説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】通信接続された複数のゲーム装置間で行う新たな形態のゲームを実現すること。
【解決手段】2人のプレーヤPA,PBそれぞれは、互いにディスプレイを相手プレーヤに見せ合うように携帯型ゲーム機1A,1Bを持つ。携帯型ゲーム機1AのディスプレイにはプレーヤPB用のゲーム画面が表示され、携帯型ゲーム機1BのディスプレイにはプレーヤPA用のゲーム画面が表示される。そして、プレーヤPAは、携帯型ゲーム機1Bのディスプレイに表示されるゲーム画面を見ながら携帯型ゲーム機1Aを操作し、プレーヤPBは、携帯型ゲーム機1Aのディスプレイに表示されるゲーム画面を見ながら携帯型ゲーム機1Bを操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信接続したプレーヤ機間で行う複数プレーヤによるゲームを実行するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を利用した複数のゲーム装置間の通信により、複数のプレーヤ(いわゆる複数人プレイ)によるゲームが実行されるゲームシステムが知られている。例えば、複数台の家庭用ゲーム装置がインターネット等の通信回線を介して接続される構成や、ゲームセンタ等の店舗において、複数台の業務用ゲーム装置が物理的に結合して接続されている構成、同一店舗内或いは他の店舗に設置された複数台の業務用ゲーム装置が、専用線やLAN、インターネット等の通信回線で接続された構成等がある。また、複数台の携帯型ゲーム機が通信ケーブルによって接続される構成や、近年では、近距離の無線通信機能を有する複数台の携帯型ゲーム機間の無線通信によりゲームが実行される構成も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−6766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の複数のゲーム装置間の通信により実行されるゲームでは、各プレーヤは、自分のゲーム装置に表示されるゲーム画面を見ながらゲーム操作を入力するものであり、他のプレーヤのゲーム画面に注意を払うことはなかった。ところで、携帯型ゲーム機の場合、プレーヤは自由な姿勢で該携帯型ゲーム機を持つことができるという、家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置にはない特徴があるが、この特徴を利用した新たなゲームの楽しみ方はないだろうか。本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、通信接続された複数のゲーム装置間で行う新たな形態のゲームの実現を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための第1の発明は、
通信装置と表示装置と入力装置とを備えたプレーヤ機であるコンピュータに、他プレーヤ機と通信接続させて、自プレーヤ機及び他プレーヤ機間で行う複数プレーヤによるゲームを実行させるためのプログラム(例えば、図9のゲームプログラム610)であって、
自プレーヤ機に入力された操作データを他プレーヤ機に送信する操作データ送信手段(例えば、図9のゲーム演算部210及び無線通信部500)、
他プレーヤの操作データを他プレーヤ機から受信する操作データ受信手段(例えば、図9のゲーム演算部210及び無線通信部500)、
前記受信された他プレーヤの操作データに基づいて他プレーヤ用のゲーム画像を生成し、自プレーヤ機の表示装置に表示制御する他プレーヤ向表示制御手段(例えば、図9のゲーム演算部210)、
として前記コンピュータを機能させ、自プレーヤ機及び他プレーヤ機の表示装置の表示画面を相互のプレーヤに見せ合って楽しむゲームを実行させるためのプログラムである。
【0005】
また、他の発明として、
通信装置と表示装置と入力装置とを備え、他プレーヤ機と通信接続して自プレーヤ機及び他プレーヤ機間で行う複数プレーヤによるゲームを実行するゲーム装置(例えば、図9の携帯型ゲーム機1)であって、
自プレーヤ機に入力された操作データを他プレーヤ機に送信する操作データ送信手段(例えば、図9のゲーム演算部210及び無線通信部500)と、
他プレーヤの操作データを他プレーヤ機から受信する操作データ受信手段(例えば、図9のゲーム演算部210及び無線通信部500)と、
前記受信された他プレーヤの操作データに基づいて他プレーヤ用のゲーム画像を生成し、自プレーヤ機の表示装置に表示制御する他プレーヤ向表示制御手段(例えば、図9のゲーム演算部210)と、
を備え、自プレーヤ機及び他プレーヤ機の表示装置の表示画面を相互のプレーヤに見せ合って楽しむゲームを実行するゲーム装置を構成してもよい。
【0006】
この第1の発明等によれば、自プレーヤ機には、他プレーヤ機から受信した他プレーヤの操作データに基づく他プレーヤ用のゲーム画像が表示され、自プレーヤ機に入力された自プレーヤの操作データに基づくゲーム画像は他のプレーヤ機に表示されて、各プレーヤが自機の表示画面を相互に見せ合って楽しむゲームが実現される。従って、各プレーヤが、自プレーヤ機の表示画面を見るのではなく、他プレーヤの他プレーヤ機の表示画面を見ながら自プレーヤ機を操作するといった、従来とは異なる新たな形態のゲームが実現される。
【0007】
第2の発明は、第1の発明のプログラムにおいて、
前記コンピュータは振動検知手段を備えており、
前記振動検知手段の検知に応じて所定のペナルティ処理を行うペナルティ処理実行手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
この第2の発明によれば、振動検知手段の検知に応じて所定のペナルティ処理が実行される。従って、例えば、自プレーヤ機を揺らして表示画面を見辛くするといった他プレーヤに不利な行為を行った場合に、そのプレーヤ機を揺らしたプレーヤに、所定時間の間操作入力を受け付けない、或いはスコアを減算するといったゲーム進行に係わるペナルティを与えることで、プレーヤ間のプレイの公平性を保つことが可能となる。
【0009】
第3の発明は、第1又は第2の発明のプログラムにおいて、
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記表示装置に対する上下左右の表示向きが変わるようにゲーム画像を生成する画像向き可変制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
この第3の発明によれば、表示装置に対する表示画面の上下左右の表示向きが変えられる。これにより、例えば、対戦ゲームの場合、あるプレーヤ用の表示画面の表示向きを変えて見難くすることで該プレーヤにハンデを与えるといったことや、複数プレーヤが互いに協力して進行するゲームの場合、各プレーヤが、表示画面が見易い向きになるように自プレーヤ機を持ち替えるよう声を掛け合ってゲームを楽しむといった、新たな楽しみを付加することが可能となる。
【0011】
第4の発明は、第1〜第4の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記ゲームは、3人以上の複数プレーヤによるゲームであり、
複数の他プレーヤ機と通信を行って、各プレーヤ機が何れのプレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とするかの組合せを決定する組合せ決定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記操作データ送信手段が、前記決定された組合せに従って、自プレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とする他プレーヤ機に自プレーヤ機に入力された操作データを送信するように前記コンピュータを機能させ、
前記操作データ受信手段が、前記決定された組合せに従って、自プレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とする他プレーヤ機から操作データを受信するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0012】
この第4の発明によれば、3人以上のプレーヤによるゲームが実行される際、各プレーヤ機が何れのプレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とするかの組合せが決定され、この決定された組合せに従って、プレーヤ機間の操作データの送信及び受信が行われる。これにより、3人以上の複数プレーヤが自プレーヤ機の表示画面を相互に見せ合って楽しむゲームが実現される。
【0013】
第5の発明は、第4の発明のプログラムにおいて、
前記組合せ決定手段が、ゲーム進行に応じた所与のタイミングで前記組合せを変更する組合せ変更手段を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
この第5の発明によれば、ゲーム進行に応じた所与のタイミングで、各プレーヤ機が何れのプレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とするかの組合せが変更される。これにより、ゲーム進行中、各プレーヤ用のゲーム画像が表示されるプレーヤ機が替わり、各プレーヤが見るべき表示画面の他プレーヤ機を探し合うといった、新たな楽しさを付加することが可能となる。
【0015】
第6の発明は、第1〜第5の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記ゲームは、前記複数プレーヤそれぞれのプレーヤ別視点から見たゲーム空間の画像が生成・表示されて進行するゲームであり、
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記操作データ受信手段により受信された他プレーヤの操作データに基づいて、当該他プレーヤのプレーヤ個別視点を前記ゲーム空間内で移動させる他プレーヤ視点移動制御手段を有し、前記移動されたプレーヤ個別視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成して自プレーヤ機の表示装置に他プレーヤ用のゲーム画像として表示制御するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
この第6の発明によれば、複数プレーヤそれぞれのプレーヤ個別視点から見たゲーム空間の画像が生成・表示されて進行するゲームが実行される際、各プレーヤ機において、受信した操作データに基づいてプレーヤ個別視点が移動され、この移動されたプレーヤ個別視点から見たゲーム空間の画像が他プレーヤ用のゲーム画像として表示制御される。
【0017】
第7の発明は、第1〜第6の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記コンピュータであるプレーヤ機には、前記表示装置として主表示装置と副表示装置とが当該プレーヤ機本体表面と裏面それぞれに設けられており、
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記主表示装置に他プレーヤ用のゲーム画像を表示制御するように前記コンピュータを機能させ、
自プレーヤに関する所定のプレイ状況表示を前記副表示装置に表示制御する自プレーヤ向表示制御手段として前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0018】
この第7の発明によれば、プレーヤ機には、表示装置として、主表示装置及び副表示装置とが、該プレーヤ機本体の表面と裏面それぞれに設けられており、主表示装置に他プレーヤ用のゲーム画像が表示され、副表示装置に自プレーヤに関する所定のプレイ状況が表示される。従って、各プレーヤは、主表示装置の表示画面を相互に見せ合いつつ、副表示装置の表示画面を見ながら自プレーヤ機を操作するといったことが可能となる。
【0019】
また、第8の発明は、第1〜第7の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記コンピュータであるプレーヤ機には、相手方のプレーヤ機との相対的な向きを検出する相対向き検出手段が設けられており、
前記相対向き検出手段の検出結果に応じて所定の報知を行う向き報知手段として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
この第8の発明によれば、相手方のプレーヤ機との相対的な向きに応じた報知がなされるため、例えば、互いのプレーヤ機が対向する向きになっていない場合等に、プレーヤ機の姿勢補正を促すことができる。
【0021】
第9の発明は、第1〜第8の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0022】
ここで「情報記憶媒体」とは、記憶されている情報をコンピュータが読み取り可能な、例えばハードディスクやMO、CD−ROM、DVD、メモリカード、ICメモリ等の記憶媒体である。従って、この第9の発明によれば、情報記憶媒体に記憶されている情報をコンピュータに読み取らせて演算処理を実行させることで、第1〜第8の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、自プレーヤ機には、他プレーヤ機から受信した他プレーヤの操作データに基づく他プレーヤ用のゲーム画像が表示され、自プレーヤ機に入力された自プレーヤの操作データに基づくゲーム画像は他のプレーヤ機に表示されて、各プレーヤが自機の表示画面を相互に見せ合って楽しむゲームが実現される。即ち、各プレーヤが、自プレーヤ機の表示画面を見るのではなく、他プレーヤの他プレーヤ機の表示画面を見ながら自プレーヤ機を操作するといった、従来とは異なる新たな形態のゲームが実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。尚、以下では、携帯型ゲーム機においてリズムアクションゲームを実行する場合を説明するが、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0025】
[概要]
図1は、本実施形態の概要を示す図である。同図に示すように、本実施形態では、向かい合った2人のプレーヤそれぞれが、互いにディスプレイを見せ合うようにプレーヤ機である携帯型ゲーム機1を持つ。即ち、プレーヤPAは、ディスプレイをプレーヤPBに向けて携帯型ゲーム機1Aを持ち、プレーヤPBは、ディスプレイをプレーヤPAに向けて携帯型ゲーム機1Bを持つ。
【0026】
そして、各プレーヤは、相手プレーヤが持つ携帯型ゲーム機1(以下、「相手機」という)のディスプレイに表示されるゲーム画面を見つつ、自分が持つ携帯型ゲーム機1(以下、「自機」という)を操作してゲーム操作を入力する。即ち、プレーヤPAは、携帯型ゲーム機1Bのゲーム画面を見つつ携帯型ゲーム機1Aを操作し、プレーヤPBは、携帯型ゲーム機1Aのゲーム画面を見つつ携帯型ゲーム機1Bを操作する。
【0027】
ここで、携帯型ゲーム機1は1対1の近距離の無線通信機能を有しており、携帯型ゲーム機1A,1B間で所定のデータ通信が行われることにより、2台の携帯型ゲーム機1の間でゲームが行われる。
【0028】
[外観]
図2は、本実施形態における携帯型ゲーム機1の外観例を示す図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1は、略直方体形状の筐体の正面に、ディスプレイ2と、方向キー3と、ボタンスイッチ4と、スピーカ5とが設けられている。筐体側面には、ゲームカートリッジ10を挿入するための挿入口6や、不図示の電源ボタン、スピーカ5の音量調節スイッチ等が設けられている。
【0029】
また、携帯型ゲーム機1は、挿入口6に挿入されたゲームカートリッジ10に格納されているゲーム情報を読み出す読出装置、他の携帯型ゲーム機1等の外部装置と接続して無線通信を行うための無線通信装置7、CPUやICメモリ等を搭載した制御装置8を内部に備えている。制御装置8に搭載されるCPUは、ICメモリやゲームカートリッジ10から読み出されたプログラムやデータ、方向キー3やボタンスイッチ4の操作信号等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、生成した画像信号をディスプレイ2に出力してゲーム画面を表示させるとともに、音信号をスピーカ5に出力してゲーム音を出力させる。
【0030】
携帯型ゲーム機1がゲームを実行するために必要な情報(システムプログラムやゲームプログラム、ゲームデータ等)は、制御装置8に搭載されているICメモリやゲームカートリッジ10に格納されている。より具体的には、システムプログラムは制御装置8のICメモリに格納され、ゲームプログラム及びゲームデータはゲームカートリッジ10に格納されている。従って、プレーヤは、ゲームカートリッジ10を交換することで、異なるゲームを携帯型ゲーム機1に実行させることができる。
【0031】
本実施形態では、2人のプレーヤが対戦するリズムアクションゲーム(演奏ゲーム)が実行される。このリズムアクションゲームでは、スピーカ5から、課題曲やゲーム操作に応じた効果音等のゲーム音が出力され、ディスプレイ2には、課題曲に合わせて移動して入力すべきゲーム操作の種類やタイミングを指示する指示標識が表示される。この指示標識により指示される種類やタイミングを基に、入力されたゲーム操作の良否が判定され、スコアが演算される。プレーヤは、表示される指示標識に従い、出力される課題曲に合わせてゲーム操作を入力することにより、リズムアクションゲームを楽しむ。
【0032】
また、本実施形態では、各プレーヤに対して入力する操作データの種類やタイミングを指示する指示標識等を表示した当該プレーヤ用のゲーム画面は、当該プレーヤが持つ携帯型ゲーム機1(自機)ではなく、相手プレーヤが持つ携帯型ゲーム機1(相手機)に表示される。即ち、携帯型ゲーム機1AにはプレーヤPB用のゲーム画面が表示され、携帯型ゲーム機1BにはプレーヤPA用のゲーム画面が表示される。各プレーヤは、相手機のディスプレイ2に表示されるゲーム画面を見ながら、自機を操作してゲーム操作を入力する。
【0033】
具体的に説明する。
先ず、対戦する2台の携帯型ゲーム機1A,1Bが通信接続する。このとき、一方のゲーム機が親機となり、他方のゲーム機が子機となる。
【0034】
次いで、親機のディスプレイ2には、例えば図3に一例を示す選曲画面が表示される。この選曲画面は、演奏する課題曲を選択するための画面であり、候補となる課題曲の曲名が一覧表示される。親機のプレーヤは、この一覧表示される曲名のうちから何れかの曲を選択・決定する。すると、親機から子機へ、この決定された課題曲の曲名が通知される。
【0035】
続いて、各携帯型ゲーム機1のディスプレイ2に、例えば図4に一例を示す相手プレーヤ向け持ち替え指示画面が表示される。この相手プレーヤ向け持ち替え指示画面には、ディスプレイ2が相手プレーヤに見えるように自機の持ち替えを指示するメッセージ、例えば「画面を相手に向けて下さい」といったメッセージが表示される。各プレーヤは、このメッセージに従い、ディスプレイ2が相手プレーヤに見えるように自機を持ち替える。
【0036】
その後、各携帯型ゲーム機1において、タイミングを合わせて課題曲の再生が開始されてゲームの実行が開始される。但し、携帯型ゲーム機1Aのプレーヤが「1Pプレーヤ」、携帯型ゲーム機1Bのプレーヤが「2Pプレーヤ」であるとする。
【0037】
図5は、ゲーム実行中のゲーム画面の一例を示す図である。同図(a)は、携帯型ゲーム機1Aの表示画面を示し、同図(b)は、携帯型ゲーム機1Bの表示画面を示している。同図に示すように、各携帯型ゲーム機1には、それぞれ相手プレーヤ用のゲーム画面が表示される。即ち、同図(a)に示すように、携帯型ゲーム機1Aには、プレーヤPAにとって相手プレーヤであるプレーヤPB用のゲーム画面、即ち「2Pプレーヤ用のゲーム画面」が表示される。また、同図(b)に示すように、携帯型ゲーム機1Bには、プレーヤPBにとって相手プレーヤであるプレーヤPA用のゲーム画面、即ち「1Pプレーヤ用のゲーム画面」が表示される。
【0038】
各ゲーム画面は、標識表示エリアAR1と、フレーズ表示エリアAR2と、演出エリアAR3とから構成される。
【0039】
標識表示エリアAR1には、入力すべき操作データの種類やタイミングを指示する指示標識21が表示される。標識表示エリアAR1の左端には判定枠22が表示され、指示標識21は、標識表示エリアAR1の右端から判定枠22の方向に向かって所定速度で移動するように表示され、この指示標識21が判定枠22に到達するタイミングによって入力タイミングが指示される。また、指示標識21は複数種類あり、この種類によって操作データの種類が指示される。
【0040】
フレーズ表示エリアAR2には、標識表示エリアAR1に表示されている指示標識21に対応するフレーズ23が表示される。フレーズ23は、対応する指示標識21の移動に伴い、フレーズ表示エリアAR2を右から左へ所定速度で移動するように表示される。
【0041】
演出エリアAR3には、各プレーヤに応じたキャラクタや、プレーヤの操作入力に応じた演出用の動画像の他、何れのプレーヤ用のゲーム画面であるかを表す対象プレーヤ名24と、この対象プレーヤのスコアをバー25aの長さにより表すスコアゲージ25とが表示される。
【0042】
図6は、ゲーム中における携帯型ゲーム機1間の処理及びデータの流れの概要図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1Aにおいて、a)ゲーム操作が入力されると、b)入力された操作データに基づく効果音等のゲーム音が生成・出力される。即ち、「1Pプレーヤ用のゲーム音」が出力される。
【0043】
また、c)入力された操作データが携帯型ゲーム機1Bに送信される。そして、携帯型ゲーム機1Bにおいて、d)携帯型ゲーム機1Aから受信した操作データの入力良否が、1Pプレーヤ用の譜面データを基に判定(タイミング判定)される。次いで、e)この判定結果と1Pプレーヤ用の譜面データとに基づくゲーム画像が生成・表示される。即ち、「1Pプレーヤ用のゲーム画面」が表示される。
【0044】
ここで、譜面データとは、入力すべき操作データの種類やタイミングを規定したデータである。この譜面データを基に、ゲーム画面における指示標識が表示制御されるとともに、操作データに対する入力良否が判定される。尚、本実施形態では、1Pプレーヤ用と2Pプレーヤ用とで譜面データの内容が異なることとする。
【0045】
一方、携帯型ゲーム機1Bにおいても同様に、a)ゲーム操作が入力されると、b)入力された操作データに基づくゲーム音が生成・出力される。即ち、「2Pプレーヤ用のゲーム音」が出力される。
【0046】
また、c)入力された操作データが携帯型ゲーム機1Aに送信される。そして、携帯型ゲーム機1Aにおいて、d)携帯型ゲーム機1Bから受信した操作データの入力良否が、2Pプレーヤ用の譜面データを基に判定(タイミング判定)される。次いで、e)この判定結果と2Pプレーヤ用の譜面データとに基づくゲーム画像が生成・表示される。即ち、「2Pプレーヤ用のゲーム画面」が表示される。
【0047】
このように、各携帯型ゲーム機1では、自機に入力された操作データを相手機に送信するとともに、相手機から受信した操作データの入力良否を判定(タイミング判定)して相手プレーヤ用のゲーム画像を生成し、自機のディスプレイ2に表示する。
【0048】
課題曲の再生が終了してゲームの実行が終了すると、各携帯型ゲーム機1のディスプレイ2には、例えば図7に一例を示す自プレーヤ向け持ち替え指示画面が表示される。この自プレーヤ向け持ち替え指示画面には、自機のディスプレイ2が見えるように自機の持ち替えを指示するメッセージ、例えば「自分の画面を見て下さい」が表示されている。各プレーヤは、このメッセージに従い、自機のディスプレイ2が見えるように自機を持ち替える。尚、同図は、携帯型ゲーム機1Aに表示される画面例を示している。
【0049】
すると、各携帯型ゲーム機1のディスプレイ2には、例えば図8に一例を示すゲーム結果画面が表示される。このゲーム結果画面には、各プレーヤの最終的なゲームスコアが表示される。同図では、画面左側に1Pプレーヤのゲームスコアが表示され、画面右側に2Pプレーヤのゲームスコアが表示されている。尚、ゲーム結果画面は、携帯型ゲーム機1A,1Bともに同一画面である。
【0050】
[機能構成]
図9は、本実施形態における携帯型ゲーム機1の機能構成を示すブロック図である。同図によれば、携帯型ゲーム機1は、機能的には、操作入力部100と、処理部200と、画像表示部300と、音出力部400と、無線通信部500と、記憶部600とを備えて構成されている。
【0051】
操作入力部100は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。図2では、方向キー3やボタンスイッチ4がこれに該当する。
【0052】
処理部200は、携帯型ゲーム機1全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型やRISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。図2では、制御装置8に搭載されたCPUがこれに該当する。
【0053】
また、処理部200には、主にゲームに係る演算処理を行うゲーム演算部210と、ゲーム演算部210の処理によって求められた各種のデータに基づいてゲーム画像及びその画像信号を生成するための画像生成部220と、効果音やBGM等のゲーム音及びその音信号を生成する音生成部230とを含んでいる。
【0054】
ゲーム演算部210は、操作入力部100から入力される操作信号や、記憶部600から読み出したゲーム情報(ゲームプログラム及びゲームデータ)等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。
【0055】
本実施形態では、ゲーム演算部210は、ゲームプログラム610に従った見せ合い対戦ゲーム処理を実行する。具体的には、先ず、相手機となる他の携帯型ゲーム機1と通信接続する。そして、当該携帯型ゲーム機1が親機である場合には、親機用プログラム611に従った親機用処理を実行し、子機である場合には、子機用プログラム612に従った子機用処理を実行する。
【0056】
即ち、親機用処理では、例えば図3に一例を示した選曲画面を画像表示部300に表示させる。そして、操作入力部100からの操作入力に従って演奏する課題曲を決定し、子機に通知する。ここで決定した曲名は、課題曲データ640として記憶部600に記憶される。
【0057】
また、各携帯型ゲーム機1が何れのプレーヤ用のゲーム画面を表示するかの組合せを決定し、子機に送信する。ここで決定した組合せは、プレーヤ設定データ650として記憶部600に記憶される。図10に、プレーヤ設定データ650のデータ構成の一例を示す。同図によれば、プレーヤ設定データ650には、ゲーム機651毎に、自プレーヤ652と、ゲーム画面の表示対象プレーヤ653とが対応付けて格納されている。
【0058】
本実施形態では、2人のプレーヤが対戦するため、各携帯型ゲーム機1の制御対象プレーヤは、それぞれ他方の携帯型ゲーム機1のプレーヤとなる。即ち、同図では、携帯型ゲーム機1Aの自プレーヤは「1Pプレーヤ」であり、携帯型ゲーム機1Bの自プレーヤは「2Pプレーヤ」となる。そして、携帯型ゲーム機1Aの制御対象プレーヤは「2Pプレーヤ」となり、携帯型ゲーム機1Bの制御対象プレーヤは「1Pプレーヤ」となる。
【0059】
その後、ゲーム演算部210は、課題曲の演奏開始タイミング(ゲーム実行開始タイミング)を適当に設定し、子機に通知する。
【0060】
一方、子機用処理では、親機から送信されてくる課題曲の曲名を受信して課題曲データ640を更新する。また、親機から送信されてくるゲーム画面の表示対象とするプレーヤの組合せを受信し、プレーヤ設定データ650を更新する。また、親機から送信されてくる課題曲の演奏開始タイミングを受信する。
【0061】
親機用処理或いは子機用処理を終了すると、ゲーム演算部210は、続いて、ゲーム実行プログラム613に従ったゲーム実行処理を実行する。
【0062】
ゲーム実行処理では、先ず、表示画面が相手プレーヤに見えるように自機の持ち替えを指示する相手プレーヤ向け持ち替え指示画面を画像表示部300に表示させる。そして、定められた演奏開始タイミングが到来すると、音楽データ群630に含まれる課題曲の音楽データの再生を開始するとともに、譜面データ群620に含まれる課題曲の譜面データ621に基づく指示標識の表示制御を開始する。
【0063】
譜面データ群620とは、入力すべき操作データの種類やタイミング等を規定した複数の譜面データから成る。図11に、譜面データ群620のデータ構成の一例を示す。同図によれば、譜面データ群620は、曲毎の複数の譜面データ621から成る。各譜面データ621は、1Pプレーヤ用の譜面データと、2Pプレーヤ用の譜面データとを含み、それぞれ、入力タイミング621aと、標識識別番号621bと、標識種別621cと、フレーズ621dとが対応付けて格納されている。
【0064】
次いで、ゲーム演算部210は、課題曲の再生が終了するまでの間、フレーム毎に次の処理を行う。即ち、操作入力部100から入力された操作データの種類に応じた叩打音を音出力部400から出力させるとともに、この入力された操作データを相手機に送信する。
【0065】
また、相手機から送信されてくる操作データを受信し、受信した操作データの良否(種類やタイミングが一致するか等)を、表示対象プレーヤ用の譜面データ621を基に判定(タイミング判定)する。そして、この判定結果に基づくスコア演算を行ってスコアデータ660を更新する。
【0066】
スコアデータ660とは、対戦している各プレーヤのスコアのデータである。図12に、スコアデータ660のデータ構成の一例を示す。同図によれば、スコアデータ660には、プレーヤ661毎に、スコアとして、ゲームスコア662と、連続コンボ数663と、ボーナススコア664とが対応付けて格納されている。ゲーム演算部210は、スコアデータ660において、表示対象プレーヤのスコアのみを更新する。即ち、携帯型ゲーム機1Aでは、表示対象プレーヤである「2Pプレーヤ」のスコアを更新し、携帯型ゲーム機1Bでは、表示対象プレーヤである「1Pプレーヤ」のスコアを更新する。
【0067】
課題曲の再生が終了すると、ゲーム演算部210は、自機の表示画面が見えるように自機の持ち替えを指示する自プレーヤ向け持ち替え指示画面を画像表示部300に表示させる。次いで、スコアデータ660を参照し、制御対象プレーヤのスコアを相手機に送信する。また、相手機から送信されてくるスコアを受信し、自プレーヤのスコアとしてスコアデータ660を更新する。その後、スコアデータ660に基づき、各プレーヤの最終スコアを表示したゲーム結果画面を画像表示部300に表示させる。
【0068】
画像生成部220は、ゲーム演算部による演算結果に基づいてゲーム画面を表示するための表示画像を生成し、生成した画像の画像信号を画像表示部300に出力する。画像表示部300は、画像生成部220からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画像を再描画しながら表示画面を表示する。この機能は、例えばCRT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図2では、ディスプレイ2がこれに該当する。
【0069】
音生成部230は、例えばCPUやDSP等の演算装置及びその制御プログラムによって実現され、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。音出力部400は、音生成部230からの音信号に基づいて、BGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現される。図2では、スピーカ5がこれに該当する。
【0070】
無線通信部500は、主に他の携帯型ゲーム機1等の外部機器と通信接続し、当該外部機器との間でデータの送受信を行う。この機能は、例えば無線LAN、IrDA、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に準拠した無線通信モジュールによって実現される。図2では、無線通信装置7がこれに該当する。
【0071】
記憶部600は、処理部200に携帯型ゲーム機1を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。図2では、制御装置8に搭載されたICメモリやゲームカートリッジ10がこれに該当する。
【0072】
また、記憶部600は、処理部200をゲーム演算部210として機能させるためのゲームプログラム610と、ゲームデータとを記憶している。ゲームプログラム610は、親機用処理を実現するための親機用プログラム611と、子機用処理を実現するための子機用プログラム612と、ゲーム実行処理を実現するためのゲーム実行プログラム613とを含んでいる。
【0073】
また、ゲームデータは、譜面データ群620と、音楽データ群630と、課題曲データ640と、プレーヤ設定データ650と、スコアデータ660とを含むとともに、図示しないが、ゲーム画面の背景画像データや指示標識の画像を含むゲーム画像のデータ、ゲーム操作に応じて出力させる効果音を含むゲーム音のデータ等が含まれている。
【0074】
[処理の流れ]
図13は、本実施形態における見せ合い対戦ゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。この処理は、ゲーム演算部210がゲームプログラム610を実行することで実現される。同図中、左側は親機の処理を示し、右側は子機の処理を示している。
【0075】
同図によれば、対戦する2台の携帯型ゲーム機1のうち、親機は親機用プログラム611に従った親機用処理を実行し、子機は子機用プログラム612に従った子機用処理を実行する。
【0076】
即ち、親機は、子機からの接続を待機し(ステップS1)、子機は、親機に接続する(ステップS11)。そして、親機と子機との間の通信接続が確立すると、親機は、例えば図3に一例を示した選曲画面を画像表示部300に表示させ、操作入力部100からの操作入力に従って演奏する課題曲を決定し、決定した曲名を子機に通知する(ステップS2)。子機は、親機から送信されてくる課題曲の曲名を受信する(ステップS12)。
【0077】
次に、親機は、各ゲーム機が表示画面の表示対象とするプレーヤの組合せを決定し、プレーヤ設定データ650を生成するとともに(ステップS3)、決定した組合せを子機に送信する(ステップS4)。子機は、親機から送信されてくるプレーヤの組合せを受信し、プレーヤ設定データ650を更新する(ステップS13)。
【0078】
次いで、親機は、演奏開始タイミングを設定し、子機に通知する(ステップS5)。子機は、親機から送信される演奏開始タイミングを受信する(ステップS14)。その後、親機及び子機ともにゲーム実行処理を開始する。
【0079】
図14は、ゲーム実行処理の処理の流れを説明するためのフローチャートである。この処理は、ゲーム演算部210がゲーム実行プログラム613を実行することで実現される。
【0080】
先ず、ゲーム演算部210は、表示画面が相手プレーヤに見えるよう自機の持ち替えを指示する相手プレーヤ用持ち替え指示画面を画像表示部300に表示させる(ステップS21)。次いで、演奏開始タイミングが到来すると(ステップS22:YES)、音楽データ群630に含まれる課題曲の音楽データに基づいて、該課題曲の再生を開始する(ステップS23)。
【0081】
続いて、ゲーム演算部210は、課題曲の再生が終了するまでの間、フレーム毎に次の処理を繰り返し実行する。即ち、先ず、操作入力部100から操作データが入力されたか否かを判断する。操作データが入力されたならば(ステップS24:YES)、入力された操作データに応じた叩打音等を音出力部400から出力させ(ステップS25)、また、入力された操作データを相手機に送信する(ステップS26)。
【0082】
次いで、相手機から送信されてくる操作データを受信し(ステップS27)、受信した操作データの入力良否を、制御対象プレーヤ用の譜面データ621に基づいて判定する(ステップS28)。そして、その判定結果に基づいて、スコアデータ660における制御対象用プレーヤのスコアを更新する(ステップS29)。
【0083】
続いて、ゲーム演算部210は、表示対象プレーヤ用の譜面データ621に基づいて移動制御した指示標識やスコアデータ660に基づく制御対象プレーヤのスコアを表示させたゲーム画像を生成し、画像表示部300に表示させる(ステップS30)。その後、課題曲の再生を終了したか否かを判断し、終了していないならば(ステップS31:NO)、ステップ24に戻る。
【0084】
一方、課題曲の再生を終了したならば(ステップS31:YES)、ゲーム演算部210は、自機の表示画面が見えるように自機の持ち替えを指示する自プレーヤ向け持ち替え指示画面を画像表示部300に表示させる(ステップS32)。また、スコアデータ660を参照して、制御対象プレーヤのスコアを相手機に送信する(ステップS33)。そして、相手機から送信されてくるスコアを受信し(ステップS34)、受信したスコアを自プレーヤのスコアとしてスコアデータ660を更新する(ステップS35)。
【0085】
その後、ゲーム演算部210は、スコアデータ660を参照して、自プレーヤ及び相手プレーヤそれぞれのスコアを表示したゲーム結果画面を画像表示部300に表示させる(ステップS36)。
以上の処理を行うと、ゲーム演算部210は、ゲーム実行処理を終了する。ゲーム実行処理が終了すると、見せ合い対戦ゲーム処理は終了となる。
【0086】
[作用・効果]
このように、本実施形態では、2人のプレーヤPA,PBそれぞれが、互いにディスプレイ2を相手プレーヤに見せ合うように携帯型ゲーム機1A,1Bを持ち、携帯型ゲーム機1Aのディスプレイ2にはプレーヤPB用のゲーム画面が表示され、携帯型ゲーム機1Bのディスプレイ2にはプレーヤPA用のゲーム画面が表示される。そして、プレーヤPAは、携帯型ゲーム機1Bのディスプレイに表示されるゲーム画面を見ながら携帯型ゲーム機1Aを操作し、プレーヤPBは、携帯型ゲーム機1Aのディスプレイに表示されるゲーム画面を見ながら携帯型ゲーム機1Bを操作する。即ち、複数のプレーヤそれぞれが、ディスプレイ2を互いに見せ合うように自分の携帯型ゲーム機1(自機)を持ち、相手プレーヤの携帯型ゲーム機1(相手機)のゲーム画面を見ながら自機を操作してゲーム操作を入力するといった、新たな形態のゲームが実現される。
【0087】
[変形例]
尚、本発明の適用可能な実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0088】
(A)送受信するデータ
例えば、上述した実施形態では、対戦する携帯型ゲーム機1間で操作データの送受信を行うこととしたが、判定結果の送受信を行うこととしても良い。即ち、各携帯型ゲーム機1は、自プレーヤ用の譜面データを基に入力された操作データの良否を判定(タイミング判定)し、操作データ及び判定結果を相手機に送信する。そして、相手機から受信した操作データ及び判定結果を基に、相手プレーヤ用のゲーム画像を生成・表示する。
【0089】
(B)3人以上で対戦
また、上述した実施形態では、2人のプレーヤPA,PBで対戦することとしたが、3人以上のプレーヤが対戦することとしても良い。
【0090】
具体的には、例えば、それぞれ、携帯型ゲーム機1A,1B,1Cを持つ3人のプレーヤA,B,Cが対戦する場合、各携帯型ゲーム機1が表示対象とするプレーヤの組合せを、図15のプレーヤ設定データ650Aに示すように決定する。尚、この組合せは、3台の携帯型ゲーム機1A,1B,1Cのうちの1台が親機となり、この親機がゲーム開始前に決定して各子機に通知する。
【0091】
そして、この組合せに従い、ゲーム実行中は、図16に示すように、携帯型ゲーム機1Aは、携帯型ゲーム機1Cに操作データを送信し、携帯型ゲーム機1Bから受信した操作データに基づいて「2Pプレーヤ用のゲーム画面」を生成・表示する。また、携帯型ゲーム機1Bは、携帯型ゲーム機1Aに操作データを送信し、携帯型ゲーム機1Cから受信した操作データに基づいて「3Pプレーヤ用のゲーム画面」を生成・表示する。また、携帯型ゲーム機1Cは、携帯型ゲーム機1Bに操作データを送信し、携帯型ゲーム機1Aから受信した操作データに基づいて「1Pプレーヤ用のゲーム画面」を生成・表示する。
【0092】
更にこの場合、各携帯型ゲーム機1が表示対象とするプレーヤの組合せを、あるプレーヤのスコアが所定スコアに達した、ゲーム開始から所定時間が経過した、所定アイテムが取得或いは使用されたといったゲーム進行に応じた所与のタイミングで変更することとしても良い。
【0093】
具体的には、例えば、あるプレーヤのスコアが所定スコアに達したときに組合せを変更する場合、次のように実現する。即ち、(1)各携帯型ゲーム機1は、表示対象プレーヤのスコアが所定スコアに達すると、その旨を親機に通知する。すると、親機は、新たな組合せを決定し、決定した新たな組合せを各子機に通知する。以降、各携帯型ゲーム機1は、この新たな組合せに従って操作データの送受信やゲーム画像の生成・表示等を行う。或いは、(2)表示対象プレーヤのスコアが所定スコアに達すると、当該携帯型ゲーム機1が新たな組合せを決定し、他の各携帯型ゲーム機1に通知する。以降、各携帯型ゲーム機1は、この新たな組合せに従って操作データの送受信やゲーム画像の生成・表示等を行う。
【0094】
(C)表示画面の表示向きを変更
また、ゲーム実行中、各携帯型ゲーム機1におけるゲーム画面の表示向きを変更することとしても良い。具体的には、例えば、あるプレーヤのスコアが所定のスコアに達した、ゲーム開始から所定時間が経過した、所定アイテムが取得或いは使用されたといったゲーム進行に応じた所与のタイミングで、全て或いは一部の携帯型ゲーム機1におけるゲーム画面の上下左右の表示向きを変更する。
【0095】
例えば、上述の実施形態において、一方のプレーヤによる特定の指示標識に対する操作入力が成功すると、当該プレーヤが持つ携帯型ゲーム機1の表示画面、即ち相手プレーヤ用のゲーム画面の表示向きが上下逆に変更する場合、次のように実現する。即ち、各携帯型ゲーム機1は、特定の指示標識に対する、相手機から受信した操作データの良否を“良”と判定すると、相手機に表示向き変更指示を通知する。この指示を受信した相手機である携帯型ゲーム機1では、以降、上下逆となるようゲーム画像を生成・表示する。
【0096】
これにより、例えば対戦ゲームの場合には、一部のプレーヤにゲーム画面の表示向きが変わるといったハンデを与えたり、或いは、複数プレーヤが協力して進行するゲームの場合には、ゲーム画面の表示向きが変わったときにはお互いに声を掛け合って相手プレーヤが見易いように自機を持ち替えるといった、新たな楽しみを付加することが可能となる。
【0097】
(D)振動/傾斜を検知
また、携帯型ゲーム機1に、振動を検知する振動検知センサ、或いは、傾きを検知する傾斜センサを内蔵することとし、このセンサによる検知に応じて、該携帯型ゲーム機1のプレーヤに対して所定のペナルティを与えることとしても良い。ペナルティとしては、例えば、所定時間の間、操作データの入力を受け付けない、スコアを減算するといったことがある。これにより、自機を揺らす或いは傾けるといった相手プレーヤが見難いような妨害を行ったプレーヤに対してプレイに対するペナルティを与え、プレーヤ間のプレイの公平性を保つことが可能となる。
【0098】
(E)他のゲームへの適用
また、上述した実施形態では、リズムアクションゲームを実行する場合を例に挙げて説明したが、他のゲームについても同様に適用可能である。例えば、次のようなゲームに適用可能である。
【0099】
(E−1)競争ゲーム(レースゲーム)
例えば、同一のゲーム空間において各プレーヤの操作対象となるプレーヤキャラクタが競争するカーレースゲームやバイクレースゲーム等の競争ゲームに適用する。この場合、各携帯型ゲーム機1において共通のゲーム空間を構築し、各携帯型ゲーム機1の操作対象となるプレーヤキャラクタを配置する。そして、各携帯型ゲーム機1は、入力される操作データを他の各携帯型ゲーム機1に送信し、他の各携帯型ゲーム機1から受信した操作データを基に対応する各プレーヤキャラクタを制御するとともに、入力された操作データを基に自プレーヤキャラクタを制御し、自プレーヤキャラクタ以外の表示対象のプレーヤキャラクタに追従する視点から見たゲーム空間の様子をゲーム画面として表示する。
【0100】
図17は、本発明をカーレースゲームに適用し、2人のプレーヤA,Bが対戦する場合のゲーム画面の一例を示す図である。同図(a)は、プレーヤAが持つ携帯型ゲーム機1Aに表示されるゲーム画面であり、同図(b)は、プレーヤBが持つ携帯型ゲーム機1Bに表示されるゲーム画面である。同図(a)に示すように、携帯型ゲーム機1Aには、相手プレーヤであるプレーヤBが操作するプレーヤキャラクタCBに追従する視点から見たゲーム空間の様子がゲーム画像として表示される。また、同図(b)に示すように、携帯型ゲーム機1Bには、相手プレーヤであるプレーヤAが操作するプレーヤキャラクタCAに追従する視点から見たゲーム空間の様子がゲーム画像として表示される。
【0101】
(E−2)協力ゲーム
競争ゲームとは反対に、相手プレーヤと協力し合いながらゲームクリアを目指すゲームに適用しても良い。
【0102】
(E−3)早撃ちゲーム
先ず、待機状態として、各プレーヤは、自機のディスプレイ2を互いに見せ合うように持つ。そして、相手機の表示画面に表示される合図により、自機のディスプレイ2が見えるように自機を持ち替え、自機のディスプレイ2に表示された指示に従った操作入力、例えば、指示された種類の操作キーを指示された順序で操作するといった操作入力を行う。より早く且つ正確に操作入力を行ったプレーヤの勝ちとなる。
【0103】
(E−4)離撃ゲーム
先ず、待機状態として、各プレーヤは、自機と相手機とのディスプレイ2を向かい合わせ、ディスプレイ2が見えないようにくっつけて持つ。そして、少なくとも一方の携帯型ゲーム機1から音出力される合図に従って、自機を相手機から引き離し、相手機のディスプレイ2に表示された指示に従った操作入力を行う。より早く且つ正確に操作入力を行ったプレーヤの勝ちとなる。
【0104】
(E−5)にらめっこ
各プレーヤは、互いに向き合い、ディスプレイ2の位置が自分の口元に一致するように自機を持つ。各携帯型ゲーム機1のディスプレイ2には、顔の下半分を模した画像が表示される。そして、各プレーヤは、例えば操作キー等の操作といった操作入力により、自機のディスプレイ2に表示されている顔の部位の動きを変化させる。先に相手プレーヤの笑いを誘ったプレーヤの勝ちとなる。
【0105】
(E−6)反転ゲーム
この場合、携帯型ゲーム機は、図18に示すように、筐体の同一面に2つのディスプレイ2a,2bが備えられており、少なくとも一方のディスプレイ2bにはタッチパネルが一体に構成されていることとする。各プレーヤは、ディスプレイ2a,2bを互いに見せ合うように自機を持つ。各携帯型ゲーム機のディスプレイ2aには図形や文字が表示され、各プレーヤは、相手機のディスプレイ2aに表示される図形や文字を見つつ、該表示される図形や文字を自機のディスプレイ2b上に、タッチペン12等で描く。
【0106】
(G)適用する機器
また、上述した実施形態では、本発明を携帯型ゲーム機に適用した場合を説明したが、近距離の無線通信機能を有する携帯型の電子機器、例えば、PDAや携帯型情報端末、携帯電話機といった機器にも同様に適用可能である。
【0107】
例えば、図19は、本発明を適用した携帯電話機の一例を示す図である。同図によれば、この携帯電話機30は折り畳み式であり、ディスプレイとして、折り畳んだときに内側となる面にメインディスプレイ31が、外側となる面にサブディスプレイ32がそれぞれ備えられている。この場合、メインディスプレイ31を他プレーヤに向けて持ち、このメインディスプレイ31に相手プレーヤ用のゲーム画像を表示し、自プレーヤが見えるサブディスプレイ32に、例えば自プレーヤのスコアや残り時間といったゲーム進行に関するデータを表示することとしても良い。
【0108】
(H)画面対向の判別
上述した実施形態では、相互のプレーヤが携帯型ゲーム機1A,1Bを対向させるように持ってプレイすることとして説明したが、画面が正しく対向する向きになっていない場合には、相手方のプレーヤに不利益が生じる可能性がある。そのため、例えば、図20に示すように、携帯型ゲーム機1A,1Bそれぞれにカメラ1Ac,1Bcを設け、携帯型ゲーム機1A,1Bが、相手方の携帯型ゲーム機と対向する姿勢であるか否かを、カメラの撮像画像から検出するように構成する。撮像画像から、エッジ検出等の技術により携帯型ゲーム機の輪郭を抽出することで、相手方の携帯型ゲーム機との相対的な位置関係を判断することができる。この結果、相互の携帯型ゲーム機が正しく対向する向きになっていないと判断する場合には、所定の報知を行うことで、正しい向きに持ち直すように促す。
【0109】
勿論、携帯型ゲーム機ではなく、カメラ付きの携帯型電話機に適用するとしてもよい。
また、カメラではなく、相手方のゲーム機との間の距離を計測する計測手段を備え、ゲーム中の計測値が大きく変化した場合に対向する向きになっていないと判断することとしてもよい。要は、相手方のゲーム機との相対的な画面向きを検出する相対向き検出手段を設け、この検出結果に応じて報知等の処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施形態の概要図。
【図2】携帯型ゲーム機の外観例。
【図3】選曲画面例。
【図4】相手プレーヤ向け持ち替え指示画面例。
【図5】ゲーム画面例。
【図6】ゲーム中における携帯型ゲーム機間の処理及びデータの流れの概要図。
【図7】自プレーヤ向け持ち替え指示画面例。
【図8】ゲーム結果画面例。
【図9】携帯型ゲーム機の機能構成図。
【図10】プレーヤ設定データのデータ構成例。
【図11】譜面データ群のデータ構成例。
【図12】スコアデータのデータ構成例。
【図13】見せ合い対戦ゲーム処理の流れ図。
【図14】見せ合い対戦ゲーム処理中に実行されるゲーム実行処理の流れ図。
【図15】3人のプレーヤが対戦する場合のプレーヤ設定データのデータ構成例。
【図16】各携帯型ゲーム機における操作データの流れ及び表示画面の概要図。
【図17】競争ゲームを実行する場合のゲーム画面例。
【図18】2つのディスプレイを備える携帯型ゲーム機の外観例。
【図19】携帯電話機の外観例。
【図20】携帯型ゲーム機の変形例。
【符号の説明】
【0111】
1(1A,1B) 携帯型ゲーム機
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
220 画像生成部
230 音生成部
300 画像表示部
400 音出力部
500 無線通信部
600 記憶部
610 ゲームプログラム
611 親機用プログラム
612 子機用プログラム
613 ゲーム実行プログラム
620 譜面データ群
621 譜面データ
630 音楽データ群
640 課題曲データ
650 プレーヤ設定データ
660 スコアデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置と表示装置と入力装置とを備えたプレーヤ機であるコンピュータに、他プレーヤ機と通信接続させて、自プレーヤ機及び他プレーヤ機間で行う複数プレーヤによるゲームを実行させるためのプログラムであって、
自プレーヤ機に入力された操作データを他プレーヤ機に送信する操作データ送信手段、
他プレーヤの操作データを他プレーヤ機から受信する操作データ受信手段、
前記受信された他プレーヤの操作データに基づいて他プレーヤ用のゲーム画像を生成し、自プレーヤ機の表示装置に表示制御する他プレーヤ向表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、自プレーヤ機及び他プレーヤ機の表示装置の表示画面を相互のプレーヤに見せ合って楽しむゲームを実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータは振動検知手段を備えており、
前記振動検知手段の検知に応じて所定のペナルティ処理を行うペナルティ処理実行手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記表示装置に対する上下左右の表示向きが変わるようにゲーム画像を生成する画像向き可変制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲームは、3人以上の複数プレーヤによるゲームであり、
複数の他プレーヤ機と通信を行って、各プレーヤ機が何れのプレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とするかの組合せを決定する組合せ決定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記操作データ送信手段が、前記決定された組合せに従って、自プレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とする他プレーヤ機に自プレーヤ機に入力された操作データを送信するように前記コンピュータを機能させ、
前記操作データ受信手段が、前記決定された組合せに従って、自プレーヤ用のゲーム画像を表示制御対象とする他プレーヤ機から操作データを受信するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記組合せ決定手段が、ゲーム進行に応じた所与のタイミングで前記組合せを変更する組合せ変更手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ゲームは、前記複数プレーヤそれぞれのプレーヤ別視点から見たゲーム空間の画像が生成・表示されて進行するゲームであり、
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記操作データ受信手段により受信された他プレーヤの操作データに基づいて、当該他プレーヤのプレーヤ個別視点を前記ゲーム空間内で移動させる他プレーヤ視点移動制御手段を有し、前記移動されたプレーヤ個別視点から見た前記ゲーム空間の画像を生成して自プレーヤ機の表示装置に他プレーヤ用のゲーム画像として表示制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータであるプレーヤ機には、前記表示装置として主表示装置と副表示装置とが当該プレーヤ機本体表面と裏面それぞれに設けられており、
前記他プレーヤ向表示制御手段が、前記主表示装置に他プレーヤ用のゲーム画像を表示制御するように前記コンピュータを機能させ、
自プレーヤに関する所定のプレイ状況表示を前記副表示装置に表示制御する自プレーヤ向表示制御手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータであるプレーヤ機には、相手方のプレーヤ機との相対的な向きを検出する相対向き検出手段が設けられており、
前記相対向き検出手段の検出結果に応じて所定の報知を行う向き報知手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項10】
通信装置と表示装置と入力装置とを備え、他プレーヤ機と通信接続して自プレーヤ機及び他プレーヤ機間で行う複数プレーヤによるゲームを実行するゲーム装置であって、
自プレーヤ機に入力された操作データを他プレーヤ機に送信する操作データ送信手段と、
他プレーヤの操作データを他プレーヤ機から受信する操作データ受信手段と、
前記受信された他プレーヤの操作データに基づいて他プレーヤ用のゲーム画像を生成し、自プレーヤ機の表示装置に表示制御する他プレーヤ向表示制御手段と、
を備え、自プレーヤ機及び他プレーヤ機の表示装置の表示画面を相互のプレーヤに見せ合って楽しむゲームを実行するゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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