説明

プラスチック製クリップの開閉方法及びその方法を採用したプラスチック製クリップ

【目的】 コンパクトでスマートなプラスチック製クリップを提供する。
【構成】 下部挟持板1の嵌合窓3に上部挟持板21の側面視凹状の補助板23を嵌め込んで横棒部27を支持棚6に載せると共に、下部挟持板1の支持軸8に操作板41の円弧状軸受横溝部46を上部挟持板21の補助板23の上方から押圧嵌合し、プラスチック自体の弾力により操作板41の第二作動カム48,48の下端部にて上部挟持板21の補助板23上面を圧接状態として下部挟持板1と上部挟持板21の先端部を挟持状態とすると共に、操作板41後部の上方への回動操作により第一作動カム47の下端部にて上部挟持板21の突起部28の当接面28a を後方へ押圧することにより横棒部27を支点として下部挟持板1と上部挟持板21の先端部を開口状態とするように構成した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サスペンダーの留め具や女性用着物の下締め具の先端に取り付けるクリップ、或いは、携帯電話のストラップに連結される落下防止用カーリングホルダーの端部に取り付けるクリップ等に使用できるプラスチック製クリップの開閉方法及びその方法を採用したプラスチック製クリップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記各種用途のプラスチック製クリップとして、本発明者の発明に係る特許第2704697号公報及び特許第2905920号公報に開示されたものがある。
【0003】特許第2704697号公報に開示されたプラスチック製クリップは、これまで一対の挟持体を回動可能に支持していた金属製ピンや金属製ばねを用いることなく、プラスチック自体の弾力を利用したもので、図18に示す通り、下部挟持板61と上部挟持板62の先端部が操作板63の回動操作により開閉するプラスチック製クリップであって、下部挟持板61には後方に支持棚64を設け、上部挟持板62には後方にヒンジ65を設け、操作板63には横断面横長の作動カム66を設け、下部挟持板61と上部挟持板62の後半部をX状にクロスさせて組み合せる際、クロス部と後方部との間に操作板63の作動カム66を横長状にて挟み込み、プラスチックの弾力を利用して前記下部挟持板61と上部挟持板62の先端部が開口するようにヒンジ65を支持棚64の上面に一定の押圧状態にて係合させたものである。
【0004】また、特許第2905920号公報に開示されたプラスチック製クリップは、クリップ自体の高さを最小限に抑えると共にロック時の各部材間への圧力付与を確実なものとしたもので、図19に示す通り、後方上面に開口部67とその両側部下方に側壁68を設け、該両側壁68の前方下方に支軸69を渡すと共に両側壁68の内面に逆凹状軸受70を設けた上挟持板71と、後方下面に横溝状軸受72を設け、その後端部両側に突起73を備えた幅狭の突出部74を有し、平面中央部に弾性舌片75を上方に突出させた下挟持板76と、前方下方に両側壁68と突出部74との間に嵌まる外側壁77を備えた箱体78の該両側壁77の外面に作動杵用軸79を設け、両内側部下面に前記突起73の嵌まる係合凹部80を備えると共に上部内面に押圧板81を前記作動杵用軸79の中心より少し後方に設け、後端部にベルト通し82を設けた作動杵83とからなるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特許第2704697号公報に開示されたプラスチック製クリップは、下部挟持板61と上部挟持板62の外面がほぼ同一で体裁のよいものであるが、操作板63の形態が枠状であるため強度において問題点を有していた。
【0006】また、特許第2905920号公報に開示されたプラスチック製クリップは、作動杵83の形態を枠状ではなくほぼ平板状として強度を増し、上挟持板71と下挟持板76との挟持の際の圧接点を工夫することにより、安定的かつ確実なロック状態を得るようにしたものであるが、作動杵83における表裏の形態の相違から、クリップ全体としては上挟持板71と下挟持板76の外面をほぼ同一に形成してもアンバランスが生じて体裁のよいものとはならなかった。
【0007】そこで、本発明者は、前記の各従来品に内在する問題点の解決を技術的課題とし、研究・試作を重ねた結果、上部挟持板と下部挟持板における後部の構成と結合状態を変えると共に操作板(作動杵)の構成を新規な形態として、これら上下両挟持板に対する操作板による挟持圧力の加え方を確実なものとし、かつ、上下両挟持板の挟持状態の際、操作板の作動カムをリアクションバーの役割を果たすプラスチック製上部挟持板の後壁部に作用させないようにして、後壁部のへたりを防いでプラスチック製クリップとしての寿命を延ばすことにより、前記技術的課題を達成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の通りの本発明によって解決できる。
【0009】即ち、本発明に係るプラスチック製クリップの開閉方法は、下部挟持板と該下部挟持板に載せた上部挟持板と該上部挟持板の後部に嵌め込んだ操作板とからなるプラスチック製クリップの下部挟持板と上部挟持板との先端部を操作板の回動操作により開閉するプラスチック製クリップの開閉方法であって、下部挟持板の後方には対面する側壁を形成すると共に後部には支持棚を有する後壁を形成し、支持棚より前方上方位置の両側壁内面には前記操作板が上下方向に回動できる嵌合部を形成し、上部挟持板の後方には前記両側壁間に嵌まる側面視略凹状の補助板を形成し、該補助板の後壁は前記支持棚に載る横棒部を横設して形成し、該横棒部の前面には前方を向いた平面部を形成し、操作板の前上部には前記嵌合部に回動可能に嵌める受け嵌合部を形成し、操作板の前下部には該受け嵌合部を前記嵌合部に嵌めて下部挟持板と操作板とを同一向きにした際の操作板の回動中心より後方に前記横棒部の平面部を後方へ押圧する下方へ延出した第一作動カムを形成すると共に回動中心より前方に前記補助板の上面を下方へ押圧する下方へ延出した第二作動カムを形成して、第二作動カムが回動中心の下方に位置したときに補助板の上面を下方へ押圧して下部挟持板と上部挟持板との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲では挟持状態を維持する向きの力を生じさせ、第二作動カムが該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カムが回動中心と前記横棒部との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カムが前記横棒部の平面部を後方へ押圧することによる該横棒部の反力で下部挟持板と上部挟持板との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力を生じさせるようにしたものである。
【0010】また、本発明に係るプラスチック製クリップは、下部挟持板と該下部挟持板に載せた上部挟持板と該上部挟持板の後部に嵌め込んだ操作板とからなり、下部挟持板と上部挟持板との先端部を操作板の回動操作により開閉するプラスチック製クリップであって、下部挟持板の後方には対面する側壁を設けると共に後部には支持棚を形成した後壁を設け、支持棚より前方上方位置の両側壁内面には前記操作板が上下方向に回動できる嵌合部を設け、上部挟持板の後方には前記両側壁間に嵌まる側面視略凹状の補助板を設け、該補助板の後壁は前記支持棚に載る横棒部を横設してなり、該横棒部の前面には前方を向いた平面部を形成し、操作板の前上部には前記嵌合部に回動可能に嵌める受け嵌合部を設け、操作板の前下部には該受け嵌合部を前記嵌合部に嵌めて下部挟持板と操作板とを同一向きにした際の操作板の回動中心より後方に前記横棒部の平面部を後方へ押圧する下方へ延出した第一作動カムを設けると共に回動中心より前方に前記補助板の上面を下方へ押圧する下方へ延出した第二作動カムを設けて、第二作動カムが回動中心の下方に位置したときに補助板の上面を下方へ押圧して下部挟持板と上部挟持板との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲にあるときは挟持状態を維持する向きの力が働き、第二作動カムが該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カムが回動中心と前記横棒部との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カムが前記横棒部の平面部を後方へ押圧することによる該横棒部の反力で下部挟持板と上部挟持板との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力が働くようになっているものである。
【0011】また、本発明は、前記プラスチック製クリップにおいて、嵌合部を支持軸とし、受け嵌合部を該支持軸の軸受け部としたものである。
【0012】また、本発明に係るプラスチック製クリップは、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が操作板41の回動操作により開閉するプラスチック製クリップであって、下部挟持板1の後方には嵌合窓3を設け、該嵌合窓3の両側部には側壁4,4を設けると共に後部には該側壁4,4より低い後壁5を設け、該後壁5の前面には下部挟持板1の前方に向かって突出した支持棚6を設け、支持棚6より前方上方位置の両側壁4,4内面には支持軸8を設けると共に該支持軸8より低い位置の支持軸8と支持棚6との間の両側壁4,4内面にはそれぞれ凸状に突出した邪魔ブロック9,9を設けて、上部挟持板21の後方には前記嵌合窓3に嵌まる側面視略凹状の補助板23を設けて該補助板23の底部24上面両側には該両側に向かって走る隆起部25を形成し、該補助板23の後壁は起立した両後壁26,26として該両後壁26,26間には前記支持棚6の上面7に対応する円弧状面27a と前方を向く当接面28a とを有する横棒部27を横設して、操作板41の後方には紐通し穴43を設けると共に前方には前記両側壁4,4間に嵌まる背板44を設け、該背板44の前壁45上面には前記支持軸8に回動可能に嵌まる円弧状軸受横溝部46を形成し、前壁45下面の中央には下端部47a が前記突起部28の当接面28a に押圧状態で当接する第一作動カム47を垂下状に設け、該第一作動カム47の両側位置には下端部48a ,48a が前記隆起部25に押圧状態で当接すると共に後方端部48b ,48b が前記邪魔ブロック9,9に対応する第二作動カム48,48を垂下状に設けて、上部挟持板21の補助板23を下部挟持板1の前方から支持軸8の下に向かって通して下部挟持板1の嵌合窓3に嵌め込んで上部挟持板21の横棒部27を下部挟持板1の支持棚6に載せると共に下部挟持板1の支持軸8に操作板41の円弧状軸受横溝部46を嵌めた状態にて操作板41の前壁45を上部挟持板21の後方から支持軸8の下に向かって押し入れ、操作板41を支持軸8を中心として回動して操作板41の第二作動カム48,48が回動中心の下方に位置したときに補助板23の隆起部25を下方へ押圧して下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲にあるときは挟持状態を維持する向きの力が働き、第二作動カム48,48が該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カム47が回動中心と前記横棒部27との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カム47が横棒部27の当接面28a を後方へ押圧することによる横棒部27の反力で下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力が働き、第二作動カム48,48の後方端部48b ,48b が邪魔ブロック9,9に当接することにより、下部挟持板1と上部挟持板21と操作板41との組み込み状態を保持できる構成としたものである。
【0013】また、本発明は、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が操作板41の回動操作により開閉する前記プラスチック製クリップにおいて、支持軸8を下部挟持板1の両側壁4,4間に架設し、操作板41の円弧状軸受横溝部46を背板44の前壁45上面を横断して設けたものである。
【0014】さらに、本発明は、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が操作板41の回動操作により開閉する前記いずれかのプラスチック製クリップにおいて、下部挟持板1の先端部と上部挟持板21の先端部とが挟持状態の際、操作板41の第一作動カム47と上部挟持板21の当接面28a との間に間隙が存在するように構成することによって、横棒部27のへたりを防止したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0016】図1は本実施の形態に係るプラスチック製クリップの分解斜視図であり、図1の(a)は上部挟持板、図1の(b)は下部挟持板、図1の(c)は操作板を示す。なお、図1の(c)に示す操作板については、裏面の形態を説明するために裏面を上に向けて図示している。また、図2及び図3は図1の(b)に示す下部挟持板を説明する図であり、図2の(a)は平面図、図2の(b)は側面図、図2の(c)は背面図、図3の(a)は底面図及び図3の(b)はA−A線縦断面図である。また、図4及び図5は図1の(a)に示す上部挟持板を説明する図であり、図4の(a)は平面図、図4の(b)は側面図、図4の(c)は背面図、図5の(a)は底面図及び図5の(b)はB−B線縦断面図である。また、図6及び図7は図1の(c)に示す操作板を説明する図であり、図6の(a)は平面図、図6の(b)は側面図、図6の(c)は正面面、図7の(a)は底面図、図7の(b)はC−C線縦断面図及び図7の(c)はD−D線縦断面図である。
【0017】本実施の形態に係るプラスチック製クリップにおける下部挟持板1は、図1の(b)、図2及び図3R>3に示すように、先端角部を円弧状に形成した長方形状の基板2の後方に嵌合窓3が設けられ、該嵌合窓3の両側部に側壁4,4が設けられると共に後部には該側壁4,4より低い後壁5が設けられ、該後壁5の前面5aには該前面5aから前方に突出した支持棚6が設けられて該支持棚6の上面両側部には先端部が上向きに反った平坦面7,7が形成され、該支持棚6より前方上方位置には一方の側壁4の内面から他方の側壁4の内面に向かって支持軸(嵌合部)8が横設されている共に、該支持軸8より低い位置の支持軸8と支持棚6との間の両側壁4,4内面にはそれぞれ邪魔ブロック9,9が凸状に突出して設けられているものである。
【0018】そして、支持軸8は上面が両側壁4,4の上端に略揃うフラット面8a(図2参照)となった丸棒形状で前面には前方を向いた面8bを有する突起部8c(図3参照)が長手方向に沿って走っており、前記後壁5の上面両端には前記邪魔ブロック9,9に届かない高さの爪部10,10が立設されており、前記支持棚6の両平坦面7,7の間には後壁5の前面5aから前方に向かって走る凹状溝部11が下部挟持板1の長手方向中心線を中心として位置付けられており、後壁5の前面5aの残り両端部に位置する支持棚6と側壁4,4との間には支持棚6に届かない高さから前方に向かって傾斜した傾斜棚12,12が設けられている。
【0019】なお、図中、13は基板2の前方上面に設けられた二列に並ぶ下部挟持歯である。
【0020】また、本実施の形態に係るプラスチック製クリップにおける上部挟持板21は、図1の(a)、図4及び図5に示すように、先端角部を円弧状に形成した長方形状の基板22の後方に前記下部挟持板1の嵌合窓3に嵌まる側面視略凹状の補助板23が設けられ、該補助板23の底部24上面両側には中央部分を除いて該両側に向かって走る段差を有する隆起部25,25が形成され、該補助板23の後壁26,26は底部24後方両端部から起立した形状となっており、該起立した両後壁26,26は前記支持棚6の平坦面7,7と対応する円弧状面27a (図4及び図5参照)を有する横棒部27により繋がれており、該横棒部27の上面中央には前方に飛び出した当接面(平面部)28a を有する突起部28が設けられているものである。
【0021】そして、前記隆起部25,25は段上面25a ,25a (図4参照)を有しており、両隆起部25,25を除く補助板23の底部24上面の中央部分には後方に向かって走る凹状溝部29が上部挟持板21の長手方向中心線を中心として位置付けられており、前記横棒部27は縦断面形状が上面後端から前面下端に向かって円弧状に形成された略1/4円の扇型であり、円弧状面27a は下後方を向いている。また、後壁26,26の幅は下部挟持板1の傾斜棚12,12の幅より狭く寸法設定されており、後壁26,26の背面は下部挟持板1の傾斜棚12,12の上面と爪部10,10の前面に対応する受け形状に形成されている。
【0022】なお、図中、30は基板22の前方下面に設けられた、前記下部挟持板1の二列の下部挟持歯13,13の間に嵌まる上部挟持歯である。
【0023】また、本実施の形態に係るプラスチック製クリップにおける操作板41は、図1の(c)、図6及び図7に示すように、後端が半円形に形成された長方形状の基板42の後方には紐通し穴43が設けられると共に前方には前記下部挟持板1の両側壁4,4間に嵌まる側面視略逆凹状の背板44が設けられ、該背板44の前壁45上面には前記下部挟持板1の支持軸8に回動可能に嵌める円弧状軸受横溝部(受け嵌合部)46が形成されており、前壁45下面の中央位置には下端部47a (図6参照)を前記上部挟持板21の突起部28の当接面28a に押圧状態で当接する第一作動カム47が垂下状に形成されており、該第一作動カム47の両側位置には下端部48a ,48a を前記上部挟持板21の隆起部25,25の段上面25a ,25a に押圧状態で当接し、絶壁状の後方端部48b ,48b を前記下部挟持板1の邪魔ブロック9,9に当接する第二作動カム48,48が垂下状に形成されており、背板44の中板49下面の中央部49a (図7参照)は前記上部挟持板21の突起部28の外表面形状に対応するように上方に凹んだ受け形状に形成されており、背板44の中板49下面中央部49a の両隣側部49b ,49b は前記上部挟持板21の横棒部27の外表面形状に対応するように下方に突出した受け形状に形成されており、背板44の中板49下面の残り両端部49c,49c は前記下部挟持板1の邪魔ブロック9,9の外表面形状に対応するように上向き凸状に切り欠いた受け形状に形成されているものである。
【0024】そして、背板44の後壁50下面には前記下部挟持板1の後壁5の上面に対応する片溝部50a (図6参照)が形成されており、該片溝部50a の両端となる後壁50下面両端部50b ,50b (図7参照)は前記下部挟持板1の爪部10,10の外表面形状に対応するように湾状に切り欠いた受け形状に形成されている。また、前記第一作動カム47は前壁45後端側が若干突出したフラットな下面を有して操作板41の長手方向中心線を中心とする幅で前壁45前端から前壁45後端に渡って縦断面U字状に形成されている。従って、操作板41を下部挟持板1と同一向きにすれば、下端部47a の若干突出した前壁45後端側(後端部:図6の(b)において矢印Xにて示す箇所)は支持軸8の中心(操作板41の回動中心)より後方に位置付けられる。また、前記第二作動カム48,48は縦断面U字状の第一作動カム47を前後で略2分割して前記絶壁状後方端部48b ,48b を分割面とする形状に形成されており、第二作動カム48,48の前面は前壁45前面両側端から前記邪魔ブロック9,9の飛び出し寸法と同じ寸法幅の前面を無くした、第一作動カム47の前面と略同一面となっており、第二作動カム48,48の側部は前端から後方端部48b ,48b の軸受横溝部46両端に届かない位置まで円弧状に広がる形状に切り落としてあると共に、第二作動カム48,48の下面は前壁45前端側を若干突出させて緩く湾曲している。従って、操作板41を下部挟持板1と同一向きにすれば、下端部48a ,48a の若干突出した前壁45前端側(前端部:図7の(c)において矢印Yにて示す箇所)は支持軸8の中心(操作板41の回動中心)より前方に位置付けられる。
【0025】さらに、前記上部挟持板21の補助板23は前記下部挟持板1の嵌合窓3に余裕を持って嵌まる外寸法となっており、上部挟持板21の補助板23を下部挟持板1の前方から支持軸8の下に向かって通して下部挟持板1の嵌合窓3内に補助板23の底部24が納まれば、上部挟持板21の横棒部27の円弧状面27a は下部挟持板1の支持棚6の平坦面7,7に当接して載った状態となると共に、補助板23の下面と下部挟持板1の側壁4,4の下面とは揃う寸法となっており、上部挟持板21の両後壁26,26の背面は下部挟持板1の傾斜棚12,12の上面と爪部10,10の前面とに間隙を有して当接した状態となり、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部は対応すると共に、下部挟持板1の下部挟持歯13,13と上部挟持板21の上部挟持歯30とは噛み合うように寸法設定されている。
【0026】また、下部挟持板1に上部挟持板21を組み込んだ状態にて上部挟持板21の後方から支持軸8に操作板41の軸受横溝部46を嵌め込んで操作板41を支持軸8を中心として下に向かって回せば、第一作動カム47の下端部47a 前端部が下部挟持板1の突起部28の上端部に当接する寸法に設定されていると共に、突起部28を有する横棒部27は操作板41の前壁45を横棒部27に抗して上部挟持板21の補助板23内に押し込むことができるプラスチック自体の弾力を有して成型されており、軸受横溝部46の厚さは支持軸8と邪魔プロック9,9との最も近い寸法より若干小さい寸法に設定されている。
【0027】また、下部挟持板1に上部挟持板21と操作板41とが組み込まれた状態では、第一作動カム47は上部挟持板21の凹状溝部29に納まる寸法に設定されており、操作板41を支持軸8を中心として下方に向かって回せば、第二作動カム48,48の下端部48a ,48a 前端部が先ず上部挟持板21の隆起部25の上向きに傾斜した立ち上がり面に当接した状態となるように寸法設定されており、下端部48a ,48a 前端部が回動中心の下方に位置したときには上部挟持板21の隆起部25,25の段上面25a,25a に乗り上げて補助板23を下方へ押圧するように寸法設定されていると共に、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が閉じて下部挟持板1の下部挟持歯13,13と上部挟持板21の上部挟持歯30とが噛み合うように寸法設定されており、下端部48a ,48a 前端部が回動中心の前記下方位置を越えることにより、挟持状態を維持する向きの力が生ずるように段上面25a ,25a は下向きに傾斜している。
【0028】そして、操作板41が水平になった状態では、上部挟持板21の基板22の上面と下部挟持板1の支持軸8のフラット面8aと操作板41の中板の上面とが揃う寸法に設定されており、操作板41の第一作動カム47の背面47b (図7の(b)参照)が上部挟持板21の突起部28の当接面28a に当たらないように寸法設定されている。
【0029】また、操作板41を支持軸8を中心として上方に向かって回せば、第二作動カム48,48の下端部48a ,48a 前端部が上部挟持板21の隆起部25の立ち上がり面に当接して補助板23を押圧状態にあるときに第一作動カム47の下端部47a 後端部が回動中心と前記横棒部27との間に位置して第一作動カム47が横棒部27の当接面28aを後方へ押圧するように寸法設定されており、下端部47a 後端部が回動中心と前記横棒部27との間の位置を越えることにより、第一作動カム47が横棒部27の当接面28a を後方へ押圧することによる反力で下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が開くと共に、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部の開放状態を維持する向きの力が生じるようになっており、このとき、第二作動カム48,48は無接触状態になるように寸法設定されており、操作板41の第二作動カム48,48の後方端部48b ,48b が下部挟持板1の邪魔ブロック9,9に当接するように寸法設定されている。
【0030】なお、本実施の形態に係るプラスチック製クリップは、例えば、上部挟持板21の寸法を幅約15mm、長さ約25mmとし、下部挟持板1の寸法を幅約15mm、長さ27mmとし、後出図8に示すように閉じた状態における後半部の厚さを約7mm、操作板41を含めた全長を約39mmとすればよい。
【0031】また、本実施の形態に係るプラスチック製クリップに用いる前記各部材の材質は特に限定されるものではないが、ポリカーボネート樹脂が弾力性や耐久性の面で望ましい。
【0032】次に、図面に基づき組み立て手順について説明する。
【0033】図8は下部挟持板に上部挟持板と操作板とを組み込んで操作板を水平にした状態におけるプラスチック製クリップの平面図であり、下部挟持板と上部挟持板と操作板とは透視されており、E−E線はプラスチック製クリップの長手方向中心線、F−F線は下部挟持板の平坦面と上部挟持板の隆起部及び横棒部と操作板の第二作動カムとを通る線、G−G線は下部挟持板の邪魔ブロック及び爪部と上部挟持板の後壁と操作板の第二作動カムとを通る線である。そして、図9は図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図、図10は図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図、図11は図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図であり、図12は図8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図、図13は図8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図、図14は図8R>8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図であり、図15は図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図、図16は図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図、図17は図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図である。
【0034】図9の二点鎖線にて示す上部挟持板21のように、上部挟持板21の補助板23を下部挟持板1の前方から支持軸8の下に向かって通して下部挟持板1の嵌合窓3に上部挟持板21の補助板23を嵌め込んで、図10の二点鎖線にて示す上部挟持板21のように、上部挟持板21の横棒部27の円弧状面27a を下部挟持板1の支持棚6の平坦面7,7に当接させて載せた状態とした後、図9に示す(イ)の状態(二点鎖線にて図示する操作板41の状態。以下同じ。)のように、上部挟持板21の後方から支持軸8に操作板41の軸受横溝部46を嵌め入れて操作板41を支持軸8を中心として下に向かって回す。このとき、第一作動カム47の下端部47a 前端部が下部挟持板1の突起部28の当接面28a 上端部に対面して当接すると共に、第二作動カム48,48の両側面が邪魔ブロック9,9の内包向き側面に対して擦り合う方向に当接しており(図11R>1参照)、この状態から図9の(ロ)の状態(実線にて図示する操作板41の状態。以下同じ。)のように、操作板41を支持軸8を中心としてさらに下に向かって回し、第一作動カム47の下端部47a にて横棒部27の突起部28を後方へ押して横棒部27を後方へ向かって変形させると共に、図11に示すように、第二作動カム48,48の両側面を邪魔ブロック9,9の内包向き側面に擦り合わせながら下方へ押し込む。この動作により、図12に示すように、操作板41の第一作動カム47は軸受横溝部46が上部挟持板21の支持軸8に嵌まった状態で上部挟持板21の支持棚6と下部挟持板1の支持軸8との間に形成された空間に納まって、操作板41は下部挟持板1と上部挟持板21とに組み込まれることとなる。
【0035】操作板41が組み込まれた後は操作板41を支持軸8を中心として前方へ向かって回し戻しても図11の(ロ)の状態のように操作板41の第二作動カム48,48の後方端部48a ,48a が邪魔ブロック9,9に当たるので外れることはない。
【0036】次に、動作について説明する。
【0037】操作板41を支持軸8を中心として回動させて図9の(ロ)の状態のように、第一作動カム47の下端部47a 後端部を回動中心と横棒部27の中心である支点とを結んだ線の位置(回動中心と横棒部27との間の位置)より上方に位置付けて下端部47a を上部挟持板21の突起部28の当接面28a に押圧状態で当接させれば、横棒部27の当接面28a が後方へ押圧されることにより、横棒部27の円弧状面27a が下部挟持板1の支持棚6の平坦面7,7に当接した状態で横棒部27が後方へ変形され(図10参照)、第二作動カム48,48は無接触状態であるから、第一作動カム47が横棒部27の当接面28a を後方へ押圧することによる横棒部27の反力で第一作動カム47には図9において反時計回りのモーメントが発生して下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力が働く。なお、図10に示すように、操作板41の先端部に上部挟持板21の隆起部25が当接するまで上部挟持板21の先端部が横棒部27を中心として開口するが、図11に示すように、第二作動カム48,48の後方端部48b ,48b が邪魔ブロック9,9に当接するので、開放状態が保持されると共に、下部挟持板1と上部挟持板21と操作板41との組み込み状態が保持される。
【0038】開いた下部挟持板1と上部挟持板21との先端部の間に被挟持物を挿入して、図12〜図14に示すように、操作板41を支持軸8を中心として下方に向かって回せば、第一作動カム47の下端部47a 後端部が回動中心と横棒部27の中心である支点とを結んだ線上に位置したときに、第二作動カム48,48の無接触状態から下端部48a ,48a 前端部が隆起部25の立ち上がり面を押圧する状態にあり、さらに、下端部47a 後端部が前記線上を下方に向かって越えて第二作動カム48,48の下端部48a ,48a 前端部が隆起部25の段上面25a に乗り上げて回動中心の下方に位置したときに、補助板23の隆起部25は下方へ押圧されて下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が閉じた状態となる。このとき、第一作動カム47は無接触状態となり、横棒部27は元の状態に戻る。第二作動カム48,48の下端部48a ,48a 前端部が回動中心の下方位置を前方へ向かって越えることにより、第一作動カム47は無接触状態であるから、第二作動カム48,48には図9において時計回りのモーメントが発生して下部挟持板1と上部挟持板21との先端部の挟持状態を維持する向きの力が働き、下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が開くことはない。
【0039】このとき、図8に示すように、操作板41は水平な状態となっており、図15に示すように、操作板41の片溝部50a は下部挟持板1の後壁5に嵌まり合った状態で該片溝部50a の底面が後壁5の上面に当接し、上部挟持板21の突起部28は操作板41の中板49下面の中央部49a に嵌まり合った状態で中央部49a の内表面が突起部28の外表面に間隙を有して当接し、図16に示すように、操作板41の中板49中央部49a の両隣側部49b ,49b の下面は上部挟持板21の横棒部27の上面に間隙を有して当接し、図17に示すように、上部挟持板21の後壁26,26の背面は下部挟持板1の爪部10,10の前面及び傾斜棚12,12の斜面に当接し、操作板41の中板49中央部49a の残り両端部49c ,49c は邪魔ブロック9,9の上面に間隙を有して当接し、操作板41の後壁50の下面両端部50b ,50b は下部挟持板1の爪部10,10に間隙を有して嵌まり合う。
【0040】また、このとき、操作板41の第一作動カム47の背面47b と上部挟持板21の突起部28の当接面28a との間に隙間が形成されるから(図15参照)、挟持状態が持続されても横棒部27にへたりが生じることはない。
【0041】なお、操作板41を組み込む際、第二作動カム48,48の下端部48a ,48a が邪魔ブロック9,9に干渉するが、この干渉は第二作動カム48,48の側部から下端部48a ,48a にかけての撓みにより乗り越えられる。
【0042】本実施の形態では、下部挟持板1と上部挟持板21とを後半部にて嵌め込むようにすると共に、開口の支点をクリップの後端近くに位置付けたため、クリップの長さに対して開口を比較的大きくすることができる。また、クリップの先端を挟持状態とした際、第一作動カム47の背面47b と上部挟持板21の突起部28の当接面28a との間に隙間が確保されるため、上部挟持板21の横棒部27のへたりを防止することができる。
【0043】なお、本実施の形態においては、上部挟持板21と下部挟持板1の前方内面に相互に噛みあう挟持歯を用いたものを示したが、この挟持歯に代えて挟持用ゴム板(図示せず)を上下の各挟持板に設けてもよい。また、下部挟持板1の支持軸8は側壁4,4の内面からそれぞれ突設させ、操作板41の軸受横溝部46は前壁45の上面両端部に形成してもよい。また、支持棚6は後壁5両端に設けてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、下部挟持板と上部挟持板とを後半部にて嵌め込むようにすると共に、支点となる横棒部をクリップの後端近くに位置させたから、クリップの長さに対して開口を比較的大きくすることができる。
【0045】また、クリップの先端を開く手段として別体のばねを用いることなく、プラスチック自体の弾力を利用した構造としたので、部品点数を少なくすることができるから、コストはもとより組み立て工数が削減された経済的なメリットを有するプラスチック製クリップを提供することができる。
【0046】さらに、下部挟持板後方の嵌合窓部分は上部挟持板後方の補助板の嵌め込みにて埋まり、上部挟持板後方の凹部は操作板前方の表面がフラットな背板にて塞がれて、クリップの外周部には凹凸部がないから、手ざわりがよく、全体に薄型でデザイン的にもスマートなプラスチック製クリップを提供することができる。
【0047】従って、本発明の産業利用性は非常に大きいといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るプラスチック製クリップの分解斜視図である。
【図2】図1の(b)に示す下部挟持板を説明する図である。
【図3】図1の(b)に示す下部挟持板を説明する図である。
【図4】図1の(a)に示す上部挟持板を説明する図である。
【図5】図1の(a)に示す上部挟持板を説明する図である。
【図6】図1の(c)に示す操作板を説明する図である。
【図7】図1の(c)に示す操作板を説明する図である。
【図8】下部挟持板に上部挟持板と操作板とを組み込んで操作板を水平にした状態におけるプラスチック製クリップの平面図である。
【図9】図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図である。
【図10】図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図である。
【図11】図8に示す上部挟持板と操作板とが鋭角(イ)及び略直角(ロ)の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図である。
【図12】図8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図である。
【図13】図8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図である。
【図14】図8に示す上部挟持板と操作板とが鈍角の位置関係にあるときの下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図である。
【図15】図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのE−E線縦断面図である。
【図16】図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのF−F線縦断面図である。
【図17】図8に示す下部挟持板と上部挟持板と操作板とのG−G線縦断面図である。
【図18】従来のプラスチック製クリップの組立状態を示す図で、(A)はクリップ開口時の中央縦断側面図、(B)はクリップ閉口時の中央縦断側面図である。
【図19】従来の他のプラスチック製クリップの組立状態を示す図で、(A)はクリップ開口時の中央縦断側面図、(B)はクリップ閉口時の中央縦断側面図である。
【符号の説明】
1 下部挟持板
3 嵌合窓
4 側壁
5 後壁
6 支持軸
7 平坦面
8 支持軸
9 邪魔ブロック
11 凹状溝部
13 下部挟持歯
21 上部挟持板
23 補助板
25 隆起部
26 後壁
27 横棒部
28 突起部
29 凹状溝部
30 上部挟持歯
41 操作板
44 背板
45 前壁
46 軸受横溝部
47 第一作動カム
48 第二作動カム
49 中板
50 後壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下部挟持板と該下部挟持板に載せた上部挟持板と該上部挟持板の後部に嵌め込んだ操作板とからなるプラスチック製クリップの下部挟持板と上部挟持板との先端部を操作板の回動操作により開閉するプラスチック製クリップの開閉方法であって、下部挟持板の後方には対面する側壁を形成すると共に後部には支持棚を有する後壁を形成し、支持棚より前方上方位置の両側壁内面には前記操作板が上下方向に回動できる嵌合部を形成し、上部挟持板の後方には前記両側壁間に嵌まる側面視略凹状の補助板を形成し、該補助板の後壁は前記支持棚に載る横棒部を横設して形成し、該横棒部の前面には前方を向いた平面部を形成し、操作板の前上部には前記嵌合部に回動可能に嵌める受け嵌合部を形成し、操作板の前下部には該受け嵌合部を前記嵌合部に嵌めて下部挟持板と操作板とを同一向きにした際の操作板の回動中心より後方に前記横棒部の平面部を後方へ押圧する下方へ延出した第一作動カムを形成すると共に回動中心より前方に前記補助板の上面を下方へ押圧する下方へ延出した第二作動カムを形成して、第二作動カムが回動中心の下方に位置したときに補助板の上面を下方へ押圧して下部挟持板と上部挟持板との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲では挟持状態を維持する向きの力を生じさせ、第二作動カムが該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カムが回動中心と前記横棒部との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カムが前記横棒部の平面部を後方へ押圧することによる該横棒部の反力で下部挟持板と上部挟持板との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力を生じさせるようにしたことを特徴とするプラスチック製クリップの開閉方法。
【請求項2】 下部挟持板と該下部挟持板に載せた上部挟持板と該上部挟持板の後部に嵌め込んだ操作板とからなり、下部挟持板と上部挟持板との先端部を操作板の回動操作により開閉するプラスチック製クリップであって、下部挟持板の後方には対面する側壁を設けると共に後部には支持棚を形成した後壁を設け、支持棚より前方上方位置の両側壁内面には前記操作板が上下方向に回動できる嵌合部を設け、上部挟持板の後方には前記両側壁間に嵌まる側面視略凹状の補助板を設け、該補助板の後壁は前記支持棚に載る横棒部を横設してなり、該横棒部の前面には前方を向いた平面部を形成し、操作板の前上部には前記嵌合部に回動可能に嵌める受け嵌合部を設け、操作板の前下部には該受け嵌合部を前記嵌合部に嵌めて下部挟持板と操作板とを同一向きにした際の操作板の回動中心より後方に前記横棒部の平面部を後方へ押圧する下方へ延出した第一作動カムを設けると共に回動中心より前方に前記補助板の上面を下方へ押圧する下方へ延出した第二作動カムを設け、第二作動カムが回動中心の下方に位置したときに補助板の上面を下方へ押圧して下部挟持板と上部挟持板との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲にあるときは挟持状態を維持する向きの力が働き、第二作動カムが該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カムが回動中心と前記横棒部との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カムが前記横棒部の平面部を後方へ押圧することによる該横棒部の反力で下部挟持板と上部挟持板との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力が働くようになっていることを特徴とするプラスチック製クリップ。
【請求項3】 嵌合部が支持軸であり、受け嵌合部が該支持軸の軸受け部である請求項2記載のプラスチック製クリップ。
【請求項4】 下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が操作板41の回動操作により開閉するプラスチック製クリップであって、下部挟持板1の後方には嵌合窓3を設け、該嵌合窓3の両側部には側壁4,4を設けると共に後部には該側壁4,4より低い後壁5を設け、該後壁5の前面には下部挟持板1の前方に向かって突出した支持棚6を設け、支持棚6より前方上方位置の両側壁4,4内面には支持軸8を設けると共に該支持軸8より低い位置の支持軸8と支持棚6との間の両側壁4,4内面にはそれぞれ凸状に突出した邪魔ブロック9,9を設け、上部挟持板21の後方には前記嵌合窓3に嵌まる側面視略凹状の補助板23を設けて該補助板23の底部24上面両側には該両側に向かって走る隆起部25を形成し、該補助板23の後壁は起立した両後壁26,26として該両後壁26,26間には前記支持棚6の上面7に対応する円弧状面27a と前方を向く当接面28a とを有する横棒部27を横設し、操作板41の後方には紐通し穴43を設けると共に前方には前記両側壁4,4間に嵌まる背板44を設け、該背板44の前壁45上面には前記支持軸8に回動可能に嵌まる円弧状軸受横溝部46を形成し、前壁45下面の中央には下端部47a が前記突起部28の当接面28a に押圧状態で当接する第一作動カム47を垂下状に設け、該第一作動カム47の両側位置には下端部48a ,48a が前記隆起部25に押圧状態で当接すると共に後方端部48b ,48b が前記邪魔ブロック9,9に対応する第二作動カム48,48を垂下状に設け、上部挟持板21の補助板23を下部挟持板1の前方から支持軸8の下に向かって通して下部挟持板1の嵌合窓3に嵌め込んで上部挟持板21の横棒部27を下部挟持板1の支持棚6に載せると共に下部挟持板1の支持軸8に操作板41の円弧状軸受横溝部46を嵌めた状態にて操作板41の前壁45を上部挟持板21の後方から支持軸8の下に向かって押し入れ、操作板41を支持軸8を中心として回動して操作板41の第二作動カム48,48が回動中心の下方に位置したときに補助板23の隆起部25を下方へ押圧して下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が閉じ、該下方位置から回動中心より前方に位置する範囲にあるときは挟持状態を維持する向きの力が働き、第二作動カム48,48が該下方位置より後方に位置すると共に第一作動カム47が回動中心と前記横棒部27との間の位置から該位置より上方に位置する範囲にあるときに第一作動カム47が横棒部27の当接面28a を後方へ押圧することによる横棒部27の反力で下部挟持板1と上部挟持板21との先端部が開いて開放状態を維持する向きの力が働き、第二作動カム48,48の後方端部48b ,48b が邪魔ブロック9,9に当接することにより、下部挟持板1と上部挟持板21と操作板41との組み込み状態を保持できる構造としたことを特徴とするプラスチック製クリップ。
【請求項5】 支持軸8が下部挟持板1の両側壁4,4間に架設されており、操作板41の円弧状軸受横溝部46が背板44の前壁45上面を横断して設けられている請求項4記載のプラスチック製クリップ。
【請求項6】 下部挟持板1の先端部と上部挟持板21の先端部とが挟持状態の際、操作板41の第一作動カム47と上部挟持板21の当接面28a との間に間隙が存在するように構成することによって、横棒部27のへたりを防止した請求項4又は5記載のプラスチック製クリップ。

【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【図9】
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【図18】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図19】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2001−107919(P2001−107919A)
【公開日】平成13年4月17日(2001.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−285980
【出願日】平成11年10月6日(1999.10.6)
【出願人】(591117480)ジェー線株式会社 (8)
【Fターム(参考)】