説明

プリント配線板の製造方法およびプリント配線板

【課題】出発材料の剛性を高めて製造プロセスでの搬送トラブルが発生しないようにし、生産性を高める。
【解決手段】支持基板100の周囲にプリプレグを配置し、その両面に第1銅箔層210,310を配置し、その上に第2プリプレグ220,320を配置し、その上に第2銅箔層230,330を配置して第1回目の積層プレスを行ったのち、各第2銅箔層の上にさらに第3プリプレグ240,340を配置し、その上に第3銅箔層250,350を配置して第2回目の積層プレスを行ったのち、第3銅箔層250,350の上にさらに第4プリプレグ260、360を配置し、その上に第4銅箔層270、370を配置して第3回目の積層プレスを行ったのち、支持基板100の端部の内側の所定の輪郭線Cに沿って切断して周辺のプリプレグ結合部分を切り離すことにより、持基板100の両面から4層構成のプリント配線板200,300を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逐次積層して作成されるプリント配線板の製造方法およびそれによって製造されたプリント配線板に関し、さらに詳しく言えば、偶数層構成のプリント配線板を製造プロセスでトラブルを発生させるこなく、効率よく生産する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多層のプリント配線板は、通常、配線形成層としての銅箔層をプリブレグを介して逐次積層(ビルドアップ)することにより製造される(例えば特許文献1,2参照)。その一例を図2(a)〜(e)により説明する。
【0003】
まず、図2(a)に示すように、プリプレグ(コア基材)11の一方の面に銅箔層21を配置し、他方の面に銅箔層31を配置し積層プレスして、出発材料としての両面プリント配線板10を作成する。
【0004】
次に、図2(b)に示すように、一方の例えば銅箔層21側からレーザーを照射して接続用ビア21bを形成したのち、図2(c)に示すように、フィルドめっきにより銅箔層21,31にそれぞれ回路配線21a,31aを形成する。
【0005】
次に、他の材料との密着性を高めるため、回路配線21a,31aの銅箔を所定の薬剤で粗面化処理したのち、図2(d)に示すように、回路配線21aの形成面上と回路配線31aの形成面上の各々にプリプレグ12,13を介して銅箔層22,32を配置し積層プレスして4層構成のプリント配線板10Aとする。
【0006】
そして、図2(e)に示すように、銅箔層22,32に、適宜レーザー加工にて接続用ビアの穴開けを行い、フィルドめっきにより銅箔層22,32にそれぞれ回路配線22a,32aを形成する。6層構成とする場合には、回路配線22a,32aの各形成面上にさらにプリプレグを介して銅箔層を配置し積層プレス(ビルドアップ)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−304931号公報
【特許文献2】特開平7−304933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の多層プリント配線板の製造方法では、図2(a)の両面プリント配線板10を出発材料としているが、この出発材料の板厚は、例えば60〜80μm程度ときわめて薄いため、製造プロセスで薄板特有の搬送トラブルなとが発生しやすい。
【0009】
また、図2(b)で説明したように、両面プリント配線板10に接続用ビア21bをレーザー加工にて形成する際、レーザー光を受ける側が1枚の銅箔のみである。そのため、レーザー光が銅箔を貫通してしまった場合、加工機のステージに傷をつけてしまうおそれがある。
【0010】
また、レーザーにより接続用ビア21bをあけた後のビア底は銅箔1枚のみで、機械的強度がきわめて弱いため、わずかな衝撃や負荷加重などにより破損することがあり、これが歩留まりを悪くしている。
【0011】
したがって、本発明の課題は、偶数層構成のプリント配線板を作成するにあたり、出発材料の剛性を高めて製造プロセスでの搬送トラブルが発生しないようにし、また、生産性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも4層の回路配線を有するプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法において、両面が平滑な支持基板の周囲に第1プリプレグを配置する第1工程と、上記支持基板の両面にそれぞれ第1銅箔層を配置する第2工程と、上記各第1銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第2プリプレグをそれぞれ配置する第3工程と、上記各第2プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第2銅箔層をそれぞれ配置して第1回目の積層プレスを行う第4工程と、上記各第2銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第3プリプレグをそれぞれ配置する第5工程と、上記各第3プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第3銅箔層をそれぞれ配置して第2回目の積層プレスを行う第6工程と、上記各第3銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第4プリプレグをそれぞれ配置する第7工程と、上記各第4プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第4銅箔層をそれぞれ配置して第3回目の積層プレスを行う第8工程と、上記第3回目の積層プレスで得られた積層体を上記支持基板の端部の内側の所定の輪郭線に沿って切断する第9工程とを順次行って、上記支持基板の両面から、それぞれ上記第1銅箔層,上記第2プリプレグ,上記第2銅箔層,上記第3プリプレグ、上記第3銅箔層、上記第4プリプレグおよび上記第4銅箔層を含む4層構成の回路配線を有するプリント配線板を分離することを特徴としている。
【0013】
本発明において、上記支持基板として、好ましくは、両面銅張り積層基板が用いられる。
【0014】
上記支持基板が両面銅張り積層基板である場合、上記第1プリプレグとして、上記両面銅張り積層基板から引き出された基材(プリプレグ)を用いることができる。
【0015】
また、上記第1銅箔層が面積的に上記支持基板よりも小さい場合には、上記第9工程における切断が上記第1銅箔層の端部の内側の所定の輪郭線に沿って行われる。
【0016】
また、本発明には、上記第4工程と上記第5工程との間で上記各第2銅箔層に第1内層回路配線が形成され、上記第6工程と上記第7工程との間で上記各第3銅箔層に第2内層回路配線が形成され、上記第9工程を行ったのちに上記第1銅箔層と上記第4銅箔層とにそれぞれ外層回路配線が形成されることも含まれる。
【0017】
本発明には、上記外層回路配線に、上記外層回路配線と上記内層回路配線との間で電気的導通をとるビアコンタクトが形成される態様も含まれる。
【0018】
また、本発明には、上記第8工程と上記第9工程との間で、上記各第4銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第5プリプレグをそれぞれ配置したのち、上記各第5プリプレグの上にさらに上記支持基板よりも大きな面積を有する第5銅箔層を積層して第4回目の積層プレスを行い、上記各第5銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第6プリプレグをそれぞれ配置したのち、上記各第6プリプレグの上にさらに上記支持基板よりも大きな面積を有する第6銅箔層を積層して第5回目の積層プレスを行い、上記第9工程の切断工程を経て、上記支持基板の両面から、それぞれ上記第1銅箔層,上記第2プリプレグ,上記第2銅箔層,上記第3プリプレグ,上記第3銅箔層,上記第4プリプレグ、第4銅箔層、上記第5プリプレグ、上記第5銅箔層、上記第6プリプレグ、上記第6銅箔層を含む6層構成の回路配線を有するプリント配線板を分離することも含まれる。
【0019】
また、上記プリプレグに代えて、ビルドアップ用の絶縁樹脂を用いてもよい。本発明には、上記したプリント配線板の製造方法によって製造された偶数層構成の回路配線を有するプリント配線板も含まれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、支持基板の両面に、それぞれ第1銅箔層,第2プリプレグ,第2銅箔層,第3プリプレグ、第3銅箔層、第4プリプレグおよび第4銅箔層を含む4層構成のプリント配線板が同時に形成されるため、生産性が2倍程度高められる(6層以上の偶数層構成のプリント配線板も同様)。
【0021】
また、銅箔層同士を電気的に接続するのに必要なビアの形成については、レーザー光を最低4層以上の積層体に対して照射して形成することができるので、レーザー光が積層体を貫通して作業台(ステージ)を傷つけてしまうことがなくなる。
【0022】
また、支持基板の両面に対称的に積層していく工程により、最終的にプリント配線板が作成されるまで全体的な板厚を厚い状態として作業することができるので、製造工程間で搬送や取り扱いを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】本発明に使用される支持基板を示す模式図。
【図1b】本発明の第1工程〜第4工程を説明するための模式図。
【図1c】本発明の第1回目の積層プレスで得られる積層体を示す模式図。
【図1d】本発明で上記積層体に第1内層回路配線を形成した状態を示す模式図。
【図1e】本発明の第5〜6工程(第2回目の積層プレス)を説明するための模式図。
【図1f】上記第6工程で得られた積層体に接続用ビアを形成した状態を示す模式図。
【図1g】上記積層体に第2内層回路配線を形成した状態を示す模式図。
【図1h】本発明の第7〜9工程を説明するための模式図。
【図1i】本発明で支持基板から4層プリント配線板を分離する工程を示す模式図。
【図1j】上記4層プリント配線板に外層回路配線を形成した実基板を示す模式図。
【図2】従来の4層プリント配線板の製造工程を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、図1aないし図1jにより、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
偶数層構成のプリント配線板のうち、4層構成のプリント配線板を製造する場合について説明すると、まず、図1aに示すように、両面が平滑な支持基板100を用意する。
【0026】
支持基板100は、最終的に廃材として処理されるが、その廃材処理時の分別を容易とするため、積層基板と同じ組成の両面プリント配線板、すなわち、基材(プリプレグ)111の両面に銅箔層112,113を有する両面銅張り積層基板110であることが好ましい。
【0027】
第1工程として、図1bに示すように、支持基板100の周囲に第1プリプレグ101を配置する。支持基板100に両面銅張り積層基板110を用いる場合、その周面から基材111を引き出して、基材部が銅箔部よりも大きくなっている形態とし、基材111を第1プリプレグ101として用いてもよい。
【0028】
第2工程として、図1bに示すように、支持基板100の両面に、それぞれ第1銅箔層210,310を配置する。第1銅箔層210,310は、面積的に支持基板100と同じであることが好ましいが、支持基板100よりも大きくてもよいし、反対に小さくてもよい。
【0029】
第3工程として、図1bに示すように、一方の第1銅箔層210の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第2プリプレグ220を配置し、同様に、他方の第1銅箔層310の上にも、支持基板100よりも大きな面積を有する第2プリプレグ320を配置する。第2プリプレグ220と第2プリプレグ320は、同一素材かつ同一厚さであることが好ましい。
【0030】
第4工程として、図1bに示すように、一方の第2プリプレグ220の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第2銅箔層230を配置し、同様に、他方の第2プリプレグ320の上にも、支持基板100よりも大きな面積を有する第2銅箔層330を配置したのち、第1回目の積層プレスを行う。
【0031】
この第1回目の積層プレスにより、図1cに示すように、支持基板100の周辺部において、第1プリプレグ101と、第2プリプレグ220,320とが密着結合し、支持基板100を中心コアとして第1銅箔層210,310と第2銅箔層230,330とが一体化された積層体120が得られる。
【0032】
このように、積層体120の周辺部分は、各プリプレグの樹脂により封止されているため、内部に空気溜まりが発生したり、製造プロセスで外部から薬液等が流入することもない。
【0033】
4層構成のプリント配線板において、積層体120の外面に露出している第2銅箔層230,330は内層回路配線形成用の銅箔層であるため、図1dに示すように、第2銅箔層230,330に第1内層回路配線230a,330aを形成する。回路配線の形成は、例えばサブトラクティブ法などが適用されてよい。
【0034】
なお、第2銅箔層230,330を例えば回路基板の内部電源層もしくは内部シールド層とする場合には、第2銅箔層230,330をベタパターンとして、そのまま残すこともできる。
【0035】
次に、第5工程として、好ましくは第1内層回路配線230a,330aの銅箔に粗面化処理を施したのち、図1eに示すように、一方の内層回路配線230a(第2銅箔層230)の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第3プリプレグ240を配置するとともに、他方の内層回路配線330a(第2銅箔層330)の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第3プリプレグ340を配置する。
【0036】
そして、第6工程として、一方の第3プリプレグ240の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第3銅箔層250を配置し、同様に、他方の第3プリプレグ340の上にも、支持基板100よりも大きな面積を有する第3銅箔層350を配置したのち、第2回目の積層プレスを行う。
【0037】
この第2回目の積層プレスにより、図1eに示すように、上記積層体120の両面に第3プリプレグ240,340介して第3銅箔層250,350が一体的に積層された積層体130が得られる。
【0038】
4層構成のプリント配線板において、積層体130の外面に露出している第3銅箔層250,350は内層回路配線形成用の銅箔層であるため、図1fに示すように、第3銅箔層250,350にレーザー光を照射して、第1内層回路配線230a,330aとの導電接続用ビア250b、350bを形成したのち、フィルドめっきを行って、図1gに示すように、第3銅箔層250,350に第2内層回路配線250a,350aを形成する。この回路配線の形成にも、例えばサブトラクティブ法などが適用されてよい。
【0039】
この場合、レーザー光が第1内層回路配線230a,330aを貫通したとしても、出力的に積層体130を貫通することはないため、レーザー加工機のステージを傷つけることはない。また、積層体130はビルドアップにより剛性が高められているため、取り扱いも容易で搬送トラブル等を回避できる。
【0040】
なお、第2銅箔層230、330と同様に、第3銅箔層250,350も、回路基板の内部電源層もしくは内部シールド層とする場合には、第3銅箔層250,350をベタパターンとして、そのまま残すこともできる。
【0041】
次に、第7工程として、好ましくは第2内層回路配線250a,350aの銅箔に粗面化処理を施したのち、図1hに示すように、一方の第2内層回路配線250a(第3銅箔層250)の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第4プリプレグ260を配置するとともに、他方の第2内層回路配線350a(第3銅箔層350)の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第4プリプレグ360を配置する。
【0042】
そして、第8工程として、図1hに示すように、一方の第4プリプレグ260の上に、支持基板100よりも大きな面積を有する第4銅箔層270を配置し、同様に、他方の第4プリプレグ360の上にも、支持基板100よりも大きな面積を有する第4銅箔層370を配置したのち、第3回目の積層プレスを行って積層体140を得る。
【0043】
積層体140には、第1銅箔層210,第2プリプレグ220,第2銅箔層230,第3プリプレグ240,第3銅箔層250、第4プリプレグ260、第4銅箔層270を含み支持基板100の一方の面側に形成された4層構成のプリント配線板200と、第1銅箔層310,第2プリプレグ320,第2銅箔層330,第3プリプレグ340,第3銅箔層350、第4プリプレグ360、第4銅箔層370を含み支持基板100の他方の面側に形成された4層構成のプリント配線板300の2枚の4層構成のプリント配線板が含まれている。
【0044】
この積層体140の周辺部分も、各プリプレグの樹脂により封止されているため、内部に空気溜まりが発生したり、製造プロセスで外部から薬液等が流入することもない。
【0045】
次に、第9工程として、積層体140を図1hに示す支持基板100の端部の内側の所定の輪郭線Cに沿ってルーターなどにより切断して、積層体140の各プリプレグ101,220,320,240,340、260,360にて結合されている周辺部分を切り離す。
【0046】
なお、第1銅箔層210,310が面積的に支持基板100よりも小さい場合には、第1銅箔層210,310の端部の内側の所定の輪郭線に沿って積層体130の周辺部分を切り離す。
【0047】
支持基板100と第1銅箔層210,310は接着されていないため、積層体140の周辺部分を切り離すことにより、図1iに示すように、支持基板100から4層構成のプリント配線板200と300とを容易に分離することができる。
【0048】
この4層構成のプリント配線板200,300において、第1銅箔層210,310と、第4銅箔層270,370はそれぞれ外層回路配線形成用の銅箔層であるため、図1jに示すように、レーザー加工により、第1銅箔層210,310と第4銅箔層270,370とに内層回路配線との導電接続用ビア210b,310bおよび270b,370bを形成し、また、フィルドめっきを行って外層回路配線210a,310a,270a,370aを形成して、4層構成のプリント配線板200,300の実基板を得る。
【0049】
外層回路配線の形成は、内層回路配線と同じく、例えばサブトラクティブ法などが適用されてよい。また、プリプレグに代えてビルドアップ用の絶縁樹脂を用いてもよい。なお、支持基板100の厚さが薄く、第2プリプレグ220,320にて支持基板100の周辺部分を結合できる場合には、第1プリプレグ101を省略することができる。
【0050】
なお、6層構成のプリント配線板を製造する場合には、一例として、第8工程と第9工程との間で、各第4銅箔層270,370の上に支持基板よりも大きな面積を有する第5プリプレグをそれぞれ配置したのち、各第5プリプレグの上にさらに支持基板よりも大きな面積を有する第5銅箔層を積層して第4回目の積層プレスを行い、各第5銅箔層の上に支持基板よりも大きな面積を有する第6プリプレグをそれぞれ配置したのち、各第6プリプレグの上にさらに支持基板よりも大きな面積を有する第6銅箔層を積層して第5回目の積層プレスを行い、第9工程での切断を行えばよい。
【0051】
上記したように、本発明によれば、支持基板を中心に配置し、その両面側に均等に逐次積層(ビルドアップ)し、積層体の周囲の接合部を切断・除去することにより、2枚の4層基板(もしくは6層,8層などの偶数層基板)が同時に得られるため、生産性がよい。
【0052】
また、製造工程で取り扱う積層基板の厚さが比較的厚くなるため、薄板特有の搬送トラブルの発生や設備改造(専用設備の新規導入を含む)を回避することができ、既存の厚膜基板の製造設備で対応することができる。
【符号の説明】
【0053】
100 支持基板
101 第1プリプレグ
110 両面銅張り積層基板
210,310 第1銅箔層
210b,310b ビア
220,320 第2プリプレグ
230,330 第2銅箔層
230a,330a 内層回路配線
240,340 第3プリプレグ
250,350 第3銅箔層
250a,350a 内層回路配線
250b,350b ビア
260,360 第4プリプレグ
270,370 第4銅箔層
270a,370a 外層回路配線
270b,370b ビア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4層の回路配線を有するプリント配線板を製造するプリント配線板の製造方法において、
両面が平滑な支持基板の周囲に第1プリプレグを配置する第1工程と、
上記支持基板の両面にそれぞれ第1銅箔層を配置する第2工程と、
上記各第1銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第2プリプレグをそれぞれ配置する第3工程と、
上記各第2プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第2銅箔層をそれぞれ配置して第1回目の積層プレスを行う第4工程と、
上記各第2銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第3プリプレグをそれぞれ配置する第5工程と、
上記各第3プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第3銅箔層をそれぞれ配置して第2回目の積層プレスを行う第6工程と、
上記各第3銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第4プリプレグをそれぞれ配置する第7工程と、
上記各第4プリプレグの上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第4銅箔層をそれぞれ配置して第3回目の積層プレスを行う第8工程と、
上記第3回目の積層プレスで得られた積層体を上記支持基板の端部の内側の所定の輪郭線に沿って切断する第9工程とを順次行って、
上記支持基板の両面から、それぞれ上記第1銅箔層,上記第2プリプレグ,上記第2銅箔層,上記第3プリプレグ、上記第3銅箔層、上記第4プリプレグおよび上記第4銅箔層を含む4層構成の回路配線を有するプリント配線板を分離することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
上記支持基板として、両面銅張り積層基板を用いることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
上記第1プリプレグとして、上記両面銅張り積層基板から引き出された基材を用いることを特徴とする請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
上記第1銅箔層が面積的に上記支持基板よりも小さい場合には、上記第9工程における切断が上記第1銅箔層の端部の内側の所定の輪郭線に沿って行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
上記第4工程と上記第5工程との間で上記各第2銅箔層に第1内層回路配線が形成され、上記第6工程と上記第7工程との間で上記各第3銅箔層に第2内層回路配線が形成され、上記第9工程を行ったのちに上記第1銅箔層と上記第4銅箔層とに外層回路配線が形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
上記外層回路配線に、上記外層回路配線と上記内層回路配線との間で電気的導通をとるビアコンタクトが形成される請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
上記第8工程と上記第9工程との間で、上記各第4銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第5プリプレグをそれぞれ配置したのち、上記各第5プリプレグの上にさらに上記支持基板よりも大きな面積を有する第5銅箔層を積層して第4回目の積層プレスを行い、上記各第5銅箔層の上に上記支持基板よりも大きな面積を有する第6プリプレグをそれぞれ配置したのち、上記各第6プリプレグの上にさらに上記支持基板よりも大きな面積を有する第6銅箔層を積層して第5回目の積層プレスを行い、上記第9工程の切断工程を経て、上記支持基板の両面から、それぞれ上記第1銅箔層,上記第2プリプレグ,上記第2銅箔層,上記第3プリプレグ,上記第3銅箔層,上記第4プリプレグ、第4銅箔層、上記第5プリプレグ、上記第5銅箔層、上記第6プリプレグ、上記第6銅箔層を含む6層構成の回路配線を有するプリント配線板を分離することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項8】
上記プリプレグに代えて、ビルドアップ用の絶縁樹脂を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法によって製造された偶数層構成の回路配線を有するプリント配線板。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図1h】
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【図1i】
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【図1j】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−239012(P2010−239012A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86926(P2009−86926)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000103220)エルナー株式会社 (48)
【Fターム(参考)】