説明

プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラント

各パリソン(3)からプラスチック容器(2)を形成するブロー成形プラントは、交換可能な複数の成形ユニット(15)およびライン(9)を備え、各成形ユニット(15)は、容器(2)をブロー成形する所定の数のキャビティ(19)を有し、ライン(9)は、ブロー成形ライン(7)から充填機(10)へと容器(2)を送り、ライン(9)は、間隔(P2)に応じた間隔を隔てて容器(2)を配置するように設計された分配装置(80)を備え、間隔(P2)は、均等であり、成形ユニット(15)におけるキャビティ(19)の数から独立している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ボトリング産業における、従来技術のプラスチックボトル製造用のプラントは、長手方向軸を中心に回転するように取り付けられるとともに、複数のブロー成形ユニットを搭載したブロー成形ホイールを備え、各々は、この軸を中心にブロー成形ホイールによって回転して供給される。さらに、プラントは、ブロー成形ホイールから充填機にボトルを供給するラインを備える。
【0003】
2キャビティを有するブロー成形ユニットから送られるボトル間の間隔は、単一のキャビティを有するブロー成形ユニットから送られるボトル間の間隔と異なる。このため、供給ライン、したがって、充填機は、2つのキャビティを有するユニットまたは1つのキャビティを有するユニットのどちらの場合でも機能するように選択的に寸法決めされ、したがって、この種のプラントの適応性が制限される。
【0004】
代替的に、交換可能なブロー成形ユニットに設けられたブロー成形ホイールとともに、単一の供給ラインおよび単一の充填機の利用を可能にするために、供給ラインおよび充填機は、2つのキャビティを有するブロー成形ユニットとともに機能するように寸法決めされ、ブロー成形ホイールが単一のキャビティを有するブロー成形ユニットと係合する場合には部分的に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第1350612号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
欧州特許第1350612号によって公知であるように、プラントは、複数の移送回転台のシステムを備え、該回転台は、ブロー成形ラインの成形キャビティの数の変更に応じて均一な間隔で容器を供給するように互いに相互作用する。
【0007】
しかし、均一の間隔に応じて容器を供給するこのシステムは、特に複雑で、かつ高価であるという不利益を有するため、技術的な解決方法としては十分に満足のいくものではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、上記の不利益を解消した、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラントを提供することである。
【0009】
特に、本発明の目的は、成形されるボトルの大きさの変更に応じて均一な間隔で容器を供給することができるシステムを備えたプラスチック容器ブロー成形用のプラントを提供することである。
【0010】
したがって、本発明は、下記の特許請求の範囲に記載するような、プラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラントを提供するものである。
【0011】
より具体的には、本発明は、パリソンからプラスチック容器、特にボトルをブロー成形するためのプラントを提供する。プラントは、複数の成形ユニットを備えるブロー成形ラインと、ブロー成形ラインから充填機へと容器を送るラインと、を備え、成形ユニットは、容器をそれぞれブロー成形する1つまたは複数のキャビティを有し、異なる数のキャビティを有する他の成形ユニットと交換可能であり、ラインは、間隔に応じた間隔を隔てて容器を配置するように設計された分配装置を備え、間隔は、均等であり、かつブロー成形ラインに取付けられた成形ユニットにおけるキャビティの数から独立している。
【0012】
本発明によると、分配装置は、複数の起点を有するスクリューフィーダを備え、前記起点は、ブロー成形ラインに取付けられた成形ユニットにおける成形キャビティの数と等しい。
【0013】
本発明は、ブロー成形ラインでパリソンからプラスチック容器を成形するプラントにおいて一の大きさの容器の成形から他の大きさの容器の成形へと変更する方法を提供する。
【0014】
前記方法は、ブロー成形ラインの金型を、異なる所定の数の成形キャビティを有する他の金型に置換するステップと、ブロー成形ラインから充填機に容器を供給するように供給ラインを適応させるステップと、を含み、充填機は、間隔に応じて容器を離間して配設するように設計された分配装置を備え、間隔は、間隔は、均等であり、かつブロー成形ラインに取付けられた成形ユニットにおける成形キャビティの数から独立している。
【0015】
本発明によると、前記供給ラインを適応させるステップは、ブロー成形ラインに取付けられた成形ユニットにおける成形キャビティの数と等しい数の起点を有するスクリューフィーダを備えた分配装置を、前記所定の数と等しい数の起点を有する他のスクリューフィーダと置換するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】明確化のために一部が切り取られた本発明のプラントの好適な実施例の略平面図である。
【図2】一部が拡大され、また一部が明確化のために切り取られた、図1のプラントの第1の細部の略平面図である。
【図3】明確化のために一部が切り取られた、図2の第1の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図4】明確化のために一部が切り取られた、図3の細部の4つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図5】明確化のために一部が切り取られた、図2における第2の細部の2つの異なる動作状態を示す略平面図である。
【図6】明確化のために一部が切り取られた、図2における第3の細部の略平面図である。
【図7】明確化のために一部が切り取られた、図2における第4の細部の略平面図である。
【図8】明確化のために一部が切り取られた、図1のプラントの第2の細部の略平面図である。
【図9】明確化のために一部が切り取られた、図8の細部の概略側面図である。
【図10】明確化のために一部が切り取られた、図8および図9の細部の、別の実施例を示す略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照すると、符号1は全体として、プラスチック容器、この場合においては、公知のタイプのパリソン3(図5)から、プラスチックボトル2(図9)をブロー成形するためのプラントを示し、パリソン3の各々は、外部にねじ山の付いた開口端5を有する細長いカップ状の本体4と、本体4自体の外側表面から径方向外側に延びる環状ネック部6と、を備える。
【0018】
プラント1は、ボトル2をブロー成形するためのブロー成形機7と、パリソン3を成形機7に供給するためのライン8と、成形機7から通常の充填機10へとボトル2を供給するためのライン9と、を備える。
【0019】
図1,2に示すように、成形機7は、実質的に鉛直で、図1,2の図の平面に対して垂直な長手方向軸12を中心として連続的に回転するように(図1,2において反時計回りに)取り付けられたブロー成形ホイール11を備える。このホイールは、ライン8,9に、それぞれ、第1、第2の移送ステーション13,14で連結されるとともに、このホイールには複数の成形ユニット15が搭載されており、これらの成形ユニットは、ホイール11の縁部の周りに取り付けられるとともに、軸12を中心として所定の間隔に従って等間隔に配置され、ホイール11により、軸12の周りの環状経路Pに沿ってステーション13,14を通過するように前進する。
【0020】
各ユニット15は交換可能な金型16を備えるとともに、図2,3に示す実施例では、2つの金型半部17を備えており、これらの金型半部は、軸12に対して平行かつ実質的に垂直な旋回軸18を中心として、駆動装置(図示せず)の作用で、2つの成形キャビティ19の開位置(図3a)と閉位置(図3b)との間をホイール11に関連して回転するようにそれぞれホイール11にヒンジ留めされており、成形キャビティの各々は、ボトル2の形状を有するとともに軸18に平行な長手方向軸19aを有し、その頂部の開口部においてパリソン3のネック部6よりも小さい直径で外側に開口しており、各ボトル2を成形するようにキャビティ19内のパリソン3に圧縮空気を吹き込むために設計された、図示しない周知のタイプの空気装置と連動して作動する。
【0021】
2つの金型半部17は、実質的に経路Pに接するクローズ面20で閉じるとともに、円筒ロッド22を備えたロック装置21により所定の位置にロックされるように指向されており、円筒ロッド22は、軸12に平行な長手方向軸23を有するとともに、2つの金型半部17のうちの一方(以下、符号17aとして示す)を通して鉛直線24に沿って延在し、金型半部17aに関連して、軸23自体を中心として回転するように金型半部17aに回転可能に取り付けられる。
【0022】
ロッド22は、軸23に平行な全面座によって画定された少なくとも一つのアンダーカット部22aを備えるとともに、それに適合された、軸23と同軸上に取り付けられたロックアーム25を有し、そしてまた、軸23自体から径方向外側に延在する2つのアーム部26,27を備える。
【0023】
ロック装置21はまた、鉛直線24に対して横方向に延在する細長い形状のラッチ28を備え、このラッチ28は、他方の金型半部17(以下、符号17bとして示す)に固定されるとともに、アンダーカット部22aを受けてこれを留めておくように鉛直線24に沿ってラッチ28に形成された窪み29を有する。
【0024】
ステーション13からステーション14へとユニット15が移動する際、2つの金型半部17a,17bは閉位置にあり、アーム部26と金型半部17aとの間に挿入されたスプリング30がロッド22およびラッチ28を常時ロック位置(図4a)に維持し、ここでアンダーカット部22aが窪み29と係合して、金型16が開くのを防ぐ。
【0025】
ステーション14からステーション13へとユニット15が移動する際、軸23を中心とするロックアーム25の角位置を制御するように設計されたカム(図示せず)に、アーム部27に取り付けられたタペット・ローラ31を係合させることにより、ロッド22はスプリング30の作用に逆らって解放位置へと移動し(図4b)、アンダーカット部22aが窪み29を解放して、2つの金型半部17a,17bが開位置に移動できるようにする(図4c,4d)。
【0026】
上記のことに関連して留意すべきは、2つの金型半部17a,17bが金型16の開閉位置の間を互いに関して異なる角度で動く点である。さらに具体的には、経路Pの外側に向かって径方向に配置された金型半部17、すなわち金型半部17bの移動角は、経路Pの内側に向かって径方向に配置された金型半部、すなわち金型半部17aの移動角に比べて大きい。
【0027】
図5を参照すると、成形ユニット15はまた、金型16の上部に取り付けられたストレッチング・ユニット32を備え、この特定の実施例では、互いに平行かつ線24に対して平行な3つのストレッチング・ロッド33を備え、このうちの2つ(以下、符号33aとして示す)はキャビティ19と同軸の位置に取り付けられ、残りの1つ(以下、符号33bとして示す)はロッド33aの間に延在する。
【0028】
ロッド33a,33bは、ホイール11に固定された取付けブラケット34と、ブラケット34に固定された電気モータ37の出力軸36に送りナット・スクリュー機構によって連結された取付け板35と、の両方に摺動可能に取り付けられるとともに、図示しない通常の締結スクリューにより線24に沿ってブラケット34もしくは取付け板35に選択的にロックされる。
【0029】
図5aに示すように、金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型がホイール11に取り付けられた場合、ロッド33bはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33aは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33aが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5a)と、ロッド33aを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33aが各パリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0030】
図5bに示すように、より大型のボトル2をブロー成形するための単一の成形キャビティをそれぞれ中央に有する金型(図示せず)に金型16が交換された場合、ロッド33aはブラケット34に軸方向にロックされ、ロッド33bは取付け板35に軸方向にロックされるとともに、ロッド33bが各パリソン3の実質的に外側に配置される上昇位置(図5b)と、ロッド33bを線24に沿って軸方向に伸ばすようにロッド33bがパリソン3と係合する下降位置(図示せず)と、の間をモータ37により線24に沿って駆動される。
【0031】
前述のことから分かるように、ブロー成形ユニット15の金型の変更は、それに関連するストレッチング・ユニット32の変更を必要とせず、これにより設置所要時間が相対的に短くなる。
【0032】
図示されていない実施例では、ホイール11が金型16すなわち2つの成形キャビティ19を有する金型を搭載する場合、ロッド33bは取り外されなければならず、金型16がそれぞれ中央に単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)に交換される場合、ロッド33aは取り外されなければならない。
【0033】
図1、図2を参照すると、供給ライン8は、パリソン3が形成されるプラスチック材料をそのガラス転移温度よりも高い温度に熱調節する加熱装置38と、この加熱装置38に移送ステーション40で連結されるとともにブロー成形ホイール11に移送ステーション13で連結される移送ホイール39と、を備える。
【0034】
加熱装置38は、エンドレス・チェーン・コンベヤ41を備え、このコンベヤは、線24に平行な各長手方向軸42aの周りを回転するように回転可能に取り付けられた2つのプーリ42(図1,2にはその一つのみを示す)の周りに連結されるとともに、図示しない少なくとも一つの通常のオーブンを通して延在しており、コンベヤ41に沿って均等に配置されるとともにコンベヤ41によりループ状の経路Sに沿って前進する複数のピックアップおよび移送部材43を搭載する。
【0035】
図2,図6に示すように、移送部材43の各々は管状案内要素44を備え、その案内要素は、コンベヤ41に取り付けられるとともに、線24に沿って延在し、カム46においてタペット・ローラ45と係合することにより正しい位置に保たれ、その長手方向軸47aが線24と平行なピックアップ・ロッド47によって摺動可能に係合される。
【0036】
ロッド47は、軸47aの周りに均等に配置された複数のボール48を搭載し、これらのボール48は、要素44の外側に突出するロッド47のボトムエンドに径方向に形成されたハウジング49の各々に配置されるとともに、各ハウジング49の内側に線24に対して横方向に取り付けられた各スプリング50のプッシュ作用により各ハウジング49から径方向外側に突出している。
【0037】
カム52と接触するように配置されたタペット・ローラ51のプッシュ作用により、ロッド47は、このロッド47が各パリソン3内部に延伸して、各スプリング50のプッシュ作用によりボール48でパリソン3を把持する下降位置(図示せず)と、ロッド47がパリソン3を分離する上昇位置(図6)と、の間を線24に沿って移動することができる。
【0038】
部材43は、パリソン3の端部5と接触するように軸47aと同軸上に要素44から下方へ突出した互換性のリミットストップ・ブロック44aをさらに備え、このリミットストップ・ブロックは、要素44に着脱可能に取り付けられるとともに、端部5自体のサイズおよび/または形状に応じて交換することができる。
【0039】
図2、図7を参照すると、移送ホイール39は、実質的に垂直かつ線24に対して平行な長手方向軸54の周りを連続的に回転するように取り付けられたドラム53と、複数のピックアップ・移送ユニット55(この特定の実施例では、6つのピックアップ・移送ユニット)と、を備え、これらのピックアップ・移送ユニットは、ドラム53の周辺端部に沿って取り付けられるとともに、ドラム53から径方向外側に突出し、ドラム53自体により軸54の周りを、ステーション13,40を通るように前進する。
【0040】
各ユニット55は、支持ロックアーム56を備え、この支持ロックアームは、線24に対して実質的に平行なピボット軸57の周りをドラム53に対して回動するようにトラム53にヒンジ留めされるとともに、その第1のアーム部58には、軸57を中心とするロックアーム56の角度位置を制御するように設計されたカム60と接触する、タペット・ローラ59を備える。
【0041】
またロックアーム56は、スライダ62によって摺動可能に係合された第2の細長いアーム部61を備え、スライダ62は、アーム部61に沿ったスライダ62の位置を制御するように設計されたカム64と接触するタペット・ローラ63を備えるとともに、アーム部61の外側に突出するその自由端でピックアップ・ユニット65を支持しており、このピックアップ・ユニット65は、この実施例では、スライダ62に取り付けられた電気モータ67の作用により、線24に平行なピボット軸68の周りをスライダ62に関して回動するように、スライダ62にヒンジ留めされたロックアーム66を備える。
【0042】
ロックアーム66は、互いに正反対の位置に2つのアーム部69,70を有する。アーム部69は、フォーク形の形状を有する一対のアーム部72を備えたピックアップ要素71を備え、それら一対のアーム部72は、それぞれ線24に平行な各ピボット軸73を中心として、解放位置(図示せず)と、クランプ位置(図7)との間を揺動するように取り付けられるとともに、通常、一対のアーム部72の間に配置されたスプリング74により、パリソン3をネック部6の上部で把持するクランプ位置にアーム部72が維持される。
【0043】
アーム部70は、要素71と完全に同等の2つのピックアップ要素75を備え、これらのピックアップ要素は、互いに平行に並んで配置されるとともに、要素71の陥凹部から見て反対側を向いた2つの陥凹部を有しており、それぞれ、線24に対して平行かつ、単一の金型16における2つの成形キャビティ19の各長手方向軸19a間の距離D2に等しい距離D1だけ互いに離間された長手方向軸75aを有する。
【0044】
前述のことに関連して、以下のことに留意すべきである:
各金型16の成形キャビティ19の数に応じて、ピックアップ要素71,75は、各々の軸68を中心として各電気モータ67により、ピックアップ要素71,75がホイール39の外側に向かって指向される作動位置と、ピックアップ要素71,75がホイール39の内側に向かって指向される停止位置と、の間で選択的に指向される;
各ピボット軸57を中心としたロックアーム56の動作を、各アーム部61に沿ったスライダ62の動作、および、各ピボット軸68を中心としたロックアーム66の動作と組み合わせることにより、作動位置にある要素71,75は、実質的にステーション13では経路Pに平行に、かつステーション40においては経路Sに平行に保たれる;そして、
コンベヤ41からホイール39にパリソン3を移送するためのステーション40は、経路Sの曲線状の区間Tに沿って配置され、好ましくは、プーリ42のうちの一つの周りの区間Tにおける、ロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔P1が、距離D1すなわち距離D2と等しい位置に沿って配置され、これは経路Sの直線区間に沿ったロッド47間の間隔すなわちパリソン3の間の間隔とは異なる。
【0045】
上記の点から、そのステーション40の位置およびホイール39の形状により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となる。
【0046】
図示されていない別の実施例では、ロックアーム66が排除されて、互換性のピックアップ・ユニットに置き換えられており、その各々が、カムと係合するタペット・ローラの制御により各々のピボット軸68を中心として揺動するように各スライダ62にヒンジ留めされるとともに、1つのピックアップ要素71もしくは2つのピックアップ要素75を備える。
【0047】
図1に示すように、供給ライン9は、ステーション14においてホイール11と連結された移送ホイール76(移送ホイール39と全く同等のものであるため、更に詳細には述べない)と、移送ホイール76のピックアップ要素71,75からボトル2を取り出すためのホイール77と、分配装置80を介してホイール77に連結されるとともに充填機10にボトル2を供給するように設計された、複数の供給ホイール79の輪列78と、を備える。
【0048】
図8を参照すると、ホイール77は、線24に平行なその長手方向軸81を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット82を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、軸81の周りに等間隔に離間されたポケット82の複数のグループ83に分割されており、そのグループの各々は、この特定の実施例では、3つのポケット82を備え、そのうちの一つ(以下、符号82aで示す)は、互いが距離D1およびD2と等しい距離D3で離間された残りの2つ(以下、符号82bで示す)の間に配置される。
【0049】
各ホイール79は、線24に平行なその長手方向軸84を中心に連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール79の周辺端部に沿って形成された、径方向外側に開口する複数の半円筒状ポケット85を備えており、それらのポケットの各々は、ボトル2を収容、保持するように設計されるとともに、充填機10の分配ノズル(図示せず)の間隔と等しい間隔P2と一致するように軸84の周りに均等に配置される。
【0050】
これに関連して、間隔P2は、距離D3よりも大きく、かつ、隣接する2つのポケット82aの間の距離D4よりも小さく、また距離D4は、ブロー成形ホイール11上の金型16間の間隔と等しく、したがって距離D2とは異なる点に留意されたい。
【0051】
図8、図9に示すように、分配装置80は、この実施例では、スクリューフィーダ86を備え、このスクリューフィーダ86は、その長手方向の、線24に対して実質的に横方向の水平軸87を中心として連続的に回転するように取り付けられるとともに、ホイール77と、供給ホイール79の輪列78の送込みホイール79(以下、符号79aで示す)との間に延在し、2つの起点(start)88、すなわち、単一の金型16の成形キャビティ19の数と等しい数の起点を有するとともに、ボトル2の各々のネック部6より上方で係合するように設計されており、ガイドチャンネル89と連動して作動する。ガイドチャンネル89は、軸87と平行に延在するとともに、ボトル2によってスライド可能なように係合されており、各々のネック部6の下方でボトル2を支持するように設計された2つの側壁90によって画定される。
【0052】
図10に示す実施例は、これまで述べてきた図面に示す実施例とは以下の点のみにおいて異なる:
2つの成形キャビティ19を有する金型16が取り外されるとともに、ただ一つの成形キャビティを有する金型(図示せず)に置き換えられる;
ピックアップ要素71,75が、上記のものとは異なる位置で作動、停止する;および、
スクリューフィーダ86が取り外されるとともに、単一の起点92を有するスクリューフィーダ91に置き換えられる。
【0053】
図示しない実施例では、分配装置80が取り外されるとともに、一般的な可変間隔式移送ホイールに置き換えられる。
【0054】
プラント1の動作について、これから2つの成形キャビティ19を有する金型16を参照して、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75が、それぞれ、停止位置および作動位置に移動する瞬間から開始するように説明する。
【0055】
コンベヤ41は、パリソン3をステーション40へと次々に供給し、ここでは、各ピックアップ・ユニット65が一対のパリソン3をコンベヤ41から取り出すことができるように、パリソン3の間隔P1は、ホイール39の各ピックアップ・ユニット65における各ピックアップ要素75の間の距離D1と等しい。
【0056】
次いで各ピックアップ・ユニット65は、金型16のロッド22が解放位置に移動したのちにステーション14において金型半部17a,17bが開いた各金型16に合わせて、各成形キャビティ19内にパリソン3を送るように、ホイール39により移送ステーション13を通るように前進する。
【0057】
この時点では、2つの金型半部17a,17bは閉じている:ロッド22はスプリング30によりラッチ28のロック位置に動かされ、金型16がステーション13からステーション14へと移動するに従い、ボトル2が成形され、ここで金型16が開いて、移送ホイール76における一つのピックアップ・ユニット65のピックアップ要素75によりちょうど成形されたボトル2が取り出される。
【0058】
次いで、ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82bに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ86によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ86により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送される。
【0059】
単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を有するプラント1の動作は、単純に金型16を別の金型に交換し、移送ホイール39,76のピックアップ要素71,75を、それぞれ、作動位置および停止位置に移動させ、スクリューフィーダ86をスクリューフィーダ91に交換することを含む。この場合、各ボトル2は、まずホイール76により、取り出しホイール77上のポケット82のうちの一つのグループ83におけるポケット82aに移送され、次いで、ホイール77によりガイドチャンネル89の送込み端部へと進み、スクリューフィーダ91によりチャンネル89に沿って前進し、最後に、スクリューフィーダ91により、前述の間隔P2に一致したホイール79aのポケット85へと移送されることに留意されたい。
【0060】
上記の点から、ステーション40の位置、移送ホイール39,76の形状、およびスクリューフィーダ86,91の存在により、2つの成形キャビティ19を有する金型16を用いるだけでなく単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)を用いるプラント1を、迅速かつ容易に設置することが可能となるとともに、2つの成形キャビティ19を有する金型16のみならず単一の成形キャビティを有する金型(図示せず)で形成された異なるサイズのボトル2を同じ間隔P2に従って同じ充填機10に供給することが可能となる。
【0061】
最後に、好ましくは、ブロー成形ホイール11、移送ホイール39,76、取り出しホイール77、およびスクリューフィーダ86,91から構成されるアセンブリは一つの駆動モータ(図示せず)によって駆動されるが、チェーンコンベヤ41、および供給ホイール79の輪列78は、単一の駆動モータ(図示せず)か、あるいは、互いに同期する別々のモータ(図示せず)か、のどちらで駆動されてもよいことに留意されたい。実際には、2つの成形キャビティ19を有する金型16を使用することにより、ブロー成形機7には、単一の成形キャビティの金型(図示せず)を使用するブロー成形機7によって得られる生産能力の2倍の生産能力が付与されるため、成形機7が2つの成形キャビティ19を有する金型16を搭載する場合、コンベヤ41および供給ホイール79の輪列78の供給速度は、実質的に、成形機7が単一の成形キャビティの金型(図示せず)を搭載する場合にコンベヤ41および供給ホイール79の輪列78に付与される速度の2倍となるように、選択的に制御される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各パリソン(3)からプラスチック容器(2)を形成するブロー成形プラントであって、
複数の成形ユニット(15)を備えるブロー成形ライン(7)と、
ブロー成形ライン(7)から充填機(10)へと容器(2)を送るライン(9)と、
を備え、
成形ユニット(15)は、容器(2)をそれぞれブロー成形する1つまたは複数のキャビティ(19)を有し、異なる数のキャビティ(19)を有する他の成形ユニット(15)と交換可能であり、
ライン(9)は、間隔(P2)に応じた間隔を隔てて容器(2)を配置するように設計された分配装置(80)を備え、間隔(P2)は、均等であり、かつブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)におけるキャビティ(19)の数から独立しており、
分配装置(80)は、複数の起点(88,92)を有するスクリューフィーダ(86,91)を備え、前記起点(88,92)は、ブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)における成形キャビティ(19)の数と等しいことを特徴とするプラント。
【請求項2】
各成形ユニット(15)は、少なくとも2つの成形キャビティ(19)を備え、該キャビティは、互いに第1の距離(D2)を隔てた長手方向軸(19a)をそれぞれ有し、
分配装置(80)は、送込み端部において、第1の距離(D2)により離間した対をなる容器(2)を連続的に順番に受け、送出し端部において、間隔(P2)により離間した対の容器(2)を連続的に順番に分配することを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
間隔(P2)は、第1の距離(D2)とは異なり、特に、第1の距離(D2)より大きいことを特徴とする請求項2に記載のプラント。
【請求項4】
成形ユニット(15)は、第1の距離(D2)と異なるさらなる間隔によりブロー成形ライン(7)に沿って離間していることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のプラント。
【請求項5】
各成形ユニット(15)は、単一の成形キャビティ(19)を有し、
分配装置(80)は、送込み端部において、さらなる間隔(D4)により離間した対をなす容器(2)を連続的に順番に受け、送出し端部において、間隔(P2)により離間した容器(2)を連続的に順番に分配することを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項6】
間隔(P2)は、さらなる間隔(D4)とは異なり、特に、この間隔(D4)より小さいことを特徴とする請求項5に記載のプラント。
【請求項7】
分配装置(80)は、複数のピックアップおよび移送部材を備えた可変の間隔を有する供給ホイール(79)を備え、各ピックアップおよび移送部材は、個々の容器(2)を受けかつ保持するように設計され、間隔(P2)により容器(2)を分配するように互いに対して配向されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラント。
【請求項8】
供給ライン(9)は、移送ホイール(76)および取出しホイール(77)を備え、
移送ホイール(76)は、各成形キャビティ(19)からブロー成形された容器(2)を受けるようにブロー成形ホイール(11)と相互に作用し、
取出しホイール(77)は、容器(2)を受けて、スクリューフィーダ(86)に容器を移送するように移送ホイール(76)に結合されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラント。
【請求項9】
取出しホイール(77)は、複数のグループ(83)のポケット(82)を有し、各ポケットは、各容器(2)を受けかつ保持するように設計され、
ポケット(82)の各グループ(83)は、ブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)の成形キャビティ(19)の最大数と少なくとも同じ数のポケット(82)を含むことを特徴とする請求項8に記載のプラント。
【請求項10】
移送ホイール(76)は、複数のピックアップおよび移送部材(69,70)を備え、
各ピックアップおよび移送部材は、ブロー成形ライン(7)に取付けられた1つの成形ユニット(15)における成形キャビティ(19)の数と同じ数の容器を受けかつ保持するように設計されることを特徴とする請求項8または9のいずれかに記載のプラント。
【請求項11】
駆動装置(67)を備え、該駆動装置は、ブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)の成形キャビティ(19)の数に応じて、作動位置と停止位置との間に亘ってピックアップおよび移送部材(69,70)を選択的に移動させることを特徴とする請求項10に記載のプラント。
【請求項12】
供給ライン(9)は、スクリューフィーダに接続され、複数のポケット(85)を有する第2の移送ホイール(79a)を備え、各ポケットは、容器(2)を受けかつ保持するように設計され、間隔(P2)に応じて分配されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラント。
【請求項13】
間隔(P2)は、充填機(10)の複数の分配ノズルの間隔と等しいことを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のプラント。
【請求項14】
ブロー成形ライン(7)でパリソン(3)からプラスチック容器(2)を成形するプラントにおいて一の大きさの容器の成形から他の大きさの容器の成形へと変更する方法であって、
ブロー成形ラインの金型(16)を、異なる所定の数の成形キャビティ(19)を有する他の金型に置換するステップと、
ブロー成形ライン(7)から充填機(10)に容器(2)を供給するように供給ライン(9)を適応させるステップと、
を含み、
充填機(10)は、間隔(P2)に応じて容器(2)を離間して配設するように設計された分配装置(80)を備え、間隔(P2)は、間隔(P2)は、均等であり、かつブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)における成形キャビティ(19)の数から独立しており、
前記供給ライン(9)を適応させるステップは、ブロー成形ライン(7)に取付けられた成形ユニット(15)における成形キャビティ(19)の数と等しい数の起点(88,92)を有するスクリューフィーダ(86,91)を備えた分配装置(80)を、前記所定の数と等しい数の起点(88,92)を有する他のスクリューフィーダと置換するステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a)】
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【図3b)】
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【図4a)】
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【図4b)】
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【図4c)】
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【図4d)】
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【図5a)】
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【図5b)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−529410(P2011−529410A)
【公表日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520647(P2011−520647)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053295
【国際公開番号】WO2010/013207
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510208295)サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ (9)
【Fターム(参考)】