プラスチック成型品とその打ち抜き方法及び装置
【課題】凹部の上縁が3次元形状となっているようなプラスチック成型品を、全周に亘って同一高さとしたトムソン刃によって1工程で打ち抜き可能としたプラスチック成型品とその打ち抜き方法及び装置を提供する。
【解決手段】底壁1a1と周壁1a2とで形成された凹部を持つ製品部1aの凹部上縁周囲に3次元方向に変化した上縁変化部1a3を備えたプラスチック成型品1。打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃3aを備えた押し型3と、製品部1aを支持する主凸部4bと上縁変化部形成用特殊切断部1cを支持する補助凸部4cとを備え、主凸部4bと補助凸部4cとの境界部にトムソン刃通過溝4dを形成した抜き台4と、プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付ける中間プレート5とを使用してプラスチック成型品を打ち抜き切断するための方法と装置。
【解決手段】底壁1a1と周壁1a2とで形成された凹部を持つ製品部1aの凹部上縁周囲に3次元方向に変化した上縁変化部1a3を備えたプラスチック成型品1。打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃3aを備えた押し型3と、製品部1aを支持する主凸部4bと上縁変化部形成用特殊切断部1cを支持する補助凸部4cとを備え、主凸部4bと補助凸部4cとの境界部にトムソン刃通過溝4dを形成した抜き台4と、プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付ける中間プレート5とを使用してプラスチック成型品を打ち抜き切断するための方法と装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品(例えば、化粧品、薬品、食品、各種の土産物、自動車部品、パソコン用品、電気製品、各種の工業用品、玩具など)の宣伝や販売促進のため、あるいは、店頭陳列用のためなどに使用されるパッケージ、カバー、容器、トレイ、お面、その他のプラスチック成型品と、その打ち抜き方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品包装用パッケージや商品収容用トレイのようなプラスチック成型品は、商品(被包装物)を収容する凹部の周壁上縁の形状を平坦面に形成しているものが多い。
また、従来、真空成形等で成型されたプラスチック成型品の打ち抜き装置として、トムソン刃を取り付けた押し型と、抜き台とを使用し、これらを相対的に接近移動させて、これらの間に配置されたプラスチック成型品を打ち抜き切断するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来の打ち抜き装置は、プラスチック成型品を、同一平面で打ち抜き切断しているに過ぎなかった。したがって、その打ち抜き切断面の形状は、2次元平面形状となっているだけであった。
なお、プラスチック成型品の切断面が同一平面上になく、打ち抜き方向に高低差を有する場合、該高低差と同等の高低差を押し型のトムソン刃と抜き台とに形成して一度に打ち抜けるようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−44650号公報
【特許文献2】実用新案登録第3084873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近時、商品の宣伝や販売促進を目的として、包装形態に対する装飾的ないし意匠的な工夫や変化、あるいは合理的包装形態が要望されてきている。
しかるに、従来のプラスチック成型品とその打ち抜き装置は、被包装物を収容する凹部の周壁上縁の形状を平坦面に形成していただけであるため、包装形態に対する装飾的ないし意匠的な工夫や変化に乏しく、また、合理的包装形態とも言えないという問題点があった。
【0006】
また、前記特許文献2のものは、トムソン刃の刃高を変化させる必要があるため、切断面が複雑な凹凸形状や3次元形状等の複雑かつ特殊な切断面形状となっている場合では、トムソン刃の作成が容易でなく、また、プラスチック成型品を抜き台に押し付けておく手段を使用していないため、トムソン刃で打ち抜き切断する際、プラスチック成型品が抜き台からずれる場合があり、切断不良(ミスカット)が発生するという問題点があった。
【0007】
そのため、このような複雑かつ特殊な切断面形状をもつプラスチック成型品は、従来では、一旦、同一平面で2次元形状に打ち抜き加工し、その後、複雑かつ特殊な切断面形状の部分について、別の工程でハサミ又はカッター等の適宜の切断工具を用いて所望の形状に仕上げ加工するか、または、専用のプレス金型を用いて製作するしかなく、いずれにしても製作コストが高くなる欠点があった。
【0008】
そこで、本発明は、宣伝や販売促進に貢献するため、装飾的ないし意匠的な工夫や変化を有する包装形態、或いは、合理的包装形態をもつプラスチック成型品を提供すること、また、切断面がトムソン刃の打ち抜き方向に凹凸形状乃至3次元形状等の特殊な切断面形状となる部分(以下、上縁変化部と言う)をもつプラスチック成型品を提供すること、さらに、これらのプラスチック成型品に対しても、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃によって1工程で打ち抜き可能としたプラスチック成型品の打ち抜き方法及び装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明のプラスチック成型品は、底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明のプラスチック成型品は、底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されており、かつ、前記製品部は、凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出す鍔部を備えてことを特徴としている。
【0011】
また、本発明のプラスチック成型品の打ち抜き方法は、凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を製作準備し、これに対して、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを使用し、
前記プラスチック成型品を前記抜き台上に載置し、前記中間プレートで前記プラスチック成型品のブランク部を前記抜き台に押し付けて位置決め支持させ、前記押し型と前記抜き台とを相対的に接近移動させて前記トムソン刃により前記プラスチック成型品の凹部外側周囲及び上縁変化部形成用膨出部を切断させて製品部の凹部上縁に凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部をもつ製品部を打ち抜き切断させるようになしたことを特徴としている。
【0012】
前記製品部は、底壁と周壁とをもつ容器形状とされ、前記上縁変化部が、前記周壁に1個ないし複数個形成されていてもよい。
また、前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後も隣接部分を部分的に連結した形態とされており、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていてもよい。
【0013】
或いは、前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後、個別に分離され、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていてもよい。
また、前記製品部の凹部周壁上縁に外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部におけるトムソン刃の切断位置を成型品の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断するものである。
【0014】
また、本発明に係るプラスチック成型品の打ち抜き装置は、凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を成型する金型と、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸
部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを備え、
前記押し型と前記抜き台とを、前記金型で成型されるプラスチック成型品の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成してあり、
前記上縁変化部形成用膨出部は、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されていることを特徴としている。
【0015】
前記トムソン刃は、1個〜複数個の製品部の外輪郭を打ち抜く外輪郭切断用のみ、又は、製品部の内側を島状に打ち抜くための内輪郭切断用と組み合わせて押し型の基板に取り付けられている。
また、前記中間プレートは、トムソン刃が通過する刳り抜き孔が形成されており、1枚〜複数枚が使用され、前記押し型と中間プレートの間及び複数枚の中間プレートの間で中間プレートがガイドピンを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリングによりにトムソン刃の打ち抜き方向前方に押圧付勢されている。
【0016】
また、前記製品部の凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部における前記押し型のトムソン刃取付位置及び前記抜き台の主凸部と補助凸部との境界部に形成されるトムソン刃通過溝の位置を、前記製品部の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断させるように構成してある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製品部となる凹部上縁に、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含め3次元形状に形成された上縁変化部を備えているため、この製品部に収納・盛り付け、或いは、被覆される商品の包装形態を装飾的ないし意匠的にグレードアップさせることができる。また、製品部の凹部上縁に装飾的ないし意匠的な工夫や変化を有する包装形態、或いは、合理的包装形態を付与することが可能となり、商品(例えば、化粧品、薬品、食品、各種の土産物、自動車部品、パソコン用品、電気製品、各種の工業用品、玩具など)の宣伝や販売促進に貢献することができる。
【0018】
また、本発明によれば、プラスチック成型品の打ち抜き部輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃の打ち抜き方向への1工程動作でプラスチック成型品の製品部を3次元形状に変化させた形態、即ち、上縁変化部を備えた形態で打ち抜き切断させることができる。
その際、プラスチック成型品は、中間プレートによりブランク部を介して抜き台に押し付けられ、かつ、主凸部及び補助凸部によって位置決め保持されるため、トムソン刃によって製品部及び上縁変化部が正確に打ち抜き切断される。
【0019】
なお、上縁変化部は、トムソン刃による打ち抜き方向の深さの浅い部分から深い部分へ向けて切断が進行して切断される。
そして、当該上縁変化部は、抜き台に形成してある補助凸部と、中間プレートの押し付け力とによって移動しないように安定的に支持させているため、トムソン刃によって、製品部の所定位置に正確に、かつ、美麗な切断面形状に切断することができる。
【0020】
また、主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成してあるため、トムソン刃を損傷させることはない。
これによって、プラスチック成型品の製品部をトムソン刃により1工程で3次元形状に高能率で美麗に打ち抜き切断させることができ、製品部の製作コストを低減することができる。
【0021】
また、トムソン刃は、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしておけばよく、その製作が容易となる。
しかも、トムソン刃は、プレス金型を用いて製品部を製作する場合に比較して、使用経過に伴う切断機能の低下を刃替えによって簡単に回復させることができ、この点でもコストダウンが図れる。
【0022】
以上の通り、本発明によれば、製品部となる凹部上縁が、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向とを含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えたプラスチック成型品および該プラスチック成型品に対して、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃によって1工程で打ち抜き可能としたプラスチック成型品の打ち抜き方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の第1実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に用いる金型の平面図である。
【図4】図4は本発明の第1実施形態に用いる金型の縦断側面図である。
【図5】図5は本発明の第1実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図6】図6は本発明の第1実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図7】図7は本発明の第1実施形態の押し型の第2基板及びトムソン刃の平面図である。
【図8】図8は本発明の第1実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図9】図9は本発明の第1実施形態の抜き台の第1基板及び主凸部の平面図である。
【図10】図10は本発明の第1実施形態の抜き台の主凸部の側面図である。
【図11】図11は本発明の第1実施形態の抜き台の第2基板及び補助凸部の平面図である。
【図12】図12は本発明の第1実施形態の抜き台の補助凸部の縦断側面図である。
【図13】図13は本発明の第1実施形態の中間プレートの平面図である。
【図14】図14は本発明の第2実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図15】図15は本発明の第2実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図16】図16は本発明の第2実施形態に用いる金型の平面図である。
【図17】図17は本発明の第2実施形態に用いる金型の縦断側面図である。
【図18】図18は本発明の第2実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図19】図19は本発明の第2実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図20】図20は本発明の第2実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図21】図21は本発明の第2実施形態の抜き台の基板の平面図である。
【図22】図22は本発明の第2実施形態の抜き台の受け型の平面図である。
【図23】図23は本発明の第2実施形態の中間プレートの平面図である。
【図24】図24は本発明の第3実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図25】図25は本発明の第3実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図26】図26は本発明の第3実施形態に用いる金型の平面図である。
【図27】図27は本発明の第3実施形態に用いる金型の側面図である。
【図28】図28は本発明の第3実施形態に用いる金型の端面図である。
【図29】図29は本発明の第3実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図30】図30は本発明の第3実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図31】図31は本発明の第3実施形態の押し型の第2基板の平面図である。
【図32】図32は本発明の第3実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図33】図33は本発明の第3実施形態の抜き台の第1基板の平面図である。
【図34】図34は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の平面図である。
【図35】図35は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の側面図である。
【図36】図36は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の端面図である。
【図37】図37は本発明の第3実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図38】図38は本発明の第3実施形態の第2中間プレートの平面図である。
【図39】図39は本発明の第3実施形態の第3中間プレートの平面図である。
【図40】図40は本発明の第4実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図41】図41は本発明の第4実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図42】図42は本発明の第4実施形態に用いる金型の平面図である。
【図43】図43は本発明の第4実施形態に用いる金型の側面図である。
【図44】図44は本発明の第4実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図45】図45は本発明の第4実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図46】図46は本発明の第4実施形態の押し型の第2基板の平面図である。
【図47】図47は本発明の第4実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図48】図48は本発明の第4実施形態の抜き台の第1基板の平面図である。
【図49】図49は本発明の第4実施形態の抜き台の平面図である。
【図50】図50は本発明の第4実施形態の抜き台の側面図である。
【図51】図51は本発明の第4実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図52】図52は本発明の第4実施形態の第2中間プレートの平面図である。
【図53】図53は本発明の第5実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図54】図54は本発明の第5実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図55】図55は本発明の第6実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図56】図56は図55におけるA−A線断面図である。
【図57】図57は本発明の第6実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図58】図58は図57におけるB−B線断面図である。
【図59】図59は本発明の第6実施形態に用いる金型の平面図である。
【図60】図60は本発明の第6実施形態に用いる金型の正面図である。
【図61】図61は本発明の第6実施形態に用いる金型の左側面図である。
【図62】図62は本発明の第6実施形態に用いる金型の右側面図である。
【図63】図63は本発明の第6実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図64】図64は本発明の第6実施形態の押し型の概略斜視図である。
【図65】図65は本発明の第6実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図66】図66は本発明の第6実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図67】図67は本発明の第6実施形態の抜き台の基板の平面図である。
【図68】図68は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部と補助凸部の平面図である。
【図69】図69は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部と補助凸部の正面図である。
【図70】図70は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部の右側面図である。
【図71】図71は本発明の第6実施形態の抜き台の補助凸部の右側面図である。
【図72】図72は本発明の第6実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図73】図73は本発明の第6実施形態の第2中間プレートの第1基板の平面図である。
【図74】図74は本発明の第6実施形態の第2中間プレートの第2基板の平面図である。
【図75】図75は本発明の第7実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図76】図76は図75におけるC−C線断面図である。
【図77】図77は本発明の第7実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図78】図78は図77におけるD−D線断面図である。
【図79】図79は図77におけるE−E線断面図である。
【図80】図80は本発明の第7実施形態に用いる金型の平面図である。
【図81】図81は図80におけるF−F線断面図である。
【図82】図82は図80におけるG−G線断面図である。
【図83】図83は本発明の第7実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図84】図84は本発明の第7実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図85】図85は本発明の第7実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図86】図86は本発明の第7実施形態の抜き台の平面図である。
【図87】図87は本発明の第7実施形態の抜き台の正面図である。
【図88】図88は本発明の第7実施形態の抜き台の左側面図である。
【図89】図89は本発明の第7実施形態の抜き台の概略斜視図である。
【図90】図90は本発明の第7実施形態の中間プレートの平面図である。
【図91】図91は製品部の凹部上縁に鍔部を形成する場合のトムソン刃と抜き台との関係を示す要部拡大断面図である。
【図92】図92は図91の製品部の切断後の凹部上縁の鍔部における要部拡大断面図である。
【図93】図93は製品部の凹部上縁鍔部を形成しない場合のトムソン刃と抜き台との関係を示す要部拡大断面図である。
【図94】図94は図93の製品部の切断後の凹部上縁における要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
第1実施形態の説明
図1〜図13は、本発明の第1実施形態を示している。この第1実施形態におけるプラスチック成型品1は、図1、図2に示すように、凹部として形成された製品部1aと、製品部1aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部1bと、製品部1aからブランク部1b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部1cとを備えている。ブランク部1bには、位置決め部1dが適宜形成されている。
【0025】
この第1実施形態は、図2に示すように、製品部1aが、円形の底壁1a1と該底壁1a1の周囲より立ち上がる円筒形の周壁1a2とをもつ円形皿形容器形状のものであって、円筒形の周壁1a2の上縁が凹部の深さ方向に波形に凹凸変化する形状からなる上縁変化部1a3となっている。
このような形状のプラスチック成型品1を成型するために、図3、図4に示す金型2が使用される。
【0026】
金型2は、正方形ブロック状とされ、その上面に、図3、図4に示すように、製品部形成部2aと、ブランク部形成部2bと、膨出部形成部2cと、位置決め部形成部2dが形成されている。
製品部形成部2aは、製品部1aを成型するためのもので、金型2の中央部に円形皿形凹部形状に形成されている。
【0027】
ブランク部形成部2bは、製品形成部2aの上縁周囲に外側へ張り出して形成されている。
このブランク部形成部2bには、位置決め部形成部2dが凹部として複数個形成されている。
膨出部形成部2cは、上縁変化部形成用膨出部1cを成型するためのもので、製品形成部2aの上縁周囲から外側(ブランク形成部2b側)へ放射状に膨出させて形成されている。
【0028】
上縁変化部形成用膨出部1cは、後述するトムソン刃による打ち抜き切断動作によって、円筒形の周壁1a2の上縁に凹部の深さ方向に波形に凹凸変化する形状からなる上縁変化部1a3を形成させるために製品部1aからブランク部1b側へ膨出して形成されている。そのため、上縁変化部形成用膨出部1cの断面形状(トムソン刃の打ち抜き切断面となる形状)は、上縁変化部1a3の波形凹凸形状に対応した3次元形状とされている。
【0029】
この膨出部形成部2cは、複数個(図3、図4は12個の場合を例示)が製品形成部2aの上縁周囲に周方向に等間隔で径方向外側に向けて放射状に張り出して形成されている。
この複数個の膨出部形成部2cの根元側は、それぞれ製品形成部2aの周方向に互いに隣接させて波形に連続させて形成されている。
【0030】
この膨出部形成部2cの膨出長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
プラスチック成型品1は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型2上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
この第1実施形態におけるプラスチック成型品1のブランク部1bと上縁変化部形成用膨出部1cとは、互いに重なって形成された形態となっており、これらは、円形皿形容器形状の製品部1aの上縁周囲に波形鍔状に張り出して形成されている。
【0031】
このプラスチック成型品1に対して、図5に示すように、製品部1aを打ち抜き切断するための押し型3と抜き台4と中間プレート5とが使用される。
次にそれらを説明する。
押し型3は、図5〜図8に示すように、製品部1aをその輪郭形状(凹部外周面形状)に沿って打ち抜き切断するために製品部1aと同一の輪郭形状とされ、かつ、輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃3aを第1基板3b(図6参照)に第2基板3c(図7参照)及び補助取付板3d(図8参照)を介して取り付けたものである。
【0032】
補助取付板3dは、トムソン刃3aの輪郭形状の外側全周に亘って取り付けられており、トムソン刃3aの輪郭形状の内側には、製品部1aの深さ方向寸法よりも大きい深さ方向寸法とされた凹部3e(図5参照)が形成されている。
この凹部3eは、トムソン刃3aでプラスチック成型品1を打ち抜き切断する際、製品部1aを受容してその損傷を防止するために設けられているものである。
【0033】
トムソン刃3aの刃先は、この補助取付板3dよりも前記プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
抜き台4は、図5に示すように、押し型3のトムソン刃3aに対する刃受け面4aを有し、この刃受け面4a上に主凸部4b及び補助凸部4cを備えている。
【0034】
主凸部4bは、プラスチック成型品1の製品部1aを支持するためのもので、その形状は、図9及び図10に示すように、製品部1aの凹部内径及び深さとほぼ同一の外形及び高さ(即ち、ほぼ同一形状)をもつ円形状に形成されている。
また、補助凸部4cは、プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cを支持させるためのもので、その形状は、図11及び図12に示すように、上縁変化部形成用膨出部1cの形状とほぼ同一とされている。
【0035】
そして、主凸部4bと補助凸部4cの境界部には、図5に示すように、トムソン刃3aの刃厚よりも若干大きい溝幅のトムソン刃通過溝4dが全周に亘って一様な溝幅で形成されている。
上記主凸部4bは、図9、図10に示すように、四角形の第1基板4eの中心部に固着されている。
【0036】
また、補助凸部4cは、図11、図12に示すように、四角形の第2基板4fの中心部に形成された円形抜き孔4gの周囲に放射状に形成されている。
第1基板4eと第2基板4fとは、図5に示すように、同心状に重ね合わされて接合され、これによって、円形の主凸部4bと円形抜き孔4gとが同心状に嵌合されている。
円形抜き孔4gは、円形の主凸部4bよりもトムソン刃通過溝4dの形成幅寸法分だけ大径とされている。
【0037】
これによって、前記トムソン刃通過溝4dが形成されている。
中間プレート5は、図5、図13に示すように、トムソン刃3aの輪郭形状及び抜き台4の補助凸部4cの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔5aが形成された四角形板よりなり、その板厚は、トムソン刃3aの刃先が補助取付板3dから突出している寸法よりも小さい寸法とされている。
【0038】
そして、この中間プレート5は、図5に示すように、前記プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付けるために前記押し型3と抜き台4との間に配置されるものである。
中間プレート5で、プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4の第2基板4fに押し付ける際、刳り抜き孔5aによって、補助凸部4cで妨げられることがない。
【0039】
しかも、中間プレート5の刳り抜き孔5aは、押し型3のトムソン刃3aによる製品部1aの打ち抜き切断を妨げることもない。
前記押し型3と前記抜き台4とは、図5に示すように、前記プラスチック成型品1の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
また、中間プレート5は、図5に示すように、押し型3側にガイドピン5bを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング5cによりトムソン刃3aの先端よりも打ち抜き方向前方(図5の下方)に突出した位置に押圧付勢されている。
【0040】
本発明の第1実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品1は、予め、金型2によって成型しておく。
このプラスチック成型品1を図5のように抜き台4と押し型3との間で中間プレート5と抜き台4との間に配置する。
この状態で、押し型3と抜き台4とを相対的に接近移動させる。
【0041】
これにより、中間プレート5が先行してプラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付ける。そして、押し型3のトムソン刃3aによって、プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cを先行して切断し、最後に製品部1aをブランク部1bから打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部1cは、ブランク部1bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図2に示すように、製品部1aの凹部周壁上縁が周方向に連続した3次元形状の波形となる。従って、第1実施形態におけるプラスチック成型品1の製品部1aは、凹部周壁上縁が、全周囲に亘って上縁変化部1a3となっている。そして、第1実施形態におけるプラスチック成型品1の製品部1aは、上縁変化部1a3を含む凹部周壁上縁全体が凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(凹部の外側に向いた切断面)を持つものとなる。
【0042】
第2実施形態の説明
次に、本発明の第2実施形態を図14〜図23を参照して説明する。
この第2実施形態におけるプラスチック成型品11は、図14に示すように、平面視で正方形の小皿形状の凹部として形成された複数個の製品部11aと、各製品部11aの凹部上縁周囲及び各製品部11a間に鍔状に張り出して形成されたブランク部11bと、各製品部11aからブランク部11b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部11cとを備えている。
【0043】
複数個の製品部11aは、図14に示すように、縦横に3個ずつ等間隔に9個を連結して配置した形態を例示している。
各製品部11aは、図15に示すように、正方形の四隅をそれぞれ45度の角度でカットして正八角形とした底壁11a1と、該底壁11a1の周囲の8辺のうち、1つおきの4つの辺より立ち上がる4つの周壁11a2と、各周壁11a2の間に横向きに開口形成された窓孔からなる上縁変化部11a3とを有する。
【0044】
各周壁11a2の上端は、外側へ張り出しており、この張り出し部がブランク部11bとなっている。
各製品部11aは、ブランク部11bによって連結されている。
このような形状のプラスチック成型品11を成型するために、図16、図17に示す金型12が使用される。
【0045】
金型12は、平面視で正方形のブロック状とされ、その上面に、図16、図17に示すように、製品部形成部12aと、ブランク部形成部12bと、膨出部形成部12cとが形成されている。
製品部形成部12aは、平面視で正方形の小皿形状の複数個の製品部11aを一連に成型するためのもので、金型12の上面に凹部として縦横に3個ずつ9個を等間隔に配置形成されている。
【0046】
ブランク部形成部12bは、小皿形状の各製品形成部12aの上縁周囲及び隣接する製品形成部12a間に形成されている。
膨出部形成部12cは、上縁変化部形成用膨出部11cを成型するためのもので、平面視で正方形の製品形成部12aの四隅の上縁周囲から外側(ブランク形成部12b側)へ向けて膨出させて形成されている。
【0047】
上縁変化部形成用膨出部11cは、後述するトムソン刃による打ち抜き切断動作によって、横向きの窓孔からなる上縁変化部11a3を形成させるためのもので、製品部11aからブランク部11b側へ膨出して形成されている。
そのため、上縁変化部形成用膨出部11cの断面形状(トムソン刃の打ち抜き切断面となる形状)は、窓孔からなる上縁変化部11a3の形状に対応して横向きに開口した形状とされている。
【0048】
前記金型12における膨出部形成部12cは、正方形の小皿形状をなす各製品形成部12aの四隅に外側に向けて延長突出させて形成されている。
この膨出部形成部12cの延長突出長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
図14に示すプラスチック成型品11は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図16、及び図17に示す金型12上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
【0049】
このプラスチック成型品11に対して、図18に示すように、製品部11aを打ち抜き切断するための押し型13と抜き台14と中間プレート15とが使用される。
先ず、押し型13は、図16に示すように、9個の製品部11aの連結体の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するための第1の(外輪郭切断用)トムソン刃13a1と、互いに隣接する4個の製品部11aの間を平面視で正方形に打ち抜き切断するための第2の(内輪郭切断用)トムソン刃13a2とを、図19に示す基板13b及び図20に示す補助取付板13cを介して図18に示すように取り付けたものである。
【0050】
この第2実施形態では、複数個の製品部11aのうち、相互に隣接する部分を、部分的に連結させるために、トムソン刃の輪郭形状を、当該連結部において、途切れた形態で形成しておく必要があり、また、相互に隣接する製品部を連結させた状態でブランク部から切り抜くために、連結体の外側周囲ではトムソン刃を連続させた形態で(外輪郭切断用として)形成しておく必要があり、さらに、連結体の内側では、ブランク部を独立した島(孤島)状に切り抜くために、当該島状輪郭形状に対応した形態で(内輪郭切断用として)形成しておく必要がある。この第2のトムソン刃13a2は、プラスチック成型品11の周囲よりも内側にある領域を、周辺部から独立した島(孤島)状に打ち抜くための切断手段となる。
【0051】
そのために、第1のトムソン刃13a1は、図16及び図20に示すように、連結体の
外側周囲をブランク部11bから切り抜くために一連に連続した輪郭形状として形成されている。
また、第2のトムソン刃13a2は、連結体の内側において、隣接する製品部11a間のブランク部11bを独立した島状に切り抜くことができるように連続した正四角形の輪郭形態として第1のトムソン刃13a1から独立させて形成されている。
【0052】
基板13bは、図19に示すように、平面視で正方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に、図20に示す補助取付板13cを介して第1のトムソン刃13a1と第2のトムソン刃13a2とが同じ高さ寸法で取り付けられている。
第2のトムソン刃13a2は、図20に示すように、平面視で正四角形のものを45度傾けた状態で縦横に2個ずつ4個が等間隔で取付配置されている。
【0053】
第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の刃先は、図18に示すように、補助取付板13cよりも製品部11aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
上記押し型13と対向する抜き台14は、図21に示すように、平面視で正方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる基板14aと、図22に示す受け型14bとを図18に示すように貼り合わせて構成されている。
【0054】
受け型14bには、図22に示すように、主凸部14cと補助凸部14dとが形成されている。
主凸部14bは、プラスチック成型品11の製品部11aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部11aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部14dは、プラスチック成型品11の上縁変化部形成用膨出部11cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部11cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0055】
なお、ブランク部11bを支持する部分14e(図22参照)は、受け型14bに凹部として形成されている。
そして、主凸部14cと補助凸部14dとの境界部には、トムソン刃通過溝14f(図22参照)が形成されている。
次に、中間プレート15は、図23に示すように、第1のトムソン刃13a1の輪郭形状及び抜き台14の補助凸部14dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔15aが形成された四角形板よりなり、その板厚は、第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の刃先が補助取付板13cから突出している寸法よりも小さい寸法とされている。
【0056】
そして、この中間プレート15は、図18に示すように、前記プラスチック成型品11の外側周囲のブランク部11bを抜き台14に押し付けるために前記押し型13と抜き台14との間に配置されるものである。
中間プレート15で、プラスチック成型品11の外側周囲のブランク部11bを抜き台14の受け型14bの上面に押し付ける際、刳り抜き孔15aによって、補助凸部14dで妨げられることがない。
【0057】
しかも、中間プレート15の刳り抜き孔15aは、押し型13の第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2による製品部11aの打ち抜き切断を妨げることもない。
前記押し型13と前記抜き台14とは、図18に示すように、前記プラスチック成型品11の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0058】
また、中間プレート15は、図18に示すように、押し型13側にガイドピン15bを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング15cにより第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の先端よりも打ち抜き方向前方(図18の下方)に突出した位置に押圧付勢されている。
本発明の第2実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
【0059】
プラスチック成型品11は、予め、金型12によって成型しておく。
このプラスチック成型品11を図18のように抜き台14と押し型13との間で中間プ
レート15と抜き台14との間に配置する。
この状態で、押し型13と抜き台14とを相対的に接近移動させる。
これにより、中間プレート15が先行してプラスチック成型品11のブランク部11bを抜き台14に押し付ける。そして、押し型13の第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2によって、プラスチック成型品11の上縁変化部形成用膨出部11cを先行して切断し、最後に製品部11aをブランク部11bから打ち抜き切断する。
【0060】
このとき、上縁変化部形成用膨出部11cは、ブランク部11bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図15に示すように、製品部11aの各周壁11a2の間に横向きに開口形成された窓孔からなる上縁変化部11a3となる。この第2実施形態におけるプラスチック成型品11の製品部11aは、周壁上縁及び上縁変化部11a3に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0061】
なお、第2実施形態において、外輪郭切断用の第1のトムソン刃13a1と内輪郭切断用の第2のトムソン刃13a2とは、刃先高さを同一とした場合を例示しているが、製品部11a及び上縁変化部形成用膨出部11cの形状によっては、刃先高さを変化させてもよい。例えば、外輪郭切断用の第1のトムソン刃13a1を高くし、内輪郭切断用の第2のトムソン刃13a2を低くしてもよく、また、逆にしてもよい。
【0062】
第3実施形態の説明
次に、本発明の第3実施形態を図24〜図39を参照して説明する。
この第3実施形態におけるプラスチック成型品21は、図24に示すように、一対の半円筒形容器形状の凹部として形成された2個の製品部21aと、各製品部21aの凹部上縁周囲及び各製品部21a間に鍔状に張り出して形成されたブランク部21bと、各製品部21aの後端からブランク部21b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部21cとを備えている。
【0063】
2個の製品部21aは、図24に示すように、軸方向を平行にして2列に並べて配置している。
各製品部21aは、図25に示すように、半円筒形容器形状をなし、軸方向の先端側が円弧状の閉鎖端21a1とされ、後端側が半円形の開口端からなる上縁変化部21a2とされ、開口端からなる上縁変化部21a2を除く周辺部に鍔部21a3を有する。なお、開口端からなる上縁変化部21a1の近傍には補強リブ21a4が形成されている。
【0064】
このような形状のプラスチック成型品21を成型するために、図26〜図28に示す金型22が使用される。
金型22は、平面視で四角形のブロック状とされ、その上面に、図26〜図28に示すように、製品部形成部22aと、ブランク部形成部22bと、膨出部形成部22cとが形成されている。
【0065】
製品部形成部22aは、金型22の上面に凸型として形成され、膨出部形成部22cは、製品部形成部22aの軸方向の後端側に延長して凸型として一連に形成されている。
この膨出部形成部22cの延長長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
ブランク部形成部22bは、金型22の上面で、製品部形成部22aと膨出部形成部22cとの周囲に平坦面状に形成されている。
【0066】
図24に示すプラスチック成型品21は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図26〜図28に示す金型22上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
このプラスチック成型品21に対して、図29に示すように、製品部21aを打ち抜き切断するための押し型23と抜き台24と中間プレート25とが使用される。
【0067】
先ず、押し型23は、図26に示すように、2個の製品部21aの連結体の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するための第1のトムソン刃23a1と、第2のトムソン刃23a2とを、第1基板23b(図30参照)、第2基板23c(図31参照)及び補助取付板23d(図32参照)を介して図29に示すように取り付けたものである。
第1基板23bは、図30に示すように、平面視で四角形の木製板であり、第2基板2
3cは、図31に示すように、同じ形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に図32及び図29に示すように、補助取付板23dを介して第1のトムソン刃23a1と第2のトムソン刃23a2とが同じ高さ寸法で取り付けられている。
【0068】
第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の刃先は、図29に示すように、補助取付板23dよりも製品部21aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
上記押し型23と対向する抜き台24は、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる第1基板24a(図33参照)と、同じ形状の木製板からなる第2基板24b(図29参照)とを図29に示すように貼り合わせて構成され、第1基板24aの表面に、図34〜図36に示すように、主凸部24cと、補助凸部24dとが取り付けられている。
【0069】
主凸部24cは、図34〜図36に示すように、プラスチック成型品21の製品部21aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部21aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部24dは、同じく図34〜図36に示すように、プラスチック成型品21の上縁変化部形成用膨出部21cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部21cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0070】
なお、ブランク部21bを支持する部分は、主凸部24c及び補助凸部24dの周辺となる第1基板24aの表面に平坦面として形成されている。
そして、主凸部24cと補助凸部24dとの境界部には、図34、図35に示すように、トムソン刃通過溝24eが形成されている。
次に、中間プレート25は、図29に示すように、第1〜第3の3枚の中間プレート25a、25b、25cに分割して構成されている。
【0071】
第1の中間プレート25aには、図37に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25dが形成された四角形板からなる。
第2の中間プレート25bには、図38に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25eが形成された四角形板からなる。
【0072】
第3の中間プレート25cには、図39に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状及び抜き台24の補助凸部24dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25fが形成された四角形板よりなる。
第1〜第3の中間プレート25a〜25cは、平面視における外形寸法が同じ四角形板からなっている。
【0073】
そして、第1の中間プレート25aの板厚は、第2及び第3の中間プレート25b、25cの板厚よりも薄くされており、しかも、第2及び第3の中間プレート25b、25cから独立して動作可能とされている。
これに対して、第2及び第3の中間プレート25b、25cは、プラスチック成型品21の製品部21aの凹部深さ寸法と同等、又は、僅かに小さい板厚寸法とされていると共に、これらが重ね合わされて一体的に動作可能とされている。
【0074】
そして、第1〜第3の中間プレート25a〜25cは、図29に示すように、プラスチック成型品21の外側周囲のブランク部21bを抜き台24に押し付けるために押し型23と抜き台24との間に配置されるものである。
前記押し型23と前記抜き台24とは、図29に示すように、前記プラスチック成型品21の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0075】
また、第1の中間プレート25aは、図29に示すように、押し型23側にガイドピン25gを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング25hにより押し型23から離隔する方向に押圧付勢されている。
また、第2及び第3の中間プレート25b、25cは、図29に示すように、第1の中間プレート25aに対して、ガイドピン25iを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支
持されていると共に、スプリング25jにより第1の中間プレート25aから離隔する方向に押圧付勢されている。
【0076】
本発明の第3実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品21は、予め、金型22によって成型しておく。
このプラスチック成型品21を図29のように抜き台24と押し型23との間で第3の中間プレート25cと抜き台24との間に配置する。
この状態で、押し型23と抜き台24とを相対的に接近移動させる。
【0077】
これにより、第1〜第3の中間プレート25a〜25cが先行してプラスチック成型品21のブランク部21bを抜き台24に押し付ける。そして、押し型23の第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2によって、プラスチック成型品21の上縁変化部形成用膨出部21cを先行して切断し、最後に製品部21aをブランク部21bから打ち抜き切断する(図26参照)。
【0078】
このとき、上縁変化部形成用膨出部21cは、ブランク部21bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図25に示すように、製品部21aの後端に半円形の開口端からなる上縁変化部21a2として軸方向に平行な横向き開口部となる。その結果、製品部21aは、周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0079】
第4実施形態の説明
次に、本発明の第4実施形態を図40〜図52を参照して説明する。
この第4実施形態におけるプラスチック成型品31は、図40に示すように、蓋付き半円筒形容器形状の凹部として形成された製品部31aと、製品部31aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部31bと、製品部31aの後端付近から後端方向へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部31cとを備え、この上縁変化部形成用膨出部31cは、凹部周壁上縁が製品部31aの後端側に向けて凹部の深さ方向に深くなるように傾斜して形成されている。
【0080】
製品部31aは、図41に示すように、蓋付き半円筒形容器形状をなし、軸方向の先端側が細首状とされ、この細首状部にT字形の蓋が付くような閉鎖端31a1とされ、後端側が平底状の閉鎖端31a2とされ、この閉鎖端31a2を含む後端側の上縁が後端側に傾斜した上縁変化部31a4とされ、前記細首部の周囲に鍔部31a3が形成されている。
【0081】
このような形状のプラスチック成型品31を成型するために、図42、図43に示すような金型32が使用される。
金型32は、平面視で四角形のブロック状とされ、その上面に、図42、図43に示すように、製品部形成部32aと、ブランク部形成部32bと、膨出部形成部32cとが形成されている。
【0082】
製品部形成部32aは、金型32の上面に凸型として形成され、膨出部形成部32cは、製品部形成部32aの軸方向の後端側に延長して凸型として一連に形成されている。
この膨出部形成部32cの延長長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
ブランク部形成部32bは、金型32の上面で、製品部形成部32aと膨出部形成部32cとの周囲に平坦面状に形成されている。
【0083】
図40に示すプラスチック成型品31は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図42、図43に示す金型32上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
このプラスチック成型品31に対して、図44に示すように、製品部31aを打ち抜き切断するための押し型33と抜き台34と中間プレート35とが使用される。
【0084】
先ず、押し型33は、図42に示すように、製品部31aの外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃33aを、第1基板33b(図45参照)、第2基板33c(図46参照)及び補助取付板33d(図47参照)を介して図44に示すように取り付けたものである。
第1基板33bは、図45に示すように、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であり、第2基板33cは、図46に示すように、同じ形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に図44及び図47に示すように、補助取付板33dを介してトムソン刃33aが全周に亘って同じ高さ寸法で取り付けられている。
【0085】
トムソン刃33aの刃先は、図44に示すように、補助取付板33dよりも製品部31aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
なお、図45〜図47において、符号33eは、軽量化のための刳り抜き孔である。
上記押し型33と対向する抜き台34は、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる第1基板34a(図48参照)と、同じ形状の木製板からなる第2基板34bとを図44に示すように貼り合わせて構成され、第1基板34aの表面に図49及び図50に示すように、主凸部34cと、補助凸部34dとが取り付けられている。
【0086】
主凸部34cは、図49及び図50に示すように、プラスチック成型品31の製品部31aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部31aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部34dは、同じく図49及び図50に示すように、プラスチック成型品31の上縁変化部形成用膨出部31cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部31cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0087】
なお、ブランク部31bを支持する部分は、主凸部34c及び補助凸部34dの周辺となる第1基板34aの表面に平坦面として形成されている。
そして、主凸部34cと補助凸部34dとの境界部には、図49に示すように、トムソン刃通過溝34eが形成されている。
次に、中間プレート35は、図44に示すように、第1及び第2の2枚の中間プレート35a、35bに分割して構成されている。
【0088】
第1の中間プレート35aには、図51に示すように、トムソン刃33aの輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔35cが形成された四角形板からなる。
第2の中間プレート35bには、図52に示すように、トムソン刃33aの輪郭形状及び抜き台34の補助凸部34dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔35dが形成された四角形板よりなる。
【0089】
第1及び第2の中間プレート35a、35bは、平面視における外形寸法が同じ四角形板からなっている。
そして、第1の中間プレート35aの板厚と第2の中間プレート25bの板厚とは同一とされ、これら第1及び第2の中間プレート35a、35bの合計板厚は、プラスチック成型品31の製品部31aの凹部深さ寸法より大きくされていると共に、これらが重ね合わされて一体的に動作可能とされている。
【0090】
そして、第1及び第2の中間プレート35a、35bは、図44に示すように、プラスチック成型品31の外側周囲のブランク部31bを抜き台34に押し付けるために押し型33と抜き台34との間に配置されるものである。
前記押し型33と前記抜き台34とは、図44に示すように、前記プラスチック成型品31の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0091】
また、第1の中間プレート35aは、図44に示すように、押し型33側にガイドピン35eを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング35fにより押し型33から離隔する方向に押圧付勢されている。
本発明の第4実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
図40に示すプラスチック成型品31は、予め、図42及び図43に示す金型32によって成型しておく。
【0092】
このプラスチック成型品31を図44のように抜き台34と押し型33との間で第2の中間プレート35bと抜き台34との間に配置する。
この状態で、押し型33と抜き台34とを相対的に接近移動させる。
これにより、第1及び第2の中間プレート35a、35bが先行してプラスチック成型品31のブランク部31bを抜き台34に押し付ける。そして、押し型33のトムソン刃33aによって、プラスチック成型品31の上縁変化部形成用膨出部31cを先行して切断し、最後に製品部31aをブランク部31bから打ち抜き切断する(図42参照)。
【0093】
このとき、上縁変化部形成用膨出部31cは、ブランク部31bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図41に示すように、製品部31aの後端付近が製品部31aの深さ方向に傾斜した上縁、即ち、上縁変化部31a4をもつ閉鎖端31a2となる。そのため、この第4実施形態におけるプラスチック成型品31の製品部31aは、凹部周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0094】
第5実施形態の説明
次に、本発明の第5実施形態を図53及び図54により説明する。この第5実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品41の形状は、図53に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部41aの形状は、図54に示している。
この第5実施形態の製品部41aは、図54に示すように、四角形の底壁41a1と、該底壁41a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁41a2とからなる四角形容器形状をなし、四辺の周壁41a2の上縁が円弧状に湾曲した形状からなる上縁変化部41a3となっている。
【0095】
このような上縁変化部41a3を形成するために、図53に示すように、プラスチック成型品41の四辺の周壁の上縁には、上縁変化部形成用膨出部41bが外側に向けて膨出させて形成されている。
この第5実施形態のプラスチック成型品41を成型するための金型は図示を省略したが、これまでの実施形態から判断して、当業者には、どのような金型を準備すればよいかが容易に理解できるものと判断される。即ち、図53のプラスチック成型品41の形状と同じ形状の凹部又は凸部を上面に形成した金型を準備すればよい。
【0096】
また、押し型、抜き台、中間プレートについても図示を省略したが、これもこれまでの実施形態の説明から当業者には、どのような構成とすればよいかが容易に判断できるものと考える。
この第5実施形態においても、押し型のトムソン刃は、図54に示す四角形容器形状の製品部41aの周囲で打ち抜き切断可能とした四角形枠状で、全周に亘って同じ高さとしたものを使用するものである。
【0097】
また、抜き台は、プラスチック成型品41の製品部41aを支持する主凸部と上縁変化部形成用膨出部41bを支持する補助凸部とを基台に設け、主凸部と補助凸部との境界部にトムソン刃通過溝を設けたものを使用すればよい。
さらに、中間プレートとしては、製品部41aの四角形とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔を形成し、上縁変化部形成用膨出部41bを抜き台の補助凸部に押し付けることが可能な形状のものを使用すればよい。この第5実施形態におけるプラスチック成型品41の製品部41aは、凹部周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0098】
第6実施形態の説明
次に本発明の第6実施形態を図55〜図60により説明する。この第6実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品51の形状は、図55、図56に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部51aの形状は、図57、図58に示している。
プラスチック成型品の説明
この第6実施形態におけるプラスチック成型品51は、図55、図56に示すように、凹部として形成された製品部51aと、製品部51aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部51bと、製品部51aからブランク部51b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部51cとを備えている。
【0099】
製品部の説明
上記製品部51aは、図57、図58に示すように、上下2段の階段状になった長方形
の底壁51a1と、この底壁51a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁51a2とからなる長方形容器形状をなし、四辺の周壁51a2の上縁51a3の1箇所に上縁変化部51a4が形成されている。なお、底壁51a1には、この製品部51aに収容される商品(被収容物)の形状に適合させた段部51a5や位置決め用凹凸部51a6が適宜形成されている。
【0100】
前記上縁変化部51a4は、図57に示すように、長方形の四辺のうちの1つの短辺の両端を除く途中の箇所において、周壁51a2を上縁51a3から下方に向けて2箇所で切り込みを入れ、この2箇所の切り込みの終端間で底壁51a1を部分的に切り取ることによって、丁度、周壁51a2を矩形状に切除した状態で形成されている。
従って、長方形容器形状の製品部51aは、上縁変化部51a4の形成位置では、横向きに開口した窓孔となっている(図57、図58参照)。
【0101】
また、この上縁変化部51a4は、製品部51aの周壁51a2の上縁51a3を製品部51aの凹部深さ方向に凹入させた形状となっており、従って、上縁変化部51a4は、製品部51aの周壁51a2の上縁51a3が形成する2次元平面に対して、直交する方向に凹入させて形成(全体として3次元形状に変化させて形成)していることになる。
このような上縁変化部51a4を形成させるために、図55、図56に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cを製品部51aからブランク部51b側(外側)へ膨出させて形成している。この上縁変化部形成用膨出部51cは、製品部51aの周壁51a2を外側に向けて押し出したような形状(矩形状に押し出した如き形状)とされている(図55、図56参照)。なお、ブランク部51bは、製品部51aの凹部上縁周囲から外側へ鍔状に張り出して形成しており、上縁変化部形成用膨出部51cの上縁においても、外側へ張り出したブランク部51bを一連に形成している。
【0102】
金型の説明
打ち抜き切断前のプラスチック成型品51を成型するために、図59〜図62に示す金型52が使用される。
この金型52は、製品形成部52aと、ブランク部形成部52bと、膨出部形成部52cとを、図59〜図62に示すように、板状の台板部分52dの平坦な上面に所定の配置で取り付けており、これらは板状の台板部分52dの平坦な上面に凸状に取り付けられている。
【0103】
先ず、製品形成部52aは、板状の台板部分52dの平坦な上面の中央部に取り付けられている。
この製品形成部52aの外側周囲にブランク部形成部52bを形成している。このブランク形成部52bは、板状の台板部分52dの平坦な上面を凹入させて形成しており、台板部分52dの上面周囲には、ブランク部形成部52bよりも高くなった周縁部52eを形成している。
【0104】
次に、膨出部形成部52cは、製品形成部52aからブランク部形成部52b側(外側)へ膨出させた状態で板状の台板部分52dの平坦な上面に取り付けている。この膨出部形成部52cの膨出長さは、短くてよく、例えば、、15〜20mm程度としている。
要するに、この金型52の上面の形状は、図55に示したプラスチック成型品51を成型するために、該プラスチック成型品51と同じ凸型の形状に作成されている。
【0105】
この金型52を用いてプラスチック成型品51を成型する。具体的には、プラスチック成型品51は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型52の上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型する。
打ち抜き切断装置の説明
このプラスチック成型品51に対して、図63に示すように、製品部51aを打ち抜き切断するための押し型53と抜き台54と中間プレート55とが使用される。
【0106】
押し型の説明
押し型53は、図63、図64に示すように、製品部51aの周壁51a2の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃53aを基板53bに補助取付板53cを介して取り付けている。
トムソン刃53aは、図63、図64に示すように、製品部51aの外側周囲の輪郭形状と同様な長方形枠状の輪郭形状とされ、全周に亘って同じ高さに製作されている。基板53bは、図65に示すように、平面視で長方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる。
【0107】
この基板53bは、製品部51aの平面積より大きい平面積の平板からなる。補助取付板53cは、図66に示すように、トムソン刃53aの輪郭形状とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔53c1を中央部に形成(貫通形成)した板枠形状とされ、板枠の寸法及び平面積は、基板53bと同じとされている。
この補助取付板53cは、木製又は合成樹脂製とされ、トムソン刃53aの輪郭形状の外側全周に亘って取り付けられている。トムソン刃53aは、補助取付板53cの中央部に形成された刳り抜き孔53c1内に嵌め込んで固着されている。トムソン刃53aの刃先は、図63、図64に示すように、補助取付板53cよりも製品部51aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
【0108】
また、上記トムソン刃53aは、図64に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cに対応する位置において、製品部51aの外側輪郭から内側に凹入させた凹入部53a1を備えている。この凹入部53a1の内側への凹入寸法は、製品部51aの周壁51a2の肉厚分よりも若干大きく設定されている。また、凹入部53a1の凹入範囲(製品部51aの周壁51a2の周方向形成範囲)は、製品部51aに形成しようとする上縁変化部51a4の形成長さ(製品部51aの周壁の周方向長さ)と同じに設定されている。
【0109】
このような凹入部53a1をトムソン刃53aに設けておくことによって、プラスチック成型品51の打ち抜き切断時、凹入部53a1の凹入範囲両端の刃先で製品部51aの周壁51a2の肉厚を横切るように交差させて通過切断させることができ、その結果、製品部51aの周壁51a2を局部的に外側に膨出変化させることなく(従って、周壁51a2が平面視で平坦な直線状のままで、)上縁変化部51a4を切除形成させることができる(図57、図58参照)。
【0110】
このような上縁変化部51a4を切り取り形成させるために、プラスチック成型品51の製品部51aの底壁51a1を切り取る位置51a1’は、図58に示すように、周壁51a2の内周面51a2’よりも製品部51aの内側に凹入した位置となる。
抜き台の説明
上記押し型53と対向する抜き台54は、図63に示すように、基板54aに主凸部54bと補助凸部54cとを製品部51aの形状に対応した所定の配置で取り付けている。
【0111】
抜き台54の基板54aは、図67に示すように、平面視で長方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる。この基板54aは、製品部51aの平面積より大きい平面積の平板からなり、押し型53の基板53bと同じ大きさ及び形状とされている。
抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cは、木材又は合成樹脂材或いは金属材の何れかで作成され、本実施形態においては、合成樹脂材で作成した場合を例示している。
【0112】
抜き台54の主凸部54bは、図68、図69、図70に示すように、製品部51aに対応した形状(製品部51aと同一形状)に作成されており、補助凸部54cは、図68、図69、図71に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cの形状に対応した形状(上縁変化部形成用膨出部51cと同一形状)に作成されている。
要するに、抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cは、押し型53のトムソン刃53aによる打ち抜き切断時、図55に示す製品部51aと上縁変化部形成用膨出部51cとを嵌め込んで位置決め保持することができるような形状と配置で基板54aの平坦な面に凸状態で取り付けられている(図63、図68、図69参照)。
【0113】
抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cとの間には、図68に示すように、トムソン刃通過溝54dが形成されている。このトムソン刃通過溝54dは、図68に示すように、主凸部54bの外側輪郭線から内側に製品部51aの周壁51a2の肉厚分より若干大きく凹入させて形成されている。
このトムソン刃通過溝54dの凹入寸法及び凹入範囲は、トムソン刃53aの凹入部53a1と対応させて、トムソン刃53aの肉厚よりも若干広幅に設定されている。
【0114】
中間プレートの説明
前記押し型53と抜き台54との間に配置される中間プレート55は、図63に示すように、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bの2枚に分割して構成されている。
第1中間プレート55aは、図72に示すように、トムソン刃53aの輪郭形状より僅かに大きい輪郭形状の貫通孔55a1を中央部に形成した板枠形状からなり、板枠の大きさ、形状、材質は、押し型53の補助取付板53cと同じとされている。
【0115】
第2中間プレート55bは、図73に示すように、中央部に貫通孔55b1を形成した板枠形状からなる木製又は合成樹脂製の第1基板55b2と、この第1基板55b2の上面にベニヤ板製の第2基板55b3を介して貼り付けたゴム製上板55b4とからなっている。
第2中間プレート55bにおける第1基板55b2と第2基板55b3とゴム製上板54b4とは、同じ大きさの板枠形状とされている。
【0116】
第2中間プレート55bにおける第1基板55b2の貫通孔55b1は、図73に示すように、プラスチック成型品51の製品部51aと上縁変化部形成用膨出部51cとを含めた外側輪郭形状より僅かに大きく形成されている。
即ち、第2中間プレート55bにおける第1基板55b2の貫通孔55b1は、図73に示すように、プラスチック成型品51の製品部51aの外側輪郭形状と同じ形状の内側輪郭形状とされ、かつ、上縁変化部形成用膨出部51cの位置において、該上縁変化部形成用膨出部51cの外側輪郭形状分だけ外側へ局部的に広げた形状として形成されている。
【0117】
第2中間プレート55bにおける第2基板55b3とゴム製上板54b4とには、図63、図74に示すように、上記第1基板55b2の貫通孔55b1と同じ形状の貫通孔54b5が形成されている。
第1中間プレート55aは、図63に示すように、押し型53側にガイドピン55a2を介してプラスチック成型品51の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング55a3により押し型53から離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン55a2は、押し型53のトムソン刃53aの外側周囲の複数位置に配置され、それぞれの位置で補助取付板53cに装着されている(図66参照)。
【0118】
また、第2中間プレート55bは、図63に示すように、第1中間プレート55aに対して、ガイドピン55b5を介してプラスチック成型品51の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング55b6により第1中間プレート55aから離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン55b5は、押し型53のトムソン刃53aの外側周囲の複数位置に配置され、それぞれの位置で第2中間プレート55bの第1基板55b2に装着されている(図73参照)。
【0119】
第1中間プレート55aのガイドピン55a2と第2中間プレート55bのガイドピン55b5とは、トムソン刃53aの外側周囲の複数位置に同じ配置で設置しているが、異なる配置で設置してもよい。
上記構成により、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bとは、プラスチック成型品51の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能とされている。
【0120】
第2中間プレート55bの第1基板55b2の板厚は、第1中間プレート55aの板厚と同じとされ、第2中間プレート55bの合計板厚は、第1中間プレート55aの板厚より第2基板55b3とゴム製上板54b4との板厚分だけ大きくされている。
この第2中間プレート55bの合計板厚は、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cの最大凹入深さ寸法(製品部51aの打ち抜き方向における最大寸法)より大きく設定されている(ほぼ同じ寸法に設定してもよい)。
【0121】
また、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bとの合計板厚は、プラスチック成型品51の製品部51aの最大凹入深さ寸法(製品部51aの打ち抜き方向における最大寸法)よりも大きく設定されている。
このような中間プレート55を2枚使用することにより、1枚目(第2中間プレート5
5b)でプラスチック成型品51のブランク部51bを抜き台54に向けて押さえさせ、続いて2枚目(第1中間プレート55a)で上縁変化部形成用膨出部51cを押さえさせて安定させ、その状態で押し型53のトムソン刃53aにより上縁変化部形成用膨出部51cを先行して切断させ、最後にブランク部51bを切断させることができるので、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cを精度良く正確に美しく切断させることができる。
【0122】
第6実施形態の動作説明
本発明の第6実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品51は、予め、金型52(図59〜図62参照)によって成型しておく。このプラスチック成型品51を図63に示すように、押し型53上の第2中間プレート55bと抜き台54との間に配置する。
【0123】
この状態で、押し型53と抜き台54とを相対的に接近移動させる。
これにより、第2中間プレート55bが先行してプラスチック成型品51のブランク部51bを抜き台54に押し付ける。
続いて、第1中間プレート55aによって上縁変化部形成用膨出部51cを抜き台54に向けて押し付ける。
【0124】
そして、押し型53のトムソン刃53aによって、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cを先行して切断する。続いて、トムソン刃53aによって、プラスチック成型品51の製品部51aをブランク部51bから打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部51cは、ブランク部51bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図57、図58に示すように、製品部51aの周壁51a2の一部上縁が矩形状に切除され、横向きに開口した窓孔形状となっており、その結果、製品部51aの上縁は、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状に形成されていることになる。
【0125】
第7実施形態の説明
次に本発明の第7実施形態を図75〜図90を参照して説明する。この第7実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品61の形状は、図75、図76に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部61aの形状は、図77、図78、図79に示している。
プラスチック成型品の説明
この第7実施形態におけるプラスチック成型品61は、図75、図76に示すように、凹部として形成された製品部61aと、製品部61aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部61bと、製品部61aからブランク部61b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部61cとを備えている。
【0126】
製品部の説明
上記製品部61aは、図77、図78、図79に示すように、長方形の底壁61a1と、この底壁61a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁61a2とからなる長方形容器形状をなし、四辺の周壁61a2の上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部61a3が形成されている。この鍔部61a3は、周壁61a2の全周に形成されている。また、鍔部61a3は、全周に亘って一様な幅で形成した場合を例示しているが、適宜、部分的に変化させてもよい。なお、底壁61a1及び周壁61a2には、補強用凹凸やリブ(図示省略)が適宜形成可能である。
【0127】
上記鍔部61a3には、図77に示すように、上縁変化部61a4を製品部61aの四辺の周壁61a2の各辺上縁に、鍔部61a3自体を辺の途中で部分的に、製品部61aの凹部深さ方向(上縁から底壁に向かう方向であり、図77において下方)へ凹入させて形成している。
この上縁変化部61a4は、製品部61aの周壁61a2の四辺のそれぞれの辺において、図77に示すように、辺の両端から辺の中央部に所定寸法離隔した位置から当該辺の中央部に向けて、下方(上縁から底壁に向かう方向)へ凹円弧状に凹入させて形成している。
【0128】
そして、製品部61aの周壁61a2の上縁の四隅には、平坦な鍔部61a3があり、
この四隅の鍔部61a3は、図75に示したプラスチック成型品61のブランク部61bを切断せずに残して形成している。
その結果、第7実施形態の製品部61aは、図77に示すように、周壁61a2の上縁周囲に凹部から外側へ張り出した鍔部61a3をもち、かつ、周壁61a2の四辺のそれぞれの辺の中央部に、製品部61aの凹部深さ方向へ凹円弧状に凹入した上縁変化部61a4を有している。この上縁変化部61a4は、製品部61aの上縁で形成される2次元平面に対して、該平面と直交する方向に凹入して形成されており、結果的に、3次元方向に変化させて形成していることになっている。
【0129】
このような上縁変化部61a4を形成させるために、図75、図76に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cを製品部61aから外側へ膨出させて(張り出して)形成している。
金型の説明
打ち抜き切断前のプラスチック成型品61を成型するために、図80〜図82に示す金型62が使用される。
【0130】
この金型62は、製品形成部62aと、ブランク部形成部62bと、膨出部形成部62cとを、図80〜図82に示すように、板状の台板部分62dの平坦な上面に凹部として形成している。なお、図80〜図82は、3個分を一連に成型するようにした場合の金型62を図示しているが、1個だけ成型する金型としてもよい。
先ず、製品形成部62aは、板状の台板部分62dの平坦な上面の中央部に3個並べて形成している。
【0131】
各製品形成部62aの外側周囲にブランク部形成部62bを形成している。
次に、膨出部形成部62cは、製品形成部62aの四辺から外側へ膨出させた(張り出させた)状態で板状の台板部分62dの平坦な上面に凹入させて形成している。この膨出部形成部62cの膨出長さは、短くてよく、例えば、、15〜20mm程度としている。
要するに、この金型62の上面の形状は、図75に示したプラスチック成型品61を成型するために、該プラスチック成型品61と同じ凹型の形状に3個分並べて作成されている。
【0132】
この金型62を用いてプラスチック成型品61を成型する。具体的には、プラスチック成型品61は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型62の上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型する。
打ち抜き切断装置の説明
このプラスチック成型品61に対して、図83に示すように、製品部61aを打ち抜き切断するための押し型63と抜き台64と中間プレート65とが使用される。
【0133】
押し型の説明
押し型63は、図83、図84に示すように、製品部61aの周壁61a2の上縁に外側へ張り出して形成されている鍔部61a3の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃63aを基板63bに補助取付板63c(図85参照)を介して取り付けている。
【0134】
トムソン刃63aは、図83、図84に示すように、製品部61aの鍔部61a3の外側周囲の輪郭形状と同様な長方形枠状の輪郭形状とされ、全周に亘って同じ高さに製作されている。基板63bは、図84に示すように、平面視で正方形で平板形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなり、その上面にトムソン刃63aを3個並べて配置している。
【0135】
補助取付板63cは、図85に示すように、トムソン刃63aの輪郭形状とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔63c1を中央部に3個並べて形成(貫通形成)した板枠形状とされ、板枠の寸法及び平面積は、基板63bと同じとされている。
この補助取付板63cは、プラスチック成型品61の製品部61aの打ち抜き方向深さ寸法より大きい板厚とされ、全体を木製又は合成樹脂製とされ、3個のトムソン刃63aを刳り抜き孔63c1にそれぞれ嵌め込んだ状態で基板63bに取り付けられている。トムソン刃63aの刃先は、図83に示すように、補助取付板63cよりも上縁変化部形成
用膨出部61cの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
【0136】
この第7実施形態のプラスチック成型品61は、上縁変化部61a4を鍔部61a3と同じ鍔幅で形成しているため、トムソン刃63aの輪郭形状は、製品部61aの周壁61a2の外側輪郭形状よりも鍔部61a3の鍔幅分だけ大きい長方形の輪郭形状とされている。
抜き台の説明
上記押し型63と対向する抜き台64は、図83、図86〜図89に示すように、基板64aに主凸部64bと補助凸部64cとを製品部61a及び上縁変化部61a3の配置と形状に対応して取り付けている。
【0137】
抜き台64の基板64aは、合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなり、押し型63の基板63bと同じ大きさ及び形状とされている。
抜き台64の主凸部64bと補助凸部64cは、木材又は合成樹脂材或いは金属材の何れかで作成され、本実施形態においては、合成樹脂材で作成した場合を例示している。
抜き台64の主凸部64bは、図83、図86〜図89に示すように、製品部61aに対応した形状(鍔部61a3を含めた製品部61aと同一形状)に作成されており、上縁変化部61a4の位置には、上縁変化部形成用膨出部61cを支持する凸部64b1が鍔部61a3の鍔幅とほぼ同じ寸法だけ外側へ突出させて形成されている。
【0138】
抜き台64の補助凸部64cは、図83、図86〜図89に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cの位置及び形状に対応した位置及び形状(上縁変化部形成用膨出部61cと同一位置及び同一形状)に作成されている。
要するに、抜き台64の主凸部64bと補助凸部64cは、押し型63のトムソン刃63aによる打ち抜き切断時、図75に示す製品部61aと上縁変化部形成用膨出部61cとを嵌め込んで位置決め保持することができるような形状と配置で基板64aの平坦な面に凸状態で取り付けられている(図83、図86〜図89参照)。
【0139】
抜き台64の主凸部64bに形成した凸部64b1と補助凸部64cとの間には、図86〜図89に示すように、トムソン刃通過溝64dが形成されている。このトムソン刃通過溝64dは、トムソン刃63aの肉厚よりも若干広幅に設定されている。なお、図86〜図89は、説明を簡単にするため、1個分の製品部61aの打ち抜きに使用する場合を例示している。
【0140】
中間プレートの説明
前記押し型63と抜き台64との間に配置される中間プレート65は、押し型63及び抜き台64によるプラスチック成型品61の打ち抜き切断動作に先行して、プラスチック成型品61を抜き台64に押し付けるために使用されるものであって、図83に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cの外側輪郭と製品部61aの外側輪郭とを含めた形状の貫通孔65a1を中央部に形成したベニヤ板製板枠形状の基板65aと、この基板65aの上面に接合したゴム製上板65bとからなる。
【0141】
この基板65a及びゴム製上板65bの平面形状は、図90に示している。この図90においては、3個分の製品部61aを並べて形成したプラスチック成型品61に対応した形状で基板65a及びゴム製上板65bに貫通孔65a1を形成した場合を示している。
中間プレート65は、図83に示すように、押し型63側にガイドピン65a2を介してプラスチック成型品61の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング65a3により押し型53から離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン65a2は、押し型63のトムソン刃63aの外側周囲の複数位置に配置され(図90参照)、それぞれの位置で補助取付板63cに装着されている(図83参照)。
【0142】
上記構成により、中間プレート65は、押し型63に対して、プラスチック成型品61の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能とされている。
中間プレート55の板厚は、プラスチック成型品61のブランク部61bの板厚より大きくされている。
第7実施形態の動作説明
本発明の第7実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
【0143】
プラスチック成型品61は、予め、金型62(図80〜図82参照)によって成型しておく。このプラスチック成型品61を図83に示すように、押し型63上の中間プレート65と抜き台64との間に配置する。
この状態で、押し型63と抜き台64とを相対的に接近移動させる。
これにより、中間プレート65が先行してプラスチック成型品61のブランク部61bを抜き台64に押し付ける。
【0144】
続いて、押し型63のトムソン刃63aによって、プラスチック成型品61の上縁変化部形成用膨出部61cを先行して切断する。続いて、トムソン刃63aによって、プラスチック成型品61の製品部61aを周囲に鍔部61a3を有する状態で打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部61cは、鍔部61a3よりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図77〜図79に示すように、製品部61aの周壁61a2の四辺上縁が凹円弧状に凹入した状態となる。
【0145】
本発明の実施形態は、以上であるが、本発明は、この実施形態にのみ制約されるものではなく、種々変更して実施することができる。例えば、プラスチック成型品の形状は、図示のものに制約されるものではなく、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形、その他、種々の形状のものに適用することができる。そして、1個ずつ成型する場合と、複数個を一連に成型する場合とを製品部の形状によって設定することができる。また、複数個を一連に成型する場合、トムソン刃の輪郭形状を個々の製品部の輪郭通りに、または、隣接する製品部相互間に連結部を残して切断できるような形状に設定することができる。また、上縁変化部の形状は、製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されたものを含むものである。
【0146】
なお、図91、図92に示すように、製品部71aの周壁71a2の上縁に外側へ張り出す鍔部71a4を形成した状態で打ち抜き切断する場合では、押し型のトムソン刃73aの切断位置及び抜き台74の主凸部74bと補助凸部74cとの間に形成するトムソン刃通過溝74dの設置位置を、製品部71aの周壁71a2の外面の位置から鍔部71a4の鍔幅分だけ外側に移動させて形成しておくものである。
【0147】
なお、鍔部を形成しない場合には、図93、図94に示すように、押し型のトムソン刃83aの切断位置及び抜き台84の主凸部84bと補助凸部84cとの間に形成するトムソン刃通過溝84dの設置位置を、製品部81aの周壁81a2の外面の位置付近に設定しておくものである。
上記いずれの場合でも、本発明のプラスチック成型品は、トムソン刃で切断される製品部の周壁上縁に、製品部の凹部深さ方向に沿って切断された横向きの切断面をもつことになる。図92においては、71a5がその切断面であり、図94においては、81a5がその切断面である。
【0148】
また、本発明は、製品部の周壁上縁に鍔部を部分的に形成する場合や鍔部を部分的に切除する場合も適用することができる。例えば、製品部の周壁上縁に鍔部を部分的に形成する場合には、当該鍔部の形成位置において、トムソン刃を部分的に外側へ突出させて形成すればよい。この場合のトムソン刃の外側への突出寸法は、鍔幅相当分とすればよい。また、製品部の周壁上縁全周に鍔部を形成するのではなく、一部を切除した状態で形成する場合には、当該切除部の形成位置において、トムソン刃を部分的に内側へ凹入させて形成すればよい。この場合のトムソン刃の内側への凹入寸法は、鍔幅と同じか、或いは、鍔幅以上、又は、鍔幅以下のいずれであってもよい。トムソン刃を内側に凹入させる例は、前記した本発明の第6実施形態における図64に示しており、これを参考とすればよい。
【0149】
さらに、製品部の周壁上縁に鍔部を形成する場合、鍔幅を全周に亘って一様としてもよいが、鍔幅を大小変化させることも可能である。また、鍔の平面形状を波形、花形、山形、凹凸形、その他、種々の形状とすることができる。この場合、トムソン刃の平面輪郭形状を所望する鍔形状に適合させて形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、上縁変化部を備えた真空成型品、圧空成型品、その他のプラスチック成型品とその打ち抜き方法及び装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0151】
1、11、21、31、41、51、61、71、81 プラスチック成型品
1a、11a、21a、31a、41a、51a、61a、71a、81a 製品部
1b、11b、21b、31b、51b、61b ブランク部
1c、11c、21c、31c、41b、51c、61c 上縁変化部形成用膨出部
1a3、11a3、21a2、31a4、41a3、51a4、61a3 上縁変化部
2、12、22、32、52、62 金型
3、13、23、33、53、63 押し型
3a、13a1、13a2、23a1、23a2、33a、53a、63a、73a、83a トムソン刃
4、14、24、34、54、64 抜き台
4b、14c、24c、34c、54b、64b、74b、84b 主凸部
4c、14d、24d、34d、54c、64c、74c、84c 補助凸部
4d、14f、24e、34e、54d、64d、74d、84d トムソン刃通過溝
5、15、25、35、55、65 中間プレート
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品(例えば、化粧品、薬品、食品、各種の土産物、自動車部品、パソコン用品、電気製品、各種の工業用品、玩具など)の宣伝や販売促進のため、あるいは、店頭陳列用のためなどに使用されるパッケージ、カバー、容器、トレイ、お面、その他のプラスチック成型品と、その打ち抜き方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、商品包装用パッケージや商品収容用トレイのようなプラスチック成型品は、商品(被包装物)を収容する凹部の周壁上縁の形状を平坦面に形成しているものが多い。
また、従来、真空成形等で成型されたプラスチック成型品の打ち抜き装置として、トムソン刃を取り付けた押し型と、抜き台とを使用し、これらを相対的に接近移動させて、これらの間に配置されたプラスチック成型品を打ち抜き切断するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、従来の打ち抜き装置は、プラスチック成型品を、同一平面で打ち抜き切断しているに過ぎなかった。したがって、その打ち抜き切断面の形状は、2次元平面形状となっているだけであった。
なお、プラスチック成型品の切断面が同一平面上になく、打ち抜き方向に高低差を有する場合、該高低差と同等の高低差を押し型のトムソン刃と抜き台とに形成して一度に打ち抜けるようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−44650号公報
【特許文献2】実用新案登録第3084873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近時、商品の宣伝や販売促進を目的として、包装形態に対する装飾的ないし意匠的な工夫や変化、あるいは合理的包装形態が要望されてきている。
しかるに、従来のプラスチック成型品とその打ち抜き装置は、被包装物を収容する凹部の周壁上縁の形状を平坦面に形成していただけであるため、包装形態に対する装飾的ないし意匠的な工夫や変化に乏しく、また、合理的包装形態とも言えないという問題点があった。
【0006】
また、前記特許文献2のものは、トムソン刃の刃高を変化させる必要があるため、切断面が複雑な凹凸形状や3次元形状等の複雑かつ特殊な切断面形状となっている場合では、トムソン刃の作成が容易でなく、また、プラスチック成型品を抜き台に押し付けておく手段を使用していないため、トムソン刃で打ち抜き切断する際、プラスチック成型品が抜き台からずれる場合があり、切断不良(ミスカット)が発生するという問題点があった。
【0007】
そのため、このような複雑かつ特殊な切断面形状をもつプラスチック成型品は、従来では、一旦、同一平面で2次元形状に打ち抜き加工し、その後、複雑かつ特殊な切断面形状の部分について、別の工程でハサミ又はカッター等の適宜の切断工具を用いて所望の形状に仕上げ加工するか、または、専用のプレス金型を用いて製作するしかなく、いずれにしても製作コストが高くなる欠点があった。
【0008】
そこで、本発明は、宣伝や販売促進に貢献するため、装飾的ないし意匠的な工夫や変化を有する包装形態、或いは、合理的包装形態をもつプラスチック成型品を提供すること、また、切断面がトムソン刃の打ち抜き方向に凹凸形状乃至3次元形状等の特殊な切断面形状となる部分(以下、上縁変化部と言う)をもつプラスチック成型品を提供すること、さらに、これらのプラスチック成型品に対しても、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃によって1工程で打ち抜き可能としたプラスチック成型品の打ち抜き方法及び装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明のプラスチック成型品は、底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明のプラスチック成型品は、底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されており、かつ、前記製品部は、凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出す鍔部を備えてことを特徴としている。
【0011】
また、本発明のプラスチック成型品の打ち抜き方法は、凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を製作準備し、これに対して、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを使用し、
前記プラスチック成型品を前記抜き台上に載置し、前記中間プレートで前記プラスチック成型品のブランク部を前記抜き台に押し付けて位置決め支持させ、前記押し型と前記抜き台とを相対的に接近移動させて前記トムソン刃により前記プラスチック成型品の凹部外側周囲及び上縁変化部形成用膨出部を切断させて製品部の凹部上縁に凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部をもつ製品部を打ち抜き切断させるようになしたことを特徴としている。
【0012】
前記製品部は、底壁と周壁とをもつ容器形状とされ、前記上縁変化部が、前記周壁に1個ないし複数個形成されていてもよい。
また、前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後も隣接部分を部分的に連結した形態とされており、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていてもよい。
【0013】
或いは、前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後、個別に分離され、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていてもよい。
また、前記製品部の凹部周壁上縁に外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部におけるトムソン刃の切断位置を成型品の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断するものである。
【0014】
また、本発明に係るプラスチック成型品の打ち抜き装置は、凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を成型する金型と、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸
部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを備え、
前記押し型と前記抜き台とを、前記金型で成型されるプラスチック成型品の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成してあり、
前記上縁変化部形成用膨出部は、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されていることを特徴としている。
【0015】
前記トムソン刃は、1個〜複数個の製品部の外輪郭を打ち抜く外輪郭切断用のみ、又は、製品部の内側を島状に打ち抜くための内輪郭切断用と組み合わせて押し型の基板に取り付けられている。
また、前記中間プレートは、トムソン刃が通過する刳り抜き孔が形成されており、1枚〜複数枚が使用され、前記押し型と中間プレートの間及び複数枚の中間プレートの間で中間プレートがガイドピンを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリングによりにトムソン刃の打ち抜き方向前方に押圧付勢されている。
【0016】
また、前記製品部の凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部における前記押し型のトムソン刃取付位置及び前記抜き台の主凸部と補助凸部との境界部に形成されるトムソン刃通過溝の位置を、前記製品部の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断させるように構成してある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、製品部となる凹部上縁に、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含め3次元形状に形成された上縁変化部を備えているため、この製品部に収納・盛り付け、或いは、被覆される商品の包装形態を装飾的ないし意匠的にグレードアップさせることができる。また、製品部の凹部上縁に装飾的ないし意匠的な工夫や変化を有する包装形態、或いは、合理的包装形態を付与することが可能となり、商品(例えば、化粧品、薬品、食品、各種の土産物、自動車部品、パソコン用品、電気製品、各種の工業用品、玩具など)の宣伝や販売促進に貢献することができる。
【0018】
また、本発明によれば、プラスチック成型品の打ち抜き部輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃の打ち抜き方向への1工程動作でプラスチック成型品の製品部を3次元形状に変化させた形態、即ち、上縁変化部を備えた形態で打ち抜き切断させることができる。
その際、プラスチック成型品は、中間プレートによりブランク部を介して抜き台に押し付けられ、かつ、主凸部及び補助凸部によって位置決め保持されるため、トムソン刃によって製品部及び上縁変化部が正確に打ち抜き切断される。
【0019】
なお、上縁変化部は、トムソン刃による打ち抜き方向の深さの浅い部分から深い部分へ向けて切断が進行して切断される。
そして、当該上縁変化部は、抜き台に形成してある補助凸部と、中間プレートの押し付け力とによって移動しないように安定的に支持させているため、トムソン刃によって、製品部の所定位置に正確に、かつ、美麗な切断面形状に切断することができる。
【0020】
また、主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成してあるため、トムソン刃を損傷させることはない。
これによって、プラスチック成型品の製品部をトムソン刃により1工程で3次元形状に高能率で美麗に打ち抜き切断させることができ、製品部の製作コストを低減することができる。
【0021】
また、トムソン刃は、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしておけばよく、その製作が容易となる。
しかも、トムソン刃は、プレス金型を用いて製品部を製作する場合に比較して、使用経過に伴う切断機能の低下を刃替えによって簡単に回復させることができ、この点でもコストダウンが図れる。
【0022】
以上の通り、本発明によれば、製品部となる凹部上縁が、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向とを含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えたプラスチック成型品および該プラスチック成型品に対して、打ち抜き部の輪郭形状全周に亘って同一高さとしたトムソン刃によって1工程で打ち抜き可能としたプラスチック成型品の打ち抜き方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の第1実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図2】図2は本発明の第1実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に用いる金型の平面図である。
【図4】図4は本発明の第1実施形態に用いる金型の縦断側面図である。
【図5】図5は本発明の第1実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図6】図6は本発明の第1実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図7】図7は本発明の第1実施形態の押し型の第2基板及びトムソン刃の平面図である。
【図8】図8は本発明の第1実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図9】図9は本発明の第1実施形態の抜き台の第1基板及び主凸部の平面図である。
【図10】図10は本発明の第1実施形態の抜き台の主凸部の側面図である。
【図11】図11は本発明の第1実施形態の抜き台の第2基板及び補助凸部の平面図である。
【図12】図12は本発明の第1実施形態の抜き台の補助凸部の縦断側面図である。
【図13】図13は本発明の第1実施形態の中間プレートの平面図である。
【図14】図14は本発明の第2実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図15】図15は本発明の第2実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図16】図16は本発明の第2実施形態に用いる金型の平面図である。
【図17】図17は本発明の第2実施形態に用いる金型の縦断側面図である。
【図18】図18は本発明の第2実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図19】図19は本発明の第2実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図20】図20は本発明の第2実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図21】図21は本発明の第2実施形態の抜き台の基板の平面図である。
【図22】図22は本発明の第2実施形態の抜き台の受け型の平面図である。
【図23】図23は本発明の第2実施形態の中間プレートの平面図である。
【図24】図24は本発明の第3実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図25】図25は本発明の第3実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図26】図26は本発明の第3実施形態に用いる金型の平面図である。
【図27】図27は本発明の第3実施形態に用いる金型の側面図である。
【図28】図28は本発明の第3実施形態に用いる金型の端面図である。
【図29】図29は本発明の第3実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図30】図30は本発明の第3実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図31】図31は本発明の第3実施形態の押し型の第2基板の平面図である。
【図32】図32は本発明の第3実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図33】図33は本発明の第3実施形態の抜き台の第1基板の平面図である。
【図34】図34は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の平面図である。
【図35】図35は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の側面図である。
【図36】図36は本発明の第3実施形態の抜き台の主凸部及び補助凸部の端面図である。
【図37】図37は本発明の第3実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図38】図38は本発明の第3実施形態の第2中間プレートの平面図である。
【図39】図39は本発明の第3実施形態の第3中間プレートの平面図である。
【図40】図40は本発明の第4実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図41】図41は本発明の第4実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図42】図42は本発明の第4実施形態に用いる金型の平面図である。
【図43】図43は本発明の第4実施形態に用いる金型の側面図である。
【図44】図44は本発明の第4実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図45】図45は本発明の第4実施形態の押し型の第1基板の平面図である。
【図46】図46は本発明の第4実施形態の押し型の第2基板の平面図である。
【図47】図47は本発明の第4実施形態の押し型の補助取付板及びトムソン刃の平面図である。
【図48】図48は本発明の第4実施形態の抜き台の第1基板の平面図である。
【図49】図49は本発明の第4実施形態の抜き台の平面図である。
【図50】図50は本発明の第4実施形態の抜き台の側面図である。
【図51】図51は本発明の第4実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図52】図52は本発明の第4実施形態の第2中間プレートの平面図である。
【図53】図53は本発明の第5実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図54】図54は本発明の第5実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図55】図55は本発明の第6実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図56】図56は図55におけるA−A線断面図である。
【図57】図57は本発明の第6実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図58】図58は図57におけるB−B線断面図である。
【図59】図59は本発明の第6実施形態に用いる金型の平面図である。
【図60】図60は本発明の第6実施形態に用いる金型の正面図である。
【図61】図61は本発明の第6実施形態に用いる金型の左側面図である。
【図62】図62は本発明の第6実施形態に用いる金型の右側面図である。
【図63】図63は本発明の第6実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図64】図64は本発明の第6実施形態の押し型の概略斜視図である。
【図65】図65は本発明の第6実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図66】図66は本発明の第6実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図67】図67は本発明の第6実施形態の抜き台の基板の平面図である。
【図68】図68は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部と補助凸部の平面図である。
【図69】図69は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部と補助凸部の正面図である。
【図70】図70は本発明の第6実施形態の抜き台の主凸部の右側面図である。
【図71】図71は本発明の第6実施形態の抜き台の補助凸部の右側面図である。
【図72】図72は本発明の第6実施形態の第1中間プレートの平面図である。
【図73】図73は本発明の第6実施形態の第2中間プレートの第1基板の平面図である。
【図74】図74は本発明の第6実施形態の第2中間プレートの第2基板の平面図である。
【図75】図75は本発明の第7実施形態のプラスチック成型品の打ち抜き切断前の形状を示す外観斜視図である。
【図76】図76は図75におけるC−C線断面図である。
【図77】図77は本発明の第7実施形態の打ち抜き切断後の製品部の形状を示す外観斜視図である。
【図78】図78は図77におけるD−D線断面図である。
【図79】図79は図77におけるE−E線断面図である。
【図80】図80は本発明の第7実施形態に用いる金型の平面図である。
【図81】図81は図80におけるF−F線断面図である。
【図82】図82は図80におけるG−G線断面図である。
【図83】図83は本発明の第7実施形態の打ち抜き装置の概略縦断側面図である。
【図84】図84は本発明の第7実施形態の押し型の基板の平面図である。
【図85】図85は本発明の第7実施形態の押し型の補助取付板の平面図である。
【図86】図86は本発明の第7実施形態の抜き台の平面図である。
【図87】図87は本発明の第7実施形態の抜き台の正面図である。
【図88】図88は本発明の第7実施形態の抜き台の左側面図である。
【図89】図89は本発明の第7実施形態の抜き台の概略斜視図である。
【図90】図90は本発明の第7実施形態の中間プレートの平面図である。
【図91】図91は製品部の凹部上縁に鍔部を形成する場合のトムソン刃と抜き台との関係を示す要部拡大断面図である。
【図92】図92は図91の製品部の切断後の凹部上縁の鍔部における要部拡大断面図である。
【図93】図93は製品部の凹部上縁鍔部を形成しない場合のトムソン刃と抜き台との関係を示す要部拡大断面図である。
【図94】図94は図93の製品部の切断後の凹部上縁における要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
第1実施形態の説明
図1〜図13は、本発明の第1実施形態を示している。この第1実施形態におけるプラスチック成型品1は、図1、図2に示すように、凹部として形成された製品部1aと、製品部1aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部1bと、製品部1aからブランク部1b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部1cとを備えている。ブランク部1bには、位置決め部1dが適宜形成されている。
【0025】
この第1実施形態は、図2に示すように、製品部1aが、円形の底壁1a1と該底壁1a1の周囲より立ち上がる円筒形の周壁1a2とをもつ円形皿形容器形状のものであって、円筒形の周壁1a2の上縁が凹部の深さ方向に波形に凹凸変化する形状からなる上縁変化部1a3となっている。
このような形状のプラスチック成型品1を成型するために、図3、図4に示す金型2が使用される。
【0026】
金型2は、正方形ブロック状とされ、その上面に、図3、図4に示すように、製品部形成部2aと、ブランク部形成部2bと、膨出部形成部2cと、位置決め部形成部2dが形成されている。
製品部形成部2aは、製品部1aを成型するためのもので、金型2の中央部に円形皿形凹部形状に形成されている。
【0027】
ブランク部形成部2bは、製品形成部2aの上縁周囲に外側へ張り出して形成されている。
このブランク部形成部2bには、位置決め部形成部2dが凹部として複数個形成されている。
膨出部形成部2cは、上縁変化部形成用膨出部1cを成型するためのもので、製品形成部2aの上縁周囲から外側(ブランク形成部2b側)へ放射状に膨出させて形成されている。
【0028】
上縁変化部形成用膨出部1cは、後述するトムソン刃による打ち抜き切断動作によって、円筒形の周壁1a2の上縁に凹部の深さ方向に波形に凹凸変化する形状からなる上縁変化部1a3を形成させるために製品部1aからブランク部1b側へ膨出して形成されている。そのため、上縁変化部形成用膨出部1cの断面形状(トムソン刃の打ち抜き切断面となる形状)は、上縁変化部1a3の波形凹凸形状に対応した3次元形状とされている。
【0029】
この膨出部形成部2cは、複数個(図3、図4は12個の場合を例示)が製品形成部2aの上縁周囲に周方向に等間隔で径方向外側に向けて放射状に張り出して形成されている。
この複数個の膨出部形成部2cの根元側は、それぞれ製品形成部2aの周方向に互いに隣接させて波形に連続させて形成されている。
【0030】
この膨出部形成部2cの膨出長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
プラスチック成型品1は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型2上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
この第1実施形態におけるプラスチック成型品1のブランク部1bと上縁変化部形成用膨出部1cとは、互いに重なって形成された形態となっており、これらは、円形皿形容器形状の製品部1aの上縁周囲に波形鍔状に張り出して形成されている。
【0031】
このプラスチック成型品1に対して、図5に示すように、製品部1aを打ち抜き切断するための押し型3と抜き台4と中間プレート5とが使用される。
次にそれらを説明する。
押し型3は、図5〜図8に示すように、製品部1aをその輪郭形状(凹部外周面形状)に沿って打ち抜き切断するために製品部1aと同一の輪郭形状とされ、かつ、輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃3aを第1基板3b(図6参照)に第2基板3c(図7参照)及び補助取付板3d(図8参照)を介して取り付けたものである。
【0032】
補助取付板3dは、トムソン刃3aの輪郭形状の外側全周に亘って取り付けられており、トムソン刃3aの輪郭形状の内側には、製品部1aの深さ方向寸法よりも大きい深さ方向寸法とされた凹部3e(図5参照)が形成されている。
この凹部3eは、トムソン刃3aでプラスチック成型品1を打ち抜き切断する際、製品部1aを受容してその損傷を防止するために設けられているものである。
【0033】
トムソン刃3aの刃先は、この補助取付板3dよりも前記プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
抜き台4は、図5に示すように、押し型3のトムソン刃3aに対する刃受け面4aを有し、この刃受け面4a上に主凸部4b及び補助凸部4cを備えている。
【0034】
主凸部4bは、プラスチック成型品1の製品部1aを支持するためのもので、その形状は、図9及び図10に示すように、製品部1aの凹部内径及び深さとほぼ同一の外形及び高さ(即ち、ほぼ同一形状)をもつ円形状に形成されている。
また、補助凸部4cは、プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cを支持させるためのもので、その形状は、図11及び図12に示すように、上縁変化部形成用膨出部1cの形状とほぼ同一とされている。
【0035】
そして、主凸部4bと補助凸部4cの境界部には、図5に示すように、トムソン刃3aの刃厚よりも若干大きい溝幅のトムソン刃通過溝4dが全周に亘って一様な溝幅で形成されている。
上記主凸部4bは、図9、図10に示すように、四角形の第1基板4eの中心部に固着されている。
【0036】
また、補助凸部4cは、図11、図12に示すように、四角形の第2基板4fの中心部に形成された円形抜き孔4gの周囲に放射状に形成されている。
第1基板4eと第2基板4fとは、図5に示すように、同心状に重ね合わされて接合され、これによって、円形の主凸部4bと円形抜き孔4gとが同心状に嵌合されている。
円形抜き孔4gは、円形の主凸部4bよりもトムソン刃通過溝4dの形成幅寸法分だけ大径とされている。
【0037】
これによって、前記トムソン刃通過溝4dが形成されている。
中間プレート5は、図5、図13に示すように、トムソン刃3aの輪郭形状及び抜き台4の補助凸部4cの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔5aが形成された四角形板よりなり、その板厚は、トムソン刃3aの刃先が補助取付板3dから突出している寸法よりも小さい寸法とされている。
【0038】
そして、この中間プレート5は、図5に示すように、前記プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付けるために前記押し型3と抜き台4との間に配置されるものである。
中間プレート5で、プラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4の第2基板4fに押し付ける際、刳り抜き孔5aによって、補助凸部4cで妨げられることがない。
【0039】
しかも、中間プレート5の刳り抜き孔5aは、押し型3のトムソン刃3aによる製品部1aの打ち抜き切断を妨げることもない。
前記押し型3と前記抜き台4とは、図5に示すように、前記プラスチック成型品1の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
また、中間プレート5は、図5に示すように、押し型3側にガイドピン5bを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング5cによりトムソン刃3aの先端よりも打ち抜き方向前方(図5の下方)に突出した位置に押圧付勢されている。
【0040】
本発明の第1実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品1は、予め、金型2によって成型しておく。
このプラスチック成型品1を図5のように抜き台4と押し型3との間で中間プレート5と抜き台4との間に配置する。
この状態で、押し型3と抜き台4とを相対的に接近移動させる。
【0041】
これにより、中間プレート5が先行してプラスチック成型品1のブランク部1bを抜き台4に押し付ける。そして、押し型3のトムソン刃3aによって、プラスチック成型品1の上縁変化部形成用膨出部1cを先行して切断し、最後に製品部1aをブランク部1bから打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部1cは、ブランク部1bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図2に示すように、製品部1aの凹部周壁上縁が周方向に連続した3次元形状の波形となる。従って、第1実施形態におけるプラスチック成型品1の製品部1aは、凹部周壁上縁が、全周囲に亘って上縁変化部1a3となっている。そして、第1実施形態におけるプラスチック成型品1の製品部1aは、上縁変化部1a3を含む凹部周壁上縁全体が凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(凹部の外側に向いた切断面)を持つものとなる。
【0042】
第2実施形態の説明
次に、本発明の第2実施形態を図14〜図23を参照して説明する。
この第2実施形態におけるプラスチック成型品11は、図14に示すように、平面視で正方形の小皿形状の凹部として形成された複数個の製品部11aと、各製品部11aの凹部上縁周囲及び各製品部11a間に鍔状に張り出して形成されたブランク部11bと、各製品部11aからブランク部11b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部11cとを備えている。
【0043】
複数個の製品部11aは、図14に示すように、縦横に3個ずつ等間隔に9個を連結して配置した形態を例示している。
各製品部11aは、図15に示すように、正方形の四隅をそれぞれ45度の角度でカットして正八角形とした底壁11a1と、該底壁11a1の周囲の8辺のうち、1つおきの4つの辺より立ち上がる4つの周壁11a2と、各周壁11a2の間に横向きに開口形成された窓孔からなる上縁変化部11a3とを有する。
【0044】
各周壁11a2の上端は、外側へ張り出しており、この張り出し部がブランク部11bとなっている。
各製品部11aは、ブランク部11bによって連結されている。
このような形状のプラスチック成型品11を成型するために、図16、図17に示す金型12が使用される。
【0045】
金型12は、平面視で正方形のブロック状とされ、その上面に、図16、図17に示すように、製品部形成部12aと、ブランク部形成部12bと、膨出部形成部12cとが形成されている。
製品部形成部12aは、平面視で正方形の小皿形状の複数個の製品部11aを一連に成型するためのもので、金型12の上面に凹部として縦横に3個ずつ9個を等間隔に配置形成されている。
【0046】
ブランク部形成部12bは、小皿形状の各製品形成部12aの上縁周囲及び隣接する製品形成部12a間に形成されている。
膨出部形成部12cは、上縁変化部形成用膨出部11cを成型するためのもので、平面視で正方形の製品形成部12aの四隅の上縁周囲から外側(ブランク形成部12b側)へ向けて膨出させて形成されている。
【0047】
上縁変化部形成用膨出部11cは、後述するトムソン刃による打ち抜き切断動作によって、横向きの窓孔からなる上縁変化部11a3を形成させるためのもので、製品部11aからブランク部11b側へ膨出して形成されている。
そのため、上縁変化部形成用膨出部11cの断面形状(トムソン刃の打ち抜き切断面となる形状)は、窓孔からなる上縁変化部11a3の形状に対応して横向きに開口した形状とされている。
【0048】
前記金型12における膨出部形成部12cは、正方形の小皿形状をなす各製品形成部12aの四隅に外側に向けて延長突出させて形成されている。
この膨出部形成部12cの延長突出長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
図14に示すプラスチック成型品11は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図16、及び図17に示す金型12上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
【0049】
このプラスチック成型品11に対して、図18に示すように、製品部11aを打ち抜き切断するための押し型13と抜き台14と中間プレート15とが使用される。
先ず、押し型13は、図16に示すように、9個の製品部11aの連結体の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するための第1の(外輪郭切断用)トムソン刃13a1と、互いに隣接する4個の製品部11aの間を平面視で正方形に打ち抜き切断するための第2の(内輪郭切断用)トムソン刃13a2とを、図19に示す基板13b及び図20に示す補助取付板13cを介して図18に示すように取り付けたものである。
【0050】
この第2実施形態では、複数個の製品部11aのうち、相互に隣接する部分を、部分的に連結させるために、トムソン刃の輪郭形状を、当該連結部において、途切れた形態で形成しておく必要があり、また、相互に隣接する製品部を連結させた状態でブランク部から切り抜くために、連結体の外側周囲ではトムソン刃を連続させた形態で(外輪郭切断用として)形成しておく必要があり、さらに、連結体の内側では、ブランク部を独立した島(孤島)状に切り抜くために、当該島状輪郭形状に対応した形態で(内輪郭切断用として)形成しておく必要がある。この第2のトムソン刃13a2は、プラスチック成型品11の周囲よりも内側にある領域を、周辺部から独立した島(孤島)状に打ち抜くための切断手段となる。
【0051】
そのために、第1のトムソン刃13a1は、図16及び図20に示すように、連結体の
外側周囲をブランク部11bから切り抜くために一連に連続した輪郭形状として形成されている。
また、第2のトムソン刃13a2は、連結体の内側において、隣接する製品部11a間のブランク部11bを独立した島状に切り抜くことができるように連続した正四角形の輪郭形態として第1のトムソン刃13a1から独立させて形成されている。
【0052】
基板13bは、図19に示すように、平面視で正方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に、図20に示す補助取付板13cを介して第1のトムソン刃13a1と第2のトムソン刃13a2とが同じ高さ寸法で取り付けられている。
第2のトムソン刃13a2は、図20に示すように、平面視で正四角形のものを45度傾けた状態で縦横に2個ずつ4個が等間隔で取付配置されている。
【0053】
第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の刃先は、図18に示すように、補助取付板13cよりも製品部11aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
上記押し型13と対向する抜き台14は、図21に示すように、平面視で正方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる基板14aと、図22に示す受け型14bとを図18に示すように貼り合わせて構成されている。
【0054】
受け型14bには、図22に示すように、主凸部14cと補助凸部14dとが形成されている。
主凸部14bは、プラスチック成型品11の製品部11aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部11aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部14dは、プラスチック成型品11の上縁変化部形成用膨出部11cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部11cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0055】
なお、ブランク部11bを支持する部分14e(図22参照)は、受け型14bに凹部として形成されている。
そして、主凸部14cと補助凸部14dとの境界部には、トムソン刃通過溝14f(図22参照)が形成されている。
次に、中間プレート15は、図23に示すように、第1のトムソン刃13a1の輪郭形状及び抜き台14の補助凸部14dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔15aが形成された四角形板よりなり、その板厚は、第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の刃先が補助取付板13cから突出している寸法よりも小さい寸法とされている。
【0056】
そして、この中間プレート15は、図18に示すように、前記プラスチック成型品11の外側周囲のブランク部11bを抜き台14に押し付けるために前記押し型13と抜き台14との間に配置されるものである。
中間プレート15で、プラスチック成型品11の外側周囲のブランク部11bを抜き台14の受け型14bの上面に押し付ける際、刳り抜き孔15aによって、補助凸部14dで妨げられることがない。
【0057】
しかも、中間プレート15の刳り抜き孔15aは、押し型13の第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2による製品部11aの打ち抜き切断を妨げることもない。
前記押し型13と前記抜き台14とは、図18に示すように、前記プラスチック成型品11の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0058】
また、中間プレート15は、図18に示すように、押し型13側にガイドピン15bを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング15cにより第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2の先端よりも打ち抜き方向前方(図18の下方)に突出した位置に押圧付勢されている。
本発明の第2実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
【0059】
プラスチック成型品11は、予め、金型12によって成型しておく。
このプラスチック成型品11を図18のように抜き台14と押し型13との間で中間プ
レート15と抜き台14との間に配置する。
この状態で、押し型13と抜き台14とを相対的に接近移動させる。
これにより、中間プレート15が先行してプラスチック成型品11のブランク部11bを抜き台14に押し付ける。そして、押し型13の第1のトムソン刃13a1及び第2のトムソン刃13a2によって、プラスチック成型品11の上縁変化部形成用膨出部11cを先行して切断し、最後に製品部11aをブランク部11bから打ち抜き切断する。
【0060】
このとき、上縁変化部形成用膨出部11cは、ブランク部11bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図15に示すように、製品部11aの各周壁11a2の間に横向きに開口形成された窓孔からなる上縁変化部11a3となる。この第2実施形態におけるプラスチック成型品11の製品部11aは、周壁上縁及び上縁変化部11a3に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0061】
なお、第2実施形態において、外輪郭切断用の第1のトムソン刃13a1と内輪郭切断用の第2のトムソン刃13a2とは、刃先高さを同一とした場合を例示しているが、製品部11a及び上縁変化部形成用膨出部11cの形状によっては、刃先高さを変化させてもよい。例えば、外輪郭切断用の第1のトムソン刃13a1を高くし、内輪郭切断用の第2のトムソン刃13a2を低くしてもよく、また、逆にしてもよい。
【0062】
第3実施形態の説明
次に、本発明の第3実施形態を図24〜図39を参照して説明する。
この第3実施形態におけるプラスチック成型品21は、図24に示すように、一対の半円筒形容器形状の凹部として形成された2個の製品部21aと、各製品部21aの凹部上縁周囲及び各製品部21a間に鍔状に張り出して形成されたブランク部21bと、各製品部21aの後端からブランク部21b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部21cとを備えている。
【0063】
2個の製品部21aは、図24に示すように、軸方向を平行にして2列に並べて配置している。
各製品部21aは、図25に示すように、半円筒形容器形状をなし、軸方向の先端側が円弧状の閉鎖端21a1とされ、後端側が半円形の開口端からなる上縁変化部21a2とされ、開口端からなる上縁変化部21a2を除く周辺部に鍔部21a3を有する。なお、開口端からなる上縁変化部21a1の近傍には補強リブ21a4が形成されている。
【0064】
このような形状のプラスチック成型品21を成型するために、図26〜図28に示す金型22が使用される。
金型22は、平面視で四角形のブロック状とされ、その上面に、図26〜図28に示すように、製品部形成部22aと、ブランク部形成部22bと、膨出部形成部22cとが形成されている。
【0065】
製品部形成部22aは、金型22の上面に凸型として形成され、膨出部形成部22cは、製品部形成部22aの軸方向の後端側に延長して凸型として一連に形成されている。
この膨出部形成部22cの延長長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
ブランク部形成部22bは、金型22の上面で、製品部形成部22aと膨出部形成部22cとの周囲に平坦面状に形成されている。
【0066】
図24に示すプラスチック成型品21は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図26〜図28に示す金型22上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
このプラスチック成型品21に対して、図29に示すように、製品部21aを打ち抜き切断するための押し型23と抜き台24と中間プレート25とが使用される。
【0067】
先ず、押し型23は、図26に示すように、2個の製品部21aの連結体の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するための第1のトムソン刃23a1と、第2のトムソン刃23a2とを、第1基板23b(図30参照)、第2基板23c(図31参照)及び補助取付板23d(図32参照)を介して図29に示すように取り付けたものである。
第1基板23bは、図30に示すように、平面視で四角形の木製板であり、第2基板2
3cは、図31に示すように、同じ形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に図32及び図29に示すように、補助取付板23dを介して第1のトムソン刃23a1と第2のトムソン刃23a2とが同じ高さ寸法で取り付けられている。
【0068】
第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の刃先は、図29に示すように、補助取付板23dよりも製品部21aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
上記押し型23と対向する抜き台24は、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる第1基板24a(図33参照)と、同じ形状の木製板からなる第2基板24b(図29参照)とを図29に示すように貼り合わせて構成され、第1基板24aの表面に、図34〜図36に示すように、主凸部24cと、補助凸部24dとが取り付けられている。
【0069】
主凸部24cは、図34〜図36に示すように、プラスチック成型品21の製品部21aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部21aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部24dは、同じく図34〜図36に示すように、プラスチック成型品21の上縁変化部形成用膨出部21cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部21cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0070】
なお、ブランク部21bを支持する部分は、主凸部24c及び補助凸部24dの周辺となる第1基板24aの表面に平坦面として形成されている。
そして、主凸部24cと補助凸部24dとの境界部には、図34、図35に示すように、トムソン刃通過溝24eが形成されている。
次に、中間プレート25は、図29に示すように、第1〜第3の3枚の中間プレート25a、25b、25cに分割して構成されている。
【0071】
第1の中間プレート25aには、図37に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25dが形成された四角形板からなる。
第2の中間プレート25bには、図38に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25eが形成された四角形板からなる。
【0072】
第3の中間プレート25cには、図39に示すように、第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2の輪郭形状及び抜き台24の補助凸部24dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔25fが形成された四角形板よりなる。
第1〜第3の中間プレート25a〜25cは、平面視における外形寸法が同じ四角形板からなっている。
【0073】
そして、第1の中間プレート25aの板厚は、第2及び第3の中間プレート25b、25cの板厚よりも薄くされており、しかも、第2及び第3の中間プレート25b、25cから独立して動作可能とされている。
これに対して、第2及び第3の中間プレート25b、25cは、プラスチック成型品21の製品部21aの凹部深さ寸法と同等、又は、僅かに小さい板厚寸法とされていると共に、これらが重ね合わされて一体的に動作可能とされている。
【0074】
そして、第1〜第3の中間プレート25a〜25cは、図29に示すように、プラスチック成型品21の外側周囲のブランク部21bを抜き台24に押し付けるために押し型23と抜き台24との間に配置されるものである。
前記押し型23と前記抜き台24とは、図29に示すように、前記プラスチック成型品21の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0075】
また、第1の中間プレート25aは、図29に示すように、押し型23側にガイドピン25gを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング25hにより押し型23から離隔する方向に押圧付勢されている。
また、第2及び第3の中間プレート25b、25cは、図29に示すように、第1の中間プレート25aに対して、ガイドピン25iを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支
持されていると共に、スプリング25jにより第1の中間プレート25aから離隔する方向に押圧付勢されている。
【0076】
本発明の第3実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品21は、予め、金型22によって成型しておく。
このプラスチック成型品21を図29のように抜き台24と押し型23との間で第3の中間プレート25cと抜き台24との間に配置する。
この状態で、押し型23と抜き台24とを相対的に接近移動させる。
【0077】
これにより、第1〜第3の中間プレート25a〜25cが先行してプラスチック成型品21のブランク部21bを抜き台24に押し付ける。そして、押し型23の第1のトムソン刃23a1及び第2のトムソン刃23a2によって、プラスチック成型品21の上縁変化部形成用膨出部21cを先行して切断し、最後に製品部21aをブランク部21bから打ち抜き切断する(図26参照)。
【0078】
このとき、上縁変化部形成用膨出部21cは、ブランク部21bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図25に示すように、製品部21aの後端に半円形の開口端からなる上縁変化部21a2として軸方向に平行な横向き開口部となる。その結果、製品部21aは、周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0079】
第4実施形態の説明
次に、本発明の第4実施形態を図40〜図52を参照して説明する。
この第4実施形態におけるプラスチック成型品31は、図40に示すように、蓋付き半円筒形容器形状の凹部として形成された製品部31aと、製品部31aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部31bと、製品部31aの後端付近から後端方向へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部31cとを備え、この上縁変化部形成用膨出部31cは、凹部周壁上縁が製品部31aの後端側に向けて凹部の深さ方向に深くなるように傾斜して形成されている。
【0080】
製品部31aは、図41に示すように、蓋付き半円筒形容器形状をなし、軸方向の先端側が細首状とされ、この細首状部にT字形の蓋が付くような閉鎖端31a1とされ、後端側が平底状の閉鎖端31a2とされ、この閉鎖端31a2を含む後端側の上縁が後端側に傾斜した上縁変化部31a4とされ、前記細首部の周囲に鍔部31a3が形成されている。
【0081】
このような形状のプラスチック成型品31を成型するために、図42、図43に示すような金型32が使用される。
金型32は、平面視で四角形のブロック状とされ、その上面に、図42、図43に示すように、製品部形成部32aと、ブランク部形成部32bと、膨出部形成部32cとが形成されている。
【0082】
製品部形成部32aは、金型32の上面に凸型として形成され、膨出部形成部32cは、製品部形成部32aの軸方向の後端側に延長して凸型として一連に形成されている。
この膨出部形成部32cの延長長さは、短くてよく、例えば、15〜20mm程度とされている。
ブランク部形成部32bは、金型32の上面で、製品部形成部32aと膨出部形成部32cとの周囲に平坦面状に形成されている。
【0083】
図40に示すプラスチック成型品31は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて図42、図43に示す金型32上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型される。
このプラスチック成型品31に対して、図44に示すように、製品部31aを打ち抜き切断するための押し型33と抜き台34と中間プレート35とが使用される。
【0084】
先ず、押し型33は、図42に示すように、製品部31aの外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃33aを、第1基板33b(図45参照)、第2基板33c(図46参照)及び補助取付板33d(図47参照)を介して図44に示すように取り付けたものである。
第1基板33bは、図45に示すように、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であり、第2基板33cは、図46に示すように、同じ形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)であって、この上に図44及び図47に示すように、補助取付板33dを介してトムソン刃33aが全周に亘って同じ高さ寸法で取り付けられている。
【0085】
トムソン刃33aの刃先は、図44に示すように、補助取付板33dよりも製品部31aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
なお、図45〜図47において、符号33eは、軽量化のための刳り抜き孔である。
上記押し型33と対向する抜き台34は、平面視で四角形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる第1基板34a(図48参照)と、同じ形状の木製板からなる第2基板34bとを図44に示すように貼り合わせて構成され、第1基板34aの表面に図49及び図50に示すように、主凸部34cと、補助凸部34dとが取り付けられている。
【0086】
主凸部34cは、図49及び図50に示すように、プラスチック成型品31の製品部31aを嵌合支持するためのもので、その形状及び配置は、製品部31aの形状及び配置とほぼ同じとされている。
また、補助凸部34dは、同じく図49及び図50に示すように、プラスチック成型品31の上縁変化部形成用膨出部31cを嵌合支持させるためのもので、その形状及び配置は、上縁変化部形成用膨出部31cの形状及び配置とほぼ同一とされている。
【0087】
なお、ブランク部31bを支持する部分は、主凸部34c及び補助凸部34dの周辺となる第1基板34aの表面に平坦面として形成されている。
そして、主凸部34cと補助凸部34dとの境界部には、図49に示すように、トムソン刃通過溝34eが形成されている。
次に、中間プレート35は、図44に示すように、第1及び第2の2枚の中間プレート35a、35bに分割して構成されている。
【0088】
第1の中間プレート35aには、図51に示すように、トムソン刃33aの輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔35cが形成された四角形板からなる。
第2の中間プレート35bには、図52に示すように、トムソン刃33aの輪郭形状及び抜き台34の補助凸部34dの外側の輪郭形状よりも大きい刳り抜き孔35dが形成された四角形板よりなる。
【0089】
第1及び第2の中間プレート35a、35bは、平面視における外形寸法が同じ四角形板からなっている。
そして、第1の中間プレート35aの板厚と第2の中間プレート25bの板厚とは同一とされ、これら第1及び第2の中間プレート35a、35bの合計板厚は、プラスチック成型品31の製品部31aの凹部深さ寸法より大きくされていると共に、これらが重ね合わされて一体的に動作可能とされている。
【0090】
そして、第1及び第2の中間プレート35a、35bは、図44に示すように、プラスチック成型品31の外側周囲のブランク部31bを抜き台34に押し付けるために押し型33と抜き台34との間に配置されるものである。
前記押し型33と前記抜き台34とは、図44に示すように、前記プラスチック成型品31の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成されている。
【0091】
また、第1の中間プレート35aは、図44に示すように、押し型33側にガイドピン35eを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング35fにより押し型33から離隔する方向に押圧付勢されている。
本発明の第4実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
図40に示すプラスチック成型品31は、予め、図42及び図43に示す金型32によって成型しておく。
【0092】
このプラスチック成型品31を図44のように抜き台34と押し型33との間で第2の中間プレート35bと抜き台34との間に配置する。
この状態で、押し型33と抜き台34とを相対的に接近移動させる。
これにより、第1及び第2の中間プレート35a、35bが先行してプラスチック成型品31のブランク部31bを抜き台34に押し付ける。そして、押し型33のトムソン刃33aによって、プラスチック成型品31の上縁変化部形成用膨出部31cを先行して切断し、最後に製品部31aをブランク部31bから打ち抜き切断する(図42参照)。
【0093】
このとき、上縁変化部形成用膨出部31cは、ブランク部31bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図41に示すように、製品部31aの後端付近が製品部31aの深さ方向に傾斜した上縁、即ち、上縁変化部31a4をもつ閉鎖端31a2となる。そのため、この第4実施形態におけるプラスチック成型品31の製品部31aは、凹部周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0094】
第5実施形態の説明
次に、本発明の第5実施形態を図53及び図54により説明する。この第5実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品41の形状は、図53に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部41aの形状は、図54に示している。
この第5実施形態の製品部41aは、図54に示すように、四角形の底壁41a1と、該底壁41a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁41a2とからなる四角形容器形状をなし、四辺の周壁41a2の上縁が円弧状に湾曲した形状からなる上縁変化部41a3となっている。
【0095】
このような上縁変化部41a3を形成するために、図53に示すように、プラスチック成型品41の四辺の周壁の上縁には、上縁変化部形成用膨出部41bが外側に向けて膨出させて形成されている。
この第5実施形態のプラスチック成型品41を成型するための金型は図示を省略したが、これまでの実施形態から判断して、当業者には、どのような金型を準備すればよいかが容易に理解できるものと判断される。即ち、図53のプラスチック成型品41の形状と同じ形状の凹部又は凸部を上面に形成した金型を準備すればよい。
【0096】
また、押し型、抜き台、中間プレートについても図示を省略したが、これもこれまでの実施形態の説明から当業者には、どのような構成とすればよいかが容易に判断できるものと考える。
この第5実施形態においても、押し型のトムソン刃は、図54に示す四角形容器形状の製品部41aの周囲で打ち抜き切断可能とした四角形枠状で、全周に亘って同じ高さとしたものを使用するものである。
【0097】
また、抜き台は、プラスチック成型品41の製品部41aを支持する主凸部と上縁変化部形成用膨出部41bを支持する補助凸部とを基台に設け、主凸部と補助凸部との境界部にトムソン刃通過溝を設けたものを使用すればよい。
さらに、中間プレートとしては、製品部41aの四角形とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔を形成し、上縁変化部形成用膨出部41bを抜き台の補助凸部に押し付けることが可能な形状のものを使用すればよい。この第5実施形態におけるプラスチック成型品41の製品部41aは、凹部周壁上縁に凹部の深さ方向に沿って切断された切断面(横向きの切断面)を持つことになる。
【0098】
第6実施形態の説明
次に本発明の第6実施形態を図55〜図60により説明する。この第6実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品51の形状は、図55、図56に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部51aの形状は、図57、図58に示している。
プラスチック成型品の説明
この第6実施形態におけるプラスチック成型品51は、図55、図56に示すように、凹部として形成された製品部51aと、製品部51aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部51bと、製品部51aからブランク部51b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部51cとを備えている。
【0099】
製品部の説明
上記製品部51aは、図57、図58に示すように、上下2段の階段状になった長方形
の底壁51a1と、この底壁51a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁51a2とからなる長方形容器形状をなし、四辺の周壁51a2の上縁51a3の1箇所に上縁変化部51a4が形成されている。なお、底壁51a1には、この製品部51aに収容される商品(被収容物)の形状に適合させた段部51a5や位置決め用凹凸部51a6が適宜形成されている。
【0100】
前記上縁変化部51a4は、図57に示すように、長方形の四辺のうちの1つの短辺の両端を除く途中の箇所において、周壁51a2を上縁51a3から下方に向けて2箇所で切り込みを入れ、この2箇所の切り込みの終端間で底壁51a1を部分的に切り取ることによって、丁度、周壁51a2を矩形状に切除した状態で形成されている。
従って、長方形容器形状の製品部51aは、上縁変化部51a4の形成位置では、横向きに開口した窓孔となっている(図57、図58参照)。
【0101】
また、この上縁変化部51a4は、製品部51aの周壁51a2の上縁51a3を製品部51aの凹部深さ方向に凹入させた形状となっており、従って、上縁変化部51a4は、製品部51aの周壁51a2の上縁51a3が形成する2次元平面に対して、直交する方向に凹入させて形成(全体として3次元形状に変化させて形成)していることになる。
このような上縁変化部51a4を形成させるために、図55、図56に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cを製品部51aからブランク部51b側(外側)へ膨出させて形成している。この上縁変化部形成用膨出部51cは、製品部51aの周壁51a2を外側に向けて押し出したような形状(矩形状に押し出した如き形状)とされている(図55、図56参照)。なお、ブランク部51bは、製品部51aの凹部上縁周囲から外側へ鍔状に張り出して形成しており、上縁変化部形成用膨出部51cの上縁においても、外側へ張り出したブランク部51bを一連に形成している。
【0102】
金型の説明
打ち抜き切断前のプラスチック成型品51を成型するために、図59〜図62に示す金型52が使用される。
この金型52は、製品形成部52aと、ブランク部形成部52bと、膨出部形成部52cとを、図59〜図62に示すように、板状の台板部分52dの平坦な上面に所定の配置で取り付けており、これらは板状の台板部分52dの平坦な上面に凸状に取り付けられている。
【0103】
先ず、製品形成部52aは、板状の台板部分52dの平坦な上面の中央部に取り付けられている。
この製品形成部52aの外側周囲にブランク部形成部52bを形成している。このブランク形成部52bは、板状の台板部分52dの平坦な上面を凹入させて形成しており、台板部分52dの上面周囲には、ブランク部形成部52bよりも高くなった周縁部52eを形成している。
【0104】
次に、膨出部形成部52cは、製品形成部52aからブランク部形成部52b側(外側)へ膨出させた状態で板状の台板部分52dの平坦な上面に取り付けている。この膨出部形成部52cの膨出長さは、短くてよく、例えば、、15〜20mm程度としている。
要するに、この金型52の上面の形状は、図55に示したプラスチック成型品51を成型するために、該プラスチック成型品51と同じ凸型の形状に作成されている。
【0105】
この金型52を用いてプラスチック成型品51を成型する。具体的には、プラスチック成型品51は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型52の上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型する。
打ち抜き切断装置の説明
このプラスチック成型品51に対して、図63に示すように、製品部51aを打ち抜き切断するための押し型53と抜き台54と中間プレート55とが使用される。
【0106】
押し型の説明
押し型53は、図63、図64に示すように、製品部51aの周壁51a2の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃53aを基板53bに補助取付板53cを介して取り付けている。
トムソン刃53aは、図63、図64に示すように、製品部51aの外側周囲の輪郭形状と同様な長方形枠状の輪郭形状とされ、全周に亘って同じ高さに製作されている。基板53bは、図65に示すように、平面視で長方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる。
【0107】
この基板53bは、製品部51aの平面積より大きい平面積の平板からなる。補助取付板53cは、図66に示すように、トムソン刃53aの輪郭形状とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔53c1を中央部に形成(貫通形成)した板枠形状とされ、板枠の寸法及び平面積は、基板53bと同じとされている。
この補助取付板53cは、木製又は合成樹脂製とされ、トムソン刃53aの輪郭形状の外側全周に亘って取り付けられている。トムソン刃53aは、補助取付板53cの中央部に形成された刳り抜き孔53c1内に嵌め込んで固着されている。トムソン刃53aの刃先は、図63、図64に示すように、補助取付板53cよりも製品部51aの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
【0108】
また、上記トムソン刃53aは、図64に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cに対応する位置において、製品部51aの外側輪郭から内側に凹入させた凹入部53a1を備えている。この凹入部53a1の内側への凹入寸法は、製品部51aの周壁51a2の肉厚分よりも若干大きく設定されている。また、凹入部53a1の凹入範囲(製品部51aの周壁51a2の周方向形成範囲)は、製品部51aに形成しようとする上縁変化部51a4の形成長さ(製品部51aの周壁の周方向長さ)と同じに設定されている。
【0109】
このような凹入部53a1をトムソン刃53aに設けておくことによって、プラスチック成型品51の打ち抜き切断時、凹入部53a1の凹入範囲両端の刃先で製品部51aの周壁51a2の肉厚を横切るように交差させて通過切断させることができ、その結果、製品部51aの周壁51a2を局部的に外側に膨出変化させることなく(従って、周壁51a2が平面視で平坦な直線状のままで、)上縁変化部51a4を切除形成させることができる(図57、図58参照)。
【0110】
このような上縁変化部51a4を切り取り形成させるために、プラスチック成型品51の製品部51aの底壁51a1を切り取る位置51a1’は、図58に示すように、周壁51a2の内周面51a2’よりも製品部51aの内側に凹入した位置となる。
抜き台の説明
上記押し型53と対向する抜き台54は、図63に示すように、基板54aに主凸部54bと補助凸部54cとを製品部51aの形状に対応した所定の配置で取り付けている。
【0111】
抜き台54の基板54aは、図67に示すように、平面視で長方形の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなる。この基板54aは、製品部51aの平面積より大きい平面積の平板からなり、押し型53の基板53bと同じ大きさ及び形状とされている。
抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cは、木材又は合成樹脂材或いは金属材の何れかで作成され、本実施形態においては、合成樹脂材で作成した場合を例示している。
【0112】
抜き台54の主凸部54bは、図68、図69、図70に示すように、製品部51aに対応した形状(製品部51aと同一形状)に作成されており、補助凸部54cは、図68、図69、図71に示すように、上縁変化部形成用膨出部51cの形状に対応した形状(上縁変化部形成用膨出部51cと同一形状)に作成されている。
要するに、抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cは、押し型53のトムソン刃53aによる打ち抜き切断時、図55に示す製品部51aと上縁変化部形成用膨出部51cとを嵌め込んで位置決め保持することができるような形状と配置で基板54aの平坦な面に凸状態で取り付けられている(図63、図68、図69参照)。
【0113】
抜き台54の主凸部54bと補助凸部54cとの間には、図68に示すように、トムソン刃通過溝54dが形成されている。このトムソン刃通過溝54dは、図68に示すように、主凸部54bの外側輪郭線から内側に製品部51aの周壁51a2の肉厚分より若干大きく凹入させて形成されている。
このトムソン刃通過溝54dの凹入寸法及び凹入範囲は、トムソン刃53aの凹入部53a1と対応させて、トムソン刃53aの肉厚よりも若干広幅に設定されている。
【0114】
中間プレートの説明
前記押し型53と抜き台54との間に配置される中間プレート55は、図63に示すように、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bの2枚に分割して構成されている。
第1中間プレート55aは、図72に示すように、トムソン刃53aの輪郭形状より僅かに大きい輪郭形状の貫通孔55a1を中央部に形成した板枠形状からなり、板枠の大きさ、形状、材質は、押し型53の補助取付板53cと同じとされている。
【0115】
第2中間プレート55bは、図73に示すように、中央部に貫通孔55b1を形成した板枠形状からなる木製又は合成樹脂製の第1基板55b2と、この第1基板55b2の上面にベニヤ板製の第2基板55b3を介して貼り付けたゴム製上板55b4とからなっている。
第2中間プレート55bにおける第1基板55b2と第2基板55b3とゴム製上板54b4とは、同じ大きさの板枠形状とされている。
【0116】
第2中間プレート55bにおける第1基板55b2の貫通孔55b1は、図73に示すように、プラスチック成型品51の製品部51aと上縁変化部形成用膨出部51cとを含めた外側輪郭形状より僅かに大きく形成されている。
即ち、第2中間プレート55bにおける第1基板55b2の貫通孔55b1は、図73に示すように、プラスチック成型品51の製品部51aの外側輪郭形状と同じ形状の内側輪郭形状とされ、かつ、上縁変化部形成用膨出部51cの位置において、該上縁変化部形成用膨出部51cの外側輪郭形状分だけ外側へ局部的に広げた形状として形成されている。
【0117】
第2中間プレート55bにおける第2基板55b3とゴム製上板54b4とには、図63、図74に示すように、上記第1基板55b2の貫通孔55b1と同じ形状の貫通孔54b5が形成されている。
第1中間プレート55aは、図63に示すように、押し型53側にガイドピン55a2を介してプラスチック成型品51の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング55a3により押し型53から離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン55a2は、押し型53のトムソン刃53aの外側周囲の複数位置に配置され、それぞれの位置で補助取付板53cに装着されている(図66参照)。
【0118】
また、第2中間プレート55bは、図63に示すように、第1中間プレート55aに対して、ガイドピン55b5を介してプラスチック成型品51の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング55b6により第1中間プレート55aから離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン55b5は、押し型53のトムソン刃53aの外側周囲の複数位置に配置され、それぞれの位置で第2中間プレート55bの第1基板55b2に装着されている(図73参照)。
【0119】
第1中間プレート55aのガイドピン55a2と第2中間プレート55bのガイドピン55b5とは、トムソン刃53aの外側周囲の複数位置に同じ配置で設置しているが、異なる配置で設置してもよい。
上記構成により、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bとは、プラスチック成型品51の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能とされている。
【0120】
第2中間プレート55bの第1基板55b2の板厚は、第1中間プレート55aの板厚と同じとされ、第2中間プレート55bの合計板厚は、第1中間プレート55aの板厚より第2基板55b3とゴム製上板54b4との板厚分だけ大きくされている。
この第2中間プレート55bの合計板厚は、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cの最大凹入深さ寸法(製品部51aの打ち抜き方向における最大寸法)より大きく設定されている(ほぼ同じ寸法に設定してもよい)。
【0121】
また、第1中間プレート55aと第2中間プレート55bとの合計板厚は、プラスチック成型品51の製品部51aの最大凹入深さ寸法(製品部51aの打ち抜き方向における最大寸法)よりも大きく設定されている。
このような中間プレート55を2枚使用することにより、1枚目(第2中間プレート5
5b)でプラスチック成型品51のブランク部51bを抜き台54に向けて押さえさせ、続いて2枚目(第1中間プレート55a)で上縁変化部形成用膨出部51cを押さえさせて安定させ、その状態で押し型53のトムソン刃53aにより上縁変化部形成用膨出部51cを先行して切断させ、最後にブランク部51bを切断させることができるので、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cを精度良く正確に美しく切断させることができる。
【0122】
第6実施形態の動作説明
本発明の第6実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
プラスチック成型品51は、予め、金型52(図59〜図62参照)によって成型しておく。このプラスチック成型品51を図63に示すように、押し型53上の第2中間プレート55bと抜き台54との間に配置する。
【0123】
この状態で、押し型53と抜き台54とを相対的に接近移動させる。
これにより、第2中間プレート55bが先行してプラスチック成型品51のブランク部51bを抜き台54に押し付ける。
続いて、第1中間プレート55aによって上縁変化部形成用膨出部51cを抜き台54に向けて押し付ける。
【0124】
そして、押し型53のトムソン刃53aによって、プラスチック成型品51の上縁変化部形成用膨出部51cを先行して切断する。続いて、トムソン刃53aによって、プラスチック成型品51の製品部51aをブランク部51bから打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部51cは、ブランク部51bよりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図57、図58に示すように、製品部51aの周壁51a2の一部上縁が矩形状に切除され、横向きに開口した窓孔形状となっており、その結果、製品部51aの上縁は、凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状に形成されていることになる。
【0125】
第7実施形態の説明
次に本発明の第7実施形態を図75〜図90を参照して説明する。この第7実施形態の打ち抜き切断前のプラスチック成型品61の形状は、図75、図76に示しており、そして、打ち抜き切断後の製品部61aの形状は、図77、図78、図79に示している。
プラスチック成型品の説明
この第7実施形態におけるプラスチック成型品61は、図75、図76に示すように、凹部として形成された製品部61aと、製品部61aの凹部上縁周囲に鍔状に張り出して形成されたブランク部61bと、製品部61aからブランク部61b側へ膨出して形成された上縁変化部形成用膨出部61cとを備えている。
【0126】
製品部の説明
上記製品部61aは、図77、図78、図79に示すように、長方形の底壁61a1と、この底壁61a1の周囲から立ち上がる四辺の周壁61a2とからなる長方形容器形状をなし、四辺の周壁61a2の上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部61a3が形成されている。この鍔部61a3は、周壁61a2の全周に形成されている。また、鍔部61a3は、全周に亘って一様な幅で形成した場合を例示しているが、適宜、部分的に変化させてもよい。なお、底壁61a1及び周壁61a2には、補強用凹凸やリブ(図示省略)が適宜形成可能である。
【0127】
上記鍔部61a3には、図77に示すように、上縁変化部61a4を製品部61aの四辺の周壁61a2の各辺上縁に、鍔部61a3自体を辺の途中で部分的に、製品部61aの凹部深さ方向(上縁から底壁に向かう方向であり、図77において下方)へ凹入させて形成している。
この上縁変化部61a4は、製品部61aの周壁61a2の四辺のそれぞれの辺において、図77に示すように、辺の両端から辺の中央部に所定寸法離隔した位置から当該辺の中央部に向けて、下方(上縁から底壁に向かう方向)へ凹円弧状に凹入させて形成している。
【0128】
そして、製品部61aの周壁61a2の上縁の四隅には、平坦な鍔部61a3があり、
この四隅の鍔部61a3は、図75に示したプラスチック成型品61のブランク部61bを切断せずに残して形成している。
その結果、第7実施形態の製品部61aは、図77に示すように、周壁61a2の上縁周囲に凹部から外側へ張り出した鍔部61a3をもち、かつ、周壁61a2の四辺のそれぞれの辺の中央部に、製品部61aの凹部深さ方向へ凹円弧状に凹入した上縁変化部61a4を有している。この上縁変化部61a4は、製品部61aの上縁で形成される2次元平面に対して、該平面と直交する方向に凹入して形成されており、結果的に、3次元方向に変化させて形成していることになっている。
【0129】
このような上縁変化部61a4を形成させるために、図75、図76に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cを製品部61aから外側へ膨出させて(張り出して)形成している。
金型の説明
打ち抜き切断前のプラスチック成型品61を成型するために、図80〜図82に示す金型62が使用される。
【0130】
この金型62は、製品形成部62aと、ブランク部形成部62bと、膨出部形成部62cとを、図80〜図82に示すように、板状の台板部分62dの平坦な上面に凹部として形成している。なお、図80〜図82は、3個分を一連に成型するようにした場合の金型62を図示しているが、1個だけ成型する金型としてもよい。
先ず、製品形成部62aは、板状の台板部分62dの平坦な上面の中央部に3個並べて形成している。
【0131】
各製品形成部62aの外側周囲にブランク部形成部62bを形成している。
次に、膨出部形成部62cは、製品形成部62aの四辺から外側へ膨出させた(張り出させた)状態で板状の台板部分62dの平坦な上面に凹入させて形成している。この膨出部形成部62cの膨出長さは、短くてよく、例えば、、15〜20mm程度としている。
要するに、この金型62の上面の形状は、図75に示したプラスチック成型品61を成型するために、該プラスチック成型品61と同じ凹型の形状に3個分並べて作成されている。
【0132】
この金型62を用いてプラスチック成型品61を成型する。具体的には、プラスチック成型品61は、プラスチックフィルム又はシートを加熱軟化させて上記金型62の上に供給し、真空成型法や圧空成型法によって成型する。
打ち抜き切断装置の説明
このプラスチック成型品61に対して、図83に示すように、製品部61aを打ち抜き切断するための押し型63と抜き台64と中間プレート65とが使用される。
【0133】
押し型の説明
押し型63は、図83、図84に示すように、製品部61aの周壁61a2の上縁に外側へ張り出して形成されている鍔部61a3の外側周囲の輪郭形状に沿って打ち抜き切断するためのトムソン刃63aを基板63bに補助取付板63c(図85参照)を介して取り付けている。
【0134】
トムソン刃63aは、図83、図84に示すように、製品部61aの鍔部61a3の外側周囲の輪郭形状と同様な長方形枠状の輪郭形状とされ、全周に亘って同じ高さに製作されている。基板63bは、図84に示すように、平面視で正方形で平板形状の合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなり、その上面にトムソン刃63aを3個並べて配置している。
【0135】
補助取付板63cは、図85に示すように、トムソン刃63aの輪郭形状とほぼ同じ大きさの刳り抜き孔63c1を中央部に3個並べて形成(貫通形成)した板枠形状とされ、板枠の寸法及び平面積は、基板63bと同じとされている。
この補助取付板63cは、プラスチック成型品61の製品部61aの打ち抜き方向深さ寸法より大きい板厚とされ、全体を木製又は合成樹脂製とされ、3個のトムソン刃63aを刳り抜き孔63c1にそれぞれ嵌め込んだ状態で基板63bに取り付けられている。トムソン刃63aの刃先は、図83に示すように、補助取付板63cよりも上縁変化部形成
用膨出部61cの打ち抜き切断方向深さ寸法以上に突出させた状態で取り付けられている。
【0136】
この第7実施形態のプラスチック成型品61は、上縁変化部61a4を鍔部61a3と同じ鍔幅で形成しているため、トムソン刃63aの輪郭形状は、製品部61aの周壁61a2の外側輪郭形状よりも鍔部61a3の鍔幅分だけ大きい長方形の輪郭形状とされている。
抜き台の説明
上記押し型63と対向する抜き台64は、図83、図86〜図89に示すように、基板64aに主凸部64bと補助凸部64cとを製品部61a及び上縁変化部61a3の配置と形状に対応して取り付けている。
【0137】
抜き台64の基板64aは、合成樹脂板(例えば、ポリプロピレン板)からなり、押し型63の基板63bと同じ大きさ及び形状とされている。
抜き台64の主凸部64bと補助凸部64cは、木材又は合成樹脂材或いは金属材の何れかで作成され、本実施形態においては、合成樹脂材で作成した場合を例示している。
抜き台64の主凸部64bは、図83、図86〜図89に示すように、製品部61aに対応した形状(鍔部61a3を含めた製品部61aと同一形状)に作成されており、上縁変化部61a4の位置には、上縁変化部形成用膨出部61cを支持する凸部64b1が鍔部61a3の鍔幅とほぼ同じ寸法だけ外側へ突出させて形成されている。
【0138】
抜き台64の補助凸部64cは、図83、図86〜図89に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cの位置及び形状に対応した位置及び形状(上縁変化部形成用膨出部61cと同一位置及び同一形状)に作成されている。
要するに、抜き台64の主凸部64bと補助凸部64cは、押し型63のトムソン刃63aによる打ち抜き切断時、図75に示す製品部61aと上縁変化部形成用膨出部61cとを嵌め込んで位置決め保持することができるような形状と配置で基板64aの平坦な面に凸状態で取り付けられている(図83、図86〜図89参照)。
【0139】
抜き台64の主凸部64bに形成した凸部64b1と補助凸部64cとの間には、図86〜図89に示すように、トムソン刃通過溝64dが形成されている。このトムソン刃通過溝64dは、トムソン刃63aの肉厚よりも若干広幅に設定されている。なお、図86〜図89は、説明を簡単にするため、1個分の製品部61aの打ち抜きに使用する場合を例示している。
【0140】
中間プレートの説明
前記押し型63と抜き台64との間に配置される中間プレート65は、押し型63及び抜き台64によるプラスチック成型品61の打ち抜き切断動作に先行して、プラスチック成型品61を抜き台64に押し付けるために使用されるものであって、図83に示すように、上縁変化部形成用膨出部61cの外側輪郭と製品部61aの外側輪郭とを含めた形状の貫通孔65a1を中央部に形成したベニヤ板製板枠形状の基板65aと、この基板65aの上面に接合したゴム製上板65bとからなる。
【0141】
この基板65a及びゴム製上板65bの平面形状は、図90に示している。この図90においては、3個分の製品部61aを並べて形成したプラスチック成型品61に対応した形状で基板65a及びゴム製上板65bに貫通孔65a1を形成した場合を示している。
中間プレート65は、図83に示すように、押し型63側にガイドピン65a2を介してプラスチック成型品61の打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリング65a3により押し型53から離隔する方向に押圧付勢されている。ガイドピン65a2は、押し型63のトムソン刃63aの外側周囲の複数位置に配置され(図90参照)、それぞれの位置で補助取付板63cに装着されている(図83参照)。
【0142】
上記構成により、中間プレート65は、押し型63に対して、プラスチック成型品61の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能とされている。
中間プレート55の板厚は、プラスチック成型品61のブランク部61bの板厚より大きくされている。
第7実施形態の動作説明
本発明の第7実施形態は、以上の構成からなり、次に、その動作を説明する。
【0143】
プラスチック成型品61は、予め、金型62(図80〜図82参照)によって成型しておく。このプラスチック成型品61を図83に示すように、押し型63上の中間プレート65と抜き台64との間に配置する。
この状態で、押し型63と抜き台64とを相対的に接近移動させる。
これにより、中間プレート65が先行してプラスチック成型品61のブランク部61bを抜き台64に押し付ける。
【0144】
続いて、押し型63のトムソン刃63aによって、プラスチック成型品61の上縁変化部形成用膨出部61cを先行して切断する。続いて、トムソン刃63aによって、プラスチック成型品61の製品部61aを周囲に鍔部61a3を有する状態で打ち抜き切断する。
このとき、上縁変化部形成用膨出部61cは、鍔部61a3よりも先行して切断されるため、切断面の形状は、図77〜図79に示すように、製品部61aの周壁61a2の四辺上縁が凹円弧状に凹入した状態となる。
【0145】
本発明の実施形態は、以上であるが、本発明は、この実施形態にのみ制約されるものではなく、種々変更して実施することができる。例えば、プラスチック成型品の形状は、図示のものに制約されるものではなく、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形、その他、種々の形状のものに適用することができる。そして、1個ずつ成型する場合と、複数個を一連に成型する場合とを製品部の形状によって設定することができる。また、複数個を一連に成型する場合、トムソン刃の輪郭形状を個々の製品部の輪郭通りに、または、隣接する製品部相互間に連結部を残して切断できるような形状に設定することができる。また、上縁変化部の形状は、製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されたものを含むものである。
【0146】
なお、図91、図92に示すように、製品部71aの周壁71a2の上縁に外側へ張り出す鍔部71a4を形成した状態で打ち抜き切断する場合では、押し型のトムソン刃73aの切断位置及び抜き台74の主凸部74bと補助凸部74cとの間に形成するトムソン刃通過溝74dの設置位置を、製品部71aの周壁71a2の外面の位置から鍔部71a4の鍔幅分だけ外側に移動させて形成しておくものである。
【0147】
なお、鍔部を形成しない場合には、図93、図94に示すように、押し型のトムソン刃83aの切断位置及び抜き台84の主凸部84bと補助凸部84cとの間に形成するトムソン刃通過溝84dの設置位置を、製品部81aの周壁81a2の外面の位置付近に設定しておくものである。
上記いずれの場合でも、本発明のプラスチック成型品は、トムソン刃で切断される製品部の周壁上縁に、製品部の凹部深さ方向に沿って切断された横向きの切断面をもつことになる。図92においては、71a5がその切断面であり、図94においては、81a5がその切断面である。
【0148】
また、本発明は、製品部の周壁上縁に鍔部を部分的に形成する場合や鍔部を部分的に切除する場合も適用することができる。例えば、製品部の周壁上縁に鍔部を部分的に形成する場合には、当該鍔部の形成位置において、トムソン刃を部分的に外側へ突出させて形成すればよい。この場合のトムソン刃の外側への突出寸法は、鍔幅相当分とすればよい。また、製品部の周壁上縁全周に鍔部を形成するのではなく、一部を切除した状態で形成する場合には、当該切除部の形成位置において、トムソン刃を部分的に内側へ凹入させて形成すればよい。この場合のトムソン刃の内側への凹入寸法は、鍔幅と同じか、或いは、鍔幅以上、又は、鍔幅以下のいずれであってもよい。トムソン刃を内側に凹入させる例は、前記した本発明の第6実施形態における図64に示しており、これを参考とすればよい。
【0149】
さらに、製品部の周壁上縁に鍔部を形成する場合、鍔幅を全周に亘って一様としてもよいが、鍔幅を大小変化させることも可能である。また、鍔の平面形状を波形、花形、山形、凹凸形、その他、種々の形状とすることができる。この場合、トムソン刃の平面輪郭形状を所望する鍔形状に適合させて形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明は、上縁変化部を備えた真空成型品、圧空成型品、その他のプラスチック成型品とその打ち抜き方法及び装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0151】
1、11、21、31、41、51、61、71、81 プラスチック成型品
1a、11a、21a、31a、41a、51a、61a、71a、81a 製品部
1b、11b、21b、31b、51b、61b ブランク部
1c、11c、21c、31c、41b、51c、61c 上縁変化部形成用膨出部
1a3、11a3、21a2、31a4、41a3、51a4、61a3 上縁変化部
2、12、22、32、52、62 金型
3、13、23、33、53、63 押し型
3a、13a1、13a2、23a1、23a2、33a、53a、63a、73a、83a トムソン刃
4、14、24、34、54、64 抜き台
4b、14c、24c、34c、54b、64b、74b、84b 主凸部
4c、14d、24d、34d、54c、64c、74c、84c 補助凸部
4d、14f、24e、34e、54d、64d、74d、84d トムソン刃通過溝
5、15、25、35、55、65 中間プレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されていることを特徴とするプラスチック成型品。
【請求項2】
底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されており、かつ、前記製品部は、凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出す鍔部を備えていることを特徴とするプラスチック成型品。
【請求項3】
凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を製作準備し、これに対して、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを使用し、
前記プラスチック成型品を前記抜き台上に載置し、前記中間プレートで前記プラスチック成型品のブランク部を前記抜き台に押し付けて位置決め支持させ、前記押し型と前記抜き台とを相対的に接近移動させて前記トムソン刃により前記プラスチック成型品の凹部外側周囲及び上縁変化部形成用膨出部を切断させて製品部の凹部上縁に凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部をもつ製品部を打ち抜き切断させるようになしたことを特徴とするプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項4】
前記製品部は、底壁と周壁とをもつ容器形状とされ、前記上縁変化部が、前記周壁に1個ないし複数個形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項5】
前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後も隣接部分を部分的に連結した形態とされており、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項6】
前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後、個別に分離され、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項7】
前記製品部の凹部周壁上縁に外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部におけるトムソン刃の切断位置を成型
品の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項8】
凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を成型する金型と、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを備え、
前記押し型と前記抜き台とを、前記金型で成型されるプラスチック成型品の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成してあり、
前記上縁変化部形成用膨出部は、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されていることを特徴とするプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項9】
前記トムソン刃は、1個〜複数個の製品部の凹部外側周囲を打ち抜く外輪郭切断用のみ、又は、製品部の内側を島状に打ち抜くための内輪郭切断用と組み合わせて押し型の基板に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項10】
前記中間プレートは、トムソン刃が通過する刳り抜き孔が形成されており、1枚〜複数枚が使用され、前記押し型と中間プレートの間及び複数枚の中間プレートの間で中間プレートがガイドピンを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリングによりにトムソン刃の打ち抜き方向前方に押圧付勢されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項11】
前記製品部の凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部における前記押し型のトムソン刃取付位置及び前記抜き台の主凸部と補助凸部との境界部に形成されるトムソン刃通過溝の位置を、前記製品部の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断させるように構成してあることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項1】
底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されていることを特徴とするプラスチック成型品。
【請求項2】
底壁と該底壁の周囲から立ち上がる周壁とで形成された凹部からなる製品部を備えたプラスチック成型品であって、前記製品部の凹部周壁上縁には、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部を備えており、該上縁変化部は、凹部周壁上縁の1箇所または複数箇所あるいは全周囲のいずれかの形態で形成されており、かつ、前記製品部は、凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出す鍔部を備えていることを特徴とするプラスチック成型品。
【請求項3】
凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を製作準備し、これに対して、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを使用し、
前記プラスチック成型品を前記抜き台上に載置し、前記中間プレートで前記プラスチック成型品のブランク部を前記抜き台に押し付けて位置決め支持させ、前記押し型と前記抜き台とを相対的に接近移動させて前記トムソン刃により前記プラスチック成型品の凹部外側周囲及び上縁変化部形成用膨出部を切断させて製品部の凹部上縁に凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成された上縁変化部をもつ製品部を打ち抜き切断させるようになしたことを特徴とするプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項4】
前記製品部は、底壁と周壁とをもつ容器形状とされ、前記上縁変化部が、前記周壁に1個ないし複数個形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項5】
前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後も隣接部分を部分的に連結した形態とされており、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項6】
前記製品部は、ブランク部を介して複数個が連結したプラスチック成型品として形成され、トムソン刃による打ち抜き切断後、個別に分離され、前記上縁変化部が、それぞれの製品部に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項7】
前記製品部の凹部周壁上縁に外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部におけるトムソン刃の切断位置を成型
品の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のプラスチック成型品の打ち抜き方法。
【請求項8】
凹部として形成された製品部と、製品部の凹部上縁周囲に凹部の外側へ鍔状に張り出して形成されたブランク部と、製品部の凹部及び凹部上縁から凹部の外側へ向けて膨出形成された上縁変化部形成用膨出部とを備えたプラスチック成型品を成型する金型と、
前記製品部の凹部外側周囲と同一の輪郭形状とされ、かつ、前記輪郭形状全周に亘って同一高さに形成されたトムソン刃を基板に取り付けた押し型と、
前記押し型のトムソン刃に対する刃受け面を同一平面上に有し、前記プラスチック成型品の製品部を位置決め支持する主凸部及び前記上縁変化部形成用膨出部を支持する補助凸部を前記刃受け面に対して前記押し型側に突出させて設けられ、前記主凸部と補助凸部の境界部には、トムソン刃通過溝が形成された抜き台と、
前記プラスチック成型品のブランク部を抜き台に押し付けるために前記押し型と抜き台との間に配置された中間プレートとを備え、
前記押し型と前記抜き台とを、前記金型で成型されるプラスチック成型品の打ち抜き方向に相対的に接近離隔移動可能に構成してあり、
前記上縁変化部形成用膨出部は、前記製品部の凹部深さ方向と、該方向と直交する方向を含む3次元形状として形成されていることを特徴とするプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項9】
前記トムソン刃は、1個〜複数個の製品部の凹部外側周囲を打ち抜く外輪郭切断用のみ、又は、製品部の内側を島状に打ち抜くための内輪郭切断用と組み合わせて押し型の基板に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項10】
前記中間プレートは、トムソン刃が通過する刳り抜き孔が形成されており、1枚〜複数枚が使用され、前記押し型と中間プレートの間及び複数枚の中間プレートの間で中間プレートがガイドピンを介して打ち抜き方向に平行移動可能に支持されていると共に、スプリングによりにトムソン刃の打ち抜き方向前方に押圧付勢されていることを特徴とする請求項8又は9に記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【請求項11】
前記製品部の凹部周壁上縁に凹部の外側へ張り出した鍔部を有するプラスチック成型品をトムソン刃によって打ち抜き切断する際には、前記鍔部における前記押し型のトムソン刃取付位置及び前記抜き台の主凸部と補助凸部との境界部に形成されるトムソン刃通過溝の位置を、前記製品部の凹部上縁周囲から外側に鍔部の外側張り出し寸法分だけずらせた位置に設定して打ち抜き切断させるように構成してあることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のプラスチック成型品の打ち抜き装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図57】
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【図59】
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【図67】
【図68】
【図69】
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【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図90】
【図91】
【図92】
【図93】
【図94】
【公開番号】特開2013−47117(P2013−47117A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−279347(P2011−279347)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【特許番号】特許第4972226号(P4972226)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(505239541)株式会社水谷製作所 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【特許番号】特許第4972226号(P4972226)
【特許公報発行日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(505239541)株式会社水谷製作所 (2)
【Fターム(参考)】
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