説明

ブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造

【課題】ブラインド内蔵型多重ガラスサッシにおいて、ブラインドを窓ガラス間の制約された空間部にも容易に取り付けできるようにする。
【解決手段】受け金具20の一方のリム20aに係止突部20dを設ける。他方のリム20bに切り欠き片20eを設け、該切り欠き片20eとボス部20fの内周面にめねじ孔を開設する。他方のリム20bに第1係止片20gを設ける。ヘッドボックス21の一方のリム21aをクランク状に折曲し、その上部外側に収容凹部44を設ける。他方のリム21bに第2係止片21dを設ける。リム21aの上部をリム20aの内側へ平行に差し込む。係止突部20dを収容凹部44内に嵌合し、第2係止片21dを第1係止片20gの上部に係止する。受け金具20のめねじ孔にリム20bの外側より止めねじ46をねじ込む。止めねじ46の先端をリム21aの上部内側に押圧することにより、ブラインド8を空間部7に取り付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ内部に離間して配置される複数枚の窓ガラスの間にブラインドを内蔵したブラインド内蔵型多重ガラスサッシであって、詳しくはサッシの上部から窓ガラスの間にブラインドを吊り下げるブラインド取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サッシ内部に複数枚の窓ガラスを室内外に配置した多重ガラスサッシにあっては、両窓ガラスを隔てる空間部にブラインドを内蔵したブラインド内蔵型の多重ガラスサッシがある。複数枚の窓ガラスの間隔と両窓ガラスに挟まれた空間部には寸法的な制約があり、特にブラインドを空間部に後付けする場合にはこの寸法の制約が作業を困難にしている。
【0003】
この対策として、サッシの左右いずれかの縦枠上部に、ブラインド上部のヘッドボックスの断面形状と同形の切欠部を開設し、サッシの上枠には、操作片と一対の張り出し片と係止片とを一体に有する受け金具を支軸回りに回動自在に軸支して、一対の張り出し段部をサッシの上枠から垂設し、前記縦枠の切欠部にヘッドボックスの一側端部を挿入し、サッシの上枠上面から上枠の側方へ突出する操作片を支軸回りに90度回動させ、該操作片の回動により、ヘッドボックスの長さ方向に位置していた一対の張り出し段部をヘッドボックスの幅方向に回動させて、該張り出し段部をヘッドボックスの室内外位置に対向するリム上縁に設けた爪片の下側に位置させることによりヘッドボックスを一対の張り出し段部にて吊持し、前記係止片の先端をヘッドボックスの一方の爪片の下面に係止して操作片を固定するブラインドの取り付け構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−51494号公報(第5,第6頁、図4,図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1では、ヘッドボックスの長手方向の取り付け位置を規制する手段がなく、したがってブラインド全体が所定の取り付け位置から一側方または他側方へ偏って取り付けされてしまう虞がある。また特許文献1は、操作片と張り出し段部及び係止片とが一体となった特殊形状の受け金具を用いるために、多重ガラスサッシの製品価格を押し上げることとなり不利である。
さらに、特許文献1のブラインド取り付け構造は、受け金具の操作片がヘッドボックスの一方の爪片と、同じく受け金具の張り出し段部が爪片とそれぞれ係止されるだけであるから、ブラインドのスラットが室内外方向へ開閉したり窓ガラス間の空間部を昇降する際の振動によってこれらの係合が緩み、操作片や張り出し段部がヘッドボックスの爪片から外れて、ブラインドが受け金具から落下してしまう虞を免れない。
【0006】
本発明は、かかる実情を背景にしてなされたもので、その目的とするところは、窓ガラス間の制約された空間部にもブラインドを容易に取り付けでき、また取り付け後にはブラインドの振動にも取り付け状態をよく保つことのできるブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造を安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明のブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド吊り下げ構造は、矩形のサッシ内部に所定の空間部を置いて複数枚の窓ガラスを室内外に並設し、前記空間部に複数枚のスラットを備えたブラインドを内蔵したブラインド内蔵型多重ガラスサッシであって、室内外に対向する一対のリムと、両リムの下縁間をつなぐウェブとを有するヘッドボックスを前記ブラインドの上部に設け、室内外に対向する一対のリムと、両リムの上縁間をつなぐウェブとを有する受け金具を前記サッシの上部枠下側に取付け、該受け金具に前記ヘッドボックスを係着して、前記ブラインドを吊持するブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造において、前記受け金具のリムのいずれか一方にめねじ孔を開設するとともに、該一方のリムの下側を外側に折曲して第1係止片となし、前記受け金具の他方のリムの内側に係止突部を設け、前記ヘッドボックスのリムのいずれか一方を内側へクランク状に折曲して、該一方のリムの上部を前記受け金具の他方のリムの内側へ平行に差し込むとともに、前記ヘッドボックスの一方のリムの上部外側に前記受け金具の係止突部を囲繞する収容凹部を設けて、該収容凹部に係止突部を収容し、前記ヘッドボックスの他方のリムの上部を内側に折曲して第2係止片となし、該第2係止片を前記受け金具の第1係止片に係止し、前記受け金具のめねじ孔に該受け金具の外側より止めねじをねじ込んで、該止めねじの先端を前記ヘッドボックスの一方のリムの上部内側に押圧せしめたことを特徴としている。
【0008】
本発明のめねじ孔は、ヘッドボックスの他方のリムの一部を切り欠いて、一方のリム側へ平行に位置させた切り欠き片に開設してもよく、また、めねじ孔を、切り欠き片から一方のリム側へ膨出させたボス部の内周面に形成することもできる。
【0009】
一方のリム側の収容凹部と受け金具側の係止突部との嵌め込みにより、ヘッドボックスをその長さ方向において所定の取り付け位置に位置決めする。
ヘッドボックスを取り付け金具に固定するための要となる止めねじは、その先端をヘッドボックスの一方のリムの上部内側に押圧させるため、一方のリムから受ける反力が止めねじに緩み止め力として作用し、めねじ孔にねじ込んだ止めねじを緩み止めしてねじ込み状態を確実に維持する。さらに、止めねじの先端が一方のリムの上部内側を緩みなく押圧することにより、一方のリムの上部外側に設けた収容凹部と受け金具側の係止突部との嵌め込み状態を良好に維持する。
【0010】
また、ヘッドボックスの他方のリムの一部を切り欠いて、一方のリム側へ平行に位置させた切り欠き片にめねじ孔を開設することにより、めねじ孔の位置が空間部側に位置することにより、めねじ孔に止めねじをねじ込んだ際に、他方のリムの外側へ位置する止めねじの頭部の突出量が小さくなる。これにより、窓ガラス間の空間部の幅を必要最小限に抑えたり、他方のリム側に配置される窓ガラスの自由度が向上する。
さらに、このめねじ孔を、他方のリムの切り欠き片から一方のリム側へ膨出させたボス部の内周面に形成することにより、めねじ孔に止めねじを螺着するための必要な長さを確保できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド吊り下げ構造によれば、室内外の窓ガラスの間の制約された空間部にもブラインドを短時間で容易に取り付けすることができる。また、一方のリム側の収容凹部と受け金具側の係止突部との嵌め込みにより、ヘッドボックスをその長さ方向において所定の取り付け位置へ容易に位置決めできる。また、特許文献1のように特殊な部品を用いる必要がなく、構成が単純であるから安価に提供することができる。
さらに、ブラインドの取り付け後には、取り付けの要となる止めねじがヘットボックスの一方のリムを押圧して反力を受けるため、この反力が止めねじの緩め止めとなり、スラットが室内外方向へ開閉したり窓ガラス間の空間部を昇降する際の振動を受けても、ブラインドの取り付け状態をよく保つことができる。
【0012】
また、止めねじ用のめねじ孔を、受け金具の他方のリムの一部を切り欠いて、一方のリム側へ平行に位置させた切り欠き片に開設することにより、他方のリムの外側へ位置する止めねじの頭部の突出量が小さくなり、窓ガラス間の空間部の幅を必要最小限に抑えたり、他方のリム側に配置される窓ガラスを設置する際の自由度が向上する。
さらに、切り欠き片のめねじ孔を、切り欠き片から一方のリム側へ膨出させたボス部の内周面に形成することにより、めねじ孔に止めねじを螺着するための必要な長さを充分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一形態例を示す受け金具とヘッドレールとの連結部分の拡大断面側面図である。
【図2】本発明の一形態例を示す室内側から見た多重ガラスサッシの立面図である。
【図3】本発明の一形態例を示す多重ガラスサッシの断面側面図である。
【図4】本発明の一形態例を示す多重ガラスサッシの断面平面図である。
【図5】本発明の一形態例を示す室内側から見た多重ガラスサッシ右上部の拡大断面立面図である。
【図6】本発明の一形態例を示す室内側から見た多重ガラスサッシ右上部の拡大断面平面図である。
【図7】本発明の一形態例を示す受け金具とヘッドレールとの連結部分の拡大断面立面図である。
【図8】本発明の一形態例を示す受け金具とヘッドレールとの連結部分の拡大断面平面図である。
【図9】本発明の一形態例を示す左側枠上部の断面側面図である。
【図10】本発明の一形態例を示すスライダ近傍の立面図である。
【図11】本発明の一形態例を示す図10のXI−XI断面図である。
【図12】本発明の一形態例を示す図10のXII−XII断面図である。
【図13】本発明の一形態例を示すスライダ本体近傍を内側から見た立面図である。
【図14】本発明の一形態例を示すチルト操作ダイヤル近傍の立面図である。
【図15】本発明の一形態例を示すチルト操作ダイヤル近傍の断面立面図である。
【図16】本発明の一形態例を示すチルト操作ダイヤル近傍の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図16に示す本形態例の多重ガラスサッシ1は、建物の窓用開口部(図示しない)に組み込み固定される外枠2と、該外枠2内に室内が手方向へ回動可能に配置されるサッシ本体3とからなっている。サッシ本体3は、前記外枠2の内部にシールパッキンを介して液密に収容される内枠4と、該内枠4の内部に組み付け固定される室内側ガラス5及び室外側ガラス6と、これら室内外のガラス5,6の間に画成される空間部7と、該空間部7に昇降時材に配置される遮光用のブラインド8とを備えたブラインド内蔵型で、サッシ本体3の室内側に別製のブラインドを配置することがむずかしい、例えば浴室やキッチン等で採光とプライバシーの双方を確保するのに適している。
【0015】
サッシ本体3の内枠4は、上枠4aと下枠4b及び左右の側枠4c,4dとを、アルミ押出成形で形成された多数の型材を内外に組み合わせして縦長の矩形に構成されている。図1に示すように、内枠4の室内側には室内側レール4eが周設されており、該室内側レール4eの内側に、一枚の板ガラスを用いた前述の室内側ガラス5がシールパッキン10を用いて液密に固着されている。内枠4の室外側には、室外側レール4fと中間レール4gとが若干の間隔をおいて周設されており、これら両レール4f,4gの間に二枚の板ガラスを用いた前述の室外側ガラス6がシールパッキン11を用いて液密に固着されている。
【0016】
図2に示すように、右側枠4dの室内側上下には、ブラインド用のスライダ12とチルト操作ダイヤル13とが設けられており、前記ブラインド8は、スライダ12を上下方向へスライド操作することによって昇降し、またチルト操作ダイヤル13を回動操作することによってブラインド8のスラット14が室内外方向へ開閉するようになっている。
下枠4dの室内側ほぼ中央にはサッシ本体用の開閉操作レバー15が設けられており、前記サッシ本体3は、開閉操作レバー15の回転により上枠4a及び下枠4bから上下方向へ突出する支軸(図示しない)を支点に室外方向へ開閉できるようなっている。
【0017】
図1〜図4に示すように、ブラインド8は、受け金具20を用いて上枠4aの下側に固着されるヘッドボックス21と、該ヘッドボックス21を通して前記空間部7に垂設される4本のラダーコード22及び2本の昇降コード23と、これらコード22,23の下端に固着されるボトムレール24と、該ボトムレール24及び前記ヘッドボックス21との間でラダーコード22に支持される複数枚の前記スラット14と、該スラット14及びボトムレール24を操作する前記スライダ12及びチルト操作ダイヤル13とを備えている。
【0018】
図1,2及び図5,6に示すように、ヘッドボックス21の内部の上下には、ラダーコード用の回転機構25と昇降コード23とが配設されている。回転機構25は、サッシ本体3側に取り付けられ、軸端25dを右側枠4dの内部空間に突出して配設される駆動側機構25aと、ヘッドボックス21の内部で軸受けブロック26,26に支持される従動側機構25bとがスラット装置25cにより連結されている。
右側枠4dの内部空間に突出する駆動側機構25aの軸端25dには伝動コード30の中間部が懸装され、該伝動コード30は右側枠4dの内部空間を垂下して、その両端が前記チルト操作ダイヤル13と連動する一対のラック31,31に連結されている。
【0019】
従動側機構25bは、六角棒を用いた回転軸32がヘッドボックス21の長手方向に沿って横架され、該回転軸32に軸着したスペーサ33,33の両端がそれぞれ軸受けブロック26に軸支されている。スペーサ33には、軸受けブロック26の開口部よりヘッドボックス21の内部に取り込まれたラダーコード22が懸装され、スペーサ33が回転軸32と一体に回転することにより、スラット14の両端に位置するラダーコード22のいずれか一方が上昇または下降し、他方がこれと反対方向へ移動して、ラダーコード22が室内方向または室外方向へ開閉する。
【0020】
各昇降コード23は、軸受けブロック26の開口部を通してヘッドボックス21の内部に取り込まれ、さらに軸受けブロック26と右側枠4dの内部空間上部に軸支されるガイドローラ34,35を通して2本一緒になって右側枠4dの内部空間を下降し、前記スライダ12と一体のガイドローラ12jを懸回したのち右側枠4dの内部空間を上昇し、その端部が側枠4dのガイドローラ35近傍に係着されている。
【0021】
図2,図10〜図16に示すように、右側枠4dの室内側面には、やや幅広のスリット36が縦方向に開設されており、このスリット36の中間部あたりに、ブラインド昇降用のスライダ12が昇降可能に設けられ、またスリット36の下端にスラット開閉用のチルト操作ダイヤル13が固設されている。
スライダ12は、右側枠4dの任意の高さにとどまって、ブラインド8の昇降状態を確保するロック機能付きで、右側枠4dの内部空間に収容され、その一部がスリット36から右側枠4dの室内側へ突出して設けられる縦長のスライダ本体12aと、該スライダ本体12aの突出部と右側枠4dの室内側で嵌合するカバー12bと、該カバー12b及びスライダ本体12aの間に位置し、カバー12bからスライダ本体12aへ突出するガイドバー12c,12cに上下方向の移動をガイドされる一対のプッシュロッド12d,12dと、ガイドバー12c,12cの内側に位置し、スライダ本体12aに支軸12eを用いて回転自在に軸支される転動ローラ12f,12fと、両転動ローラ12f,12fの間でスライダ本体12aに支軸12gを用いて回転自在に軸支されるロックレバー12h,12hと、プッシュロッド12d,12dの内端近傍に突出するロックレバー12h,12hの作用腕12h1,12h1間に縮設されるコイル状のリターンスプリング12iと、スライダ本体12aの上端に回転自在に軸支される前述のガイドローラ12jとを備えている。
【0022】
各ロックレバー12hは、作用腕12h1とブレーキ片12h2とをL字状に連ねて形成されており、スライダ本体12aに上下逆向きに配設されている。ロックレバー12h,12hにはリターンスプリング12iからの弾発力が常時作用しており、これらロックレバー12h,12hをそれぞれ支軸12g回りに作用方向へ回動させて、それぞれのブレーキ片12h2,12h2を右側枠4dの仕切壁4hに圧接させるとともに、作用腕12h1,12h1を介してプッシュロッド12d,12dを外方向へ弾発し、該プッシュロッド12d,12dの外端をスライダ本体12aの上下に突出させている。
プッシュロッド12d,12dの外端がスライダ本体12aの上下に突出する上述の状態では、ロックレバー12h,12hのブレーキ片12h2,12h2が右側枠4dの仕切壁4hに強く圧接しているため、スライダ12は右側枠4dの任意の高さに固定され、ブラインド8の昇降位置が保持される。
【0023】
また、プッシュロッド12d,12dの外端をスライダ本体12aの内部に押し込むと、ロックレバー12h,12hのそれぞれがリターンスプリング12iの弾発力に抗して支軸12g回りに反作用方向へ回動し、ブレーキ片12h2,12h2が仕切壁4hから離間する。これにより、スライダ12の昇降が可能となり、ブラインド8の昇降状態を変更することができる。
【0024】
前記チルト操作ダイヤル13は、右側枠4dの内部空間に固定される保持枠40aにツマミ41が室内側へ突出して設けられ、該ツマミ41の内端にピニオン42が固着されている。保持枠40bの内部では、伝動コード30,30に連結された前述のラック31,31がピニオン42の両側に歯合しており、ツマミ41を操作してピニオン42が左右いずれかに回転するとラック31,31が上下反対方向へ移動し、これらにつながる伝動コード30,30を同じく上下逆方向へ移動させて、駆動側機構25aの軸端25dを左右いずれかに回転させ、さらに従動側機構25bの回転軸32を同方向へ回転させて、ラダーコード22を室内方向または室外方向へ開閉する。
【0025】
図1に示すように、前記受け金具20は、室内外に対向する一対のリム20a,20bと、両リム20a,20bの上縁間をつなぐウェブ20cとを有し、室内側に配設される一方のリム20aには、内側へ突出する係止突部20dがハーフピアス等によって形成されている。室外側に配設される他方のリム20bには、一方のリム側へ平行に位置する切り欠き片20eが設けられ、該切り欠き片20eとこの切り欠き片20eから一方のリム側へ膨出するボス部20fの内周面にめねじ孔(図示しない)が開設されるとともに、他方のリム20bの下側を外側へ直角に折曲して第1係止片20gとなしている。
また、前記ヘッドボックス21は、室内外に対向する一対のリム21a,21bと、両リム21a,21bの下縁間をつなぐウェブ21cとを有し、室内側に配設される一方のリム21aを内側へクランク状に折曲し、その上部外側に受け金具20の係止突部20dを囲繞する収容凹部44を設けるととに、他方のリム21bの上部を内側へ直角に折曲して第2係止片21dとなしている。
【0026】
受け金具20は、止めねじ45を用いて上枠4aの下面に固着される。また、ヘッドボックス21は、一方のリム21aの上部を受け金具20の一方のリム20aの内側へ平行に差し込んで、該リム20aの係止突部20dを収容凹部44内に嵌合するとともに、他方のリム21bの第2係止片21dを受け金具20の第1係止片20gの上部に係止する。
つぎに、受け金具20のめねじ孔に他方のリム20bの外側より止めねじ46をねじ込んで、該止めねじ46の先端をヘッドボックス21の一方のリム21aの上部内側に押圧することにより、ブラインド8が空間部7に取り付けされる。
【0027】
このように取り付けられたブラインド8は、係止突部20dと収容凹部44との嵌め込みにより、ヘッドボックス21をその長さ方向において所定の取り付け位置へ容易に位置決めできる。また、ブラインド8の取り付け後には、取り付けの要となる止めねじ46が一方のリム21aの上部を押圧して係止突部20dと収容凹部44との嵌合状態をよく保つとともに、ム21aからの反力が止めねじ46の緩め止めとなり、スラット14が室内外方向へ開閉したり空間部7を昇降する際の振動を受けても、ブラインド8の取り付け状態を長期間よく保つことができる。
【符号の説明】
【0028】
1…多重ガラスサッシ
3…サッシ本体
4…内枠
4a…上枠
4b…左側枠
4d…右側枠
4c…下枠
5…室内側ガラス
6…室外側ガラス
7…空間部
8…ブラインド
12…スライダ
13…チルト操作ダイヤル
14…スラット
15…開閉操作レバー
20…受け金具
21…ヘッドボックス
22…ラダーコード
23…昇降コード
25…回転機構
25a…駆動側機構
25b…従動側機構
25c…スラット装置
30…伝動コード
31…ラック
32…回転軸
36…スリット
41…ツマミ
42…ピニオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形のサッシ内部に所定の空間部を置いて複数枚の窓ガラスを室内外に並設し、前記空間部に複数枚のスラットを備えたブラインドを内蔵したブラインド内蔵型多重ガラスサッシであって、
室内外に対向する一対のリムと、両リムの下縁間をつなぐウェブとを有するヘッドボックスを前記ブラインドの上部に設け、室内外に対向する一対のリムと、両リムの上縁間をつなぐウェブとを有する受け金具を前記サッシの上部枠下側に取付け、該受け金具に前記ヘッドボックスを係着して、前記ブラインドを吊持するブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造において、
前記受け金具のリムのいずれか一方の内側に係止突部を設け、該受け金具の他方のリムにめねじ孔を開設するとともに、該受け金具の他方のリムの下側を外側に折曲して第1係止片となし、
前記ヘッドボックスのリムのいずれか一方を内側へクランク状に折曲して、該ヘッドボックスの一方のリムの上部を前記受け金具の一方のリムの内側へ平行に差し込むとともに、前記ヘッドボックスの一方のリムの上部外側に前記受け金具の係止突部を囲繞する収容凹部を設けて、該収容凹部に係止突部を収容し、前記ヘッドボックスの他方のリムの上部を内側に折曲して第2係止片となし、該第2係止片を前記受け金具の第1係止片に係止し、
前記受け金具のめねじ孔に該受け金具の外側より止めねじをねじ込んで、該止めねじの先端を前記ヘッドボックスの一方のリムの上部内側に押圧せしめた
ことを特徴とするブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造。
【請求項2】
前記めねじ孔は、前記受け金具の他方のリムの一部を切り欠いて、該受け金具の一方のリム側へ平行に位置させた切り欠き片に開設されている
ことを特徴とする請求項1に記載のブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造。
【請求項3】
前記めねじ孔は、前記切り欠き片から前記一方のリム側へ膨出させたボス部の内周面に形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のブラインド内蔵型多重ガラスサッシのブラインド取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−222920(P2010−222920A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73762(P2009−73762)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000101776)アルメタックス株式会社 (22)
【出願人】(390027498)株式会社ヨコタ (29)
【Fターム(参考)】