説明

ブザー装置

【課題】所有者に負担をかけることなく、適切に故障検出を行うことができるブザー装置を提供する。
【解決手段】携帯通信機器は、筐体と、警報部と、制御部と、を備える。警報部は、一端が第1の電源電位に接続されたヒューズと、一端がヒューズの他端に接続されたブザーと、ソース又はドレインの内の一方がブザーの他端に接続され、ソース又はドレインの内の他方が第2の電源電位に接続されたトランジスタと、ブザーとトランジスタとの接続点と、第2の電源電位と、の間に接続された抵抗と、を備える。制御部は、トランジスタのゲートに印加する駆動信号をオン又はオフにし、ブザーとトランジスタとの接続点の電位である監視信号に基づいて、警報部の故障を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報音を発するブザー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防犯機能を有する携帯電子機器としては、例えば、特許文献1に記載された防犯機能付き携帯端末装置がある。この携帯端末装置では、ケース外に突出したアンテナが、所定回数以上、押し込み操作されることで、防犯動作を実行する。また、関連する技術として、例えば、特許文献2に記載された電力供給系統運転管理装置がある。この電力供給系統運転管理装置では、電力供給系統の各所に設けられて電力供給系統各所の故障を検出する故障検知手段と、各故障検知手段の作動状況から予め設定された論理条件に基づいて故障部位を特定する故障部位特定手段と、前記故障部位特定手段によって特定された故障部位に対応した支援ガイダンスを出力する支援ガイダンス手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−354382号公報
【特許文献2】特開平10−14136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、携帯電話機には様々な機能が搭載されるようになっているが、機能を実現する回路の故障検出が行われているものは少なく、ユーザは機能が動作しなくなることで当該機能を実現する回路の故障を認識する場合が多い。
【0005】
また、上記したように、近年、ユーザの身を守るための防犯ブザー機能も携帯電話機に搭載されるようになってきている。しかし、防犯ブザー機能は、ユーザが身の危険を感じたときに使用されるものであるので、使用機会が極端に少ない。そのため、ユーザが身の危険を感じて防犯ブザーにより警報音を発生させようとしたときに、防犯ブザー機能を実現する回路が故障していることを初めて知ることになるということも考えられる。この場合、ユーザは大きな不利益を被る可能性が高い。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、所有者に負担をかけることなく、適切に故障検出を行うことができるブザー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、筐体と、前記筐体の外部へ向けて警報音を発生可能な警報部と、前記警報部を制御する制御部と、を備え、前記警報部は、一端が第1の電源電位に接続されたヒューズと、一端が前記ヒューズの他端に接続されたブザーと、ソース又はドレインの内の一方が前記ブザーの他端に接続され、ソース又はドレインの内の他方が第2の電源電位に接続されたトランジスタと、前記ブザーと前記トランジスタとの接続点と、前記第2の電源電位と、の間に接続された抵抗と、を備え、前記制御部は、前記トランジスタのゲートに印加する駆動信号をオン又はオフにし、前記ブザーと前記トランジスタとの接続点の電位である監視信号に基づいて、前記警報部の故障を判定することを特徴とする。
【0008】
ここで、第1操作状態および第2操作状態をとり得る操作部と、前記操作状態を検出可能な検出部と、を更に備え、前記制御部は、前記検出部で前記操作状態が前記第1操作状態から前記第2操作状態に遷移したことを検出したら、前記駆動信号を周期的にオン/オフさせて、周期的に変化する電流を前記警報部に流すことにより警報を発動させ、前記検出部で前記操作状態が前記第1操作状態にあることを検出しているときに、前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオンにし、前記監視信号が前記第1の電源電位レベルであることを検出したら、前記トランジスタが開放故障していると判定することが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオフにし、前記監視信号が前記第2の電源電位レベルであることを検出したら、前記ヒューズ又は前記ブザーの少なくとも一方が開放故障しているか、又は、前記トランジスタが短絡故障していると判定することが好ましい。
【0011】
また、前記ヒューズは、前記ブザーが短絡故障している場合に前記警報部に流れる短絡電流により溶断する容量であることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記監視信号が異常であることを検出したら、前記駆動信号をオンにして前記警報部に電流を流すことにより、前記ヒューズを溶断させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記監視信号及び前記ヒューズと前記ブザーとの接続点の電位である第2の監視信号に基づいて、前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオフにし、前記監視信号及び前記第2の監視信号が共に前記第2の電源電位レベルであれば前記ヒューズが開放故障していると判定し、前記監視信号が前記第1の電源電位レベル且つ前記第2の監視信号が前記第2の電源電位レベルであれば前記ブザーが開放故障していると判定することが好ましい。
【0015】
また、前記警報部は、前記ヒューズと前記ブザーとの接続点と、前記第2の電源電位と、の間に設けられた第2のトランジスタを更に備え、前記制御部は、前記監視信号が異常であることを検出したら、前記第2のトランジスタのゲートに印加する溶断信号をオンにして前記警報部に電流を流すことにより、前記ヒューズを溶断させることが好ましい。
【0016】
また、前記警報部は、前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、一端が前記トランジスタのゲートに接続されたコンデンサと、ソース又はドレインの一方が前記コンデンサの他端に接続され、ソース又はドレインの他方が前記第2の電源電位に接続された第3のトランジスタと、を更に備え、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記第3のトランジスタのゲートに印加する監視制御信号をオンにして、前記抵抗及び前記コンデンサをローパスフィルタとして動作させることが好ましい。
【0017】
また、前記警報部は、前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、一端が前記トランジスタのゲートに接続された第2の抵抗と、ソース又はドレインの一方が前記第2の抵抗の他端に接続され、ソース又はドレインの他方が前記第2の電源電位に接続された第3のトランジスタと、を更に備え、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記第3のトランジスタのゲートに印加する監視制御信号をオンにして、前記抵抗及び前記第2の抵抗を分圧回路として動作させることが好ましい。
【0018】
また、前記警報部は、前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、前記トランジスタのゲートと前記第2の電源電位との間に直列に配置されたコンデンサと、を更に備え、前記制御部は、前記警報部に警報を発動させる場合に、前記抵抗及び前記コンデンサで構成されるローパスフィルタのカットオフ周波数よりも低い周波数の前記駆動信号を出力し、前記警報部の故障を判定する場合に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高い周波数の前記駆動信号を出力することが好ましい。
【0019】
また、前記警報部は、警報音を発生可能な2つの発音部を備え、前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、2つの前記発音部に逆位相の駆動信号を出力することが好ましい。
【0020】
また、前記筐体には、外部に警報音を放音する放音孔が形成されており、前記放音孔は、前記操作部が前記第1操作状態である場合に前記操作部によって塞がれ、前記操作部が前記第2操作状態である場合に前記操作部によって塞がれず、前記制御部は、前記操作部が前記第1操作状態である場合に前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0021】
また、前記筐体には、外部に警報音を放音する放音孔が形成されており、前記筐体は、前記放音孔が設けられた面が置き台に置かれることが可能であり、前記筐体が前記置き台に置かれていることを検出する置き台検出部を更に備え、前記制御部は、前記置き台検出部により前記筐体が前記置き台に置かれていることを検出したら前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0022】
また、前記筐体が開閉可能であり、前記筐体の開閉を検出する開閉検出部を更に備え、前記制御部は、前記開閉検出部により前記筐体の開閉を検出したら前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0023】
また、音を発生する音発生部を更に備え、前記制御部は、前記音発生部によって音を発生させるときに前記警報部の故障を判定することが好ましい。
【0024】
また、前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表す音を前記音発生部に発生させることが好ましい。
【0025】
また、画像を表示する表示部を更に備え、前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表す画像を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0026】
また、外部機器と通信可能な通信部を更に備え、前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表すメールを前記通信部により予め設定された宛先に送信させることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかるブザー装置は、警報音を発生させることなく、故障検出を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、実施形態1に係る携帯通信機器を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る携帯通信機器のスイッチ操作を示す説明図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、図3のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図5】図5は、実施形態2に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図6】図6は、実施形態3に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図7−1】図7−1は、実施形態4に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図7−2】図7−2は、実施形態4に係る携帯通信機器のブザー部に印加される信号を示す波形図である。
【図7−3】図7−3は、実施形態4に係る携帯通信機器のブザー部に印加される信号を示す波形図である。
【図8】図8は、実施形態5に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図9−1】図9−1は、実施形態6に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。
【図9−2】図9−2は、実施形態6に係る携帯通信機器のブザー部に印加される信号を示す波形図である。
【図9−3】図9−3は、実施形態6に係る携帯通信機器のブザー部に印加される信号を示す波形図である。
【図10−1】図10−1は、実施形態7に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図10−2】図10−2は、実施形態7に係る携帯通信機器の断面模式図である。
【図11】図11は、実施形態8に係る携帯通信機器の背面を示す説明図である。
【図12−1】図12−1は、実施形態9に係る携帯通信機器の背面を示す説明図である。
【図12−2】図12−2は、実施形態9に係る携帯通信機器を置き台に置いた様子を示す説明図である。
【図12−3】図12−3は、実施形態9に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図12−4】図12−4は、実施形態9に係る携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図13】図13は、実施形態10に係る携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図14】図14は、実施形態11に係る携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。
【図15−1】図15−1は、実施形態12に係る携帯通信機器を示す外観図である。
【図15−2】図15−2は、実施形態12に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。
【図15−3】図15−3は、実施形態12に係る携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、ブザー装置として携帯通信機器、より具体的には、携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、防犯用通信機器、通信機能を有しない防犯用機器等に対しても本発明は適用できる。
【0030】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る携帯電子機器を示す外観斜視図である。この携帯通信機器1は、防犯ブザー機能を備えた携帯電話機である。携帯通信機器1は、1つの箱型形状の筐体5の内部に各部が収納されたストレート形状のものである。なお、実施形態1では、ストレート形状の携帯通信機器1を適用したが、これに限られない。つまり、携帯通信機器1として、例えば、ヒンジで連結された2つの筐体を開閉可能に折り畳んだ、折り畳み式の携帯通信機器を適用しても良い。また、スライド式やサイクロイド式の携帯通信機器を適用しても良い。
【0031】
筐体5の正面の長手方向の一方側(図示上側)には、表示部32として、表示パネル6が設けられる。表示パネル6は、電話の発着信やアプリケーションの起動を待ち受けている待受画面を表示したり、携帯通信機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画面を表示したりする。
【0032】
筐体5の正面の長手方向の他方側(図示下側)には、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー7が複数設けられる。なお、操作キー7は、携帯通信機器1の操作部28(図3参照)を構成する。筐体5の正面の下方側端部には、携帯通信機器1の通話時に音声を受け取るマイク8が設けられる。そして、筐体5の正面の上方側端部には、携帯通信機器1の通話時に音声を発するレシーバ9が設けられる。
【0033】
次に、図2を参照して、筐体5の背面側について説明する。図2は、実施形態1に係る携帯通信機器のスイッチ操作の一例を示す説明図である。図2に示すように、筐体5の背面の上側には、携帯通信機器1の警報発動時に警報音を発するブザー部10が設けられるとともに、警報音を筐体5の外部に放音する放音孔5aが形成されている。このブザー部10は、筐体5の外部へ警報を発動する警報部として機能している。また、このブザー部10に並んで、筐体5の背面の上側には、スイッチ機構11が設けられている。
【0034】
スイッチ機構11は、携帯通信機器1から警報を発動するために用いられ、プルスイッチ部材12と、紐体13を介して連結されたストラップ14とを有している。ストラップ14は、リング状に形成されており、ユーザは、ストラップ14を手掛かりとして、紐体13を介してプルスイッチ部材12を操作する。プルスイッチ部材12は、紐体13を介してストラップ14に引っ張られることで、筐体5の上面に対して突出するように移動する。プルスイッチ部材12は、図中左側に示す第1位置T1と、図中右側に示す第2位置T2とに切替可能に移動する。具体的には、プルスイッチ部材12は、初期位置となる第1位置T1から第2位置T2へ切替移動が可能な構成となっている。
【0035】
プルスイッチ部材12が第1位置T1にある初期状態において、ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張る。すると、プルスイッチ部材12は、図中左側の第1位置T1から図中右側の第2位置T2へ移動する。
【0036】
一方、プルスイッチ部材12が第2位置T2にある状態において、ユーザが、プルスイッチ部材12を押し込むと、プルスイッチ部材12は、図中右側の第2位置T2から図中左側の第1位置T1へ移動する。
【0037】
次に、携帯通信機器の機能の概略構成を説明する。図3は、実施形態1に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。携帯通信機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。図3に示すように携帯通信機器1は、マイク8と、レシーバ9と、ブザー部10と、プルスイッチ部材12と、制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、スイッチ位置検出部34と、を有する。
【0038】
制御部22は、携帯通信機器1の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯通信機器1の各種の処理が、操作部28の操作や携帯通信機器1の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御部22は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。
【0039】
記憶部24には、制御部22での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、ブザー部10により警報を発するアプリケーションのプログラム、ブザー部10の故障を検出するアプリケーションのプログラム、メール送受信アプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、画像データ、音声データ、アドレス帳データ等が記憶されている。
【0040】
通信部26は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。
【0041】
操作部28は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キー7で構成され、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として制御部22へ入力される。
【0042】
音声処理部30は、マイク8に入力される音声信号やレシーバ9から出力される音声信号の処理を実行する。
【0043】
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネルなどで構成された表示パネル6(図1参照)を備え、制御部22から供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネル6に表示させる。
【0044】
スイッチ位置検出部34は、ユーザの操作状態、具体的には、プルスイッチ部材12の位置を検出している。スイッチ位置検出部34は、プルスイッチ部材12が第1位置T1にある場合、操作状態が第1操作状態であるとして、第1操作信号を制御部22へ向けて出力する。また、スイッチ位置検出部34は、プルスイッチ部材12が第2位置T2にある場合、操作状態が第2操作状態であるとして、第2操作信号を制御部22へ向けて出力する。制御部22は、プルスイッチ部材12が第2位置T2にある場合、つまり、ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張ったら、ブザー部10により警報音を発生させる。
【0045】
次に、図4を用いて、ブザー部10の回路構成について説明する。図4は、ブザー部10の回路構成の一例を示す回路図である。図4に示すように、ブザー部10は、ヒューズ61と、ブザー62と、ブザー62を駆動するためのNチャネル型MOSトランジスタ63と、抵抗64と、を備えている。ヒューズ61は、一端が高電位側の電源電位VBATTに接続されており、他端がブザー62の一端に接続されている。ブザー62は、一端がヒューズ61に接続され、他端がトランジスタ63のドレインに接続されている。このブザー62とトランジスタ63との接続点の電位がブザー部10の状態を監視するための監視信号として制御部22に入力される。また、トランジスタ63のソースは、低電位側の電源電位に接続されている。抵抗64は、抵抗値がヒューズ61及びブザー62と比べて非常に大きい抵抗であり、トランジスタ63のソース―ドレイン経路に並列に接続されている。つまり、抵抗64は、プルダウン抵抗として機能する。このように、ブザー部10は、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という簡易な電流経路の構成を採用することにより、電力損失を極力減らしつつ、大音量の警告音を発することができる。
【0046】
ブザー62は、電磁石の磁力の変化により磁性材の小物体を振動させることで警報音を発するものである。なお、ブザー62は、これに限定されない。例えば、ブザー62として、電極に信号電圧を加えることにより圧電体を歪ませ、その振動により警報音を発する圧電ブザー等の種々のものを使用することができる。
【0047】
次に、警報音を発する場合(ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張った場合)の制御部22の動作について説明する。警報音を発する場合、制御部22は、所定周期(例えば、500Hz〜5kHz等)の矩形波状の駆動信号をトランジスタ63のゲートに印加する。すると、トランジスタ63が所定周期でオン、オフを繰り返し、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路に流れる電流が所定周期でオン、オフを繰り返す。その結果、ブザー62内の電磁石が所定周期でオン、オフを繰り返し、電磁石の磁力が所定周期で変化し、この磁力の変化により磁性材の小物体が所定周期で振動され、警報音が発せられる。
【0048】
次に、ブザー部10の故障の検出を行う場合の制御部22の動作について説明する。なお、ブザー部10の故障モード(故障の態様)としては、開放故障と短絡故障とがある。
【0049】
まず、トランジスタ63の開放故障の検出を行う場合の制御部22の動作について説明する。この場合、制御部22は、駆動信号をオン(ハイレベル)にしてトランジスタ63をオンにする。このとき、トランジスタ63が故障しておらず正常であれば、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路に電流が流れるので、監視信号はローレベルとなる。一方、トランジスタ63が開放故障している場合には、ブザー部10の導通経路は高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―ブザー62―抵抗64―低電位側の電源電位となるので、監視信号はハイレベルとなる。つまり、制御部22は、駆動信号をオンにしたときに、監視信号がハイレベルであることを検出したら、トランジスタ63が開放故障していると判定することができる。
【0050】
次に、ヒューズ61又はブザー62の開放故障の検出を行う場合の制御部22の動作について説明する。この場合、制御部22は、駆動信号をオフ(ローレベル)にしてトランジスタ63をオフにする。このとき、ヒューズ61及びブザー62が開放故障しておらず正常であれば、ブザー部10の導通経路は高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―ブザー62―抵抗64―低電位側の電源電位となるので、監視信号はハイレベルとなる。一方、ヒューズ61又はブザー62が開放故障している場合には、監視信号は抵抗64によりプルダウンされローレベルとなる。つまり、制御部22は、駆動信号をオフにしたときに、監視信号がローレベルであることを検出したら、ヒューズ61又はブザー62が開放故障していると判定することができる。
【0051】
次に、短絡故障が発生している場合について説明する。ブザー62が短絡故障している場合、ブザー62の短絡故障を監視信号を用いて検出することは出来ない。ブザー62が短絡故障している場合には、制御部22が駆動信号をオフにしたときに、監視信号は、トランジスタ63のソース−ドレイン間のインピーダンスがあるため、ハイレベルになる。つまり、監視信号のレベルがブザー62の正常時と短絡故障時とで同じになってしまうので、監視信号を用いてブザー62の短絡故障を検出することは出来ない。
【0052】
ブザー62の短絡故障を検出するためには、ブザー部10に短絡電流が流れているか否かを確認する必要がある。しかしながら、そのためには、電流検出抵抗と、電流検出抵抗の電位差を増幅して検出するオペアンプ等が必要であるので、回路規模が大きくなり、コストアップを招く。そこで、本実施形態においては、ブザー62の短絡故障を検出する回路を設けず、高電位側の電源電位VBATTとブザー62との間に配置されているヒューズ61を、ブザー62の短絡故障時の短絡電流により溶断する容量のヒューズとする。これにより、ブザー62の短絡故障時には、ヒューズ61が短絡電流により溶断し、電流経路が遮断され、短絡故障から開放故障に遷移するので、安全性を確保することができる。また、制御部22が、監視信号が異常であること、例えば、監視信号が所定の範囲外のレベルに変動したこと等を検出したら、駆動信号をオンにし続けることで、トランジスタ63をオンにし続け、電流をヒューズ61に流し続けることで、強制的にヒューズ61を溶断させるようにしても良い。このとき、電流は周期的に変化しないので、ブザー62から警報音が発生することはない。これにより、短絡状態を早期に解消し、安全性をより高くすることができる。
【0053】
上記のようにヒューズ61が溶断した場合、制御部22が駆動信号をオフ(ローレベル)にしてトランジスタ63をオフにすると、監視信号は抵抗64によりプルダウンされローレベルとなる。つまり、制御部22は、駆動信号をオフにしたときに、監視信号がローレベルであることを検出したら、ヒューズ61が溶断していると判定することができる。なお、トランジスタ63が短絡故障している場合に、制御部22が駆動信号をオフ(ローレベル)にすると、トランジスタ63が短絡していることにより、監視信号はローレベルとなる。つまり、制御部22は、駆動信号をオフにしたときに、監視信号がローレベルであることを検出したら、ヒューズ61が溶断しているか又はトランジスタ63が短絡故障していると判定することができる。
【0054】
以上を総合すると、制御部22は、駆動信号をオフにしたときに、監視信号がローレベルであることを検出したら、ヒューズ61又はブザー62が開放故障しているか、ヒューズ61が溶断しているか、又は、トランジスタ63が短絡故障していると判定することができる。
【0055】
上記のようにブザー部10の故障を検出したら、制御部22は、ブザー部10の故障を検出したことをユーザに通知することとしても良い。例えば、制御部22は、ブザー部10の故障を検出したら、ブザー部10の故障を検出したことを表示パネル6に表示したり、ブザー部10の故障を検出したことを知らせる音声をレシーバ9から出力したり、表示部32のLEDを点滅させたりすることで、ユーザにブザー部10の故障を通知することとしても良い。これにより、ユーザは、普段あまり使用しないブザー部10の故障を容易に知ることができる。
【0056】
また、携帯通信機器1のように防犯ブザー機能を備える機器は、子供、女性、高齢者が所有する可能性が高いと考えられる。そこで、携帯通信機器1の管理、維持の観点も加味し、制御部22は、通信部26により、予め設定された送信先(例えば、保護者、管理者等のメールアドレス)に、故障を検出したことを表す定型文のメールを高い優先度で送信するようにしても良い。これにより、保護者、管理者等は、携帯通信機器1のブザー部10の故障を知ることができる。
【0057】
また、制御部22が、上記のようなブザー部10の故障検出動作を、ユーザからの指示を待つことなく、定期的に自動で行うようにしても良い。一般に、携帯電話機は、一定周期で無線電波状態や着信状態を監視する制御を行っている。そこで、制御部22は、無線電波状態や着信状態を監視する周期でブザー部10の故障検出動作を行うようにしても良い。これにより、ユーザの手を煩わせることなく、ブザー部10の故障検出動作を行うことができる。また、上記のブザー部10の故障検出動作では、警報音を鳴動させて故障の有無を確認するのではなく、監視信号を用いてブザー部10の故障を検出するので、ユーザが意識することなく、ブザー部10の故障検出を行うことができる。
【0058】
(実施形態2)
続いて、図5を参照して、実施形態2に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態2に係る携帯通信機器の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器の概略構成(図3参照)と同様である。
【0059】
図5は、実施形態2に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。このブザー部10の回路構成は、先に説明した実施形態1のブザー部10の回路構成(図4参照)と同様であるが、ヒューズ61とブザー62との接続点の電位がブザー部10の状態を監視するための第2の監視信号として制御部22に入力される点で異なっている。
【0060】
先に説明した実施形態1では、ヒューズ61又はブザー62が開放故障している場合、ヒューズ61とブザー62のどちらが開放故障しているかを判定することができない。一方、本実施形態では、ブザー62とトランジスタ63との接続点の電位を第1の監視信号として用い、ヒューズ61とブザー62との接続点の電位を第2の監視信号として用いることで、ヒューズ61又はブザー62が開放故障している場合、ヒューズ61とブザー62のどちらが開放故障しているかを判定することができる。
【0061】
図5に示す回路において、制御部22は、駆動信号をオフ(ローレベル)にしてトランジスタ63をオフにする。このとき、ヒューズ61が開放故障していれば、第1の監視信号及び第2の監視信号は抵抗64によりプルダウンされローレベルとなる。一方、ブザー62が開放故障していれば、第1の監視信号はハイレベルとなり、第2の監視信号は抵抗64によりプルダウンされローレベルとなる。つまり、制御部22は、駆動信号をオフにしたときに、第1の監視信号及び第2の監視信号が共にローレベルであればヒューズ61が開放故障していると判定することができ、第1の監視信号がハイレベル且つ第2の監視信号がローレベルであればブザー62が開放故障していると判定することができる。
【0062】
(実施形態3)
続いて、図6を参照して、実施形態3に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態3に係る携帯通信機器の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器の概略構成(図3参照)と同様である。
【0063】
図6は、実施形態3に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。このブザー部40の回路構成は、先に説明した実施形態1のブザー部10の回路構成(図4参照)と比較して、ヒューズ61とブザー62との接続点と、低電位側の電源電位と、の間にヒューズ61を溶断するためのNチャネル型MOSトランジスタ65を配置した点で異なっている。
【0064】
先に説明した実施形態1においては、ブザー62が短絡故障している場合に、ヒューズ61が短絡電流により自ら溶断し、又は、制御部22がトランジスタ63をオンにし続けることでヒューズ61を強制的に溶断させることとしている。一方、本実施形態においては、制御部22は、監視信号が異常であること、例えば、監視信号が所定の範囲外のレベルに変動したこと等を検出したら、トランジスタ65のゲートに印加する緊急溶断信号をオン(ハイレベル)にすることで、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61―トランジスタ65―低電位側の電源電位という経路に電流を流し、強制的にヒューズ61を溶断させる。これにより、ヒューズ61をより迅速且つ確実に溶断させることで、短絡状態を早期に解消し、安全性をより高くすることができる。
【0065】
(実施形態4)
続いて、図7−1〜図7−3を参照して、実施形態4に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態4に係る携帯通信機器の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器の概略構成(図3参照)と同様である。
【0066】
図7−1は、実施形態4に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。このブザー部42の回路構成は、先に説明した実施形態1のブザー部10の回路構成(図4参照)と比較して、制御部22の駆動信号出力端子とトランジスタ63のゲートとの間に抵抗66を配置し、トランジスタ63のゲートと低電位側の電源電位との間にコンデンサ67及びNチャネル型MOSトランジスタ68を直列に配置した点で異なっている。
【0067】
本実施形態においては、制御部22は、ブザー部42の故障検出を行う際に、トランジスタ68のゲートに印加する監視制御信号をオン(ハイレベル)にし、トランジスタ68をオン状態に制御する。トランジスタ68がオン状態になると、コンデンサ67と低電位側の電源電位とが接続され、抵抗66とコンデンサ67はローパスフィルタとして機能することになる。その後、制御部22は、矩形波の駆動信号を抵抗66に出力する。図7−2は、制御部22が出力する駆動信号の波形図である。このとき、抵抗66とコンデンサ67は、ローパスフィルタとして機能しているので、トランジスタ63のゲートに印加される信号は、なめらかな曲線状に立ち上がる。図7−3は、トランジスタ63のゲートに印加される信号の波形図である。このように、トランジスタ63のゲートになめらかな曲線状に立ち上がる信号が印加されると、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61−ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路を流れる電流がなめらかな曲線状に立ち上がるので、ブザー62の動作音をなくすことができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0068】
先に説明した実施形態1〜3において、ブザー部の故障検出動作時に、ブザー62を駆動するトランジスタ63をオン、オフするが、トランジスタ63をオンにすると、ブザー62から動作音が発生する。この動作音は、警報音(ブザー鳴動音)ではないので音量も小さく、鳴る時間も短い。しかしながら、携帯通信機器1は常に身近に置かれることが想定され、特に、深夜等、周囲が静かな場所で動作音が鳴ると、ユーザに不安を抱かせることとなる。そのため、ブザー部の故障検出動作時の駆動音を軽減する又はユーザが気にならないようにすることが好ましい。
【0069】
なお、故障検出動作時ではない時には、制御部22は、トランジスタ68のゲートに印加する監視制御信号をオフ(ローレベル)にしておく。これにより、コンデンサ67と低電位側の電源電位との間が遮断されるので、抵抗66とコンデンサ67はローパスフィルタとして機能しなくなる。従って、ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張った場合に、制御部22が矩形波状の駆動信号を出力すると、矩形波状の信号がそのままトランジスタ63のゲートに印加されるので、ブザー62は大音量の警報音を発することができる。
【0070】
(実施形態5)
続いて、図8を参照して、実施形態5に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態5に係る携帯通信機器の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器の概略構成(図3参照)と同様である。
【0071】
図8は、実施形態5に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。このブザー部44の回路構成は、先に説明した実施形態4のブザー部42の回路構成(図7−1参照)と比較して、コンデンサ67を抵抗69に置換した点で異なっている。
【0072】
本実施形態においては、制御部22は、ブザー部44の故障検出を行う際に、トランジスタ68のゲートに印加する監視制御信号をオン(ハイレベル)にし、トランジスタ68をオン状態に制御する。トランジスタ68がオン状態になると、抵抗69は低電位側の電源電位に接続される。従って、制御部22が駆動信号をオン(ハイレベル)にすると、抵抗66と抵抗69は分圧回路として機能し、トランジスタ63のゲートには、駆動信号を抵抗66及び抵抗69で抵抗分圧した電位の信号が印加される。
【0073】
このように、駆動信号を抵抗66及び抵抗69で抵抗分圧した電位の信号がトランジスタ63のゲートに印加されると、トランジスタ63を活性領域で動作させることができる。そのため、トランジスタ63のソース−ドレイン経路を流れる電流、つまり高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61−ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路を流れる電流が、トランジスタ63のゲート電位に応じた電流に抑制される。つまり、抵抗66及び抵抗69の抵抗値を適切に設定することで、高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61−ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路を流れる電流レベルをブザー62を鳴動させないレベルに抑制することができる。これにより、ブザー62の動作音をなくすことができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0074】
制御部22は、上記のように監視制御信号をオンにした後で、駆動信号をオン、オフさせて、監視信号の電位レベルを直接判定することで、ブザー部44の故障の有無を検出することができる。
【0075】
また、トランジスタ63を活性領域で動作させると、監視信号がはっきりとしたハイレベル又はローレベルにならず、ハイレベルとローレベルとの間の電位になることも考えられる。そこで、制御部22は、監視信号の電位レベルをA/D変換し、A/D変換後の値を判定することで、より精密にブザー部44の故障の有無を検出することができる。
【0076】
なお、故障検出動作時ではない時には、制御部22は、トランジスタ68のゲートに印加する監視制御信号をオフ(ローレベル)にしておく。これにより、抵抗69と低電位側の電源電位との間が遮断されるので、抵抗66及び抵抗69は分圧回路として機能しなくなる。従って、ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張った場合に、制御部22が駆動信号を出力すると、その駆動信号が抵抗分圧されることなくそのままトランジスタ63のゲートに印加されるので、ブザー62は大音量の警報音を発することができる。
【0077】
(実施形態6)
続いて、図9−1〜図9−3を参照して、実施形態6に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態6に係る携帯通信機器の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器の概略構成(図3参照)と同様である。
【0078】
図9−1は、実施形態6に係る携帯通信機器のブザー部の回路構成を示す回路図である。このブザー部46の回路構成は、先に説明した実施形態4のブザー部42の回路構成(図7−1参照)と比較して、トランジスタ68を除いた点で異なっている。つまり、本実施形態においては、コンデンサ67が低電位側の電源電位に常時接続され、抵抗66とコンデンサ67は常時ローパスフィルタとして機能する。
【0079】
ブザー62の警報音の周波数帯域は、人の耳に聞こえる周波数帯域である必要がある。それとともに、ブザー62が使用される周波数帯域は、最も効率良く音を発する周波数帯域であることが好ましい。そのため、ブザー62が使用される周波数帯域は、通常500Hz〜5kHz程度である。この周波数帯域は、音声の周波数帯域300Hz〜3kHzよりも高い。本実施形態においては、抵抗66とコンデンサ67によって構成されるローパスフィルタのカットオフ周波数を5kHzよりも相当程度高く設定する。つまり、5kHzの信号がローパスフィルタによって殆ど減衰されない程度に、ローパスフィルタのカットオフ周波数を設定する。
【0080】
制御部22は、警報音発生時(ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張った場合)には、ローパスフィルタのカットオフ周波数より低い周波数、例えば、500Hz〜5kHz程度の周波数の矩形波状の駆動信号を出力する。図9−2は、制御部22が警報音発生時に出力する駆動信号の波形図である。この500Hz〜5kHz程度の周期の矩形波状の駆動信号は、ローパスフィルタによって殆ど減衰されず、殆どそのままトランジスタ63のゲートに印加されるので、ブザー62は大音量の警報音を発することができる。
【0081】
また、制御部22は、故障検出動作時には、ローパスフィルタのカットオフ周波数より高い周波数の矩形波状の駆動信号を出力する。図9−3は、制御部22が故障検出動作時に出力する駆動信号の波形図である。この駆動信号は、PWM(Pulse Width Modulation)の原理により、ローパスフィルタによって減衰及び平滑化され、トランジスタ63のゲートに印加される。なお、ローパスフィルタによる平滑化後の信号の電位レベルは、駆動信号のデューティによって変わる。つまり、制御部22は、駆動信号のデューティを変えることにより、トランジスタ63のゲートに印加される電位レベルを制御することができる。従って、制御部22は、トランジスタ63のソース−ドレイン経路を流れる電流、つまり高電位側の電源電位VBATT―ヒューズ61−ブザー62―トランジスタ63―低電位側の電源電位という経路を流れる電流レベルがブザー62を鳴動させないレベルに抑制するように、駆動信号のデューティを制御することで、ブザー62の動作音をなくすことができる。これにより、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0082】
また、本実施形態によれば、先に説明した実施形態4(図7−1参照)と比較して、トランジスタ68を不要にすることができるとともに、トランジスタ68のゲートに印加する監視制御信号も不要にすることができる。これにより、回路を簡素化し、コストダウンを図ることができる。
【0083】
(実施形態7)
続いて、図10−1及び図10−2を参照して、実施形態7に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。図10−1は、実施形態7に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。図10−1に示すように、携帯通信機器2の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成(図3参照)と比較して、ブザー部10をブザー部47に置換した点で異なっている。ブザー部47は、2つの発音部47a、47bを有している。発音部47a、47bの回路構成は、上述したブザー部の回路構成と同様である。
【0084】
図10−2は、実施形態7に係る携帯通信機器の断面の模式図である。発音部47a、47bは、筐体5の図中下側の壁部に内蔵されている。筐体5の図中上側の壁部の、好ましくは発音部47aからの距離と発音部47bからの距離が等距離の部分には、警報音を筐体5の外部に放音する放音孔5aが形成されている。
【0085】
制御部22は、発音部47a、47bの故障検出を行う際、発音部47aに出力する駆動信号と発音部47bに出力する駆動信号の位相を逆位相に制御する。これにより、発音部47aから放音される駆動音と発音部47bから放音される駆動音とが逆位相となって打ち消し合い、駆動音を軽減することができる。これにより、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0086】
(実施形態8)
続いて、図11を参照して、実施形態8に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態8に係る携帯通信機器の機能の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成(図3参照)と同様である。
【0087】
図11は、実施形態8に係る携帯通信機器3のスイッチ操作の一例を示す説明図である。図11に示すように、筐体5の背面の上側には、スイッチ機構11が設けられている。
【0088】
スイッチ機構11は、携帯通信機器3から警報を発動するために用いられ、プルスイッチ部材12と、紐体13を介して連結されたストラップ14とを有している。ストラップ14は、リング状に形成されており、ユーザは、ストラップ14を手掛かりとして、紐体13を介してプルスイッチ部材12を操作する。プルスイッチ部材12は、紐体13を介してストラップ14に引っ張られることで、筐体5の上面に対して突出するように移動する。プルスイッチ部材12は、図中左側に示す第1位置T1と、図中右側に示す第2位置T2とに切替可能に移動する。具体的には、プルスイッチ部材12は、初期位置となる第1位置T1から第2位置T2へ切替移動が可能な構成となっている。
【0089】
図中右側に示すように、筐体5のプルスイッチ部材12によって覆われていた壁部には、ブザー部10aが内蔵されているとともに、警報音を放音する放音孔5aが形成されている。つまり、筐体5の放音孔5aは、プルスイッチ部材12が第1位置T1にある状態では、プルスイッチ部材12によって塞がれた状態になる。また、筐体5の放音孔5aは、プルスイッチ部材12が第2位置T2にある状態では、露出した状態になる。携帯通信機器3は、ユーザが危機を感じ、ストラップ14を引っ張り、プルスイッチ部材12が第2位置T2へ移動したときに、ブザー部10aにより警報音を発生させる。つまり、携帯通信機器3は、プルスイッチ部材12が第1位置T1にある状態において、ブザー部10aにより警報音を発生させることはない。従って、プルスイッチ部材12が第1位置T1にある状態のときに、放音孔5aがプルスイッチ部材12によって塞がれた状態になることに、不都合はない。
【0090】
通常時(ユーザが危機を感じていない時)には、プルスイッチ部材12は第1位置T1にある。このときに、制御部22は、ブザー部10aの故障検出動作を行う。この故障検出動作でブザー部10aから動作音が生じても、放音孔5aはプルスイッチ部材12によって塞がれているので、ブザー部10aの動作音が音漏れしづらい。これにより、ブザー部10aの動作音を低減することができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0091】
(実施形態9)
続いて、図12−1〜図12−4を参照して、実施形態9に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。図12−1は、本実施形態に係る携帯通信機器4の筐体5の背面側を示す図である。図12−2は、携帯通信機器4が置き台60に置かれた様子を示す図である。図12−1に示すように、筐体5の背面側の壁部には、携帯通信機器4の警報発動時に警報音を発するブザー部10が設けられるとともに、警報音を筐体5の外部に放音する放音孔5aが形成されている。
【0092】
携帯通信機器4は、充電する際、充電用の置き台60上に背面側から置かれる。携帯通信機器4が置き台60に置かれている場合は、筐体5の放音孔5aは置き台60によって塞がれ、ブザー部10の動作音が音漏れしづらくなるので、ブザー部10の故障検出を行うタイミングとして好適である。また、携帯通信機器4が充電される場合、ユーザは自宅、職場等の安全な場所に居ると想定できるので、この観点からも、携帯通信機器4が置き台60に置かれている場合は、ブザー部10の故障検出を行うタイミングとして好適である。そこで、実施形態9では、携帯通信機器4が置き台60に置かれている場合に、ブザー部10の故障検出を行う。
【0093】
図12−3は、実施形態9に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。携帯通信機器4は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。図12−3に示すように、携帯通信機器4の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成と比較して、置き台検出部71を更に備えた点で異なっている。
【0094】
置き台検出部71は、携帯通信機器4が置き台60に置かれていることを検出するセンサである。置き台検出部71は、携帯通信機器4が置き台60に置かれていることを検出したら、そのことを表す検出信号を制御部22に出力する。なお、置き台検出部71としては、置き台60によって押圧される機械的なスイッチを用いても良いし、充電のために外部から供給される電源を検出する電気的な回路を用いても良い。
【0095】
図12−4は、ブザー部10の故障検出を行う場合の携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。図12−4を参照すると、まず、制御部22は、ステップS12として、置き台検出部71により、携帯通信機器4が置き台60に置かれているか否かを判定する。
【0096】
制御部22は、ステップS12で携帯通信機器4が置き台60に置かれていると判定したら(Yes)、ステップS14として、ブザー部10の故障検出を行う。また、制御部22は、ステップS12で携帯通信機器4が置き台60に置かれていないと判定したら(No)、処理を終了する。
【0097】
このように、携帯通信機器4が置き台60に置かれている場合にブザー部10の故障検出を行うことにより、ブザー部10の動作音が音漏れしづらく、ブザー部10の動作音を低減することができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0098】
(実施形態10)
続いて、図13を参照して、実施形態10に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態10に係る携帯通信機器の機能の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成(図3参照)と同様である。
【0099】
携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上の場合に、ブザー部10の故障検出を行うことが好ましい。その理由は、ブザー部10の動作音を周囲の音に埋もれさせて目立たなくさせることができるためである。つまり、携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上の場合は、ブザー部10の故障検出を行うタイミングとして好適である。そこで、実施形態10では、携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上の場合に、ブザー部10の故障検出を行う。
【0100】
図13は、ブザー部10の故障検出を行う場合の携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。図13を参照すると、まず、制御部22は、ステップS22として、マイク8により、携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0101】
制御部22は、ステップS22で携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上であると判定したら(Yes)、ステップS24として、ブザー部10の故障検出を行う。また、制御部22は、ステップS22で携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上ではないと判定したら(No)、処理を終了する。
【0102】
このように、携帯通信機器の周囲の音が所定の閾値以上の場合にブザー部10の故障検出を行うことにより、ブザー部10の動作音を周囲の音に埋もれさせて目立たなくさせることができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0103】
(実施形態11)
続いて、図14を参照して、実施形態11に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。実施形態11に係る携帯通信機器の機能の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成(図3参照)と同様である。
【0104】
携帯通信機器は、レシーバ9やスピーカによりキー押下音、効果音、着信メロディ等の音を発生させるときに、ブザー部10の故障検出を行うことが好ましい。その理由は、ブザー部10の動作音をレシーバ9により発生される音に埋もれさせて目立たなくさせることができるためである。つまり、レシーバ9によりキー押下音等の音を発生させるときは、ブザー部10の故障検出を行うタイミングとして好適である。そこで、実施形態11では、携帯通信機器がレシーバ9によりキー押下音等の音を発生させるときに、ブザー部10の故障検出を行う。
【0105】
図14は、ブザー部10の故障検出を行う場合の携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。図14を参照すると、まず、制御部22は、ステップS32として、レシーバ9によりキー押下音、効果音、着信メロディ等の音を発生させるか否かを判定する。
【0106】
制御部22は、ステップS32でレシーバ9により音を発生させると判定したら(Yes)、ステップS34として、レシーバ9により音を発生させるとともに、ブザー部10の故障検出を行う。また、制御部22は、ステップS32でレシーバ9により音を発生させないと判定したら(No)、処理を終了する。
【0107】
このように、レシーバ9により音を発生させるときにブザー部10の故障検出を行うことにより、ブザー部10の動作音をレシーバ9により発生させる音に埋もれさせて目立たなくさせることができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0108】
(実施形態12)
続いて、図15−1及び図15−2を参照して、実施形態12に係る携帯通信機器について説明する。なお、重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明する。
【0109】
図15−1は、実施形態12に係る携帯通信機器の概略構成を示す正面図である。携帯通信機器81は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯通信機器81は、筐体81Cが第1筐体81CAと第2筐体81CBとで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。なお、図15−1は、携帯通信機器81を開いた状態である。
【0110】
第1筐体81CAには、表示部32として、表示パネル6が設けられる。また、図15−1に示すように、第1筐体81CAには、携帯通信機器81の通話時に音声を発するレシーバ9が設けられている。
【0111】
第2筐体81CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー7aが複数設けられ、また、表示パネル6に表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための特定キー7bが設けられる。なお、操作キー7a及び特定キー7bは、携帯通信機器81の操作部28(図15−2参照)を構成する。また、第2筐体81CBには、携帯通信機器81の通話時に音声を受け取るマイク8が設けられる。また、第2筐体81CBには、プルスイッチ部材12が内蔵されており、プルスイッチ部材12には紐体13を介してストラップ14が設けられる。
【0112】
また、第1筐体81CAと第2筐体81CBとは、ヒンジ82で連結されている。これによって、第1筐体81CA及び第2筐体81CBは、ヒンジ82を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向に回動できるように構成される。第1筐体81CAと第2筐体81CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯通信機器81が開き、第1筐体81CAと第2筐体81CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯通信機器81が閉じる。
【0113】
図15−2は、実施形態12に係る携帯通信機器の機能の概略構成を示すブロック図である。携帯通信機器81は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。図15−2に示すように、携帯通信機器81の概略構成は、先に説明した実施形態1に係る携帯通信機器1の概略構成と比較して、開閉検出部83を更に備えた点で異なっている。
【0114】
開閉検出部83は、携帯通信機器81の開閉を検出するセンサである。開閉検出部83は、携帯通信機器81の開閉を検出したら、そのことを表す検出信号を制御部22に出力する。
【0115】
携帯通信機器81が開閉するときには、機械音が発生する。そのため、携帯通信機器81が開閉するときに、ブザー部10の故障検出を行うことが好ましい。その理由は、ブザー部10の動作音を携帯通信機器81の開閉により発生する機械音に埋もれさせて目立たなくさせることができるためである。つまり、携帯通信機器81が開閉するときは、ブザー部10の故障検出を行うタイミングとして好適である。そこで、実施形態12では、携帯通信機器81が開閉するときに、ブザー部10の故障検出を行う。
【0116】
図15−3は、ブザー部10の故障検出を行う場合の携帯通信機器の処理動作の一例を示すフロー図である。図15−3を参照すると、まず、制御部22は、ステップS42として、開閉検出部83により、携帯通信機器81の開閉を検出したか否かを判定する。
【0117】
制御部22は、ステップS42で携帯通信機器81の開閉を検出したと判定したら(Yes)、ステップS44として、ブザー部10の故障検出を行う。また、制御部22は、ステップS42で携帯通信機器81の開閉を検出していないと判定したら(No)、処理を終了する。
【0118】
このように、携帯通信機器81が開閉されたことを検出した場合にブザー部10の故障検出を行うことにより、ブザー部10の動作音を携帯通信機器81の開閉音に埋もれさせて目立たなくさせることができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【0119】
なお、実施形態12では、折り畳み式の携帯通信機器81を適用したが、これに限らない。つまり、携帯通信機器81として、例えば、スライド式やサイクロイド式の携帯通信機器を適用しても良い。そして、開閉検出部83がスライド開閉等を検出し、制御部22が開閉検出部83によりスライド開閉等を検出したときに、ブザー部10の故障検出を行うこととすれば良い。これにより、ブザー部10の動作音を携帯通信機器のスライド開閉音等に埋もれさせて目立たなくさせることができ、ユーザに不安を抱かせることを防ぐことができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
以上のように、本発明にかかるブザー装置は、警報音を発するのに有用である。
【符号の説明】
【0121】
1、2、3、4、81 携帯通信機器
5 筐体
6 表示パネル
7 操作キー
8 マイク
9 レシーバ
10、10a、40、42、44、46、47 ブザー部
11 スイッチ機構
12 プルスイッチ部材
13 紐体
14 ストラップ
22 制御部
24 記憶部
26 通信部
28 操作部
32 表示部
34 スイッチ位置検出部
47a、47b 発音部
60 置き台
61 ヒューズ
62 ブザー
63、65、68 トランジスタ
64、66、69 抵抗
67 コンデンサ
71 置き台検出部
81C 筐体
82 ヒンジ
83 開閉検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の外部へ向けて警報音を発生可能な警報部と、
前記警報部を制御する制御部と、
を備え、
前記警報部は、
一端が第1の電源電位に接続されたヒューズと、
一端が前記ヒューズの他端に接続されたブザーと、
ソース又はドレインの内の一方が前記ブザーの他端に接続され、ソース又はドレインの内の他方が第2の電源電位に接続されたトランジスタと、
前記ブザーと前記トランジスタとの接続点と、前記第2の電源電位と、の間に接続された抵抗と、
を備え、
前記制御部は、前記トランジスタのゲートに印加する駆動信号をオン又はオフにし、前記ブザーと前記トランジスタとの接続点の電位である監視信号に基づいて、前記警報部の故障を判定すること
を特徴とするブザー装置。
【請求項2】
第1操作状態および第2操作状態をとり得る操作部と、
前記操作状態を検出可能な検出部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記検出部で前記操作状態が前記第1操作状態から前記第2操作状態に遷移したことを検出したら、前記駆動信号を周期的にオン/オフさせて、周期的に変化する電流を前記警報部に流すことにより警報を発動させ、前記検出部で前記操作状態が前記第1操作状態にあることを検出しているときに、前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項1に記載のブザー装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオンにし、前記監視信号が前記第1の電源電位レベルであることを検出したら、前記トランジスタが開放故障していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載のブザー装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオフにし、前記監視信号が前記第2の電源電位レベルであることを検出したら、前記ヒューズ又は前記ブザーの少なくとも一方が開放故障しているか、又は、前記トランジスタが短絡故障していると判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項5】
前記ヒューズは、前記ブザーが短絡故障している場合に前記警報部に流れる短絡電流により溶断する容量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記監視信号が異常であることを検出したら、前記駆動信号をオンにして前記警報部に電流を流すことにより、前記ヒューズを溶断させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記監視信号及び前記ヒューズと前記ブザーとの接続点の電位である第2の監視信号に基づいて、前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項1に記載のブザー装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記駆動信号をオフにし、前記監視信号及び前記第2の監視信号が共に前記第2の電源電位レベルであれば前記ヒューズが開放故障していると判定し、前記監視信号が前記第1の電源電位レベル且つ前記第2の監視信号が前記第2の電源電位レベルであれば前記ブザーが開放故障していると判定することを特徴とする請求項7に記載のブザー装置。
【請求項9】
前記警報部は、前記ヒューズと前記ブザーとの接続点と、前記第2の電源電位と、の間に設けられた第2のトランジスタを更に備え、
前記制御部は、前記監視信号が異常であることを検出したら、前記第2のトランジスタのゲートに印加する溶断信号をオンにして前記警報部に電流を流すことにより、前記ヒューズを溶断させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項10】
前記警報部は、
前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、
一端が前記トランジスタのゲートに接続されたコンデンサと、
ソース又はドレインの一方が前記コンデンサの他端に接続され、ソース又はドレインの他方が前記第2の電源電位に接続された第3のトランジスタと、
を更に備え、
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記第3のトランジスタのゲートに印加する監視制御信号をオンにして、前記抵抗及び前記コンデンサをローパスフィルタとして動作させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項11】
前記警報部は、
前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、
一端が前記トランジスタのゲートに接続された第2の抵抗と、
ソース又はドレインの一方が前記第2の抵抗の他端に接続され、ソース又はドレインの他方が前記第2の電源電位に接続された第3のトランジスタと、
を更に備え、
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、前記第3のトランジスタのゲートに印加する監視制御信号をオンにして、前記抵抗及び前記第2の抵抗を分圧回路として動作させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項12】
前記警報部は、
前記制御部の駆動信号出力端子と前記トランジスタのゲートとの間に配置された抵抗と、
前記トランジスタのゲートと前記第2の電源電位との間に直列に配置されたコンデンサと、
を更に備え、
前記制御部は、前記警報部に警報を発動させる場合に、前記抵抗及び前記コンデンサで構成されるローパスフィルタのカットオフ周波数よりも低い周波数の前記駆動信号を出力し、前記警報部の故障を判定する場合に、前記ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高い周波数の前記駆動信号を出力することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項13】
前記警報部は、警報音を発生可能な2つの発音部を備え、
前記制御部は、前記警報部の故障を判定する場合に、2つの前記発音部に逆位相の駆動信号を出力することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項14】
前記筐体には、外部に警報音を放音する放音孔が形成されており、
前記放音孔は、前記操作部が前記第1操作状態である場合に前記操作部によって塞がれ、前記操作部が前記第2操作状態である場合に前記操作部によって塞がれず、
前記制御部は、前記操作部が前記第1操作状態である場合に前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項2〜13のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項15】
前記筐体には、外部に警報音を放音する放音孔が形成されており、
前記筐体は、前記放音孔が設けられた面が置き台に置かれることが可能であり、
前記筐体が前記置き台に置かれていることを検出する置き台検出部を更に備え、
前記制御部は、前記置き台検出部により前記筐体が前記置き台に置かれていることを検出したら前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項16】
前記筐体が開閉可能であり、
前記筐体の開閉を検出する開閉検出部を更に備え、
前記制御部は、前記開閉検出部により前記筐体の開閉を検出したら前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項17】
音を発生する音発生部を更に備え、
前記制御部は、前記音発生部によって音を発生させるときに前記警報部の故障を判定することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表す音を前記音発生部に発生させることを特徴とする請求項17に記載のブザー装置。
【請求項19】
画像を表示する表示部を更に備え、
前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表す画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のブザー装置。
【請求項20】
外部機器と通信可能な通信部を更に備え、
前記制御部は、前記警報部の故障を検出したら、そのことを表すメールを前記通信部により予め設定された宛先に送信させることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のブザー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図9−3】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図12−3】
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【図12−4】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図15−3】
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【公開番号】特開2011−204163(P2011−204163A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73216(P2010−73216)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】