説明

プラズマディスプレイ装置

【課題】映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に行い、快適な視聴環境を実現することが可能なプラズマディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイパネル6と、スピーカ8と、視聴者を撮像するカメラ13を有するリモコン12と、視聴者が映像と音声の調整をした際に、カメラ13から入力された画像データと視聴者の設定した映像と音声の調整データを保持する記憶部11と、視聴者がチャンネルを切り替えた際に、カメラ13から入力された画像データと記憶部11に保持している画像データを照合し、画像データが一致した場合は、人物情報データを出力する人物認識部10と、人物認識部10から入力した人物情報データをもとに、記憶部11から映像と音声の調整データを取得するシステム制御部9と、映像を制御する映像処理部5と、音声を制御する音声処理部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置に関し、特に、視聴者の好みに応じた映像と音声との調整に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置は、予め視聴者が設定した映像と音声の調整値に基づき、映像と音声を再生している。ここで、視聴者が映像や音声の調整値を変更する場合、視聴者に手間をかけることとなる。そこで従来、プラズマディスプレイ装置にカメラを取り付け、予めカメラで撮影した視聴者の画像データと視聴者の設定した色温度データを関連付けてメモリに保存しておき、プラズマディスプレイ装置で視聴者が映像を出力している際に、カメラで視聴者の画像データを取得した上で、予め取得している画像データと照合し、画像データが一致した場合は、関連付けられている色温度データを設定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−174229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、視聴者が好む視聴環境を提供するためには、映像の調整では、色温度だけでなく、ガンマ、コントラスト、明るさ、色合い、シャープネスの調整も必要であり、さらに映像の調整だけでなく、音声のバス、トレブル、バランス、音量の調整も必要である。
【0004】
また、予め視聴者の顔をカメラで撮影し画像データを保存する作業が、視聴者には手間であり、一度保存した後も画像データの更新をしなければ、年が経つにつれ、人の顔が変化することから、画像データが一致する精度が悪くなる。
【0005】
さらに、顔を認識するためには、人の顔を真正面から捉えた画像データが必要であるが、プラズマディスプレイ装置のような大画面で視野角の広い表示装置では、装置側にカメラが付いていると、視聴者が常に装置の正面付近にいるとは限らず、顔を認識することが困難という課題を有していた。
【0006】
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、視聴者の手間をかけずに顔の画像データを取得し、視聴位置に囚われずに顔認識ができるようにすることにより、映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に行うことを可能とし、もって快適な視聴環境を実現することが可能なプラズマディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を実現するために本発明のプラズマディスプレイ装置は、放送電波を受信し放送番組の映像と音声を再生するプラズマディスプレイ装置において、前記映像を出力するプラズマディスプレイパネルと、前記音声を出力するスピーカと、前記映像の調整データと前記音声の調整データを変更することができ、かつ視聴者を撮像するカメラを有するリモコンと、視聴者が前記リモコンを用いて前記映像と前記音声の調整をした際に、前記カメラから入力された画像データと視聴者の設定した前記映像と前記音声の調整データを保持する記憶部と、視聴者が前記リモコンを用いて、チャンネルを切り替えた際に、前記カメラから入力された画像データと前記記憶部に保持している画像データの照合をし、画像データが一致した場合は、人物情報データを出力する人物認識部と、前記人物認識部から入力した前記人物情報データをもとに、前記記憶部から前記映像と前記音声の調整データを取得するシステム制御部と、前記システム制御部から取得した前記映像の調整データをもとに前記映像を制御する映像処理部と、前記システム制御部から取得した前記音声の調整データをもとに、前記音声を制御する音声処理部と、を備えたものである。
【0008】
以上により、視聴者の手間をかけずに顔の画像データを取得し、視聴位置に囚われずに顔認識ができることにより、映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に切り替えることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、視聴者の手間をかけずに顔の画像データを取得し、視聴位置に囚われずに顔認識ができることにより、映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に行うことが可能となり、快適な視聴環境を実現することが可能なプラズマディスプレイ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示すブロック図である。アンテナ2により受信した放送電波はチューナ3に伝送される。チューナ3から送信される映像音声信号を信号分離部4で受信し、信号分離部4では映像信号と音声信号に分離して送信する。リモコン12はプラズマディスプレイ装置1を遠隔操作し、リモコン12にはカメラ13が取り付けられている。
【0012】
視聴者がリモコン12を操作し、映像又は音声の調整時に調整データを記憶部11に送信するとともに、カメラ13で視聴者の顔の画像データを取得し、画像データを記憶部11に送信する。記憶部11は、画像データと映像又は音声の調整データを関連付けて保存する。
【0013】
次に視聴者がリモコン12を操作し、チャンネルを切り替える際に、カメラ13で視聴者の顔の画像データを取得し、人物認識部10に画像データを送信する。人物認識部10は、カメラ13から受信した画像データと記憶部11に映像と音声の調整データと関連付けられている画像データを比較し、同一データであると判断した場合、関連付けられている映像と音声の調整データをシステム制御部9に送信する。信号分離部4から送信される映像信号は映像処理部5で受信し、システム制御部9から受信した映像調整データをもとに映像信号を加工し、プラズマディスプレイパネル6に送信する。プラズマディスプレイパネル6は、映像処理部5より受信した信号を表示する。信号分離部4から送信される音声信号は信号処理部7で受信し、システム制御部9から受信した音声調整データをもとに音声信号を加工し、スピーカ8に送信する。スピーカ8は、音声処理部7より受信した信号を出力する。
【0014】
図2は、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置におけるカメラ21付きのリモコン20の外観を概略的且つ模式的に示す図である。操作者27は、調整画面キー22を押下することで調整画面を表示し、上下左右カーソルキー23を押下することで映像と音声の調整画面上で映像と音声を調整することができ、音量調整キー25を押下することで音量を調整することができる。映像又は音声の調整データ変更時に、カメラ21によって操作者27の顔を撮像し、映像と音声の調整データと操作者27の顔の画像データをプラズマディスプレイ装置1に送信する。また、操作者27が、チャンネルアップダウンキー24又はチャンネルダイレクト切替キー26を押下し、チャンネルを切り替えた際に、カメラ21は操作者27の顔を撮像し、操作者27の顔の画像データをプラズマディスプレイ装置1に送信する。
【0015】
図3は、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置における映像調整画面の表示の一例を模式的に示す図である。各映像調整項目ごとの調整データについて、上下左右カーソルキー23(図2)を押下することで変更することができ、映像調整画面の横には、カメラ21(図2)によって撮像されている操作者27(図2)の顔を表示することで、操作者27(図2)自身が正面を向いた顔の画像データを撮像できているか否かを確認することができる。
【0016】
かかる構成によれば、放送電波を受信し放送番組の映像と音声を再生するプラズマディスプレイ装置において、前記映像を出力するプラズマディスプレイパネルと、前記音声を出力するスピーカと、前記映像の調整データと前記音声の調整データを変更することができ、かつ視聴者を撮像するカメラを有するリモコンと、視聴者が前記リモコンを用いて前記映像と前記音声の調整をした際に、前記カメラから入力された画像データと視聴者の設定した前記映像と前記音声の調整データを保持する記憶部と、視聴者が前記リモコンを用いて、チャンネルを切り替えた際に、前記カメラから入力された画像データと前記記憶部に保持している画像データの照合をし、画像データが一致した場合は、人物情報データを出力する人物認識部と、前記人物認識部から入力した前記人物情報データをもとに、前記記憶部から前記映像と前記音声の調整データを取得するシステム制御部と、前記システム制御部から取得した前記映像の調整データをもとに前記映像を制御する映像処理部と、前記システム制御部から取得した前記音声の調整データをもとに、前記音声を制御する音声処理部を備えたことにより、視聴者の手間をかけずに顔の画像データを取得し、視聴位置に囚われずに顔認識ができることにより、映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に切り替えることが可能となり、快適な視聴環境を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように本発明は、視聴者の手間をかけずに顔の画像データを取得し、視聴位置に囚われずに顔認識ができ、映像と音声の調整を視聴者の好みに応じて自動的に切り替えることが可能になるので、視聴者の好みに応じて映像と音声を調整できるプラズマディスプレイ装置を提供する上で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置におけるカメラ付きのリモコンの外観を概略的且つ模式的に示す図
【図3】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置における映像調整画面の表示の一例を模式的に示す図
【符号の説明】
【0019】
1 プラズマディスプレイ装置
2 アンテナ
3 チューナ
4 信号分離部
5 映像処理部
6 プラズマディスプレイパネル
7 音声処理部
8 スピーカ
9 システム制御部
10 人物認識部
11 記憶部
12、20 リモコン
13、21 カメラ
22 調整画面キー
23 上下左右カーソルキー
24 チャンネルアップダウンキー
25 音量調整キー
26 チャンネルダイレクト切替キー
27 操作者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送電波を受信し放送番組の映像と音声を再生するプラズマディスプレイ装置において、前記映像を出力するプラズマディスプレイパネルと、前記音声を出力するスピーカと、前記映像の調整データと前記音声の調整データを変更することができ、かつ視聴者を撮像するカメラを有するリモコンと、視聴者が前記リモコンを用いて前記映像と前記音声の調整をした際に、前記カメラから入力された画像データと視聴者の設定した前記映像と前記音声の調整データを保持する記憶部と、視聴者が前記リモコンを用いて、チャンネルを切り替えた際に、前記カメラから入力された画像データと前記記憶部に保持している画像データの照合をし、画像データが一致した場合は、人物情報データを出力する人物認識部と、前記人物認識部から入力した前記人物情報データをもとに、前記記憶部から前記映像と前記音声の調整データを取得するシステム制御部と、前記システム制御部から取得した前記映像の調整データをもとに前記映像を制御する映像処理部と、前記システム制御部から取得した前記音声の調整データをもとに、前記音声を制御する音声処理部と、を備えたプラズマディスプレイ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−136147(P2010−136147A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310633(P2008−310633)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】