説明

フレキシブル表示装置

【課題】シーリング材のオーバーフローを避けることができるフレキシブル表示装置を提供する。
【解決手段】フレキシブル表示装置100は、フレキシブルプレート102と、表示ユニット104と、シーリング材106を含み、フレキシブルプレート102は凹部108を有する。表示ユニット104は、フレキシブルプレート102に配設され、凹部108に隣接し、シーリング材106が、凹部108に形成されて表示ユニット104の側面を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2010年2月23日に出願された台湾出願第99105212号の利益を主張し、その主題は参照によってここに取り入れられる。
この発明は一般にフレキシブル表示装置に関し、特に、そのプレートが凹部を有するフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たいていのフレキシブル表示装置はとても薄く、そして、フレキシブル表示装置の表示ユニットの周辺は、通常は、表示ユニットを固定し保護するために、シーリング材により包まれている。
【0003】
表示ユニットがとても薄いので、シーリング材はオーバーフローし、製品の美感を損なうか、以降の処理またはモジュールの組立てに影響を及ぼす。深刻なオーバーフローが起こったとき、シーリング材は表示領域に溢れさえもするかもしれず、表示ユニットの表示品質に影響を及ぼす。
【0004】
特許文献1では、フレキシブル表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾特許第1283377号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はフレキシブル表示装置に方向づけられている。凹部はフレキシブル表示装置のフレキシブルプレートの上に形成され、シーリング材のオーバーフローを避けるために、フレキシブル表示装置のシーリング材の一部分は凹部に形成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に従えば、フレキシブル表示装置が提供される。フレキシブル表示装置は、フレキシブルプレート、表示ユニット、及びシーリング材を含んでいる。フレキシブルプレートは凹部を有する。表示ユニットはフレキシブルプレートの上に配設され、凹部に隣接する。シーリング材は、凹部に形成され、表示ユニットの側面を覆う。
【0008】
本発明の第2の態様に従えば、フレキシブル表示装置が提供される。フレキシブル表示装置は、フレキシブルプレート、表示ユニット、保護フィルム、及びシーリング材を含む。フレキシブルプレートは凹部を有する。表示ユニットは、フレキシブルプレートの上に配設され、凹部に隣接する。保護フィルムは、フレキシブルプレートから露出した表示ユニットの一部分を覆う。シーリング材は、凹部に形成され、表示ユニットの側面を覆う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、凹部はフレキシブルプレートの上に形成され、シーリング材のオーバーフローを避けるために、シーリング材の一部分は凹部に形成されるフレキシブル表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図である。
【図4】保護フィルムの第4の表面に更に形成される本発明の他の実施形態のフレキシブル表示装置のシーリング材を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の前述した及び他の態様は、好ましいがそれに限定されない実施例の以下の詳細な説明に関して、より良く理解される。以下の説明は、添付図面を参照してなされる。
【0012】
(第1の実施形態)
【0013】
図1を参照するに、本発明の第1の実施形態に係るフレキシブル表示装置の断面図が示されている。フレキシブル表示装置100はフレキシブルプレート102、表示ユニット104、シーリング材(sealant)106、制御回路(不図示)、保護フィルム114、及び分離フィルム112を含んでいる。制御回路は、フレームを表示するために表示ユニット104とフレキシブルプレート102を制御する。
【0014】
分離フィルム112は、フレキシブルプレート102の上の回路(不図示)や表示ユニット104が大気の環境によりダメージを受けるのを避けるために、フレキシブルプレート102のプレート表面116の上に配設されている。分離フィルム112は、アルミニウムや銅のような金属、プラスチック、防水薄膜或いはポリマーから作られ得る。表示ユニット104の第2の表面124の上に配設された保護フィルム114は、そのような防水薄膜反射よけフィルム或いは引っかきに抵抗力のあるフィルムにより実現される。
【0015】
フレキシブルプレート102は凹部を有しており、それは、表示ユニット104の周りのリング状の溝により実現され得る。溝108は、閉じたリング状の溝により実現されるが、表示ユニット104の周りの分離した複数の溝を含んでもよい。溝108の深さは、好ましくは、但しこれに限定されないが、8〜150μmの間の範囲である。加えて、溝108の断面は四角形であるが、そのような例示は本発明を限定するものではない。他の実施において、溝の断面は円弧、多角形であってもよく、本発明は溝108の断面の形状に関して、いかなる制限もなすものではない。
【0016】
表示ユニット104は、プレート表面116の第2の表面118と反対側にある第1の表面126でフレキシブルプレート102に配設され、それは溝108に隣接している。
【0017】
本発明の本実施形態においては、シーリング材106の一部分は、表示ユニット104の側面120と保護フィルム114の側面122を適切に覆うことができ、シーリング材106の他の部分は、溝108に形成され、シーリング材106の他の部分が、表示ユニット104の第2の表面124に重なる領域にはみ出さないようにする。
【0018】
フレキシブル表示装置が、電力供給が遮断されたときに、表示内容を一時的に維持することができるように、フレキシブル表示装置100は、双安定或いは多安定状態を有する。例えば、フレキシブル表示装置100は、電気泳動タイプの表示装置、コレステロール液晶表示装置、液晶表示装置、双安定表示装置、或いは多安定表示装置により実現される。加えて、フレキシブル表示装置400はさらに、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)表示装置、フレキシブル発光ダイオード(LED)表示装置、或いはフレキシブル液晶表示装置により実現され得る。さらに、フレキシブル表示装置100は、さらに、セグメントタイプ表示装置、ドットマトリックスタイプ表示装置、或いはパターンタイプ表示装置により実現され得る。
【0019】
本発明の本実施形態において、フレキシブル表示装置100は電気泳動タイプの表示装置により例示され、表示ユニット104とフレキシブルプレート102は、種々のフレキシブル表示装置100に従って、適切に選択され設計され得る。
【0020】
フレキシブルプレート102は、例えばフレキシブルプリント回路基板(FPCB)の如きものにより実現される。フレキシブルプリント回路基板は、PI,FR4,FR5,PET,PVC,PEN,及びPCBのような銅基板から作られ得る。フレキシブルプレート102は、さらに、有機薄膜トランジスタ(OTFT)であり得る。或いは、フレキシブルプレート102は、さらに、電子ラベルのような特別なフレームを表示するために、表示ユニット104にマッチした電極パターンを形成してもよい。その上、フレキシブル表示装置100のフレキシブルプレート102は、さらに、プリンティング、エポキシ、カーボンインクプリンティング、或いは回路エッチングの方法により形成されてよい。
【0021】
本発明の第1の実施形態において、フレキシブル表示装置100は保護フィルム114を含んでいる。しかしながら、他の実施において、保護フィルム114は省略することができる。そのような環境下、独創的な溝が用いられ、及び/又は溝108のサイズが適切に設計されると、オーバーフローの問題を回避するために、シーリング材106の分配が制御され得る。
【0022】
(第2の実施形態)
【0023】
本発明の第2の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図である、図2を参照する。第2の実施形態と第1の実施形態との類似点に関しては、同じ符号が使われ、そして、類似点はここで説明は繰り返されない。第2の実施形態のフレキシブル表示装置200は第1の実施形態のフレキシブル表示装置100と以下の点において異なっている。即ち、フレキシブル表示装置200のシーリング材206が保護フィルム114の第4の表面128の周辺を覆っている。保護フィルム114は、第4の表面128とは反対側の第3の表面130により、表示ユニット104の上に配設されている。
【0024】
溝108によって、シーリング材206は保護フィルム114の第4の表面128の周囲のみを覆い、表示ユニット104の表示領域(不図示)にはみ出さないだろう。
【0025】
(第3の実施形態)
【0026】
図3を参照するに、本発明の第3の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図が示されている。第3の実施形態と第1の実施形態との類似点に関しては同じ符号が使われ、そして、類似点はここで説明は繰り返されない。第3の実施形態のフレキシブル表示装置300は第1の実施形態のフレキシブル表示装置100と以下の点において異なっている。フレキシブル表示装置300の保護フィルム314はフレキシブルプレート102から露出する表示ユニット104の部分を覆っている。即ち、保護フィルム314は第2の表面124と表示ユニット104の側面120を覆っている。
【0027】
フレキシブル表示装置300のシーリング材306は溝308に形成されており、保護フィルム314の側面322を覆っている。溝308は第1の実施形態の溝108と類似し、ここでは説明は繰り返されない。
【0028】
本発明の第3の実施形態において、シーリング材306は保護フィルム314の第4の表面328に形成されていない。保護フィルムの第4の表面に更に形成された本発明の他の実施形態のフレキシブル表示装置のシーリング材を示す断面図である、図4を参照する。この他の実施形態において、フレキシブル表示装置400のシーリング材406の部分は、保護フィルム314の第4の方面328の周辺を覆っている。
【0029】
溝308によって、シーリング材406は適切な位置に配設されるように制御される。即ち、シーリング材は保護フィルム314の第4の表面328の周辺だけを覆い、表示ユニット104の表示領域(不図示)にはみ出さないだろう。
【0030】
本発明のシーリング材の配置は、種々の方法により実施され得る。例えば、シーリング材は、表示ユニットの側面或いは保護フィルムの側面のみを覆うこともできる。或いは、シーリング材は表示ユニットの側面或いは保護フィルムの側面を覆い、そして更に表示ユニットの第2の表面の周辺或いは保護フィルムの第4の表面の周辺を覆うこともできる。
【0031】
(第4の実施形態)
【0032】
図5を参照するに、本発明の第4の実施形態に従ったフレキシブル表示装置の断面図が示されている。第3の実施形態と第1の実施形態との類似点に関しては同じ符号が使われ、そして、類似点はここで説明は繰り返されない。第4の実施形態のフレキシブル表示装置500は第1の実施形態のフレキシブル表示装置100と以下の点において異なっている。即ち、フレキシブル表示装置500のフレキシブルプレート502は、表示ユニット104や保護フィルム514が配設される収納部(recess)508のような、凹部を有する。
【0033】
シーリング材506はシーリング材106,206,306、或いは406と類似しているので、ここでは説明を繰り返さない。
【0034】
本発明の第4の実施形態において、保護フィルム514は表示ユニット104の側面120及び第2の表面124のみを覆う。他の実施において、保護フィルム514は表示ユニット104の第2の表面124のみを覆うこともできる。或いは、他の実施において、フレキシブル表示装置500は、保護フィルム514を除外することもできる。
【0035】
本発明の前述した実施形態のフレキシブル表示装置に従えば、凹部はフレキシブルプレートの上に形成され、シーリング材の一部分は表示ユニット及び保護層の少なくとも一つを適切に覆うことができ、シーリング材の他の部分は凹部に形成され、シーリング材の分配は、シーリング材が予期しない領域にはみ出さないように制御される。
【0036】
本発明は、好ましい実施形態の点から、例示の方法により述べられたが、本発明はそれらに限定されないものと理解される。これに対して、様々な変更や類似の配置や手順をカバーすることを意味し、そして、添付のクレームの範囲は、したがって、全てのそのような修正と類似した配置や手順を含むために、最も幅広い解釈を与えられなければならない。
【符号の説明】
【0037】
100,200,300,400,500 フレキシブル表示装置
102,502 フレキシブルプレート
104 表示ユニット
106,206,306,406,506 シーリング材
108,308,508 溝
112 分離フィルム
114,314,514 保護フィルム
116 プレート表面
118 第2の表面
122,322 側面
124 表示ユニットの第2の表面
126 表示ユニットの第1の表面
128,328 保護フィルムの第4の表面
130 保護フィルムの第3の表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部を有するフレキシブルプレートと、
前記フレキシブルプレートの上に配設され、前記凹部に隣接する表示ユニットと、
前記凹部の中に形成され、前記表示ユニットの側面を覆うシーリング材と、
を備えたフレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記凹部は前記表示ユニットの周りのリング状の溝である、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記凹部は前記表示ユニットが配設される収納部である、請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記表示ユニットは第1の表面と当該第1の表面とは反対側の第2の表面とを有し、前記表示ユニットは前記第1の表面により前記フレキシブルプレートの上に配設置され、
前記表示ユニットの前記第2の表面の上に配設された保護フィルムを更に有し、
前記シーリング材は、前記保護フィルムの側面をさらに覆う、
請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記保護フィルムは第3の表面と当該第3の表面と反対側の第4の表面とを有し、前記保護フィルムは、前記第3の表面により前記表示ユニットの上に配設され、前記シーリング材は、前記保護フィルムの前記第4の表面の周辺を更に覆う、
請求項4に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
凹部を有するフレキシブルプレートと、
前記フレキシブルプレートの上に配設され、前記凹部に隣接する表示ユニットと、
前記フレキシブルプレートから露出した表示ユニットの一部分を覆う保護フィルムと、
前記凹部に形成されたシーリング材と、
を備え、前記シーリング材は前記保護フィルムの側面を覆うフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記凹部は前記表示ユニットの周りのリング状の溝である、請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記凹部は前記表示ユニットが配設される収納部である、請求項6に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記保護フィルムは第3の表面と当該第3の表面と反対側の第4の表面とを有し、前記保護フィルムは、前記第3の表面により前記表示ユニットの上に配設され、前記シーリング材は、前記保護フィルムの前記第4の表面の周辺を更に覆う、
請求項6に記載のフレキシブル表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−175239(P2011−175239A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274563(P2010−274563)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(510325086)アニカ コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】AniCa Corporation
【住所又は居所原語表記】12F., NO.19, Huqian St., Xizhi City, Taipei County 221, Taiwan R.O.C.
【Fターム(参考)】