説明

プラスチック用顔料組成物

本発明は、1以上のフレーク状効果顔料が少なくとも部分的に極性の担体物質と混合されることを特徴とするプラスチックの着色用顔料組成物に関し、該顔料組成物の製造方法、およびそれらをプラスチックの着色用ならびにマスターバッチの製造用に使用することにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1以上のフレーク状効果顔料が少なくとも部分的に極性の担体物質と混合されることを特徴とするプラスチックの着色用顔料組成物に関し、この顔料組成物の製造方法およびそれらをプラスチックの着色用ならびにマスターバッチの製造用に使用することにも関する。
【背景技術】
【0002】
例えば雲母などのフレーク状顔料の流動性が劣ることは長い間知られている。多くの使用に際し、特に印刷およびペンキ分野における使用の場合では、これは重大な問題にはならない。しかしながら、プラスチック中への混合に際してはこれらの顔料の流動性の劣ることが問題であることがわかった。
【0003】
さらに、例えばマスターバッチの製造において、真珠光沢顔料の処理中に著しいダストの生成が起こり、これによりダストの除去や機械の清掃のための機械装置に複雑さを増すことが必要とされている。
【0004】
米国特許第6,451,102号はワックス、好ましくはポリエチレンワックスによる真珠光沢顔料の被覆を提案している。これらのワックスで被覆された真珠光沢顔料は良好な流動性を示すのでマスターバッチの製造に使用できる。しかしながら、ポリエチレンワックスで被覆した真珠光沢顔料は、例えばポリオレフィンなどの非極性プラスチック中への混合にしか適さないことがわかっている。このことは、その明細書中に記載されたマスターバッチにも同じく適用される。極性のプラスチックは、これらの被覆した真珠光沢顔料では不十分にしか着色できない。非極性物質や極性のプラスチックで被覆した真珠光沢顔料からのマスターバッチの製造に際しては、適合性の問題が生ずる。これが、最終製品の、とりわけ得られる、見てわかる光沢効果について欠陥を生じさせ、色の変化の原因となり、仕上がり製品の機械的性質に許容し難い変化を生じさせる。幾つかのプラスチックと若干の適合性があったとしても、どんなワックスも極性のプラスチックの全範囲を容易にはカバーしないので、他のプラスチックを使用する際に問題が起る。この適合性の問題は、またマスターバッチ自体の製造の際にも困難をもたらす。例えば、マスターバッチ製造中に天然物質からマスターバッチに変える際、溶融粘度が著しく低下する場合は、押出しの際に押出物のちぎれが生じ、これは生産者にとって極めて問題事である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本目的は、したがって容易に流動することができ、ダストにならず、それが添加されうるプラスチックに関して大きな融通性があり、かつ2軸スクリュー押出機で押出し中の機械処理量の増加あるいは単軸スクリュー押出機で高濃度マスターバッチの生産を可能にする顔料組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の複雑な目的は、本発明の顔料組成物によって達成される。
【0007】
したがって、本発明は、1以上のフレーク状効果顔料が少なくとも部分的に極性の担体物質と混合されている、プラスチックの着色用顔料組成物に関する。本発明はさらに、1以上のフレーク状効果顔料が少なくとも部分的に極性の担体物質と熱の流入下に混合される、本発明の顔料組成物の製造方法に関する。本発明は、また本発明の顔料組成物をプラスチックの着色用およびマスターバッチの製造用に使用することにも関する。フレーク状効果顔料および少なくとも部分的に極性の担体物質をベースとする本発明の顔料組成物は、プラスチック、特に極性のプラスチック中に添加するのに特に好都合であることがわかった。しかしながら、担体物質の部分的な極性特性のみでも非極性プラスチック中への添加に対して適応可能にする。この融通性は、従来技術の顔料組成物では達成することができず、したがって本発明の極めて重要な利点である。ユーザーにとっては、適宜に選択されたただ一つの本発明の顔料組成物により多数の異なるプラスチックを着色する可能性が与えられる。さらに、本発明の顔料組成物はダストにならず、かつ、極めて容易に流動でき、このことはその加工処理における装置の複雑さを軽減させる。さらに、本発明の顔料組成物を2軸スクリュー押出機で使用すると、条件によっても異なるが、処理量を顔料それだけと較べて2〜5倍以上増やすことができる。さらに、単軸スクリュー押出機で本発明の顔料組成物を使用すると、マスターバッチを基準として、効果顔料の含有量が40重量%までのマスターバッチの製造が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の顔料組成物の重要な構成成分は、少なくとも部分的に極性の担体物質である。この少なくとも部分的に極性の担体物質は、部分的に極性の共重合体および/またはワックスのうちの少なくとも1つが極性である2以上のワックスの混合物であってもよい。部分的に極性の担体物質は、好ましくは部分的に極性の共重合体および/または2つの極性ワックスの混合物である。
【0009】
共重合体という用語は、2種以上のモノマーから生成したポリマーを意味するものとする。本発明の顔料組成物に適当なのはバイポリマー、トリポリマーまたはクオーターポリマー、ならびに交互、ランダム、グラジエント、ブロックまたはグラフト共重合体である。本発明の目的に好適な共重合体は、少なくとも部分的に極性なものであり、すなわち共重合体の少なくとも1つのモノマーが極性であるものである。好適な部分的に極性の共重合体は、例えば酢酸ビニルとの共重合体およびターポリマー、アクリレートまたはアクリル酸との共重合体、ポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルエーテル共重合体、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリエチレンオキシド共重合体、アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート共重合体、ポリアセタール共重合体であるが、ポリアミド共重合体、および/またはポリウレタン共重合体でもよい。使用できる共重合体の例は、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、およびエチレン-ビニルアルコール共重合体である。
【0010】
2以上のワックスの混合物に好適なワックスは、当業者に公知のすべてのワックスであり、天然ワックス、化学的に変性したワックス、または合成のワックスであってよい。2以上のワックスの混合物中に存在する少なくとも1つのワックスは極性である。この混合物は、例えばモンタンワックスおよびその誘導体と、アミドワックスとの2つの極性ワックスの混合物であることが好ましく、アルキル鎖を含む成分などの非極性の成分を有していてもよいが全体として極性である。
【0011】
特に好ましい実施態様では、使用する担体物質は部分的に極性の共重合体である。この場合に好ましい共重合体は、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−アクリル酸共重合体である。モンタンワックスおよびその誘導体とアミドワックスとの混合物はまた担体物質として特に好ましく、その場合モンタンワックスのアミドワックスに対する比は2:1〜1:2、特に1:1である。
【0012】
本発明の顔料組成物中で、フレーク状の効果顔料および部分的に極性の担体物質は互いに混合物の状態にある。フレーク状の効果顔料は、好ましくは少なくとも部分的にまたは完全に担体物質で被覆されている。担体物質によるフレーク状効果顔料の完全な被覆および該担体への固着が特に極めて好ましい。
【0013】
少なくとも部分的に極性の担体物質の融点範囲は、70〜200℃、好ましくは80〜160℃、特に極めて好ましくは90〜140℃である。
【0014】
本発明のフレーク状効果顔料は、真珠光沢顔料;金属−効果顔料;透明、半透明および/または不透明な層を有する多層顔料;ホログラフ顔料;BiOCl顔料および/またはLCP顔料とすることができる。
【0015】
本発明にしたがって使用できる真珠光沢顔料;金属-効果顔料;または透明、半透明および/または不透明な層を有する多層顔料は、特に好ましくは、フレーク状の支持体をベースとする。例えば、フレーク状TiO、合成または天然雲母、ガラスフレーク、金属フレーク、フレーク状SiO2、Alまたはフレーク状酸化鉄が好適である。金属フレークは、とりわけ、アルミニウム、チタン、青銅、鋼または銀からなることができ、好ましくはアルミニウムおよび/またはチタンからなる。金属フレークはこの場合相当する処理によって不動態化されていてもよい。好ましい実施態様として、支持持体は金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属弗化物、金属窒化物、金属オキシニトリドまたはこれら物質の混合物を含む、1以上の透明、半透明、および/または不透明な層で被覆されていてもよい。金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属弗化物、金属窒化物、または金属オキシニトリドの各層またはそれらの混合物は、低屈折率(屈折率<1.8)または高屈折率(屈折率=1.8)であってもよい。好適な金属酸化物および金属酸化物水和物は、例えば酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化シリコン、酸化シリコン水和物、酸化鉄、酸化錫、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に二酸化チタン、酸化チタン水和物、および例えばイルメナイトまたは偽板チタン石などのそれらの混合物のような当業者に公知のすべての金属酸化物および金属酸化物水和物である。使用できる金属亜酸化物は、例えば亜酸化チタンである。好適な金属は、例えばクロム、アルミニウム、ニッケル、銀、金、チタン、銅または合金であり、好適な金属弗化物は例えば弗化マグネシウムである。使用できる金属ニトリドまたは金属オキシニトリドは、例えばチタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルなどの金属のニトリドまたはオキシニトリドである。支持体に対して金属酸化物、金属、金属弗化物、および/または金属酸化物水和物の層の使用が好ましく、金属酸化物および/または金属酸化物水和物の層が特に極めて好ましい。さらに、高屈折率および低屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属または金属弗化物の層を含む多層構造は、好ましくは高−低屈折率層が交互に存在することもできる。高屈折率層と低屈折率層を含む層のパッケージが特に好ましく、1以上のこれらの層パッケージを基体に使用することが可能である。高屈折率層と低屈折率層の順序は、多層構造中に支持体を含めるため、支持体にマッチさせることができる。さらに別の実施態様では、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属弗化物、金属窒化物、金属オキシニトリドの層を着色剤または他の元素と混合、あるいは着色剤または他の元素でドープすることができる。適当な着色剤または他の元素は、例えば着色金属酸化物、例えばマグネタイト、酸化クロム、または例えばベルリンブルー、群青、バナジン酸ビスマス、テナルドブルー、または代わりに例えばインジゴ、アゾ顔料、フタロシアニン、または代わりとしてカルミンレッドなどの有機または無機の着色顔料あるいは例えばイットリウムまたはアンチモンなどの元素である。これらの層を含む効果顔料は、それらの全体の色合いに関して広範に変化する色を示し、多くの場合干渉のため角度によって変化する色(カラーフロップ)を示すことができる。
【0016】
好ましい実施態様において、支持体上の外側層は高屈折率金属酸化物である。この外側層は前述のパッケージ層上に追加して存在してもよいし、または高屈折率支持体中のあるパッケージ層の一部分であってもよく、そして例えばTiO、亜酸化チタン、Fe3、SnO、ZnO、ZrO、Ce3、CoO、Co、V、Cr、および/またはそれらの混合物、例えばイルメナイトまたは偽板チタン石などからなることができる。TiOが特に好ましい。
【0017】
上述の物質および顔料構成の実施例と実施態様が、例えばResearch Disclosures RD471001 および RD472005にも示されており、その開示内容を参考文献として本明細書中に組み入れる。
【0018】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属弗化物、金属窒化物、金属オキシニトリドの層またはそれらの混合物の厚さは、通常3〜300nmであり、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属弗化物、金属窒化物または金属オキシニトリドの層またはそれらの混合物の場合は、好ましくは20〜200nmである。金属層の厚さは好ましくは4〜50nmである。
【0019】
支持体のサイズおよびしたがって効果顔料のサイズはそれ自体決定的なものではない。フレーク状支持体および/または1以上の透明または半透明の金属酸化物、金属または金属弗化物層で被覆されたフレーク状支持体は、通常0.05〜5μmの厚さ、特に0.1〜4.5μmの厚さを有する。長さまたは幅は、通常1〜250μ、好ましくは2〜200μm、特に2〜100μmである。
【0020】
本発明の顔料組成物中のフレーク状効果顔料の割合は、該顔料組成物を基準として一般に60〜85重量%、好ましくは65〜75重量%である。最適の割合は当業者によって容易に決定することができ、使用する効果顔料の粒子径、効果顔料の形状因子、および顔料がつくられる方法に本質的に左右される。着色しようとするプラスチック中にできるだけ異物を混入させないため、できるだけ最高割合の効果顔料またはできるだけ最低割合の担体物質が望ましい。しかしながら、マスターバッチ製造の際、例えば埃にならず、流動性の向上、高処理量などの本発明の顔料組成物の望ましい性質を確実にするには、十分な担体物質を使用しなければならない。このため、粒子は担体物質で単に被覆されるだけではなく互いに固着させ、容易に流動できる粗い「粉末」を形成しなければならない。
【0021】
さらに別の実施態様においては、顔料組成物はプラスチック中に使用するのに便利なようにさらに添加剤および/または補助剤を含むことができる。このタイプの添加剤および/または補助剤は、例えばジイソオクチルフタレート、フエノール誘動体、ミネラルオイルなどの潤滑材、離型剤、安定剤、静電気防止剤、火炎抑制剤、着色剤、柔軟化剤、および可塑剤、接着促進剤、発泡剤、酸化防止剤、UV吸収剤、有機ポリマー相溶性溶剤、および/または界面活性剤とすることができる。使用できる添加剤および補助剤のあらましは、Saechtling,Kunstoff Taschenbuch「プラスチックポケットブック」,27版,Carl Hanser Verlagまたはウルマンの工業化学百科辞典のR.Wolfによる“プラスチック添加剤”,インターネット編,7版,2003に示されている。
【0022】
本発明の顔料組成物は、単純な方法で製造できる。かくして本発明はまた、1以上のフレーク状効果顔料を少なくとも部分的に極性の担体物質と熱の流入下に混合する本発明の顔料組成物の製造法にも関する。使用できるフレーク状効果顔料および部分的に極性の担体物質については顔料組成物の説明中で既に説明した。
【0023】
さて、本発明の方法により、効果顔料は、例えば最初に添加して担体物質または担体物質の溶液と混合することができる。担体物質が溶液の形で加えられる場合は、効果顔料もまたこの溶液中に分散して溶媒を蒸発させることができる。溶媒の選択は、使用する顔料の溶解度、特に使用する担体物質の溶解度を考慮して当業者にとって自明な方法で行われる。pHを変えることにより水性分散液から担体物質を析出させることも可能である。さらに、担体物質を溶融させることによって顔料組成物を製造することも可能である。担体物質の溶融は溶媒の使用を避けることができるので、本発明においては特に望ましい。
【0024】
溶融による本発明顔料組成物の製造は70〜240℃の温度で行われる。この方法は好ましくは担体物質の融点を超える温度で実施される。このようにして、顔料と担体物質の特に良好な混合が達成される。
【0025】
本発明方法のさらに別の実施態様では、プラスチックの加工に慣用の他の添加剤および/または補助剤をフレーク状効果顔料および担体物質の混合物に加えることができる。このタイプの添加剤および/または補助剤の例は顔料組成物の説明中で既に述べた。
【0026】
溶媒の除去後または溶融中に使用した担体物質の冷却後、顔料組成物はさらに適切に処理できる流動性のよい粗い微粒状粉末状態にある。
【0027】
本発明はまた本発明顔料をプラスチックの直接着色のためおよびマスターバッチ製造のために使用することにも関する。
【0028】
本発明の顔料組成物のプラスチック中への直接添加は、プラスチック粒子および/または粉末を顔料組成物と混合することによって行われる。本発明の顔料組成物で着色されたプラスチックは次いで熱の作用下で成形される。さらに、顔料組成物の添加に際し、他の添加剤と顔料をプラスチック粒子および/または粉末に所望により加えることができる。このタイプの添加剤の例は上記顔料組成物の説明中ですでに述べた。好適な顔料は当業者に公知のすべての無機または有機の顔料である。
【0029】
プラスチック粒子および/または粉末/顔料混合物は、一般にプラスチック粒子および/または粉末を例えばドラムまたは高速ミキサーなどの適当な混合機中に加え、何らかの添加剤で湿らせ、次いで顔料組成物をその中に加えて混合する方法で製造される。
【0030】
本発明の顔料組成物の使用に適当なのはプラスチックの全種類、特に熱可塑性プラスチックである。プラスチックは好ましくは極性のプラスチックであるが、担体物質を適当に選ぶならば非極性(オレフイン性)のプラスチックを使用することもできる。好適なプラスチックの例は、例えばSaechtling,Kunststoff Taschenbuch「プラスチックポケットブック」,27版,Carl Hanser Verlag に示されている。
【0031】
本発明の顔料組成物は、マスターバッチの製造にも好都合に使用できる。このようにして、顔料の分散という最大の要求事項を満たすこともできる。マスターバッチは連続式または回分式のいずれででも製造できるが、例えば二軸スクリュー押出機の使用による連続式が好ましい。それぞれのプラスチックの粉末または粗粒を使用することがマサターバッチの製造には有利である。2軸スクリュー押出機で本発明の顔料組成物を使用すると、条件にもよるが、顔料それ自体と比較して少なくとも2〜5倍処理量を増やすことができる。さらに、本発明の顔料組成物を単軸スクリュー押出機で使用して、マスターバッチを基準として40重量%までの顔料含有量を有するマスターバッチを製造することができる。
【0032】
本発明の顔料組成物は、マスターバッチの製造用に使用するのが好ましい。担体物質が適切に選択されるならば、極性および非極性プラスチックのどちらもマスターバッチのベースとして適当である。本発明の効果顔料組成物中で担体物質として極性および非極性(オレフイン性)の両プラスチック中で使用できるものとして、例えばグラフト共重合体がある。例えばエチレン−アクリル酸共重合体は極性および非極性プラスチックの両方に使用するのに適している。
【0033】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するためのものであるが限定するものではない。
【実施例】
【0034】
実施例1
15重量%のモンタンエステルワックス(ホスタルブ(登録商標)WE40,クラリアント社)および15重量%のアミドワックス(ホスタルブ(登録商標)FA1,クラリアント社)の均質混合物を、ミキサー中約150℃の温度で、均一な分布および顔料と担体物質の結合が達成されるまで70重量%のイリオジン(登録商標)ブライアントパールと混合する。重量%データは混合物全体を基準とする。
【0035】
得られた顔料組性物はもはやダストにならず、流動性がよく、合計量をベースとして約40重量%顔料まで含むマスターバッチに単軸スクリュー押出機で転換することができる。この組成物による2軸スクリュー押出機での処理量は、同じ顔料含有量に対し、少なくとも2〜5倍(顔料それ自体とくらべて)増加させることができる。該組成物は各種の極性プラスチック(PA、PC、PMMA、PS、ABSなど)中に問題なく添加することができる。
実施例2
30重量%の低分子量エチレン−酢酸ビニル共重合体(A-C400A,ハネウェルアライドシグナル)均質混合物を70重量%のイリオジン(登録商標)ブライアントパールと、ミキサー中約150℃の温度で、均一な分布および顔料と担体物質の結合が達成されるまで混合する。重量%データは混合物全体をベースとする。
【0036】
得られた顔料組成物はもはやダストにならず、よく流動し、合計量をベースとして約40重量%顔料までを含むマスターバッチに単軸スクリュー押出機で転換させることができる。この組成物による2軸スクリュー押出機での処理量は、同じ顔料含有量に対して、少なくとも2〜5倍(顔料それ自他と比較して)増加させることができる。この組成物は各種の極性プラスチック(PA、PC、PMMA、PS、ABSなど)中に問題なく添加することができる。
実施例3
20重量%の低分子量エチレン−酢酸ビニル共重合体(A-C400A,ハネウェルアライドシグナル)均質混合物を80重量%のイリオジン(登録商標)504Redと、ミキサー中約150℃の温度で、均一な分布および顔料と担体物質との結合が達せられるまで混合する。重量%データは混合物全体をベースとする。
【0037】
得られた顔料組成物はもはやダストにならず、よく流動し、単軸スクリュー押出機で、合計量をベースとして約40重量%顔料までを含むマスターバッチに転化させることができる。この組成物で2軸スクリュー押出機での処理量は、同じ顔料含有量に対して、少なくとも2〜5倍(顔料それ自体と比較して)増加させることができる。この組成物は各種の極性プラスチック(PA、PC、PMMA、PS、ABSなど)中に問題なく添加できる。
実施例4
30重量%の低分子量エチレン−アクリル酸共重合体(A-C540A,ハネウェルアライドシグナル)均質混合物を70重量%イリオジン(登録商標)123と、ミキサー中約160℃の温度で、均一な分布と顔料および担体物質の結合が達成するまで混合する。重量%データは混合物全体をベースとする。
【0038】
得られた顔料組成物は、もはやダストにならず、流動性がよく、合計量をベースとして約40重量%顔料までを含むマスターバッチに単軸スクリュー押出機で転化させることができる。この組成物による2軸スクリュー押出機での処理量は、同じ顔料含有量に対して、約2〜5倍(顔料それ自体と比較して)増加させることができる。この組成物は各種極性のプラスチックおよび非極性(オレフィン性)プラスチックの両方に問題なく添加することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のフレーク状効果顔料が少なくとも部分的に極性の担体物質と混合されてなることを特徴とする、プラスチックの着色用顔料組成物。
【請求項2】
少なくとも部分的に極性の担体物質が、部分的に極性の共重合体および/または少なくとも1つは極性である2以上のワックスの混合物であることを特徴とする、請求項1記載の顔料組成物。
【請求項3】
効果顔料の割合が、顔料組成物を基準として60〜85重量%であることを特徴とする、請求項1または2記載の顔料組成物。
【請求項4】
担体物質の融点範囲が70〜200℃であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項5】
少なくとも部分的に極性の担体物質が、モンタンワックスおよびその誘導体とアミドワックスとの混合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項6】
モンタンワックスおよびその誘導体とアミドワックスとの混合物が1:2〜2:1の比であることを特徴とする、請求項5記載の顔料組成物。
【請求項7】
共重合体が、酢酸ビニルとの共重合体およびターポリマー、アクリレートまたはアクリル酸コモノマー、ポリビニルアルコール共重合体、ポリビニルエーテル共重合体、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリエチレンオキシド共重合体、アクリルニトリル共重合体、メチルメタクリレート共重合体、ポリアセタール共重合体、ポリアミド共重合体および/またはポリウレタン共重合体からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項8】
共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレンアクリル酸共重合体であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項9】
フレーク状効果顔料が、真珠光沢顔料;金属−効果顔料;透明、半透明および/または不透明な層を有する多層顔料;ホログラフイ顔料;BiOCl顔料および/またはLCP顔料であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項10】
顔料組成物がさらに添加剤および/または補助剤を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の顔料組成物。
【請求項11】
1以上のフレーク状効果顔料が、少なくとも部分的に極性の担体物質と熱の流入下に混合されることを特徴とする、請求項1記載の顔料組成物の製造方法。
【請求項12】
少なくとも部分的に極性の担体物質が、部分的に極性の共重合体および/またはワックスの少なくとも1つは極性である2以上のワックスの混合物であることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
1以上のフレーク状効果顔料と少なくとも部分的に極性の担体物質の混合が溶液中でまたは溶融によって実施されることを特徴とする、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
1以上のフレーク状効果顔料と少なくとも部分的に極性の担体物質の混合が70〜240℃範囲の温度で実施されることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
フレーク状効果顔料と担体物質の混合物に添加剤がさらに加えられることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
プラスチックの着色のためまたはマスターバッチの製造のための請求項1記載の顔料組成物の使用。

【公表番号】特表2007−501880(P2007−501880A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522919(P2006−522919)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/007937
【国際公開番号】WO2005/019327
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】