説明

プログラム、情報記憶媒体、およびゲーム装置

【課題】戦略性に富み、効率的にゲームを進行することができるプログラム、情報記憶媒体、およびゲーム装置を提供する。
【解決手段】マップを構成するマスをユニットの行動単位として、自ユニット群のユニットと敵ユニット群のユニットとの対戦を行うゲームであって、少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力を含む行動群の中からユニットの行動を決定し、ユニットの行動が移動に決定されたことに基づいて、当該ユニットを移動可能範囲内で移動させる制御を行い、ユニットの行動が攻撃に決定されたことに基づいて、当該ユニットを攻撃可能範囲内で攻撃させる制御を行い、ユニットの行動が第1の特殊能力に決定されたことに基づいて、第1の特殊能力の影響がおよぶ複数のマスを結合するマス結合イベントを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、およびゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、戦争などの戦闘を再現したシミュレーションゲームが知られている(例えば、特許文献1)。このようなシミュレーションゲームでは、戦闘に参加する部隊、キャラクタ、戦艦などをユニットと呼ばれる駒に見立てて、マップを構成するマス単位で移動や攻撃などの行動を行わせる。
【特許文献1】特開2002−65937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のシミュレーションゲームでは、ユニットの行動単位となるマスが固定的に設定されていたため、ユニットの行動パターンのバリエーションが乏しく、戦略性に欠けるという問題があった。
【0004】
また、シミュレーションゲームに登場するユニットの数に対してマップが大きい場合(マップを構成するマスの数が多い場合)、ユニット同士が遭遇するまでに時間がかかるため、効率的にゲームを進行することができないという問題もある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、戦略性に富み、効率的にゲームを進行することができるプログラム、情報記憶媒体、およびゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、マップを構成するマスをユニットの行動単位として、自ユニット群のユニットと敵ユニット群のユニットとの対戦を行うゲームのためのゲーム装置であって、少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力を含む行動群の中からユニットの行動を決定する行動決定部と、ユニットの行動が前記移動に決定されたことに基づいて、当該ユニットを移動可能範囲内で移動させる制御を行う移動制御部と、ユニットの行動が前記攻撃に決定されたことに基づいて、当該ユニットを攻撃可能範囲内で攻撃させる制御を行う攻撃制御部と、ユニットの行動が前記第1の特殊能力に決定されたことに基づいて、前記第1の特殊能力の影響がおよぶ複数のマスを結合するマス結合イベントを発生させるイベント発生部とを含むゲーム装置に関する。
【0007】
また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラム、および上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶するコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に関する。
【0008】
本発明によれば、マス結合イベントによって複数のマスが結合されるため、マス結合前に比べてユニットの行動範囲(移動範囲や攻撃範囲など)が広がることになる。従って、ユニットの行動パターンのバリエーションが増え、戦略性に富んだゲームとすることができるとともに、敵ユニット群のユニットとの遭遇機会も増え、効率的にゲームを進行することもできる。
【0009】
(2)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、各マスに、前記移動可能範囲に影響を与える属性を設定し、前記マス結合イベントによって結合されたマスの属性を変更するマス属性変更部を更に含めるようにしてもよい。
【0010】
このようにすると、マス結合イベントによって結合されたマスの属性が変更されるため、ユニットの移動可能範囲を変化させることができ、より戦略性に富んだゲームとすることができる。
【0011】
(3)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、前記マス結合イベントによって結合されたマスの画像を変更する表示制御を行う表示制御部を更に含めるようにしてもよい。
【0012】
(4)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、前記イベント発生部が、前記マス結合イベントとして、複数のユニットを合体させるとともに合体後のユニットが配置される複数のマスを結合する合体イベントを発生させ、前記移動制御部が、前記合体イベントによって結合されたマスを合体後のユニットの移動単位として、当該合体後のユニットを移動させ、前記攻撃制御部が、前記合体イベントによって結合されたマスを合体後のユニットの攻撃単位として、当該合体後のユニットを攻撃させるようにしてもよい。
【0013】
このようにすると、合体イベントによって合体されたユニットの行動を、合体イベントによって結合されたマスを行動単位として実行することができるため、より戦略性に富んだゲームとすることができるとともに、敵ユニット群のユニットとの遭遇機会も増え、より効率的にゲームを進行することもできる。
【0014】
(5)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、前記行動群に、第2の特殊能力を更に含み、前記イベント発生部が、ユニットの行動が前記第2の特殊能力に決定されたことに基づいて、前記マス結合イベントによって結合されたマスを分解するマス分解イベントを発生させるようにしてもよい。
【0015】
このようにすると、マス結合イベントによって結合されたマスをマス分解イベントによって分解することができるため、より戦略性に富んだゲームとすることができる。
【0016】
(6)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、各ユニットは、1回の行動フェイズにおいて複数の行動を実行可能に設定し、前記行動決定部が、前記敵ユニット群の行動フェイズにおいて、マスを結合することによって前記敵ユニット群のユニットが前記自ユニット群のユニットに攻撃可能となることを条件に、前記敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも前記移動、前記攻撃、および前記第1の特殊能力に決定し、前記イベント発生部が、前記マス結合イベントを発生させ、前記移動制御部が、マス結合後のマップにおいて、前記敵ユニット群のユニットを前記移動可能範囲内で移動させ、前記攻撃制御部が、マス結合後のマップにおいて、前記攻撃可能範囲に配置されている前記自ユニット群のユニットに対する前記敵ユニット群のユニットの攻撃制御を行うようにしてもよい。
【0017】
このようにすると、マスを結合することによって敵ユニット群のユニットが自ユニット群のユニットに攻撃可能となる場合に、敵ユニット群のユニットがマス結合イベントを発生させるとともに、自ユニット群のユニットに対する攻撃を行うことになるため、敵ユニット群のユニットが戦略的にマス結合イベントを発生させることになり、敵ユニット群のユニットとの対戦の趣向性を高めることができる
(7)また本発明のゲーム装置、プログラム、および情報記憶媒体では、前記行動決定部が、前記敵ユニット群の行動フェイズにおいて、前記敵ユニット群のユニットの前記移動可能範囲と前記攻撃可能範囲を加算した行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第1の判定処理を行うとともに、前記マス結合イベントによってマスを結合した場合に前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第2の判定処理を行い、前記第1の判定処理において前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されていないと判定するとともに、前記第2の判定処理において前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されていると判定した場合に、前記敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも前記移動、前記攻撃および前記第1の特殊能力に決定するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態(本実施形態)について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0019】
1.ゲーム装置の機能ブロック
図1は、本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例である。なお本実施形態のゲーム装置は、図1の構成要素(各部)を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0020】
操作部160は、プレーヤが行った操作を操作情報として入力するためのものであり、その機能は、コントローラ、レバー、ボタン、マウス、キーボード、マイク、トラックボール、タッチパネルなどにより実現できる。
【0021】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータ(具体的には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータ)などを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD等)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などのハードウェアにより実現できる。
【0022】
記憶部170は、処理部100や通信部194などのワーク領域や、情報記憶媒体180から展開されたプログラムやデータの格納領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などのハードウェアにより実現できる。記憶部170は、主記憶部171、マス属性記憶部172、ステータスパラメータ記憶部173、描画バッファ174を含んで構成される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0023】
表示部190は、処理部100により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRTディスプレイ、LCD(液晶ディスプレイ)、OELD(有機ELディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0024】
音出力部192は、処理部100により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、あるいはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0025】
通信部194は、外部(例えばサーバや他のゲーム装置)との間で通信を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどにより実現できる。
【0026】
なお、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)を、サーバが有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部194を介して情報記憶媒体180(記憶部170)に配信するようにしてもよい。このようなサーバの情報記憶媒体の使用も本発明の範囲に含まれる。
【0027】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作情報や情報記憶媒体180から記憶部170に展開されたプログラムやデータなどに基づいて、主記憶部171をワーク領域として、ゲーム処理、画像生成処理、あるいは音生成処理などの各種処理を行う。ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、ユニット、マップなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、あるいはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などを行う。処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0028】
処理部100は、ゲーム進行制御部110、行動決定部112、イベント発生部114、移動制御部116、攻撃制御部118、マス属性変更部120、表示制御部122、パラメータ更新部124、通信制御部126、描画部140、音生成部150を含んで構成される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0029】
ゲーム進行制御部110は、マップを構成するマスをユニットの行動単位として、自ユニット群のユニットと敵ユニット群のユニットとの対戦を行うゲームの進行制御を行う。
【0030】
具体的には、ゲームの開始に伴い、ゲーム空間内に複数のマスから構成されるマップを配置するとともに、キャラクタや移動体などのユニットをマス上に配置する。そして、自ユニット群の各ユニットを行動させる自ユニット群の行動フェイズと敵ユニット群の各ユニットを行動させる敵ユニット群の行動フェイズとを1ターンとするターン制でゲームを進行させ、ゲーム終了条件が成立するまでの間ターンを繰り返す。なお「ゲーム終了条件」とは、例えば、敵ユニット群のユニットを全滅させること、敵ユニット群の特定のユニットを倒すこと、制限時間が経過することなどが該当する。また本実施形態では、各ユニットは、1回の行動フェイズにおいて複数の行動を実行可能に設定されている。例えば、1回の行動フェイズにおいて各行動を少なくとも1回ずつ実行可能に設定してもよいし、行動を実行するために必要なポイントを行動毎に設定するとともに、1回の行動フェイズにおいてユニットが使用できるポイントを設定し、ユニットが使用できるポイントの範囲内で行動を実行するようにしてもよい。
【0031】
行動決定部112は、少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力を含む行動群の中からユニットの行動を決定する。なお、行動群の中に第2の特殊能力を含むようにしてもよい。
【0032】
行動決定部112は、プレーヤが1人プレイを行う場合には、自ユニット群のユニットの行動をプレーヤの操作情報に基づいて決定し、敵ユニット群のユニットの行動を所定のアルゴリズムに基づいて決定する。例えば、敵ユニット群の行動フェイズにおいて、マスを結合することによって敵ユニット群のユニットが自ユニット群のユニットに攻撃可能となる場合には、敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも移動、攻撃、および第1の特殊能力に決定する。具体的には、敵ユニット群の行動フェイズにおいて、敵ユニット群のユニットの移動可能範囲と攻撃可能範囲を加算した行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第1の判定処理を行うとともに、マス結合イベントによってマスを結合した場合に行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第2の判定処理を行い、第1の判定処理において行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されていないと判定するとともに、第2の判定処理において行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されていると判定した場合に、敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力に決定する。
【0033】
また行動決定部112は、プレーヤが他のプレーヤとの対戦プレイを行う場合には、プレーヤの操作情報に基づいて自ユニット群のユニットの行動を決定し、他のプレーヤの操作情報に基づいて敵ユニット群のユニットの行動を決定する。
【0034】
イベント発生部114は、ユニットの行動が第1の特殊能力に決定されたことに基づいて、第1の特殊能力の影響がおよぶ複数のマスを結合するマス結合イベントを発生させる。第1の特殊能力とは、ユニットの合体、ユニットの変形、アイテムの使用、魔法の使用などが該当する。例えば、ユニットの行動がユニットの合体に決定された場合には、マス結合イベントとして、複数のユニットを合体させるとともに合体後のユニットが配置される複数のマスを結合する合体イベントを発生させる。なお、マス結合イベントによって結合されたマスは他のマスと同様に1マスとして扱われる。
【0035】
またイベント発生部114は、ユニットの行動が第2の特殊能力に決定されたことに基づいて、マス結合イベントによって結合されたマスを分解するマス分解イベントを発生させる。第2の特殊能力とは、ユニットの分解、ユニットの変形、アイテムの使用、魔法の使用などが該当する。
【0036】
移動制御部116は、ユニットの行動が移動に決定されたことに基づいて、ユニットを移動可能範囲内で移動させる制御を行う。なおユニットの移動可能範囲は、マップ情報記憶部172に記憶されているマップを構成するマスの属性情報、ステータスパラメータ記憶部173に記憶されているユニットのステータスパラメータに応じて決定される。
【0037】
また移動制御部116は、合体イベントが発生した場合には、合体イベントによって結合された大きさのマスを合体後のユニットの移動単位として、合体後のユニットを移動させる制御を行う。
【0038】
攻撃制御部118は、ユニットの行動が攻撃に決定されたことに基づいて、ユニットを攻撃可能範囲内で攻撃させる制御を行う。なおユニットの攻撃可能範囲は、ステータスパラメータ記憶部173に記憶されているステータスパラメータに応じて決定される。
【0039】
また攻撃制御部118は、合体イベントが発生した場合には、合体イベントによって結合された大きさのマスを合体後のユニットの攻撃単位として、合体後のユニットを攻撃させる。
【0040】
マス属性変更部120は、マス結合イベントによって結合されたマスの属性情報を変更する処理を行う。具体的には、マップ情報記憶部172に記憶されているマップを構成するマスの中から、マス結合イベントによって結合されたマスの属性情報を変更する処理を行う。なおマップ情報記憶部172には、マップを構成するマス毎に属性情報が記憶されている。
【0041】
表示制御部122は、表示部190に表示される画像(オブジェクト画像)の表示制御を行う。具体的には、ユニット(キャラクタ、車、飛行機などの移動体)、マップ(地形)などの表示すべきオブジェクトを発生させたり、オブジェクトの表示や表示位置を指示したり、オブジェクトを消滅させたりするなどの表示制御を行う。即ち、発生したオブジェクトをオブジェクトリストに登録したり、オブジェクトリストを描画部140等に転送したり、消滅したオブジェクトをオブジェクトリストから削除したりするなどの表示制御を行う。また、ユニット(2次元データ又は3次元データで定義される表示物)の移動、攻撃あるいはイベントが発生した場合に、発生した移動、攻撃あるいはイベントの様子を示す画像を表示部190に表示するための制御を行う。例えば、マス結合イベントが発生した場合には、マス結合イベントによって結合されたマスの画像を他の画像に変更する表示制御を行う。
【0042】
パラメータ更新部124は、ステータスパラメータ記憶部173に記憶されたユニットのステータスパラメータ(例えば、体力、移動力、攻撃力、防御力など)を更新する処理を行う。例えば、ユニットのレベルが上がった場合にユニットの各種パラメータを増大させたり、対戦相手のユニットの攻撃を受けた場合に体力を減少させたりする処理を行う。
【0043】
通信制御部126は、データ(パケット)の送受信に関する通信部194の制御として、サーバあるいは他のゲーム装置に送信するデータを生成する処理、データ送信先のネットワークアドレスを指定する処理、受信したデータを主記憶部171に保存する処理、受信したデータを解析する処理などを行う。
【0044】
描画部140は、処理部100で行われるゲーム処理などの結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。なお、描画部140が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、3次元画像であってもよい。
【0045】
2次元画像を生成する場合には、優先度の高いオブジェクトが優先度の低いオブジェクトの前面に表示されるようにオブジェクトを合成して描画データを作成する。そして、この描画データに基づいて、合成後のオブジェクトを描画バッファ174(フレームバッファあるいは中間バッファなどのピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM)に描画して、2次元画像を生成する。
【0046】
3次元画像を生成する場合には、まず、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、或いは透視変換等のジオメトリ処理を行い、その処理結果に基づいて、描画データ(プリミティブの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を作成する。そして、この描画データ(プリミティブデータ)に基づいて、透視変換後(ジオメトリ処理後)のオブジェクト(1又は複数プリミティブ)を描画バッファ174に描画する。これにより、ゲーム空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像を生成する。
【0047】
なお、本実施形態のゲーム装置は、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のゲーム装置にしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるゲーム装置にしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、サーバあるいは1つのゲーム装置を用いて生成してもよいし、ネットワークを介して接続されたサーバや複数のゲーム装置を用いて分散処理により生成してもよい。
【0048】
3.本実施形態の手法
以下、図2〜図14を参照しながら本実施形態のゲーム装置で行われるシミュレーションゲームの制御手法について説明する。
【0049】
3−1.ゲームの概要
図2〜図6を参照しながら本実施形態のシミュレーションゲームの概要について説明する。図2は、シミュレーションゲームのゲーム画像の一例を示す図であり、図3は、シミュレーションゲームのゲームの進行の流れの一例を示すフローチャート図であり、図4は、キャラクタ210のステータスパラメータの一例を説明するための図であり、図5(A)〜図5(C)は、キャラクタ210の移動可能範囲の一例を説明するための図であり、図6(A)、図6(B)は、キャラクタ210の攻撃可能範囲の一例を説明するための図である。
【0050】
まず、本実施形態のシミュレーションゲームの進行の流れについて説明する。
【0051】
本実施形態のシミュレーションゲームは、図2に示すように、複数のマスから構成されるマップ上に配置された自ユニット群のユニット(具体的には、キャラクタ210、キャラクタ220、戦車230、キャラクタ240、キャラクタ250)と、敵ユニット群のユニット(具体的には、キャラクタ310、キャラクタ320)とを対戦させるゲームであり、自ユニット群の各ユニットを行動させる自ユニット群の行動フェイズと敵ユニット群の各ユニットを行動させる敵ユニット群の行動フェイズとを1ターンとするターン制でゲームを進行させている。
【0052】
例えば自ユニット群が先行である場合には、図3に示すように、自ユニット群の行動フェイズからゲームが開始され、基本的に自ユニット群の全てのユニットの行動が終了するまでの間、自ユニット群の各ユニットを行動させる(ステップS10、ステップS14でN)。但し、必ずしも自ユニット群の全てのユニットを行動させる必要はなく、特定のユニットの行動をパスしてもよい。また、自ユニット群のユニットの行動により敵ユニット群のユニットを全滅させた場合には(ステップS12でY)、ステージクリアとなり次ステージに移行する。一方、敵ユニット群のユニットを全滅させることなく(ステップS12でN)、自ユニット群の全てのユニットの行動が終了した場合には(ステップS14でY)、自ユニット群の行動フェイズが終了し、敵ユニット群の行動フェイズが開始される。
【0053】
敵ユニット群の行動フェイズが開始されると、基本的に敵ユニット群の全てのユニットの行動が終了するまでの間、敵ユニット群の各ユニットを行動させる(ステップS16、ステップS20でN)。但し、必ずしも敵ユニット群の全てのユニットを行動させる必要はなく、特定のユニットの行動をパスしてもよい。また、敵ユニット群のユニットの行動により自ユニット群のユニットが全滅した場合には(ステップS18でY)、ゲームオーバーとなる。一方、自ユニット群のユニットが全滅することなく(ステップS18でN)、敵ユニット群の全てのユニットの行動が終了した場合には(ステップS20でY)、敵ユニット群の行動フェイズの終了とともに1ターンが終了し、次のターンの自ユニット群の行動フェイズに突入する(ステップS10)。以後、勝敗がつくまでの間、ターンを繰り返す。
【0054】
次に、本実施形態のシミュレーションゲームのマップについて説明する。
【0055】
本実施形態のシミュレーションゲームでは、図2に示すように、正方形の複数のマスから構成されるスクエア型マップを採用しており、このマスが各ユニットの行動単位となっている。なお、スクエア型マップ以外に、例えば、正六角形の複数のマスから構成されるヘクス型マップや、自由な形状の複数のマスから構成されるプロヴァンス型マップを採用するようにしてもよい。
【0056】
また各マスには、地形属性(具体的には、平地410、草原420、森430、川440)が設定されており。この地形属性が各ユニットの行動に影響を与える。なお各マスの地形属性情報は、マップ情報記憶部172にマップ毎に記憶されている。
【0057】
次に、本実施形態のシミュレーションゲームでのユニットの行動について説明する。
【0058】
本実施形態のシミュレーションゲームでは、ユニットの能力値を示すステータスパラメータが各ユニットに設定されており、各ユニットはこのステータスパラメータに基づいて、マスを行動単位として行動を行う。なおステータスパラメータは、ステータスパラメータ記憶部173にユニット毎に記憶されている。
【0059】
キャラクタ210を例に取り説明すると、図4に示すように、ステータスパラメータとして、レベル、経験値、体力、移動力、地形適正、攻撃力、防御力、特殊能力、武器などの各種パラメータが設定されている。
【0060】
「レベル」とは、キャラクタ210のランクを示すパラメータであり、レベルアップすると、他のパラメータ(例えば、攻撃力や移動力)の値が上昇する。
【0061】
「経験値」とは、レベルアップに必要な値を示すパラメータであり、敵ユニット群のユニットを倒すことで経験値を獲得できる。図4に示す例では、現在の経験値が100となっており、経験値が500になるとレベルアップすることになる。
【0062】
「体力」とは、キャラクタ210の生命力を示すパラメータであり、対戦相手のユニットの攻撃を受け0になると、キャラクタ210は行動できなくなる。
【0063】
「移動力」とは、キャラクタ210の移動可能範囲を示すパラメータである。図4に示す例では、値が3となっており、最大3マス移動可能となっている。
【0064】
「地形適正」とは、各マスに設定された地形属性との相性を示すパラメータであり、移動力の値に地形適正の値を加算した値が実際の移動可能範囲となる。
【0065】
図4に示すように、キャラクタ210の平地410に対する地形適正は0となっているため、図5(A)に示すように、キャラクタ210は平地410のエリアでは、移動力通り最大3マス(囲み線510で囲まれた範囲内で)移動することができる。なお、草原420についても同様である。また図4に示すように、キャラクタ210の森430に対する地形適正は−1となっているため、図5(B)に示すように、キャラクタ210は森430のエリアでは、最大でも2マス(囲み線520で囲まれた範囲内で)しか移動することができない。また図4に示すように、キャラクタ210の川440に対する地形適正は−2となっているため、図5(C)に示すように、キャラクタ210は川440のエリアでは、最大でも1マス(囲み線530で囲まれた範囲内で)しか移動することができない。
【0066】
「攻撃力」とは、キャラクタ210が敵ユニット群のユニットに攻撃した際に、敵ユニット群のユニットに与えるダメージの大きさに影響するパラメータであり、この値が大きいほど敵ユニット群のユニットに与えるダメージ(敵ユニット群のユニットの体力の減少量)を大きくすることができる。
【0067】
「防御力」とは、キャラクタ210が敵ユニット群のユニットに攻撃された際に、キャラクタ210が受けるダメージの大きさに影響するパラメータであり、この値が大きいほどキャラクタ210が受けるダメージ(キャラクタ210の体力の減少量)を小さくすることができる。
【0068】
「特殊能力」とは、キャラクタ210が発揮できる特別な能力であり、キャラクタ(ユニット)同士の合体や合体後の分解などがある。なお、特殊能力の詳細については後述する。
【0069】
「武器」とは、キャラクタ210が敵ユニット群のユニットを攻撃する際に使用するものであり、武器毎に攻撃可能範囲(射程範囲)が設定されている。なお、攻撃可能範囲以外に、攻撃可能方向、攻撃力、命中率、地形適正などのパラメータを武器毎に設定するようにしてもよい。
【0070】
図4に示すように、刀の攻撃可能範囲は1となっているため、図6(A)に示すように、キャラクタ210は、キャラクタ210が配置されているマスから1マス以内にいる敵ユニット群のユニット(囲み線540で囲まれた範囲内にいる敵ユニット群のユニット)に対して攻撃することができる。つまり図6(A)に示す例では、キャラクタ210は刀を用いて攻撃する場合、キャラクタ310に対しては攻撃できるが、キャラクタ320に対しては攻撃できないことになる。また図4に示すように、ライフルの攻撃可能範囲は3となっているため、図6(B)に示すように、キャラクタ210は、キャラクタ210が配置されているマスから3マス以内にいる敵ユニット群のユニット(囲み線550で囲まれた範囲内にいる敵ユニット群のユニット)に対して攻撃することができる。つまり図6(B)に示す例では、キャラクタ210はライフルを用いて攻撃する場合、キャラクタ310、キャラクタ320のいずれに対しても攻撃できることになる。
【0071】
3−2.マス結合および分解手法
図7〜図10を参照しながら本実施形態のシミュレーションゲームのマス結合および分解手法について説明する。図7は、戦車230のステータスパラメータの一例を説明するための図であり、図8、図9は、戦車230の特殊効力によるマス結合手法の一例を説明するための図であり、図10は、キャラクタ210等の特殊効力によるマス結合手法の一例を説明するための図である。
【0072】
まず、戦車230の特殊能力によるマス結合手法について説明する。
【0073】
戦車230のステータスパラメータは、図7に示す通りである。なお戦車230は、川440に対する地形適正を有していないため、川440を移動することはできない。また戦車230は、1マス分の領域ではなく4マス分の領域に配置されているが、行動は1マス単位で行う。
【0074】
図7に示すように、戦車230の武器は大砲であり、その攻撃可能範囲は、戦車230が配置されているマスから5マス以内に設定されている。また図7に示すように、戦車230の移動力は2であり、平地410に対する地形適正は0であり、森430に対する地形適正は−1であるため、戦車230は、平地410のエリアでは最大2マス移動することができ、森430のエリアでは最大1マス移動することができる。
【0075】
ところで図8(A)に示す例では、戦車230とキャラクタ320とは9マス離れているため、自ユニット群の行動フェイズにおいて戦車230を移動させただけでは、キャラクタ320が戦車230の攻撃可能範囲に含まれず、戦車230はキャラクタ320に対して攻撃することはできない。
【0076】
そこで本実施形態では、戦車230の特殊能力である火炎放射を使用して、マスMSA〜マスMSFを結合することによって、1回の行動フェイズでの戦車230によるキャラクタ320への攻撃を実現する。
【0077】
まずプレーヤは、図8(A)に示す状態において、戦車230の行動を特殊能力である火炎放射に決定する。すると図8(B)に示すように、マスMSA〜マスMSFの森を燃やす火炎放射イベントが発生し、図9(A)に示すように、マスMSA〜マスMSFが結合されて、マスMSGとなる。この際、マスMSGの地形属性は、マスMSA〜マスMSFの地形属性である森430から平地410に変更されるとともに、マスMSGの画像も森から平地に変更される。なお、戦車230が火炎放射を行う方向、即ちどのマスを結合するかはプレーヤが選択できるようにしてもよい。また、火炎放射イベントの影響がおよぶマスの範囲をステータスパラメータで設定するようにしてもよい。
【0078】
続いてプレーヤは、火炎放射イベントの後に、戦車230の行動を移動に決定し、図9(B)に示すように、戦車230を2マス進めてマスMSGに移動させる。この結果、戦車230とキャラクタ320との距離は5マスとなるため、キャラクタ320が戦車230の攻撃可能範囲に含まれることになり、戦車230はキャラクタ320に対して攻撃することができる。
【0079】
このように本実施形態では、複数のマスを結合するマス結合イベントによってユニットの行動範囲(移動範囲や攻撃範囲など)を広げることができるため、ユニットの行動パターンのバリエーションが増え、戦略性に富んだゲームとすることができるとともに、敵ユニット群のユニットとの遭遇機会も増え、効率的にゲームを進行することもできる。また、マス結合イベントによって結合されたマスの属性も変更しているため、ユニットの移動可能範囲を変化させることができ、より戦略性に富んだゲームとすることもできる。また、マス結合イベントによって結合されたマスの画像も結合されたマスの属性に応じて変更しているため、プレーヤは結合されたマスの属性を容易に理解することができる。
【0080】
なお、キャラクタ320は、特殊能力としてアイテム(例えば、木の苗)や魔法を使用することにより、マスMSGをマスMSA〜マスMSFに分解できるようにしてもよい。この際、マス結合前のマスMSA〜マスMSFの地形属性をマスMSGの地形属性である平地410から森430に変更するとともに、マスMSA〜マスMSFの画像も平地から森に変更するようにしてもよい。このようにすると、より戦略性に富んだゲームとすることができる。
【0081】
次に、キャラクタ210等の特殊能力によるマス結合手法について説明する。
【0082】
本実施形態では、キャラクタ210、キャラクタ220、キャラクタ240、キャラクタ250を合体させることができるように設定されており、各キャラクタを合体させることで合体後のキャラクタが配置される複数のマスを結合する。
【0083】
プレーヤは、図10(A)に示すように、各キャラクタを集合させ、集合させたキャラクタのいずれかの行動を特殊能力である合体に決定する。すると、各キャラクタを合体させる合体イベントが発生し、図10(B)に示すように、各キャラクタが合体してキャラクタ260に変化するとともに、各キャラクタが配置されていたマスMSH〜マスMSKが結合されて、マスMSLとなる。
【0084】
なお、合体後のキャラクタであるキャラクタ260は、結合された4マスを行動単位として行動を行う。つまり、プレーヤが、キャラクタ260の行動を移動に決定した場合には、結合された4マスを移動単位としてキャラクタ260を移動させる。同様にプレーヤが、キャラクタ260の行動を攻撃に決定した場合には、結合された4マスを攻撃単位としてキャラクタ260を攻撃させる。例えば、キャラクタ260の攻撃可能範囲が3である場合には、キャラクタ260が配置されているマスMSL(結合された4マス)を1マスとして3マス以内にいる敵ユニット群のユニット(囲み線560で囲まれた範囲内にいる敵ユニット群のユニット)に対して攻撃することができる。従ってキャラクタ260は、キャラクタ320に対して攻撃することができる。
【0085】
このように本実施形態では、複数のキャラクタを合体させるとともに合体後のキャラクタが配置される複数のマスを結合し、結合後のマスを合体後のキャラクタの行動単位としているため、より戦略性に富んだゲームとすることができるとともに、敵ユニット群のユニットとの遭遇機会も増え、より効率的にゲームを進行することもできる。
【0086】
3−3.敵ユニット群のユニットの制御手法
図11〜図13を参照しながら本実施形態のシミュレーションゲームの敵ユニット群のユニットの行動制御手法について説明する。図11は、キャラクタ320のステータスパラメータの一例を説明するための図であり、図12は、キャラクタ320の行動決定アルゴリズムの一例を示すフローチャート図であり、図13(A)〜図13(C)は、キャラクタ320の行動制御手法の一例を説明するための図である。
【0087】
本実施形態では、プレーヤが1人プレイを行う場合には、自ユニット群のユニットの行動をプレーヤの操作情報に基づいて決定し、敵ユニット群のユニットの行動を所定のアルゴリズムに基づいて決定する。
【0088】
以下、キャラクタ320を例にとり、敵ユニット群のユニットの行動制御手法の一例を説明する。キャラクタ320のステータスパラメータは図11に示す通りである。図11に示すように、キャラクタ320の武器は刀とライフルであり、刀の攻撃可能範囲は、キャラクタ320が配置されているマスから1マス以内に設定されており、ライフルの攻撃可能範囲は、キャラクタ320が配置されているマスから3マス以内に設定されている。また図11に示すように、キャラクタ320の移動力は2であり、平地410に対する地形適正は0であるため、キャラクタ320は、平地410のエリアでは最大2マス移動することができる。つまり、キャラクタ320の平地410のエリアにおける行動可能範囲(移動可能範囲と攻撃可能範囲を加算した範囲)は、5マスとなる。また図11に示すように、敵キャラクタ320の特殊能力は爆弾であり、爆弾を使用すると4マス分のマス(複数のマス)を結合する爆発イベントが発生する。
【0089】
敵ユニット群の行動フェイズにおいて、キャラクタ320を行動させる順番になると、図12に示すように、まず、キャラクタ320の移動可能範囲と攻撃可能範囲を加算した行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する(S100)。なお図13(A)に示す例では、キャラクタ320とキャラクタ210とは6マス離れているため、キャラクタ320の行動可能範囲内にキャラクタ210は配置されていないと判定される。
【0090】
キャラクタ320の行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されていない場合(ステップS100でN)、爆発イベントを発生させてマスを結合すると、キャラクタ320の行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されるか否かを判定する(ステップS102)。なお図13(A)に示す例では、爆発イベントが発生すると、図13(A)に示すマスMSM〜マスMSPが結合されて、図13(B)に示すマスMSQとなるため、キャラクタ320とキャラクタ210との距離が5マスとなり、キャラクタ320の行動可能範囲内にキャラクタ210が配置されることになる。
【0091】
マスを結合すると、キャラクタ320の行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置される場合には(ステップS102でY)、まず、キャラクタ320の行動を特殊能力である爆弾に決定する。すると、爆発イベントが発生し、図13(B)に示すように、マスMSM〜マスMSPが結合されて、マスMSLとなる(ステップS104)。
【0092】
続いて爆発イベントの後に、キャラクタ320の行動を移動に決定し、図13(C)に示すように、キャラクタ320を2マス進めてマスMSRに移動させる(ステップS106)。この結果、キャラクタ320とキャラクタ210との距離は3マスとなるため、キャラクタ210がキャラクタ320の攻撃可能範囲に含まれることになる。
【0093】
最後に、キャラクタ320の行動を攻撃に決定し、キャラクタ210に対して攻撃を行う(ステップS108)。
【0094】
なおステップS100において、キャラクタ320の行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されていると判定された場合には(ステップS100でY)、ステップS106に移行し、キャラクタ320を移動させるとともに攻撃を行わせる(ステップS106、ステップS108)。
【0095】
またステップS102において、マスを結合しても、キャラクタ320の行動可能範囲内に自ユニット群のユニットが配置されない場合には(ステップS102でN)キャラクタ320の行動をパスするようにしてもよいし、ランダムに移動させるようにしてもよい。
【0096】
このように本実施形態では、マスを結合することによって敵ユニット群のユニットが自ユニット群のユニットに攻撃可能となる場合に、敵ユニット群のユニットがマス結合イベントを発生させるとともに、自ユニット群のユニットに対する攻撃を行うことになるため、敵ユニット群のユニットが戦略的にマス結合イベントを発生させることになり、敵ユニット群のユニットとの対戦の趣向性を高めることができる。
【0097】
3−4.ネットワーク対戦の制御手法
図14を参照しながら本実施形態のシミュレーションゲームのネットワーク対戦手法について説明する。図14は、ネットワーク対戦を行う場合のゲームシステムの概略構成図の一例を示す図である。
【0098】
本実施形態のシミュレーションゲームをネットワーク対戦で行う場合には、ゲーム装置10−1、10−2からの操作情報をサーバ20が受信し、サーバ20で各種処理を行い、その処理結果をゲーム装置10−1、10−2に送信し、各ゲーム装置がサーバ20の処理結果に基づいてゲーム画像を生成する。
【0099】
特に本実施形態では、ゲーム装置10−1のプレーヤのユニット群の行動フェイズにおいては、ゲーム装置10−1からの操作情報をサーバ20が受信し、サーバ20で各種処理を行い、その処理結果をゲーム装置10−1に送信し、ゲーム装置10−1がサーバ20の処理結果に基づいてゲーム画像を生成する。
【0100】
そして、ゲーム装置10−1のプレーヤのユニット群の行動フェイズからゲーム装置10−2のプレーヤのユニット群の行動フェイズに切り替わる際に、ゲーム装置10−2は、サーバ20から現在のゲーム状況を示すデータ(ゲーム装置10−1のプレーヤのユニット群の行動フェイズが終了した段階のデータ)を受信し、ゲーム装置10−2のプレーヤのユニット群の行動フェイズを開始する。
【0101】
ゲーム装置10−2のプレーヤのユニット群の行動フェイズにおいては、ゲーム装置10−2からの操作情報をサーバ20が受信し、サーバ20で各種処理を行い、その処理結果をゲーム装置10−2に送信し、ゲーム装置10−2がサーバ20の処理結果に基づいてゲーム画像を生成する。
【0102】
そして、ゲーム装置10−2のプレーヤのユニット群の行動フェイズからゲーム装置10−1のプレーヤのユニット群の行動フェイズに切り替わる際に、ゲーム装置10−1は、サーバ20から現在のゲーム状況を示すデータ(ゲーム装置10−2のプレーヤのユニット群の行動フェイズが終了した段階のデータ)を受信し、ゲーム装置10−1のプレーヤのユニット群の行動フェイズを開始する。
【0103】
このように本実施形態では、対戦相手のユニット群の行動フェイズから自分のユニット群の行動フェイズに切り替わる際に、対戦相手のゲーム状況が自分のゲーム装置に反映されることになる。
【0104】
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。また上記実施形態で説明した構成は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の構成と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。
【0105】
また、本実施形態の各部(各手段)の処理は、その全てをハードウェアのみにより実現してもよいし、情報記憶媒体に格納されるプログラムや通信インターフェースを介して配信されるプログラムにより実現してもよい。或いは、ハードウェアとプログラムの両方により実現してもよい。そして、本実施形態の各部の処理をハードウェアとプログラムの両方により実現する場合には、情報記憶媒体には、ハードウェア(コンピュータ)を本実施形態の各部として機能させるためのプログラムが格納される。
【0106】
また本発明は、業務用ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、携帯型ゲーム装置、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、携帯電話等の種々のゲーム装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本実施形態のゲーム装置の機能ブロック図の一例を示す図。
【図2】シミュレーションゲームのゲーム画像の一例を示す図。
【図3】シミュレーションゲームのゲームの進行の流れの一例を示すフローチャート図。
【図4】キャラクタ210のステータスパラメータの一例を説明するための図。
【図5】図5(A)〜図5(C)は、キャラクタ210の移動可能範囲の一例を説明するための図。
【図6】図6(A)、図6(B)は、キャラクタ210の攻撃可能範囲の一例を説明するための図。
【図7】戦車230のステータスパラメータの一例を説明するための図。
【図8】戦車230の特殊効力によるマス結合手法の一例を説明するための図。
【図9】戦車230の特殊効力によるマス結合手法の一例を説明するための図。
【図10】キャラクタ210等の特殊効力によるマス結合手法の一例を説明するための図。
【図11】図11は、キャラクタ320のステータスパラメータの一例を説明するための図。
【図12】キャラクタ320の行動決定アルゴリズムの一例を示すフローチャート図。
【図13】図13(A)〜図13(C)は、キャラクタ320の行動制御手法の一例を説明するための図。
【図14】ネットワーク対戦を行う場合のゲームシステムの概略構成図の一例を示す図。
【符号の説明】
【0108】
100 処理部、110 ゲーム進行制御部、112 行動決定部、
114 イベント発生部、116 移動制御部、118 攻撃制御部、
120 マス属性変更部、122 表示制御部、124 パラメータ更新部、
126 通信制御部、140 描画部、150 音生成部、160 操作部、
170 記憶部、171 主記憶部、172 マス属性記憶部、
173 ステータスパラメータ記憶部、174 描画バッファ、
180 情報記憶媒体、190 表示部、192 音出力部、194 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マップを構成するマスをユニットの行動単位として、自ユニット群のユニットと敵ユニット群のユニットとの対戦を行うゲームのためのプログラムであって、
少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力を含む行動群の中からユニットの行動を決定する行動決定部と、
ユニットの行動が前記移動に決定されたことに基づいて、当該ユニットを移動可能範囲内で移動させる制御を行う移動制御部と、
ユニットの行動が前記攻撃に決定されたことに基づいて、当該ユニットを攻撃可能範囲内で攻撃させる制御を行う攻撃制御部と、
ユニットの行動が前記第1の特殊能力に決定されたことに基づいて、前記第1の特殊能力の影響がおよぶ複数のマスを結合するマス結合イベントを発生させるイベント発生部としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
各マスには、前記移動可能範囲に影響を与える属性が設定されており、
前記マス結合イベントによって結合されたマスの属性を変更するマス属性変更部として更にコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記マス結合イベントによって結合されたマスの画像を変更する表示制御を行う表示制御部として更にコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記イベント発生部が、
前記マス結合イベントとして、複数のユニットを合体させるとともに合体後のユニットが配置される複数のマスを結合する合体イベントを発生させ、
前記移動制御部が、
前記合体イベントによって結合されたマスを合体後のユニットの移動単位として、当該合体後のユニットを移動させ、
前記攻撃制御部が、
前記合体イベントによって結合されたマスを合体後のユニットの攻撃単位として、当該合体後のユニットを攻撃させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記行動群には、第2の特殊能力が更に含まれ、
前記イベント発生部が、
ユニットの行動が前記第2の特殊能力に決定されたことに基づいて、前記マス結合イベントによって結合されたマスを分解するマス分解イベントを発生させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
各ユニットは、1回の行動フェイズにおいて複数の行動を実行可能に設定されており、
前記行動決定部が、
前記敵ユニット群の行動フェイズにおいて、マスを結合することによって前記敵ユニット群のユニットが前記自ユニット群のユニットに攻撃可能となることを条件に、前記敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも前記移動、前記攻撃、および前記第1の特殊能力に決定し、
前記イベント発生部が、
前記マス結合イベントを発生させ、
前記移動制御部が、
マス結合後のマップにおいて、前記敵ユニット群のユニットを前記移動可能範囲内で移動させ、
前記攻撃制御部が、
マス結合後のマップにおいて、前記攻撃可能範囲に配置されている前記自ユニット群のユニットに対する前記敵ユニット群のユニットの攻撃制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記行動決定部が、
前記敵ユニット群の行動フェイズにおいて、前記敵ユニット群のユニットの前記移動可能範囲と前記攻撃可能範囲を加算した行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第1の判定処理を行うとともに、前記マス結合イベントによってマスを結合した場合に前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されているか否かを判定する第2の判定処理を行い、
前記第1の判定処理において前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されていないと判定するとともに、前記第2の判定処理において前記行動可能範囲内に前記自ユニット群のユニットが配置されていると判定した場合に、前記敵ユニット群のユニットの行動を少なくとも前記移動、前記攻撃および前記第1の特殊能力に決定することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータにより読取可能な情報記憶媒体であって、請求項1〜7のいずれかに記載のプログラムを記憶することを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項9】
マップを構成するマスをユニットの行動単位として、自ユニット群のユニットと敵ユニット群のユニットとの対戦を行うゲームのためのゲーム装置であって、
少なくとも移動、攻撃および第1の特殊能力を含む行動群の中からユニットの行動を決定する行動決定部と、
ユニットの行動が前記移動に決定されたことに基づいて、当該ユニットを移動可能範囲内で移動させる制御を行う移動制御部と、
ユニットの行動が前記攻撃に決定されたことに基づいて、当該ユニットを攻撃可能範囲内で攻撃させる制御を行う攻撃制御部と、
ユニットの行動が前記第1の特殊能力に決定されたことに基づいて、前記第1の特殊能力の影響がおよぶ複数のマスを結合するマス結合イベントを発生させるイベント発生部とを含むことを特徴とするゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図8】
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