説明

フレーム処理を含む証印読取端末

【課題】画像センサの画素数が増えても、高速に復号することが可能な証印読取端末を提供する。
【解決手段】復号可能証印の復号を試みるために画像データのフレームを処理するよう作動可能な証印読取端末が記述されている。フレームは、トリガ信号の作動時間後および作動時間中に処理を受けるための連続したフレームのうちの一フレームとすることができる。当該連続したフレームには、0個以上のビン化フレーム、0個以上の非ビン化フレーム、0個以上のウィンドウ化フレーム、および0個以上の非ウィンドウ化フルフレームを含めることができる。証印読取端末にはまた、可変焦点画像化レンズも含めることができる。可変焦点画像化レンズの制御は、ビン化フレームのための暴露期間中は可変焦点画像化レンズが短距離焦点設定に設定され、さらにウィンドウ化フレームのための暴露期間中は可変焦点画像化レンズが長距離焦点設定に設定されるように提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的にはレジスタに関するもので、具体的には光学を基礎としたレジスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
証印読取端末は、さまざまな種類のものが入手可能である。小売店のレジで一般的にみられるようなよく知られているガンタイプの読取機は、典型的にはキーボードおよびディスプレイがない形状のものが入手可能である。キーボード、ディスプレイ、および高度なネットワーク通信機能を持つ拡張的機能付きの証印読取端末も入手可能である。一般的に、証印読取端末は、復号の試みを起動するためのトリガを持つ。
【0003】
証印読取端末の製造業者は、より高い解像度(画素数で測定される)を持つ画像センサアレイを自社の証印読取端末に組み込んでいる。しかしながら、画像センサアレイの画素数が増えるにつれて性能およびコストのデメリットが生じる。画素サイズが小さくなるにつれて、生じる信号対雑音比(SNR)はより低くなり、潜在的に復号性能および手の動きに起因する誤差に影響を及ぼす。また、画素数が増えるにつれて、メモリ帯域幅のオーバーヘッドが増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
復号可能証印の復号を試みるために画像データのフレームを処理するよう作動可能な証印読取端末が記述されている。フレームは、トリガ信号の作動時間後および作動時間中に処理を受けるための連続したフレームのうちの一つのフレームとすることができる。当該連続したフレームは、0個以上のビン化フレーム、0個以上の非ビン化フレーム、0個以上のウィンドウ化フレーム、および0個以上の非ウィンドウ化フルフレームを含むことができる。証印読取端末はまた、可変焦点画像化レンズも含むことができる。可変焦点画像化レンズの制御は、ビン化フレームのための暴露期間の間は可変焦点画像化レンズが短距離焦点設定に設定され、さらにウィンドウ化フレームのための暴露期間の間は可変焦点画像化レンズが長距離焦点設定に設定されるように提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書で記述されている特徴は、以下で述べられる図面を参照するとよりよく理解できる。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わり、一般的には発明の原理を図解することに重点が置かれている。図面においては、さまざまな図全てに共通して、同じ数字が同じ部分を示すために使用されている。
【図1】図1は、証印読取端末機の実施例を図解する機能的ブロック図である。
【図2】図2は、長距離端末から対象までが長距離の場合には視野がより広い対象の基板の領域を網羅し、同サイズの復号可能証印の表現の画素/ミリ(または/インチ)解像度が長距離ではより低い、模範的な証印読取端末の視野のサイズを図解する図である。
【図3】図3は、本明細書において記述されている方法を実施するための模範的なハードウェアプラットフォームを図解するブロック図である。
【図4】図4は、証印読取端末のビニングモジュールによって行うことができる操作を図解する図である。
【図5】図5は、証印読取端末のウィンドウイングモジュールによって行うことができる操作を図解する図である。
【図6】図6は、図3に示される回路サブセットを持つ画像化モジュールの分解透視図である。
【図7】図7は、図6で示される画像化モジュールの組立透視図である。
【図8】図8は、図6および7で示される画像化モジュールを内蔵する手持ち式証印読取端末の透視図である。
【図9】図9は、証印読取端末によって実行することができるさまざまな操作のタイミングを図解するタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
証印読取端末1000の実施例を含む機能的ブロック図を図1に示す。端末1000には、画像データのフレームをビニングするためおよび画像データのビン化フレームを提供するための一つ以上のビニングモジュール10、画像データのウィンドウ化フレームを提供するためのウィンドウイングモジュール20、端末1000の可変焦点画像化レンズの焦点を設定するための焦点制御モジュール30、並びに画像データのフレームの復号を試みるための証印復号モジュール40を含めることができる。
【0007】
図2に示すように、証印読取端末1000の視野によって網羅される表面積は、読取距離がより長いと大きくなる。従って、端末から対象までの距離d1が比較的短い場合、規定の物理的サイズ領域の復号可能証印15は、端末から対象までの距離が比較的長い場合d2の視野 140と比較して、より長い部分の視野140を取り込む。一つの実施例においては、端末1000は一つ以上の画像データのビン化フレームを処理し、画像データのウィンドウ化フレームをキャプチャするよう作動する。ビン化フレームは、端末から対象までの距離が短い場合の復号可能証印の復号における使用に特に有利である。端末から目標までの距離が比較的短い場合、画素解像度は、復号速度または復号の可能性の決定においてそれほど重要な要素ではない。従って、ビニングは信号対雑音比の増大を可能にする一方で、復号のために十分な解像度でフレームをキャプチャすることを可能にする。また、ビン化フレームは物理的空間において同一の領域を表す非ビン化フレームと比べ、より少ない数の画素位置から構成されるため、ビン化フレームはメモリ帯域幅のオーバーヘッドを減らす。ウィンドウ化フレームの使用は、端末から対象までの距離がより長い場合の画像データのフレームの復号に特に有用である。ウィンドウ化フレームは、標準のサイズフレームと比べてより早くキャプチャすることができる。端末から対象までの距離がより長い状態でとらえられたフレームは、ウィンドウ化フレームの領域外の復号可能証印を表さないより多量の外部画像データを持つことが予期されるため、端末から目標までの距離がより長い状態でのウィンドウイングは、復号の成功の可能性を減じることなく画像取り込み時間を短縮することができる。また、ウィンドウ化フレームに含まれる画素値はフルフレームより少ないため、ウィンドウ化フレームはメモリ帯域幅のオーバーヘッドを軽減する。
【0008】
記述された方法を実行するための模範的なハードウェアプラットフォームは、図3のブロック図に関連して表示および記述されている。証印読取端末1000には、行状に配置された画素および画素列を持つ複数の画素画像センサアレイ1033から構成される画像センサ1032、関連の列回路1034および行回路1035を含めることができる。画像センサ1032と関連して、増幅回路1036、および画像センサアレイ1033から読み込まれたアナログ信号形状の画像情報をデジタル信号形状の画像情報に変換するおよびアナログ・デジタル変換器1037を含めることができる。画像センサ1032はまた、例えば、画像センサ 1032の暴露期間、増幅回路1036に適用される増幅率の制御などに使用するための関連のタイミングおよび制御回路1038も持つことがある。上記の回路コンポーネント1032、1036、1037、および1038は、共通の画像センサ集積回路1040上にパッケージ化することができる。一例を挙げれば、画像センサ集積回路1040は、Micron Technology, Incから入手可能なMT9V022画像センサ集積回路によって提供される。別の例を挙げれば、画像センサ集積回路1040は、2592x1944の画素画像センサアレイを持つMicron MT9P031画像センサによって提供される。ある実施例では、画像センサ集積回路1040は、バイエルパターンフィルタを内蔵することができる。当該実施例においては、CPU 1060は、フレームにさらなる処理を施す前に、白黒画像データのフレームの現像のために、緑色画素値の中間の画素値を挿入することができる。また、白黒画像データのフレームの現像のために、ビニングモジュール10をカラー画像データのフレームのカラー画像情報の処理のためにアクティブ化することができる。
【0009】
端末1000の操作の過程で、画像信号が画像センサ1032から読み取られ、変換され、RAM 1080などのシステムメモリに格納される。RAM1080に格納された画像データは、各マルチビット画素値が画像センサアレイ1033の画素上の入射光を表すマルチビット画素値の形式をとることもある。端末1000のメモリ1085に、RAM 1080、EPROM 1082のような不揮発性メモリおよびフラッシュメモリまたはハードドライブメモリによって提供されることもある格納メモリ装置1084を含めることができる。ある実施例では、端末1000に、メモリ1080に格納された画像データを読み取り、当該画像データにさまざまな画像処理アルゴリズムの対象となるように適応させられるCPU 1060を含めることができる。端末1000に、画像センサ1032から読み取られた変換およびRAM 1080への格納の対象となった画像情報をルーティングするためのダイレクトメモリアクセスユニット(DMA)1070を含めることができる。別の実施例においては、端末1000でバスアービトレーションメカニズム(例えば、PCIバス)を提供するシステムバスを採用することによって、中央DMA制御装置は不要となる。画像センサ1032とRAM 1080の間の効率的なデータ転送を提供するシステムバスアーキテクチャおよび/またはダイレクトメモリアクセスコンポーネントの他の実施例を提供することもできる。
【0010】
端末1000の他の形態に関して、端末1000に基板50上の視野140内に位置する復号可能証印の画像の焦点を画像センサアレイ1033に合わせるために使用する可変焦点画像化レンズ1110を含めることができる。画像化光線は、画像化軸25の周りに伝達することができる。可変焦点画像化レンズ1110は、複数の最良焦点距離および複数の焦点距離が可能なように構成することができる。可変焦点画像化レンズ1110は、可変焦点画像化レンズ1110に当てられた応用入力制御信号に応答して、フレーム時間の何分の1かの時間内に新しい最良の焦点距離および/または焦点距離を提供するように作動させることができる。可変焦点画像化レンズ1110は、変形可能画像化レンズ、例えば、変形可能液体レンズまたはゲルレンズとすることができる。可変焦点画像化レンズ1110は、変形不可流体レンズ、例えば、一つ以上の量のレンズ液の表面張力がレンズに当てられる信号に応答して変化する液滴駆動流体レンズ、またはレンズ一枚分以上の量のレンズ液の屈折率がレンズに当てられる信号に応答して変化する液晶型レンズとすることもできる。
【0011】
端末1000にはまた、端末1000の視野140に実質的に対応する照明パターン60を生成するために使用する照明パターン光源バンク1204および基板50上に照準パターン70を生成するために使用する照準パターン光源バンク1208も含めることができる。成形光1205および1209は、バンク1204およびバンク1208からの光をそれぞれパターン60およびパターン70に成形するために提供することができる。使用時には、端末1000は、オペレータによって、照準パターン70が復号可能証印15上に投射されるような方法で復号可能証印15を持つ基板50に関して方向付ける。図3の例においては、復号可能証印15は1Dバーコード記号によって提供される。復号可能証印はまた、2Dバーコード記号または光学式文字認識(OCR)文字によっても提供されることができる。照明パターン光源バンク1204および照準パターン光源バンク1208はそれぞれ、一つ以上の光源を含むことができる。可変焦点画像化レンズ1110は、焦点制御モジュール30および照明パターン光源バンク1204から構成される照明アセンブリを使用して制御することができ、照準パターン光源バンク1208は照明アセンブリ制御モジュール1220を使用して制御することができる。焦点制御モジュール30は、例えば可変焦点画像化レンズ1110の最良の焦点距離および/または焦点距離を変更するために、可変焦点画像化レンズ1110に信号を送信できる。照明アセンブリ制御モジュール1220は、例えば照明パターン光源バンク1204による照明出力のレベルを変更するために、照明パターン光源バンク1204に信号を送信できる。一例を挙げれば、端末1000は、照明アセンブリ制御モジュール1220が、画像化レンズ1110の最良の焦点距離が一つ目の近いほうの最良の焦点距離に設定されているときには光源バンク1204が比較的低いレベルの照明を出力し、画像化レンズ1110の最良の焦点距離が遠いほうの最良の焦点距離に設定されているときには光源バンク1204が比較的高いレベルの照明を出力するように光源バンク1204を制御するように適応させることができる。当該可変照明設定は、トリガ信号502がアクティブな時間内で変更できる。可変照明レベル設定は、本明細書の表Aに関連して記述されているさまざまな構成に関連して規定された特定のレンズ設定と同期化することができる。
【0012】
端末1000にはまた、端末1000を使用してとらえられた画像フレームなどの情報を表示するためのディスプレイ1304、キーボード1404、ポインティングデバイス1406、およびフレーム読み出しおよび/または特定の復号プロセスをアクティブ化するためのトリガ信号502をアクティブ化するために使用できるトリガ1408などの複数の周辺装置も含めることができる。端末1000は、トリガ1408のアクティグ化がトリガ信号502をアクティブ化し、復号の試みを開始するように適応させることができる。
【0013】
端末1000には、同じくシステムバス1500に連結されたCPU 1060との通信のために、さまざまな周辺装置をシステムアドレス/データバス(システムバス)1500に連結するためさまざまなインタフェース回路を含めることができる。端末1000には、画像センサタイミングおよび制御回路1038をシステムバス1500に連結するための回路1026、焦点制御モジュール30をシステムバス1500に連結するためのインタフェース回路1118、照明制御アセンブリ1220をシステムバ1500に連結するためのインタフェース回路1218、ディスプレイ1304をシステムバス1500に連結するためのインタフェース回路1302、およびキーボード1404、ポインティングデバイス1406、およびトリガ1408をシステムバス1500に連結するためのインタフェース回路1402を含めることができる。
【0014】
その他の一形態において、端末1000は、外部装置(例えば、レジサーバ、店舗サーバ、倉庫設備サーバ、ピア端末1000、ローカルエリアネットワーク基地局、セルラー基地局)との通信を提供するために一つ以上のI/Oインタフェース1604、1608を含むことができる。I/Oインタフェース1604、1608は、例えば、イーサネット(IEEE 802.3)、USB、IEEE 802.11、Bluetooth、CDMA、GSMなどの既知のコンピュータインタフェースを任意に組み合わせたインタフェースとすることができる。
【0015】
ここでは、模範的な実施例におけるビニングモジュール10およびウィンドウイングモジュール20の形態を記述する。ビニングモジュール10は、ビン化画像データのフレームを提供するようにアクティブ化できる。ビン化フレームの説明は、図4に関連して提供されている。図4では、画素位置を表すために格子線を入れている。画像センサアレイ1033および画像データのフレームの取り込みのために格納できる画像情報のフレームはそれぞれ、各位置が関連の画像素子画像情報値(画素値と呼ばれる場合もある)を持ち、メモリ格納前は電荷または電圧として表現され、格納後はビットまたはマルチビットデータ値として表現される、複数の画素位置から構成されるものとみなすことができる。ビン化フレームの提供のために、位置的に隣接する複数の画素位置に対応する画像情報値を(a)合計し(b)他の適用可能な関数を使用して平均化できる。非ビン化フレームと比べてビン化フレームは、(合計によってビン化フレームが提供される場合)解像度は低いが輝度は高くなる。または非ビン化フレームと比べて(平均化によってビン化フレームが提供される場合)SNRが高くなる。図4には、位置的に隣接する複数の画素位置を示す。フレームのビニングのためには、画素位置の2x2ブロックの画像情報値、例えばa0、a1、a2、a3を合計できる。例えば、位置的に隣接する4つの画素の2x2ブロック上の入射光を表す画素位置a0、a1、a2、a3の画像情報値は、位置Aに対応する画像情報値を形成するように合計でき(ここで、位置Aは、それまでa0、a1、a2、a3によって表わされていたものと同じ物理的空間領域を表す)、位置的に隣接する4つの画素の2x2ブロック上の入射光を表す画素位置b0、b1、b2、b3の画像情報値は、位置Bに対応する画像情報値を形成するように合計でき、以下同様である。記述された例においては、A = a0+a1+a2+a3、B = b0+b1+b2+b3、C = c0+c1+c2+c3、D = d0+d1+d2+d3、E = e0+e1+e2+e3、F = f0+f1+f2+f3、G = g0+g1+g2+g3、H = h0+h1+h2+h3、I = i0+i1+i2+i3である。記述されたビニングプロセスは、フレームのすべての画素位置に関して反復できる。一つの実施例におけるビニングモジュール10に、画像センサ集積回路1040に統合されたアナログビニング回路1028を含めることができる。アナログビニング回路1028は、画像センサ1032の画素の集合(例えば、2x2)ブロック上の入射光に対応する電荷を合計することができる。ビン化フレームの読み出しのためには、ビン化フレームは非ビン化フレームと比較して解像度が低くなり、画素位置集合のための画像情報値を含み、各画素位置が画像センサアレイ1033の2x2ブロックの画素に対応し、各画像情報値がそれぞれの2x2ブロックの画素の電荷の合計となる。ビニングモジュール10はまた、デジタル領域においてフレームをビン化することもできる。デジタル領域におけるビニングのためには、画像データのフレームはメモリ、例えば、メモリ1080に格納される。次に、ブロック、例えば位置の2x2ブロックに対応する画素位置と関連するグレースケール画素値形式の画像情報を合計できる。ビニングモジュール10がデジタル領域においてフレームをビン化する場合、画素位置a0、a1、a2、a3、b0、b1… はグレースケール画素値を持つ画像データのフレームの画素位置であり、画素位置A、B、C、D、E、F、G、H、Iはフル解像度フレームのビニングによって提供される、結果として生じるフレームの画素位置である。
【0016】
また、フレームのビニングのために、画素位置の2x2ブロック、例えばa0、a1、a2、a3の画像情報は平均化できる。例えば、2x2ブロックの位置的に隣接する4つの画素に対する入射光を表す画素位置a0、a1、a2、a3の画像情報値は、(位置Aがそれまでa0、a1、a2、a3によって表わされていたものと同じ物理的空間領域を表す場合)位置Aに対応する画像情報値を形成するように平均化され、位置的に隣接する4つの画素の2x2ブロック上の入射光を表す画素位置b0、b1、b2、b3の画像情報値は、位置Bに対応する画像情報値を形成するように平均化でき、以下同様である。記述された例においては、A = (a0+a1+a2+a3)/4、B = (b0+b1+b2+b3)/4、C = (c0+c1+c2+c3)/4、D = (d0+d1+d2+d3)/4、E = (e0+e1+e2+e3)/4、F = (f0+f1+f2+f3)/4、G = (g0+g1+g2+g3)/4、H = (h0+h1+h2+h3)/4、I = (i0+i1+i2+i3)/4となる。記述されたビニングプロセスは、フレームのすべての画素位置に関して反復することができる。一つの実施例におけるビニングモジュール10に、画像センサ集積回路1040に統合されたアナログビニング回路1028を含めることができる。アナログビニング回路1028は、画像センサ1032の画素の集合(例えば、2x2)ブロック上の入射光に対応する電荷を平均化できる。ビン化フレームの読み出しのためには、ビン化フレームは非ビン化フレームと比較して解像度が低くなり、画素位置集合のための画像情報値を含み、各画素位置が画像センサアレイ1033の2x2ブロックの画素に対応し、各画像情報値がそれぞれの2x2ブロックの画素の電荷の合計となる。ビニングモジュール10はまた、デジタル領域においてフレームをビン化することもできる。デジタル領域におけるビニングのためには、フル画像データのフレームはメモリ、例えば、メモリ1080に格納される。次に、ブロック、例えば、位置の2x2ブロックに対応する画素位置と関連するグレースケール画素値形式の画像情報が平均化できる。ビニングモジュール10がデジタル領域においてフレームをビン化する場合、画素位置a0、a1、a2、a3、b0、b1… はグレースケール画素値を持つ画像データのフレームの画素位置であり、画素位置A、B、C、D、E、F、G、H、Iはフル解像度フレームのビニングによって提供される、結果として生じるフレームの画素位置である。
【0017】
画素位置ブロックと関連する画像情報を平均化することによって提供されるビン化フレームは、低い雑音レベルを特徴としており、従ってSNRは非ビン化フレームより高い。高いSNRは高い復号成功率を提供する。また、高いSNRは照明が暗い環境において復号の成功を可能にする。
【0018】
ビニングモジュール10は、カラーフレームを白黒フレームに変換するために有利にアクティブ化できる。画像センサアレイ1033がバイエルパターンフィルタを含む場合、バイエルパターンフィルタセグメント1501の特徴を持つフィルタが画像センサアレイ1033上に置かれる。画素からの電荷がビン化されなければ、バイエルパターンフィルタを持つ画像センサアレイ1033の画像情報結果の初期集合は、アレイの各画素に対する緑、赤、または青の入射光のうちの一つからの画像情報値を含む色情報となる。ビニング回路1028によってビニングが実行されると、結果として生じる各画像情報値は通常のサイズの白黒画像情報値である。他の色から白黒への変換システムとは異なり、色画像情報を白黒に変換する際、ビニングモジュール10は画像情報を放棄しない。デジタル領域において動作可能なビニングモジュール10はまた、色フレームから白黒フレームへの変換のためにもアクティブ化できる。別の実施例において、ビニングモジュール10は、さまざまなブロックサイズの画素位置に対応する画像情報値のビニングが可能である。図5に関連して2x2ブロックビニングが記述されている。ビニングモジュール10はまた、例えば4x4ビニングも可能である。ビニングモジュール10は、単純な合計または平均化以外の関数を使用して、画素位置ブロックに対応する画像情報に基づくビン化フレームを出力することができる。例えば、ビニングモジュール10は、モアレパターン効果を減少させるためにホワイトバランス相関係数を活用する方法で、色付きからグレーレベルのビニングを提供できる。例えば、ビニングモジュール10は、公式A = cr*a0 + cg*(a1 + a2)/2 +cb*a3を使用してビニングを提供できる。ここで、cr、cg、cbはホワイトバランス係数である。当該係数は、例えばホワイトパッチまたはグレーワールドアルゴリズムによって、ローカルまたはグローバルに入手できる。
【0019】
図4との関連で記述されているビン化フレームは、フルフレームより短い時間内に捉えることができる。ビニングブロックのサイズが大きくなればフレームレートを上げることができる。例えば、xが非ビン化フレームのフレームレートの場合、2x2ビニングブロックのビン化フレームに関して予測されるフレームレートは約2xであることが予測され、4x4ビニングブロックのビン化フレームに関して予測されるフレームレートは約4xであることが予測される。
【0020】
ウィンドウイングモジュール20に関して、ウィンドウイングモジュール20は、ウィンドウ化画像データのフレームを提供できる。ウィンドウイングモジュール20には、画像センサ集積回路1040の一部として統合されたウィンドウイング回路1029を含めることができる。回路1026およびタイミング制御回路1038経由でCPU 1060から受信されたコマンドに応答し、ウィンドウイング回路1029は画像センサアレイ1033の画素サブセットの読み取りに選択的に対応できる。ウィンドウ化フレームは、図5に関連してさらに記述されている。画像センサアレイ1033には、図5で示すとおり、複数の行および列の画素に配置される複数の画素を含めることができる。端末1000は、画像センサアレイ1033からフル画像データのフレームを読み取るように作動できる。フルフレームを読み取る際、端末1000は、画像センサアレイ1033のすべてまたは実質的にすべての画素に対応する画像データを読み取る(例えば、画像センサアレイ1033の80%〜100%)。ウィンドウ化画像データのフレームを読み取る際、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素サブセットに対応する画像情報を読み取る。ウィンドウ化フレームの読み取りの一つの例において、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素の80%未満に相当する画像情報を読み取る。ウィンドウ化フレーム読み取りの別の例において、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素の50%未満に相当する画像情報を読み取る。ウィンドウ化フレーム読み取りの別の例において、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素の三分の一未満に相当する画像情報を読み取る。ウィンドウ化フレーム読み取りの別の例において、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素の25%未満に相当する画像情報を読み取る。ウィンドウ化フレーム読み取りの別の例において、端末1000は、画像センサアレイ1033の画素の10%未満に相当する画像情報を読み取る。
【0021】
図5に関して特定のウィンドウ化フレーム読み取りの例が記述されている。ウィンドウ化フレームは、位置的に隣接する連続した画素位置群から構成できる。群の境界画素によって定義される境界内の一つ一つまたは本質的に一つ一つの画素から群が構成される場合に、連続した画素群を提供することが可能である。画素群はまた、境界および境界内の一部が省略された画素を定義する境界画素を含む画素群を持つことができる。例えば、境界を持つ一つおき、または三つおきの画素を省略できる。図5の例における画素群1502は、ウィンドウ化フレームの読み取りのために選択的に処理される画像センサアレイ1033の画素である。図5の例における画素群1502は、MxN画素を持つ画像センサアレイ1033から選択的に処理される、位置的に隣接する連続した画素アレイ群KxL、K>5、L>5を含むものとして示されている。ウィンドウ化フレームの読み取りのために画素群はまた、各画素位置が群の中の最低一つの他の画素位置に位置的に隣接するように画素群が位置的に隣接する、連続した画素アレイ群K-1、L>5から構成することもできる。ウィンドウイング回路1029は、連続するフレーム間でウィンドウサイズが動的に変化するように制御することもできる。特定の端末から目標までの距離およびレンズ設定におけるウィンドウ化フレームは、証印が画像センサアレイ1033の各画素を表すフレームによって表される規定領域と比較して狭いほうの対象の基板の規定領域内の証印を表すことができると分かる。
【0022】
画像情報のウィンドウ化フレームが読み取られ、デジタル画像データの形式でメモリに格納される際、フルフレームに対応する画像表現のそれと比較して少ない画素位置を持つ画像表現が提供される。図5において図解されている画像データ1504のウィンドウ化フレームは、ウィンドウ化フレームの読み取りのために選択的に処理される画素群1502の画素数に対応する画素位置数を持つ。既に言及されたとおり、画像センサアレイ1033からの画像情報読み取りは、増幅回路1036によって増幅され、次にアナログ・デジタル変換器1037による変換にかけられ、次にRAM 1080に格納される。RAM 1080に格納された格納画像データは、マルチビット画素値の形式であることができる。ウィンドウ化フレーム1504は、CPU 1060による処理を受けられるメモリ1085に格納されると、選択的処理および選択的読み取りを条件として画素アレイKxLに対応する複数の画素位置から構成されることができ、各画素位置はそれと関連して対応する画像センサアレイ1033の画素位置を持つ画素に対する入射光を表すマルチビット画素値を持つことができる。
【0023】
ウィンドウ化フレーム1504は、フルフレームより短い時間でキャプチャすることができる。従って、端末1000がフルフレームのキャプチャからウィンドウ化フレームに切り替わる際、フレームレートを上げることができ、フレーム時間を短縮できる。画素位置数はフルフレームのそれと比較して少なくなるため、ウィンドウ化フレーム1504の格納のためのメモリの帯域幅のオーバーヘッドを軽減することができる。再び図5に関連して、図5に示されているとおり画素群1502が画像センサアレイの中心にあり、証印15が端末のフルフレーム視野の中心にあり、証印15が端末1000から十分な距離にある場合、ウィンドウ化フレーム1504は復号可能証印15の表現全てを含めるのにまだ十分なサイズであることが分かる。要素1208、1209から構成される照準パターン発生器が照準パターン70を水平に広がった視野140の中心線に対して投影するように適応している場合、端末1000を画素群1502に対応する視野の一部が証印15の中心に来るよう容易に配置できる。
【0024】
端末1000は、フレームレートとして知られるレートで画像データのフレームをキャプチャすることができる。典型的なフレームレートは、毎秒60フレーム(FPS)で、16.6 msというフレーム時間(フレーム期間)に相当する。もう一つの典型的なフレームレートは毎秒30フレーム(FPS)であり、フレームあたり33.3 msというフレーム時間(フレーム期間)に相当する。とらえられたフレームがビン化フレームまたはウィンドウ化フレームの場合、フレームレートを上げることができる(フレーム時間は短縮される)。
【0025】
図6および7に関連して、端末1000のコンポーネントをサポートするための画像化モジュール300には、それぞれ単一光源によって提供されているものとして示されている照明パターン光源バンク1204および照準パターン光源バンク1208と共に印刷回路基板1802上に配置されている画像センサ集積回路1040を含めることができる。画像化モジュール300にはまた、画像センサ集積回路1040のための格納容器1806、および画像化レンズ1110をハウジングするためのハウジング1810も含めることができる。画像化モジュール300にはまた、バンク1204およびバンク1208から光を規定のパターンに成形する光学を持つ光学プレート1814も含めることができる。画像化モジュール300は、手持ち式ハウジング11内に配置することができ、図8にその例が示されている。手持ち式ハウジング11上には、ディスプレイ1304、トリガ1408、ポインティングデバイス1406、およびキーボード1404を配置できる。
【0026】
図9のタイミング図に関連して、記述された処理に従って作動する証印読取端末1000の例が記述されている。図9のタイミング図に関連して、信号502はトリガ信号である。端末l000は、作動されたトリガ1408に応答してトリガ信号502がアクティブ化され、さらにトリガ1408が解除されるか規定の数の復号可能証印(例えば1)が成功裏に復号および出力されるか、いずれか早い時点までトリガ信号502がアクティブな状態を保つよう作動することができる。復号された符号化証印に対応する復号されたメッセージは、例えばメモリ1084および/または復号されたメッセージのディスプレイ1304上の表示等の非揮発性メモリへのメッセージの格納、および/または例えばローカルネットワークに接続されたパーソナルコンピュータまたはリモートサーバなどの外部CPU搭載端末への復号されたメッセージの送信によって出力できる。暴露制御信号510は、常にアクティブとすることができる。あるいは図9で示す実施例のように、端末1000はアクティブ化されたトリガ信号502に応答して暴露制御信号510がアクティブ化されるように作動することができる。各暴露期間、例えば期間e0、e1、e2…に、画像センサアレイ1033の画素は可変焦点画像化レンズ1110によって画像センサアレイ1033上に焦点が合わせられた光に暴露されることができる。端末1000は、e0、e1、e2…の各暴露期間の適用の後、それに先立つ暴露期間中に画像センサアレイ1033の画素上に蓄積された電荷に対応する電圧を読み出すために、読み出し制御パルスが画像センサ1032に適用されるように作動することが可能である。読み出し制御信号512は、図9のタイミング図に示すとおり一連の読み出し制御パルスから構成できる。読み出し制御パルスの後で、電圧形式の画像情報が増幅回路1036によって増幅され、アナログ・デジタル変換器1037によってデジタルフォーマットに変換することができ、変換された画像データはCPU 1060によって処理可能なメモリ1080へ格納するために、DMAユニット1070によって届けられることができる。図9のタイミング図から、トリガ信号502のアクティブ化の後に、フレームがCPU 1060による処理のために対処可能であるメモリ1080に一連のフレームを引き続き格納できることが分かる。端末1000は、メモリ1080がそこに成功裏に格納された限定的かつ規定の数のフレームをバッファリングし、規定の数の後続のフレームの格納後に古いフレームを破棄するように作動できる。
【0027】
模範的な証印読取端末のさらなる形態を参照すると、時間プロット514は可変焦点画像化レンズ1110の焦点調整期間を図解する。可変焦点画像化レンズ1110が複数の焦点位置を持つことができるということが記述されている。一つの例において、可変焦点画像化レンズ1110は、一つ目の短い端末から目標までの距離で光学焦点面を定義する短距離の焦点位置および短距離の焦点距離より長い距離で光学焦点面を定義する長距離の焦点位置を持つことができ、短い焦点距離と長い焦点距離の間の焦点距離である中距離の焦点距離を持つことができる。さまざまな実施例において、可変焦点画像化レンズ1110の焦点距離を変化させることが有利になることがある。図9のタイミング図に関連して記述された例において、可変焦点画像化レンズ1110の焦点距離は、トリガ信号502がアクティブな状態を保つ時間内で変化させることができる。図9に関連して図解されている形態において、調整期間、例えば期間m0、m1、m2… は、画像センサアレイ1033の暴露期間と調和している。図9のタイミング図に関連して、可変焦点画像化レンズ1110の調整期間m0、m1、m2…は、可変焦点画像化レンズ1110の焦点および可能であれば焦点距離特性が変化する状態にある時間は暴露が回避される方法で、暴露期間、例えばe0、e1、e2…の中間である期間と一致するように調節することができる。調整期間に暴露されたフレームは、不鮮明な状態にされるか無視されるものと予測できる。従って、当該期間は暴露を回避することが有利になることがある。図9の例において、可変焦点画像化レンズ1110はトリガ信号502のアクティブ化期間中、各暴露期間の中間で調整の対象となる。しかしながら、可変焦点画像化レンズ1110の焦点位置および固定長は一連の暴露期間を通じて一定のままであり続けることができると理解される。可変焦点画像化レンズ1110は、焦点位置および焦点距離が短期間、例えば10ms内に変更できる型になるように選択できる。可変焦点画像化レンズ1110が変形可能レンズである場合、レンズの光学特性の調整(例えば、焦点距離)は、レンズの凹面を変更するためにレンズ表面に加えられる力に起因することがある。可変焦点画像化レンズ1110が液晶レンズである場合、可変焦点画像化レンズ1110の調整は、レンズの屈折率、ひいてはレンズの焦点距離を変更するために可変焦点画像化レンズ1110に電気信号を加えることから生じることがある。
【0028】
図9のタイミング図の時間プロット516および518に関連して、CPU 1060は、一連のフレームの各フレームを予備処理の対象とすることができ、一連のフレームのサブセットを画像データのフレームの復号を試みるための復号処理の対象とできる。時間プロット516は、CPU 1060のフレームの予備処理のための時間を図解する。
【0029】
予備処理期間p0、p1、p2…の間に、CPU 1060は一連のフレームの各フレームを予備的に評価できる。当該予備処理には、例えば平均ホワイトレベルに基づくフレーム品質の検出または別の基準であるエッジの鮮明さへの入射に基づくフレーム品質の検出を含めることができる。予備処理の結果に基づいて、一連のフレームの中のフレームのサブセットは、フレームの中に表わされた復号可能証印の復号を試みるための復号処理を受けることができる。図9のタイミング図の実施例においては、CPU 1060は期間d0の間、初期フレーム、フレーム= フレーム0に復号処理を受けさせることができ、期間d2の間フレーム= フレーム2の復号処理に切り替えることができ、期間d4の間フレーム= フレーム4の復号処理に切り替えることができる。図9のタイミング図において、添字はフレーム番号を示す。例えば、暴露期間en-1はフレーム=フレームen-1のための暴露期間を示し、処理期間p1はフレーム=一連のフレームのフレーム1のための予備処理を示し、復号期間d2はフレーム= フレーム2のための復号処理期間を示すなどである。端末1000は、予備処理期間p0、p1、p2…が規定の期間、例えば規定の時間を超えないよう制限されるように作動させることができる。一つの実施例において、予備処理期間p0、p1、p2… において、フレーム時間の半分、すなわちフレーム時間が16.6 msの場合には8.3 msを超える時間とならないように制限することができる。
【0030】
ビニングモジュール10に関して、既に言及されたとおり、ビニングモジュール10は画像データのフレームをビニング回路1028のアクティブ化によってアナログ領域に、または例えば格納されたフレームの処理を手段としてCPU 1060によってデジタル領域にビン化することができる。メモリ1085に格納された画像データのフレームの処理によってフレームをデジタル領域にビン化するように作動する場合、CPU 1060は、p0、p1、p2…およびそれに続く期間にフレームの予備処理の一環として、または期間d0、d1、d2….などの期間に復号プロセスの一環としてビン化フレームを提供するように作動することができる。
【0031】
図1に関連して、一つ以上のビニングモジュール10、ウィンドウイングモジュール20および焦点制御モジュール30を、端末1000の性能強化のために連携して制御することができる。
【0032】
表Aに関連して、端末1000のさまざまな可能な構成が記述されている。端末1000は、記載された構成のいずれか一つが構成に対応する表示されたボタン1305のオペレータによる選択によってアクティブ化できるように作動することができる。端末1000は、可能な各構成に対応する一つのボタン1305を表示するように作動することができる。表Aは、トリガ信号502がアクティブなままの時間内に複数の異なる構成のそれぞれに従って処理を受けるフレームの形態を記述する。
【0033】
【表1】

【0034】
構成Aがアクティブな状態のとき、端末1000は、規定の条件が満たされるまで一連の通常フレームをとらえ、処理するように作動し、次に一つ以上のビン化フレームの処理に切り替わる。表Aに関連して“通常フレーム”という用語はビン化もウィンドウ化もされていないフレームを指す。アナログビニングまたはデジタルビニングの方法で提供されることがあるビン化フレームは、本明細書で説明している。規定の条件は、例えば、タイムアウト条件などがある(例えば、トリガ信号作動時から規定の時間内に復号が成功しない)。規定の条件は、例えば、検知された端末から目標までの距離や、あるいは例えばフレームの選択されたサンプリング領域におけるサンプル値集合の一次導関数の絶対値の総和によって測定されるフレームの品質が規定の基準を満たすことなどもある。端末1000は、画像データのフレームの平均白レベルを利用して端末から目標までの距離を検知するように作動できる。端末1000は、フレームの平均白レベルが規定の閾値を超えるとき、端末は端末から目標までの距離が比較的短い位置にあると判定する能力を持つ。構成Aがアクティブな状態のときの焦点設定は、フレームごとに変化しない。従って、端末1000は、画像化レンズ1110が可変焦点レンズではなく、固定焦点画像化レンズによって提供される固定レンズであり、定義された焦点距離または焦点距離を変化させる能力がない場合でさえ、構成Aに従って作動することができる。ビン化フレームは、非ビン化フレームより高速でキャプチャできる。従って、構成Aおよび本明細書において記述されているビン化フレームを内蔵する構成全ての選択により、復号処理を速めることができる。
【0035】
構成Bに関して、構成Bは構成Aと類似している。ただし、構成Bに従って、ビン化フレームの処理への切り替えは、可変焦点画像化レンズ1110の特定の焦点設定とタイミングが合わせられている。構成Bにおいて、フレームのビニングは、構成Aとの関連で説明されているとおり、規定の基準の一つが満たされることに対応して条件付きで実行できる。しかしながら、構成Aに従って、焦点設定の変更は規定の基準が満たされることから生じことがある。構成Bにおいては、端末1000はビン化フレーム(格納を受ける前または後にビン化されることができる)の暴露期間の間、可変焦点画像化レンズ1110は短い焦点設定に設定されるように作動することができる。従って、対象の証印が実際に短い焦点距離に置かれている場合、画素位置ブロックと関連する画像化情報値を平均化することによってビニングが提供される場合は、まずは結果として生じるフレームの焦点が絞られることによって、二つ目はフレームのビニングに高いSNRがもたらされることによって、復号が成功する可能性は高くなる。
【0036】
構成Cにおいて、端末1000は、アクティブ化されたトリガ信号502に応答して複数の通常フレームをとらえ、処理し、次に信号502のアクティブ化期間中に規定の基準に応答してウィンドウ化フレームをキャプチャするように切り替わることができる。前述のとおり、ウィンドウ化フレームをより高速でキャプチャすることができ、従って構成Cおよびウィンドウ化フレームを含む記述されたすべての構成の選択は、復号作業を速める。規定の基準は、例えば、トリガ信号のアクティブ化の期間内の規定の時間内に復号が成功しないこと、または端末が対象から比較的離れた距離にあること(これは例えば、先のフレームの平均ホワイトレベルが規定の閾値未満であることによって示されること)がある。または例えば、フレームの選択されたサンプリング領域におけるサンプル値集合の一次導関数の絶対値の総和によって測定されるフレームの品質が規定の基準を満たすことが可能である。
【0037】
構成Dにおいて、可変焦点画像化レンズ1110の焦点およびフレームの型(ビン化、通常、ウィンドウ化)の両方が、連続したフレーム間で切り替わる。フレームのビニングは、短いほうの焦点設定の可変焦点画像化レンズの設定に同期化できる(端末1000は、ビン化フレームの暴露期間中は画像化レンズが短いほうの焦点設定に設定されるように制御できる)。通常の非ビン化フルフレームのキャプチャは、中間焦点設定と同期化できる(端末1000は、通常フレームの暴露期間中は可変焦点画像化レンズが中間焦点設定に設定されるように制御できる)。ウィンドウ化フレームのキャプチャは、長距離焦点設定における可変焦点画像化レンズ1110の設定と同期化できる(端末1000は、ウィンドウ化フレームの暴露期間中は可変焦点画像化レンズが長いほうの焦点設定に設定されるように制御できる)。
【0038】
構成Eに従った作動に関して、構成Eがアクティブな状態の場合に従った作動は、構成Dがアクティブな状態の場合の作動と同様である。ただし、フレーム特性は通常(非ビン化、非ウィンドウ化)フレームがキャプチャされることなしにビン化とウィンドウ化フレームとの間で切り替わる。従って、トリガ信号502および構成Eがアクティブの状態でキャプチャされた各フレームは、非ビン化フレームのそれより速いフレーム時間でキャプチャすることができ、通常フレームのそれと比較してメモリ帯域幅のオーバーヘッドを軽減することができる。
【0039】
構成DおよびEの実施例においては、それぞれ各フレーム型のための特定のレンズ設定における可変焦点画像化レンズ1110の設定と同期化されることができるビン化、通常(構成D)およびウィンドウ化フレーム間の切り替えは、開ループオペレーションに従って行うことができ、切り替えは規定の条件(例えば、端末から目標までの距離、経過復号型)が満たされることが切り替えの条件となることなく行われる。しかしながら、構成DおよびEの変化形においては、端末1000は、フレーム型(それぞれ特定のレンズ設定と同期化されている)間の切り替えが規定の条件が満たされることが条件となるように作動する(例えば、経過復号時間閾値が満たされる、または端末から目標までの規定の距離が満たされる)。
【0040】
構成Fに関して、構成Fに従った端末1000の操作は、構成Eに従ったそれの操作と類似している。ただし、焦点設定およびフレーム型は連続したそれぞれのフレームに関して切り替わらない。代わりに、焦点設定およびフレーム型(ビン化、ウィンドウ化)は規定の数(記述された例においては3)に関して一定のままであり、次に新しい焦点設定およびフレーム時間に切り替わる。構成Fにおいては、構成Eと同様に、各フレームはビン化フレームまたはウィンドウ化フレームのいずれかである。それにより、構成Fがアクティブな状態でとらえられた各フレームを、非ビン化フルフレームのそれより速いフレーム時間でキャプチャすることができる。構成C、D、E、およびFの例におけるウィンドウ化フレームは、ウィンドウ化フレームの画像データが完全な復号された証印を表すことができるように、十分なサイズの連続的画素群(における入射光を表す)に対応する画像データを持つウィンドウ化フレームとすることができる(しかし、後述のとおり復号は与えられた特定の記号のための符号語を結合させることによって達成することができるため、復号が成功するために完全な証印を表す必要はない)。一つの例において、ウィンドウ化フレームは、画像センサ1032の総画素数が2592x1944のとき、画像センサ1032の中央に置かれた連続的な2592x512画素群における入射光を表す画像データであることができる。
【0041】
構成GおよびHに関して、構成GおよびHは、画像センサアレイ1033がバイエルパターンフィルタなどのカラーフィルタをその上に置いている使用事例を含む多くの使用事例においてアクティブ化するのに有利である場合がある。既に言及されたとおり、ビニングモジュール10のアクティブ化はカラーフィルタを使用して生成されたカラーフレームを白黒フレームに変換し、白黒フレームは、解像度は低いが画像情報を破棄することなく非ビン化フレームのそれと比べて改良されたSNRを持つ。表Aにおける構成Gのアクティブ化は、写真撮影モード操作のアクティブ化とみなすことができる。写真撮影モードで作動しているとき、端末1000は、トリガ信号502のアクティブ化に応えてカラー画像データのフレームをキャプチャおよび出力できる。カラー画像データのフレームの出力のためには、端末1000はカラーフレームをディスプレイ1304に書き込むおよび/またはフレームを非揮発性メモリ1084に書き込むことができる。カラーフレームの出力のためには、端末1000は代替的または追加的に、I/Oインタフェース1604、1608経由で、フレームを外部CPU基板端末(例えば遠隔サーバ、ローカルパーソナルコンピュータ)に送信することができる。
【0042】
構成Gの例において、端末1000は、構成Gがアクティブな状態でのトリガ信号502のアクティブ化に応えて、限定的かつ規定の数のフレーム(実施例においては3)をキャプチャすることができる。CPU1060は、写真撮影モードでの作動の間に結果として生じる雑音が低減したフレームをフレーム出力として出力する前に、雑音低減のために三つのフレームを平均化することができる。図9のタイミング図との関連で記述された期間との関連で記述された復号処理は、端末1000が写真撮影モードで作動するときは回避できる(証印復号モジュール40が無効)。証印復号モジュール40はまた、構成Gがアクティブな状態でも有効にすることができ、アクティブ化期間の間にキャプチャされたフレームのサブセットが復号の試みの対象となるように、表Aの他のすべての構成に関して有効にすることができる。
【0043】
表Aで示すとおり、端末1000は、アクティブモードで撮影された写真のほとんどが長距離で撮影されるという予想を前提として、写真撮影モードがアクティブのとき(画像化レンズが各フレームの暴露期間中は長いほうの焦点設定に設定されるように)可変焦点画像化レンズ1110の焦点設定を長いほうの焦点設定に設定できる。
【0044】
今度は構成Hに関して、構成Hがアクティブな状態の端末1000は、トリガ信号502がアクティブのときにキャプチャされた各フレームを(フィルタキャプチャの前または後に)ビン化することができる。したがって、キャプチャされた各フレーム(キャプチャはメモリ1085への格納によって完了する)は、白黒フレームと共に使用するように適応した既知の復号アルゴリズムを使用して処理可能な形式になるように、色フレームから白黒フレームに変換できる。各ビン化フレームのための暴露期間中、画像化レンズ1110は、短距離でとらえられたフレームを処理することによって復号可能証印の復号が成功する可能性が高まるように、短いほうの焦点設定に設定できる。
【0045】
構成Iで示されるとおり、ビニングの対象となる画素位置のブロックのブロックサイズは、可変ブロックサイズとすることができる。さらに、端末1000は、ビニングブロックサイズが可変焦点画像化レンズ1110のレンズ設定と同期化され、それによって変化するように作動することができる。構成Iの例において、端末1000は4x4ブロックビニングが可能であり、“短いほうの”焦点位置と呼ばれる焦点位置よりも相対的に短い“さらに短い”焦点位置を持つことができる。当該実施例において、4x4ブロックフレームの暴露は、本明細書において記述されている同期化方法で、さらに短い焦点距離設定と同期化できる。当該焦点位置の調整は、表Aで要約されたパターンをとることができる。また、構成Iに従って、端末1000は可変ウィンドウサイズでのウィンドウイングが可能であり、“長いほうの”焦点位置と記述される焦点位置よりも相対的に長い“さらに長い”焦点位置を持つことができる。特定のウィンドウにおける端末1000は、アレイ1033の中心における連続した2952x512の画素群に対応する2952x512ウィンドウ化フレーム並びに画素アレイ1033の中心における連続した2952x512の画素群に対応するより小さい1000x200 ウィンドウ化フレームのキャプチャが可能である。フレームキャプチャおよび画像焦点調整パターンに従って、端末1000は、“長いほうの”焦点位置における暴露のあとにフレーム設定を“さらに長い”に調節することができ、レンズ設定が“さらに長い”焦点設定のときにはより小さいウィンドウ化フレームを暴露することができ、暴露期間およびレンズ設定は本明細書において記述されている同期化方法で同期化できる。構成Iにおいて示される可変ビニングサイズおよび可変ウィンドウイングサイズは、検知された端末から目標までの距離や他の規定の基準を検出することなく端末1000が開ループオペレーションに従った処理のために複数のフレームをキャプチャする試行錯誤画像取り込みスキームの一環として実施できる。構成BおよびCに関連して説明されているとおり、可変ビンサイズおよび/または可変ウィンドウイングサイズスキームはまた、検出された規定の基準スキームの一部として実施することもでき、端末1000は検出された基準(例えば、端末から目標までの距離、復号時間)に応答してビニングモジュール10(構成B)またはウィンドウイングモジュール20(構成C)をアクティブ化することもできる。また、さまざまな構成に関連して既に記述されたとおり、焦点設定は、ビニングモジュール10およびウィンドウイングモジュール20のアクティブ化と連携することもできる(例えば、ビニングモジュール10のアクティブ化は短いほうの焦点設定における画像化レンズ1110の設定と同期化でき、ウィンドウイングモジュール20のアクティブ化は短いほうの焦点設定における画像化レンズ1110の設定と同期化できる)。端末1000は、検出された端末から目標までの距離に応じてビンサイズを変化させ、特定の端末から目標までの距離のための特定のビンサイズと同期化された特定の焦点設定とを関連付けるように適応させられることが分かる。端末1000はまた、検出された端末から目標までの距離に応じてウィンドウサイズを変化させ、特定の端末から目標までの距離のための特定のウィンドウサイズと同期化された特定の焦点設定とを関連付けることもできる。また、端末1000は、ビンサイズまたはウィンドウサイズ検出の方法にかかわらず、設定されたビンサイズまたはウィンドウサイズが同期化された特定の焦点設定と関連付けられるように適応させることもできる。また、端末1000は、検知された条件を検出するための検出方法なしに、開ループオペレーションに従って端末が同期化された特定の焦点設定と関連付けられるようにビンサイズまたはウィンドウサイズを設定できるように適応させることもできる。
【0046】
次に証印復号モジュール40によって実行できる処理に関して、例えば図9の期間d0、d2、dn-4に、CPU 1060は、適切にプログラミングされれば、画像データのフレームの復号を試みるための復号プロセスを実行できる。画像データのフレームの復号を試みるためには、CPU 1060は、キャプチャされた画像データのフレームの画像データをサンプリング経路に沿って、例えばフレームの中央でサンプリングするか、または復号可能な証印表現を含むよう決定された座標位置でサンプリングすることができる。一つの例において、復号の試みを実行するために選択されたサンプリング経路は、前のフレームのために復号可能な証印表現を横断するために決定されたサンプリング経路とすることができる。次に、CPU 1060は二次導関数エッジ検出を実施してエッジを検出できる。エッジ検出の完了後、CPU 1060はエッジ間の幅を示すデータを決定できる。次にCPU 1060は、開始/停止文字要素配列を探すことができ、見つかった場合には、文字セット表と比較することによって要素配列文字を一文字ずつ導出する。特定のコードに関して、CPU 1060はまた、チェックサム計算も行うことができる。CPU 1060が開始/停止文字配列の間の文字をすべて成功裏に特定し、チェックサムを成功裏に計算すれば(該当する場合)、CPU 1060は復号されたメッセージを出力できる。
【0047】
復号可能な証印表現が2Dバーコード記号の場合、復号の試みは、特徴検出アルゴリズムを使用するファインダーパターンを特定し、規定のファイダーパターンとの関係に従ってファインダーパターンを横断する走査線を特定し、走査線に沿って暗光セルのパターンを決定し、および各光パターンをテーブルロックアップ経由で文字または文字列に変換するという手順で構成される。一つの例において、トリガ信号がアクティブな状態の期間中にキャプチャされた各フレームをCPU 1060が復号の試みの対象とするように、端末1000を適応させることができる(例えば、表Aに関して記述されたいずれかの構成においてフレーム= フレーム0、フレーム1、フレーム2…)。別の例において、本明細書において既に記述されたとおり、CPU 1060がフレームのサブセットのみを復号の試みの対象とし、フレームを選択して規定の基準に従った復号の対象とするように、端末1000を適応させることができる。
【0048】
新しいフレームの復号に切り替わるとき(すなわち、期間d0の間のフレーム=フレーム0から期間d2の間のフレーム=フレーム2への切り替え)、端末1000は前のフレームの復号結果を破棄しなくてもよいことに注目することが望ましい。例えば、場合によっては、復号の対象となる復号可能証印は、符号語を出力するために復号可能な記号型のバーコードとすることができる。バーコード記号の符号語は、バーコード記号の完全な復号メッセージではないが、バーコード記号の他の符号語と組み合わせて完全な復号メッセージを提供できる。バーコード記号の復号された符号語は、部分的に復号されたメッセージとみなすことができる。バーコード記号の部分的に復号されたメッセージを表す符号語を提供するために復号できるコードは、PDF 417、UPC、Datamatrix、QRコード、およびAztecなどがある。対象フレーム集合を処理することによって決定される部分的に復号されたメッセージが、記号のための復号されたメッセージが決定されるまで蓄積されるように、端末1000を作動させることができる。特定のコードのバーコード型復号可能証印の復号のために、二つ以上の異なるフレームから決定される部分的な復号結果を組み合わせるようにCPU 1060を適応させることができる。画像データのフレームの復号によって提供される部分的な復号結果は、符号語の形式をとることができる。トリガ信号502がアクティブな間にフレーム集合のうちの特定のフレームを処理することによって一つ目の符号語集合を決定し、一つ目の符号語集合とトリガ信号502がアクティブな間に後続のフレームを処理することによって決定される二つ目の符号語集合とを組み合わせるように、CPU 1060を適応させることができる。一つの実施例において、特定のフレームが一つ目の符号語のセットを特定し、後続のフレームが二番目の符号語のセットを提供し、そして可能であればさらにM個後のフレームが三番目の符号語集合を提供するようCPU 1060が処理できるように、CPU 1060を適応させることができる。さらに、一番目、二番目、および可能であればM個の追加的な符号語のセットを組み合わせて復号されたメッセージを提供するように、CPU 1060を適応させることができる。例えば、図9のタイミング図に関して、CPU 1060は、フレーム=フレーム0を処理して一つ目の符号語のセットを特定し、次にフレーム=フレーム2を処理して二つ目の符号語のセットを特定し、そして次に符号語を組み合わせて期間dn-4の経過後に復号されたメッセージ出力を提供してもよい。
【0049】
本明細書において、システム、方法および装置の小さな一例を次のとおり記述する。
A1
証印読取端末であって、
二次元画像センサアレイを持つ画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイは複数の画素を含み、前記証印読取端末は前記の画像センサアレイの複数の画素に対する入射光を表す画像情報値を使用する関数を適用するためのビニングモジュールを含み、さらに前記証印読取端末はウィンドウ化フレームの読み取りのために前記画像センサアレイの画素のサブセットに選択的に対応するために使用するウィンドウイングモジュールを含むことを特徴とする画像センサ集積回路と、
対象の復号可能な証印の画像の焦点を前記二次元画像センサアレイに合わせるために使用する画像化レンズと、
前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングであって、前記証印読取端末はオペレータによるトリガ信号の手動によるアクティブ化で作動することを特徴とする手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記手持ち式証印読取端末は、前記トリガ信号がアクティブな時間内に前記手持ち式証印読取端末が一連のフレームを処理できるように作動し、前記一連のフレームはビン化フレームを含み、前記一連のフレームはさらにウィンドウ化フレームを含み、ウィンドウ化フレームは前記画像センサアレイの画素群に対する入射光を表す画像データを持ち、画素群は前記画像センサアレイの画素の総数の50%から構成され、ウィンドウ化フレームは証印が前記画像センサアレイの各画素に対する入射光を表すフレームによって表されるであろう規定領域と比較して狭い対象の基板の規定領域内の証印を表し、
前記手持ち式証印読取端末が、復号可能証印の復号を試みるために前記一連のフレームのうちの一つのフレームを処理するように作動することを特徴とする、証印読取端末。
A2
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであることを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A3
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末は前記トリガ信号がアクティブなままの前記時間内に、前記可変焦点画像化レンズが短距離と長距離の間にわたる複数の最良の焦点距離設定間を移動するように作動し、前記証印読取端末は前記ビン化フレームの暴露期間中は前記の可変焦点画像化レンズが前記短距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動することを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A4
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末が前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に、前記可変焦点画像化レンズが短距離と長距離の間にわたる複数の最良の焦点距離設定間を移動するように作動し、前記証印読取端末が前記ウィンドウ化フレームの暴露期間中は前記可変焦点画像化レンズが前記長距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動することを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A5
前記複数の画素ブロック上に蓄積された電荷を合計するために前記ビニングモジュールが前記画像センサ集積回路に内蔵されたアナログビニング回路を含むことを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A6
前記ビニングモジュールが画素位置ブロックと関連のある画像情報値を平均化することを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A7
前記ビニングモジュールが画素位置ブロックと関連のあるマルチビット画素値を合計するCPUを含むことを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A8
前記画像化レンズが変形可能レンズまたは変形不可流体レンズのうちの一つであることを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A9
特定のフレーム時間を持つ完全非ビン化フレームをキャプチャするように前記証印読取端末が作動し、前記ウィンドウ化フレームのフレーム時間が前記特定フレーム時間より短いことを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A10
規定の基準を満たして前記ウィンドウ化フレームを条件付きでキャプチャするように前記証印読取端末が作動することを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
A11
前記画素の集合が前記画像センサアレイの中心に置かれた連続した画素の集合であることを特徴とするA1に記載の証印読取端末。
B1
証印読取端末であって、
二次元画像センサアレイを持つ画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイは複数の画素を含み、前記証印読取端末は前記画像センサアレイの複数の画素に対する入射光を表す画像情報値を使用するための関数を適用するビニングモジュールを含むことを特徴とする画像センサ集積回路と、
対象の復号可能証印の画像の焦点を前記二次元画像センサアレイに合わせるために使用する画像化レンズと、
前記証印読取端末はオペレータによるトリガ信号の手動によるアクティブ化のために作動する、前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記手持ち式証印読取端末は、前記トリガ信号がアクティブな時間内に前記手持ち式証印読取端末が一連のフレームを処理できるように作動し、前記一連のフレームは一つ目のビン化フレームおよび二つ目のビン化フレームを含み、
前記手持ち式証印読取端末は、復号可能証印の復号を試みるために前記一連のフレームの一つのフレームを処理するように作動し、
前記一つ目のビン化フレームは前記二つ目のビン化フレームのビンサイズより大きいビンサイズを持ち、前記画像化レンズは複数の最良焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末は前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に前記可変焦点画像化レンズが一つ目と二つ目の最良の焦点距離設定の間を移動するように作動し、前記一つ目の最良の焦点距離は前記二つ目の最良の焦点距離より相対的に短く、前記証印読取端末はさらに前記一つ目のビン化フレームのための暴露期間中は前記可変焦点画像化レンズが前記一つ目の最良の焦点距離にあるように制御されるように作動し、前記証印読取端末はさらに前記二つ目のビン化フレームのための暴露期間中は前記可変焦点画像化レンズが前記二つ目の最良の焦点距離にあるように制御されるように作動する
ことを特徴とする証印読取端末。
B2
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することができる可変焦点画像化レンズであることを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
B3
前記画像センサアレイ上に配置された色パターンフィルタを含み、前記ビニングモジュールがカラー画像情報を白黒画像情報に変換するように前記証印読取端末をアクティブ化できるように作動することを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
B4
前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に処理できる前記一連のフレームが非ビン化フレームを含むことを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
B5
前記一連のフレームがウィンドウ化フレームを含むことを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
B6
前記一連のフレームが一つ目のビン化フレームおよび二つ目のビン化フレームを含み、前記一つ目のビン化フレームが前記二つ目のビン化フレームのビンサイズより大きいビンサイズを持つことを特徴とする、B1に記載の証印読取端末。
B7
前記端末が規定の基準を満たして前記二つ目のビン化フレームを条件付きで処理するように作動することを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
B8
前記画像化レンズが変形可能レンズまたは変形不可流体レンズのうちの一つであることを特徴とするB1に記載の証印読取端末。
C1
証印読取端末であって、
二次元画像センサアレイを備えた画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイが複数の画素を含み、前記証印読取端末が画像データを持つウィンドウ化フレームの読み取りのための前記画像センサアレイの画素のサブセットに選択的に対応するために使用するウィンドウイングモジュールを含むことを特徴とする、画像センサ集積回路と、
対象の復号可能証印の画像の焦点を前記画像センサアレイ上に合わせるために使用する画像化レンズと、
前記の証印読取端末がオペレータによりトリガ信号が手動でアクティブ化され作動する、前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記証印読取端末が前記のトリガ信号がアクティブなままの時間内に一連のフレームをキャプチャするように作動し、前記一連のフレームは一つ目のフレームおよび二つ目のウィンドウ化フレームを含み、前記一つ目のフレームは前記二つ目のウィンドウ化フレームと比べてさらに多くの前記画像センサアレイの画素に対する入射光を表し、前記二つ目のウィンドウ化フレームが前記画像センサアレイの画素の総数の50%未満から構成される一群の画素に対する入射光を表し、前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末が前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に前記可変焦点画像化レンズが一つ目と二つ目の最良の焦点距離設定の間を移動するように作動し、前記一つ目の最良の焦点距離が前記二つ目の最良の焦点距離より相対的に短く、前記証印読取端末がさらに前記一つ目のフレームのための暴露期間の間は前記可変焦点画像化レンズが前記一つ目の最良の焦点距離にあるように制御されるように作動し、前記証印読取端末はさらに前記二つ目のウィンドウ化フレームのための暴露期間の間は前記可変焦点画像化レンズが前記二つ目の最良の焦点距離上に来るように制御されるように作動し、
前記手持ち式証印読取端末が、復号可能証印の復号を試みるために前記一連のフレームの一つのフレームを処理するように作動する、
ことを特徴とする、証印読取端末。
C2
前記画像化レンズが変形可能レンズまたは変形不可流体レンズのうちの一つであることを特徴とする、C1に記載の証印読取端末。
C3
前記一つめのフレームが前記の画像センサアレイの連続した画素集合における入射光線を表し、前記連続した画素集合が前記画像センサアレイの画素総数の80%未満から構成されるウィンドウ化フレームであることを特徴とする、C1に記載の証印読取端末。
C4
前記端末が規定の基準を満たして前記二つ目のウィンドウ化フレームを条件付きでキャプチャするように作動することを特徴とする、C1に記載の証印読取端末。
D1
証印読取端末であって、
二つの二次元画像センサアレイを持つ画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイは複数の画素および前記二次元画像センサアレイ上に配置された色パターンフィルタを含み、前記証印読取端末は前記二次元画像センサアレイ、前記画像センサアレイの前記複数の画素のブロックにおける入射光の主な信号値を合計するためのビニングモジュールを含むことを特徴とする画像センサ集積回路と、
対象の復号可能証印の画像を前記画像センサアレイ上に集中させるために使用する画像化レンズと、
前記証印読取端末がオペレータによりトリガ信号が手動でアクティブ化され作動するよう前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記手持ち式証印読取端末が写真撮影モードおよび証印復号モードで作動し、さらに前記証印読取端末は前記写真撮影モードがアクティブな状態で前記端末が一連のフレームをキャプチャするために作動したとき、前記写真撮影モードがアクティブな状態でとらえられた前記一連のフレームがカラー画像データを含むように前記ビニングモジュールを使用できず、前記証印読取端末はさらに、前記証印復号モードがアクティブな状態で前記の端末が一連のフレームを処理するように作動すると、前記証印復号モードがアクティブな状態で処理された前記一連のフレームが証印復号の試みの対象となるように白黒画像データを含むビン化フレームを含むように前記ビニングモジュールを使用できることを特徴とする証印読取端末。
D2
前記画像化レンズが変形可能レンズまたは変形不可流体レンズのうちの一つであることを特徴とするD1に記載の証印読取端末。
【0050】
本発明は、具体的な実施例に関連して記述されている一方で、本発明の真の精神および範囲は、本仕様書によって裏付けることができる請求項に関してのみ決定することが望ましいと理解される。さらに、本明細書における数多くの事例では、システム、装置および方法が特定数の要素を持つものとして記述されている一方で、当該システム、装置および方法は、言及されている特定数の要素より少ない要素で実施できると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
証印読取端末であって、
二次元画像センサアレイを持つ画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイは複数の画素を含み、前記証印読取端末は前記の画像センサアレイの複数の画素に対する入射光を表す画像情報値を使用する関数を適用するためのビニングモジュールを含み、さらに前記証印読取端末はウィンドウ化フレームの読み取りのために前記画像センサアレイの画素のサブセットに選択的に対応するために使用するウィンドウイングモジュールを含むことを特徴とする画像センサ集積回路と、
対象の復号可能な証印の画像の焦点を前記二次元画像センサアレイに合わせるために使用する画像化レンズと、
前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングであって、前記証印読取端末はオペレータによるトリガ信号の手動によるアクティブ化で作動することを特徴とする手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記手持ち式証印読取端末は、前記トリガ信号がアクティブな時間内に前記手持ち式証印読取端末が一連のフレームを処理できるように作動し、前記一連のフレームはビン化フレームを含み、前記一連のフレームはさらにウィンドウ化フレームを含み、ウィンドウ化フレームは前記画像センサアレイの画素群に対する入射光を表す画像データを持ち、画素群は前記画像センサアレイの画素の総数の50%から構成され、ウィンドウ化フレームは証印が前記画像センサアレイの各画素に対する入射光を表すフレームによって表されるであろう規定領域と比較して狭い対象の基板の規定領域内の証印を表し、
前記手持ち式証印読取端末が、復号可能証印の復号を試みるために前記一連のフレームのうちの一つのフレームを処理するように作動することを特徴とする、証印読取端末。
【請求項2】
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであることを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項3】
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末は前記トリガ信号がアクティブなままの前記時間内に、前記可変焦点画像化レンズが短距離と長距離の間にわたる複数の最良の焦点距離設定間を移動するように作動し、前記証印読取端末は前記ビン化フレームの暴露期間中は前記の可変焦点画像化レンズが前記短距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動することを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項4】
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末が前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に、前記可変焦点画像化レンズが短距離と長距離の間にわたる複数の最良の焦点距離設定間を移動するように作動し、前記証印読取端末が前記ウィンドウ化フレームの暴露期間中は前記可変焦点画像化レンズが前記長距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動することを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項5】
前記複数の画素ブロック上に蓄積された電荷を合計するために前記ビニングモジュールが前記画像センサ集積回路に内蔵されたアナログビニング回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項6】
前記ビニングモジュールが画素位置ブロックと関連のある画像情報値を平均化することを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項7】
前記ビニングモジュールが画素位置ブロックと関連のあるマルチビット画素値を合計するCPUを含むことを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項8】
前記画像化レンズが変形可能レンズまたは変形不可流体レンズのうちの一つであることを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項9】
特定のフレーム時間を持つ完全非ビン化フレームをキャプチャするように前記証印読取端末が作動し、前記ウィンドウ化フレームのフレーム時間が前記特定フレーム時間より短いことを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項10】
規定の基準を満たして前記ウィンドウ化フレームを条件付きでキャプチャするように前記証印読取端末が作動することを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項11】
前記画素の集合が前記画像センサアレイの中心に置かれた連続した画素の集合であることを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項12】
前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末は前記トリガ信号がアクティブなままの前記時間内に、前記可変焦点画像化レンズが短距離と長距離の間にわたる複数の最良の焦点距離設定間を移動するように作動し、前記証印読取端末は前記ビン化フレームの暴露期間中は前記の可変焦点画像化レンズが前記短距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動し、前記証印読取端末が更に、前記ウィンドウ化フレームの暴露期間中は前記可変焦点画像化レンズが前記長距離の最良の焦点距離設定内に位置するように制御されるように作動することを特徴とする請求項1に記載の証印読取端末。
【請求項13】
証印読取端末であって、
二次元画像センサアレイを備えた画像センサ集積回路であって、前記二次元画像センサアレイが複数の画素を含み、前記証印読取端末が画像データを持つウィンドウ化フレームの読み取りのための前記画像センサアレイの画素のサブセットに選択的に対応するために使用するウィンドウイングモジュールを含むことを特徴とする、画像センサ集積回路と、
対象の復号可能証印の画像の焦点を前記画像センサアレイ上に合わせるために使用する画像化レンズと、
前記の証印読取端末がオペレータによりトリガ信号が手動でアクティブ化され作動する、前記二次元画像センサアレイを封入する手持ち式ハウジングと、
を有し、
前記証印読取端末が前記のトリガ信号がアクティブなままの時間内に一連のフレームをキャプチャするように作動し、前記一連のフレームは一つ目のフレームおよび二つ目のウィンドウ化フレームを含み、前記一つ目のフレームは前記二つ目のウィンドウ化フレームと比べてさらに多くの前記画像センサアレイの画素に対する入射光を表し、前記二つ目のウィンドウ化フレームが前記画像センサアレイの画素の総数の50%未満から構成される一群の画素に対する入射光を表し、前記画像化レンズが複数の最良の焦点距離を定義することが可能な可変焦点画像化レンズであり、前記証印読取端末が前記トリガ信号がアクティブな前記時間内に前記可変焦点画像化レンズが一つ目と二つ目の最良の焦点距離設定の間を移動するように作動し、前記一つ目の最良の焦点距離が前記二つ目の最良の焦点距離より相対的に短く、前記証印読取端末がさらに前記一つ目のフレームのための暴露期間の間は前記可変焦点画像化レンズが前記一つ目の最良の焦点距離にあるように制御されるように作動し、前記証印読取端末はさらに前記二つ目のウィンドウ化フレームのための暴露期間の間は前記可変焦点画像化レンズが前記二つ目の最良の焦点距離上に来るように制御されるように作動し、
前記手持ち式証印読取端末が、復号可能証印の復号を試みるために前記一連のフレームの一つのフレームを処理するように作動する、
ことを特徴とする、証印読取端末。
【請求項14】
前記一つめのフレームが前記の画像センサアレイの連続した画素集合における入射光線を表し、前記連続した画素集合が前記画像センサアレイの画素総数の80%未満から構成されるウィンドウ化フレームであることを特徴とする、請求項13に記載の証印読取端末。
【請求項15】
前記端末が規定の基準を満たして前記二つ目のウィンドウ化フレームを条件付きでキャプチャするように作動することを特徴とする、請求項13に記載の証印読取端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−157222(P2010−157222A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−283961(P2009−283961)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.Bluetooth
3.GSM
4.QRコード
【出願人】(503261948)ハンド ヘルド プロダクツ インコーポレーティッド (26)
【Fターム(参考)】