説明

ブレーキブースタ

本発明は、空気差圧が作用可能な少なくとも1の軸方向可動壁(2,39)により、内部を少なくとも1の作動室(3,41)と少なくとも1の真空室(4)とに分割されるブースタハウジング(1)と、作動室(3,41)を真空室(4)または大気に接続するため、制御ハウジング(5)に配置されて差圧を制御する制御弁(12)とを備え、前記可動壁(2,39)は、ダイアフラム板(8)と転動型ダイアフラム(18,39)とを有し、前記作動室(3,41)は、制御ハウジング(5)に当接し、ブレーキブースタの長手方向軸(L)に対して半径方向に張り状態に把持されたシールリング(13,47)によりシールされる、自動車用空圧ブレーキブースタに関する。特にシールリングに発生し、バックグラウンドノイズを生じさせる張り付き−スリップ及び動的作用を防止するため、本発明によると、ブレーキブースタの作動開始時に、作動室(3,4)を前チャンバ(30,42)と主チャンバ(31,43)とに分割することにより、可動壁(2,39)の効果的作用面を減少するための手段が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の空圧ブレーキブースタに関し、このブレーキブースタは、空気差圧が作用可能な少なくとも1つの軸方向可動壁により少なくとも1つの作動室と少なくとも1つの真空室とに内部が分割されるブースタハウジングと、作動室を真空室または大気に接続するために制御ハウジングに配置されて差圧を制御する制御弁とを有し、可動壁は、ダイアフラム板と転動型ダイアフラムとを有し、作動室は、制御ハウジングで支えられかつブレーキブースタの長手方向軸に対して半径方向に把持されたシールリングでシールされている。
【背景技術】
【0002】
一般的な形式のブレーキブースタは、例えば特許文献1および特許文献2から知られており、特許文献1は通常のブレーキブースタについて記載し、特許文献2は、入力部材からは独立して電磁気で作動可能なアクティブブレーキブースタ(active brake servo)について記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE 103 33 983 A1
【特許文献2】DE 10 2008 037 048 A1
【発明の概要】
【0004】
現代の自動車、特に自動車産業では、自動車構成部材の音響快適性に対する要求が高まっている。このような要求は、従来のブレーキブースタでは部分的に満たすことができない。試験では、高い真空圧を準備することが、雑音放出の原因となることが判明した。これは、モータ/エンジンで真空圧を形成できないか又は不十分な真空圧しか形成できないため、特に、電気またはハイブリッドドライブの自動車に特に必要な真空ポンプの使用で発生する。
【0005】
高い真空圧は、特に、作動室を大気に対してシールするシールリングに、張付き/滑り作用(stick/slip effects)および動的作用(dynamic effects)を生じさせ、この作用により、雑音(disruptive noises;Stoergeraeusche)が形成される。
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述の不都合な点を防止することが可能なブレーキブースタを提供することを目的とする。
【0007】
この目的を達成するため、本発明によると、作動室を前チャンバ(prechamber)と主チャンバとに分割することにより、ブレーキブースタの作動開始時に、可動壁の積極的負荷作用領域(actively loaded area; wirksam beaufschlagte Flaeche)を減少するため、手段を設けることが提案される。作動開始時に前チャンバとの関係で作動室の大きさが減少することにより、可動壁の積極的負荷作用領域が小さくなることで形成される差圧がより大きくなり、このより大きな差圧でシールリングが解放されることが確保される。したがって、張付き/滑り作用および動的作用を防止することができ、作動時におけるブレーキブースタの滑らかな始動を実現することができる。
【0008】
ブレーキブースタのスタンバイ位置への完全復帰を確保するため、規定された漏れやすい態様で、上記手段が設けられることが好ましい。
【0009】
上記手段は、好ましくは転動型ダイアフラムまたは制御ハウジングの周部に配置することにより、また、ブレーキハウジングまたは中間床で支えることにより、作動開始時に主チャンバを前チャンバから所定の漏れやすい態様で分離することにより、公知の構造のブレーキブースタ内に、大幅な変更を伴うことなく、簡単な態様で組込むことができる。
【0010】
本発明の他の実施形態は、ブースタハウジングの周部に上記手段が配置され、作動開始時に、転動型ダイアフラムで支えることにより、この手段が主チャンバを前チャンバから、規定された漏れやすい態様で分離する。
【0011】
周部リップが転動型ダイアフラムに、上記手段として一体的に形成されるのが好ましく、この周部リップは、作動開始時にブースタハウジングまたは中間床を支える。ここでは、リップは、転動型ダイアフラムの製造の際に簡単な態様で形成しておくことができる。
【0012】
1の有益な発展例によると、ブレーキブースタの機能が危険にさらされないようにするため、少なくとも1のリブが周部リップに設けられ、このリブは、リップの規定された漏洩を確保する。ここでは、ブースタハウジングの変更は必要ない点で有利である。
【0013】
本発明の他の有益な実施形態は、周部リップは、リップの規定された漏洩を確保する少なくとも1つの凹部を有し、この場合も、ブースタハウジングの変形は必要ない。
【0014】
本発明の他の有益な実施形態は、作動開始時に、絞った態様で主チャンバを通気可能で、可逆的に変形可能(reversibly deformable)な周部フィルタ部材が、手段として設けられる。
【0015】
少なくとも1つのチャンネルが上記手段の支持領域(bearing region)に設けられることが好ましく、このチャンネルは手段の規定された漏れを確保する。この手段の配置にしたがって、チャンネルはブースタハウジングまたは可動壁に設けることができる。
【0016】
1つの有益な実施形態によると、フィルタ部材は少なくとも1つの通路チャンネルを有し、この通路チャンネルはフィルタ部材の規定された漏洩を確保する。本発明のこの実施形態でも、ブースタハウジングの変更は必要ない。
【0017】
1つの有益な実施形態は、上記手段がブースタハウジングの軸方向部の領域に配置され、この結果、作動開始時に前チャンバが小さな構造とすることができる。
【0018】
本発明の更に他の有益な実施形態は、上記手段はブースタハウジングの半径方向フランジの領域に配置される。
【0019】
他の有益な実施形態によると、上記手段がブースタハウジングの傾斜部の領域に設けられると、ブレーキブースタはタイロッドと称される部材を有することになる。
【0020】
本発明の他の特徴、利点および適用可能性は、図面を参照する以下の例示的な実施形態から明らかとなる。
【0021】
図中、長手方向断面が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、公知の空圧ブレーキブースタの一部の図を示す。
【図2】図2は、本発明による空圧ブレーキブースタの第1の例示的な実施形態の一部の図を示す。
【図3】図3は、本発明による空圧ブレーキブースタの第2の例示的な実施形態の一部の図を示す。
【図4】図3の第2の実施形態の拡大部の図を示す。
【図5】本発明による空圧ブレーキブースタの第3の例示的な実施形態の一部の図を示す。
【図6】本発明による空圧ブレーキブースタの第4の例示的な実施形態の一部の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ブレーキシステムの公知のブレーキブースタ(図1に示す)のブースタハウジング1(概略的にのみ示す)は、軸方向可動壁2により、作動室3と真空室4とに分けられている。軸方向可動壁2は、金属板から深絞りされたダイアフラム板8と、可撓性の転動型ダイアフラム18とを有し、この転動型ダイアフラムはダイアフラム板8で支えられ、詳細には図示してない態様で、ダイアフラム板8の外周部とブースタハウジング1との間のシールとして、転動型ダイアフラムを形成する。
【0024】
入力部材7で作動可能な制御弁12が制御ハウジング5内に収容されており、この制御ハウジングはブースタハウジング1内をシールされた態様で案内され、可動壁2を保持し、制御ハウジング5に形成された第1の弁座15と、入力部材7に接続される弁ピストン9に形成された第2の弁座16と、2つの弁座15,16と相互作用し、案内部21で支えられた弁ばね22により弁座15,16に向けて押圧される弁ボディ10とを備える。作動室3は、制御ハウジング5内を側方に延びるチャンネル28を介して真空室4に接続することができる。入力部材7は、ブレーキペダル(図示しない)に接続される。
【0025】
制動力は、端部側で制御ハウジング5に支えられる弾性反作用ディスク6、および、ヘッドフランジ23を有するスラストロッド14を介して、ブレーキシステムのマスターシリンダ(図示しない)の作動ピストンに伝達され、この作動ピストンはブレーキブースタの真空側端部に取付けられている。入力部材7に導入される入力は、弁ピストン9により、反作用ディスク6に伝達される。
【0026】
図中、概略的に示し、ブースタハウジング1の真空側端壁上のフランジ(図示しない)で支えられる復元ばね26は、図示の初期位置に可動壁2を保持する。更に、入力部材7と案内部21との間に戻しばね27が配置されており、その力が弁ピストン9またはその弁座16を弁ボディ10に対して予め応力を与えることを確保する。
【0027】
制御弁12の作動時に、作動室3を大気に接続するのを可能とするため、最終的に好適な半径方向に延びるチャンネル29が制御ハウジング5に形成されている。ここでは、制動作用の終了時に、弁ピストン9の戻り運動が横方向部材11で区切られ、この横方向部材は、ブレーキブースタの図示の解除位置で、ブースタハウジング1に形成されたストッパ16に当接する。
【0028】
作動室3を大気に対して密封するため、シールリング13が、ブースタハウジング1のハウジング開口20に配置されており、このハウジング開口20は制御ハウジング5を収容するために設けられており、このシールリング13は、制御ハウジング5で支えられ、ブレーキブースタの長手方向軸Lに対して半径方向に把持されている。シールリング13は、作動室3のシール作用を確実にすると同時に、制動作動時に制御ハウジング5のストローク運動(矢印で示す)を可能とする。
【0029】
空圧凹部17が制御ハウジング5内に区画されており、この空圧凹部17は弁ボディ22内の通路19を介してこの空圧凹部17を、弁座15,16で区画されかつ上述の空圧チャンネル29が開口する環状室24に接続し、この結果、空圧凹部17は作動室3に永久的に接続され、弁ボディ10で均圧作用が行われる。
【0030】
以下に説明する本発明の例示的な実施形態の作動方法および主たるデザインは、図1に示すブレーキブースタの作動方法および主たるデザインと異なるものではなく、このため、本発明の本質的な部分についてのみ、以下に説明する。ここでは、同様な部材は同様な符号を付し、説明を省略する。
【0031】
本発明によるブレーキブースタの例示的実施形態の詳細は、図2から6から明らかとなり、このブレーキブースタは、シングルまたはタンデム型ユニットとして形成することができ、入力部材7からは独立して電磁石で作動可能な通常のアクティブブレーキブースタ(active brake servo)として知られているブレーキブースタとすることができる。
【0032】
現代の自動車、特に自動車産業は、自動車部材の音響快適性に対する要求が極めて大きくなっている。図1に示す公知のブレーキブースタでは、試験で示されているように、ブレーキブースタに高い真空圧が供給される場合には、この要求に合致することはできない。これは、特に、モータ/エンジで真空圧を形成できないか又は真空圧が不十分なために、電気またはハイブリッドドライブの車両に特に必要な真空ポンプの使用で生じる。
【0033】
高い真空圧は、特に、作動室をシールするためのシールリングに張付き/スリップ作用および動的作用を生じさせ、この作用により、雑音が発生する。
【0034】
この雑音を排除するため、以下に説明する例示的な実施形態の全ては、ブレーキブースタの作動開始時に、作動室3,41を前チャンバ30,42と主チャンバ31,43とに分割することにより、可動壁2,39の積極的負荷作用領域を減少するために、手段を有する。
【0035】
作動開始時に作動室3のサイズを減少する結果、可動壁2,39の積極的負荷作用領域が小さくなることにより、より高い差圧が形成され、このより高い差圧はシールリング13,47を解放させる(break free)。したがって、張付き/スリップ作用および動的作用が防止され、ブレーキブースタを作動したときの滑らかな始動が実現される。
【0036】
ここでは、上記手段は、ブレーキブースタをスタンバイ位置に完全に復帰可能とするために、規定された漏れ易い態様(defined, leaky manner)で設けられることが有益である。
【0037】
始めの3つの例示的な実施形態の共通の特徴は、転動型ダイアフラム18に一体的に形成され、作動開始時にブースタハウジング1に当接する周方向リップ32が、上記手段として設けられていることである。このリップ32は、転動型ダイアフラム18の製造の過程で簡単に製造することができ、したがって、大幅な改良を伴うことなく、公知のブレーキブースタに一体化することができる。
【0038】
ブレーキブースタのスタンバイ位置(図2から5に示す)では、リップ32はブースタハウジング1に当接し、したがって、作動開始時には、主チャンバ31を前チャンバ30から分離し、この結果、作動開始時に作動室3のサイズが減少される。したがって、可動壁2の積極的負荷作用領域が小さくなったことにより、より高い差圧を形成可能であり、この差圧は、確実にシールリング13を解放し(break free)、したがって、ブレーキブースタが滑らかに始動し、これにより、張付き/スリップ作用および動的作用を防止することができる。
【0039】
可動壁2が、例えば約1mmの規定された通路の短い距離を移動すると、リップ32はブースタハウジング1から上昇すると、作動室3の全容積、すなわち前チャンバ30および主チャンバ31が再度利用可能となる。
【0040】
図2に示す第1の例示的な実施形態のリップ32は、制御ハウジング5に取付固定されるシールビード33に直接一体に形成され、作動開始時にブースタハウジング1の軸方向部分34に当接する。この結果、前チャンバ30は、作動開始時に可能な限り小さく形成することができる。他の実施形態(図示しない)では、リップ32は制御ハウジング5に直接配置することも可能である。
【0041】
第2の実施形態の詳細は、図3および4から明らかとなる。図示のように、リップ32は、ここでは、作動開始時に半径方向フランジ部35に当接する。
【0042】
図5は、第3の例示的な実施形態を示し、ここでは、リップ32は、作動開始時にブースタハウジング1の傾斜部36に当接し、この結果、ブレーキブースタに、フランジ部35の領域でブースタハウジング1を貫通する、タイロッド37として知られている部材を設けることができる。図5に示すように、タンデム型ユニットとして形成されたブレーキブースタでは、第2の可動壁39の第2の転動型ダイアフラム39が同様に、中間床44に当接することにより、第2の作動室41を前チャンバ42と主チャンバ43とに分割し、したがって、リップ32と同様な機能を有する周部リップ40を備えることができる。シールリング47は、第2の作動室41を第1の真空室4に対してシールする。
【0043】
上述のように、リップ32またはリップ40は、上述の例示的な実施形態では、スタンバイ位置に完全に復帰可能とするために、規定された漏れ易い態様で設けられている。
【0044】
このため、リップ32または40は、ブースタハウジング1または中間床44に対してリップ32または40が密封状態に接触するのを防止する、少なくとも1のリブ(図示しない)または凹部(図示しない)を有することができ、この結果、リップ32または40の規定された漏洩()が確保される。この結果、ブレーキブースタの復帰時にも、空気が1つまたは複数の作動室3,41から完全に逃げることができる。したがって、ブースタハウジング1の変更は必要ない。
【0045】
これに代え、少なくとも1のチャンネルを、リップ32または40の支持領域でブースタハウジング1または中間床44に設けることができ、このチャンネルも同様に規定された漏洩(defined leakiness)を確保する。
【0046】
図6は、本発明によるブレーキブースタの第4の例示的な実施形態を示す。この例示的な実施形態では、上記手段として、主チャンバ31を絞った状態で通気する、可逆的に変形可能な周部フィル部材45が設けられている。図6に示すように、フィルタ部材45は、開口孔(open-pore)または密閉孔(closed-pore)フィルタマットで形成され、ブースタハウジング1のフランジ部35に設けられ、この結果、図示のようにブレーキブースタのスタンバイ位置で、可動壁2がフィル部材45を変形する。ブレーキブースタの作動時には、可動壁は図の左方に移動する。ここで、フィルタ部材45は点線で示す初期位置に広がり、この結果、作動室3が再度非絞り状態で通気される。
【0047】
フィルタ部材45の規定された漏れを確保するため、フィルタ部材は、例えば少なくとも1つの通路チャンネル(図示しない)を有することもできる。更に、ここでも、ブースタハウジング1の変更が必要ない点で有益である。
【0048】
図示しない1つの例示的な実施形態では、フィル部材45は、可動壁2に取付けられ、規定された漏洩を確保する少なくとも1つのチャネルを、フィルタ部材45の当接領域で、ブースタハウジング1に設けることができる。
【0049】
更に、本発明によるブレーキブースタの第5の実施形態が図6に示してある。図示のように、上述のフィルタ部材45を更に、可逆的に変形可能で環状のフィルタ部材48(点線で示す)としてブースタハウジング1の軸方向領域34の領域に設けることができ、このフィルタ部材48は絞った状態で主チャンバ31を通気する。このフィルタ部材も、開口孔または密閉孔を有するフィルタマットから同様に形成することができる。ブレーキブースタの作動時には、制御ハウジング5は図の左方に移動する。ここで、フィルタ部材48は全断面を開き、この結果、作動室3は、絞られない状態で通気することができる。更に、フィルタ部材48は、制御ハウジング5内の空気流で形成される雑音を緩衝する。
【0050】
フィルタ部材48の規定された漏洩を確保するため、フィルタ部材は、例えば少なくとも1つの通路チャンネル(図示しない)を有してもよい。この場合も、ブースタハウジング1の変更は必要ない点で有益である。
【0051】
したがって、本発明の範囲内では、原則として、上述の手段をブースタハウジング1および可動壁2の双方に設けることが可能である。更に、上記手段の規定された漏洩は、好適なチャンネル、リブ、又は、凹部により確保することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 ブースタハウジング
2 可動壁
3 作動室
4 真空室
5 制御ハウジング
6 反作用ディスク
7 入力部材
8 ダイアフラム板
9 弁ピストン
10 弁ボディ
11 横方向部材
12 制御弁
13 シールリング
14 スラストロッド
15 弁座
16 弁座
17 凹部
18 転動型ダイアフラム
19 通路
20 ハウジング開口
21 案内部
22 弁ばね
23 ヘッドフランジ
24 環状スペース
25 ストッパ
26 復元ばね
27 戻しばね
28 チャンネル
29 チャンネル
30 前チャンバ
31 主チャンバ
32 リップ
33 シールビード
34 部分
35 フランジ部
36 部分
37 タイロッド
38 転動型ダイアフラム
39 可動壁
40 リップ
41 作動室
42 前チャンバ
43 主チャンバ
44 中間床
45 フィルタ部材
46 初期形状
47 シールリング
48 フィルタ部材
L 長手方向軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気差圧が作用可能な少なくとも1の軸方向可動壁(2,39)により、内部を少なくとも1の作動室(3,41)と少なくとも1の真空室(4)とに分割されるブースタハウジング(1)と、作動室(3,41)を真空室(4)または大気に接続するため、制御ハウジング(5)に配置されて差圧を制御する制御弁(12)とを備え、前記可動壁(2,39)は、ダイアフラム板(8)と転動型ダイアフラム(18,39)とを有し、前記作動室(3,41)は、制御ハウジング(5)で支えられ、ブレーキブースタの長手方向軸(L)に対して半径方向に把持されたシールリング(13,47)によりシールされる、自動車用空圧ブレーキブースタであって、作動室(3,41)を前チャンバ(30,42)と主チャンバ(31,43)とに分割することにより、ブレーキブースタの作動開始時に可動壁(2,39)の積極的負荷作用領域を、減少するため、手段が設けられることを特徴とする空圧ブレーキブースタ。
【請求項2】
前記手段は、規定された漏洩し易い態様で設けられることを特徴とする請求項1に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項3】
前記手段は、転動型ダイアフラム(18,38)または制御ハウジング(5)に周方向に設けられ、作動開始時に、前記手段が、ブースタハウジング(1)または中間床(44)に当接することにより、主チャンバ(31,43)を前チャンバ(30,42)から規定された漏れ易い態様で分離することを特徴とする請求項1叉は2に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項4】
前記手段は、ブースタハウジング(1)の周部に設けられ、作動開始時に、前記手段が、転動型ダイアフラムに当接することにより、規定された漏れ易い態様で主チャンバ(31)を前チャンバ(30)から分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項5】
周部リップ(32,40)が前記手段として、転動型ダイアフラム(18,38)に設けられ、この周部リップ(32,40)は作動開始時に、ブースタハウジング(1)または中間床(44)に当接することを特徴とする請求項2または3に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項6】
少なくとも1のリブが周部リップ(32,40)に設けられ、このリブは、前記リップ(32,40)の規定された漏洩を確保することを特徴とする請求項5に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項7】
前記周部リップ(32,40)は、リップ(32,40)の規定された漏洩を確保する少なくとも1の凹部を有することを特徴とする請求項5に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項8】
作動開始時に、主チャンバ(31)を絞られた態様で通気する、可逆的に変形可能な周部フィルタ部材(45,48)が、前記手段として設けられることを特徴とする請求項3又は4に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項9】
少なくとも1のチャンネルが、前記手段の当接領域に設けられ、このチャンネルは、前記手段の当接領域に設けられ、このチャンネルは、前記手段の規定された漏洩を確保することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項10】
前記フィルタ部材(45,48)は、フィルタ部材(45)の規定された漏洩を確保する少なくとも1の通路チャンネルを有することを特徴とする請求項8に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項11】
前記手段は、ブースタハウジング(1)の軸方向部(34)の領域に配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項12】
前記手段は、ブースタハウジング(1)の半径方向フランジ部(35)の領域に配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の空圧ブレーキブースタ。
【請求項13】
前記手段は、ブースタハウジング(1)の傾斜部(36)の領域に配置されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1に記載の空圧ブレーキブースタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518760(P2013−518760A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551596(P2012−551596)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051399
【国際公開番号】WO2011/095482
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】