説明

ブロードキャスト・チャネル信号およびブロードキャスト・チャネル情報の送受信を管理するための装置

本発明は、ブロードキャスト・チャネル信号およびブロードキャスト・チャネル情報の送受信を管理するための装置を提供し、伝送のための符号化に先立ってデータ内の知られている差は、組合せおよび後続する復号に先立って、それらの差がネゲートされ得るように、複数の受信されたアクティブ・フレームから除去されることまたは取消されることが可能な予測可能な差を生み出す。少なくとも1つの実施形態において、1つまたは複数の適用された線形符号化法は、符号化に先立つ差の知識に基づいて、符号化された値における予測可能な差を可能にし得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、チャネル情報の送受信の管理に関し、詳しくは、無線通信システムのブロードキャスト制御チャネルに関係する可変情報および不変情報を有するチャネル情報の送受信の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロードキャスト制御チャネルは、一般に、移動体加入者が、ネットワークを識別して、該ネットワークへのアクセスを得るために、移動体加入者によって必要とされる特定のパラメータを含む、ネットワーク基盤(infrastructure)から受信されたダウンリンク・チャネルである。多くの場合、ブロードキャスト制御チャネルは、移動体の論理チャネルと物理チャネルとの間の変換を援助し、この場合、ブロードキャスト制御チャネルは、ネットワーク基盤のその他のチャネルに対するアクセスを支援する周波数情報およびタイミング情報を含み得る。
【0003】
移動体加入者とネットワーク基盤との間に無線通信リンクを確立する際にブロードキャスト制御チャネル情報が重要となるという理由から、ブロードキャスト・チャネル情報の通信の信頼性を強化できるように制御チャネル情報を組織および構成することは有利である。少なくともある場合においては、誤り検出情報および誤り訂正情報ならびに送信情報冗長性を含めるために、データは符号化されることになる。
【0004】
少なくともある場合においては、ブロードキャスト制御チャネル情報は、伝送区間の間で通信するために組織および構成され、この場合、ブロードキャスト制御チャネル情報の一部は複数回数通信されることもあるが、その間、この情報の少なくとも一部は、依然として、同じ状態すなわち静的状態である。伝送区間内のそれぞれ個別の伝送は、伝送区間の特定の下位区間内に埋め込まれ、フレームと呼ばれる。本明細書では、特定のブロードキャスト通信チャネルに関連するフレームのすべてまたは一部をアクティブ・フレームと呼び、このアクティブ・フレームはブロードキャスト制御チャネル情報を含む。場合によっては、ブロードキャスト制御チャネル情報の一部は、フレーム間で異なる場合がある。
【0005】
例えば、ブロードキャスト制御チャネルによって定期的に送信されるチャネル帯域幅、基地局、および基準電力レベルなどの情報は、伝送区間の期間にわたって依然として静的および/または不変であるとして定義される。システム時間基準に対応するシステム・フレーム番号など、その他の情報は、伝送区間内でもフレーム間で異なり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少なくともいくつかの案において、静的情報は、様々な伝送構成を使用して符号化される。伝送構成は、符号化の条件、ならびに符号化、変調、インタリーブ、およびスクランブルを組み合わせるときの性質を画定する。これは、少なくともある場合において、受信を確実に行う際のさらなる援助に役立つ可能性がある。同一のまたは関連する伝送構成を使用した符号化データの多数回の静的再伝送は、特定の伝送区間内の複数の伝送フレームすなわちアクティブ・フレームの全域にわたって移動局が受信情報を結合するために使用され得る。しかしながら、フレーム間で可変する情報の組込みおよび/または符号化は、伝送区間の複数のアクティブ・フレームの全域にわたる複数の伝送の結合をより困難にする可能性がある。この理由は、ブロードキャスト・チャネル情報の送信中において、そのような可変データがアクティブ・フレーム間の符号化後のフォーマットにどのような影響を与える可能性があるか受信機には常に明らかでないためである。このため、フレーム間で変化する情報は符号化から除外されることがあり、これは、通信される情報の信頼性を高めるために行われる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ブロードキャスト・チャネル信号を提供する。ブロードキャスト・チャネル信号は、1つまたは複数の伝送区間を含み、各伝送区間は複数の伝送を含む。複数の伝送のうちの1つまたは複数は、共に符号化されたデータセットを含むアクティブ・フレームの伝送である。共に符号化されたデータセットは、特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化する可変部分と、該特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化しない不変部分とを含む。特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化前のデータ間の既知の差によって、特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化後のデータ間の予測可能な差が生成される。
【0008】
少なくとも1つの実施形態において、共に符号化されたデータセットは1つまたは複数の線形符号化法を使用して符号化される。
本発明は、無線通信デバイスをさらに提供する。無線通信デバイスは、1つまたは複数の伝送区間で無線通信信号を受信するための受信機を含む。各伝送区間は、複数の伝送を含む。複数の伝送のうちの1つまたは複数は、アクティブ・フレームの伝送である。この無線通信デバイスは、受信された信号を伝送のための符号化に先立って送信対象のデータに変換するための復号器をさらに含む。復号器はコントローラを含む。このコントローラは、各アクティブ・フレームを受信するとその復号を行うように構成されるとともに、該受信したアクティブ・フレームのうちの1つまたは複数を別々に復号することができない場合には、複数のアクティブ・フレームを組み合わせるように構成されている。変換は、複数のアクティブ・フレームを組み合わせる前に、該組み合わせに先立って受信したアクティブ・フレームのうちの少なくとも1つに対して適用される。この変換は、特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化後のデータ間の予測可能な差に基づいて行われ、該予測可能な差は、前記特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化前のデータ間の想定される差から判定される。
【0009】
本発明の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照し、本発明の1つまたは複数の好ましい実施形態の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】無線通信システムの受信可能範囲領域の少なくとも一部を表す地理的領域の例示的な地形図。
【図2】ブロードキャスト・チャネル信号のブロック図。
【図3】伝送のためのアクティブ・フレームを形成するために符号化および使用される情報の基礎を形成するブロードキャスト・チャネル情報のブロック図。
【図4】移動体加入者などの無線通信デバイス、ならびに通信デバイスがブロードキャスト・チャネル信号の受信に関して、より直接的に通信するセルラネットワーク基盤の一部のブロック図。
【図5】本発明の少なくとも1つの実施形態による、無線通信信号を受信して、その無線通信信号を復号する際に使用するための移動体加入者のより詳細なブロック図。
【図6】セルラ通信ネットワークのブロードキャストに関して、順次送信された1つまたは複数のフレームを無線通信デバイス内で受信してフレームの復号を試みる方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願人は、符号化された受信ブロードキャスト・チャネル情報の結合を復号化に先立って可能にするために、符号化による差を無効化(negate)できる場合にはある変換を適用できることを認識した。この場合、その符号化は、特定の伝送区間内でブロードキャスト・チャネル情報が符号化されるフレーム間の既知の関係に基づいて、既知の差を有する複数の順次送信されたアクティブ・フレームに関連する符号化前のデータ間に予測可能な差を生み出すことになり、かつその予測可能な差は無効化され得る。さらに、本出願人は、データが1つまたは複数の線形符号化法を使用して符号化され、かつ符号化に先立ってその差が知られている場合、符号化が予測可能な差を生み出すことを認識した。
【0012】
本発明は、種々の形態の実施形態が可能であるものの、本開示は本発明の例示とみなされるべきである。本発明は、例示された特定の実施形態に限定することが意図されない。以下に、現在の好ましい実施形態を図面において示し、かつ説明する。
【0013】
図1は、無線通信システムの少なくとも一部の例示的な地形図を示す。地形図100は、隣接する六角形として絵で表された複数のセル102を含む。これらの六角形は、複数のセルラ領域のそれぞれに関連する受信有効範囲のフットプリントすなわち領域の概算に過ぎず、この場合、実際には、伝送の領域は、それほど均一に画定されない。それぞれのセルは、通常、対応するセル102内に配置されかつ/または対応するセル102内で移動している108移動体無線通信デバイスなどの移動体加入者(MS)106と通信する、サービス提供局と呼ばれる1つまたは複数の基地局(BTS)104によってサービス提供される。
【0014】
移動体加入者106が電源をオンにすると、または新しいセル内に入ると、移動体加入者は、その新しいセルに関連するシグナリング情報を獲得する必要がある。多くの場合、これは、移動局が、同期情報、タイミング情報および/または新しいセルとの通信能力の確立と一貫したその他の関係する情報を取得するために、1つまたは複数のブロードキャスト制御チャネルを監視することを必要とする。制御チャネル受信は、多くの場合、特定のセルラ領域とのその他の形態の通信を確立するための先駆体であるため、通信接続を確立してブロードキャスト制御チャネルによって伝えられている情報を受信する際に、より頑強および/または効果的な様式であることが望ましい。ブロードキャスト・チャネル信号200は1つまたは複数の伝送区間202の形で構成され、各伝送区間202は複数の伝送すなわちフレーム204を含む。この場合、伝送のうちの1つまたは複数は、ブロードキャスト・チャネル情報が送信されるアクティブ・フレームである。図2に例示される実施形態では、伝送区間202は、N個のフレームの行に一致し、この場合、Nは整数値である。
【0015】
場合によっては、このブロードキャスト・チャネル信号は、伝送区間内の各フレームの一部として符号化されることになる。或いは、ブロードキャスト・チャネル情報は、対応するフレームのすべてよりもより少ないフレーム上で送信することも可能である。上述したように、伝送フレームの一部としてブロードキャスト・チャネル情報が送信されるフレームは、本明細書ではアクティブ・フレームとして識別される。特定の伝送区間に関連するフレームのすべてよりもより少ないフレーム上で送信することによって、ブロードキャスト・チャネル信号の伝送をサポートしないフレームは、その他の形態および/またはその他のタイプのデータ伝送に利用可能にされ得る。
【0016】
場合によっては、ブロードキャスト・チャネル信号を経由して伝えられている情報をより迅速にかつ/またはより良好に受信するために、複数のアクティブ・フレームを結合することが望ましい場合がある。これは、つまり、特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの全域で少なくともいくつかのブロードキャスト・チャネル情報を繰り返す伝送である。しかし、すべての情報が容易に繰り返し可能であるとは限らない。例えば、少なくとも1つの場合では、ブロードキャスト情報は、各フレーム伝送によって異なるシステム・フレーム番号を含む。
【0017】
一般に、ブロードキャスト・チャネル情報は、多くの場合、不変部分と可変部分の両方を含む。なお、可変部分の一部の下位部分が不変である場合もある。さらに、伝送区間の開始境界値に関して、システム・フレーム番号など、可変部分の値間の関係をより具体的に制御すること、および伝送区間内の伝送すなわちフレームの数をより具体的に制御することによって、可変部分の可変下位部分内の可変情報ビットの数は、より良好に管理され得る。例えば、伝送区間の開始境界の後の第1のフレームのフレーム番号が、ゼロに等しいモジュロn値を有するように、システム・フレームを番号付けること(この場合、nは、伝送区間内の伝送(すなわち、フレーム)の数である)は、その全体にわたってシステム・フレーム番号が特定の伝送区間内の任意の2つの伝送において異なるビット値を有し得るビットの数を最小限にすることが可能である。そのような場合、システム・フレーム番号は、予測可能に変化することが可能であり、本発明の少なくとも1つの実施形態において、それぞれの隣接する後続のフレームにおいて1だけ増分する。しかし、当業者は、上で述べたように、システム・フレーム番号の値が、隣接する後に送信されたフレームに関して増分するように定義されているかどうかにかかわらず、本発明の思想を容易に認識し得る。あるいは、特定の伝送区間内のフレームが割り当てられる元となるシステム・フレーム値が、所定の予測可能なビットのセットが特定の伝送区間内で変化することが可能である値のリストから選択される場合、適切に定義された所定の予測可能なシーケンスも本発明の教示から利益を得ることが可能である。
【0018】
図3は、本発明の少なくとも1つの態様による、ブロードキャスト・チャネル情報300を例示し、この場合、通常、ブロードキャスト・チャネル情報300は、不変部分302と可変部分304とを含むことになり、この場合、可変部分304は、ビットのすべてが伝送区間202内で変化しない、または変化する必要がない範囲で、不変下位部分306と可変下位部分308とに再分割される。例示された実施形態では、変化する可能性が高い最下位ビットが、伝送区間内のフレームに関連する対応する値を有する可変下位部分は、ゼロで始まり、それぞれの後続の隣接するフレームを増分的にカウントする。
【0019】
例示された実施形態において、可変下位部分は、隣接する連続的に送信されたアクティブ・フレーム間の予測可能な差が知られており、符号化に先立って、対応する値を実際に知らずに、対応する符号化された値における予測可能な差を可能にする可変下位部分の分離を表す。こうして、分離された可変下位部分は、複数の受信された、符号化された伝送の後続の結合を可能にするために、無効にされ得る。
【0020】
受信されたアクティブ・フレームの復号に関して、無線通信デバイスは、符号化されたデータの復号を試みることが可能である。それでもなお、いくつかの状況において、単一のアクティブ・フレームの受信に基づいて、ブロードキャスト・チャネル情報300を復号することは可能でない場合がある。このような場合、後続のアクティブ・フレームの受信時に、先に受信されたアクティブ・フレームおよび後で受信されたアクティブ・フレームは、複数の受信された伝送の組合せおよび復号を試みるために使用されることが可能である。この場合、無線通信デバイスは、伝送区間の開始境界に対するフレームの位置に関して、1つまたは複数の想定を行い、次いで、アクティブ・フレームの対において受信された信号のうちの1つに適用するために適切な予測可能な差の値を決定することが可能であり、この場合、その目的は、2つの受信された信号値間の任意の差の無効化を試みることである。場合によっては、無線通信デバイスは、それぞれの可能な想定を通じて循環することが可能であり、これは、伝送に先立って組み合わされている2つのアクティブ・フレームの関係の理解に基づいて、異なる予測可能な差が適用されているという結果をもたらし得る。次いで、復号の試みが行われる。
【0021】
この工程は、組合せおよび復号を試みる際に、依然としてさらなる追加のアクティブ・フレームを含めるために必要に応じてさらに繰り返されることが可能である。あるいは、先に受信されたアクティブ・フレームのうちのいずれかが、組合せのさらなる試みから好ましくは除外されるべきであることが決定された場合、当該フレームは、考慮されているアクティブ・フレームから受信された信号の現在のセットから削除され得る。先に受信されたアクティブ・フレームを除外する少なくとも1つの理由は、当該フレームは潜在的に、その全域で異なるアクティブ・フレーム間のブロードキャスト・チャネル情報の不変性が確認され得ない、異なる先の伝送区間の一部であったという想定に基づいて、先に受信されたアクティブ・フレームを除外することが可能であるように、不変ブロードキャスト・チャネル情報は、特定の伝送区間のアクティブ・フレームの伝送の全域でだけ不変であり得るという確信および理解に基づき得る。しかし、受信機が、伝送区間内で不変なブロードキャスト情報の一部も1つの伝送区間から次の伝送区間まで変化しないというさらなる想定を行う場合を含めるために、不変ブロードキャスト情報および可変ブロードキャスト情報の状態に関する想定に基づいて、組合せおよび復号の方法を容易に拡大することも可能である。
【0022】
図4は、移動体加入者などの無線通信デバイス410、およびそれを用いて、無線通信デバイス410が、ブロードキャスト・チャネル信号200の受信に関して、より直接的に通信するセルラ・ネットワーク基盤(infrastructure)460の一部のブロック図400を例示する。無線通信デバイス410は、無線通信信号を受信するための受信機412を含む。無線通信デバイス410は、受信された無線通信信号を、伝送のための符号化に関して送信されることが意図されたブロードキャスト・チャネル情報480に変換するための復号器414をさらに含む。
【0023】
復号器414は、それぞれ、元の符号化を支配している伝送特定の構成に対応する復号シーケンスを使用して、無線通信信号が受信されるにつれて、その受信された無線通信信号のそれぞれのアクティブ・フレームの復号を試みるように適合された復号モジュール418を含むコントローラ416をさらに含む。このコントローラは、アクティブ・フレームの対に関連する受信された信号の対の間の符号化された値において想定される予測可能な差を識別するように適合された予測可能な差の選択420をさらに含む。この目的で、復号シーケンスは、ブロードキャスト・チャネル情報を符号化するために使用される、想定される送信機構成に対して補完的な形で設計された受信機の処理動作のシーケンス、すなわち、符号化解除、復調、ディインタリーブ、およびディスクランブルの動作の(送信機構成に適切な順序の)シーケンスを意味する。同様に、無線通信デバイス410の復号器414は、復号器414が単一の受信されたアクティブ・フレームを復号できない場合、複数のアクティブ・フレームの組合せの復号を試みるために使用され得る。
【0024】
図5は、本発明の少なくとも1つの実施形態による、無線通信信号を受信して、その無線受信信号を復号する際に使用するための移動体加入者のより詳細なブロック図500を例示する。図4に例示された無線通信デバイス400と類似して、移動体加入者は、復号器414に結合された、無線通信信号を受信するための受信機412を含む。この復号器は、復号モジュール418と、予測可能な差の選択モジュール420とを含む。復号モジュール418は、これまで受信されているアクティブ・フレームを格納するための1つまたは複数のバッファ502を含む。タイマ504は、第1の受信されたアクティブ・フレームに対する想定に鑑みて、その他の受信されたアクティブ・フレームの復号に対して、より正確な関連付けが行われ得るように、受信されたアクティブ・フレームの相対的な時間的関係を提供する。これは、1つまたは複数の理由で、2つの受信されたアクティブ・フレーム間の中間のアクティブ・フレームが受信されていない可能性および/または送信されていない可能性がある場合を明らかにし得る。
【0025】
バッファ502は、1つまたは複数の予測可能な差のうちの1つを、受信されて、1つまたは複数のバッファ502内に格納された無線通信信号のそれぞれに選択的に別々に適用して、訂正された値を復号器507に転送するように適合された、1つまたは複数のログ尤度率調整回路505に結合される。1つまたは複数の予測可能な差の個別の選択的な適用は、符号化に先立って、ブロードキャスト・チャネル情報において知られている差のセットに基づいて、1つまたは複数の予測可能な差508に関する画定に結合された多重化復調器506を介して達成され得る。
【0026】
これまで受信されているアクティブ・フレームの復号を試みるとすぐ、その試みられた復号は、次いで、それにより成功裏の復号に関連する一致が確認されるしきい値を識別するメトリック検出器512に適用される。これは、例えば、巡回冗長検査コードを検査することを含み得る。
【0027】
図6は、セルラ通信ネットワークにおいて当該ブロードキャストに関して無線通信デバイス内で1つまたは複数の連続的に送信されたフレームを受信して、当該フレームの復号を試みる方法の流れ図600を例示する。この方法は、第1のアクティブ・フレームを受信すること602と、受信されたフレームからのブロードキャスト・チャネル情報の復号を試みること604とを含む。次いで、特定のアクティブ・フレームが復号され得るかどうかについて、判定606が下される。「YES」である場合、特定のフレームを復号することに関して、さらなる処理は不要である。しかし、復号されたフレームは、受信されているその他の関係するアクティブ・フレームの復号を試みる一環として使用されることが可能である。当該フレームの復号が失敗した場合、連続的に送信されたアクティブ・フレームが受信される608。次いで、想定される予測可能な差が、受信された第1のアクティブ・フレームに対して連続的に送信されたアクティブ・フレームの相対的な伝送シーケンスと一致する、連続して送信されたアクティブ・フレームに適用された610後で、複数のアクティブ・フレームの復号および組合せの試みが行われる612。
【0028】
少なくともいくつかの実施形態において、1つまたは複数の線形符号化法の適用は、符号化に先立って知られている差に基づいて、予測可能な差を可能にし得る。線形に適用され得るいくつかの方法の例は、畳み込み符号化、巡回冗長検査、データ・インタリーブ、ターボ符号化、データの予め規定された部分を間引くこと(puncturing)や、データの予め規定された部分を繰返すことを含む。
【0029】
本出願は、線形に適用され得る技術に基づく符号化と、伝送区間境界に関するアクティブ・フレームの相対的な位置に基づいて、符号化に先立って、値において知られている差に基づく、符号化された値における予測可能な差とに重点を置くものの、本発明の教示から逸脱せずに、性質的に線形でない可能性があるいくつかの追加の符号化を含む、1つまたは複数の追加の符号化の適用が可能である。例えば、受信機において適切な復号が明らかにされる限り、異なるセルラ基地局からの異なる伝送の区別を援助するために、(非線形の)セル特定のチャネル・インタリーブおよび/またはセル特定のチャネル・スクランブルを含み得る、セル特定の構成を適用することが望ましい場合がある。
【0030】
さらに、本出願は、一般に、移動局、または移動体無線通信デバイスを参照するものの、当業者は、セルラ無線電話、ポケットベル、携帯情報端末、ならびにそのセルラ・ネットワーク基盤との相互作用を介して無線通信をサポートするその他のデバイスを含むが、それらに限定されない、かかる一般化された説明によって包括される多くの異なる形態を認識し得る。
【0031】
本発明の好ましい実施形態が例示および説明したが、本発明はそれらに限定されない。添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、種々の変形形態、変更形態、改変形態、代替形態および均等物が当業者であれば想到し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロードキャスト・チャネル信号であって、
各伝送区間において複数の伝送が行われる1つまたは複数の伝送区間を備え、前記複数の伝送のうちの1つまたは複数は、共に符号化されたデータセットを含むアクティブ・フレームの伝送であり、前記共に符号化されたデータセットが、特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化する可変部分と、前記特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化しない不変部分とを含み、
特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化前のデータ間の既知の差によって、特定の伝送区間内で前記順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化後のデータ間の予測可能な差が生成される、ブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項2】
前記共に符号化されたデータセットが1つまたは複数の線形符号化法を使用して符号化される、請求項1に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項3】
前記1つまたは複数の線形符号化法が畳み込み符号化を含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項4】
前記1つまたは複数の線形符号化法が巡回冗長検査を含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項5】
前記1つまたは複数の線形符号化法がデータ・インタリーブを含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項6】
前記1つまたは複数の線形符号化法がターボ符号化を含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項7】
前記1つまたは複数の線形符号化法が、前記データの予め規定された部分を間引くことを含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項8】
前記1つまたは複数の線形符号化法が、前記データの予め規定された部分を繰返すことを含む、請求項2に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項9】
前記可変部分が、各伝送間で変化するシステム・フレーム番号を含む、請求項1に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項10】
特定の伝送区間内の第1の伝送に関連付けられた前記システム・フレーム番号が、ゼロのモジュロn値を有し、ここでnは前記伝送区間内のフレームの数であり、前記伝送区間内の伝送の数が、2の整数乗の値を有する、請求項9に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項11】
前記伝送の可変部分が、不変下位部分と可変下位部分とを含み、前記可変下位部分が、前記伝送区間内のフレームの数を識別するために、2の値が累乗される整数に等しいビットの数を含む、請求項10に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項12】
前記伝送区間内の各アクティブ・フレームの符号化が、前記伝送区間を形成しているフレーム・シーケンス内のアクティブ・フレームの位置に基づく、請求項1に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項13】
前記伝送区間内の各アクティブ・フレームの符号化が前記伝送のソースに基づく、請求項1に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項14】
前記伝送のソースがセルラ通信システムの基地局である、請求項13に記載のブロードキャスト・チャネル信号。
【請求項15】
無線通信デバイスであって、
1つまたは複数の伝送区間で無線通信信号を受信するための受信機であって、各伝送区間が複数の伝送を含み、該複数の伝送のうちの1つまたは複数がアクティブ・フレームの伝送である受信機と、
前記受信された信号を伝送のための符号化に先立って伝送対象のデータに変換するための復号器であって、コントローラを含む復号器と、を備え、
前記コントローラは、各アクティブ・フレームを受信するとその復号を行うように構成されるとともに、該受信したアクティブ・フレームのうちの1つまたは複数を別々に復号することができない場合には複数のアクティブ・フレームを組み合わせるように構成されており、変換は、前記複数のアクティブ・フレームを組み合わせる前に、該組み合わせに先立って受信したアクティブ・フレームのうちの少なくとも1つに対して適用されるとともに、該変換は、特定の伝送区間内で順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化後のデータ間の予測可能な差に基づいて行われ、該予測可能な差は、前記特定の伝送区間内で前記順次伝送される複数のアクティブ・フレームに関連する符号化前のデータ間の想定される差から判定される、無線通信デバイス。
【請求項16】
前記無線通信信号がブロードキャスト・チャネルであり、各アクティブ・フレームは、共に符号化されたデータセットを含み、該共に符号化されたデータセットは、特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化する可変部分と、前記特定の伝送区間内の複数のアクティブ・フレームの伝送間で変化しない不変部分とを含む、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記復号器が複数の受信信号バッファを含み、該受信信号バッファの数が各伝送区間内のアクティブ・フレームの数に等しい、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記受信信号バッファ内で最先に受信されたアクティブ・フレームが、前記特定の伝送区間内で前記複数のアクティブ・フレームのうち最初に送信されたアクティブ・フレームであると想定される、請求項17に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記コントローラによって組み合わされた前記複数のアクティブ・フレームが、連続的に伝送される隣接したアクティブ・フレームである、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記復号器が、各アクティブ・フレームの受信間の時間間隔を検出するためのタイマを含む、請求項15に記載の無線通信デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−530663(P2010−530663A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510565(P2010−510565)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/067488
【国際公開番号】WO2008/157686
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】