説明

プリント装置、プリント方法及びプログラム

【課題】 撮影位置情報が付加されていない撮影画像が混在していても地図情報を撮影画像に関連付けてプリントすること。
【解決手段】 プリント対象の画像を選択し(S2)、その画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定し(S3)、撮影位置情報が付加されていない場合、撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて撮影位置を推定し(S11)、その撮影位置に対応する地図情報をプリント対象の画像とともにプリントする(S15)。撮影位置の推定(S11)は、撮影日時の差が最小の画像の撮影位置情報を用いる態様と、プリント対象画像の撮影日時よりも前に撮影された画像の撮影位置とプリント対象画像の撮影日時よりも後に撮影された画像との撮影位置とを補間する態様がある。また、撮影環境が一致又は類似する画像の撮影位置、あるいは、主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置に基づいて推定してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント装置、プリント方法及びプログラムに係り、特に被写体を撮影した画像とともに撮影位置を示す地図情報をプリントするプリント装置、プリント方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)を利用して撮影位置情報を取得することが可能な撮影装置が提供されている(例えば特許文献1を参照)。また、撮影位置情報を取得することが可能な撮影装置で撮影した撮影画像と撮影位置情報とを取得して、撮影位置情報に対応する地図情報を撮影画像とともにプリントするようにしたものも知られている(特許文献2)。
【0003】
また、特許文献3には、GPSを利用して得た位置情報に基づいて地図情報をダウンロードして表示するものが記載されている。
【特許文献1】特開平10−20387号公報
【特許文献2】特開2001−8140号公報
【特許文献3】特表2002−505782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、GPS衛星との通信が困難な場所で撮影した場合、撮影装置は撮影位置情報を取得できず、そのような撮影位置情報が取得できない場所で撮影された撮影画像では地図情報を検索できないことになり、その結果として地図情報を撮影画像とともにプリントすることができなかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、撮影位置情報が付加されていない撮影画像が混在していても地図情報を撮影画像に関連付けてプリントすることができるプリント装置、プリント方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段を備えた構成となっている。
【0007】
この構成によって、プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報がプリント対象の画像とともにプリントされる一方で、プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、プリント対象の画像と撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて推定した撮影位置に対応する地図情報が、プリント対象の画像とともにプリントされるので、撮影位置情報が付加されていない撮影画像が混在していても地図情報を撮影画像に関連付けてプリントすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、撮影位置情報が付加された他の画像の中で前記プリント対象の画像と撮影日時の差が最小である画像の撮影位置を前記プリント対象の画像の撮影位置と推定する撮影位置推定手段を備えた構成となっている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、撮影位置情報が付加された他の画像の中で、前記プリント対象の画像の撮影日時よりも前に撮影された画像の撮影位置と、前記プリント対象の画像の撮影日時よりも後に撮影された画像の撮影位置とを補間することにより、前記プリント対象の画像の撮影位置を推定する撮影位置推定手段を備えた構成となっている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と撮影環境が一致又は類似する画像の撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段を備えた構成となっている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段とを備えた構成となっている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記プリント対象の画像の撮影位置を推定した場合、撮影位置を推定したことを示す表示を前記プリント手段にプリントさせる構成となっている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、前記プリント対象の画像の撮影位置を推定できない場合、前記プリント対象の画像の撮影位置を入力する撮影位置入力手段を備えた構成となっている。
【0014】
前記画像選択手段は、例えば、請求項8に記載のように、メモリカードその他の記録媒体に記録された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する。
【0015】
前記撮影位置情報は、例えば、請求項9に記載のように、GPS(Global Positioning System)、又は、UWB(Ultra Wide Band)無線システムを用いて得た情報である。
【0016】
請求項10に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップを含むことを特徴とするプリント方法である。
【0017】
請求項11に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と撮影環境が一致又は類似する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップを含むことを特徴とするプリント方法である。
【0018】
請求項12に記載の発明は、被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップを含むことを特徴とするプリント方法である。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載のプリント方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、撮影位置情報が付加されていない撮影画像が混在していても地図情報を撮影画像に関連付けてプリントすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、添付図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用したプリント装置1の概略構成を示すブロック図である。
【0023】
図1において、プリント装置1は、主として、制御部10、画像取得部11、撮影位置情報取得部12、撮影日時情報取得部13、撮影環境情報取得部14、画像類似度算出部15、表示部16、操作部17、撮影位置推定部18、地図情報検索部19、地図情報データベース(DB)21、及び、プリント部22によって構成されている。
【0024】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)からなり、プリント装置1の各部を統括して制御する。
【0025】
画像取得部11は、被写体が撮影された複数の撮影画像を取得する。撮影画像の取得態様は、特には限定されないが、例えば、第1に、撮影装置4によって画像が記録されたメモリカードその他の記録媒体から撮影画像を読み出す態様、第2に、パーソナルコンピュータ(単に「PC」ともいう)等からインターネットその他のネットワークを介して撮影画像を受信する態様、第3に、撮影装置4と直接的に無線又は有線で通信して撮影画像を取得する態様がある。
【0026】
なお、以下の説明では、本発明の要旨を簡略に説明するため、画像取得部11が図2に示すような画像300にヘッダ310を付加した画像ファイル30を取得することにより撮影画像の取得を行う場合を例に説明する。この画像ファイル30は、Exif(Exchangeable image file format)というファイル形式で形成されており、ヘッダ310には、撮影位置情報311、撮影日時情報312、及び、撮影環境情報313が記述されている。撮影位置情報311は、撮影装置4がGPS(Global Positioning System)を利用して得た位置情報やUWB(Ultra Wide Band)無線システムを利用して得た位置情報である。撮影日時情報312は、撮影装置4が画像を撮影した年月日及び時分秒である。撮影環境情報313は、被写体撮影時の撮影環境を示す情報であり、光源の種類が含まれる。
【0027】
撮影位置情報取得部12は、画像ファイル30のヘッダ310から撮影位置情報311を取得する。また、撮影日時情報取得部13は、画像ファイル30のヘッダ310から撮影日時情報312を取得する。また、撮影環境情報取得部14は、画像ファイル30のヘッダ310から撮影環境情報313を取得する。
【0028】
画像類似度算出部15は、プリント対象の画像と他の画像との一致又は類似の度合いを示す類似度を算出する。類似度を算出する態様(類似度算出態様)としては、第1に、主要被写体の類似度を算出する態様、第2に、主要被写体の背景の類似度を算出する態様、及び、これらの組み合わせがある。具体的な類似度の算出方法は、相関その他の周知の算出方法を用いる。
【0029】
表示部16は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)からなり、撮影画像やメッセージの表示を行う。
【0030】
操作部17は、例えばキーボードからなり、取得した複数の撮影画像の中からプリント対象の画像を選択する際や、プリント対象の画像の撮影位置を推定できない場合(あるいは推定された撮影位置情報を訂正する場合)に撮影位置情報を入力する際に用いられる。
【0031】
撮影位置推定部18は、プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、そのプリント対象の画像の撮影位置を推定する。このような撮影位置を推定する態様(撮影位置推定態様)には、各種ある。第1に、撮影位置情報が付加された画像の中で、プリント対象の画像と撮影日時の差が最小である画像を検出し、この画像に付加されている撮影位置情報をプリント対象の画像の撮影位置と推定する態様がある。第2に、撮影位置情報が付加された画像の中で、プリント対象の画像の撮影日時よりも前に撮影された画像の撮影位置と、プリント対象の画像の撮影日時よりも後に撮影された画像の撮影位置とを補間することにより、プリント対象の画像の撮影位置を推定する態様がある。第3に、プリント対象の画像と撮影環境(例えば光源の種類)が一致又は類似する画像の撮影位置をプリント対象の画像の撮影位置と推定する態様がある。第4に、プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置をプリント対象の画像の撮影位置と推定する態様がある。これらの第1乃至第4の撮影位置推定態様を組み合わせた態様としてもよい。
【0032】
地図情報検索部19は、プリント対象の画像に付加されていた撮影位置情報に対応する地図情報、又は、推定された撮影位置情報に対応する地図情報を、地図情報データベース(DB)21から検索する。地図情報DB21は、例えば光ディスクからなり、国内外の地図情報を記憶する。地図情報には、地図画像、地図画像と経緯度との対応関係を示す情報、及び、ランドマークの位置情報が含まれる。また、複数の縮尺の地図画像を互いに関連付けて管理している。
【0033】
制御部10は、プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、この撮影位置情報に対応する地図情報をプリント対象の画像とともにプリント部22にプリントさせる一方で、プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、撮影位置推定部18によって推定した撮影位置に対応する地図情報をプリント対象の画像とともにプリント部22にプリントさせる制御を行う。
【0034】
プリント部22は、プリント対象の画像とともにその撮影位置を示す地図情報を所定のプリント媒体にプリントする。このプリント部22によって作成された写真プリントの例を図3(a)乃至(e)に示す。
【0035】
図3(a)は、表面に撮影画像301をプリントして裏面に地図情報211をプリントした写真プリント221であり、プリント対象の撮影画像301に撮影位置情報が付加されていた場合にプリントされたものである。図3(b)は、表面に撮影画像301をプリントして裏面に地図情報212をプリントした写真プリント222であり、プリント対象の撮影画像301に撮影位置情報が付加されておらず撮影位置を推定した場合にプリントされたものである。なお、図3(a)の写真プリント221では、撮影位置を示す記号181であって、プリント対象の画像301に付加されていた撮影位置情報を用いたことを示す記号181が地図情報211中にプリントされる。一方で、図3(b)の写真プリント222では、撮影位置を示す記号182であって、プリント対象の画像301の撮影位置を推定したことを示す記号182が地図情報212中にプリントされる。例えば図3(a)の記号181は赤色でプリントする一方で図3(b)の記号182は黄色でプリントする。
【0036】
図3(c)は、表面に撮影画像301及び地図情報211を併せてプリントした写真プリント223であり、プリント対象の撮影画像301に撮影位置情報が付加されていた場合にプリントされたものである。図3(d)は、表面に撮影画像301及び地図情報212を併せてプリントした写真プリント224であり、プリント対象の撮影画像301の撮影位置を推定した場合にプリントされたものである。なお、図3(c)の写真プリント223では、撮影位置を示す記号181であって、プリント対象の画像301に付加されていた撮影位置情報を用いたことを示す記号181が地図情報211中にプリントされる。一方で、図3(d)の写真プリント224では、撮影位置を示す記号182であって、プリント対象の画像301の撮影位置を推定したことを示す記号182が地図情報212中にプリントされる。
【0037】
本実施形態のプリント制御装置1におけるプリント制御処理を実施例1乃至4に分けて説明する。
【0038】
まず、プリント制御処理の実施例1の流れを図4のフローチャートを用いて説明する。なお、図4に示す各ステップは制御部10によってプログラムに従い実行される。
【0039】
図4において、被写体が撮影された複数の撮影画像を取得する(S1)。具体的には、図2に示すように、撮影装置4によって撮影された画像300にヘッダ310が付加された画像ファイル30を取得する。複数の撮影画像はこれらの縮小画像が一覧で表示部16に表示されて、操作部17によりプリント対象の画像を選択する操作を受け付ける(S2)。そして、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されているか否かを判定する(S3)。
【0040】
プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されている場合には、その撮影位置情報311に対応する地図情報を地図情報DB21から検索して(S4)、プリント対象の画像と検索した地図情報とをプリント部22にプリントさせる(S5)。例えば、図3(a)に示すように、プリント対象の画像301が表面にプリントされて、地図情報211が裏面にプリントされた写真プリント221が作成される。ここで、撮影位置を示す記号181は、プリント対象の画像に付加されていた撮影位置情報を用いて地図情報をプリントしたことを色(例えば赤色)により示す。
【0041】
一方で、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されていない場合には、撮影位置情報が付加された他の画像の中で、プリント対象画像との撮影日時の差が閾値T未満であって、かつ、撮影日時の差が最小である他の画像(隣接画像)を検出する(S11)。
【0042】
隣接画像が検出されたか否かを判定し(S12)、隣接画像が検出された場合には、その隣接画像に撮影位置情報311が付加されているか否かを判定する(S13)。隣接画像に撮影位置情報311が付加されている場合には、隣接画像に付加されている撮影位置情報311をプリント対象の画像の撮影位置情報と推定して、隣接画像に付加されている撮影位置情報311に対応する地図情報を地図情報DB21から検索し(S14)、プリント対象の画像と検索した地図情報とをプリント部22にプリントさせる(S15)。例えば、図3(b)に示すように、プリント対象の画像301が表面にプリントされて、地図情報212が裏面にプリントされた写真プリント222が作成される。ここで、撮影位置を示す記号182は、撮影位置を推定したことを色(例えば黄色)により示す。
【0043】
なお、ステップS13で撮影位置情報が付加されていないと判定された場合には、既に隣接画像であると検出された画像以外の画像の中から、プリント対象画像との撮影日時の差が閾値T未満であって、かつ、撮影日時の差が最小である他の画像(隣接画像)を検出する(S11)。
【0044】
隣接画像が検出されなかった場合には、撮影位置が不明である旨のメッセージを表示部16に表示して、撮影位置の入力の有無を判定する(S21)。撮影位置の入力をしない設定がされている場合、あるいは、ユーザが撮影位置を入力しない場合には、プリント対象の画像のみをプリントした写真プリントを作成する(S24)。一方で、ユーザが撮影位置を入力(S22)した場合には、そのユーザが入力した撮影位置に対応する地図情報を地図情報DB21から検索して(S23)、検索した地図情報をプリント対象の画像とともにプリント部22にプリントさせる(S24)。
【0045】
次に、プリント制御処理の実施例2の流れを図5のフローチャートを用いて説明する。実施例2では実施例1と異なり、プリント対象の画像と撮影日時において隣接する前後の2画像がある場合には補間処理によりプリント対象の画像の撮影位置を推定するようになっている。
【0046】
図5において、複数の撮影画像を取得し(S1)、プリント対象の画像の選択を受け付けて(S2)、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されているか否かを判定する(S3)。なお、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されている場合の処理(S4、S5)は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0047】
プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されていない場合には、撮影位置情報311が付加された他の画像の中で、プリント対象画像との撮影日時の差が閾値T未満であって、かつ、プリント対象の画像の撮影日時との差が最小のである他の画像をプリント対象の画像の撮影日時の前後で1画像ずつ検出する(S211)。
【0048】
検出した隣接画像の数を判定し(S212)、2画像の場合、すなわちプリント対象の画像の撮影日時の前後で1画像ずつ検出できた場合には、これらの2つの隣接画像に共に撮影位置情報311が付加されているか否かを判定する(S213)。
【0049】
プリント対象の画像に隣接する2画像共に撮影位置情報311が付加されている場合には、これらの2画像の撮影位置情報311を補間してプリント対象の画像の撮影位置を推定する(S214)。ここで、撮影日時の差、すなわちプリント対象の画像の撮影日時(t0)とその撮影日時よりも前に撮影した隣接画像の撮影日時(t1)との差(t0―t1)、及び、プリント対象の画像の撮影日時(t0)とその撮影日時よりも後に撮影した隣接画像の撮影日時(t2)との差(t2―t0)に応じて重み付けを行って、プリント対象の画像の撮影位置を算出する。例えば、前の隣接画像との撮影日時差(t0−t1)よりも後の隣接画像との撮影日時差(t2−t0)が小さい場合には、プリント対象の画像の撮影位置は前の隣接画像の撮影位置よりも後の隣接画像の撮影位置に近い位置として算出される。そして、補間して得られた撮影位置に基づいて地図情報を検索し(S215)、検索した地図情報をプリント対象の画像とともにプリントする(S216)。
【0050】
また、プリント対象の画像に隣接する1画像のみに撮影位置情報311が付加されているか否かを判定し(S221)、例えば、プリント対象の画像よりも前に撮影した隣接画像には撮影位置情報311が付加されておらず、プリント対象の画像よりも後に撮影した隣接画像のみに撮影位置情報311が付加されている場合には、その撮影位置情報311をプリント対象の画像の撮影位置情報と推定して、地図情報を検索し(S232)、検索した地図情報をプリント対象の画像とともにプリントする(S233)。なお、2つの隣接画像に共に撮影位置情報311が付加されていない場合には、撮影位置不明として処理する(S21、S22、S23、S24)。
【0051】
隣接画像として1画像のみ検出された場合には、その隣接画像に撮影位置情報311が付加されているか否かを判定し(S231)、撮影位置情報311が付加されている場合には、その隣接画像に付加されている撮影位置情報311をプリント対象の画像の撮影位置情報と推定して地図情報を検索し(S232)、検索した地図情報をプリント対象の画像とともにプリントする(S233)。隣接画像に撮影位置情報311が付加されていない場合には、撮影位置不明として処理する(S21、S22、S23、S24)。
【0052】
隣接画像を1画像も検索できなかった場合にも、撮影位置不明として処理する(S21、S22、S23、S24)。
【0053】
次に、プリント制御処理の実施例3の流れを図6のフローチャートを用いて説明する。なお、図6において実施例1と同様なステップには同じ符号を付してあり詳細な説明を省略する。
【0054】
実施例3では、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されていない場合、撮影位置情報311が付加された他の画像の中で、プリント対象の画像と撮影環境情報313が一致又は類似する画像を検出して、その検出した画像の撮影位置情報311をプリント対象の画像の撮影位置情報として用いる(S311)。例えば、光源の種類が一致する他の画像の撮影位置情報に基づいて地図情報が検索されて、その地図情報がプリント対象の画像とともにプリントされる。
【0055】
次に、実施例4の処理の流れを図7のフローチャートを用いて説明する。なお、図7において実施例1と同様なステップには同じ符号を付してあり詳細な説明を省略する。
【0056】
実施例4では、プリント対象の画像に撮影位置情報311が付加されていない場合、撮影位置情報311が付加された他の画像の中で、プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれか一方が一致又は類似する画像の撮影位置情報311をプリント対象の画像の撮影位置情報として用いる(S411)。例えば、相関その他の周知の算出方法により類似度を算出して、主要被写体及び背景のいずれか一方が最も類似する画像が検索されて、その画像の撮影位置情報に基づいて検索された地図情報がプリント対象の画像とともにプリントされる。
【0057】
なお、本発明は、図やその説明に例示された態様に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や設計変更を行ってよいのはもちろんである。
【0058】
例えば、実施例1から実施例4までに分けて説明した撮影位置の推定処理を組み合わせてもよい。例えば、撮影日時情報132、撮影環境情報313、及び、画像300の類似度の全てを判断材料にしてプリント対象の画像の撮影位置を推定することにより、推定精度を上げるようにしてよい。
【0059】
また、撮影位置を推定したことを示す表示は、図3(b)及び(d)を用いて説明したような推定位置を示す記号182の色により表示する場合に限るものではない。例えば、撮影位置を推定しなかった場合(すなわちプリント対象の画像に付加されていた撮影位置情報を用いた場合)と比較して、撮影位置を推定した場合には、地図の濃度をうすくしてプリントすることにより、撮影位置を推定したことを表示してもよい。
【0060】
また、本発明は、図2に示すような画像300にヘッダ310を付加した画像ファイル30が入力される場合に特に限定されるものではなく、画像300を含む画像ファイル(図示を省略)と関連付けられた別のファイルであって撮影位置情報311、撮影日時情報312及び撮影環境情報313を含む撮影情報ファイル(図示を省略)が画像ファイルとともに入力されるようにしてもよい。このような撮影情報ファイルが入力される場合、撮影位置情報取得部12、撮影日時情報取得部13、撮影環境情報取得部14は、それぞれ撮影位置情報311、撮影日時情報312、撮影環境情報313を、撮影情報ファイルから取得する。
【0061】
また、撮影位置情報311は、GPS以外に、UWB(Ultra Wide Band)無線システムを用いて得てもよい。すなわち、UWB無線システムによってユーザの位置を高精度に測位した情報を用いて、地図プリントする。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明を適用したプリント装置の概略構成を示すブロック図
【図2】画像ファイルとそのヘッダの説明に用いる説明図
【図3】写真プリントの例を示す図
【図4】プリント制御処理の実施例1の流れを示すフローチャート
【図5】プリント制御処理の実施例2の流れを示すフローチャート
【図6】プリント制御処理の実施例3の流れを示すフローチャート
【図7】プリント制御処理の実施例4の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0063】
1…プリント装置、10…制御部、11…画像取得部、12…撮影位置情報取得部、13…撮影日時情報取得部、14…撮影環境情報取得部、15…画像類似度算出部、16…表示部、17…操作部(画像選択手段、撮影位置入力手段)、18…撮影位置推定部、19…地図情報検索部、21…地図情報データベース、22…プリント部、30…画像ファイル、300…画像、310…画像に付加されたヘッダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、
前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、撮影位置情報が付加された他の画像の中で前記プリント対象の画像と撮影日時の差が最小である画像の撮影位置を前記プリント対象の画像の撮影位置と推定する撮影位置推定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、撮影位置情報が付加された他の画像の中で、前記プリント対象の画像の撮影日時よりも前に撮影された画像の撮影位置と、前記プリント対象の画像の撮影日時よりも後に撮影された画像の撮影位置とを補間することにより、前記プリント対象の画像の撮影位置を推定する撮影位置推定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項4】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、
前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と撮影環境が一致又は類似する画像の撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項5】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択する画像選択手段と、
前記プリント対象の画像を地図情報とともに所定のプリント媒体にプリントするプリント手段と、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント手段にプリントさせる制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記プリント対象の画像の撮影位置を推定した場合、撮影位置を推定したことを示す表示を前記プリント手段にプリントさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項7】
前記プリント対象の画像の撮影位置を推定できない場合、前記プリント対象の画像の撮影位置を入力する撮影位置入力手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項8】
前記画像選択手段は、メモリカードその他の記録媒体に記録された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項9】
前記撮影位置情報は、GPS(Global Positioning System)、又は、UWB(Ultra Wide Band)無線システムを用いて得た情報である請求項1乃至8のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項10】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と撮影日時が隣接する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項11】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と撮影環境が一致又は類似する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項12】
被写体が撮影された複数の画像の中からプリント対象の画像を選択するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されているか否かを判定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合、前記プリント対象の画像と主要被写体及び背景のいずれかが一致又は類似する画像の撮影位置情報に基づいて前記プリント対象の画像の撮影位置を推定するステップと、
前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されている場合には、該撮影位置情報に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントする一方で、前記プリント対象の画像に撮影位置情報が付加されていない場合には、前記推定した撮影位置に対応する地図情報を前記プリント対象の画像とともに所定のプリント媒体にプリントするステップと、
を含むことを特徴とするプリント方法。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれかに記載のプリント方法の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−33273(P2006−33273A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207495(P2004−207495)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】