説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】シンボルエンカウントにおける、フィールドにおいて遭遇した敵シンボルが表す敵キャラクタとの戦闘に対する興趣性の向上。
【解決手段】マップフィールドにおいて、プレーヤシンボルPSとの間の距離が所定距離以下となることで当該敵シンボルES1に遭遇すると、この遭遇時に、プレーヤシンボルPSとの間の距離が所定距離以下である他の敵シンボルES2にリンクする。すると、プレーヤシンボルPSと遭遇した敵シンボルES1との間にエフェクトEF1が、リンクした敵シンボルES2との間にエフェクトEF2がそれぞれ表示される。その後、遭遇した敵シンボルES1が表す敵グループ及びリンクした敵シンボルES2が表す敵グループそれぞれの各敵キャラクタが戦闘フィールドに配置されて、当該敵キャラクタとの戦闘に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレーヤキャラクタが他のキャラクタとパーティを組み、ゲーム世界を旅しながらゲームを進めてゆくRPG(ロールプレイングゲーム)はゲームの定番であり、人気が高い。このRPGでは、ゲームフィールド(マップフィールド)を移動中に敵キャラクタと遭遇すると、ゲームフィールドでの移動が中断されて、この遭遇した敵キャラクタとの戦闘が開始される。このとき、ゲーム画面は、ゲームフィールドを表示したフィールド画面から、プレーヤキャラクタと敵キャラクタとが対戦する戦闘画面に切り替わるが、プレーヤキャラクタを含む所定領域内の他の敵キャラクタを、戦闘画面に含めて表示するものが知られている。つまり、プレーヤキャラクタを中心としたフィールド画面の一部を拡大して、戦闘画面として表示する(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3699660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、RPGでは、戦闘システムの一つとして「シンボルエンカウント」と呼ばれるシステムが知られている。このシンボルエンカウントでは、ゲームフィールドには、キャラクタそのものではなく、プレーヤキャラクタを表すシンボル(プレーヤシンボル)や、各敵キャラクタを表すシンボル(敵シンボル)が配置される。プレーヤシンボルが敵シンボルに接触すると、当該敵シンボルに該当する敵キャラクタとの戦闘が開始される。この戦闘では、ゲームフィールドとは異なる戦闘フィールドに、プレーヤキャラクタと遭遇した敵シンボルが表す敵キャラクタとが配置されて行われる。シンボルエンカウントでは、ゲームフィールドに敵シンボルが存在することから、敵シンボルに接触しないようにプレーヤシンボルを移動させて敵キャラクタとの戦闘を避ける、或いは逆に、積極的に敵シンボルと接触させて戦闘を行うといったように、敵キャラクタの戦闘を行うかどうかを、ある程度、プレーヤの意志で選択できるようになっている。
【0004】
しかしながら、従来のシンボルエンカウントでは、例えば近傍に複数の敵シンボルが存在している場合であっても、戦闘を行うのは接触した敵シンボルが表す敵キャラクタのみであり、敵キャラクタとの戦闘に対する興趣性が乏しかった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、シンボルエンカウントにおける敵キャラクタとの戦闘に対する興趣性を向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータを、
プレーヤキャラクタと味方キャラクタでなるプレーヤキャラクタ群(例えば、実施形態の「プレーヤグループ」)を1つの表示体で表したPC群表示体(例えば、図2のプレーヤシンボルPS)と、敵キャラクタでなる敵キャラクタ群(例えば、実施形態の「敵グループ」)を1つの表示体で表した複数の敵群表示体(例えば、図2の敵シンボルES)とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成してマップシーン処理を実行するマップシーン処理実行手段(例えば、図11のマップ制御部211)、
前記マップシーン処理において前記PC群表示体と前記敵群表示体との接触を検出する接触検出手段(例えば、図11のマップ制御部211)、
前記接触検出手段による検出の際に、接触した敵群表示体以外の敵群表示体と前記PC群表示体との相対的な位置関係が、戦闘に参入させる位置関係の条件である所定の戦闘参入位置関係条件(例えば、実施形態の「リンク条件」)を満たす敵群表示体を抽出する抽出手段(例えば、図11のマップ制御部211)、
前記接触検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤキャラクタ群と、当該検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とを所定の戦闘フィールドに配置した画像を生成して戦闘シーン処理を実行する戦闘シーン処理実行手段(例えば、図11の戦闘制御部212)、
として機能させるためのプログラム(例えば、図11のゲームプログラム310)である。
【0006】
また、他の発明として、
プレーヤキャラクタと味方キャラクタでなるプレーヤキャラクタ群を1つの表示体で表したPC群表示体と、敵キャラクタでなる敵キャラクタ群を1つの表示体で表した複数の敵群表示体とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成してマップシーン処理を実行するマップシーン処理実行手段と、
前記マップシーン処理において前記PC群表示体と前記敵群表示体との接触を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段による検出の際に、接触した敵群表示体以外の敵群表示体と前記PC群表示体との相対的な位置関係が、戦闘に参入させる位置関係の条件である所定の戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体を抽出する抽出手段と、
前記接触検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤキャラクタ群と、当該検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とを所定の戦闘フィールドに配置した画像を生成して戦闘シーン処理を実行する戦闘シーン処理実行手段と、
を備えたゲーム装置(例えば、図11のゲームシステム1000)を構成しても良い。
【0007】
この第1の発明等によれば、PC群表示体と複数の敵群表示体とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成するマップシーン処理において、PC群表示体と敵群表示体との接触が検出されると、PC群表示体との相対的な位置関係が所定の戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体が抽出され、プレーヤキャラクタ群と、接触した敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体が表す敵キャラクタ群とが所定の戦闘フィールドに配置された画像を生成する戦闘シーン処理が行われる。これにより、マップフィールドにおいてPC群表示体と敵群表示体が接触すると、接触した敵群表示体が表す敵キャラクタ群との戦闘が開始されるが、この戦闘に、接触していない他の敵群表示体が表す敵キャラクタ群も参入してくるといった、敵キャラクタとの戦闘に対する新たな興趣を実現できる。
【0008】
また、第2の発明として、第1の発明のプログラムであって、
前記抽出手段が、少なくとも前記マップフィールドにおける前記PC群表示体と前記敵群表示体間の距離及び/又は相対的な向きに基づいて前記抽出を行うように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0009】
この第2の発明によれば、マップフィールドにおけるPC群表示体と敵群表示体間の距離及び/又は相対的な向きに基づいて、戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体の抽出が行われる。例えば、戦闘参入位置関係条件として、PC群表示体と敵群表示体間の距離が所定距離以下であるとした場合には、PC群表示体と接触はしていないが近傍に存在している敵群表示体の敵キャラクタ群が戦闘に参加してくるといった演出や、或いは、戦闘参入位置関係条件を、敵群表示体の向きが当該敵群表示体からPC群表示体に向かう方向に略一致するとした場合には、PC群表示体に気付いた敵群表示体の敵キャラクタ群が戦闘に参入してくるといった演出が可能となる。
【0010】
また、第3の発明として、第1又は第2の発明のプログラムであって、
前記マップシーン処理から前記戦闘シーン処理に処理が移行される際に、前記抽出手段により抽出された敵群表示体を識別表示(例えば、図3のエフェクトEF2)する識別表示手段(例えば、図11のマップ制御部211)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0011】
この第3の発明によれば、マップシーン処理から戦闘シーン処理に移行される際に、戦闘参入位置関係条件を満たすとして抽出された敵群表示体が識別表示される。これにより、プレーヤは、接触した敵群表示体が表す敵キャラクタとともに戦闘に参入することとなる敵キャラクタ群の有無を知ることができる。
【0012】
また、第4の発明として、第1〜第3の何れかの発明のプログラムであって、
前記敵キャラクタ群それぞれに前記戦闘参入位置関係条件が設定されており(例えば、図21の遭遇&リンク条件テーブル341)、
前記抽出手段が、各敵キャラクタ群に対応して設定されている前記戦闘参入位置関係条件を用いて、当該戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体を抽出する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0013】
この第4の発明によれば、敵キャラクタ群それぞれに設定されている戦闘参入位置関係条件を用いて、当該戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体が抽出される。これにより、例えば、戦闘参入位置関係条件をPC群表示体と敵群表示体間の距離が所定距離以下であるとした場合に、この所定距離を敵キャラクタ群に応じて異ならせることで、移動速度が速い敵キャラクタは比較的離れた位置にいても戦闘に参入してくるといった、敵キャラクタに想定した特性を利用した新たな興趣を実現できる。
【0014】
また、第5の発明として、第1〜第4の何れかの発明のプログラムであって、
各前記敵キャラクタにはキャラクタモデルのモデルサイズを示すモデル指標値(例えば、「モデルサイズ」)が予め設定されており(例えば、図13の敵キャラDB325)、
前記戦闘シーン処理実行手段が、
前記接触検出手段により検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とに含まれる各敵キャラクタの出現判定順位を規定する出現判定順位規定手段(例えば、図11の戦闘制御部212)と、
出現させる敵キャラクタの指標値の合計が所定の指標合計最大値以下となるように、前記出現判定順位に従って敵キャラクタを選択し、前記戦闘シーン処理中に敵キャラクタが戦闘不能となった場合には、当該戦闘不能となった敵キャラクタを除く出現中の敵キャラクタの指標値と新たに出現させる敵キャラクタの指標値の合計が前記指標合計最大値以下となるように新たに出現させる敵キャラクタを前記出現判定順位に従って選択する敵キャラクタ選択手段(例えば、図11の戦闘制御部212)と、
前記戦闘不能となった敵キャラクタを前記戦闘フィールドから消去し、前記敵キャラクタ選択手段により選択された敵キャラクタを前記戦闘フィールドに配置するキャラクタ配置制御手段(例えば、図11の戦闘制御部212)と、
を有する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0015】
この第5の発明によれば、戦闘シーンでは、各敵キャラクタに規定された出現判定順位に従って、各敵キャラクタのキャラクタモデルのモデルサイズを示すモデル指標値の合計が所定の指標合計最大値以下となるように、敵キャラクタが戦闘フィールドに出現する。そして、戦闘シーン処理中に敵キャラクタが戦闘不能となると、この戦闘不能となった敵キャラクタが戦闘フィールドから消去されるとともに、出現判定順に従って、戦闘不能となった敵キャラクタを除く出現中の敵キャラクタのモデル指標値と新たに出現する敵キャラクタのモデル指標値の合計が指標合計最大値以下となるように、新たな敵キャラクタが戦闘フィールドに出現する。つまり、戦闘フィールドに出現している各敵キャラクタのモデル指標値の合計は、常に所定の指標合計最大値以下となる。
【0016】
ところで、PC群表示体と敵群表示体との接触時に複数の敵群表示体が戦闘参入位置条件を満たした場合、これらの各敵群表示体を構成する全ての敵キャラクタを同時に出現させようとすると、描画負荷が大きくなり、例えば1/60秒毎に1フレームの画像を描画するリアルタイムな画像生成ができなくなってしまう可能性がある。また、敵キャラクタがポリゴンモデルで形成される場合、そのモデルサイズが大きくなるほど、その描画負荷が大きくなるのが通常である。しかしながら、この第5の発明のように、複数の敵キャラクタを一度に出現させるのではなく、敵キャラクタを、そのモデルサイズを示すモデル指標値をもとに順に出現させることで、戦闘シーンにおける敵キャラクタの描画負荷を一定以下に抑えることができ、いわゆる「処理落ち」といった事象の発生を抑制できる。
【0017】
また、第6の発明として、第5の発明のプログラムであって、
前記出現判定順位規定手段が、前記接触検出手段により検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位を、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位より優先した順位に規定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0018】
この第6の発明によれば、PC群表示体と接触した敵群表示体が表す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位が、戦闘参入位置条件を満たす敵群表示体が示す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位よりも優先した順位に規定される。つまり、PC群表示体と接触した敵群表示体に該当する敵キャラクタの方が、戦闘参入条件を満たす敵群表示体に該当する敵キャラクタよりも先に戦闘フィールドに出現することになる。
【0019】
また、第7の発明として、第5又は第6の発明のプログラムであって、
前記敵キャラクタ群それぞれについて、当該敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの隊形が予め設定されており(例えば、図13の敵キャラDB325)、
前記キャラクタ配置制御手段が、前記接触検出手段により検出された敵群表示体及び前記抽出手段により抽出された敵群表示体それぞれが表す各敵キャラクタ群に設定された隊形に基づいて、当該各敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの前記戦闘フィールドにおける配置位置を決定する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0020】
この第7の発明によれば、敵キャラクタ群それぞれについて、当該敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの隊形が予め設定されており、戦闘シーンでは、各敵キャラクタ群に設定された隊形に基づいて、当該各敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの戦闘フィールドにおける配置位置が決定される。つまり、各敵キャラクタ群は、当該敵キャラクタ群に設定された隊形で戦闘フィールドに出現する。
【0021】
また、第8の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記戦闘フィールドには、敵キャラクタ群の出現領域が設定されており(例えば、図7の敵領域AR2)、
前記隊形として、前記敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの前記出現領域中の出現位置が予め設定されており(例えば、図13の敵キャラDB325)、
前記キャラクタ配置制御手段が、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性有りと判定された場合に当該出現させるキャラクタの位置をずらして前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0022】
この第8の発明によれば、戦闘フィールドには、敵キャラクタ群の出現領域が設定されており、各キャラクタ群の隊形として、当該敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの出現領域中の出現位置が予め設定されている。そして、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性が有る場合には、当該出現させるキャラクタの位置をずらして戦闘フィールドに配置される。つまり、敵キャラクタが戦闘フィールドに出現する際には、常に、出現領域中の当該敵キャラクタに定められた出現位置に出現するように定められている。ところで、戦闘シーンでは、各キャラクタが自由に移動することで、新たな敵キャラクタの出現位置に既に他のキャラクタが存在している可能性があり、このキャラクタに新たな敵キャラクタが重なって出現するといった不自然な状態が生じることがある。しかし、この第8の発明のように、新たな敵キャラクタを戦闘フィールドに出現させる際に、戦闘フィールドに出現中の他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性がある場合には、新たな敵キャラクタの出現位置をずらして出現させることで、上述の他のキャラクタに重なって出現するといった不自然さが回避される。
【0023】
また、第9の発明として、第5〜第8の何れかの発明のプログラムであって、
前記戦闘フィールドは、プレーヤキャラクタ群の出現領域と敵キャラクタ群の出現領域とが区分して設定されており(例えば、図7のプレーヤ領域AR1及び敵領域AR2)、
前記接触検出手段が、接触時の前記PC群表示体と前記敵群表示体との相対向きを判定する相対向き判定手段を有し、
前記キャラクタ配置制御手段が、前記戦闘シーン処理開始時に前記プレーヤキャラクタ群を構成する各キャラクタを前記プレーキャラクタ群の出現領域に配置する際に、前記相対向き判定手段の判定結果に応じて、前記敵キャラクタ群の出現領域に対して正方向の隊形で配置するか、逆方向の隊形で配置するかを切り替えて配置するPC群配置制御手段を有する、
プログラムを構成しても良い。
【0024】
この第9の発明によれば、戦闘フィールドは、プレーヤキャラクタ群の出現領域と敵キャラクタ群の出現領域とが区分して設定されており、戦闘シーン処理開始時にプレーヤキャラクタ群を構成する各キャラクタを出現領域に配置する際に、接触時のPC群表示体と敵群表示体との相対向きの判定結果に応じて、敵キャラクタ群の出現領域に対して正方向の隊形で配置するか、逆方向の隊形で配置するかが切り替えて配置される。一般的に、プレーヤキャラクタ群は、逆方向の隊形で配置されると、正方向の隊形で配置される場合に比較して戦闘において不利となることが多い。これにより、マップフィールドにおけるPC群表示体と敵群表示体とが接触した際の相対向きに応じて、プレーヤキャラクタ群が戦闘フィールドに出現する際の隊形の配置方向が異なり、これが戦闘に影響を与えるといった、敵キャラクタとの戦闘に対する新たな興趣を実現できる。
【0025】
また、第10の発明として、第7の発明のプログラムであって、
前記キャラクタ配置制御手段が、前記接触検出手段による検出がなされた際の前記PC群表示体に対する、当該検出された敵群表示体と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体との前記マップフィールドにおける相対位置関係に従って、当該各敵群表示体が表す各敵キャラクタ群の前記戦闘フィールドにおける隊形位置を決定し、決定した隊形位置に基づいて、前記敵キャラクタ選択手段により選択された敵キャラクタを前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムを構成しても良い。
【0026】
この第10の発明によれば、PC群表示体と敵群表示体とが接触した際の、PC群表示体に対するこの接触した敵群表示体と戦闘参入位置条件を満たす敵群表示体とのマップフィールドにおける相対位置関係に従って、各敵群表示体が表す各敵キャラクタ群の戦闘フィールドにおける隊形位置が決定され、決定された隊形位置に基づいて、各敵キャラクタが戦闘フィールドに配置される。戦闘フィールドにおけるプレーヤキャラクタ群と各敵キャラクタ群との相対的な隊形位置の関係は、戦闘に大きな影響を与える。これにより、マップフィールドにおける、PC群表示体と敵群表示体とが接触した際のPC群表示体と各敵群表示体との相対位置関係に応じて、プレーヤキャラクタ群や該当する各敵キャラクタ群の戦闘フィールドにおける隊形位置が異なり、これが戦闘に影響を与えるといった、敵キャラクタとの戦闘に対する新たな興趣を実現できる。
【0027】
また、第11の発明として、第10の発明のプログラムであって、
前記キャラクタ配置制御手段が、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性有りと判定された場合に当該出現させるキャラクタの位置をずらして前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるためプログラムを構成しても良い。
【0028】
この第11の発明によれば、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性が有る場合には、当該出現させるキャラクタの位置をずらして戦闘フィールドに配置される。戦闘シーンでは、各キャラクタが自由に移動することで、新たな敵キャラクタの出現位置に既に他のキャラクタが存在している可能性があり、既に存在しているキャラクタに新たな敵キャラクタが重なって出現するといった不自然な状態が生じることがある。しかし、この第11の発明のように、新たな敵キャラクタを戦闘フィールドに出現させる際に、戦闘フィールドに出現中の他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性がある場合には、新たな敵キャラクタの出現位置をずらして出現させることで、上述の他のキャラクタに重なって出現するといった不自然さが回避される。
【0029】
また、第12の発明として、第1〜第11の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体(例えば、図11の記憶部300)を構成しても良い。
【0030】
ここで、情報記憶媒体とは、記憶されている情報をコンピュータが読み取り可能な、例えばハードディスクやMO、CD−ROM、DVD、メモリカード、ICメモリ等の記憶媒体である。従って、この第12の発明によれば、情報記憶媒体に記憶されている情報をコンピュータに読み取らせて演算処理を実行させることで、第1〜第11の何れかの発明と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、PC群表示体と複数の敵群表示体とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成するマップシーン処理において、PC群表示体と敵群表示体との接触が検出されると、PC群表示体との相対的な位置関係が所定の戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体が抽出され、プレーヤキャラクタ群と、接触した敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体が表す敵キャラクタ群とが所定の戦闘フィールドに配置された画像を生成する戦闘シーン処理が行われる。これにより、マップフィールドにおいてPC群表示体と敵群表示体が接触すると、接触した敵群表示体が表す敵キャラクタ群との戦闘が開始されるが、接触していない他の敵群表示体が表す敵キャラクタ群も戦闘に参入してくるといった、敵キャラクタとの戦闘に対する新たな興趣を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下では、本発明を、RPGを実行する家庭用のゲームシステムに適用した場合を説明するが、本発明の適用可能な実施形態がこれに限定されるものではない。
【0033】
[外観]
図1は、本実施形態における家庭用のゲームシステム1000の外観の一例を示す図である。同図によれば、ゲームシステム1000は、本体装置1100と、プレーヤがゲーム操作を入力するためのゲームコントローラ1200と、ディスプレイ1302及びスピーカ1304を有するビデオモニタ1300とを備えて構成される。
【0034】
本体装置1100がゲーム処理を行うために必要なプログラムやデータを含むゲーム情報は、例えば本体装置1100に着脱自在な情報記憶媒体である光学ディスク1122やメモリカード1124に格納されている。すなわち、プレーヤは、この光学ディスク1122等を交換することで異なるゲームを楽しむことができる。なお、このゲーム情報は、本体装置1100が備える通信装置1112を介して通信回線Nに接続し、外部装置からダウンロードして取得することにしても良い。ここで、通信回線Nはデータ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0035】
また、本体装置1100は、例えばCPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1110と、光学ディスク1122やメモリカード1124といった情報記憶媒体の読取装置1102,1104を備える。そして、制御ユニット1110に実装されたCPUは、光学ディスク1122やメモリカード1124から読み出したゲーム情報や、ゲームコントローラ1200からの操作信号等に基づいて各種のゲーム演算を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成して所与のビデオゲームを実行する。生成されたゲーム画像やゲーム音は、画像信号及び音信号を伝送可能な信号ケーブル1108を介してビデオモニタ1300に出力される。プレーヤは、ビデオモニタ1300のディスプレイ1302に表示されるゲーム画像を見つつ、スピーカ1304から出力されるBGMや効果音といったゲーム音を聞きながら、ゲームコントローラ1200を操作してゲームを楽しむ。
【0036】
[原理]
本実施形態のRPGでは、プレーヤキャラクタがマップフィールド(マップ空間)を移動中に敵キャラクタに遭遇すると、このマップフィールドでの移動が中断されて戦闘フィールド(戦闘空間)に移行し、遭遇した敵キャラクタとの戦闘が開始される。
【0037】
図2は、マップ画面の一例を示す図である。同図に示すように、マップフィールドには、PC群表示体である1つのプレーヤシンボルPSと、敵群表示体である1又は複数の敵シンボルESとが配置されている。プレーヤシンボルPSは、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタからなるプレーヤグループを表すシンボルであり、プレーヤの操作指示に従ってマップフィールドを移動する。敵シンボルESは、1又は複数の敵キャラクタから構成される敵グループを表すシンボルであり、コンピュータ制御によってマップフィールドを移動する。ここで、味方キャラクタ及び敵キャラクタは、コンピュータ制御されるNPC(ノンプレーヤキャラクタ)である。
【0038】
敵シンボルESは、通常はマップフィールドをうろついているが、プレーヤシンボルPSを発見すると、スピードを上げてプレーヤシンボルPSに近寄ってくる。そして、プレーヤシンボルPSが敵シンボルESに接触すると、この敵シンボルESが表す敵グループと「遭遇」したとして戦闘に移行する。このとき、遭遇した敵シンボルESとは別の敵シンボルESがプレーヤシンボルPSの近くにいる場合、この敵シンボルESが表す敵グループと「リンク」したとして、この敵グループも戦闘に参入する。
【0039】
図3は、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの遭遇時のマップ画面を示す図である。同図では、プレーヤシンボルPSが敵シンボルES1と遭遇しているとともに、敵シンボルES2とリンクしている。そして、遭遇した敵シンボルES1との間には、遭遇したことを示すエフェクトEF1が表示されているとともに、リンクした敵シンボルES2との間には、リンクしたことを示すエフェクトEF2が表示されている。このエフェクトEF1,EF2によって、遭遇した敵シンボルESやリンクした敵シンボルESを、プレーヤが把握できるようになっている。なお、遭遇及びリンクした敵シンボルESの識別表示として、例えば、この敵シンボルESそのものに所定のエフェクトを施すこととしても良い。
【0040】
図4は、プレーヤシンボルと敵シンボルとの「遭遇」及び「リンク」を説明する図である。同図に示すように、マップフィールドにおいて、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの相対的な位置関係が所定の「遭遇条件」を満たすと、プレーヤシンボルPSがこの敵シンボルESに「遭遇」したと判定される。ここで、「遭遇条件」とは、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの間の距離Dが、互いに接触したとみなされる程度の所定距離Da以下であることである。同図では、プレーヤシンボルPSは敵シンボルES1に遭遇したと判定される。
【0041】
また、プレーヤシンボルPSが敵シンボルESと遭遇したとき、遭遇した敵シンボルES以外であって、プレーヤシンボルPSとの相対的な位置関係が所定の「リンク条件」を満たす敵シンボルESが有る場合、この敵シンボルESに「リンク」したと判定される。ここで、「リンク条件」は、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの間の距離Dが、所定距離Db以下であることである。但し、Da<Db、である。同図では、プレーヤシンボルPSが、敵シンボルES2,ES3に「リンク」したと判定される。
【0042】
図5は、戦闘画面の一例を示す図である。同図に示すように、戦闘画面には、戦闘フィールドにおいて、プレーヤキャラクタPC及び味方キャラクタACからなるプレーヤチームと、1又は複数の敵キャラクタECからなる敵グループとが対峙して表示される。同図では、3体の敵キャラクタECaからなる敵グループA及び3体の敵キャラクタECbからなる敵グループBと対戦する場合を示している。
【0043】
本実施形態では、戦闘フィールドにおいて、必ずしも、対戦することとなる敵キャラクタの全てが一度に出現するのではなく、所定の「出現条件」を満たすように、その一部又は全部が出現する。
【0044】
図6は、戦闘フィールドにおけるキャラクタの出現を説明する図である。同図では、「遭遇」した敵グループAと、「リンク」した2つの敵グループB,Cとの戦闘に移行する場合を示している。敵グループAは、2体の敵キャラクタa1,a2から構成され、敵グループBは、3体の敵キャラクタb1,b2,b3から構成され、敵グループCは、2体の敵キャラクタc1,c2から構成される。つまり、合計7体の敵キャラクタと対戦することになる。
【0045】
同図(a)に示すように、先ず、対戦する敵キャラクタそれぞれに、戦闘フィールドへの出現優先順位(出現判定順位)が定められる。出現優先順位は、遭遇した敵シンボルの敵グループの敵キャラクタが最も高く、次いで、リンクした敵シンボルの敵グループのうち、リンクした時点においてプレーヤシンボルPSとの距離Dが短い(近い)敵グループの敵キャラクタから順に高くなる。また、同一の敵グループの敵キャラクタの出現優先順位は、当該グループ内で予め定められた順位とする。同図では、遭遇した敵シンボルAの敵キャラクタa1,a2の出現優先順位が最も高く、次いで、リンクした敵シンボルBの敵キャラクタb1〜b3、敵シンボルCの敵キャラクタc1〜c3の順となっている。
【0046】
次いで、対戦する敵キャラクタそれぞれについて、定められた出現優先順位に従って、「出現条件」を満たすように出現する敵キャラクタが決定される。ここで、「出現条件」は、戦闘フィールドに出現(登場)している敵キャラクタそれぞれの描画コストの和が、所定のコスト上限を超えないことである。敵キャラクタはポリゴンモデルで形成され、このポリゴンモデルのモデルサイズには、その大きさに応じた「描画コスト」が定められている。敵キャラクタのモデルサイズは、小さい順に、S,M,L,LLの4種類があり、このモデルサイズそれぞれには、描画コストとして、1,3,8,12が定められている。そして、対戦する敵キャラクタのうちから、それぞれのモデルサイズに応じた描画コストが所定のコスト上限を超えないように、出現優先順位に従って、最初に出現するキャラクタが決定される。同図では、敵キャラクタa1,a2,b1,b3が、最初に戦闘フィールドに出現する敵キャラクタとなる。これらの敵キャラクタの描画コストの和は「19」であり、コスト上限「20」を超えない。
【0047】
最初に出現する敵キャラクタが決定されると、この決定された敵キャラクタが戦闘フィールドに出現し、プレーヤチームとの戦闘が開始される。そして、戦闘中に敵キャラクタが戦闘不能となると、この戦闘不能となった敵キャラクタは戦闘フィールドから消去され、未出現であった新たな敵キャラクタが出現する。このときも、出現条件を満たすよう、定められた優先順位に従って新たに出現する敵キャラクタが決定される。すなわち、未出現である敵キャラクタのうちから、優先出現順位に従って、戦闘フィールドに新たに出現させた場合に、戦闘フィールドに出現中の敵キャラクタと新たに出現させる敵キャラクタとの描画コストの和がコスト上限を超えない敵キャラクタが選択され、新たに出現させる敵キャラクタとされる。
【0048】
例えば、同図(b)に示すように、敵キャラクタa2が戦闘不能となると、戦闘フィールドに出現中の敵キャラクタの描画コストの和が「19」から「7」に減少する。すると、未出現の敵キャラクタのうち、敵キャラクタb2,c1が新たに出現する。この場合、戦闘フィールドに出現中の敵キャラクタの描画コストの和は「18」となり、コスト上限「20」を超えない。
【0049】
図7は、戦闘フィールドの一例を示す図である。同図に示すように、戦闘フィールドには、互いに重ならないプレーヤ領域AR1及び敵領域AR2が形成される。このプレーヤ領域AR1及び敵領域AR2は、地表面から上方(Yw軸正方向)に広がる三次元空間である。戦闘開始時には、プレーヤグループはプレーヤ領域AR1に配置され、敵グループは敵領域AR2に配置される。また、プレーヤグループと敵グループとは、互いに対峙するように配置される。なお、プレーヤ領域AR1及び敵領域AR2は、キャラクタの戦闘フィールドへの出現時の位置(出現位置)を決めるものであり、戦闘中はこれに制限されない。そして、この戦闘フィールドを所与の仮想カメラCMから見た画像が戦闘画面として表示される。
【0050】
また、プレーヤチーム及び敵グループは、グループ毎に定められた隊形で出現する。「隊形」とは、各キャラクタの相対的な位置関係のことである。図8は、隊形の一例を示す図である。同図では、3体のキャラクタCR1,CR2,CR3から構成されるグループの隊形を示している。隊形は、戦闘フィールドにおけるプレーヤ領域AR1或いは敵領域AR2に相当する所定の隊形領域AR3内に、キャラクタCR同士が重ならないように配置されて形成される。ここで、「キャラクタ同士が重ならない」とは、各キャラクタCRのバウンダリボックスが重ならないことである。また、各キャラクタCRは同一の方向を向くように配置され、この各キャラクタCRの向きが隊形の「向き」となる。
【0051】
そして、このグループを戦闘フィールドに配置する際には、図9に示すように、隊形の向きを相手グループに向けて、当該グループの隊形領域AR3を戦闘フィールドの該当する領域に一致させて配置する。すなわち、プレーヤグループについては、隊形の方向を敵領域AR2の方に向けてプレーヤ領域AR1に配置され、敵グループについては、隊形の方向をプレーヤ領域AR1の方に向けて敵領域AR2に配置される。なお、戦闘フィールドにおける各キャラクタの位置は、隊形を定義するローカル座標系(Xg,Yg,Zg)で表現された位置を、戦闘フィールドを定義するワールド座標系(Xw,Yw,Zw)に座標変換することで与えられる。
【0052】
ところで、リンクが発生して複数の敵グループが同時に出現する場合、出現時に異なる敵グループの敵キャラクタ同士が重なってしまうことがある。この場合、重なった敵キャラクタ同士のうち、出現優先順位が低い方の敵キャラクタの出現位置をずらして、他の敵キャラクタと重ならないようにする。
【0053】
図10は、複数の敵グループが出現する場合である。同図では、2つの敵グループA,Bが出現する場合を示している。敵グループAは遭遇した敵グループであり、3体の敵キャラクタECa1,ECa2,ECa3から構成される。敵グループBはリンクした敵グループであり、2体の敵キャラクタECb1,ECb2から構成される。つまり、敵グループAの敵キャラクタECa1,ECa2,ECa3の出現優先順位のほうが、敵グループBの敵キャラクタECb1,ECb2よりも高い。同図(a)は、敵グループAの隊形を示している。また、同図(b)は、敵グループBの隊形を示している。そして、同図(c)は、この敵グループA,Bを同時に出現させた場合を示している。同図(c)に示すように、敵キャラクタECa1と敵キャラクタECb1とが重なる。この場合、優先出現順位が低い方の敵キャラクタECb1の出現位置を、他の敵キャラクタECa1,ECa2,ECa3,ECb2それぞれと重ならないように、例えば斜め後方にずらすように変更する。
【0054】
[機能構成]
図11は、ゲームシステム1000の機能構成を示すブロック図である。同図によれば、ゲームシステム1000は、機能的には、操作入力部110と、処理部200と、画像表示部120と、音出力部130と、通信部140と、記憶部300とを備えて構成される。
【0055】
操作入力部110は、プレーヤによる操作入力を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部200に出力する。この機能は、例えばボタンスイッチやレバー、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。図1では、ゲームコントローラ1200がこれに該当する。
【0056】
処理部200は、記憶部300から読み出したプログラムやデータ、操作入力部110から入力された操作信号等にもとづいて、ゲームシステム1000の全体制御やゲーム進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型やRISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムによって実現される。図1では、制御ユニット1110に実装されたCPUがこれに該当する。また、処理部200は、主にゲームの実行にかかる演算処理を行うゲーム演算部210と、ゲーム演算部210の処理によって求められたデータに基づきゲーム画像を生成する画像生成部220と、効果音やBGM等のゲーム音を生成する音生成部230とを含んでいる。
【0057】
ゲーム演算部210は、マップ制御部211と、戦闘制御部212を含み、ゲームプログラム310に従ったゲーム処理を実行する。ここで、ゲームに登場するプレーヤグループについてのデータはプレーヤグループデータ321に格納され、敵グループについてのデータは敵キャラDB325に格納されている。
【0058】
図12は、プレーヤグループデータ321のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、プレーヤグループデータ321は、プレーヤグループを表すプレーヤシンボルPSのシンボルID321aと、プレーヤキャラクタのデータ322と、味方キャラクタのデータ323とを格納している。プレーヤキャラデータ322は、プレーヤキャラクタのキャラクタID322a及びキャラクタ名322bと、能力パラメータである体力値322c、攻撃力322d及び守備力322eと、モデルデータID322fと、バウンダリボックス322gと、隊形位置322hとを格納している。バウンダリボックス322gは、当該プレーヤキャラクタのバウンダリボックスの、ローカル座標系におけるXg,Yg,Zg軸に沿った各辺の長さ(Lx,Ly,Lz)である。隊形位置322hは、当該プレーヤグループの隊形における当該プレーヤキャラクタの位置であり、ローカル座標系で表現された位置座標(x,y,z)である。なお、プレーヤグループの隊形は、プレーヤの操作指示に従って変更可能である。味方キャラデータ323は、味方キャラクタそれぞれについて、キャラクタID323a及びキャラクタ名323bと、能力パラメータである体力値323c、攻撃力323d及び守備力323eと、モデルデータID323fと、バウンダリボックス323gと、隊形位置323hとを対応付けて格納している。
【0059】
図13は、敵キャラDB325のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、敵キャラDB325は、敵グループそれぞれについての複数の敵グループデータ326から構成される。敵グループデータ326は、該当する敵グループのグループID326aと、敵シンボルESのシンボルID326bとを格納しているとともに、当該敵グループの敵キャラクタ326cそれぞれについて、能力パラメータである体力値326d、攻撃力326e及び守備力326fと、モデルデータID326gと、モデルサイズ326hと、バウンダリボックス326iと、隊形位置326jとを対応付けて格納している。バウンダリボックス326iは、当該敵キャラクタのバウンダリボックスの各辺の長さであり、ローカル座標系で表現されている。隊形位置326jは、当該敵グループの隊形における当該敵キャラクタの位置あり、ローカル座標系で表現されている。
【0060】
マップ制御部211は、マップフィールドを構築し、このマップフィールドにおけるプレーヤシンボルPS及び敵シンボルESを制御する。プレーヤシンボルPSについては、操作入力部110から入力されるプレーヤの操作指示に従って制御し、敵シンボルESについては、当該敵シンボルESの種類に応じて定められた制御ルーチンに従って制御する。
【0061】
また、マップフィールドにおいて、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの遭遇及びリンクを判定する。すなわち、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESそれぞれとの間の距離Dを監視し、この距離Dが遭遇条件である距離Da以下となると、該当する敵シンボルESに遭遇したと判定する。またこのとき、遭遇した敵シンボルESとは別の敵シンボルESのうちから、プレーヤシンボルPSとの距離Dがリンク条件である距離Db以下である敵シンボルESを抽出し、抽出した敵シンボルESにリンクしたと判定する。ここで、遭遇条件は遭遇条件データ333に格納され、リンク条件はリンク条件データ334に格納されている。
【0062】
戦闘制御部212は、プレーヤチームと、マップ制御部211によって遭遇及びリンクが判定された敵シンボルESに該当する敵グループとの戦闘を制御する。具体的には、先ず、敵キャラDB325を参照して遭遇及びリンクした敵シンボルESそれぞれに該当する敵グループを判断し、この敵グループを構成する敵キャラクタを対戦する敵キャラクタ(対戦敵キャラクタ)とする。次いで、これら対戦敵キャラクタの出現優先順位を決定する。すなわち、遭遇した敵グループの敵キャラクタの出現優先順位を最も高くし、次いで、リンクした敵グループのうち、リンク時のプレーヤシンボルとの距離Dが短い順に、当該敵グループの各敵キャラクタの出現優先順位を高くする。
【0063】
当該戦闘において対戦する敵キャラクタ(対戦敵キャラクタ)についてのデータは、対戦敵キャラリスト332に格納される。図14は、対戦敵キャラリスト332のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、対戦敵キャラリスト332は、出現優先順位332aに対応付けて、敵キャラクタ332bそれぞれの体力値332cと、描画コスト332dと、出現済みフラグ332eと、現在位置332fとを格納している。描画コスト332dは、対応する敵キャラクタのモデルサイズによって決まる。各モデルサイズの描画コストは、コストテーブル331に定義されている。出現済みフラグ332eは、対応する敵キャラクタが戦闘フィールドに出現したか否かを示すフラグである。現在位置332fは、対応する敵キャラクタの戦闘フィールドにおける現在の配置位置であり、戦闘フィールドを定義するワールド座標系(Xw,Yw,Zw)で表現されている。
【0064】
図15は、コストテーブル331のデータ構成の一例を示す図である。同図によれば、コストテーブル331は、モデルサイズ331aそれぞれについて、描画コスト331bを対応付けて格納している。
【0065】
続いて、戦闘制御部212は、これらの対戦敵キャラクタのうちから、出現条件を満たすように、戦闘フィールドに最初に出現させる敵キャラクタを決定する。すなわち、出現優先順位に従って、各敵キャラクタのモデルサイズに応じた描画コストの和が所定のコスト上限を超えないよう、敵キャラクタを選択して出現させる敵キャラクタとする。ここで、出現条件は、出現条件データ335に格納されている。
【0066】
次いで、最初に出現させると決定した敵キャラクタそれぞれの、戦闘フィールドにおける出現位置を決定する。すなわち、ローカル座標系で表現された隊形位置を、戦闘フィールドを定義するワールド座標系に変換して、戦闘フィールドの敵領域AR2における出現位置とする。このとき、出現位置が重なる敵キャラクタ同士が有るならば、重なる敵キャラクタ同士のうち、出現優先順位が低い方の敵キャラクタの出現位置を、他の敵キャラクタと重ならないようにずらして変更する。そして、これらの敵キャラクタを、戦闘フィールドの決定した出現位置に配置する。
【0067】
また、プレーヤグループについても同様に、プレーヤキャラクタ及び味方キャラクタそれぞれを、戦闘フィールドのプレーヤ領域AR1に定められた隊形で配置する。
【0068】
その後、プレーヤグループと敵グループとの戦闘を開始する。戦闘では、プレーヤキャラクタについては、操作入力部110から入力されるプレーヤ操作指示に従って制御し、他のNPC(味方キャラクタ及び敵キャラクタ)については、所定の制御ルーチンに従って制御する。
【0069】
戦闘中に敵キャラクタが戦闘不能となると、戦闘制御部212は、当該敵キャラクタを戦闘フィールドから消去する。そして、未出現の対戦敵キャラクタのうちから、出現条件を満たすよう、新たに出現させる敵キャラクタを決定する。すなわち、未出現の対戦敵キャラクタのうちから、決定した出現優先順位に従って、出現中の各敵キャラクタの描画コストと新たに出現させる敵キャラクタの描画コストとの和が所定のコスト上限を超えないよう、敵キャラクタを選択する。そして、選択した敵キャラクタに定められた該当する敵グループの隊形における位置を、当該敵キャラクタの出現位置とする。このとき、この出現位置が既に戦闘フィールドに存在する他のキャラクタ(敵キャラクタやプレーヤキャラクタ、味方キャラクタ)と重なる場合には、当該出現位置を、他のキャラクタと重ならない位置に変更する。
【0070】
そして、プレーヤグループ或いは全ての敵グループの何れかが戦闘不能となると、戦闘を終了する。戦闘の勝敗は、全ての敵グループの敵キャラクタが戦闘不能となったのならばプレーヤの勝利とし、逆に、プレーヤグループの全てのキャラクタが戦闘不能となったのならばプレーヤの敗北とする。
【0071】
図11に戻り、画像表示部120は、画像生成部220からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画像を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばCRTやLCD、ELD、PDP等によって実現される。図1では、ディスプレイ1302がこれに該当する。
【0072】
音出力部130は、音生成部230からの音信号に基づいてBGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカによって実現される。図1では、スピーカ1304がこれに該当する。
【0073】
通信部140は、処理部200からの制御信号に従って通信回線Nに接続し、外部装置とのデータ通信を行う。この機能は、無線通信モジュール、TA、ルータ、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1では、通信装置1112がこれに該当する。
【0074】
記憶部300は、処理部200にゲームシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームの実行に必要なプログラムやデータ等を記憶するとともに、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部110からの入力データ等を一時的に格納する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、MO、RAM、CD−ROM、DVD等によって実現される。図1では、制御ユニット1110に実装されたICメモリ、光学ディスク1122やメモリカード1124がこれに該当する。本実施形態では、記憶部300には、プログラムとして、ゲームプログラム310が記憶されるとともに、データとして、プレーヤグループデータ321と、敵キャラDB325と、コストテーブル331と、対戦敵キャラリスト332と、遭遇条件データ333と、リンク条件データ334と、出現条件データ335とが記憶される。
【0075】
[処理の流れ]
図16は、ゲーム処理のフローチャートである。同図によれば、先ず、マップ制御部211がマップ処理(マップシーン処理)を行う。このマップ処理では、マップ制御部211は、マップフィールドにプレーヤシンボル及び複数の敵シンボルを配置し、プレーヤの操作指示に従ってプレーヤシンボルを制御するとともに、各敵シンボルを所定の制御ルーチンに従って制御する(ステップA1)。
【0076】
また、プレーヤシンボルと敵シンボルそれぞれの間の距離Dを監視し、遭遇条件を満たす敵シンボルの有無を判定する。遭遇条件を満たす敵シンボルが有るならば(ステップA3:YES)、更に、当該遭遇条件を満たした時点において、リンク条件を満たす敵シンボルが有るかを判断する。
【0077】
リンク条件を満たす敵シンボルが有るならば(ステップA5:YES)、所定の遭遇&リンク演出を行った後(ステップA7)、戦闘制御部212が戦闘処理(図17参照)を行う(ステップA11)。ここで、遭遇&リンク演出処理としては、例えば図3のマップ画面のように、プレーヤシンボルPSと遭遇した敵シンボルESの間に所定のエフェクトEF1を表示するとともに、プレーヤシンボルPSとリンクした敵シンボルESそれぞれとの間に所定のエフェクトEF2を表示する処理や、この表示に合わせて所定の音声出力を行う処理がある。
【0078】
一方、リンク条件を満たす敵シンボルが無いならば(ステップA5:NO)、所定の遭遇演出を行った後(ステップA9)、戦闘制御部212が戦闘処理(図17参照)を行う(ステップA11)。ここで、遭遇演出としては、例えば図3のマップ画面のように、プレーヤシンボルPSと遭遇した敵シンボルESとの間に所定のエフェクトEF1を表示する処理や、この表示に合わせて所定の音声出力を行う処理がある。
【0079】
また、ゲーム演算部210は、プレーヤから隊形変更を指示されたならば(ステップA13:YES)、プレーヤの操作指示に従ってプレーヤグループの隊形の変更処理を行う(ステップA15)。続いて、ゲームを終了するか否かを判断し、終了しないならば(ステップA17:NO)、ステップA1に戻る。終了するならば(ステップA17:YES)、ゲーム処理を終了する。
【0080】
図17は、戦闘処理を説明するフローチャートである。同図によれば、先ず、遭遇した敵シンボル及びリンクした敵シンボルそれぞれを表す敵グループの敵キャラクタを、当該戦闘において対戦する敵キャラクタ(対戦敵キャラクタ)とする。次いで、これらの対戦敵キャラクタの出現優先順位を決定する(ステップB1)。すなわち、遭遇した敵シンボルの敵グループの敵キャラクタの出現優先順位を最も高くし、次いで、リンクした敵シンボルのうち、リンク時のプレーヤシンボルとの距離Dが短い順に、敵キャラクタの出現優先順位を高くする。
【0081】
続いて、対戦敵キャラクタのうちから、最初に戦闘フィールドに出現させる敵キャラクタを決定する(ステップB3)。すなわち、対戦敵キャラクタのうちから、出現優先順位に従って、各敵キャラクタの描画コストの和が所定のコスト上限を超えないように敵キャラクタを選択し、最初に出現させる敵キャラクタとする。そして、出現させると決定した敵キャラクタそれぞれについて、該当する敵グループの隊形における当該敵キャラクタの位置を、戦闘フィールドにおける出現位置とする(ステップB5)。この結果、互いに重なる敵キャラクタが有るかを判断し、有るならば(ステップB7:YES)、この重なる敵キャラクタについて、出現優先順位が低い方の敵キャラクタの出現位置を、他のキャラクタと重ならないように変更する(ステップB9)。そして、これらの敵キャラクタを、決定した出現位置に配置して戦闘フィールドに出現させる(ステップB11)。
【0082】
その後、各キャラクタの攻撃制御を行う(ステップB13)。すなわち、プレーヤキャラクタについては、プレーヤの操作指示に従って制御し、その他のNPC(味方キャラクタ及び敵キャラクタ)については、所定の制御ルーチンに従って制御する。
【0083】
その結果、敵キャラクタが戦闘不能となったならば(ステップB15:YES)、その戦闘不能となった敵キャラクタを消去する。また、未だ出現させていない敵キャラクタが有るかを判断し、未出現の敵キャラクタが有るなら(ステップB17:YES)、この未出現の敵キャラクタのうちから、次に出現させる敵キャラクタを決定する(ステップB19)。すなわち、未出現の敵キャラクタのうちから、出現優先順位に従って、出現中の各敵キャラクタの描画コストと新たに出現させる敵キャラクタの描画コストの和が所定のコスト上限を超えないよう、新たに出現させる敵キャラクタを選択する。
【0084】
次いで、決定した敵キャラクタについて、該当する敵グループの隊形における当該敵キャラクタの位置を、戦闘フィールドにおける出現位置とする(ステップB21)。続いて、この敵キャラクタを新たに戦闘フィールドに配置することで、既に戦闘フィールドに配置されている他のキャラクタと重なるかを判断し、他のキャラクタに重なるならば(ステップB23:YES)、この敵キャラクタの出現位置を、他のキャラクタに重ならない位置に変更する(ステップB25)。そして、この敵キャラクタを、決定した出現位置に配置して戦闘フィールドに新たに出現させる(ステップB27)。
【0085】
また、戦闘制御部212は、各キャラクタの攻撃処理の結果、戦闘が終了したかを判断し、終了していないならば(ステップB29:NO)、ステップB15に戻り、同様の処理を繰り返す。戦闘が終了したならば(ステップB29:YES)、戦闘処理を終了する。
【0086】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0087】
(A)戦闘フィールドへの各グループの出現
例えば、上述の実施形態では、戦闘フィールドにプレーヤグループと敵グループとが出現する際には、所定の領域に互いに向かい合うように出現することとしたが、これを、マップフィールドにおいてプレーヤシンボルと敵シンボルとが遭遇したときの当該シンボル間の相対的な位置関係に応じた向きに配置して出現させることとしても良い。このとき、プレーヤシンボル及び敵シンボルそれぞれに「向き」を定めておく。この「向き」は、シンボルの体や顔が向いている方向であっても良いし、移動方向としても良い。
【0088】
(A−1)
例えば、プレーヤシンボルと敵シンボルとの遭遇時の相対的な位置関係を、戦闘フィールドにおいて維持することとする。具体的には、図18(a)は、マップフィールドにおける、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの遭遇時の位置関係を示している。同図(a)では、プレーヤシンボルPSが敵シンボルES1に遭遇しているとともに、敵シンボルES2にリンクしている。そして、プレーヤシンボルPSと敵シンボルES1,ES2それぞれとの相対的な位置関係は、次のようになっている。すなわち、プレーヤシンボルPSの位置及び向きを基準とすると、敵シンボルES1はプレーヤシンボルの「左方」に位置し、その向きは「右方向」となっている。また、敵シンボルES1はプレーヤシンボルPSの「右前方」に位置し、その向きは「左後方」となっている。このマップフィールドにおけるシンボル間の遭遇時の相対的な位置関係を、そのまま、戦闘フィールドにおける当該シンボルに対応する各グループの出現時の相対的な位置関係とする。
【0089】
同図(b)は、同図(a)の各シンボルに該当する各グループの戦闘フィールドへの出現時の位置関係を示している。同図(b)において、プレーヤグループPGと各敵グループEG1,EG2との相対的な位置関係は、同図(a)におけるプレーヤシンボルPSと敵シンボルES1,ES2それぞれとの相対関係を維持している。すなわち、プレーヤグループPGの位置及びその隊形の向きを基準とすると、プレーヤグループPGの「左方向」に敵グループEG1が位置し、この敵グループEG1の隊列の向きは「右方向」である。また、プレーヤグループPGの「右前方」に敵グループEG2が位置し、この敵グループEG2の隊列の向きは「左後方」である。なお、マップフィールドにおけるシンボル間の距離Dに関わらず、戦闘フィールドにおけるグループ間の距離は一定にすることとしても良いし、マップフィールドにおけるシンボル間の距離Dに応じて戦闘フィールドにおける各グループ間の距離を可変することとしても良い。
【0090】
(A−2)
また、マップフィールドにおけるプレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの遭遇時の相対的な位置関係が所定の位置関係である場合に、プレーヤグループの出現時の隊形の向きを、通常とは逆方向としても良い。
【0091】
例えば、図19(a)は、マップフィールドにおけるプレーヤシンボルPSと敵シンボルESとの遭遇時の位置関係を示している。同図(a)において、プレーヤシンボルPSは、その「背後(後方)」で敵シンボルESに接触している。このような場合には、同図(b)に示すように、戦闘フィールドにおけるプレーヤグループPGの出現時の隊形の向きを、通常とは逆方向とする。すなわち、敵グループEGについては、その隊列の向きがプレーヤグループPGの方を向いて配置され、プレーヤグループPGについては、その隊列の向きが敵グループEGとは逆の方を向いて配置される。
【0092】
(B)リンク条件
また、上述の実施形態では、リンク条件を「プレーヤシンボルPSと敵シンボルES間の距離Dが所定距離Db以下である」としたが、更に、シンボルの向きの条件を含めることとしても良い。例えば、リンク条件を「プレーヤシンボルPSと敵シンボルES間の距離Dが所定距離Db以下であり、且つ、敵シンボルESの向きがプレーヤシンボルPSの方を向いている」とする。ここで、敵シンボルESがプレーヤシンボルPSの方を向いているかは、次のように判断する。すなわち、図20に示すように、敵シンボルESの向きの方向と、当該敵シンボルESからプレーヤシンボルPSに向かう方向とがなす角度θが所定の角度以下ならば、当該敵シンボルESはプレーヤシンボルPSの方を向いているとみなす。このようにすることで、敵シンボルESが仮想的な視界を持つかのような処理を実現できる。
【0093】
(C)遭遇条件及びリンク条件
また、敵シンボル毎に、遭遇条件及びリンク条件が異なることとしても良い。具体的には、例えば、図21の遭遇&リンク条件テーブル341のように、敵シンボル341aそれぞれについて、遭遇条件341bと、リンク条件341cとを対応付けて定めておく。そして、マップフィールドにおいては、プレーヤシンボルPSと敵シンボルESそれぞれとの間の距離Dが、当該敵シンボルESの遭遇条件やリンク条件を満たすかを判断する。
【0094】
(D)ゲーム装置
また、上述の実施形態では、本発明を家庭用のゲームシステムに適用した場合を説明したが、業務用のゲーム装置や携帯型ゲーム装置等、何れの形態のゲーム装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ゲームシステムの外観例。
【図2】マップ画面の一例。
【図3】敵シンボルとの遭遇時のマップ画面の一例。
【図4】敵シンボルとの遭遇及びリンクの説明図。
【図5】戦闘画面の一例。
【図6】戦闘フィールドに出現させる敵キャラクタの決定方法の説明図。
【図7】戦闘フィールドの説明。
【図8】グループの隊形の一例。
【図9】戦闘フィールドへのキャラクタの出現の説明図。
【図10】2つの敵グループを出現させる場合の説明図。
【図11】ゲームシステムの機能構成例。
【図12】プレーヤグループデータのデータ構成例。
【図13】敵キャラDBのデータ構成例。
【図14】対戦敵キャラリストのデータ構成例。
【図15】コストテーブルのデータ構成例。
【図16】ゲーム処理のフローチャート。
【図17】ゲーム処理中に実行される戦闘処理のフローチャート。
【図18】遭遇時の各シンボルの位置関係と、出現時の各グループの位置関係の説明図。
【図19】遭遇時の各シンボルの位置関係と、出現時の各グループの位置関係の説明図。
【図20】向きの判断。
【図21】遭遇&リンク条件テーブルのデータ構成例。
【符号の説明】
【0096】
1000 ゲームシステム
200 処理部
210 ゲーム演算部、211 マップ制御部、212 戦闘制御部
300 記憶部
310 ゲームプログラム
321 プレーヤグループデータ、325 敵キャラDB
331 コストテーブル、332 対戦敵キャラリスト
333 遭遇条件データ、334 リンク条件データ、335 出現条件データ
PS プレーヤシンボル、PC プレーヤグループ
PC プレーヤキャラクタ、AC 味方キャラクタ
ES 敵シンボル、EG 敵グループ、EC 敵キャラクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
プレーヤキャラクタと味方キャラクタでなるプレーヤキャラクタ群を1つの表示体で表したPC群表示体と、敵キャラクタでなる敵キャラクタ群を1つの表示体で表した複数の敵群表示体とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成してマップシーン処理を実行するマップシーン処理実行手段、
前記マップシーン処理において前記PC群表示体と前記敵群表示体との接触を検出する接触検出手段、
前記接触検出手段による検出の際に、接触した敵群表示体以外の敵群表示体と前記PC群表示体との相対的な位置関係が、戦闘に参入させる位置関係の条件である所定の戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体を抽出する抽出手段、
前記接触検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤキャラクタ群と、当該検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とを所定の戦闘フィールドに配置した画像を生成して戦闘シーン処理を実行する戦闘シーン処理実行手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記抽出手段が、少なくとも前記マップフィールドにおける前記PC群表示体と前記敵群表示体間の距離及び/又は相対的な向きに基づいて前記抽出を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記マップシーン処理から前記戦闘シーン処理に処理が移行される際に、前記抽出手段により抽出された敵群表示体を識別表示する識別表示手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記敵キャラクタ群それぞれに前記戦闘参入位置関係条件が設定されており、
前記抽出手段が、各敵キャラクタ群に対応して設定されている前記戦闘参入位置関係条件を用いて、当該戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体を抽出する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
各前記敵キャラクタにはキャラクタモデルのモデルサイズを示すモデル指標値が予め設定されており、
前記戦闘シーン処理実行手段が、
前記接触検出手段により検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とに含まれる各敵キャラクタの出現判定順位を規定する出現判定順位規定手段と、
出現させる敵キャラクタの指標値の合計が所定の指標合計最大値以下となるように、前記出現判定順位に従って敵キャラクタを選択し、前記戦闘シーン処理中に敵キャラクタが戦闘不能となった場合には、当該戦闘不能となった敵キャラクタを除く出現中の敵キャラクタの指標値と新たに出現させる敵キャラクタの指標値の合計が前記指標合計最大値以下となるように新たに出現させる敵キャラクタを前記出現判定順位に従って選択する敵キャラクタ選択手段と、
前記戦闘不能となった敵キャラクタを前記戦闘フィールドから消去し、前記敵キャラクタ選択手段により選択された敵キャラクタを前記戦闘フィールドに配置するキャラクタ配置制御手段と、
を有する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記出現判定順位規定手段が、前記接触検出手段により検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位を、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群の各敵キャラクタの出現判定順位より優先した順位に規定するように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記敵キャラクタ群それぞれについて、当該敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの隊形が予め設定されており、
前記キャラクタ配置制御手段が、前記接触検出手段により検出された敵群表示体及び前記抽出手段により抽出された敵群表示体それぞれが表す各敵キャラクタ群に設定された隊形に基づいて、当該各敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの前記戦闘フィールドにおける配置位置を決定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記戦闘フィールドには、敵キャラクタ群の出現領域が設定されており、
前記隊形として、前記敵キャラクタ群を構成する各敵キャラクタの前記出現領域中の出現位置が予め設定されており、
前記キャラクタ配置制御手段が、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性有りと判定された場合に当該出現させるキャラクタの位置をずらして前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記戦闘フィールドは、プレーヤキャラクタ群の出現領域と敵キャラクタ群の出現領域とが区分して設定されており、
前記接触検出手段が、接触時の前記PC群表示体と前記敵群表示体との相対向きを判定する相対向き判定手段を有し、
前記キャラクタ配置制御手段が、前記戦闘シーン処理開始時に前記プレーヤキャラクタ群を構成する各キャラクタを前記プレーキャラクタ群の出現領域に配置する際に、前記相対向き判定手段の判定結果に応じて、前記敵キャラクタ群の出現領域に対して正方向の隊形で配置するか、逆方向の隊形で配置するかを切り替えて配置するPC群配置制御手段を有する、
請求項5〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記キャラクタ配置制御手段が、前記接触検出手段による検出がなされた際の前記PC群表示体に対する、当該検出された敵群表示体と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体との前記マップフィールドにおける相対位置関係に従って、当該各敵群表示体が表す各敵キャラクタ群の前記戦闘フィールドにおける隊形位置を決定し、決定した隊形位置に基づいて、前記敵キャラクタ選択手段により選択された敵キャラクタを前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項7に記載のプログラム。
【請求項11】
前記キャラクタ配置制御手段が、出現させるキャラクタが他のキャラクタと重なる可能性を判定し、可能性有りと判定された場合に当該出現させるキャラクタの位置をずらして前記戦闘フィールドに配置する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。
【請求項13】
プレーヤキャラクタと味方キャラクタでなるプレーヤキャラクタ群を1つの表示体で表したPC群表示体と、敵キャラクタでなる敵キャラクタ群を1つの表示体で表した複数の敵群表示体とを所定のマップフィールドに配置した画像を生成してマップシーン処理を実行するマップシーン処理実行手段と、
前記マップシーン処理において前記PC群表示体と前記敵群表示体との接触を検出する接触検出手段と、
前記接触検出手段による検出の際に、接触した敵群表示体以外の敵群表示体と前記PC群表示体との相対的な位置関係が、戦闘に参入させる位置関係の条件である所定の戦闘参入位置関係条件を満たす敵群表示体を抽出する抽出手段と、
前記接触検出手段による検出がなされた場合に、前記プレーヤキャラクタ群と、当該検出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群と、前記抽出手段により抽出された敵群表示体が表す敵キャラクタ群とを所定の戦闘フィールドに配置した画像を生成して戦闘シーン処理を実行する戦闘シーン処理実行手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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