説明

ブラインドのストッパ装置

【課題】ブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換える。
【解決手段】操作者が昇降コード13を操作してブラインド10を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、ブラインド10を停止させるか或いはブラインド10が下降するように構成される。操作者が昇降コード13を引下げる速度の差異により上記挟持位置又は許容位置に切換え可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドの昇降コードの挟持及び解放を切換えることによって、ブラインドの停止及び下降の各動作を順次に行わせるブラインドのストッパ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブラインドのストッパ装置として、昇降コードが挿通するストッパケースと、ストッパケース内を昇降コードの移動方向に移動可能となった移動枠と、移動枠に軸支される挟持ローラと、上記昇降コードの移動方向と直交する方向に相対移動可能に移動枠に支持される切換部材と、ストッパケースに固定される挟持部材とから構成されたブラインドの昇降コードストッパ装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この昇降コードストッパ装置では、ストッパケースに、挟持ローラと噛合可能なローレット部と、挟持ローラを空転可能な切欠部が形成される。挟持ローラがローレット部に噛み合った状態で、昇降コードが移動すると、挟持ローラが回転しかつ昇降コードからの摩擦を受けて、ローレット部に案内され挟持ローラが移動して、移動枠が移動できるようになっている。一方、切換部材には案内カム溝が形成されており、案内カム溝にはストッパケースに嵌め合わされる係合子が挿入される。そして、係合子が案内カム溝に形成された4つの係止部に係止すると、移動枠の移動を規制し、移動枠が昇降コードと一緒に移動できなくなるようになっている。
【0003】
即ち、従来の案内カム溝には、図12に示すように、第1〜第4係止部1〜4が形成される。そして、ブラインド停止時は係合子6が第1係合部1に位置し、その状態で挟持ローラと挟持部材との間で昇降コードを挟み付けて、昇降コードの移動を拘束している。一方、ブラインドの上昇方向に昇降コードを移動させると、昇降コードからの摩擦を受けて、移動枠が移動する。これに伴って、係合子6が第1係合部1から案内カム溝を相対移動して第2係止部2に移動する。この第2係止部2に係合子6が係止されると移動枠の移動が規制されて、昇降コードのみが移動して、ブラインドを上昇できる。次いで、ブラインドの下降方向に昇降コードを移動させると、昇降コードとともに移動枠が移動し、係合子6が第2係止部2から脱出して案内カム溝を相対移動して第3係止部3に到達する。この第3係止部3に係合子6が係止されると移動枠の移動が規制され、昇降コードのみが移動して、ブラインドを下降できる。次に、ブラインドの上昇方向に昇降コードを移動させると、昇降コードとともに移動枠が移動し、係合子6が第3係止部3から脱出して案内カム溝を相対移動し、案内カム溝に形成された更に別の第4係止部4に到達する。この第4係止部4に係合子が係止されると移動枠の移動が規制され、昇降コードのみが移動して、ブラインドを上昇できる。更に、ブラインドの下降方向に昇降コードを移動させると、昇降コードとともに移動枠が移動し、係合子が第4係止部4から脱出して案内カム溝を相対移動し、停止時の第1係止部1に戻り、挟持ローラと挟持部材との間で昇降コードを挟み付けて、昇降コードの移動を拘束するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−76980号公報(明細書[0004]、[0005]、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の特許文献1に示されたブラインドの昇降コードストッパ装置では、案内カム溝と、その案内カム溝に嵌め合わされる係合子との関係によって、停止→上昇→下降→上昇→停止といった動作手順が一義的に決められる。このため、停止から上昇させた後、停止及び上昇を繰返す動作を行わせたい場合にも、上記手順に従って行わなければならない。このため、例えば、通常のブラインドで最下限高さから最上限高さまで上昇させる場合、昇降コードを1回引下げただけでは、最上限高さまでブラインドを上昇させることはできないため、途中で一度昇降コードを停止させた後に再び引下げる引継ぎ操作を行う必要が生じる。この場合、上記従来の動作手順に従わなければならず、引継ぎ操作が煩わしくなるという未だ解決すべき課題が残存していた。
【0006】
本発明の目的は、ブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換えることができるブラインドのストッパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1及び図8〜図10に示すように、操作者が昇降コード13を操作してブラインド10を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、ブラインド10を停止させるか或いはブラインド10が下降するように構成されたブラインドのストッパ装置において、操作者が昇降コード13を引下げる速度の差異により挟持位置又は許容位置に切換え可能に構成されたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、図1、図3及び図7〜図10に示すように、操作者が昇降コード13を操作してブラインド10を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、ブラインド10を停止させるか或いはブラインド10が下降するように構成されたブラインドのストッパ装置において、ヘッドレール12のケース26内のスライダ24が挟持位置で係合子34を係止する挟持部31aとスライダ24が許容位置で係合子34を係止する許容部31eとを有する第1案内カム溝31に、係合子34を一旦停止させるリブ31fが設けられ、スライダ24の移動方向と直交する方向への係合子34の移動を許容する第2案内カム溝32に、係合子34がリブ31fを乗り越えることを許容しない浅溝32aと、係合子34がリブ31fを乗り越えることを許容する深溝32bと、係合子34が浅溝32aから深溝32bに移動する際の移動抵抗を増大させる抵抗増大部32dとが設けられ、操作者が昇降コード13を引下げる速度の差異により挟持位置又は許容位置に切換え可能に構成されたことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、図1、図3及び図7〜図10に示すように、操作者が昇降コード13を操作してブラインド10を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、ブラインド10を停止させるか或いはブラインド10が下降するように構成され、ヘッドレール12に設けられたケース26内のスライダ24が挟持位置で係合子34を係止する挟持部31aとスライダ24が許容位置で係合子34を係止する許容部31eと昇降コード13の素早い引下げ時に係合子34が係止する高速操作係止部31bとを有する第1案内カム溝31がケース26又はスライダ24に設けられ、スライダ24又はケース26の第1案内カム溝31に対向する面にスライダ24の移動方向と直交する方向への係合子34の移動を許容する第2案内カム溝32が設けられたブラインドのストッパ装置であって、第1案内カム溝31が、昇降コード13の素早い引下げ時に係合子34を挟持部31aから高速操作係止部31bに移動させるように案内する第1溝31cと、昇降コード13の素早い引下げ操作を停止したときに係合子34を高速操作係止部31bから挟持部31aに移動させるように案内する第2溝31dとを有し、第1溝31cの途中に形成され挟持部31aから高速操作係止部31bに向う係合子34が高速操作係止部31bの手前で挟持部31aに戻ろうとするとき、第1溝31cを移動する係合子34が許容部31eに係止して、係合子34が第1溝31cを通って挟持部31aに戻ることを阻止し、第2案内カム溝32が、スライダ24の移動方向と略直交する方向に延びる浅溝32aと、浅溝32aと略平行に設けられ浅溝32aより深い深溝32bと、浅溝32aの一端と深溝32bの一端とを連結する連結溝32cと、係合子34が第1溝31c内の許容部31eに対向する位置と浅溝32a内の中央位置とに収容された状態から高速操作係止部31bに移動するまでの間に係合子34の移動抵抗を増大させる抵抗増大部32dとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、第3の観点に基づく発明であって、更に図1、図3及び図7〜図9に示すように、抵抗増大部32dが浅溝32aの長手方向の中央と深溝32bの長手方向の中央とを連結し浅溝32aより浅い連結溝であり、係合子34が抵抗増大部32dを移動するときに移動抵抗が増大するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の観点のストッパ装置では、操作者が昇降コードを素早く引下げた後に、昇降コードの素早い引下げ操作を停止すると、ブラインドは挟持位置に切換えられるため、ブラインドはその位置で停止する。このため昇降コードを再び素早く引下げてもう一度停止させる引継ぎ操作を行うことにより、ブラインドの上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができる。一方、操作者が昇降コードを緩やかに引下げた後に、昇降コードの緩やかな引下げ操作を停止すると、ブラインドが許容位置に切換えられるため、ブラインドはその自重で下降する。このようにブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換えることができる。
【0012】
本発明の第2の観点のストッパ装置では、操作者が昇降コードを素早く引下げると、係合子が抵抗増大部を速やかに通過して高速操作係止部に達するため、操作者による昇降コードの素早い引下げ操作を許容し、昇降コードの引下げ操作を停止すると、係合子が高速操作係止部から挟持部に移動するため、ブラインドが挟持位置に切換えられてその位置で停止する。このため昇降コードを再び素早く引下げてもう一度停止させる引継ぎ操作を行うことにより、ブラインドの上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができる。一方、操作者が昇降コードを緩やかに引下げると、係合子の移動抵抗が抵抗増大部で増大して係合子が抵抗増大部に係止した状態に保たれるので、操作者による昇降コードの緩やかな引下げ操作を許容し、昇降コードの引下げ操作を停止すると、係合子が許容部に移動するため、ブラインドは許容位置に切換えられてその自重で下降する。このようにブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換えることができる。
【0013】
本発明の第3の観点のストッパ装置では、係合子を係止して係合子が挟持部に戻ることを阻止する許容部を第1案内カム溝に設け、係合子が第1溝内の許容部に対向する位置と浅溝内の中央位置とに収容された状態から高速操作係止部に移動するまでの間に係合子の移動抵抗を増大させる抵抗増大部を第2案内カム溝に設けたので、操作者が昇降コードを素早く引下げると、係合子が抵抗増大部を速やかに通過して高速操作係止部に達し、操作者による昇降コードの素早い引下げ操作を許容する。そして昇降コードの引下げ操作を停止すると、係合子が高速操作係止部から挟持部に移動するため、ブラインドが挟持位置に切換えられてその位置で停止する。このため昇降コードを再び素早く引下げてもう一度停止させる引継ぎ操作を行うことにより、ブラインドの上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができる。一方、操作者が昇降コードを緩やかに引下げると、係合子の移動抵抗が抵抗増大部で増大して係合子が抵抗増大部に係止した状態に保たれるので、操作者による昇降コードの緩やかな引下げ操作が許容される。そして昇降コードの引下げ操作を停止すると、係合子が許容部に移動するため、ブラインドは許容位置に切換えられてその自重で下降する。このようにブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換えることができる。
【0014】
本発明の第4の観点のストッパ装置では、抵抗増大部が浅溝の長手方向の中央と深溝の長手方向の中央とを連結し浅溝より浅い連結溝であり、係合子が抵抗増大部を移動するときに移動抵抗が増大するように構成したので、操作者による昇降コードの素早い引下げ中に、係合子が抵抗増大部に達してその移動抵抗が増大しても、係合子が抵抗増大部を速やかに通過して高速操作係止部に達し、上記と同様に引継ぎ操作を行うことにより、係合子は第1案内カム溝の挟持部と許容部を往復移動し、ブラインドの上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができる。一方、操作者による昇降コードの緩やかな引下げ中に、係合子が抵抗増大部に達すると、係合子が抵抗増大部に係止した状態に保たれるので、昇降コードの他端の引下げ力を解除すると、係合子はその抵抗増大部から許容部に移動し、係合子が挟持部に戻ることが阻止される。これにより、ブラインドは下降することができる。このようにブラインドの停止及び下降の各動作を短い手順で切換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明実施形態のストッパ装置において引継ぎ操作を繰返してスクリーンをたくし上げるときの係合子、第1案内カム溝及び第2案内カム溝の動作を示す図3の矢視Aの方向から透視した図である。
【図2】そのスクリーンを下降させるときの係合子、第1案内カム溝及び第2案内カム溝の動作を示す図1に対応する図である。
【図3】昇降コードの素早い引下げ操作中にストッパ装置の係合子が高速操作係止部に位置している状態を示す図5のB−B線断面図である。
【図4】そのストッパ装置が昇降コードを挟持した状態を示す図6のC−C線断面図である。
【図5】昇降コードの素早い引下げ操作中にストッパ装置の係合子が高速操作係止部に位置している状態を示す平面図である。
【図6】そのストッパ装置が昇降コードを挟持した状態を示す平面図である。
【図7】スライダの平面図である。
【図8】図7のD−D線断面図である。
【図9】ケースの蓋を裏返して第1案内カム溝を上側に向けた状態を示す要部斜視図である。
【図10】そのストッパ装置を備えたローマンシェードの斜視図である。
【図11】スクリーンが途中までたくし上げられた状態を示すローマンシェードの斜視図である。
【図12】従来のストッパ装置における案内カム溝の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図10及び図11に示すように、ローマンシェード10は、図示しない固定用ブラケットを介して部屋の壁面や天井に取付けられたヘッドレール12と、このヘッドレール12に上端が取付けられヘッドレール12の長さと略同一の幅を有するスクリーン11と、ヘッドレール12から昇降可能に垂下されてその下端がスクリーン11の下部に連結された昇降コード13とを備える。
【0017】
ヘッドレール12は、アルミニウム合金等の金属の押出し成形又は引抜き成形により作られたレール本体12aと、レール本体12aの両端部に設けられた蓋体12bとを備える。ヘッドレール12の内部空間には、複数(図10及び図11の例では3個)のコード挿通部材14がヘッドレール12の長手方向に間隔をあけて収容される。また、ヘッドレール12の内部空間には、コード挿通部材14の数に相応する本数の昇降コード13が挿通され、これらの昇降コード13の一端部は、対応する所定のコード挿通部材14からスクリーン11の背面に添って垂下される。スクリーン11には上下方向に所定の間隔をあけて複数本の横桿16が取付けられ、ヘッドレール12から垂下された昇降コード13が横桿16と交差するスクリーン11の背面にはコードリング17が取付けられる。このため、スクリーン11の背面にはコードリング17が鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられる。また、スクリーン11の下縁にはウエイトバー18が取付けられる。
【0018】
ヘッドレール12の内部空間に挿通された複数の昇降コード13の他端部は、ヘッドレール12の内部空間を一方(図では左方向)に導かれて、ヘッドレール12の端部に設けられた停止手段であるストッパ装置20に挿通された後、ヘッドレール12の端部から垂下されて操作つまみ19に連結される。ストッパ装置20は、操作つまみ19が設けられた側の昇降コード13の上昇をそれぞれ阻止又は許容するように構成される。そして、ストッパ装置20は、操作つまみ19が設けられた側の昇降コード13を素早く引下げた後に昇降コード13の素早い引下げ操作を停止するとその昇降コード13の上昇が阻止されてブラインド10が停止し、操作つまみ19が設けられた側であって上昇が阻止された昇降コード13を緩やかに引下げた後にこの昇降コード13の緩やかな引下げ操作を停止すると昇降コード13の上昇が許容されてブラインド10が下降するように構成される。ここで、図10及び図11における符号19aは操作つまみ19をスクリーン11の下端に連結する連結紐である。
【0019】
ヘッドレール12に内蔵されて対応する所定のコード挿通部材14から垂下された昇降コード13の一端側は、スクリーン11の背面に鉛直方向に所定の間隔をあけて取付けられた複数のコードリング17に挿通されて鉛直下方に配索された後、スクリーン11の下端に取付けられた最下端のコードリング17に、コード係止部材21を介して連結される。このように構成されたローマンシェード10では、図10に示すようにスクリーン11がその自重及びウエイトバー18の重量で下降すると、ヘッドレール12のコード挿通部材14から垂下されてスクリーン11に連結された側の昇降コード13が下降し、操作つまみ19が設けられた側の昇降コード13を上昇する。一方、操作つまみ19が設けられた側の昇降コード13を引下げると、図11に示すようにスクリーン11に連結された側の昇降コード13が上昇してスクリーン11をたくし上げることができるように構成される。なお、本発明のストッパ装置20は、このようなローマンシェードに限らず、横型ブラインド、プリーツスクリーン等の任意のブラインドに適用することもできる。
【0020】
図3〜図6に示すように、ストッパ装置20は、操作者が操作つまみ19の設けられた側の昇降コード13を操作してローマンシェード10を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、ローマンシェード10を停止させるか或いはローマンシェード10が下降するように構成される。具体的には、ストッパ装置20は、ヘッドレール12に設けられこのヘッドレール12内に配索された複数本の昇降コード13が挿通されるケース26と、ケース26に昇降コード13とともに所定の距離だけ移動可能に設けられた上記スライダ24と、ケース26とスライダ24との間に設けられ挟持位置で昇降コード13を挟持し許容位置で昇降コード13の移動を許容するコード挟持制御手段29と、ケース26に設けられた第1案内カム溝31と、スライダ24の第1案内カム溝31に対向する面に設けられた第2案内カム溝32と、第1案内カム溝31と第2案内カム溝32との間に収容されこれらの溝31,32内を移動する球状の係合子34とを備える。
【0021】
ケース26は、ケース本体27と蓋28とを有する。ケース本体27は上面と両端と両側上部とが開口した略直方体の箱状に形成される。蓋28は、ケース本体27の開口する上面を閉止する蓋本体28aと、蓋本体28aの両側に垂下されケース本体27の両側上部を閉止する一対の蓋用側片28bとからなる。蓋28は第1ピン26a及び第2ピン26bによりケース本体27に固定される(図3〜図6)。スライダ24は略門型に形成され、スライダ用上片24aと、このスライダ用上片24aの両側に垂下された一対のスライダ用側片24b,24bとを有する(図5〜図7)。蓋用側片28bには、蓋28の長手方向に延びる一対のガイド用孔28cがそれぞれ形成され、スライダ用上片24aの両端には一対のガイド用孔28cに摺動可能にそれぞれ挿入される一対のガイド用突起24c,24cが設けられる。これによりスライダ24はケース本体27内を所定の距離だけ昇降コード13の移動方向に移動可能(往復動可能)に構成される。
【0022】
コード挟持制御手段29は、スライダ24の昇降コード移動方向の一端側に回転可能かつ上下動可能に取付けられ外周面に昇降コード13が食い込み可能な歯が形成された歯付きローラ29a(挟持部材)と、蓋28の昇降コード移動方向の一端側の下面に形成され昇降コード13が食い込み可能なアッパ歯部29b(受け部)と、ケース本体27にアッパ歯部29bに対向して形成され昇降コード移動方向の一端側に向うに従って徐々に登る階段状に形成され歯付きローラ29aの歯に噛合可能なロア歯部29c(案内部)とを有する。一対のスライダ用側片24b,24bには鉛直方向に延びる一対の縦孔24dがそれぞれ形成され、これらの縦孔24dに歯付きローラ29aの一対の軸部29d,29dを挿入することにより、歯付きローラ29aが回転可能かつ上下動可能に構成される。なお、図3及び図4の符号24eは昇降コード移動方向の中央で上方に向って突出するように一対のスライダ用側片24b,24b間に掛け渡されたロア突起であり、符号24fは昇降コード移動方向の他端側でスライダ用上片24aの下面から下方に向って突設されたアッパ突起である。これらの突起24e,24fにより昇降コード13が互い違いに挟まれてスライダ24が昇降コード13とともに所定の距離だけ移動するように構成される。また上記突起24e,24fは、ケース26内に挿通された複数本の昇降コード13が互いに絡み合うのを阻止する機能も有する。更に図3〜図6の符号33はケース本体27の昇降コード移動方向の他端側に回転可能に取付けられた受けローラであり、この受けローラ33は昇降コード13を受けてケース27内に案内するように構成される。なお、この実施の形態では、コード挟持制御手段の歯付ローラ(挟持部材)をスライダに設け、アッパ歯部(受け部)をケースに設けたが、コード挟持制御手段の歯付ローラ(挟持部材)をケースに設け、アッパ歯部(受け部)をスライダに設けてもよい。
【0023】
スクリーン11とともにウエイトバー18を下降させる方向、具体的には、図4及び図6に示すように、昇降コード13の一端側を引下げる方向にスライダ24が移動してケース26内の一端部(図4及び図6における右端部)に接近している状態においては、歯付きローラ29aがロア歯部29cによってアッパ歯部29bの方へと押圧されており、挟持部材である歯付きローラ29aと受け部であるアッパ歯部29bとにより昇降コード13が挟持されて、昇降コード13の移動は拘束される。このように、スライダ24の挟持位置(図4及び図6)では、歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13が挟持され、ローマンシェード10のスクリーン11はその高さで停止するように構成される。一方、スクリーン11とともにウエイトバー18を上昇させる方向、即ちスクリーン11に連結された側の昇降コード13を引上げる方向にスライダ24が移動すると、スライダ24は図4及び図6に示す位置から図3及び図5に示す位置に移動する。具体的には、昇降コード13の一端側を引上げる方向にスライダ24が移動して、このスライダ24がケース26内の中央部に位置する。このスライダ24の中央位置(図3及び図5に示すスライダ24の位置)では、挟持部材である歯付きローラ29aが受け部であるアッパ歯部29bから離間してスクリーン11に連結された側の昇降コード13の上昇、即ち操作つまみ19の設けられた側の昇降コード13の下降が許容されるように構成される。
【0024】
一方、上記第1案内カム溝31は蓋28の下面に設けられ、この第1案内カム溝31に係合子34の略上半分が収容される。また上記第2案内カム溝32はスライダ用上片24aの上面に設けられ、この第2案内カム溝32に係合子34の略下半分が収容される。第1案内カム溝31は、図1及び図2に示すように、スライダ24が昇降コード13を挟持する挟持位置(図4及び図6に示すスライダ24の位置)で係合子34を係止する挟持部31a(図1(a))と、スライダ24が操作つまみ19の設けられた側の昇降コード13の上昇(スクリーン11の下降)を許容する許容位置で係合子34を係止する許容部31e(図2(d))と、昇降コード13の他端部の素早い引下げ時に係合子34が係止する高速操作係止部31bと、昇降コード13の他端部の素早い引下げ操作時に係合子34を挟持部31aから高速操作係止部31bに移動させるように案内する第1溝31cと、昇降コード13の他端部の素早い引下げ操作の停止時に係合子34を高速操作係止部31bから挟持部31aに移動させるように案内する第2溝31dとを有する。
【0025】
許容部31eは、第1溝31cの途中に設けられ、挟持位置から高速操作係止位置に向うスライダ24が高速操作係止位置の手前で挟持位置に戻ろうとするとき、第1溝31cを移動する係合子34が許容部31eに係止して、係合子34が第1溝31cを通って挟持部31aに戻ることを阻止するように構成される。換言すれば、第1案内カム溝31は、アッパ歯部29b側の挟持部31aと受けローラ33側の高速操作係止部31bとが第1溝31c及び第2溝31dにより連結され、かつ第1溝31c及び第2溝31dの長手方向中央が互いに離れて幅広に構成される。また挟持部31aはアッパ歯部29bに向って昇降コード13の長手方向に直線状に延びて設けられ、高速操作係止部31bは第1溝31c及び第2溝31dが受けローラ33に向うに従って互いに次第に近付き第1溝31c及び第2溝31dの合流部分に設けられる。第1案内カム溝31の中央には、昇降コード13の長手方向に対して略45度の方向に延びかつ高さが蓋本体28aの裏面と同一である土手部31gが設けられ、この土手部31gにより第1案内カム溝31が第1溝31c及び第2溝31dに分離される。更に許容部31eは土手部31gの長手方向に対して略直角方向であって土手部31gから所定の距離だけ離れた位置に設けられる。この許容部31eを設けることにより第1溝31cの幅が部分的に拡げられる。なお、土手部31gの高速操作係止部31b側の端部から土手部31gの長手方向に対して略直角方向に第1溝31c内に延びてリブ31fが設けられる。このリブ31fは挟持部31aから高速操作係止部31bに向う係合子34を一旦停止させる機能を有する。
【0026】
一方、第2案内カム溝32はスライダ24の移動方向と略直交する方向への係合子34の移動を許容するように構成される。即ち、第2案内カム溝32は、スライダ24の移動方向と略直交する方向に延びる浅溝32aと、浅溝32aと略平行に設けられ浅溝32aより深い深溝32bと、浅溝32aの一端と深溝32bの一端とを連結する連結溝32cと、係合子34が浅溝32aから深溝32bに移動する際の移動抵抗を増大させる抵抗増大部32dとを有する。浅溝32aは係合子34がリブ31fを乗り越えることを許容しない深さに設定され、深溝32bは係合子34がリブ31fを乗り越えることを許容する深さに設定される。抵抗増大部32dは浅溝32aの長手方向の中央と深溝32bの長手方向の中央とを連結し浅溝32aより浅い連結溝であり、係合子34が抵抗増大部32d移動するときに移動抵抗が増大するように構成される。即ち、第1案内カム溝31の深さ、リブ31fの高さ及び抵抗増大部32dの深さは、係合子34が第1溝31c内でリブ31fに接した状態で抵抗増大部32dを通過するときに移動抵抗が増大するようにそれぞれ設定される。具体的には、第1案内カム溝31の深さD1と浅溝32aの最深部の深さD2との合計は、係合子34の直径dより大きく設定され、第1案内カム溝31の深さD1からリブ31fの高さHを引いた値と抵抗増大部32dの深さD3との合計は、係合子34の直径より小さく設定される(図8及び図9)。また(D1+D4)/d=1.4〜1.8、好ましくは1.5〜1.7の範囲に設定される。(D1+D4)/d=1.4〜1.8の範囲に設定したのは、抵抗増大部32dで係合子34に適度な移動抵抗を与えるためである。更に第1案内カム溝31の深さD1からリブ31fの高さHを引いた値と深溝32bの深さD4との合計は、係合子34の直径より大きく設定される。
【0027】
なお、高速操作係止部31bに係止した係合子34の中心を通りかつ昇降コード13に平行な直線は、土手部31gの高速操作係止部31bに近い端面角部を通りかつ昇降コード13に平行な直線より第2溝31d側に位置するように構成される。これにより昇降コード13の素早い引下げ時に高速操作係止部31bに係止していた係合子34が、昇降コード13の操作を停止してその引下げ力を解除したときに、第2溝31dを通って挟持部31aに戻るように構成される。また抵抗増大部32dに係止した係合子34の中心を通りかつ昇降コード13に平行な直線は、挟持部31aと許容部31eを連結する角部を通りかつ昇降コード13に平行な直線より第1溝31a側に位置するように構成される。これにより昇降コード13の緩やかな引下げ時に抵抗増大部32dに係止していた係合子34が、昇降コード13の操作を停止してその引下げ力を解除したときに、第1溝31aを通って許容部31eに至るように構成される。更に昇降コード13の素早い引下げ操作(高速操作)とは、昇降コード13を70〜100cm/秒の範囲内の速度で引下げる操作をいい、昇降コード13の緩やかな引下げ操作(低速操作)とは、昇降コード13を0cm/秒を越え30cm/秒未満の範囲内の速度で引下げる操作をいう。昇降コード13の高速操作時の引下げ速度を100cm/秒を越えると昇降コード13やスライダ24等に大きな力が作用してこれらを損傷するおそれがあるからである。
【0028】
このように構成されたストッパ装置20の動作を説明する。図4及び図6に示すように、スライダ24がケース26内の一端部(図4及び図6における右端部)に接近している状態においては、歯付きローラ29aがロア歯部29cによってアッパ歯部29bの方へと押圧されており、歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13が挟持されて、昇降コード13の移動は拘束される。従って、ローマンシェードのスクリーン11はその高さで停止している。このように、スライダ24が挟持位置では、図1(a)に示すように、係合子34は、第1案内カム溝31の挟持部31aに係止される。
【0029】
図4及び図6の状態から、ローマンシェードのスクリーン11を上昇させる場合には、操作部である昇降コード13の他端を素早く引下げる。これにより、図4及び図6中、昇降コード13は左側へと移動する。昇降コード13の移動に追随して、スライダ24が移動する。これに伴って、相対的に係合子34は、挟持部31aを出発して第1溝31c内を移動し、高速操作係止部31bに向う。このとき、係合子34は第1溝31cに形成された抵抗増大部32dに達し、係合子34の許容部31eに対向する位置(第1溝31c内で土手部31g及びリブ31fに接する位置)から高速操作係止部31bまでの移動抵抗が増大する(図1(b)〜図1(d))。具体的には、係合子34の下部が第1溝31c内で土手部31g及びリブ31fに接した状態で、スライダ24の移動に伴って係合子34の上部が浅溝32aから抵抗増大部32dを通って深溝32bに相対的に移動する。このとき係合子34に適度な移動抵抗が与えられる。しかし、昇降コード13を素早く引下げると、係合子34はその抵抗増大部32dを通過して高速操作係止部31bにまで移動する(図1(e))。
【0030】
係合子34が高速操作係止部31bに到達すると、それ以上のスライダ24のケース26に対する移動は規制されて、図3及び図5に示す状態となる。この状態では、歯付きローラ29aがアッパ歯部29bから離間するため、もはや歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13は挟持されておらず、昇降コード13が解放される。そこで、昇降コード13の他端を引下げる操作の継続が可能となり、その操作を継続することにより、即ち昇降コード13の引継ぎ操作を行うことにより、昇降コード13はロア突起24eとアッパ突起24fとの間を通り抜けて、昇降コード13の一端が上昇させられて、スクリーン11は上昇する。
【0031】
次に、昇降コード13の他端の引下げ力を解除すると、スクリーン11及びウエイトバー18の自重によって、昇降コード13は図3及び図5中、右側へと移動する。このため、昇降コード13を互い違いに挟むロア突起24e及びアッパ突起24fによって、昇降コード13とともにスライダ24が移動する。これに伴って、図1(f)に示すように、相対的に係合子34が高速操作係止部31bを出発し、第2溝31dを通って再び挟持部31aへと向い、スライダ24は、昇降コード13とともに右端へと移動する。このとき係合子34は深溝32bから連結溝32cを通って浅溝32aに移動する(図1(f)〜図1(h))。これにより、図4及び図6に示すように、歯付きローラ29aがロア歯部29cによって右端へと向うに従いアッパ歯部29bに接近するように上昇し、歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13が挟持される。このため、昇降コード13の移動は拘束され、スクリーン11は停止することになる。以上の動作、即ち、昇降コード13の他端における操作部を引下げる操作により、係合子34は、図1(a)〜図1(i)で示す順序で相対的に第1案内カム溝31の挟持部31aと高速操作係止部31bを往復移動し、スクリーン11の上昇、停止、上昇、停止を繰返すことができる。
【0032】
次に、ローマンシェードのスクリーン11の下降をさせる場合について説明する。図4及び図6の状態から、操作部である昇降コード13の他端を緩やかに引下げる。これにより、図4及び図6中、昇降コード13は左側へと移動し、昇降コード13の移動に追随して、スライダ24が移動する。これに伴って、相対的に係合子34が挟持部31aを出発して第1溝31cを移動し、高速操作係止部31bに向う。そして、係合子34が第1溝31cに形成された抵抗増大部32dに達した状態(図2(b))では、歯付きローラ29aがアッパ歯部29bから離間して、昇降コード13が解放された状態となる。また、その係合子34が抵抗増大部32dに達すると、係合子34の許容部31eに対向する位置から高速操作係止部31bまでの移動抵抗が増大する。この状態で昇降コード13を緩やかに引下げ続けると、係合子34が抵抗増大部32dに係止したまま、スクリーン11が緩やかに上昇する。
【0033】
この状態で、操作者が昇降コード13の他端の緩やかな引下げ操作を停止して昇降コード13の他端の引下げ力を解除する。すると、スクリーン11及びウエイトバー18の自重によって、昇降コード13は右側へ移動しようとするけれども、挟持位置から高速操作係止位置に向うスライダ24が高速操作係止位置の手前で挟持位置に戻ろうとすることになり、図2(c)に示すように、第1溝31c内の係合子34は許容部31eに移動し、その係合子34はその許容部31eに係止され(図2(d))、第1溝31cを介してその係合子34が挟持部31aに戻ることが阻止される。これにより、それ以上のスライダ24のケース26に対する移動は規制される。この状態では、歯付きローラ29aがアッパ歯部29bから離間するため、もはや歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13が挟持されておらず、昇降コード13は解放されており、スクリーン11及びウエイトバー18の自重によって、昇降コード13の一端は下降し、スクリーン11は下降する。
【0034】
スクリーン11が下降している状態から、昇降コード13の他端を素早く少し引下げた後、その力を解除すると、最初に昇降コード13は左側へと移動して、昇降コード13の移動に追随してスライダ24が移動して、相対的に係合子34が許容部31eを出発して、図1(e)の高速操作係止部31bに達する。次いで、その力を解除した段階で昇降コード13は右側へと移動し、昇降コード13の移動に追随してスライダ24が移動し、相対的に係合子34が挟持部31aへと向い、スライダ24は、昇降コード13とともに右端へと移動する。これにより、図4及び図6に示すように歯付きローラ29aがロア歯部29cによって右端へと向うに従いアッパ歯部29bに接近するように上昇し、歯付きローラ29aとアッパ歯部29bとにより昇降コード13を挟み付ける。このため、昇降コード13の移動は拘束され、スクリーン11は停止する。以上の動作、即ち、昇降コード13を緩やかに引下げた後にその引下げ力を解除することにより、係合子34を許容部31eに係止させて、スクリーン11を下降させることができる。そして、スクリーン11を下降させている途中で昇降コードを素早く引下げる操作を行うと、スクリーン11を上昇させることもでき、その途中でスクリーン11を停止させることもできる。
【0035】
なお、この実施の形態では、ケースに第1案内カム溝を設け、スライダに第2案内カム溝を設け、第1案内カム溝と第2案内カム溝との間に係合子を収容したが、ケースに第2案内カム溝を設け、スライダに第1案内カム溝を設け、第2案内カム溝と第1案内カム溝との間に係合子を収容してもよい。また、この実施の形態では、係合子が球状である場合を説明したが、この係合子はピン部を有する円柱状物、即ち略独楽形状のものであってもよい。この場合であっても、係合子が第1溝の途中の抵抗増大部から高速操作係止部まで移動するときの移動抵抗を増大させることができる。
【符号の説明】
【0036】
10 ローマンシェード(ブラインド)
12 ヘッドレール
13 昇降コード
20 ストッパ装置
24 スライダ
26 ケース
31 第1案内カム溝
31a 挟持部
31b 高速操作係止部
31c 第1溝
31d 第2溝
31e 許容部
31f リブ
32 第2案内カム溝
32a 浅溝
32b 深溝
32c 連結溝
32d 抵抗増大部
34 係合子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者が昇降コード(13)を操作してブラインド(10)を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、前記ブラインド(10)を停止させるか或いは前記ブラインド(10)が下降するように構成されたブラインドのストッパ装置において、
前記操作者が前記昇降コード(13)を引下げる速度の差異により前記挟持位置又は許容位置に切換え可能に構成された
ことを特徴とするブラインドのストッパ装置。
【請求項2】
操作者が昇降コード(13)を操作してブラインド(10)を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、前記ブラインド(10)を停止させるか或いは前記ブラインド(10)が下降するように構成されたブラインドのストッパ装置において、
ヘッドレール(12)のケース(26)内のスライダ(24)が前記挟持位置で係合子(34)を係止する挟持部(31a)と前記スライダ(24)が前記許容位置で前記係合子(34)を係止する許容部(31e)とを有する第1案内カム溝(31)に、前記係合子(34)を一旦停止させるリブ(31f)が設けられ、
前記スライダ(24)の移動方向と直交する方向への前記係合子(34)の移動を許容する第2案内カム溝(32)に、前記係合子(34)が前記リブ(31f)を乗り越えることを許容しない浅溝(32a)と、前記係合子(34)が前記リブ(31f)を乗り越えることを許容する深溝(32b)と、前記係合子(34)が前記浅溝(32a)から前記深溝(32b)に移動する際の移動抵抗を増大させる抵抗増大部(32d)とが設けられ、
前記操作者が前記昇降コード(13)を引下げる速度の差異により前記挟持位置又は許容位置に切換え可能に構成された
ことを特徴とするブラインドのストッパ装置。
【請求項3】
操作者が昇降コード(13)を操作してブラインド(10)を挟持位置又は許容位置に切換えることにより、前記ブラインド(10)を停止させるか或いは前記ブラインド(10)が下降するように構成され、ヘッドレール(12)に設けられたケース(26)内のスライダ(24)が前記挟持位置で係合子(34)を係止する挟持部(31a)と前記スライダ(24)が前記許容位置で前記係合子(34)を係止する許容部(31e)と前記昇降コード(13)の素早い引下げ時に前記係合子(34)が係止する高速操作係止部(31b)とを有する第1案内カム溝(31)が前記ケース(26)又は前記スライダ(24)に設けられ、前記スライダ(24)又は前記ケース(26)の前記第1案内カム溝(31)に対向する面に前記スライダ(24)の移動方向と直交する方向への前記係合子(34)の移動を許容する第2案内カム溝(32)が設けられたブラインドのストッパ装置であって、
前記第1案内カム溝(31)が、
前記昇降コード(13)の素早い引下げ時に前記係合子(34)を前記挟持部(31a)から前記高速操作係止部(31b)に移動させるように案内する第1溝(31c)と、
前記昇降コード(13)の素早い引下げ操作を停止したときに前記係合子(34)を前記高速操作係止部(31b)から前記挟持部(31a)に移動させるように案内する第2溝(31d)とを有し、
前記第1溝(31c)の途中に形成され前記挟持部(31a)から前記高速操作係止部(31b)に向う前記係合子(34)が前記高速操作係止部(31b)の手前で前記挟持部(31a)に戻ろうとするとき、前記第1溝(31c)を移動する前記係合子(34)が前記許容部(31e)に係止して、前記係合子(34)が前記第1溝(31c)を通って前記挟持部(31a)に戻ることを阻止し、
前記第2案内カム溝(32)が、
前記スライダ(24)の移動方向と略直交する方向に延びる浅溝(32a)と、
前記浅溝(32a)と略平行に設けられ前記浅溝(32a)より深い深溝(32b)と、
前記浅溝(32a)の一端と前記深溝(32b)の一端とを連結する連結溝(32c)と、
前記係合子(34)が前記第1溝(31c)内の前記許容部(31e)に対向する位置と前記浅溝(32a)内の中央位置とに収容された状態から前記高速操作係止部(31b)に移動するまでの間に前記係合子(34)の移動抵抗を増大させる抵抗増大部(32d)とを有することを特徴とするブラインドのストッパ装置。
【請求項4】
抵抗増大部(32d)が浅溝(32a)の長手方向の中央と深溝(32b)の長手方向の中央とを連結し前記浅溝(32a)より浅い連結溝であり、係合子(34)が前記抵抗増大部(32d)を移動するときに移動抵抗が増大するように構成された請求項3記載のブラインドのストッパ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−196320(P2010−196320A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40982(P2009−40982)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】