説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 新たな興趣を実現し得る新しいゲームのためのプログラム、情報記憶媒体
及びゲーム装置等を実現すること。
【解決手段】 コンピュータに線画でなる出題画像の表示制御を行わせ、タッチパネ
ルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行させる。タッチ位置に対応
する前記出題画像の部分を描画部分として認知する描画部分認知手段(ステップS1
3)、既に描画部分として前記描画部分認知手段により認知された部分に対する再度
の認知を検出する二度描き検出手段(ステップS20)、前記出題画像の各部分総て
を前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出する成功検出手
段(ステップS23)、前記二度描き検出手段による検出がなされた場合に一筆描き
失敗と判定し、前記成功検出手段による検出がなされた場合に一筆描き成功と判定す
る成否判定手段(ステップS25及びステップS26)としてコンピュータを機能さ
せる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線画でなる出題画像の表示制御を行わせ、タッチパネルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行させるためのプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手描き入力された画像を用いてゲームを行うゲーム装置がある。このようなゲーム装置として、例えば特許文献1に開示された発明のように、手描き入力された画像を変形させてアニメーション表示用の画像とし、ゲームに登場させるものがある。
【特許文献1】特開2002−282541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような手描き入力を用いたゲームは、完成された手描き画像に対して所定の操作あるいは評価がなされてゲームが進行されるものが多かった。そこで、完成された手描き画像ではなく、手描きの過程(途中)を評価するようなゲームは実現できないだろうか。本発明の目的は、このような新たな興趣を実現し得る新しいゲームのためのプログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置等を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するための第1の発明は、コンピュータに、線画でなる出題画像の表示制御を行わせ、タッチパネルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行させるためのプログラムであって、タッチ位置に対応する前記出題画像の部分を描画部分として認知する描画部分認知手段(例えば、図10のステップS13)、既に描画部分として前記描画部分認知手段により認知された部分に対する再度の認知を検出する二度描き検出手段(例えば、図10のステップS20)、前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出する成功検出手段(例えば、図10のステップS23)、前記二度描き検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定し、前記成功検出手段による検出がなされた場合に一筆描き成功と判定する成否判定手段(例えば、ステップS25及びステップS26)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0005】
また他の発明として、第9の発明のように、線画でなる出題画像の表示制御を行い、タッチパネルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行するゲーム装置であって、タッチ位置に対応する前記出題画像の部分を描画部分として認知する描画部分認知手段(例えば、図1のタッチパネル1b、図4のタッチパネル120)と、既に描画部分として前記描画部分認知手段により認知された部分に対する再度の認知を検出する二度描き検出手段(例えば、図4の一筆描きゲーム制御部1311)と、前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出する成功検出手段(例えば、図4の一筆描きゲーム制御部1311)と、前記二度描き検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定し、前記成功検出手段による検出がなされた場合に一筆描き成功と判定する成否判定手段(例えば、図4の一筆描きゲーム制御部1311)と、を備えたゲーム装置を構成することとしてもよい。
【0006】
この第1の発明等によれば、出題画像の一筆描きに対して、二度描きが検出された場合は一筆描き失敗とし、出題画像の各部分全てが描画部分として認知された場合は一筆描き成功とする一筆描きのゲームを実現できる。つまり、完成された手描き画像の評価ではなく、手描き(一筆描き)の過程において描画された画像の成否を評価するといった、手書きの過程が評価されるため、プレーヤに対して新たな興趣を提供することができる。
【0007】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、前記二度描き検出手段が、前記出題画像のうち、当該出題画像を構成する線の交差位置の部分については前記描画部分認知手段による再度の認知を容認するように前記コンピュータを機能させ、前記成功検出手段が、前記交差位置を除く前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
この第2の発明によれば、交差位置を端部とする線が3本以上ある場合、一筆描きによって出題画像を描画する際は当該交差位置を複数回経由する必要がある。従って、出題画像を構成する線の交差位置の部分については再度描画部分として認知が可能とされることにより、一筆描きによって再度交差位置を経由しても一筆描き失敗と判定されない。
【0009】
第3の発明は、第2の発明のプログラムであって、難易度を設定する難易度設定手段として前記コンピュータを機能させ、前記二度描き検出手段が、前記出題画像のうち、当該出題画像を構成する線の交差位置から所定の容認範囲の部分を、前記描画部分認知手段による再度の認知を容認する部分とするように前記コンピュータを機能させ、前記設定された難易度に応じて、前記容認範囲を可変する容認範囲可変手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
この第3の発明によれば、交差位置から所定の容認範囲部分を設定し、当該容認範囲部分においては再度認知(一筆描きの経由)が容認されることにより、当該交差部の形状に沿って正確に一筆描きを行わなくてもよいといった作用効果が奏される。従って、プレーヤは出題画像の線画に沿って正確に一筆描きを行う必要はなく、一筆描きの攻略に専念することができる。
【0011】
第4の発明は、第1〜第3の何れかのプログラムであって、前記タッチパネルは表示装置と一体的に構成されたタッチスクリーンであり、前記出題画像を前記タッチスクリーンに表示制御する出題画像表示制御手段(例えば、図10のステップS11)として前記コンピュータを機能させ、前記描画部分認知手段が、タッチ位置と前記表示制御された出題画像とが重なる前記出題画像の部分を描画部分として認知するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
この第4の発明によれば、表示装置と一体的に構成されたタッチスクリーンを用いることにより、表示装置に表示された出題画像を上書きするという、なぞる行為によって一筆描きのゲームを行うことができる。
【0013】
第5の発明は、第4の発明のプログラムであって、タッチ位置と前記表示制御された出題画像の位置とが所定の許容距離より離れた手描き入力位置離間状態を検出する離隔状態検出手段(例えば、図10のステップS14)として前記コンピュータを機能させ、前記成否判定手段が、前記離隔状態検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
この第5の発明によれば、タッチ位置と出題画像の位置との間が所定の許容距離より離れていれば一筆描き失敗と判定され、所定の許容距離以下であれば出題画像を一筆描きしているとみなされる。従って、プレーヤは出題画像の線画に沿って正確に一筆描きを行う必要はなく、一筆描きの攻略に専念することができる。
【0015】
第6の発明は、第5の発明のプログラムであって、難易度を設定する難易度設定手段として前記コンピュータを機能させ、前記設定された難易度に応じて前記許容距離を可変する許容距離可変手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
この第6の発明によれば、許容距離を可変することにより、一筆描きのゲームの難易度を調整することができる。これにより、プレーヤが自身の技量に合わせて難易度を調整するといったことが可能となる。
【0017】
第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明のプログラムであって、前記成功検出手段による検出がなされる前のタップアウトを検出するタップアウト検出手段として前記コンピュータを機能させ、前記成否判定手段が、前記タップアウト検出手段による検出がされた場合に一筆描き失敗と判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
この第7の発明によれば、タップアウトされると一筆描き失敗と判定されることにより、プレーヤにゲームの緊張感を持たせるといった作用効果を奏し得る。
【0019】
第8の発明は、第1〜第7の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0020】
この第8の発明によれば、第1〜第7の発明と同様の効果を奏する情報記憶媒体を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、出題画像の一筆描きに対して、二度描きが検出された場合は一筆描き失敗とし、出題画像の各部分全てが描画部分として認知された場合は一筆描き成功とする一筆描きのゲームを実現できる。つまり、完成された手描き画像の評価ではなく、手描きの過程において描画された画像の成否を評価するといった、手書きの過程が評価されるため、プレーヤに対して新たな興趣を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態を詳細に説明する。尚、以下では、本発明を表示画面に表示された出題画像を入力ペンで上書きするようにして一筆描きを行い、その成否を判定する一筆描きゲームを携帯型のゲーム装置に適用した場合を例に説明するが、本発明が適用可能な実施形態はこれに限定されるものではなく、パソコンやディスプレイを用いて行う家庭用ゲーム機等、各種電子機器で実施することができる。
【0023】
[ゲーム装置の概観及びゲーム方法の説明]
図1は、本実施の形態におけるゲーム装置100の概観図である。ゲーム装置100は、表示画面1a、タッチパネル1b、入力ペン2、操作キー群3、メモリカードリーダー4及びメモリカードリーダー4に着脱自在に装着可能であり、各種ゲームを格納したメモリカード5を備えて構成されている。
【0024】
表示画面1aは、操作キー群3の押下に応じた文字、ゲーム画像等、ゲーム装置100にてゲームを行うために必要な各種データが表示される部分であり、ドットによって文字や図形が表示される。表示画面1aはタッチパネル1bと一体となっている。タッチパネル1bは、入力ペン2によって当接された位置を検知する。ユーザが入力ペン2を用いてタッチパネル1b上でタップイン、スライド操作、タップアウトといった操作を行うことにより、入力ペン2によってスライド操作された軌跡にドットが表示される。
【0025】
ここでタップインとは入力ペン2を表示画面1aに当接させたその時の操作のことを言い、タップアウトとは当接させた後に入力ペン2を表示画面1aから離す操作のことを言う。またスライド操作とは、タップインからタップアウトまでの入力ペン2を表示画面1a上で摺動させる操作のことを言う。
【0026】
操作キー群3は操作入力を行うためのキーであり、方向キー31、スタートキー32及びストップキー33等を備える。方向キー31は、表示画面1aに表示されたキャラクタを移動させたり、機能を選択したりする場合等に押下されるキーである。スタートキー32はゲーム装置100に対しゲームの実行を指示するためのキーであり、ストップキー33はゲーム装置100に対しゲームの一時停止や終了を指示するためのキーである。
【0027】
メモリカードリーダー4は、メモリカード5の読み書きを行うための機器であり、ゲーム装置100に内蔵されている。メモリカード5は、フラッシュROM等によって構成されており、各種ゲームプログラムや、ゲームを実行するために必要なデータが格納されている。
【0028】
次に、一筆描きゲームの内容について説明する。図2はゲーム装置100において一筆描きゲームを実行させたときに表示画面1aに表示されるゲーム画像を示した図である。まずゲーム装置100において一筆描きゲームが実行されると、図2(a)に示すように表示画面1aに出題画像11が表示される。出題画像11は、例えば比較的濃度の薄い淡い灰色等、入力ペン2によってスライド操作された軌跡に表示されるドットの色とは判別可能な色調で表示される。
【0029】
出題画像11が表示されると、図2(b)に示すように、プレーヤは出題画像11の上書きをするように表示画面1a上で入力ペン2をスライド操作させて一筆描きを行う。入力ペン2によってスライド操作された軌跡(手描き画像12)は、出題画像11の色調とは異なる色調の線(例えば、濃い太線)で表示される。出題画像11が一筆描きによって全て上書きされると、図2(c)に示すように一筆描きが成功したことを示すメッセージ13が表示される。
【0030】
図3は一筆描きの失敗例を示す図である。プレーヤは出題画像11の上書きをするように表示画面1a上で入力ペン2をスライド操作させるが、図3(a)に示すように、既に上書きを行った部分を再度スライド操作(上書き)すると一筆描き失敗と判定され、プレーヤにその旨を知らせるメッセージ14が表示される。
【0031】
また、図3(b)に示すように、出題画像11から大きく外れてスライド操作すると一筆描き失敗と判定され、メッセージ14が表示される。尚、線図でなる出題画像11を構成する線に対しては所定の許容距離が設定されており、その所定の許容距離内に入力ペン2が当接されている場合には、入力ペン2によって出題画像11が上書きされている状態にあるとみなされる。従って、出題画像11を正確に上書きする必要はなく、出題画像11を構成する各線から所定の許容距離内においては入力ペン2の当接位置が出題画像11から離れても構わない。尚、この許容距離は適宜に設定してよく、出願画像の難易度やプレーヤの習熟度といった難易度によって可変されることとし、プレーヤの技量によって許容距離を調整することができるようにしてもよい。
【0032】
さらに、図3(c)に示すように、出題画像15の一筆描きゲームを実行中、現在入力ペン2の当接位置にある頂点から次に上書きできる辺がない場合は(当該頂点を端部とした辺は全て上書きされており、進むべき辺がない場合)、一筆描き失敗と判定され、メッセージ14が表示される。
【0033】
[機能説明]
図4は、ゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。ゲーム装置100は、操作部110と、タッチパネル120と、処理部130と、記憶部140と、表示部150と、を備えて構成される。
【0034】
操作部110は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部130に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。図1では操作キー群3がこれに該当する。
【0035】
タッチパネル120は、入力ペン2によって表示部150上の当接された位置を検知して、当接位置に応じた座標(以下「入力座標」と言う)を示す信号を処理部130に出力する。図1ではタッチパネル1bがこれに該当する。
【0036】
処理部130は、ゲーム装置100の全体制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。
【0037】
また、処理部130は、主にゲームの実行に係る演算処理を行うゲーム演算部131と、ゲーム演算部131の処理によって求められた各種のデータに基づいてゲーム画像を生成する画像生成部132等を含む。
【0038】
ゲーム演算部131は、操作部110から入力された操作信号や、タッチパネル120から入力された入力座標、記憶部140から読み出したゲーム情報(プログラム及びデータ)等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。またゲーム演算部131は、一筆描きゲーム制御部1311を備える。一筆描きゲーム制御部1311は、記憶部140に記憶されている一筆描きゲームプログラム141に基づいて一筆描きゲーム処理を実行する。
【0039】
画像生成部132は、ゲーム演算部131による演算結果に基づいてゲーム画面を表示するためのゲーム画像を生成し、生成した画像の画像信号を表示部150に出力する。
【0040】
記憶部140は、処理部130にゲーム装置100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部130の作業領域として用いられ、処理部130が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部110から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。図1ではメモリカード5がこれに該当し、不図示の情報記憶媒体読取部(カードリーダ)によって記憶内容の読み書きが行われる。
【0041】
また、記憶部140は、プログラムとして一筆描きゲームプログラム141及び二度描き判定用データ更新プログラム142を記憶し、データとして出題画像データ143と、二度描き判定用データ144と、入力位置属性データ145と、従前入力位置属性データ146と、頂点属性エリアデータ147と、を記憶している。
【0042】
一筆描きゲームプログラム141は、出題画像データ143に記憶された出題画像のうち、プレーヤによって選択された出題画像を表示部150に表示させ、タッチパネル120により出力された入力座標に基づいて出題画像に対する一筆描きの成否判定等を一筆描きゲーム制御部1311に実行させるためのプログラムである。二度描き判定用データ更新プログラム142は、二度描き判定用データ144に記憶されている辺情報を更新させる処理を一筆描きゲーム制御部1311に実行させるためのプログラムである。
【0043】
出題画像データ143は、出題画像の画像名、出題画像を構成する辺の両端の座標、及び頂点の座標を記憶したデータである。図5(a)は出題画像データ143のデータ構成の一例を示す図である。出題画像データ143としては出題画像名1431と、辺座標データ1432と、頂点座標データ1433と、が記憶される。出題画像名1431は各出題画像に付けられた名前であり、例えば、出題画像データ143−1に対応する出題画像が図5(b)に示す出題画像200のように三角形の形をしている場合は「三角形」と記憶される。
【0044】
辺座標データ1432は、出題画像を構成する各辺の両端の座標を示すデータである。頂点座標データ1433は、出題画像の各頂点の座標を示すデータである。例えば、出題画像200の場合、三角形を構成する辺A、辺B及び辺Cのそれぞれの両端の座標が辺座標データ1432として記憶される。また、三角形の頂点である頂点D、頂点E及び頂点Fのそれぞれの座標が頂点座標データ1433に記憶される。プレーヤによって出題画像が選択されると、一筆描きゲーム制御部1311は選択された出題画像に対応する出題画像データ143を読み出す。そして、画像生成部132によって辺座標データ1432及び頂点座標データ1433に基づいた画像データが生成され、出題画像が表示部150に出力される。
【0045】
図4に戻る。二度描き判定用データ144は、プレーヤによって選択された出題画像の辺座標データ1432に基づいて記憶されるデータである。二度描き判定用データ144の初期値として、辺座標データ1432及び頂点座標データ1433がコピーされて記憶される。しかし、図6(a)に示すように、タップイン直後の当接位置が辺の上である場合(図6(a)における辺Aの上)、当接位置に最も近い辺の上の座標が新たに頂点(頂点P)として設定される。そして図6(b)の二度描き判定用データ144bに示すように、新しく設定された頂点(頂点P)と既存の頂点(頂点E)によって作られる辺(辺Q)の両端の座標を含む座標データ1441が追加して記憶される。以下で「辺情報」とは二度描き判定用データ144に記憶された各辺の両端の座標のことを言う。
【0046】
更に、二度描き判定用データ144に記憶される各辺の両端の座標のうち、入力ペン2の当接位置に当たる辺の辺情報に対しては、一方の座標が開始点、他方の座標が終点として設定される。そしてタッチパネル120から入力座標が出力されるたびに、二度描き判定用データ144の開始点に設定された座標が入力座標に置き換えられて記憶される。この処理の詳しい流れについては例を挙げて後述する。
【0047】
入力位置属性データ145は、入力ペン2の表示部150における当接位置が出題画像の何れの辺、又は何れの頂点の上を上書きしているか(当接位置が何れの辺、又は何れの頂点に属しているか)を示すデータである。従前入力位置属性データ146は、従前の入力ペン2の表示部150における当接位置が何れの辺、又は何れの頂点に属していたかを示すデータである。
【0048】
頂点属性エリアデータ147は、頂点属性エリアの半径を示すデータである。頂点属性エリアとは、出題画像の各頂点を中心とした所定の許容範囲のことを言い、入力ペン2の表示部150における当接位置が頂点属性エリア内にあれば、当該当接位置は当該頂点属性エリアに対応する頂点に属していると判定される。頂点属性エリアは、頂点属性エリアデータ147に記憶されている半径と頂点座標とに基づいて計算される。頂点属性エリアデータ147にR[cm]と記憶されている場合、図5(b)に示すように、頂点Dの頂点属性エリアは頂点Dを中心とした半径R[cm]のエリア200d、頂点Eの頂点属性エリアはエリア200e、頂点Fの頂点属性エリアは200fとなる。頂点属性エリアの作用効果については図を用いて後述する。
【0049】
図4に戻る。表示部150は、画像生成部132からの画像信号に基づいてゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では表示画面1aがこれに該当する。
【0050】
図7〜図9は、一筆描きゲームの流れに沿って、表示部150に表示されるゲーム画像の一部と、二度描き判定用データ144、入力位置属性データ145及び従前入力位置属性データ146の記憶内容を説明するための図である。尚、表示部150の表示例に頂点属性エリアを記載しているが、便宜上示したものであり、実際に一筆描きゲームが行われる際には表示されない。
【0051】
まず、プレーヤによって出題画像が選択されると、選択された出題画像に対応する出題画像データ143の辺座標データ1432が二度描き判定用データ144にコピーされて記憶される。そして、選択された出題画像に対応する出題画像データ143が一筆描きゲーム制御部1311によって読み出され、画像生成部132によって出題画像の画像データが生成され、表示部150に出題画像200が表示される。タップイン時の入力ペン2の当接位置が頂点Eである場合、入力位置属性データ145には「頂点E」が記憶される(図7(1))。
【0052】
次に、入力ペン2によってスライド操作がなされると、スライド操作された軌跡に描画線210が描画される。同時に、入力ペン2による表示部150上の入力座標がタッチパネル120から出力される。そして入力ペン2による入力座標に最も近い辺と入力座標との間の距離が所定の許容距離以下であるかを判定する。所定の許容距離以下であるならば、入力位置属性データ145の記憶内容は従前入力位置属性データ146に記憶され、当該最も近い辺が入力位置属性データ145に記憶される。
【0053】
二度描き判定用データ144に記憶される辺情報の更新について詳しく説明する。入力ペン2のスライド操作によって当接位置が頂点Eを囲む頂点属性エリア200eの外になったとき、二度描き判定用データ144の辺Aの両端の座標のうち、従前入力位置属性データ146に記憶されている頂点の座標に近い座標が開始点、もう一方の座標が終点として設定される。即ち、入力ペン2が頂点Eから辺Aにスライド操作されると、二度描き判定用データ144に記憶されている辺Aの両端の座標のうち、頂点Eの座標に近い座標(xe,ye)が開始点、座標(xd,yd)が終点として設定される。
【0054】
そして図7(2)に示すように入力ペン2が更にスライド操作されてタッチパネル120から入力座標が出力されるたびに、二度描き判定用データ144で開始点として設定される座標には入力座標が記憶される。つまり、入力ペン2の入力座標が(xe1,ye1)にある場合、二度描き判定用データ144で開始点として設定されている座標91は(xe1,ye1)に置き換えて記憶される。辺Aのうち入力ペン2によって上書きされていない部分を辺A1とし、二度描き判定用データ144では辺A1の両端の座標として開始点(xe1,ye1)、終点(xd,yd)が記憶されることになる。開始点は入力ペン2がスライド操作されるたびに更新される。
【0055】
続けて、図7(3)に示すように入力ペン2が矢印Y1の方向にスライド操作され、入力座標が頂点属性エリア200d内に入ると、入力位置属性データ145に記憶されていた「辺A」が従前入力位置属性データ146に記憶され、入力位置属性データ145には「頂点D」が記憶される。そして従前入力位置属性データ146に記憶されている辺情報が二度描き判定用データ144から削除される。つまり、従前入力位置属性データ146に記憶されている「辺A」に対応する「辺A2」の両端の座標92が二度描き判定用データ144から削除される。
【0056】
頂点付近を入力ペン2によって上書きする際、図7(4a)に示すように正確に頂点の角に沿って上書きしても良いし、図8(4b)に示すように頂点属性エリア200dの範囲内であるならば、角を丸くスライド操作してもよい。このように頂点属性エリア200d内に入力ペン2が当接されると、当該当接位置は当該頂点属性エリアに対応する頂点に属すると判定される。これにより、プレーヤは出題画像の頂点の角を正確に上書きしなくてもよいため、一筆描きの攻略に専念することができる。また、技量の高いプレーヤは頂点属性エリアデータの値を小さくする(即ち、頂点属性エリア200dの範囲を狭くする)など、難易度に応じて頂点属性エリアデータ145の値を可変することにより、自身の技量に合わせて難易度を調整して一筆描きのゲームを楽しむことができるように構成してもよい。
【0057】
更に、入力ペン2による表示部150上の当接位置が図8(5)に示すように頂点属性エリア200dの外になると、入力位置属性データ145に記憶されていた「頂点D」が従前入力位置属性データ146に記憶され、入力位置属性データ145には「辺C」が記憶される。更に、二度描き判定用データ144に記憶されている辺情報のうち、入力ペン2の当接位置に当たる辺Cの辺情報において、従前入力位置属性データ146に記憶されている「頂点D」の座標に近い座標は開始点、もう一方の座標は終点として設定される。図8(5)において、座標93が開始点に設定され、入力位置が移動されるたびに座標93は入力座標に置き換えて記憶される。
【0058】
図8(6)に示すように入力ペン2が頂点Fまでスライド操作されると、二度描き判定用データ144から辺Cに対応する辺情報は削除される。更に図8(7)に示すように入力ペン2が頂点Eまでスライド操作されると、二度描き判定用データ144から辺Bに対応する辺情報が削除される。これにより二度描き判定用データ144に記憶されていた辺情報が全て削除されたため、一筆描きゲームが成功したと判定され、メッセージ15が表示される。
【0059】
ここで、例えば図9(8)に示すように、入力ペン2を頂点Fの位置から矢印Y2の方向にスライド操作させた場合、即ち、既に上書きされた辺Cを二度描きした場合、二度描き判定用データ144に入力ペン2の当接位置にある辺Cの辺情報は既に消去されているため、二度描きされたと判断される。そして、一筆描きゲームが失敗したことを示すメッセージ16が表示される。
【0060】
また、例えば図9(9)に示すように、入力ペン2を矢印Y3の方向に引き戻したときの入力ペン2の入力座標(xg,yg)は(xf,yf)と(xd3,yd3)を両端とする辺C3(線分C3)の上にないと判断され、二度描きされたと判定される。そして、一筆描きゲームが失敗したことを示すメッセージ16が表示される。
【0061】
図10は一筆描きゲーム処理の流れを示したフローチャートである。まずプレーヤによって出題画像が選択されると、一筆描きゲーム制御部1311は選択された出題画像に対応する出題画像データ143を読み込み、表示部150に出題画像を表示させる(ステップS11)。また、一筆描きゲーム制御部1311は、選択された出題画像に対応する二度描き判定用データ144として出題画像データ143の辺座標データ1432及び頂点座標データ1433をコピーして記憶させる。
【0062】
そして一筆描きゲーム制御部1311はタッチパネル120に入力ペン2がタップインされるまで待機する(ステップS12)。入力ペン2によるタップインが行われると(ステップS12;Yes)、タッチパネル120は入力ペン2の当接位置の入力座標を検知し、処理部120に出力する(ステップS13)。更に一筆描きゲーム制御部1311は画像生成部132に、表示部150上の入力ペン2による当接位置にドットを表示させる。
【0063】
次に一筆描きゲーム制御部1311は、出題画像データ143に基づいて入力座標と出題画像の線画の間の距離が所定の許容距離以下であるか、または入力座標が頂点属性エリアの範囲内にあるかを判定する(ステップS14)。当該距離が所定の許容距離より大きくて、且つ頂点属性エリアの範囲外にある場合(ステップS14;No)、一筆描きゲーム制御部1311は入力ペン2による当接位置が出題画像の線画から大きく外れたとしてゲーム失敗を判断し、画像生成部132に表示部150に対してゲーム失敗のメッセージを表示させ(ステップS26)、一筆描きゲーム処理を終了する。
【0064】
入力座標と一番近い辺との間の距離が所定の許容距離以下の場合、または入力座標が頂点属性エリアの範囲内にある場合(ステップS14;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311は、タッチパネル120から入力された入力座標に基づいて、入力ペン2の当接位置が出題画像の何れの辺、又は何れの頂点の上(属性)にあるかを判定する。そして一筆描きゲーム制御部1311は、入力位置属性データ145に記憶されているデータを従前入力位置属性データ146に記憶させ、現在の入力ペン2の当接位置の属性を入力位置属性データ145に記憶させる(ステップS15)。尚、入力座標が頂点属性エリア内にある場合は、入力位置が辺の上であっても入力位置は頂点に属すると判定され、入力位置属性データ145には頂点属性エリアに対応する頂点が記憶される。
【0065】
入力位置属性データ145に記憶されている属性が「頂点」である場合(ステップS16;No)、ステップS21に処理を移行する。一方、入力位置属性データ145に記憶されている属性が「辺」である場合(ステップS16;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311は入力ペン2がタップインされた直後であるか否かを判定し、タップイン直後である場合(ステップS17;Yes)、図6を用いて説明したように入力位置を新しい頂点として辺を分割し、二度描き判定用データ144の辺情報を更新する(ステップS18)。
【0066】
続いて、一筆描きゲーム制御部1311は、入力位置属性データ145と従前入力位置属性データ146の記憶内容が同一であるか否かを判定し、同一ではない場合(ステップS19;No)、一筆描きゲーム制御部1311はゲーム失敗を判断し、画像生成部132に表示部150に対してゲーム失敗のメッセージを表示させ(ステップS26)、一筆描きゲーム処理を終了する。ステップS19の処理は、例えばある辺を上書きしている途中でタップアウトし、別の辺の上にタップインした場合にゲーム失敗と判定するための処理である。
【0067】
入力位置属性データ145と従前入力位置属性データ146の記憶内容が同一である場合(ステップS19;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311は入力位置属性データ145に記憶されている辺が二度描き判定用データ144に記憶されているか否かを判定する。記憶されていない場合(ステップS20;No)、入力ペン2による二度描きがなされたとしてゲーム失敗を判断し、画像生成部132に表示部150に対してゲーム失敗のメッセージを表示させ(ステップS26)、一筆描きゲーム処理を終了する。
【0068】
記憶されている場合(ステップS20;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311は、二度描き判定用データ更新プログラム142に従って二度描き判定用データ更新処理を実行する(ステップS21)。図11は二度描き判定用データ更新処理の流れを示すフローチャートである。一筆描きゲーム制御部1311は、入力位置属性データ145と従前入力位置属性データ146に記憶された属性データを比較する。入力位置属性データ145、従前入力位置属性データ146に記憶されている属性が共に「辺」である場合(ステップS31;従前=辺、今回=辺)、一筆描きゲーム制御部1311は二度描き判定用データ144の辺座標のうち開始点に設定されている座標を入力座標に置き換えて記憶する(ステップS32/図7(2)に該当)、処理を図10のステップS22に移行する。
【0069】
あるいは、従前入力位置属性データ146に記憶されている属性が「辺」で、入力位置属性データ145に記憶されている属性が「頂点」の場合(ステップS31;従前=辺、今回=頂点)、即ち、入力ペン2の当接位置が新たに頂点属性エリア内に到達した場合、従前入力位置属性データ146に記憶された辺に対応する辺情報を二度描き判定用データ144から削除し(ステップS33/図7(3)に該当)、処理を図10のステップS22に移行する。
【0070】
あるいは、従前入力位置属性データ146に記憶されている属性が「頂点」で、入力位置属性データ145に記憶されている属性が「辺」の場合(ステップS31;従前=頂点、今回=辺)、即ち、入力ペン2の当接位置が頂点属性エリアから出た場合、一筆描きゲーム制御部1311は入力位置属性データ145に記憶された辺の辺情報において、従前入力位置属性データ146に記憶された頂点に相当する座標を開始点、他方の座標を終点として設定する(ステップS34/図8(5)に該当)、処理を図10のステップS22に移行する。
【0071】
入力位置属性データ145、従前入力位置属性データ146に記憶されている属性が共に「頂点」の場合(ステップS31;従前=頂点、今回=頂点)、一筆描きゲーム制御部1311は処理を図10のステップS22に移行する。
【0072】
図10に戻る。一筆描きゲーム制御部1311は、入力位置属性データ145に記憶されている属性が「頂点」であるか否かを判定し、「頂点」でなければ(ステップS22;No)ステップS24へ処理を移行する。「頂点」である場合(ステップS22;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311は、二度描き判定用データ144の辺情報が全て消去されたか否かを判定する(ステップS23)。全て消去されていない場合(ステップS23;No)、一筆描きゲーム制御部1311は入力ペン2の次のスライド操作まで待機し(ステップS24)、新たにスライド操作が行われたら、ステップS13へ処理を移行する。一方、全て消去された場合(ステップS23;Yes)、一筆描きゲーム制御部1311はゲーム成功と判断し、画像生成部132に表示部150に対してゲーム成功のメッセージを表示させ(ステップS25)、一筆描きゲーム処理を終了する。
【0073】
以上説明したように、出題画像の一筆描きに対して、二度描きが検出された場合は一筆描き失敗とし、出題画像の各部分全てが一筆描きされた場合は一筆描き成功とするゲームを実行するゲーム装置100を実現できる。つまり、完成された手描き画像の評価ではなく、手描きの過程が評価されるため、プレーヤに対して新たな興趣を提供することができる。
【0074】
また、本実施形態で説明した一筆描きゲームは、例えば、ロールプレイングゲーム(RPG)等におけるミニゲームとして実行されてもよい。例えば、ミニゲームとしての一筆描きゲームが成功すると、プレーヤの操作するキャラクタの能力値上昇、アイテム獲得等のボーナスイベントを発生させることにより、プレーヤを楽しませることができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、図3を用いてゲーム失敗例を説明したが、その他、ゲーム実行中に入力ペン2がタッチパネル1bから離れると(タップアウトすると)ゲーム失敗としてもよい。この場合、タッチパネル1bが入力ペン2のタップアウトを検出し、検出結果が一筆描きゲーム制御部1311に出力されてゲーム失敗が判断される。
【0076】
また、所定時間内に出題画像の一筆描きが成功しなかった場合にゲーム失敗としてもよい。この場合、出題画像が選択・表示された後、所定時間をカウントダウンするためのタイマー手段をゲーム演算部131内に設置する。一筆描きゲーム制御部1311は、タイマー手段のカウントがゼロになった時点で一筆描きが成功していない場合にゲーム失敗と判断する。
【0077】
[ハードウェア構成]
次に、本実施形態における及びゲーム装置100を実現するためのハードウェア構成の一例について、図12を参照して説明する。図12に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、位置検出回路1008、I/Oポート1012がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。位置検出回路1008にはタッチパネル1020が、画像生成IC1010には表示装置1018が、I/Oポート1012にはコントロール装置1022がそれぞれ接続されている。
【0078】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0079】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0080】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスク、或いはゲームカセット、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。この情報記憶媒体1006の機能は、図1に示すメモリカード5、図4に示す記憶部140等が相当する。
【0081】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は表示装置1018に出力される。表示装置1018は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図1に示す表示画面1a、図4に示す表示部150に相当する。
【0082】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。また、このコントロール装置1022は、図1に示す入力ペン2、操作キー群3に相当する。
【0083】
そして、ゲーム装置100で実行されるゲーム処理等の上記した処理は、図4に示す一筆描きゲームプログラム141等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010等によって実現される。CPU1000及び画像生成IC1010は、図4に示す処理部130に相当するものであり、主にCPU1000が図4に示すゲーム演算部131に、画像生成IC1010が図4に示す画像生成部132に相当する。
【0084】
尚、画像生成IC1010等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図4に示す処理部130に相当することとなる。
【0085】
図13は、上記した実施形態におけるゲーム装置100を家庭用ゲーム機1200に適用した場合の装置構成の一例を示す図である。図13に示す家庭用ゲーム機1200は、プレーヤがゲーム操作を入力するためのタッチパネル(図示略)を有するディスプレイ1212を備えた例えば携帯型ゲーム機であるゲームコントローラ1210と、本体装置1220と、スピーカ1232を有するディスプレイ1230とを備える。プレーヤは、ディスプレイ1230に表示されるゲーム画面やゲームコントローラ1210のディスプレイ1212に表示される操作画面を見ながらディスプレイ1212上をタッチ操作して、一筆描きゲームを楽しむ。
【0086】
この家庭用ゲーム機1200では、ゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等を記憶する情報記憶媒体として、本体装置1220に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROMやDVD等の情報記憶媒体1240が用いられる。一方、ゲーム中の所定のタイミングやプレーヤによるセーブ操作等に応じてゲームの進行状況に関する情報を含むデータが書き込まれる情報記憶媒体として、メモリカード1252やICカード1254等の情報記憶媒体が用いられる。
【0087】
そして、本体装置1220は、情報記憶媒体1240から読み出したゲームプログラムやゲームデータ、ディスプレイ1212上のタッチ操作位置等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面となる画像及び操作画面となる画像の画像信号を生成するとともに、ゲーム音の音信号を生成する。そして、本体装置1220は、生成したゲーム画面の画像信号及び音信号をディスプレイ1230に出力し、ディスプレイ1230にゲーム画面を表示させ、スピーカ1232からゲーム音を出力させる。また、本体装置1220は、生成した操作画面の画像信号をゲームコントローラ1210に出力し、ディスプレイ1212に操作画面を表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】ゲーム装置の概観図。
【図2】ゲーム装置において一筆描きゲームを実行させたときに表示画面に表示されるゲーム画像を示した図。
【図3】一筆描きの失敗例を示す図。
【図4】ゲーム装置の機能構成を示すブロック図。
【図5】出題画像データのデータ構成の一例を示す図。
【図6】二度描き判定用データのデータ構成の一例を示す図。
【図7】一筆描きゲームの流れに沿って、表示部に表示されるゲーム画像の一部と、二度描き判定用データ、入力位置属性データ及び従前入力位置属性データの記憶内容を説明するための図。
【図8】図7に続いて、一筆描きゲームの流れに沿って、表示部に表示されるゲーム画像の一部と、二度描き判定用データ、入力位置属性データ及び従前入力位置属性データの記憶内容を説明するための図。
【図9】図8に続いて、一筆描きゲームの流れに沿って、表示部に表示されるゲーム画像の一部と、二度描き判定用データ、入力位置属性データ及び従前入力位置属性データの記憶内容を説明するための図。
【図10】一筆描きゲーム処理の流れを示したフローチャート。
【図11】二度描き判定用データ更新処理の流れを示すフローチャート。
【図12】ゲーム装置を実現するためのハードウェア構成を示す図。
【図13】ゲーム装置を家庭用ゲーム機に適用した場合の装置構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0089】
100 ゲーム装置
1a 表示画面
1b、120 タッチパネル
2 入力ペン
3 操作キー群
4 メモリカードリーダー
5 メモリカード
110 操作部
130 処理部
131 ゲーム演算部
1311 一筆描きゲーム制御部
132 画像生成部
140 記憶部
141 一筆描きゲームプログラム
142 二度描き判定用データ更新プログラム
143 出題画像データ
144 二度描き判定用データ
145 入力位置属性データ
146 従前入力位置属性データ
147 頂点属性エリアデータ
150 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、線画でなる出題画像の表示制御を行わせ、タッチパネルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行させるためのプログラムであって、
タッチ位置に対応する前記出題画像の部分を描画部分として認知する描画部分認知手段、
既に描画部分として前記描画部分認知手段により認知された部分に対する再度の認知を検出する二度描き検出手段、
前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出する成功検出手段、
前記二度描き検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定し、前記成功検出手段による検出がなされた場合に一筆描き成功と判定する成否判定手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記二度描き検出手段が、前記出題画像のうち、当該出題画像を構成する線の交差位置の部分については前記描画部分認知手段による再度の認知を容認するように前記コンピュータを機能させ、
前記成功検出手段が、前記交差位置を除く前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
難易度を設定する難易度設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記二度描き検出手段が、前記出題画像のうち、当該出題画像を構成する線の交差位置から所定の容認範囲の部分を、前記描画部分認知手段による再度の認知を容認する部分とするように前記コンピュータを機能させ、
前記設定された難易度に応じて、前記容認範囲を可変する容認範囲可変手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記タッチパネルは表示装置と一体的に構成されたタッチスクリーンであり、
前記出題画像を前記タッチスクリーンに表示制御する出題画像表示制御手段として前記コンピュータを機能させ、
前記描画部分認知手段が、タッチ位置と前記表示制御された出題画像とが重なる前記出題画像の部分を描画部分として認知するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
タッチ位置と前記表示制御された出題画像の位置とが所定の許容距離より離れた手描き入力位置離間状態を検出する離隔状態検出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記成否判定手段が、前記離隔状態検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
難易度を設定する難易度設定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記設定された難易度に応じて前記許容距離を可変する許容距離可変手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記成功検出手段による検出がなされる前のタップアウトを検出するタップアウト検出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記成否判定手段が、前記タップアウト検出手段による検出がされた場合に一筆描き失敗と判定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項9】
線画でなる出題画像の表示制御を行い、タッチパネルに対する手描き入力により一筆描きを行うゲームを実行するゲーム装置であって、
タッチ位置に対応する前記出題画像の部分を描画部分として認知する描画部分認知手段と、
既に描画部分として前記描画部分認知手段により認知された部分に対する再度の認知を検出する二度描き検出手段と、
前記出題画像の各部分総てを、前記描画部分認知手段により描画部分として認知されたことを検出する成功検出手段と、
前記二度描き検出手段による検出がなされた場合に一筆描き失敗と判定し、前記成功検出手段による検出がなされた場合に一筆描き成功と判定する成否判定手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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