説明

プロジェクションナット用パーツフィーダ

【課題】 通過規制手段により、異常な向きのプロジェクションナットの移動を禁止して、最終的に異常な向きのナットがパーツフィーダから送出されないようにすることのできるプロジェクションナット用パーツフィーダを提供する。
【解決手段】
そこで、部品搬送路15および/または送出管16の一部に異常な向きのナットの通過を禁止する通過規制手段43が設けられ、これはナットが通過する空間形成部材と通過空間内に突出している規制部材によって構成されている。正常な向きのナットは、溶着用突起6で形成された空隙部を相対的に規制部材が通過し、異常な向きのナットはその横側面部5が規制部材で規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とし、パーツフィーダのボウルが円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有するプロジェクションナット用パーツフィーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットは、溶着用突起が下側になってパーツフィーダから送出振動によって送出される表向き送出と、溶着用突起が上側になってパーツフィーダから送出振動によって送出される裏向き送出とがある。このような表向きあるいは裏向きの送出は所定の向きが確実に維持され、決して逆向きで送出されてはならない。もしも、逆向きで送出されると、溶着用突起が鋼板部品等の相手方部品に対して溶着されないという現象が発生し、ナットが欠如したまま鋼板部品が後工程に移送され、製品の組立工程等において支障を来すことになる。
【0003】
プロジェクションナットを表向きまたは裏向きで供給することに関する先行技術として、特開平7−215429号公報に開示されている技術がある。ここに開示されている技術は、部品供給管の部品滑動面に突条を設け、プロジェクションナットの溶着用突起が前記突条を跨ぐ状態で部品供給管内を移動するようにし、もし、溶着用突起が逆向きである場合には、前記突条があるためにプロジェクションナットが通過できないようにするものである。同公報の段落0027,0028参照。
【0004】
さらに、パーツフィーダのボウルが円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有するプロジェクションナット用パーツフィーダが、実開昭60−151821号公報等で知られている。しかし、この文献にはプロジェクションナットの表裏方向を反転させる手段がパーツフィーダの動作システムの中に組み込まれていない。
【特許文献1】特開平7−215429号公報
【特許文献2】実開昭60−151821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような突条付きの部品供給管を採用した部品供給装置においては、逆向きのプロジェクションナットが部品供給管の箇所に移動してきたら、部品供給管を外して逆向きナットを除去する必要がある。したがって、逆向きナットが突条で制止される都度、部品供給装置を分解しなければならず、生産を一時停止することになり、生産効率を著しく低下させ実用的ではない。
【0006】
また、上記のような部品供給管であると、部品供給管の部品通過空間を精密に形成することができない。とくに、通常は柔軟性のある合成樹脂製の部品供給管であるから、上記の精度向上は不可能である。
【0007】
さらに、パーツフィーダのボウル内に山積みのようにして貯留されているプロジェクションナットが順次部品搬送路上に移載される状況を観察すると、約70%のプロジェクションナットが溶着用突起が上側になった裏向きの状態で部品搬送路を移動している。したがって、下向きになった溶着用突起が部品搬送路面上を滑動して送出される、いわゆる表向きで送出する場合には、約70%のプロジェクションナットを部品搬送路から除去し、残りの約30%の表向きナットを送出することになる。
【0008】
このように部品搬送路上に移載されたプロジェクションナットの約30%だけがパーツフィーダから送出されるものであると、残りの役70%のものは部品搬送路上に移載されているにもかかわらず部品搬送路から除去されることになり、パーツフィーダとしての送出効率が低いものとなる。すなわち、単位時間あたりの表向きナット送出量が少なくなり、電力等の消費エネルギーが多く必要となり経済的ではない。
【0009】
上記のように約70%のプロジェクションナットが裏向きで部品搬送路上に移載される現象は、プロジェクションナットの挙動を観察した結果、つぎのような理由で発生しているものと考えられる。
【0010】
すなわち、表裏混在している山積み状のプロジェクションナットに送出振動が付与されると、上方に存在している溶着用突起が上向きまたは斜め上向きになっているものは、溶着用突起の他のプロジェクションナットに対するひっかかりが少ないので、滑らかにボウルの外周側に移動する。他方、溶着用突起が下向きまたは斜め下向きになっているものは、溶着用突起が下側のプロジェクションナットに多くひっかかるので、ボウル外周側への移動が緩慢になる。そして、溶着用突起が下向きまたは斜め下向きになっているものが部品搬送路に到達するまでに送出振動で反転して溶着用突起が上向きまたは斜め上向きになるので、このように反転したものは先行的にしかも滑らかに部品搬送路の方へ移動する。したがって、部品搬送路上においては、溶着用突起が上向きになった裏向きナットの比率高くなる。
【0011】
本発明は、上述の種々な問題点を部品の供給原であるパーツフィーダにおいて解消することが前提になったものである。
【0012】
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、通過規制手段により、異常な向きのプロジェクションナットの移動を禁止して、最終的に異常な向きのプロジェクションナットがパーツフィーダから送出されないようにすることのできるプロジェクションナット用パーツフィーダを提供することを目的とする。
【問題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1記載の発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とするものであって、プロジェクションナットを収容するパーツフィーダのボウルが、円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、前記部品搬送路および/または送出管の一部に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段はプロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材とプロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【発明の効果】
【0014】
上記構成により、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるのである。
【0015】
したがって、通過規制手段の通過空間を通り抜けようとする異常な向きのプロジェクションナットは確実に規制部材によって制止され、パーツフィーダからの異常な向きのナット送出が防止でき、後工程におけるプロジェクションナットの欠如等といった問題が未然に防止できる。そして、正常な向きのプロジェクションナットは、その空隙部を規制部材が相対的に通過し、パーツフィーダからの円滑なナット送出がえられる。
【0016】
請求項2記載の発明は、前記通過空間はプロジェクションナットの外形とほぼ同じ断面形状の空間とされ、この通過空間を形成する内面は、前記部品搬送路および/または送出管の幅方向におけるプロジェクションナットの移動量を最小化する幅方向規制面と、プロジェクションナットの高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面である請求項1記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0017】
上記のプロジェクションナットの高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面により、プロジェクションナットの高さ方向すなわちねじ孔の軸線方向の移動量が最小化されているので、異常な向きのプロジェクションナットが規制部材を乗り越えて前記通過空間を通り抜けるようなことが確実に防止できる。例えば、溶着用突起が上向きになった裏向きナットが規制部材に突き当たり、この裏向きナットに連続するプロジェクションナットによって後方から搬送方向の押圧力が作用すると、裏向きナットが規制部材を乗り越える現象が発生し、通過空間を通過してしまう。しかし、上記のように、高さ方向規制面によって裏向きナットの浮上が抑制されているので、規制部材による制止機能が確実に果たされる。
【0018】
さらに、前記幅方向規制面が設けられているので、正常な向きのプロジェクションナットに対する規制部材の幅方向の相対位置が正確に設定され、それにともなって規制部材と前記空隙部との相対位置が正確に設定される。したがって、正常な向きのプロジェクションナットの空隙部を規制部材が相対的に確実に通過し、安定した通過許容機能が確保できる。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記規制部材の突出長さが微調整できるように構成されている請求項1または請求項2記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0020】
上記のように規制部材の突出長さが微調整できるので、プロジェクションナットの空隙部の寸法に最適な突出長さが設定でき、微少な空隙部であっても高精度の規制部材の通過が可能となる。溶着用突起が形成されている側に相手方の鋼板部品の表面に密着するシール用のリブが形成されているプロジェクションナットの場合には、溶着用突起によって得られる空隙部の高さ(規制部材の突出方向の高さ)が前記リブの高さ分だけ小さくなるので、規制部材の突出長さを微調整して、小さな空隙部であっても正確に規制部材が通過でき、信頼性の高い通過規制がえられる。
【0021】
請求項4記載の発明は、前記規制部材は部品搬送路および/または送出管の幅方向におけるほぼ中央部に配置されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0022】
上記のように、規制部材が部品搬送路および/または送出管の幅方向におけるほぼ中央部に配置されているため、規制部材は前記空隙部の両側に位置する溶着用突起間のちょうど中央部を相対的に通過するので、規制部材が溶着用突起に干渉することなく、円滑な通過許容機能がえられる。
【0023】
請求項5記載の発明は、前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常なプロジェクションナットが前記入口側端部から露出するような長さに設定されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0024】
上記のように、規制部材で制止されている異常な向きのプロジェクションナットが空間形成部材の入口側端部から露出しているので、この露出している箇所をつかんだりひっかけたりして排除することが簡単にでき、異常発生時における対応措置が簡単に短時間で行えて、生産効率の低下を最小化することができる。
【0025】
請求項6記載の発明は、前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、異常な向きのプロジェクションナットのねじ孔が前記入口側端部から露出するような長さに設定されている請求項5記載のプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0026】
このようにねじ孔が入口側端部から露出しているので、針金や細長い棒材をねじ孔にひっかけて、制止されている異常なプロジェクションナットを簡単な作業で排除することができる。
【0027】
請求項7記載の発明は、ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とするものであって、プロジェクションナットを収容するパーツフィーダのボウルが、円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、前記部品搬送路と送出管の境界部に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段はプロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材とプロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダである。
【0028】
上記通過規制手段は部品搬送路と送出管の境界部に配置されているので、パーツフィーダの送出箇所の近傍で最終的な異常ナットの通過規制を行うこととなり、それによって異常ナットの送出防止が確実に達成される。さらに、通過規制手段は部品搬送路の後流側端部付近に配置されるので、その上流側の部品搬送路に異常ナットを排除する、例えば、裏向きナット除去手段を配置することができ、パーツフィーダにおける異常ナットの除去手段が、2重あるいは3重のシステム構成によって実現し、異常ナットの送出が確実に防止できる。
【0029】
また、正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるのである。
【0030】
したがって、通過規制手段の通過空間を通り抜けようとする異常な向きのプロジェクションナットは確実に規制部材によって制止され、パーツフィーダからの異常な向きのナット送出が防止でき、後工程におけるプロジェクションナットの欠如等といった問題が未然に防止できる。そして、正常な向きのプロジェクションナットは、その空隙部を規制部材が相対的に通過し、パーツフィーダからの円滑なナット送出がえられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
つぎに、本発明のプロジェクションナット用パーツフィーダを実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0032】
本発明において送出の対象となるプロジェクションナット(以下、単にナットと表現する場合もある)の形状を図9にしたがって説明する。
【0033】
プロジェクションナットは符号1で示されている。同図(A)は斜視図である。ナット1は、表面2と裏面3(図7参照)を有し平面図的に見ると正方形の四角い形状をしたもので、中央部にねじ孔4が設けられている。ねじ孔4の軸線と平行な向きになっている4つの横側面5は、平面で構成されている。裏面3の四隅に溶着用突起6が形成されている。この溶着用突起6は、ナット1が塑性加工で作られる際に成形されるもので、表面2側の加圧変形部7の素材が流動して突起形状が構成されている。
【0034】
図9(A)に示したナット1は、同図(C)に示す鋼板部品8に圧接するシール用のリブ9が、図7(C)にも示すように、裏面3の外縁に沿って設けられている。プロジェクションナット1が鋼板部品8に溶接されると、溶着用突起6が鋼板部品8に溶着してそれ自体の高さが消滅するので、リブ9が鋼板部品8の表面に圧接される。このような圧接部に塗装が施されると、外部からの水の滲入が確実に防止される。
【0035】
図9(C)に示すように、溶着用突起6が後述するパーツフィーダの部品搬送路の表面を滑動している時に形成される空間が空隙部10である。前記ねじ孔4の軸線方向で見た空隙部10の高さL1は、リブ9の先端部と溶着用突起6の先端部との間隔によって設定されている。
【0036】
一方、図9(D)に示すナット1は、上記のようなリブ9が設けられていない形式のものである。したがって、空隙部10の高さL2は図(C)に示すようなリブ付きの場合の高さL1よりも大きくなっている。このことは、後述のように突出している規制部材が相対的に通過する空間高さが、L1の場合には著しく低くなり、このようなことを考慮して、規制部材の高さを厳密な精度で設定する必要があることを意味している。
【0037】
つぎに、パーツフィーダについて説明する。
【0038】
パーツフィーダ全体は符号11で示されている。そして、パーツフィーダ11の各部の構成部品は鉄製とされている。パーツフィーダ11のボウル12は、円形の底板13の外周部分に起立した状態で外壁板14が溶接されたもので、外壁板14の内壁に沿って段状の部品搬送路15が螺旋状に形成されている。この部品搬送路15は、搬送方向に向かって次第に高さが高くなっている。図1に示すように、部品搬送路15上を移動するナット1は反時計方向に旋回しながら搬送され、部品搬送路15の端部に接続されている送出管16から送出されるようになっている。そして、送出管16に、ナット搬送用の圧縮空気を噴射する空気管33が接合されている。
【0039】
なお、送出管16の断面形状は、ナット1の外形にほぼ等しい矩形である。そして、送出管16に接合されている部品供給管17はナット1の供給箇所まで伸びており、柔軟性のある合成樹脂で成形され、断面は送出管16と同様な矩形である。
【0040】
図1(A)に示すように、ボウル12の下側に起振部18が配置され、起振部18から送出振動がボウル12に伝達されるようになっている。
【0041】
部品搬送路15に移載されたナット1は、上述のように約70%のものが溶着用突起6が上向きになった裏向きである。したがって、最初に反転構造部20において約70%の裏向きナットを表向きに反転し、約30%の表向きナットを裏向きに反転する。図1(B)においては、反転構造部20の配置位置が図示してあり、その詳細な構造は図2および図3に示されている。
【0042】
ここで反転構造部20の詳細について説明する。
【0043】
図2は、前記反転構造部20の平面図、図3は、図2の各部の断面図であり(A)図は図2のA−A断面を示し、(B)図は図2のB−B断面を示すようにアルファベットが対応している。
【0044】
反転構造部20は、部品搬送路15の途中に配置され、搬送されてきたナット1が最初に通過するようになっており、部品搬送路15に後述の変形や他の部品の付加がなされている。部品搬送路15は、図3(A)に示すように、通常はボウル13の中央側すなわち内側が高くなるように傾斜している。この傾斜角θが図3(A)に示されている。なお、符号19は、搬送路形成板であり、外壁板14の内側に溶接されている。
【0045】
部品搬送路15の内側すなわちボウル13の中央側に、搬送方向に向かって高さが徐々に高くなる傾斜付与部21が設けられている。この傾斜付与部21は、その中央部の嶺部分22が徐々に高くなっている。この嶺部分22に連続した状態で平板状の規制板23が部品搬送路15の内側に起立した状態で溶接してある。この規制板23に対向する外壁板14に膨出壁部24が成形されている。
【0046】
前記膨出壁部24は、D−D断面部分においては起立壁部25の形状とされ、こうすることにより規制板23と搬送路形成板19と前記起立壁部25の3部材で起立溝部26が形成されている。前記起立壁部25は、搬送方向に向かって徐々に低くなっている。起立壁部25に連続した状態で湾曲受け面27が設けられ、その高さ位置は、図3(D)から(G)に示すように、搬送方向に向かって次第に低くなっている。そして、G−G断面部分を過ぎた箇所から膨出壁部24は滑らかに部品搬送路15に連なっている。また、図3(D)から(G)に示すように、プロジェクションナット1が倒れてゆく時に必要な空間を確保するために、規制板23と外壁板14との間隔が搬送方向に向かって次第に広くなっている。
【0047】
起立溝部26に連続した状態で傾斜部材30が設けられている。この傾斜部材30は、上面28と横側面29を有する細長い部材であり、規制板23の内側に沿った状態で配置されている。そして、図3(E)から(G)に示すように、上面28が搬送方向に向かって徐々に高くなっている。このような上面28の高さ変化により、上面28と横測面29によって形成される角部31も同様に徐々に高くなっている。
【0048】
前記横側面29と起立壁部25との間には、ナット1の溶着用突起6を通過させるための補助溝32が前記起立溝部26に連続した状態で設けられている。
【0049】
上述の反転構造部20の後流側に溶着用突起6が上向きになった裏向きのプロジェクションナット1を除去する裏向きナット除去手段35が配置されている。図1(B)においては、裏向きナット除去手段35の配置位置が図示してあり、その詳細な構造は図4および図5に示されている。
【0050】
つぎに、裏向きナット除去手段35の詳細について説明する。
【0051】
裏向きナット除去手段35の構造としては、溶着用突起6が突条にひっかかるものや、溶着用突起6が溝内にはまり込むもの等いろいろなものが採用できる。図4に示すものは前者のタイプであり、図5に示すものは後者のタイプである。
【0052】
まず、図4に示したものを説明する。部品搬送路15が裏向きナット除去手段35にさしかかると、その傾斜方向が逆になり、図4(B)に示すように、内側すなわちボウル13の中央側が低くなっている。裏向きナット除去手段35の部分の部品搬送路15には、外側すなわちボウル13の外周側に円弧状の突条36が設けられている。したがって、溶着用突起6がひっかからない裏向きナットは、図4(B)に示すように、部品搬送路6から滑り落ちる。
【0053】
図5に示したものは、図1の(5)−(5)断面に相当するもので、ここでの搬送路形成板19は外側が低くなった傾斜状態であり、この部分の外周側に円弧状の係止溝37が設けられている。したがって、図5に示すように、表向きのナット1はその溶着用突起6が係止溝37内にはまり込んでいるので、そのままの状態で搬送されて行く。裏向きのナット1は図5に示すように、滑落する。
【0054】
外壁板14は裏向きナット除去手段35の搬送方向の直後付近で途切れており、この途切れた箇所から受け箱38がボウル12の外周に取り付けてある。一方、図1(B)や図5に示すように、裏向きナット除去手段35の搬送方向の直後付近からは、部品搬送路15の内側に内壁板39が設けられている。受け箱38内に滑り落ちた裏向きナット1は、前記内壁板39にあけた通過口40を通ってボウル12内にもどされる。
【0055】
上述のように突条36や係止溝37はプロジェクションナット1の溶着用突起6が係合する係合構造部としての機能を果たしている。
【0056】
つぎに、通過規制手段について説明する。
【0057】
この通過規制手段は、何らかの原因で裏向きナットが混入している万一の場合に備えたもので、裏向きナットの通過を禁止してナットの裏向き送出を完全に防止している。
【0058】
図6および図7にしたがって説明すると、符号43で示されている通過規制手段は、部品搬送路15と送出管16の境界部に配置されている。この通過規制手段43を構成する部材は、通過空間44を形成する下向きに開放している断面コ字型の空間形成部材(以下、単にゲート部材と表現する場合もある)45と、通過空間44内に突出している規制部材46とによって構成されている。そして、この通過空間44は、プロジェクションナット1の外形とほぼ同じ断面形状の空間とされている。
【0059】
前記ゲート部材45は、図7に示すように、送出管16の箇所まで伸びてきている搬送路形成板19に溶接されており、ゲート部材45自体はブロック状の鋼鉄材料に精密機械加工を行って形成されている。ゲート部材45の通過空間44は、その通過方向がナット1の搬送方向と同じ方向とされている。
【0060】
前記規制部材46はボルト47によって構成され、搬送路形成板19に溶接されたナット48にねじ込まれている。このねじ込み量を調節して規制部材46の突出量が設定される。この設定された突出量が変化しないようにするために、ロックナット49をナット48に対して締め付けるようになっている。なお、符号50は、ゆるみ止めのためのスプリングワッシャである。上述のようなねじ構造によって、規制部材46の突出長さが微調整できるようになっている。
【0061】
前記ボルト47は、ナット1のねじ孔4の軸線方向に突出しており、その突出長さは前記空隙部10の高さL1あるいはL2よりもわずかに短く設定されている。また、規制部材46は、部品搬送路6や送出管16の幅方向、すなわち通過空間44の幅方向のほぼ中央部に配置されている。
【0062】
図6に示すように、部品搬送路15の外側端部でゲート部材45の上流側にガイド板52が起立した状態で搬送路形成板19に溶接してあり、このガイド板52にほぼ対応した位置に庇状のカバー板53が内壁板39に溶接してある。前記カバー板53の端部とガイド板52の内面との間に作業隙間54が形成され、この作業隙間54はゲート部材45の入口側端部55まで達している。
【0063】
前記通過空間44を形成する内面は、部品搬送路15や送出管16の幅方向すなわち通過空間44の幅方向におけるナット1の移動量を最小化する左右の幅方向規制面56と、ナット1の高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面57によって構成されている。
【0064】
とくに、高さ方向規制面57の高さ位置を高い寸法精度で設定することにより、通過規制手段43としての機能が信頼性の高いものとして確保できる。この点を図8にしたがって説明する。
【0065】
すなわち、図8(A)に示すように、ゲート部材45内に裏向きに入ってきたナット1の溶着用突起6と高さ方向規制面57の間隔L3の寸法精度が低くてL3の寸法が過大であると、裏向きナット1がゲート部材45を通過してしまう現象が発生する。これは、裏向きナット1が規制部材46で制止されていても、後続の表向きナット1によって裏向きナット1に搬送方向の押圧力が作用するので、2点鎖線で示すように、裏向きナット1は規制部材46の先端部に乗り上げた浮上状態になり、そのままゲート部材45を通過してしまうのである。まして、ナット1の表面2の角部に面取り部やアール部が形成されていると、このような浮上現象が顕著に現れる。
【0066】
そこで、図8(B)に示すように、前述の間隔L3を大幅に狭くして最小限の間隔L4とすることによって、上記のような裏向きナット1の浮上現象を防止することができる。つまり、規制部材46の突出長さL5よりもL4を小さく設定することにより、上記のような通過現象が防止できるのである。
【0067】
このような通過現象を防止するために、高さ方向規制面57の高さ位置を高精度のもとに求める必要があり、前述のような精密機械加工をブロック状の素材に対して施すのである。
【0068】
表向きナット1の正常な通過との関連でL4やL5を考察すると、空隙部の高さL1またはL2>L5>L4なる関係が成立し、このような関係を維持することにより、表向きナット1の正常な通過と裏向きナット1の確実な規制が実現する。そこで、上記の関係を実現するために、前述の精密機械加工が有効である。ある先行技術においては、鋼板製のゲート部材が知られているが、鋼板を曲げ加工したものではこのような精度が出せないのである。
【0069】
通過規制手段43で通過が規制された裏向きナット1は、簡単な作業で容易に除去できるようにしておく必要がある。そのために、前記規制部材46と空間形成部材45の入口側端部55との間の長さL6は、規制部材に46受け止められている裏向きナット1が前記入口側端部55から露出するような長さに設定されている。同時に、このように裏向きナット1が露出しているときに、そのねじ孔4が前記入口側端部55から露出するような長さに設定されている。
【0070】
このような裏向きナット1の露出部分に対しては、図7(A)に示すように、前記作業隙間54から除去作業を行うことができる。すなわち、細長い棒状の工具や針金を溶着用突起6またはねじ孔4にひっかけて作業隙間54に沿って搬送方向とは逆方向に引き戻すことにより、簡単に除去作業が行えてパーツフィーダ11の停止時間を最短時間にすることができ、生産性の面で有利である。
【0071】
なお、図6から明らかなように、カバー板53の端部59と前記係止溝37とは搬送方向で見て重複している。このようにしておくことにより、例えば、ボウル12内にプロジェクションナット1を供給するときに誤ってナット1が部品搬送路15上に裏向きの状態で落下しても、そのナット1は必ずカバー板53の上流側で部品搬送路15から滑落し、カバー板53の下側には進入できないようになっている。このような重複構造により、裏向きナット1がゲート部材45に到達できないようになっていて、パーツフィーダとしての送出信頼性がより一層高められている。
【0072】
上記構成によるナット1の搬送動作は、つぎのとおりである。
【0073】
ボウル12内に貯留されている多数のプロジェクションナット1は、起振部18の送出振動により、反転構造部20の上流側の部品搬送路15に移載されて反転構造部20の方へ整列した状態で移動して行く。このとき部品搬送路15上のナット1は、前述のように約70%が裏向きである。
【0074】
反転構造部20における反転動作は、裏向き表向きいずれのナットであっても同様であるが、図3には裏向きナット1が反転してゆく状態が図示されている。
【0075】
裏向きナット1が隆起形状の傾斜付与部21にさしかかると、嶺部分22に乗り上げることにより、図3(B),(C)に示すように、部品搬送路15の内側が高くなる方向に傾斜し、その傾斜角度は次第に大きくなって行く。このような傾斜が進行してナット1が起立溝部26にさしかかると、図3(D)に示すように、起立溝部26において横側面5が部品搬送路15の表面に接触した状態で起立する。
【0076】
この起立した状態でさらに搬送されると、今度は、ナット1の横側面5が傾斜部材30の角部31に乗り上げ、溶着用突起6が補助溝32に入りながらボウル12の外周側に倒れて行く。このようにナット1が倒れると、図3(E)に示すように、ナット1の裏面3が膨出壁部24の湾曲受け面27で受け止められる。
【0077】
このような傾斜状態が搬送されながら進行すると、図3(F),(G)に示すように、傾斜状態がさらに進行してほぼ反転が終了する。このような傾斜状態の進行は、角部31の高さが徐々に高くなって行くのに対し、湾曲受け面27の高さが徐々に低くなって行くことにより、確実に進行するのである。
【0078】
なお、ここでは、ナット1の横側面5が角部31に乗り上げた状態であるが、溶着用突起6が傾斜部材30の上面28に乗り上げるとともに、規制板23でナット1の表面2側の角部が受け止められて反転が進行して行くようにすることも可能である。
【0079】
上記反転動作により、約70%の裏向きナット1が表向きとなり、他方、約30%の表向きナット1が裏向きとなる。上述のようにして反転が完了すると、部品搬送路15上を図2の矢線の方向に搬送されて行く。
【0080】
ついで、表向きナット1が裏向きナット除去手段35にさしかかると、図4(B)に実線で示すように、溶着用突起6が突条36にひっかかりナット1は部品搬送路15から滑落することなく搬送されて行く。このとき万一、何らかの原因で裏向きナット1が混入していると、同図の2点鎖線で示すように突条36による係止機能が受けられないので、同図矢線図示のように部品搬送路15から滑落する。
【0081】
さらに、表向きナット1が他の形式の裏向きナット除去手段35である係止溝37の箇所にさしかかると、図5に実線で示すように、溶着用突起6が係止溝37内に入り込みながら搬送されて行くのでカバー板53の下側に移動する。もし、何らかの原因で裏向きナット1が混入していてそれが係止溝37の箇所にさしかかると、同図の2点鎖線で示すように係止溝37による係止機能が受けられないので、同図矢線図示のように部品搬送路15から受け箱38内に滑落し、通過口40を経てボウル12内に戻される。
【0082】
ついで、カバー板53の下側に移行した表向きナット1は、ガイド板52の内面を擦りながら空間形成部材(ゲート部材)45に達する。図7(B)に示すように、表向きナット1はその空隙部10が規制部材46を相対的に通過するので、規制部材46で制止されることなく送出管16に送り出されて、パーツフィーダ11から送出される。
【0083】
万一、カバー板53の下側に裏向きナット1が何らかの原因で混入している場合には、図7(A),(C)に示すように、溶着用突起6とは反対側のナット本体の横側面5(横側面部)が規制部材46で受け止められる。したがって、裏向きナット1が送出されることが確実に防止される。
【0084】
前記の規制部材46で受け止められた裏向きナット1は、ゲート部材45の入口側端部55から露出しているので、作業者は棒状の工具や針金を溶着用突起6やねじ孔4にひっかけて作業隙間54に沿って押し戻すことにより、カバー板53の端部59から裏向きナット1を排除する。
【0085】
上述の実施例では、通過規制手段43が部品搬送路15と送出管16との境界部に配置されている例を示したが、通過規制手段43の配置位置を図1(B)に2点鎖線で示す位置、すなわち部品搬送路15の途中に配置したり、部品搬送路15の途中と前記境界部の2箇所に配置したりすることも可能である。したがって、通過規制手段43の配置箇所については、「部品搬送路および/または送出管の一部」という表現を行っている。
【0086】
さらに、裏向きナット1を正常な向きのものとして送出する場合には、図7(D)に示すように、規制部材46を上側から通過空間44内に突出させるようにすることも可能である。
【0087】
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
【0088】
通過規制手段43の通過空間44を通り抜けようとする裏向きのプロジェクションナット1は確実に規制部材46によって制止され、パーツフィーダ11からの裏向きナット1の送出が防止でき、後工程におけるプロジェクションナットの欠如等といった問題が未然に防止できる。そして、正常な向きの表向きナット1は、その空隙部10を規制部材46が相対的に通過し、パーツフィーダ11からの円滑なナット送出がえられる。
【0089】
上記のプロジェクションナット1の高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面57により、プロジェクションナット1の高さ方向すなわちねじ孔4の軸線方向の移動量が最小化されているので、裏向きナット1が規制部材46を乗り越えて前記通過空間44を通り抜けるようなことが確実に防止できる。例えば、溶着用突起6が上向きになった裏向きナット1が規制部材46に突き当たり、この裏向きナット1に連続するプロジェクションナット1によって後方から搬送方向の押圧力が作用すると、裏向きナット1が規制部材46を乗り越える現象が発生し、通過空間44を通過してしまう。しかし、上記のように、高さ方向規制面57によって裏向きナット1の浮上が抑制されているので、規制部材46による制止機能が確実に果たされる。
【0090】
さらに、前記幅方向規制面56が設けられているので、表向きナット1に対する規制部材46の幅方向の相対位置が正確に設定され、それにともなって規制部材46と前記空隙部10との相対位置が正確に設定される。したがって、正常な向きの表向きプロジェクションナットの空隙部10を規制部材46が相対的に確実に通過し、安定した通過許容機能が確保できる。
【0091】
上記のように規制部材46の突出長さが微調整できるので、プロジェクションナット1の空隙部10の寸法に最適な突出長さが設定でき、微少な空隙部10であっても高精度の規制部材46の通過が可能となる。溶着用突起6が形成されている側に相手方の鋼板部品8の表面に密着するシール用のリブ9が形成されているプロジェクションナットの場合には、溶着用突起6によって得られる空隙部10の高さ(規制部材の突出方向の高さ)が前記リブ9の高さ分だけ小さくなるので、規制部材46の突出長さを微調整して、小さな空隙部10であっても正確に規制部材46が通過でき、信頼性の高い通過規制がえられる。
【0092】
上記のように、規制部材46が部品搬送路15および/または送出管16の幅方向におけるほぼ中央部に配置されているため、規制部材46は前記空隙部10の両側に位置する溶着用突起6間のちょうど中央部を相対的に通過するので、規制部材46が溶着用突起6に干渉することなく、円滑な通過許容機能がえられる。
【0093】
上記のように、規制部材46で制止されている裏向きナット1が空間形成部材(ゲート部材)45の入口側端部55から露出しているので、この露出している箇所を工具等でつかんだりひっかけたりして排除することが簡単にでき、異常発生時における対応措置が簡単に短時間で行えて、生産効率の低下を最小化することができる。
【0094】
上述のように裏向きナット1のねじ孔4が入口側端部55から露出しているので、針金や細長い棒材をねじ孔4にひっかけて、制止されている裏向きナット1を簡単な作業で排除することができる。
【0095】
上記通過規制手段43は部品搬送路15と送出管16の境界部に配置されているので、パーツフィーダ11の送出箇所の近傍で最終的な裏向きナット1の通過規制を行うこととなり、それによって裏向きナット1の送出防止が確実に達成される。さらに、通過規制手段43は部品搬送路15の後流側端部付近に配置されるので、その上流側の部品搬送路15に裏向きナット除去手段35を配置することができ、パーツフィーダ11における異常ナットの除去手段35が、2重あるいは3重のシステム構成によって実現し、裏向きナット1の送出が確実に防止できる。
【0096】
また、表向きのプロジェクションナット1は、溶着用突起6の突出高さによって形成された空隙部10を前記規制部材46が相対的に通過することにより、通過規制手段43の後方へ移動し、裏向きナット1は、溶着用突起6とは反対側のナット本体の横側面5が前記規制部材46に受け止められることにより、通過規制手段43の後方への移動が禁止されるのである。
【0097】
したがって、通過規制手段43の通過空間44を通り抜けようとする裏向きナット1は確実に規制部材46によって制止され、パーツフィーダ11からの裏向きナット1の送出が防止でき、後工程におけるプロジェクションナットの欠如等といった問題が未然に防止できる。そして、正常な向きの表向きプロジェクションナット1は、その空隙部10を規制部材46が相対的に通過し、パーツフィーダ10からの円滑なナット送出がえられる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、プロジェクションナットの裏表を設定された向きのとおりにして正確にパーツフィーダから送出することができるので、自動車のボデー組立ラインや各種鋼板部品へのナット溶接の分野で利用することができ、幅広い産業分野の期待に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】パーツフィーダの側面図と平面図である。
【図2】反転構造部の平面図である。
【図3】図2の各断面線部分に対応した断面図である。
【図4】裏向きナット除去手段の平面図と断面図である。
【図5】図1の(5)−(5)断面図である。
【図6】通過規制手段の配置状態を示す平面図と断面図である。
【図7】空間形成部材(ゲート部材)の平面図と断面図である。
【図8】空間形成部材の高さ方向規制面の状態を示す断面図である。
【図9】プロジェクションナットの形状を示す斜視図,断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 プロジェクションナット
2 表面
3 裏面
4 ねじ孔
5 横側面
6 溶着用突起
10 空隙部
11 パーツフィーダ
12 ボウル
13 底板
14 外壁板
15 部品搬送路
16 送出管
20 反転構造部
21 傾斜付与部
22 嶺部分
23 規制板
24 膨出壁部
25 起立壁部
26 起立溝部
27 湾曲受け面
30 傾斜部材
35 裏面ナット除去手段
43 通過規制手段
44 通過空間
45 空間形成部材(ゲート部材)
46 規制部材
55 入口側端部
56 幅方向規制面
57 高さ方向規制面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とするものであって、プロジェクションナットを収容するパーツフィーダのボウルが、円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
前記部品搬送路および/または送出管の一部に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段はプロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材とプロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、
正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、
異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項2】
前記通過空間はプロジェクションナットの外形とほぼ同じ断面形状の空間とされ、この通過空間を形成する内面は、前記部品搬送路および/または送出管の幅方向におけるプロジェクションナットの移動量を最小化する幅方向規制面と、プロジェクションナットの高さ方向の移動量を最小化する高さ方向規制面である請求項1記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項3】
前記規制部材の突出長さが微調整できるように構成されている請求項1または請求項2記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項4】
前記規制部材は部品搬送路および/または送出管の幅方向におけるほぼ中央部に配置されている請求項1〜請求項3のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項5】
前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、規制部材に受け止められている異常なプロジェクションナットが前記入口側端部から露出するような長さに設定されている請求項1〜請求項4のいずれかに記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項6】
前記規制部材と空間形成部材の入口側端部との間の長さは、異常な向きのプロジェクションナットのねじ孔が前記入口側端部から露出するような長さに設定されている請求項5記載のプロジェクションナット用パーツフィーダ。
【請求項7】
ナット本体の片側に複数の溶着用突起が設けられているプロジェクションナットを送出の対象とするものであって、プロジェクションナットを収容するパーツフィーダのボウルが、円形の底板とこの底板の外周部から起立している外壁板によって構成され、前記外壁板の内壁に沿って段状に形成された螺旋状の部品搬送路を有し、この部品搬送路に送出管が接続されている形式のものにおいて、
前記部品搬送路と送出管の境界部に異常な向きのプロジェクションナットの通過を禁止する通過規制手段が設けられ、この通過規制手段はプロジェクションナットの通過空間を形成する空間形成部材とプロジェクションナットのねじ孔の軸線方向に通過空間内に突出している規制部材によって構成され、
正常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起の突出高さによって形成された空隙部を前記規制部材が相対的に通過することにより、通過規制手段の後方へ移動し、
異常な向きのプロジェクションナットは、溶着用突起とは反対側のナット本体の横側面部が前記規制部材に受け止められることにより通過規制手段の後方への移動が禁止されるように構成したことを特徴とするプロジェクションナット用パーツフィーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−199495(P2006−199495A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−43046(P2005−43046)
【出願日】平成17年1月22日(2005.1.22)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】