説明

プラズマディスプレイパネル,およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法

【課題】放電開始電圧を低くしてリセット期間およびアドレシング期間を短縮して,階調表現力を向上させるプラズマディスプレイ,およびプラズマディスプレイの駆動方法を提供する。
【解決手段】所定の間隔をおいて対向配置され,所定の間隔の空間で複数に区画される放電セル17を備える第1基板10および第2基板20と,第1基板10と第2基板20の間で第1方向に沿って延長形成され,第1方向と交差する第2方向に隣接して配置される放電セル17の境界に交互に配置される第1電極31および第2電極32と,第1基板10と第2基板20の間で第1方向に隣接する放電セル17の境界で第2方向に沿って延長形成され,第2方向に隣接して配置される各々放電セル17の中心に向かって交互に突出される突出部を各々備える第1アドレス電極11および第2アドレス電極12とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,プラズマディスプレイパネル,およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関し,より詳しくは,放電開始電圧を低くして,リセット期間およびアドレシング期間を短縮し,階調表現力を向上させるプラズマディスプレイパネル,およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なプラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel,以下,‘PDP’という)には,3電極面放電型PDPがある。3電極面放電型PDPは,同一面上に位置した維持電極と走査電極を備えた基板と,この基板から一定の距離をおいて配置され,維持電極および走査電極に対して垂直方向に配置されるアドレス電極を備えた他の基板とで構成されて,基板間に放電ガスが封入される。PDPで,放電の有無は,各駆動信号線に連結されて独立的に制御される走査電極とアドレス電極の放電によって決定されて,画像を表示する維持放電は,同一面上に位置した維持電極と走査電極の放電によって行われる。
【0003】
PDPは,グロー放電を利用して可視光を発生させて,グロー放電が発生した後,人の目に可視光が到達するまで,いくつの段階を経る必要がある。つまり,グロー放電が発生すると,電子と気体等の衝突によって励起された気体が生成されて,このように励起された気体から紫外線が発生する。紫外線が放電セル内の蛍光体に衝突して可視光が生成されて,可視光が前面の透明基板を通して人の目に到達する。このような段階を経ながら維持電極と走査電極に印加された入力エネルギーは,相当に失われる。
【0004】
グロー放電は,放電開始電圧以上の高い電圧を二個の電極の間に印加することによって起こる。つまり,放電が開始されるためには,非常に高い電圧が必要となる。一旦,放電が起こると,負極と正極周辺の誘電層に生成される空間電荷効果によって,負極と正極の間の電圧分布は,歪曲された形態に現れる。つまり,二個の電極の間には,放電のために二個の電極に印加された電圧の大部分を消費する負極周辺のカソードシース(陰極鞘)領域と,電圧の一部を消費する正極周辺のアノードシース(陽極鞘)領域,およびこの二個の領域の間に形成されて電圧をほとんど消費しないポジティブコラム(陽光柱)領域が形成される。カソードシース領域で電子加熱効率は,誘電層表面に形成された酸化マグネシウム(MgO)保護膜の二次電子係数に依存して,陽光柱領域で入力エネルギーの大部分は,電子加熱に消費されると知られている。
【0005】
蛍光体に衝突して可視光を放出させる真空紫外線は,励起状態のキセノン(Xe)気体が基底状態に遷移される時に発生し,キセノン(Xe)の励起状態は,キセノン(Xe)気体と電子の間の衝突によって生成される。
【0006】
従って,入力エネルギーのうち,可視光を生成する比率(発光効率)を高めるためには,キセノン(Xe)気体と電子の衝突回数を増加させる必要があるため,電子加熱効率が高まるほど,発光効率の増加を期待することができる。
【0007】
カソードシース領域では,入力エネルギーの大部分が消費されるが電子加熱効率が低く,陽光柱領域では,入力エネルギーの消費が少なくても電子加熱効率が非常に高い。従って,陽光柱領域を増加させることによって,高い発光効率を得ることができ,これは,放電ギャップの距離を大きくすることによって達成できる。
【0008】
一方,キセノン(Xe)分圧が高まるほど発光効率も増加する。Reduced electric field,つまり,気体密度(n)に対する放電ギャップ間電場(E)の比(E/n)が変わることによって,全体における電子の中で励起キセノン(Xe*,Xe excitation),キセノンイオン(Xe+,Xe ionization),励起ネオン(Ne*,Ne excitation),ネオンイオン(Ne+,Ne ionization)に消費される電子の比率が変わる。同一なReduced electric field(E/n)で,キセノン(Xe)分圧が増加するほど電子エネルギーが減少し,この電子エネルギーが減少すると,キセノン(Xe)の励起に消費される電子比率が大きくなる。
【0009】
可視光を作る真空紫外線は,励起状態にあるXe気体が基底状態に遷移する時に発生するため,Xeの励起に消費される電子比率が大きくなると発光効率が向上する。
【0010】
上記のように,陽光柱領域の増加は,電子加熱効率を増加させる。そしてキセノン(Xe)分圧の増加は,電子のうち,励起キセノン(Xe*)のために消費される電子加熱比率を増加させる。従って,陽光柱領域およびキセノン(Xe)分圧の増加は,電子加熱効率を増加させて発光効率を向上させることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし,従来のプラズマディスプレイパネルにおいて,陽光柱領域の長さ増加に伴う放電ギャップの増加,または,キセノン(Xe)分圧の増加は,いずれも,放電開始電圧を増加させて,PDPの動作特性を低下させ,製造原価を増加させる問題点を有する。従って,発光効率を増加させるために陽光柱領域の増加とキセノン(Xe)分圧の増加が低い放電開始電圧下で実現される必要がある。このため,放電ギャップの距離および圧力が同一の場合,面放電構造に必要な放電開始電圧より対向放電構造に必要な放電開始電圧が低いという公知事実を利用する。
【0012】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的とするところは,放電開始電圧を低くして,リセット期間およびアドレシング期間を短縮させ,空き時間を利用して階調表現力を向上できるプラズマディスプレイパネル,およびプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,所定の間隔をおいて対向配置され,上記所定の間隔の空間で二つ以上,または複数に区画される放電セルが備えられる第1基板および第2基板と,上記放電セルの内部に形成される蛍光体層と,上記第1基板と上記第2基板の間で,第1方向に沿って延長して形成され,上記第1方向と交差する第2方向に隣接して配置される上記放電セルの境界に交互に平行して配置される第1電極および第2電極と,上記第1基板と上記第2基板の間で,上記第1方向に隣接する上記放電セルの境界において上記第2方向に沿って延長して形成され,上記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極とを備え,上記第1電極および上記第2電極は,上記第1基板側から上記第2基板側に向かって,所定の厚さを有するように各々形成され,上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極は,上記第2方向に隣接して配置される各々の上記放電セルの中心に向かって交互に突出する突出部を各々含むプラズマディスプレイが提供される。
【0014】
本発明によれば,第1基板(背面基板)と第2基板(前面基板)との間で,第1方向に沿って延長して形成される第1電極(維持電極)および第2電極(走査電極)が,第1方向に交差する第2方向で隣接する放電セルに共有されるように放電形態を対向放電へ誘導して,維持放電時においてショートギャップで放電を開始することによって,放電開始電圧を低くさせながら,主放電の長さは,増加させて陽光柱を長くし,発光効率を向上させることができる。また,第1基板と第2基板との間で,第2方向に沿って延長して形成される第1アドレス電極および第2アドレス電極は,第1電極および第2電極の間で,各々放電セルの中心に突出して形成される各々突出部を有する。よって,第1アドレス電極および第2アドレス電極にアドレスパルスが印加され,第2方向で互いに隣接する放電セルに共有される第2電極にスキャンパルスが印加されると,1スキャンで2つの放電セルをアドレシングすることができる。従って,本発明によれば,PDPの動作特性を低下することなく,製造原価を増加させないで,階調表現力を向上することができる。
【0015】
また,上記PDPは,上記第1基板の上記第2基板に対向する面上に,複数の第1放電空間を区画する第1隔壁層と,上記第2基板の上記第1基板に対向する面上に,上記第1放電空間に対向する複数の第2放電空間を区画する第2隔壁層とを含むことができ,各々の上記放電セルは,対向する一対の上記第1放電空間および上記第2放電空間によって構成されることができる。
【0016】
上記第1隔壁層によって区画される上記第1放電空間より,上記第2隔壁層によって区画される上記第2放電空間の方が大きい容積に区画されることができる。
【0017】
上記第1隔壁層は,上記第1方向に隣接する上記放電セルの境界で上記第2方向に沿って形成される第1隔壁部材と,上記第2方向に隣接する上記放電セルの境界で上記第1方向に沿って上記第1隔壁部材と交差して形成される第2隔壁部材とを含むことができる。また,上記第2隔壁層は,上記第1方向に隣接する上記放電セルの境界で上記第2方向に沿って形成される第3隔壁部材と,上記第2方向に隣接する上記放電セルの境界で上記第1方向に沿って上記第3隔壁部材と交差して形成される第4隔壁部材とを含むことができる。
【0018】
上記第1電極,上記第2電極,上記第1アドレス電極,および上記第2アドレス電極は,上記第1隔壁層と上記第2隔壁層との間に位置することができる。
【0019】
また,上記第1アドレス電極,および上記第2アドレス電極の外面に誘電層を備えることができる。
【0020】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極は,上記第1基板と上記第1電極および上記第2電極との間,または上記第2基板と上記第1電極および上記第2電極との間のいずれかに配置されることもできる。この場合,上記第1アドレス電極は,上記第1方向および上記第2方向に直交する第3方向において,上記第2アドレス電極に対して上記第1基板側に備えられ,第2アドレス電極は,上記第1アドレス電極に対して上記第1電極および上記第2電極側に備えられることができる。
【0021】
一方,上記第1アドレス電極の上記突出部に形成される上記誘電層において,上記第1アドレス電極の上記突出部の上面からの厚さ(t6)は,上記第2アドレス電極の上記突出部に形成される上記誘電層において,上記第2アドレス電極の上記突出部の上面からの厚さ(t7)より厚く形成されることができる。また,上記誘電層の外面には,保護膜がさらに備えられることができる。上記保護膜として可視光非透過性の酸化マグネシウムを用いる場合には,二次電子放出係数が増大し,可視光透過性の酸化マグネシウムで形成することにより二次電子放出係数をさらに増大させることができる。
【0022】
上記第1アドレス電極と上記第2アドレス電極は,通電性に優れた金属で形成されることができる。
【0023】
上記第1電極および上記第2電極は,通電性に優れた金属で形成されることができる。上記第1電極および上記第2電極の外面には,誘電層を備えることができ,上記誘電層の外面に保護膜がさらに備えられることができる。
【0024】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極の各々上記突出部に形成される上記保護膜と上記第2電極の上記保護膜との間の平均距離(L2)は,上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極の各々上記突出部に形成される上記保護膜と上記第1電極の上記保護膜との間の平均距離(L1)より短く形成することができる。これによって,低電圧によるアドレス放電をより容易に行うことができる。
【0025】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極の各々上記突出部の外面に形成される上記誘電層は,上記第2電極の外面に備えられる上記誘電層と直接連結されることができる。
【0026】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極の各々上記突出部は,上記第1電極と上記第2電極との間に複数に備えられることができる。このような構造により,トリガーリング放電が起こって,アドレス放電および維持放電がより容易に行われる。
【0027】
また,上記第1アドレス電極の上記突出部は,前記第1基板側に備えられ,上記第2アドレス電極の上記突出部は,上記第1電極および上記第2電極側に備えられ,上記第1基板側に備えられる上記第1アドレス電極の上記突出部の個数と,上記第1電極および上記第2電極側に備えられる上記第2アドレス電極の上記突出部の個数が互いに異なって形成されることができる。
【0028】
また,上記第1アドレス電極の上記突出部および上記第2アドレス電極の上記突出部は,各々対応する上記放電セルにおいて,各々2個に形成されることができる。
【0029】
また,上記第2方向に隣接する第1放電セルおよび第2放電セルにおいて,上記第1アドレス電極の上記突出部は,上記第1放電セルの上記第1電極側と上記第2電極側に各々一個ずつ備えられ,上記第2放電セルの上記第1電極側に一個備えられ,上記第2アドレス電極の上記突出部は,上記第2放電セルの上記第2電極側に一個だけ備えられることができる。
【0030】
一方,上記第1電極および上記第2電極の各々において,上記第2方向に対して垂直方向の長さ(hv)が,上記第2方向の長さ(h)より長く形成されることができる。上記第1電極または上記第2電極の各々は,上記第2方向に対して垂直方向を基準に対称形成されることができる。
【0031】
一方,上記蛍光体層は,上記放電セルの上記第1基板側に形成される第1蛍光体層と,上記放電セルの上記第2基板側に形成される第2蛍光体層とを含むことができる。上記第1蛍光体層は,反射型蛍光体で形成されて,上記第2蛍光体層は,透過型蛍光体で形成されることができる。また,上記第1蛍光体層の厚さ(t1)は,上記第2蛍光体層の厚さ(t2)より厚く形成されることができる。
【0032】
また,上記第1電極および上記第2電極は,上記第1方向に対して垂直方向に伸びる拡張部を各々備えることができる。
【0033】
また,上記第1アドレス電極の上記突出部および上記第2アドレス電極の上記突出部は,上記第1方向で隣接する上記放電セルの境界の両側において,各々上記放電セルの中心に向かって交互に突出して形成されることができる。
【0034】
上記第1電極の上記拡張部および上記第2電極の上記拡張部において,上記第2方向に対して垂直方向の長さが上記第2方向の長さより長く形成されることができる。
【0035】
一方,上記第1隔壁層は,上記第2方向に形成される第1隔壁部材で構成され,上記第2隔壁層は,上記第1隔壁部材に対応して上記第2方向に形成される第3隔壁部材で構成されることができる。
【0036】
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,所定の間隔をおいて対向するように配置され,上記所定の間隔の空間で複数に区画される放電セルが備えられる第1基板および第2基板と,上記放電セルの内部に形成される蛍光体層と,上記第1基板と上記第2基板の間で,第1方向に沿って延長して形成され,上記第1方向と交差する第2方向に隣接して配置される上記放電セルの境界に交互に平行して配置される第1電極および第2電極と,上記第1基板と上記第2基板の間で,上記第1方向に隣接する上記放電セルの境界において上記第2方向に沿って延長して形成され,上記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極とを含み,上記第1電極および上記第2電極は,上記第1基板側から上記第2基板側に向かって,所定の厚さを有するように各々形成され,上記第2方向に隣接して配列される複数の上記放電セルにおいて,上記第1アドレス電極は,一側に配置される一対の上記放電セルに具備される各々上記第1電極と上記第2電極との間に突出して形成される一対の突出部を含み,上記第2アドレス電極は,他側に配置される一対の上記放電セルに具備される各々上記第1電極と上記第2電極との間に突出して形成される一対の突出部を含むプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0037】
本発明によれば,第1アドレス電極および第2アドレス電極の各々が,第2方向で隣接する各々一対の放電セルにおいて,各々放電セルの中心に向かって突出する一対の突出部を有するので,各々の第2電極(走査電極)にスキャンパルスが印加されると,第1アドレス電極,第2アドレス電極が配置される4個の放電セルをアドレシングできるので,1スキャンで4アドレシングが実現できる。従って,アドレシング期間をより短縮できるので,維持放電期間を長くすることができ,階調表現力を向上することができる。
【0038】
また,上記第1電極および上記第2電極を間に置いて,上記第1アドレス電極は,上記第1基板側に配置され,上記第2アドレス電極は,前記第2基板側に配置されることができる。
【0039】
また,上記第1電極および上記第2電極は,上記第2方向で隣接する各々上記放電セルに対応して,上記第1方向に対して垂直方向に延長される拡張部と,上記第1方向に隣接して配置される上記放電セルの境界に対応して,上記拡張部より狭い幅を有し,各々上記拡張部を連結する狭小部とを含むことができる。
【0040】
上記第1アドレス電極の一対の上記突出部と上記第2アドレス電極の一対の上記突出部は,上記第1方向で隣接する上記放電セルの境界の同一側から各々の上記放電セルの中心に向かって突出して形成されることができる。また,上記第1アドレス電極の一対の上記突出部は,上記第1方向で隣接する上記放電セルの境界の一側から各々上記放電セルの中心に向かって突出して形成され,上記第2アドレス電極の一対の上記突出部は,上記第1方向で隣接する上記放電セルの上記一側の反対側から各々上記放電セルの中心に向かって突出して形成されることもできる。
【0041】
一方,複数の上記放電セルによって一個のサブピクセルが形成されることができる。より具体的には,上記第1電極,上記第2電極,上記第1電極,上記第2電極,上記第1電極の順の配置を通じて,隣接する4個の上記放電セルが一個のサブピクセルを形成することができる。
【0042】
この場合,上記第2方向に隣接する4個の上記放電セルで,一側の上記第2電極は,隣接する二つの上記放電セルにおける上記第1アドレス電極の一対の上記突出部の間に対応配置され,他側の上記第2電極は,隣接する他の二つの上記放電セルにおける上記第2アドレス電極の一対の上記突出部の間に対応配置されることができる。そして,上記第1電極は,上記第1アドレス電極の上記突出部と,上記第1アドレス電極の上記突出部に隣接する上記第2アドレス電極の上記突出部との間に対応配置されることができる。
【0043】
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,所定の間隔をおいて,対向して配置される第1基板および第2基板と,上記第1基板と上記第2基板との間の空間で,複数の放電セルを区画する隔壁と,各々の上記放電セル内部の上記第2基板側に形成される蛍光体層と,上記第1基板と上記第2基板との間で第1方向に沿って延長して形成され,各々が上記第1方向と交差する第2方向に隣接する一対の上記放電セルに共有される第1電極および第2電極と,上記第1基板上で上記第2方向に沿って延長して形成され,上記第1方向に隣接する各々の前記放電セルに共有されて互いに並んで配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極とを含み,上記第1電極および上記第2電極は,上記第1基板側から上記第2基板側に向かって所定の厚さを有するように各々形成され,上記第2方向に隣接する各々の上記放電セルを間において対向して配置されるプラズマディスプレイパネルが提供される。
【0044】
本発明によれば,第2電極(走査電極),第1電極(維持電極)およびアドレス電極が第1基板(背面基板)に形成されることによって,アドレス放電の経路を短縮し,アドレス放電の放電開始電圧をさらに低くすることができて,結果的にアドレス放電を安定化することができる。また,アドレス放電を起こす電極と蛍光体層とを互いに異なる基板に形成することによって,アドレス放電の放電開始電圧を均一にすることができる。
【0045】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極の各々は,上記第2方向に隣接して各々に対応する上記放電セルの内部に向かって突出される第1部分と,上記第1部分を上記第2方向に連結する第2部分とを含むことができる。
【0046】
また,上記第1アドレス電極の上記第1部分および上記第2アドレス電極の上記第1部分は,上記第2方向に隣接する上記放電セルに対応して,互いに交互に配置されることができる。上記第1アドレス電極の上記第1部分は,上記第1アドレス電極の一側から突出するように形成され,上記第2アドレス電極の上記第1部分は,上記一側に対向する上記第2アドレス電極の他側から突出するように形成されることができる。
【0047】
上記第1アドレス電極の上記第1部分と上記第2アドレス電極の上記第1部分とは,上記第1電極または上記第2電極を基準に対称配置されることができる。
【0048】
上記第2電極は,アドレシング期間の間に順次にスキャンパルスが印加されてアドレス放電に関与し,上記第1電極は,上記第2電極と共に維持期間の間に維持電圧が印加されて維持放電に関与することができる。上記第2電極を共有しながら上記第2方向に隣接する一対の放電セルのうち,一側の上記放電セルでは,上記一側の放電セルに対応する上記第1アドレス電極の面積が,上記第2アドレス電極の面積より大きく形成されて,他側の上記放電セルでは,上記他側の放電セルに対応する上記第2アドレス電極の面積が,上記第1アドレス電極の面積より大きく形成されることができる。
【0049】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極それぞれの上記第2方向の周縁は,上記放電セルの上記第2方向の周縁と平行配置されることができる。
【0050】
また,上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極それぞれの上記第2方向の周縁は,各々上記第1部分を各々対応する上記放電セルの中心に位置させるために,傾いて形成されることができる。
【0051】
一方,上記第1電極および上記第2電極のうち,少なくとも一つは,各々対応する上記放電セルにおいて,上記第2基板から上記第1基板に向かって,上記第1基板側の部分が,各々上記放電セルの内部に向かって大きく突出されることができる。
【0052】
本発明によれば,第1電極(維持電極)および第2電極(走査電極)の少なくとも一つは,第2基板(前面基板)から第1基板(背面基板)に向かって,第1基板側の部分を対応する放電セル内部に向かって大きく突出するように形成される。よって,維持放電の時にショートギャップ放電とロングギャップ放電を利用することができるので,維持放電の放電開始電圧を低減させながら放電効率を向上させる効果がある。
【0053】
また,上記第1電極および上記第2電極のうち,少なくとも一つは,各々対応する上記放電セルにおいて,上記第2基板から上記第1基板に向かって,上記第1基板側の部分の上記第2方向の長さが大きくなるように,階段形状で形成されることができ,また,上記第1基板側の部分の上記第2方向の長さが漸進的に大きくなるように形成されることができる。
【0054】
また,上記第1電極および上記第2電極の外面に誘電層が形成され,上記誘電層は,上記第1電極および上記第2電極の各々を覆いながら,上記第1電極および上記第2電極と並んだ方向に形成される第1誘電層部と,上記第1電極および上記第2電極と交差する方向に,各々上記放電セルの周縁に沿って形成される第2誘電層部とを含むことができる。
【0055】
上記課題を解決するために,本発明の第4の観点によれば,所定の間隔をおいて対向する第1基板と第2基板との間で,第1方向に延長して形成されて,上記第1方向と交差する第2方向に隣接する放電セルに共有されながら交互に配列される第1電極および第2電極と,上記第2方向に延長して形成されて,上記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極とを含むプラズマディスプレイパネルの駆動方法において:アドレシング期間で,上記第2方向に隣接する第1放電セルと第2放電セルに共有される上記第2電極にスキャンパルスを印加する段階と,上記スキャンパルスが印加される上記第1放電セルと上記第2放電セルをアドレシングするアドレシング段階とを含むプラズマディスプレイパネルの駆動方法が提供される。
【0056】
本発明によれば,第2電極(走査電極)が,第2方向で互いに隣接する放電セルに共有されるので,第2電極にスキャンパルスが印加されると,第2電極を共有する第1アドレス電極,第2アドレス電極にアドレスパルスが印加される。よって,第2電極にスキャンパルスが印加される1スキャンによって,第2方向で互いに隣接する放電セルがアドレシングされる2アドレシングが実現できるので,アドレス期間を短縮でき,これにより,階調表現力を向上することができる。
【0057】
上記アドレシング段階は,上記第1放電セルを上記第1アドレス電極でアドレシングすることができ,上記第2放電セルを上記第2アドレス電極でアドレシングすることができる。
【0058】
また,上記第1アドレス電極と上記第2アドレス電極による各々上記アドレシングは,ともに実現できる。
【0059】
一方,上記第1アドレス電極には,第1アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加され,上記第2アドレス電極には,第2アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加されることができる。
【0060】
上記第1アドレス電極および上記第2アドレス電極のうち,上記第2電極との距離が短い一側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値(P2)は,上記第2電極との距離が上記一側のアドレス電極と上記第2電極との距離より長い他側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値(P1)以下であってよい。ここで,上記第2電極と上記一側のアドレス電極との距離は,上記第1方向および上記第2方向に直交する第3方向に対する上記第2電極と上記一側のアドレス電極との距離である。上記第2電極と上記他側のアドレス電極との距離も,同様である。
【0061】
上記第2アドレス電極に印加される上記アドレスパルス値(P2)は,上記第1アドレス電極に印加される上記アドレスパルス値(P1)の以下であってよい。つまり,上記第1アドレス電極は,上記第2アドレス電極に比べて,上記第1基板側または上記第2基板側に形成され,上記第2アドレス電極は,上記第1アドレス電極に比べて,上記第1電極および上記第2電極側に形成されることができる。よって,上記第1アドレス電極に比べて,上記第2アドレス電極は,上記第2電極との距離が短い。
【0062】
上記アドレシング段階は,上記第1放電セルを上記第1アドレス電極でアドレシングし,上記第2放電セルを上記第2アドレス電極でアドレシングして,上記第1アドレス電極と上記第2アドレス電極による各々の上記放電セルのアドレシングが順次に実現できる。上記アドレシング段階は,上記第1放電セルおよび上記第2放電セルのうち,上記第2電極とアドレス電極との距離が長い一側の上記放電セルのアドレシングを先に,他側の上記放電セルのアドレシングを後に実現することができる。
【0063】
つまり,上記アドレシング段階は,上記第1アドレス電極が備えられる上記第1放電セルのアドレシングを先に,上記第2アドレス電極が備えられる上記第2放電セルのアドレシングを後に実現することができる。
【0064】
この場合,上記第1アドレス電極にアドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加され,その後,上記第2アドレス電極には,上記アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加されることができる。
【0065】
本発明によれば,第2アドレス電極によって奇数群の放電セルがアドレシングされた後,第1アドレス電極によって偶数群の放電セルがアドレシングできる。この場合,アドレス電極ドライバーが一個だけで構成されるため,製造費用を低減させる効果がある。
【発明の効果】
【0066】
以上説明したように本発明によれば,背面基板と前面基板の間に電極群が備えられ,この電極群の中で,維持電極と走査電極が対向放電構造に配備される。また,互いに隣接する放電セル各々共有される維持電極および走査電極は,アドレス電極方向に沿って交互に配置される。そして,第1アドレス電極,第2アドレス電極によって偶数群放電セルと奇数群放電セルが各々ともにアドレシングされるために,アドレス期間が短縮する効果がある。また,隣接する一対の放電セルに走査電極が共有されて,偶数群放電セルと奇数群放電セルがともにリセットされることもでき,これによってリセット期間が短縮することができる。このように,リセット期間およびアドレス期間の短縮は,維持期間を延長させて階調表現力を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0068】
(第1実施形態)
図1は,本発明の第1実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。図2は,本発明の第1実施形態に係るPDPの電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。図3は,図1に示すPDPを組み立て,III−III線に沿って切断した部分断面図であって,4個の放電セルが直線状に隣接し,維持電極線・走査電極線がセル境界部に,走査電極−維持電極−走査電極−維持電極−走査電極のように配置された状態を示し(両端の走査電極は,図示せず),図4は,本発明の第1実施形態に係るPDPの電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。
【0069】
図1を参照すると,本発明の第1実施形態に係るPDPは,基本的に所定の間隔をおいて対向配置される第1基板10(以下,‘背面基板’という)と第2基板20(以下,‘前面基板’という),および背面基板10と前面基板20の間に備えられる第1隔壁層16(以下,‘背面板隔壁’という)と第2隔壁層26(以下,‘前面板隔壁’という)を含む。
【0070】
背面板隔壁16と前面板隔壁26とは,複数の放電空間を区画して相互対向する第1放電空間18および第2放電空間28を形成する。第1放電空間18および第2放電空間28内には,真空紫外線を吸収して可視光を放出する蛍光体層19,蛍光体層29が形成され,また,第1放電空間18および第2放電空間28内には,プラズマ放電で真空紫外線を発生させることができるように放電ガス(一例としてキセノン(Xe)とネオン(Ne)などを含む混合ガス)が充填されている。
【0071】
背面板隔壁16は,背面基板10の前面基板20に対向する面上において,前面基板20に向かって突出形成され,前面板隔壁26は,前面基板20の背面基板10に対向する面上において,背面基板10に向かって突出形成される。背面板隔壁16は,背面基板10の前面基板20に対向する面上において,複数の放電空間を区画して第1放電空間18を形成し,前面板隔壁26は,前面基板20の背面基板10に対向する面上において,複数の放電空間を区画して第2放電空間28を形成する。
【0072】
このように,背面基板10側および前面基板20側において,互いに対向する放電空間によって一個の放電セル17が形成される。本発明の実施形態で,放電セル17に対して特別な指摘がない限り,放電セル17は,第1放電空間18および第2放電空間28という2個の放電空間と電極層の空間を一個に結合した放電空間を意味する。
【0073】
前面板隔壁26によって形成される放電空間,つまり,第2放電空間28の容積は,背面板隔壁16によって形成される放電空間,つまり,第1放電空間18の容積より大きく形成されるのが好ましい。第1放電空間18と第2放電空間28との容積の差によって,放電セル17内で発生した可視光は,前面基板20を通して効果的に透過することができる。
【0074】
背面板隔壁16および前面板隔壁26は,放電セル17を例えば,略四角形または略六角形のように多様な形状に形成可能であって,本実施形態は,略四角形で形成される放電セル17を例示している。
【0075】
背面板隔壁16は,第1隔壁部材16aおよび第2隔壁部材16bを含む。第1隔壁部材16aは,背面基板10の前面基板20に対向する面上において,一方向(図1のy軸方向)に長く形成されて配置される。ここで,y軸方向は,第2方向とする。
【0076】
第2隔壁部材16bは,第2方向に沿って形成される第1隔壁部材16aと交差するように長く形成される。第1隔壁部材16aおよび第2隔壁部材16bによって,第1放電空間18が独立的な放電空間に区画される。ここで,第2隔壁部材16bは,第2方向に交差する第1方向に沿って形成され,第1方向は,図1のx軸方向である。
【0077】
前面板隔壁26は,第3隔壁部材26aおよび第4隔壁部材26bを含む。第3隔壁部材26aは,前面基板20の背面基板10に対向する面上において,背面基板10に向かって突出形成され,第1隔壁部材16aに対応する形状で形成される。第4隔壁部材26bは,第3隔壁部材26aと交差するように長く形成され,第2隔壁部材16bに対応する形状で形成される。つまり,前面板隔壁26において,第3隔壁部材26aは,第2方向(図1のy軸方向)に沿って形成され,第4隔壁部材26bは,第2方向に交差する第1方向(図1のx軸方向)に沿って形成される。
【0078】
従って,第3隔壁部材26aおよび第4隔壁部材26bによって,前面基板20側に形成された第2放電空間28は,第1隔壁部材16aおよび第2隔壁部材16bによって,背面基板10側に形成された第1放電空間18に対応する。
【0079】
蛍光体層19,蛍光体層29は,第1放電空間18および第2放電空間28内で形成される。蛍光体層19は,背面基板10側の第1放電空間18に形成される第1蛍光体層19であり,蛍光体層29は,前面基板20側の第2放電空間28に形成される第2蛍光体層29である。背面板隔壁16によって形成される第1放電空間18と,第1放電空間18に対向して前面板隔壁26によって形成される第2放電空間28は,一個の放電セル17に含まれる。
【0080】
従って,第1放電空間18および第2放電空間28の内部に各々形成される第1蛍光体層19および第2蛍光体層29は,気体放電で発生する真空紫外線によって同じ色の可視光を発生させることができる。また,第1蛍光体層19および第2蛍光体層29は,一個の放電セル17の背面基板10側および前面基板20側で可視光を発生させて発光効率が向上することができる。
【0081】
第1蛍光体層19は,第1隔壁部材16aと第2隔壁部材16bの各々内側面と,第1放電空間18内に位置する背面基板10の表面に形成される。第2蛍光体層29は,第3隔壁部材26aと第4隔壁部材26bの各々内側面と,第2放電空間28内に位置する前面基板20の表面に形成される。
【0082】
第1蛍光体層19は,図1に示しているように,背面基板10の前面基板20に対向する面上に背面板隔壁16を形成した後,蛍光体を塗布して形成することができる。また,第1蛍光体層19は,背面基板10を第1放電空間18の形状に相応するようにエッチングした後,エッチングされた面に蛍光体を塗布して形成することもできる。第2蛍光体層29は,図1に示しているように,前面基板20の背面基板10に対向する面上に前面板隔壁26を形成した後,蛍光体を塗布して形成することができる。また,前面基板20を第2放電空間28の形状に相応するようにエッチングした後,エッチングされた面に蛍光体を塗布して形成することもできる。
【0083】
背面基板10をエッチングして背面板隔壁16を形成する場合,背面基板10と背面板隔壁16は,同一材料で構成される(図示せず)。そして,前面基板20をエッチングして前面板隔壁26を形成する場合,前面基板20と前面板隔壁26は,同一材料で構成される(図示せず)。エッチング方法は,背面板隔壁16および前面板隔壁26を各々背面基板10および前面基板20と各々別途に形成する方法に比べて,製造原価を低減させることができる。
【0084】
第1蛍光体層19は,背面基板10側の第1放電空間18内部で,第2蛍光体層29は,前面基板20側の第2放電空間28内部で,各々真空紫外線を吸収して前面基板20側に向かう可視光を発生させる。また,第1蛍光体層19は,可視光を反射させる反射型蛍光体で構成され,第2蛍光体層29は,可視光を透過させる透過型蛍光体で構成される。従って,図3に示しているように,前面基板20を透過する可視光による発光効率を向上させるために,背面基板10側の第1蛍光体層19の厚さ(t1)は,前面基板20側の第2蛍光体層29の厚さ(t2)より厚く形成されるのが好ましい(t1>t2)。また,第1蛍光体層19を形成する蛍光体粉末の粒子の大きさは,第2蛍光体層29を形成する蛍光体粉末の粒子より大きい。
【0085】
このように,第2蛍光体層29の厚さが第1蛍光体層19の厚さより薄く形成されることによって,前面基板20側に透過する可視光の損失が少なくなって,発光効率を向上することができる。
【0086】
また,プラズマ放電によって画像を実現するために,本発明の実施形態のPDPは,各々の放電セル17に対応して第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と,第1電極31(以下,‘維持電極’という)および第2電極32(以下,‘走査電極’という)を背面基板10と前面基板20の間に備える。
【0087】
図2に示すように,維持電極31および走査電極32は,背面板隔壁16と前面板隔壁26の間で第1方向(以下,‘x軸方向’という)に沿って延長して形成される。また,維持電極31および走査電極32は,x軸方向と交差する第2方向(以下,‘y軸方向’という)に隣接して配置される放電セル17の境界に交互に配置され,相互対向放電構造を形成する。維持電極31および走査電極32は,背面基板10側から前面基板20側に向かって,所定の厚さを有するように形成される。つまり,維持電極31は,第2方向で互いに隣接する放電セル17の一側に配置され,走査電極32は,放電セル17の一側に対向する他側に配置される。これによって,維持電極31と走査電極32とは,第2方向で互いに隣接する2個の放電セル17の維持放電に関与することができる。
【0088】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,背面板隔壁16と前面板隔壁26の間で,背面板隔壁16側に形成され,維持電極31および走査電極32と背面板隔壁16との距離よりさらに近く形成される。また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,背面板隔壁16と前面板隔壁26の間で,前面板隔壁26側に形成され,維持電極31および走査電極32と前面板隔壁26との距離よりさらに近く形成されることもできる。
【0089】
また,図1を参照すると,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,背面基板10と維持電極31および走査電極32との間で,第2方向に対して垂直方向に沿って互いに所定の間隔をおいて配置される。また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,前面基板20から見ると,互いに重なっているように形成される。
【0090】
具体的には,第1アドレス電極11は,背面板隔壁16と前面板隔壁26のうち,いずれか一側に隣接するように備えられる。そして,第2アドレス電極12は,維持電極31および走査電極32側に隣接して備えられる。第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,前面基板20から見て,互いに重なるように形成して,y軸方向に隣接する放電セル17を交互にアドレシングする必要がある。そして,y軸方向に隣接する放電セル17を交互にアドレシングするために,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12には,突出部11a,突出部12aが各々備えられる。第1アドレス電極11の突出部11aは,背面板隔壁16と前面板隔壁26のうち,いずれか一側に隣接して備えられ,第2アドレス電極12の突出部12aは,維持電極31および走査電極32側に隣接して備えられる。
【0091】
図3は,背面板隔壁16側に第1アドレス電極11と第2アドレス電極12が重なって配置された構成を例示する。第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,維持電極31および走査電極32と交差した方向,つまりy軸方向(第2方向)に沿って配置される。また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,y軸方向に配置される放電セル17に交互に対応する突出部11a,突出部12aを各々備えて,y軸方向に隣接する放電セル17のアドレシングに交互に関与することができる。
【0092】
つまり,図3において,一個の放電セル17を基準にすると,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,同一側(維持電極31および走査電極32側と背面板隔壁16との間)に重なって一対に配置される。しかし,第1アドレス電極11およびその突出部11aは,y軸方向に隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17のアドレシングに作用し,第2アドレス電極12およびその突出部12aは,y軸方向に隣接する一対の放電セルのうち,他側の放電セル17のアドレシングに作用することができる。つまり,第1アドレス電極11と第2アドレス電極12とは,y軸方向で隣接して配置される放電セル17に対して交互にアドレシング作用することができる。
【0093】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,第1隔壁部材16aと第3隔壁部材26aに対応する。つまり,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,第1隔壁部材16aと第3隔壁部材26aとの間で,第1隔壁部材16aおよび第3隔壁部材26aと並んだ方向(y軸方向)に沿って長く形成され,前面基板20から見て,互いに並んで重なっているように形成される。
【0094】
また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,y軸方向に隣接する放電セル17に対応する間隔を維持しながら,z軸方向(y軸方向に対して垂直方向)に対して所定の間隔をおいて互いに並んで配置される。そして第1アドレス電極11およびその突出部11aは,背面基板10側,つまり,背面板隔壁16に隣接して備えられ,第2アドレス電極12およびその突出部12aは,維持電極31および走査電極32側に隣接して備えられる。つまり,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,維持電極31および走査電極32より背面板隔壁16側にさらに近く備えられる。これで相互交差する方向に配置される維持電極31および走査電極32と第1アドレス電極11および第2アドレス電極12とは,互いに関与しない。
【0095】
一方,第1アドレス電極11の突出部11aは,y軸方向で隣接して配置される放電セル17の偶数群に対応形成され,第2アドレス電極12の突出部12aは,y軸方向で隣接して配置される放電セル17の奇数群に対応形成され,または,互いに反対の場合でも配置されることができる。
【0096】
アドレシング作用は,走査電極32と第1アドレス電極11および第2アドレス電極12との相互作用によって起こる。従って,第1アドレス電極11の突出部11aは,走査電極32を共有するy軸方向で隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17の中心に向かって突出されて,第2アドレス電極12の突出部12aは,同じ走査電極32を共有する一対の放電セル17のうち,他側の放電セル17の中心に向かって突出される。つまり,第1アドレス電極11の突出部11aと第2アドレス電極12の突出部12bとは,y軸方向で隣接して配置される放電セル17に対応して各々交互に配置される。
【0097】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,非放電領域である第1隔壁部材16aと第3隔壁部材26aの間に備えられる。つまり,放電セル17で発生する可視光が遮断されないため,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,不透明材質で形成されることができて,通電性に優れた金属で形成されることもできる。突出部11a,突出部12aの各々は,放電セル17の中心に向けて突出されるので透明電極で形成されることもでき,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と各々同一材質で形成されることもできる。
【0098】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12には,アドレスパルスが各々印加される。第1アドレス電極11の突出部11aおよび第2アドレス電極12の突出部12aは,アドレスパルスを放電セル17内に各々印加させる役割を有する。つまり,走査電極32にスキャンパルスが印加されて,第1アドレス電極11と第2アドレス電極12にアドレスパルスが印加されると,1スキャンで2アドレシングが実現できる。
【0099】
また,突出部11a,突出部12aは,各々の放電セル17内で走査電極32との放電ギャップをショートギャップで形成することができる。そして,トリガーリング作用によって低電圧によるアドレス放電が可能になる。なお,トリガーリング作用とは,ショートギャップ放電の結果,例えば,イオン化高温ガスの拡散によりロングギャップ放電経路が実効的に短くなることによって,ロングギャップ放電が誘発される現象をいう。
【0100】
一方,維持電極31および走査電極32は,背面基板10と前面基板20との間,つまり,背面板隔壁16と前面板隔壁26の間に形成される。また,維持電極31と走査電極32は,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と電気的に絶縁されながら,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と交差する方向(x軸方向)に沿って長く形成される。維持電極31は,y軸方向に互いに隣接する放電セル17の一側に配置され,走査電極32は,放電セル17の他側に維持電極31に対向して配置される。
【0101】
また,維持電極31および走査電極32は,y軸方向に沿って交互に配置され,y軸方向で隣接して配置される放電セル17において,隣接する放電セル17に共有される。つまり,走査電極32は,隣接する二個の放電セル17を区画する第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bの間に備えられ,維持電極31もまた,隣接する二個の放電セル17を区画する第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bの間に備えられる。
【0102】
従って,第1アドレス電極11と第2アドレス電極12にアドレスパルスが印加されて走査電極32にスキャンパルスが印加されると,1スキャンでy軸方向に隣接する2個の放電セル17が選択されることができる。つまり,1スキャンで2アドレシングが実現されて,アドレシング期間を短縮することができる。また,走査電極32にリセットパルスが印加されると,走査電極32を共有するy軸方向に隣接する2個の放電セル17がリセットされてリセット期間を短縮することができる。
【0103】
このようにリセット期間およびアドレシング期間を短縮することができるため,維持期間を長くすることができる。また,この維持期間の延長は,維持パルスの個数を増やすことができ,階調表現力を向上することができる。
【0104】
図4に示されているように,維持電極31および走査電極32は,y軸方向に隣接する放電セル17に対して1スキャン作用で2アドレシングが実現するように形成および配置される。
【0105】
走査電極32を共有するy軸方向に隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17には,第1アドレス電極11の突出部11aが備えられ,走査電極32を共有する一対の放電セル17のうち,他側の放電セル17には,第2アドレス電極12の突出部12aが備えられる。突出部11a,突出部12aは,維持電極31と走査電極32との間でトリガーリング作用を起こすことができる。これによって,低電圧による維持放電が可能になる。
【0106】
維持電極31および走査電極32は,第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bの間に配置されるので,維持電極31および走査電極32は,y軸方向に隣接する放電セル17を区分する基準になることができる。
【0107】
走査電極32は,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と共にアドレス期間のアドレシングに関与して,点灯される放電セル17を選択する役割を担うことができる。維持電極31と走査電極32は,維持期間の維持放電に関与して,画像を表示する役割を担うことができる。
【0108】
つまり,維持電極31には,維持期間に維持パルスが印加され,走査電極32には,維持期間に維持パルスが印加されて,アドレス期間にスキャンパルスが印加される。しかし,各々維持電極31および走査電極32は,維持電極31および走査電極32に印加される信号電圧によって,その役割を異なって行うことができるため,本発明の実施形態が上記に限定される必要はない。
【0109】
図3を参照すると,維持電極31と走査電極32は,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12と共に一個の放電セル17を両側(第1放電空間18,第2放電空間28)に区画する。つまり,維持電極31と走査電極32は,背面基板10と前面基板20の間に備えられて,対向放電構造を形成する。これによって,維持放電のための放電開始電圧を低くすることができる。
【0110】
より広い面積の対向面に対向放電を誘導するために,維持電極31および走査電極32において,第2方向(y軸方向)に対して垂直方向(z軸方向)の長さ(hv)が,第2方向(y軸方向)の長さ(h)より長く形成される。このように広く形成される維持電極31および走査電極32による対向放電は,強い真空紫外線を生成して,この強い真空紫外線は,より広い面積にわたって第1蛍光体層19および第2蛍光体層29に衝突する。これによって,放電セル17内で発生する可視光の光量を増大することができる。
【0111】
また,維持電極31および走査電極32は,非放電領域の第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26aの間に備えられるので,放電セル17で発生する可視光を遮断しない。従って,維持電極31および走査電極32は,不透明材質で形成されることができて,通電性に優れた金属で形成することもできる。
【0112】
維持電極31および走査電極32それぞれは,第2方向に対して垂直方向(z軸方向)の中心線Lを基準に対称構造を形成する。これによって,維持電極31および走査電極32は,放電セル17を間に置いて対向放電構造を形成する。
【0113】
一方,維持電極31と走査電極32および第1アドレス電極11と第2アドレス電極12の外面には,誘電層34,誘電層35が備えられる。誘電層34,誘電層35は,壁電荷を蓄積もするが,各電極の絶縁支持構造を形成する。維持電極31と走査電極32および第1アドレス電極11と第2アドレス電極12は,TFCS(厚膜セラミック・シート)法で製作可能である。つまり,維持電極31と走査電極32および第1アドレス電極11と第2アドレス電極12を含む電極部を別々製作した後に,背面板隔壁16が形成されている背面基板10に結合される方法によってPDPの製作が可能である。ここで,誘電層34は,維持電極31および走査電極32の各々外面に形成されるものであり,誘電層35は,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12の各々外面に形成されるものである。
【0114】
誘電層34,誘電層35に関してより具体的に説明する。第1アドレス電極11および第2アドレス電極12を覆っている誘電層35で,第1アドレス電極11の突出部11aに形成される誘電層35の突出部11aの上面からの厚さ(t6)は,第2アドレス電極12の突出部12aに形成される誘電層35の突出部12aの上面からの厚さ(t7)より厚く形成される。誘電層35の厚さの差は,放電開始電圧の差を発生させる。つまり,誘電層35の厚さが厚いほど,放電を阻害して放電開始電圧が上昇する。同一のアドレス放電を起こすためには,第2アドレス電極12に比べて誘電層35の厚さがさらに厚い第1アドレス電極11に,より高いアドレス電圧が印加されるのが好ましい。
【0115】
また,誘電層34,誘電層35の外面には,保護膜36が備えられるのが好ましい。特に保護膜36は,放電セル17内部の放電空間で起こるプラズマ放電に露出される部分に形成されることができる。保護膜36は,誘電層34,誘電層35を保護する役割を担うことができる。一方,保護膜36は,高い二次電子放出係数値を有することが要求されるが,可視光の透過性を有する必要はない。つまり,維持電極31,走査電極32,第1アドレス電極11,および第2アドレス電極12は,前面基板20および背面基板10に形成されるのではなく,背面基板10と前面基板20の間に備えられるので,維持電極31,走査電極32,第1アドレス電極11,および第2アドレス電極12を覆っている誘電層34,誘電層35に塗布される保護膜36は,可視光非透過性の特性を有する物質で構成することができる。保護膜36の一例として,可視光非透過性の酸化マグネシウム(MgO)は,可視光透過性の酸化マグネシウム(MgO)に比べて高い二次電子放出係数値を有し,従って,放電開始電圧をさらに低くすることができる。
【0116】
また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,同一誘電率を有する誘電層35で覆われるため,赤色(R),緑色(G),青色(B)を示す放電セル17等の間で同一放電開始電圧が形成されることができる。これによって,高い電圧マージンが形成されることができる。
【0117】
一方,上記のように維持電極31は,放電セル17の一側(y軸方向の一側)を形成する第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bの間に共有構造として備えられ,走査電極32は,放電セル17の他側(y軸方向の他側)を形成する第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bの間に共有構造として備えられることによって,維持電極31−走査電極32−維持電極31のような順の電極配置が形成される。
【0118】
また,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12は,放電セル17の一側(x軸方向の両側)を形成する第1隔壁部材16aと第3隔壁部材26aの間に備えられ,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12の各々突出部11a,突出部12aは,放電セル17の各々中心に向かって突出するように配置される。これによって,維持電極31−走査電極32−維持電極31の配置は,y軸方向に沿って,維持電極31−第1アドレス電極11の突出部11a−走査電極32−第2アドレス電極12の突出部12a−維持電極31のような電極順に配置される。
【0119】
図5は,本発明の第1実施形態に係るPDPの第1アドレス電極および第2アドレス電極と各ドライバーとの第1接続関係を示した概略図である。図5に示されているように,第1アドレス電極11は,前面基板20および背面基板10の一側に引出されて,第1アドレス電極ドライバー11bに接続される。第2アドレス電極12は,前面基板20および背面基板10の他側に引出されて,第2アドレス電極ドライバー12bに接続される。このような構造によって,走査電極32を共有する一対の放電セル17が1スキャンによってアドレシングできる。
【0120】
上記のように構成されるPDPの駆動方法が図6に示されている。図6は,本発明の第1実施形態に係るPDPの第1駆動方法の駆動波形図である。つまり,上記駆動方法は,アドレス期間で,y軸方向で隣接する一対の放電セル17によって共有される走査電極32にスキャンパルス(Vsc)を印加する段階と,このスキャンパルスが印加された一対の放電セル17をアドレシングする段階とを含む。
【0121】
このアドレシング段階で,y軸方向で隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17は,第1アドレス電極11に印加されるアドレスパルス(Va1)によってアドレシングされて,他側の放電セル17は,第2アドレス電極12に印加されるアドレスパルス(Va2)によってアドレシングされる。この時,第1アドレス電極11には,第1アドレス電極ドライバー11bからアドレスパルス(Va1)が印加され,第2アドレス電極12には,第2アドレス電極ドライバー12bからアドレスパルス(Va2)が印加される(図6参照)。第1アドレス電極11および第2アドレス電極12による各々のアドレシングは,ともに実現されることができる。つまり,y軸方向で隣接する一対の放電セル17において,アドレス期間で,共有される走査電極32にスキャンパルスが印加された後,アドレスパルスが第1アドレス電極11および第2アドレス電極12に印加されると,y軸方向で隣接する一対の放電セル17がアドレシングされることができる。よって,1スキャンで2アドレシングを実現することができ,アドレス期間を短縮することができる。
【0122】
このようなスキャンおよびアドレシング段階以前に進められるリセット段階では,y軸方向で隣接する一対の放電セル17をともにリセットすることができる。つまり,一個の走査電極32にリセットパルス(Vr)を印加することによって,走査電極32とこの走査電極32の両側に備えられる維持電極31が相互作用して,これによって二個の放電セル17がともにリセットされる。よって,リセット期間を短縮することができる。
【0123】
このリセット期間に印加されるリセットパルス(Vr)は,公知の波形を利用することができ,維持期間に印加される維持パルス(Vs)は公知の波形を利用できる。
【0124】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12のうち,走査電極32から近い位置に配置された一側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値(P2)は,他側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値(P1)以下であるのが好ましい。つまり,本実施形態では,第1アドレス電極11に比べて第2アドレス電極12がz軸方向に対して走査電極32にさらに近く備えられるので,第2アドレス電極12に印加されるアドレスパルス値(P2)が第1アドレス電極11に印加されるアドレスパルス値(P1)以下であってよい。これによって,異なった厚さの誘電層35を有する第1アドレス電極11,第2アドレス電極12に同一のアドレス放電を起こすことができる。
【0125】
図6は,同一パルス値(P2=P1)を示している。図7は,本発明の第1実施形態に係るPDPの第1アドレス電極および第2アドレス電極とドライバーとの第2接続関係を示した概略図である。図8は,本発明の第1実施形態に係るPDPの第2駆動方法の駆動波形図である。
【0126】
図7および図8を参照すると,上記アドレス期間では,y軸方向で隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17が第1アドレス電極11に印加されるアドレスパルス(Va1)によってアドレシングされて,他側の放電セル17が第2アドレス電極12に印加されるアドレスパルス(Va2)によってアドレシングされる。この時,第1アドレス電極11には,アドレス電極ドライバー13からアドレスパルス(Va1)が印加され,第2アドレス電極12には,アドレス電極ドライバー13からアドレスパルス(Va2)が印加される。
【0127】
このように,本実施形態では,一個のアドレス電極ドライバー13が提供される。従って,第1アドレス電極11および第2アドレス電極12に選択的にアドレスパルス(Va1,Va2)を印加するために,アドレス電極ドライバー13と第1アドレス電極11および第2アドレス電極12との間にスイッチ14が備えられる。スイッチ14によってアドレス電極ドライバー13は,第1アドレス電極11または第2アドレス電極12に選択的に接続,あるいは遮断できる。
【0128】
第1アドレス電極11および第2アドレス電極12による各々アドレシングは,順次に実現される。つまり,第1アドレス電極11によるアドレシングが優先的に実行されてから第2アドレス電極12によるアドレシングが後に実行されたり,または第2アドレス電極12によるアドレシングが優先的に実行されてから第1アドレス電極11によるアドレシングが後に実行されることもできる。本実施形態によるアドレシング段階では,y軸方向で隣接する一対の放電セルのうち,z軸方向に対する走査電極32とアドレス電極との距離がより長い一側の放電セル17のアドレシングが先に実行されて,他側の放電セル17のアドレシングが後で実行される。つまり,本実施形態では,第1アドレス電極11が,第2アドレス電極12よりz軸方向に対する走査電極32との距離が長いので,y軸方向で隣接する一対の放電セルのうち,第1アドレス電極11が備えられる一側の放電セル17のアドレシングが先に実行されて,第2アドレス電極12が備えられる他側の放電セル17のアドレシングが後に実行される。
【0129】
より具体的に説明すると,スキャニング時間が経過するに伴って,プライミングパーティクルは,消滅される。また,アドレシングは,誘電層の厚さが厚くなるほど難しくなる。従って,誘電層35の厚さが厚く形成されたアドレス電極によるアドレシングが先に実行されて,誘電層35の厚さが薄く形成されたアドレス電極によるアドレシングが後で実現される。
【0130】
以下,本発明の多様な実施形態を説明する。以下の実施形態は,上記第1実施形態と比較して,その構成が概して類似または同一なので,ここではこのような部分については,詳細な説明を省略して他の部分について説明する。
【0131】
(第2実施形態)
図9は,本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態で,第1アドレス電極211および第2アドレス電極212の各々突出部211aおよび突出部212aに形成される保護膜36の外面から走査電極32の誘電層34の外面に形成される保護膜36の表面までの各々距離の平均値(L2)は,第1アドレス電極211および第2アドレス電極212の各々突出部211a,突出部212aの保護膜36の外面と維持電極31の誘電層34の外面に形成される保護膜36の表面との各々距離の平均値(L1)より短く形成される。従って,第1アドレス電極211と走査電極32との間,および第2アドレス電極212と走査電極32との間で,突出部211a,突出部212aによりトリガーリング作用が起こるようになって,アドレス放電がさらに起こりやすくすることができる。なお,本明細書では,符号L1,符号L2を保護膜間平均距離と呼び,保護膜がない場合には,誘電層を保護膜とみなす。また,誘電層または保護膜の内部電位降下は,誘電率が大きいので,無視して考える。
【0132】
(第3実施形態)
図10は,本発明の第3実施形態を示す。第1アドレス電極311および第2アドレス電極312の各々突出部311a,突出部312aの外面に形成される誘電層35は,走査電極32の外面に備えられる誘電層34と直接連結される。従って,第1アドレス電極311と走査電極32との間,および第2アドレス電極312と走査電極32との間で,突出部311a,突出部312aによりトリガーリング作用が起こるようになって,第2実施形態よりアドレス放電がさらに容易になる。
【0133】
(第4実施形態)
図11は,本発明の第4実施形態を示す。第1アドレス電極411および第2アドレス電極412の各々突出部411a,突出部412aは,維持電極31と走査電極32の間に複数に備えられることもできる。複数の突出部411a,突出部412aは,維持放電時にトリガーリング電極として作用して,維持電極31と走査電極32の間での維持放電がさらに容易になる。本実施形態で,背面板隔壁16および前面板隔壁26のうち,いずれか一側に備えられる突出部411aの個数と,維持電極31および走査電極32側に備えられる突出部412aの個数が,一つの放電セル17につき2個であって,互いに同一である。
【0134】
(第5実施形態)
図12は,本発明の第5実施形態を示す。本実施形態では,背面板隔壁16および前面板隔壁26のうち,いずれか一側に備えられる突出部511aの個数と,維持電極31および走査電極32側に備えられる突出部512aの個数が互いに異なって形成される。つまり,y軸方向に隣接する一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17(第2放電セル)に,走査電極32側に第2アドレス電極512の突出部512aが一個備えられ,維持電極31側に第1アドレス電極511の突出部511aが一個備えられる。また,y軸方向に隣接する一対の放電セル17のうち,他側の放電セル17(第1放電セル)に,維持電極31側および走査電極32側に第1アドレス電極511の突出部511aが各々一個ずつ備えられる。
【0135】
(第6実施形態)
図13は,本発明の第6実施形態に係るPDPでの電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。本実施形態では,第1実施形態と比較すると,維持電極631および走査電極632に拡張部31a,拡張部32aが備えられる。拡張部31a,拡張部32aは,各々放電セル17に対応しながら維持電極631および走査電極632から背面基板10側に(−のz軸方向に)拡張される。
【0136】
拡張部31a,拡張部32aそれぞれは,第2方向(y軸方向)に対して垂直方向(z軸方向)の長さが,第2方向(y軸方向)の長さよりさらに長く形成される。拡張部31a,拡張部32aによって,より容易に対向放電が起こることができる。また,このように広く形成される拡張部31a,拡張部32aを有する維持電極631および走査電極632によって起こる対向放電は,強い真空紫外線を生成して,この強い真空紫外線は,放電セル17内部の蛍光体層と衝突されて可視光の光量を増加することができる。
【0137】
図14〜図16は,本発明の第7実施形態〜第9実施形態を示す図である。第7実施形態〜第9実施形態は,第6実施形態と比較してその構成が概して類似もしくは同一なので,第6実施形態と互いに異なる部分について説明する。
【0138】
(第7実施形態)
図14は,本発明の第7実施形態に係るPDPの部分平面図である。本実施形態で,第1アドレス電極711の突出部711aと第2アドレス電極712の突出部712aは,第1方向(x軸方向)で隣接する放電セル17の境界の両側で,各々の放電セル17の中心に向かって交互に突出して形成される。
【0139】
(第8実施形態)
図15は,本発明の第8実施形態に係るPDPの部分平面図である。第1アドレス電極811および第2アドレス電極812は,第7実施形態のように配置され,各々突出部811a,突出部812aは,第7実施形態より,大幅に形成される。従って,第1アドレス電極811および第2アドレス電極812の各々突出部811a,突出部812aの外面に形成される誘電層35は,走査電極632の外面に備えられる誘電層34と直接連結される。従って,第1アドレス電極811と走査電極632の間および第2アドレス電極812と走査電極632の間で,各々突出部811a,突出部812aによりトリガーリング作用が起こるようになって,第7実施形態よりアドレス放電がさらに容易になる。
【0140】
(第9実施形態)
図16は,本発明の第9実施形態に係るPDPの部分断面図である。ここで背面板隔壁は,第1アドレス電極11,第2アドレス電極12と平行の方向(y軸方向)に形成される第1隔壁部材16aで構成され,前面板隔壁は,第1隔壁部材16aに対応して第1アドレス電極11,第2アドレス電極12と平行の方向に形成される第3隔壁部材26aで構成されることもできる。つまり,本実施形態では,背面板隔壁と前面板隔壁が各々帯状隔壁構造で形成される。
【0141】
(第10実施形態)
図17は,本発明の第10実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。図18は,本発明の第10実施形態に係るPDPの電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。図19は,図17に示されたPDPを結合した状態のXIX-XIX線による部分断面図である。図20は,本発明の第10実施形態に係るPDPで電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。
【0142】
図17を参照すると,維持電極1031(第1電極)と走査電極1032(第2電極),走査電極1032(第2電極)は,背面板隔壁16と前面板隔壁26との間にx軸方向(第1方向)に沿って延長して形成され,互いに対向放電構造に配置される。また,維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032は,y軸方向(第2方向)に隣接する放電セル17の境界に交互に配置され,隣接する各々放電セル17に各々共有される。維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032は,背面基板10側から前面基板20側に向かって,所定の厚さを有するように形成される。
【0143】
第1アドレス電極1011および第2アドレス電極1012は,背面板隔壁16と前面板隔壁26との間にy軸方向(第2方向)に沿って延長して形成される。また,第1アドレス電極1011および第2アドレス電極1012は,前面基板20から垂直方向に互いに所定の間隔をおいて配置される。そして,y軸方向に隣接する複数の放電セル17で,第1アドレス電極1011は,一側に配置される一対の放電セル17に備えられる維持電極1031と走査電極1032との間(走査電極1032の両側)に突出される突出部1011a,突出部1011aを備える。また,第2アドレス電極12は,y軸方向に隣接する複数の放電セル17で,他側に配置される一対の放電セル17に備えられる維持電極1031と走査電極1032との間(走査電極1032の両側)に突出される突出部1012a,突出部1012aを備える。以下でも,走査電極1032は,区分しないで使用するが,理解のために区分する必要がある場合に添字を使用する。
【0144】
また,所定の個数で形成される1セットの放電セル17で,第1アドレス電極1011は,y軸方向で隣接する4個の放電セル17において,一側に隣接する二個の放電セル17のアドレシングに作用して,第2アドレス電極1012は,y軸方向で隣接する4個の放電セル17において,この二個の放電セル17に隣接する他側の二個の放電セル17のアドレシングに作用する。つまり,第1アドレス電極1011および第2アドレス電極1012は,y軸方向に隣接して配置される放電セル17に対して,一対ずつ交互にアドレシング作用することができる。
【0145】
図19を参照すると,第1アドレス電極1011が背面基板10側に備えられるので,突出部1011a,突出部1011aは,背面基板10側の第1放電空間18でアドレシング作用することができる。また,第2アドレス電極1012は,前面基板20側に備えられるので,突出部1012a,突出部1012aは,前面基板10側の第2放電空間28でアドレシング作用することができる。
【0146】
隣接して配置される複数の放電セル17で構成される1セットの放電セル17において,一側の放電セル17をアドレシングして他側の放電セル17をアドレシングする方法には,多様な方法がある。本実施形態では,一側の放電セル17に備えられる走査電極1032の両側に第1アドレス電極1011の一対の突出部1011aが配置され,他側の放電セル17に備えられる走査電極1032の両側に第2アドレス電極1012の一対の突出部1012aが配置される構造が例示されている。
【0147】
つまり,第1アドレス電極1011の突出部1011a,突出部1011aは,一側の放電セル17の奇数群と偶数群に対応して放電セル17の中心に突出するように形成され,第2アドレス電極1012の突出部1012a,突出部1012aは,他側の放電セル17の奇数群と偶数群に対応して放電セル17の中心に突出するように形成される。つまり,第1アドレス電極1011の突出部1011a,突出部1011aと第2アドレス電極1012の突出部1012a,突出部1012aは,y軸方向に隣接して配置される1セットの放電セル17で一対ずつ交互に配置される。ここで,1セットの放電セル17は,4個の放電セル17で構成される。
【0148】
第1アドレス電極1011の一対の突出部1011a,第2アドレス電極1012の一対の突出部1012aの各々は,放電セル17の中心に突出されるので,第1アドレス電極1011の一対の突出部1011a,第2アドレス電極1012の一対の突出部1012aは,透明電極で形成されることもでき,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012と各々同一材質で形成されることもできる。
【0149】
一方,y軸方向に隣接して配置される1セットの放電セル17において,一側の走査電極1032にスキャンパルスが印加されて第1アドレス電極1011にアドレスパルスが印加されると,1スキャンで2アドレシングを実現することができる。そして,他側の走査電極1032にスキャンパルスが印加されて第2アドレス電極1012にアドレスパルスが印加されると,1スキャンで2アドレシングを実現することができる。また,この1セットの放電セル17で2個の走査電極1032,走査電極1032に同じ電圧パルスが印加されて第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012にアドレスパルスが印加されると,1スキャンで4アドレシングを実現することができる。
【0150】
互いに隣接する4個の放電セル17を選択する4アドレシングが1スキャンによって実現されるので,アドレシング期間を短縮することができる。また,走査電極1032,走査電極1032にリセットパルスが印加されると,一側の走査電極1032を共有する2個の放電セル17と,他側の走査電極1032を共有する2個の放電セル17がリセットされてリセット期間を短縮することができる。
【0151】
このように,リセット期間およびアドレシング期間を短縮することができるので,維持放電期間を長くすることができる。また,維持期間が長くなることによって維持パルスの個数が増大され,これによって階調表現力が向上することができる。また,第1アドレス電極1011および第2アドレス電極1012の各々一対の突出部1011a,突出部1012aは,放電セル17内で走査電極1032と第1アドレス電極1011との間,走査電極1032と第2アドレス電極1012との間の放電ギャップをショートギャップで形成することができる。これによって,アドレス放電電圧を低くすることができる。従って,本実施形態によれば,PDPの動作特性を低下することなく,製造原価を増加させないで,階調表現力を向上することができる。
【0152】
図20を参照すると,維持電極1031および走査電極1032,走査電極1032は,より広い面積の対向面に対向放電を誘導するために,拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bおよび狭小部1031c,狭小部1032c,狭小部1032cを各々含む。拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bは,y軸方向(第2方向)で隣接する各々放電セル17に対応して,x軸方向に対して垂直方向(z軸方向)に拡張される。そして,狭小部1031c,狭小部1032c,狭小部1032cは,拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bより小さい幅で形成され,x軸方向(第1方向)に隣接して配置される放電セル17の境界に対応する。従って,拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032b各々は,放電セル17を間に置いて対向するように配置される。換言すれば,維持電極と走査電極は,同様な構造を有し,それぞれ放電電極になる拡張部と電圧を伝える連結線になる狭小部で構成されている。狭小部は,全て同寸でもよいが,2種以上の幅を用いても差し支えない。
【0153】
また,維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032は,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012と交差する方向,つまりx軸方向(第1方向)に沿って長く形成され,y軸方向(第2方向)で隣接する放電セル17に対応する拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bを備えることによって,維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032は,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012との関与なく円滑に交差して配置される。従って,維持電極1031および走査電極1032,走査電極1032の各々拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bおよび狭小部1031c,狭小部1032c,狭小部1032cによって,維持電極1031および走査電極1032,走査電極1032は,より広い対向面で対向放電することができるので,発光効率を向上することができる。
【0154】
また,図19を参照すると,拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bは,y軸方向(第2方向)に対して垂直方向の長さ(hv)がy軸方向(第2方向)の長さ(h)より長く形成される。拡張部1031b,拡張部1032b,拡張部1032bによって広く形成される維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032による対向放電は,強い真空紫外線を生成して,この強い真空紫外線は,広い面積にわたり蛍光体層19,蛍光体層29に衝突する。これによって,放電セル17内で発生する可視光の光量を増大することができる。
【0155】
また,背面基板10および前面基板20の垂直方向(z軸方向)で測定される第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012の各々一対の突出部1011a,突出部1012aの厚さ(t3)は,維持電極1031の厚さ(t4)および走査電極1032,走査電極1032の厚さ(t5)より薄く形成される。
【0156】
これによって,維持電極1031と走査電極1032,走査電極1032との間の維持放電が第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012の一対の突出部1011a,一対の突出部1012aによって妨害を受けないので,発光効率を向上することができる。
【0157】
図18を参照すると,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012の各々一対の突出部1011a,突出部1012aは,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012の各々に対応する放電セル17内部に突出される距離(d1)が0(零)より大きく形成されるのが好ましい(d>0)。これによって,第1アドレス電極1011,第2アドレス電極1012に各々印加されるアドレスパルスと走査電極1032および走査電極1032に印加されるスキャンパルスによって,隣接する4個の放電セル17のうち,2個ずつの放電セル17を選択することができる。
【0158】
また,第1アドレス電極1011と走査電極1032との間,第2アドレス電極1012と走査電極1032との間の対向放電のために,第1アドレス電極1011の各々突出部1011aと走査電極1032との間,第2アドレス電極1012の各々突出部1012aと走査電極1032との間の距離(d2)が0(零)より大きく形成されるのが好ましい。
【0159】
また,第1アドレス電極1011と第2アドレス電極1012の各々突出部1011a,突出部1012aがy軸(第2方向)で隣接する放電セル17の各々中心に配置されることによって,維持電極1031−走査電極1032−維持電極1031−走査電極1032−維持電極1031の配置は,y軸方向に沿って維持電極1031−第1アドレス電極1011の突出部1011a−走査電極1032−第1アドレス電極1011の突出部1011a−維持電極1031−第2アドレス電極1012の突出部1012a−走査電極1032−第2アドレス電極1012の突出部1012a−維持電極1031のような順の電極配置を形成する。つまり,本実施形態によれば,複数の放電セル17によって一個のサブピクセルが形成される。より詳細に説明すると,維持電極1031−走査電極1032−維持電極1031−走査電極1032−維持電極1031の電極配置により動作するy軸方向(第2方向)で隣接する4個の放電セル17が一個のサブピクセルを形成する。
【0160】
上記のように構成されるPDPの駆動方法は,次の通りである。つまり,アドレス期間で,所定の個数の放電セル17のうち,一側の放電セル17に共有される走査電極1032と他側の放電セル17に共有される走査電極1032にスキャンパルス(Vsc)が印加される段階と,このスキャンパルスが印加された一側の放電セル17および他側の放電セル17をアドレシングする段階とが含まれる。
【0161】
このアドレシング段階で,隣接する所定の個数の放電セル17のうち,一側の放電セル17は,第1アドレス電極1011に印加されるアドレスパルスによってアドレシングされて,他側の放電セル17は,第2アドレス電極1012に印加されるアドレスパルスによってアドレシングされることができる。本実施形態では,y軸方向(第2方向)で隣接する4個の放電セル17において,一側に位置する一対の放電セル17に対応する第1アドレス電極1011と,他側に位置する一対の放電セル17に対応する第2アドレス電極1012によって,アドレシングが行われるので,走査電極1032,走査電極1032にともにスキャンパルスが印加されると,1スキャンで4個の放電セル17をアドレシングすることもできる。従って,アドレシング期間を短縮できるので,維持放電期間を長くでき,階調表現力を向上することができる。
【0162】
このようなスキャンおよびアドレシング段階以前に進められるリセット段階では,2個の走査電極1032,走査電極1032にリセットパルスが印加される。そして,2個の走査電極1032,走査電極1032は,各々走査電極1032,走査電極1032の両側に備えられる維持電極1031と相互作用して,y軸方向(第2方向)で隣接する4個の放電セル17をともにリセットすることができる。このリセット期間に印加されるリセットパルスは,公知の波形を利用できて,維持期間に印加される維持パルス(Vs)も公知の波形を利用できる。本実施形態では,走査電極1032,走査電極1032にリセットパルスが印加されると,走査電極1032,走査電極1032を共有する4個の放電セル17をともにリセットできるので,リセット期間を短縮できるので,維持放電期間を長くでき,階調表現力を向上することができる。
【0163】
以下,第11実施形態および第12実施形態を説明する。第11実施形態および第12実施形態は,第10実施形態と比較して,その構成が概して類似もしくは同一であるため,ここでは,このような部分については,詳細な説明を省略して他の部分について説明する。
【0164】
(第11実施形態)
図21は,本発明の第11実施形態を示す。本実施形態で,第1アドレス電極1111の一対の突出部1111aおよび第2アドレス電極1112の一対の突出部1112aは,y軸方向(第2方向)で隣接する放電セル17の両側に各々交互に形成される。つまり,第1アドレス電極1111の一対の突出部1111aおよび第2アドレス電極1112の一対の突出部1112aは,y軸方向に沿って一対ずつ交互に突出するように配置される。また,この一対の突出部1111aは,放電セル17のx軸方向の一側から放電セル17の中心に向かって突出され,一対の突出部1112aは,放電セル17のx軸方向の一側の反対側から放電セル17の中心に向かって突出される。
【0165】
(第12実施形態)
図22は,本発明の第12実施形態を示す。本実施形態で背面板隔壁は,第1アドレス電極1211,第2アドレス電極1212と平行方向に形成される第1隔壁部材16aで形成されて,前面板隔壁は,第1アドレス電極1211,第2アドレス電極1212と平行方向に形成される第3隔壁部材26aで形成される。従って,第1放電空間18および第2放電空間28は,第1アドレス電極1211,第2アドレス電極1212の延長方向(y軸方向)に連続的に連結される帯状タイプで形成される。
【0166】
(第13実施形態)
図23は,本発明の第13実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。図24は,図23のPDPを結合した状態でIIXIV−IIXIV線に沿って切断した部分断面図である。
【0167】
図23を参照すると,背面基板10の前面基板20に対向する面上において,図23のy軸方向(第2方向)に沿って第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312が形成される。第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312は,x軸方向に隣接する各々放電セル17内に共有され,互いに並んで配置される。また,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312は,y軸方向に隣接する一対の放電セル17のうち,各々対応する放電セル17のアドレシングに関与することができる。このような第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312は,背面基板10側に備えられるため,放電による可視光の透過率は,低下しない。従って,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312は,優れた電気伝導性を有する金属で構成されるのが好ましい。
【0168】
第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312を覆いながら,背面基板10の前面に第1誘電層1334が形成される。このような第1誘電層1334上に表示電極1331,表示電極1332が形成される。表示電極1331,表示電極1332は,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312と交差する方向(図23のx軸方向,つまり,第1方向)に延長して形成される。本実施形態で,表示電極1331は,第1電極であり,表示電極1332は,第2電極である。
【0169】
また,表示電極1331,表示電極1332は,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312と電気的に絶縁して形成される。表示電極1331は,維持電極1331を含み,表示電極1332は,走査電極1332を含み,維持電極1331および走査電極1332は,y軸方向で隣接する各々放電セルの両側で帯状形状に形成される。
【0170】
本実施形態で,維持電極1331および走査電極1332の各々は,図23のy軸方向に隣接する放電セル17に共有されて,このy軸方向に隣接する放電セル17の維持放電に関与することができる。維持電極1331および走査電極1332は,背面基板10側から前面基板20側に向かって,所定の厚さを有するように形成される。
【0171】
一方,本実施形態では,放電に関与する第1アドレス電極1311,第2アドレス電極1312,表示電極1331(維持電極1331),表示電極1332(走査電極1332)が全て背面基板10側に形成される。つまり,アドレス放電に関与する電極が互いに異なる基板に形成される従来のPDPより,本実施形態は,アドレス放電の経路を減らすことができて,アドレス放電に必要な電圧を低減させることができる。また,可視光透過が電極によって妨害されないので,可視光透過率が向上して,放電に関与する電極が電気伝導性に優れた金属で形成されることができる。
【0172】
維持電極1331および走査電極1332の少なくとも一つは,各々の対応する放電セル17において,前面基板20から背面基板10に向かって,背面基板10側の部分のy軸方向(第2方向)の長さが放電セル17の内部を向かってさらに大きく突出される。従って,維持電極1331および走査電極1332の少なくとも一つにおけるy軸方向の長さは,前面基板20から背面基板10に向かって,前面基板20側より背面基板10側で,さらに大きく形成される。
【0173】
この時,維持電極1331および走査電極1332の少なくとも一つにおけるy軸方向の長さは,前面基板20から背面基板10に向かって,背面基板10側で,段階的に大きくなることができる。従って,維持電極1331および走査電極1332は,前面基板20側の部分から背面基板10側の部分に向かって長さが段階的に大きくなる階段形状に形成されることができる。
【0174】
維持電極1331および走査電極1332の間の放電ギャップは,背面基板10側の部分で,ショートギャップG1で形成されて,前面基板20側の部分で,ロングギャップG2で形成される(図24参照)。従って,背面基板10側の部分のショートギャップG1で放電が開始されて,前面基板20側の部分のロングギャップG2で放電が拡散する。
【0175】
つまり,背面基板10側の部分でのショートギャップG1で放電が開始されるため,放電開始電圧を低くすることができる。そして,主放電は,前面基板20側の部分で起こるため,放電の効率を向上することができる。また,電極に流れる電流の量は,電極の面積が大きくなるほど多くなる。従って,前面基板20側の部分に形成される電極は,放電の開始に関与しないため,前面基板20側の部分に形成される電極の面積を減らすことによって放電電流の量を制限することができる。
【0176】
図24では,維持電極1331および走査電極1332が,三層の階段形状を有するものとして示されているが,本発明の実施形態は,これに限定されず,上記階段形状をなす層数が少なくとも2層以上であれば十分である。また,維持電極1331および走査電極1332の階段形状をなす層数が互いに異なることも可能であって,これも本発明の範囲に属する。
【0177】
このような形状を有する維持電極1331および走査電極1332は,印刷法などの方法によって容易に形成されることができる。
【0178】
維持電極1331および走査電極1332各々を覆いながら,第2誘電層1335が形成される。再び図23を参照すれば,本実施形態で第2誘電層1335は,第1誘電層部1335aおよび第2誘電層部1335bを含む。第1誘電層部1335aは,維持電極1331および走査電極1332の各々を覆いながら,図23のx軸方向(第1方向)に沿って形成される。第2誘電層部1335bは,第1誘電層部1335aと交差する方向(図23のy軸方向,つまり,第2方向)に各放電セル17の周縁に沿って形成される。
【0179】
第2誘電層1335は,維持電極1331および走査電極1332を絶縁構造に形成する。第2誘電層1335上には,放電による壁電荷が積まれることができる。また,第2誘電層1335の第2誘電層部1335bは,第1放電空間18を独立的な空間に分離させる役割を果たすことができる。
【0180】
第1誘電層1334および第2誘電層1335の上面を覆いながら,背面基板10の前面基板20に対向する面上に,保護膜36(MgO)が形成される。
【0181】
本実施形態では,アドレス放電に関与する電極が背面基板10に形成されて,蛍光体層29が前面基板20側に形成される。これによって,赤色,緑色および青色を実現する放電セル17でアドレス放電の放電開始電圧が均一になる。つまり,従来は,アドレス放電を起こす電極の間に蛍光体層が位置して,赤色,緑色および青色蛍光体層の誘電率が互いに異なるため,アドレス放電の放電開始電圧が色相によって互いに異なる問題があった。本実施形態のPDPでは,このような問題を防止することができる。
【0182】
図25を参照して,本実施形態の第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312をより詳細に説明する。図25は,本発明の第13実施形態のPDPを示した部分平面図である。
【0183】
上述したように,第1アドレス電極1311と第2アドレス電極1312は,図25のy軸方向(第2方向)に隣接する一対の放電セル17に対して,交互にアドレシングすることができる。
【0184】
このために,上記一対の放電セル17のうち,一側の放電セル17では,この一側の放電セル17に対応する第1アドレス電極1311の面積が,第2アドレス電極1312の面積よりさらに大きく形成される。そして,他側の放電セル17では,この他側の放電セル17に対応する第2アドレス電極1312の面積が,第1アドレス電極1311の面積よりさらに大きく形成される。アドレシングに関与する電極の面積が大きくなるほど,アドレシングに必要な電圧が小さくなるため,各々放電セル17でさらに大きい面積を有する第1アドレス電極1311,第2アドレス電極1312が当該放電セル17のアドレス放電に関与することができる。
【0185】
第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312各々は,第1部分1311a,第1部分1312aおよび第2部分1311b,第2部分1312bを含む。従って,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312各々の面積の差が,第1部分1311aと第2部分1312bとの面積の差,第1部分1312aと第2部分1311bとの面積の差に相当する。
【0186】
第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の第1部分1311a,第1部分1312aは,各々対応する放電セル17において,維持電極1331と走査電極1332との間の空間に対応しながら放電セル17の内部に向かって突出される。第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の第2部分1311b,第2部分1312bは,第1部分1311a,第1部分1312aを図25のy軸方向(第2方向)に沿って連結する部分である。
【0187】
そして,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の第1部分1311a,第1部分1312aは,図25のy軸方向(第2方向)に隣接する一対の放電セル17において,走査電極1332または維持電極1331を基準に対称されながら互いに交互で配置される。第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の第1部分1311a,第1部分1312aのy軸方向の周縁は,対応する各々の放電セル17のy軸方向の周縁と均一な距離(t8,t9)をおいて平行に形成される。そして,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の第1部分1311a,第1部分1312aの各々は,互いに反対側から突出されることができる。つまり,第1アドレス電極1311の第1部分1311aが,対応する放電セル17における第1アドレス電極1311のy軸方向の一側から突出され,第2アドレス電極1312の第1部分1312aが,対応する他の放電セル17におけるy軸方向の一側に対向する第2アドレス電極1312の他側から突出される。そして,第1アドレス電極1311の第1部分1311aおよび第2アドレス電極1312の第1部分1312aは,y軸方向で隣接する各々放電セル17に対応して,互いに交互に形成される。
【0188】
そのために,走査電極1332にスキャンパルスが印加され,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312にアドレスパルスが印加されると,走査電極1332を共有するy軸方向(第2方向)で隣接する一対の放電セル17をアドレシングすることができる。つまり,走査電極1332を共有する一対の放電セル17が一回のスキャンでアドレシングできるので,アドレシング期間を短縮することができる。同様に,走査電極1332にリセットパルスが印加されると,走査電極1332を共有する一対の放電セル17が一個のリセットパルスによってリセットされるため,リセット期間を短縮することができる。
【0189】
このように,リセット期間およびアドレス期間が短縮して維持期間を長くすることができる。そして,維持期間が長くなることによって,階調表現力が向上して全体輝度を増加することができる。
【0190】
また,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312の各々第1部分1311a,第1部分1312aを各々対応する放電セル17の内部に向かって,当該放電セル17のy軸方向(第2方向)の周縁から交互に突出して形成する。よって,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312に流れる電流を互いに反対方向に進行することができるようになるので,電磁波障害(EMI)を低減させることができる。
【0191】
(第14実施形態)
図26は,本発明の第14実施形態に係るPDPを示した部分断面図である。図26を参照すれば,維持電極1431および走査電極1432は,その間に空間をおいて互いに対向して形成される。また,維持電極1431および走査電極1432各々の第2方向(図26のy軸方向)の長さは,前面基板20から背面基板10に向かって,背面基板10側で,漸進的に大きくなることができる。
【0192】
つまり,本実施形態では,維持電極1431と走査電極1432との間の放電ギャップが背面基板10側の部分から前面基板20側の部分に向かって漸進的に増加することができる。従って,背面基板10側の部分のショートギャップで開始された放電が前面基板20側の部分のロングギャップに容易に拡散することができる。従って,ショートギャップ放電によって放電開始電圧が低くなり,ロングギャップ放電によって放電効率が向上して,放電安定性を確保することができる。
【0193】
第2誘電層1435は,維持電極1431および走査電極1432を覆いながら形成される第1誘電層部1435aと,第1誘電層部1435aと交差する方向に形成される第2誘電層部1435bを含む。この時,各々放電セル17内で互いに対向する第1誘電層部1435aの対向面は,維持電極1431および走査電極1432の形状に対応して形成される。つまり,前面基板20側の部分から背面基板10側の部分に向かって,第1誘電層部1435aは,放電セル17内部に向かって漸進的に突出されることができる。
【0194】
(第15実施形態)
図27は,本発明の第15実施形態に係るPDPを示した部分断面図である。本実施形態で,維持電極1331および走査電極1332は,前面基板20から背面基板10に向かいながら段階的に放電セル17内部に向かって大きく突出される。そして,維持電極1331および走査電極1332を絶縁構造で形成する第2誘電層1535が形成される。第2誘電層1535は,階段形状で形成される維持電極1331および走査電極1332を覆いながら形成される第1誘電層部1535aと,第1誘電層部1535aと交差する方向に沿って形成される第2誘電層部1535bを含む。
【0195】
図27を参照すると,本実施形態で,第2誘電層1535の第1誘電層部1535aは,前面基板20から背面基板10に向かいながら,放電セル17の内部に向かって漸進的に突出される。
【0196】
(第16実施形態)
図28は,本発明の第16実施形態に係るPDPを示した部分平面図である。図28を参照すると,本実施形態で,第1アドレス電極1611および第2アドレス電極1612の各々は,第1部分1611a,第1部分1612aが各々対応する放電セル17の中心に位置するように,第2部分1611b,第2部分1612bを対応する放電セル17に向かって傾けて形成する。このような構造を有することによって,走査電極1332と第1アドレス電極1611,走査電極1332と第2アドレス電極1612との間の放電に関与する部分の対向面積が最大化されて,アドレス放電の放電開始電圧を低くすることができる。
【0197】
本発明の第14実施形態〜第16実施形態に係るPDPの駆動方法は,第13実施形態に係るPDPの駆動方法と類似している。従って,本発明の第13実施形態に係るPDPの駆動方法を中心に,第13実施形態〜第16実施形態のPDPの駆動方法について説明する。
【0198】
つまり,アドレス期間には,y軸方向(第2方向)で隣接する一側の放電セル17および他側の放電セル17に共有される走査電極1332にスキャンパルスを印加する段階と,このスキャンパルスが印加された放電セル17をアドレシングする段階とが含まれる。
【0199】
このアドレシング段階で,y軸方向(第2方向)で隣接する二個の放電セル17のうち,一側の放電セル17は,第1アドレス電極1311に印加されるアドレスパルスによってアドレシングされて,他側の放電セル17は,第2アドレス電極1312に印加されるアドレスパルスによってアドレシングされる。従って,本実施形態では,y軸方向(第2方向)で隣接する二個の放電セル17に共有される走査電極1332にスキャンパルスが印加され,第1アドレス電極1311および第2アドレス電極1312にアドレスパルスが印加されると,1スキャンでy軸方向(第2方向)で隣接する二個の放電セル17をアドレシングすることができる。よって,アドレシング期間を短縮することができ,維持放電期間を長くすることができるので,階調表現力を向上することができる。
【0200】
このようなスキャンおよびアドレシング段階以前のリセット段階では,y軸方向(第2方向)で隣接する一対の放電セル17をともにリセットすることができる。つまり,一個の走査電極1332にリセットパルスを印加することによって,走査電極1332とこの走査電極1332の両側に備えられる維持電極1331が相互作用し,これによって二個の放電セル17をともにリセットすることができる。従って,本実施形態では,y軸方向(第2方向)で隣接する二個の放電セル17に共有される走査電極1332にリセットパルスが印加されると,y軸方向(第2方向)で隣接する二個の放電セル17をともにリセットすることができる。よって,リセット期間を短縮することができ,維持放電期間を長くすることができるので,階調表現力を向上することができる。
【0201】
このリセット期間に印加されるリセットパルスは,公知の波形を利用することができ,維持放電期間に印加される維持パルスも公知の波形が利用できる。
【0202】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明の第1実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るPDPで,電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。
【図3】図1に示されたPDPを結合して,III−III線に沿って切断した状態の部分断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るPDPで,電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るPDPの第1アドレス電極および第2アドレス電極と各ドライバーとの第1接続関係を示した概略図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るPDPの第1駆動方法の駆動波形図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係るPDPの第1アドレス電極および第2アドレス電極とドライバーとの第2接続関係を示した概略図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係るPDPの第2駆動方法の駆動波形図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図12】本発明の第5実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図13】本発明の第6実施形態に係るPDPで電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係るPDPの部分平面図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るPDPの部分平面図である。
【図16】本発明の第9実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。
【図18】本発明の第10実施形態に係るPDPで,電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。
【図19】図17に示されたPDPを結合した状態のXIX−XIX線による部分断面図である。
【図20】本発明の第10実施形態に係るPDPで,電極の構造を概略的に示した部分斜視図である。
【図21】本発明の第11実施形態に係るPDPで,電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。
【図22】本発明の第12実施形態に係るPDPの部分断面図である。
【図23】本発明の第13実施形態に係るPDPを示した部分分解斜視図である。
【図24】図23のPDPを結合した状態でIIXIV−IIXIV線に沿って切断した部分断面図である。
【図25】本発明の第13実施形態に係るPDPを概略的に示した部分平面図である。
【図26】本発明の第14実施形態に係るPDPを示した部分断面図である。
【図27】本発明の第15実施形態に係るPDPを示した部分断面図である。
【図28】本発明の第16実施形態に係るPDPを示した部分平面図である。
【符号の説明】
【0204】
10 背面基板
11 第1アドレス電極
11a,12a 突出部
11b 第1アドレス電極ドライバー
12b 第2アドレス電極ドライバー
12 第2アドレス電極
13 アドレス電極ドライバー
14 スイッチ
16 背面板隔壁
16a 第1隔壁部材
16b 第2隔壁部材
26a 第3隔壁部材
26b 第4隔壁部材
17 放電セル
18 第1放電空間
19,29 蛍光体層
20 前面基板
26 前面板隔壁
28 第2放電空間
31 維持電極
31a,32a 拡張部
32 走査電極
34,35 誘電層
36 保護膜
211,311,411,511,711,811 第1アドレス電極
212,312,412,512,712,812 第2アドレス電極
211a,212a 突出部
311a,312a,411a,412a,511a,512a 突出部
711a,712a,811a,812a 突出部
631 維持電極
632 走査電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔をおいて対向配置され,前記所定の間隔の空間に複数に区画される放電セルが備えられる第1基板および第2基板と;
前記放電セルの内部に形成される蛍光体層と;
前記第1基板と前記第2基板の間で,第1方向に沿って延長して形成され,前記第1方向と交差する第2方向に隣接して配置される前記放電セルの境界に交互に平行して配置される第1電極および第2電極と;
前記第1基板と前記第2基板の間で,前記第1方向に隣接する前記放電セルの境界において前記第2方向に沿って延長して形成され,前記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極と;
を備え,
前記第1電極および前記第2電極は,前記第1基板側から前記第2基板側に向かって,所定の厚さを有するように各々形成され,
各々の前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極は,前記第2方向に隣接して配置される各々の前記放電セルの中心に向かって交互に突出する突出部を各々含むことを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第1基板の前記第2基板に対向する面上に,複数の第1放電空間を区画する第1隔壁層と;
前記第2基板の前記第1基板に対向する面上に,前記第1放電空間に対向する複数の第2放電空間を区画する第2隔壁層と;
を含み,
各々の前記放電セルは,対向する一対の前記第1放電空間および前記第2放電空間によって構成されることを特徴とする,請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第1隔壁層によって区画される前記第1放電空間より,前記第2隔壁層によって区画される前記第2放電空間の方が,大きい容積に区画されることを特徴とする,請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第1隔壁層は,前記第1方向に隣接する前記放電セルの境界で前記第2方向に沿って形成される第1隔壁部材と,前記第2方向に隣接する前記放電セルの境界で前記第1方向に沿って前記第1隔壁部材と交差して形成される第2隔壁部材とを含み,
前記第2隔壁層は,前記第1方向に隣接する前記放電セルの境界で前記第2方向に沿って形成される第3隔壁部材と,前記第2方向に隣接する前記放電セルの境界で前記第1方向に沿って前記第3隔壁部材と交差して形成される第4隔壁部材とを含むことを特徴とする,請求項2または3に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1電極,前記第2電極,前記第1アドレス電極,および前記第2アドレス電極は,前記第1隔壁層と前記第2隔壁層との間に位置することを特徴とする,請求項2〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の外面に誘電層が備えられることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極は,前記第1基板と前記第1電極および前記第2電極との間,または前記第2基板と前記第1電極および前記第2電極との間のいずれかに配置されることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項8】
前記第1アドレス電極は,前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向において,前記第2アドレス電極に対して前記第1基板側に備えられ,前記第2アドレス電極は,前記第1アドレス電極に対して前記第1電極および前記第2電極側に備えられることを特徴とする,請求項1〜7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第1アドレス電極の前記突出部に形成される前記誘電層において,前記第1アドレス電極の前記突出部の上面からの厚さは,前記第2アドレス電極の前記突出部に形成される前記誘電層において,前記第2アドレス電極の前記突出部の上面からの厚さより,厚く形成されることを特徴とする,請求項6〜8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項10】
前記誘電層の外面には,保護膜をさらに備えることを特徴とする,請求項6〜9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項11】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極は,金属で形成されることを特徴とする,請求項1〜10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項12】
前記第1電極および前記第2電極は,金属で形成されることを特徴とする,請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項13】
前記第1電極および前記第2電極の外面に誘電層が備えられることを特徴とする,請求項1〜12のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項14】
前記誘電層の外面に保護膜が備えられることを特徴とする,請求項13に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の各々前記突出部に形成される前記保護膜と前記第2電極の前記保護膜との間の平均距離は,前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の各々前記突出部に形成される前記保護膜と前記第1電極の前記保護膜との間の平均距離より短く形成されることを特徴とする,請求項14に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項16】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の各々前記突出部の外面に形成される前記誘電層は,前記第2電極の外面に形成される前記誘電層と直接連結されることを特徴とする,請求項13〜15のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項17】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の各々前記突出部は,前記第1電極と前記第2電極との間に複数に備えられることを特徴とする,請求項1〜16のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項18】
前記第1アドレス電極の前記突出部は,前記第1基板側に備えられ,
前記第2アドレス電極の前記突出部は,前記第1電極および前記第2電極側に備えられ,
前記第1基板側に備えられる前記第1アドレス電極の前記突出部の個数と,前記第1電極および前記第2電極側に備えられる前記第2アドレス電極の前記突出部の個数が互いに異なることを特徴とする,請求項1〜17のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項19】
前記第1アドレス電極の前記突出部および前記第2アドレス電極の前記突出部の各々は,各々対応する前記放電セルにおいて,2個ずつ形成されることを特徴とする,請求項1〜17のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項20】
前記第2方向に互いに隣接する第1放電セルおよび第2放電セルにおいて,
前記第1アドレス電極の前記突出部は,前記第1放電セルの前記第1電極側と第2電極側に各々一個ずつ備えられ,前記第2放電セルの前記第1電極側に一個備えられ,
前記第2アドレス電極の前記突出部は,前記第2放電セルの前記第2電極側に一個だけ備えられることを特徴とする,請求項1〜18のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項21】
前記第1電極および前記第2電極の各々において,前記第2方向に対して垂直方向の長さが,前記第2方向の長さより長く形成されることを特徴とする,請求項1〜20のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項22】
各々の前記第1電極は,前記第2方向に対して垂直方向を基準に対称に形成されることを特徴とする,請求項1〜21のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項23】
各々の前記第2電極は,前記第2方向に対して垂直方向を基準に対称に形成されることを特徴とする,請求項1〜22のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項24】
前記蛍光体層は,前記放電セルの前記第1基板側に形成される第1蛍光体層と,前記放電セルの前記第2基板側に形成される第2蛍光体層とを含むことを特徴とする,請求項1〜23のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項25】
前記第1蛍光体層は,反射型蛍光体で形成されて,前記第2蛍光体層は,透過型蛍光体で形成されることを特徴とする,請求項24に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項26】
前記第1蛍光体層の厚さは,前記第2蛍光体層の厚さより厚く形成されることを特徴とする,請求項24または25に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項27】
前記第1電極および前記第2電極は,前記第1方向に対して垂直方向に延長される拡張部を各々備えることを特徴とする,請求項1〜26のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項28】
前記第1アドレス電極の前記突出部および前記第2アドレス電極の前記突出部は,前記第1方向で隣接する前記放電セルの境界の両側で,各々前記放電セルの中心に向かって交互に突出して形成されることを特徴とする,請求項1〜27のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項29】
前記第1電極の前記拡張部および前記第2電極の前記拡張部において,前記第2方向に対して垂直方向の長さが,前記第2方向の長さより長く形成されることを特徴とする,請求項27または28に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項30】
前記第1基板の前記第2基板に対向する面上に,複数の放電空間を区画する第1隔壁層と;
前記第2基板の前記第1基板に対向する面上に,前記放電空間に対向する複数の放電空間を区画する第2隔壁層と;
を含み,
前記第1隔壁層は,前記第2方向に延長して形成される第1隔壁部材を含み,前記第2隔壁層は,前記第2方向に延長して形成される第3隔壁部材を含むことを特徴とする,請求項1〜29のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項31】
所定の間隔をおいて対向するように配置され,前記所定の間隔の空間で複数に区画される放電セルが備えられる第1基板および第2基板と;
前記放電セルの内部に形成される蛍光体層と;
前記第1基板と前記第2基板の間で,第1方向に沿って延長して形成され,前記第1方向と交差する第2方向に隣接して配置される前記放電セルの境界に交互に平行して配置される第1電極および第2電極と;
前記第1基板と前記第2基板の間で,前記第1方向に隣接する前記放電セルの境界において前記第2方向に沿って延長して形成され,前記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極と;
を含み,
前記第1電極および前記第2電極は,前記第1基板側から前記第2基板側に向かって,所定の厚さを有するように各々形成され,
前記第2方向に隣接して配列される複数の前記放電セルにおいて,前記第1アドレス電極は,一側に配置される一対の前記放電セルに具備される各々前記第1電極と前記第2電極との間に突出して形成される一対の突出部を含み,前記第2アドレス電極は,他側に配置される一対の前記放電セルに具備される各々前記第1電極と前記第2電極との間に突出して形成される一対の突出部を含むことを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項32】
前記第1電極および前記第2電極を間に置いて,前記第1アドレス電極は,前記第1基板側に配置され,前記第2アドレス電極は,前記第2基板側に配置されることを特徴とする,請求項31に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項33】
前記第1電極および前記第2電極は,前記第2方向で隣接する各々前記放電セルに対応して,前記第1方向に対して垂直方向に延長される拡張部と,前記第1方向に隣接して配置される前記放電セルの境界に対応して,前記拡張部より狭い幅を有し,各々前記拡張部を連結する狭小部とを含むことを特徴とする,請求項31または32に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項34】
前記第1アドレス電極の一対の前記突出部および前記第2アドレス電極の一対の前記突出部は,前記第1方向で隣接する前記放電セルの境界の同一側から,各々対応する前記放電セルの中心に向かって突出されることを特徴とする,請求項31〜33のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項35】
前記第1アドレス電極の一対の前記突出部は,前記第1方向で隣接する前記放電セルの境界の一側から,各々対応する前記放電セルの中心に向かって突出され,前記第2アドレス電極の一対の前記突出部は,前記第1方向で隣接する前記放電セルの前記一側の反対側から,各々対応する前記放電セルの中心に向かって突出されることを特徴とする,請求項31〜33のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項36】
複数の前記放電セルによって一個のサブピクセルが形成されることを特徴とする,請求項31〜35のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項37】
前記第1電極,前記第2電極,前記第1電極,前記第2電極,前記第1電極の順の電極配置により動作する,隣接する4個の前記放電セルが一個のサブピクセルを形成することを特徴とする,請求項36に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項38】
前記第2方向に隣接する4個の前記放電セルにおいて,一側の前記第2電極は,隣接する二つの前記放電セルにおける前記第1アドレス電極の一対の前記突出部の間に対応配置され,他側の前記第2電極は,隣接する他の二つの前記放電セルにおける前記第2アドレス電極の一対の前記突出部の間に対応配置され,
前記第1電極は,前記第1アドレス電極の前記突出部と,前記第1アドレス電極の前記突出部に隣接する前記第2アドレス電極の前記突出部との間に対応して配置されることを特徴とする,請求項37に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項39】
所定の間隔をおいて,対向して配置される第1基板および第2基板と;
前記第1基板と前記第2基板との間の空間で,複数の放電セルを区画する隔壁と;
各々の前記放電セル内部の前記第2基板側に形成される蛍光体層と;
前記第1基板と前記第2基板との間で第1方向に沿って延長して形成され,各々が前記第1方向と交差する第2方向に隣接する一対の前記放電セルに共有される第1電極および第2電極と;
前記第1基板上で前記第2方向に沿って延長して形成され,前記第1方向に隣接する各々の前記放電セルに共有されて互いに並んで配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極と;
を含み,
前記第1電極および前記第2電極は,前記第1基板側から前記第2基板側に向かって,所定の厚さを有するように各々形成され,前記第2方向に隣接する各々の前記放電セルを間において対向して配置されることを特徴とする,プラズマディスプレイパネル。
【請求項40】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極の各々は,前記第2方向に隣接して各々に対応する前記放電セルの内部に向かって突出する第1部分と,前記第1部分を前記第2方向に連結する第2部分とを含むことを特徴とする,請求項39に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項41】
前記第1アドレス電極の前記第1部分および前記第2アドレス電極の前記第1部分は,前記第2方向に隣接する前記放電セルに対応して,互いに交互に配置され,
前記第1アドレス電極の前記第1部分は,前記第1アドレス電極の一側から突出するように形成され,前記第2アドレス電極の前記第1部分は,前記一側に対向する前記第2アドレス電極の他側から突出するように形成されることを特徴とする,請求項40に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項42】
前記第1アドレス電極の前記第1部分と前記第2アドレス電極の前記第1部分とは,前記第1電極または前記第2電極を基準に対称配置されることを特徴とする,請求項40または41に記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項43】
前記第2電極は,アドレス期間の間に順次にスキャンパルスが印加されてアドレス放電に関与し,前記第1電極は,前記第2電極と共に維持期間の間に維持電圧が印加されて維持放電に関与し,
前記第2電極を共有しながら前記第2方向に隣接する一対の前記放電セルのうち,一側の前記放電セルでは,前記一側の放電セルに対応する前記第1アドレス電極の面積が,前記第2アドレス電極の面積より大きく形成され,他側の前記放電セルでは,前記他側の放電セルに対応する第2アドレス電極の面積が,前記第1アドレス電極の面積より大きく形成されることを特徴とする,請求項39〜42のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項44】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極それぞれの前記第2方向の周縁が,前記放電セルの前記第2方向の周縁と平行であることを特徴とする,請求項39〜43のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項45】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極それぞれの前記第2方向の周縁は,各々前記第1部分を各々対応する前記放電セルの中心に位置させるために,傾いて形成されることを特徴とする,請求項40〜43のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項46】
前記第1電極および前記第2電極のうち,少なくとも一つは,各々対応する前記放電セルにおいて,前記第2基板から前記第1基板に向かって,前記第1基板側の部分が各々前記放電セルの内部に向かって大きく突出されることを特徴とする,請求項39〜45のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項47】
前記第1電極および前記第2電極のうち,少なくとも一つは,各々対応する前記放電セルにおいて,前記第2基板から前記第1基板に向かって,前記第1基板側の部分の前記第2方向の長さが大きくなるように,階段形状で形成されることを特徴とする,請求項39〜46のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項48】
前記第1電極および前記第2電極のうち,少なくとも一つは,各々対応する前記放電セルにおいて,前記第2基板から前記第1基板に向かって,前記第1基板側の部分の前記第2方向の長さが漸進的に大きくなるように形成されることを特徴とする,請求項39〜46のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項49】
前記第1電極および前記第2電極の外面に誘電層が形成され,
前記誘電層は,前記第1電極および前記第2電極の各々を覆いながら,前記第1電極および前記第2電極と並んだ方向に形成される第1誘電層部と,前記第1電極および前記第2電極と交差する方向に,各々前記放電セルの周縁に沿って形成される第2誘電層部とを含むことを特徴とする,請求項39〜48のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
【請求項50】
所定の間隔をおいて対向する第1基板と第2基板との間で,第1方向に延長して形成されて,前記第1方向と交差する第2方向に隣接する放電セルに共有されながら交互に配列される第1電極および第2電極と,
前記第2方向に延長して形成されて,前記第2方向に対して垂直方向に所定の間隔をおいて配置される第1アドレス電極および第2アドレス電極と,
を含むプラズマディスプレイパネルの駆動方法において:
アドレシング期間で,前記第2方向に隣接する第1放電セルと第2放電セルに共有される前記第2電極にスキャンパルスを印加する段階と;
前記スキャンパルスが印加される前記第1放電セルと前記第2放電セルをアドレシングするアドレシング段階と;
を含むことを特徴とする,プラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項51】
前記アドレシング段階は,前記第1放電セルを前記第1アドレス電極でアドレシングすることを特徴とする,請求項50に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項52】
前記アドレシング段階は,前記第2放電セルを前記第2アドレス電極でアドレシングすることを特徴とする,請求項50または51に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項53】
前記アドレシング段階は,前記第1放電セルを前記第1アドレス電極でアドレシングし,
前記第2放電セルを前記第2アドレス電極でアドレシングして,
前記第1アドレス電極と前記第2アドレス電極による各々のアドレシングをともに実現することを特徴とする,請求項50〜52のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項54】
前記第1アドレス電極には,第1アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加され,前記第2アドレス電極には,第2アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加されることを特徴とする,請求項50〜53のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項55】
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極のうち,前記第2電極との距離が短い一側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値は,前記第2電極との距離が前記一側のアドレス電極と前記第2電極との距離より長い他側のアドレス電極に印加されるアドレスパルス値以下であることを特徴とする,請求項50〜54のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項56】
前記第2アドレス電極に印加される前記アドレスパルス値は,前記第1アドレス電極に印加される前記アドレスパルス値以下であることを特徴とする,請求項55に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項57】
前記アドレシング段階は,前記第1放電セルを前記第1アドレス電極でアドレシングし,
前記第2放電セルを前記第2アドレス電極でアドレシングして,
前記第1アドレス電極および前記第2アドレス電極による各々の前記放電セルのアドレシングが順次に実現されることを特徴とする,請求項50〜52のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項58】
前記アドレシング段階は,前記第1放電セルおよび前記第2放電セルのうち,前記第2電極とアドレス電極との距離が長い一側の前記放電セルのアドレシングを先に,他側の前記放電セルのアドレシングを後で実現することを特徴とする,請求項57に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項59】
前記アドレシング段階は,前記第1アドレス電極が備えられる前記第1放電セルのアドレシングを先に,
前記第2アドレス電極が備えられる前記第2放電セルのアドレシングを後で実現することを特徴とする,請求項57または58に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
【請求項60】
前記第1アドレス電極には,アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加され,その後,前記第2アドレス電極に前記アドレス電極ドライバーからアドレスパルスが印加されることを特徴とする,請求項57〜59のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2006−202763(P2006−202763A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13023(P2006−13023)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】