説明

プリーツ用生地

【課題】セルロース繊維を用いた生地において発生する問題を解決し、洗濯後のプリーツ保持性が良好で、かつ洗濯後の寸法変化や外観変化が少ない生地を提供する。
【解決手段】経糸または/および緯糸としてセルロース混合エステル組成物からなる繊維を25重量%以上含む織物であって、洗濯後の寸法変化率が2.5%以下、洗濯後の外観変化が3級以上であることを特徴とするプリーツ用生地。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース系繊維を用いた衣料用素材における洗濯後のプリーツ保持性が良好である生地を提供する。
【背景技術】
【0002】
セルロースおよびセルロースエステル、セルロースエーテル等のセルロース誘導体は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス系材料として、また、環境中にて生分解可能な材料として昨今の大きな注目を集めつつある。現在商業的に利用されているセルロースエステルの代表例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート等が挙げられ、繊維、プラスチック、フィルター、塗料など幅広い分野に利用されている。
【0003】
婦人用衣料の分野でも様々な商品が販売されているが、その繊維の製造方法はレーヨンのようにセルロースを二硫化炭素等の特殊な溶媒系で溶解させ湿式紡糸法で製糸を行うか、セルロースアセテートのようにセルロースを誘導体化して、塩化メチレンやアセトン等の有機溶媒に溶解させた後この溶媒を蒸発させながら紡糸する乾式紡糸法での製糸を行うしか方法がなかった。これらの湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法では、紡糸速度が遅いため生産性が低いという問題があるだけでなく、使用する二硫化炭素、アセトン、塩化メチレン等の有機溶剤が環境に対して悪影響を及ぼす懸念が強い。
【0004】
他方、従来の有機溶媒を用いて製造されるセルロースアセテート繊維は、セルロース繊維が親水性に優れる素材であるために洗濯後の寸法安定性や防シワ性などの特性が劣っている。そこで、樹脂加工を施して寸法安定性や、プリーツ保持性を付与する方法が採られている(例えば、特許文献1、2、3参照)が、樹脂加工を施す方法では素材本来の特長を生かしきれなくなるばかりでなく、樹脂加工によるホルマリンの問題が発生する懸念もあった。
【特許文献1】特開平8-100346号公報
【特許文献2】特開平7-258966号公報
【特許文献3】特開平10-140438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は上記のような問題点を克服した婦人用生地を提供することにある。さらには、セルロース系繊維を用いた織物でありながら、プリーツ性、寸法安定性に優れた婦人用素材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題は、本発明により解決することができる。すなわち、
「経糸または/および緯糸としてセルロース混合エステル組成物からなる繊維を25重量%以上含む織物であって、洗濯後の寸法変化率が2.5%以下、洗濯後の外観変化が3級以上であることを特徴とするプリーツ用生地。」、
である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により従来のセルロース繊維を用いた生地において発生する問題を解決し、洗濯後のプリーツ保持性が良好で、かつ洗濯後の寸法変化や外観変化が少ない生地を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において「プリーツ用生地」とは、スカート、パンツ、スラックス、ブラウス、シャツなどでプリーツを付ける用途に用いられる生地を言う。
【0009】
本発明のプリーツ用生地は経糸または/および緯糸としてセルロース混合エステル組成物からなる繊維を25重量%以上含む織物から構成される。
【0010】
本発明において、セルロース混合エステル組成物は、セルロース混合エステルを必須の成分とするものであって、必要に応じて可塑剤など添加剤を含有することが可能である。セルロース混合エステルとは、セルロースを構成するグルコース単位に3個存在する水酸基が、2種類以上のアシル基によってエステル化されているものをいう。具体的なセルロース混合エステル組成物の例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースプロピオネートブチレートなどのセルロース混合エステルが挙げられる。中でもセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートは疎水性が高く、製造が容易なことおよび耐熱性に優れていることから好ましい。
【0011】
本発明におけるセルロース混合エステル組成物においては、このセルロース混合エステル組成物中の前記セルロース混合エステルの含有量が、70〜95重量%であることが好ましい。セルロース混合エステルの含有量を70重量%以上とすることによって、強度を維持することができる。すなわち、セルロース混合エステルの比率が十分高くなり、繊維の機械的特性が向上する。セルロース混合エステル組成物中のセルロース混合エステルの含有量は75重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがさらによりに好ましい。また、組成物の熱流動性を高めて溶融紡糸を可能にするという観点に加え、得られる繊維の柔軟性を高めるためには、セルロース混合エステル組成物中のセルロース混合エステルの比率は95重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、90重量%以下であり、最も好ましくは85重量%以下である。
【0012】
本発明で用いられるセルロース混合エステル組成物は、セルロース混合エステル組成物からなる繊維を製造する時点においては、可塑剤を含んでいることが重要である。可塑剤の量としては5〜30重量%含有することが好ましい。5重量%以上の可塑剤を含有することで、組成物の熱流動性が良好となり、溶融紡糸時の生産性を向上することが可能となる。また、30重量%以下の可塑剤量とすることで、繊維表面への可塑剤のブリードアウトを抑制することができ、室温での膠着などのトラブルを回避することができる。セルロース混合エステル組成物の可塑剤含有量は、溶融紡糸時の生産性の観点から、10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることが最も好ましい。また、ブリードアウトを抑制する観点からは、25重量%以下であることがより好ましく、20重量%以下であることが最も好ましい。
【0013】
本発明において用いられる可塑剤は、本発明のセルロース混合エステルに混和するものであれば特に制限はなく用いることができるが、水溶性可塑剤が好ましい。例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどのフタル酸エステル類、テトラオクチルピロメリテート、トリオクチルトリメリテートなどの芳香族多価カルボン酸エステル類、ジブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族多価カルボン酸エステル類、グリセリントリアセテート、ジグリセリンテトラアセテート、グリセリン混合エステルなどの多価アルコールの脂肪酸エステル類、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル類などを挙げることができる。
【0014】
本発明ではセルロース混合エステル組成物からなる繊維の製造には、溶融紡糸法が好ましく用いられる。溶融紡糸法では、前記したセルロース混合エステル組成物を公知の溶融紡糸機において、加熱溶融した後に口金から押出し、紡糸し、必要に応じて延伸し巻取ることができる。この際、紡糸温度は200℃〜280℃が好ましく、さらに好ましくは240℃〜270℃である。紡糸温度を200℃以上とすることにより、溶融粘度が低くなり溶融紡糸性が向上するので好ましい。また280℃以下にすることにより、組成物の熱分解が抑制されるため好ましい。
【0015】
本発明におけるセルロース混合エステル組成物からなる繊維の繊度は50dtex以上300dtex以下が好ましい。また、断面形状は丸断面あるいは扁平、三〜八葉、C型、H型、中空などの異型断面であっても良いし、少なくとも1成分がセルロース混合エステル組成物の必須成分である熱可塑性セルロースアセテートプロピオネートからなる芯鞘型、偏心芯鞘型、サイドバイサイド型、割繊維分割型など、あるいは海島型などの1成分を溶出するタイプの複合繊維であっても良い。さらに、通常の生糸以外にも仮撚加工糸、タスラン糸 混繊糸等のフラットヤーンであっても良く、ステープルファイバーやトウ、或いは紡績糸などの形態の繊維であっても良い。
【0016】
本発明におけるセルロース混合エステル組成物からなる繊維の単糸繊度は0.5dtex〜5dtexの範囲であれば良いが、発色性や風合いの観点からは0.8dtex〜3.0dtexの範囲がより好ましい。
【0017】
本発明において用いられる織物は、織物を構成する繊維の25重量%以上がセルロース混合エステル組成物からなる繊維であることが好ましい。25重量%未満であれば、セルロース系繊維の特長である清涼感やドライ感などが発揮できないものになってしまう。好ましくは、30重量%、より好ましくは40重量%である。該セルロース混合エステル組成物からなる繊維が構成する生地の25重量%以上であれば、セルロース系繊維の特徴を維持しながら、常に問題になりやすい洗濯収縮率や外観変化などの欠点をカバーし布帛としても取り扱いがしやすい。なお、セルロース混合エステル組成物からなる繊維は織物の経糸または緯糸のいずれに用いてもよいし、経糸及び緯糸の双方であってもよい。織物の経糸または緯糸のいずれかにのみ使用する場合他方の繊維は特に規定はないが、分散染料で染色可能なポリエステル系繊維を用いることが好ましい。用途に応じて、混繊または合撚、カバーリングして複合糸としてもよい。
【0018】
また、本発明における織物の織組織は特に制限されるものでない。平組織、綾組織、朱子組織やその他の変化組織を含む任意の組織で良い。
【0019】
以上のようにして得られたセルロース混合エステル組成物を用いた織物は、まず水系処理をすることが重要である。セルロース混合エステル組成物からなる繊維を溶融紡糸するにあたって必要であった可塑剤を除去するためである。この段階でセルロース混合エステル組成物に含まれている可塑剤は、親油性の高い界面活性剤を吸尽しやすい性質があるため、最初に精練剤を含まない水系処理を行う。水溶性可塑剤が精練剤に含まれている界面活性剤を吸尽すると染色時の色ぶれや堅牢度の低下を招く恐れがあるためで、水溶性可塑剤を除去した後に、改めて精練剤を含む水系処理液で処理し油剤や糊剤を除去することが望ましい。
【0020】
この水系処理温度は15〜60℃が好ましく、より好ましくは20〜50℃である。処理温度が15℃以上であれば、可塑剤の除去を短時間で行うことが出きる。また、60℃以下であれば、原糸強伸度の低下に影響が少なく好ましい。
【0021】
このようにして得られたセルロース混合エステル組成物を用いた織物には、もはや可塑剤は残っていないか、残っていても極少量であることが好ましい。
【0022】
本発明のプリーツ用生地の洗濯後の寸法変化率は、それぞれ経・緯方向ともに2.5%以下であることが好ましい。一般に市販されているセルロース系繊維は公定水分率が10重量%以上あるため高次加工中における糸の膨潤効果により2.5%以下の寸法安定性は得ることが出来ず、さらに洗濯後の織物表面の凹凸も著しくなり洗濯後のしわが非常に目立つことになる。その欠点を改善するため、セルロース系繊維を疎水化させる樹脂加工等の処理方法があるが、風合いが粗硬化する傾向がある。
【0023】
洗濯による寸法変化率の測定するとしては、標準状態で4時間以上放置した後の織物を長さおよび幅方向に平行に40cm程度の大きさに裁断し、織物の長さおよび幅方向に伸ばさないように織物の縁をかがり、たて方向およびよこ方向に20cm間隔の印をそれぞれ3箇所等間隔につけ測定点とする。
【0024】
所定の洗濯処理を行なった後、織物を平らな台に置き不自然なしわや張力を除いてたて方向およびよこ方向の印間の長さを測り(0.5mmまで読みとる)平均値を求める。
【0025】
次に次式により寸法変化率を計算する。
【0026】
寸法変化率(%)=((L−200)/200)×100
このLは処理後のたてまたはよこの印間の長さの平均値(mm)
なお、所定の洗濯処理とはJIS L 0217−1995 に記載の103法に準じたものである。液温40℃の水に洗濯用合成洗剤を溶解し洗濯液とし、浴比1対30となるように試料および必要に応じて負荷布を投入し、5分間処理後、脱水、次に水道水に替え同一の浴比で2分間すすぎ洗いをした後脱水を行う。再び2分間のすすぎ洗い脱水を行い直射日光の影響を受けない状態で吊り干しをおこなう。
【0027】
洗濯後の織物表面の外観変化を評価する方法として、洗濯しわで判定した。
【0028】
具体的には、JIS L1096 −1999 8.23(洗濯後のしわ)に準じる。
【0029】
上記寸法変化率の測定と同様に、標準状態で4時間以上放置した後の織物を長さおよび幅方向に平行に40cm程度の大きさに裁断し、織物の長さおよび幅方向に伸ばさないように織物の縁をかがりした織物を、JIS L 0217−1995 に記載の103法で処理する。処理後の織物の表面変化をAATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)のTHREE−DIMENSIONAL SMOOTHNESS APPEARANCE REPLICASで等級判定した。
【0030】
しかしながら本発明のプリーツ用生地はセルロース混合エステル組成物からなる繊維を用いた織物からなり、特殊なセルロース混合エステル組成物を用いているため、セルロース混合エステル組成物に含まれる可塑剤を水処理および精練工程で除去することで(以下、「脱可塑セルロース繊維」という)、湿潤時の膨潤が軽減され強伸度や降伏点の低下が減少し原糸の物性が安定するのである。したがって高次加工での織物の寸法安定性を得ることができ、また洗濯後の織物表面外観も良好な特性が得られるのである。
【0031】
また、本発明における脱可塑セルロース繊維は、可塑剤の除去を行う前に比べてガラス転移点Tgが高くなるという特徴を有している。可塑剤除去によるガラス転移点Tgの上昇は60℃以上あることが望ましい。ガラス転移点が60℃以上上昇すれば溶融紡糸が可能であり、また可塑剤除去後の耐熱性が向上してアイロンやプレス機による熱圧処理を何ら問題なく行うことができる。この特長を利用して該生地にプリーツ加工をすると一般のセルロース系繊維を使った織物ではできなかったプリーツ性が洗濯後も維持できるのである。
【0032】
なお、プリーツ加工品の外観変化の判定については、JIS L 1060 −1987 7.3 C法(外観判定法)に準じ評価した。
【0033】
本発明におけるプリーツとは、スカート、パンツ、ブラウスなどの用途に用いられる生地やその製品に行う襞付け加工のことを言う。このプリーツを付与する方法としては特に限定されないが、アイロン、熱プレス、カレンダー加工など公知の機器により熱セットを行うものである。
【0034】
本発明のプリーツ用生地は、前記のとおり、プリーツを付ける用途に特に好適に用いることができる。
【実施例】
【0035】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
(1)洗濯処理
JIS−L−0217 −1995 103法に準じる。
【0037】
(2)洗濯収縮率
JIS−L−1901 −1995 6.1法に準ずる。
【0038】
(3)洗濯後のしわ(外観変化)
JIS−L−1096 −1999 8.23法に準じる。処理後の織物の表面変化をAATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)のTHREE−DIMENSIONAL SMOOTHNESS APPEARANCE REPLICASで等級判定した。等級は、1級(防しわ性が最も低い)〜5級(防しわ性が最も高い)である。
【0039】
(4)プリーツ性試験
JIS−L−1060−1987 C(外観判定法)法に準ずる。処理後の織物の表面変化をAATCC(American Association of Textile Chemists and Colorists)のTHREE−DIMENSIONAL CREASE APPEARANCE REPLICASで等級判定した。等級は、1級(プリーツ性が最も悪い)〜5級(プリーツ性が最も高い)である。
[実施例1]
セルロースアセテートプロピオネート(イーストマンケミカル社製)80重量%と、可塑剤としてポリエチレングリコール(三洋化成(株)製、PEG600)20重量%を、30mmφエクストルーダーを用いて混合し、セルロース混合エステル組成物のペレットを得た。組成物ペレットを乾燥した後、エクストルーダー型溶融紡糸機を用いて溶融させ、紡糸温度260℃、紡糸速度1500m/分で繊維を得た。なお、繊維を巻き取る前に交絡ガイドを通過させることによって交絡を付与した。繊維の品種は100dtex−36フィラメントであり、交絡数は30個/mであった。
【0040】
得られた100dtex−36フィラメントの繊維をS方向に撚数800t/mで追撚したものを経糸及び緯糸として用い、経糸密度135本/2.54cm、緯糸密度110本/2.54cmの1/3ツイル織物を作製した。得られた織物の生機を40℃で10分間湯洗した後、三洋化成(株)製界面活性剤グランアップUS−20を1g/L含む精練水溶液で熱可塑剤を溶出し、更に80℃で20分間精練処理し150℃で2分間中間セットを施した。このようにして得られた織物を用いて、以下の染色を実施した。
【0041】
染料 Disperse Blue ATT (日本化薬(株)製)
染料濃度 1.0%owf、
浴比 1:30
染液pH 5
染色温度 90℃ 染色時間60分。
【0042】
染色後の織物は充分水洗した後、三洋化成(株)製界面活性剤グランアップUS−20を1g/L含む洗浄液(水溶液)で、60℃で20分間洗浄処理、130℃で仕上げセットを施した。
【0043】
得られた織物を標準状態で4時間以上放置した後、織物を長さ方向に平行30cm、幅方向に平行に20cm程度の大きさに裁断し、織物の長さおよび幅方向に伸ばさないように織物の縁をかがりをする。該織物の表面を外にしてよこ方向に2つ折にし、その長辺(長さ方向)がジューキ製パーマネントプレス機(JAK−754)の下ごて面の長辺方向に平行になるように置き、プリーツを施した。プレス条件はプレス温度100℃、プレス圧力7.8kPa、プレス時間スチーム5秒、ベーキング10秒、バキューム5秒としプリーツ加工を実施した結果、プリーツ性は4−5級であった。
【0044】
さらに、JIS−L−0217 −1995 103法に準じて洗濯処理した織物のプリーツ性をJIS−L−1060 −1987に準じて判定した結果3−5級で良好であった。また、洗濯後の寸法変化率は経方向が−1.0%、緯方向が0%、洗濯後のしわ(外観判定法)は3.5級で良好であった。
[比較例1]
セルローストリアセテートをメチレンクロライドおよびメタノールの混合溶媒に溶解させ、乾式紡糸して得られた110dtex−36フィラメントの繊維の原糸を実施例1と同様に1/3ツイル織物を作製した。実施例1の湯洗を省いて、精練液で精練処理、セットを施した。このようにして得られた織物を、染色温度が110℃である以外は実施例1と同様にして染色した。
【0045】
得られた織物に、実施例1と同様にプレス機を用いプリーツ加工を実施し、プリーツ性がは4−5級であった。JIS−L−0217 −1995 103法に準じて洗濯処理した織物のプリーツ性をJIS−L−1060 −1987に準じて判定した結果、1級でほとんどプリーツが消えた状態であった。
【0046】
洗濯寸法変化でも経方向が−3.7%、緯方向が−3.5%で、洗濯後のしわ(外観判定法)は2級で実用では問題になるレベルであった。
【0047】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
経糸または/および緯糸としてセルロース混合エステル組成物からなる繊維を25重量%以上含む織物であって、洗濯後の寸法変化率が経・緯方向ともに2.5%以下、洗濯後の外観変化が3級以上であることを特徴とするプリーツ用生地。

【公開番号】特開2008−214836(P2008−214836A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58162(P2007−58162)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】