説明

フローリアクターを用いたシャープレス不斉エポキシ化反応

【課題】モレキュラーシーブスを添加せずとも効率的にシャープレス不斉エポキシ化を進行させる方法の提供。
【解決手段】アリルアルコール化合物と、触媒量のチタンテトラアルコキシドと、触媒量の光学活性酒石酸エステルと、酸化剤とを、溶媒中、流通式反応器(フローリアクター)を用いて混合することによる、光学活性エポキシアルコール化合物の製造方法。酸化剤は、tert-ブチルハイドロパーオキシドもしくはクメンハイドロパーオキシドが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャープレス不斉エポキシ化反応において、安価で安全、省労力ながら大量スケールでも実施可能な製造方法に関するものであり、本発明で得られる化合物は医薬品等の中間原料として利用される有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
シャープレス不斉エポキシ化反応は、最初の報告では金属錯体を基質と等量使用する反応として報告された(例えば、非特許文献1)。その後、触媒的な反応系へと発展し、モレキュラーシーブスを添加することで、錯体使用量5mol%での反応進行が報告された(例えば、非特許文献2及び3)。
【0003】
本発明の主要要件となる、シャープレス不斉エポキシ化反応のフローリアクターへの適用に関しては、特許文献1の中に、シャープレス不斉エポキシ化をマイクロリアクターで行うことを示唆する記述はあるが、実施例はなく、本明細書にて述べている予想外の副次的な効果(モレキュラーシーブスなしに触媒的に反応進行)に関する記述は全くなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003-532646
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Katsuki, T.; Sharpless, K. B. J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 5974.
【非特許文献2】Hanson, R. M.; Sharpless, K. B. J. Org. Chem. 1986, 51, 1922.
【非特許文献3】Sharpless, K. B. et al. J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 5765.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記非特許文献2には、「モレキュラーシーブスを添加することなく触媒量5mol%で、不斉エポキシ化を行った場合、光学純度が低く(39-80%ee)、反応の進みが遅くなり、一般的に、50-60%転化したところで反応が停止してしまう」とあり、触媒反応におけるモレキュラーシーブスの必要性が記述されている。
【0007】
しかしながら、モレキュラーシーブスは粒子径が小さいためにろ過において目詰まりを起こしやすく、大量製造においては生産効率を低下させる要因であった。
そのため、モレキュラーシーブスを添加せずとも効率的にシャープレス不斉エポキシ化を進行させる方法の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シャープレス不斉エポキシ化反応をフローリアクター上で行うことで、モレキュラーシーブスを使用せずとも、モレキュラーシーブスを添加したバッチ反応と同レベルの触媒量で反応させられることを見出した。
【0009】
即ち、本発明は、 アリルアルコール化合物と、触媒量のチタンテトラアルコキシドと、触媒量の光学活性酒石酸エステルと、酸化剤とを、溶媒中、管内を流通させながら反応させることによる、光学活性エポキシアルコール化合物の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によれば、モレキュラーシーブスを使用せずとも、モレキュラーシーブスを添加したバッチ反応と同レベルの触媒量で反応を行うことができる。それにより、医薬品等の中間原料として有用な光学活性エポキシアルコール化合物を効率的に大量製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
アリルアルコール化合物としては、シャープレス不斉エポキシ化反応が進行するものなら特に制限はなく、例えば、式(1)で表されるアリルアルコール化合物が挙げられる。その具体例としては、例えば、メタリルアルコールやシンナミルアルコールなどが挙げられる。
【0012】
【化1】


(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に炭化水素基またはシリル基を表すか、そのうち2つの置換基が一緒になって、環構造を形成していてもよい。)
チタンアルコキシドとしては、式(3)で表される化合物が挙げられる。
【0013】
【化2】


(式中、R4はアルキル基を表す。)
その具体例としては、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラメトキシド、チタンテトラブトキシドが使用できるが、好ましくはチタンテトライソプロポキシドが使用できる。
光学活性酒石酸エステルとしては、式(4)で表される化合物が挙げられる。
【0014】
【化3】


(式中、R5は炭化水素基またはシリル基を表す。)
その具体例としては、酒石酸ジイソプロピル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチルが挙げられる。
例えば、メタリルアルコールを基質とした場合には、酒石酸ジイソプロピルが好ましい。
【0015】
酸化剤としては、好ましくは有機過酸化物であり、たとえば、クメンハイドロパーオキシド、tert-ブチルハイドロパーオキシドなどが使用できる。
【0016】
使用する溶媒としては反応に関与しなければ使用に制限はないが、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられるが、好ましくは、塩化メチレンが挙げられる。また、溶媒はそのほかの溶媒との混合でもよい。
【0017】
チタンアルコキシド使用量は、式(1)で表されるアリルアルコールに対して0.1mol%から100mol%で、好ましくは1から30mol%、より好ましくは3から10mol%である。
【0018】
光学活性酒石酸エステル使用量は、チタンアルコキシドの0.5から2mol倍、好ましくは1.0から1.5mol倍である。
【0019】
酸化剤使用量は0.1から10当量、好ましくは1から3当量である。
【0020】
溶媒使用量は、式(1)で表されるアリルアルコールに対して0から100重量倍使用することができ、好ましくは3から20重量倍の範囲である。
【0021】
管内を流通させながら反応させる方法としては、例えば、流通式反応器(フロー式リアクター)を用いて混合するという方法が挙げられる。
【0022】
流通式反応器(フロー式リアクター)とは、連続的にリアクターへ試剤を送入し連続的に反応物を取り出せるようにした装置であり、通常内径1μmから10cm程度の細長い流通路を用いる。一般にマイクロリアタクーと呼ばれる装置は、フロー式リアクターの一種である。
【0023】
本発明において、ミキサーおよび流通路の形状、材質は特に限定されるものではない。
たとえばミキサーとしては、内径1mmのT字管、(株)ワイエムシィ製スタティック型ミキサー(商品名デネブ)などのスタティック型ミキサー、(株)ワイエムシィ製へリックス型ミキサー(商品名スピカ)などのへリックス型ミキサー、などを用いることができる。
【0024】
このうち、流量の大きな領域(たとえば2mL/min以上)では、圧力がかからないという点からスタティック型の方が好ましいが、低流量領域(たとえば2mL/min以下)では、混合効率の点からヘリックス型が好ましい。
【0025】
ミキサーの材質としてはステンレス、ガラス、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
【0026】
たとえば流通路としては、断面積100μm2から100mm2、長さ1cmから300mのものが好ましく、より好ましくは断面積0.5m m2から30m m2、長さ1mから50mのチューブである。
【0027】
流通路の材質としてはガラス、ステンレス、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
【0028】
流速は反応に必要とされる時間、すなわち、必要な滞留時間と流路の大きさによって決められるが、たとえば、0.1mL/minから100mL/min、即ち、毎分0.1mLから100mLである。
【0029】
反応温度は、通常、-40℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは-10〜20℃の範囲で行うのがよく、さらに好ましくは-10〜10℃の範囲がよい。除熱効率を上げるために、ミキサー部をそれ以降の部分よりも低温に設定してもよい。
【0030】
試剤を加える順序は特に限定されるものではないが、アリルアルコール溶液の流通路に、酸化剤を加え、更にチタンアルコキシドと光学活性酒石酸エステルとの混合溶液を加える方法、もしくは、アリルアルコール溶液の流通路に、チタンアルコキシドと光学活性酒石酸エステルとの混合溶液を加え、更に酸化剤を加える方法が好ましい。アリルアルコールと酸化剤の混合溶液とチタンアルコキシドと光学活性酒石酸エステルとの混合溶液を流通路にて混合する方法でもよい。
【0031】
アリルアルコール溶液濃度は1重量%から100重量%であり、好ましくは5重量%から50重量%である。
【0032】
酸化剤濃度は、1重量%から100重量%であり、好ましくは5重量%から50重量%である。
【0033】
チタンアルコキシドと光学活性酒石酸エステルの溶液濃度は、チタンアルコキシドとして1重量%から80重量%であり、好ましくは5重量%から50重量%である。
【0034】
反応によって得られた式(2)で表されるエポキシアルコール化合物は、例えば、反応終了後、適当な還元剤で過剰な酸化剤をクエンチしたのちに、適当な溶媒により抽出し、水洗することで得ることができ、必要により、再結晶、蒸留、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等により精製することができる。また、反応後、反応液を精製することなく、そのまま次反応に用いることもできる。
【0035】
【化4】

【0036】
本発明によれば、モレキュラーシーブスを使用せずとも、モレキュラーシーブスを添加したバッチ反応と同様な触媒量、たとえば5mol%、で反応を進行させることができる。
【0037】
また、本発明の製造方法では、大きな除熱能力による精密な温度制御、連続的生産による生産効率の向上、安全性の確保、といった、流通式の反応器を用いることから容易に類推される利点も併せて享受できる。
【実施例】
【0038】
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、分析条件は下記の通りである。
【0039】
[分析条件]
HPLC(定量収率)
カラム: Develosil C-30 UG-3,5μm(4.6mmID×150mm)野村化学、溶離液: アセトニトリル/水/リン酸 = 60/40/0.1、流速: 0.7mL/min、オーブン温度: 20℃、UV検出波長: 254nm、保持時間5.9分。
【0040】
HPLC(光学純度)
カラム: CHIRALPAK AD-H (4.6mmID×250mm)ダイセル化学、溶離液: ヘキサン/2-プロパノール = 6/1、流速: 1.2mL/min、オーブン温度: 30℃、UV検出波長: 254nm、保持時間(R)-(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル 4-ニトロベンゼンスルホネイト 23.1分、(S) -(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル 4-ニトロベンゼンスルホネイト 25.2分。
【0041】
[実施例4の分析条件]
HPLC
カラム: YMC-Pack SIL 5μm (6mmID×300mm) + CHIRALPAK AS (4.6mmID×250mm)、溶離液条件: ヘキサン:IPA = 9:1、オーブン温度: 40℃、UV検出波長: UV220nm、流速: 1.0ml/min、保持時間: ((2R, 3R)-3-フェニルオキシラン-2-イル)メタノール 26.0min、((2S, 3S)-3-フェニルオキシラン-2-イル)メタノール 30.0min。
【実施例1】
【0042】


メタリルアルコール20.0gとクメンハイドロパーオキシド79.2gに塩化メチレン100gを加えて均一とし、A液とした。
(L)−酒石酸ジイソプロピル3.9g(6mol%)、塩化メチレン100gにチタンテトライソプロポキシド3.9g(5mol%)を加えて均一としB液とした。
A液とB液をそれぞれ0.2mL/分で送液し、0℃の恒温槽内の内径1mmのT字管で混合し内径1mm長さ11.7mのポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ内を20分間流通させた。
チューブから取得した反応液を一定時間フラスコに取り、亜リン酸トリエチルを加えてクエンチし、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン存在下、p-ニトロベンゼンスルホン酸クロリドで誘導化したのち、HPLCにて(S) -(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル p-ニトロベンゼンスルホネイトの定量収率および光学純度を測定したところ、収率63.7%、光学純度 (S)97.8%eeであった。
【実施例2】
【0043】
メタリルアルコール30.0gとクメンハイドロパーオキシド119gに塩化メチレン150gを加えて均一とし、A液とした。
(L)−酒石酸ジイソプロピル5.8g(6mol%)、塩化メチレン150gにチタンテトライソプロポキシド5.9g(5mol%)を加えて均一としB液とした。
A液とB液をそれぞれ1.0mL/分で送液し、10℃の恒温槽内の内径0.2mmの(株)ワイエムシィ製ヘリックス型ミキサー(商品名スピカ)(材質SUS)で混合し内径5mm長さ4mのポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ内を40分間流通させた。
さらに、0.2mL/分で送液した亜リン酸トリエチル47.9gを10℃の恒温槽内の内径1mmの
T字管で混合し、内径5mm長さ3mのポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ内を27分間流通させた。
流出液をフラスコにとりトリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、p-ニトロベンゼンスルホン酸クロリドで誘導化したのち、HPLCにて(S) -(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル p-ニトロベンゼンスルホネイトの定量収率および光学純度を測定したところ収率79.0%、光学純度 (S)93.3%eeであった。
【実施例3】
【0044】
メタリルアルコール110gとクメンハイドロパーオキシド435gに塩化メチレン550gを加えて均一とし、A液とした。
(L)−酒石酸ジイソプロピル21.5g(6mol%)、塩化メチレン550gにチタンテトライソプロポキシド21.7g(5mol%)を加えて均一としB液とした。
A液とB液をそれぞれ8mL/分で送液し、-10℃の恒温槽内の内径0.2mmの(株)ワイエムシィ製スタティック型ミキサー(商品名デネブ)(材質SUS)で混合後、10℃の恒温槽内の内径5mm長さ40mのポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ内を50分間流通させた。
さらに亜リン酸トリエチル176gを1.5mL/分で送液し、-10℃の恒温槽内の内径1mmのT字管で反応液と混合させた後、10℃の恒温槽内の内径5mm長さ30mのポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ内を34分間流通させた。
流出液をフラスコに-10〜-5℃にて1時間とり、トリエチルアミン101.1g、N,N−ジメチルアミノピリジン9.4gを加え、p-ニトロベンゼンスルホン酸クロリド228.2gと塩化メチレン332.4gの溶液を1時間かけて滴下した。さらに1時間攪拌した後、セライトろ過を行った。
ろ液を10%クエン酸水525gで分液し、有機層を水523gで2回洗浄後、シリカゲル105gで処理した。減圧濃縮し (S) -(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル p-ニトロベンゼンスルホネイトを粗物液体として160g得た。
HPLCにて(S) -(2-メトキシオキシラン-2-イル)メチル p-ニトロベンゼンスルホネイトの定量収率および光学純度を測定したところ、収率81.4%、光学純度 (S)92.3%eeであった。
【0045】
[参考例1]バッチ式、モレキュラーシーブス添加
フラスコに塩化メチレン11.6g、(L)−酒石酸ジイソプロピル1.0g、モレキュラーシーブス3A powder 0.1g、メタリルアルコール0.5gを加え撹拌した。
1±3℃まで冷却後、チタンテトライソプロポキシド0.1g(5mol%)を加え30分撹拌した。
クメンハイドロパーオキシド2.0gを滴下し、塩化メチレン11.6gで洗いこみ後、4時間撹拌した。
亜リン酸トリエチル0.7gでクエンチし、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、p-ニトロベンゼンスルホン酸クロリドで誘導化したのち、HPLCにて定量収率および光学純度を測定したところ、収率79.3%、光学純度94.5%eeであった。
【0046】
[参考例2]バッチ式、モレキュラーシーブス添加なし
フラスコに塩化メチレン2.9g、(L)−酒石酸ジイソプロピル0.058g、メタリルアルコール0.30gを加え撹拌した。-10±3℃まで冷却後、チタンテトライソプロポキシド0.058g(5mol%)を加え30分撹拌した。クメンハイドロパーオキシド1.2gを滴下し、塩化メチレン0.16gで洗いこみ後、23時間撹拌した。
亜リン酸トリエチル0.97gでクエンチし、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、p-ニトロベンゼンスルホン酸クロリドで誘導化したのち、HPLCにて定量収率および光学純度を測定したところ、収率25.6%、光学純度72.2%eeであった。
【実施例4】
【0047】


シンナミルアルコール20.0gに塩化メチレンを加えて100mLとし、A液とした。
(D)−酒石酸ジイソプロピル2.13gとチタンテトライソプロポキシド2.20mLに塩化メチレンを加え100mLとし、B液とした。
82%純度のクメンハイドロパーオキシド411.40gに塩化メチレンを加えC液とした。
A液とC液をそれぞれ25μL/分、70μL/分で送液し、−10℃に温調された(株)ワイエムシィ製ヘリックス型ミキサー(商品名スピカ)で混合し、その後、40μL/分で送液されたB液と、−10℃に温調された(株)ワイエムシィ製ヘリックス型ミキサー(商品名スピカ)にて混合して、−10℃下1.0mm内径のポリテトラフルオロエチレン樹脂製のチューブ10mを流通させた(滞留時間60分)。亜リン酸トリエチルの塩化メチレン溶液に流出液を21分間取得し、LCにて((2R, 3R)-3-フェニルオキシラン-2-イル)メタノールの定量を行ったところ90%収率であった。また、光学純度は91%eeであった
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明法は医薬品等の中間原料として有用な光学活性エポキシアルコール化合物の高効率な製造法を提供するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アリルアルコール化合物と、触媒量のチタンテトラアルコキシドと、触媒量の光学活性酒石酸エステルと、酸化剤とを、溶媒中、管内を流通させながら反応させることによる、光学活性エポキシアルコール化合物の製造方法。
【請求項2】
アリルアルコール化合物が式(1)
【化1】


で表されるアリルアルコール化合物であり、光学活性エポキシアルコール化合物が
式(2)
【化2】


で表される光学活性エポキシアルコール化合物である、請求項1記載の製造方法。
(式(1)および(2)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立に炭化水素基またはシリル基を表すか、そのうち2つの置換基が一緒になって、環構造を形成していてもよい。)
【請求項3】
酸化剤が有機過酸化物である請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】
酸化剤がtert-ブチルハイドロパーオキシドもしくはクメンハイドロパーオキシドである請求項1または2記載の製造方法。
【請求項5】
触媒量が10mol%以下である請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の製造方法。

【公開番号】特開2012−201651(P2012−201651A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69338(P2011−69338)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000003986)日産化学工業株式会社 (510)
【Fターム(参考)】