説明

フルオロポリマー/微粒子充填保護シート

本発明は、光起電性構造物のためのバックシートとして有用な、微粒子充填フィルムについて記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、「Fluoropolymer/Particulate Filled Protective Sheet」と題された2008年10月13日に出願された米国仮特許出願第60/104,914号、「Fluoropolymer Films」と題された2009年8月10日に出願された米国仮特許出願第61/232,694号、「Fluoropolymer/Particulate Filled Protective Sheet」と題された2009年10月12日に出願された米国特許出願公開第2009/060354号、および「Fluoropolymer/Particulate Filled Protective Sheet(フルオロポリマー/微粒子充填保護シート)」と題された2009年10月9日に出願された米国特許出願第12/576,724号に対する優先権を主張しており、これらの特許出願の内容は、その全体が本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、フィルム中に埋め込まれた少なくとも1種の微粒子を有するフィルムおよび多層フィルム、ならびにパッケージング材料として有用なそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多層フィルムまたはラミネートは、異類の層の特性を取り込んで、その材料に比較して改善された性能を別途提供しようとする構造物である。多層フィルムに望ましい特性としては、防湿性(moisture vapor barrier)、耐候性、切断抵抗、電気抵抗、表面反射率、不透明度、表裏異なる(two−sided)色、または他の表裏異なる電磁スペクトル効果が挙げられる。
【0004】
本発明までのそのようなラミネートは、多くの場合、特性の不均衡をもたらしたり、費用がかかったり、取扱または加工が困難であったりする。ある特性を改善する材料の付加は、同時に別の特性を失う結果をもたらし得る。
【0005】
成長しつつある電子部品保護パッケージングフィルムの分野において、望ましい特性の、十分に調整された、実用的な均衡を提供することが極めて重要である。例えば、光起電装置のための保護バックシートフィルムは、湿気からの保護、良好な絶縁耐力、高い不透明度および/または反射性などの、特性の組み合わせを提供しなければならない。多層フィルムにおいてこうした特性を達成することは、困難であったり、費用がかかったりしていた。
【0006】
とりわけ、好適な充填剤を加える慣用の方法による特性制御の達成は、多くの場合、ある特性の改善を、別の特性の低下を伴ってもたらすものであった。例えば、高いレベルの不透明度を得るのに必要とされるレベルの遮光充填剤の添加は、透湿性の望ましくない上昇をもたらし得る。同様に、高いレベルの遮光充填剤の添加は、絶縁耐力の望ましくない低下をもたらし得る。別の例において、フィルムの反射性を高める充填剤の添加は、光起電性デバイス内に結合される時に接着が不十分な多層フィルム表面をもたらし得る。以前のフィルムは、概して、電子デバイスのための保護フィルムの望ましい特性を1つか2つ提供してきたが、より優れたレベルの複合された保護を提供することはできていない。
【0007】
さらに、充填剤が溶融押出多層フィルムに添加される場合、その充填剤が分散し難いことがあり、相当な混合を必要とし、工程所要時間および費用を増加させる結果となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、光起電性シートに1つ以上の改善された特性を付与するように調整され得る多層フィルムの必要性がある。また、他の保護用途に合わせて調整された多層フィルム(例えば、ワイヤもしくはケーブル用途のための保護外被)、または他の光電子デバイス(例えば、OLEDS)のための保護フィルムの必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、驚くべきことに、当該技術分野において知られている不都合のうちの1つ以上を克服する多層フィルムおよびそのような多層フィルムを調製する方法を提供する。例えば電子デバイスのためのパッケージング材料に適するような特性を有する多層フィルムを作製し、使用することが可能であることを発見した。このフィルムは、熱、湿気、化学物質、放射線、物理的損傷、および一般的な摩滅から構成部品を保護するのに役立つ。そのようなパッケージング材料は、電子デバイスの活性な構成部品/回路を電気的に絶縁するのに役立つ。さらに、そのような材料は、電子デバイス(例えば、光起電性デバイス)に保護緩衝性を提供し、汚れ防止性(antisoiling properties)、耐薬品性、耐UV性、反射性、向上した難燃性、美しさおよび/または不透明度を提供する。
【0010】
1つの態様において、本発明は、キャリア液と、ポリマー樹脂マトリックス材料と、微粒子充填剤材料とを含む流延組成物であって、そのポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、様々な体積パーセント割合の充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量でその組成物中に含まれる、流延組成物を提供する。
【0011】
驚くべきことに、微粒子充填剤寸法のパラメータ、特定充填剤の種類および/または充填剤材料の体積割合のうちの1つ以上を選択することにより、審美的に好ましい外観を提供しながら、かつフィルム完全性を提供しながら、そのフィルムの不透明度が制御され得ることが見出された。概して、より少ない微粒子充填剤の組み込みで、不透明度を保持しながらフィルムの完全性の改善がみられる。より低いレベルの微粒子充填剤による、より低い透湿性、または絶縁耐力の改善も提供し得る。したがって、特定の実施形態において、15体積パーセント未満の充填剤を、最終フィルム中に存在させることが好ましい。
【0012】
興味深いことであるが、充填剤の体積割合を制御するとファクターの均衡化があることが見出された。粒度もまた、フィルムの完全性をもたらし得、一部の態様において、作業者は、粒子の単独直線寸法(single linear dimension)がいずれも10μmを超えなかった、1ナノメートル(nm)〜約100nm(例えば、0.1μm)であり得ない、1種もしくは複数種の充填剤材料を選択するであろう。別の態様において、微粒子充填剤は、100nm〜2μmの単独寸法を有し得る。他の態様において、微粒子充填剤の一部は、10μmより大きい単独直線寸法を有し得る。
【0013】
微粒子自体の選択は、フィルムの完全性および物性(例えば、不透明度、透湿度、IR反射率および誘電率)の向上に役立ち得る。微粒子は、シリカ粒子、アルミニウムフレーク、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土(例えば、カオリンまたは他の粘土)、ムライト、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、様々な顔料(例えば、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム)、難燃剤(例えば、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物または臭素化化合物)、または企図される用途に好適な他の微粒子のうちの1つまたは混合物であり得る。一部の実施形態において、粒度は、約100ナノメートル(nm)〜約2ミクロン(μm)であり得る。
【0014】
別の態様において、粒子は、スペクトルの赤外領域で反射性であり得る。この種の粒子は、IR吸収およびそれに伴うフィルム内の熱の蓄積を低減するのに有効であり得ると同時に、同じ選択で、可視スペクトル中のある範囲の色の選択を可能にする。そのようなIR反射性顔料としては、Shepherd Color Company(Cincinnati,OH)からのArctic Black 10C909、Black 411、Yellow 193、Brown 12およびBrown 8、ならびにFerro Corporation(Cleveland OH)からのV−780 Black、V−778 Black、PC−9415 Yellow、V−9248 Blue、V−13810 Red、およびV−12600 Camouflage Greenが挙げられる。
【0015】
別の態様において、本発明は、流延組成物からフィルムを提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、本明細書に開示されるフィルムおよび多層フィルムを調製する方法を提供する。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、本発明のフィルムまたは多層フィルムによって(例えば、当該フィルムと接することによって)保護された光起電性構成部品を含む光起電性デバイスを提供する。
【0018】
本発明の多層フィルムは、2層〜約12層の材料を含み得ることが理解されるべきである。例えば、多層フィルムは、第1の層および第2の層の層状化を繰り返すなどし得る。1つの外層または2つの外層が、多層フィルム構造物に含まれ得る。この外層は、例えば、フルオロポリマーとし得るし、非フルオロポリマーともし得る。さらに、様々な層の組み合わせ(例えば、第1の層、第2の層、第1もしくは第2の層と異なる第3の層、および第1、第2もしくは第3の層と異なる第4の層など)が、本発明に包含される。この層状化もやはり、企図される用途の必要に応じて繰り返され得る。
【0019】
多層フィルムは、この多層フィルムが、約0.8ミルと約2.0ミルとの間(例えば、約1.1ミル)の厚さを有する場合、概して、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい絶縁破壊の強さ(kV)、ASTM法E424により測定される70%より高い太陽光反射率、またはASTM法F1249により測定される20g/m/日未満の透湿度を有する。
【0020】
本発明はまた、本明細書を通して記載される多層フィルムを調製する方法も提供する。
【0021】
複数の実施形態が開示されるが、本発明のさらに他の実施形態も、以下の詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。明らかなように、本発明は、全て本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な明白な態様において変更が可能である。したがって、詳細な説明は、本質的に例示するものと見なされるべきであり、限定するものと見なされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
明細書および特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「含む(comprising)」は、非限定的な用語であり、「〜を含むが、それらに限定されない」を意味すると解釈されるべきである。これらの用語は、より限定的な用語「から実質的になる(consisting essentially of)」および「からなる(consisting of)」を包含する。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかに別段の指示がない限り、複数への言及を包含するということに留意されなければならない。同様に、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つ以上の(one or more)」および「少なくとも1つの(at least one)」は、本明細書において交換可能に使用され得る。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「を特徴とする(characterized by)」および「有する(having)」が、交換可能に使用され得るということにも留意されるべきである。
【0024】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において具体的に言及される全ての文献および特許は、その全体が、本発明に関連して使用され得るそれらの文献に報告されている化学薬品、器械、統計分析および手法を説明および開示することを含むあらゆる目的のために、参照により援用される。本明細書において引用される全ての参照文献は、当業者のレベルを示すものとして捉えられるべきである。本明細書において、先行発明に基づいてそのような開示に先行する権利が本発明には与えられないということの自認として解釈されるべきものは何もない。
【0025】
本発明は、様々な実施形態を包含する。第1の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス(ポリマー樹脂またはポリマーマトリックス)材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子の一部は、10μmより大きい単独直線寸法を示し、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセントより多い充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0026】
第2の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子の一部は、10μmより大きい単独直線寸法を示し、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセント未満の充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0027】
第3の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子はいずれも10μmより大きい単独直線寸法を示さず、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセント未満の充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0028】
第4の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子の一部は、10μmより大きい単独直線寸法を示し、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセントより多い充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0029】
第5の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子の一部は、10μmより大きい単独直線寸法を示し、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセント未満の充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0030】
第6の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子はいずれも10μmより大きい単独直線寸法を示さず、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセントより多い充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0031】
第7の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、微粒子充填剤材料の粒子はいずれも10μmより大きい単独直線寸法を示さず、ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセント未満の充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0032】
キャリアおよび本明細書で検討される任意選択の他の添加剤を除去すると、フィルムが得られる。このフィルムは、本明細書に記載される多層フィルム構造物の一部であり得る。
【0033】
第8の実施形態において、本発明は、
キャリア液と、
非フィブリル化非フルオロポリマーマトリックス材料と、
微粒子充填剤材料と
を含む流延組成物であって、上記微粒子充填剤材料の粒子はいずれも10μmより大きい単独直線寸法を示さず、上記ポリマーマトリックス材料および微粒子充填剤材料は、15体積パーセントより多い充填剤材料を含む乾燥複合フィルムを提供するのに有効な相対量で組成物中に含まれる、流延組成物に関する。
【0034】
第3の層が第2の層の上に配置されて複合材料を形成し得ることが理解されるべきである。第2の層は、第1および第3の層によって封入される。第3の層も、同じく流延可能溶液からの非フルオロポリマーまたはフルオロポリマーであり得る。
【0035】
したがって、本発明はまた、流延組成物、この組成物から流延多層フィルムを調製する方法、およびこの組成物から形成された多層フィルムも提供する。多層フィルムは、上記のように水または溶媒で流延可能なポリマー(例えば、フルオロポリマー)を含む第1の外層と、上記のように第1の層の上に配置される第2の中間層であって、上記のような水または溶媒で流延可能なポリマー(例えば、フルオロポリマーまたはその混合物および微粒子充填剤材料)を含む第2の層と、上記のように水または溶媒で流延可能なポリマー(例えば、フルオロポリマーまたはその混合物)を含む、第2の層の上に配置された第3の外層とを含む。
【0036】
典型的に、第1の外層は、約0.01ミル〜約0.7ミル、より具体的には約0.02ミル〜約0.4ミル、最も具体的には約0.05ミル〜約0.3ミルの厚さを有する。
【0037】
第2の中間層は、概して、約0.1ミル〜約0.8ミル、より具体的には約0.2ミル〜約0.4ミル、最も具体的には約0.3ミル〜約0.4ミルの厚さを有する。
【0038】
第3の外層は、例えば、約0.01ミル〜約0.7ミル、より具体的には約0.02ミル〜約0.4ミル、最も具体的には約0.05ミル〜約0.3ミルの厚さを有する。
【0039】
次の層(例えば、第4および第5の層)は、約0.01ミル〜約0.7ミル、より具体的には約0.02ミル〜約0.4ミル、最も具体的には約0.05ミル〜約0.3ミルの厚さを有し得る。
【0040】
語句「多層」フィルムは、互いに接触した状態の1種もしくは複数種のフィルムからなる複数の層を包含することが意図される。3層が特に望ましいが、最低でも2つの層が存在する。多層フィルムが4層、5層、6層〜12層などを含み得るように、さらなる層が多層フィルムに含まれ得る。
【0041】
語句「流延可能ポリマー」は、液体キャリア媒体中に、分散、溶解、懸濁、乳化、または通常は分布し得るフルオロポリマーまたは非フルオロポリマーを意味することが意図される。液体キャリア媒体は、水、有機溶媒、またはポリマーを分散、溶解、懸濁、乳化、もしくは通常は分布させ得る任意の他の液体であってもよい。液体キャリア媒体は、好適な液体の混合物であってもよい。キャリア媒体内に分布すれば、次いでそのポリマーおよび媒体は、支持材料上に堆積または流延されて、フィルムを形成し得る。ポリマーが、第1のキャリア液と混合され得る。この混合物は、第1のキャリア液中のポリマー粒子の分散体、第1のキャリア液中のポリマーまたはポリマーのモノマーもしくはオリゴマー前駆体の液滴のエマルション、あるいは第1のキャリア液中のポリマーの溶液を含んでもよい。
【0042】
流延可能ポリマーはまた、キャリア液内に分布したポリマーのモノマーもしくはオリゴマー前駆体であり得る。最も一般的には、流延可能組成物は、水性媒体中のエマルションまたは分散体である。
【0043】
第1のキャリア液の選択は、特定ポリマーと、材料が本発明の流延組成物に導入されるべき形態とに基づく。溶液が望ましい場合は、特定フルオロポリマーのための溶媒が、キャリア液として選択される。好適なキャリアとしては、例えば、DMAC、NMP、セロソルブ、または水などが挙げられる。分散体が望ましい場合、好ましいキャリアは、そのポリマーが可溶でないキャリアである。水溶液は、ポリマー粒子の分散体に適したキャリア液であろう。
【0044】
最も一般的には、流延可能組成物は、水性媒体中のエマルションまたは分散体である。キャリア液が充填剤粒子を濡らすことができるようにキャリア液の表面張力を変更するのに有効な量で、界面活性剤が、分散体を調製するために使用され得る。好適な界面活性剤化合物としては、イオン性界面活性剤、両性、カチオン性および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0045】
1つの例示的な実施形態において、ポリマーとキャリア液との混合物および第2のキャリア液中の充填剤粒子の分散体が合わされて、流延組成物を形成する。
【0046】
フルオロポリマーは、概して外層として選択されて、耐薬品性、電気絶縁、耐候性および/または湿気の遮断層を提供する。
【0047】
語句「フルオロポリマー」は、当該技術分野において知られており、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー(HTE)、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、エチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、テトラフルオロエチレン/プロピレンコポリマー(TFE/P)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA、例えば、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ポリ二フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン/ビニリデンコポリマー(すなわち、THV)およびそれらの混合物を包含することが意図される。
【0048】
フルオロポリマーは、例えば、ポリ二フッ化ビニリデン;二フッ化ビニリデンのコポリマー;テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、および二フッ化ビニリデンのコポリマー;テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンのコポリマー;ならびに他の溶融加工性フッ素樹脂の場合のように、溶融加工性であり得る;またはフルオロポリマーは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、TFEおよび低レベルのフッ素化ビニルエーテルのコポリマー)、ならびに硬化フルオロエラストマーの場合のように溶融加工性でなくてもよい。
【0049】
市販のTHVポリマーの例としては、商品名「DYNEON THV 2030G FLUOROTHERMOPLASTIC」、「DYNEON THV 220 FLUOROTHERMOPLASTIC」、「DYNEON THV 340C FLUOROTHERMOPLASTIC」、「DYNEON THV 415 FLUOROTHERMOPLASTIC」、「DYNEON THV 500A FLUOROTHERMOPLASTIC」、「DYNEON THV 610G FLUOROTHERMOPLASTIC」、または「DYNEON THV 810G FLUOROTHERMOPLASTIC」で、Dyneon,LLCにより販売されているものが挙げられる。
【0050】
市販のHTEポリマーの例としては、例えば、商品名「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC HTE」(例えば、「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC HTE X 1510」または「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC HTE X 1705」)で、Dyneon,LLCにより販売されているものが挙げられる。
【0051】
市販の二フッ化ビニリデン含有フルオロポリマーの例としては、例えば、Atofina(Philadelphia,Pa.)により販売されている商品名「KYNAR」(例えば、「KYNAR 740」)を有するそのようなフルオロポリマー;Ausimont USA(Morristown,N.J.)により販売されている商品名「HYLAR」(例えば、「HYLAR 700」)を有するそのようなフルオロポリマー;およびDyneon,LLCにより販売されている商品名「FLUOREL」(例えば、「FLUOREL FC−2178」)を有するそのようなフルオロポリマーが挙げられる。
【0052】
市販のテトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーの例としては、例えば、商品名「Hyflon PFA」または「Hyflon MFA」でSolvay Solexisにより販売されているもの;および商品名「Teflon PFA」でE.I.diPont de Nemours & Companyにより販売されているものが挙げられる。
【0053】
市販のフッ化ビニルフルオロポリマーの例としては、商品名「TEDLAR」でE.I.du Pont de Nemours & Company(Wilmington,Del.)により販売されているそうしたフッ化ビニルのホモポリマーが挙げられる。
【0054】
市販の(TFE/P)ポリマーの例としては、商品名「AFLAS」(例えば、「AFLAS TFE ELASTOMER FA 100H」、「AFLAS TFE ELASTOMER FA 150C」、「AFLAS TFE ELASTOMER FA 150L」、または「AFLAS TFE ELASTOMER FA 150P」)(Dyneon,LLCにより販売)で販売されているもの、または商品名「VITON」(例えば、「VITON VTR−7480」または「VITON VTR−7512」)(E.I.du Pont de Nemours & Company(Wilmington,Del.)により販売)で販売されているものが挙げられる。
【0055】
市販のETFEポリマーの例としては、例えば、商品名「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC ET 6210J」、「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC ET 6235」、または「DYNEON FLUOROTHERMOPLASTIC ET 6240J」で、Dyneon,LLCにより販売されているものが挙げられる。
【0056】
市販のECTFEポリマーの例としては、商品名Halar 350およびHalar 500樹脂で、Solvay Solexis Corp.から販売されているものが挙げられる。
【0057】
代替的に、本発明のポリマーマトリックス材料は、フルオロポリマー以外の熱可塑性または熱硬化性ポリマーを含み得る。好適な代替的ポリマーマトリックス材料としては、ポリオレフィンおよびそのコポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、およびポリブタジエン)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアン酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、熱可塑性オレフィン、エチレンビニルアルコール(EVOH)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンメタクリレート(EMA)熱可塑性ウレタン、熱可塑性シリコーン、イオノマー、エチルブチルアクリレート(EBA)、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレンプロピレンジエンMクラスゴム(EPDM)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
本発明の微粒子充填剤材料は、任意の有機または無機微粒子材料を含み得る。用語「微粒子」および「粒子」は、本明細書で使用される場合、繊維およびフレークを包含することが意図される。好適な無機充填剤材料としては、例えば、ガラス粒子、セラミック粒子、金属粒子、カーボン粒子および鉱物粒子が挙げられる。好適な粒子およびフレークの具体例としては、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、シリカ粒子、カーボンブラック、二酸化チタン粒子、酸化鉄粒子、アルミニウム粒子およびチタン酸バリウム粒子が挙げられる。シリカ粒子、特にゾルゲル法によって作製された非晶質石英ガラス粒子およびシリカ粒子、ならびにガラス粒子は、例えば低誘電率を必要とする積層電気回路の誘電体層に、適用可能である。
【0059】
充填剤粒子の形状、充填剤粒子のサイズおよび充填剤粒子のサイズ分布は、本発明の粒子充填複合物品の特性決定に関する重要なパラメータであり得る。例えば、小板形状の(platelet−shaped)顔料は、光干渉および他の光学効果を生じさせ得る。そのような粒子は、雲母被覆鉄または他の金属酸化物複合体(例えば、Wenzhou Pearlescent Pigments Co(Taizhu,China)からのTaizhu TZ2013バイオレット;およびMerck KGaA(Darmstadt,Germany)からのXirallic T60−10 WNTクリスタルシルバー)として含まれ得る。
【0060】
本発明の1つの実施形態において、微粒子充填剤の全ての粒子が、約10ミクロン(μm)未満の直径を示す。
【0061】
本発明の代替的な好ましい実施形態において、充填剤粒子は、いずれも約10μmより大きい単独直線寸法を全く示さない。
【0062】
別の実施形態において、微粒子充填剤の粒子は、10μmより大きい単独直線寸法を示す粒子をいくつか含む。10μm未満の単独直線寸法を有する粒子に対する10μmより大きい単独直線寸法を示す粒子の割合は、粒子の総量の0.01%〜約50%、約0.1%〜約20%、または約1%〜約10%であり得る。直線寸法は、約11μm〜約50μm、約15μm〜約20であり得る。
【0063】
先に記載したように、10μmより大きい単独直線寸法を示す粒子の組み込みが、最終フィルムに類のない特性を付与するのに役立ち得ることが見出されたのは驚くべきことである。こうした特性としては、増大した引っ張り強さ、より高い不透明度(より大きい粒子がないものと比較して)、または低下した透湿度が挙げられる。
【0064】
また、粒子は、球形である必要はない。1つの態様において、粒子は、当該技術分野において「小板」としても知られる楕円形の粒子であり得る。
【0065】
本発明の1つの態様において、充填剤粒子は、いずれも実質的に球形である。
【0066】
本発明のさらに別の態様において、フィルムの充填剤粒子は、サイズが均一ではない。不均一なサイズの粒子の使用は、光散乱において予想外の利点を提供し、より均一な粒子分布を提供し得る。概して、この粒子は、約0.1μmと約20μmとの間の平均粒度のものであり、粒子のおよそ80%が、約0.2μmと約5μmとの間の狭い粒度範囲を有する。
【0067】
微粒子充填剤材料は、本発明のフィルムの防湿性、粒子分散性、マトリックス付着性もしくはIR反射率、耐UV性を改善し、かつ/または本発明の複合フィルムの機械的性質を改善するために表面処理で処理され得る。例えば、特定のTiO形態は、不動態化されており、さもなければ、それらは光触媒性である。
【0068】
本発明の粒子を処理するのに有用な好適な疎水性コーティングは、熱的に安定であり、低い表面エネルギーを示し、本発明の複合材料の防湿性を改善する任意のコーティング材料を含んでもよい。好適なコーティング材料としては、従来のシランコーティング、チタネートコーティングおよびジルコネートコーティングが挙げられる。
【0069】
本発明のポリマーマトリックス材料は、第1のキャリア液と混合される。この混合物は、第1のキャリア液中のポリマー粒子の分散体、第1のキャリア液中のポリマーまたはポリマーのモノマーもしくはオリゴマー前駆体の液滴の分散体(すなわち、エマルション)、あるいは第1のキャリア液中のポリマーの溶液を含んでもよい。
【0070】
第1のキャリア液の選択は、特定ポリマーマトリックス材料と、そのポリマーマトリックス材料が本発明の流延組成物に導入される形態とに基づく。溶液が望ましい場合は、特定ポリマーマトリックス材料のための溶媒が、キャリア液として選択される。好適なキャリアとしては、例えば、DMAC、NMP、セロソルブ、または水などが挙げられる。分散体が望ましい場合は、好ましいキャリアは、そのマトリックス材料が可溶でないキャリアである。水溶液は、フルオロポリマー粒子の分散体に適したキャリア液であろう。
【0071】
本発明の微粒子充填剤の分散体は、その充填剤が可溶でない好適な第2のキャリア液中であり得る。
【0072】
第2のキャリア液が充填剤粒子を濡らすことができるように第2のキャリア液の表面張力を変更するのに有効な量で、界面活性剤が、分散体を調製するために使用され得る。好適な界面活性剤化合物としては、イオン性界面活性剤、両性、カチオン性および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0073】
1つの例示的な実施形態において、ポリマーマトリックス材料と第1のキャリア液との混合物および第2のキャリア液中の充填剤粒子の分散体が合わされて、流延組成物を形成する。概して、流延組成物は、約10重量パーセントと約90重量パーセントの間の(粒子およびポリマーマトリックスに基づく)固形物、約20〜約70重量パーセントの間の固形物、または約25〜約50重量パーセントの間の固形物を有する。
【0074】
本発明の流延組成物の粘度は、好適な粘度調整剤を加えることにより調整され得る。そのような調整剤としては、ポリアクリル酸化合物、植物ガムおよびセルロースベースの化合物が挙げられる。好適な粘度調整剤の具体例としては、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、グアールガム、ローカストビーンガム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントガムが挙げられる。
【0075】
概して、流延組成物は、約10重量パーセントと約90重量パーセントの間の(粒子および/またはポリマーに基づく)固形物、約20〜約70重量パーセントの間の固形物、または約25〜約50重量パーセントの間の固形物を有する。
【0076】
概して、微粒子充填剤材料は、約0体積%〜約60体積%の範囲内で流延可能ポリマー層内に存在し得る。
【0077】
1つの態様において、微粒子充填剤は、約2%〜約50%、例えば、多層フィルムの総体積に基づき約8体積%〜約25体積%存在する。別の態様において、微粒子充填剤は、多層フィルムの総体積に基づき約9体積%〜約15体積%存在する。0%〜約60%の範囲内に入る部分範囲(subrange)が本明細書において包含されることが理解されるべきである。この部分範囲は、約0.5%〜約5.5%、約0.6%〜約10.3%などの小数範囲も含む。全ての範囲が本明細書において包含される。端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
【0078】
本発明の流延組成物の粘度は、好適な粘度調整剤を加えることにより調整され得る。そのような調整剤としては、ポリアクリル酸化合物、植物ガムおよびセルロースベースの化合物が挙げられる。好適な粘度調整剤の具体例としては、ポリアクリル酸、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、グアールガム、ローカストビーンガム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムおよびトラガカントガムが挙げられる。
【0079】
フィルムを調製するために、組成物の層が、従来の方法(例えば、浸漬被覆、リバースロール塗布、ナイフ・オーバー・ロール、ナイフ・オーバー・プレート、および計量ロッド塗布)によって支持体上に流延される。
【0080】
好適な支持体材料としては、例えば、金属フィルム、ポリマーフィルムまたはセラミックフィルムが挙げられる。好適な支持体の具体例としては、ステンレス鋼箔、ポリイミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、チタン、アルミニウムまたはフルオロポリマーフィルムが挙げられる。
【0081】
1つの例示的な流延方法において、フィルムは、米国特許第4,883,716号明細書(この特許文献の内容は、その全体が本明細書に援用される)に詳述されるように、低い熱容量(thermal mass)を有するキャリアベルト上に流延することによって形成される。このキャリアベルトは、流延装置の一部である。このキャリアベルトは、分散体の塗膜がキャリアベルト上に形成するように、流延塔の基部で浸漬槽中のフルオロポリマーマトリックス材料/特定充填剤材料分散体を通って浸漬される。塗被されたキャリアベルトは、次いで計量ゾーンを通過し、そこで計量棒がその塗被キャリアベルトから過剰分散体を除去する。この計量ゾーンに次いで、塗被キャリアベルトは、分散体からキャリア液を除去して乾燥フィルムとするのに十分な温度で維持された乾燥ゾーンに進む。乾燥フィルムを有するキャリアベルトは、次いで、温度が分散体中のフルオロポリマーおよび微粒子を団結または融合させるのに十分である、ベーキング/融合ゾーンに進む。最後に、このキャリアベルトは、冷却プレナムを通過し、そこから、次の浸漬槽に向けられて次のフィルムのさらなる層の形成を開始するか、または剥離装置に向けられ得る。この工程は、所望に応じて何度でも繰り返され得、一般的には7層まで(例えば、3層がフルオロポリマーマトリックス/特定充填剤材料層であり、2層が1種以上のフルオロポリマーからなる外層である、5層)を提供する。
【0082】
さらなる例示的な流延方法において、支持体および流延フィルムの複合構造が結果として生じるように、塗布されたフィルムがキャリア支持体上に残り得る。これの例としては、フルオロポリマーおよびポリイミド支持体、アルミニウムの支持体、チタン支持体、鋼支持体またはポリカーボネート支持体が挙げられ得る。さらなる例において、別個の支持体フィルムが、この支持体上に流延可能フルオロポリマーフィルムが堆積されるように、塗布される流延組成物とキャリアベルトとの間に導入されてもよい。1つの例において、支持体、ポリイミドフィルム、アルミニウムシート、チタンシート、鋼シート、またはポリカーボネートフィルムが、キャリアベルトに支持されてもよく、流延組成物がその支持体に塗布されてもよい。したがって、流延組成物は、支持体の上面および底面が塗被されるように、支持体の両面に塗布され得る。好適な構造物としては、例えば、第1の流延可能フルオロポリマー/アルミニウム/第1の流延可能フルオロポリマーと同じかまたは異なり得る第2の流延可能フルオロポリマー(例えば、PTFE/Al/PTFE)、第1の流延可能フルオロポリマー/ポリイミド/第1の流延可能フルオロポリマーと同じかまたは異なり得る第2の流延可能フルオロポリマー(例えば、FEP/ポリイミド/FEP)および第1の流延可能フルオロポリマー/ポリカーボネート/第1の流延可能フルオロポリマーと同じまたは異なり得る第2の流延可能フルオロポリマー(例えば、PVDF/ポリカーボネート/PVDF)が挙げられる。
【0083】
堆積されるフルオロポリマー流延組成物に必要とされる加工温度に依存して、他の代替的な支持体フィルムが使用されてもよい。より低い溶融温度を有するフルオロポリマー組成物には、より低い温度の支持体を使用し得る。
【0084】
1つの例において、ポリマーマトリックス材料と微粒子充填剤とのフィルムを提供するために、キャリア液および加工助剤(例えば、界面活性剤および/または粘度調整剤)が、蒸発によりかつ/または熱分解により流延層から除去される。1つの態様において、本発明の微粒子充填ポリマーマトリックス複合フィルムは、流延フィルムを加熱してキャリア液を蒸発させることにより調製される。
【0085】
ポリマーマトリックス材料と微粒子充填剤とのフィルムは、フィルムの物性を変更するためにさらに加熱され得る。これは、フィルムの後硬化を含み得る。
【0086】
1つの態様において、多層フィルムは、3つの層を有する。第1の外層は、流延可能フルオロポリマーであり、第2の中間層は、本明細書に記載されるような微粒子充填剤を含む流延可能フルオロポリマーであり、第3の外層は、流延可能フルオロポリマーである。別の態様において、第1および第3の外層のいずれかまたは両方が、約0.01体積%〜約12体積%、特に約0.01体積%〜約6体積%の微粒子充填剤を含み得る。
【0087】
別の態様において、第4の層が、第1の層の上に配置され得る。この第4の層は、本明細書に記載されるような流延可能フルオロポリマーである。さらに別の態様において、第5の層が、第3の層の上に配置され得る。この第5の層は、本明細書に記載されるような流延可能フルオロポリマーである。理想的には、第4および第5の層は、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PFA)コポリマーもしくはフッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)またはそれらの混合物から選択される。さらに、第4および/または第5の層として、PTFEとPFAまたはFEPとの混合物が挙げられ得る。
【0088】
第4および第5の層は、本明細書に記載されるような特定の充填剤をさらに含み得る。第4および第5の外層のいずれかまたは両方が、約0.01体積%〜約12体積%、特に約0.01体積%〜約6体積%の微粒子充填剤を含み得る。
【0089】
1つの態様において、多層フィルムの外層は、溶融結合可能なフルオロポリマーから製造され得る。好適な溶融結合可能材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーもしくはフッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
本発明の方法は、経済的に製造されるように、約2ミル未満、およびさらには約1ミル未満の厚さを有するフィルムを提供する。本明細書において、フィルム厚さは、「ミル」で示される。1ミルは0.001インチに等しい。
【0091】
さらに別の態様において、本発明の多層フィルムは、約0.6ミル〜約2ミルの間、より具体的には約0.8ミル〜約1.5ミルの間の総厚さを有する。
【0092】
1つの実施形態において、本発明の多層フィルムは、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい絶縁破壊の強さ(kV)を有する。具体的には、絶縁破壊の強さは、3kV超〜約12kV、約3kV〜約7kV、特に約4kV〜約6kVである。
【0093】
絶縁破壊の強さは、ASTM D3755の直流電圧ストレス下での固体電気絶縁材料の絶縁破壊電圧および絶縁耐力についての標準試験方法(Standard Test Method for Dielectric Breakdown Voltage and Dielectric Strength of Solid Electrical Insulating Materials Under Direct−Voltage Stress)に準じて測定される。
【0094】
5インチ×5インチの試験片が、端部が半径0.25インチに丸められた、直径2インチ、長さ1インチの2つの対向する円筒の間の空気媒体中に保持される。試験片は、内部破壊が起こるまで、500V/秒の等速度で上昇する直流電圧の印加によって、電気的ストレスが加えられる。絶縁破壊は、一般に、検出素子(例えば、回路遮断器またはヒューズ)を活性化し得る試験回路における電流の上昇を伴う。破壊時の試験電圧が記録される。
【0095】
別の実施形態において、多層フィルムは、ASTM法E424により測定される70%より高い太陽光反射率をフィルムの少なくとも片面に有する。具体的には、フィルムの少なくとも片面における太陽光反射率は、70%超〜約99.9%、約75%〜約99%、特に約80%〜約99%である。
【0096】
太陽光反射率は、ASTM E424のシート材料の太陽エネルギー透過率および反射率(地球上)についての標準試験方法(Standard Test Methods for Solar Energy Transmittance and Reflectance(Terristrial)of Sheet Materials)に準じて測定される。ASTM E424の規定の手順は、350〜2100nmの範囲にわたるデータ収集を要求する。400〜1100nmのデータについての要約が、この手順の一般的に使用されている変形であり、本明細書において使用される方法である。
【0097】
積分球分光光度計が、2インチ×2インチの試験片のスペクトル特性を、関心のあるスペクトル領域にわたって測定するために使用される。煙着(smoked)酸化マグネシウムが、完全に反射かつ拡散する表面の標準として使用される。空気に対するスペクトル透過率のデータ、および酸化マグネシウムに対する方向性分光反射率(spectral directional reflectance)のデータを得る。太陽光透過率および反射率(単位はパーセント)は、標準太陽エネルギー分布にわたるスペクトル反射率を積分することによって計算される。太陽光透過率はフィルムを通して測定されるが、反射率は、一般に、フィルムの片面に関して測定される。不透明度(%)は、100%−透過率%と定義される。
【0098】
さらに別の実施形態において、多層フィルムは、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満の透湿度を有する。具体的には、透湿度は、約16g/m/日未満、より具体的には約13g/m/日、最も具体的には約8g/m/日未満である。
【0099】
透湿度は、ASTM F1249の変調赤外線センサーを用いるプラスチックフィルムおよびシート材料を通る透湿度(Water Vapor Transmission Rate Through Plastic Film and Sheeting Using a Modulated Infrared Sensor)に準じて測定される。
【0100】
4インチ×4インチの試験片が、乾燥チャンバーと湿潤チャンバーとの間にグリースおよびOリングを用いて厳重に密封される。フィルムを通って拡散する水蒸気が、乾燥チャンバー中の窒素ガスと混合し、圧力変調赤外線センサーへと運ばれる。このセンサーは、水蒸気によって吸収された赤外線エネルギーの部分を測定し、電気信号を生成するものであり、その大きさは水蒸気濃度に比例する。この電気信号の大きさが、公知の水分透過度の較正フィルムのそれと比較され、この比較から、湿気がその試験フィルムを透過する速度が計算される。この試験は、ある一定温度の湿度で(例えば、39℃および100%相対湿度で)行われる。さらに別の実施形態において、多層フィルムは、ASTM法E424により測定される約80%より高い光不透明度を有する。具体的には、この光不透明度は、約80より高く、より具体的には約85より高く、最も具体的には約95より高い。
【0101】
特定の実施形態において、本明細書に記載される多層フィルムは、当該多層フィルムが約0.7ミルと約2.0ミルとの間の厚さを有する場合、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい絶縁破壊の強さ(kV)、ASTM法E424により測定される70%より高い太陽光反射率、ASTM法F1249より測定される20g/m/日未満の透湿度を有する。
【0102】
別の実施形態において、多層フィルムは、表裏異なる特性を有する。例えば、多層フィルムは、一方の側に白色の高度に反射性の面を有し、他方の側に暗色の面を有してもよい。別の実施例において、多層フィルムは、一方の側に白色の高度に反射性の面を有し、他方の側に暗色の非反射性の面を有してもよい。別の実施形態において、多層フィルムは、一方の側に白色の高度に反射性の面を有し、他方の側に暗色の反射性の面を有してもよい。
【0103】
フィルムのいずれの面の色も、CIE Lbカラーモデルと呼ばれる標準方法を用いて色を測定することによって示され得る。両面彩色フィルムの1つの特定の実施形態において、黒色面と白色面とが識別されてもよい。Lの低い値はより黒い色を示し、L=0は最極限黒色値である。Lの高い値は、より白い色を示し、L=100は、最大拡散白色測定値である。
【0104】
本明細書に記載される多層フィルムの外層に特に使用されるフルオロポリマーは、著しく様々な特性(例えば、高い透明度、良好な絶縁耐力、高い純度、化学的不活性、低い摩擦係数、高い熱安定性、優れた耐候性、および耐UV性)を示すことから、類のない素材である。フルオロポリマーは、しばしば上記の特性の組み合わせが要求されるような、高性能を要求する用途においてよく使用されている。しかしながら、フルオロポリマーは、その表面エネルギーが低いため、全てではないにしても、多くの非フルオロポリマー材料で、液体であれ固体であれ、濡らし難い。
【0105】
その結果、フルオロポリマーが直面する一般的な問題は、非フルオロポリマー表面への接着が困難なことである。さらに、この問題は、少なくとも1つの層がフルオロポリマーではないフルオロポリマー複合ラミネートについては特に厄介である。
【0106】
本発明は、新規の多層フィルム、および複数層の多重堆積それに続くさらなる任意選択的な表面処理に関して好適な材料を用いることにより当該多層フィルムを調製する方法を提供する。概して、本発明の多層フィルムは、変性フルオロポリマーを含む外層と、ポリマーマトリックス/微粒子フィルムを有する本明細書に記載される1つもしくは複数の中間層とを含む。
【0107】
用語「変性フルオロポリマー」は、バルク変性されているか、もしくは表面変性されている、またはその両方であるフルオロポリマーを包含することが意図される。バルクフルオロポリマー変性としては、フルオロポリマー主鎖中またはフルオロポリマー主鎖上に含まれるかまたはグラフトされた、極性官能基の包含が挙げられる。この種の変性フルオロポリマー材料は、変性されていないフルオロポリマー層および非フルオロポリマー層と組み合わせて、またはベースフルオロポリマー層として使用され得る。例えば、無水マレイン酸変性ETFEは、処理されていないETFE支持体にナイロンを接着させるのに好適である。
【0108】
フルオロポリマーの表面変性は、本発明において有用な変性フルオロポリマーを提供する別の方法である。概して、極性官能基は、フルオロポリマー表面に結合され、それをより濡らし易くし、化学結合の機会を提供する。フルオロポリマー表面を官能基化する方法はいくつかあり、例えば、化学的エッチング、物理的−機械的エッチング、プラズマエッチング、コロナ処理、化学的蒸着、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。1つの実施形態において、化学的エッチングは、ナトリウムアンモニアまたはナトリウムナフタレンを含む。例示的な物理的−機械的エッチングとしては、サンドブラスチングおよびシリカでの空気研磨(air abrasion)が挙げられ得る。別の実施形態において、プラズマエッチングは、反応性プラズマ(例えば、水素、酸素、アセチレン、メタン、ならびにそれらの窒素、アルゴン、およびヘリウムとの混合物)を含む。コロナ処理は、反応性炭化水素蒸気(例えば、ケトン(例えば、アセトン)、アルコール、p−クロロスチレン、アクリロニトリル、プロピレンジアミン、無水アンモニア、スチレンスルホン酸、四塩化炭素、テトラエチレンペンタミン、シクロヘキシルアミン、チタン酸テトライソプロピル、デシルアミン、テトラヒドロフラン、ジエチレントリアミン、tert−ブチルアミン、エチレンジアミン、トルエン−2,4−ジイソシアネート、グリシジルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、ヘキサン、トリエチルアミン、メチルアルコール、酢酸ビニル、メチルイソプロピルアミン、ビニルブチルエーテル、メタクリル酸メチル、2−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、キシレンまたはそれらの混合物)を含み得る。
【0109】
いくつかの技術は、これらの方法のうちの1つを含む工程の組み合わせを使用する。例えば、表面活性化は、励起ガス種の存在下でプラズマまたはコロナ放電によって達成され得る。例えば、表面活性化は、溶媒ガス(例えば、アセトン)の存在下でコロナ処理によって達成され得る。
【0110】
理論によって制限されるべきではないが、この方法は、変性フルオロポリマーと非フルオロポリマー界面(または第2の変性フルオロポリマー)との間に強力な層間接着を提供することが見出された。1つの方法において、フルオロポリマーおよび非フルオロポリマー形物は、それぞれ別個に形成される。続いて、フルオロポリマー形物は、米国特許第3030290号明細書、同第3255099号明細書、同第3274089号明細書、同第3274090号明細書、同第3274091号明細書、同第3275540号明細書、同第3284331号明細書、同第3291712号明細書、同第3296011号明細書、同第3391314号明細書、同第3397132号明細書、同第3485734号明細書、同第3507763号明細書、同第3676181号明細書、同第4549921号明細書、および同第6,726,979号明細書(これらの特許文献の教示は、その全体があらゆる目的のために本明細書に援用される)に記載されている処理方法によって表面処理される。次いで、結果として生じる変性フルオロポリマーおよび非フルオロポリマー形物が、例えば熱積層によって互いに接触されて、多層フィルムを形成する。最後に、この多層フィルムは、UVA;UVBおよび/またはUVC範囲内の波長を有する紫外線に供され得る。
【0111】
1つの態様において、フルオロポリマー支持体の表面は、電極領域がアセトン、テトラヒドロフランメチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたは酢酸プロピル蒸気で満たされた、コロナ放電で処理される。
【0112】
コロナ放電は、間隔をおいて配置された、少なくとも一方は誘電体バリアによってガス媒体から絶縁されている2つの電極の間に存在するガス媒体の、容量交換によって生成される。コロナ放電は、その容量性の性質のため、元来、交流電流にいくらか限定される。コロナ放電は、高電圧、低電流の現象であり、電圧は典型的にキロワットの単位で測定され、電流は典型的にミリアンペアの単位で測定される。コロナ放電は、広範な圧力および周波数にわたって維持されてもよい。一般に、0.2〜10気圧の圧力が、コロナ放電作業の限界を規定し、一般に、大気圧が好ましい。20Hz〜100MHzの範囲の周波数が、好都合に使用され得る。具体的には、範囲は500Hz〜、特に3000Hz〜10MHzである。
【0113】
誘電体バリアが、間隔を置いた2つの電極のそれぞれをガス媒体から絶縁するために使用される場合のコロナ放電現象は、しばしば無電極放電と呼ばれ、一方、単一の誘電体バリアが、それらの電極のうちの一方のみをガス媒体から絶縁するために使用される場合の結果として生じるコロナ放電は、しばしばセミコロナ放電(semi−corona discharge)と呼ばれる。用語「コロナ放電」は、本明細書全体を通じて、両方の種類のコロナ放電(すなわち、無電極放電およびセミコロナ放電の両方)を指すために使用される。
【0114】
コロナ放電処理手順に関する全詳細は、E.I.du Pont de Nemours and Company(USA)に譲渡された一連の米国特許において提供され、権利期間の切れた米国特許第3,676,181号明細書およびSaint−Gobain Performance Plastics Corporationの米国特許第6,726,979号明細書に記載されており、これらの特許文献の教示は、その全体があらゆる目的のために本明細書に援用される。提案された技術の1つの例は、米国特許第3,676,181号明細書(Kowalski)において見出され得る。密封された処理装置の雰囲気は、窒素中20(体積)%のアセトンであり、連続的である。例えば絶えず供給される多層フィルムまたは微粒子充填フィルムの外層は、フィルム/シート表面1平方フィート当たり0.15ワット時と2.5ワット時との間に供される。フルオロポリマーは、フィルム/形物の両面で、接着性を高めるために処理され得る。この材料は、次いで貯蔵のために、シリコーン処理されていないレリースライナー上に置かれ得る。C処理された材料は、表面濡れ性、接合性(cementability)、および接着性の著しい損失なしに、1年より長くもつ。
【0115】
別の局面において、フルオロポリマー支持体の表面は、プラズマで処理される。語句「プラズマ励起化学蒸着」(PECVD)は、当該技術分野で知られており、薄膜を気体状態(蒸気)から固体状態にして支持体上に堆積させる方法をいう。この方法に関与する化学反応はいくつかあり、それらは、反応ガスのプラズマの生成後に起こる。プラズマは、一般に、支持体が置かれ、その空間が反応ガスで満たされた、2つの電極の間に、RF(AC)周波数またはDC放電によって生成される。プラズマは、かなりの割合の原子または分子がイオン化され、反応性イオン、電子、ラジカルおよび紫外線が結果として生じるあらゆるガスである。
【0116】
別の例示的な実施形態において、フルオロポリマー層の少なくとも1つの主表面は、コロイドシリカを含む。コロイドシリカは、典型的に、第1の層と第2の層との間の接着をもたらす量で溶液中に存在する。1つの実施形態において、コロイドシリカは、コロイドシリカの接着性に悪影響を与えない溶液中に存在する。1つの例において、この溶液は水性であってもよい。市販のコロイドシリカ溶液は、Ludox(登録商標)として入手可能である。1つの実施形態において、コロイドシリカ溶液に加えて、結合溶液が使用されてもよい。コロイドシリカと相溶性のある任意の公知の結合溶液が企図される。例えば、結合性フルオロポリマー(例えば、FEPまたはPFA)が使用されてもよい。典型的に、結合溶液およびコロイドシリカは、重量で少なくとも約25/75(例えば、重量で約40/60、例えば、重量で約50/50、またはさらには重量で約75/25)の比率で適用される。
【0117】
本発明の多層フィルムは、湿気、天候、熱、放射線、物理的損傷から特に電子構成部品を保護するため、および/またはそうした構成部品を絶縁するために使用され得る。光電子構成部品の例としては、結晶質シリコンベースの光起電性モジュール、非晶質シリコン、CIGS、DSC、OPVまたはCdTeベースの薄い光起電性モジュール、OLEDS、LED、LCD、プリント回路板、柔軟性ディスプレイおよびプリント配線板のためのパッケージ(packaging)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
開示される層はいずれも、酸化防止剤、UV遮断剤、UV安定剤、ヒンダードアミン安定剤、硬化剤、架橋剤、さらなる顔料、加工助剤などをはじめとする、一般的な配合添加剤を含有してもよい。
【0119】
以下の連続的に列挙された1〜34のパラグラフは、本発明の様々な態様を規定する。1つの実施形態において、最初のパラグラフ(1)では、本発明は、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第1の層と、
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムから選択される、上面および底面を有する第2の層と、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第3の層と
を含む多層フィルムであって、第1の層は、第2の層の上面に配置され、第3の層は第2の層の底面に配置されている、多層フィルムを提供する。
【0120】
2.フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、パラグラフ1に記載の多層フィルム。
【0121】
3.微粒子充填剤が、それぞれ独立して、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、パラグラフ1または2のいずれかに記載の多層フィルム。
【0122】
4.フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、フルオロポリマー層の微粒子充填剤が、二酸化チタンである、パラグラフ1〜3のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0123】
5.絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、パラグラフ1〜4のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0124】
6.太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、パラグラフ1〜5のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0125】
7.透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、パラグラフ1〜6のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0126】
8.光電子構成部品およびパラグラフ1〜7のいずれか1つに記載の多層フィルムを含む光電子デバイスであって、光電子構成部品および多層フィルムは、一緒にパッケージされている、光電子デバイス。
【0127】
9.多層フィルムが、光電子構成部品に対するバックシートである、パラグラフ8に記載の光電子デバイス。
【0128】
10.水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第1の層と、
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムから選択される、上面および底面を有する第2の層と
を含む多層フィルムであって、第1の層は第2の層の片面に配置されている、多層フィルム。
【0129】
11.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、パラグラフ10に記載の多層フィルム。
【0130】
12.微粒子充填剤が、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、パラグラフ10または11のいずれかに記載の多層フィルム。
【0131】
13.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、フルオロポリマー層の微粒子充填剤が、二酸化チタンである、パラグラフ10〜12のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0132】
14.絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、パラグラフ10〜13のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0133】
15.太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、パラグラフ10〜14のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0134】
16.透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、パラグラフ10〜15のいずれか1つに記載の多層フィルム。
【0135】
17.光電子構成部品およびパラグラフ10〜16のいずれか1つに記載の多層フィルムを含む光電子デバイスであって、光電子構成部品および多層フィルムは、一緒にパッケージされている、光電子デバイス。
【0136】
18.多層フィルムが、光電子構成部品に対するバックシートである、パラグラフ17に記載の光電子デバイス。
【0137】
19.ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体上に流延組成物を塗布する工程であって、流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程
を包含する、多層フィルムを調製する方法。
【0138】
20.多層フィルムを乾燥させる工程をさらに包含する、パラグラフ19に記載の方法。
【0139】
21.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、パラグラフ19または20のいずれかに記載の方法。
【0140】
22.微粒子充填剤が、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、パラグラフ19〜21のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
23.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、フルオロポリマー層の微粒子充填剤が、二酸化チタンである、パラグラフ19〜22のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
24.絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、パラグラフ19〜23のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
25.太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、パラグラフ19〜24のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
26.透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、パラグラフ19〜25のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
27.ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体の上面に第1の流延組成物を塗布する工程であって、第1の流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程と、
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体の底面に第2の流延組成物を塗布する工程であって、第2の流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程と
を包含する、多層フィルムを調製する方法。
【0146】
28.多層フィルムを乾燥させる工程をさらに包含する、パラグラフ27に記載の方法。
【0147】
29.フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、パラグラフ27または28のいずれかに記載の方法。
【0148】
30.微粒子充填剤が、それぞれ独立して、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、パラグラフ27〜29のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
31.フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、フルオロポリマー層の微粒子充填剤が、二酸化チタンである、パラグラフ27〜30のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
32.絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、パラグラフ27〜31のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
33.太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、パラグラフ27〜32のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
34.透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、パラグラフ27〜33のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
上記のパラグラフ1〜34に示される多層フィルムは、概して他の多層フィルムでは見られない特定の利点を提供する。例えば、ポリイミド層の包含は、約7000vpmの絶縁破壊の強さの公称値を有するので、良好な誘電絶縁体として機能する。ポリイミド材料はまた、優れた熱安定性、良好な機械的性質、耐放射線性および優れた耐薬品性も提供する。
【0154】
ポリイミド、ポリカーボネート、アルミニウム、チタンまたは鋼フィルム上に直接フルオロポリマーを塗布することによる、2つの異類の材料の間の結合完全性は、貼合せ構造物に勝る利点を提供する。例えば、塗布多層フィルムは、離層の原因となり得る、または部分放電を発生させ得る電気的弱点部を生じさせ得る、空隙または気泡を、層間に示さない。最終多層フィルムに所望の特性を付与するために、多重浸漬被覆法を利用して、(支持体(例えば、ポリイミド、ポリカーボネート、アルミニウム、チタンまたは鋼)の片面または両面上の)異なるフルオロポリマーの組み合わせが調整され得る。さらに、上記したように、微粒子が、光起電性モジュールの向上した反射性および全体効率をもたらす不透明フィルムを提供するために添加され得る。微粒子材料は、フルオロポリマー流延組成物の一部として塗布工程の間に適用され得る、または後に高温の高度に着色されたコーティング(例えば、バーコードラベルに記載されたもの)と共に適用され得る。
【0155】
本発明を、以下の非限定的な実施例に関してさらに説明する。多くの変更が、本発明の範囲を逸脱することなく、記載された実施形態において加えられ得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、本出願に記載された実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言により記載された実施形態およびそれらの実施形態の均等物によってのみ限定されるべきである。別段の指定がない限り、百分率は全て、重量による。
【実施例】
【0156】
流延フルオロポリマーフィルムの調製
フィルムの流延のための一般的手順
(a)水性分散体を、有機または無機の充填剤(例えば、白色顔料(TiO、ZnOまたは本明細書に記載される他の顔料))を用いて調製する。
【0157】
(b)本明細書を通して記載されるもののいずれかから選択されたフィルム形成性ポリマー材料(特に、フルオロポリマー)を含む水性分散体を調製する。この分散体は、工程(a)で記載した水性分散体を含有してもよい。
【0158】
(c)次いで、分散体の塗膜がキャリアベルト上に形成されるように、キャリアベルトを、工程(b)で記載した分散体に通して浸漬させ得る。
【0159】
(d)過剰分散体を除去するために、計量ゾーンに、塗被されたキャリアベルトを通過させる。
【0160】
(e)分散体から水を除去するために、計量された塗被キャリアを乾燥させる。
【0161】
(f)次いで、乾燥した塗被キャリアを、分散体を圧密化するのに十分な温度まで加熱する。ここで、キャリアベルトは、分散体の圧密温度で化学および寸法安定性、ならびに圧密化したフルオロポリマーフィルムの降伏強さを超えないキャリアベルトと分散体との間の付着仕事量を有する、低熱容量の材料から形成されている。
【0162】
(g)工程(c)〜工程(f)は、必要であれば、複数層のフィルムを流延するために繰り返し得る。分散体コーティングのうちの少なくとも1つは、工程(a)または(b)で記載した分散体を含有する。
【0163】
(h)任意選択で、フィルムを、キャリア(例えば、ポリイミド)から剥がす。
【0164】
(i)任意選択で、多層フィルムは、片面もしくは両面がC処理され得るかまたは別の方法で、その表面が結合可能となるように処理され得る。
【0165】
分散体:
22体積%TiOを含むPTFE分散体
3,384gのPTFE分散体(ダイキン、59%固形物)、1,772gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および1,400の脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に32gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0166】
14.8体積%TiOを含むPTFE分散体
3,000gのPTFE分散体(ダイキン、59%固形物)、990gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および800の脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、24gの変性界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0167】
12%TiOを含むPTFE分散体
1,532gのPTFE分散体(ダイキン、59%固形物)、400gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および550の脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、10gの変性界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0168】
38体積%TiOを含むPTFE分散体
3,000gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、3,440gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および3,500gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、50gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0169】
4体積%TiOを含むPTFE分散体
7,659gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、666gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および1,625gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、50gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0170】
41体積%TiOを含むPTFE分散体
550gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、826gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および600gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、10gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)および13.2gのアクリルコポリマー(Rohm and Haas、100%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0171】
28体積%TiOを含むPTFE分散体
3,970gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、2,870gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および3,110gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、50gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加える。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0172】
3体積%TiOを含むPTFE分散体
728gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、105gのTiOスラリー(DuPont R−900 TiO、60%固形物)および172gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、5gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)を加える。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0173】
2体積%カーボンブラックを含むPTFE分散体
816gのPTFE分散体(ダイキン、60%固形物)、33gのカーボンブラックスラリー(TOKAI Aqua black、30%固形物)および143gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、5gの変性フルオロアルキル界面活性剤(Ciba、60%固形物)および3グラムのアクリルコポリマー(Rohm and Haas、100%固形物)を加える。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0174】
充填剤なしの透明PTFE分散体
796gのPTFE分散体(ダイキン、59%固形物)および157の脱イオン水を、30分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0175】
充填剤なしの透明PFA分散体
1,480gのPFA分散体(DuPont、58〜62%固形物)および2520gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、10gの変性非イオン性界面活性剤(DuPont、50%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0176】
充填剤なしの透明FEP分散体
1,000gのFEP分散体(DuPont、41%固形物)および450gの脱イオン水を、30分間混合する。この混合物に、2.25gの変性非イオン性界面活性剤(DuPont、50%固形物)を加え、さらに10分間混合する。この溶液を、10ミクロン篩に通して濾過する。
【0177】
以下のフィルムを、一般的手順に従って調製した。
【0178】
実施例1
上記の一般的手順および方法を使用して、4層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0179】
【表1】

【0180】
総フィルム厚さ:1.1ミル
【0181】
実施例2
上記の一般的手順および方法を使用して、5層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0182】
【表2】

【0183】
総フィルム厚さ:1.1ミル
【0184】
実施例3
【0185】
【表3】

【0186】
総フィルム厚さ 1.1ミル
【0187】
以下の特性を測定した。
【0188】
【表4】

【0189】
Tedlar PV2111は、DuPontにより販売されている市販のフィルムであり、PVバックシートの積層において使用される。フィルム厚さは、1.0ミルである。
【0190】
絶縁破壊の強さ>=3.00kVの値が、一般的に、1ミルのPVバックシートフィルムに対して適正であると考えられる。
【0191】
試験方法:
絶縁破壊の強さの測定は、概して、Beckman Dielectric Tester QC101Aを使用して、ASTM D149に準じて測定した。フィルムを、0.25インチの直径を有する円形電極の間に挟んだ。次いで、ゼロボルトから開始して、一定のランプ速度(典型的には500V/秒)でランプDC電圧を印加した。フィルム厚さの溶落ち(burn through)が観察される電圧を、絶縁破壊電圧として報告した。
【0192】
光透過率は、Gretag Macbeth Color−Eye(登録商標)7000A Spectrophotometerを使用して、ASTM E424に準じて測定した。波長走査範囲は、400nm〜750nmであった。バックグラウンド補正走査は、透過率ポートを空にし、反射率ポートに反射率標準を入れた状態にして行った。次いで、フィルムを、アクセサリの透過率ポートに装着し、%全透過率(拡散+正透過率)を測定した。不透明度%=100%−透過率%。
【0193】
実施例4
上記の一般的手順および方法を使用して、5層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0194】
【表5】

【0195】
実施例5
上記の一般的手順および方法を使用して、5層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0196】
【表6】

【0197】
実施例6
上記の一般的手順および方法を使用して、3層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0198】
【表7】

【0199】
【表8】

【0200】
実施例7
上記の一般的手順および方法を使用して、5層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0201】
【表9】

【0202】
【表10】

【0203】
実施例8
上記の一般的手順および方法を使用して、5層フィルムを、以下の構成で調製した。
【0204】
【表11】

【0205】
【表12】

【0206】
実施例4〜8を、次のように試験した。絶縁破壊の強さを、ASTM D3755の直流電圧ストレス下での固体電気絶縁材料の絶縁破壊電圧および絶縁耐力についての標準試験方法(Standard Test Method for Dielectric Breakdown Voltage and Dielectric Strength of Solid Electrical Insulating Materials Under Direct−Voltage Stress)に準じて測定した。太陽光反射率を、ASTM E424のシート材料の太陽エネルギー透過率および反射率(地球上)についての標準試験方法s(Standard Test Methods for Solar Energy Transmittance and Reflectance(Terrestrial)of Sheet Material)に準じて測定した。透湿度を、ASTM F1249の変調赤外線センサーを用いるプラスチックフィルムおよびシート材料を通る透湿度(Water Vapor Transmission Rate Through Plastic Film and Sheeting Using a Modulated Infrared Sensor)に準じて測定した。そして、不透明度を、ASTM法E424に準じて測定した。
【0207】
本発明は、好ましい実施形態に関して説明されているが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において変更を加え得ることを理解するであろう。本明細書を通して引用された参照文献は、背景技術におけるものも含めて、全て、その全体が本明細書に援用される。当業者は、本明細書に具体的に記載された本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または、せいぜい慣例的な実験を用いて、確認し得るであろう。そのような均等物は、次の特許請求の範囲の範囲に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第1の層と、
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼またはアルミニウムから選択される、上面および底面を有する第2の層と、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第3の層と
を含む多層フィルムであって、前記第1の層は前記第2の層の前記上面に配置され、前記第3の層は前記第2の層の前記底面に配置されている、多層フィルム。
【請求項2】
前記フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項3】
前記微粒子充填剤が、それぞれ独立して、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項4】
前記フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、前記フルオロポリマー層の前記微粒子充填剤が、二酸化チタンである、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項5】
絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項6】
太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項7】
透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、請求項1に記載の多層フィルム。
【請求項8】
光電子構成部品および請求項1に記載の多層フィルムを含む光電子デバイスであって、前記光電子構成部品および前記多層フィルムは、一緒にパッケージされている、光電子デバイス。
【請求項9】
前記多層フィルムが、前記光電子構成部品に対するバックシートである、請求項8に記載の光電子デバイス。
【請求項10】
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび微粒子充填剤材料を含む第1の層と、
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムから選択される、上面および底面を有する第2の層と
を含む多層フィルムであって、前記第1の層は前記第2の層の片面に配置されている、多層フィルム。
【請求項11】
前記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項12】
前記微粒子充填剤が、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項13】
前記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、前記フルオロポリマー層の前記微粒子充填剤が、二酸化チタンである、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項14】
前記絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項15】
前記太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項16】
前記透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、請求項10に記載の多層フィルム。
【請求項17】
光電子構成部品および請求項10に記載の多層フィルムを含む光電子デバイスであって、前記光電子構成部品および前記多層フィルムは、一緒にパッケージされている、光電子デバイス。
【請求項18】
前記多層フィルムが、前記光電子構成部品に対するバックシートである、請求項17に記載の光電子デバイス。
【請求項19】
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体上に流延組成物を塗布する工程であって、前記流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程
を包含する、多層フィルムを調製する方法。
【請求項20】
前記多層フィルムを乾燥させる工程をさらに包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記微粒子充填剤が、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、前記フルオロポリマー層の前記微粒子充填剤が、二酸化チタンである、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体の上面に第1の流延組成物を塗布する工程であって、前記第1の流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程と、
前記ポリイミド、ポリカーボネート、チタン、鋼、またはアルミニウムの支持体の底面に第2の流延組成物を塗布する工程であって、前記第2の流延組成物は、
キャリア、
水または溶媒で流延可能なフルオロポリマーおよび
微粒子充填剤材料
を含む、工程と
を包含する、多層フィルムを調製する方法。
【請求項28】
前記多層フィルムを乾燥させる工程をさらに包含する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/エチレンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマー、クロロトリフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン/エチレンコポリマー、エチレン/トリフルオロエチレンコポリマー、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーまたはそれらの混合物から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記微粒子充填剤が、それぞれ独立して、シリカ粒子、ガラスビーズ、ガラス微小球、ガラス繊維、二酸化チタン粒子、チタン酸バリウム粒子、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、粘土、滑石、酸化鉄、カーボンブラック、硫化亜鉛、硫酸バリウム、亜硫酸亜鉛、アルミン酸コバルトブルー、アルミノスルホケイ酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、有機リン酸化合物、臭素化化合物またはそれらの混合物から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記フルオロポリマーが、それぞれ独立して、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー(PFA)、エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)またはそれらの混合物から選択され、前記フルオロポリマー層の前記微粒子充填剤が、二酸化チタンである、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記絶縁破壊の強さ(kV)が、ASTM法D3755により測定される3kVより大きい、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記太陽光反射率が、ASTM法E424により測定される70%より高い、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記透湿度が、ASTM法F1249により測定される約20g/m/日未満である、請求項27に記載の方法。

【公表番号】特表2013−505851(P2013−505851A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524707(P2012−524707)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/031048
【国際公開番号】WO2011/019415
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】