説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 同時に2つの指示操作を入力してプレーヤキャラクタを操る新しい感覚のゲームを実現する。
【解決手段】タッチパネル1409に為された2点タッチ操作の接触位置座標から入力長さLを算出し、入力長さLに基づいてプレーヤキャラクタ2の声の音種類と口の開け具合を決定する。入力タイミングガイド8をテキスト6に沿って流れ表示させ、同ガイドがテキスト6の文字に重なったタイミングで、入力長さLに基づいて決定された音種類の音をスピーカ1410から放音させるとともに、プレーヤキャラクタ2を入力長さLに基づいて決定された口元形状となるように変形制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに所定のゲームを実行させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
任天堂社製のゲーム機「ニンテンドーDS(登録商標)」のように、表示画面上で接触操作入力を可能にするタッチパネルを搭載した携帯型ゲーム装置が知られている。こうした接触操作入力を利用したゲームは、ボタン操作のみで操作入力するゲームに比べてより直感的な操作入力ができるとしてユーザから高い人気を得ている。
【0003】
例えば、プレーヤキャラクタの移動操作入力をするとともに、タッチパネル上を所定速度以上で且つ所定長さ以上のスライド操作(表示画面上のタッチパネルを擦るように行う操作)をすることで直感的な攻撃操作入力を可能にするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして更には、タッチパネルへ2点タッチしてゲームプレイするものも知られている。例えば、同時に2点のタッチ位置座標を検出可能なタッチパネルを用いて、プレーヤがタッチした2点間の距離及び2点間を結ぶ線分の角度の少なくとも一方の変化量を算出し、算出した変化量に基づいてキャラクタの移動速度及び旋回角度の動作パラメータを制御するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−325695号公報
【特許文献2】特開2006−34754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の技術背景のもと、同時に2つの指示操作を入力してプレーヤキャラクタを操る新しい感覚のゲームを実現することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、コンピュータを、2つの指示入力が同時に可能な操作入力部(例えば、図1のタッチパネル1409)に入力された前記2つの指示入力に基づいて、入力長さを算出する入力長さ算出手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、入力長さ算出部216、図8のステップS18)、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、伸縮変形可能なオブジェクト(例えば、図2のプレーヤキャラクタ2)の伸縮変形を制御する伸縮変形制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、口元形状制御部222、図6のキャラクタ設定データ512、図8のステップS64〜S68)、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、ゲーム演算部210、図8のステップS28〜S32、S72〜S74)、として機能させるためのプログラムである。
【0008】
或いは別形態として、2つの指示入力が同時に可能な操作入力部例えば、図1のタッチパネル1409)と、
前記操作入力部に入力された前記2つの指示入力に基づいて、入力長さを算出する入力長さ算出手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、入力長さ算出部216、図8のステップS18)と、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、伸縮変形可能なオブジェクトの伸縮変形を制御する伸縮変形制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、口元形状制御部222、図6のキャラクタ設定データ512、図8のステップS64〜S68)と、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、ゲーム演算部210、図8のステップS28〜S32、S72〜S74)と、を備えたゲーム装置として実現することができる。
【0009】
ここで言う「同時」とは、物理的な時間の同時性ではなく、プレーヤの操作感覚として同時性が得られる程度であれば良い意味である。
第1の発明によれば、プレーヤの操作感覚として同時に為した2つの指示入力で、伸縮変形可能なオブジェクトを伸縮変形させながら進める新しい感覚のゲームを実現できる。
【0010】
第2の発明は、前記操作入力部は、2点タッチ可能なタッチパネルであり、
前記入力長さ算出手段が、前記タッチパネルへの接触操作に基づいて同時接触されている2点間の距離を入力長さとして算出するように前記コンピュータを機能させるための第1の発明のプログラムである。
【0011】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、入力長さを直感的で分かりやすい操作で指示することができるようになる。
【0012】
第3の発明は、前記ゲーム進行制御手段が、前記入力長さ算出手段により算出された入力長さを所定の長さ条件と比較して評価する評価手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、音種類判定部218、図5の適正長さ510f、図8のステップS20、S26〜S34)を有し、当該評価結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0013】
第4の発明は、前記ゲーム進行制御手段が、所定の入力期間に前記入力長さ算出手段により算出された入力長さを所定の長さ条件と比較して評価する評価手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図27の処理部200、ゲーム演算部210G、ポイント算出部260、図28の基準長さ528d、図29のポイント算出関数データ554、図30のステップS264〜S270)を有し、当該評価結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0014】
第3及び第4の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、入力長さに応じた評価がなされ、ゲーム進行が様々に変化する。
【0015】
第5の発明は、前記伸縮変形されたオブジェクトに応じて音を変更して出力制御する音出力制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、音種類決定部218、音声合成部220、図8のステップS24〜S26、S36〜S40)、
前記出力制御された音が予め定められた正解音に適合するか否かを判定する判定手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図4の処理部200、ゲームポイント算出部224、図5のお題データ510、正解母音種類510g、図8のステップS28〜S34)、として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記判定手段の判定結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0016】
第5の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、伸縮変形されたオブジェクトに応じて音を変更して音出力を制御することができる。そして、その出力制御される音種類が予め定められた正解音に適合するか否かでゲームを進行させることができる。
【0017】
また、第6の発明として、前記音出力制御手段が、子音を前記正解音と同じ子音とし、母音を前記伸縮変形されたオブジェクトに応じて変更して出力する制御を行うように前記コンピュータを機能させるための第5の発明のプログラムを構成することとしてもよい。
【0018】
第7の発明は、前記音出力制御手段が、前記算出された入力長さに対応付けて定められた音を、前記伸縮変形されたオブジェクトに応じた音として出力制御し、
前記判定手段が、前記算出された入力長さが予め定められた正解の長さに適合するか否かによって、前記出力制御された音が前記正解音に適合するか否かを判定する、ように前記コンピュータを機能させるための第5又は第6の発明のプログラムである。
【0019】
第7の発明によれば、第5又は第6の発明と同様の効果を奏するとともに、入力長さに応じた音をオブジェクトの伸縮変形とともに音出力することができる。よって、入力長さを調整することでオブジェクトを伸縮制御させつつ、あたかもその伸縮に応じて異なる音が出力されるように制御し、上手く正解音を出せるかどうかをゲーム的な要素に含む斬新なゲームを実現することができる。
【0020】
第8の発明は、前記音出力制御手段が、所定の音を、前記算出された入力長さに対応付けて定められた変調方式で変調して出力する制御を行うことで、前記伸縮変形されたオブジェクトに応じた音として出力制御するように前記コンピュータを機能させるための第5又は第6の発明のプログラムである。
【0021】
第8の発明によれば、第5又は第6の発明と同様の効果を奏するとともに、入力長さでオブジェクトの伸縮を制御するとともに、入力長さに応じた変調方式で変調された音を出力する斬新なゲームを実現することができる。
【0022】
また、第9の発明は、入力すべき入力長さを指示する指示表示体(例えば図26の音符90)を、入力すべきタイミングを示す入力タイミング位置(例えば図26の入力ライン92)に向けて移動表示制御する入力指示表示制御手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記ゲーム進行制御手段が、前記指示表示体が前記入力タイミング位置に位置した際に、前記入力長さ算出手段により算出された入力長さと、当該指示表示体が指示する入力長さとの異同に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0023】
この第9の発明によれば、入力すべき入力長さと、入力すべきタイミングとを指示することによって、例えば音楽ゲームのようなゲーム進行を実現することが可能となる。
【0024】
第10の発明は、前記伸縮変形制御手段が、口を有するキャラクタの前記口を前記オブジェクトとして、伸縮変形するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第9の何れかの発明のプログラムである。
【0025】
第10の発明によれば、入力長さを調整することによってキャラクタの口の開け具合を制御するという特異なゲームを実現することができる。
【0026】
第11の発明は、2体の移動体(例えば、図15の第1キャラクタ部32、第2キャラクタ部34)を所定方向に移動させる制御を行う移動体移動制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、ゲーム演算部210、図19のステップS118、S134)、
前記オブジェクトの前記伸縮変形に応じて前記2体の移動体の距離を変更する距離変更手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、ゲーム演算部210、図19のS130〜S134)、
前記2体の移動体の距離の許容範囲である許容距離範囲(例えば、図15において第1キャラクタ部32,第2キャラクタ部34の位置におけるコース40,42の間隙)を変化させる許容距離範囲変更手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図17の処理部200、ゲーム演算部210、コース設定データ540、図19のステップS100、ステップS118、S134)、として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記2体の移動体の距離が前記許容距離範囲内か否かに基づいて、前記移動制御手段による前記移動体の移動を継続させるか否かを決定してゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0027】
第11の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、同時に為される2つの指示入力に応じて2体の移動体の距離を変更し、変更された距離が許容距離範囲であるか否かに応じて、移動体が更に移動出来るか否かが決まる従来に無いゲームを実現することができる。
【0028】
第12の発明は、前記オブジェクト(例えば、図20のプレーヤキャラクタ60)を移動させる制御を行う移動制御手段(例えば、図23の処理部200、ゲーム演算部210、図25のステップS210〜S212)、
伸縮変形された前記オブジェクトの正解の形態を示す正解形態を提示する正解形態提示手段(例えば、図20のマップ78、通過枠76、図23の処理部200、ゲーム演算部210、図25のステップS208)、として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記伸縮変形制御手段によって伸縮変形された前記オブジェクトの形態が前記正解形態か否かに基づいて、前記移動制御手段による前記オブジェクトの移動を継続させるか否かを決定してゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0029】
第12の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、入力長さに応じて伸縮変形されるオブジェクトを移動させつつ、提示された正解形態との適合度合いに基づいて、当該オブジェクトの移動を継続させるか否かが決定される従来に無いゲームを実現することができる。
【0030】
第13の発明は、入力すべき前記入力長さをプレーヤに提示する操作ガイド提示手段(例えば、図2の適正長さガイド12、図4の操作ガイド制御部212、図8のステップS14)として前記コンピュータを更に機能させるための第1〜第12の何れかの発明のプログラムである。
【0031】
第13の発明によれば、第1〜第12の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、プレーヤに操作の目安となるガイドを提示することができる。
【0032】
第14の発明は、前記操作ガイド提示手段が、入力すべき入力長さと前記入力長さ算出手段により算出された入力長さとの異同度合をプレーヤに表示制御する異同度合表示制御手段(例えば、図4の操作ガイド制御部212、図8のステップS20〜S22)を有するように前記コンピュータを機能させるための第13の発明のプログラムである。
【0033】
第14の発明によれば、第13の発明と同様の効果を奏するとともに、入力すべき入力長さと入力されている入力長さとの異同度合をプレーヤに示し、より操作性を高めることができる。
【0034】
第15の発明は、第1〜第14の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0035】
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第15の発明によれば、第1〜第14の何れか一つの発明のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜14の何れか一つの発明と同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図。
【図2】第1実施形態における操作例とゲーム画面例を示す図。
【図3】入力長さLとプレーヤキャラクタの発音との関連づけの原理を説明する図。
【図4】第1実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図5】お題データのデータ構成例を示す図。
【図6】キャラクタ設定データのデータ構成例を示す図。
【図7】ポイント算出基準範囲設定データのデータ構成例を示す図。
【図8】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図9】第1実施形態の変形例における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図10】第2実施形態における操作例とゲーム画面例を示す図。
【図11】第2実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図12】お題データのデータ構成例を示す図。
【図13】変調パターン設定データのデータ構成例を示す図。
【図14】第2実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】第3実施形態における操作例とゲーム画面例を示す図。
【図16】第3実施形態における操作例とゲーム画面例を示す図。
【図17】第3実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図18】マップ設定データのデータ構成例を示す図。
【図19】第3実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図20】第4実施形態におけるゲーム画面例を示す図。
【図21】第4実施形態における入力長さLに対応するプレーヤキャラクタの変形態様の一例を示す概念図。
【図22】第4実施形態におけるゲーム画面例を示す図。
【図23】第4実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図24】マップ設定データのデータ構成例を示す図。
【図25】第4実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図26】第5実施形態におけるゲーム画面例を示す図。
【図27】第5実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図28】基準符合流れ制御設定データのデータ構成例を示す図。
【図29】ポイント算出関数データのデータ構成例を示す図。
【図30】第5実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図31】ゲーム装置の第1の変形例を示す外観図。
【図32】ゲーム装置の第1の変形例において第1実施形態のゲームを実行する場合のゲーム画面の構成例を示す図。
【図33】ゲーム装置の第2の変形例を示す外観図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔第1実施形態〕
次に、本発明を適用した第1実施形態として、液晶ディスプレイ上に2点タッチ操作が可能なタッチパネルを搭載した携帯型ゲーム装置を構成して、2点タッチ操作を用いたゲームを実行する例を説明する。
【0038】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図である。本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、プレーヤがゲーム操作を入力するための方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在なフリップフロップ型の装置本体1401に備えている。そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表面には、スタイラスペン1416や指などで触れることによって表示画面の複数位置を同時に接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されて構成される。
【0039】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440にデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0040】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交Xt,Yt軸座標系における接触位置座標を、接触点毎に制御ユニット1450へ出力することができる。
【0041】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。また、無線通信モジュール1412や、3軸加速度センサ1422、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0042】
3軸加速度センサ1422は、携帯型ゲーム装置1400の姿勢変化や位置変化を検出するために直交するX軸・Y軸・Z軸の3軸方向の加速度を検出し、検出信号を制御ユニット1450へ出力する。尚、加速度センサの代わり、又は更なる機能追加としてジャイロセンサを備える構成としても良い。或いは地磁気を基準として位置や姿勢変化を検出する磁気センサを更に機能追加してもよい。
【0043】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御して、音楽ゲームを実行する。
【0044】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部の装置からダウンロードする構成としても良い。
【0045】
[ゲーム及び操作入力方法の概要]
図2は、本実施形態におけるゲーム画面例と基本的な操作入力例を示す図である。
本実施形態のゲームでは、第1液晶ディスプレイ1406にプレーヤキャラクタ2が登場するゲーム画面W2が表示され、第2液晶ディスプレイ1408にはプレーヤキャラクタ2の発音に伴い伸縮される部位(本実施形態では口元)の拡大図を背景とした操作ガイド画面W4が表示され、ゲーム音がスピーカ1410から放音される。プレーヤは、操作ガイド画面W4に重なるタッチパネル1409へ、例えば二本の指を同時に接触させる「2点タッチ操作」をしてゲームプレイする。
【0046】
ゲーム画面W2には、プレーヤキャラクタ2が発声するシチュエーションが表現される。本実施形態では、プレーヤキャラクタ2はおじいちゃんキャラクタ4からお年玉を貰おうとしている。お年玉を貰うためには、年始の挨拶「あけましておめでとう」を正しく言わなければならない。
【0047】
プレーヤキャラクタ2の年始挨拶の発声は、一連のタイミングで一音ずつ発せられる。挨拶の言葉は操作ガイド画面W4に表示されるテキスト6で示され、各音の発せられるタイミングはテキスト6に沿って画面左から右に流れるように表示制御される入力タイミングガイド8が重なったタイミングとされる。そして、各タイミングで実際にスピーカ1410から音出力される音は、プレーヤが適正長さガイド12を参照してタッチパネル1409へ接触させる二本の指の間隔を調整して為す入力長さLによって決定される。
【0048】
尚、適正長さガイド12は、入力タイミングガイド8が重なったテキスト6の文字に対応する音を発するのに適正な長さ、つまりはそのタイミングで入力すべき適正な長さを示す表示物であり、ゲーム進行中は自動的に伸長表示処理される。本実施形態では、プレーヤキャラクタ2の口元拡大図の口の横方向両端に配置されて、指を置く位置の目安を示す2つの円と、それらを結ぶ直線とで構成されている。適正長さガイド12は、プレーヤが右利き用ならば右端が左端より画面上側寄りとなるように、左利きならば右端が左端より画面下側寄りとなるように、傾斜させて表示させるように設定可能とすると、入力操作時に手首をひねる量が減るので操作性が向上し好適である。
【0049】
図3は、入力長さLとプレーヤキャラクタ2の発音との関連づけの原理を説明する図である。例えば、プレーヤキャラクタ2が日本語を発音する場合、「あ」「い」「う」「え」「お」各母音を発音するときの口の開度は、(1)口の横方向の長さ(2)口の縦方向の長さの優先順で着目すると、概ね「う」「お」「え」「あ」「い」の順で大きくなると見なせる。
【0050】
そこで、本実施形態では、入力タイミングガイド8が重なっているテキスト6の文字の仮名行種類(「ア」「カ」「サ」「タ」「ナ」「ハ」「マ」「ヤ」「ラ」「ワ」の各行種)を自動的に適用し、入力長さLに応じて母音種が変化するようにして(入力長さLが大きくなるにつれて「う」「お」「え」「あ」「い」の順に比例的に変化する)ようにして一音を音声合成し、合成された音声をスピーカ1410から音出力する。音声合成処理の手法は、公知技術を適宜利用可能であるが、入力長さLを口の開度に相関させ、連続的に音の波形を変化させるのでフォルマン合成方式が好適である。
【0051】
より具体的には、先ず入力タイミングガイド8が「あけましておめでとう」の「あ」に重なったタイミングでは、仮名行種類は自動的にア行と設定される。その時入力された入力長さLが、所定の「あ」母音基準長Laと所定の「え」母音基準長Leの中間の場合には、「え」と「あ」の何れに近いかその比率に応じた「え」と「あ」の中間の音が合成される。
次いで入力タイミングガイド8が「あけましておめでとう」の「け」に重なったタイミングでは、仮名行種類は自動的にカ行に設定される。そして、入力長さLが上手く母音の「え」母音基準長Leに近ければ、「け」にきわめて近い音が合成される。しかし、入力長さLがそれより短く、母音の「お」母音基準長Loに近ければ、「こ」に近い音が合成される。尚、タッチパネル1409に入力が為されていなければ、何れの音もプレーヤキャラクタ2は発音しないように制御される。
【0052】
また、本実施形態では、合成された音声の音出力とともに、プレーヤキャラクタ2の口元形状が、合成された音に対応するように連続的に変形制御される。すなわち、「あ」の音が合成された場合には口元は「あ」の音を発する時の形状で表示され(キャラクタ2a)、「え」の音が合成された場合には口元は「え」の音を発する時の形状で表示される(キャラクタ2e)。「あ」と「え」の中間音が合成された場合には、口元も「あ」と「え」の中間の形状で表示される。例えば、「あ」と「え」の口元形状のデータからモーフィング処理で中間形状を求めて制御する。或いは、予め用意されている中間形状の画像に差し替えたり、変形させるとしても良い。
【0053】
また、ゲームポイントについては、入力長さLを予め設定されている各母音種類のポイント算出基準範囲Ru、Ro、Re、Ra、Riと比較して、操作入力された母音種類を判定する。これが、入力タイミングガイド8が重なっているテキスト6の文字の母音種類と合致していれば例えば10ポイント加算され、不一致だが隣接する他母音種類であればそれよりは低い5ポイントを加算し、それ以外はポイントは加算されない。
尚、隣接する他母音種類とは、正解が「お」母音であれば「う」と「え」がこれに該当する。正解が「う」であれば「お」のみがこれに該当し、正解が「い」であれば「あ」のみがこれに該当する。
【0054】
また、操作ガイドに関しては、適正操作ガイド表示12が現在示す適正長さと、現在プレーヤが操作入力している入力長さLとの異同具合を、適正操作ガイド表示12の表示形態を変化させてプレーヤに提示する。具体的には、適正操作ガイド表示12の表示色を、入力長さLが適正値より大きい場合には赤色系、小さい場合には青色系とし、明度や彩度をズレ量に応じて変化させる。表示形態の変更は色・明度・彩度に限らず、単に2つの縁を結ぶ直線部分の太さを適正値より入力長さLが小さければ破線や細線とし、適正値よりも大きければ波線や太線とするといった線種を変更したり、2つの円を楕円に変形する方法も適宜利用できる。
【0055】
以上のように、本実施形態のゲームでは、2点タッチ操作の接触点間距離から求められる入力長さLに対応して連続的に変化する音の合成制御並びに音出力制御と、プレーヤキャラクタ2の口元形状の連続的な変形制御とが、入力タイミングガイド8がテキスト6を通過する間連続的に行われる。これによって、タッチパネル1409にタッチしている2本の指の間隔を広げたり狭めたりすることでプレーヤキャラクタ2の口の開度を連続的に変形操作して、上手く発音させることができるかどうかを楽しむゲームが実現される。
【0056】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のようなゲームを実現するための機能構成について説明する。
図4は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0057】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。
【0058】
操作入力部100は、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパネル、トラックボール、トラックパッド、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0059】
また、本実施形態の操作入力部100は、接触位置検出部102を含む。接触位置検出部102は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスである。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0060】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450がこれに該当する。
【0061】
また、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0062】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に関する種々の処理を実行する。例えば、仮想3次元空間にプレーヤキャラクタ2の3Dポリゴンモデルとそれを撮影する仮想カメラを配置する処理、プレーヤキャラクタ2の3Dポリゴンモデルを移動・変形させてプレーヤキャラクタ2を動作させる処理、ゲームポイントの計算処理などが含まれる。
具体的な機能部としては、ゲーム演算部210は、操作ガイド制御部212と、入力長さ算出部216と、音種類決定部218と、音声合成部220と、口元形状制御部222と、ゲームポイント算出部224とを含む。
【0063】
操作ガイド制御部212は、第2液晶ディスプレイ1408における種々の操作ガイドの表示制御を実行する。例えば、テキスト6の表示と、表示されたテキスト6に沿った入力タイミングガイド8の流れ表示処理、プレーヤキャラクタ2の口元の拡大図を背景に表示する処理、適正長さガイド12の表示処理、入力長さLと適正長さガイド12とのズレ度合を求め、そのズレ度合に応じて適正長さガイド12の表示形態を変更する処理などが実行される。
【0064】
入力長さ算出部216は、操作入力部100により入力された2つの指示位置情報、具体的には接触位置検出部102で検出された2点の位置座標から入力長さLを算出する。
【0065】
音種類決定部218は、入力長さ算出手段216により算出された入力長さLを所定の長さ条件と比較して評価し、入力長さLに基づいてプレーヤキャラクタ2が発する音の種類を決定する。ここで言う、音の種類とは日本語の仮名種は勿論、「か」40%+「き」60%といったある仮名種と他の仮名種の含有比率とで定義される複数の仮名種の中間種を定義する情報を含む。具体的には、操作ガイド制御部212で入力タイミングガイド8の流れ表示処理が実行されるのに伴って、入力タイミングガイド8が重なっているテキスト6の文字の仮名行種を判定する。また、入力長さ算出部216により算出された入力長さLと、各母音基準長Ru、Ro、Re、Ra、Ri(図3参照)との相対位置から、母音種と母音種の含有比率とを決定する。尚、含有比率の決定は、入力長さLと、各ポイント算出基準範囲Ru、Ro、Re、Ra、Riとの相対位置比較に基づいて算出する手法に限らず、予め中間種を含めて所定数の音の種類を予め用意して、対応する入力長さLの範囲を定義したテーブルデータを参照する手法としても良いのは勿論である。
また、本実施形態ではプレーヤキャラクタ2の口元の伸縮変形制御とともに音声が出力されるので、音種類決定部218は伸縮変形に対応づけて音種類を決定するとも言える。
【0066】
音声合成部220は、入力長さLに対応付けて定められた音をプレーヤキャラクタ2の発音(声)として合成する。具体的には、音種類決定部218によって決定された仮名行種と、決定された異なる母音種同士の含有比率とに基づいて、仮名の純音は勿論、複数の仮名の中間音を合成する。尚、音声合成方法は、適宜公知技術を利用することができる。その際、仮名行種と、母音種同士の含有比率とから具体的な音声合成処理上の制御パラメータを求める方法は、採用技術に応じて事前に適宜チューニングを施し、テーブルデータの形式で参照可能に定義しておくと良い。
【0067】
口元形状制御部222は、プレーヤキャラクタ2の口元形状を、音種類決定部218で決定された音種類を発声しているように見える口形状に変形させる。本実施形態では、プレーヤキャラクタ2を、3Dポリゴンモデルを用いて表現するので、予め各母音の純音を発する時の口元の頂点位置を定義しておき、音種類決定部218で決定された異なる母音種同士の含有比率を元に、含有される母音の定義頂点位置を含有比率に応じて中割して決定しアニメーション制御する。
【0068】
ゲームポイント算出部224は、入力長さLに基づいて決定された音種類と、出力されるべき正解の音種類とを比較して、その適合度合いに応じてゲームポイントを算出する。
【0069】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、音声合成ICなどのプロセッサや、音声ファイル再生可能なオーディオコーデックによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0070】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0071】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0072】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408がこれに該当する。
【0073】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0074】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0075】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0076】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって、処理部200にゲーム演算部210としての機能を実現できる。ゲームプログラム502には、ミドルウェアとして音声合成機能を実現させるためのプログラムである音声合成エンジン504が含まれる。尚、音声合成エンジン504がシステムプログラム501に含まれる構成とし、ゲームプログラム502の実行時に適宜音声合成機能を利用可能な構成としても良いのは勿論である。
【0077】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、ゲームの内容を定義する情報を含むお題データ510と、キャラクタ設定データ512と、ポイント算出基準範囲設定データ514と、母音判定基準長設定データ516と、が記憶されている。また、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータとしてゲームポイント518が記憶される。尚、ゲームポイント518のゲームスタート時の初期設定は「0」である。また、記憶部500には、タイミングを特定するためのフレームカウンターやタイマー値、各種フラグなどその他のデータもゲーム進行に伴って適宜記憶されるものとする。
【0078】
お題データ510は、ゲームの内容を定義する情報を含む。例えば、図5に示すように、お題ID510aと、プレーヤキャラクタ2が発声する文言を示すキーワードテキストデータ510cを含む。キーワードテキストデータ510cに設定されているテキストが操作ガイド画面W4でテキスト6として表示される。
【0079】
更に、お題データ510は、基準タイミング510dと対応づけられたタイミングガイド位置510eと、適正長さ510fと、正解母音種類510gと、仮名行種類510hとを含む。
【0080】
基準タイミング510d及びタイミングガイド位置510eは、テキスト6に沿って入力タイミングガイド8を流れ制御するための情報であり、基準タイミング510dで時間を定義し、タイミングガイド位置510eで入力タイミングガイド8のあるべき表示位置座標を定義している。基準タイミング510dには、入力タイミングガイド8がテキスト6の各文字に重なるタイミングを設定すると良い。操作ガイド制御部212は、これらをキーフレームの情報と見なして、入力タイミングガイド8を滑らかに移動させるように表示制御する。尚、こうしたガイド表示物の流れ表示制御には、公知の音楽ゲームにおけるガイド表示物の流れ制御技術を適宜利用することができる。
【0081】
適正長さ510fは、適正長さガイド12の対応する基準タイミング510dにおける長さを定義している。ゲーム進行中は、操作ガイド制御部212が、これらの情報を元にして、各タイミングの適正長さ510fをキーフレームと見なして適正長さガイド12の長さを連続的に伸縮制御させる。
【0082】
正解母音種類510g及び仮名行種類510hは、入力タイミングガイド8が重なっているテキスト6の文字の母音種類と仮名行種類とを示している。
【0083】
キャラクタ設定データ512は、プレーヤキャラクタ2やおじいちゃんキャラクタ4等を表示・動作制御するためのモデルデータや、テクスチャ、モーションデータ等、各種設定情報を含む。本実施形態では、例えば、図6に示すように、各母音種類512aに対応づけて、プレーヤキャラクタ2の口元のポリゴン頂点を、その母音の純音を発する時の形状にするための形状設定データ512bを含む。
例えば、「か」40%+「け」60%の割合で含有される中間音を音出力する場合では、口元形状制御部222は、「か」と「け」の各母音に対応する形状設定データ512bを参照して、音種類決定部218で決定されたそれら母音の含有比率に応じた中間位置を中割し、出力すべき口元のポリゴン頂点位置を決定する。そして、決定した位置をキーフレームとして、描画フレーム単位で中割して前後する口元形状から連続的に変化させてアニメーションさせる。
【0084】
ポイント算出基準範囲設定データ514は、入力長さLの値に対する複数の範囲を設定し、各範囲にポイント判定時に使用する母音種類を設定するデータである。例えば、図7に示すように、ポイント算出基準範囲514a毎に判定用母音種類514bを対応づけて格納する。
【0085】
母音判定基準長設定データ516は、各母音の純音を示す母音基準長Lu,Lo,La,Le,Li(図3参照)を定義する。
【0086】
[動作の説明]
次に、本実施形態における携帯型ゲーム装置1400の動作について説明する。
図8は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、処理部200がシステムプログラム501並びにゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
【0087】
同図に示すように、処理部200は先ず、キャラクタ設定データ512を参照して、仮想3次元空間にプレーヤキャラクタ2とおじいさんキャラクタ4とを配置するとともに、それらを仮想カメラで正面から撮影した画像をレンダリングして、第1液晶ディスプレイ1406にゲーム画面W2を表示させる処理を開始する(ステップS2)。この時、プレーヤキャラクタ2は初期の口形状とする(閉じていても良い)。
【0088】
次いで、第2液晶ディスプレイ1408に操作ガイド画面W4を表示させる。具体的には、プレーヤキャラクタ2の口元の拡大画像を生成してこれを背景に設定し、お題データ510を参照して、背景の上にテキスト6を表示し(ステップS4)、入力タイミングガイド8を画面左端に配置させ(ステップS6)、適正長さガイド12を両端の円が口元の左右端に重なるように設定された初期位置に表示させる(ステップS8)。この時、適正長さガイド12の表示色は適正値とのズレが「0」の状態の色とすると良い。
【0089】
ゲームスタート処理を行ったならば(ステップS10)、処理部200はお題データ510を参照して入力タイミングガイド8の流れ表示制御を開始するとともに(ステップS12)、適正長さガイド12が適正長さ510fに基づく長さで時々刻々表示されるように連続的に伸縮させるアニメーション処理を開始する(ステップS14)。
【0090】
以下、処理部200は第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のリフレッシュレートの周期と同等またはそれより短い制御サイクルでステップS16〜S70を、ステップS70でお題が終了したと判定されるまで繰り返し実行する。
【0091】
具体的には、タッチパネル1409にて2点タッチ操作が検出された場合(ステップS16)、2つの接触点それぞれの接触位置座標から入力長さLを算出する(ステップS18)。そして、算出した入力長さLと現在の適正長さガイド12の示す長さとのズレ量を算出し(ステップS20)、算出したズレ量に基づいて適正長さガイド12の表示色を変更する(ステップS22)。ズレ量に基づいて適正長さガイド12の線種を変更する構成とする場合には同ステップで行うと良い。
【0092】
ゲームが進行し、入力タイミングガイド8の流れ表示開始から現在の時間経過が基準タイミング510d(図5参照)の何れかに合致したならば、つまりは入力タイミングガイド8がテキスト6の文字に重なるタイミングになって入力タイミングが到来したと判定されるならば(ステップS24のYES)、処理部200はポイント算出基準範囲設定データ514を参照して、入力長さLとポイント算出基準範囲514aとを比較し、該当する範囲に対応づけられた判定用母音種類514bを、入力長さLに基づく判定用母音種類として決定する(ステップS26)。
【0093】
そして、決定した判定用母音種類が、現在の基準タイミング510dに対応づけられた正解母音種類510gに合致すれば(ステップS28のYES)、処理部200はゲームポイント518に10ポイントを加算する(ステップS30)。また、決定した判定用母音種類に隣接する母音種類(図3又は図7参照;隣接する母音種類とは「う」ならば「お」、「お」ならば「う」と「え」、「え」ならば「お」と「あ」、「あ」ならば「え」と「い」、「い」ならば「あ」が該当)が現在の基準タイミング510dに対応づけられた正解母音種類510gに合致すれば(ステップS32のYES)、処理部200はゲームポイント518に正解の時よりは低い5ポイントを加算する(ステップS34)。
【0094】
次に、処理部200は母音判定基準長設定データ516を参照して、入力長さLと各母音基準長Lu,Lo,La,Le,Liとを比較して音声合成する音の種類を特定する情報の一つとして、当該合成音に含有される母音種類とその含有率を決定する(ステップS36)。具体的には、入力長さLが母音基準長Lu,Lo,La,Le,Liのうち、隣接する2つ基準長の中間の長さに相当する場合には、当該隣接する基準長に対応する母音を含有母音とし、入力長さLから当該隣接する基準長までの長さの比率でそれぞれの含有率を算出する。例えば、入力長さLが「お」の母音基準長Loと「え」の母音基準長Leのちょうど平均である場合には、それぞれ「お」母音の含有率50%、「え」母音の含有率50%とする。
【0095】
次いで、処理部200は、入力長さLに応じた母音の純音又はその中間音の音声合成をし(ステップS38)、スピーカ1410から音出力させる(ステップS40)。
尚、音声合成に当たっては、入力長さLを制御パラメータの一つとしてフォルマント合成によって音声波形データを生成する。勿論、合成方法はフォルマント合成に限らず、声道音響管をシミュレーションして音声合成する方法などその他の音声合成技術を適宜利用することができる。
【0096】
一方、今回の制御サイクルが入力タイミングに該当しなければ(ステップS24のNO)、処理部200は音声合成と合成された音声波形の音出力は行わないで、続く口元の伸縮変形制御に係るステップに移行する。
【0097】
口元の変形制御に係るステップとして、処理部200は、ステップS36と同様にして、入力長さLに基づいて入力された音種類を決定し(ステップS64)、次いでキャラクタ設定データ512の形状設定データ512bを元に、決定された入力音種類における各母音の含有率に基づく比率で合成音出力時の口元形状を決定し(ステップS66)、決定した口元形状となるように、プレーヤキャラクタ2の3Dポリゴンモデルを伸縮変形制御する(ステップS68)。
【0098】
例えば、合成する音の種類の母音種類と含有率が「え」40%、「あ」60%の場合、「あ」及び「え」の各母音種類512bの形状設定データ512bをキーフレームと見なし、「あ」の口元形状から40%だけ「え」の口元形状に変形する状態を、両口元形状におけるポリゴン頂点の位置の中割から求める。そして、現在の口元のポリゴン頂点位置を、中割して求められた位置に移動させる。
【0099】
口元の変形制御を行ったならば、処理部200はお題が終了したか否かを判定する(ステップS70)。そして、終了していなければ(ステップS70のNO)、ステップS16に戻って入力長さLに基づくゲームポイント518の加算、合成音声の生成と音出力、それと同期した口元形状制御とを繰り返す。終了していれば(ステップS70のYES)、処理部200は獲得したゲームポイント518から所定の算出式でお年玉額を決定し(ステップS72)、獲得したお年玉額をゲーム画面W2内に表示させてゲーム終了とする(ステップS74)。
【0100】
以上の一連の処理によって、プレーヤがタッチパネル1409へ接触させている2本指の開け閉めによってなされる2つの指示入力に基づいて、あたかもプレーヤキャラクタ2の発音部位である口元が、伸縮操作(本実施形態で、口を縦横に伸縮するので見かけ上は開閉操作に相当)され、その口の開度で発音しているかのように見せることができる。そして、発音した音が正しい或いは正解に近ければゲームポイント518が加算される従来に無い斬新なゲームを実現することができる。
【0101】
更に本実施形態では、伸縮させる部位を発音によって変形する部位(この場合、口元)とし、更に変形形状に相応する合成音声を生成して音出力することで、おしゃべりや会話の音を操ることがゲーム操作のテーマとなり、日頃何気なく行われている行為をゲームとして昇華させ、斬新な楽しさを提供することができる。
【0102】
[第1実施形態の変形例]
尚、本発明が適用可能な実施形態は、入力長さLに基づいて連続的に合成する音の種類を決定・合成したり連続的に口元形状を変形させるといったように、操作入力に対してプレーヤキャラクタ2をリニアに制御する構成に限定するものではない。
【0103】
例えば、図9に示すゲーム処理Bのように、ステップS36〜S38に代えて、ステップS26で判定した判定用母音種類をそのまま操作入力された母音種類と見なし、入力タイミングガイド8が重なっているテキスト6の仮名行種類510h(図5参照)で操作入力された母音種類の仮名音を合成するステップとしても良い(ステップS36B)。
【0104】
更に、ステップS64〜S68に代えて、入力長さLに基づいて判定用母音種類を決定し(ステップS64B)、決定された判定用母音種類の仮名音に対応する口元形状を、キャラクタ設定データ512の形状設定データ512b(図6参照)から読み出して、同形状設定データの示す口元形状となるように変形処理するステップ(ステップS68B)とすることができる。
【0105】
この場合、スピーカ1410から放音される音には、「あ」と「え」の間の音のような中間音が無く、プレーヤは、入力タイミングガイド8が示す発音すべき音と、自分の操作入力で出た音とが合致したか否かを聴覚的に容易に認識できる。よって、ゲームを明快にし、中間音を聞き慣れない子供でも楽しめるようにできる。
【0106】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。尚、本実施形態は基本的に第1実施形態と同様のハードウェアによって実現されるが、入力長さLに応じて元の音を音変換処理して音出力する点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0107】
図10は、本実施形態におけるゲーム内容を説明するための概念図である。
本実施形態のゲームでは、第1実施形態と同様にプレーヤキャラクタ2がおじいちゃんキャラクタ4からお年玉をもらうための年始挨拶を上手くできるかどうかを、プレーヤキャラクタ2の口の開け具合を操作して楽しむゲームである。
【0108】
具体的には、プレーヤは、第1実施形態と同様に、流れ表示される入力タイミングガイド8がテキスト6に重なるタイミングでその文字を発声させるための口形状に対応させるようにタッチパネル1409に接触させる2本の間隔で入力長さLを調整する。つまり、入力長さLで口の開け具合を調整する。
【0109】
プレーヤキャラクタ2の年始挨拶の声は、予め声優によってキャラクタの印象に有った声質で読み上げられた音声データとして用意されており、入力タイミングガイド8が重なるテキスト6の文字の母音の口の開け具合に対して入力長さLが適当と判定されれば、予め用意されたオリジナルの音声データがそのまま音出力される。スピーカ1410からは、かわいい声質でプレーヤキャラクタ2の声が放音される。
【0110】
一方、入力長さLが不適当な場合には、オリジナルの音声データは入力適正長さL0と入力長さLとのズレΔLに応じて逐次、音声変調処理されて音出力される。そのため、スピーカ1410からはプレーヤキャラクタ2の本来のかわいい声質ではなく、変調処理された声質(例えば、おじさんの声、ガラガラ声、年寄りの声など)で出力される。同図の例では、「あけましておめでとう」の「あ」はオリジナルの音声で放音されているが、「け」「ま」「し」は上手く入力長さLを適正長さL0に合わせることができなかったので、オリジナルの音声が音声変調されたことを示している。
【0111】
ゲーム的には、音声変調された声で年始挨拶された場合におじいさんキャラクタ4からもらえるお年玉額は、オリジナルの声質で挨拶できた場合のそれに比べて小さくなる。プレーヤは入力タイミング8の重なるテキスト6の文字種類を発音するときの口の開き具合を時々刻々想像し、適正長さガイド12の表示を参考にして素早く接触操作する2本の指の間隔を調整しなければならない。
【0112】
図11は、本実施形態における機能構成例を示す図である。基本的には、第1実施形態と同様であるので異なる部分を説明する。
本実施形態の処理部200は、第1実施形態の音声合成部220に代えて、音声変調方式決定部230と、音声変調処理を実行する音声変調部232とを備える。
【0113】
音声変調方式決定部230は、記憶部500に予め記憶されている変調パターン設定データ530を参照して、入力長さLと適正長さL0との差異に基づいて音声変調パターンを決定する。また、音声変調方式決定部230はエコーやビブラートなどの公知の音声エフェクト処理を実行することができる。
【0114】
音声変調部232は、処理対象となるオリジナルの音声に音声帯域変更やFM変調、AM変調などの処理を実行して声質を変更する。尚、音声変調方式は、公知の音声変調技術や音声変換技術を適宜利用することができる。
【0115】
また、本実施形態の記憶部500は、第1実施形態と比較すると、お題データ510に相当するお題データ510Cと、変調パターン設定データ530とを予め記憶している。
【0116】
お題データ510Cは、基本的には第1実施形態のお題データ510と同様であるが、図12に示すように、プレーヤキャラクタ2のするべき年始挨拶を声優が読み上げた音声波形を含む音声データ510jを含んでいる。これが、音声変調処理される際のオリジナル音声となる。
【0117】
変調パターン設定データ530は、入力長さLと適正長さL0とのズレΔLに基づく音声変調や音声変換、音声効果の種類を定義する情報を含む。
例えば、図13の基本変調設定530aに示すように、制御パラメータの関数又はテーブルデータを用意して、ズレΔLが許容範囲を超えてプラスにズレた場合には「おじさん声質」に変調するように定義し、且つ、ズレΔLが増すほどガラガラ声に成るように定義する。反対にズレΔLが許容範囲を超えてマイナスにズレた場合には「おばさん声質」に変調するように定義し、且つ、ズレΔLが増すほどガラガラ声に成るように定義する。勿論、ここで定義する声質や変調度合いの内容はこれらに限定されるものではなく、定義設定可能である。
【0118】
また、同図の音声エフェクト設定530bのように、ズレΔLの適用範囲530cに応じて、基本変調設定530aで変調された音声を更に音声加工するエフェクト種類530dを定義する。
【0119】
尚、変調パターン設定データ530では、オリジナル音声の変調に限らず、オリジナル音声に付加する音声を設定することもできる。例えば、効果音、ラジオノイズなどを音声エフェクト設定530bにてエフェクト種類530dと同様に設定することができる。
【0120】
次に、本実施形態における動作について説明する。
図14は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。基本的には第1実施形態の処理の流れと同様であるが、ステップS36〜S40に代えて、処理部200は変調パターン設定データ530を参照して、入力長さLに基づいて変調パターンと音声のエフェクト種類を決定する(ステップS50)。すなわち、基本変調設定530aに従って入力長さLとそのときの適正長さガイド12の示す適正長さL0とのズレΔLから変調パターンを決定する。本実施形態では、おじさん声質又はおばさん声質の何れかが決まり、更にその声質におけるガラガラ声の度合いが決定される。更に、音声エフェクト設定530bの該当する範囲設定530cに対応づけられたエフェクト種類530dが決定される。
【0121】
次いで、処理部200は、音声データ510j(図12参照)のうち、今回の制御サイクルで再生する部分を先に決定した変調パターンで音声変調処理し(ステップS52)、更にエフェクト種類530dで音声加工処理し(ステップS54)、この変調・音声加工された音声部分をスピーカ1410から音出力させる(ステップS56)。
その他の処理は第1実施形態と同様である。
【0122】
よって、本実施形態によれば、タッチパネル1409へ接触させている2本の指の間隔を、入力タイミングガイド8がテキスト6に沿って流れ表示制御されるのに合わせて、あたかも口の開け具合を示すように広げたり狭めたりすることで、プレーヤキャラクタ2に本来のかわいらしい声で発声させたり、おじさん声で発声させたりといった具合に、声を音声変調させて遊ぶゲームを実現することができる。
【0123】
尚、本実施形態では、オリジナルの声を別の声質に変える処理として音声変調を利用する形態としているが、第1実施形態の音声合成において合成時に声質も変更できる構成の場合には、音声変調を音声合成に置き換えることができる。また、第1実施形態の変形例の構成を、本実施形態に適用することもできる。
【0124】
また、本実施形態では放音に影響する変形部位として口元を伸縮させるゲームとしたが、変形部位は口に限らず、例えば鼻とすることができる。より具体的には、入力長さLに基づいて口の開け具合に代えて鼻の開け具合を制御することとし、音声変調では入力長さLの大きさに応じて音質が異なる鼻声となるようにすると良い。
【0125】
また、プレーヤキャラクタ2を擬人化したキャラクタとせずとも良い。例えばトロンボーンに設定し、入力長さLでスライドの操出量を制御するようにして仮想楽器を演奏するゲームとすることもできる。この場合、実物のトロンボーンをシミュレーションしてスライドの操出量に応じた音程の音を合成する構成とするとし、2点タッチされている間、音が持続的に出るように制御すると好適である。
【0126】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。尚、本実施形態は第1実施形態と同様のハードウェア構成によって実現できるので、ハードウェアを除く部分についてのみ説明する。また、第1及び第2実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0127】
[ゲーム内容の説明]
図15は、本実施形態のゲーム内容を説明するための図であって、携帯型ゲーム装置1400の第1液晶ディスプレイ1406に映されるゲーム画面W6と、第2液晶ディスプレイ1408に映される操作ガイド画面W8とを例示している。
【0128】
本実施形態のゲームは、上面が平坦で且つ横幅が限定された畝状の第1コース40並びに第2コース42の上を、プレーヤキャラクタ30に走らせ、コースアウトしないように操作して所定のゴール位置まで移動させるゲームである。
【0129】
ゲーム画面W6は、スタート位置を画面奥方向、ゴール位置が画面手前方向となるように仮想3次元空間に併設された第1コース40及び第2コース42のモデル上にプレーヤキャラクタ30のモデルが配置され、このプレーヤキャラクタ30を正面前方から仮想カメラで撮影した画像をレンダリングして生成される。プレーヤキャラクタ30は画面手前方向に向けて前進し、仮想カメラはそれに追従して画面手前方向移動するように自動制御される。よって、見かけ上、ゲーム画面W6では第1コース40及び第2コース42が画面の手前から出現し、プレーヤキャラクタ30はほぼ同じ位置で動き続けるように表示される。
【0130】
プレーヤキャラクタ30は、一輪車に乗った移動体である第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34と、これらを連結する伸縮部36とを備える。
【0131】
第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34は、それぞれ第1コース40、第2コース42を走行するように制御される。
第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34の何れか一方は、走行するコースのセンターライン40a,42aに沿って自動的に走行するように自動制御される。この自動制御される側のキャラクタ部を、以下の本実施形態では「自動走行側」と言う。
【0132】
伸縮部36は、操作ガイド画面W8を覆うタッチパネル1409に為される2点タッチ操作から求められる入力長さLに応じて自動的に伸縮制御される。より具体的には、伸縮部36の自動走行側のキャラクタ部との連結端を支点とし、他端側方向へ伸び縮みするように伸縮制御される。
【0133】
第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34のうち自動走行側でない他方(以下の本実施形態では「従動走行側」)は、伸縮部36の伸縮に応じて強制的に自動走行側のキャラクタとの間の並行に走行する間隔である併走距離が定まることとなる。
【0134】
操作ガイド画面W8には、画面中程から下方においてプレーヤが2本の指を接触させる範囲を示す操作範囲ガイド44が表示され、画面右上方にはプレーヤキャラクタ30の現在の走行位置を示す走行位置表示46が表示される。また、2本の筋状で一対を成す適正長さガイド50,52が操作ガイド画面W8の画面上方から下方へ向けてスクロール表示、或いは流れ表示制御される。
【0135】
前述のように、ゲーム画面W6では第1コース40及び第2コース42が画面の手前から出現するように表示されるので、適正長さガイド50,52は第1コース40及び第2コース42の左右の曲り方向が左右反転した形状を有し、画面上端から下向きにスクロール表示される。
操作範囲ガイド44と重なった部分の適正長さガイド50,52の左右の幅が、第1キャラクタ部32と第2キャラクタ部34とが共にそれぞれのコースのセンターライン40a,42aを走行するのに適当な適正入力長さL0を示す。
【0136】
ゲームがスタートすると、自動的に第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34は(画面手前側方向へ)前進を開始する。仮想カメラは、プレーヤキャラクタ30をほぼ所定範囲に撮影するように自動的に追従移動制御される。この結果、プレーヤキャラクタ30はゲーム画面W6内のほぼ同じ位置にあり、第1コース40及び第2コース42は画面手前から現れ奥へスクロールするように表示される。
【0137】
この時、前述のように伸縮部36の長さは、操作入力画面W8の操作範囲ガイド44内で検知された接触点間距離に基づいて算出される入力長さLに応じて伸縮制御される。
【0138】
伸縮部36が伸び或いは縮みした結果、それに伴って従動走行側のキャラクタ部の位置が移動される。移動後もコース上に留まることが出来れば図15に示すように、プレーヤキャラクタ30は引き続き前進することができる。一方、入力長さLが適正長さL0に対して長過ぎる場合、或いは短過ぎる場合、伸縮部36に押され或いは曳かれて従動側のキャラクタ部がコースアウトし、ゲームオーバーとなる。
つまり、コース40,42の間隙の長さを下限とし、コース40,42を合わせた横幅の長さを上限とする範囲が、第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34の接触点間距離の許容範囲となり、伸縮部36の伸縮にともなって接触点間距離が当該許容範囲から外れるとコースアウトとなる。
【0139】
例えば、図16は自動走行側が第2キャラクタ部34、従動走行側が第1キャラクタ部32という設定で、入力長さLが適正長さL0より大きい場合の画面例を示している。このケースの場合、伸縮部36が図の右方向へ伸長制御される。その結果、第1キャラクタ部32の走行位置は、画面右方向へ強制的に移されることとなり、同図に示すように、第1キャラクタ部32は第1コース40の進行方向左側(画面W6では右側)へコースアウトする。もし、入力長さLが適正長さL0より短過ぎればこれとは反対に、第1キャラクタ部32は第2キャラクタ部34の方へ強制的に引き寄せられることとなり、第1コース40の進行方向右側へ移動しコース40,42の間隙内へコースアウトすることになる。
【0140】
そして、第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34の何れが自動走行側になるかは、両方のキャラクタ部がセンターライン40a,42aに位置するタイミングで自動的に変更される。本実施形態では、交互に入れ替える構成とするが、変更時にランダムに何れかが選択される構成としても良い。
【0141】
このように、本実施形態によれば、プレーヤはどちらのキャラクタ部が自動走行側でどちらが従動走行側かを注意深く観察しつつ、スクロール表示される適正長さガイド50,52を参考に接触操作する2本の指の間隔を広げたり縮めたりして、プレーヤキャラクタ30を上手くゴールに向かわせる、といった従来に無い直感的で体感的なゲームを楽しむことができる。
【0142】
[機能構成の説明]
図17は、本実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。
本実施形態の機能構成は、基本的に第1実施形態と同様であるが、本実施形態の処理部200は、仮想3次元空間へコース40,42を配置し、同コース上へプレーヤキャラクタ30を配置し、プレーヤキャラクタ30の前方所定位置へ仮想カメラを配置する機能を有する。そして、ゲーム開始とともに、プレーヤキャラクタ30をプレーヤの操作入力に応じて前進制御するとともに、仮想カメラを追従移動させる処理を実行する。更に、プレーヤキャラクタ30の第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34それぞれがコース40,42においてオンコースであるか、コースアウトであるかを判定し、オンコース判定ならばプレーヤキャラクタ30が所定のゴールに到達するまでゲームを継続し、コースアウト判定した場合には即時ゲームオーバー処理を実行する。
【0143】
具体的には、本実施形態の処理部200は、第1実施形態の操作ガイド制御部212に相当する操作ガイド制御部212Dと、入力長さ算出部216とを含む。また、第1実施形態の音種類決定部218、音声合成部220、口元形状制御部222に代えて、ゲーム演算部210に自動走行側キャラクタ部選択部240と、伸縮制御部242と、従動走行側キャラクタ部位置決定部244とを含む。
【0144】
操作ガイド制御部212Dは、記憶部500に予め記憶されているコース設定データ540を参照して、第2液晶ディスプレイ1408に操作ガイド画面W8を表示させるための各種処理を実行する。
【0145】
コース設定データ540は、例えば図18に示すように、コース40,42のポリゴンモデルやテクスチャを定義するコースモデルデータ540aと、センターライン40a,42aを定義するセンターラインデータ540bと、適正長さガイド50,52を定義する適正長さガイド設定データ540cとを含んでいる。
【0146】
コースモデルデータ540aと、センターライン40a,42aは同じローカル座標系で定義されている。プレーヤキャラクタ30及びそれに追従する仮想カメラはローカル座標系Yc軸に沿って「0」からプラス方向へ移動してコース上を前進する。
【0147】
適正長さガイド設定データ540cは、直交するXg軸Yg軸のローカル座標系で定義された2本のラインを定義する。ゲーム進行中は、ローカル座標系Yg軸「0」からプラス側へ向けて第2液晶ディスプレイ1408の上方から下方に向けてスクロールするように表示制御される。
【0148】
自動走行側キャラクタ部選択部240は、ゲーム開始時は第1キャラクタ部32と第2キャラクタ部34の何れか一方をランダムに自動走行側のキャラクタ部に設定し、ゲーム開始以降は所定の変更条件を満たす場合に設定を変更する。
本実施形態では、第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34が共にセンターライン40a,42a上に位置することを変更条件とし、変更条件を満たす都度、自動走行側を入れ替える。尚、変更条件を満たす都度、再びランダムに何れか一方を選択し自動走行側に設定する構成とすることもできる。或いは、コース40,42上に地雷のようなアイテムを設置しておいて、第1キャラクタ部32又は第2キャラクタ部34がそのアイテムを踏んだ場合に自動走行側の設定を入れ替える構成としても良い。
【0149】
伸縮制御部242は、入力長さ算出部216によって算出された入力長さLに基づいて伸縮部36を自動走行側のキャラクタ部との連結端を支点として他端方向へ伸び縮みさせる。本実施形態では入力長さLに伸縮部36の長さを比例させるように制御するが、比例関係に限らず適宜設定可能である。
【0150】
従動走行側キャラクタ部位置決定部244は、自動走行側キャラクタ部の走行位置と伸縮制御部242により伸縮された伸縮部36との長さに基づいて、従動走行側キャラクタ部の走行位置を決定する。
【0151】
本実施形態の記憶部500には、予め記憶されるデータとして、第1実施形態のゲームプログラム502に相当するゲームプログラム502Dと、コース設定データ540と、キャラクタ設定データ546とが記憶されている。
【0152】
キャラクタ設定データ546は、プレーヤキャラクタ30の3Dポリゴンモデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータ等を格納している。モーションデータとしては、一輪車を漕ぐモーションと、バランスをとるモーション、コースアウトして落下するモーションが用意されている。
【0153】
また、記憶部500は、ゲーム進行に伴って書き換えられるデータとして、自動走行側設定フラグ548を記憶する。同フラグは、第1キャラクタ部32と第2キャラクタ部34それぞれに対応するフラグを有し、現在自動走行側に設定されている方のフラグが「1」に設定され、従動走行側に設定されている方のフラグが「0」に設定される。
勿論、これ以外にも、記憶部500にはプレーヤキャラクタ30の位置データ、モーション制御データなどゲーム進行にともなって逐次変更されるデータが記憶される。
【0154】
[動作の説明]
図19は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
処理部200は先ず、コース設定データ540を参照して仮想3次元空間内にコース40,42のオブジェクトを配置し(ステップS100)、キャラクタ設定データ546を参照してコース40,42の所定のスタート位置にプレーヤキャラクタ30を配置する(ステップS102)。この際、プレーヤキャラクタ30の第1キャラクタ部30はコース40上に配置され、第2キャラクタ部32はコース42上に配置されるものとする。伸縮部36は、適正長さガイド設定データ540cにおけるローカル座標系Yg軸が「0」の位置における2本のラインの間隔に基づいて決定され、バランスをとるように両手を広げた第1キャラクタ部32及び第2キャラクタ部34の間を丁度つなぐことができる(図15参照)。
【0155】
次いで、処理部200はプレーヤキャラクタ30の前方所定位置に仮想カメラを配置して(ステップS104)、第1液晶ディスプレイ1406へのゲーム画面W6の表示を開始する(ステップS106)。具体的には。仮想カメラで撮影した仮想3次元空間の様子を第1液晶ディスプレイ1406のリフレッシュレートより十分短いサイクルでレンダリングしてゲーム画面W6を生成し表示させる。
【0156】
続いて、処理部200は第2液晶ディスプレイ1408に操作ガイド画面の表示を開始する(ステップS108)。具体的には、画面中央から下部の所定位置に操作範囲ガイド44を表示させるとともに、走行位置表示46を画面右上に表示させ、適正長さガイド50,52を先端(適正長さガイド設定データ540cのローカル座標系Yg軸「0」の端)が操作範囲ガイド44の上下幅中央に位置するように表示させる(図15参照)。
【0157】
更に、処理部200は第1キャラクタ部32又は第2キャラクタ部34の何れかをランダムに自動走行側に設定する(ステップS112)。
【0158】
ゲームスタートさせたならば(ステップS114)、処理部200はステップS116〜S142の処理を、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のリフレッシュレートの周期と同等又はそれより短い制御サイクルで繰り返し実行する。
具体的には、先ず適正長さガイド50,52の流れ表示制御を開始する(ステップS116)。そして、自動走行側に設定されているキャラクタ部を当該キャラクタが走行するコースのセンターラインに沿ってローカル座標系Yc軸方向へ所定距離だけ移動させ(ステップS118)、それに伴って、プレーヤキャラクタ30の撮影位置がほぼ同じ位置となるように仮想カメラを追従移動制御する(ステップS120)。
【0159】
次に、処理部200はタッチパネル1409に2点タッチ操作が為されていることを検出したならば(ステップS122のYES)、2つの接触点の位置座標から入力長さLを算出する(ステップS124)。
そして、操作範囲ガイド44の上下幅中央位置における2本の適正長さガイド50,52の間隔(つまりは適正長さL0)と入力長さLとのズレ量ΔLを算出し(ステップS126)、第1実施形態のステップS22と同様にして、算出したズレ量ΔLに基づいて操作ガイド画面W8の背景色を変更する(ステップS128)。
【0160】
次に、処理部200は入力長さLに基づいて伸縮部36の長さを決定し(ステップS130)、伸縮部36を伸縮制御する(ステップS132)。この時、伸縮部36は自動走行側のキャラクタ部との連結端を支点として、他端の方向へ伸縮するように制御される。
【0161】
そして、伸縮部36の伸縮にともない従動走行側キャラクタ部の位置を算出し、従動走行側キャラクタ部を移動させる(ステップS134)。具体的には、ローカル座標系Yc軸座標は自動走行側のキャラクタ部と同じとし、伸縮された伸縮部36の他端に、両手を広げた手が接続するように従動走行側キャラクタ部のモデルの配置位置を調整した結果として同座標系Xc軸座標を導く。つまりは、伸縮部36の他端のXc軸座標に従動走行側キャラクタ部の手先から一輪車の接地点までの距離を加えた値とする。
【0162】
次いで、処理部200は従動走行側のキャラクタ部の位置座標が決定した結果、自動走行側とするキャラクタ部の変更条件を満たすか否かを判定する(ステップS136)。本実施形態では、両キャラクタ部がそれぞれのコースのセンターライン40a,42aに有るかを判定し、肯定の場合(ステップS136)、自動走行側とするキャラクタ部と従動走行側とするキャラクタ部とを入れ替える(ステップS138)。
【0163】
次いで、処理部200は、従動走行側のキャラクタ部がコースアウトしたか否かを判定する(ステップS140)。コースアウトしていなければ(ステップS140のNO)、プレーヤキャラクタ30が所定のゴール位置に到達したか否かを判定する(ステップS142)。そして、ゴールに到達していなければ(ステップS142のNO)、ステップS118に移行し、ゴールに到達していれば(ステップS142のYES)、所定のゲームクリア処理を実行して(ステップS144)、一連の処理を終了する。
【0164】
一方、従動走行側のキャラクタ部がコースアウトしたと判定された場合(ステップS140のNO)、処理部200は当該キャラクタ部がコースアウトして落下する様子をアニメーション表示し(ステップS146)、所定のゲームオーバー処理を実行して(ステップS148)、一連の処理を終了する。
【0165】
以上の処理によって、本実施形態ではタッチパネル1409への2点タッチ操作によって入力長さLを調整することでプレーヤキャラクタ30を伸縮させ、プレーヤキャラクタ30がコースアウトしないように操作して所定のゴール位置まで移動させるといった従来に無いゲームを実現できる。
【0166】
尚、本実施形態では移動体を第1キャラクタ部32と第2キャラクタ部34との2体としたが、3体以上の構成としても良いのは勿論である。
【0167】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。尚、本実施形態は第1実施形態と同様のハードウェア構成によって実現できるので、ハードウェアを除く部分に付いてのみ説明する。また、第1〜第3実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0168】
[ゲーム内容の説明]
図20は、本実施形態のゲーム内容を説明するための図であって、携帯型ゲーム装置1400の第1液晶ディスプレイ1406に映されるゲーム画面W10と、第2液晶ディスプレイ1408に映される操作ガイド画面W12とを例示している。
【0169】
本実施形態のゲームは、プレーヤキャラクタ60を、方向入力キー1402で移動操作しつつ入力長さLの調整で変形させ、マップ78の各所に設けられた通過枠76を全てクリアして所定ゴール地点まで移動させる横スクロールタイプのゲームである。
【0170】
ゲーム画面W10には、マップ78と、現在のゲームポイントを表示するポイント表示部80と、現在のプレーヤキャラクタ60の位置を示す走行位置表示46とが表示される。そして、操作ガイド画面W12には、適正長さガイド12が表示される。
【0171】
マップ78は、画面右から左方向へマップ78が横スクロール制御される。マップ78は、幅が制限されたフェアウェイ72と、フェアウェイ72の上下に配置されてプレーヤキャラクタ60が進入するとゲームポイントが減点されてしまう減点エリア74とで構成されている。また、フェアウェイ72の所々には、通過枠76が設定されている。そして、この通過枠76は、プレーヤキャラクタ60がゴール地点に移動する過程で通過すべき位置を示すと共に、当該位置を通過する際のプレーヤキャラクタ60の形状を指定している。
【0172】
プレーヤキャラクタ60は、移動限界範囲82内に限って、方向入力キー1402に為された方向入力操作に従って前後左右に移動される。また、入力長さLに応じてプレーヤキャラクタ60の縦横比が変化するように制御される。具体的には、図21に示すように、入力長さLの増減に応じて横幅が増減し、変化した横幅を元に面積が一定となるように縦幅が決定されて、所々に示した吹き出しの例に示すようにプレーヤキャラクタ60の縦横比が変化する。これに対して通過枠76は、プレーヤキャラクタ60の面積よりも若干大きな基準面積の縦横比を変化させた外形を有している。つまり、プレーヤキャラクタ60の縦横比を通過枠76の縦横比に似せれば、プレーヤキャラクタ60が通過枠76を通過する際、プレーヤキャラクタ60は通過枠76の枠内に収まることができる。
【0173】
ゲームスタート時、所定数のポイントが予め付与される。ゲーム進行中は、通過枠76を除くフェアウェイ72を移動している限りはゲームポイントは増えもしなければ減りもしないが、プレーヤキャラクタ60が減点エリア74に進入すると進入時間に比例して減点され、ゴール到達までにゲームポイントが「0」になってしまうとゲームオーバーとなる。
【0174】
一方、図22のゲーム画面W14の例に示すように、プレーヤキャラクタ60が通過枠76を通過する際に、プレーヤキャラクタ60が通過枠76とほぼ相似形に変形された状態で、且つ通過枠76の中心とプレーヤキャラクタ60との中心がほぼ重なるようにして上手く通過できればゲームポイントが加点される。換言すると、プレーヤキャラクタ60が通過枠76を通過する際に、プレーヤキャラクタ60が通過枠76の枠内に収まることができれば加点される。
【0175】
つまり、プレーヤは、方向入力キー1402でプレーヤキャラクタ60をフェアウェイ72を維持するように移動制御させつつ入力長さLを調整して変形させて、通過枠76の枠内に収まるようにして通過させることを繰り返して、プレーヤキャラクタ60をゴールに到達させる、と言ったゲームを楽しむことができる。
【0176】
[機能ブロックの説明]
図23は、本実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の機能構成は、基本的に第1実施形態と同様であるが、本実施形態のゲーム演算部210Fは、ゲーム画面の背景にマップ78を横スクロールさせるとともに、操作入力部100の方向入力部104に為された方向指示操作に従って、プレーヤキャラクタ60を前後左右に移動制御させる。そして、プレーヤキャラクタ60が減点エリア74に進入したら、進入時間に応じてゲームポイント518を減点する。また、プレーヤキャラクタ60が通過枠76を通過できたらゲームポイント518を加点する。
【0177】
特に通過枠76の通過に係る処理を実現するために、本実施形態では、操作ガイド制御部212と、入力長さ算出部216と、マップ表示制御部250と、変形制御部252と、通過判定部254とを備える。
【0178】
マップ表示制御部250は、記憶部500に予め記憶されているマップ設定データ550を参照して、ゲーム画面の背景にマップ78を表示させ、ゲーム進行とともにこれを横スクロール処理する。
【0179】
マップ設定データ550は、例えば図24に示すように、フェアウェイ設定データ550aと減点エリア設定データ550bとを含む。これらのデータは、それぞれフェアウェイ72、減点エリア74の範囲を定義する情報を含む。例えば、境界線を示す頂点座標列や境界線を作る関数などを定義する。
また、通過枠76に関して、各通過枠76の中心位置座標を格納する通過枠中心位置座標550cと、これに対応づけられた通過枠形状データ550dとを含む。通過枠形状データ550dは、プレーヤキャラクタ60との外形比較が可能な情報であって、本実施形態では縦横比が格納されている。
【0180】
変形制御部252は、入力長さ算出部216により算出された入力長さLに基づいて、所定の関数に従ってプレーヤキャラクタ60の横寸法を算出し、算出した横寸法に基づいて面積一定の条件で縦寸法を算出し、算出した縦寸法・横寸法となるようにプレーヤキャラクタ60の形状を変化させる。
【0181】
通過判定部254は、通過枠76の枠内に収まるようにしてプレーヤキャラクタ60が通過できたかを判定する。具体的には、プレーヤキャラクタ60の縦横比が、これから通過する通過枠76に予め定められている縦横比を基準とする所定の許容縦横比範囲に入っていて、且つプレーヤキャラクタ60の中心が通過枠76の中心の所定の位置ズレ許容範囲内を通過した場合には通過できたと判定する。縦横比又は中心位置のズレの何れかの条件を満たさなければ通過失敗と判定する。
【0182】
[動作の説明]
図25は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
処理部200は先ず、ゲーム画面の背景の初期位置にマップ78を表示し(ステップS200)、プレーヤキャラクタ60を初期値の縦横比として所定位置に配置する(ステップS202)。そして、ゲームポイント518を初期値に設定して(ステップS204)、ゲームをスタートさせる(ステップS206)。
【0183】
ゲームがスタートしたら、処理部200はステップS208〜S248を第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のリフレッシュレートの周期と同等又はそれより短い制御サイクルで繰り返し実行する。
【0184】
具体的には、ゲームがスタートしたら、処理部200は先ずマップ78の横スクロール表示制御を開始する(ステップS208)。そして、方向入力キー1402へ方向入力操作が為された場合(ステップS210のYES)、方向入力操作に従ってプレーヤキャラクタ60を移動制御する(ステップS212)。
【0185】
次いで、タッチパネル1409において2点タッチ操作が為されている場合(ステップS214のYES)、処理部200は2点の接触位置座標から入力長さLを算出し(ステップS216)、算出した入力長さLからプレーヤキャラクタ60の横寸法を算出する(ステップS218)。
そして、更に算出した横寸法から面積が一定となるようにプレーヤキャラクタ60の縦寸法を算出し(ステップS220)、算出した横寸法・縦寸法となるようにプレーヤキャラクタ60を変形制御する(ステップS222)。
【0186】
次に、処理部200はプレーヤキャラクタ60が減点エリア74に進入していると判定される場合(ステップS224のYES)、処理部200は時間当たり所定ポイントが減算されるようにゲームポイント518を減点する(ステップS226)。
【0187】
次いで、処理部200は、プレーヤキャラクタ60の現在位置と、マップ設定データ550の通過枠中心位置座標550cとを比較して、プレーヤキャラクタ60の現在位置より画面右側にあって最寄りの通過枠76を抽出する(ステップS228)。
そして、プレーヤキャラクタ60がこの最寄りの通過枠76に所定距離まで接近したならば(ステップS230のYES)、処理部200はプレーヤキャラクタ60がこの最寄りの通過枠76の枠内に入ったか否かを判定する(ステップS240)。具体的には、プレーヤキャラクタ60の縦横比が当該最寄りの通過枠76の通過枠形状データ550dで定義される縦横比に対して所定の許容縦横比範囲内に収まり、且つプレーヤキャラクタ60の中心点が当該最寄りの通過枠76の通過枠中心位置座標550cの示す中心点から所定の許容ズレ範囲内に収まる場合には、枠内に入ったと判定する。
そして、枠内に入ったと判定した場合には(ステップS240のYES)、ゲームポイント518を加点し(ステップS242)、入らなかったと判定した場合には(ステップS240のNO)、加点はしない。
【0188】
次に、処理部200は現在のゲームポイント518が「0」で無い場合(ステップS246のNO)、プレーヤキャラクタ60が所定のゴール地点に到達したか否かを判定する(ステップS248)。到達していなければ(ステップS248のNO)、ステップS208に移行し、到達していれば(ステップS248のYES)、所定のゲームクリア処理を実行して(ステップS250)、一連の処理を終了する。
一方、現在のゲームポイント518が「0」の場合には(ステップS246のYES)、その場でゲームボーバー処理を実行して(ステップS252)、一連の処理を終了する。
【0189】
以上、本実施形態によれば、同時に為される2つの指示入力に基づいてプレーヤキャラクタ60を変形制御させながら進む横スクロールタイプのゲームを実現することができる。
【0190】
尚、本実施形態では、ゲームポイント518を減点エリア74に進入した場合に減点する構成としたが、通過枠76をその枠内に収まらずに通過した場合にも減点する構成としても良い。具体的には、通過枠76と異なる形状のまま通過枠76の位置を通過した場合や、通過枠76とほぼ相似形であるが通過枠76の中心とプレーヤキャラクタ60との中心が所定の許容値を超えてズレた場合にはゲームポイントを減点する。
或いは、通過枠76の枠内に収まらずに通過した回数が規定回数に到達したらゲームオーバーとする構成としても良い。
また、ゲームスタイルは横スクロールタイプに限らず、縦スクロールタイプでも良く、更にはゲーム空間を仮想3次元空間に形成し、プレーヤキャラクタ60や通過枠76を3Dモデルで形成する構成として、プレーヤキャラクタ60が画面奥に向かって進行するように見せる構成としても良い。
【0191】
〔第5実施形態〕
次に、本発明を適用した第5実施形態について説明する。尚、本実施形態は第4実施形態を基礎として、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。また、第1〜第4実施形態と同様の構成要素については、同じ符合を付与して説明は省略するものとする。
【0192】
図26は、本実施形態におけるゲームの概要を説明するための図であって、ゲーム画面と操作ガイド画面との例を示した概念図である。本実施形態では、ゲームが開始されるとゲーム画面W16のように、通過枠76に相当する基準符合90が画面上方から画面下方の入力ライン92に向けて流下移動するように移動制御される。
【0193】
入力ライン92には画面左右に伸縮変形するバー状のプレーヤキャラクタ94を配置させる。プレーヤキャラクタ94の左右長さは、操作ガイド画面W18上のタッチパネル1409へのタッチ操作から求められる入力長さLに基づき、リアルタイムで伸縮変形制御される。
【0194】
基準符合90は、流下方向に厚さを有する矩形で示されており、基準符合90が入力ライン92にかかっている間が入力期間に相当する。基準符合90が入力ライン92にかかっている間に、プレーヤが上手くタッチ操作してプレーヤキャラクタ60を入力ライン92にかかっている基準符合90と同じ長さにすることができたら、ポイントが加算される。
【0195】
尚、図26におけるプレーヤキャラクタ94は、単純な棒状のキャラクタとして図示しているが、例えば人の顔を表示しておいて、口の部分をプレーヤキャラクタ94として、上述した口元形状制御によって制御することとしても良いのは勿論である。
【0196】
図27は、本実施形態における機能構成例を説明するための機能ブロク図である。本実施形態のゲーム演算部210Gは、基準符合流れ表示制御部258と、ポイント算出部260とを備える。
【0197】
基準符合流れ表示制御部258は、記憶部500に予め記憶されている基準符合流れ制御設定データ552に従って、基準符合90をゲーム画面の特定方向から一定速度で流下制御する。同制御部は、公知の音楽ゲームにおける音符の流れ表示制御に係る技術を適宜利用して実現できる。
【0198】
ポイント算出部260は、記憶部500に予め記憶されているポイント算出関数データ554を参照して、入力長さ算出部216で算出された入力長さLに基づくゲームポイント518への加算値を算出する。
【0199】
基準符合流れ制御設定データ552は、例えば図28に示すように、最上流での出現タイミング528aと対応づけて出現する基準符合90の基準符合横長さ528bと、基準符合縦長さ528cと、基準長さ528dとを格納する。
【0200】
ポイント算出関数データ554は、例えば図29に示すように、入力長さ算出部216で算出された入力長さLと、入力ライン92にかかっている基準符合90の基準長さ528dとの差ΔL([入力長さL]−[基準長さ528d])に対応するポイント加算値を対応づける。本実施形態では、ΔLが「0」ならば規定値ΔP0が加算され、ΔLが「0」からプラス又はマイナスに離れるほどポイント加算値ΔPが小さくなるように設定されている。勿論、ΔLとポイント加算値ΔPの対応関係はこれに限らず適宜設定可能である。
【0201】
入力期間内に算出されたポイント加算値ΔPの最大値(ピーク値)は、記憶部500の最大ポイント加算値556として格納される。
【0202】
図30は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、第1液晶ディスプレイ1406へ所定のゲーム画面W16の背景画を表示する制御を開始し(ステップS201)、初期状態のプレーヤキャラクタ94を基準符合90の下流の入力ライン92上に配置する(ステップS203)。そして、ゲームポイント518を「0」に初期設定して(ステップS204)、ゲームスタートさせる(ステップS206)。
【0203】
ゲームをスタートさせたならば、処理部200はステップS214〜S272の処理を所定の制御サイクルで繰り返し実行する。
具体的には、先ずタッチパネル1409への2点タッチ操作を検出したならば(ステップS214のYES)、入力長さLを算出して(ステップS216)、算出した入力長さLに基づいてプレーヤキャラクタ94の横寸法を変形制御する(ステップS260)。
【0204】
流下制御される基準符合90が入力ライン92に差し掛かっている場合、今現在が入力期間に相当すると判定し(ステップS262のYES)、処理部200は適正長さガイド12の表示処理を実行する(ステップS263)。そして、ポイント算出関数データ554を参照して、ポイント加算値を算出し(ステップS264)、最大ポイント加算値556の更新処理をする(ステップS266)。つまり、ステップS264で算出した値が最大ポイント加算値556の値より大きければステップS264で算出した値で更新する。
【0205】
一方、ステップS262において、入力期間ではないと判定された場合には(ステップS262のNO)、処理部200は最大ポイント値556をゲームポイント518へ加算し(ステップS268)、最大ポイント加算値556を「0」に戻す(ステップS270)。
【0206】
次に、処理部200は基準符合90の流れ制御が終了したかを判定する。終了していなければステップS214に戻り(ステップS272のNO)、終了していれば一連の処理を終了する。
【0207】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明の適用形態はこれらに限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0208】
例えば、ゲーム装置は携帯型ゲーム装置に限らず、2つの指示入力が同時に可能な操作入力部を備えるならば、据え置きタイプの家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置でも良い。
【0209】
図31に示す家庭用ゲーム装置1200は、ゲーム装置本体1201と、ビデオモニタ1220と、2つのゲームコントローラ1230R、1230Lとを備える。ゲーム装置本体1201及びゲームコントローラ1230R、1230Lは、例えば、任天堂社製家庭用ゲーム装置「Wii」及びそのゲームコントローラなどによって実現される。
【0210】
より具体的には、CPUや画像処理用LSI、ICメモリ等が実装された制御ユニット1210と、光学ディスク1202やメモリカード1204といった情報記憶媒体の読み取り装置1206,1208とを備える。そして、家庭用ゲーム装置1200は、光学ディスク1202やメモリカード1204からゲームプログラム及び各種設定データを読み出し、ゲームコントローラ1230に為される操作入力に基づいて制御ユニット1210が各種のゲーム演算を実行し、所与のビデオゲームを実行する。
【0211】
制御ユニット1210は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を備え家庭用ゲーム装置1200の各部を制御する。
また、制御ユニット1210は、通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信を実現する通信装置1212を備える。また、近距離無線通信モジュール1214を備え、近距離無線を介して複数のゲームコントローラ1230R,1230Lとの間でデータの送受信を実現する。近距離無線の形式としては、例えばBluetooth(登録商標)やUWB(超広帯域無線)、無線LANなどが適宜適用可能である。
【0212】
そして、制御ユニット1210は、ゲームコントローラ1230R,1230Lから受信した操作入力信号に基づいてゲーム画面やゲーム音を生成してビデオゲームを実行する。生成されたゲーム画面やゲーム音に基づく映像信号や音信号がケーブル1209で接続されたビデオモニタ1220(ディスプレイモニタ、音声信号やビデオ信号などの外部入力が可能なテレビを含む意)に出力される。ビデオモニタ1220には、画像を表示する画像表示装置1222と、音声を出力するスピーカ1224とが備えられており、プレーヤは画像表示装置1222に映し出されるゲーム画面を見ながら、スピーカ1224から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。
【0213】
ゲームコントローラ1230R,1230Lは、面取りされた略四角断面を有する棒状を成しており、プレーヤは棒を握る要領で片手把持し操作する。ゲームコントローラ1230R,1230Lは、それぞれ内蔵するコントローラ制御ユニット1260を中心に、各種入力デバイス及び出力デバイスを、例えばIIC(Inter-Integrated Circuit)バスなどによって実現されるローカルバス回路によって接続しており、コントローラ制御ユニット1260によって各デバイス間の入出力を制御する。
【0214】
具体的には、例えばスイッチ類の入力デバイスとしては、正面側(上面側)の中央部と正面側後部に各種ボタンスイッチ1240を備える。また正面側の前部には、十字状の四隅を押下することで上下左右の方向を個別に入力することのできる方向入力キー1242といった操作ボタンを備える。
【0215】
また、その他の入力デバイスとしては、ゲームコントローラ1230の動きや傾きを検出するための加速度センサ1246を備える。
【0216】
加速度センサ1246はゲームコントローラ1230の長手先端方向(同図で言うところの図面上方向)をZ軸のプラス方向、正面向かって右方向(同図で言うところの図面右方向)をX軸のプラス方向、正面向かって手前方向(同図で言うところの図面左方向)をY軸のプラス方向とする直交3軸方向の各加速度を検出し、検出した加速度に応じた情報を含む操作入力信号をコントローラ制御ユニット1260に出力する。
【0217】
コントローラ制御ユニット1260は、例えば、CPUやローカルバス回路におけるデータ通信を制御するバスコントローラICなどの各種マイクロチップやICメモリなどの電子部品、ゲーム装置本体1201の近距離無線通信モジュール1214と無線通信を実現する近距離無線通信モジュール1262などを搭載する。
【0218】
そして、コントローラ制御ユニット1260は、ローカルバス回路を介して各種入力デバイスから送信された信号に基づいて操作入力信号を生成し、生成した操作入力信号を近距離無線通信モジュール1262でゲーム装置本体1201へ送信する。また、近距離無線通信モジュール1262によって、ゲーム装置本体1201から送出された出力信号を受信した場合には、受信した出力信号に対応づけられている出力デバイスへ制御信号を生成・送出する。尚、コントローラ制御ユニット1260及び各部が必要とする電力は、別途内蔵されたバッテリーから供給される。
【0219】
そして、もし第1実施形態と同様のゲームを、こうしたバードウェア構成で実現するならば、例えば図32に示すように、処理部200がゲーム画面W20として第1実施形態のゲーム画面W2に相当する状況表示部80と、第1実施形態の操作ガイド画面W4に相当する操作ガイド表示部82とを表示させるようにする。
【0220】
更に、処理部200は第1実施形態におけるタッチパネル1409における2点タッチ操作に基づく入力長さLの算出に代えて、加速度センサ1246で検出される加速度変化からゲームコントローラ1230R,1230Lそれぞれの動きを算出する。具体的には、ゲーム開始時に入力長さLに初期値を与え、両コントローラの距離が離れるように動く場合には初期値から入力長さLを増加させ、互いに近づくように動く場合には、入力長さLを初期値から小さくするように制御する。その一方で、操作ガイド表示部82には適正長さガイド12を表示させるとともに、現在の入力長さLを示す現在入力長さ表示84を表示させる。更には、適正長さと現在の入力長さLとのズレ量に応じて、この現在入力長さ表示84の表示色を、第1実施形態における適正長さガイド12の表示色変更制御と同様に行うと好適である。
【0221】
また、その他のゲーム装置の形態としては、タッチパネルなどの接触操作入力デバイスを搭載し、ゲームプログラムをアプリケーションとして実行することのできる情報処理装置であれば、ウルトラモバイルPCやポケットPCと称される小型パソコン、ノートパソコン、PDA(Personal Data Assistance)、スマートフォンとも称される携帯電話/PHS(Personal Handy-phone System)とPDAを融合させた携帯端末装置、デジタルオーディオプレーヤなどの小型電子機器をとすることができる。
【0222】
具体的には、図33に示すように、液晶ディスプレイ1508の表示域をカバーするタッチパネル1509を備えた携帯端末装置1500を用いることができる。この携帯端末装置1500は、スピーカ1510とマイク1511及び基地局との交信に使用される無線装置を備え、携帯電話又はPHSとして機能する。更に、携帯端末装置1500は、アプリケーションプログラムをメモリカード読取装置1518でメモリカード1540から読み出したり、通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得し、制御基板1550に搭載されたCPU等のプロセッサで実行することができる。また、各種操作入力をするための方向入力キー1502を備え、上下左右方向のキー入力をすることができる。そして、タッチパネル1509へ為された2本指による接触操作から入力長さLを算出するように制御すれば、第1実施形態〜第4実施形態と同様のゲームをプレイすることが可能となる。
【符号の説明】
【0223】
2 プレーヤキャラクタ
4 おじいちゃんキャラクタ
6 テキスト
8 入力タイミングガイド
12 適正長さガイド
14 背景レイヤー
30 プレーヤキャラクタ
32 第1キャラクタ部
34 第2キャラクタ部
36 伸縮部
40,42 コース
50,52 適正長さガイド
60 プレーヤキャラクタ
72 フェアウェイ
74 減点エリア
76 通過枠
78 マップ
100 操作入力部
102 接触位置検出部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 操作ガイド制御部
216 入力長さ算出部
218 音種類決定部
220 音声合成部
222 口元形状制御部
224 ゲームポイント算出部
230 音声変調方式決定部
232 音声変調部
240 自動走行側キャラクタ部選択部
242 伸縮制御部
244 従動走行側キャラクタ部位置決定部
250 マップ表示制御部
252 変形制御部
254 通過判定部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
504 音声合成エンジン
510 お題データ
514 ポイント算出基準範囲設定データ
516 母音判定基準長設定データ
518 ゲームポイント
530 変調パターン設定データ
540 コース設定データ
548 自動走行側設定フラグ
550 マップ設定データ
1400 携帯型ゲーム装置
1402 方向入力キー
1406 第1液晶ディスプレイ
1408 第2液晶ディスプレイ
1409 タッチパネル
1440 メモリカード
1450 制御ユニット
Ru,Ro,Re,Ra,Ri ポイント算出基準範囲
Lu,Lo,Le,La,Li 母音基準長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
2つの指示入力が同時に可能な操作入力部に入力された前記2つの指示入力に基づいて、入力長さを算出する入力長さ算出手段、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、伸縮変形可能なオブジェクトの伸縮変形を制御する伸縮変形制御手段、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記操作入力部は、2点タッチ可能なタッチパネルであり、
前記入力長さ算出手段が、前記タッチパネルへの接触操作に基づいて同時接触されている2点間の距離を入力長さとして算出するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム進行制御手段が、前記入力長さ算出手段により算出された入力長さを所定の長さ条件と比較して評価する評価手段を有し、当該評価結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム進行制御手段が、所定の入力期間に前記入力長さ算出手段により算出された入力長さを所定の長さ条件と比較して評価する評価手段を有し、当該評価結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記伸縮変形されたオブジェクトに応じて音を変更して出力制御する音出力制御手段、
前記出力制御された音が予め定められた正解音に適合するか否かを判定する判定手段、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記判定手段の判定結果に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記音出力制御手段が、子音を前記正解音と同じ子音とし、母音を前記伸縮変形されたオブジェクトに応じて変更して出力する制御を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記音出力制御手段が、前記算出された入力長さに対応付けて定められた音を、前記伸縮変形されたオブジェクトに応じた音として出力制御し、
前記判定手段が、前記算出された入力長さが予め定められた正解の長さに適合するか否かによって、前記出力制御された音が前記正解音に適合するか否かを判定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記音出力制御手段が、所定の音を、前記算出された入力長さに対応付けて定められた変調方式で変調して出力する制御を行うことで、前記伸縮変形されたオブジェクトに応じた音として出力制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項9】
入力すべき入力長さを指示する指示表示体を、入力すべきタイミングを示す入力タイミング位置に向けて移動表示制御する入力指示表示制御手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記ゲーム進行制御手段が、前記指示表示体が前記入力タイミング位置に位置した際に、前記入力長さ算出手段により算出された入力長さと、当該指示表示体が指示する入力長さとの異同に基づいてゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記伸縮変形制御手段が、口を有するキャラクタの前記口を前記オブジェクトとして、伸縮変形するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
2体の移動体を移動させる制御を行う移動体移動制御手段、
前記オブジェクトの前記伸縮変形に応じて前記2体の移動体の距離を変更する距離変更手段、
前記2体の移動体の距離の許容範囲である許容距離範囲を変化させる許容距離範囲変更手段、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記2体の移動体の距離が前記許容距離範囲内か否かに基づいて、前記移動制御手段による前記移動体の移動を継続させるか否かを決定してゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項12】
前記オブジェクトを所定方向に移動させる制御を行う移動制御手段、
伸縮変形された前記オブジェクトの正解の形態を示す正解形態を提示する正解形態提示手段、
として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム進行制御手段が、前記伸縮変形制御手段によって伸縮変形された前記オブジェクトの形態が前記正解形態か否かに基づいて、前記移動制御手段による前記オブジェクトの移動を継続させるか否かを決定してゲーム進行を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項13】
入力すべき前記入力長さをプレーヤに提示する操作ガイド提示手段として前記コンピュータを更に機能させるための請求項1〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記操作ガイド提示手段が、入力すべき入力長さと前記入力長さ算出手段により算出された入力長さとの異同度合をプレーヤに表示制御する異同度合表示制御手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
2つの指示入力が同時に可能な操作入力部と、
前記操作入力部に入力された前記2つの指示入力に基づいて、入力長さを算出する入力長さ算出手段と、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、伸縮変形可能なオブジェクトの伸縮変形を制御する伸縮変形制御手段と、
前記入力長さ算出手段により算出された入力長さに基づいて、ゲーム進行を制御するゲーム進行制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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