説明

プレミックスエマルジョン

水相、1つ以上の脂溶性成分およびカゼイン塩の群から選択される1つ以上の乳化剤を含有する無菌水中油型エマルジョン。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、プレミックスエマルジョンに関し、特に本発明は、脂溶性成分、特に脂溶性ビタミン、好ましくはビタミンA、D3、Eおよび任意にKを用いて乳製品およびそれに類似する製品(例えば豆乳製品)を強化するために使用可能であるプレミックスエマルジョンに関する。
【0002】
紫外線に対する皮膚の露出は、人体において7−デヒドロコレステロールからビタミンD3(コレカルシフェロール)を合成する触媒として作用する。コレカルシフェロールは肝臓まで輸送され、ここで最初の水酸化反応を受け、25−ヒドロキシビタミンD(25(OH)Dとも表示される)になる。血清中の低い25(OH)Dレベルは、ビタミンD欠乏の尺度である。環境的、文化的および生理学的要因により、ビタミンD3の日光誘発型合成が損なわれる可能性があり、かくして食品、主として乳製品由来のビタミンD3で肝臓へのビタミンD3の供給を補充する必要がでてくると考えられる。したがって、大半のヒトはその生活の時々でビタミンD3の補給およびビタミンD3富化食品に依存している。
【0003】
ビタミンD3は、常習的に非常に高い用量で消費された場合に潜在的有害性をもつ脂溶性ビタミンである。したがって、食品に対するビタミンD3の添加は、一部の国、例えばカナダおよびアメリカ合衆国において非常に入念に規制されている。
【0004】
横断的研究から、米国/カナダにおける現行の強化慣行は、特に冬季に影響を受けやすい集団でのビタミンD欠乏症を予防する上で有効でないということが示唆された。ビタミンD不足と慢性疾患のリスクとの間の強い関連性から、米国およびカナダにおける牛乳の強化などのビタミンD3の低い血中濃度を予防するための現行の強化機序の有効性に関する懸念が高まることになった。慢性疾患のリスクは、低いビタミンD3摂取と直接結びつけられ、I型真性糖尿病、関節リウマチ、多発性硬化症および股関節部骨折のリスクは著しく大きくなった。
【0005】
市場における食品の強化は、つねに流動的であり、液体乳の添加ビタミンD含有量は、牛乳を強化するのに用いられる手順と共に著しく変動する(例えばN Engl J Med、1933年11月11日;329(20);1507頁を参照のこと)。これらの手順には、ビタミン調製物(プレミックス)のための一般的貯蔵条件、牛乳にビタミンDを添加するために用いられる方法、そして、ビタミンD調製物が牛乳に添加される加工中の時点が含まれる。州毎そして地方毎の酪農場間におけるこのようなプロセスの標準化は、牛乳のビタミンD強化の品質管理を著しく改善するかもしれない。米国およびカナダにおけるビタミンDの強化規則に対する酪農場の順守を調べる調査によって、大きな割合のサンプルがこれを順守しておらず、これらのサンプルの大部分が、ビタミンDを過小強化または過剰強化していることが示された(例えばN Engl J Med.1992年4月30日;326(18);1178〜81頁を参照のこと)。その他の大陸においても類似の調査が行なわれた(例えばAsia Pac J Clin Nutr.2004年;13(追補);S165を参照のこと)。
【0006】
牛乳または類似の液体は、貯蔵寿命期間中の微生物の成長を回避するため、滅菌または低温滅菌される必要がある。従来のびん内での熱処理は、製品の味および風味に影響を及ぼし得るだけでなく、近代的連続加工方法と充分な適合性を有するものではない。従来技術は、ごく一般的には厚紙容器(例えばテトラパック(Tetrapak)(登録商標)容器)である無菌容器内への熱処理済み牛乳の無菌充填である。これらのシステムでは、牛乳を販売用パッケージ内に無菌包装する一連の充填機へと牛乳が供給される前に、牛乳の熱処理が連続的に実施される。これらのシステムでは、牛乳の熱処理の後、すなわち包装機の直前に牛乳の流れに任意の非滅菌成分を添加することは不可能である。その結果、充填機は、異なる複数の製品を同時に流すことはできない。さらに、製品タイプを変更する毎に、全システムを予め完全に清浄する必要がある。これらの主たる欠点は、テトラパックアロムパック(Tetra Pak Arom Pak)により提供されている秤量ユニットであるいわゆるFlex Dos(登録商標)Unit 2000(FDU2000)により克服される。
【0007】
FDU2000は、既存のテトラパック加工機器に内蔵させることができ、充填機の直前に設置される。このユニットは、牛乳およびジュースなどの製品に対し、安全かつ無菌の環境内で極めて高い精度で、香味料、芳香、ラクトース、プレバイオティクス培養、栄養素、オメガ−3脂肪酸および/またはビタミンなどの(熱)感応性添加剤および機能的成分を添加することができる。
【0008】
システムの主たる利点は、付加的な混合用タンクが全く不要であること、添加剤が低温滅菌または滅菌段階において熱により破壊されないこと、そして次の製品および/またはサイズの充填前に追加の清浄を行う必要が全くないことにある。
【0009】
Flex Dos(登録商標)などの秤量システムには数多くの利点があるものの、以下のようななおも解決すべき問題がいくつかある。
・添加物および/または機能的成分(プレミックス)の調製物は、加工性を保つためにそれらの全貯蔵時間中好ましくは約20〜200mPa・sの低い粘度をもつ液体でなくてはならない。
・プレミックス中の成分分布は、プレミックスの適用中に連続して精確な秤量を行えるように、可能なかぎり均質でなくてはならない。
・添加剤および/または機能的成分はそれらの全貯蔵時間中安定していなければならない。
・プレミックス中には食品成分として許容可能である添加剤しか使用できない。
【0010】
したがって、上述の問題のうちの1つ以上のものを解決する新しいプレミックス組成物を提供することが、以下の発明の目的であった。
【0011】
意外なことに、本発明の目的は、水相、1つ以上の脂溶性成分およびカゼイン塩の群から選択される1つ以上の乳化剤を含有する滅菌水中油型エマルジョンによって達成されるということが発見された。
【0012】
本発明に係る水中油型エマルジョンが上述の問題を解決するということは、当業者には予測外のことであった。
【0013】
本発明に係るエマルジョンは、水溶性(hydro−(water)soluble)構成要素と脂溶性構成要素を配合することによって製造される。このとき、水中油型エマルジョンは、公知の乳化技術により調製される。エマルジョンおよび/またはその構成要素は滅菌され、その後、牛乳またはそれに類似する製品向けの無菌充填システム内での使用のために特定的に設計された容器の中に無菌状態で充填される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態においては、1つまたは複数の脂溶性成分(1つ以上の化合物)は、脂溶性(fat(lipid)soluble)ビタミン、より好ましくはビタミンA、ビタミンD3、ビタミンEおよび/または食品成分として許容可能であるそれらの誘導体の群から選択される。特に好ましいのは、ビタミンA、ビタミンD3およびビタミンEの混合物である。最後のものについての好ましい例は、酢酸レチニルまたはパルミチン酸レチニル、コレカルシフェロールおよび酢酸アルファトコフェリルの配合物である。
【0015】
ビタミンA(mgレチノール当量)/ビタミンD3(mgコレカルシフェロール)/ビタミンE(mg RRR−アルファートコフェロール当量)の比は好ましくは、以下の通りに選択される:それぞれ、ビタミンの重量に対して1/0.0025〜0.025/2.5〜25、より好ましくは1/0.005〜0.025/7.5〜20。
【0016】
【表1】

【0017】
本発明に従うと、エマルジョン中のビタミンAの量が組成物の合計重量を基準にして0.25〜2.5重量%の範囲内にある場合に有利である。ビタミンD3およびEも本発明に係るエマルジョン中に存在する場合、それらの好ましい量は、以上に示された比率の結果として得られる。
【0018】
本発明に係るエマルジョン中に付加的にビタミンKを取込むことがさらに好ましい。「ビタミンK」という用語は、大部分が血液凝固のために求められる一部のタンパク質の翻訳後修飾に必要なビタミン群を表わす。このビタミンの脂溶性形態および誘導体例えばビタミンK1(フィトメナジオン)および/またはビタミンK2を使用することが好ましい。
【0019】
さらに好ましい実施形態においては、本発明に係る水中油型エマルジョンは、1つ以上の脂溶性ビタミン、そしてさらに、多価不飽和脂肪酸およびそのエステルからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素を含有する。
【0020】
本発明にしたがって適切である多価不飽和脂肪酸は、好ましくは16〜24個の炭素原子そして特に2〜6個の2重結合、特に好ましくは4または5または6個の2重結合を有する多価不飽和カルボン酸である。
【0021】
不飽和脂肪酸は、n−6系列およびn−3系列の両方に属し得る、n−3系列の多価不飽和脂肪酸が好ましい。n−3多価不飽和酸の好ましい例は、5,8,11,14,17−エイコサペンタエン酸(EPA)および4,7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸(DHA)ならびにアラキドン酸(ARA)である。
【0022】
多価不飽和脂肪酸の好ましい誘導体は、そのエステル例えばグリセリドおよび、特にトリグリセリドであり、特に好ましくはエチルエステルである。n−3多価不飽和脂肪酸のトリグリセリドが特に好ましい。
【0023】
トリグリセリドは、3個の均一な不飽和脂肪酸または2または3個の異なる不飽和脂肪酸を含み得る。これらは同様に、飽和脂肪酸を部分的に含んでいてよい。
【0024】
誘導体がトリグリセリドである場合、通常3個の異なるn−3多価不飽和脂肪酸がグリセロールとエステル化される。本発明の好ましい一実施形態においては、トリグリセリドが使用され、かくして脂肪酸の30%がn−3脂肪酸であり、そのうち25%が長鎖多価不飽和脂肪酸である。さらに好ましい−実施形態においては、市販のROPUFA(登録商標)「30」n−3食用油(DSMニュートリショナルプロダクツ社(DSM Nutritional Products Ltd)、カイゼルアウグスト、スイス)が使用される。本発明の別の好ましい実施形態においては、PUFAエステルは、ROPUFA(登録商標)「75」n−3EEである。ROPUFA「75」n−3EEは、最低含有率72%のn−3脂肪酸エチルエステルを伴うエチルエステルの形をした精製魚油(refined marine oils)である。これは、混合されたトコフェノール、アルコルビル・パルミテート、クエン酸で安定化され、ローズマリー抽出物を含有する。
【0025】
本発明に従うと、例えば魚油(marine oils、fish oils)および/または植物油といった多価不飽和脂肪酸のトリグリセリドを含有する天然に発生する油(1つ以上の構成要素)を使用することが有利であり得る。
【0026】
多価不飽和脂肪酸のトリグリセリドを含む好ましい油はオリーブ油、ヒマワリ種子油、月見草種子油、ルリヂサ油、ブドウ種子油、大豆油、ラッカセイ油、小麦胚種油、カボチャ種子油、くるみ油、ゴマ種子油、菜種油(カノーラ油)、ブラックカラント種子油、キーウイフルーツ種子油、特定のキノコ類に由来する油、および魚油である。
【0027】
代替的には、その他の多価不飽和脂肪酸(例えばオメガ−3脂肪酸;オメガ−6脂肪酸)および/またはそれらの誘導体を使用してもよい。
【0028】
本発明に係る水中油型エマルジョンが多価不飽和脂肪酸およびそのエステルからなる群から選択される1つ以上の構成要素を含有する場合、このエマルジョンがさらに1つ以上の酸化防止剤を含むことが特に好ましい。エマルジョン中の1つまたは複数の酸化防止剤(1つ以上の化合物)の量がエマルジョンの合計重量を基準にして1.5〜2.5重量%の範囲内にあると有利である。酸化防止剤としてアスコルビン酸ナトリウムを使用することが最も好ましい。
【0029】
本明細書で使用される「カゼイン塩」という用語は、塩基とカゼインタンパク質の塩に関する用語である。アルカリ金属(特にナトリウム、カリウム)およびアルカリ土類金属(特にカルシウム)との塩が好ましい。
【0030】
本明細書で使用されている「カゼインタンパク質」という用語は、亜群としてアルファ−、ベータ−、ガンマ−、カッパ−およびラムダ−カゼインを含む当業者にとって公知のカゼインと呼称される一部の乳タンパク質の全メンバーを、個々に取り出した形態でかまたはその天然または合成的に調製された混合物の形態で含んでいる。これらの亜群の中には、乳の供給源としての動物の種類および品種に応じて多数の遺伝的差異が存在する。本発明に関しては、ヒトを含めた全ての種類の哺乳動物由来の乳をカゼインの供給源として使用することができる。好ましい供給源は、乳牛由来の乳である。カゼインタンパク質は、そのアミノ酸配列およびその2量体、3量体およびより高次のオリゴマーを形成する傾向を特徴とするほか、異なる量のリン酸塩および炭水化物基を担持している。炭水化物基の中には、ガラクトース、ガラクトースアミンおよびN−アセチルノイラミン酸基がある。カゼイン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0031】
本発明に従うと、使用するカゼイン塩の選択により粘度を調節させることが可能である。有利にも、所望の粘度は使用されるカゼイン塩の選択により調整される。低粘度すなわち約20〜200mPa・sの粘度に調整することが好ましい。
【0032】
本発明に従うと、エマルジョン中の1つまたは複数のカゼイン塩(1つ以上の化合物)の量が、各々エマルジョンの合計重量を基準にして2〜5重量%好ましくは2.5〜4.5重量%の範囲内にあると有利である。
【0033】
本発明に係るエマルジョンの油相は有利には、1つ以上の食用油、好適な植物油(plant(vegetable)oil)を含有する。好ましいのは、その分留物質を含めた、ひまわり油、ココナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、カノーラ油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油、堅果油(例えばアーモンドオイル、カシューオイル、ヘーゼルナッツオイル、マカデミアオイル、ピーカンオイル、ピスタチオオイル、くるみ油)である。
【0034】
本発明に従うと、エマルジョン中の1つまたは複数の食用油(1つ以上の化合物)の量が、各々組成物の合計量を基準にして40〜60重量%、好ましくは45〜55重量%の範囲内にあると有利である。
【0035】
充填機の直前に設置されているかまたは充填内に内蔵されている秤量システムを用いて乳製品または豆乳製品などの類似の製品を強化するためのプレミックスとして本発明に係るエマルジョンを使用することが特に好ましく、特に好ましいのは、Flex Dos(登録商標)Unit 2000を用いて乳製品または類似の製品を強化するためのプレミックスとして本発明に係るエマルジョンを使用することである。
【0036】
したがって、本発明のさらなる目的は、
a.有害な微生物の数を削減するために、大量の生乳または類似の製品(以下集合的に「液体」と呼ぶ)を低温滅菌するステップと;
b.任意に液体の脂肪相と水相の分離(クリーム分離)を防止するために大量の液体を均質化するステップと;
c.販売用パッケージ内に充填する直前に、このように処理された液体に対して水相、1つ以上の脂溶性成分およびカゼイン塩の群から選択される1つ以上の乳化剤を含有する滅菌水中油型エマルジョンを添加するステップと、
を含む、乳製品または類似の製品の強化方法にある。
【0037】
本明細書で使用される「販売用パッケージ」という用語は、例えばガラスおよびプラスチック容器、例えばガラスびんおよびプラスチックボトル、プラスチック袋、プラスチック製ジャーなど、紙パック、例えばワックスを塗った厚紙ボックス、Elopakシステム、SIG Combibloc、Tetra Pak(登録商標)システムなどの包装システムを含む、多層厚紙ホイル(cardboard foil)で形成されたボックス、金属缶など、強化された乳製品の最終消費者(カスタマー)またはユーザーに販売される全ての種類の容器を含む。
【0038】
本明細書で使用される「乳製品」という用語は、加工用生乳が、乳牛、ヤギまたはその他の哺乳動物、例えばヒツジ、(水牛)野牛、ヤク、馬またはラクダに由来する、乳から生産されるあらゆる種類の食品または飼料製品に関係する。本明細書で使用される「乳製品」という用語はさらに、豆乳製品などの乳類似製品から生産される食品または飼料製品を含む。
【0039】
本発明に従うと、乳製品は牛乳、バターミルク、酸乳、ミルクセーキ、発酵乳、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、クリーム、サワークリーム、アイスクリーム、チーズ、カッテージチーズ、バターである。好ましい「類似の製品」は、豆乳、豆腐などの豆乳製品である。
【0040】
乳製品に添加される脂溶性成分を本発明に係るエマルジョンを用いて製品に添加する場合、これらの脂溶性成分を添加後に滅菌または低温滅菌する必要がなくなるということは、当業者により予測されなかったことである。
【0041】
各国の国内強化規則に準じて、1つの(1)単位の乳製品(100〜1000ml)を富化するために0.25〜2.5mgのプレミックスを使用することが好ましい。
【0042】
[実施例]
【0043】
【表2】

【0044】
【表3】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
水相、1つ以上の脂溶性成分およびカゼイン塩の群から選択される1つ以上の乳化剤を含有する滅菌水中油型エマルジョン。
【請求項2】
前記1つまたは複数の脂溶性成分(1つ以上の化合物)が、脂溶性ビタミンの群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のエマルジョン。
【請求項3】
1つ以上の脂溶性ビタミンに隣接して、多価不飽和脂肪酸および多価不飽和脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1つの構成要素をさらに含有することを特徴とする請求項2に記載のエマルジョン。
【請求項4】
前記脂溶性ビタミンが、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンEおよび/または食品成分として許容可能なそれらの誘導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項2または3に記載のエマルジョン。
【請求項5】
ビタミンD、ビタミンA、ビタミンEおよび/または食品成分として許容可能なそれらの誘導体の混合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項6】
ビタミンK1および/またはビタミンK2をさらに含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項7】
エマルジョン内の1つまたは複数のカゼイン塩(1つ以上の化合物)の量が、エマルジョン合計重量を基準にして2〜5重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項8】
エマルジョン内の1つまたは複数のカゼイン塩(1つ以上の化合物)の量が、エマルジョン合計重量を基準にして2.5〜4.5重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のエマルジョン。
【請求項9】
乳製品および類似の製品を強化するためのプレミックスとしての、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエマルジョンの使用。
【請求項10】
充填機の直前に設置されているかまたは充填機に内蔵されている秤量システムを用いて強化が実施される、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記乳製品が牛乳、バターミルク、酸乳、ミルクセーキ、発酵乳、ヨーグルト、ヨーグルト飲料、クリーム、サワークリーム、アイスクリーム、チーズ、カッテージチーズ、バターからなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の使用。
【請求項12】
前記類似の製品が、豆乳製品からなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の使用。
【請求項13】
a.有害な微生物の数を削減するために、大量の生乳または類似の製品(以下集合的に「液体」と呼ぶ)を低温滅菌するステップと;
b.任意に液体の脂肪相と水相の分離(クリーム分離)を防止するために大量の液体を均質化するステップと;
c.販売用パッケージ内に充填する直前に、このように処理された液体に対して水相、1つ以上の脂溶性成分およびカゼイン塩の群から選択される1つ以上の乳化剤を含有する滅菌水中油型エマルジョンを添加するステップと、
を含む、乳製品強化方法。

【公表番号】特表2010−516286(P2010−516286A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547565(P2009−547565)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/000218
【国際公開番号】WO2008/092552
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】