説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 プレーヤが操作するプレーヤキャラクタとその味方である1体以上の味方NPCとが登場するゲームにおいて、味方NPCの行動に人間らしい曖昧さを持たせてプレーヤがキャラクタへ愛着を抱き易くする。
【解決手段】各味方NPCに、プレーヤが行動内容を設定可能な基本行動と第1〜第5優先行動を設定する。一方、各味方NPCには、プレーヤキャラクタの行動によって増減する関連性のパラメータ値として、プレーヤキャラクタへの友好感の指数として友好値を設定する。この友好値は、プレーヤキャラクタの味方NPCへの行動によって、該味方NPCにとって好ましければ増加され、好ましくなければ低減される。味方NPCの行動を決定する際には、当該味方NPCの友好値に応じた数の優先行動を抽出し、抽出された優先行動と基本行動の中から実際の行動を選択する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオゲームのジャンルに、複数のキャラクタがチームを編成して敵と戦うものがある。例えばRPG(ロールプレイングゲーム)もその一つである。
RPGの典型的な例としては、例えばプレーヤが操作可能な複数のキャラクタ数名がパーティを組み、ゲーム世界のマップ内を旅して遭遇した敵と交戦する。交戦を繰り返す程にプレーヤキャラクタ等は経験値を積んで徐々に攻撃力の高い技を使えるように成長し、時にはパーティのメンバーが負傷すれば相互に回復魔法をかけ合って助け合う。そして、最終的には例えばボスキャラクタを探し出してこれを撃破して目的を達する。プレーヤは、プレーヤキャラクタに感情移入しつつ、仲間と苦難を切り抜け目的を達する達成感を楽しむことができる。
【0003】
近年では、パーティを編成するキャラクタの一部を味方NPC(ノン・プレーヤ・キャラクタ)とし、プレーヤが予め味方NPCの戦闘時の行動内容を設定しておくと、味方NPCがその設定に従って自動的に戦闘するようにしたゲームも登場するようになった(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2007−75446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうしたチーム編成を基本としたゲームの楽しさは、プレーヤが如何にプレーヤキャラクタ達に感情移入できるかに影響される。しかし、上記従来技術では味方NPCの行動を自在に設定することが可能になるが、そこには必ずしも決められた行動を取るとは限らない人間の曖昧さと言ったものが考慮されておらず、味方NPCを人間の仲間として愛着を抱くにはいささか物足りなさがあった。
【0005】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところはプレーヤが操作するプレーヤキャラクタとその味方である1体以上の味方NPCとが登場するゲームにおいて、味方NPCの行動に人間らしい曖昧さを持たせてプレーヤがキャラクタへ愛着を抱き易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決する第1の発明は、コンピュータに、プレーヤが操作するPC(プレーヤキャラクタ)とPCの味方である1体以上の味方NPC(ノンプレーヤキャラクタ)とが登場するゲームを実行させるためのプログラムであって、
コンピュータ制御による前記味方NPCの複数の行動基準データ(例えば、図11の優先行動選択肢データ590)の中から、前記味方NPCそれぞれに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択する適用行動選択手段(例えば、図5の処理部200、適用行動選択部212、図8の行動セット設定データ550、設定行動ID556、図13のステップS14)、
前記PCと前記味方NPCそれぞれとの相対的な関連性に関するパラメータ値を設定するパラメータ値設定手段(例えば、図5の処理部200、友好値設定部216、図8の友好値544、図12の友好値可変条件設定データ610、図15の友好値可変処理)、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて、当該味方NPCの前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データのうちの使用可能とする行動基準データを選択する使用可能基準データ選択手段(例えば、図5の処理部200、使用可能基準データ選択部220、図19のステップS102)、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの行動を、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データに基づいてコンピュータ制御する味方NPC制御手段(例えば、図5の処理部200、ゲーム演算部210、図19のステップS104)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0007】
また別の発明形態として、プレーヤが操作するPCとPCの味方である1体以上の味方NPCとが登場するゲームを実行するゲーム装置であって、
コンピュータ制御による前記味方NPC向けの複数の行動基準データの中から、前記味方NPCそれぞれに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択する適用行動選択手段と、
前記PCと前記味方NPCそれぞれとの相対的な関連性に関するパラメータ値を設定するパラメータ値設定手段と、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて、当該味方NPCの前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データのうちの使用可能とする行動基準データを選択する使用可能基準データ選択手段と、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの行動を、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データに基づいてコンピュータ制御する味方NPC制御手段と、を備えたゲーム装置とすることもできる。
【0008】
行動基準データとは、NPCの行動を自動制御するにあたって、目的とする行動を発動する為の条件や行動の内容を決定するためのデータである。例えば、ゲームに登場するキャラクタのパラメータ値(例えば、経験値やヒットポイント、所持金、所持アイテムなど)やゲーム世界内での現在位置、発動したイベントやゲーム空間中の通過した町などのフラグ情報、目の前の敵の数や過去に倒した敵の数、経過時間などをパラメータとして設定することができる。また、行動内容に関するデータとしては、行動の対象、行動の程度、行動のアルゴリズムなどを指定するデータであっても良いし、そうした行動を起こさせる為の関数名、ファイル名などでも良い。
【0009】
第1の発明によれば、プレーヤは、味方NPCそれぞれについてその行動基準データを設定することができる。一方、味方NPCそれぞれについては、プレーヤキャラクタとの相対的な関連性に関するパラメータ値がゲームの進行に従って自動的に設定される。そして、味方NPCの行動は、当該味方NPCについて設定された関連性に関するパラメータ値に基づいて先にプレーヤによって設定された行動基準データの中から使用可能な行動基準データが選択され、選択された行動基準データに基づいて自動制御される。関連性とは、例えば、愛憎、師弟、恩や恨み、ねたみ、階級差、信頼感など人間社会で見られる相手へ抱く感情に影響する要素を適宜設定することができる。
つまり、従来のように、プレーヤが設定した行動の設定が必ずしも味方NPCの行動に反映されるとは限らず、実際の所はプレーヤキャラクタと当該味方NPCとの関連性の度合に応じて変化することになる。よって、それら味方NPCの行動はより人間らしい曖昧さを持つこととなり、プレーヤが愛着を抱き易くできる。
【0010】
第2の発明は、前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能基準データ選択手段が選択可能な前記行動基準データの使用可能数(例えば、図8の優先行動使用可能数562)を可変に決定する使用可能数決定手段(例えば、図5の処理部200、使用可能数決定部218、図20のステップS120)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記使用可能基準データ選択手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能数決定手段により決定された使用可能数分の行動基準データを使用可能として、前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データの中から選択し、
前記味方NPC制御手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データの中から当該味方NPCの行動制御に用いる行動基準データを選択する、ように前記コンピュータを機能させるための第1の発明に記載のプログラムである。
【0011】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、使用可能な行動基準データの数を可変することでプレーヤが操作できない要素を加え、より味方NPCの行動に人間の持つ曖昧さのような変化を持たせることができる。
【0012】
第3の発明は、前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する、ように前記コンピュータを機能させるための第2の発明のプログラムである。
【0013】
第3の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏するとともに、行動基準データの使用可能数を味方NPCそれぞれに設定される前記パラメータ値に基づいて可変することができるので、当該味方NPCの行動の不確定さをPCと味方NPCとの関連性に関連付けることができる。よって、例えばPCをパーティのリーダと見立てるならば、味方NPCがPCに好意をもっていればいるほどプレーヤの選択・設定通りに行動する(リーダの言うことを聞く)が、ほとんど好意を持っていなければあまり設定通りには行動しない(リーダの言うことを聞かない)といった具合に、味方NPCの行動をより人間らしくすることができる。
【0014】
第4の発明は、前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記PCに設定されている属性と当該味方NPCに設定されている属性との予め定められた相性関係(例えば、図10の適用条件584)に従って、当該味方NPCに対応する前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する、ように前記コンピュータを機能させるための第2又は第3の発明のプログラムである。
【0015】
第4の発明によれば、第2又は第3の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤキャラクタ及び味方NPCのそれぞれの属性に関連付けられた相性関係(例えば、男女、種族、階級、親族関係、主従、被害者とその敵など)に従って行動基準データの使用可能数を変えることができる。つまり、人間同士の関係やしがらみなどの要素を味方NPCの行動の選択に関連付けることで、味方NPCの行動をより人間らしいものにすることができる。
【0016】
第5の発明は、前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、ゲーム進行中に可変される当該味方NPCのステータス情報に基づいて、当該味方NPCに対応する前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する(例えば、図22のステップS186〜S188)、ように前記コンピュータを機能させるための第2〜第4の発明の何れかに記載のプログラムである。
【0017】
第5の発明によれば、第2〜第4の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、使用可能数をその味方NPCのステータス情報に基づいて更に可変することができる。ステータス情報とは、そのキャラクタの状態を示す情報であって、例えば「負傷」「衰弱」「意識不明」「しびれ」「睡眠」「混乱」などの状態を設定することができる。そして、それらの状態に基づいて使用可能数を可変することで、謂わば味方NPCの心身のコンディションに応じて行動に変化をもたらすことができるので、より一層人間らしい行動を実現することができる。
【0018】
第6の発明は、前記味方NPCそれぞれについて、前記適用行動選択手段がプレーヤの選択操作に従って選択可能な前記行動基準データの選択可能数(例えば、図8の優先行動選択可能数560)を可変に決定する選択操作可能数決定手段(例えば、図5の処理部200、選択操作可能数決定部214、図9の優先行動選択可能数設定データ570、図19のステップS110)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記適用行動選択手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記選択操作可能数決定手段により決定された選択可能数分の行動基準データを、プレーヤの選択操作に従って選択するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第5の何れかの発明のプログラムである。
【0019】
第6の発明によれば、第1〜第5の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤが選択操作可能な行動基準データの選択可能数を可変することができる。
【0020】
第7の発明は、前記味方NPCそれぞれの成長度合を示す成長度合パラメータの値(例えば、図8のレベル536)をゲーム進行に応じて可変する成長度合パラメータ可変手段(例えば、図5の処理部200、ゲーム演算部210、図19のステップS108)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記選択操作可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについての前記行動基準データの選択可能数を、当該味方NPCの前記成長度合パラメータの値に基づいて可変に決定するように前記コンピュータを機能させるための第6の発明のプログラムである。
【0021】
第7の発明によれば、第6の発明と同様の効果を奏するとともに、味方NPCの成長度合に応じて行動基準データの選択可能数を変更できるので、成長するほどプレーヤが選択・設定できる行動の数が増えると言ったように、キャラクタの成長を行動の自由度に反映させて味方NPCの行動の人間らしさを一層演出することができる。
【0022】
第8の発明は、前記パラメータ値設定手段が、前記PCの行った行動が予め定められた行動である場合に、当該味方NPCにかかる前記パラメータ値を変更するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第7の何れかの発明のプログラムである。
【0023】
第8の発明によれば、第1〜第7の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤキャラクタ(PC)の行った行動に応じて、パラメータ値を変更することができる。
【0024】
第9の発明は、プレーヤが選択可能な返答選択肢を含む前記PCと前記NPCとの会話を実行する会話制御手段(たとえば、図5の処理部200、ゲーム演算部210、図6の会話設定データ516、図13のステップS8〜S10)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記パラメータ値設定手段が、前記会話において前記プレーヤが選択した返答選択肢を予め定められた模範返答(例えば、図6の好適応答524)と照合し、その適否に応じて当該味方NPCにかかる前記パラメータ値を変更する(例えば、図19のステップS100)ように前記コンピュータを機能させるための第1〜第8の何れかの発明のプログラムである。
【0025】
第9の発明によれば、第1〜第8の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤキャラクタと味方NPCとの会話における応答選択の好適/不適に応じて、当該味方NPCにかかるパラメータ値を変更できる。つまり、会話によってその人物への評価が変化するといった人間らしさを味方NPCの行動にもたらすことができる。
【0026】
第10の発明は、ゲーム進行途中の予め定められたタイミングで、前記パラメータ値設定手段により設定されている現在のパラメータ値が所定の到達基準値に達しているか否かを判定し、達していない場合に所定のサブゲームを実行するサブゲーム実行制御手段(例えば、図23の処理部200、サブゲーム実行制御部222、図26のステップS200〜S206)、
前記サブゲームのゲーム結果が所定のクリア条件を満たす場合に、到達基準値に達していないパラメータ値を増加補正する補正手段(例えば、図23の処理部200、友好値設定部216、図26のステップS208〜S210)、として前記コンピュータを機能させるための第1〜第9の何れかの発明のプログラムである。
【0027】
第10の発明によれば、第1〜第9の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤがゲームに不慣れであったりして関連性に係るパラメータ値を上手に高めることができず、行動基準データを思うように選択設定できない様な場合でも、これを検知し救済することができ、初心者プレーヤであってもゲームを楽しむことができる配慮をすることができる。
【0028】
第11の発明は、プレーヤの切替指示操作に従って、複数の味方キャラクタの中からPCとするキャラクタを選択するPC選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記味方NPC制御手段が、前記複数の味方キャラクタのうち、前記選択されたPC以外のキャラクタをNPCとしてコンピュータ制御し、
前記適用行動選択手段が、前記複数の味方キャラクタそれぞれについて、当該味方キャラクタに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択し、
前記パラメータ値設定手段が、前記複数の味方キャラクタそれぞれの相互の相対的な関連性に関するパラメータ値を設定する、ように前記コンピュータを機能させるための第1〜第10の何れかの発明のプログラムである。
【0029】
第11の発明によれば、第1〜第10の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、パーティを形成する何れかのキャラクタをプレーヤキャラクタに自在に変更して、様々なキャラクタをリーダとした違ったシチュエーションでゲームを楽しむといったことができるようになる。
【0030】
第12の発明は、第1〜第11の発明の何れかのプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第12の発明によれば、第1〜第11の発明の何れかのプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第11の発明の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、プレーヤは、味方NPCそれぞれについてその行動基準データを設定することができる。一方、味方NPCそれぞれについては、プレーヤキャラクタとの相対的な関連性に関するパラメータ値がゲームの進行に従って自動的に設定される。そして、味方NPCの行動は、当該味方NPCについて設定された関連性に関するパラメータ値に基づいて先にプレーヤによって設定された行動基準データの中から使用可能な行動基準データが選択され、選択された行動基準データに基づいて自動制御される。つまり、従来のように、プレーヤが設定した行動の設定が必ずしも味方NPCの行動に反映されるとは限らず、実際の所はプレーヤキャラクタと当該味方NPCとの関連性の度合に応じて変化することになる。よって、それら味方NPCの行動はより人間らしい曖昧さを持つこととなり、プレーヤが愛着を抱き易くできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
[第1実施形態]
次に、本発明を適用した第1実施形態として、携帯ゲーム装置においてRPG(ロールプレイングゲーム)を実行する場合を例に挙げて説明する。
図1は、携帯ゲーム装置の構成例を説明する外観図である。本実施形態における携帯ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402およびボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、無線通信モジュール1412と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型のゲーム装置本体1401と一体に備えている。更に、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表面には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示範囲内の任意位置を入力することのできるタッチパネル1407、1409が装着されている。
【0033】
また、ゲーム装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440の読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯ゲーム装置1400の制御ユニット1450が各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、図示しない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0034】
制御ユニット1450は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリ、液晶ディスプレイのドライバ回路、音出力用のアンプ回路などを備える。そして、読取装置1418により読み出されたメモリカード1440に格納されているプログラムやデータに基づいて、制御ユニット1450は、種々の演算処理を実行する。そして、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて装置各部を制御する。
【0035】
また、携帯ゲーム装置1400は、マイクロフォン1420と、3軸加速度センサ1422とを備える。
マイクロフォン1420は、プレイ中にプレーヤが立てる音や声を集音し、集音した音の信号を制御ユニット1450へ出力する。同図のように一体型のマイクロフォンに限らず、外部マイクロフォンを接続可能な接続端子を備える構成としても良い。
3軸加速度センサ1422は、携帯ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために垂直交差するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出するならば磁気センサによって置き換えることもできる。
【0036】
尚、本実施形態では、携帯ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データ、並びにコンテンツに係るデータをメモリカード1440から読み出す構成であるが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1に接続して外部の装置からデータ通信によって取得する構成としても良い。
【0037】
〔ゲームの概要説明〕
図2及び図3は、本実施形態におけるゲーム画面例を示す図である。図2のフィールド画面W2(マップ画面とも呼ばれることがある)のように、本実施形態におけるRPGでは、プレーヤがその行動を操作入力するプレーヤキャラクタ10と、これに随伴する味方NPC12,14,16,18とがパーティを組んで敵ボスキャラクタを倒すべくゲーム世界を旅する。因に、プレーヤキャラクタ10、味方NPC14,16,18は男性。味方NPC12のみが女性のキャラクタである。
プレーヤが方向入力キー1402やスタイラスペン1416によるタッチパネル1407及び1409へのスライド操作で移動操作を入力するとパーティはプレーヤキャラクタ10を先頭にして入力された操作方向へ移動するとともに、画面の背景が移動方向へ自動的に生成・表示される。また、予め所定の進行条件を満たすと、プレーヤキャラクタ10と味方NPCとの間で交わされる会話イベントが発生する様に設定されている。
同図の例では、味方NPC12とプレーヤキャラクタ10との間での会話イベントが発生した状態を示しており、画面下部にはダイアログボックス20が表示され、そこには台詞を発するキャラクタの識別表示22と、会話の内容を示すテキスト24とが表示される。会話イベントでは、公知のRPGと同様に、例えばボタンスイッチ1404やスタイラスペン1416によるタッチパネル1407及び1409へのタッチ操作で所定の会話進行操作(同図の例では、丸印のボタンスイッチ1404の押下に相当)を入力すると、会話が進行しダイアログボックス20には次の会話のテキストが切り換え表示される。
【0038】
また本実施形態におけるRPGでは、ゲーム世界を移動中にモンスターと遭遇すると、図3の戦闘画面W4に切り替わって、敵NPC26,28との戦闘イベントが発生する。プレーヤキャラクタ10は、プレーヤによる操作入力に応じて攻撃対象とする敵NPCを選択して攻撃技を繰り出すが、味方NPC12,14,16,18については、それぞれの行動をコンピュータが自動制御する。
【0039】
図4は、本実施形態における味方NPCの自動行動制御についての概念を説明するための図である。同図に示すように、本実施形態におけるRPGの味方NPCには、それぞれ自動行動セットがプレーヤによって定義され、コンピュータは定義された自動行動セットに従って当該味方NPCの行動を自動制御する。
一つの自動行動セットには、優先順位順に第1優先行動〜第5優先行動、及び基本行動を定義することができる。第1優先行動〜第5優先行動は、それぞれ発動条件と発動条件を満たした場合の行動とがセットになった行動の選択肢をユーザが任意に設定することができる構成となっている。例えば、「前方に敵NPCが存在する場合(発動条件)→最もHP(ヒットポイント;キャラクタの耐久力を示すパラメータ値)が小さい敵を選んで攻撃する」といった行動や、「アイテムが落ちている(発動条件)→アイテムを拾う」といった行動を設定することができる。そして、基本行動は何れの優先行動も発動しなかった場合に選択される行動を定義する。例えば、「手段を問わずに攻撃」「魔法を使わずに戦闘」「防御」「味方の援護」といった戦闘中の基本的なスタイルを定義することができる。これによって、味方NPCの行動をコンピュータに任せておきながらも、様々な状況に柔軟に対応しつつプレーヤの思うスタイルで敵と戦うことができるようになる。
【0040】
但し、本実施形態では第1〜第5優先行動の内、いくつまで設定できるかは、それぞれの味方NPCの成長度合によって可変する。本実施形態では、所謂「レベル」に応じて徐々に増加するように設定されている。従って、ゲーム開始当初は、5つの設定枠のうち1つしか優先行動を設定できない状態であるが、戦闘を重ねて味方NPCの経験値が増加してレベルがアップすると、優先行動設定の選択可能数が自動的に増加するように制御される。
これによって、味方NPCの成長に伴ってより高度なチーム戦術をこなせるようになるといった、チームとしての成長を楽しむRPGを実現している。
【0041】
また、本実施形態では選択可能な優先行動の内、実際に戦闘中にコンピュータが味方NPCの行動として使用可能とされる優先行動の数、即ち使用可能数が可変する。つまり、優先行動の5つの設定枠のうち、選択可能数が「4」であってもその4つの優先行動全てについて発動条件の判定がなされ、発動条件を満たせば当該味方NPCがその優先行動の設定に従って自動行動するのではなく、4つの優先行動のうちの使用可能数分の優先行動についてのみ実際に発動条件の判定の対象となり、使用可能とされなかった優先行動については実質的に無効となる。
【0042】
優先行動の使用可能数は、プレーヤキャラクタ10と各味方NPC12,14,16,18との間の関連性パラメータ値に基づいて設定される。本実施形態では各味方NPC12,14,16,18それぞれに、プレーヤキャラクタ10へのパーティのリーダとしての信頼感・個人的な愛情・親近感など友好的な要素を含む「友好値」を関連性パラメータ値として所持する。そして友好値は、ゲームプレイ中に各味方NPCにとって利害の観点から所定の条件に合致する場合に増減される。例えば、戦闘中に負傷した味方NPCをプレーヤキャラクタ10が援護したり回復処置を施すと友好値は自動的に増加され、会話イベント中に相手の味方NPCを傷つけるような返答をプレーヤが選択した場合には友好値が自動的に減少される。
【0043】
そして、優先行動の使用可能数は、この「友好値」が大きいほど大きくなるように設定されている。すなわち、その味方NPCが高い友好値を持っていてリーダとしてのプレーヤキャラクタ10を信頼していれば、選択可能であってプレーヤが設定した優先行動のうち、より多くの優先行動が発動条件の判定対象になる。結果、この味方NPCはプレーヤキャラクタ10(つまりはプレーヤ)が予め定めた通り(疑似的には予め命令されていた通り)に戦術的に行動することになる。反対に友好値が低ければ、実際に選択可能となって行動内容が設定されている優先行動があっても、実際に戦闘中に発動条件の判定に及ぶ有効な優先行動の数は限定されることになる。結果、この味方NPCは、謂わば「命令したのに命令通りには行動しない」状態となる。
【0044】
図4では、この使用可能数をその数値の大小に対応する大きさの握手マークで表示している。例えば同図の例では、味方NPC12の自動行動セットBでは、最大5つまで設定可能な優先行動の設定枠30bのうち5つまでが選択可能とされているので、プレーヤは5パターンの優先行動を定義できる。そして、味方NPC12は比較的大きな友好値を有しており、味方NPC12がプレーヤキャラクタ10にとても友好的な感情を持っていることを示している。よって、選択可能とされた5つの優先行動のうち4つまでが実用可能とされている。第5優先行動の網掛け表示が、選択可能であるが実用可能ではない無効の優先行動であることを示している。
【0045】
反対に味方NPC14の自動行動セットCでは、同じように5つの優先行動の設定枠30cのうち5つまで選択許可されているが、小さな友好値を有している。その為、プレーヤキャラクタ10にあまり友好的な感情を持っていなくてリーダとして信用していない状態に相当すると判断され、優先行動が一つのみ使用可能とされている。図では、設定枠30のうち上1段のみ白枠で示し、残り4段を網掛け表示として示している。
【0046】
また、味方NPC16の自動行動セットDでは、最大5つの優先行動の設定枠30dのうち、まだ4つまでしか選択可能とされておらず、しかも友好値が小さいために使用可能数も小さく、選択可能とされた4つの優先行動のうち1つしか有効でない状態にある。図中では、同設定枠30dの最上段のみ使用可能で有ることを示す白枠表示とされ、2〜4段目までが選択可能であるが使用可能ではないことを示す網掛け表示、5段目がそもそも選択不可であることを示す黒塗り潰しで表示されている。
【0047】
更に味方NPC18では、味方NPC16と同様に最大5つ選択可能な優先行動の設定枠30eのうち、まだ4つまでしか選択可能とされていないが(図中、設定枠30eの上から5段目が黒塗り潰し表示)、友好値が中ほどであるため優先行動の2つまでが使用可能つまり有効となっている(図中、設定枠30eの上から1〜2段目が白枠、3〜4段目が網掛け表示)。
【0048】
同図の例に従えば、コンピュータによる自動制御でありながらも、味方NPC12,18は基本行動として設定した行動は勿論のこと優先行動についても比較的プレーヤが設定した通りに行動するが、味方NPC14,16については優先行動についてはあまり思った通りには行動してくれないと言った、従来に無い人間相互の関連性の大小に応じて期待に応えたりそれに反したりと言った人間臭い行動をとることになる。
もし、プレーヤが全ての味方NPCについて期待通りに行動してもらおうと思うならば各味方NPCの持つ友好値を高める必要がある。その為にはパーティのリーダであるプレーヤキャラクタ10が味方NPCを助けるように、或いは好意を持ってもらえるように行動の選択に気を配らなければならない。よって、味方NPCにより人間らしい行動をさせて、プレーヤが愛着を持ちやすくするとともに、多人数で行動する場合の人間関係維持といった要素をゲームに持ち込んでゲームの魅力を高めることができる。
【0049】
〔機能ブロックの説明〕
図5は、本実施形態における携帯ゲーム装置1400の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0050】
操作入力部100は、プッシュボタンや、レバー、タッチパッド、ダイヤル、キーボード、マウス、各種ポインタ、加速度センサ、傾斜センサなどの入力デバイスやセンサ類によって実現され、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。図1の方向入力キー1402とボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409がこれに該当する。
【0051】
処理部200は、例えばマイクロプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、各機能部との間でデータの入出力を行うとともに所定のプログラムやデータ及び操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0052】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、仮想3次元空間中にゲーム空間を形成する処理や、ゲーム空間中に配置されたキャラクタ等のオブジェクトの配置制御処理、物理演算、戦闘イベントにおける攻撃のヒット判定、ヒットした攻撃によるダメージの算出及び攻撃を受けたキャラクタや回復呪文を受けたキャラクタのHP(ヒットポイント)の増減、戦闘結果に応じた経験値の増減、MP(マジックポイント;魔法を使う為に消費するポイント)の増減、プレーヤキャラクタと味方NPCとの会話制御などが実行対象に含まれる。
また本実施形態では、ゲーム演算部210は、適用行動選択部212と、選択操作可能数決定部214と、友好値設定部216と、使用可能数決定部218と、使用可能基準データ選択部220とを含む。
【0053】
適用行動選択部212は、複数の選択肢の中から味方NPC12,14,16,18それぞれに適用する行動パターンを定義する行動基準データを操作入力部100に為されたプレーヤの選択操作に従って選択・設定する。その選択可能な数は、選択操作可能数決定部214によって、味方NPC12,14,16,18それぞれのキャラクタの成長度合に応じて決定される。
【0054】
友好値設定部216は、プレーヤキャラクタ10と各味方NPCそれぞれとの相対的な関連性に関するパラメータ値としての友好値を、プレーヤキャラクタ10の行動等に基づいて設定する。本実施形態では特に、プレーヤキャラクタ10の戦闘中の味方NPCへの行動は勿論のこと、プレーヤキャラクタ10と味方NPC12,14,16,18との会話においてプレーヤキャラクタ10の返答の好適/不適に応じて友好値が増減するといった具合に、味方NPCにとってのプレーヤキャラクタ10へ好意を持てるか否かの利害に基づいて可変する。
【0055】
使用可能数決定部218は、プレーヤがその内容を選択・設定可能な優先行動のうち、実際に味方NPCの行動決定に際してその選択肢として使用される使用可能数を決定する。本実施形態では、その味方NPCに設定されている友好値が高いほど使用可能数が大きくなるように決定される。
【0056】
使用可能基準データ選択部220は、各味方NPCに設定されたパラメータ値(本実施形態では友好値)に基づいて、当該味方NPCに選択・設定された行動パターンの行動基準データから実際に味方NPCの行動決定に際してその選択肢として使用される行動基準データを選択する。より具体的には、使用可能数決定部218で決定された使用可能数だけ、適用行動選択部212で選択・設定された優先行動の行動基準データの中から選択肢を抽出する。そして、ゲーム演算部210が、使用可能基準データ選択部220で抽出した行動基準データに基づいて各行動の発動条件を判断し、発動条件を満たせばその行動を取るように味方NPCの行動を自動制御する。
【0057】
音生成部250は、例えば音生成LSI、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサやその制御プログラムなどの公知技術によって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音などのゲーム音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0058】
音出力部350は、音生成部250から出力された音信号に基づいて効果音やBGM等を放音する装置によって実現される。図1のスピーカ1410がこれに該当する。
【0059】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのLSI、制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等の公知技術によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて2次元画像を生成し、或いは仮想3次元空間内に配置されたオブジェクトを仮想カメラで撮影した画像をレンダリングする。そして、1フレーム時間(例えば1/60秒)間隔で図2や図3で示したようなゲーム画像を生成し、その画像信号を画像表示部360に出力する。
【0060】
画像表示部360は、画像生成部260から出力された画像信号に基づいてゲーム画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では第1液晶ディスプレイ1406,第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0061】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して他の外部装置との間でデータのやりとりを実現する。
【0062】
通信部370は、通信回線と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1では無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0063】
記憶部500は、予め定義されたプログラムやデータを記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられて処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
【0064】
本実施形態における記憶部500は、処理部200にゲーム装置1200を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム501や、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム502並びに各種データ等を記憶する。処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって、処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現させることができる。
【0065】
また、ゲームプログラム502は、NPC(ノンプレーヤキャラクタ)の行動を自動制御するためのNPC制御プログラム504を含む。NPC制御プログラム504は、所謂「AI」とも呼ばれる公知の技術を用いて実現できる。本実施形態では、図4で説明したように、プレーヤは味方NPCの自動行動のセットを複数の行動パターンの選択肢の中から組み合わせて設定できる。よって、NPC制御プログラム504は例えばそれら行動パターンに対応して関数として呼び出し可能に定義されている。
【0066】
記憶部500には、予め用意されるデータとしてマップデータ510、戦闘画面背景データ512、キャラクタ初期設定データ514、会話設定データ516が記憶されている。
マップデータ510は、プレーヤキャラクタ10等が旅するゲーム世界の構築に必要なデータを含んでいる。より具体的には、大地や海、山、川、森、町、ダンジョンなどを設定するモデルデータやテキストデータ、モーションデータなどが含まれている。図2のフィールド画面は、プレーヤキャラクタ10の周辺にあるゲーム空間の様子が背景となる。
【0067】
戦闘画面背景データ512は、図3で示したような戦闘画面の背景画像を格納している。
キャラクタ初期設定データ514は、ゲームに登場するプレーヤキャラクタ10や味方NPC12,14,16,18、敵NPCなどに関する各種初期設定データを格納している。基本的には公知のRPGと同様であり、例えば、モデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータ、HPやMPの初期値や最大値、プレーヤキャラクタ10や味方NPC12等のレベルアップの条件、使用できる技と使用可能となる条件のテーブル(TBL)データなどが含まれている。
【0068】
会話設定データ516は、会話イベントで使用される会話の内容に関するデータが格納されている。例えば、図6に示すように、イベント発生条件518と対応付けて、プレーヤキャラクタ10と会話する味方NPCの識別情報を格納する会話キャラクタ520、当該イベントで交わされる会話のダイアロデータ522、会話内でプレーヤキャラクタ10の応答のうち好適とされる応答(模範応答)の操作入力識別を格納する好適応答524、反対に不適とされる応答の操作入力識別を格納する不適応答526を格納する。
【0069】
同図の例では、プレーヤキャラクタ10が「ザワザワの森」に到着した場合、プレーヤキャラクタ10(キャラクタ識別「CH−A」)と、キャラクタ識別「CH−B」の味方NPCとの会話イベントが発生する。会話の内容は例えば図7に示すように、話者名とその会話内容のテキストとをセットとしたダイアログセット528a〜528d・・・が読み出し順に格納されている。応答を要するダイアログについては、例えばダイアログセット528dのように所定の文字列「<選択>」を含むとともに、応答の選択肢が応答の操作入力方法と対応づけて設定されている。ここでの応答の操作入力方法の少なくとも一方が、先に示した好適応答524又は不適応答526の何れかに割り当てられている。
尚、会話設定データ516で設定されている会話イベントの未発生/発生済は、公知技術と同様に、例えば記憶部500に会話発生フラグ529を設定してダイアログデータ522の識別情報と対応づけたフラグ操作で記憶・管理することで重複発生を防止する。
【0070】
また、記憶部500にはキャラクタパラメータデータ530と、優先行動選択可能数設定データ570と、優先行動使用可能数設定データ580と、優先行動選択肢データ590と、基本行動選択肢データ600と、友好値可変条件設定データ610とを記憶する。
【0071】
キャラクタパラメータデータ530は、ゲームの進行に伴って生成管理されるデータであって、プレーヤキャラクタ10や味方NPC等、及び戦闘中の敵NPCの状態に関する情報を格納する。
【0072】
例えば、図8は本実施形態におけるプレーヤキャラクタ10及び味方NPC等に係るキャラクタパラメータデータ530のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、対応するキャラクタの識別情報を格納するキャラクタID532と、当該キャラクタがプレーヤキャラクタで有ることを示す場合に立てられるPC(プレーヤキャラクタ)フラグ534と、キャラクタの成長度合を示すレベル536と、現在までに獲得した経験値538と、HP(ヒットポイント)540と、MP(マジックポイント)542と、友好値544と、異常ステータスフラグ546とを含んでいる。
同図の例では、味方NPC16に当たるキャラクタ「CH−D」のHP540は、レベル「3」における最大値「200」に対して現在値が「155」であることを示している。また友好値544については、最大値「1000」に対して現在値が「90」であることを示している。
異常ステータスフラグ546は、当該キャラクタが「毒を受けた状態」「眠った状態」「魔法呪文を詠唱できない状態」「しびれている状態」「混乱状態」など異常状態に有ることを示すフラグが複数設定されている。
【0073】
また、キャラクタパラメータデータ530は行動セット設定データ550と、優先行動選択可能数560と、優先行動使用可能数562と、対応するキャラクタが使用できる攻撃技の識別情報を格納する使用可能攻撃技情報564と、対応するキャラクタが使用できる魔法技の識別情報を格納する使用可能魔法情報566と、対応するキャラクタが所持するアイテムの識別情報と数を格納する所持アイテム情報568とを含んでいる。
【0074】
行動セット設定データ550は、当該データセットに対応するキャラクタの自動行動セットの各設定枠に設定された内容を格納する。より具体的には例えば優先順位552と対応づけて、行動種類554と、プレーヤによって設定された行動パターンの識別情報を格納する設定行動ID556とが格納されており、それぞれが各行動の設定枠に相当する。同図の例では、第1〜第4優先行動までは選択可能であり、それぞれ「ACT003」「ACT101」「ACT023」「ACT245」という行動パターンの識別情報が設定されているが、第5優先行動はいまだ選択不可の状態にあって未設定で有ることを示す「NULL」が格納されている。
【0075】
図9に示すように、優先行動選択可能数設定データ570は、行動パターンの選択肢として選択可能な(換言すると行動内容を設定可能な)優先行動の選択可能数574を選択可能条件572と対応付けて格納する。例えば、図8の例ではレベル536が「16」であるため、図9の優先行動選択可能数設定データ570に照らして選択可能数560は「4」になる。
【0076】
図10に示すように、優先行動使用可能数設定データ580は、友好値条件582と適用条件584のマトリクスに優先行動の使用可能数を対応付けて格納しており、合致する各条件の交差する位置に設定された使用可能数のうち最大値が当該キャラクタの使用可能数とされる。図8の例では、キャラクタ「CH−D」の友好値544が「90」で、且つ当該キャラクタとプレーヤキャラクタ10とが同性なので、マトリクスの左最上段に設定されている「1」が適用されることになる。
【0077】
優先行動選択肢データ590は、優先行動として設定可能な行動パターンの選択肢に係る情報を格納する。例えば図11に示すように、行動パターンの識別情報を格納する行動ID592と、選択可能条件594と、発動条件596と、行動内容598とを対応付けて格納する。
行動ID592は、NPC制御プログラム504の呼び出しに適用される識別情報を格納する。選択可能条件594には当該行動パターンが選択可能になる各種条件を格納する。発動条件596は当該行動パターンが実行されるための条件を格納する。行動内容598は、行動パターンの設定時にプレーヤに示される当該行動パターンの説明文を格納する。発動条件596及び行動内容598は、謂わば当該行動パターンの行動基準に関するデータである。
【0078】
基本行動選択肢データ600は、優先行動選択肢データ590と同様にして、基本行動として設定可能な行動パターンの選択肢に係る情報を格納する。設定可能な行動パターンとしては、優先行動の選択肢のように細かな発動条件を有せず、例えば「攻撃方法は問わずに攻撃」「魔法で攻撃」「防御」「回避」など単純な行動内容が設定されている。
【0079】
友好値可変条件設定データ610は、友好値を変更する条件と変更量を定義する。例えば、図12に示すように、友好値可変条件612と、可変対象キャラクタ616と、友好値可変量618とを対応付けて格納する。友好値可変条件612には、プレーヤキャラクタ10の行動が設定されており、可変対象キャラクタ616にはその行動の対象となるキャラクタの条件が設定され、行動の内容に応じた友好値可変量618だけ変更されることを定義している。尚、同図の例では戦闘イベントや会話イベントにおけるプレーヤキャラクタ10の行動を可変条件としているがこれに限らず、「所定のダンジョンの攻略」「所定の敵キャラクタの攻略」「所定アイテムの出現」「特定キャラクタをパーティに加えた」などゲームの内容に応じて適宜条件に含めることができる。その場合、味方NPCの身体的・精神的な利害に関する事柄であると好ましい。
【0080】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。図13は主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、先ず処理部200はフィールド画面を表示制御する(ステップS2)。つまり、マップデータ510と、キャラクタ初期設定データ514を参照して、図2で示したように(但し、ダイアログボックス20は除く)、プレーヤキャラクタ10と味方NPC12,14,16,18から編成されるパーティがゲーム世界に居る画像を生成し画像表示部360に表示させる。
そして、操作入力部100にパーティの移動操作がなされれば(ステップS4のYES)、処理部200は公知のRPGと同様にパーティがゲーム世界を移動するように表示処理する(ステップS6)。これによって、プレーヤは、パーティをゲーム世界のいろいろな場所に移動させることができる。
【0081】
次に、処理部200は会話設定データ516を参照し、イベント発生条件518を満たすか否かを判定する(ステップS8)。そして、満たすと判定した場合には(ステップS8のYES)、会話制御処理を実行する(ステップS10)。
【0082】
図14は、本実施形態における会話制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は、条件を満たしたイベント発生条件518に対応する会話キャラクタ520とプレーヤキャラクタ10との会話イベント画面を表示させる。例えば、図2に示したように、ダイアログボックス20を画面所定位置に表示させ、対応するダイアログデータ522の設定に従って話中のキャラクタを識別表示22に表示させつつテキスト24を表示制御する。そして、所定の進行操作の入力が有った場合(ステップS32のYES)、公知のRPGにおける会話イベントと同様に、ダイアログデータ522で次の台詞設定をダイアログボックス20に表示するように制御して会話を進める(ステップS34)。
【0083】
ここで、会話の内容に応答の選択の有無を判定する(ステップS36)。本実施形態では、現在ダイアログボックス20に表示中のテキスト24に対応するダイアログデータ522(ダイアログセット528)に所定の文字列「<選択>」が含まれる場合に、応答の選択が有ると判断し(ステップS36のYES)、プレーヤが操作した応答結果を記憶部500に一時的に記憶する(ステップS38)。
【0084】
次に、処理部200は会話が終了したか否かを判定する(ステップS40)。会話が継続中であれば(ステップS40のNO)ステップS32に戻り、会話が終了すれば(ステップS40のYES)続いて友好値可変処理を実行する(ステップS42)。
【0085】
図15は、本実施形態における友好値可変処理の流れを説明するためのフローチャートである。友好値可変処理では、処理部200は全味方NPCについてループAの処理を実行する(ステップS50〜S60)。処理対象の味方NPCについては、友好値可変条件設定データ610(図12参照)を参照して、全友好値可変条件612についてループBの処理を実行する(ステップS52〜S58)。ループBの処理では、処理対象とする友好値可変条件を満たすか否かを判定する(ステップS54)。
【0086】
今回の友好値可変処理は会話イベントから読み出されて実行されているので、図12の例では図示されている友好値可変条件612の内、実質的に「会話イベントで好適な応答を選択した」又は「会話イベントで不適な応答を選択した」が判定の対象となる。そして、ステップS38(図14参照)に於て記憶部500に一時的に記憶された会話の応答の選択操作の結果と、会話設定データ516(図6参照)において今回の会話制御処理で実行中の会話イベントに対応する好適応答524及び不適応答526とを照合することによって、処理対象とする友好値可変条件を満たすか否かを判定する。
【0087】
処理対象の友好値可変条件612を満たすと判定した場合には(ステップS54のYES)、処理部200は友好値可変条件設定データ610にて当該友好値可変条件612に対応づけられた可変対象キャラクタ616のキャラクタパラメータデータ530の友好値544を、友好値可変量618だけ増減する(ステップS56)。従って、プレーヤキャラクタ10が会話している味方NPCに対して仲間として好適とされる応答をすれば当該味方NPCの友好値を高めることとなり、反対に不適当とされる応答をすれば友好値を下げることとなる。
【0088】
処理部200は、全ての味方NPCにループAの処理を実行したならば友好値可変処理を終了して会話制御処理を終了する。
図13に戻って、次に味方NPCの自動行動セットの設定操作が有った場合(ステップS12のYES)、自動行動セット設定処理を実行する(ステップS14)。自動行動セットの設定操作は、例えばパーティに含まれる味方NPCの何れかを選択して、所定のボタンスイッチを押下するなどである。
【0089】
図16は、本実施形態における自動行動セット設定処理の流れを説明するためのフローチャートである。自動行動セット設定処理では先ず、設定対象として選択された味方NPCのキャラクタパラメータデータ530の行動セット設定データ550を参照して、現時点における自動行動の設定内容を読み出して、例えば図17のような設定画面W6を表示する。(ステップS70)。
【0090】
本実施形態の設定画面W6には、現在対象としている味方NPCの識別表示部40と、キャラクタ名やレベル値などの各種パラメータ値を表示するパラメータ表示部42と、各行動欄を選択可能な自動行動セット表示欄44とが含まれる。更に自動行動セット表示欄44は、優先順位表示部46と、行動種類表示部48と、設定されている行動パターンの内容の説明文を表示する内容表示部50とを含んでいる。これら各部の横並び一段が一セットで一つの行動設定欄(設定枠)となる。尚、内容表示部50の表示内容は、優先行動選択肢データ590から今現在行動セット設定データ550の設定行動ID556に対応する行動内容598を参照することによって取得し表示する。
【0091】
設定画面W6が表示された状態で、行動設定欄の選択操作が有れば(ステップS72のYES)、処理部200は選択操作に応じて公知の設定画面制御と同様にして行動設定欄(自動行動セット表示欄の横段)の選択位置を変更処理する(ステップS74)。
例えば図17の例では、自動行動セット表示欄44の「基本行動」の欄が選択されている状態を示しているが、方向入力キー1402で上下操作されると欄の選択位置が上下に変更される。但し、第1優先行動〜第5優先行動のうち選択可能とされる行動設定欄は、当該味方NPCに設定されている優先行動選択可能数560(図8参照)の数に拠る。つまり、優先行動選択可能数560の設定値を「n」とすれば、選択可能なのは基本行動の行動設定欄と、第1〜第n優先行動の行動設定欄までとなる。
【0092】
次いで、処理部200は所定の設定変更操作が有った場合(ステップS76のYES)、現在選択状態にある行動設定欄に設定可能な行動パターンを選択可能に表示する(ステップS78)。例えば、何れかの欄を選択した状態で、所定のボタンスイッチ1404を操作すると、優先行動選択肢データ590或いは基本行動選択肢データ600を参照して、図18の設定画面W8に示すように、選択された欄に設定可能な行動パターンの選択一覧54を表示する。そして、公知の選択画面制御と同様にして、所定の選択操作に応じて行動パターンを選択して、処理対象とされる味方NPCの行動セット設定データ550(図8参照)の設定行動ID556を選択された行動パターンの行動IDに変更する(ステップS80)。
よって、プレーヤは、所望する味方NPCを選択して、優先行動選択可能数560の範囲において、そのキャラクタの自動行動セットの内容を自在に変更することができる。
そして、所定の設定終了操作が有れば(ステップS82のYES)、処理部200は自動行動セット設定処理を終了する。
【0093】
図13のフローチャートに戻って、処理部200は次に戦闘が開始されたか否かを判定する(ステップS16)。戦闘の開始は、ゲーム空間の所定位置、或いはランダムに設定された位置にパーティが到達すると、敵NPCと遭遇して戦闘が開始したと判断する。そして、戦闘開始と判断されたならば、処理部200は戦闘イベント処理を実行する(ステップS18)。
【0094】
図19は、本実施形態における戦闘イベント処理の流れを説明するためのフローチャートである。戦闘イベント処理では先ず、処理部200は図3で示したような、プレーヤキャラクタ10等と敵NPCとが対峙する戦闘画面を生成し、画像表示部360に表示させる(ステップS90)。
このとき画面下部には図3に示すように、プレーヤキャラクタ10及び味方NPC12,14,16,18のステータス表示部50を表示させる。
本実施形態におけるステータス表示部50は、各キャラクタ毎にキャラクタの顔やシンボルを表示するキャラクタ識別表示部52と、HPの残量表示部54とMPの残量表示部56とをセットにして表示する。また、味方NPC(同図の例では左から二番目以降に相当)については優先行動有効度表示部58を一緒に表示する。
【0095】
優先行動有効度表示部58は、当該味方NPCの戦闘開始時点における優先行動選択可能数560と同数のシンボルが、優先行動使用可能数562の分だけ異なる表示形態で表示されて形成される。
例えば図3の例では、右端の表示セットでは数字入りのシンボル4つが表示され、内3つが白抜きの表示形態で表示されているので、対応する味方NPCの優先行動の選択可能数は「4」、使用可能数は「3」と判断することができる。尚、同シンボルを優先行動使用可能数を示す色で表示するに限らず「優先行動使用可能数/優先行動選択可能数」といった分数表記で有っても良い。尚、シンボルの総数と、異なる表示形態で表示されるシンボルの数とは、対応する味方NPCのキャラクタパラメータデータ530の優先行動選択可能数560及び優先行動使用可能数562を参照することによって取得することができる。
【0096】
図19のフローチャートに戻って、処理部200は、次に、公知のRPGと同様にして敵NPCの行動決定処理を実行し(ステップS92)、また公知のRPGと同様にして、決定された敵NPCの行動に応じたゲーム結果の算出及び反映処理と、敵NPCがプレーヤキャラクタ10等を攻撃するなどのアクション表示制御を実行する(ステップS94)。
例えば、敵NPCの行動が「攻撃」ならば、攻撃対象のキャラクタ選択、攻撃のヒット判定、ヒット時のダメージ算出、ダメージを被攻撃キャラクタのパラメータに反映、攻撃アクションの表示、ステータス表示部50の表示変更、経験値の変更などの各種処理を実行する。
【0097】
次に、処理部200は公知のRPGと同様にして操作入力部100からの操作入力に応じてプレーヤキャラクタ10の行動を決定し(ステップS96)、また公知のRPGと同様にして、決定されたプレーヤキャラクタ10の行動に応じたゲーム結果の算出及び反映処理とアクションの表示制御を実行する(ステップS98)。そして、友好値可変処理を実行してプレーヤキャラクタ10の行動に基づいて友好値の変更を行う(ステップS100)。
【0098】
図12の友好値可変条件設定データ610の例では、戦闘時行動に係る友好値可変条件612として「回復魔法を使用」「蘇生魔法を使用」「防御魔法を使用」「回復アイテムを使用」などが判定対象となる。そして、友好値可変条件612を満たせば、可変対象キャラクタ616の条件を満たす味方NPCのキャラクタパラメータデータ530の友好値544を、友好値可変量618だけ変更する。
【0099】
次に、処理部200は味方NPC行動決定処理を実行する(ステップS102)。
図20は、本実施形態における味方NPC行動決定処理の流れを説明するためのフローチャートである。味方NPC行動決定処理では先ず、優先行動使用可能数決定処理を実行する(ステップS120)。
【0100】
図22は、本実施形態における優先行動使用可能数決定処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は全味方NPCについてループEの処理を実行する(ステップS180〜S190)。ループEでは先ず、処理対象の味方NPCのキャラクタパラメータデータ530と優先行動使用可能数設定データ580(図10参照)とを参照して、当該味方NPCの友好値544が適合する友好値条件582において、当該味方NPCが適合する適用条件584に設定された使用可能数の内最大値を求め、これを当該味方NPCの使用可能数としてキャラクタパラメータデータ530の優先行動使用可能数562に格納する(ステップS182)。
【0101】
次いで、処理部200は処理対象の味方NPCのキャラクタパラメータデータ530の異常ステータスフラグ546を参照して、当該味方NPCが行動力が低下するような異常状態(例えば、しびれ状態、睡眠状態、昏睡状態、受毒状態、混乱状態など)で有るか否かを判定する(ステップS186)。そして、異常状態で有ると判断された場合には(ステップS186のYES)、キャラクタパラメータデータ530の優先行動使用可能数562を「1」減らす(ステップS188)。これによって、当該味方NPCが行動力が低下するような状態にあって、十分にプレーヤキャラクタ10の思惑通りには動けないといった状態を模擬することができる。
そして、全ての味方NPCについてループEの処理を実行したならば、優先行動使用可能数決定処理を終了する。
【0102】
図20のフローチャートに戻って、処理部200は次に、選択可能な優先行動の中から使用可能数分だけの優先行動を抽出するための方式を選択する(ステップS122)。本実施形態では、優先順位の上位から順に使用可能数だけ選択する「順位選択方式」、又は優先順位の上位ほど選択されやすいように重み付けして選択する「傾斜比重選択方式」の何れかをランダムに選択する。ランダム選択の方法は、生成した乱数や内部カウンタの値が奇数か偶数かで選択するなど適宜設定して良い。
【0103】
順位選択方式を選択した場合(ステップS124のYES)、処理部200は全味方NPCについてループCの処理を実行する(ステップS126〜S142)。ループCでは、処理対象の味方NPCの異常ステータスフラグ546を参照して、戦闘行動可能であるか否かを判定する(ステップS128)。例えば、当該味方NPCが昏睡状態や、死亡状態などである場合には戦闘行動不可と判断される。
【0104】
戦闘行動可能で有る場合には(ステップS128のYES)、処理部200はカウンタn=1として(ステップS130)、処理対象の味方NPCに設定されている第n優先行動の発動条件を満たすか否かを判定する(ステップS132)。具体的には、当該味方NPCの行動セット設定データ550において第n優先行動の設定行動ID556に設定されている行動IDに対応する発動条件596を優先行動選択肢データ590から参照して判定する。
そして、発動条件を満たしている場合には(ステップS132のYES)、処理部200はこの第n優先行動を処理対象味方NPCの行動として決定し(ステップS134)、ループCを終了する。
【0105】
発動条件を満たさないと判定した場合には(ステップS132のNO)、カウンタnを「1」加算して(ステップS136)、加算した結果のカウンタnと処理対象の味方NPCに設定されている優先行動使用可能数562とを比較する(ステップS138)。カウンタnが優先行動使用可能数562に満たなければ(ステップS138のNO)、ステップS132に移って次の優先順位の優先行動の発動条件の判定を行う。カウンタnが優先行動使用可能数562を超過していれば(ステップS138のYES)、処理部200は基本行動と処理対象の味方NPCの行動と決定してループCを終了する。
そして、全味方NPCについてループDを実行したならば、味方NPC行動決定処理を終了する。
【0106】
一方、ステップS122において傾斜比重選択方式が選択された場合(ステップS124のNO)、図21のフローチャートに示すように、全味方NPCについてループDの処理を実行する(ステップS150〜S162)。処理対象の味方NPCの異常ステータスフラグ546を参照して、戦闘行動可能であるか否かを判定する(ステップS152)。
戦闘行動可能と判定された場合(ステップS152のYES)、処理部200は処理対象の味方NPCに設定されていて選択可能な優先行動の中から、優先順位が高い程高確率で抽出されるようにして使用可能数だけ優先行動を抽出する(ステップS154)。
【0107】
具体的には、例えば優先行動選択可能数560が「3」で、優先行動使用可能数562が「2」に設定されている場合、一回の抽選での当選確率を第1優先行動を3/6、第2優先行動を2/6、第3優先行動を1/6として3つの優先行動の中から二つを抽出する。より具体的には、1〜6の間で乱数を生成し、1〜3までの値が生成された場合には第1優先行動を抽出し、4〜5までの値ならば第2優先行動を抽出し、6の値ならば第3優先行動を抽出するといった形式で、異なる優先行動が二つ抽出されるまで抽選を繰り返すとしても良い。
【0108】
次いで、処理部200は抽出された優先行動のうち発動条件596を満たすものが有るか否かを判定する(ステップS156)。発動条件596を満たすものが有れば(ステップS156のYES)、発動条件596を満たした優先行動のうち、優先順位上位の優先行動を処理対象の味方NPCの行動と決定し(ステップS158)、ループDを終了する。
一方、ステップS154で抽出された優先行動の何れの発動条件596をも満たさない場合には(ステップS156のNO)、処理部200は基本行動を処理対象の味方NPCの行動と決定して(ステップS160)、ループDを終了する。
そして、全味方NPCについてループDを実行したならば、味方NPC行動決定処理を終了する。
【0109】
図19のフローチャートに戻って、処理部200は次に味方NPC行動決定処理で決定された行動パターンに従って各味方NPCの行動に応じたゲーム結果の算出と各味方NPCのアクションの表示処理を行う(ステップS104)。
次いで、戦闘終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS106)。例えば、敵NPCの全滅、又はパーティの全滅を戦闘終了条件としても良い。そして、戦闘終了条件を満たしていなければ(ステップS106のNO)、ステップS92に戻って敵NPCの次ターンの攻撃に係る行動決定処理を行う。
【0110】
反対に、戦闘終了条件を満たすならば(ステップS106のNO)、今回の戦闘に伴ってプレーヤキャラクタ10及び味方NPCの経験値が変更されているので、処理部200は公知のRPGと同様にしてこれら各キャラクタの成長度表示を示すレベル536(図8参照)の更新処理を行う(ステップS108)。次いで、ステップS108によってレベル536の値が変更された可能性が有るので、処理部200は全味方NPCについて、優先行動選択可能数設定データ570を参照して現在のレベル536の値に合致する選択可能数574を決定し、キャラクタパラメータデータ530の優先行動選択可能数562に格納し(ステップS110)、戦闘イベント処理を終了する。
【0111】
戦闘イベント処理を終了したならば、図13のフローチャートに戻って、処理部200はゲーム終了条件を満たすか否かを判定する(ステップS20)。例えば、パーティの全キャラクタが死亡状態で有る場合や、所定の敵NPCを倒した場合にゲーム終了条件を満たすと判定しても良い。
そして、ゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS20のNO)、ステップS2に戻り、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS20のYES)、エンディング映像を表示するなどの所定のゲーム終了処理を実行して(ステップS22)、一連の処理を終了する。
【0112】
以上、本実施形態によれば、プレーヤはプレーヤキャラクタ10と行動を共にする味方NPCの行動パターンを自在に組み合わせて戦術性豊かな戦闘を楽しめるだけでなく、プレーヤキャラクタ10の行動選択によって、プレーヤキャラクタ10と味方NPC12,14,16.18それぞれとの相互の関係性を変化させ、それによって先に設定した戦闘中の行動パターンの有効性を変化させることができる。これによって、例えばプレーヤキャラクタ10と友好な関係性を持った味方NPCはプレーヤが設定した通りの行動パターン通りに行動してくれるが、友好度表示が低ければ設定した行動パターン通りに行動してくれないといった具合に、NPCのより人間味豊かな行動を実現し、ゲームの趣を高めることができる。
【0113】
[第2実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成を有するが、(1)ゲーム進行途中の予め定められたタイミングで、友好値が所定の到達基準値に達しているか否かを判定し、達していない場合にサブゲームを実行し、このサブゲームのゲーム結果が所定のクリア条件を満たす場合に友好値を増加補正する点と、(2)プレーヤキャラクタが固定されておらず、パーティを構成するキャラクタの中からプレーヤが自在にプレーヤキャラクタを選択できる点に於て異なる。尚、第1実施形態と同様の構成を有する構成要素については同じ符号を付与し、説明は省略するものとする。
【0114】
図23は、本実施形態における機能ブロックの構成例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、本実施形態ではゲーム演算部210が、ゲーム進行途中の予め定められたタイミングで、現在の友好値544がそのタイミングにおける所定の到達基準値に達していない味方NPCを抽出し、その時点におけるプレーヤキャラクタと抽出した味方NPCとで参加するサブゲームを実行するサブゲーム実行制御部222を有する。また、友好値設定部216が、サブゲームのゲーム結果が所定のクリア条件を満たす場合に、到達基準値に達していない味方NPCの友好値を増加補正する機能を備える。
従って、サブゲーム実行制御部222が実行するサブゲームとしては、例えば抽出された味方NPCがヤシの木の上から実をもいで左右に放り、プレーヤキャラクタがそれを左右に移動して受け止められればポイントが入ると言った具合に協同をテーマとしたゲームを設定すると好適である。
【0115】
これに係り、記憶部500には友好値到達基準データ630が予め記憶されている。
友好値到達基準データ630は、例えば図24に示すように適用条件632と、到達基準値634とが対応づけて格納されている。適用条件としては例えばパーティのゲーム世界における現在位置、味方NPCの現在のレベル、味方NPCの現在のステータスなどゲーム進行の節目を示す条件を適宜条件とすることができる。サブゲーム実行制御部222は、この適用条件632の適否を判定し、適用すると判定した場合にサブゲームを実行する。
【0116】
また、ゲーム演算部210はプレーヤキャラクタ選択部224を備える。プレーヤキャラクタ選択部224は、フィールド画面が表示されている状態において、所定のPC選択操作を入力すると選択されたパーティの中から何れか1体のキャラクタをプレーヤキャラクタとし、その他のキャラクタを味方NPCとする。具体的は、PC選択操作で選択されたキャラクタのキャラクタパラメータデータ530のPCフラグ534に「1」を格納してプレーヤキャラクタに設定し、それ以外のキャラクタのPCフラグ534に「0」を格納して味方NPCに設定する。
【0117】
これに伴って、記憶部500には、例えば図25のようなキャラクタパラメータデータ530Bがパーティを構成する全キャラクタについて同様に記憶される。キャラクタパラメータ530Bでは、友好値TBL545は、対象キャラクタ547別にその友好値を格納しており、それぞれ対象キャラクタがプレーヤキャラクタである場合に、当該キャラクタとプレーヤキャラクタとの間の友好値を示している。
【0118】
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。
本実施形態では、ステップS18(図13参照)の後に友好値アップイベント処理を実行する。図26は、友好値アップイベント処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は、友好値到達基準データ630を参照して、現在のゲーム進行に係るパラメータが適合する適用条件632の有無を判定する(ステップS200)。そして、適合する場合(ステップS200のYES)には、更にその時点における全味方NPCについて、適合した適用条件632に対応づけられた到達基準値634と、各味方NPCのその時点に於けるプレーヤキャラクタに設定されているキャラクタに対する友好値とを比較し、到達基準値634に到達していない味方NPCの有無を判定する(ステップS202)。
そして、到達基準値634に友好値が達しない味方NPCの1体を抽出し(ステップS204)、この味方NPCとプレーヤキャラクタとが参加するサブゲームを実行する(ステップS206)。
【0119】
サブゲームを実行したならば、処理部200はサブゲームのゲーム結果が所定の成功条件を満たす場合(ステップS208のYES)、ステップS202で抽出された味方NPCのプレーヤキャラクタへの友好値を増加補正し(ステップS210)、友好値アップイベント処理を終了して図13のフローチャートに戻ってステップS20を実行する。
尚、友好値の増加補正は、例えば所定量を加算しても良いし、サブゲームのポイントに応じて加算する構成としても良い。
【0120】
よって、本実施形態によれば、ゲームプレイに不慣れなプレーヤが、通常のゲームプレイ中に味方NPCの友好値をうまく上げられなくともこれを救済することができる。また、プレーヤキャラクタをゲーム中に変更できるので、様々なキャラクタをパーティのリーダとして楽しむことができるようになる。
【0121】
[変形例]
以上、本発明を適用した第1及び第2実施形態について説明したが、本発明の適用範囲がこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・削除・変更を行うことができる。
【0122】
例えば、上記実施形態では携帯ゲーム装置での実行を前提としていたが図27に示すような業務用ゲーム装置で実行するとしても良い。業務用ゲーム装置1300は、画像表示部360に相当する画像表示装置1302と、音出力部350に相当するスピーカ1304と、操作入力部100に相当するジョイスティック1306及びボタンスイッチ1308とを備える。
【0123】
また、筐体内には第1実施形態における制御ユニット1450に相当する制御基板1320を搭載する。制御基板1320は、ゲーム演算などを実行するCPUや音声生成LSI、GPU等のLSIや、RAMやROMと言ったICメモリを搭載し、業務用ゲーム装置1300全体の動作を制御する手段であり、処理部200及び記憶部500に相当する。システムプログラムやゲームプログラム、及び各種データは予めICメモリに記憶させておく構成としても良いし、第1実施形態と同様に通信部370に相当する無線通信モジュールを搭載して、通信回線を介して外部装置からダウンロードして使用する構成でも良い。
【0124】
プレーヤは、画像表示装置1302に表示されたゲーム画像を見つつ、スピーカ1304から放音される効果音などを聞きつつ、ジョイスティック1306やボタンスイッチ1308に操作入力してゲームを楽しむ。
尚、ゲーム実行のハードウェアは、その他家庭用ゲーム装置や、パソコン、携帯電話機、PDAなどを用いる構成としても良いのは勿論である。
【0125】
また、上記実施形態では、RPGを例に挙げたがゲームのジャンルはこれに限らず、複数のキャラクタでチームを編成してプレイするタイプのゲームであれば、例えば複数の戦闘機で小隊を組んで空戦するフライトシューティングゲーム、アドベンチャーゲーム、恋愛ゲーム、サッカーなどのスポーツゲーム、会社運営をモチーフとしたシミュレーションゲームなどにおいても同様に適用できる。その場合、キャラクタ間の関連性については友好値に限らず、信頼感、憎悪感、ライバル感、愛情、イデオロギーの違い、階級などをゲームの世界観に基づきキャラクタ間で結ばれるであろう関係性を適宜パラメータに設定すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】携帯ゲーム装置の構成例を示す外観図。
【図2】フィールド画面の画面例を示す図。
【図3】戦闘画面の画面例を示す図。
【図4】味方NPCの自動行動制御についての概念を説明するための図。
【図5】第1実施形態における携帯ゲーム装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図6】会話設定データの構成例を示すデータ構成図。
【図7】ダイアログデータの例を示す図。
【図8】キャラクタパラメータデータの構成例を示すデータ構成図。
【図9】優先行動選択可能数設定データの構成例を示すデータ構成図。
【図10】優先行動使用可能数設定データの構成例を示すデータ構成図。
【図11】優先行動選択肢データの構成例を示すデータ構成図。
【図12】友好値可変条件設定データの構成例を示すデータ構成図。
【図13】第1実施形態における主たる処理の流れ説明するためのフローチャート。
【図14】会話制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】友好値可変処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図16】自動行動セット設定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図17】行動セットの設定画面例を示す図。
【図18】行動セットの設定画面例を示す図。
【図19】戦闘イベント処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】味方NPC行動決定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】味方NPC行動決定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】優先行動使用可能数決定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図23】第2実施形態における機能ブロックの構成例を示す機能ブロック図。
【図24】友好値到達基準データの構成例を示すデータ構成図。
【図25】第2実施形態におけるキャラクタパラメータデータの構成例を示すデータ構成図。
【図26】友好値アップイベント処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図27】業務用ゲーム装置の構成例を示す斜視外観図。
【符号の説明】
【0127】
100 操作入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 適用行動選択部
214 選択操作可能数決定部
216 友好値設定部
218 使用可能数決定部
220 使用可能基準データ選択部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
504 NPC制御プログラム
530 キャラクタパラメータデータ
544 友好値
550 行動セット設定データ
560 優先行動選択可能数
562 優先行動使用可能数
570 優先行動選択可能数設定データ
580 優先行動使用可能数設定データ
610 友好値可変条件設定データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、プレーヤが操作するPC(プレーヤキャラクタ)とPCの味方である1体以上の味方NPC(ノンプレーヤキャラクタ)とが登場するゲームを実行させるためのプログラムであって、
コンピュータ制御による前記味方NPCの複数の行動基準データの中から、前記味方NPCそれぞれに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択する適用行動選択手段、
前記PCと前記味方NPCそれぞれとの相対的な関連性に関するパラメータ値を設定するパラメータ値設定手段、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて、当該味方NPCの前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データのうちの使用可能とする行動基準データを選択する使用可能基準データ選択手段、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの行動を、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データに基づいてコンピュータ制御する味方NPC制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能基準データ選択手段が選択可能な前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する使用可能数決定手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記使用可能基準データ選択手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能数決定手段により決定された使用可能数分の行動基準データを使用可能として、前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データの中から選択し、
前記味方NPC制御手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データの中から当該味方NPCの行動制御に用いる行動基準データを選択する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記PCに設定されている属性と当該味方NPCに設定されている属性との予め定められた相性関係に従って、当該味方NPCに対応する前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記使用可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについて、ゲーム進行中に可変される当該味方NPCのステータス情報に基づいて、当該味方NPCに対応する前記行動基準データの使用可能数を可変に決定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項2〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記味方NPCそれぞれについて、前記適用行動選択手段がプレーヤの選択操作に従って選択可能な前記行動基準データの選択可能数を可変に決定する選択操作可能数決定手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記適用行動選択手段が、前記味方NPCそれぞれについて、前記選択操作可能数決定手段により決定された選択可能数分の行動基準データを、プレーヤの選択操作に従って選択するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記味方NPCそれぞれの成長度合を示す成長度合パラメータの値をゲーム進行に応じて可変する成長度合パラメータ可変手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記選択操作可能数決定手段が、前記味方NPCそれぞれについての前記行動基準データの選択可能数を、当該味方NPCの前記成長度合パラメータの値に基づいて可変に決定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記パラメータ値設定手段が、前記PCの行った行動が予め定められた行動である場合に、当該味方NPCにかかる前記パラメータ値を変更するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
プレーヤが選択可能な返答選択肢を含む前記PCと前記NPCとの会話を実行する会話制御手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記パラメータ値設定手段が、前記会話において前記プレーヤが選択した返答選択肢を予め定められた模範返答と照合し、その適否に応じて当該味方NPCにかかる前記パラメータ値を変更するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
ゲーム進行途中の予め定められたタイミングで、前記パラメータ値設定手段により設定されている現在のパラメータ値が所定の到達基準値に達しているか否かを判定し、達していない場合に所定のサブゲームを実行するサブゲーム実行制御手段、
前記サブゲームのゲーム結果が所定のクリア条件を満たす場合に、到達基準値に達していないパラメータ値を増加補正する補正手段、
として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
プレーヤの切替指示操作に従って、複数の味方キャラクタの中からPCとするキャラクタを選択するPC選択手段として前記コンピュータを機能させ、
前記味方NPC制御手段が、前記複数の味方キャラクタのうち、前記選択されたPC以外のキャラクタをNPCとしてコンピュータ制御し、
前記適用行動選択手段が、前記複数の味方キャラクタそれぞれについて、当該味方キャラクタに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択し、
前記パラメータ値設定手段が、前記複数の味方キャラクタそれぞれの相互の相対的な関連性に関するパラメータ値を設定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項13】
プレーヤが操作するPCとPCの味方である1体以上の味方NPCとが登場するゲームを実行するゲーム装置であって、
コンピュータ制御による前記味方NPCの複数の行動基準データの中から、前記味方NPCそれぞれに適用する行動基準データをプレーヤの選択操作に従って選択する適用行動選択手段と、
前記PCと前記味方NPCそれぞれとの相対的な関連性に関するパラメータ値を設定するパラメータ値設定手段と、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの前記パラメータ値に基づいて、当該味方NPCの前記適用行動選択手段によって選択された行動基準データのうちの使用可能とする行動基準データを選択する使用可能基準データ選択手段と、
前記味方NPCそれぞれについて、当該味方NPCの行動を、前記使用可能基準データ選択手段により選択された行動基準データに基づいてコンピュータ制御する味方NPC制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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