プランター装置
【課題】プランターに供給され余剰した排水を、手間をかけることなく有効に利用することができるプランター装置を提供すること。
【解決手段】草花7を植栽可能であるとともに、該草花7に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランター2と、前記プランター2を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段3と、前記排水を前記プランター2の内部または該プランター2の外部近傍位置に保持するための排水保持手段6と、を備え、前記排水保持手段6は、保持した排水を前記プランター2に供給可能に構成されている。
【解決手段】草花7を植栽可能であるとともに、該草花7に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランター2と、前記プランター2を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段3と、前記排水を前記プランター2の内部または該プランター2の外部近傍位置に保持するための排水保持手段6と、を備え、前記排水保持手段6は、保持した排水を前記プランター2に供給可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、草花を植栽可能なプランターを備えるプランター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外や室内等において、例えば庭等の地面や室内の床面等の低い位置に設置されるプランターにおいては、草花の手入れ等をしゃがんだ姿勢で行わなければならないため、作業性が悪いという問題があった。そこで、例えば支持台等によりプランターを床面から所定高さ位置に支持できるようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−185735号公報(第3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のプランターにあっては、プランターに供給され余剰した排水は、一般的にプランターの底面に設けられた排水部から外部に流出されるようになっているため、特に室内にてプランターを使用する場合、排水の処理に手間がかかるという問題があった。
【0005】
また、このように余剰した排水を捨てるなどして処理するのではなく、例えば再度草花に還元するなどして有効に利用したいという要望があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、プランターに供給され余剰した排水を、手間をかけることなく有効に利用することができるプランター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
草花を植栽可能であるとともに、該草花に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランターと、
前記プランターを床面から所定高さ位置に支持する支持手段と、
前記排水を前記プランターの内部または該プランターの外部近傍位置に保持するための排水保持手段と、
を備え、
前記排水保持手段は、保持した排水を前記プランターに供給可能に構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、プランターが支持手段により床面から所定高さ位置に支持されることで、排水保持手段によりプランターの内部または該プランターの外部近傍位置に排水が保持された場合、該排水も床面から所定高さ位置に保持されるため、プランターを持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出してプランター等に再び供給するなどして有効利用することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載のプランター装置は、請求項1に記載のプランター装置であって、
前記支持手段は、床面上に立設可能に構成され、前記プランターの載置部が上部に設けられる支持枠からなる、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、例えば排水口から排出される排水の周囲への飛散等が防止される。
【0009】
本発明の請求項3に記載のプランター装置は、請求項1または2に記載のプランター装置であって、
前記支持枠は複数の枠ユニットからなり、上方に向けて積載可能に構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、プランターの上下方向の高さ位置等を、枠ユニットの積載量に応じて簡単に調節することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載のプランター装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のプランター装置であって、
前記排水保持手段は、前記プランターにおける前記排水口の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口から流出した排水を貯留可能な貯水容器である、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、排水口から流出した排水は貯留容器内に貯留されるので、極めて簡単な構造で排水を保持することができるとともに、貯留容器は取り出すことができるので、貯留容器に貯留された排水を利用することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のプランター装置は、請求項4に記載のプランター装置であって、
前記貯水容器は、前記支持枠の内部に配置される、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、貯水容器が支持枠により覆われるため、貯留の際における水の飛散等が防止される。
【0012】
本発明の請求項6に記載のプランター装置は、請求項1〜5のいずれかに記載のプランター装置であって、
前記排水保持手段は、前記排水口から流出した排水を循環させて前記プランターに供給可能な循環装置を含む、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、排水をそのまま循環して再度プランターに供給できるため、手間がかかることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係るプランター装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1は、本発明の実施例1におけるプランター装置の全体像を示す斜視図であり、図2は、(a)はトップユニット及びプランターを示す一部破断断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、図3は、(a)は連結用台ユニットを示す平面図であり、(b)は連結用台ユニットを示す正面図であり、図4は、(a)はプランター装置の使用状態を示す正面図であり、(b)はプランター装置の他の使用状態を示す正面図である。以下、図1の斜め左側及び図2の手前側をプランター装置の正面側として説明する。
【0015】
本実施例1のプランター装置1は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター2と、該プランター2を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠3と、プランター2の排水を該プランター2の下方近傍位置に保持するための排水保持手段を構成する水受皿6(貯水容器)と、から主に構成されている。
【0016】
プランター2は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する箱状に形成されており、図2に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、底板2aの略中央部には排水口8が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板2aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔9aが複数形成されたパンチングメタル板9が、排水口8を被覆するように載置されており、これにより排水口8からの土の流出を防止されている。
【0017】
尚、本実施例ではパンチングメタル板9が設けられているが、特に設けなくてもよいし、あるいはパンチングメタル板9の代わりに例えば合成樹脂製のネットや、透水性のフィルター等を設けてもよい。また、透水性のフィルターに濾過機能を付与し、排水を濾過するようにしてもよい。
【0018】
また、底板2aの下面には、前後方向に延びる棒状のガイド部材10,10が左右に固着されている。
【0019】
支持枠3は、図1〜図3に示されるように、木製の板材を組み付けて四角枠状に形成した複数(本実施例では4つ)の枠部材4a,5aを上下方向に積載した状態で、該枠部材4a,5a内四隅に配置される上下方向を向く連結棒4b,5bにより一体化されてなる、上下方向を向く筒状のトップユニット4及びベースユニット5から構成されている。尚、上下の枠部材4a,4a、5a,5a同士及び枠部材4a,5aと連結棒4b,5bとは互いにビスや接着剤等により固着されている。
【0020】
トップユニット4及びベースユニット5はほぼ同様に構成されているが、トップユニット4は、図2に示されるように、その上部にプランター2を載置するための載置部が形成されている。詳しくは、最上段の枠部材4aの上部には、載置板11,11が左右の枠部材4a,4aそれぞれの近傍位置において前後方向に向けて固設されており、その上面にプランター2の底板2aの下面が載置されるようになっているとともに、左右のガイド部材10,10が左右の載置板11,11の内側面に当接し、これにより左右方向の移動が規制されて落下が防止されている。つまり、載置板11,11によりプランター2の載置部が構成されている。
【0021】
また、連結棒4bの上端は、載置板11の下面に当接されているとともに、下端は最下段の枠部材4aの下端よりも若干上方位置に配置されており、後述するベースユニット5の連結棒5bの上端部が該トップユニット4の内部に入り込むようになっている。これによりベースユニット5に対するトップユニット4の水平方向の移動が規制されて互いに連結するようになっている。
【0022】
最上段の枠部材4aの内部には、水受皿6を、枠部材4a内に収納される収納位置から前方に引き出し自在に支持する左右一対のガイドレール12,12が前後方向に向けて配設されている。ガイドレール12,12は、縦断面略L字形をなす木製の板材を互いに対向配置されており、水受皿6を前後方向に摺動自在に支持する。
【0023】
最上段の枠部材4aにおける前面には、水受皿6を前方に引き出すための切欠凹部13(図1、図2(b)参照)が形成されており、水受皿6を最上段の枠部材4aにおける前面から前記収納位置に収納または引き出しできるようになっている。
【0024】
水受皿6は、金属材により上面が開口する四角箱体に形成され、前後幅(図2(b)中左右方向の幅)は枠部材4aの前後幅寸法よりも短寸に形成されており、ガイドレール12,12に突設されたストッパピン14,14に背面が当接することにより、前面が枠部材4aの前面と面一をなす収納位置に位置決めされるようになっている。また、この収納位置に位置した状態において、水受皿6は排水口8の直下に配置され、排水口8から流出し落下した排水を受け入れて貯留できるとともに、収納位置から前方に引き出すことで貯留された排水をトップユニット4の外部に取り出すことができるようになっている。
【0025】
ベースユニット5は、図3に示されるように、載置板11、ガイドレール12、切欠凹部13等はなく、前述したようにトップユニット4とほぼ同様に複数(本実施例では4つ)の枠部材5a及び連結棒5bにより上下方向を向く筒状に構成される。
【0026】
連結棒5bは、上端が最上段の枠部材5aの上端よりも若干上方位置に突出し、下端が最下段の枠部材5aの下端よりも若干上方位置に位置するように配置されている。よって、該ベースユニット5の上部にトップユニット4または他のベースユニット5を載置したときに、突出した連結棒5bの上端が上部のトップユニット4または他のベースユニット5内に入り込んで連結される。また、該ベースユニット5を他のベースユニット5の上部に載置したときに、連結棒5bの下方に該他のベースユニット5の連結棒5bの上端部が入り込んで連結される。
【0027】
尚、本実施例におけるプランター2の左右幅及び前後幅寸法はそれぞれ約300mm,上下幅寸法は約250mmとされているとともに、トップユニット4及びベースユニット5の左右・前後幅寸法及び上下幅寸法は約300mmとされているが、これら寸法は前記寸法に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0028】
このように構成される本実施例1のプランター装置1は、図4(a)に示されるように、床面F上に1つのベースユニット5が載置されるとともに、該ベースユニット5の上部にトップユニット4が連結され、該トップユニット4の上部にはプランター2が載置される。
【0029】
つまり、プランター2は、ベースユニット5及びトップユニット4からなり、床面F上に立設される支持枠3により、床面Fから所定距離(本実施例では床面Fからトップユニット4の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター2に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0030】
また、プランター2に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板9を透過してプランター2内底部に流出した排水は、排水口8から落下して外部に流出し、該プランター2の下方近傍位置に配設された水受皿6内に貯留されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、床面F上に落下することなく、排水保持手段としての水受皿6内に貯留され、これによりプランター2の外部近傍位置、具体的にはプランター2の排水口8の下方位置に保持されることになる。
【0031】
そして、水受皿6はトップユニット4の前方に引き出して取り出し、該水受皿6に貯留された水を例えばプランター2の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、水受皿6は、トップユニット4の上部に設けられており、床面Fから所定距離離間した所定高さ位置にて支持されていることで、排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、例えば貯水トレイ上にプランター2を直接載置しておく場合、貯水トレイの排水を処理する際にはプランター2を持ち上げなくてはならないが、本発明においては、プランター2を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出すことができるため、排水をプランター2に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【0032】
また、このように排水を下水等に直接排出してしまうのではなく、プランター2の近傍に貯留(保持)しておき、かつ、これを再び使用者がプランター2の草花7に供給できるように水受皿6を取り出し自在とすることで、使用者に対して、水と植物との係わりを強く意識させることができる。
【0033】
また、プランター2を支持する支持枠3は、床面F上に立設可能に構成され、プランター2の載置板11が上部に設けられていることで、排水口8の周囲が支持枠3により覆われるため、排水の周囲への飛散等が防止される。
【0034】
また、支持枠3は複数の枠ユニットであるトップユニット4及びベースユニット5からなり、上方に向けて積載可能に構成されていることで、プランター2の上下方向の高さ位置等を、ベースユニット5の積載量に応じて簡単に調節することができる。具体的には、ベースユニット5を複数段積み重ねることで、例えば図4(b)に示されるように、プランター2の支持高さ位置を使用者の背丈等に応じて高くすることができるとともに、あるいは、特に図示はしないが、ベースユニット5を用いずにトップユニット4のみでプランター2を比較的低位置に支持してもよい。
【0035】
尚、本実施例では、トップユニット4及びベースユニット5はそれぞれ4つの枠部材4a,5aが連結棒4b,5bにより一体化されて構成されていたが、これらトップユニット4及びベースユニット5を構成する枠部材の数量は上記4つに限定されるものではなく、それぞれ5つ以上または3つ以下の枠部材にて構成されていてもよく、種々に変更可能である。
【0036】
また、本実施例における支持枠3は、複数のベースユニット5を上下方向に積載可能に構成されていたが、例えばトップユニット4及びベースユニット5を一体化してなる1つの枠部材、つまり1つの四角枠(筒状部材)にて構成されていてもよい。また、支持枠3は、四角枠状をなすものに限定されるものではなく、例えば六角枠状や円筒枠状に形成されていてもよい。
【0037】
また、水受皿6は、プランター2における排水口8の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口8から流出した排水を貯留可能に構成されているため、排水口8から流出した排水は水受皿6内に貯留されるので、極めて簡単な構造で排水を保持することができるとともに、水受皿6は、プランター2を支持枠3の上部に載置しても該プランター2の荷重がかかることがないので、プランター2を持ち上げたりすることなく、支持枠3の側面から外部に簡単に取り出すことができるので、水受皿6に貯留された排水を利用することができる。
【0038】
特に、水受皿6は支持枠3としてのトップユニット4に対して着脱自在に配設されているため、プランター2を移動する場合や床面F上に直接載置する場合等において水受皿6が邪魔になることがない。また、水受皿6は支持枠3の内部に配置されることで、水受皿6の周囲が支持枠3により覆われるため、貯留の際における水の飛散等が防止されるとともに、外観体裁が向上する。
【0039】
また、水受皿6は支持枠3としてのトップユニット4の上部に設けられていたが、排水口8から落下する水を貯留可能に設けられていれば、例えばトップユニット4の下部やベースユニット5に設けられていてもよいし、あるいは支持枠3内における床面F上に載置しておいてもよい。
【0040】
さらに、本実施例1では水受皿6は前方にのみ引き出し自在に設けられていたが、支持枠3の上部にプランター2を載置した状態で取り出せるようになっていれば、前方だけでなく、後方または左右側方に引き出し自在に設けられていてもよい。
【0041】
また、例えばプランター2,支持枠3,水受皿6等の一部に透明窓部等を設け、該透明窓部を介してプランター2や水受皿6の内部を外部から視認可能としてもよく、このようにすることで、排水状況を外部から容易に確認することができる。
【実施例2】
【0042】
次に、実施例2に係るプランター装置につき、図5及び図6を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。図5は、(a)は本発明の実施例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図であり、図6は、図5のプランター装置を示す右側面図である。
【0043】
本実施例2のプランター装置31は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター32と、該プランター32を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠33と、プランター32の排水を該プランター32の内部に保持するための排水保持手段を構成する止水栓34と、から主に構成されている。
【0044】
プランター32は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する横長箱状に形成されており、図5に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、右側の側板32bの略中央部には排水口38が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板32aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔39aが複数形成されたパンチングメタル板39が、排水口38を被覆するように載置されており、これにより排水口38からの土の流出を防止されている。
【0045】
また、底板32aは、左側方から排水口38が設けられる右側方に向けて下方に傾斜する傾斜状に配設されており、排水口38に向けて排水を誘導可能に構成されている。
【0046】
支持枠33は、図5及び図6に示されるように、金属製のロッド棒により4本の脚部35が形成され、各脚部35の下端に設けられたキャスター36を介して、床面F上をスライド移動できるようになっている。また、上部にはプランター32を載置可能な載置部が形成されているとともに、該載置部の周囲に上向きに折り曲げ形成された6本の規制フレーム37によりプランター32の外側面を支持して落下が防止されている。
【0047】
止水栓34は、排水口38に接続されるパイプと、該パイプに設けられるコックとからなり、コックを操作することにより排水口38からの排水を止水または流出させることができるようになっている。
【0048】
このように構成される本実施例2のプランター装置31は、ロッド棒からなる支持枠33により、床面Fから所定距離(本実施例では床面Fから支持枠33の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター32に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0049】
また、プランター32に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板39を透過してプランター32内底部に流出した排水は、流出口38に設けられた止水栓34を介して外部に流出されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、通常時においては止水栓34を閉状態としておくことにより、床面F上に落下することなく、止水栓34によりプランター32の内部に貯留(保持)されることになる。つまり、プランター32及び止水栓34は、本発明の排水保持手段を構成している。
【0050】
そして、止水栓34を開状態とし、止水栓34のパイプ先端から排水を適宜流出させることで、流出した水をプランター32とほぼ同高さ位置にてトレイやバケツ等にて受けることができるため、例えばプランター2の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、プランター32が支持枠33により床面Fから所定距離離間した所定高さ位置に支持されることで、該プランター32の内部に貯留された排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、プランター32を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出し、プランター32に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【実施例3】
【0051】
次に、実施例3に係るプランター装置につき、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の実施例3としてのプランター装置を示す正面図であり、図8は、(a)は図7のプランター装置を示す右側面図であり、(b)は図7のC−C断面図である。
【0052】
本実施例3のプランター装置41は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター42と、該プランター42を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠43と、プランター42の排水を該プランター42の内部に保持するための排水保持手段を構成する排水ドレン44及び止水栓47bと、から主に構成されている。
【0053】
プランター42は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する横長箱状に形成されており、図7に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、底板42aの略中央部には排水口48が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板42aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔(図示略)が複数形成されたパンチングメタル板49が、排水口48を被覆するように載置されており、これにより排水口48からの土の流出を防止されている。
【0054】
また、底板42aは、左右側方から中央の排水口48に向けて下方に傾斜する傾斜状に配設されており、排水口48に向けて排水を誘導可能に構成されている。
【0055】
支持枠43は、図7及び図8に示されるように、木製の角材を枠状に組み付けて構成されてなるもので、4本の脚部43aを介して、床面F上に立設されている。また、上部にはプランター42を載置可能な載置部が凹設されており、該載置部内にプランター42の底部が嵌合して載置されることにより落下が防止されている。
【0056】
排水ドレン44は、一端が排水口48に接続され、他端が後述する給排水パイプ45の垂直パイプ部45cに接続されている。
【0057】
このように構成される本実施例3のプランター装置41は、支持枠43により床面Fから所定距離(本実施例では床面Fから支持枠43の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター42に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0058】
また、プランター42に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板49を透過してプランター42内底部に流出した排水は、流出口48に設けられた排水ドレン44内に流出され、後述する給排水パイプ45の垂直パイプ部45c内において止水栓47bにより止水されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、通常時においては止水栓47bを閉状態としておくことにより、床面F上に落下することなく、排水ドレン44及び止水栓47bによりプランター42の内部に貯留(保持)されることになる。
【0059】
そして、止水栓47bを開状態とし、排水ドレン44を介して垂直パイプ部45cの下端から排水を適宜流出させることで、流出した水をプランター42とほぼ同高さ位置にてトレイやバケツ等にて受けることができるため、例えばプランター42の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、プランター42が支持枠43により床面Fから所定距離離間した所定高さ位置に支持されることで、該プランター42の内部に貯留された排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、プランター42を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出し、プランター42に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【0060】
また、支持枠43には、正面視下向きコ字形の給排水パイプ45が取り付けられている。給排水パイプ45は、内部が中空状をなす金属製のパイプにて構成されている。詳しくは、上下方向に延びる左右の垂直パイプ部45b,45cと、これら垂直パイプ45b,45cの上端部同士を連結する水平パイプ部45aと、からなり、水平パイプ45aの下面には、図7中拡大図に示されるように、複数の給水孔46が形成されており、内部に供給された水が該給水孔46を通して落下するようになっている。
【0061】
給排水パイプ45は、左右の垂直パイプ部45b,45cが支持枠43に固定金具を介して取り付けられており、水平パイプ部45aが、プランター42の上方所定高さ位置における該プランター42の前後方向の中央に配置され、複数の給水孔46から落下した水がプランター42内の草花7及び土に供給されるようになっている。
【0062】
尚、本実施例3では、給排水パイプ45は支持枠43に取り付けられているが、プランター42に取り付けられていてもよい。また、給水孔46からの給水は、連続的に給水するものであってもよいし、定期的に給水するものであってもよい。さらに、給水孔46からは水を自然落下させてもよいし、あるいは噴霧状にして供給するようにしてもよい。
【0063】
給排水パイプ45の両端、つまり垂直パイプ部45b,45cの下端はそれぞれ開口されているとともに、下端開口近傍位置には、止水栓47a,47bが配設されている。垂直パイプ部45cにおける止水栓47bの上流側には、前述した排水ドレン44の下端が接続されており、排水ドレン44内の排水を合流させて止水または排出させることができるようになっている。また、水平パイプ部45aと垂直パイプ部45cとの間には止水壁(図示略)が設けられて連通が遮断されている。
【0064】
このように構成された給排水パイプ45は、例えば垂直パイプ部45bの下端を図示しない給水源(例えば水道栓等)に給水ホース(図示略)等を介して接続し、該垂直パイプ部45bの止水栓47aを開放するとともに、給水源から垂直パイプ部45b及び水平パイプ部45a内に水を供給することで、給水孔46からプランター42内に水が落下して供給されることになる。
【0065】
また、排水口48から排水ドレン44内に流出した排水は、垂直パイプ部45b内に流出して合流し、止水栓47bにより保持される。つまり、排水はプランター42,排水ドレン44,垂直パイプ部45c内に保持されることになるため、これらは排水保持手段を構成している。また、排水を外部に排出する場合には止水栓47bを開放すればよい。
【0066】
さらに、垂直パイプ部45cの下端と垂直パイプ部45bに接続された前記給水ホース(図示略)とを図示しない接続ホース等を介して接続するとともに、該接続ホースの途中に給水ポンプ(図示略)等を設け、例えばプランター42の排水を前記給水ポンプを介して垂直パイプ部45b内に循環供給することにより、プランター42の排水を循環させてプランター42に再度供給することも可能となる。つまり、これら給排水パイプ45、止水栓47a,47b、接続ホース、給水ホース、給水ポンプ、排水ドレン44は、本発明の循環装置を構成している。
【0067】
あるいは、前記垂直パイプ部45cから流出した排水を、例えば支持枠43等に設けた貯水容器(図示略)等に貯留されるようにし、該貯留された水を給水ポンプを介して垂直パイプ部45b内に循環供給されるようにしてもよく、この場合は貯水容器は本発明の排水保持手段及び循環装置を構成することになる。
【0068】
このように構成される循環装置は、給水ポンプによる給水や止水栓47a,47bの開閉を図示しないコントローラ等により制御可能とし、給水及び排水が定期的に行われるようにしてもよいし、給水ポンプによる給水や止水栓47a,47bの開閉を手動にて行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、これら循環装置を構成する部材のうち、排水が通る給排水パイプ45、接続ホース、給水ホース、排水ドレン44、貯水容器等を透明な部材にて構成し、給水及び排水の状況を外部から視認可能となるようにしてもよく、このようにすることで、使用者に対して、水と植物との係わりを強く意識させることができる。
【0070】
(変形例)
次に、本発明のプランター装置の変形例を、図9〜図11に基づいて説明する。図9は、(a)は本発明の変形例1としてのプランター装置を示す正面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す平面図であり、(c)は(b)のD−D断面図であり、図10は、(a)は変形例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図であり、図11は、(a)はさらに変形例3としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【0071】
前記実施例1〜3では、プランターとしてステンレス材等の金属板により上面が開口する箱状に形成されたものが適用されていたが、プランターの材質や形状はこれに限定されるものではなく、例えば図9〜図11のプランター装置51,61,71のように、透明なガラス材や合成樹脂材等により略円形に形成されたプランター52,62,72等を適用してもよい。
【0072】
具体的に説明すると、図9に示される変形例1としてのプランター装置51のプランター52は、ガラス材により平面視円形に形成されたフランジ部52aと、該フランジ部52aの中央部から下方に膨出するように形成された略逆三角錐状に形成された筒状部52bと、から構成され、該筒状部52b内に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。
【0073】
また、筒状部52bの下端に形成した排水口58から排水できるとともに、コルク栓54を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0074】
支持枠53は、鉄製の線材からなる3本の脚棒53aと、これらを連結するとともに、筒状部52bを上方から差し込んで載置可能とする載置部を構成する環状部53bと、から構成されている。
【0075】
このように筒状部52bの上部周囲に外側水平方向に拡がるフランジ部52aが形成されていることで、筒状部52bの周囲に平坦面が形成されるため、プランター52をテーブルとして利用することも可能となる。
【0076】
次に、図10に示される変形例2としてのプランター装置61のプランター62は、ガラス材により正面視略ロート形状に形成され、内部に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。また、プランター62の下端に形成した排水口68から排水できるとともに、コルク栓64を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0077】
支持枠63は、鉄製の線材からなる2本の支持棒63aと、これらを連結するとともに、プランター62を上方から差し込んで支持可能とする支持部を構成する環状部63bと、から構成され、該支持枠63は、例えば天井等からプランター62を吊支可能に構成されている。
【0078】
図11に示される変形例3としてのプランター装置71のプランター72は、ガラス材により正面視略ロート形状に形成され、内部に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。また、プランター72の下端に形成した排水口78から排水できるとともに、コルク栓74を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0079】
支持枠73は、鉄製の線材からなる3本の支持棒73aと、これらを連結するとともに、プランター72を上方から差し込んで支持可能とする支持部を構成する環状部73bと、から構成され、該支持枠73は、例えば天井等からプランター72を吊支可能に構成されている。
【0080】
以上説明したように、変形例1〜3のプランター52,62,72は透明なガラス材にて構成されているため、本体内部の排水の貯留状況等を外部から視認することができる。
【0081】
また、プランターを床面Fから所定高さ位置に支持する本発明の支持手段は、前記実施例1〜3及び変形例1のように、床面F上に立設されるものに限定されるものではなく、天井等に取り付けられ、プランターを吊支可能な吊支部材等により構成されていてもよい。
【0082】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0083】
例えば、前記実施例1では、貯水容器としての水受皿6は排水口8から流出した排水を貯留するものであったが、例えば常時水受皿6内に水を貯留しておき、該貯留された水が土に供給されるように、一端を土に埋設した不織布の下端を排水口8を挿通させて水受皿6内の水に接触させておけば、給水トレイとして利用することもできる。
【0084】
また、前記実施例1では、トップユニット4の上部に設けられた載置板11,11によりプランター2の載置部が構成されていたが、プランター2を載置可能に構成されていればこのような載置板11等は設けなくてもよいし、あるいはトップユニット4をベースユニット5と同様に、最上段の枠部材4aの上端から連結棒4bの上端が突出するように構成し、該突出した連結棒4bの上端により、左右のガイド部材10,10がガイドされるように構成してもよい。
【0085】
また、前記実施例及び変形例では、排水保持手段の一部を構成する部材として水受皿6、止水栓(コルク栓)等が適用されていたが、排水の流出を適宜止水できるものであれば、栓部材やバルブ等どのようなものでもよいし、また、各実施例や変形例における排水口に、他の実施例や変形例に記載の水受皿、止水栓等を適用してもよい。
【0086】
また、前記実施例に記載のプランターや支持枠の材質や形状等は、前記実施例に記載のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0087】
また、前記実施例に記載の草花を植栽可能なプランターとは、実施例1〜3に記載したように、内部に盛り土して草花を植栽するものに限定されるものではなく、例えば水に草花を活けることで植栽するものであってもよい。
【0088】
また、前記実施例では、実施例3に関わるプランター装置41にのみ、排水口48から流出した排水を循環させてプランター42に供給可能な循環装置を適用する旨を記載したが、実施例1,2や変形例1〜3のプランター装置にこのような循環装置を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1におけるプランター装置の全体像を示す斜視図である。
【図2】(a)はトップユニット及びプランターを示す一部破断断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】(a)は連結用台ユニットを示す平面図であり、(b)は連結用台ユニットを示す正面図である。
【図4】(a)はプランター装置の使用状態を示す正面図であり、(b)はプランター装置の他の使用状態を示す正面図である。
【図5】(a)は本発明の実施例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【図6】図5のプランター装置を示す右側面図である。
【図7】本発明の実施例3としてのプランター装置を示す正面図である。
【図8】(a)は図7のプランター装置を示す右側面図であり、(b)は図7のC−C断面図である。
【図9】(a)は本発明の変形例1としてのプランター装置を示す正面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す平面図であり、(c)は(b)のD−D断面図である。
【図10】(a)は変形例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【図11】(a)はさらに変形例3としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0090】
1,31,41,51,61,71 プランター装置
2 プランター
3 支持枠
4 トップユニット(支持枠)
4a,5a 枠部材
4b,5b 連結棒
5 ベースユニット(支持枠)
6 水受皿(排水保持手段、貯留容器)
7 草花
8 排水口
11 載置板(載置部)
12 ガイドレール
13 切欠凹部
44 排水ドレン(排水保持手段)
45 給排水パイプ
47a,47b 止水栓(排水保持手段)
54,64,74 コルク栓(排水保持手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、草花を植栽可能なプランターを備えるプランター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外や室内等において、例えば庭等の地面や室内の床面等の低い位置に設置されるプランターにおいては、草花の手入れ等をしゃがんだ姿勢で行わなければならないため、作業性が悪いという問題があった。そこで、例えば支持台等によりプランターを床面から所定高さ位置に支持できるようにしたもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−185735号公報(第3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のプランターにあっては、プランターに供給され余剰した排水は、一般的にプランターの底面に設けられた排水部から外部に流出されるようになっているため、特に室内にてプランターを使用する場合、排水の処理に手間がかかるという問題があった。
【0005】
また、このように余剰した排水を捨てるなどして処理するのではなく、例えば再度草花に還元するなどして有効に利用したいという要望があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、プランターに供給され余剰した排水を、手間をかけることなく有効に利用することができるプランター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
草花を植栽可能であるとともに、該草花に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランターと、
前記プランターを床面から所定高さ位置に支持する支持手段と、
前記排水を前記プランターの内部または該プランターの外部近傍位置に保持するための排水保持手段と、
を備え、
前記排水保持手段は、保持した排水を前記プランターに供給可能に構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、プランターが支持手段により床面から所定高さ位置に支持されることで、排水保持手段によりプランターの内部または該プランターの外部近傍位置に排水が保持された場合、該排水も床面から所定高さ位置に保持されるため、プランターを持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出してプランター等に再び供給するなどして有効利用することができる。
【0008】
本発明の請求項2に記載のプランター装置は、請求項1に記載のプランター装置であって、
前記支持手段は、床面上に立設可能に構成され、前記プランターの載置部が上部に設けられる支持枠からなる、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、例えば排水口から排出される排水の周囲への飛散等が防止される。
【0009】
本発明の請求項3に記載のプランター装置は、請求項1または2に記載のプランター装置であって、
前記支持枠は複数の枠ユニットからなり、上方に向けて積載可能に構成されている、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、プランターの上下方向の高さ位置等を、枠ユニットの積載量に応じて簡単に調節することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載のプランター装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のプランター装置であって、
前記排水保持手段は、前記プランターにおける前記排水口の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口から流出した排水を貯留可能な貯水容器である、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、排水口から流出した排水は貯留容器内に貯留されるので、極めて簡単な構造で排水を保持することができるとともに、貯留容器は取り出すことができるので、貯留容器に貯留された排水を利用することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のプランター装置は、請求項4に記載のプランター装置であって、
前記貯水容器は、前記支持枠の内部に配置される、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、貯水容器が支持枠により覆われるため、貯留の際における水の飛散等が防止される。
【0012】
本発明の請求項6に記載のプランター装置は、請求項1〜5のいずれかに記載のプランター装置であって、
前記排水保持手段は、前記排水口から流出した排水を循環させて前記プランターに供給可能な循環装置を含む、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、排水をそのまま循環して再度プランターに供給できるため、手間がかかることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係るプランター装置を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、図1は、本発明の実施例1におけるプランター装置の全体像を示す斜視図であり、図2は、(a)はトップユニット及びプランターを示す一部破断断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、図3は、(a)は連結用台ユニットを示す平面図であり、(b)は連結用台ユニットを示す正面図であり、図4は、(a)はプランター装置の使用状態を示す正面図であり、(b)はプランター装置の他の使用状態を示す正面図である。以下、図1の斜め左側及び図2の手前側をプランター装置の正面側として説明する。
【0015】
本実施例1のプランター装置1は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター2と、該プランター2を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠3と、プランター2の排水を該プランター2の下方近傍位置に保持するための排水保持手段を構成する水受皿6(貯水容器)と、から主に構成されている。
【0016】
プランター2は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する箱状に形成されており、図2に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、底板2aの略中央部には排水口8が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板2aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔9aが複数形成されたパンチングメタル板9が、排水口8を被覆するように載置されており、これにより排水口8からの土の流出を防止されている。
【0017】
尚、本実施例ではパンチングメタル板9が設けられているが、特に設けなくてもよいし、あるいはパンチングメタル板9の代わりに例えば合成樹脂製のネットや、透水性のフィルター等を設けてもよい。また、透水性のフィルターに濾過機能を付与し、排水を濾過するようにしてもよい。
【0018】
また、底板2aの下面には、前後方向に延びる棒状のガイド部材10,10が左右に固着されている。
【0019】
支持枠3は、図1〜図3に示されるように、木製の板材を組み付けて四角枠状に形成した複数(本実施例では4つ)の枠部材4a,5aを上下方向に積載した状態で、該枠部材4a,5a内四隅に配置される上下方向を向く連結棒4b,5bにより一体化されてなる、上下方向を向く筒状のトップユニット4及びベースユニット5から構成されている。尚、上下の枠部材4a,4a、5a,5a同士及び枠部材4a,5aと連結棒4b,5bとは互いにビスや接着剤等により固着されている。
【0020】
トップユニット4及びベースユニット5はほぼ同様に構成されているが、トップユニット4は、図2に示されるように、その上部にプランター2を載置するための載置部が形成されている。詳しくは、最上段の枠部材4aの上部には、載置板11,11が左右の枠部材4a,4aそれぞれの近傍位置において前後方向に向けて固設されており、その上面にプランター2の底板2aの下面が載置されるようになっているとともに、左右のガイド部材10,10が左右の載置板11,11の内側面に当接し、これにより左右方向の移動が規制されて落下が防止されている。つまり、載置板11,11によりプランター2の載置部が構成されている。
【0021】
また、連結棒4bの上端は、載置板11の下面に当接されているとともに、下端は最下段の枠部材4aの下端よりも若干上方位置に配置されており、後述するベースユニット5の連結棒5bの上端部が該トップユニット4の内部に入り込むようになっている。これによりベースユニット5に対するトップユニット4の水平方向の移動が規制されて互いに連結するようになっている。
【0022】
最上段の枠部材4aの内部には、水受皿6を、枠部材4a内に収納される収納位置から前方に引き出し自在に支持する左右一対のガイドレール12,12が前後方向に向けて配設されている。ガイドレール12,12は、縦断面略L字形をなす木製の板材を互いに対向配置されており、水受皿6を前後方向に摺動自在に支持する。
【0023】
最上段の枠部材4aにおける前面には、水受皿6を前方に引き出すための切欠凹部13(図1、図2(b)参照)が形成されており、水受皿6を最上段の枠部材4aにおける前面から前記収納位置に収納または引き出しできるようになっている。
【0024】
水受皿6は、金属材により上面が開口する四角箱体に形成され、前後幅(図2(b)中左右方向の幅)は枠部材4aの前後幅寸法よりも短寸に形成されており、ガイドレール12,12に突設されたストッパピン14,14に背面が当接することにより、前面が枠部材4aの前面と面一をなす収納位置に位置決めされるようになっている。また、この収納位置に位置した状態において、水受皿6は排水口8の直下に配置され、排水口8から流出し落下した排水を受け入れて貯留できるとともに、収納位置から前方に引き出すことで貯留された排水をトップユニット4の外部に取り出すことができるようになっている。
【0025】
ベースユニット5は、図3に示されるように、載置板11、ガイドレール12、切欠凹部13等はなく、前述したようにトップユニット4とほぼ同様に複数(本実施例では4つ)の枠部材5a及び連結棒5bにより上下方向を向く筒状に構成される。
【0026】
連結棒5bは、上端が最上段の枠部材5aの上端よりも若干上方位置に突出し、下端が最下段の枠部材5aの下端よりも若干上方位置に位置するように配置されている。よって、該ベースユニット5の上部にトップユニット4または他のベースユニット5を載置したときに、突出した連結棒5bの上端が上部のトップユニット4または他のベースユニット5内に入り込んで連結される。また、該ベースユニット5を他のベースユニット5の上部に載置したときに、連結棒5bの下方に該他のベースユニット5の連結棒5bの上端部が入り込んで連結される。
【0027】
尚、本実施例におけるプランター2の左右幅及び前後幅寸法はそれぞれ約300mm,上下幅寸法は約250mmとされているとともに、トップユニット4及びベースユニット5の左右・前後幅寸法及び上下幅寸法は約300mmとされているが、これら寸法は前記寸法に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0028】
このように構成される本実施例1のプランター装置1は、図4(a)に示されるように、床面F上に1つのベースユニット5が載置されるとともに、該ベースユニット5の上部にトップユニット4が連結され、該トップユニット4の上部にはプランター2が載置される。
【0029】
つまり、プランター2は、ベースユニット5及びトップユニット4からなり、床面F上に立設される支持枠3により、床面Fから所定距離(本実施例では床面Fからトップユニット4の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター2に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0030】
また、プランター2に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板9を透過してプランター2内底部に流出した排水は、排水口8から落下して外部に流出し、該プランター2の下方近傍位置に配設された水受皿6内に貯留されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、床面F上に落下することなく、排水保持手段としての水受皿6内に貯留され、これによりプランター2の外部近傍位置、具体的にはプランター2の排水口8の下方位置に保持されることになる。
【0031】
そして、水受皿6はトップユニット4の前方に引き出して取り出し、該水受皿6に貯留された水を例えばプランター2の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、水受皿6は、トップユニット4の上部に設けられており、床面Fから所定距離離間した所定高さ位置にて支持されていることで、排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、例えば貯水トレイ上にプランター2を直接載置しておく場合、貯水トレイの排水を処理する際にはプランター2を持ち上げなくてはならないが、本発明においては、プランター2を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出すことができるため、排水をプランター2に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【0032】
また、このように排水を下水等に直接排出してしまうのではなく、プランター2の近傍に貯留(保持)しておき、かつ、これを再び使用者がプランター2の草花7に供給できるように水受皿6を取り出し自在とすることで、使用者に対して、水と植物との係わりを強く意識させることができる。
【0033】
また、プランター2を支持する支持枠3は、床面F上に立設可能に構成され、プランター2の載置板11が上部に設けられていることで、排水口8の周囲が支持枠3により覆われるため、排水の周囲への飛散等が防止される。
【0034】
また、支持枠3は複数の枠ユニットであるトップユニット4及びベースユニット5からなり、上方に向けて積載可能に構成されていることで、プランター2の上下方向の高さ位置等を、ベースユニット5の積載量に応じて簡単に調節することができる。具体的には、ベースユニット5を複数段積み重ねることで、例えば図4(b)に示されるように、プランター2の支持高さ位置を使用者の背丈等に応じて高くすることができるとともに、あるいは、特に図示はしないが、ベースユニット5を用いずにトップユニット4のみでプランター2を比較的低位置に支持してもよい。
【0035】
尚、本実施例では、トップユニット4及びベースユニット5はそれぞれ4つの枠部材4a,5aが連結棒4b,5bにより一体化されて構成されていたが、これらトップユニット4及びベースユニット5を構成する枠部材の数量は上記4つに限定されるものではなく、それぞれ5つ以上または3つ以下の枠部材にて構成されていてもよく、種々に変更可能である。
【0036】
また、本実施例における支持枠3は、複数のベースユニット5を上下方向に積載可能に構成されていたが、例えばトップユニット4及びベースユニット5を一体化してなる1つの枠部材、つまり1つの四角枠(筒状部材)にて構成されていてもよい。また、支持枠3は、四角枠状をなすものに限定されるものではなく、例えば六角枠状や円筒枠状に形成されていてもよい。
【0037】
また、水受皿6は、プランター2における排水口8の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口8から流出した排水を貯留可能に構成されているため、排水口8から流出した排水は水受皿6内に貯留されるので、極めて簡単な構造で排水を保持することができるとともに、水受皿6は、プランター2を支持枠3の上部に載置しても該プランター2の荷重がかかることがないので、プランター2を持ち上げたりすることなく、支持枠3の側面から外部に簡単に取り出すことができるので、水受皿6に貯留された排水を利用することができる。
【0038】
特に、水受皿6は支持枠3としてのトップユニット4に対して着脱自在に配設されているため、プランター2を移動する場合や床面F上に直接載置する場合等において水受皿6が邪魔になることがない。また、水受皿6は支持枠3の内部に配置されることで、水受皿6の周囲が支持枠3により覆われるため、貯留の際における水の飛散等が防止されるとともに、外観体裁が向上する。
【0039】
また、水受皿6は支持枠3としてのトップユニット4の上部に設けられていたが、排水口8から落下する水を貯留可能に設けられていれば、例えばトップユニット4の下部やベースユニット5に設けられていてもよいし、あるいは支持枠3内における床面F上に載置しておいてもよい。
【0040】
さらに、本実施例1では水受皿6は前方にのみ引き出し自在に設けられていたが、支持枠3の上部にプランター2を載置した状態で取り出せるようになっていれば、前方だけでなく、後方または左右側方に引き出し自在に設けられていてもよい。
【0041】
また、例えばプランター2,支持枠3,水受皿6等の一部に透明窓部等を設け、該透明窓部を介してプランター2や水受皿6の内部を外部から視認可能としてもよく、このようにすることで、排水状況を外部から容易に確認することができる。
【実施例2】
【0042】
次に、実施例2に係るプランター装置につき、図5及び図6を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。図5は、(a)は本発明の実施例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図であり、図6は、図5のプランター装置を示す右側面図である。
【0043】
本実施例2のプランター装置31は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター32と、該プランター32を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠33と、プランター32の排水を該プランター32の内部に保持するための排水保持手段を構成する止水栓34と、から主に構成されている。
【0044】
プランター32は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する横長箱状に形成されており、図5に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、右側の側板32bの略中央部には排水口38が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板32aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔39aが複数形成されたパンチングメタル板39が、排水口38を被覆するように載置されており、これにより排水口38からの土の流出を防止されている。
【0045】
また、底板32aは、左側方から排水口38が設けられる右側方に向けて下方に傾斜する傾斜状に配設されており、排水口38に向けて排水を誘導可能に構成されている。
【0046】
支持枠33は、図5及び図6に示されるように、金属製のロッド棒により4本の脚部35が形成され、各脚部35の下端に設けられたキャスター36を介して、床面F上をスライド移動できるようになっている。また、上部にはプランター32を載置可能な載置部が形成されているとともに、該載置部の周囲に上向きに折り曲げ形成された6本の規制フレーム37によりプランター32の外側面を支持して落下が防止されている。
【0047】
止水栓34は、排水口38に接続されるパイプと、該パイプに設けられるコックとからなり、コックを操作することにより排水口38からの排水を止水または流出させることができるようになっている。
【0048】
このように構成される本実施例2のプランター装置31は、ロッド棒からなる支持枠33により、床面Fから所定距離(本実施例では床面Fから支持枠33の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター32に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0049】
また、プランター32に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板39を透過してプランター32内底部に流出した排水は、流出口38に設けられた止水栓34を介して外部に流出されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、通常時においては止水栓34を閉状態としておくことにより、床面F上に落下することなく、止水栓34によりプランター32の内部に貯留(保持)されることになる。つまり、プランター32及び止水栓34は、本発明の排水保持手段を構成している。
【0050】
そして、止水栓34を開状態とし、止水栓34のパイプ先端から排水を適宜流出させることで、流出した水をプランター32とほぼ同高さ位置にてトレイやバケツ等にて受けることができるため、例えばプランター2の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、プランター32が支持枠33により床面Fから所定距離離間した所定高さ位置に支持されることで、該プランター32の内部に貯留された排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、プランター32を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出し、プランター32に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【実施例3】
【0051】
次に、実施例3に係るプランター装置につき、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明の実施例3としてのプランター装置を示す正面図であり、図8は、(a)は図7のプランター装置を示す右側面図であり、(b)は図7のC−C断面図である。
【0052】
本実施例3のプランター装置41は、主に室内の床面F等に設置して使用されるものであり、草花7(植物)を植栽可能なプランター42と、該プランター42を床面Fから所定高さ位置に支持する支持手段を構成する支持枠43と、プランター42の排水を該プランター42の内部に保持するための排水保持手段を構成する排水ドレン44及び止水栓47bと、から主に構成されている。
【0053】
プランター42は、例えばステンレス材等の金属板により上面が開口する横長箱状に形成されており、図7に示されるように、内部に盛り土(または鉢等を収容)することができるようになっている。また、底板42aの略中央部には排水口48が形成されており、内部に供給された水を外部に流出させることができるようになっているとともに、底板42aの上面には、水を透過させるための複数の排水孔(図示略)が複数形成されたパンチングメタル板49が、排水口48を被覆するように載置されており、これにより排水口48からの土の流出を防止されている。
【0054】
また、底板42aは、左右側方から中央の排水口48に向けて下方に傾斜する傾斜状に配設されており、排水口48に向けて排水を誘導可能に構成されている。
【0055】
支持枠43は、図7及び図8に示されるように、木製の角材を枠状に組み付けて構成されてなるもので、4本の脚部43aを介して、床面F上に立設されている。また、上部にはプランター42を載置可能な載置部が凹設されており、該載置部内にプランター42の底部が嵌合して載置されることにより落下が防止されている。
【0056】
排水ドレン44は、一端が排水口48に接続され、他端が後述する給排水パイプ45の垂直パイプ部45cに接続されている。
【0057】
このように構成される本実施例3のプランター装置41は、支持枠43により床面Fから所定距離(本実施例では床面Fから支持枠43の上部までの離間幅が約600mm)離間した所定高さ位置にて支持されているため、例えばプランター42に植栽された草花の手入れ等を、例えば起立姿勢や椅子等に着座したままの楽な姿勢で行うことができる。
【0058】
また、プランター42に植栽された草花に供給され、土中に浸透した水のうち、余剰してパンチングメタル板49を透過してプランター42内底部に流出した排水は、流出口48に設けられた排水ドレン44内に流出され、後述する給排水パイプ45の垂直パイプ部45c内において止水栓47bにより止水されるようになっている。つまり、草花に供給され余剰した排水は、通常時においては止水栓47bを閉状態としておくことにより、床面F上に落下することなく、排水ドレン44及び止水栓47bによりプランター42の内部に貯留(保持)されることになる。
【0059】
そして、止水栓47bを開状態とし、排水ドレン44を介して垂直パイプ部45cの下端から排水を適宜流出させることで、流出した水をプランター42とほぼ同高さ位置にてトレイやバケツ等にて受けることができるため、例えばプランター42の草花7に再度供給して再利用することができる。すなわち、プランター42が支持枠43により床面Fから所定距離離間した所定高さ位置に支持されることで、該プランター42の内部に貯留された排水も床面Fから所定高さ位置に保持されるため、プランター42を持ち上げるなどの手間をかけることなく、排水を簡単に取り出し、プランター42に再び供給するなどして有効利用することが可能となる。
【0060】
また、支持枠43には、正面視下向きコ字形の給排水パイプ45が取り付けられている。給排水パイプ45は、内部が中空状をなす金属製のパイプにて構成されている。詳しくは、上下方向に延びる左右の垂直パイプ部45b,45cと、これら垂直パイプ45b,45cの上端部同士を連結する水平パイプ部45aと、からなり、水平パイプ45aの下面には、図7中拡大図に示されるように、複数の給水孔46が形成されており、内部に供給された水が該給水孔46を通して落下するようになっている。
【0061】
給排水パイプ45は、左右の垂直パイプ部45b,45cが支持枠43に固定金具を介して取り付けられており、水平パイプ部45aが、プランター42の上方所定高さ位置における該プランター42の前後方向の中央に配置され、複数の給水孔46から落下した水がプランター42内の草花7及び土に供給されるようになっている。
【0062】
尚、本実施例3では、給排水パイプ45は支持枠43に取り付けられているが、プランター42に取り付けられていてもよい。また、給水孔46からの給水は、連続的に給水するものであってもよいし、定期的に給水するものであってもよい。さらに、給水孔46からは水を自然落下させてもよいし、あるいは噴霧状にして供給するようにしてもよい。
【0063】
給排水パイプ45の両端、つまり垂直パイプ部45b,45cの下端はそれぞれ開口されているとともに、下端開口近傍位置には、止水栓47a,47bが配設されている。垂直パイプ部45cにおける止水栓47bの上流側には、前述した排水ドレン44の下端が接続されており、排水ドレン44内の排水を合流させて止水または排出させることができるようになっている。また、水平パイプ部45aと垂直パイプ部45cとの間には止水壁(図示略)が設けられて連通が遮断されている。
【0064】
このように構成された給排水パイプ45は、例えば垂直パイプ部45bの下端を図示しない給水源(例えば水道栓等)に給水ホース(図示略)等を介して接続し、該垂直パイプ部45bの止水栓47aを開放するとともに、給水源から垂直パイプ部45b及び水平パイプ部45a内に水を供給することで、給水孔46からプランター42内に水が落下して供給されることになる。
【0065】
また、排水口48から排水ドレン44内に流出した排水は、垂直パイプ部45b内に流出して合流し、止水栓47bにより保持される。つまり、排水はプランター42,排水ドレン44,垂直パイプ部45c内に保持されることになるため、これらは排水保持手段を構成している。また、排水を外部に排出する場合には止水栓47bを開放すればよい。
【0066】
さらに、垂直パイプ部45cの下端と垂直パイプ部45bに接続された前記給水ホース(図示略)とを図示しない接続ホース等を介して接続するとともに、該接続ホースの途中に給水ポンプ(図示略)等を設け、例えばプランター42の排水を前記給水ポンプを介して垂直パイプ部45b内に循環供給することにより、プランター42の排水を循環させてプランター42に再度供給することも可能となる。つまり、これら給排水パイプ45、止水栓47a,47b、接続ホース、給水ホース、給水ポンプ、排水ドレン44は、本発明の循環装置を構成している。
【0067】
あるいは、前記垂直パイプ部45cから流出した排水を、例えば支持枠43等に設けた貯水容器(図示略)等に貯留されるようにし、該貯留された水を給水ポンプを介して垂直パイプ部45b内に循環供給されるようにしてもよく、この場合は貯水容器は本発明の排水保持手段及び循環装置を構成することになる。
【0068】
このように構成される循環装置は、給水ポンプによる給水や止水栓47a,47bの開閉を図示しないコントローラ等により制御可能とし、給水及び排水が定期的に行われるようにしてもよいし、給水ポンプによる給水や止水栓47a,47bの開閉を手動にて行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、これら循環装置を構成する部材のうち、排水が通る給排水パイプ45、接続ホース、給水ホース、排水ドレン44、貯水容器等を透明な部材にて構成し、給水及び排水の状況を外部から視認可能となるようにしてもよく、このようにすることで、使用者に対して、水と植物との係わりを強く意識させることができる。
【0070】
(変形例)
次に、本発明のプランター装置の変形例を、図9〜図11に基づいて説明する。図9は、(a)は本発明の変形例1としてのプランター装置を示す正面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す平面図であり、(c)は(b)のD−D断面図であり、図10は、(a)は変形例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図であり、図11は、(a)はさらに変形例3としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【0071】
前記実施例1〜3では、プランターとしてステンレス材等の金属板により上面が開口する箱状に形成されたものが適用されていたが、プランターの材質や形状はこれに限定されるものではなく、例えば図9〜図11のプランター装置51,61,71のように、透明なガラス材や合成樹脂材等により略円形に形成されたプランター52,62,72等を適用してもよい。
【0072】
具体的に説明すると、図9に示される変形例1としてのプランター装置51のプランター52は、ガラス材により平面視円形に形成されたフランジ部52aと、該フランジ部52aの中央部から下方に膨出するように形成された略逆三角錐状に形成された筒状部52bと、から構成され、該筒状部52b内に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。
【0073】
また、筒状部52bの下端に形成した排水口58から排水できるとともに、コルク栓54を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0074】
支持枠53は、鉄製の線材からなる3本の脚棒53aと、これらを連結するとともに、筒状部52bを上方から差し込んで載置可能とする載置部を構成する環状部53bと、から構成されている。
【0075】
このように筒状部52bの上部周囲に外側水平方向に拡がるフランジ部52aが形成されていることで、筒状部52bの周囲に平坦面が形成されるため、プランター52をテーブルとして利用することも可能となる。
【0076】
次に、図10に示される変形例2としてのプランター装置61のプランター62は、ガラス材により正面視略ロート形状に形成され、内部に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。また、プランター62の下端に形成した排水口68から排水できるとともに、コルク栓64を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0077】
支持枠63は、鉄製の線材からなる2本の支持棒63aと、これらを連結するとともに、プランター62を上方から差し込んで支持可能とする支持部を構成する環状部63bと、から構成され、該支持枠63は、例えば天井等からプランター62を吊支可能に構成されている。
【0078】
図11に示される変形例3としてのプランター装置71のプランター72は、ガラス材により正面視略ロート形状に形成され、内部に土や水等を供給し、草花を植栽可能に形成される。また、プランター72の下端に形成した排水口78から排水できるとともに、コルク栓74を装着することで止水し、取り外すことで排水できるようになっている。
【0079】
支持枠73は、鉄製の線材からなる3本の支持棒73aと、これらを連結するとともに、プランター72を上方から差し込んで支持可能とする支持部を構成する環状部73bと、から構成され、該支持枠73は、例えば天井等からプランター72を吊支可能に構成されている。
【0080】
以上説明したように、変形例1〜3のプランター52,62,72は透明なガラス材にて構成されているため、本体内部の排水の貯留状況等を外部から視認することができる。
【0081】
また、プランターを床面Fから所定高さ位置に支持する本発明の支持手段は、前記実施例1〜3及び変形例1のように、床面F上に立設されるものに限定されるものではなく、天井等に取り付けられ、プランターを吊支可能な吊支部材等により構成されていてもよい。
【0082】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0083】
例えば、前記実施例1では、貯水容器としての水受皿6は排水口8から流出した排水を貯留するものであったが、例えば常時水受皿6内に水を貯留しておき、該貯留された水が土に供給されるように、一端を土に埋設した不織布の下端を排水口8を挿通させて水受皿6内の水に接触させておけば、給水トレイとして利用することもできる。
【0084】
また、前記実施例1では、トップユニット4の上部に設けられた載置板11,11によりプランター2の載置部が構成されていたが、プランター2を載置可能に構成されていればこのような載置板11等は設けなくてもよいし、あるいはトップユニット4をベースユニット5と同様に、最上段の枠部材4aの上端から連結棒4bの上端が突出するように構成し、該突出した連結棒4bの上端により、左右のガイド部材10,10がガイドされるように構成してもよい。
【0085】
また、前記実施例及び変形例では、排水保持手段の一部を構成する部材として水受皿6、止水栓(コルク栓)等が適用されていたが、排水の流出を適宜止水できるものであれば、栓部材やバルブ等どのようなものでもよいし、また、各実施例や変形例における排水口に、他の実施例や変形例に記載の水受皿、止水栓等を適用してもよい。
【0086】
また、前記実施例に記載のプランターや支持枠の材質や形状等は、前記実施例に記載のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
【0087】
また、前記実施例に記載の草花を植栽可能なプランターとは、実施例1〜3に記載したように、内部に盛り土して草花を植栽するものに限定されるものではなく、例えば水に草花を活けることで植栽するものであってもよい。
【0088】
また、前記実施例では、実施例3に関わるプランター装置41にのみ、排水口48から流出した排水を循環させてプランター42に供給可能な循環装置を適用する旨を記載したが、実施例1,2や変形例1〜3のプランター装置にこのような循環装置を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1におけるプランター装置の全体像を示す斜視図である。
【図2】(a)はトップユニット及びプランターを示す一部破断断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】(a)は連結用台ユニットを示す平面図であり、(b)は連結用台ユニットを示す正面図である。
【図4】(a)はプランター装置の使用状態を示す正面図であり、(b)はプランター装置の他の使用状態を示す正面図である。
【図5】(a)は本発明の実施例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【図6】図5のプランター装置を示す右側面図である。
【図7】本発明の実施例3としてのプランター装置を示す正面図である。
【図8】(a)は図7のプランター装置を示す右側面図であり、(b)は図7のC−C断面図である。
【図9】(a)は本発明の変形例1としてのプランター装置を示す正面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す平面図であり、(c)は(b)のD−D断面図である。
【図10】(a)は変形例2としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【図11】(a)はさらに変形例3としてのプランター装置を示す平面図であり、(b)は(a)のプランター装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0090】
1,31,41,51,61,71 プランター装置
2 プランター
3 支持枠
4 トップユニット(支持枠)
4a,5a 枠部材
4b,5b 連結棒
5 ベースユニット(支持枠)
6 水受皿(排水保持手段、貯留容器)
7 草花
8 排水口
11 載置板(載置部)
12 ガイドレール
13 切欠凹部
44 排水ドレン(排水保持手段)
45 給排水パイプ
47a,47b 止水栓(排水保持手段)
54,64,74 コルク栓(排水保持手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
草花を植栽可能であるとともに、該草花に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランターと、
前記プランターを床面から所定高さ位置に支持する支持手段と、
前記排水を前記プランターの内部または該プランターの外部近傍位置に保持するための排水保持手段と、
を備え、
前記排水保持手段は、保持した排水を前記プランターに供給可能に構成されている、
ことを特徴とするプランター装置。
【請求項2】
前記支持手段は、床面上に立設可能に構成され、前記プランターの載置部が上部に設けられる支持枠からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプランター装置。
【請求項3】
前記支持枠は複数の枠ユニットからなり、上方に向けて積載可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプランター装置。
【請求項4】
前記排水保持手段は、前記プランターにおける前記排水口の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口から流出した排水を貯留可能な貯水容器である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプランター装置。
【請求項5】
前記貯水容器は、前記支持枠の内部に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載のプランター装置。
【請求項6】
前記排水保持手段は、前記排水口から流出した排水を循環させて前記プランターに供給可能な循環装置を含む、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプランター装置。
【請求項1】
草花を植栽可能であるとともに、該草花に供給され余剰した排水を外部に流出するための排水口を有するプランターと、
前記プランターを床面から所定高さ位置に支持する支持手段と、
前記排水を前記プランターの内部または該プランターの外部近傍位置に保持するための排水保持手段と、
を備え、
前記排水保持手段は、保持した排水を前記プランターに供給可能に構成されている、
ことを特徴とするプランター装置。
【請求項2】
前記支持手段は、床面上に立設可能に構成され、前記プランターの載置部が上部に設けられる支持枠からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のプランター装置。
【請求項3】
前記支持枠は複数の枠ユニットからなり、上方に向けて積載可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプランター装置。
【請求項4】
前記排水保持手段は、前記プランターにおける前記排水口の下方位置に取り出し自在に配置され、該排水口から流出した排水を貯留可能な貯水容器である、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプランター装置。
【請求項5】
前記貯水容器は、前記支持枠の内部に配置される、
ことを特徴とする請求項4に記載のプランター装置。
【請求項6】
前記排水保持手段は、前記排水口から流出した排水を循環させて前記プランターに供給可能な循環装置を含む、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプランター装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−295630(P2008−295630A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143338(P2007−143338)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(507177814)株式会社リムグリーン (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(507177814)株式会社リムグリーン (1)
【Fターム(参考)】
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