プリズムユニットの組付方法及び組付装置
【課題】プリズム間隔を簡単に調整する。
【解決手段】ステージ31に基板16を位置決めして保持し、さらにステージ31に対して固定した第1プリズム係止板35,36と、第1押圧板37とで第1プリズム17を位置決めして基板16に載置する。第1プリズム17に近づく方向と遠ざかる方向に移動自在な第2プリズム係止板41,第2押圧板42に第2プリズム18を保持し、顕微鏡51でプリズム間隔を観察しながら第2プリズム18を移動させる。プリズム間隔が所定範囲内となった状態で紫外線を照射し、基板16と各プリズム17,18の間のUV硬化型接着剤を硬化させる。
【解決手段】ステージ31に基板16を位置決めして保持し、さらにステージ31に対して固定した第1プリズム係止板35,36と、第1押圧板37とで第1プリズム17を位置決めして基板16に載置する。第1プリズム17に近づく方向と遠ざかる方向に移動自在な第2プリズム係止板41,第2押圧板42に第2プリズム18を保持し、顕微鏡51でプリズム間隔を観察しながら第2プリズム18を移動させる。プリズム間隔が所定範囲内となった状態で紫外線を照射し、基板16と各プリズム17,18の間のUV硬化型接着剤を硬化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリズムの間隔を調整して組み付けるプリズムユニットの組付方法及び組付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー画像をプリズムユニットを用いて3色に分解して1色ごとに設けたイメージセンサで撮影を行うビデオカメラや、3色の画像をプリズムユニットを用いて合成して1つのカラー画像を生成するプロジェクタなどが知られている。このような光学機器に用いられるプリズムユニットは、複数のプリズムを組み合わせられている。
【0003】
上記のように複数のプリズムを組み合わせる場合に、そのプリズムの面間隔を調整する手法としては、プリズムの接合面に形成する接着剤層の厚みを利用するもの、プリズム接合面に形成する光学膜(コート)の厚みを利用するもの、数ミクロンの薄いスペーサやガラスビーズをプリズムの面間に挟み込む手法などがある。特許文献1では、プリズムとプリズムとの間に所定間隔のエアギャップを確保した状態で、各プリズムの対向する面の四隅に塗布した接着剤で固定している。なお、この特許文献1では、さらに互いに接着されたエアギャップの上端縁及び下端縁を紫外線硬化樹脂で塞ぐとともに、一対の保持プレートで上下に挟み、各プリズムと一対の保持プレートとをそれぞれ接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−149415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように接着剤層やスペーサを利用してプリズムの間隔を調整する手法は、各プリズムの面を対向させる必要があるため、プリズムの稜線同士、あるいは面と稜線を極小な一定幅の間隙を設けて固定するプリズムユニットにおける間隙の調整手法としては採用することができなかった。なお、特許文献1のように、プリズム同士の間に接着剤や紫外線樹脂を配した状態で、各プリズムをそれぞれ保持プレートに接着する構成は、例えば保持プレートに熱収縮が生じた際に、接着剤や紫外線樹脂を圧縮する力が各プリズムに生じ、その力で各プリズムに歪みが発生して所期の性能が得られなくなる場合がある。
【0006】
ところで、プリズム同士を接合することなく、各々のプリズムを共通の保持プレートなどの基部に固定することにより、プリズム間の間隙を確保する構成は、プリズムの面同士、プリズムの稜線同士、あるいは面と稜線を極小な一定幅の間隙を設けて固定する場合に利用できる。しかし、その基部が熱収縮をしたり、そのプリズムユニットに衝撃、振動が加わったりすると、プリズム同士の接合ではないので、各プリズムが接触して破損することがある。一方、プリズム間に予め大きな幅の間隙を設けると上記のような問題の発生を低減することが可能となるが、間隙が大き過ぎると基部が熱膨張した際に、さらに間隙が広がり、所期の性能が得られなくなってしまう。このため、プリズム間の間隙を適切な幅に設定して各プリズムを固定する簡単な手法が必要となっている。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、プリズムユニットを構成する複数のプリズム固定する際の間隙を簡単に調整して固定することができるプリズムユニットの組付方法及び組付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために請求項1記載のプリズムユニットの組付方法は、基部をステージ上の一定の位置に位置決めして取り付ける取付工程と、ステージに対して一定の位置に位置決めする固定位置決め部材に、第1のプリズムを保持させて基部上に載置する第1の載置工程と、ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在な可動位置決め部材に、第2のプリズムを保持させて基部上に載置する第2載置工程と、第1及び第2プリズムの間の間隙の光学的な測定結果に基づいて、可動位置決め部材を移動させてプリズム間の間隙を所定幅とする調整工程と、基部と第1及び第2のプリズムのそれぞれの間に設けた接着剤を硬化させて、各プリズムを基部に固着する固着工程とを有するものである。
【0009】
請求項2記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、第1及び第2プリズムの間隙に光を照射して、間隙を通過する光の受光量に基づいて間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0010】
請求項3記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、光を照射して透過させる位置を間隙の延びる方向に沿って移動させて間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0011】
請求項4記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、間隙の延びる方向に複数の受光素子を並べたラインセンセンサを用いて、各受光素子に対する間隙の各位置について間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0012】
請求項5記載のプリズムユニットの組付装置では、基部が載置されるステージと、ステージの一定の位置に基部を位置決めして保持する基部保持手段と、ステージに対して固定され、基部上に載置される第1のプリズムを一定の位置に位置決めして保持する固定位置決め部材と、ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在にされ、基部上に載置される第2のプリズムを保持する可動位置決め部材と、第1及び第2プリズムの間隙の幅を光学的に測定するための測定手段と、プリズムの並ぶ方向に可動位置決め部材を移動させる移動機構と、基部と第1及び第2のプリズムの間に形成した紫外線硬化型接着剤に各プリズムを介して紫外線を照射して硬化させる光源とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ステージに対して基部と、第1のプリズムを位置決めし、第2のプリズムを可動位置決め部材に保持させて移動してプリズムの間隙の幅を調整してから、各プリズムを固定するようにしたから、適切な間隙を設けた状態に第2プリズムの位置を簡単に調整して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリズムユニットが組み込まれた3Dプロジェクタの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の組付装置の概略を示す斜視図である。
【図3】組付装置のうちの調整機構部を示す平面図である。
【図4】基板とプリズムとの間に塗布されるUV硬化型接着剤を示す説明図である。
【図5】顕微鏡の視野に表示される基準線とプリズムの稜線の関係を示す説明図である。
【図6】プリズムユニットの組み付け手順を示すフローチャートである。
【図7】プリズム間隔を上部、中央部、下部で測定する例を示す説明図である。
【図8】プリズム間隔を測定する際に用いるレチクルが十字パターンの例を示す説明図である。
【図9】ステージに設けたピンと基板に設けた孔とで位置決めをする例を示す斜視図である。
【図10】フォトセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例を示す斜視図である。
【図11】フォトセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例における調整手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】ラインセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1にプリズムユニットを用いた3Dプロジェクタの概要を示す。この3Dプロジェクタ10は、右目で観察する右画像と左目で観察する左画像とを同時に投影するものであり、プリズムユニット12は、右画像の光軸と左画像の光軸との間隔を広げるための光学系の一部に用いている。画像表示部13は、LCDや光源などで構成されている。画像表示部13の表示エリア13aの上半分には右画像14Rが、下半分には左画像14Lがそれぞれ表示され、リレー光学系15を介してプリズムユニット12に入射する。
【0016】
プリズムユニット12は、基板(基部)16と、この基板16にそれぞれ固定された第1プリズム17と第2プリズム18とからなり、第1プリズム17が右画像14Rの光路を上方に折り曲げ、第2プリズム18が左画像の光路を下方に折り曲げる。折り曲げられた各光路は、さらにミラー19R,19Lで折り曲げられて、適当な光軸間隔とされて対応する投影光学系21R,21Lに入射する。なお、この例では、上側の第1プリズム17に右画像14Rを、下側の第2プリズム18に左画像14Lを対応させているが、第1プリズム17に左画像14Lを、下側の第2プリズム18に右画像14Rを対応させてもよい。
【0017】
投影光学系21R,21Lの前面には、互いに逆向きの回転方向に偏光をかける円偏光フィルタ22R,22Lが配されている。これらの円偏光フィルタ22R,22Lによって、右画像14R,左画像14Lは、回転方向が互いに逆向きの円偏光状態となって、スクリーン上にほぼ全範囲が重なるように拡大投影される。
【0018】
基板16は、長方形の板状であり、その一方の面に各プリズム17,18の端面を接着して固定してある。第1プリズム17と第2プリズム18としては、それぞれ直角プリズムを用いており、光軸の間隔を広げる方向に並べてある。各プリズム17,18は、斜面(プリズムの直角に対向する面)とリレー光学系15からの光が入射する面とがなす角の稜線17a,18a(図2参照)の間に間隙が形成されるように設けられている。
【0019】
図2にプリズムユニット12の組付装置の概略を示し、図3に組付装置の調整機構部を示す。なお、以下の説明では、第1プリズム17,第2プリズム18が並べられる方向をX方向とし、このX方向に直交する方向をY方向とする。また、説明の便宜上、各プリズム17,18の直角を挟む2面のうちX方向に平行な面をX面、Y方向に平行な面をY面と称する。
【0020】
組付装置24は、大別して調整機構部25と、顕微鏡ユニット26と、光源部27とからなる。調整機構部25は、プリズムユニット12の組み付ける作業台となるステージ31を有している。ステージ31には、基板係止板32,33を固定してあり、これら基板係止板32,33の先端に基板16と接触する基板係止突起32a,33aをそれぞれ設けてある。基板係止突起32aは、基板16の一方の長辺に接触し、基板係止突起33aは、基板16の一方の短辺に接触する。
【0021】
また、ステージ31には、基板16を挟んで基板係止板32の反対側にY方向に移動自在な押圧突起34aを、基板係止板33の反対側に押圧突起34bを配している。これら押圧突起34a,34bは、位置決めされた基板16に接触する接触位置(図3参照)と、基板16から離された退避位置(図2参照)との間で移動自在としてある。
【0022】
バネ等の付勢手段によって押圧突起34a,34bを付勢してあり、その付勢力で押圧突起34a,34bが基板16を押圧する。これにより、ステージ31に位置決めした状態に基板16を保持する。また、基板16をステージ31に載置し、またプリズムユニット12を取り外すときには、付勢力に抗して押圧突起34a,34bを退避位置に移動させる。
【0023】
第1プリズム17を一定の位置に位置決めして保持するための固定位置決め部材として、第1プリズム係止板35,36と、第1押圧板37とが設けられている。第1プリズム係止板35,36はそれぞれステージ31に固定され、第1プリズム係止板35はその先端に第1プリズム17のX面と接触する一対の第1係止突起35aが設けられている。また、第1プリズム係止板36の先端には、第1プリズム17のY面と接触する第1係止突起36aが設けられている。これら第1係止突起35a,36aにそれぞれX面,Y面を接触させることによって、ステージ31に対して位置決めされた基板16の一定の位置に第1プリズム17を位置決めして配することができる。
【0024】
第1押圧板37は、その先端に一対の第1押圧突起37aを備えている。第1押圧板37は、ステージ31上でY方向に移動自在に組み付けられ、一対の第1押圧突起37aが第1プリズム17の斜面に接触する接触位置(図3参照)と、第1プリズム17から離れた退避位置(図2参照)との間で移動自在である。
【0025】
付勢手段38は、第1押圧突起37aで第1プリズム17の斜面を押圧するように第1押圧板37を付勢する。第1押圧板37を接触位置として付勢手段38の付勢力で第1プリズム17の斜面を押圧することにより、第1プリズム17を位置決めして保持する。第1プリズム17を基板16上に載置するとき、及びプリズムユニット12を取り出すときには、付勢手段38の付勢に抗して第1押圧板37は退避位置に移動される。
【0026】
第2プリズム18を保持する可動位置決め部材として、第2プリズム係止板41と、第2押圧板42とが設けられている。これら第2プリズム係止板41と第2押圧板42は、移動機構43を構成する移動アーム44に取り付けられ、プリズムの並ぶ方向(X方向)に移動自在となっている。
【0027】
第2プリズム係止板41は、「コ」字状に開いた移動アーム44の一端に固定され、第2押圧板42は、移動アーム44の他端にY方向に移動自在に取り付けられている。移動アーム44はX方向に移動自在に設けられ、これにより第2プリズム係止板41と第2押圧板42は移動アーム44とともにステージ31に対してX方向に移動自在となり、第2押圧板42についてはY方向にも移動自在となっている。
【0028】
第2プリズム係止板41には、L字状とした先端に第2プリズム18のX面に接触する一対の第2係止突起41aと、Y面に接触する第2係止突起41bが設けられている。この第2プリズム係止板41は、一対の第2係止突起41aによって位置決めされる第2プリズム18のX面が、第1係止突起35aによって位置決めされる第1プリズム17のX面と同じ平面上となるように精度よく調整してある。なお、移動機構43は、移動アーム44がX方向に移動するときに、第2係止突起41aとX面との接触位置がY方向に移動しないようにしてある。
【0029】
第2押圧板42は、その先端に第2プリズム18の斜面と接触する一対の第2押圧突起42aを備えている。この第2押圧板42は、Y方向については、図3に示すように、第2押圧突起42aを第2プリズム18の斜面に接触させる接触位置と、図2に示すように、第2プリズム18から離される退避位置との間で移動自在である。
【0030】
なお、第1押圧板37及び第2押圧板42を、Y方向にスライド自在に設けているが、第1押圧板37は、第1プリズム17のX面を第1係止突起35aに、Y面を第1係止突起36aに押しつけ、また第2押圧板42は、第2プリズム18のX面を第2係止突起41aに、Y面を第2係止突起41bに押しつけるように力を作用させるのであれば、例えば回動して接触位置と退避位置との間で移動するような構成でもよい。
【0031】
付勢手段46は、第2押圧突起42aで第2プリズム18の斜面を押圧するように第2押圧板42を付勢する。第2押圧板42を接触位置として付勢手段46の付勢力で第2プリズム18の斜面を押圧することにより、第2プリズム18を第2係止突起41a,41bとの間に保持し、移動アーム44の移動によって第2プリズム18を保持しながらX方向に移動させる。第2プリズム18を基板16上に載置するとき、及びプリズムユニット12を取り出すときには、付勢手段46の付勢に抗して第2押圧板42を退避位置に移動させる。
【0032】
基板16を押圧する押圧突起34a,34b、プリズム17,18の斜面を押圧する押圧突起37a,42aを付勢する手段としては、バネ等の各種のものを用いることができる。また、これらを例えばエアシリンダを用いて、接触位置と退避位置との間で移動させ、接触位置のときには空気圧で基板16やプリズムの斜面を押圧するようにしてもよい。
【0033】
移動機構43は、上記の移動アーム44の他に、マイクロメータヘッド47、このマイクロメータヘッド47の操作によってX方向にスライドするスライドテーブル48から構成される。スライドテーブル48には、移動アーム44を取り付けてあり、マイクロメータヘッド47の操作で、移動アーム44をX方向に移動させることができる。
【0034】
プリズム17,18のX面側に顕微鏡ユニット26が配置される。この顕微鏡ユニット26は、顕微鏡51と、この顕微鏡51が載せられた3軸ステージ52とから構成されている。顕微鏡51を通して、稜線17aと、稜線18aとの間に形成される間隙を拡大して肉眼で観察し、その幅(X方向の間隔。以下、プリズム間隔という)を測定できるようにしてある。顕微鏡51の視野には、基準線51a〜51d(図5参照)を表示するようにしてあり、この基準線51a〜51dを用いて、観察者がプリズム間隔を知ることができる。
【0035】
3軸ステージ52は、その操作部52aを操作することによって、顕微鏡51をY方向を軸として回動させる。なお、顕微鏡51の対物側の光軸はY方向と平行にしてある。また、操作部52bを操作することによって、基準線51a〜51dに直交する方向に顕微鏡51をスライドさせ、操作部52cを操作することによって、基準線51a〜51dに平行な方向に顕微鏡51をスライドさせる。
【0036】
光源部27は、紫外線を照射する一対の紫外線ランプ27aで構成してある。各プリズム17,18を基板16に載置するのに先立って、図4に示すように、基板16のプリズム17,18の載置面にUV(紫外線)硬化型接着剤55が塗布される。光源部27は、プリズム間隔の調整後に点灯され、プリズム17,18を通してUV硬化型接着剤55に紫外線を照射して硬化させる。
【0037】
図5に顕微鏡51の視野の観察状態の一例を示す。顕微鏡51の視野F内には、上述のように基準線51a〜51dを表示するようにしてある。3軸ステージ52の操作によって、ライン状に観察される稜線17a,18aに対する基準線51a〜51dの傾き、位置関係が変化する。プリズム間隔を測定する場合には、3軸ステージ52に対して、図5(a)に示すように基準線51aが稜線17aに対して傾斜している状態から、図5(b)に示すように基準線51aと稜線17aを平行にする操作、図5(b)に示す状態から図5(c)のように基準線51aに稜線17aを合致させた状態とする操作を適宜行い、その後に基準線51a(稜線17a)に沿って観察位置をずらす操作を行って、全体のプリズム間隔を測定する。基準線51aに稜線17aを合致させた状態であれば、稜線18aの基準線51a〜51dに対する位置関係でプリズム間隔の大きさを知ることができる。
【0038】
この例では、熱による基板の膨張(伸び)が生じたときにプリズム間隔が大きくなり過ぎないこと、基板の熱収縮が生じたときにプリズム同士が接触して破損しないこと、衝撃や振動等が加わってもプリズム同士が接触して破損しないことなどの条件を考慮して、50μmをプリズム間隔の設計値とし、±25μmのズレを許容して調整する。これに対応して、視野Fには、基準線51aから50μmの位置に設計値に対応する基準線51cを表示し、その前後の25μm間隔の各位置に基準線51b、基準線51dを表示している。
【0039】
次に、上記のように構成される組付装置24を用いたプリズムユニット12の組み付け手順について図6を参照しながら説明する。まず、ステージ31に基板16を載せ、基板係止突起32a,33aで基板16を位置決めし、押圧突起34a,34bで基板16を押圧することによって、基板16をステージ31に位置決めした状態に保持する。この後に、基板16の表面にUV硬化型接着剤55を塗布する。なお、ステージ31に基板16を載置する前に、UV硬化型接着剤55を基板16に塗布してもよい。
【0040】
次に、第1押圧板37を退避位置としてから、第1プリズム17の直角を挟む2面(X面、Y面)をそれぞれ第1係止突起35a,36aに接触させる姿勢にして、ステージ31上の基板16に載せる。そして、この後に第1押圧板37を接触位置として、押圧突起37aで第1プリズム17の斜面を押圧する。これにより、第1プリズム17は、第1係止突起35a,36aで位置決めされた状態となり、その状態に保持される。
【0041】
一方、第2プリズム18については、マイクロメータヘッド47を操作して、第2プリズム係止板41と第2押圧板42とによる第2プリズム18の保持位置を、第2プリズム18が第1プリズム17と接触しない程度に移動させておき、この状態で第2プリズム18を基板16に載せる。この場合にも、第1プリズム17と同様に、第2押圧板42を退避位置としてから、第2プリズム18の直角を挟む2面(X面、Y面)をそれぞれ第2係止突起41a,41bに接触させる姿勢にして、ステージ31上の基板16上に載せてから第2押圧板42を接触位置として、押圧突起42aで第2プリズム18の斜面を押圧する。これにより、第2プリズム18は、そのX面が第1プリズム17のX面と同一平面上になるようにして、基板16上に載置される。
【0042】
各プリズム17,18の載置後に、顕微鏡51の視野Fで第1プリズム17の稜線17aが観察されるように、3軸ステージ52の操作部52a〜52cを操作する。この後、視野F内でライン状に観察されている稜線17aに基準線51aが合致するように3軸ステージ52を操作して顕微鏡51を調節する。
【0043】
例えば、図5(a)に示されるように、稜線17aに対して基準線51aが傾いている場合には、まず操作部52aを操作してY方向を軸とする回動を行い、稜線17aに基準線51aが平行となるように顕微鏡51を調節する。図5(b)に示されるように、稜線17aに基準線51aが平行となっている場合で、稜線17aに基準線51aが重なっていないときには、操作部52bを操作して、基準線51aと直交する方向に移動させる操作を行い、図5(c)に示されるように稜線17aに基準線51aが重なるようにする。
【0044】
顕微鏡51の調節が完了した後、操作部52cを操作して、顕微鏡51の観察範囲を基準線51aに沿った方向、すなわち稜線17aに沿った方向に移動させながら視野Fを観察し、稜線18aと基準線51a〜51dとの位置関係からプリズム間隔を調べ、全ての部分でプリズム間隔が所定範囲内、すなわち設計値を中心にして許容されるズレの範囲内に収っているか否かを判断する。なお、視野F内に稜線18aが観察されない場合には、マイクロメータヘッド47を操作して第2プリズム18を適当長で第1プリズム17に近づくようにすればよい。
【0045】
例えば、プリズム間隔が所定範囲よりも広い場合(75μm超)には、移動アーム44が第1プリズム17に近づく方向(図3の左方向)に移動させるようにマイクロメータヘッド47を操作する。この操作により、移動アーム44が移動すると、これと一体に第2プリズム係止板41と第2押圧板42とが移動し、これらに保持されている第2プリズム18が第1プリズム17に近づけられ、プリズム間隔が狭くなる。
【0046】
一方、プリズム間隔が所定範囲よりも狭い場合(25μm未満)には、移動アーム44が第1プリズム17から遠ざかる方向(図3の右方向)に移動させるようにマイクロメータヘッド47を操作する。この操作により、第2プリズム係止板41と第2押圧板42とが移動し、これらに保持されている第2プリズム18が第1プリズム17から遠ざけられ、プリズム間隔が広くなる。
【0047】
上記のような操作中では、プリズム間隔の増減が視野F内で観察することができる。そして、全ての部分でのプリズム間隔が所定範囲内になるようにし、それを確認した後には、光源部27の各光源27aを点灯する。この点灯により各光源27aから照射される紫外線は、プリズム17,18を通してUV硬化型接着剤55に照射される。これにより、UV硬化型接着剤55が硬化し、各プリズム17,18が基板16に固着された状態となる。上記のようにプリズム間隔が調整されているから、そのプリズム間隔は所定範囲内に調整された状態でプリズム17,18が固定されたプリズムユニット12となる。この後、各押圧板37,42、及び押圧突起34a,34bをそれぞれ退避位置としてから、プリズムユニット12をステージ31から取り外す。
【0048】
上記実施形態では、プリズム間隔を測定する際に、顕微鏡を回動操作して一方のプリズムの稜線に対して顕微鏡の視野内の基準線を平行とする調整し、全ての部分でプリズム間隔が所定範囲内となっているか否かを判断しているが、調整を顕微鏡の回動を省略し、複数箇所、例えば図7に示すように上部、中央部、下部の3カ所の各プリズム間隔D1,D2,D3を測定して判断するようにしてもよい。また、このように顕微鏡の回動を省略する場合には、図8に示すように、目盛りの付いた十字パターンのレチクルRを使用することもできる。
【0049】
また、基板をステージ上の一定の位置に位置決めして保持するための構成や、その基板に対して各プリズムを保持する構成は、上記のものに限られない。例えば、図9に示すように、基板16に2カ所設けた孔16aに、ステージ31に設けた2本のピン31aを通すことにより、ステージ31上に基板16を位置決めして載置するようにしてもよい。
【0050】
図10は、プリズム間隔の光学的な測定手法として、フォトセンサと光源を用いたものである。なお、以下に説明する他は、上記実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】
この例では、プリズム17,18のX面側に配したフォトセンサ61と、斜面側に配した光源62とからなるセンサユニット60を設けてある。フォトセンサ61は、光源62から出力される光をプリズム間の間隙を通して受光し、その受光量に応じた光電信号を出力する。フォトセンサ61が光源62からの光の受光量は、フォトセンサ61と光源62に挟まれる位置のプリズム間隔に依存し、プリズム間隔が広いほど大きくなり、プリズム間隔が狭いほど小さくなる。なお、フォトセンサ61と光源62の配置を逆にしてもよい。
【0052】
センサ移動機構63は、フォトセンサ61と光源62との相互の位置関係を維持した状態で、これらを稜線17a,18aに沿った方向、すなわちプリズム間の間隙の延びる方向に移動させて、プリズム間隔を走査する。また、センサ移動機構63は、フォトセンサ61と光源62による走査位置を出力する。上記のようにフォトセンサ61が光源62からの光の受光量がフォトセンサ61と光源62に挟まれる位置のプリズム間隔に依存することに基づいて、制御部64は、フォトセンサ61からの光電信号から各走査位置についてのプリズム間隔を求める。
【0053】
移動機構43は、アクチュエータ65によって駆動するようにしてある。制御部64は、求めたプリズム間隔の分布に基づいてアクチュエータ65を駆動し、プリズム間隔が所定の範囲内に入るように第2プリズム18をX方向に移動させる。
【0054】
上記構成による調整手順の一例を図11に示す。まずセンサユニット60を稜線に沿って(図10の矢線A方向に)、例えば上方から下方に移動させて、各位置でのプリズム間隔を測定する。そして測定したプリズム間隔のうちの最大置と最小値とを調べ、これらの各値がそれぞれ所定範囲内である場合には、紫外線を照射してUV硬化型接着剤55を硬化させ、各プリズム17,18を基板に固着する。
【0055】
一方、プリズム間隔の最大置または最小値が所定範囲内ではない場合には、アクチュエータ65を駆動して移動アーム44を移動させ、プリズム間隔の最大置及び最小値が所定範囲内となるようにする。このときに、移動アーム44は、例えばプリズム間隔の最大置が所定範囲よりも大きいときには、第2プリズム18を第1プリズム17に近づける方向に最大置と所定範囲の上限値の差だけ移動させ、またプリズム間隔の最小値が所定範囲よりも小さいときには、第2プリズム18を第1プリズム17から遠ざける方向に最小値と所定範囲の下限値の差だけ移動させる。なお、最大置と最小置の差が所定範囲の範囲幅よりも大きいときには、調整不可能と判断することもできる。
【0056】
上記の例では、フォトセンサと光源を移動させて走査を行っているが、図12に示すように、フォトセンサ61に代えて、受光素子がプリズム17,18の稜線17a,18aに沿った方向に多数並べたラインセンサ68を用い、光源62に代えて、稜線17a,18aに沿って長くした光源69を用いることもできる。このようにすれば、フォトセンサと光源を移動させる機構が不要にしつつ、受光素子に対する稜線17a,18aの各位置についてのプリズム間隔の幅を測定することができる。
【0057】
上記各実施形態では、プリズムを基板に固定する際にUV硬化型接着剤を用いたが、プリズム間隔の調整後に瞬間接着剤などをプリズムと基板の境界部分に滴下して固定するようにしてもよい。
【0058】
また、上記各実施形態で説明したプリズムや基板の形状、プリズムの配列などは一例であり、本発明は、種々の形状、配列のものに利用することができる。また、プリズム間の間隙としては、面同士、面と稜線でもよい。さらに、組付装置からプリズムを移動させる工程・機能を省略すれば、プリズム間隔を検査・確認するための方法、装置としても利用できる。
【符号の説明】
【0059】
12 プリズムユニット
16基板
17,18 プリズム
24 組付装置
27 光源部
31 ステージ
32,33 基板係止板
35,36 第1プリズム係止板
41 第2プリズム係止板
43 移動機構
51 顕微鏡
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリズムの間隔を調整して組み付けるプリズムユニットの組付方法及び組付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー画像をプリズムユニットを用いて3色に分解して1色ごとに設けたイメージセンサで撮影を行うビデオカメラや、3色の画像をプリズムユニットを用いて合成して1つのカラー画像を生成するプロジェクタなどが知られている。このような光学機器に用いられるプリズムユニットは、複数のプリズムを組み合わせられている。
【0003】
上記のように複数のプリズムを組み合わせる場合に、そのプリズムの面間隔を調整する手法としては、プリズムの接合面に形成する接着剤層の厚みを利用するもの、プリズム接合面に形成する光学膜(コート)の厚みを利用するもの、数ミクロンの薄いスペーサやガラスビーズをプリズムの面間に挟み込む手法などがある。特許文献1では、プリズムとプリズムとの間に所定間隔のエアギャップを確保した状態で、各プリズムの対向する面の四隅に塗布した接着剤で固定している。なお、この特許文献1では、さらに互いに接着されたエアギャップの上端縁及び下端縁を紫外線硬化樹脂で塞ぐとともに、一対の保持プレートで上下に挟み、各プリズムと一対の保持プレートとをそれぞれ接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−149415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように接着剤層やスペーサを利用してプリズムの間隔を調整する手法は、各プリズムの面を対向させる必要があるため、プリズムの稜線同士、あるいは面と稜線を極小な一定幅の間隙を設けて固定するプリズムユニットにおける間隙の調整手法としては採用することができなかった。なお、特許文献1のように、プリズム同士の間に接着剤や紫外線樹脂を配した状態で、各プリズムをそれぞれ保持プレートに接着する構成は、例えば保持プレートに熱収縮が生じた際に、接着剤や紫外線樹脂を圧縮する力が各プリズムに生じ、その力で各プリズムに歪みが発生して所期の性能が得られなくなる場合がある。
【0006】
ところで、プリズム同士を接合することなく、各々のプリズムを共通の保持プレートなどの基部に固定することにより、プリズム間の間隙を確保する構成は、プリズムの面同士、プリズムの稜線同士、あるいは面と稜線を極小な一定幅の間隙を設けて固定する場合に利用できる。しかし、その基部が熱収縮をしたり、そのプリズムユニットに衝撃、振動が加わったりすると、プリズム同士の接合ではないので、各プリズムが接触して破損することがある。一方、プリズム間に予め大きな幅の間隙を設けると上記のような問題の発生を低減することが可能となるが、間隙が大き過ぎると基部が熱膨張した際に、さらに間隙が広がり、所期の性能が得られなくなってしまう。このため、プリズム間の間隙を適切な幅に設定して各プリズムを固定する簡単な手法が必要となっている。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、プリズムユニットを構成する複数のプリズム固定する際の間隙を簡単に調整して固定することができるプリズムユニットの組付方法及び組付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために請求項1記載のプリズムユニットの組付方法は、基部をステージ上の一定の位置に位置決めして取り付ける取付工程と、ステージに対して一定の位置に位置決めする固定位置決め部材に、第1のプリズムを保持させて基部上に載置する第1の載置工程と、ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在な可動位置決め部材に、第2のプリズムを保持させて基部上に載置する第2載置工程と、第1及び第2プリズムの間の間隙の光学的な測定結果に基づいて、可動位置決め部材を移動させてプリズム間の間隙を所定幅とする調整工程と、基部と第1及び第2のプリズムのそれぞれの間に設けた接着剤を硬化させて、各プリズムを基部に固着する固着工程とを有するものである。
【0009】
請求項2記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、第1及び第2プリズムの間隙に光を照射して、間隙を通過する光の受光量に基づいて間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0010】
請求項3記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、光を照射して透過させる位置を間隙の延びる方向に沿って移動させて間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0011】
請求項4記載のプリズムユニットの組付方法では、調整工程を、間隙の延びる方向に複数の受光素子を並べたラインセンセンサを用いて、各受光素子に対する間隙の各位置について間隙の幅を測定するようにしたものである。
【0012】
請求項5記載のプリズムユニットの組付装置では、基部が載置されるステージと、ステージの一定の位置に基部を位置決めして保持する基部保持手段と、ステージに対して固定され、基部上に載置される第1のプリズムを一定の位置に位置決めして保持する固定位置決め部材と、ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在にされ、基部上に載置される第2のプリズムを保持する可動位置決め部材と、第1及び第2プリズムの間隙の幅を光学的に測定するための測定手段と、プリズムの並ぶ方向に可動位置決め部材を移動させる移動機構と、基部と第1及び第2のプリズムの間に形成した紫外線硬化型接着剤に各プリズムを介して紫外線を照射して硬化させる光源とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ステージに対して基部と、第1のプリズムを位置決めし、第2のプリズムを可動位置決め部材に保持させて移動してプリズムの間隙の幅を調整してから、各プリズムを固定するようにしたから、適切な間隙を設けた状態に第2プリズムの位置を簡単に調整して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリズムユニットが組み込まれた3Dプロジェクタの構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の組付装置の概略を示す斜視図である。
【図3】組付装置のうちの調整機構部を示す平面図である。
【図4】基板とプリズムとの間に塗布されるUV硬化型接着剤を示す説明図である。
【図5】顕微鏡の視野に表示される基準線とプリズムの稜線の関係を示す説明図である。
【図6】プリズムユニットの組み付け手順を示すフローチャートである。
【図7】プリズム間隔を上部、中央部、下部で測定する例を示す説明図である。
【図8】プリズム間隔を測定する際に用いるレチクルが十字パターンの例を示す説明図である。
【図9】ステージに設けたピンと基板に設けた孔とで位置決めをする例を示す斜視図である。
【図10】フォトセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例を示す斜視図である。
【図11】フォトセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例における調整手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】ラインセンサと光源を用いてプリズム間隔を測定する例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1にプリズムユニットを用いた3Dプロジェクタの概要を示す。この3Dプロジェクタ10は、右目で観察する右画像と左目で観察する左画像とを同時に投影するものであり、プリズムユニット12は、右画像の光軸と左画像の光軸との間隔を広げるための光学系の一部に用いている。画像表示部13は、LCDや光源などで構成されている。画像表示部13の表示エリア13aの上半分には右画像14Rが、下半分には左画像14Lがそれぞれ表示され、リレー光学系15を介してプリズムユニット12に入射する。
【0016】
プリズムユニット12は、基板(基部)16と、この基板16にそれぞれ固定された第1プリズム17と第2プリズム18とからなり、第1プリズム17が右画像14Rの光路を上方に折り曲げ、第2プリズム18が左画像の光路を下方に折り曲げる。折り曲げられた各光路は、さらにミラー19R,19Lで折り曲げられて、適当な光軸間隔とされて対応する投影光学系21R,21Lに入射する。なお、この例では、上側の第1プリズム17に右画像14Rを、下側の第2プリズム18に左画像14Lを対応させているが、第1プリズム17に左画像14Lを、下側の第2プリズム18に右画像14Rを対応させてもよい。
【0017】
投影光学系21R,21Lの前面には、互いに逆向きの回転方向に偏光をかける円偏光フィルタ22R,22Lが配されている。これらの円偏光フィルタ22R,22Lによって、右画像14R,左画像14Lは、回転方向が互いに逆向きの円偏光状態となって、スクリーン上にほぼ全範囲が重なるように拡大投影される。
【0018】
基板16は、長方形の板状であり、その一方の面に各プリズム17,18の端面を接着して固定してある。第1プリズム17と第2プリズム18としては、それぞれ直角プリズムを用いており、光軸の間隔を広げる方向に並べてある。各プリズム17,18は、斜面(プリズムの直角に対向する面)とリレー光学系15からの光が入射する面とがなす角の稜線17a,18a(図2参照)の間に間隙が形成されるように設けられている。
【0019】
図2にプリズムユニット12の組付装置の概略を示し、図3に組付装置の調整機構部を示す。なお、以下の説明では、第1プリズム17,第2プリズム18が並べられる方向をX方向とし、このX方向に直交する方向をY方向とする。また、説明の便宜上、各プリズム17,18の直角を挟む2面のうちX方向に平行な面をX面、Y方向に平行な面をY面と称する。
【0020】
組付装置24は、大別して調整機構部25と、顕微鏡ユニット26と、光源部27とからなる。調整機構部25は、プリズムユニット12の組み付ける作業台となるステージ31を有している。ステージ31には、基板係止板32,33を固定してあり、これら基板係止板32,33の先端に基板16と接触する基板係止突起32a,33aをそれぞれ設けてある。基板係止突起32aは、基板16の一方の長辺に接触し、基板係止突起33aは、基板16の一方の短辺に接触する。
【0021】
また、ステージ31には、基板16を挟んで基板係止板32の反対側にY方向に移動自在な押圧突起34aを、基板係止板33の反対側に押圧突起34bを配している。これら押圧突起34a,34bは、位置決めされた基板16に接触する接触位置(図3参照)と、基板16から離された退避位置(図2参照)との間で移動自在としてある。
【0022】
バネ等の付勢手段によって押圧突起34a,34bを付勢してあり、その付勢力で押圧突起34a,34bが基板16を押圧する。これにより、ステージ31に位置決めした状態に基板16を保持する。また、基板16をステージ31に載置し、またプリズムユニット12を取り外すときには、付勢力に抗して押圧突起34a,34bを退避位置に移動させる。
【0023】
第1プリズム17を一定の位置に位置決めして保持するための固定位置決め部材として、第1プリズム係止板35,36と、第1押圧板37とが設けられている。第1プリズム係止板35,36はそれぞれステージ31に固定され、第1プリズム係止板35はその先端に第1プリズム17のX面と接触する一対の第1係止突起35aが設けられている。また、第1プリズム係止板36の先端には、第1プリズム17のY面と接触する第1係止突起36aが設けられている。これら第1係止突起35a,36aにそれぞれX面,Y面を接触させることによって、ステージ31に対して位置決めされた基板16の一定の位置に第1プリズム17を位置決めして配することができる。
【0024】
第1押圧板37は、その先端に一対の第1押圧突起37aを備えている。第1押圧板37は、ステージ31上でY方向に移動自在に組み付けられ、一対の第1押圧突起37aが第1プリズム17の斜面に接触する接触位置(図3参照)と、第1プリズム17から離れた退避位置(図2参照)との間で移動自在である。
【0025】
付勢手段38は、第1押圧突起37aで第1プリズム17の斜面を押圧するように第1押圧板37を付勢する。第1押圧板37を接触位置として付勢手段38の付勢力で第1プリズム17の斜面を押圧することにより、第1プリズム17を位置決めして保持する。第1プリズム17を基板16上に載置するとき、及びプリズムユニット12を取り出すときには、付勢手段38の付勢に抗して第1押圧板37は退避位置に移動される。
【0026】
第2プリズム18を保持する可動位置決め部材として、第2プリズム係止板41と、第2押圧板42とが設けられている。これら第2プリズム係止板41と第2押圧板42は、移動機構43を構成する移動アーム44に取り付けられ、プリズムの並ぶ方向(X方向)に移動自在となっている。
【0027】
第2プリズム係止板41は、「コ」字状に開いた移動アーム44の一端に固定され、第2押圧板42は、移動アーム44の他端にY方向に移動自在に取り付けられている。移動アーム44はX方向に移動自在に設けられ、これにより第2プリズム係止板41と第2押圧板42は移動アーム44とともにステージ31に対してX方向に移動自在となり、第2押圧板42についてはY方向にも移動自在となっている。
【0028】
第2プリズム係止板41には、L字状とした先端に第2プリズム18のX面に接触する一対の第2係止突起41aと、Y面に接触する第2係止突起41bが設けられている。この第2プリズム係止板41は、一対の第2係止突起41aによって位置決めされる第2プリズム18のX面が、第1係止突起35aによって位置決めされる第1プリズム17のX面と同じ平面上となるように精度よく調整してある。なお、移動機構43は、移動アーム44がX方向に移動するときに、第2係止突起41aとX面との接触位置がY方向に移動しないようにしてある。
【0029】
第2押圧板42は、その先端に第2プリズム18の斜面と接触する一対の第2押圧突起42aを備えている。この第2押圧板42は、Y方向については、図3に示すように、第2押圧突起42aを第2プリズム18の斜面に接触させる接触位置と、図2に示すように、第2プリズム18から離される退避位置との間で移動自在である。
【0030】
なお、第1押圧板37及び第2押圧板42を、Y方向にスライド自在に設けているが、第1押圧板37は、第1プリズム17のX面を第1係止突起35aに、Y面を第1係止突起36aに押しつけ、また第2押圧板42は、第2プリズム18のX面を第2係止突起41aに、Y面を第2係止突起41bに押しつけるように力を作用させるのであれば、例えば回動して接触位置と退避位置との間で移動するような構成でもよい。
【0031】
付勢手段46は、第2押圧突起42aで第2プリズム18の斜面を押圧するように第2押圧板42を付勢する。第2押圧板42を接触位置として付勢手段46の付勢力で第2プリズム18の斜面を押圧することにより、第2プリズム18を第2係止突起41a,41bとの間に保持し、移動アーム44の移動によって第2プリズム18を保持しながらX方向に移動させる。第2プリズム18を基板16上に載置するとき、及びプリズムユニット12を取り出すときには、付勢手段46の付勢に抗して第2押圧板42を退避位置に移動させる。
【0032】
基板16を押圧する押圧突起34a,34b、プリズム17,18の斜面を押圧する押圧突起37a,42aを付勢する手段としては、バネ等の各種のものを用いることができる。また、これらを例えばエアシリンダを用いて、接触位置と退避位置との間で移動させ、接触位置のときには空気圧で基板16やプリズムの斜面を押圧するようにしてもよい。
【0033】
移動機構43は、上記の移動アーム44の他に、マイクロメータヘッド47、このマイクロメータヘッド47の操作によってX方向にスライドするスライドテーブル48から構成される。スライドテーブル48には、移動アーム44を取り付けてあり、マイクロメータヘッド47の操作で、移動アーム44をX方向に移動させることができる。
【0034】
プリズム17,18のX面側に顕微鏡ユニット26が配置される。この顕微鏡ユニット26は、顕微鏡51と、この顕微鏡51が載せられた3軸ステージ52とから構成されている。顕微鏡51を通して、稜線17aと、稜線18aとの間に形成される間隙を拡大して肉眼で観察し、その幅(X方向の間隔。以下、プリズム間隔という)を測定できるようにしてある。顕微鏡51の視野には、基準線51a〜51d(図5参照)を表示するようにしてあり、この基準線51a〜51dを用いて、観察者がプリズム間隔を知ることができる。
【0035】
3軸ステージ52は、その操作部52aを操作することによって、顕微鏡51をY方向を軸として回動させる。なお、顕微鏡51の対物側の光軸はY方向と平行にしてある。また、操作部52bを操作することによって、基準線51a〜51dに直交する方向に顕微鏡51をスライドさせ、操作部52cを操作することによって、基準線51a〜51dに平行な方向に顕微鏡51をスライドさせる。
【0036】
光源部27は、紫外線を照射する一対の紫外線ランプ27aで構成してある。各プリズム17,18を基板16に載置するのに先立って、図4に示すように、基板16のプリズム17,18の載置面にUV(紫外線)硬化型接着剤55が塗布される。光源部27は、プリズム間隔の調整後に点灯され、プリズム17,18を通してUV硬化型接着剤55に紫外線を照射して硬化させる。
【0037】
図5に顕微鏡51の視野の観察状態の一例を示す。顕微鏡51の視野F内には、上述のように基準線51a〜51dを表示するようにしてある。3軸ステージ52の操作によって、ライン状に観察される稜線17a,18aに対する基準線51a〜51dの傾き、位置関係が変化する。プリズム間隔を測定する場合には、3軸ステージ52に対して、図5(a)に示すように基準線51aが稜線17aに対して傾斜している状態から、図5(b)に示すように基準線51aと稜線17aを平行にする操作、図5(b)に示す状態から図5(c)のように基準線51aに稜線17aを合致させた状態とする操作を適宜行い、その後に基準線51a(稜線17a)に沿って観察位置をずらす操作を行って、全体のプリズム間隔を測定する。基準線51aに稜線17aを合致させた状態であれば、稜線18aの基準線51a〜51dに対する位置関係でプリズム間隔の大きさを知ることができる。
【0038】
この例では、熱による基板の膨張(伸び)が生じたときにプリズム間隔が大きくなり過ぎないこと、基板の熱収縮が生じたときにプリズム同士が接触して破損しないこと、衝撃や振動等が加わってもプリズム同士が接触して破損しないことなどの条件を考慮して、50μmをプリズム間隔の設計値とし、±25μmのズレを許容して調整する。これに対応して、視野Fには、基準線51aから50μmの位置に設計値に対応する基準線51cを表示し、その前後の25μm間隔の各位置に基準線51b、基準線51dを表示している。
【0039】
次に、上記のように構成される組付装置24を用いたプリズムユニット12の組み付け手順について図6を参照しながら説明する。まず、ステージ31に基板16を載せ、基板係止突起32a,33aで基板16を位置決めし、押圧突起34a,34bで基板16を押圧することによって、基板16をステージ31に位置決めした状態に保持する。この後に、基板16の表面にUV硬化型接着剤55を塗布する。なお、ステージ31に基板16を載置する前に、UV硬化型接着剤55を基板16に塗布してもよい。
【0040】
次に、第1押圧板37を退避位置としてから、第1プリズム17の直角を挟む2面(X面、Y面)をそれぞれ第1係止突起35a,36aに接触させる姿勢にして、ステージ31上の基板16に載せる。そして、この後に第1押圧板37を接触位置として、押圧突起37aで第1プリズム17の斜面を押圧する。これにより、第1プリズム17は、第1係止突起35a,36aで位置決めされた状態となり、その状態に保持される。
【0041】
一方、第2プリズム18については、マイクロメータヘッド47を操作して、第2プリズム係止板41と第2押圧板42とによる第2プリズム18の保持位置を、第2プリズム18が第1プリズム17と接触しない程度に移動させておき、この状態で第2プリズム18を基板16に載せる。この場合にも、第1プリズム17と同様に、第2押圧板42を退避位置としてから、第2プリズム18の直角を挟む2面(X面、Y面)をそれぞれ第2係止突起41a,41bに接触させる姿勢にして、ステージ31上の基板16上に載せてから第2押圧板42を接触位置として、押圧突起42aで第2プリズム18の斜面を押圧する。これにより、第2プリズム18は、そのX面が第1プリズム17のX面と同一平面上になるようにして、基板16上に載置される。
【0042】
各プリズム17,18の載置後に、顕微鏡51の視野Fで第1プリズム17の稜線17aが観察されるように、3軸ステージ52の操作部52a〜52cを操作する。この後、視野F内でライン状に観察されている稜線17aに基準線51aが合致するように3軸ステージ52を操作して顕微鏡51を調節する。
【0043】
例えば、図5(a)に示されるように、稜線17aに対して基準線51aが傾いている場合には、まず操作部52aを操作してY方向を軸とする回動を行い、稜線17aに基準線51aが平行となるように顕微鏡51を調節する。図5(b)に示されるように、稜線17aに基準線51aが平行となっている場合で、稜線17aに基準線51aが重なっていないときには、操作部52bを操作して、基準線51aと直交する方向に移動させる操作を行い、図5(c)に示されるように稜線17aに基準線51aが重なるようにする。
【0044】
顕微鏡51の調節が完了した後、操作部52cを操作して、顕微鏡51の観察範囲を基準線51aに沿った方向、すなわち稜線17aに沿った方向に移動させながら視野Fを観察し、稜線18aと基準線51a〜51dとの位置関係からプリズム間隔を調べ、全ての部分でプリズム間隔が所定範囲内、すなわち設計値を中心にして許容されるズレの範囲内に収っているか否かを判断する。なお、視野F内に稜線18aが観察されない場合には、マイクロメータヘッド47を操作して第2プリズム18を適当長で第1プリズム17に近づくようにすればよい。
【0045】
例えば、プリズム間隔が所定範囲よりも広い場合(75μm超)には、移動アーム44が第1プリズム17に近づく方向(図3の左方向)に移動させるようにマイクロメータヘッド47を操作する。この操作により、移動アーム44が移動すると、これと一体に第2プリズム係止板41と第2押圧板42とが移動し、これらに保持されている第2プリズム18が第1プリズム17に近づけられ、プリズム間隔が狭くなる。
【0046】
一方、プリズム間隔が所定範囲よりも狭い場合(25μm未満)には、移動アーム44が第1プリズム17から遠ざかる方向(図3の右方向)に移動させるようにマイクロメータヘッド47を操作する。この操作により、第2プリズム係止板41と第2押圧板42とが移動し、これらに保持されている第2プリズム18が第1プリズム17から遠ざけられ、プリズム間隔が広くなる。
【0047】
上記のような操作中では、プリズム間隔の増減が視野F内で観察することができる。そして、全ての部分でのプリズム間隔が所定範囲内になるようにし、それを確認した後には、光源部27の各光源27aを点灯する。この点灯により各光源27aから照射される紫外線は、プリズム17,18を通してUV硬化型接着剤55に照射される。これにより、UV硬化型接着剤55が硬化し、各プリズム17,18が基板16に固着された状態となる。上記のようにプリズム間隔が調整されているから、そのプリズム間隔は所定範囲内に調整された状態でプリズム17,18が固定されたプリズムユニット12となる。この後、各押圧板37,42、及び押圧突起34a,34bをそれぞれ退避位置としてから、プリズムユニット12をステージ31から取り外す。
【0048】
上記実施形態では、プリズム間隔を測定する際に、顕微鏡を回動操作して一方のプリズムの稜線に対して顕微鏡の視野内の基準線を平行とする調整し、全ての部分でプリズム間隔が所定範囲内となっているか否かを判断しているが、調整を顕微鏡の回動を省略し、複数箇所、例えば図7に示すように上部、中央部、下部の3カ所の各プリズム間隔D1,D2,D3を測定して判断するようにしてもよい。また、このように顕微鏡の回動を省略する場合には、図8に示すように、目盛りの付いた十字パターンのレチクルRを使用することもできる。
【0049】
また、基板をステージ上の一定の位置に位置決めして保持するための構成や、その基板に対して各プリズムを保持する構成は、上記のものに限られない。例えば、図9に示すように、基板16に2カ所設けた孔16aに、ステージ31に設けた2本のピン31aを通すことにより、ステージ31上に基板16を位置決めして載置するようにしてもよい。
【0050】
図10は、プリズム間隔の光学的な測定手法として、フォトセンサと光源を用いたものである。なお、以下に説明する他は、上記実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0051】
この例では、プリズム17,18のX面側に配したフォトセンサ61と、斜面側に配した光源62とからなるセンサユニット60を設けてある。フォトセンサ61は、光源62から出力される光をプリズム間の間隙を通して受光し、その受光量に応じた光電信号を出力する。フォトセンサ61が光源62からの光の受光量は、フォトセンサ61と光源62に挟まれる位置のプリズム間隔に依存し、プリズム間隔が広いほど大きくなり、プリズム間隔が狭いほど小さくなる。なお、フォトセンサ61と光源62の配置を逆にしてもよい。
【0052】
センサ移動機構63は、フォトセンサ61と光源62との相互の位置関係を維持した状態で、これらを稜線17a,18aに沿った方向、すなわちプリズム間の間隙の延びる方向に移動させて、プリズム間隔を走査する。また、センサ移動機構63は、フォトセンサ61と光源62による走査位置を出力する。上記のようにフォトセンサ61が光源62からの光の受光量がフォトセンサ61と光源62に挟まれる位置のプリズム間隔に依存することに基づいて、制御部64は、フォトセンサ61からの光電信号から各走査位置についてのプリズム間隔を求める。
【0053】
移動機構43は、アクチュエータ65によって駆動するようにしてある。制御部64は、求めたプリズム間隔の分布に基づいてアクチュエータ65を駆動し、プリズム間隔が所定の範囲内に入るように第2プリズム18をX方向に移動させる。
【0054】
上記構成による調整手順の一例を図11に示す。まずセンサユニット60を稜線に沿って(図10の矢線A方向に)、例えば上方から下方に移動させて、各位置でのプリズム間隔を測定する。そして測定したプリズム間隔のうちの最大置と最小値とを調べ、これらの各値がそれぞれ所定範囲内である場合には、紫外線を照射してUV硬化型接着剤55を硬化させ、各プリズム17,18を基板に固着する。
【0055】
一方、プリズム間隔の最大置または最小値が所定範囲内ではない場合には、アクチュエータ65を駆動して移動アーム44を移動させ、プリズム間隔の最大置及び最小値が所定範囲内となるようにする。このときに、移動アーム44は、例えばプリズム間隔の最大置が所定範囲よりも大きいときには、第2プリズム18を第1プリズム17に近づける方向に最大置と所定範囲の上限値の差だけ移動させ、またプリズム間隔の最小値が所定範囲よりも小さいときには、第2プリズム18を第1プリズム17から遠ざける方向に最小値と所定範囲の下限値の差だけ移動させる。なお、最大置と最小置の差が所定範囲の範囲幅よりも大きいときには、調整不可能と判断することもできる。
【0056】
上記の例では、フォトセンサと光源を移動させて走査を行っているが、図12に示すように、フォトセンサ61に代えて、受光素子がプリズム17,18の稜線17a,18aに沿った方向に多数並べたラインセンサ68を用い、光源62に代えて、稜線17a,18aに沿って長くした光源69を用いることもできる。このようにすれば、フォトセンサと光源を移動させる機構が不要にしつつ、受光素子に対する稜線17a,18aの各位置についてのプリズム間隔の幅を測定することができる。
【0057】
上記各実施形態では、プリズムを基板に固定する際にUV硬化型接着剤を用いたが、プリズム間隔の調整後に瞬間接着剤などをプリズムと基板の境界部分に滴下して固定するようにしてもよい。
【0058】
また、上記各実施形態で説明したプリズムや基板の形状、プリズムの配列などは一例であり、本発明は、種々の形状、配列のものに利用することができる。また、プリズム間の間隙としては、面同士、面と稜線でもよい。さらに、組付装置からプリズムを移動させる工程・機能を省略すれば、プリズム間隔を検査・確認するための方法、装置としても利用できる。
【符号の説明】
【0059】
12 プリズムユニット
16基板
17,18 プリズム
24 組付装置
27 光源部
31 ステージ
32,33 基板係止板
35,36 第1プリズム係止板
41 第2プリズム係止板
43 移動機構
51 顕微鏡
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のプリズムを所定幅の間隙を設けた状態で並べて基部に固定するプリズムユニットの組付方法において、
基部をステージ上の一定の位置に位置決めして取り付ける取付工程と、
ステージに対して一定の位置に位置決めする固定位置決め部材に、第1のプリズムを保持させて基部上に載置する第1の載置工程と、
ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在な可動位置決め部材に、第2のプリズムを保持させて基部上に載置する第2載置工程と、
第1及び第2プリズムの間の間隙の光学的な測定結果に基づいて、可動位置決め部材を移動させてプリズム間の間隙を所定幅とする調整工程と、
基部と第1及び第2のプリズムのそれぞれの間に設けた接着剤を硬化させて、各プリズムを基部に固着する固着工程とを有することを特徴とするプリズムユニットの組付方法。
【請求項2】
前記調整工程では、第1及び第2プリズムの間隙に光を照射して、間隙を通過する光の受光量に基づいて間隙の幅を測定することを特徴とする請求項1記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項3】
前記調整工程では、光を照射して透過させる位置を間隙の延びる方向に沿って移動させて間隙の幅を測定することを特徴とする請求項2記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項4】
前記調整工程では、間隙の延びる方向に複数の受光素子を並べたラインセンセンサを用いて、各受光素子に対する間隙の各位置について間隙の幅を測定することを特徴とする請求項2記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項5】
所定幅の間隙を設けた状態で第1及び第2のプリズムを並べて基部に固定するプリズムユニットの組付装置において、
基部が載置されるステージと、
前記ステージの一定の位置に基部を位置決めして保持する基部保持手段と、
前記ステージに対して固定され、基部上に載置される第1のプリズムを一定の位置に位置決めして保持する固定位置決め部材と、
前記ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在にされ、基部上に載置される第2のプリズムを保持する可動位置決め部材と、
第1及び第2プリズムの間隙の幅を光学的に測定するための測定手段と、
プリズムの並ぶ方向に可動位置決め部材を移動させる移動機構と、
基部と第1及び第2のプリズムの間に形成した紫外線硬化型接着剤に各プリズムを介して紫外線を照射して硬化させる光源とを備えたことを特徴とするプリズムユニットの組付装置。
【請求項1】
第1及び第2のプリズムを所定幅の間隙を設けた状態で並べて基部に固定するプリズムユニットの組付方法において、
基部をステージ上の一定の位置に位置決めして取り付ける取付工程と、
ステージに対して一定の位置に位置決めする固定位置決め部材に、第1のプリズムを保持させて基部上に載置する第1の載置工程と、
ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在な可動位置決め部材に、第2のプリズムを保持させて基部上に載置する第2載置工程と、
第1及び第2プリズムの間の間隙の光学的な測定結果に基づいて、可動位置決め部材を移動させてプリズム間の間隙を所定幅とする調整工程と、
基部と第1及び第2のプリズムのそれぞれの間に設けた接着剤を硬化させて、各プリズムを基部に固着する固着工程とを有することを特徴とするプリズムユニットの組付方法。
【請求項2】
前記調整工程では、第1及び第2プリズムの間隙に光を照射して、間隙を通過する光の受光量に基づいて間隙の幅を測定することを特徴とする請求項1記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項3】
前記調整工程では、光を照射して透過させる位置を間隙の延びる方向に沿って移動させて間隙の幅を測定することを特徴とする請求項2記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項4】
前記調整工程では、間隙の延びる方向に複数の受光素子を並べたラインセンセンサを用いて、各受光素子に対する間隙の各位置について間隙の幅を測定することを特徴とする請求項2記載のプリズムユニットの組付方法。
【請求項5】
所定幅の間隙を設けた状態で第1及び第2のプリズムを並べて基部に固定するプリズムユニットの組付装置において、
基部が載置されるステージと、
前記ステージの一定の位置に基部を位置決めして保持する基部保持手段と、
前記ステージに対して固定され、基部上に載置される第1のプリズムを一定の位置に位置決めして保持する固定位置決め部材と、
前記ステージに対しプリズムの並ぶ方向に移動自在にされ、基部上に載置される第2のプリズムを保持する可動位置決め部材と、
第1及び第2プリズムの間隙の幅を光学的に測定するための測定手段と、
プリズムの並ぶ方向に可動位置決め部材を移動させる移動機構と、
基部と第1及び第2のプリズムの間に形成した紫外線硬化型接着剤に各プリズムを介して紫外線を照射して硬化させる光源とを備えたことを特徴とするプリズムユニットの組付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−186123(P2011−186123A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50389(P2010−50389)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]