説明

プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法

【課題】シャッターの移動操作のみで画像の静止機能と画像のミュート機能を実現できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】シャッター4が開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出するシャッター位置検出部15と、入力画像を保存する入力画像保存部22を備え、投写中にシャッター4が開放位置から画像保存位置に移動したことを検出した場合に入力画像を入力画像保存部22に保存するとともに画像投写部10に投写させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターを使ったプレゼンテーションにおいて、次のプレゼンテーションへの切替時に操作中の画面を見せたくない場合、一時的に画像の投写を中止する画面ミュート機能や、現在投写中の画面を保存し、表示を継続する、いわゆる画面静止機能などが使われている。これらの機能を実行するキーはリモートコントローラー(リモコン)のみに備えられ、本体キーからは省略される場合が多く、本体キーのみで操作している場合には使えなかった。
特許文献1にはスライド式のレンズシャッターを閉じることで画像投写を中止できるプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−240551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のプロジェクターではスライド式レンズシャッターにより、画面ミュート機能は実現できるが、表示中の画像を静止状態にすることはできない。このため、本体操作部に画面静止用のキーを持つ必要があり、本体操作部の操作キーが増えてコストアップになり、さらに操作が煩雑になるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して被投写面に投写する画像投写部と、前記光源から前記被投写面に至る間の光を遮断するシャッターと、前記シャッターが開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出するシャッター位置検出部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記シャッターが前記開放位置から前記画像保存位置に移動したことを検出した場合に、前記画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させることを特徴とする。
【0007】
本適用例によれば、シャッターを画像保存位置に移動することにより、入力画像を保存して投写し、シャッターを閉鎖位置にすることで、画像の投写を中断する。これにより、シャッターの移動という簡易な操作のみで入力画像静止機能と、画像の投写を中断するミュート機能とを実現することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記シャッターが前記閉鎖位置にあることを検出した場合に、予め設定されたミュート画像を前記画像投写部に投写させることを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、シャッターを閉鎖位置に移動することにより予め定められたミュート画像を投写する。これにより、シャッター操作による画像静止後に別途操作をすることなくミュート画像を投写させることが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記シャッターが前記閉鎖位置から前記画像保存位置に移動したことを検出した場合に、前記入力画像保存部に保存された前記画像データを前記画像投写部に投写させることを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、シャッターを閉鎖位置から画像保存位置に移動することにより、入力画像保存部に保存された画像データを投写する。これにより、一度画像ミュート状態にした後でも画像ミュート直前に保存した画像を再度投写させることが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に記載のプロジェクターにおいて、前記信号入力部は前記外部機器より音声信号をさらに入力し、前記外部機器より入力される前記音声信号を出力する音声出力部をさらに備え、前記制御部は、前記シャッターが前記画像保存位置にあることを検出した場合に、前記信号入力部より入力される前記音声信号の出力を停止することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、シャッターを画像保存位置に移動することにより画像を静止した状態で音声出力も中断する。これにより、別途音量操作、音声出力停止操作をすることなく、簡易な操作で画像静止と音声ミュート機能とを実現することが可能となる。
【0014】
[適用例5]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて変調して被投写面に投写する画像投写部と、前記光源から前記被投写面に至る間の光を遮断するシャッターと、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記シャッターが開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出するシャッター位置検出ステップと、前記シャッターが前記画像保存位置にあることを検出した場合に、前記画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させる、入力画像保存ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、シャッターを画像保存位置にすることにより、入力画像を保存して投写し、シャッターを閉鎖位置にすることで、画像の投写を中断する。これにより、シャッターの移動という簡易な操作のみで入力画像静止機能と、画像の投写を中断するミュート機能とを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】プロジェクターの斜視図。
【図2】プロジェクターの部分平面図であり、スリット周辺を部分的に示す図。
【図3】プロジェクターの部分正面図であり、シャッターの開閉状態を示す図。(a)はシャッターが閉鎖位置にあるとき、(b)はシャッターが画像保存位置にあるとき、(c)はシャッターが開放位置にあるときの状態を示す。
【図4】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図5】プロジェクターが動作中にシャッターの移動を検出したときの動作を示すフローチャート。
【図6】シャッター位置検出部の検出状態を示す図。(a)はシャッターが閉鎖位置にあるとき、(b)はシャッターが画像保存位置にあるとき、(c)はシャッターが開放位置にあるときの検出状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
(第1実施形態)
図1に示すように、プロジェクター1は、上面2t、前面2fなどを有する筐体2によって装置本体が覆われた構成となっている。なお、本実施形態においては、プロジェクター1に対して、投写方向でもある前面2f方向を前方とし、前面2fの反対側である背面方向を後方とする。また、プロジェクター1から投写方向に向かった左右の方向を、左右方向として説明する
【0019】
筐体2の上面2tには、ユーザーにより入力操作が行われる複数の操作キーを備えた入力操作部23が備えられている。
筐体2の前面2fには、開口部3が形成されている。また、筐体2の内側である開口部3の後方には、前方に向かって画像光を投写する投写レンズ13が備えられている。
開口部3には、カバー部材としてのシャッター4が開閉可能に備えられており、開口部3をシャッター4で閉塞することによって、投写レンズ13を保護するとともに投写光を遮光することが可能となっている。
【0020】
シャッター4は、合成樹脂製で略矩形の板状体であり、その1つの角部には、開口部3の開閉操作を行うための操作ツマミ4aが一体的に形成されている(図3参照)。操作ツマミ4aは、筐体2の上面2tに形成されたスリット5から露出しており、そのスリット5に沿って操作ツマミ4aを左右にスライド操作することによって、シャッター4が移動し開口部3の開閉を行うことができる。また、操作ツマミ4aは、筐体2の上面2tよりも上方に突出するようになっており、スライド操作を容易にしている。
【0021】
図2は、プロジェクター1の部分平面図であり、筐体2の上面2tに設けられた、スリット5の周辺部を部分的に示している。また、図3(a)〜(c)は、プロジェクター1の部分正面図であり、シャッター4による開口部3の開閉状態を示している。
【0022】
図2に示すように、スリット5は、筐体2の前面2fと並行するように形成されており、シャッター4は、操作ツマミ4aがスリット5の左端部(前方に向かって左側の端部)5aに接する位置と、操作ツマミ4aがスリット5の右端部(前方に向かって右側の端部)5cに接する位置との間を移動可能になっている。
つまり、シャッター4は、不図示のスライド機構によって前面2fに沿った横方向に摺動可能になっており、図3(c)に示すように、開口部3に配置された投写レンズ13をシャッター4で遮ることなく、外部に露出させることにより投写光を遮断しない開放位置(右端部5c)と、図3(a)に示すように、開口部3に配置された投写レンズ13をシャッター4で覆うことにより、投写光を遮断する閉鎖位置(左端部5a)との間で選択的に移動可能となっている。
また、スリット5には左端部5aと右端部5cの間に位置5bがあり、図3(b)に示すように、右端部5cの開放位置と同様に開口部3に配置された投写レンズ13を外部に露出させることにより投写光を遮断しないようになっている。
【0023】
これ以降、操作ツマミ4aをスリット5の左端部5aに移動させたときのシャッター4の位置を「閉鎖位置」と呼び、操作ツマミ4aをスリット5の右端部5cに移動させたときのシャッター4の位置を「開放位置」と呼び、操作ツマミ4aをスリット5の位置5bに移動させたときのシャッター4の位置を「画像保存位置」と呼ぶ。
シャッター4の後方には、フォトセンサー15a(図6参照)が配置されており、シャッター4が、開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれにあるかを判断することができる。
【0024】
図4は、本実施形態のプロジェクター1の回路構成を示すブロック図である。
図4に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部25、入力操作部23、入力画像保存部22、信号入力部18、画像信号処理部17、OSD処理部16、シャッター位置検出部15、音声信号処理部40、音声出力部41、電源端子30、電源部31等で構成されており、これらは筐体2(図1、及び図2)の内部に収容されている。
【0025】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調し、投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0026】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0027】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
【0028】
液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。
【0029】
形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0030】
上記実施形態では、光源として光源ランプ11aを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は、光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。
なお、上記実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0031】
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。また、制御部20は時間を計時するタイマー20aを備える。
【0032】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
【0033】
入力操作部23は、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、信号入力部18に入力される複数の画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
【0034】
ユーザーが入力操作部23の各種操作キーを操作すると、入力操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。なお、入力操作部23は、リモートコントローラー(リモコン)信号受信部(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信部がこれを受信して制御情報として制御部20に伝達する。
【0035】
信号入力部18は、上述したように複数の画像入力端子および音声入力端子を備えており、各画像入力端子および各音声入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部機器から、図示しないケーブルを介して画像信号(画像情報ともいう)、および音声信号(音声情報ともいう)が入力される。
【0036】
入力画像保存部22は、制御部20の指示により、指定した時点での入力画像データを保存する記憶装置である。
【0037】
画像信号処理部17は、信号入力部18から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0038】
音声信号処理部40は、信号入力部18から入力される音声信号を、制御部20の指示に基づいて増幅し、音声出力部41に出力する。
【0039】
音声出力部41は、音声信号処理部40から入力される音声信号を、ユーザーに聞こえる可聴情報として出力する。
【0040】
OSD処理部16は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部16は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。
【0041】
制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部16は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部17から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。
なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部16は、画像信号処理部17から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0042】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部16から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0043】
電源部31には、電源端子30を介してAC100V等の電力が外部から供給される。電源部31は、入力した電力(交流電力)を所定の直流電力に変換して、プロジェクター1の各部に電力を供給する。また、電源部31は、制御部20の指示に基づいて、画像の投写に必要な電力(動作電力)を各部に供給する状態(電源オン状態)と、動作電力の供給を停止して、電源をオンにするための操作を待機する状態(スタンバイ状態)とを切り替えることができる。
【0044】
光源制御部25は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯、及び消灯を切り替える。
【0045】
シャッター位置検出部15は、フォトセンサー15aなどで構成され、シャッター4を操作ツマミ4aでスライド移動したときの位置が開放位置、閉鎖位置、画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出し、その検出結果を制御部20に出力する。
【0046】
図6はシャッター4をスライド移動したときのシャッター位置検出部15による検出状態を示す図であり、シャッター4の後方、所謂筐体2の内側方向から見た図である。
図6に示すように、シャッター4の右後方にはフォトセンサー15aが配置されている。また、シャッター4の後方に対する面には、上下、左右方向に互いにずれた位置において、マーカー4b、4c、4dが設けられており、フォトセンサー15aはそれぞれを検出することでシャッター4の位置を検出できるようになっている。
【0047】
図6(a)に示すように、シャッター4が閉鎖位置にあるときは開口部3を閉塞している。このとき、フォトセンサー15aは最上部のマーカー4bを検出している。
図6(b)に示すように、シャッター4を画像保存位置に移動すると、シャッター4は開口部3を開口させ、フォトセンサー15aは2番目のマーカー4cを検出する。
図6(c)に示すように、シャッター4を開放位置に移動すると、フォトセンサー15aは最下部のマーカー4dを検出する。
シャッター位置検出部15は、フォトセンサー15aの検出結果からシャッター4が閉鎖位置、画像保存位置、開放位置のいずれの位置にあるかを制御部20に出力する。
【0048】
なお、本実施形態ではフォトセンサー15aを用いているが、磁気センサーやメカスイッチなどを用いた構成にしても良い。
【0049】
また、本実施形態では、シャッター4は開口部3の後方に備えられ、投写レンズ13から出た光を遮断するようになっているが、光源11から出た光がスクリーンSCに投写されるまでの間において、光路を遮断する構成であれば良く、例えば光源11と液晶ライトバルブ12R,12G,12B,投写レンズ13との間にシャッター4が備えられても良い。
【0050】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図5のフローチャートを用いて説明する。
図5はプロジェクター1が動作中にシャッター4の移動を検出したときの動作を示すフローチャートである。
【0051】
図5に示すように、プロジェクター1が動作中にシャッター4の位置が変わったこと(移動)を検出すると(ステップS101)、制御部20はシャッター4が開放位置から画像保存位置に移動したか否かを調べる(ステップS102)。
シャッター4が開放位置から画像保存位置に移動した場合(ステップS102:Y)、ステップS105に遷移する。シャッター4が開放位置から画像保存位置に移動したのではない場合(ステップS102:N)は、ステップS103へ遷移する。
【0052】
ステップS103において、制御部20はシャッター4が閉鎖位置から画像保存位置に移動したか否かを調べる。シャッター4が閉鎖位置から画像保存位置に移動した場合(ステップS103:Y)、ステップS106に遷移する。シャッター4が閉鎖位置から画像保存位置に移動したのではない場合(ステップS103:N)は、ステップS104へ遷移する。
【0053】
ステップS104において、制御部20はシャッター4が閉鎖位置に移動したか否かを調べる。シャッター4が閉鎖位置に移動した場合(ステップS104:Y)、ステップS107に遷移する。シャッター4が閉鎖位置にない場合、即ち開放位置にある場合(ステップS104:N)、ステップS108に遷移する。
【0054】
ステップS105において、制御部20はタイマー20aによる計時を開始(スタート)し、ステップS110に遷移する。
【0055】
ステップS110において、制御部20はシャッター4が画像保存位置にあるか否かを調べる。シャッター4が画像保存位置にある場合(ステップS110:Y)、ステップS111に遷移する。シャッター4が画像保存位置にない場合(ステップS110:N)、ステップS102に遷移する。
【0056】
ステップS111において、制御部20はタイマー20aが所定の時間である時間T1(例えば0.5秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが時間T1を経過した場合(ステップS111:Y)、ステップS112に遷移する。タイマー20aが時間T1を経過していない場合(ステップS111:N)、ステップS110に遷移する。
つまり、シャッター4を画像保存位置に時間T1以上保持した場合にステップS112に遷移する。
【0057】
ステップS112において、制御部20は信号入力部18に入力中の入力画像を入力画像保存部22に保存し、音声信号処理部40に指示して音声出力部41からの音声出力を停止する(音声ミュート)。次にステップS109に遷移する。
【0058】
ステップS106において、制御部20は入力画像保存部22に入力画像が保存されているか否かを調べる。入力画像保存部22に入力画像が保存されている場合(ステップS106:Y)、ステップS113に遷移する。入力画像保存部22に入力画像が保存されていない場合(ステップS106:N)、ステップS102に遷移する。
【0059】
ステップS113において、制御部20はタイマー20aによる計時を開始(スタート)し、ステップS114に遷移する。
【0060】
ステップS114において、制御部20はシャッター4が画像保存位置にあるか否かを調べる。シャッター4が画像保存位置にある場合(ステップS114:Y)、ステップS115に遷移する。シャッター4が画像保存位置にない場合(ステップS114:N)、ステップS102に遷移する。
【0061】
ステップS115において、制御部20はタイマー20aが所定の時間である時間T1(例えば0.5秒)を経過したか否かを調べる。タイマー20aが時間T1を経過した場合(ステップS115:Y)、ステップS116に遷移する。タイマー20aが時間T1を経過していない場合(ステップS115:N)、ステップS114に遷移する。つまり、シャッター4を画像保存位置に時間T1以上保持した場合にステップS116に遷移する。
【0062】
ステップS116において、制御部20は入力画像保存部22に保存された入力画像を画像投写部10に投写させ、音声信号処理部40に指示して音声出力部41からの音声出力を停止する(音声ミュート)。次にステップS109に遷移する。
【0063】
ステップS107において、制御部20は予め設定されたミュート画像(例えば黒画像)を画像投写部10に投写させ、音声信号処理部40に指示して音声出力部41からの音声出力を停止する(音声ミュート)。次にステップS109に遷移する。
【0064】
ステップS108において、信号入力部18より入力される画像を画像投写部10に投写させ、入力画像保存部22に保存されている入力画像を消去し、音声信号処理部40に指示して音声出力部41からの音声出力を開始する。次にステップS109に遷移する。
【0065】
ステップS109において本動作フローを終了する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、シャッター4を画像保存位置に移動することにより、入力画像を入力画像保存部22に保存して投写し、シャッター4を閉鎖位置にすることで、画像の投写を中断する。これにより、シャッター4の移動という簡易な操作のみで入力画像静止機能と、画像の投写を中断する画像ミュート機能とを実現することが可能となる。
【0067】
また、シャッター4を閉鎖位置から画像保存位置に移動することにより、入力画像保存部22に保存された画像データを投写する。これにより、一度画像ミュート状態にした後でも画像ミュート直前に保存した画像を再度投写させることが可能となる。
【0068】
また、シャッター4を画像保存位置に移動することにより画像を静止した状態で音声出力も中断する。これにより、別途音量操作、音声出力停止操作をすることなく、簡易な操作で画像静止と音声ミュート機能とを実現することが可能となる。
【0069】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、シャッター4を画像保存位置に移動し、入力画像保存部22に保存した画像を投写しているが、この状態において、保存画像を投写していることを示すメッセージ、またはアイコンなどを重畳して画像投写部10より投写させてもよい。これにより、投写しているのが現在入力している画像でなく、保存した画像であることがわかり、シャッター4を開放位置に戻し忘れるのを回避することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…プロジェクター、2…筐体、3…開口部、4…シャッター、4a…操作ツマミ、4b,4c,4d…マーカー、5…スリット、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、15…シャッター位置検出部、15a…フォトセンサー、16…OSD処理部、17…画像信号処理部、18…信号入力部、20…制御部、20a…タイマー、21…記憶部、25…光源制御部、22…入力画像保存部、23…入力操作部、30…電源端子、31…電源部、40…音声信号処理部、41…音声出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して被投写面に投写する画像投写部と、
前記光源から前記被投写面に至る間の光を遮断するシャッターと、
前記シャッターが開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出するシャッター位置検出部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記シャッターが前記開放位置から前記画像保存位置に移動したことを検出した場合に、前記画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記シャッターが前記閉鎖位置にあることを検出した場合に、予め設定されたミュート画像を前記画像投写部に投写させることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記シャッターが前記閉鎖位置から前記画像保存位置に移動したことを検出した場合に、前記入力画像保存部に保存された前記画像データを前記画像投写部に投写させることを特徴とする、プロジェクター。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記信号入力部は前記外部機器より音声信号をさらに入力し、
前記外部機器より入力される前記音声信号を出力する音声出力部をさらに備え、
前記制御部は、前記シャッターが前記画像保存位置にあることを検出した場合に、前記信号入力部より入力される前記音声信号の出力を停止することを特徴とする、プロジェクター。
【請求項5】
光源から射出された光を画像情報に応じて変調して被投写面に投写する画像投写部と、
前記光源から前記被投写面に至る間の光を遮断するシャッターと、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部より入力される前記画像信号の画像データを保存する入力画像保存部と、
を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記シャッターが開放位置、閉鎖位置、及び画像保存位置のいずれの位置にあるかを検出するシャッター位置検出ステップと、
前記シャッターが前記開放位置から前記画像保存位置に移動したことを検出した場合に、前記画像データを前記入力画像保存部に保存するとともに、前記画像データを前記画像投写部に投写させる、入力画像保存ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−220599(P2012−220599A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84253(P2011−84253)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】