説明

フロート

【課題】燃料タンクの内圧に対して優れた耐久性を発揮し得るフロートを提供する。
【解決手段】カップ体22と蓋体23とが溶着されてなるフロート21であって、カップ体22に設けられたカップ側リブ34と、蓋体23に設けられた環状の蓋側リブ47とが、該蓋体23に外力が作用しない状態で離間し、前記外力が作用した状態で蓋体23の弾性変形によって接触するように形成されたものである。かかる構成によれば、蓋体23に外力が作用したときに生ずる蓋体23のたわみ量を抑制でき、該蓋体23に作用する応力や溶着部に作用する応力を低減できるため、蓋体23や溶着部の強度を向上できる。また、カップ体22と蓋体23とが溶着の際に接触しないことから、両者を精度良く位置決めでき、溶着品質を高め得るため、溶着部の強度を向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスや液体等の燃料を貯留する燃料タンクに配設され、該燃料の液面高さに従って浮動するフロートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液化石油ガス(以下、LPGという)やジメチルエーテル(以下、DMEという)等の液化ガス燃料を貯留する燃料タンクには、液面計や過充填防止装置等が配設されている。液面計や過充填防止装置は、一般的に、タンク内に貯留する燃料の液面高さに伴って浮動するフロートを備えている。
【0003】
このようなフロートとして、例えば特許文献1の構成が提案されている。この従来構成のフロートは、一端を開口し且つ他端を閉鎖した円筒状のカップ体に、前記開口を閉鎖する蓋体を溶着してなる中空体であり、カップ体の内部にはリブが形成されている。このフロートでは、リブの形成によりカップ体の強度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−56897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したフロートにおいて、さらなる強度向上が求められる場合には、カップ体だけでなく蓋体の強度向上も必要である。また、カップ体と蓋体とを溶着した溶着部の強度向上も必要である。
【0006】
本発明は、より高い強度を発揮し得るフロートを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、少なくとも一端に開口部を有する円筒状のカップ体と、該カップ体に溶着されて開口部を閉鎖する円板状の蓋体とから構成され、燃料タンク内に貯留する燃料の液面高さに伴って浮動する中空状のフロートにおいて、前記カップ体は、その内部にカップ側リブを備え、前記蓋体は、蓋内面からカップ体側へ突成された蓋側リブを備え、前記蓋体に外力が作用しない状態で、カップ側リブと蓋側リブとが離間し、外力が作用した状態で、蓋体の弾性変形によってカップ側リブと蓋側リブとが接触するように、カップ側リブと蓋側リブとが形成されていることを特徴とするフロートである。
【0008】
かかる構成では、蓋側リブを設けることにより蓋体自体の強度を向上できる。また、蓋体に外力が作用すると該蓋体が弾性変形してたわみ、蓋体とカップ体との溶着部に作用する応力が高くなる。本構成では、蓋体が弾性変形すると蓋側リブとカップ側リブとが接触することから、蓋体に外力が作用したときに生ずる蓋体のたわみ量を抑制し、蓋体に作用する応力や前記溶着部に作用する応力が高くなりすぎることを抑制できる。これにより、蓋体や溶着部の強度を向上させることができる。
【0009】
また、外力が作用しない状態でカップ側リブと蓋側リブとが接触しないことから、カップ体と蓋体とを溶着する際に、カップ体に対する蓋体の位置決めを精度良く行うことができる。この精度良い位置決めにより、カップ体と蓋体とを正確かつ十分に接触している状態で溶着できるため、適切な溶着を安定して行うことができる。尚仮に、カップ側リブと蓋側リブとがそれぞれの高さ寸法のバラツキによって接触してしまう場合には、前記位置決めを精度良く行うことが難しい。この場合、カップ体と蓋体とを正確かつ十分に接触していない状態で溶着するため、溶着が不十分となって溶着部の強度が低下してしまう。これに対し、本構成では、前記のように精度の良い位置決めができることにより正確かつ十分に溶着でき、カップ体と蓋体との溶着品質を高めることができる。これにより、溶着部の強度を向上させることができる。
【0010】
上述した本発明のフロートにおいて、蓋側リブは、蓋内面からカップ体側へ環状に突成されている構成が提案される。
【0011】
かかる構成では、蓋側リブが環状に形成されていることから、蓋体とカップ体との周方向位置関係に関わらず、蓋体の弾性変形によって蓋側リブとカップ側リブとが接触する。そのため、蓋体とカップ体とを周方向の任意位置で溶着しても、蓋体のたわみ量を抑制して蓋体に作用する応力や上記溶着部に作用する応力を低減して蓋体や溶着部の強度を向上させる効果を発揮できる。
【0012】
上述した本発明のフロートにおいて、カップ側リブは、該カップ体の径方向中央部から径方向外方へ放射状に形成されている構成が提案される。
【0013】
かかる構成では、放射状のカップ側リブにより、燃料タンクの内圧によって蓋体が弾性変形した場合に、環状の蓋側リブと放射状のカップ側リブとが周方向で分散して接触することから、蓋体に作用する応力や蓋体とカップ体との溶着部に作用する応力が局所的に大きくなることを抑制できる。これにより、蓋体や溶着部の強度を向上させることができる。
【0014】
上述した本発明のフロートにおいて、蓋側リブは、該蓋側リブよりも径方向外側にある蓋内面の面積と径方向内側にある蓋内面の面積とが略一致するように形成されている構成が提案される。
【0015】
かかる構成では、蓋側リブにより区画される径方向内側の面積と径方向外側の面積とが略一致することから、燃料タンクの内圧によって該径方向内側の面と径方向外側の面とに作用する荷重が略等しくなる。これにより、蓋体や溶着部に作用する応力をより適切に分散させることができ、蓋体や溶着部の強度を向上させることができる。
【0016】
上述した本発明のフロートにおいて、蓋体は、蓋内面からカップ体側に突成された放射状のリブをさらに備えている構成が提案される。
【0017】
かかる構成では、放射状のリブによって蓋体の強度をより向上させることができる。また、蓋体を樹脂により成形する場合に、成形の際にヒケの発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のフロートは、上述したように、カップ体に設けられたカップ側リブと、蓋体に設けられた蓋側リブとが、該蓋体に外力が作用しない状態で離間し、前記外力が作用した状態で蓋体の弾性変形によって接触するように形成されたものであるから、蓋体に外力が作用したときに生ずる蓋体のたわみ量を抑制でき、蓋体に作用する応力や蓋体とカップ体との溶着部に作用する応力を低減できる。これにより、蓋体や溶着部の強度を向上させることができる。また、カップ体と蓋体とを溶着する際にカップ側リブと蓋側リブとが接触しないことから、カップ体に対する蓋体の位置決めを精度良く行うことができ、カップ体と蓋体とを正確かつ十分に接触している状態で溶着できるため、カップ体と蓋体との溶着品質を高めることができる。これにより、溶着部の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】燃料タンク1の部分断面図である。
【図2】フロート21の部分断面図である。
【図3】(A)カップ体22の平面図と、(B)図3(A)におけるM−M断面図である。
【図4】(A)蓋体23の底面図と、(B)図4(A)におけるP−P断面図である。
【図5】蓋体23が外力によってたわんでいる状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施例を添付図面を用いて詳述する。
本実施例は、液化ガス燃料により駆動するエンジンを動力としたトラックなどの車両に配設される燃料タンク1である。ここで、液化ガス燃料には例えばLPG(液化石油ガス)燃料やDME(ジメチルエーテル)燃料が用いられる。
【0021】
燃料タンク1は、図1のように、タンク本体2、該タンク本体2に配設されて液化ガス燃料の充填口として弁の開閉を行うバルブ装置5、タンク本体2に配設されて液化ガス燃料の液面位置を計測するための液面計6、タンク本体2の内部に設けられバルブ装置5と接続されて液化ガス燃料の所定量以上の充填を防止する過充填防止装置7などから構成されている。ここで、液面計6と過充填防止装置7とは、液化ガス燃料の液面に従って浮動するフロート21,21と各フロート21,21に連結されたアーム8,9とを夫々に備え、該フロート21が燃料タンク1内に貯留する液化ガス燃料の液面に従って浮動することにより機械的に作動する構成である。これら液面計6や過充填防止装置7は、従来から用いられているものを適用できるため、その詳細については省略する。このような燃料タンク1は、例えばトラックの車体側面下部に横置きに配設されるものであり、図示しない固定部材により車両に固定される。
【0022】
次に、本発明の要部にかかる上記フロート21について説明する。
フロート21は、図2のように、カップ体22と蓋体23とが溶着されてなる中空体である。本実施例では、カップ体22と蓋体23とをポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、PPS樹脂)により成形している。
【0023】
カップ体22は、図3のように、中心軸線Lに沿って円筒状に形成された内周部31と、該内周部31と同心かつ同じ長さ寸法で径寸法の大きい円筒状に形成された外周部25と、内周部31と外周部25の各端部のうちで同じ向きの一方の端部間を接続するように形成された底部26とを備え、さらに内周部31、外周部25および底部26とを接続する複数のカップ側リブ34を備えてなる。これら内周部31、外周部25、底部26およびカップ側リブ34とは、夫々に所定の肉厚で形成されている。カップ体22には、底部26と対向する側に開口される開口部30が設けられており、この開口部30側の内周部31と外周部25との各端部には上記蓋体23を嵌め合わせるための段差が設けられている。ここで、開口部30側の内周部31には、前記段差を構成する段部31aが該内周部31の外径よりも小さい径寸法で形成されており、開口部30側の外周部25には、前記段差を構成する段部25aが、該外周部25の内径よりも大きい径寸法で形成されている。これら段部31aおよび段部25aの中心軸線L方向の長さ寸法は、蓋体23の高さ寸法とほぼ同等に設定されている。また、前記カップ側リブ34は、中心軸線Lを中心とする放射状に形成されており、周方向に均等間隔で四箇所に設けられている。さらにまた、前記内周部31には中心軸線Lに沿って貫通する孔32が設けられており、上記した液面計6と過充填防止装置7とを構成する状態では上記したアーム8,9がこの孔32に嵌入して取り付けられる。
【0024】
一方、蓋体23は、図4のように、カップ体22と同様に、中心軸線Lに沿って円筒状に形成された内周部41と、該内周部41と同心かつ同じ長さ寸法で径寸法の大きい円筒状に形成された外周部42と、内周部41と外周部42の各端部のうちで同じ向きの一方の端部間を接続するように形成された底部40とを備え、さらに内周部41、外周部42および底部40とを接続する複数の蓋側リブ47を備えてなる。これら内周部41、外周部42、底部40および蓋側リブ47とは、夫々に所定の肉厚で形成されている。そして、蓋体23は、上記カップ体22に比して中心軸線L方向の長さ寸法が短く設定されている。また、蓋体23は、内周部41と外周部42とが夫々にカップ体22の段部31a,25aに嵌め合わされるように形成されている。
【0025】
上記の蓋側リブ47は、中心軸線Lを中心とする放射状に形成され周方向に均等間隔で八箇所に設けられたリブ47aと、中心軸線Lと中心として円環状に形成されたリブ47bとが一体的に構成されてなる。この蓋側リブ47は、その放射状に形成されたリブ47aによって蓋体23自体の強度を向上させる効果があると共に、蓋体23をPPS樹脂により成形する際のヒケの発生を抑制できる。
【0026】
フロート21は、図2のように、蓋体23の蓋側リブ47が形成された側をカップ体22の開口部30側に向けて、蓋体23の内周部41と外周部42とを夫々にカップ体22の段部31aと段部25aとに嵌め合わせ、これら嵌め合わせた部位を接合することによって形成される。ここで、カップ体22と蓋体23とは、両者を嵌め合わせた部位を全周に亘って超音波溶着することにより接合される。これにより、フロート21には、その内部に密閉された内部空域が形成される。尚、超音波溶着については、従来から使用されている溶着方法を適用できるため、その詳細については省略する。
【0027】
カップ体22のカップ側リブ34と蓋体23の蓋側リブ47とは、フロート21において蓋体23に外力が作用しない状態でカップ側リブ34と蓋側リブ47とが離間し、蓋体23に外力が作用した状態で蓋体23の弾性変形によってカップ側リブ34と蓋側リブ47とが接触するように、夫々に形成されている。フロート21は、燃料タンク1の内部で、燃料タンク1に貯留される液化ガス燃料に曝されると共に、燃料タンク1の内圧を受けて蓋体23はこの内圧による外力を受ける。ここで、図5に、蓋体23が外力によりたわんでいる状態を示す。図5のように、蓋体23に外力が作用すると、該蓋体23が弾性変形してたわみ、蓋体23とカップ体22との溶着部に作用する応力が高くなる。本実施例のフロート21では、蓋体23が弾性変形すると蓋側リブ47とカップ側リブ34とが接触するように形成されていることから、蓋体23に外力が作用したときの蓋体23のたわみ量を抑制し、蓋体23に作用する応力や溶着部に作用する応力が高くなりすぎることを抑制できる。これにより、蓋体23や溶着部の強度を向上できる。
【0028】
また、カップ体22のカップ側リブ34と蓋体23の蓋側リブ47とは、上述したように蓋体23に外力が作用しない状態でカップ側リブ34と蓋側リブ47とが離間するように夫々に形成されていることから、カップ体22と蓋体23とを溶着する際に、カップ体22に対する蓋体23の位置決めを精度良く行うことができる。こうした精度の良い位置決めにより、カップ体22と蓋体23とが正確かつ十分に接触した状態で溶着されることから、適切な溶着が安定して行われ得る。尚仮に、カップ側リブ34と蓋側リブ47とが夫々の高さ寸法のバラツキによって接触してしまう場合には、蓋体23の内周部41および外周部42とカップ体22の段部31a,25aとの嵌め合わせがしっかりと行われなくなることから、位置決めを精度良く行うことが難しくなる。この場合には、カップ体22と蓋体23とが正確かつ十分に接触しない状態で溶着されることから、溶着が不十分となって溶着部の強度が低下してしまう。これに対し、本実施例のフロート21では、精度の良い位置決めができることにより正確かつ十分な溶着が可能となり、カップ体22と蓋体23との溶着品質と高めることができる。これにより、溶着部の強度を向上できる。
【0029】
また、蓋側リブ47は、上述したように中心軸線Lを中心とする円環状のリブ47bを備えていることから、図5のように蓋体23が外力によって弾性変形してたわんだ場合に、蓋体23とカップ体22との周方向位置関係に関わらず、蓋側リブ47とカップ側リブ34とが接触する。これにより、カップ体22と蓋体23とを周方向の任意位置で溶着しても、上述した蓋体23や溶着部の強度を向上するという作用効果を発揮できる。
【0030】
さらに、本実施例の蓋側リブ47を構成する円環状のリブ47bは、当該リブ47bよりも径方向外側にある蓋内面40aの面積と径方向内側にある蓋内面40aの面積とが略一致するように形成されている。これにより、燃料タンク1の内圧によって蓋体23に外力が作用する場合に、円環状のリブ47bによって区画される径方向内側の面と径方向外側の面とに作用する荷重が略等しくなる。そのため、蓋体23や溶着部に作用する応力をより適切に分散させることができ、蓋体23や溶着部の強度を向上できる。
【0031】
加えて、本実施例では、上述したようにカップ側リブ34が放射状に形成されていることから、燃料タンク1の内圧によって蓋体23が弾性変形した場合に、蓋側リブ47を構成する円環状のリブ47bと放射状のカップ側リブ34とが周方向で分散して接触する。そのため、蓋体23に作用する応力や上記用着部に作用する応力が局所的に大きくなることを抑制できる。これにより、蓋体23や溶着部の強度を向上できる。
【0032】
上述した本実施例のフロート21によれば、燃料タンク1の内圧によって蓋体23が弾性変形すると蓋側リブ47とカップ側リブ34とが接触することから、蓋体23に外力が作用したときに生ずる蓋体23のたわみ量を抑制し、該蓋体23に作用する応力や上記用着部に作用する応力が高くなりすぎることを抑制できる。これにより、蓋体23や溶着部の強度を向上できる。また、蓋体23に外力が作用しない状態では蓋側リブ47とカップ側リブ34とが接触しないことから、カップ体22と蓋体23とを溶着する際に、該カップ体22に対する蓋体23の位置決めを精度良く行うことができる。こうした精度の良い位置決めにより、カップ体22と蓋体23とを正確かつ十分に接触した状態で溶着できることから、適正な溶着を安定して行うことができ、カップ体22と蓋体23との溶着品質を高めることができる。これにより、溶着部の強度を向上できる。
【0033】
本実施例では、カップ側リブ34は中心軸線Lを中心とする放射状に形成され且つ周方向に均等間隔で四箇所に設けられているものとしたが、このカップ側リブの配設個数は適宜変更可能である。また、蓋側リブ47を構成する放射状のリブ47aは中心軸線Lを中心とする放射状に形成され且つ周方向に均等間隔で八箇所に設けられているものとしたが、この放射状のリブの配設個数は適宜変更可能である。
【0034】
一方、このようなフロート21は、上述したように蓋体23および溶着部の強度が向上する効果を発揮できるものであり、浸食性の高いDME燃料を貯留する燃料タンク1に配設した場合にも前記強度の向上効果を発揮できる。そのため、本実施例のフロート21は、DME燃料を貯留する燃料タンク1に好適に用いることができる。
【0035】
上述した実施例では、カップ体および蓋体をPPS樹脂により成形しているが、PPS樹脂に強化繊維を含有した材料により成形することもできる。この強化繊維としては、ガラス繊維やカーボン繊維の短繊維が好適に用いられる。特に、比強度および比弾性率の高いカーボン繊維が好ましい。強化繊維を含有したPPS樹脂により成形することによって、カップ体および蓋体の強度をさらに向上できる。
【0036】
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜実施可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 燃料タンク
2 タンク本体
21 フロート
22 カップ体
23 蓋体
30 開口部
34 カップ側リブ
40a 蓋内面
47 蓋側リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一端に開口部を有する円筒状のカップ体と、該カップ体に溶着されて開口部を閉鎖する円板状の蓋体とから構成され、燃料タンク内に貯留する燃料の液面高さに伴って浮動する中空状のフロートにおいて、
前記カップ体は、その内部にカップ側リブを備え、
前記蓋体は、蓋内面からカップ体側へ突成された蓋側リブを備え、
前記蓋体に外力が作用しない状態で、カップ側リブと蓋側リブとが離間し、外力が作用した状態で、蓋体の弾性変形によってカップ側リブと蓋側リブとが接触するように、カップ側リブと蓋側リブとが形成されていることを特徴とするフロート。
【請求項2】
蓋側リブは、蓋内面からカップ体側へ環状に突成されていることを特徴とする請求項1に記載のフロート。
【請求項3】
カップ側リブは、該カップ体の径方向中央部から径方向外方へ放射状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のフロート。
【請求項4】
蓋側リブは、該蓋側リブよりも径方向外側にある蓋内面の面積と径方向内側にある蓋内面の面積とが略一致するように形成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のフロート。
【請求項5】
蓋体は、蓋内面からカップ体側に突成された放射状のリブをさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のフロート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−247228(P2012−247228A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117363(P2011−117363)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(391006430)中央精機株式会社 (128)
【Fターム(参考)】