説明

プラスチックおよび/またはポリマーの造粒方法および装置

本発明は、プラスチックおよび/またはポリマーの造粒方法に関するものである。本方法においては、溶融物生成器からの溶融物を、種々の動作位置を有する切換バルブを介して複数の造粒ヘッドに供給することにより、該溶融物をペレット状にする。本発明はまた、プラスチックおよび/またはポリマーを造粒するための装置に関するものである。本装置は、少なくとも1つの溶融物生成器接続部と、少なくとも2つの造粒器接続部と、溶融物生成器接続部を少なくとも1つの造粒器接続部に選択的に接続するスイッチングゲートとを有する切換バルブを備え、造粒ヘッドがそれぞれ少なくとも2つの造粒器接続部に接続され、溶融物の体積流量を変更することができる溶融物生成器が溶融物生成器接続部に接続されている。さらに、本発明は、溶融物生成器接続部と、造粒器接続部と、溶融物生成器接続部を造粒器接続部に接続する溶融物通路とを有する造粒装置用切換バルブに関するものである。したがって、本発明は、複数の造粒ヘッドを種々の通路容量と組み合わせて使用し、スループットウィンドウを大きくすることによって、中断することなく大規模かつ連続的に作業を行い、処理容量の小さい造粒ヘッドに切り換えることによって、不可避の始動プロセスを短縮または始動時に生じる製造物を最小にすることができるという着想に端を発する。本発明の一側面によれば、造粒プロセスの始動時に、処理容量がそれぞれ異なる複数の造粒ヘッドを用いる。溶融物は、まず処理容量の小さい第1造粒ヘッドに供給される。その後前記溶融物の体積流量が増加すると、切換バルブが切り換えられ、溶融物は処理容量の大きい第2造粒ヘッドに誘導される。溶融物生成器が造粒ヘッドの処理容量の下限に到達して造粒プロセスが始動するまでの時間および始動時に生じる製造物の量は、処理容量のできるだけ小さい造粒ヘッドを最初に用いることによって削減することができる。この第1造粒ヘッドの処理容量の下限で造粒プロセスを始動させてからは、始動時の製造物がこれ以上生じることはない。溶融物の体積流量は、切換バルブが処理容量の大きい第2造粒ヘッドに切り換えられるまで定量的に増加するが、この期間において始動時の製造物は生じない。また、スループットウィンドウは全体で大きくなり、始動時の製造物が生じる不可避の始動手順の数が減少する。なぜなら、種々の理由によって溶融能力を処理容量の大きい造粒ヘッドの処理容量の下限よりも小さくする際に、第1造粒ヘッドに切り換えることができるからである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックおよび/またはポリマーの造粒方法に関するものである。本方法においては、溶融物生成器からの溶融物を、種々の動作位置を有する切換バルブを介して複数の造粒ヘッドに供給することにより、該溶融物をペレット状にする。本発明はまた、プラスチックおよび/またはポリマーを造粒するための装置に関するものである。本装置は、少なくとも1つの溶融物生成器接続部と、少なくとも2つの造粒器接続部と、溶融物生成器接続部を少なくとも1つの造粒器接続部に選択的に接続するスイッチングゲートとを有する切換バルブを備え、造粒ヘッドがそれぞれ少なくとも2つの造粒器接続部に接続され、溶融物の体積流量を変更することができる溶融物生成器が溶融物生成器接続部に接続されている。さらに、本発明は、溶融物生成器接続部と、造粒器接続部と、溶融物生成器接続部を造粒器接続部に接続する溶融物通路とを有する造粒装置用切換バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、造粒器を溶融物生成器に接続するための切換バルブは、造粒装置の始動時に用いられている。これは、面倒な始動工程を含む複雑な製造プロセスや、均一なペレットをできるだけ迅速に製造しなければならない場合において特に該当することである。この種の切換バルブは、例えばDE 102 34 228 A1、DE 38 15 897 C2またはEP 0 698 461 B1に記載されている。これらの切換バルブは、溶融物生成器接続部側のバルブ入口開口部を造粒器接続部側のバルブ出口開口部に接続する溶融物通路内において、製造位置では溶融物生成器接続部と造粒器接続部とを相互接続させ、始動位置では溶融物の流れを造粒器接続部側の出口開口部から離れた状態にする切換ゲートを備える。つまり、切換ゲートは溶融物の流れを遮断し、溶融物ロスの進路を変更するので、溶融物生成器接続部に流入する溶融物の流れは、造粒器接続部へ移動せずに、バルブのバイパス開口部から流出してそのまま床面に流れ落ちる。造粒装置が始動して、全てのユニットが所望の動作パラメータで動作し、溶融物の流量が所定量に達すると、切換ゲートは製造位置に切り替えられ、切換バルブ内の溶融物は造粒器接続部へと流入し、そこに接続されている造粒器によってペレット状に加工される。
【0003】
製造プロセスの始動段階は、このような公知の切換バルブを用いることにより、それ自体で十分満足できる程度に実行することができる。しかしながら、例えばポリマー/フィラー混合物の変更、ペレット形状の変更、処理容量要求の変更に伴う変更、ペレットの色変更といった1つの製造プロセスから次の製造プロセスへの移行時、または例えばノズルプレートの修理といった計画的または予定外の製造中断時において、問題が発生する。このプロセスで発生する問題は、バルブ内部の溶融物通路を含む切換バルブ全体を、プラントの再始動前に完璧に洗浄しなければならないことである。洗浄を行わなければ、例えば着色ペレットから白色ペレットへの移行時に、長時間にわたって汚濁が生じてしまう。一般に、従来の切換バルブは洗浄時に取り外さなければならないため、製造プロセスは長時間にわたって中断してしまう。また、洗浄後も、例えば切換ゲートを動作温度まで加熱するために必要な時間を考慮しなければならない。
【0004】
2つの製造プロセス間でのこのような変更に対応するために、2つの個別の切換バルブを用いるという代替方法があるが、これは、このようなプラントの多くのオペレータにとって容認しがたいものである。まず、2つの切換バルブを使用するのはコストがかかる。また、これとは別に、2つの個別の切換バルブを使用すると、例えば新しい切換バルブを動作温度まで上げていくために時間遅れが生じてしまう。
【0005】
DE 696 21 101 T2には、パフォーマンスが少なくとも1000kg/hの大規模製造プラントにおいて、後の造粒プロセスのために配合プロセスで粘性を変更することが記載されている。溶融物生成器の下流側に接続されたバルブに2つの造粒ヘッドを接続し、このバルブを切り替えることによって、一方の造粒ヘッドに高粘性材料を供給し、もう一方の造粒ヘッドに低粘性材料を供給するようになっている。しかしながら、始動時のロスの問題はこの方法では解決されていない。ここではむしろ、各々の動作点に到達するまで、まだ造粒に適した状態になっていない材料をそれ自体で公知の方法によってバイパス開口部を介して排出している。また、DE 197 54 863 C2に記載の造粒装置では、2つの造粒ヘッドが1/3バルブに接続され、黒色材料から白色材料またはその逆の場合の色変更時に、一方または他方の造粒ヘッドが選択される。このプロセスにおいて、色の変更時に着色汚れを洗い流すには、バルブ内に中央バイパス出口を設け、溶融物生成器での色変更後から最後の汚れが排出されるまでの間、中央バイパス出口から次の色の材料を排出する。これは、始動時のロスを削減し、高価な材料の浪費を削減するという前記の目的に鑑みて、有益というよりもむしろ逆効果である。最後に、DE 100 30 584によれば、造粒プラントのための複数の回路を有する回転バルブが公知である。これにより、高分子プラスチック溶融物が分配または分割される。しかしながらこの引例でも、始動時のロスの問題については触れられていない。
【0006】
水中造粒プラントの従来の設計では、始動時のロスおよびこれに対応する材料ロスにより、コストが明らかに増大する。特に、凝固に敏感なポリマーまたはプラスチック、例えば結晶融点が高い製品等では、ノズル孔あたり10kg/hより高い最小処理容量で始動および動作することが要求される。実際に始動した後は、処理容量は増加するが、これは一般的に問題ではない。しかしながら、数kgにおよぶブロック状製造物が始動時に床面に形成されてしまうので、始動プロセスそのものによって材料ロスが生じてしまう。これは、高価な原材料が販売できない状態になるため非経済的であるだけでなく、比較的大きくなったブロックを費用のかかるプロセスで小片にし、最終的には処分しなければならないため、この製造プラントのオペレータにとって好ましくないものである。このような高温溶融ブロックの温度は250℃以上にもなり、切換バルブのバイパス出口から排出されるが、安全面に関するリスクが生じる。プラスチック溶融物のバイパス出口からの排出に伴う問題は、新たな製造プロセスを行うために製造プラントを実際に始動する時に生じるだけでなく、種々の理由によってプラントを造粒ヘッドのスループットウィンドウ(throughput window)の範囲外で稼動しなければならない時、特に溶融物の体積流量を各造粒ヘッドの処理容量の下限より低いレベルで操作しなければならない時にも生じる。ここでも、切換バルブはバイパス位置に切り換えられることがあるため、材料を浪費してしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の基礎となる目的は、改良された造粒方法と、先行技術における不利益を回避し、さらに有利に発展させた切換バルブとを提供することである。好ましくは、始動時のロスをできるだけ少なくしながら造粒量を増加させることができ、プロセスの一時中断や再稼動時のロスを生じることなく、できるだけ継続的に動作を行うことができる。
【0008】
本目的は、本発明の請求項1の方法、請求項10の装置および請求項30の切換バルブによって解決される。本発明の好ましい構成は、従属クレームの主題である。
【0009】
本発明は、複数の造粒ヘッドを種々の通路容量と組み合わせて使用し、スループットウィンドウを大きくすることによって、中断することなく大規模かつ連続的に作業を行い、処理容量の小さい造粒ヘッドに切り換えることによって、不可避の始動プロセスを短縮または始動時に生じる製造物を最小にすることができるという着想に端を発する。本発明の一側面によれば、造粒プロセスの始動時に、処理容量がそれぞれ異なる複数の造粒ヘッドを用いる。溶融物は、まず処理容量の小さい第1造粒ヘッドに供給される。その後前記溶融物の体積流量が増加すると、切換バルブが切り換えられ、溶融物は処理容量の大きい第2造粒ヘッドに誘導される。溶融物生成器が造粒ヘッドの処理容量の下限に到達して造粒プロセスが始動するまでの時間および始動時に生じる製造物の量は、処理容量のできるだけ小さい造粒ヘッドを最初に用いることによって削減することができる。この第1造粒ヘッドの処理容量の下限で造粒プロセスを始動させてからは、始動時の製造物がこれ以上生じることはない。溶融物の体積流量は、切換バルブが処理容量の大きい第2造粒ヘッドに切り換えられるまで定量的に増加するが、この期間において始動時の製造物は生じない。また、スループットウィンドウは全体で大きくなり、始動時の製造物が生じる不可避の始動手順の数が減少する。なぜなら、種々の理由によって溶融能力を処理容量の大きい造粒ヘッドの処理容量の下限よりも小さくする際に、第1造粒ヘッドに切り換えることができるからである。
【0010】
装置に関しては、本発明の一側面によれば、上記造粒装置は、溶融物生成器の溶融物の体積流量に基づいて切換バルブのスイッチングゲートを制御するための制御装置を有している。この制御装置により、溶融物の体積流量が小さい時は、切換バルブは通過容量の小さい造粒ヘッドに切り換えられる。また、溶融物の体積流量が大きい時は、処理容量の大きい第2の造粒ヘッドに切り換えられる。このような制御装置を用いることにより、装置のスループットウィンドウが大きくなり、途中で中断することなく広範な動作範囲で動作することができ、必要な始動プロセスの数が減少するので、上記始動プロセスに関係なく、効率を大幅に向上させることができる。これに関連して、制御装置においては、一般的に様々な自動化率を設定することができる。例えば、半自動化にして、溶融物の体積流量が、処理容量の大きい第2造粒ヘッドの動作を可能にする量に達したことを知らせる表示を行い、プラントオペレータの注意を喚起するようにしてもよい。プラントオペレータが入力を行った後、切換バルブは上記方法にて処理容量の大きい第2造粒ヘッドに切り換えられ、溶融物の流れが第1造粒ヘッドから第2造粒ヘッドに誘導される。また、特に有利な方法として、制御装置を完全自動化にし、切換バルブが、溶融物体積流量の測定結果に基づいて対応する造粒ヘッドに自動的に切り換えられるようにしてもよい。
【0011】
本発明のさらなる観点によれば、この制御装置は、制御手段を有している。該制御手段は、溶融物の体積流量が、処理容量の大きい第2造粒ヘッドの容量の下限より少なく、処理容量の小さい第1造粒ヘッドの処理容量の下限より多い時に、切換バルブを第1造粒ヘッドに切り換えるようになっている。また、溶融物の体積流量が、第2造粒ヘッドの容量の下限より多く、処理容量がさらに大きい任意の第3の造粒ヘッドの容量の下限より少ない時に、切換バルブを第2造粒ヘッドに切り替えるようになっている。
【0012】
制御装置は、溶融物生成器から切換バルブに誘導される体積流量を制御するための体積流量制御手段をさらに有していてもよい。このプロセスにおいては一般的に、体積流量を変更することのできる種々の溶融物生成器を使用することができる。例えば、対応するスクリュー押出機によって溶融物の流れを生じさせると同時に、その体積を変更してもよい。しかしながら、必要に応じて、溶融物生成器と切換バルブとの間にギアポンプを設置して体積流量を制御してもよい。プロセスをできるだけ調節可能な方法で異なる条件下に適応させるためには、体積流量を造粒ヘッドの容量範囲内で好ましくは連続的に変化させることができるように、制御装置を構成する。
【0013】
溶融物の体積流量は、処理容量の小さい第1造粒ヘッドを用いる造粒プロセスの始動時に、つまり切換バルブを第2造粒ヘッドに切り換える前に、第1造粒ヘッドの処理容量の範囲内で連続的に増加させることができる。第1造粒ヘッドにおいて造粒が行われているので、始動時の製造物は生じず、プラントは溶融物の体積流量の増加に伴い、処理容量の大きい第2造粒ヘッドを用いる造粒プロセスに連続的に移行する。
【0014】
切換バルブは、溶融物の体積流量が第2造粒ヘッドの処理容量の下限および/または第1造粒ヘッドの処理容量の上限まで増加した時にのみ、切り換えられる。
【0015】
一般的に、切換バルブは、造粒プラントの始動時において、正常な始動を行うための最低限の条件が整った時に、始動時の製造物が床面または適当な貯留容器に誘導されるバイパス位置から、第1造粒ヘッドに切り換えることができる。本発明のさらなる観点によれば、切換バルブは、溶融物の粘性、質量温度、質量圧力、脱気状態および/または必要最低体積流量に達したかどうかに基づいて、始動位置から第1造粒ヘッドに切り換えられる。この判定を行うための手段がさらに装置に設けられる。好ましくは、その手段は上記パラメータを検出するためのセンサである。これにより、制御装置は、対応する信号に基づいて切換バルブを切り換えることができる。対応するセンサの代わりに、上記パラメータを予測してもよい。上記パラメータに加えて、色、フィラー導入等のさらに別のパラメータや、溶融パラメータ、造粒パラメータ等を考慮して、切換バルブを第1造粒ヘッドに切り換えてもよい。
【0016】
同様に、第1造粒ヘッドから第2造粒ヘッドへの切換バルブの切り換え、またはn番目の造粒ヘッドからn+1番目の造粒ヘッドへの切り換えは、溶融物の体積流量が第2またはn+1番目の造粒ヘッドの必要最低流量に達したかどうかに基づいてのみ行われるが、その代替または追加として、別のパラメータを利用してもよい。具体的には、切換バルブは、ペレットサイズ、溶融物の質量圧力、溶融物の質量温度またはペレット形状、表面粘着性、凝固、ダブルグレインの発生、結晶効果といったその他のパラメータに基づいて、第1造粒ヘッドから第2造粒ヘッドに切り換えられてもよい。例えば、第1造粒ヘッドの速度が最大可能造粒速度に達した時にはそれ以上上昇しないようにして、正確なペレットサイズを維持するか、または次の造粒器に切り換えて再び正確なペレットサイズに到達させるようにすると、切換バルブは処理容量の大きいバルブに切り換えられる。その代替または追加として、溶融物の質量圧力が限界値を超えた時に切り換えを行ってもよい。処理能力が増加すると、通常は押圧もまた増加するが、圧力によるせん断によって損傷が生じるので、製品によってはその増加を制限してもよい。この結果、溶融物の質量温度もまた顕著に上昇するので、同様の結果が生じる。切り換えは、ここではひとつの救済策になりうる。ペレット形状を考慮した場合は、その判断基準は、例えばバルブ孔あたりの体積流量増加に伴うペレットの決定的な変形である。処理容量の大きい造粒ヘッドへの切り換えは、ここでは製造される材料の反応性と、ペレット品質に対する要求とに基づく救済策となりうる。その他の二次的な切り換えの必要性は、ペレットサイズから導き出されるが、これは最終的にはペレットの粒径、すなわち表面粘着性、凝固、ダブルグレイン、異なるペレットサイズおよび温度等に基づく種々の結晶効果等に相互に関連付けられる。
【0017】
スループットウィンドウを実現し、できるだけ少ない数の造粒ヘッドでできるだけ広範な動作ウィンドウを得るために、また同時に一方の造粒ヘッドから他方の造粒ヘッドへの溶融物の切り替えをできるだけ問題なく行うために、切換バルブに接続される造粒ヘッドは、相互に補完し合う処理容量範囲を有し、好ましくは連続的に隣接する処理容量範囲を有している。必要に応じて、処理容量範囲は一部重複していてもよいが、スループットウィンドウの増加のためには、両造粒ヘッドによって決定される処理容量領域が1つの造粒ヘッドの処理容量領域よりも大きいことが全体として適用される。造粒ヘッドの処理容量範囲を連続的に隣接するように構成することにより、各処理容量範囲を最大限に利用することができる。例えば、造粒装置をPET造粒用に構成した場合、処理容量が2500kg/hから4500kg/hまでの第1造粒ヘッド、処理容量が4500kg/hから7500kg/hまでの第2造粒ヘッドおよび処理容量が7500kg/hから12500kg/hまでの第3造粒ヘッドを使用する。処理容量範囲は、対応する方法によって相互に連続的に補完し合うように構成されていれば、これと異なるように選択してもよい。
【0018】
一般的に、各造粒ヘッドは、異なる造粒プロセスに用いられるように構成することができる。本発明の有利な実施形態によれば、造粒ヘッドは、水中造粒ヘッドを形成していてもよい。あるいは、造粒ヘッドは、押出造粒ヘッドまたはウォーターリング式造粒ヘッドを形成してもよい。
【0019】
本発明のさらに有利な点において、造粒ヘッドは全て同一種類のものであり、例えば水中造粒ヘッドである。
【0020】
本発明の別の構成によれば、造粒ヘッドは、それぞれ異なる種類のものであってもよい。例えば、処理容量の小さい造粒ヘッドを水中造粒ヘッドとし、処理容量の大きい造粒ヘッドを押出造粒ヘッドとしてもよい。
【0021】
切換バルブは、1つの造粒ヘッドから次の造粒ヘッドへ溶融物の流れを、できるだけ早くかつできるだけ中断が生じないように誘導するように構成されている。
【0022】
異なるプロセス段階で用いられる二方向切換バルブは、異なる溶融物流路を有していることが好ましく、第1プロセス段階では切換バルブは第1流路で動作し、第2プロセス段階では第2流路を介して動作する。バルブは、第1または第2造粒器接続部を介して、溶融物を選択的に流出させる。これと同時に、動作していない方の流路または造粒器接続部は、その流路を用いた製造に向けて洗浄されるので、中断時間をなくすことができる。それでも、溶融物の熱によって切換バルブの動作していない部分が自然に加熱されるため、動作していない方の流路または造粒器接続部は、温度を保っている。
【0023】
本発明の有利な実施形態によれば、切換バルブは、1つの溶融物生成器接続部から始まる複数の製造経路を大規模に実現することができる。本発明のこの実施形態によれば、切換バルブは、第1造粒器接続部の他に、第1造粒器接続部と同じ溶融物生成器接続部に接続可能な第2造粒器接続部を有する。溶融物の流れが第1または第2造粒器接続部を介して選択的に放出されるようにするために、切換バルブは、第1製造位置において溶融物生成器接続部を第1造粒器接続部に接続し、第2製造位置において同じ溶融物生成器接続部を第2造粒器接続部に接続するスイッチングゲートを有する。
【0024】
これにより、ポリマー溶融物は造粒器接続部に設置された2つのノズル構造のうちの1つに素早く誘導される。もう一方のノズル構造は、いわゆる待機状態に入り、使用されない。この2つの製造装置間の切り換えは、スイッチングゲートの操作により数秒で行われる。
【0025】
本発明のさらなる観点において、切換ゲートを、溶融物生成器接続部を2つの造粒器接続部のうちの1つに選択的に接続する溶融物通路に設けてもよい。切換ゲートは、製造位置において溶融物通路を各造粒器接続部に結合し、始動位置では溶融物の流れをバイパス開口部に誘導する。
【0026】
製造方向を切り換えるための前記スイッチングゲートと、始動プロセスに用いる切換ゲートは通常、互いに分離した状態に形成される。しかしながら、本発明のさらなる観点によれば、これらを互いに連結してもよく、特に共通のバルブアクチュエータによって駆動される共通のバルブ本体として形成してもよい。
【0027】
本発明のさらなる観点において、切換バルブは、溶融物通路および第1および第2造粒器接続部に接続可能な第3またはそれ以上の造粒器接続部を有していてもよい。これに関連して、スイッチングゲートは、第3製造位置において第3造粒器接続部を溶融物生成器接続部に接続するように構成されていることが好ましい。こうすることにより、切換バルブは2つ以上の製造方向に切り換えることが可能となる。
【0028】
本発明の一側面によれば、切換バルブは、第1製造通路とは完全に分離された第2製造通路を有する。本実施形態のバルブは、第1溶融物生成器接続部、第1造粒器接続部および第1溶融物生成器接続部と第1造粒器接続部とを接続する第1溶融物通路の他に、第2溶融物通路に互いに接続される第2造粒器接続部および第2溶融物生成器接続部を有する。こうすることにより、第1製造プロセスから第2製造プロセスへの移行が有利かつ迅速に行われ、最初に使用された溶融物生成器接続部および造粒器接続部は、クイッククローズ継手によって解除され、第2溶融物生成器接続部および造粒器接続部とそれらに対応するクイッククローズ継手が、最小限の機械的変化および切換バルブの回転を行った後に、溶融物生成器および造粒器の間に設けられる。第2溶融物通路は、すでに洗浄され、先の製造プロセスによってすでに予熱された状態であるので、次の製造プロセスをすぐに始動させることができる。
【0029】
これに関連して、第1溶融物通路内および第2溶融物通路内に切換ゲートが設けられる。切換ゲートは、製造位置において、溶融物が各溶融物生成器接続部の入口開口部から対応する造粒器接続部の出口開口部へと流れるように各溶融物通路を結合し、始動位置において、溶融物の流れを迂回させる。つまり、それ自体で公知の方法によって次の製造プロセスのための始動プロセスが行われるように、各造粒器接続部をブロックして、溶融物の流れをバイパス開口部に誘導する。
【0030】
これに関連して、第1溶融物通路の切換ゲートおよび第2溶融物通路の切換ゲートは、共通のバルブアクチュエータによって駆動される共通のバルブ部材とすることが有利である。これにより、両製造通路を始動位置から製造位置に切り換えるための制御模倣のみが要求される。バルブアクチュエータ、制御電子回路等の対応構成要素は、2つの分離した切換バルブを使用する場合に比較して省略することができるので、この方法は費用効果が良い。
【0031】
第1溶融物通路の溶融物および第2溶融物通路の溶融物を、いずれの場合にもバイパス開口部に誘導するために、バルブ部材において、第1溶融物通路、第2溶融物通路および対応するバイパス通路のための結合通路が設けられている。
【0032】
バルブ部材によって形成される切換ゲートは、両切換ゲートが同時に製造位置および始動位置となるように構成されていることが有利である。切換バルブの製造通路を両方同時に用いると、対応する製造プロセスを同時に始動することができる。切換バルブの2つの製造通路のうちの1つのみを使用する場合は、使用していない製造通路は開放されているので、もう一方の製造通路が使用されている間に完全に洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を、好ましい実施形態および図面に基づいて詳細に説明する。
【0034】
図1に示す切換バルブ1は、第1溶融物生成器接続部3、第2溶融物生成器接続部4、第1造粒器接続部5および第2造粒器接続部6を外面に備えたバルブハウジング2を有する。図1に示すように、接続部3〜6は、バルブハウジング2の周囲において、それぞれ向かい合う面に配置されている。第1溶融物生成器接続部3は第1造粒器接続部5に対向するように配置され、第2溶融物生成器接続部4は第2造粒器接続部6に対向するように配置されている。
【0035】
溶融物生成器接続部および造粒器接続部は、互いに連通していてもよい。このために、バルブハウジング2の内部に第1溶融物通路7(図1および図5参照)を設け、これを介して第1溶融物生成器接続部3を第1造粒器接続部5に接続することができる。また、第2溶融物通路8(図4および図6参照)を設け、これを介して第2溶融物生成器接続部4を第2造粒器接続部6に接続することができる。これに関連して、溶融物通路7および8は、2つの溶融物生成器接続部3および4の入口開口部10および11と、造粒器接続部5および6の出口開口部12および13とに連通している。
【0036】
対応する第1溶融物生成器接続部3および第1造粒器接続部5、または第2溶融物生成器接続部4および第2造粒器接続部6を有する2つの溶融物通路7および8は、互いに独立し、個別に動作可能な製造方向を形成している。一方の溶融物通路を通過する溶融物流路は、もう一方の溶融物通路を通過する溶融物流路とは重複していない。2つの溶融物通路は、後で説明する共通の切換バルブが両方の溶融物通路に対して設けられている時にのみ、相互に結合される。図1、図2および図3に示すように、対応する第1溶融物生成器接続部3と、第1造粒器接続部5と、それらを結合する第1溶融物通路7は、同様に対応する第2溶融物生成器接続部4と、第2造粒器接続部6と第2溶融物通路8とに対して、鉛直方向にずれている。第1溶融物生成器接続部3と第1造粒器接続部5との間にある第1溶融物通路7は、第2溶融物生成器接続部4と第2造粒器接続部6との間にある第2溶融物通路8よりも上側に形成されている。当然のことながら、その他の方法で配置することもまた可能である。例えば、4つの接続部3〜6を同じ高さに配置し、各溶融物通路を例えばそれぞれを跨ぐようにアーチ形に形成してもよい。しかしながら、図面に示す実施形態は、直線状に形成された溶融物通路7および8に基づく簡素な生産性を特徴とするものである。
【0037】
バルブハウジングまたはバルブ本体2内部には、2つの溶融物通路7および8に対応し、始動プロセスにおいて、各溶融物通路7および8の内部を流れる溶融物をバイパス開口部に誘導する切換ゲート14が設けられている。図示した実施形態において、切換ゲート14は、実質的に円筒形状のバルブゲート15を備えている。バルブゲート15は、図示した実施形態において上下方向に延びるバルブ孔に長手方向に移動可能に収容され、溶融物通路7および8の長手方向軸に交差するように延びている。バルブゲート15は、長手方向に移動するのではなく、長手方向軸を中心として回転する回転式スライドとして構成されていてもよい。その他のバルブ動作原理を採用することもまた可能である。
【0038】
図1〜図5に示すように、バルブゲート15は、バルブハウジング2の上面に配置されて電子制御ユニット17によって制御されるバルブアクチュエータ16によって駆動される。バルブアクチュエータ16は、例えば、電磁式、油圧式または空圧式といった様々な動作原理で実現することができる。これにより、バルブゲート15を製造位置、始動位置またはバイパス位置に調節することができる。
【0039】
図5〜図7に示すバルブゲート15の製造位置では、バルブゲート15は2つの溶融物通路7および8のそれぞれを貫通状態に切り換える。つまり、溶融物生成器接続部3および4の入口開口部10および11にそれぞれ流入する溶融物は、バルブゲート15を通過し、溶融物通路7および8を介して、造粒器接続部5および6の対応する出口開口部12および13に案内される。図4〜図7に示すように、溶融物通路7および8は、バルブゲート15が挿入されているバルブ孔に向かってそれぞれ開放されている。バルブゲート15内には2つの製造通路18および19が形成されており、図5〜図7に示すバルブゲート15の位置において、溶融物通路7および8に連通している。
【0040】
バルブゲート15が、バルブアクチュエータ16によって図5〜図7に示す製造位置から図8〜図13に示す始動位置に移動すると、バルブゲート15により、溶融物生成器接続部3および4の入口開口部10および11と、造粒器接続部5および6の出口開口部12および13との連通が遮断される。バルブゲート15は、入口開口部10および/または入口開口部11に流入する溶融物の流れをバイパス開口部に誘導するので、溶融物は始動時には床面に流れる。このために、バルブゲート15は、溶融物通路7および8と互いに連通するバイパス通路20および21を有する。より詳細には、バイパス通路20および21は、バルブゲート15が図9〜図14に示す始動位置にある時に、その一部が入口開口部10および11に連通し、そこから流入する溶融物を受け取るようになっている。2つのバイパス通路20および21のもう一方の端部は、バルブゲート15の端面のバイパス出口開口部に開放されている。バルブゲート15の下端面は、バルブハウジング2の外面に連通している。
【0041】
図1〜図13に示す切換バルブ1に関して、2つの使用方法が挙げられる。まず、切換バルブ1は、定められた時点において、溶融物生成器接続部3および4のいずれか一方および造粒器接続部5および6のいずれか一方のみに対して用いることができる。つまり、2つの製造方向のうち1つだけを使用して、もう一方の製造方向、すなわちもう一組の溶融物生成器接続部および造粒器接続部は使用せず、いわゆる待機状態とする。稼動中の製造プロセスが中断されて、次の製造プロセスが始動されるような場合には、切換バルブを、クイッククローズ継手を介して各溶融物生成器および造粒器から取り外す。次いで、バルブを90°回転させ、溶融物生成器および造粒器に装着して、未使用の溶融物生成器接続部および造粒器接続部を用いて次に始動される製造プロセスを実行する。この新たな製造プロセスは、それ自体で公知である方法によって始動される。まず、切換ゲート14を図8〜図13に示す始動位置に移動させて、始動プロセスの間は溶融物を床面に落下させる。プラントが始動すると、切換ゲート14を図2〜図7に示す製造位置に移動させ、新たな溶融物の流れを造粒器から切換ゲートを介して接続された造粒器へと誘導する。これにより、変更時間を最小に抑えることができる。とりわけ、切換バルブの洗浄に要する時間を省くことができる。先に使用した製造通路は、バルブが次に使用する製造通路に接続されて次の製造プロセスが行われている間に洗浄することができる。また、さらに有利なことには、切換バルブは先の中断された製造プロセスで予熱された状態であるので、少なくともほぼ動作温度に達している。
【0042】
もう1つの方法として、上記切換バルブ1は、2つの製造通路を同時に使用することを可能にする。つまり、溶融物生成器接続部3および4の両方を、1つ以上の溶融物生成器に接続し、同様に2つの造粒器接続部5および6を2つの造粒器に同時に接続する。上記構成による切換ゲート14は、このプロセスにおいて、まず、両方の製造通路を始動位置に切り換える。つまり、両方のプロセスを始動させる。両方のプロセスが始動するとすぐ、切換ゲート14を切り換えて、両方の製造プロセスを開始する。
【0043】
製造プロセスが連続的または同時に行われるかどうかに関係なく、切換ゲート1は、同一または全く異なる2つの製造プロセスを実行することを可能にするという点で有利である。例えば、2つの造粒プロセスが共に押出造粒または水中造粒等である場合は、第1溶融物生成器接続部3および第1造粒器接続部5と、第2溶融物生成器接続部4および第2造粒器接続部6とによって行われる。しかしながら、例えば一方が押出造粒、他方が水中造粒といった、それぞれ異なる造粒プロセスでも実行することができる。この点において、ノズルプレートは、同一断面形状および同一数の孔を有するもの、同一断面形状であって孔の数が異なるもの、異なる断面形状であって同一数の孔を有するもの、異なる断面形状であって孔の数も異なるもの、または異なる構造サイズでこれらを組み合わせたものを、それぞれ必要に応じて用いることができる。
【0044】
図14〜図17に示す第2の実施形態による切換バルブ1は、2つの溶融物生成器接続部に代えて、第1造粒器接続部5若しくは第2造粒器接続部6に選択的に接続されるか、またはバルブの始動位置においてバイパス開口部に接続される1つの溶融物生成器接続部3のみを有している点で、上記第1の実施形態と実質的に異なる。図14〜図17の切換バルブ1が上記実施形態と一致する限りにおいて、同一構成要素には同一参照番号を付し、上記記載を参照する。
【0045】
図14および図15に示すように、本実施形態では、溶融物生成器接続部3および2つの造粒器接続部5および6は、同一高さに配置され(図14参照)、それぞれ入口開口部10または出口開口部12および13から放射状に内側方向に延び、バルブゲート15を収容するバルブ孔に向かって開放している溶融物通路7、7aおよび7bに連通している。切換ゲート14のバルブゲート15は、先に述べたように、軸方向に調節可能であり、2つの製造通路18および19を有する(図16および図17参照)。バルブゲート15が図16に示す第1製造位置にある時は、切換ゲート14は、溶融物生成器接続部3の入口開口部10を第1造粒器接続部5の出口開口部12に結合させる。第1製造通路18は、溶融物生成器接続部3から続く溶融物通路7を、第1造粒器接続部5に連通している溶融物通路の部分7aに結合させる。したがって、入口開口部10から流入する溶融物の流れは、第1造粒器接続部5に設置された造粒器へと移動する。
【0046】
バルブゲート15が図17に示す第2製造位置に移動すると、切換ゲート14は、第1溶融物生成器接続部3を第2造粒器接続部6に結合させる。バルブゲート15内の第2製造通路19は、入口開口部10から続く溶融物通路7を、第2造粒器接続部6に接続している溶融物通路の部分7bに結合させる。したがって、入口開口部10から流入する溶融物の流れは、第2造粒器接続部6に接続された造粒器へと移動する。
【0047】
さらに、バルブゲート15は、図15に示す始動位置またはバイパス位置に移動させることができる。この位置では、バルブゲート15は造粒器接続部5および6の両方をブロックし、入口開口部10から流入する溶融物の流れを、バルブゲート15内に形成されたバイパス通路20を介して、バルブゲート15の下端面に設けられたバイパス開口部に誘導する。溶融物は、上記したように、プラントの始動時にはこのバイパス開口部を通って床面へと流れ落ちる。
【0048】
第2の実施形態による切換バルブ1では、2つの出口開口部12および13のうちの1つだけを、定められた時点において、共通の入口を介して使用する。入口開口部10に流入するポリマー溶融物は、一方の造粒器接続部に誘導されるが、もう一方の造粒器接続部は待機状態となり、使用されない。切り換えは、切換ゲート14の操作によって数秒で行われる。
【0049】
簡単なプロセスでは、切換ゲート14に2つの製造位置だけを設け、バイパス位置とそれに対応するバイパス通路20を省略してもよい。このプロセスでは、いわゆる始動時の製造物は、小さい方の造粒器でペレット状に再成形されるので、通常は大規模になる始動位置を完全に不要にすることができる。
【0050】
特に、第2の実施形態の切換バルブ1は、限られたスペースでできるだけ小さいユニットを用いて複雑なプラントを稼動する場合に使用することができる。稼動中に切り換えを行うことができるため、一時停止が起こるのを大幅に回避することができ、あるいは2つの造粒ヘッドを巧みに選択することによって、1つの製造機で極めて広範なスループットウィンドウを得ることができる。
【0051】
本実施形態の切換バルブ1では、2つの造粒器接続部5および6で同一の造粒プロセスを行うことができる。例えば、押出造粒または水中造粒を2つの造粒器接続部5および6の両方で行うことができる。しかしながら、異なる造粒プロセスを行うことも可能である。例えば、一方の造粒器接続部では押出造粒を、他方の造粒器接続部では水中造粒を行うことができる。いずれの場合においても、2つの造粒器接続部5および6に用いるノズルプレートは、同一断面形状および同一数の孔を有するもの、同一断面形状であって孔の数が異なるもの、異なる断面形状であって同一数の孔を有するかまたは孔の数が異なるものを使用することができる。また、異なる構造サイズでこれらのうちのいずれかを有するノズルプレートを使用することも可能である。
【0052】
2つの造粒器接続部5および6に異なる構造サイズの造粒器を用いた場合には、特に興味深い結果が得られる。機械が達成しうる体積流量ウィンドウは、異なるノズルプレートを用いることよって大幅に増加する。始動プロセスあたりのロスがさらに減少するため、処分または処理しなければならない材料ロスが全体として減少する。また、プロセスを素早く始動することができ、全体として人員および作業量を削減することができる。
【0053】
図14〜図17に示す上記切換バルブ1は、2つの造粒器接続部5および6に異なる処理容量を有する造粒ヘッド24および25がそれぞれ接続された図18の水中装置23において、特に有利に用いられる。図18に示すように、押出機26および/またはギアポンプ27によって水平方向に供給された溶融物は、切換バルブ1を介して、2つの造粒ヘッド24および25のうちの一方のノズルプレート28に放射状に設けられた孔に押し付けられる。ノズルプレート28から吐出されたストランドは、満水にされた切断チャンバですぐに切断されてペレットになり、水流29によって移送される。溶融物は処理水との温度差が大きいために即座に固化するので、ペレットは、その粘度に応じて水中造粒に特有の球形状になる。図18に示すように、造粒ヘッド24または25の切断チャンバ内のペレットと水の混合物は、移送ライン30によって、遠心脱水機32の上流側に位置する造粒体回収器31に送られる。
【0054】
プラントが始動すると、切換バルブ1は、まず図19aに示すようにバイパス位置に移動して溶融物を床面に流れるように誘導する。溶融物の体積流量は、処理容量の小さい第1の造粒ヘッド24の容量の下限に達するまで、中央制御装置33が押出機26および/またはギアポンプ28を制御することにより、連続的に増加する。上記したように、凝固に敏感なポリマーの場合、例えば結晶融点が高い製品等の場合は、ノズル孔あたり10kg/h以上の最小処理容量で始動および稼動することが特に必要である。また、切換バルブ1を含む装置構成要素を、材料によって異なる所定の最低温度まで予熱することも必要である。
【0055】
第1造粒ヘッド24の容量の下限に到達し、かつ/またはプラントまたは材料に特有のその他の動作パラメータに到達するとすぐ、制御装置33は、バルブゲート15が第1製造位置に移動して溶融物が第1造粒ヘッド24に流入するように、切換バルブ1を制御する。図20の矢印Aは第1造粒ヘッド24に流入する少ない方の溶融物の体積流量を示す。
【0056】
第1造粒ヘッド24での造粒が開始するとすぐ、溶融物の体積流量は、第2造粒ヘッド25の容量の下限に達するまでさらに増加される。第2造粒ヘッド25の容量の下限は、第1造粒ヘッド24の容量の下限よりも高く、第1造粒ヘッド24の容量の上限の範囲内である。2つの造粒ヘッド24および25の容量範囲は、それぞれ連続的に隣接しているか、あるいはわずかに重複していることが好ましい。溶融物の体積流量が第2造粒ヘッド25の容量の下限まで増加すると、制御装置33の制御によってバルブゲート15が第2製造位置に移動するので、溶融物の流れは第1造粒ヘッド24から第2造粒ヘッド25へ瞬時に移動する。
【0057】
このように、最初に処理容量の小さい第1造粒ヘッド24で造粒プロセスを行ってから、処理容量の大きい第2造粒ヘッドでの造粒プロセスを始動させることにより、実質的な効率向上が実現し、始動時のロスを回避することができる。
【0058】
以下の実施例では、経済的な利点について説明する。
【0059】
実施例1
ノズルプレートに例えば150個の孔を有し、推定体積流量ウィンドウが1個の孔あたり10kg/h〜35kg/hであり、通常処理では1,500kg/h〜5,250kg/hであるニ軸スクリュー押出機からのPP化合物の造粒
このプロセスにおいて、造粒器の切断速度は必ず、3.5倍でフィードバックされて記録される。所定のブレードの組み合わせで1,500kg/h、1,030l/minで始動し、ブレード速度を3,600l/min、5,250kg/hまで直線的に増加させる。この方法で製造したペレットは、それぞれ同一重量である。所定の機械に、例えば45個の孔を有し、容量が450〜1,575kg/hである第2造粒ヘッドが設置されていれば、製造ウィンドウは約12倍に増加する。したがって、同一機械によって450〜5,250kg/hの高品質ペレットが製造される。
【0060】
最悪のシナリオを想定した場合(実際に始動するまでに最低限必要な処理性能で約3分の始動時間が必要)、以下のようになる。
【0061】
標準切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
3分×1,500kg/h=75kg
二方向切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
3分×450kg/h=22.5kg
また、1,500kgの製造に3分を要する同一の製造機の方が、450kg/hに実質的に早く到達する。つまり、始動時間を3分の1に減少することができる。したがって、1回の始動プロセスあたりの材料ロスは、54秒×450kg/h=6.75kgとなる。
【0062】
本実施例に記載したように、本発明のこのオプションによれば、始動プロセスあたりのロス量を1/11.11に削減することができる。これにより、製造設備においては、処分または処理しなければならない材料ロスが減少するだけでなく、迅速に始動を行うことができるので、全体として人員および作業量を削減することができる(プラスチックは切換バルブから下部=床面に排出される際に吸引および冷却しなければならず、操業コストに直接影響を及ぼす)。
【0063】
製品変更が一日に1回で、原料費が1.20ユーロ/kgの場合、一日あたり81.90ユーロの節約になり、年間だと29,839.50ユーロの節約になる。
【0064】
実施例2
ノズルプレートに例えば250個の孔を有し、推定体積流量ウィンドウが1個の孔あたり30kg/h〜50kg/hであり、通常処理では7,500kg/h〜12,500kg/hである反応器からのPETの造粒
このプロセスにおいて、造粒器の切断速度は必ず、1.67倍でフィードバックされて記録される。所定のブレードの組み合わせで7,500kg/h、1,796l/minで始動し、ブレード速度を3,000l/min、12,500kg/hまで直線的に増加させる。この方法で製造したペレットは、それぞれ同一重量である。所定の機械に、例えば150個の孔を有し、容量が4,500〜7,500kg/hである第2造粒ヘッドが設置されていれば、製造ウィンドウは約2.78倍に増加する。したがって、同一機械によって4,500〜12,500kg/hの高品質ペレットが製造される。
【0065】
最悪のシナリオを想定した場合(実際に始動するまでに最低限必要な処理性能で約2分の始動時間が必要)、以下のようになる。
標準切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
2分×7,500kg/h=250kg
二方向切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
2分×4,500kg/h=150kg
また、7,500kgの製造に2分を要する同一の製造機の方が、4,500kg/hに実質的に早く到達する。つまり、始動時間を減少することができる。したがって、1回の始動プロセスあたりの材料ロスは、72秒×4,500kg/h=90kgとなる。
【0066】
本実施例に記載したように、本発明のこのオプションによれば、始動プロセスあたりのロス量を1/2.78に削減することができる。これにより、製造設備においては、処分または処理しなければ材料ロスが減少するだけでなく、迅速に始動を行うことができるので、全体として人員および作業量を削減することができる(プラスチックは切換バルブから下部=床面に排出される際に吸入および冷却しなければならず、操業コストに直接影響を及ぼす)。
【0067】
実施例3
ノズルプレートに例えば250個の孔を有し、推定体積流量ウィンドウが1個の孔あたり30kg/h〜50kg/hであり、通常処理では7,500kg/h〜12,500kg/hである反応器からのPETの造粒
このプロセスでは、造粒器の切断速度は必ず、1.67倍にフィードバックされ記録される。所定のブレードの組み合わせで7,500kg/h、1,796kg/minで始動し、ブレード速度を3,000l/min、12,500kg/hまで直線的に増加させる。この方法で製造したペレットは、それぞれ同一重量である。所定の機械に、例えば150個の孔を有し、容量が4,500〜7,500kg/hである第2造粒ヘッドが設置されていれば、製造ウィンドウは約2.78倍に増加する。したがって、同一機械によって4,500〜12,500kg/hの高品質ペレットが製造される。図21に示すような多方向切換バルブを用いて、第3のノズルプレートおよび造粒ヘッドを設置する場合には、最小限の始動動作をさらに減少することができる。例えば90個の孔を有する第3のノズルを用いると、2,700kg/h〜4,500kg/hの処理能力が得られる。したがって、造粒装置は最終的に2,700kg/h〜12,500kg/hの範囲で使用することができる。製造ウィンドウは約4.63倍に増加する。
【0068】
上記と同様に、最悪のシナリオを想定した場合(実際に始動するまでに最低限必要な処理性能で約2分の始動時間が必要)、以下のようになる。
標準切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
2分×7,500kg/h=250kg
二方向切換バルブでの1回の始動プロセスあたりの材料ロスは
2分×2,700kg/h=90kg
また、7,500kgの製造に2分を要する同一の製造機の方が、2,700kg/hに実質的に早く到達する。つまり、始動時間を半分に減少することができる。したがって、1回の始動プロセスあたりの材料ロスは、43.2秒×2,700kg/h=32.4kgとなる。
【0069】
本実施例に記載したように、本発明のこのオプションによれば、始動プロセスあたりのロス量を1/7.72に削減することができる。このように、製造設備においては、処分または処理しなければならない材料ロスが減少するだけでなく、迅速に始動を行うことができるので、全体として人員および作業量を削減することができる(プラスチックは切換バルブから下部=床面に排出される際に吸引および冷却しなければならず、操業コストに直接影響を及ぼす)。
【0070】
完全連続造粒処理においては、製品変更が一日に一回で、原料費が1.20ユーロ/kgの場合、1週間で216.12ユーロの節約になり、年間だと13,578.24ユーロの節約になる。
【0071】
不連続造粒処理においては、製品変更が一日に一回(50トン分を製造するのに反応時間が20時間、造粒時間が4時間)で、原料費が1.20ユーロ/kgの場合、一日あたり261.12ユーロの節約になり、年間にすると95,308.80ユーロの節約になる。
【0072】
上記においては、水中造粒装置に切換バルブ1を使用する例について記載したが、同様の利点は、例えば押出造粒またはウォーターリング式造粒等のその他の造粒プロセスでも得ることができる。また、それぞれ処理容量が異なる造粒ヘッドをこのような種々の造粒プロセスに用いることもできる。
【0073】
製品フローAおよびB(図20参照)は、以下の実施例において異なっていてもよい。
【0074】
2つのフローに、同一の造粒方法(押出造粒/押出造粒、ウォーターリング式造粒/ウォーターリング式造粒、水中造粒/水中造粒)を利用し、それぞれに必要なノズルプレートを、同一断面形状および同一数の孔を有するもの、同一断面形状であって孔の数が異なるもの、異なる断面形状であって同一数の孔を有するもの、異なる断面形状または同一数の孔を有するもの、または上記のいずれかの特徴を有するものとしてもよい。あるいは、それぞれ異なる構造サイズに対応するものであってもよい。
【0075】
2つのフローに、それぞれ異なる造粒方法(押出造粒/ウォーターリング式造粒または水中造粒、ウォーターリング式造粒/押出造粒または水中造粒、水中造粒/ウォーターリング式造粒または押出造粒)を利用し、それぞれに必要なノズルプレートを、同一断面形状および同一数の孔を有するもの、同一断面形状であって孔の数が異なるもの、異なる断面形状であって同一数の孔を有するもの、異なる断面形状または同一数の孔を有するもの、または上記のいずれかの特徴を有するものとしてもよい。あるいは、それぞれ異なる構造サイズに対応するものであってもよい。
【0076】
これら全てのうち、製造サイドで最も大きい処理ウィンドウが得られることから、水中造粒/水中造粒を用いる例が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、2つの溶融物生成器接続部および対応する入口開口部と、2つの造粒器接続部および対応する出口開口部とを有する切換バルブの全体斜視図である。
【図2】図2は、図1の切換バルブの側面図であり、溶融物生成器接続部のうちの1つを平面図で示す図である。
【図3】図3は、図1の切換バルブの側面図であり、溶融物生成器接続部のうちの1つを平面図で示す図である。
【図4】図4は、図3のC−C線での断面図である。
【図5】図5は、図2のD−D線での断面図である。
【図6】図6は、図2のB−B線での断面図である。
【図7】図7は、図3のA−A線での断面図である。
【図8】図8は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図2対応側面図である。
【図9】図9は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図3対応側面図である。
【図10】図10は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図4対応断面図である。
【図11】図11は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図5対応断面図である。
【図12】図12は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図6対応断面図である。
【図13】図13は、切換バルブの切換ゲートが製造位置ではなくバイパス位置または始動位置にあって、溶融物を造粒器接続部ではなく床面に誘導している状態を示す図1の切換バルブの図7対応断面図である。
【図14】図14は、2つの造粒器接続部と、1つの溶融物生成器接続部とを有する切換バルブの側面図であり、2つの造粒器接続部のうちの1つを平面図で示す図である。
【図15】図15は、バルブの切換ゲートおよびスイッチングゲートがバイパス位置にあり、溶融物生成器接続部が2つの造粒器接続部のいずれにも接続されておらず、バイパス開口部に接続されている状態を示す図14のA−A線断面図である。
【図16】図16は、スイッチングゲートおよび切換ゲートが第1製造位置にあり、溶融物生成器接続部が第1造粒器接続部に接続されている状態を示す図15と同様の図14の切換バルブの断面図である。
【図17】図17は、スイッチングゲートおよび切換ゲートが第2製造位置にあり、溶融物生成器接続部が第2造粒器接続部に接続されている状態を示す図15と同様の図14の切換バルブの断面図である。
【図18】図18は、処理容量の異なる2つの造粒ヘッドが接続された図14〜図17の切換バルブを有する水中造粒装置の概略図である。
【図19】図19は、図18の造粒装置の切換バルブの拡大断面図であり、a)は始動位置のバルブを示す図、b)は切換バルブの2つの製造位置のうちの1つを示す図である。
【図20】図20は、図1〜図19の切換バルブによって設定可能な溶融物の流れおよび造粒能力を示す概略図である。
【図21】図21は、それぞれ異なる処理容量を有する3つの造粒ヘッドが接続され、切換バルブの入口に流入する溶融物が選択的に3つの造粒ヘッドのうちの1つまたはバイパスラインに誘導される本発明の別の実施形態による切換バルブの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融物生成器(26,27)からの溶融物を、種々の動作位置を有する切換バルブ(1)を介して複数の造粒ヘッド(24,25,34)に供給することにより、前記溶融物をペレット化するプラスチックおよび/またはポリマーの造粒方法において、
それぞれ処理容量が異なる造粒ヘッド(24,25,34)を、造粒プロセスの始動時に順次使用し、
前記溶融物を、まず処理容量の小さい第1造粒ヘッド(24)に供給し、その後、前記溶融物の体積流量が増加すると、切換バルブ(1)を切り換えることによって前記溶融物を処理容量の大きい第2造粒ヘッド(25)に誘導することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、
前記体積流量は、前記切換バルブ(1)が前記第2造粒ヘッド(25)に切り換えられる前に、前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の範囲内で増加する方法。
【請求項3】
請求項1および2のいずれか1つの方法において、
前記溶融物の体積流量は、まず前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の下限領域で維持され、その後、前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の上限および/または前記第2造粒ヘッド(25)の処理容量の下限まで増加する方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つの方法において、
前記切換バルブ(1)は、前記溶融物の体積流量が前記第2造粒ヘッド(25)の処理容量の下限および/または前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の上限まで増加した時に、第2造粒ヘッド(25)に切り換えられる方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つの方法において、
互いに補完および/または一部重複する処理容量範囲を有する造粒ヘッド(24,25,34)が用いられる方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つの方法において、
前記溶融物は、前記第1造粒ヘッド(24)に供給される前に、バイパス位置にある前記切換バルブ(1)によって、前記造粒ヘッド(24,25,34)に流入しないように誘導され、
前記溶融物の体積流量が、処理容量の最も小さい第1造粒ヘッド(24)の処理容量の下限に達するまで増加すると、前記切換バルブ(1)がバイパス位置から前記第1造粒ヘッド(24)に切り換えられ、前記溶融物が前記第1造粒ヘッド(24)に誘導される方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つの方法において、
前記切換バルブ(1)は、前記溶融物の粘性、質量温度および質量圧力のうちの少なくとも1つのパラメータに基づいて、バイパス位置から前記第1造粒ヘッド(24)に切り換えられる方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つの方法において、
前記切換バルブ(1)は、前記溶融物の色、フィラーの導入および脱気状態のうち少なくとも1つのパラメータに基づいて、バイパス位置から前記第1造粒ヘッド(24)に切り換えられる方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つの方法において、
前記切換バルブ(1)は、ペレットサイズ、前記溶融物の質量圧力、前記溶融物の質量温度およびペレット形状のうち少なくとも1つのパラメータに基づいて、前記第1造粒ヘッド(24)から前記第2造粒ヘッド(25)および/または前記第2造粒ヘッド(25)から別の造粒ヘッド(34)に切り換えられる方法。
【請求項10】
少なくとも1つの溶融物生成器接続部(3)と、少なくとも2つの造粒器接続部(5,6)と、前記溶融物生成器接続部(3)を前記造粒器接続部(5,6)のうちの少なくとも1つに選択的に接続するためのスイッチングゲート(15)とを有する切換バルブ(1)を備え、造粒ヘッド(24,25,34)がそれぞれ前記少なくとも2つの造粒器接続部(5,6)に接続され、溶融物の体積流量を変更することができる溶融物生成器(26,27)が前記溶融物生成器接続部(3)に接続されるプラスチックおよび/またはポリマーの造粒装置において、
前記少なくとも2つの造粒ヘッド(24,25,34)はそれぞれ異なる処理容量を有し、
前記溶融物生成器(26,27)の前記溶融物の体積流量に基づいて、前記切換バルブ(1)の前記溶融物生成器接続部(3)と一方の前記造粒ヘッド(24)との接続を、他方の前記造粒ヘッド(25)との接続に切り換えるための制御装置(33)を備えることを特徴とする造粒装置。
【請求項11】
請求項10の造粒装置において、
前記制御装置(33)は、前記溶融物の体積流量が、処理容量の大きい第2造粒ヘッド(25)の処理容量の下限より少ないおよび/または処理容量の小さい第1造粒ヘッド(24)の処理容量の下限より多い時に、前記切換バルブ(1)を前記第1造粒ヘッド(24)に切り換える制御手段を有し、
前記切換バルブ(1)は、前記溶融物の体積流量が前記第2造粒ヘッド(25)の処理容量の下限より多いおよび/または処理容量がさらに大きい第3の造粒ヘッド(34)の処理容量の下限より少ない時に、前記第2造粒ヘッド(25)に切り換えられる造粒装置。
【請求項12】
請求項10および11のいずれか1つの造粒装置において、
前記制御装置(33)は、
第1段階において、前記切換バルブ(1)の前記スイッチングゲート(15)を第1動作位置に移動させて、前記溶融物を処理容量が最も小さい第1造粒ヘッド(24)に誘導し、体積流量が前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の下限範囲内になるまで前記溶融物生成器(26,27)を稼動させ、
第2段階において、前記溶融物生成器(26,27)の体積流量を、前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の上限および/または処理容量が大きい前記第2造粒ヘッド(25)の処理容量の下限まで増加させ、
第3段階において、前記切換バルブ(1)の前記スイッチングゲート(15)を第2動作位置に移動させて、前記溶融物を前記第2造粒ヘッド(25)に誘導する始動制御手段を有する造粒装置。
【請求項13】
請求項12の造粒装置において、
前記始動制御手段は、前記第1段階の前に前記スイッチングゲート(15)をバイパス位置に保持することにより、前記溶融物の体積流量が処理容量の最も小さい前記第1造粒ヘッド(24)の処理容量の下限範囲内になるまで、前記切換バルブ(1)に流入する前記溶融物を全ての造粒ヘッド(24,25,34)に流入させないように構成されている造粒装置。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1つの造粒装置において、
前記少なくとも2つの造粒ヘッド(24,25,34)は、互いに補完し合う処理容量範囲を有している造粒装置。
【請求項15】
請求項14の造粒装置において、
前記少なくとも2つの造粒ヘッド(24,25,34)は、連続的に隣接する処理容量範囲を有している造粒装置。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか1つの造粒装置において、
前記切換バルブ(1)に流入する溶融物の体積流量を検出するための検出手段が設けられ、前記制御装置(33)は、前記検出手段の信号に基づいて前記切換バルブ(1)を自動的に切り換える造粒装置。
【請求項17】
請求項10〜16のいずれか1つの造粒装置において、
前記造粒ヘッド(24,25,34)のうちの少なくとも1つが水中造粒ヘッドを形成している造粒装置。
【請求項18】
請求項17の造粒装置において、
全ての前記造粒ヘッド(24,25,34)が水中造粒ヘッドを形成している造粒装置。
【請求項19】
請求項10〜18のいずれか1つの造粒装置において、
前記造粒ヘッド(24,25,34)のうちの少なくとも1つが押出造粒ヘッドおよび/またはウォーターリング式造粒ヘッドを形成している造粒装置。
【請求項20】
請求項10〜19のいずれか1つの造粒装置において、
前記造粒ヘッド(24,25,34)のうちの少なくとも1つが水中造粒ヘッドを形成し、前記造粒ヘッド(24,25,34)のうちの少なくとも別の1つが押出造粒ヘッドおよび/またはウォーターリング式造粒ヘッドを形成している造粒装置。
【請求項21】
請求項10〜20のいずれか1つの造粒装置において、
前記切換バルブ(1)は、溶融物生成器接続部(3)と、第1造粒器接続部(5)と、前記溶融物生成器接続部(3)と前記第1造粒器接続部(5)とを連通させる溶融物通路(7,8)と、前記溶融物通路(7)に同様に接続可能な第2造粒器接続部(6)とを備え、
前記溶融物通路(7)に、第1製造位置において前記溶融物生成器接続部(3)を前記第1造粒器接続部(5)に接続し、第2製造位置において前記溶融物生成器接続部(3)を前記第2造粒器接続部(6)に接続するスイッチングゲート(14)が設けられている造粒装置。
【請求項22】
請求項21の造粒装置において、
前記溶融物通路(7)には、始動位置において、製造位置における前記溶融物生成器接続部(3)と前記第1および/または第2造粒器接続部(5,6)との接続を解除して、前記第1および/または第2造粒器接続部(5,6)と前記溶融物生成器接続部(3)との連通を遮断し、前記溶融物生成器接続部(3)をバイパス開口部(22)に接続する切換ゲート(14)が設けられている造粒装置。
【請求項23】
請求項22の造粒装置において、
前記切換ゲート(14)および前記スイッチングゲート(14)は互いに結合され、具体的には共通のバルブ本体(15)に一体化され、共通のバルブアクチュエータ(16)によって駆動されるようになっている造粒装置。
【請求項24】
請求項21〜23のいずれか1つの造粒装置において、
前記溶融物通路(7)に接続可能な第3造粒器接続部(34)が設けられ、前記スイッチングゲート(14)は、第3製造位置において前記溶融物生成器接続部(3)を前記第3造粒器接続部(34)に接続するように構成されている造粒装置。
【請求項25】
請求項23または24のいずれか1つの造粒装置において、
前記切換ゲートまたはスイッチングゲート(14)は、複数の分離した製造通路(18,19)を有する円筒形状のバルブ本体によって形成され、長手方向に移動可能となるように、具体的にはバルブ孔であるバルブ凹部内に支持されている造粒装置。
【請求項26】
請求項25の造粒装置において、
前記バルブ本体(15)は少なくとも1つのバイパス通路(20,21)を有する造粒装置。
【請求項27】
請求項25〜26のいずれか1つの造粒装置において、
前記バルブ本体(15)は、前記溶融物生成器接続部と前記造粒器接続部との接続方向に対して交差する方向に移動可能に支持されている造粒装置。
【請求項28】
請求項10〜27のいずれか1つの造粒装置において、
前記溶融物生成器接続部および前記造粒器接続部(3,4,5,6)は、クイッククローズ継手によって、前記溶融物生成器または前記各造粒ヘッドに接続されるようになっている造粒装置。
【請求項29】
請求項10〜28のいずれか1つの造粒装置において、
具体的には前記溶融物の粘性、質量温度、質量圧力、体積流量、脱気状態、ペレットサイズおよび/またはペレット形状を検出するセンサである検出手段が設けられ、前記制御装置(33)は、前記検出手段の少なくとも1つの信号に基づいて前記切換バルブ(1)を切り換える造粒装置。
【請求項30】
第1溶融物生成器接続部(3)と、第1造粒器接続部(5)と、前記第1溶融物生成器接続部(3)を前記第1造粒器接続部(5)に接続するための第1溶融物通路(7)と、第2造粒器接続部(6)と、第2溶融物生成器接続部(4)と、前記第2溶融物生成器接続部(4)を前記第2造粒器接続部(6)に接続するための第2溶融物通路(8)と、前記溶融物通路(7,8)のうちの少なくとも1つの通過を規制するバルブ本体(15)とを備えた造粒装置用切換バルブにおいて、
前記2つの溶融物通路(7,8)は、互いに分離されて重複しないように構成されており、
バルブ凹部内において、前記溶融物通路(7,8)の両方とバイパスバルブ(7,8)とに連通する前記バルブ本体(15)は、前記第1溶融物生成器接続部(3)が前記第1造粒器接続部(5)に結合し、前記第2溶融物生成器接続部(4)が前記第2造粒器接続部(6)に結合する第1動作位置と、前記第1溶融物生成器接続部(3)および/または前記第2溶融物生成器接続部(4)が前記バイパス通路に結合する第2動作位置との間を往復できるようになっている切換バルブ。
【請求項31】
請求項30の切換バルブにおいて、
前記バルブ本体(15)は、前記バルブ凹部において軸方向に移動可能に設置されるバルブゲートを形成し、前記バルブ凹部は前記溶融物通路(7,8)に交差する方向に延びている切換バルブ。
【請求項32】
請求項30および31のいずれか1つの切換バルブにおいて、
前記バルブ本体(15)は、前記溶融物生成器接続部と前記造粒器接続部との接続方向に対して交差する方向に移動可能に支持されている切換バルブ。
【請求項33】
請求項30〜32のいずれか1つの切換バルブにおいて、
前記溶融物生成器接続部および前記造粒器接続部(3,4,5,6)は、クイッククローズ継手によって、前記溶融物生成器および/または前記各造粒ヘッドに接続されるようになっている切換バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2008−529841(P2008−529841A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554521(P2007−554521)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001363
【国際公開番号】WO2006/087179
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500092365)ガラ・インダストリーズ・インコーポレイテッド (23)
【氏名又は名称原語表記】Gala Industries, Inc.
【Fターム(参考)】