説明

プロジェクタおよびプロジェクタの制御方法

【課題】LEDなどの半導体発光素子を光源とする照明装置を採用したプロジェクタにおいて、各色のLEDに温度係数のばらつきなどがあっても、色合いの変わらない画像が表示できるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタの照明装置10においては、各色のLED11r〜11bからの各色の照明光の光強度を共通の光電変換素子13によりシーケンシャルに検出し、共通のサンプルホールド回路31でサンプリングして、各色の比較回路34r〜34bにより各色の駆動回路12r〜12bにフィードバックする。サンプリング系統を各色の照明光に対して共通にしたので、サンプリング系統の個体差を排除することができ、各色のLED11r〜11bに温度係数のばらつきなどがあっても、色合いの変わらない画像が表示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDなどの半導体発光素子を用いた照明装置に関し、特に、プロジェクタなどの映像表示用の光源として適した照明装置およびその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光量の大きなLEDあるいは有機ELなどの半導体固体発光素子あるいは半導体発光素子が開発されており、これらを照明装置として様々な分野に利用することが考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
映像を表示するプロジェクタの光源として半導体発光素子を使用した照明装置が利用可能であり、照明装置から各色の光をシーケンシャルに出力し、各色の光をライトバルブにより変調して投写することによりカラー画像を表示できる。この方式は、カラーフィルタが不用であり、各色毎の強度を調整することが可能なので、鮮明な色の画像を表示できるコンパクトなプロジェクタに適している。
【0004】
しかしながら、半導体発光素子は、個々の半導体発光素子からは異なる色の光が射出されるので、各色の光量を自由に制御できる反面、各色の光が混合された中間色を規定通りに表示することが難しい。すなわち、従来の白色光源であれば、カラーフィルタを通すことにより、カラーフィルタで規定された色を表示することが可能であり、カラーフィルタをスルーにすれば白色も表示することができる。これに対し、半導体発光素子を用いた照明装置では、赤色R、緑色Gおよび青色Bの各色の光を出力する半導体発光素子を用意し、各色の半導体発光素子からの光を組み合わせることにより白色を表示する。したがって、各色の半導体発光素子からの光量を、それらを混合したときに白色が表示されるように調整する必要がある。
【0005】
さらに、半導体発光素子は、出力される光量が増加したとはいいながら1つ1つの半導体発光素子から出力可能な光量は限られており、1つの色の光であっても所望の光量を得ようとすると複数の半導体発光素子を組み合わせる必要がある。そして、それぞれの半導体発光素子の個体差は比較的大きく、光量、経時変化特性、温度特性などが異なる。したがって、所望の白色が表示されるように半導体発光素子の駆動回路の特性を設定したとしても、表示される色合いは刻々変化する可能性がある。また、照明装置の温度条件などが一定になるのを待ってマニュアルで各色の半導体発光素子の出力を調整することも可能ではあるが、定常的な状態に達するまでプロジェクタを放置しておく必要があったり、その間の消費電力が無駄になるなど実際的でない。
【0006】
温度特性などを制御するために、LEDやレーザからの出力を個別にフィードバックして出力調整を行うことは可能である。しかしながら、光量を検出するフォトダイオードやCCDの特性にも個体差もあり、駆動回路の特性もあり、半導体発光素子の出力を見て駆動電流を制御しても色合いをきめ細かく制御することはできない。
【0007】
そこで、本発明においては、半導体発光素子を利用した照明装置の色毎の光の強度(光量)を所定の割合に制御することができる光量調整装置およびそれを利用した照明装置およびプロジェクタを提供することを目的としている。そして、点灯した直後から、所望の色合いの画像を表示することができる照明装置およびプロジェクタを提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明においては、半導体発光素子によりライトバルブが照明される場合は、各色の光がシーケンシャルに照射されることに着目し、各色の光に対して共通のサンプリング系統を設け、各色の光が照射されるタイミングに合わせてシーケンシャルにサンプリングし、サンプリング側の個体差に起因する特性あるいは公差を除去できるようにしている。すなわち、本発明の光量制御装置は、異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子と、複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動手段とを有する照明装置用の光量制御装置であって、複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子により、グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされたグループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、グループ毎の設定値を制御するフィードバック手段とを有する。
【0009】
この光量制御装置は、グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をシーケンシャルにサンプリングするので、複数の半導体発光素子のすべてに対して共通の検出素子、たとえば、フォトダイオードやCCDを設けることが可能となる。したがって、少なくともサンプリング系統の固体差を除去することが可能となり、フィードバック手段においては、同一のサンプリング系統で測定あるいは検出されたグループ毎の光強度に基づき駆動手段を制御できる。このため、本発明の光量制御装置を採用した照明装置においては、グループ毎の駆動電流を制御することにより、照明装置を点灯した直後から、半導体発光素子から出力される光量を所定の割合で制御できる。さらに、サンプリング系統が1つになるので、検出素子は1つあるいは1グループで良く、また、サンプリング手段を構成する回路も共通となり、光量制御装置の構成は簡素で経済的なシステムとなる。
【0010】
したがって、本発明の光量制御装置を搭載した照明装置、あるいは、同等の機能を備えた照明装置、すなわち、異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子と、複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動手段と、複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子と、この検出素子により、グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング手段と、サンプリングされたグループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、グループ毎の設定値を制御するフィードバック手段とを有する照明装置においては、各半導体発光素子に温度係数のばらつきなどの固体差があっても色毎の強度比の変わらない照明を行うことができる。これらの照明装置においては、一定の比率で各色の光を出力するために、複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動工程と、複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子により、グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング工程と、グループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、グループ毎の設定値を制御するフィードバック工程とを有する制御方法が採用され、この制御方法も本発明に含まれる。
【0011】
このように、本発明の照明装置は、定常的に光量比が一定の色の異なる光をシーケンシャルに出力できるので、この照明装置をプロジェクタの光源とすることにより色合いの変わらない映像が得られるプロジェクタを提供できる。すなわち、本発明の照明装置と、この照明装置から出力された照明光を画像データにより変調するスイッチング領域を備えた光変調手段と、この光変調手段で変調された光をスクリーンに投影する投写レンズとを有するプロジェクタも本発明に含まれる。
【0012】
本発明においては、半導体発光素子はシーケンシャルに点灯することを前提としている。したがって、点灯直後のリンギング等による光の揺らぎが駆動電流にフィードバックされるのは避けることが望ましい。このため、サンプリング手段あるいは工程では、グループ毎の駆動電流が供給される時間内で、グループ毎の駆動電流を出力開始する第1のタイミングからある程度遅れた第2のタイミングでグループ毎の光強度をサンプリングすることが望ましい。
【0013】
また、点灯期間中の光量の変動もありうる。したがって、サンプリング手段あるいは工程においては、グループ毎の駆動電流が供給される時間内にグループ毎の光強度を複数回サンプリングして平均化したグループ毎の光強度を出力することが望ましい。このような処理は、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)などデジタル処理手段でサンプリング手段の機能を実現することにより容易に実行できる。また、光量制御装置全体の機能をDSPに実装することも可能であり、光量制御装置をワンチップで提供することも可能である。
【0014】
光量制御装置においては、フィードバック手段を各グループに対して共通にすることも可能である。しかしながら、フィードバック手段の機能はほとんどが回路あるいはプロセッサで実行することが可能であり、サンプリング系統と比較すると個体差が発生する要素は小さい。したがって、フィードバック手段を、グループ毎に、サンプリングされたグループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、グループ毎の設定値を制御するグループ毎のフィードバック回路で構成することも可能である。この場合は、グループ毎のフィードバック回路に対してスイッチング回路により、共通のサンプリング手段でサンプリングされたデータを振り分けることができる。さらに、フィードバック手段をグループ毎のフィードバック回路で構成することにより、各フィードバック回路の処理時間に余裕がでるので、制御周波数がフレーム周波数以下、たとえば、1Hz程度以下のそれほど処理速度の速くない、経済的な回路またはプロセッサでフィードバック手段の機能を実現できる。
【0015】
また、グループ毎の基準値を外部信号により変更可能な基準値更新手段あるいは基準値更新工程をさらに設けることが望ましい。外部信号は、ユーザの好みの色合いを示す信号であったり、画像を表示する環境の明るさを示す信号であっても良い。さらに、プロジェクタのライトバルブの明るさを制御する調光信号を外部信号として選択することも可能であり、暗い画像を表示するときは、照明装置からの光量を落とすことにより、ライトバルブの階調階調範囲を広げることが可能となる。したがって、画像が暗い場面であっても、微妙な色合いや濃淡を表現することができるプロジェクタを提供することができる。
【0016】
照明装置としては、ライトバルブなどの照明対象に対して1つの方向に半導体発光素子が配列されたものに加えて、照明の対象に対し第1の方向から第1の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第1の半導体発光素子群と、第1の方向と共役な第2の方向から第2の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第2の半導体発光素子群とに分けられている照明装置も含まれる。反射型のライトバルブとしてDMDが用いられた場合は、オン状態となる共役な角度を備えているので、2つの半導体発光素子群に分けることにより、配置することができる半導体発光素子の量が増加する。特に、緑色の光は他の色の光に比べて比視感度が低いので、独立した半導体発光素子群として配置することにより、他の色の光とのバランスをとるのが容易となる。すなわち、第1の半導体発光素子群と、第2の半導体発光素子群とは異なる色の光を出力することが望ましい。
【0017】
本発明においては、サンプリング系統が複数の半導体発光素子に共通であり、複数の半導体発光素子からライトバルブに照射される光が共通の検出素子に導かれるようにする必要がある。したがって、光検出素子は、光変調手段のスイッチング領域の近傍に配置されていることが望ましい。1つの実現可能な形態は、光検出素子を光変調デバイスと共にパッケージングすることであり、光変調デバイスと、スイッチング領域の近傍に配置された光検出素子とを有する光変調デバイスパッケージを提供することができる。また、複数の半導体発光素子からの光を共通の検出素子に導く光学素子、たとえば、レンズ、プリズムあるいは回折素子などを設けることも有用である。さらに、共通の検出素子には複数の半導体発光素子からのすべての異なる色の光に対応した無反射コートを施して、反射による光量の減少を防止することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかるプロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す照明装置の概略構成を抜き出して示すブロック図である。
【図3】照明装置の処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】サンプリングするタイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】光スイッチング部の概略構成を拡大して示す図である。
【図6】本発明に係る異なるプロジェクタの概略構成を示す図である。
【図7】本発明に係るさらに異なるプロジェクタの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照しながら本発明についてさらに説明する。図1に、本発明に係るプロジェクタの概略構成を示してある。このプロジェクタ1は、半導体発光素子であるLEDを光源とした照明装置10と、この照明装置10から出力された照明光2をパーソナルコンピュータなどのホスト装置から供給される画像データφ1により変調するライトバルブ3と、ライトバルブ3で変調された射出光4をスクリーン9に投影する投写レンズ5とを備えている。照明装置10は、異なる色の光を出力する半導体発光素子、すなわち、赤色光を出力する複数のLED11rと、緑色の光を出力する複数のLED11gと、青色の光を出力する複数のLED11bを備えており、各々の色の光を出力するLED11r〜11bが色毎にグループ分けされ、グループ毎に同時に点灯するように制御される。本例のプロジェクタに採用されているライトバルブ3は、複数のマイクロミラーが2次元にマトリクス状に配置されたスイッチング領域3aを備えたデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)と称される光スイッチングデバイスである。例えば、テキサツインスツルメンツ社のものがある。この光スイッチングデバイス3では、マイクロミラーが10度程度傾斜した場合がオン状態であり、照明装置10から射出された照明光2を射出光4として投写レンズ5の方向に反射する。したがって、光スイッチングデバイス3のスイッチング領域3aを構成するマイクロミラーは、共役な方向に傾いた2つのオン位置を備えており、本例の照明装置10においては、それらの共役な2方向にLEDを配置して2方向からライトバルブ3を照明するようになっている。
【0020】
本例の照明装置10では、第1の方向には、赤色の光を出力するLED11rと、青色の光を出力するLED11bが配置され、第2の方向には緑色の光を出力するLED11gが配置されている。緑色の光は、比視感度が低く、赤色あるいは青色の光に対して数多くのLED11gを配置する必要がある。したがって、本例の照明装置10のように、1方向に赤および青色のLED11rおよび11bを配置し、他方に緑色のLED11gを配置した照明装置は、カラーバランスの良い照明光2を出力することができる。
【0021】
プロジェクタ1は、照明光2を出力し、ライトバルブ3で照明光2を変調して射出光4としてレンズ5を通して出力する光学系7と、ライトバルブ3やLED11r〜11bを制御する制御系8とに大きく分かれる。制御系8は、ホストからの画像データφ1に基づいてライトバルブ3を駆動する画像制御部20と、画像制御部20からの各色毎の点灯開始信号φ2r〜φ2bに基づいて各色のLED11r〜11bに対して駆動信号または駆動電流φ3r〜φ3bを供給する駆動回路12r〜12bを備えている。さらに、これらの駆動回路12r〜12bより出力される駆動信号φ3r〜φ3bの強度を各色のLED11r〜11bの照明光2の強度(光量)に基づいて制御する光量制御部30を備えている。この光量制御部30は、ライトバルブ3のスイッチング領域3aの脇に配置されたフォトダイオードあるいはCCDといった光電変換素子13からの信号をサンプリングして各駆動回路12r〜12bの設定値14r〜14bを制御する。したがって、駆動回路12r〜12bでは、その設定値14r〜14bに基づいた強度の駆動信号φ3r〜φ3bを各LED11r〜11bに供給して各LED11r〜11bを適切なタイミングで点灯する。なお、LED11rが点灯する期間およびLED11bが点灯する期間において画素のオン状態を実現するマイクロミラーの傾斜方向(旋回方向)は、LED11gが点灯する期間において画素のオン状態を実現するマイクロミラーの傾斜方向(旋回方向)の逆方向である。「オン状態」とは、LED11r、11g、11bからの光がマイクロミラーを介してスクリーン9に導かれる状態のことである。
【0022】
制御系8は、光電変化素子13で検出された電流信号φiを電圧信号φvに変換する電流電圧変換部15をさらに備えている。また、制御系8は、このプロジェクタ1の全体的な操作を行うユーザインタフェイス21と、外界の状態、たとえば、室内の明るさを検出するセンサ類22も備えている。このような制御系8のうち、LED11r〜11bの制御に直に関わるものは、駆動回路12r〜12bと、光量制御部30と、光電変換素子13からの信号を処理する電流電圧変化部15である。
【0023】
したがって、本例の照明装置10は、半導体発光素子を用いた光源であるLED11r〜11bと、これらの駆動回路12r〜12bと、これらの駆動回路12r〜12bを介してそれぞれの色の発光素子LED11r〜11bから射出される光量を制御する光量制御部30と、発光素子LED11r〜11bからの光を検出する光電変換素子13と、光電変換素子13からの信号を処理して光量制御部30に対してサンプル入力とする電流電圧変化部15を備えている。
【0024】
図2に、本例の照明装置10を抜き出して示してある。本例の照明装置10の光量制御部30は、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)によるデジタル制御により実現されている。この光量制御部30は、画像制御部20によって生成されるタイミングφ2tにしたがって光電変換素子13からのデジタル化された光強度信号φvをサンプリングするサンプルホールド回路31と、サンプリングされたサンプル値Sを、点灯信号φ2r、φ2gおよびφ2bに応じて、各色の比較回路34r〜34bを選択して供給するスイッチング回路32と、このスイッチング回路32で振り分けられたサンプル値をそれぞれの色の光の基準値33r〜33bとそれぞれ比較し駆動回路にフィードバックする比較回路34r〜34bとしての機能を備えている。タイミング(トリガー)信号φ2tは、DSPである光量制御部30の内部で生成することも可能である。
【0025】
各色の比較回路34r〜34bは、供給されたサンプル値Sを各色の基準値33r〜33bと比較し、対応する駆動回路12r〜12bの設定値14r〜14bを変更するフィードバック回路である。この光量制御部30では、たとえば、3つのグループのうち、LED11rが点灯する場合には、光電変換素子13から得られた光強度信号φvを赤色の光のサンプルデータSとしてサンプルホールド回路31が画像制御部20から供給されたタイミング信号φ2tにしたがってサンプリングする。このサンプルデータSは、画像制御部20から供給された点灯信号φ2rにしたがってスイッチング回路32を介して赤色の比較回路34rに供給され、赤色の基準値33rと比較される。その結果、サンプルデータSが基準値33rより大きいと判断されれば駆動回路12rの設定値14rは、駆動電流φ3rが小さくなるように変更される。サンプルデータSが基準値33rより小さいときは逆に設定値14rが更新あるいは変更され、サンプルデータSと基準値33rが許容範囲内であれば、設定値14rは更新されない。
【0026】
さらに、光量制御部30は、各色の基準値33r〜33bを外部信号φ4〜φ6により更新することができる基準値更新回路35としての機能を備えている。本例の光量制御部30は、ユーザインターフェイス21から入力されたユーザの好みの色合いによって基準値33r〜33bが変更できる。また、センサ22から入力された部屋の明るさによって基準値33r〜33bを変更し、周囲が明るいときは照明光2の強度を増してプロジェクタ1から明るい画像を投影し、暗いときは照明光2の強度を落として暗い画像を投影することができる。さらに、画像制御部20から供給された調光信号φ6によっても基準値33r〜33bを変更できる。たとえば、画像制御部20に供給された画像データφ1により、暗い画像を表示するときは、基準値33r〜33bを低くし、照明光2の強度を落とす。これにより、ライトバルブ3では、照明光2の強度を下げる幅は小さくなり、階調階調範囲を広くすることができる。したがって、暗くても濃淡あるいは色合いが鮮明な画像を投影することができる。
【0027】
図3に、光量調整部30を含む照明装置10の動作をフローチャートにより示してある。まず、ステップ51で外部信号があり、基準値の更新が必要な場合は、ステップ52で基準値33r〜33bを更新する。それぞれの色の基準値23r〜23bを独立に更新することも可能であり、ユーザインターフェイス21からの信号φ5により色合いを変更するときは基準値33r〜33bを個別に変更し、部屋の明るさφ4や調光信号φ6により投影される画像の明るさを制御するときは基準値33r〜33bが一括して更新される。
【0028】
次に、画像制御部20からの各色の点灯信号φ2r〜φ2bにより、各色のLEDを点灯する処理を行う。本例のプロジェクタ1では、ライトバルブ3はLED11r〜11bから出力される各色の照明光2に順番に照射され、それぞれの色の照明光をライトバルブ3で変調して投写することによりスクリーン9にマルチカラーの画像が表示される。このため、ライトバルブ3を制御するタイミングに合わせて各色のLED11r〜11bを駆動する信号が画像制御部20から出力される。まず、ステップ53において、赤色RのLED11rを点灯する信号φ2rが立ち上がると、ステップ54において、赤色の駆動回路12rから駆動電流φ3rが赤色のLED11rに対して出力され、信号φ2rがハイの期間、赤色のLED11rが点灯する。LED11rから出力された照明光2は光電変換素子13に当たり、光電変換素子13によりLED11rから出力された照明光2の強度に対応する光強度信号φvが出力される。次にステップ55で光量制御部30のサンプルホールド回路31が、タイミング信号φ2tにしたがって光強度信号φvをサンプリングする。ここで、LED11rの点灯開始の時点から時間td後にこのサンプリングが開始されるように、画像処理部20がφ2rとφ2tとの位相を決定している。具体的には、φ2rの立ち上がりの時点からtdだけ遅延してφ2tが立ち上がるように、φ2tが設定されている。さらに、本例の光量制御部30では、ステップ55において、サンプルホールド回路31は、一回の点灯時間中に2回のサンプリングを行うことで、それぞれサンプリングデータを得る。そして、ステップ56においてサンプリングデータの平均であるサンプリングデータSをスイッチング回路32を介して赤色の比較回路34rに供給する。スイッチング回路32には、点灯信号φ2r、φ2gおよびφ2bが供給されている。点灯信号φ2rがハイの場合には、スイッチング回路32は、サンプルホールド回路31の出力端子と、比較回路34rの入力端子とを電気的に連結する。点灯信号φ2gがハイの場合には、スイッチング回路32は、サンプルホールド回路31の出力端子と、比較回路34gの入力端子とを電気的に連結する。点灯信号φ2bがハイの場合には、スイッチング回路32は、サンプルホールド回路31の出力端子と、比較回路34bの入力端子とを電気的に連結する。このため、点灯信号φ2r、φ2gおよびφ2bにしたがって、サンプリングデータSがサンプルホールド回路31から比較回路34r、34g、34bのいずれかに供給される。
【0029】
図4に、各色のLEDの点灯時間にサンプリングする様子を示してある。時刻tr1に赤色のLED11rの点灯信号φ2rが駆動回路12rに供給されると、駆動回路12rはLED11rに駆動電流φ3rを供給してLED11rを点灯する。サンプルホールド回路31には画像制御部20が生成するタイミング信号φ2tが供給されていて、サンプルホールド回路31は、タイミング信号φ2tにしたがって光強度信号φvをサンプリングする。ここで、点灯信号φ2rが立ち上がる時刻tr1と、タイミング信号φ2tが立ち上がる時刻tr2とには、時間tdだけ遅れが存在する。これは、LED11rが点灯した直後のリンギング等の光量の揺らぎをサンプリングするのを防止するためである。さらに、時刻tr3にもう一度、光強度信号φvをサンプリングすることにより点灯時間内の揺らぎもできるだけ平均化し、LED11rからの光の強度がサンプリングデータSの揺らぎによりフリッカしないようにしている。他の色の光をサンプリングするときも同様であり、最初のサンプリング時刻tg2およびtb2は、点灯時刻tg1およびtb1から時間tdだけ遅れるようにしている。そして、点灯時間内のtg3およびtb3にもう一度サンプリングして揺らぎを防止している。サインプリング回数は2回に限定されるものではないが、点灯サイクルと比較すると温度変化や経時変化の速度は非常に遅く、それに起因して大きく光量が変動することはないので2回程度の測定回数で充分である。光量制御部30から駆動回路12r、駆動回路12g、および駆動回路12bのそれぞれへの上記フィードバックの頻度は、それぞれ1フレーム期間に1回である。なお「1フレーム期間」とは、ホスト装置から供給される映像データφ1における1フレームに対応する期間のことである。
【0030】
図3に戻って、サンプルホールド回路31は、サンプルデータSをスイッチング回路32を介して出力すると、スタンバイ状態となる。そして、ステップ57において、赤色の点灯信号φ2rに続いてシーケンシャルに出力される緑色GのLED11gを点灯する信号φ2gが立ち上がると、ステップ58において、緑色の駆動回路12gから駆動電流φ3gが緑色のLED11gに対して出力され、点灯信号φgがハイの期間、緑色のLED11gが点灯する。LED11gから出力された照明光2は光電変換素子13に当たり、光電変換素子13によりLED11gから出力された照明光2の強度に対応する光強度信号φvが出力される。次にステップ59で光量制御部30のサンプルホールド回路31がタイミング信号φ2tにしたがって光強度信号φvをサンプリングする。ここで、LED11gの点灯開始の時点から時間td後にこのサンプリングが開始されるように、画像処理部20がφ2gとφ2tとの位相を決定している。具体的には、φ2gが立ち上がりの時点からtdだけ遅延してφ2tの立ち上がるように、φ2tが設定されている。さらに、本例の光量制御部30では、ステップ60において、サンプルホールド回路31が、一回の点灯時間中に2回のサンプリングを行うことで、それぞれサンプリングデータを得る。そして、ステップ60においてサンプリングデータの平均であるサンプリングデータSがスイッチング回路32を介して緑色の比較回路34gに出力される。
【0031】
さらに、緑色に続いて順番に出力される青色のLED11bを点灯する信号φ2bを駆動回路12bが検出した場合も同様であり、ステップ61において、信号φ2bが立ち上がると、ステップ62において、青色の駆動回路12bから駆動電流φ3bが青色のLED11bに出力され、青色のLED11bが点灯する。そして、ステップ63で光量制御部30のサンプルホールド回路31が点灯信号φ2bの立ち上り時刻から時間tdだけ遅れた時刻に光強度信号φvをサンプリングすると、青色の光の光強度のサンプルデータが得られ、ステップ64において平均化されたサンプリングデータSがスイッチング回路32を介して青色の比較回路34bに出力される。
【0032】
このように、サンプルホールド回路31は、LED11r〜11bが点灯するタイミングに合わせて、光電変換素子13から出力される光強度信号φvを順番にサンプリングし、各色の光強度を示すサンプリングデータを生成する。したがって、各色の光強度をサンプリングする系統は光電変換素子13からスイッチング回路32まで各色、すなわち、制御対象であるLEDの各グループに対して共通であり、各色の光の強度を同じ条件でサンプリングし、評価することができる。このため、各色の光の強度の比率を温度や、素子および回路の個体差に左右されることなく比較することが可能となり、各色のLED11r〜11bから出力される光の強度をいつでも所望の比率となるように制御できる。さらに、サンプリング系統が各色の光に対して共通なので、簡素な回路構成でサンプリングデータを取得でき、経済的である。
【0033】
一方、サンプルホールド回路31でサンプリングされたデータSは、各色単位でフィードバックを行う比較回路34r〜34bにより個別に処理される。すなわち、比較回路34rでは、ステップ65でサンプリングデータSを受け取ると、ステップ66で基準値33rと比較し、その比較結果に基づいてステップ67で駆動回路12rの設定値14rを更新あるいは変更する。同様に、比較回路34gでは、ステップ68でサンプリングデータSを受け取ると、ステップ69で基準値33gと比較し、その比較結果に基づいてステップ70で駆動回路12gの設定値14gを更新する。また、比較回路34bでは、ステップ71でサンプリングデータSを受け取ると、ステップ72で基準値33bと比較し、その比較結果に基づいてステップ73で駆動回路12bの設定値14bを更新する。
【0034】
このように、光量制御部30では、比較回路34r〜34bは、それぞれ独立して比較処理を行う。また、必ずしもサンプルホールド回路31から供給されるすべてのサンプリングデータを処理して駆動回路にフィードバックする必要はない。したがって、比較回路34r〜34bの処理サイクルはサンプリングに対して遅くても良く、フレームの処理とも同期している必要もない。ただし、温度変化や経時変化に追従できる程度の制御帯域は保持していることが望ましく、おおむねフレーム周波数以下の処理速度で充分対応できる。このため、サンプルホールド回路31以外の処理速度はそれほど高速である必要はなく、処理速度の低いDSPであっても本例の光量制御部30は実現でき、経済的である。
【0035】
図5に、ライトバルブ3を備えた光スイッチング部80の概略構成を拡大して示してある。本例の照明装置10においては、サンプリング系統が各色の光に対して共通している。したがって、光電変換素子13に対して各色の光が当たる必要がある。各色の照明光2は、ライトバルブ3のスイッチング領域3aには当たるようにプロジェクタ1の光路はデザインされるので、スイッチング領域3aの近傍に光電変換素子13を配置することによりすべてのLED11r〜11bからの照明光2を捉えることができる。このため、本例の光スイッチング部80においては、ライトバルブ3と光電変換素子13とを予め隣接して配置した状態でパッケージ89に収納している。
【0036】
パッケージ89は、照明光2が入力され、変調された射出光4が出力される側が透明な封止板88となっており、光電変換素子13の封止板88の側には、照明光を光電変換素子13に集光するためのマイクロレンズ81が配置されている。このマイクロレンズ81により、ライトバルブ3にほぼ焦点が当てられた照明光であっても光電変換素子13に導くことが可能となり、確実に各色の照明光2を光電変換素子13により検出することができる。さらに、マイクロレンズ81の表面はLED11r〜11bから射出される赤色、緑色および青色の光に対して反射係数の少ない無反射コート82が施されており、マイクロレンズ81の表面反射により光量が減少したり、表面反射した光がライトバルブ3に戻って画質を劣化させることがないようにしている。
【0037】
以上に説明したように、本例の照明装置10およびそれを備えたプロジェクタ1においては、各色の照明光2に共通した光電変換素子13を初めとする共通のサンプリング系統を備えており、サンプリング系統の個体差や揺らぎに影響されることなく、各色の照明光2を共通の条件で比較処理し、各色のLED11r〜11bの駆動回路12r〜12bを制御できる。したがって、各色のLED11r〜11bに温度係数などの個体差や回路などに起因するばらつきがあっても、温度や経時変化によって色合いが変わることのない画像を表示することができる。また、本例の照明装置10およびそれを備えたプロジェクタ1においては、各色の照明光2の光量比率を自動的に処理するので、ユーザがマニュアルで色調整をその都度行う必要はなく、最初に好みの色合いをセットしておくことにより、温度が変わっても、また、時間が経過してもその色合いの画像を手軽に楽しむことができる。さらに、サンプリング系統が各色、すなわち、色毎にグルーピングされたLEDに対して共通しているので、回路が簡素化されており、低コストで色合いの自動調整機能を備え照明装置およびプロジェクタを提供できる。
【0038】
図6に、本発明に係る異なる照明装置およびプロジェクタの例を示してある。上記の例では、光電変換素子13に照明光2を集光するためにマイクロレンズを採用しているが、本図のプロジェクタ1のように、プリズム83を集光するための光学素子として用いることも可能である。また、回折格子などの回折現象を用いた光学素子を使用することも可能である。
【0039】
図7に、本発明に係る他の照明装置およびプロジェクタの例を示してある。LED11r〜11bが2方向に分割して配置された照明装置を例に上記では説明しているが、図7に示すように、一方向に配置することももちろん可能である。さらに、光電変換素子13をスイッチング領域3aの充分近傍に配置できるのであれば、照明光を光電変換素子13に導くための光学素子を配置しなくても十分に精度の高いサンプリングデータを取得することができる。
【0040】
また、上記では、ティルトミラー型のライトバルブを用いたプロジェクタを例に本発明を説明しているが、反射型の液晶パネルなどの他のタイプのライトバルブを用いたプロジェクタに対しても本発明は適用できる。さらに、透過型の液晶パネルなどの透過型のライトバルブを備えたプロジェクタにも本発明は適用可能である。また、半導体発光素子としてLEDを光源に採用した例に基づき本発明を説明しているが、半導体レーザや有機ELなどの他の半導体発光素子を光源とする照明装置およびプロジェクタに対しても本発明は適用可能である。さらに、上記ではDSPで実現された光量制御部により本発明を説明しているが、DSPに限定されることはなく、汎用的なプロセッサ、ゲート回路などのハードウェアロジック回路、さらにはアナログ回路によっても本発明を実現することができる。
【0041】
以上、説明したように、本発明においては、半導体発光素子を備えた照明装置によりプロジェクタのライトバルブを照明する場合、各色の光がシーケンシャルに照射されるので、そのタイミングに合わせて各色の光の光強度をサンプリングするようにしている。したがって、各色の光に対して共通のサンプリング系統を設けるだけで、各色の光の強度を検出し、それをフィードバックして各色の光の強度比率を制御することができる。このため、本発明の照明装置を採用することにより、半導体発光素子に温度係数や経時変化にばらつきがあっても、色合いの変わらない画像を表示できるプロジェクタを提供することができる。また、サンプリング系統は共通になるので、サンプリングに要する構成が簡略化され、低コストで色合いの安定した画像を表示できるプロジェクタを提供できる。
【符号の説明】
【0042】
1…プロジェクタ、2…照明光、3…ライトバルブ、4…出力光、5…投写レンズ、7…光学系、8…制御系、9…スクリーン、10…照明装置、11…LED、12…駆動回路、20…画像制御部、30…光量制御部、31…サンプルホールド回路、32…スイッチング回路、33…各色の基準値、34…比較回路(フィードバック回路)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子と、前記複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の前記発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動手段とを有する照明装置用の光量制御装置であって、
前記複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子により、前記グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング手段と、
サンプリングされた前記グループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、前記グループ毎の設定値を制御するフィードバック手段とを有する光量制御装置。
【請求項2】
請求項1において、前記サンプリング手段は、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内で、前記グループ毎の駆動電流を出力開始する第1のタイミングから遅れた第2のタイミングで前記グループ毎の光強度をサンプリングする光量制御装置。
【請求項3】
請求項1において、少なくとも前記サンプリング手段としての機能を備えたデジタル処理手段を有し、このデジタル処理手段は、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内に前記グループ毎の光強度を複数回サンプリングして平均化した前記グループ毎の光強度を出力する光量制御装置。
【請求項4】
請求項1において、前記フィードバック手段は、前記グループ毎に、前記サンプリングされたグループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、前記グループ毎の設定値を制御するグループ毎のフィードバック回路を備えており、
さらに、前記サンプリング手段から、前記グループ毎のフィードバック回路にサンプリングされたデータを振り分けるスイッチング回路を有する光量制御装置。
【請求項5】
請求項4において、前記グループ毎のフィードバック回路の制御周波数がフレーム周波数以下である光量制御装置。
【請求項6】
請求項1において、前記グループ毎の基準値を外部信号により変更可能な基準値更新手段を有する光量制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光量制御装置と、
異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子と、
前記複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の前記発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流を前記グループ毎の設定値に基づき供給する駆動手段とを有する照明装置。
【請求項8】
異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子と、
前記複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の前記発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動手段と、
前記複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子と、
この検出素子により、前記グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング手段と、
サンプリングされた前記グループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、前記グループ毎の設定値を制御するフィードバック手段とを有する照明装置。
【請求項9】
請求項8において、前記サンプリング手段は、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内で、前記グループ毎の駆動電流を出力開始する第1のタイミングから遅れた第2のタイミングで前記グループ毎の光強度をサンプリングする照明装置。
【請求項10】
請求項8において、前記サンプリング手段は、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内に前記グループ毎の光強度を複数回サンプリングして平均化した前記グループ毎の光強度を出力する照明装置。
【請求項11】
請求項8において、前記駆動手段は、前記グループ毎の駆動電流を出力するグループ毎の駆動回路を備えており、
前記フィードバック手段は、前記グループ毎に、前記サンプリングされたグループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、前記グループ毎の設定値を制御するグループ毎のフィードバック回路を備えており、
さらに、前記サンプリング手段から、前記グループ毎のフィードバック回路にサンプリングされたデータを振り分けるスイッチング回路を有する照明装置。
【請求項12】
請求項11において、前記グループ毎のフィードバック回路の制御周波数がフレーム周波数以下である照明装置。
【請求項13】
請求項8において、前記グループ毎の基準値を外部信号により変更可能な基準値更新手段を有する照明装置。
【請求項14】
請求項8において、前記複数の半導体発光素子は、照明の対象に対し第1の方向から第1の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第1の半導体発光素子群と、前記第1の方向と共役な第2の方向から第2の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第2の半導体発光素子群とに分けられている照明装置。
【請求項15】
請求項14において、前記第1の半導体発光素子群と、前記第2の半導体発光素子群とは異なる色の光を出力する照明装置。
【請求項16】
請求項8において、前記複数の半導体発光素子からの光を前記共通の検出素子に導く光学素子を有する照明装置。
【請求項17】
請求項8において、前記共通の検出素子には前記複数の半導体発光素子からのすべての異なる色の光に対応した無反射コートが施されている照明装置。
【請求項18】
異なる色の光を出力可能な複数の半導体発光素子を有する照明装置の制御方法であって、
前記複数の半導体発光素子を少なくとも色毎の発光素子グループに分け、各々の前記発光素子グループに対し順番にグループ毎の駆動電流をグループ毎の設定値に基づき供給する駆動工程と、
前記複数の半導体発光素子から出力された光の強度を検出可能な共通の検出素子により、前記グループ毎の駆動電流に同期してグループ毎の光強度をサンプリングするサンプリング工程と、
前記グループ毎の光強度をグループ毎の基準値と比較し、前記グループ毎の設定値を制御するフィードバック工程とを有する照明装置の制御方法。
【請求項19】
請求項18において、前記サンプリング工程では、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内で、前記グループ毎の駆動電流を出力開始する第1のタイミングから遅れた第2のタイミングで前記グループ毎の光強度をサンプリングする照明装置の制御方法。
【請求項20】
請求項18において、前記サンプリング工程では、前記グループ毎の駆動電流が供給される時間内に前記グループ毎の光強度を複数回サンプリングして平均化した前記グループ毎の光強度を出力する照明装置の制御方法。
【請求項21】
請求項18において、前記グループ毎の基準値を外部信号により変更可能な基準値更新工程を有する照明装置の制御方法。
【請求項22】
請求項7に記載の照明装置と、この照明装置から出力された照明光を画像データにより変調するスイッチング領域を備えた光変調手段と、この光変調手段で変調された光をスクリーンに投影する投写レンズとを有するプロジェクタ。
【請求項23】
請求項22において、前記光検出素子は、前記光変調手段のスイッチング領域の近傍に配置されているプロジェクタ。
【請求項24】
請求項22において、前記光変調手段のスイッチング領域には、角度を変えて照明光を変調する複数のマイクロミラーが配列されているプロジェクタ。
【請求項25】
請求項24において、前記照明装置は、前記スイッチング領域に対し第1の方向から第1の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第1の半導体発光素子群と、前記第1の方向と共役な第2の方向から第2の照明光を照射する少なくとも1つのグループを備えた第2の半導体発光素子群とを備えているプロジェクタ。
【請求項26】
請求項25において、前記照明装置は、前記グループ毎の基準値を外部信号により変更可能な基準値更新手段を有するプロジェクタ。
【請求項27】
請求項26において、前記基準値更新手段に供給される前記外部信号は、前記光変調手段の調光信号であるプロジェクタ。
【請求項28】
照明装置から出力された照明光を画像データにより変調するスイッチング領域を備えた光変調デバイスと、前記スイッチング領域の近傍に配置された光検出素子とを有する光変調デバイスパッケージ。
【請求項29】
請求項28において、前記光検出素子が当該光変調デバイスと同一のパッケージ内に配置されている光変調デバイスパッケージ。
【請求項30】
請求項28において、前記照明装置は、複数の半導体発光素子を備えており、それら複数の半導体発光素子からの光を前記共通の検出素子に導く光学素子を有する光変調デバイスパッケージ。
【請求項31】
請求項28において、前記照明装置は、複数の半導体発光素子を備えており、前記共通の検出素子には前記複数の半導体発光素子からのすべての異なる色の光に対応した無反射コートが施されている光変調デバイスパッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−104489(P2012−104489A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271008(P2011−271008)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【分割の表示】特願2009−165371(P2009−165371)の分割
【原出願日】平成14年11月11日(2002.11.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】