説明

プリンタ

【課題】単純な構成で、記録媒体におけるシートごとのずれを防止することが可能なプリンタを提供することを目的とする。
【解決手段】ドットプリンタ10は、複数枚のシートが積層された記録媒体を、曲線状のカーブ部A1を有する所定の搬送経路Aに沿って搬送するプリンタ10であって、記録媒体に印刷処理を行うドットヘッド41と、ドットヘッド41に対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、前記ドットヘッド41及び前記プラテンローラ15よりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、前記記録媒体を前記カーブ部A1と反対の向きに曲げて案内する排出ガイド70と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関し、特に複数枚のシートからなる記録媒体を処理するものに関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚のシートが積層されてなる記録媒体を、所定の搬送経路に沿って搬送するとともに、この搬送経路の途中で印字等の各種処理を行なうプリンタが知られている。このようなプリンタにおいて、搬送経路にカーブ部が存在すると、カーブ部の外側のシートと、内側のシートとの間で搬送量に差が生じる。このまま搬送を継続すると、印字ずれやジャムを生じる原因となる。これに鑑みて、搬送経路を一直線状となるように設定する方法や、複数のシート同士の接着性を高くする方法が用いられている。また、特許文献1に示されるように、カーブ部を構成するプラテンローラの外周面近傍に沿うベイルローラを設け、このベイルローラの位置を調節移動させることにより、搬送経路におけるカーブ部の下流側において、このカーブ部と同量かつ逆方向にカーブして搬送されるように、搬送経路を変更する技術が提供されている。
【特許文献1】特開平5−38855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記構成の搬送装置においては、以下の問題がある。すなわち、搬送経路を制限することは、プリンタの設計やユーザの使い勝手に大きな制約を与えることとなる。また、接着性を向上するためには高コストの接着剤が必要となる。さらに、カーブ部に応じてベイルローラを移動させるものでは機構が複雑となるという問題がある。
【0004】
そこで本発明は、単純な構成で、記録媒体におけるシートごとのずれを防止することが可能なプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一例にかかるプリンタは、複数枚のシートが積層された記録媒体を、曲線状のカーブ部を有する所定の搬送経路に沿って搬送するプリンタであって、前記記録媒体に印刷処理を行うドットヘッドと、前記ドットヘッドに対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、前記ドットヘッド及び前記プラテンローラよりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、前記記録媒体を前記カーブ部と反対の向きに曲げて案内する送りガイドと、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の他の一例にかかるプリンタは、複数枚のシートを備える記録媒体を、曲線状のカーブ部を有する所定の搬送経路に搬送するプリンタであって、前記記録媒体に印刷処理を行うドットヘッドと、前記ドットヘッドに対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、前記ドットヘッド及び前記プラテンローラよりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、記録媒体が前記カーブ部を通る際にカーブ部内側のシートに接する第1送りローラと、前記カーブ部外側のシートに接し前記第1ローラとで前記記録媒体を挟んで搬送する第2送りローラと、を備え、前記第1送りローラの送り量が、前記第2送りローラの送り量よりも多くなるよう構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、単純な構成で、記録媒体におけるシートごとのずれを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下に本発明の第1実施形態に係るプリンタ10について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0009】
図1はプリンタ10の内部を模式的に示している。プリンタ10は、記録媒体として、複数枚のシートが積層されてなる連続帳票や単票等の記録用紙Pを所定の搬送経路に沿って搬送し、印字等の処理を行うワイヤドットプリンタである。
【0010】
プリンタ10の一端側(図中左側)には、プッシュトラクタ11が設けられている。このプッシュトラクタ11において、設置された処理対象となる記録媒体としての記録用紙Pが挿入口12からプリンタ10の内部に案内され、図1中破線で示す所定の搬送経路Aに沿って搬送される。挿入口12が搬送経路の上流端であり、プリンタ10の上方に設置された排出口72が搬送経路Aの下流端となる。
【0011】
プリンタ10の中央部分には、プラテンローラ15が設けられている。プラテンローラ15は、水平方向(紙面奥行き方向)に延びる回転可能なプラテン軸16に一体に取り付けられている。プラテンローラ15は、水平方向に延びる円柱状に形成され、プラテン軸16と一体に回転することができる。このプラテンローラ15は例えばNBR(ニトリルゴム)などの弾性材料からなる。プラテンローラ15は、記録用紙Pを挟んで後述するドットヘッド41と対向するように配置されている。
【0012】
プラテンローラ15の外周に沿って、2つのピンチローラ20,21が設けられている。ピンチローラ20.21は、それぞれ、記録用紙Pを挟んでプラテンローラ15と対向するように配置されている。
【0013】
プラテンローラ15の外周に沿って、ドットヘッドユニット30が設けられている。ドットヘッドユニット30は、プラテンローラ15の方向に押圧付勢されるドットヘッド41を備えている。
【0014】
搬送経路Aは、プラテンローラ15の外周に沿って、プラテンローラ15の下端部分からその前方(図1中右側)半周に沿って前方かつ上方へ湾曲し、さらに後上側へ向かって湾曲する第1カーブ部A1を有する。
【0015】
記録用紙Pは、ピンチローラ20、21及びドットヘッド41とプラテンローラ15とに挟まれ、これらローラ20、21、15の回転によって、この第1カーブ部A1を構成する搬送経路Aに沿って搬送される。このときの搬送方向は、プラテンローラ15の中心軸C1を中心とする反時計回りとなる。
【0016】
ドットヘッド41は、後ろ向きかつ縦向き(ほぼ垂直)の姿勢で配置されている。ドットヘッド41は、記録用紙Pの感熱層に接し、かつ、この記録用紙Pを挟んでプラテンローラ15に対向するように配置されている。
【0017】
ドットヘッド41及びプラテンローラ15の上方には、第1排出ローラ51が設けられている。第1排出ローラ51は、プラテンローラ15の上方であって、ドットヘッド41よりも後方(図1中左側)に配置されている。したがって搬送経路Aは、第1カーブ部A1から挿入口12側へ戻るようにさらに湾曲している。
【0018】
第1排出ローラ51の上方は、開閉可能なカバー部材60が設けられている。記録用紙Pはこのカバー部材60と第1排出ローラ51の間を通って搬送される。なお、カバー部材60は記録用紙Pの補給やジャム修理等のために開閉可能であり、閉状態において内部を保護する。このカバー部材60の先端部が排出口72となる。
【0019】
第1排出ローラ51のさらに下流側には、カバー部材60よりもプリンタ10の外部側へ延びる排出ガイド70(送りガイド)が設けられている。排出ガイド70は、第1排出ローラ51の後方、すなわち図中左側において、後(図1中左)上に向かって湾曲して延びている。このときの搬送方向は、排出ガイド70の湾曲面71の曲面中心を中心とする時計回りとなる。
【0020】
すなわち、搬送経路Aは、プラテンローラ15の右側の湾曲部分に形成される搬送経路Aの第1カーブ部A1と逆向きに湾曲する第2カーブ部A2を有し、S字状に構成される。この下流側の第2カーブ部A2は排出口72近傍及び排出口72外部側に形成される。この第2カーブA2は、第1カーブA1と反対向きであり、さらにはA1と同様にカーブの内側と外側のシートの送り量に差が生じるように構成されている。例えば湾曲面71の曲面は、プラテンローラ15の外周面と等しく設定されていてもよい。
【0021】
プラテンローラ15、ピンチローラ20,21、第1排出ローラ51はモータ(不図示)に駆動されて所定の送り量で駆動されることにより、記録用紙Pは挿入口12から排出口72に向かって搬送経路Aに沿って送られる。
【0022】
次に本実施形態にかかるプリンタ10の動作について説明する。
記録用紙Pは、プッシュトラクタに設置され、挿入口12から、斜めに下方かつ前方(図1中右下方向)に送られる。プリンタ10の内部へ搬送された記録用紙Pは、プラテンローラ15とピンチローラ20、21との間を通って、プラテンローラ15の外周に沿って第1カーブ部A1にそって湾曲して搬送される。
【0023】
ついで、プラテンローラ15の外周において、プラテンローラ15とドットヘッド41との間を通る際に印字処理が施され、上方かつ後方(図1中左側)に送られる。さらに第1排出ローラ51とカバー部材60との間を通って後方(図1中左側)に戻るように進む。最後に、カバー部材60と排出ガイド70との間において、排出ガイド70の湾曲面71に沿って案内され、第1カーブ部A1と逆向きに湾曲したカーブ部A2に沿って搬送され、排出口72から排出される。
【0024】
本実施形態のプリンタ10の搬送経路Aに沿って記録用紙Pを構成する複数枚(ここでは4枚を例示する)のシートP1〜P4が送られる際の動作を、図2及び図3を参照して説明する。第1カーブ部A1を通った直後の状態を図2に、第2カーブ部A2を通った直後の状態を図3に示す。図2に示すように、第1カーブ部A1を通った後、複数のシートP1〜P4は、カーブの外側に位置するシートP3,P4が内側に位置するシートP1,P2よりも多く送られている。したがって、プラテンローラ15よりも前方において、内側のシートP1等に撓みが生じている。
【0025】
図3に示すように、第2カーブ部A2の湾曲方向は、第1カーブ部A1と逆であるため、第1カーブ部A1で内側に配置されていたシートP1、P2等が、第2カーブ部A2では外側に配置される。したがって、第2カーブ部A2ではシートP1、P2等の送り量がシートP3.P4の送り量より多くなるため、この第2カーブ部A2を通った後は、第1カーブ部A1で生じたずれが相殺される。
【0026】
本実施形態にかかるプリンタ10は以下に掲げる効果を奏する。すなわち、搬送経路Aの第1カーブ部A1と逆方向に湾曲するカーブ部A2を構成するように、排出口72に湾曲した排出ガイド70を設けたため、ローラの送り量を調整することなく、単純な構成で、搬送経路Aが湾曲する場合の内側と外側のシートP1〜P4の送り量の差を調節することができる。また、排出ガイド70はプリンタ10の外側に設けられているため、プリンタ10自体の内部構造の設計の自由度を確保できる。
【0027】
[第2実施形態]
次に本発明の第2の実施形態に係るドットプリンタ120について、図4及び図5を参照して説明する。なお、ここでは、第2排出ローラ52以外の構成要素は、第1実施形態と同一の構成をなしているため、同符号を付して説明を省略する。
【0028】
図4に示すように、排出口72には、第1排出ローラ51に対して記録用紙Pを挟んで対向する第2排出ローラ52が設けられている。また、排出ガイド70は曲面状に構成されておらず、カーブ部A2が構成されていない。
【0029】
モータの出力調整により、第1排出ローラ51の送り量は、第2排出ローラ52の送り量よりも大きくなるように構成されている。ここでは第1排出ローラ51の回転速度が、前第2排出ローラ52の回転速度よりも速くなるよう設定されている。すなわち、本実施形態では、第1カーブ部A1によって生じる内側と外側のシートの送り量の差は、モータの出力に差をつけ、第1排出ローラ51と第2排出ローラ52の送り量を調節することよって相殺される。
【0030】
本ドットプリンタ120では、図4に示すように、第1カーブ部A1でシートごとにずれが生じるが、第1排出ローラ51の回転速度が第2排出ローラ52の回転速度よりも速いため、排出ローラで送られる際に内側のシートが外側のシートよりも多く送られるため、ずれが解消される。
【0031】
本実施形態のプリンタ120の搬送経路Aに沿って記録用紙Pを構成する複数枚(ここでは4枚である場合を例示する)のシートP1〜P4が送られる際の動作を、図2及び図5を参照して説明する。第1カーブ部A1を通った直後は、図2に示す状態であり、第1実施形態と同様である。
【0032】
図5に示すように、シートP1〜P4が第1排出ローラ51と第2排出ローラ52との間を通った後は、第1排出ローラ51の回転速度が速いため、第1カーブ部における内側に配置されていたシートP1、P2等の送り量は、外側に配置されていたシートP3.P4の送り量よりも多くなるため、第1カーブ部A1で生じたずれが相殺される。
【0033】
本ドットプリンタ120においても上記第1実施形態と同様の効果が得られる。さらに、排出ガイド70の形状を単純とすることができる。
【0034】
[第3実施形態]
次に本発明の第3の実施形態に係るドットプリンタ130について、図4、図6を参照して説明する。なお、ここでは、第2排出ローラ53以外の構成要素は、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0035】
図4に示すように、排出口72には、第1排出ローラ51に対して記録用紙Pを挟んで対向する第2排出ローラ53が設けられている。また、排出ガイド70は曲面状に構成されておらず、カーブ部A2が構成されていない。
【0036】
第1排出ローラ51の送り量は、第2排出ローラ53の送り量よりも大きくなるように構成されている。ここでは図6に示すように、第1排出ローラ51の外径が、第2排出ローラ53の外径よりも大きくなるよう設定されている。すなわち、本実施形態では、第1カーブ部A1によって生じる内側と外側のシートの送り量の差は、第1排出ローラ51と第2排出ローラ53の外径に差を付けて送り量を調節することによって相殺される。
【0037】
ドットプリンタ130では、図2で示すように、第1カーブ部A1でシートごとに送り量にずれが生じる。第1排出ローラ51及び53の間で送られると、図6に示すように、第1排出ローラ51の外径が第2排出ローラ53の外径より大きいため、内側のシートP1,P2が外側のシートP3,P4よりも多く送られ、第1カーブ部A1で生じたずれが解消される。
【0038】
ドットプリンタ130においても上記第1実施形態及び第2実施形態のドットプリンタ10、120と同様の効果が得られる。さらに、排出ガイド70の形状を単純化できるとともに、2つの第1排出ローラ51,53に対するモータの出力に差をつける必要がないため、モータの駆動が単純となる。
【0039】
[第4実施形態]
次に本発明の第4の実施形態に係るドットプリンタ140について、図4及び図7を参照して説明する。なお、ここでは、第2排出ローラ54以外の構成要素は、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成をなしているため、同符号を付して説明を省略する。
【0040】
図4に示すように、排出口72には、第1排出ローラ51に対して記録用紙Pを挟んで対向する第2排出ローラ54が設けられている。また、排出ガイド70は曲面状に構成されておらず、カーブ部A2が構成されていない。
【0041】
第1排出ローラ51の送り量は、第2排出ローラ54の送り量よりも大きくなるように構成されている。ここでは第1排出ローラ51の外面を構成する材質がEPDM(エチレン・プロピレンゴム)やNBR(二トリルゴム)等で構成され、第2排出ローラ54の外面を構成する材質がPOM(ポリアセタール)等で構成されている。したがって、両者の摩擦力が異なり第1排出ローラ51の外面の摩擦係数が第2排出ローラ54の外面の摩擦係数よりも大きく構成されている。このため、第1排出ローラ51側の送り量が大きく、第1カーブ部A1によって生じる内側と外側のシートの送り量の差は、第1排出ローラ51と第2排出ローラ54の送り量の調節によって相殺される。
【0042】
本ドットプリンタ140では、第1カーブA1を通った直後、図2に示すようにシートごとにずれが生じる。図7に示すように、第1排出ローラ51及び54の間で記録用紙Pが送られると、第1排出ローラ51の摩擦力が第2排出ローラ54の摩擦力より大きく、送り量が多いため、内側のシートP1、P2が外側のシートP3、P4よりも多く送られ、第1カーブA1で生じたずれが解消される。
【0043】
本実施形態においても上記第1実施形態乃至第3実施形態と同様の効果が得られる。さらに、排出ガイド70の形状を単純化できるとともに、2つの第1排出ローラ51,54に対するモータの駆動力や外径を同じとすることができ、駆動力の調整が単純となるとともに設計の制約が少ない。
【0044】
[第5実施形態]
次に本発明の第5の実施形態に係るドットプリンタ150について、図4及び図8を参照して説明する。なお、ここでは、第2排出ローラ55以外の構成要素は、第1実施形態と同一の構成をなしているため、同符号を付して説明を省略する。
【0045】
図3に示すように、排出口72には、第1排出ローラ51に対して記録用紙Pを挟んで対向する第2排出ローラ55が設けられている。また、排出ガイド70は曲面状に構成されておらず、カーブ部A2が構成されていない。
【0046】
さらに、ドットプリンタ150は、記録用紙Pの枚数または厚さが入力され、または記録用紙Pの枚数厚さを検出する枚数検出部75と、この検出または入力結果に応じてドットヘッド41とプラテンローラ15との間隔を調整する間隔調整手段80と、記録用紙Pのシートの枚数または記録用紙Pの厚さに応じて、外側と前記内側の送りローラの送り量を調節する送り量調整手段90と、を備えている。送り量調整手段90によりモータの駆動力が調整され、回転速度が調整される。
【0047】
例えば、記録用紙Pが複数のシートからなる場合には、第1排出ローラ51の回転速度が、前第2排出ローラ55の回転速度よりも速くなるように調節され、第1排出ローラ51の送り量は、第2排出ローラ55の送り量よりも大きくなる。
【0048】
一方、記録用紙Pが一枚である場合には、第1排出ローラ51の送り量と第2排出ローラ55の送り量とが等しくなるように調節される。
【0049】
すなわち、ドットプリンタ150では、第1カーブ部A1によって生じる内側と外側のシートの送り量の差は、第1排出ローラ51と第2排出ローラ55の送り量の調節によって相殺される。
【0050】
本ドットプリンタ150では、図8に示すように、第1カーブ部A1でシートごとにずれが生じるが、第1排出ローラ51の回転速度が第2排出ローラ55の回転速度よりも速いため、排出ローラで送られる際に内側のシートP1,P2が外側のシートP3,P4よりも多く送られるため、ずれが解消される。
【0051】
本ドットプリンタ150においても上記第2実施形態と同様の効果が得られる。さらに、排出ガイド70の形状を単純とすることができる。さらに、記録用紙Pのシート枚数に応じた適切な搬送が可能となる。また、枚数によってドットヘッド41とプラテンローラ15の間隔を調整する機能を有する装置に適用する場合には新たに必要とする構成が少ないため、適用しやすい。
【0052】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明を実施するにあたり、各構成部材の具体的な形状など、本発明の構成要素を発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更して実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態に係るドットプリンタの要部を示す側面図。
【図2】同ドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【図3】同ドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るドットプリンタの要部を示す側面図。
【図5】同ドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【図6】本発明の第3実施形態に係るドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【図7】本発明の第4実施形態に係るドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【図8】本発明の第5実施形態に係るドットプリンタの搬送動作を説明する側面図。
【符号の説明】
【0054】
P1〜P4…シート、A…搬送経路、A1、A2…カーブ部、
10.120、130,140,150…ドットプリンタ、11…プッシュトラクタ、12…挿入口、15…プラテンローラ、16…プラテン軸、20.21…ピンチローラ、
30…ドットヘッドユニット、41…ドットヘッド、51〜55…排出ローラ、
60…カバー部材、70…排出ガイド、71…湾曲面、72…排出口、75…枚数検出部、80…間隔調整手段、90…送り量調整手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシートが積層された記録媒体を、曲線状のカーブ部を有する所定の搬送経路に沿って搬送するプリンタであって、
前記記録媒体に印刷処理を行うドットヘッドと、
前記ドットヘッドに対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、
前記ドットヘッド及び前記プラテンローラよりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、前記記録媒体を前記カーブ部と反対の向きに曲げて案内する送りガイドと、
を備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
複数枚のシートを備える記録媒体を、曲線状のカーブ部を有する所定の搬送経路に搬送するプリンタであって、
前記記録媒体に印刷処理を行うドットヘッドと、
前記ドットヘッドに対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、
前記ドットヘッド及び前記プラテンローラよりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、記録媒体が前記カーブ部を通る際にカーブ部内側のシートに接する第1送りローラと、
前記カーブ部外側のシートに接し前記第1ローラとで前記記録媒体を挟んで搬送する第2送りローラと、
を備え、
前記第1送りローラの送り量が、前記第2送りローラの送り量よりも多くなるよう構成されたことを特徴とするプリンタ。
【請求項3】
複数枚のシートを備える記録媒体を、曲線状のカーブ部を有する所定の搬送経路に搬送するプリンタであって、
前記記録媒体に印刷処理を行うドットヘッドと、
前記ドットヘッドに対し前記記録媒体を挟んで対向するプラテンローラと、
前記ドットヘッド及び前記プラテンローラよりも前記搬送方向下流側に配置されるとともに、記録媒体が前記カーブ部を通る際にカーブ部内側のシートに接する第1送りローラと、
前記カーブ部外側のシートに接し前記第1ローラとで前記記録媒体を挟んで搬送する第2送りローラと、
処理対象の記録媒体の枚数に応じて前記ドットヘッドと前記プラテンローラとの間隔を調整する間隔調整手段と、
前記記録媒体の枚数に応じて、前記第1及び第2送りローラの送り量を調節する送り量調整手段と、を備え、
前記送り量調節手段により、前記記録媒体が複数枚の場合には、前記第1送りローラの送り量が、前記第2送りローラの送り量よりも多くなることを特徴とするプリンタ。
【請求項4】
前記第1送りローラの回転速度が、前記第2ローラの回転速度よりも速く設定されることにより前記第1送りローラの送り量が前記第2送りローラの送り量よりも多くなることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記第1送りローラの回転速度が、前記第2ローラの回転速度よりも速く設定されることにより前記第1送りローラの送り量が前記第2送りローラの送り量よりも多くなることを特徴とする請求項3に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記第1送りローラの外径が、前記第2送りローラの外径よりも大きく構成されることにより前記第1送りローラの送り量が多くなることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
【請求項7】
第1送りローラの外面の材質の摩擦係数が、前期第2送りローラの外面の材質の摩擦係数よりも大きいことにより前記第1送りローラの送り量が多くなることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−137277(P2009−137277A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241633(P2008−241633)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】