に500RPMの回転で10秒、次に1000RPMの回転で1分間スピンコートを行い膜形成した。この後10分間、80℃の真空オーブンで乾燥し、薄膜中の溶剤を完全に除去した。形成されたホール輸送層5の厚みは25nmであった。
【0213】
次に、ホール輸送層5の上に発光層3として例示化合物No.1を蒸着して20nmの発光層3を設けた。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2nm/sec以上0.3nm/sec以下の条件で成膜した。
【0214】
更に電子輸送層6としてバソフェナントロリン(BPhen)を真空蒸着法にて50nmの膜厚に形成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は0.2nm/sec以上0.3nm/sec以下の条件であった。
【0215】
次に、フッ化リチウム合金を先ほどの有機層の上に、真空蒸着法により厚さ0.5nm形成し、更に真空蒸着法により厚さ150nmのアルミニウム膜を設け電子注入電極(陰極4)とする有機発光素子を作成した。蒸着時の真空度は1.0×10-4Pa、成膜速度は、フッ化リチウムは0.05nm/sec、アルミニウムは1.0nm/sec以上1.2nm/sec以下の条件で成膜した。
【0216】
得られた有機EL素子は、水分の吸着によって素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせ、アクリル樹脂系接着材で封止した。
【0217】
この様にして得られた素子に、ITO電極(陽極2)を正極、Al電極(陰極4)を負極にして、4Vの印加電圧で、10500cd/m2の発光輝度で青色の発光が観測された。
【0218】
さらに、窒素雰囲気下で電流密度を100mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度12500cd/m2から100時間後に10200cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0219】
<実施例5乃至7>
例示化合物No.1に代えて、表7に示す化合物を用いた他は実施例4と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。その結果を表7に示す。
【0220】
【表7】

【0221】
<比較例1>
例示化合物No.1に代えて、下記に示す比較化合物を用いた他は実施例4と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。
【0222】
【化34】

【0223】
4Vの印加電圧で、発光輝度5500cd/m2の青色の発光が観測された。さらに、窒素雰囲気下で電流密度を100mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度6800cd/m2から100時間後に2100cd/m2と輝度劣化が大きかった。
【0224】
<実施例8乃至20>
発光層3として、表8に示す第1の化合物、第2の化合物を、表8に示す共蒸着比で共蒸着して20nmの発光層を設けた他は、実施例4と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。その結果を表8に示す。
【0225】
また、実施例11で作成した素子に、窒素雰囲気下で電流密度を30mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度3040cd/m2から100時間後に2070cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【0226】
【表8】

【0227】
<比較例2>
第2の化合物として比較化合物1を用いた他は実施例11と同様に素子を作成し、同様な評価を行った。
【0228】
4Vの印加電圧で、発光輝度6200cd/m2の青色の発光が観測された。さらに、窒素雰囲気下で電流密度を90mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度6500cd/m2から100時間後に1800cd/m2と輝度劣化は大きかった。
【0229】
<実施例21>
実施例4と同様な透明導電性支持基板上に、ポリ−N−ビニルカルバゾール(重量平均分子量=63,000)1.00gをクロロホルム80mlに溶解した。この溶液をスピンコート法(回転数=2000rpm)により110nmの膜厚に成膜し有機層(ホール輸送層)を形成した。
【0230】
次に例示化合物No.8の0.050gをトルエン50mlに溶解した溶液をスピンコート法(回転数=2000rpm)により120nmの膜厚に成膜し発光層を形成した。
【0231】
次に、実施例4と同様にして陰極を形成後、封止した。
【0232】
この様にして得られた素子において、4Vの印加電圧で、発光輝度2600cd/m2の青色の発光が観測された。さらに、窒素雰囲気下で電流密度を60mA/cm2に保ち100時間電圧を印加したところ、初期輝度5100cd/m2から100時間後3900cd/m2と輝度劣化は小さかった。
【図面の簡単な説明】
【0233】
【図1】本発明における有機発光素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【図5】本発明における有機発光素子の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0234】
1 基板
2 陽極
3 発光層
4 陰極
5 ホール輸送層
6 電子輸送層
7 ホール注入層
8 ホール/エキシトンブロッキング層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[1]で示されることを特徴とするフルオレニレン化合物。
【化1】

(式中、2つのピレニル基はそれぞれ独立して1位または4位がフルオレニレン基と結合する。
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
5は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。cが2以上の整数であるとき、R5同士は同一でも異なっていても良い。
6は、置換あるいは無置換の炭素数1乃至2のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。dが2以上の整数であるとき、R6同士は同一でも異なっていても良い。
7およびR8は、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、iso−アミル基、及び置換のシリル基を表わす。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。c、dは0乃至8の整数を表し、c+dは1乃至16の整数である。nは1乃至10の整数を表す。)
【請求項2】
下記一般式[2]で示されることを特徴とするフルオレニレン化合物。
【化2】

(式中、2つのピレニル基はそれぞれ独立して1位または4位がフルオレニレン基と結合する。
1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
5は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わす。cが2以上の整数であるとき、R5同士は同一でも異なっていても良い。
7は、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、iso−アミル基、及び置換のシリル基を表わす。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。cは1乃至8の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)
【請求項3】
下記一般式[3]で示されることを特徴とする請求項1に記載のフルオレニレン化合物。
【化3】

【請求項4】
下記一般式[4]で示されることを特徴とする請求項3に記載のフルオレニレン化合物。
【化4】

【請求項5】
下記一般式[5]で示され、nが1乃至3であることを特徴とする請求項4に記載のフルオレニレン化合物。
【化5】

【請求項6】
少なくとも一つの重水素原子を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のフルオレニレン化合物。
【請求項7】
少なくとも一方が透明か半透明である陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に侠持された有機化合物を含む一または複数の層を有する有機発光素子において、前記有機化合物を含む層のうち少なくとも一層が、請求項1乃至6のいずれかに記載のフルオレニレン化合物を少なくとも一種類含有することを特徴とする有機発光素子。
【請求項8】
前記フルオレニレン化合物を少なくとも一種類含有する層が発光層であることを特徴とする請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記発光層が、下記一般式[6]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化6】

(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。nは1乃至10の整数を表す。)
【請求項10】
前記発光層が、下記一般式[7]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化7】

(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
1およびX2は、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基を表し、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。nは1乃至10の整数を表す。)
【請求項11】
前記発光層が、下記一般式[8]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化8】

(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,b,dが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
1は、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基を表す。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。dは0乃至4の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)
【請求項12】
前記発光層が、下記一般式[9]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化9】

(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
1およびX2は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
3は、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。n、n’は1乃至10の整数を表す。)
【請求項13】
前記発光層が、下記一般式[10]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化10】

(式中、R7は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフェニレン基に結合するR7同士は、同じであっても異なっていてもよい。eが2以上の整数であるとき、同じフェニレン基に結合するR7同士は各々同じであっても異なっていても良い。
Ar1乃至Ar4は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar4は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2、Ar3およびAr4は、互いに結合し環を形成してもよい。
1およびX2は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、X1およびX2は、同じであっても異なっていてもよい。
eは0乃至4の整数を表し、異なるフェニレン基上のe同士は、同じであっても異なっていてもよい。mは1乃至10の整数を表す。)
【請求項14】
前記発光層が、下記一般式[11]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化11】

(式中、R7は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフェニレン基に結合するR7同士は、同じであっても異なっていてもよい。fが2以上の整数であるとき、同じフェニレン基に結合するR7同士は各々同じであっても異なっていても良い。
8は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。gが2以上の整数であるとき、R8同士は各々同じであっても異なっていても良い。
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
1は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよい。
fは0乃至4の整数を表し、異なるフェニレン基上のf同士は、同じであっても異なっていてもよい。gは0乃至5の整数を表す。mは1乃至10の整数を表す。)
【請求項15】
前記発光層が、下記一般式[12]で示されるアセチレン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化12】

(式中、Ar5およびAr6は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar5およびAr6は、同じであっても異なっていてもよい。
hは、1乃至5の整数を表す。)
【請求項16】
前記発光層が、下記一般式[13]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化13】

(式中、Aは、芳香環、縮合多環、または複素環を含む分子ユニットを示す。
Ar7及びAr8は、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、Ar7及びAr8同じであっても異なっていてもよい。また、Ar7及びAr8は、互いに結合し環を形成していてもよい。また、異なるアントリル誘導基上のAr7同士及びAr8同士は同じであっても異なっていてもよい。
4およびX5は、直接結合、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、アリーレン基及び二価の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、同じであっても異なっていてもよい。また、異なるアントリル誘導基上のX4同士及びX5同士は同じであっても異なっていてもよい。
6は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のX6同士は同じであっても異なっていてもよい。
1は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルコキシ基、スルフィド基、アリール基、複素環基、及びボラニル基、並びに置換のシリル基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のY1同士は同じであっても異なっていてもよい。
2は、置換あるいは無置換のアリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよく、kが2以上の整数である場合、Y2同士は同じであっても異なっていてもよい。
9は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基及びアルコキシ基からなる群より選ばれた基であり、Lが2以上の整数である場合、R9同士は同じであっても異なっていてもよい。
10およびR11は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。p,qが各々、2以上の整数であるとき、R10同士、R11同士は各々同じであっても異なっていてもよい。異なるアントラセン環に結合するR10同士、R11同士は、同じであっても異なっていてもよい。
iは0乃至6の整数を表わす。j+k+L=6−i。ただしi+jは2以上の整数であり、i=0の場合、アントリル基上のY1の内、少なくとも一つは水素原子、ハロゲン原子以外の置換基を含む。pは0乃至8の整数を表わす。)
【請求項17】
前記発光層が、下記一般式[14]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化14】

(式中、Zは、直接結合、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、アリーレン基及び二価の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
Ar7及びAr8は、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基からなる群より選ばれた基であり、Ar7及びAr8同じであっても異なっていてもよい。また、Ar7及びAr8は、互いに結合し環を形成していてもよい。
Ar9は、置換あるいは無置換のナフタレン、フェナントレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、クリセン、ベンゾ[c]フェナントレン、ナフタセン、ジベンゾ[a,c]アントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ジベンゾ[b,def]クリセン、ピレン、ピセン、ペリレン、ペンタセンから選ばれる芳香族縮合多環ユニットからなる置換基、または置換あるいは無置換の複素環基であり、qが2以上の整数であるとき、Ar9同士は同じであっても異なっていてもよい。
6は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよく、異なるアントリル誘導基上のX6同士は同じであっても異なっていてもよい。
10は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、pが2以上の整数であるとき、R10同士は同じであっても異なっていてもよい。
12は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アントリル基を除くアリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、rが2以上の整数であるとき、R12同士は同じであっても異なっていてもよい。
pは0乃至8の整数、qは1乃至3の整数、rは0乃至4の整数を表す。)
【請求項18】
前記発光層が、下記一般式[15]で示されるアリールアミン化合物を含有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
【化15】

(式中、R1およびR2は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基,置換あるいは無置換の複素環基、置換アミノ基、シアノ基またはハロゲン原子を表わす。異なるフルオレン環に結合するR1同士、R2同士は、同じであっても異なっていてもよい。同じフルオレン環に結合するR1およびR2は、同じであっても異なっていてもよい。a,bが各々、2以上の整数であるとき、R1同士、R2同士は各々同一でも異なっていても良い。
3およびR4は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基または置換あるいは無置換の複素環基を表わし、異なるフルオレン環に結合するR3同士、R4同士は、各々同一でも異なっていても良い。同じフルオレン環に結合するR3およびR4は、各々同一でも異なっていても良い。
13は、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、及びアミノ基からなる群より選ばれた基であり、tが2以上の整数であるとき、R13同士は同一でも異なっていても良い。
Ar1乃至Ar2は、置換あるいは無置換の芳香族基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換の縮合多環芳香族基または置換あるいは無置換の縮合多環複素環基を表わし、Ar1乃至Ar2は、同じであっても異なっていてもよい。Ar1およびAr2は、互いに結合し環を形成してもよい。
1は、直接結合、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基であり、連結基で結合された基でもよい。
7は、置換あるいは無置換のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アラルキレン基、2価の置換あるいは無置換の芳香族基または置換あるいは無置換の複素環基からなる群より選ばれた基であり、連結基で結合された基でもよい。
a、bは0乃至3の整数を表し、異なるフルオレン環上のa同士、b同士は、同じであっても異なっていてもよい。tは0乃至9の整数を表す。nは1乃至10の整数を表す。)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−169182(P2007−169182A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366184(P2005−366184)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】