説明

プリズムブロック調整装置及びこれを備えた液晶プロジェクタ

【課題】プリズムブロックの位置の調整を容易に行うことができるプリズムブロック調整装置及びこれを備えた液晶プロジェクタを提供する。
【解決手段】プリズムブロックの位置を調整するためのプリズムブロック調整装置は、プリズムブロックが載置される台座6と、台座6が間隙をもって嵌め込まれるとともに、台座6を支持する支持部材5と、台座6と支持部材5との間隙に設けられて、台座6を支持部材5に向けて押さえつける板ばね7とを備えている。さらに、プリズムブロック調整装置は、支持部材5に螺合されるとともに、支持部材5から台座6に向けて突出するおねじ部材81,82を備えており、板ばね7によって押さえつけられる力に抗して、おねじ部材81,82が台座6を押す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、プリズムブロックの位置を調整するためのプリズムブロック調整装置、及びこれを備えた液晶プロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶プロジェクタにおいて、光の3原色に対応する3つの液晶パネルを透過した光を、クロスダイクロイックプリズムによって合成することが知られている。そして、投写型映像表示装置である液晶プロジェクタは、クロスダイクロイックプリズムによって合成された光を投射することにより、映像を投写して表示する構成となっている。
【0003】
また、液晶プロジェクタの組み立て及び製造においては、光学性能の確保のために、クロスダイクロイックプリズムにより合成された光を投射する投写レンズと、液晶パネルとを精密な位置合わせを行った上で、それらを固定することが求められる。
【0004】
複数の液晶パネルの位置を個別に調整できるように構成されている場合には、位置を調整するための機構の構成部品が多くなって重量の増加やコストアップの要因となり、また、各液晶パネルを個別に調整して光学性能を確保するためには熟練を要する等の不都合がある。
【0005】
そこで、各液晶パネルがクロスダイクロイックプリズムと一体化したプリズムブロックを用いて、投写レンズと位置合わせを行うことが知られている。この場合、投写レンズと液晶パネルとの位置合わせを行う際に、プリズムブロックに比べて重い投写レンズの位置を調整すると、投写レンズの重量等に起因して、バックフォーカスがずれたりフレアが発生したりして光学性能が低下するという問題がある。そのため、投写レンズと液晶パネルとの位置合わせを行う際には、投写レンズを固定した状態でプリズムブロックの位置を調整することが好ましい。また、投写レンズから投射された光を反射する反射ミラーを備えた液晶プロジェクタにおいても、反射ミラーを備えていない投写レンズを仮固定した状態で、プリズムブロックの位置を調整して、投写レンズと液晶パネルとの位置合わせを行うことが好ましい。
【0006】
プリズムブロックの位置を調整可能な機構を有する装置としては、投写レンズの基端部分に取り付けられる支持構造本体及びクロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)に固定される台座の間で、クロスダイクロイックプリズムの四隅位置近傍に配置されたスペーサを備える光学装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−91842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載されるように、支持構造本体と台座の間にスペーサを設けただけの構成では、クロスダイクロイックプリズムの位置を調整した後に、接着剤によりスペーサを支持構造本体及び台座に固定する必要がある。このため、接着剤を硬化させた後にクロスダイクロイックプリズムの位置を再調整するためには接着剤を除去する必要がある。また、クロスダイクロイックプリズムの位置を調整している際は接着剤の硬化前であるため、プリズムブロック(電気光学装置)を保持するための装置が必要になる。このため、特許文献1に記載されるように電気光学装置保持部を備える位置調整ユニットといった大掛かりな装置を用いる必要がある。従って、プリズムブロックの位置の調整を容易に行うことができないという問題があった。
【0009】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プリズムブロックの位置の調整を容易に行うことができるプリズムブロック調整装置及びこれを備えた液晶プロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、プリズムブロックの位置を調整するためのプリズムブロック調整装置であって、プリズムブロックが載置される台座と、台座が間隙をもって嵌め込まれるとともに、台座を支持する支持部材と、台座と支持部材との間隙に設けられて、台座を支持部材に向けて押さえつける弾性部材と、支持部材に螺合されるとともに、支持部材から台座に向けて突出する螺合部材とを備え、弾性部材によって押さえつけられる力に抗して、螺合部材が台座を押すことを特徴とする。
【0011】
同構成によれば、弾性部材により押さえつけられる力に抗して、螺合部材が台座を押すため、螺合部材をプリズムブロックの位置を調整する調整部材として使用することができる。即ち、螺合部材を用いて台座を押すことにより、台座の位置を調整して、台座に載置されるプリズムブロックの位置を調整することができる。そして、プリズムブロックが載置される台座は、弾性部材及び螺合部材により固定することができる。即ち、弾性部材及び螺合部材によって台座にはたらく力が釣り合うことにより、プリズムブロックが載置される台座が静止するため、台座に載置されるプリズムブロックが動かないように固定することができる。また、螺合部材を回転させて螺合部材が支持部材から台座に向けて突出する量を調整することにより、台座の位置を調整することができるため、プリズムブロックの位置の調整を容易に行うことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプリズムブロック調整装置であって、支持部材には、螺合部材が挿通される貫通孔が形成され、貫通孔にはめねじ部が設けられるとともに、螺合部材は、めねじ部に螺合するおねじ部材であることを特徴とする。
【0013】
同構成によれば、螺合部材は、支持部材に形成された貫通孔のめねじ部に螺合するおねじ部材であるため、おねじ部材を、支持部材の外部から貫通孔に挿通させて、支持部材から台座に向けて突出させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のプリズムブロック調整装置であって、螺合部材として、プリズムブロックから光が出射される方向へ台座を押す螺合部材を備えることを特徴とする。
【0015】
同構成によれば、プリズムブロックから光が出射される方向へ台座を押す螺合部材を備えるため、螺合部材が支持部材から台座に向けて突出する量を大きくすることにより、プリズムブロックが載置される台座を、プリズムブロックから光が出射される方向に移動させることが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のプリズムブロック調整装置であって、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向において、複数の螺合部材が設けられていることを特徴とする。
【0017】
同構成によれば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向(例えば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する左右方向)において、プリズムブロックから光が出射される方向へ台座を押す螺合部材が複数設けられている。このため、複数の螺合部材が支持部材から台座に向けて突出する量の各々を大きくすることにより、プリズムブロックが載置される台座を、プリズムブロックから光が出射される方向に移動させることができる。また、複数の螺合部材のうち、所定の螺合部材が支持部材から台座に向けて突出する量を調整することにより、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する軸(例えば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する上下方向に平行な軸)を中心に台座を回動させることができる。具体的には、プリズムブロックから光が出射される方向と、この方向に直交する第1の方向とを含む平面において、台座を回動させることができる。このため、台座に載置されるプリズムブロックの、第1の方向のあおり角度を調整することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載のプリズムブロック調整装置であって、台座は、プリズムブロックから光が出射される方向に延びる側面を有しており、台座には、側面の一部を支持部材に向けて突出させて形成された突出部が設けられ、突出部が側面と対向する支持部材に接触することを特徴とする。
【0019】
同構成によれば、プリズムブロックから光が出射される方向に延びる側面の一部を、支持部材に向けて突出させて形成された突出部が、側面と対向する支持部材に接触する。このため、突出部を支点として、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する軸(例えば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する上下方向に平行な軸)を中心に台座を容易に回動させることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、台座は、螺合部材と対向する背面を有し、台座には、背面の一部であって螺合部材により押される部分が、背面のその他の部分に比べて膨らんでいる膨出部が設けられていることを特徴とする。
【0021】
同構成によれば、台座には、背面の一部であって螺合部材により押される部分が、背面のその他の部分に比べて膨らんでいる膨出部が設けられている。このため、台座の背面において、螺合部材により押される部分の面積を確保することができ、背面のその他の部分を薄くすることにより、台座の小型化を図ることができる。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプリズムブロック調整装置であって、支持部材には、膨出部に対向する開口部が設けられ、この開口部に向けて膨出部が膨らんでいることを特徴とする。
【0023】
同構成によれば、支持部材には、膨出部に対向する開口部が設けられ、この開口部に向けて膨出部が膨らんでいるため、背面の一部が膨出部として形成されている場合であっても、膨出部と支持部材とが接触しないようにすることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項1及び請求項7のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、台座には、支持部材によって支持される軸部が設けられており、螺合部材として、軸部を支点として回動するように台座を押す台座回動用螺合部材を備えることを特徴とする。
【0025】
同構成によれば、支持部材の軸部を支点として回動するように台座を押す台座回動用螺合部材を備えるため、台座の回動の中心となる軸に直交する方向(例えば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する上下方向)において、台座に載置されるプリズムブロックから出射される光の角度を調整することができる。
【0026】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のプリズムブロック調整装置であって、軸部は、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向に延びていることを特徴とする。
【0027】
同構成によれば、軸部は、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向(例えば、プリズムブロックから光が出射される方向に直交する左右方向)に延びているため、台座回動用螺合部材が支持部材から台座に向けて突出する量を調整することにより、第1の方向に平行な軸を中心に台座を回動させることができる。従って、台座に載置されるプリズムブロックの、第1の方向に直交する第2の方向(例えば、上下方向)のあおり角度を調整することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項8または請求項9に記載のプリズムブロック調整装置であって、支持部材には、軸部を支持する平らな支持面が形成されており、軸部は、支持面に沿ってプリズムブロックから光が出射される方向に摺動可能であることを特徴とする。
【0029】
同構成によれば、プリズムブロックから光が出射される方向に摺動可能な軸部は、平らな支持面により支持されているため、プリズムブロックから光が出射される方向に台座を容易に移動させることができる。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載のプリズムブロック調整装置であって、支持面において、台座を支持する支持部材は軸部のみと接触することを特徴とする。
同構成によれば、支持面において、台座を支持する支持部材は軸部のみと接触するため、支持部材と台座との接触面積を小さくして、プリズムブロックから光が出射される方向に台座をさらに容易に移動させることができる。
【0031】
請求項12に記載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、支持部材は、台座が間隙をもって嵌め込まれる枠部を有しており、枠部には、軸部が嵌め込まれる切り欠きと、この切り欠きに嵌め込まれた軸部を保持する保持部とが設けられていることを特徴とする。
【0032】
同構成によれば、支持部材の枠部には台座の軸部が嵌め込まれる切り欠きと、この切り欠きに嵌め込まれた軸部を保持する保持部が設けられているため、台座の軸部を支持部材に嵌めて保持することができる。
【0033】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、弾性部材は、板ばねであることを特徴とする。
同構成によれば、台座と支持部材との間隙に設けられる弾性部材は、板ばねであるため、台座と支持部材との間隙が小さな間隙であっても、台座を支持部材に向けて押さえつける弾性部材を容易に設けることができる。
【0034】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載のプリズムブロック調整装置であって、板ばねは、互いに直交する3方向において台座を支持部材に向けて押さえつける単一の部材により形成されていることを特徴とする。
【0035】
同構成によれば、板ばねは、互いに直交する3方向(例えば、前後方向及び上下方向及び左右方向)において台座を支持部材に向けて押さえつける単一の部材により形成されている。このため、3方向において台座を押さえつける弾性部材が単一の部材であるため、各方向に台座を押さえつける複数の弾性部材を備える場合に比べて、弾性部材の部品点数を少なくすることができる。
【0036】
請求項15に記載の発明は、請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、台座は、載置されるプリズムブロックと対向する上面を有し、台座には、上面に平行な方向へのプリズムブロックの移動を規制するために、プリズムブロックの一部と係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0037】
同構成によれば、台座には、上面に平行な方向へのプリズムブロックの移動を規制するために、プリズムブロックの一部と係合する係合部が設けられているため、台座に載置されたプリズムブロックの移動を規制することができる。従って、プリズムブロックを台座に仮固定することができる。
【0038】
請求項16に記載の発明は、請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、プリズムブロックを台座に固定するための固定用螺合部材をさらに備えることを特徴とする。
【0039】
同構成によれば、プリズムブロックを台座に固定するための固定用螺合部材をさらに備える。従って、固定用螺合部材によりプリズムブロックを台座に固定することができるため、プリズムブロックを台座に固定するための接着剤を不要とすることができる。
【0040】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載のプリズムブロック調整装置であって、固定用螺合部材が、プリズムブロックに対して螺合されるおねじであることを特徴とする。
【0041】
同構成によれば、固定用螺合部材が、プリズムブロックに螺合されるおねじであるため、固定用螺合部材を台座に挿通してプリズムブロックに螺合することにより、プリズムブロックを台座に固定することができる。
【0042】
請求項18に記載の発明は、請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置であって、台座は、プリズムブロックを支持する複数のプリズムブロック支持面を有し、台座に載置されるプリズムブロックは、複数のプリズムブロック支持面上に載置されることを特徴とする。
【0043】
同構成によれば、台座に載置されるプリズムブロックは、複数のプリズムブロック支持面上に載置されるため、プリズムブロックを安定した状態で台座に載置して設けることができる。
【0044】
請求項19に記載の発明は、液晶プロジェクタであって、請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置を備えることを特徴とする。
同構成によれば、請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置を備えるため、請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0045】
請求項20に記載の発明は、請求項19に記載の液晶プロジェクタであって、プリズムブロックから出射される光を投射して映像を表示するための投写レンズを備え、支持部材は、投写レンズを支持する部材と一体的に形成されていることを特徴とする。
【0046】
同構成によれば、台座を支持する支持部材は、投写レンズを支持する部材と一体的に形成されているため、台座を支持する支持部材と、投写レンズを支持する部材とを、別個に形成して設けることを不要とすることができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、プリズムブロックの位置の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶プロジェクタを示す模式図。
【図2】同実施形態に係る液晶プロジェクタの光学系及び光学経路を示す概略構成図。
【図3】同実施形態に係る液晶プロジェクタにおいて、投写レンズが設けられた支持部材に対してプリズムブロックが設けられた状態を示す斜視図。
【図4】同実施形態に係る投写レンズ及び支持部材及びプリズムブロックを示す斜視図であって、図3の分解斜視図。
【図5】同実施形態に係る液晶プロジェクタが備えるプリズムブロックを示す斜視図。
【図6】同実施形態に係る液晶プロジェクタが備える支持部材を示すとともに、プリズムブロックの位置を調整するためのプリズムブロック調整装置を示す斜視図。
【図7】同実施形態に係る液晶プロジェクタにおいて、図4で示すプリズムブロック調整装置を分解した分解斜視図。
【図8】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する支持部材を示す平面図。
【図9】(a)(b)同実施形態に係る液晶プロジェクタが備える支持部材の一部を示すとともに、プリズムブロック調整装置を構成する支持部材を示す斜視図。
【図10】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する台座を示す平面図。
【図11】(a)(b)同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する台座を上方から見た斜視図。
【図12】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する台座を示す下面図。
【図13】(a)(b)同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する台座を下方から見た斜視図。
【図14】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する板ばねを示す平面図。
【図15】(a)(b)同実施形態に係るプリズムブロック調整装置を構成する板ばねを示す斜視図。
【図16】同実施形態に係る台座に板ばねが設けられた状態を示す平面図。
【図17】同実施形態に係る台座に板ばねが設けられた状態を示す斜視図。
【図18】同実施形態に係る支持部材に台座及び板ばねが設けられた状態を示す平面図。
【図19】同実施形態に係る支持部材に台座及び板ばねが設けられた状態を示す下面図。
【図20】同実施形態に係る支持部材に台座及び板ばねが設けられた状態を示す側面図。
【図21】同実施形態に係る支持部材に台座及び板ばねが設けられた状態を示す側面図。
【図22】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置において、上下方向に平行な軸を中心に回転する台座を説明するための平面図。
【図23】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置において、上下方向に平行な軸を中心に回転する台座を説明するための平面図。
【図24】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置において、前後方向に平行移動する台座を説明するための平面図。
【図25】同実施形態に係るプリズムブロック調整装置において、左右方向に平行な軸を中心に回転する台座を説明するための側面図。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明に係る液晶プロジェクタPは、光を投射することにより映像を投写して表示する投写型映像表示装置である。以下、映像を表示するために投射される映像の光を映像光という。
【0050】
図1に示すように、液晶プロジェクタPは、映像光を生成する光学エンジン1と、光学エンジン1によって生成された映像光を投射する投写レンズ3と、投写レンズ3から投射された映像光を反射する反射ミラー4とを備えている。本実施形態に係る液晶プロジェクタPは、投写レンズ3から投射された映像光を反射ミラー4で反射させることにより、液晶プロジェクタからの距離が短いスクリーンや壁等の平面上に大きな映像を投写して表示する構成となっている。
【0051】
図2に示すように、液晶プロジェクタPは、光学エンジン1を構成する光学部品として、光源11、インテグレータレンズ12、偏光変換素子13、集光レンズ14、ダイクロイックミラー15a,15b、反射ミラー16a,16b、液晶パネル17a,17b,17c、及びクロスダイクロイックプリズム18を備えている。
【0052】
超高圧水銀ランプ等の光源11から出射される白色光は、インテグレータレンズ12により光量の分布が均一化されるとともに、偏光変換素子13により偏光方向が一方向に揃えられ、集光レンズ14により適宜収束される。そして、光源11により出射された白色光のうち、青色の波長の光はダイクロイックミラー15aで反射され、赤色及び青色の波長の光はダイクロイックミラー15aを透過する。また、赤色及び青色の波長の光のうち、緑色の波長の光はダイクロイックミラー15bで反射され、赤色の波長の光はダイクロイックミラー15bを透過する。このようにして白色光から赤色、青色、及び緑色の光が分離される。
【0053】
青色の光は、ダイクロイックミラー15a及び反射ミラー16aにより反射されて青色に対応する液晶パネル17aに導かれ、赤色の光は、反射ミラー16bにより反射されて赤色に対応する液晶パネル17cに導かれる。また、緑色の光は、ダイクロイックミラー15bにより反射されて緑色に対応する液晶パネル17bに導かれる。光の3原色である赤色、青色、及び緑色の光は、液晶パネル17a,17b,17cを透過する。そして、3つの液晶パネル17a,17b,17cを透過した光が、クロスダイクロイックプリズム18により合成される。
【0054】
映像光を生成するための液晶パネル17a,17b,17cは、液晶材料を挟むガラス基板や、液晶材料に電圧を印加するための透明電極等により構成されている。各液晶パネル17a,17b,17cにおける光の入射側及び出射側には、それぞれ、偏光板(不図示)が設けられている。各液晶パネル17a,17b,17cと、それらの光の入射側及び出射側に設けられた偏光板とにより、光の3原色に対応した3つのライトバルブが構成される。
【0055】
クロスダイクロイックプリズム18は、複数のプリズムを貼り合わせて形成された色合成プリズムであって、赤色及び緑色及び青色の光を合成する光学部品である。正六面体のクロスダイクロイックプリズム18は、液晶パネル17aを透過した青色の光が入射する入射面18aと、液晶パネル17bを透過した緑色の光が入射する入射面18bと、液晶パネル17cを透過した赤色の光が入射する入射面18cと、合成された光である映像光が出射する出射面18dとを有している。
【0056】
液晶パネル17a,17b,17cを透過した光がクロスダイクロイックプリズム18で合成されることにより、光学エンジン1において映像光が生成され、クロスダイクロイックプリズム18の出射面18dから出射された映像光が、投写レンズ3に入射する構成となっている。
【0057】
なお、液晶プロジェクタPは、上記の光学部品の他に、光源11から出射された光を伝達するためのリレーレンズや、各液晶パネル17a,17b,17cにおける光の入射側及び出射側に設けられる光学補償板等を備えているが、これらの光学部品の図示は省略する。
【0058】
各入射面18a,18b,18cに対応して設けられる各液晶パネル17a,17b,17cは、クロスダイクロイックプリズム18に対して固定され、各液晶パネル17a,17b,17cがクロスダイクロイックプリズム18と一体化されている。従って、光合成装置であるプリズムブロック2は、液晶パネル17a,17b,17cとクロスダイクロイックプリズム18とを少なくとも備えており、プリズムブロック2は光学経路上に設けられている。
【0059】
図3及び図4に示すように、プリズムブロック2は、投写レンズ3を支持する支持部材5の近くに設けられ、クロスダイクロイックプリズム18の出射面18d(図4参照)が投写レンズ3と対向して設けられる構成となっている。以下、液晶プロジェクタPが組み立てられた状態において、プリズムブロック2に対して投写レンズ3が設けられる方向を、前後方向における前方とする。即ち、プリズムブロック2から光が出射される方向が、前後方向の前方である。
【0060】
支持部材5は、投写レンズ3が取り付けられる枠体51と、枠体51から後方へ突出させて形成された支持部材5の一部であって、プリズムブロック2を支持するための部品が設けられるプリズムブロック支持部52とを備えている。以下、液晶プロジェクタPが組み立てられた状態において、支持部材5のプリズムブロック支持部52に対してプリズムブロック2が設けられる方向を、上下方向における上方とする。なお、前後方向と上下方向とは互いに直交している。
【0061】
図4及び図5に示すように、プリズムブロック2は、各液晶パネル17a,17b,17cを保持する保持枠21、保持枠21がねじ止めされるフレーム22、クロスダイクロイックプリズム18に光学部品を固定する土台となるベース部材23a,23b、及びフレーム22の移動を規制するフレーム移動規制部材24a,24bを備えている。
【0062】
プリズムブロック2を構成するクロスダイクロイックプリズム18は、下側ベース部材23aと上側ベース部材23bとにより挟まれて設けられている。下側ベース部材23aには下側フレーム移動規制部材24aが固定され、上側ベース部材23bには上側フレーム移動規制部材24bが固定される構成となっている。そして、ベース部材23a,23bに固定されたフレーム移動規制部材24a,24bにより、保持枠21が半田付けされたフレーム22の移動が規制されて、クロスダイクロイックプリズム18に対して液晶パネル17a,17b,17cが固定される構成となっている。
【0063】
図5に示すように、下側ベース部材23aには、下方へ突出する2つの係合凸部25と、螺旋状の溝が形成されためねじ部26とが設けられている。プリズムブロック2に設けられた係合凸部25及びめねじ部26は、本発明に係るプリズムブロック調整装置Aにプリズムブロック2を固定するための構造である。
【0064】
図6及び図7に示すように、プリズムブロック調整装置Aは、プリズムブロック2の位置を調整するための機構を備えたものであり、本実施形態においては、投写レンズ3を支持する支持部材5を含んで構成されている。以下、本発明に係るプリズムブロック調整装置Aの構成を詳しく説明する。
【0065】
プリズムブロック調整装置Aは、その構成部品として、プリズムブロック2が載置される台座6、台座6を支持する支持部材5、台座6を支持部材5に押さえつける弾性部材としての板ばね7、支持部材5に螺合されるおねじ部材81,82,83(図7参照)、及びプリズムブロック2に螺合されるおねじ9を備えている。
【0066】
図7及び図8に示すように、台座6が設けられる支持部材5のプリズムブロック支持部52において、支持部材5には、台座6が間隙をもって嵌め込まれる枠部53と、枠部53内の下側に設けられた底部54とが設けられている。
【0067】
四角枠状の枠部53は、上下方向において立った状態に設けられる枠部53の一部として、前側壁部53aと右側壁部53bと左側壁部53cと後側壁部53dとを有している。支持部材5の枠部53には、後側壁部53dを前後方向に貫通させて設けられた2つの貫通孔55が形成されている。2つの貫通孔55は、左右方向において間隔をあけて設けられている。なお、左右方向は、前後方向と上下方向とに直交する方向である。各貫通孔55には、螺旋状の溝が形成されためねじ部55aが設けられており、めねじ部55aにおねじ部材81,82を螺合させて、貫通孔55におねじ部材81,82が挿通される。このように、支持部材5の枠部53の後側壁部53dには、おねじ部材81,82が挿通される2つの貫通孔55が形成されている。
【0068】
また、枠部53には、前側壁部53a及び右側壁部53bから枠部53内に向けて突出する弾性部材係止部56a,56bが設けられている。前側壁部53aを後方へ突出させて形成された弾性部材係止部56aは、板ばね7と係合することにより、板ばね7の左右方向における移動及び上方への移動を規制して、支持部材5の枠部53内において板ばね7を係止させる突起である。また、右側壁部53bを左方へ突出させて形成された2つの弾性部材係止部56bは、それぞれ、板ばね7と係合することにより、板ばね7の前後方向における移動及び上方への移動を規制して、支持部材5の枠部53内において板ばね7を係止させる突起である。
【0069】
また、図9に示すように、枠部53の前後方向における中心付近には、右側壁部53b及び左側壁部53cの一部が上方から下方へ向けて切り欠かれて形成された切り欠き57aと、切り欠き57aの下側部分から後方へ向けて切り欠かれて形成された保持部57bとが設けられている。右側壁部53b及び左側壁部53cに形成された切り欠き57aには台座6の一部が嵌め込まれ、切り欠き57aに嵌め込まれた台座6の一部は、切り欠き57aから保持部57bが設けられた箇所へ移動させることができる。保持部57bは、枠部53の一部により形成される下方へ向いた保持面により構成されている。
【0070】
支持部材5の一部として形成された枠部53の内部には、枠部53内に設けられる台座6や板ばね7を支持するための底部54が支持部材5の一部として形成されている。従って、枠部53及び底部54を含む支持部材5は単一の部材により構成されており、支持部材5は例えばマグネシウム等の金属材料により成形されている。
【0071】
図8及び図9等に示すように、底部54は、上方に設けられる台座6と対向する底面54aと、底面54aの一部を窪ませて形成された台座6を支持するための支持面54bとを有している。底部54の前側には、底部54を上下方向に貫通させて設けられた貫通孔58が形成されている。貫通孔58には、螺旋状の溝が形成されためねじ部58aが設けられており、めねじ部58aにおねじ部材83を螺合させて、貫通孔58におねじ部材83が挿通される。このように、支持部材5の底部54には、おねじ部材83が挿通される貫通孔58が形成されている。
【0072】
また、底部54の中心付近には、おねじ9を挿通させるために十分な大きさの挿通孔54cが形成されており、底部54を上下方向に貫通させて挿通孔54cが設けられている。本実施形態においては、下方に突出する台座6の一部も挿通孔54cに挿通できるように、挿通孔54cは、台座6の一部の形状に対応させて形成されている。具体的には、図8に示すように、上方から見た平面視において、挿通孔54cの前側が矩形状に形成され、挿通孔54cの後側が円形状に形成されている。
【0073】
また、底部54の後側には、各貫通孔55の近傍において開口部59が設けられている。開口部59は、プリズムブロック2の位置の調整に伴って動く台座6の一部が、支持部材5の底部54と干渉しないようにするための貫通孔である。
【0074】
図10及び図11に示すように、支持部材5の枠部53に嵌められる台座6は板状に形成されており、台座6は間隙をもって支持部材5に嵌め込まれる。台座6は、プリズムブロック2に対向する上面61と、前後方向及び左右方向を向く側面62とを有している。台座6に対してプリズムブロック2が設けられる方向が、上下方向の上方であり、上面61上に、プリズムブロック2が載置される。
【0075】
側面62は、前方に向けて設けられる正面62aと、右方に向けて設けられる右側面62bと、左方に向けて設けられる左側面62cと、後方に向けて設けられる背面62dにより構成されている。正面62a及び背面62dは左右方向に延びており、右側面62b及び左側面62cは前後方向に延びている。本実施形態においては、台座6と支持部材5との間に板ばね7が設けられるよう、左右方向の間隙を確保するために、右側面62bの後側端部を除く部分は、右側面62bの後側端部に比べて左方に窪んでいる。
【0076】
プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態においては、正面62aは板ばね7を介して枠部53の前側壁部53aと対向し、右側面62bは板ばね7を介して枠部53の右側壁部53bと対向する。また、プリズムブロック調整装置Aを組み立てた状態においては、左側面62cは枠部53の左側壁部53cと対向し、背面62dは枠部53の後側壁部53dと対向する。
【0077】
台座6には、支持部材5によって支持されるとともに、左右方向において延びる円柱状の軸部63a,63bが設けられている。軸部63aは、右側面62bよりも右方に、即ち、右側壁部53bに向けて突出するように、台座6の一部を延ばして形成されている。また、軸部63bは、左側面62cよりも左方に、即ち、左側壁部53cに向けて突出するように、台座6の一部を延ばして形成されている。軸部63a,63bは、底部54に形成された平らな支持面54bにより支持される。
【0078】
また、台座6には、プリズムブロック2に設けられた係合凸部25と係合する2つの係合凹部64が設けられている。台座6を上下方向に貫通させて形成された係合凹部64には、プリズムブロック2の係合凸部25が挿通される構成となっている。2つの係合凹部64は、台座6の対角線上に設けられて、前後方向及び左右方向において間隔をあけて設けられている。
【0079】
また、台座6の中心には、台座6を上下方向に貫通させて設けられた貫通孔65が形成されている。貫通孔65の内周は円筒状に形成されており、貫通孔65にはおねじ9が螺合されることなく挿通される。なお、図10に示すように貫通孔65の下側部分には、おねじ9の脱落を防ぐための脱落防止部65aが形成されている。脱落防止部65aは、貫通孔65の内周を狭くして形成された貫通孔65の一部であって、脱落防止部65aの径は、貫通孔65のその他の部分に比べて小さく形成されている。
【0080】
また、台座6の前側端部には、上方に向けて設けられる弾性部材当接面61aが形成されている。弾性部材当接面61aは、上面61の一部を下方に窪ませて形成されている。この弾性部材当接面61aと正面62aと右側面62bとに、板ばね7が当接する構成となっている。
【0081】
また、台座6には、上面61の一部を僅かに上方に突出させて形成された複数の平らなプリズムブロック支持面61bが形成されている。本実施形態においては、プリズムブロック支持面61bは、貫通孔65の周辺と、台座6の前側端部における弾性部材当接面61aを挟む箇所と、台座6の後側端部に形成されている。
【0082】
また、台座6の左側端部には、左側面62cの一部を左方に突出させて形成された突出部66が設けられている。突出部66は、軸部63bの上方において、台座6の一部を左側壁部53cに向けて突出するように延ばして形成されている。
【0083】
また、台座6の後側端部には、背面62dの一部を下方に突出させて形成された膨出部67(図11(b)参照)が設けられている。膨出部67は、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態において、枠部53の貫通孔55に挿通されたおねじ部材81,82と対向する位置に設けられている。
【0084】
また、図12及び図13に示すように、板状の台座6は、上面61の反対側の面である下面68を有している。台座6には、下面68よりも下方へ突出するとともに挿通孔54cに挿通される挿通部69が設けられている。挿通部69は、前側が切り欠かれた円柱状に形成されており、挿通部69には上述の貫通孔65が形成されている。略円柱状をなす挿通部69は、貫通孔65が開口する開口面69aと、開口面69aよりも下方に向けて突出した外周壁69bとが形成されている。
【0085】
また、上述の軸部63a,63bの下側部分は、下面68よりも下方へ突出している。従って、支持面54bにおいて、支持部材5の底部54は下面68と接触せず、台座6を支持する支持部材5の底部54は軸部63a,63bのみと接触する構成となっている。
【0086】
以上のように軸部63a,63b、係合凹部64、突出部66、膨出部67、挿通部69等を含む台座6は単一の部材により構成されており、台座6は例えばマグネシウム等の金属材料により成形されている。
【0087】
図14及び図15に示すように、板ばね7には、支持部材5に当接する支持部材当接部71として、枠部53の前側壁部53aに当接する前側壁部当接部71aと、枠部53の右側壁部53bに当接する右側壁部当接部71bとが設けられている。
【0088】
また、板ばね7には、台座6に当接する台座当接部72として、台座6の正面62aに当接する正面当接部72aと、台座6の右側面62bに当接する右側面当接部72bと、弾性部材当接面61aに当接する上面当接部72cとが設けられている。弾性部材当接面61aは、台座6の上面61の一部である。
【0089】
支持部材当接部71と台座当接部72は板ばね7の一部であり、前側壁部当接部71aと正面当接部72aとは前後方向において弾性を有するように接続され、右側壁部当接部71bと右側面当接部72bとは左右方向において弾性を有するように接続されている。また、上面当接部72cは、正面当接部72aから折り曲げられて形成された板ばね7の一部であり、上下方向において弾性を有している。
【0090】
また、図15に示すように、板ばね7には、弾性部材係止部56a,56bと係合するための切り欠き73a,73bが形成されている。前側壁部当接部71aの上端が切り欠かれて形成された切り欠き73aは、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態において、弾性部材係止部56aと係合する。また、右側壁部当接部71bの上端が切り欠かれて形成された切り欠き73bは、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態において、弾性部材係止部56bと係合する。
【0091】
また、板ばね7には、右側面当接部72bを含む板ばね7の下端が切り欠かれて形成された切り欠き73cが形成されている。この切り欠き73cは、台座6の軸部63aと板ばね7とが干渉しないために設けられた切り欠きである。従って、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態においては、軸部63aの上方に切り欠き73cが形成された板ばね7が設けられる。
【0092】
以上のように支持部材当接部71及び台座当接部72を含む板ばね7は、単一の部材により構成されており、板ばね7は例えばりん青銅やステンレス等の金属により形成されている。従って、本実施形態においては、互いに直交する前後方向及び上下方向及び左右方向において台座6を支持部材5に向けて押さえつける弾性部材は、単一の部材により形成されている。
【0093】
プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態においては、板ばね7により、図16及び図17で示す白抜き矢印X,Y,Zの方向に台座6を押さえつける力が発生する。なお、図16及び図17においては、台座6及び板ばね7を除いてプリズムブロック調整装置Aの構成部品の図示は省略されている。
【0094】
具体的には、板ばね7の正面当接部72aにより、矢印Xが示す方向に台座6を押さえつける力が発生して、台座6が支持部材5の後側壁部53dに向けて押さえつけられる構成となっている。また、板ばね7の右側面当接部72bにより、矢印Yが示す方向に台座6を押さえつける力が発生して、台座6が支持部材5の左側壁部53cに向けて押さえつけられる構成となっている。また、板ばね7の上面当接部72cにより、矢印Zが示す方向に台座6を押さえつける力が発生して、台座6が支持部材5の底部54に向けて押さえつけられる構成となっている。
【0095】
プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態の平面視を図18乃至図21に示す。図18は、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態を示す上面図であり、図19は、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態を示す下面図ある。また、図20及び図21は、プリズムブロック調整装置Aが組み立てられた状態を示す側面図である。
【0096】
間隙をもって支持部材5に嵌め込まれた台座6は、板ばね7に当接するとともに、支持部材5に螺合されたおねじ部材81,82,83に当接する構成となっている。具体的には、台座6の上面61及び正面62a及び右側面62bが、板ばね7に当接し、台座6の背面62d及び下面68が、おねじ部材81,82,83に当接する構成となっている。なお、左側面62cは支持部材5に当接する。
【0097】
台座6に当接する板ばね7は、台座6を後方及び左方及び下方に向けて押さえつけることにより、台座6を支持部材5に向けて押さえつけている。板ばね7が台座6を押さえつける力に対抗して、おねじ部材81,82,83は台座6を押すことができる。
【0098】
おねじ部材81,82,83は、図20及び図21等に示すように、円柱状の金属成形体の外周に螺旋状の溝であるおねじ部81a,82a,83aが設けられた螺合部材である。2つのおねじ部材81,82は、台座6を平行移動及び回動させるための螺合部材であって、おねじ部材83は、台座6を回動させるための回動用螺合部材である。また、おねじ部材81,82,83の端部には、ねじを回す工具であるドライバー(不図示)が係合可能な溝81b,82b,83bが形成されている。
【0099】
おねじ部材81,82は貫通孔55のおねじ部55aに螺合されて支持部材5に螺合される。このようにして螺合されて貫通孔55に挿通されたおねじ部材81,82は、前後方向において台座6の背面62dと対向している。従って、おねじ部材81,82は、支持部材5の枠部53の後側壁部53dから台座6の背面62dに向けて突出することが可能である。
【0100】
また、おねじ部材83は、貫通孔58のおねじ部58aに螺合されて支持部材5に螺合される。このようにして螺合されて貫通孔58に挿通されたおねじ部材83は、上下方向において台座6の下面68と対向している。従って、おねじ部材83は、支持部材5の底部54から台座6の下面68に向けて突出することが可能である。
【0101】
おねじ部材81,82,83により押される台座6には、上述のごとくプリズムブロック2が載置される。台座6に載置されたプリズムブロック2は、おねじ9により台座6に固定される構成となっている。
【0102】
おねじ9は、図7等に示すように、台座6の貫通孔65に挿通される軸91と、軸91よりも径が大きいねじ頭92とを備えている。軸91の上側先端には螺旋状の溝が形成されたおねじ部91aが設けられており、ねじ頭92には工具が係合可能なソケット92a(図19参照)が形成されている。
【0103】
台座6にプリズムブロック2を固定する際には、プリズムブロック2の係合凸部25を台座6の係合凹部64に挿通させて、係合凸部25と係合凹部64とを係合させることにより行う。係合凸部25を係合凹部64に挿通させると、台座6の貫通孔65の直上にプリズムブロック2のめねじ部26が配置されるため、この状態でおねじ9を下方から貫通孔65に挿通させて、おねじ9のおねじ部91aとめねじ部26とを螺合させる。このようにしておねじ部91aとめねじ部26とを螺合させることにより、座金9aを介しておねじ9のねじ頭92により台座6がプリズムブロック2に締結される。
【0104】
以上のように構成されたプリズムブロック調整装置Aにおいて、位置が調整される台座6の動きを、図22乃至図25を参照しながら具体的に説明する。図22乃至図24は、おねじ部材81,82を用いた台座6の位置の調整を説明するための図であり、図25は、おねじ部材83を用いた台座6の位置の調整を説明するための図である。なお、図22乃至図25において、おねじ9の図示は省略する。
【0105】
図22乃至図24に示すように、板ばね7によって押さえつけられる力に抗して、おねじ部材81,82が台座6を前方に押すことによって、台座6の位置が調整される。即ち、おねじ部材81,82を回転させておねじ部材81,82が支持部材5の枠部53から台座6に向けて突出する量を調整することにより、台座6の位置を調整することができる。
【0106】
具体的には、複数のおねじ部材81,82のうち、おねじ部材81が支持部材5から台座6に向けて突出する量を調整せずに、おねじ部材82が支持部材5から台座6に向けて突出する量を大きくすることにより、上下方向に平行な軸を中心にして、図22中の矢印D1が示す方向に台座6を回動させることができる。
【0107】
また、複数のおねじ部材81,82のうち、おねじ部材82が支持部材5から台座6に向けて突出する量を調整せずに、おねじ部材81が支持部材5から台座6に向けて突出する量を大きくすることにより、上下方向に平行な軸を中心にして、図23中の矢印D2が示す方向に台座6を回動させることができる。
【0108】
また、おねじ部材81,82が支持部材5から台座6に向けて突出する量の各々を大きくすることにより、図24中の矢印D3が示す方向に向けて台座6を平行移動させることができる。
【0109】
また、図25に示すように、板ばね7によって押さえつけられる力に抗して、おねじ部材83が台座6を上方に押すことによっても、台座6の位置が調整される。即ち、おねじ部材83を回転させておねじ部材83が支持部材5の底部54から台座6に向けて突出する量を調整することにより、図25中の矢印D4が示す方向に台座6を回動させて、台座6の位置を調整することができる。
【0110】
このような台座6の位置の調整は、プリズムブロック2を台座6に載置させた状態で液晶プロジェクタPが投写して表示する映像を参照しながら行われる。台座6の位置を調整することにより、台座6に載置されたプリズムブロック2の位置が調整され、前後方向に台座6を移動させてバックフォーカスを調整することができ、さらに、上下方向及び左右方向のあおり角度を調整することができる。即ち、上下方向及び左右方向においてプリズムブロック2から出射される光の向き(即ち、光軸方向)を調整することができる。
【0111】
以上のようにしてプリズムブロック2の位置を調整することができるため、プリズムブロック2の位置を調整するための接着剤は不要であり、プリズムブロック2を台座6に載置した状態で位置の調整が可能であるため、プリズムブロック2を保持するための大掛かりな装置も不要である。
【0112】
また、投写レンズ3と液晶パネル17a,17b,17cとの位置合わせを行う際に、プリズムブロック2に比べて重い投写レンズ3の位置を調整する必要がないため、投写レンズ3の重量等に起因して、光学性能が低下することを抑制することができる。
【0113】
また、小型かつ軽量なプリズムブロック調整装置Aを得ることができる。プリズムブロック2を支持するプリズムブロック調整装置Aは大きな装置ではないため、プリズムブロック2を空冷する際の冷却能力を確保することができる。
【0114】
本実施形態によれば、以下の作用効果を得ることができる。
(1)プリズムブロック2の位置を調整するためのプリズムブロック調整装置Aは、台座6と、台座6を支持する支持部材5と、台座6と支持部材5との間隙に設けられて、台座6を支持部材5に向けて押さえつける板ばね7と、支持部材5から台座6に向けて突出するおねじ部材81,82,83とを備えている。そして、板ばね7によって押さえつけられる力に抗して、おねじ部材81,82,83が台座6を押す。このため、おねじ部材81,82,83をプリズムブロック2の位置を調整する調整部材として使用することができる。即ち、おねじ部材81,82,83を用いて台座6を押すことにより、台座6の位置を調整して、台座6に載置されるプリズムブロック2の位置を調整することができる。そして、プリズムブロック2が載置される台座6は、板ばね7及びおねじ部材81,82,83により固定することができる。即ち、板ばね7及びおねじ部材81,82,83によって台座6にはたらく力が釣り合うことにより、プリズムブロック2が載置される台座6が静止するため、台座6に載置されるプリズムブロック2が動かないように固定することができる。また、おねじ部材81,82,83を回転させておねじ部材81,82,83が支持部材5から台座6に向けて突出する量を調整することにより、台座6の位置を調整することができるため、プリズムブロック2の位置の調整を容易に行うことができる。
【0115】
(2)支持部材5には、螺合部材が挿通される貫通孔55,58が形成され、貫通孔55,58にはめねじ部55a,58aが設けられるとともに、螺合部材は、めねじ部55a,58aに螺合するおねじ部材81,82,83である。このため、おねじ部材81,82,83を、支持部材5の外部から貫通孔55,58に挿通させて、支持部材5から台座6に向けて突出させることができる。
【0116】
(3)プリズムブロック調整装置Aは、プリズムブロック2から光が出射される方向(即ち、前方)へ台座6を押すおねじ部材81,82を備えている。このため、おねじ部材81,82が支持部材5から台座6に向けて突出する量を大きくすることにより、プリズムブロック2が載置される台座6を、前方に移動させることができる。
【0117】
(4)前後方向に直交する左右方向において、複数のおねじ部材81,82が複数設けられている。このため、複数のおねじ部材81,82が支持部材5から台座6に向けて突出する量の各々を大きくすることにより、プリズムブロック2が載置される台座6を、プリズムブロックから光が出射される方向(即ち、前方)に移動させることができる。また、複数のおねじ部材81,82のうち、所定の螺合部材が支持部材5から台座6に向けて突出する量を調整することにより、前後方向に直交する上下方向に平行な軸を中心に台座6を回動させることができる。具体的には、プリズムブロック2から光が出射される方向と、この方向に直交する左右方向とを含む平面において、台座6を回動させることができる。このため、台座6に載置されるプリズムブロック2の、左右方向のあおり角度を調整することができる。
【0118】
(5)台座6は、前後方向に延びる左側面62cを有しており、台座6には、左側面62cの一部を支持部材5に向けて突出させて形成された突出部66が設けられ、突出部66が左側面62cと対向する支持部材5に接触する。このため、突出部66を支点として、上下方向に平行な軸を中心に台座6を容易に回動させることができる。
【0119】
(6)台座6は、おねじ部材81,82と対向する背面62dを有し、台座6には、背面62dの一部であっておねじ部材81,82により押される部分が、背面62dのその他の部分に比べて膨らんでいる膨出部67が設けられている。このため、台座6の背面62dにおいて、おねじ部材81,82により押される部分の面積を確保することができ、背面62dのその他の部分を薄くすることにより、台座6の小型化を図ることができる。
【0120】
(7)支持部材5には、膨出部67に対向する開口部59が設けられ、開口部59に向けて膨出部67が膨らんでいるため、背面62dの一部が膨出部67として形成されている場合であっても、膨出部67と支持部材5とが接触しないようにすることができる。
【0121】
(8)プリズムブロック調整装置Aは、軸部63a,63bを支点として回動するように台座6を押すおねじ部材83を備えている。このため、台座6の回動の中心となる軸に直交する方向(即ち、上下方向)において、台座6に載置されるプリズムブロック2から出射される光の角度を調整することができる。
【0122】
(9)軸部63a,63bは、前後方向に直交する左右方向に延びているため、おねじ部材83が支持部材5から台座6に向けて突出する量を調整することにより、左右方向に平行な軸を中心に台座6を回動させることができる。従って、台座6に載置されるプリズムブロック2の、上下方向のあおり角度を調整することができる。
【0123】
(10)支持部材5には、軸部63a,63bを支持する平らな支持面54bが形成されており、軸部63a,63bは、支持面54bに沿ってプリズムブロック2から光が出射される方向に摺動可能である。従って、前後方向に摺動可能な軸部63a,63bは、平らな支持面54bにより支持されているため、前後方向に台座6を容易に移動させることができる。
【0124】
(11)支持面54bにおいて、台座6を支持する支持部材5は軸部63a,63bのみと接触するため、支持部材5と台座6との接触面積を小さくして、プリズムブロック2から光が出射される方向(即ち、前後方向)に台座6をさらに容易に移動させることができる。
【0125】
(12)支持部材5は、台座6が間隙をもって嵌め込まれる枠部53を有しており、枠部53には、軸部63a,63bが嵌め込まれる切り欠き57aと、切り欠き57aに嵌め込まれた軸部63a,63bを保持する保持部57bとが設けられている。このため、台座6の軸部63a,63bを支持部材5に嵌めて保持することができる。
【0126】
(13)台座6と支持部材5との間隙に設けられる弾性部材は、板ばね7である。このため、台座6と支持部材5との間隙が小さな間隙であっても、台座6を支持部材5に向けて押さえつける弾性部材を容易に設けることができる。
【0127】
(14)板ばね7は、互いに直交する3方向(即ち、前後方向及び上下方向及び左右方向)において台座6を支持部材5に向けて押さえつける単一の部材により形成されている。このため、3方向において台座6を押さえつける弾性部材が単一の部材であるため、各方向に台座を押さえつける複数の弾性部材を備える場合に比べて、弾性部材の部品点数を少なくすることができる。
【0128】
(15)台座6には、上面61に平行な方向へのプリズムブロック2の移動を規制するために、プリズムブロック2の一部(即ち、係合凸部25)と係合する係合凹部64が設けられているため、台座6に載置されたプリズムブロック2の移動を規制することができる。従って、プリズムブロック2を台座6に仮固定することができる。
【0129】
(16)プリズムブロック調整装置Aは、プリズムブロック2を台座6に固定するためのおねじ9を備えている。従って、おねじ9によりプリズムブロック2を台座6に固定することができるため、プリズムブロック2を台座6に固定するための接着剤を不要とすることができる。
【0130】
(17)プリズムブロック2を台座6に固定するための固定用螺合部材が、プリズムブロック2に対して螺合されるおねじ9である。従って、おねじ9を台座6に挿通してプリズムブロック2に螺合することにより、プリズムブロック2を台座6に固定することができる。
【0131】
(18)台座6は、プリズムブロック2を支持する複数の(即ち、3つの)プリズムブロック支持面61bを有し、台座6に載置されるプリズムブロック2は、3つのプリズムブロック支持面61b上に載置される。このため、プリズムブロック2を安定した状態で台座6に載置して設けることができる。
【0132】
(19)液晶プロジェクタPは、プリズムブロック調整装置Aと、プリズムブロック2から出射される光を投射して映像を表示するための投写レンズ3を備え、支持部材5は、投写レンズ3を支持する部材(即ち、枠体51)と一体的に形成されている。このため、台座6を支持する支持部材5と、投写レンズ3を支持する部材とを、別個に形成して設けることを不要とすることができる。
【0133】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、上記実施形態を以下のように変更してもよく、以下の変更を組み合わせて実施してもよい。
【0134】
・プリズムブロック調整装置Aを構成する部品の材料や形状を、上記作用効果を奏することができる範囲で変更してもよい。例えば、プリズムブロック調整装置Aの構成部品が、左右方向において反転した形状であってもよい。
【0135】
・単一の部材により形成されていた部品を、別個に形成してもよい。例えば、投写レンズ3を支持する枠体51と、台座6が嵌め込まれる枠部53を有する部材とを別体により構成してもよい。
【0136】
・支持部材5へのおねじ部材81,82,83の螺合を強固にするために、台座6の位置の調整後に、接着剤によりおねじ部81a,82a,83aを固定してもよい。同様に、プリズムブロック2へのおねじ9の螺合を強固にするために、接着剤によりおねじ9を固定してもよい。
【符号の説明】
【0137】
P…液晶プロジェクタ、A…プリズムブロック調整装置、1…光学エンジン、2…プリズムブロック、3…投写レンズ、4…反射ミラー、5…支持部材、6…台座、7…板ばね(弾性部材)、9…おねじ(固定用螺合部材)、9a…座金、11…光源、12…インテグレータレンズ、13…偏光変換素子、14…集光レンズ、15a,15b…ダイクロイックミラー、16a,16b…反射ミラー、17a,17b,17c…液晶パネル、18…クロスダイクロイックプリズム、18a,18b,18c…入射面、18d…出射面、21…保持枠、22…フレーム、23a…下側ベース部材、23b…上側ベース部材、24a…下側フレーム移動規制部材、24b…上側フレーム移動規制部材、25…係合凸部(係合部)、26…めねじ部、51…枠体、52…プリズムブロック支持部、53…枠部、53a…前側壁部、53b…右側壁部、53c…左側壁部、53d…後側壁部、54…底部、54a…底面、54b…支持面、54c…挿通孔、55…貫通孔、55a…めねじ部、56a,56b…弾性部材係止部、57a…切り欠き、57b…保持部、58…貫通孔、58a…めねじ部、59…開口部、61…上面、61a…弾性部材当接面、61b…プリズムブロック支持面、62…側面、62a…正面(弾性部材当接面)、62b…右側面(弾性部材当接面)、62c…左側面、62d…背面(螺合部材当接面)、63a,63b…軸部、64…係合凹部(係合部)、65…貫通孔、65a…脱落防止部、66…突出部、67…膨出部、68…下面(螺合部材当接面)、69…挿通部、69a…開口面、69b…外周壁、71…支持部材当接部、71a…前側壁部当接部、71b…右側壁部当接部、72…台座当接部、72a…正面当接部、72b…右側面当接部、72c…上面当接部、73a,73b,73c…切り欠き、81,82…おねじ部材(螺合部材)、83…おねじ部材(台座回動用螺合部材)、81a,82a,83a…おねじ部、81b,82b,83b…溝、91…軸、91a…おねじ部、92…ねじ頭、92a…ソケット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリズムブロックの位置を調整するためのプリズムブロック調整装置であって、
前記プリズムブロックが載置される台座と、
前記台座が間隙をもって嵌め込まれるとともに、前記台座を支持する支持部材と、
前記台座と前記支持部材との前記間隙に設けられて、前記台座を前記支持部材に向けて押さえつける弾性部材と、
前記支持部材に螺合されるとともに、前記支持部材から前記台座に向けて突出する螺合部材とを備え、
前記弾性部材によって押さえつけられる力に抗して、前記螺合部材が前記台座を押す
ことを特徴とするプリズムブロック調整装置。
【請求項2】
前記支持部材には、前記螺合部材が挿通される貫通孔が形成され、
前記貫通孔にはめねじ部が設けられるとともに、前記螺合部材は、前記めねじ部に螺合するおねじ部材であることを特徴とする請求項1に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項3】
前記螺合部材として、前記プリズムブロックから光が出射される方向へ前記台座を押す螺合部材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項4】
前記プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向において、複数の前記螺合部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項5】
前記台座は、前記プリズムブロックから光が出射される方向に延びる側面を有しており、
前記台座には、前記側面の一部を前記支持部材に向けて突出させて形成された突出部が設けられ、前記突出部が前記側面と対向する前記支持部材に接触することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項6】
前記台座は、前記螺合部材と対向する背面を有し、
前記台座には、前記背面の一部であって前記螺合部材により押される部分が、前記背面のその他の部分に比べて膨らんでいる膨出部が設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項7】
前記支持部材には、前記膨出部に対向する開口部が設けられ、この開口部に向けて前記膨出部が膨らんでいることを特徴とする請求項6に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項8】
前記台座には、前記支持部材によって支持される軸部が設けられており、
前記螺合部材として、前記軸部を支点として回動するように前記台座を押す台座回動用螺合部材を備えることを特徴とする請求項1及び請求項7のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項9】
前記軸部は、前記プリズムブロックから光が出射される方向に直交する第1の方向に延びていることを特徴とする請求項8に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項10】
前記支持部材には、前記軸部を支持する平らな支持面が形成されており、
前記軸部は、前記支持面に沿って前記プリズムブロックから光が出射される方向に摺動可能であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項11】
前記支持面において、前記台座を支持する前記支持部材は前記軸部のみと接触することを特徴とする請求項10に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項12】
前記支持部材は、前記台座が間隙をもって嵌め込まれる枠部を有しており、
前記枠部には、前記軸部が嵌め込まれる切り欠きと、この切り欠きに嵌め込まれた前記軸部を保持する保持部とが設けられていることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項13】
前記弾性部材は、板ばねであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項14】
前記板ばねは、互いに直交する3方向において前記台座を前記支持部材に向けて押さえつける単一の部材により形成されていることを特徴とする請求項13に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項15】
前記台座は、載置される前記プリズムブロックと対向する上面を有し、
前記台座には、前記上面に平行な方向への前記プリズムブロックの移動を規制するために、前記プリズムブロックの一部と係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項16】
前記プリズムブロックを前記台座に固定するための固定用螺合部材をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項17】
前記固定用螺合部材が、前記プリズムブロックに対して螺合されるおねじであることを特徴とする請求項16に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項18】
前記台座は、前記プリズムブロックを支持する複数のプリズムブロック支持面を有し、
前記台座に載置される前記プリズムブロックは、前記複数のプリズムブロック支持面上に載置されることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置。
【請求項19】
請求項1乃至請求項18のいずれか一項に記載のプリズムブロック調整装置を備えることを特徴とする液晶プロジェクタ。
【請求項20】
前記プリズムブロックから出射される光を投射して映像を表示するための投写レンズを備え、
前記支持部材は、前記投写レンズを支持する部材と一体的に形成されていることを特徴とする請求項19に記載の液晶プロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−17870(P2011−17870A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162142(P2009−162142)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】