説明

プロジェクター

【課題】表示画像の輝度低下を抑制できるプロジェクターを提供すること。
【解決手段】プロジェクターは、所定波長の光を出射する固体光源411と、固体光源411から入射される光の波長を変換する蛍光体を含む蛍光層4611を有する波長変換装置46と、波長変換装置46により波長が変換された光を変調する光変調装置と、変調された光を投射する投射光学装置と、固体光源411と波長変換装置46との間に設けられ、蛍光層4611に対する固体光源411から出射された光の入射位置を調整可能な調整装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、当該光源から出射された光束を変調して、画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、光源に固体光源を採用したプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクターは、赤、緑及び青の色光をそれぞれ出射する3つの光源装置(発光装置)を備えている。これら光源装置は、紫外領域の波長域光を励起光として出射する発光ダイオードやレーザー発光器等の固体光源と、当該固体光源から出射された励起光を吸収して所定の波長域光を発光する蛍光体の層が配置された回転体と、当該回転体を回転させるモーターとを有する。そして、これら光源装置から順次出射された光は、光変調装置(表示素子)により変調され、これにより形成された画像が投射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−217566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、プロジェクターの製造時における光学部品の配置誤差等により、前述の固体光源から出射された光が回転体における適切な位置に入射されないと、当該回転体に対して光路後段に位置する光学部品(例えば、表示素子)に対する光の入射位置がずれる。このような場合、表示素子に入射される光量が減少するため、表示される画像の輝度が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、表示画像の輝度低下を抑制できるプロジェクターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するために、本発明のプロジェクターは、所定波長の光を出射する固体光源と、前記固体光源から入射される光の波長を変換する蛍光体を含む蛍光層を有する波長変換装置と、前記波長変換装置により波長が変換された光を変調する光変調装置と、変調された前記光を投射する投射光学装置と、前記固体光源と前記波長変換装置との間に設けられ、前記蛍光層に対する前記固体光源から出射された光の入射位置を調整可能な調整装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような固体光源としては、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)を例示できる。
本発明によれば、調整装置により、蛍光層において固体光源からの光が入射される位置を調整できるので、当該蛍光層において適切な位置に光を入射させることができる。これによれば、光学部品の配置誤差がある場合でも、波長変換装置に対して光路後段に位置する光変調装置及び投射光学装置に、適切に光を入射させることができる。従って、画像形成に利用される光の損失が生じることを抑制でき、表示画像の輝度低下を抑制できる。
【0008】
本発明では、前記固体光源を複数備え、前記調整装置は、複数の前記固体光源と前記波長変換装置との間に配置され、それぞれの前記固体光源から出射された光の中心軸に直交する面内の照度を均一化して、当該光を出射する均一化装置と、前記均一化装置に入射される光の中心軸に対して直交する方向を回動軸として、当該均一化装置を回動させて、前記蛍光層に対する光の入射位置を調整可能な調整機構と、を有することが好ましい。
【0009】
ここで、蛍光体への入射光により当該蛍光層にて生じる光(波長変換後の光であり出射光)は、当該入射光の密度が高いほど強くなる傾向がある。しかしながら、当該密度が所定値より高くなると、入射光と出射光との比率として規定される光変換効率が低下し、入射光の強度を高くしても出射光の強度が高くならない光飽和という現象が生じる。この光飽和という現象が生じると、入射光の強度、すなわち、固体光源から出射される光の強度を高くしても、表示画像の輝度が高くならない。
【0010】
これに対し、本発明では、それぞれの固体光源から出射された光の中心軸に直交する面内の照度を均一化する均一化装置が、当該固体光源と波長変換装置との間に配置されている。これによれば、面内照度が均一化された光が波長変換装置の蛍光層に入射されるので、部分的に密度が高い光が蛍光層に入射されることを抑制できる。従って、前述の光飽和が生じることを抑制でき、波長変換後の光を利用して形成される表示画像の輝度を高めることができる。
更に、均一化装置を調整機構により回動させることで、蛍光層に対する光の入射位置が調整されるので、当該入射位置を調整するために光路を変更する光学部品等を均一化装置の他に設ける必要がない。従って、プロジェクターの構成の複雑化及び製造コストの増大を抑制できる。
【0011】
本発明では、前記調整装置は、前記調整機構を駆動させて、前記均一化装置を回動させる駆動装置を有することが好ましい。
このような駆動装置として、モーターや圧電素子等のアクチュエーターを例示できる。
本発明によれば、駆動装置が調整機構を駆動(動作)させて、均一化装置を回動させることにより、プロジェクターの出荷前後で、光の入射位置を調整できる。従って、表示画像の輝度低下を確実に抑制できる。
【0012】
本発明では、前記均一化装置は、当該均一化装置に入射される光の中心軸に対する直交面内に複数の第1レンズが配設された第1レンズアレイと、前記第1レンズに対応する第2レンズが複数配設された第2レンズアレイと、前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイを所定の間隔を隔てた状態で保持する保持部材とを有することが好ましい。
【0013】
本発明によれば、第1レンズアレイの各第1レンズにより、入射される光束が複数の部分光束に分割され、各部分光束は、第1レンズに対応する第2レンズに入射されて、当該第2レンズにより所定の位置に重畳される。これによれば、第1レンズアレイ及び第2レンズアレイに代えてロッドインテグレーター等を用いた場合に比べ、光が透過する方向の均一化装置の寸法を小さくできる。従って、均一化装置の小型化を図ることができる。
【0014】
ここで、第1レンズアレイと第2レンズアレイとの間隔(光束の透過方向の距離)は、プロジェクターの設計(例えば、光学部品の配置位置)により予め定められる。この間隔は、調整機構により当該第1レンズアレイ及び第2レンズアレイが回動される際にも、保持部材により維持される。従って、蛍光層に対する光の入射位置を適切に調整できる。
【0015】
本発明では、それぞれの前記固体光源から出射された光を集光する集光レンズと、前記集光レンズにより集光された光を平行化して、前記均一化装置に入射させる平行化レンズと、前記均一化装置により均一化された光を、前記蛍光層に入射させるピックアップレンズと、前記集光レンズ、前記平行化レンズ、前記ピックアップレンズ及び前記蛍光層の少なくともいずれかを、入射される光の中心軸に沿う方向に移動可能な移動機構と、を備えることが好ましい。
【0016】
なお、移動機構は、集光レンズ、平行化レンズ、ピックアップレンズ及び蛍光層の少なくともいずれかの構成をガイド等により移動可能であればよく、プロジェクターの内部、又は、外部に設けられたアクチュエーター等の駆動装置により駆動して、当該構成を移動させることができればよい。すなわち、当該駆動装置は必須ではない。
ここで、固体光源が複数設けられている場合、当該各固体光源から出射されて蛍光層に入射される光の総量が多くなるため、前述の光飽和が生じやすい。そして、当該光がピックアップレンズにより集約されて密度が高い状態で蛍光層に入射されると、光飽和が更に生じやすくなる。
【0017】
これに対し、本発明では、移動機構が、集光レンズ、平行化レンズ、ピックアップレンズ及び蛍光層の少なくともいずれかの構成を、当該構成に入射される光の中心軸に沿う方向に移動させる。これによれば、蛍光層に入射される光の焦点位置を、当該光の中心軸に沿う方向にずらすことができるので、当該蛍光層に入射される光の領域の面積を拡大することができ、当該光の密度を下げることができる。従って、光飽和を生じにくくすることができ、表示画像の輝度低下を抑制できる。
【0018】
本発明では、前記波長変換装置は、前記蛍光層と、当該蛍光層により波長が変換された光を反射させる反射層とを有する板状体を備え、前記移動機構は、前記板状体を移動可能に構成されていることが好ましい。
【0019】
ここで、波長変換装置が、蛍光層及び反射層が形成された板状体を有し、光変調装置が、反射層により反射された波長変換後の光を画像形成に利用する場合、固体光源から出射された光と、当該波長変換後の光とを分離する構成を配置する必要があるなど、固体光源から蛍光層までの間の光学部品の配置が密となる。
これに対し、本発明では、移動機構は、他の構成に比べて周囲に部品の配置自由度がある板状体を移動可能とする。これにより、当該他の構成の周囲に移動機構を設ける必要がないので、プロジェクターの構成部品の組立を簡略化できる他、移動機構による移動範囲を確保できる。
【0020】
或いは、本発明では、前記波長変換装置は、前記蛍光層が形成され、当該蛍光層により波長が変換された光が透過する板状体を有し、前記移動機構は、前記集光レンズ、前記平行化レンズ及び前記ピックアップレンズの少なくともいずれかを移動可能に構成されていることが好ましい。
【0021】
ここで、波長変換装置が、蛍光層により波長変換された光が透過する板状体を有し、光変調装置が、当該板状体を透過した光を画像形成に利用する場合、前述の光を分離する構成を設ける必要が無いが、板状体に対して光路後段の光学部品の配置が密となる。
これに対し、本発明では、移動機構は、板状体近傍に比べて周囲に部品の配置自由度がある集光レンズ、平行化レンズ及びピックアップレンズの少なくともいずれかを移動可能とする。これにより、当該蛍光層の周囲に移動機構を設ける必要がないので、プロジェクターの構成部品の組立を簡略化できる他、移動機構による移動範囲を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
【図2】前記第1実施形態における第1光源装置の構成を示す模式図。
【図3】前記第1実施形態における均一化装置の構成を示す斜視図。
【図4】前記第1実施形態におけるプロジェクターの構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るプロジェクターが備える第1光源装置の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの概略構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、光源装置から出射された光束を変調して、画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射するものである。このプロジェクター1Aは、図1に示すように、筐体2と、当該筐体2内に収納される光学装置3とを備える。この他、プロジェクター1Aは、図1では図示を省略するが、制御装置6、調整機構7及び移動機構8(それぞれ図4参照)と、当該プロジェクター1Aの構成部品を冷却する冷却装置と、当該プロジェクター1Aの電子部品に電力を供給する電源装置等とを備える。
【0024】
〔光学装置の構成〕
光学装置3は、制御装置6から入力される画像信号に応じた画像を形成して、当該画像を投射する。この光学装置3は、第1光源装置4A、第2光源装置5、均一照明装置31、色分離装置32、リレー装置33、光変調装置34、色合成装置35及び投射光学装置36を有する。
【0025】
第1光源装置4Aは、均一照明装置31を構成するダイクロイックミラー312に向けて緑色光及び赤色光を含む光を出射する。なお、第1光源装置4Aの構成については、後に詳述する。
第2光源装置5は、均一照明装置31を構成する全反射ミラー311に向けて青色光を出射する。この第2光源装置5には、詳しい図示を省略するが、青色光を出射する複数のLD(Laser Diode)又はLED(Light Emitting Diode)が配列されている。
【0026】
均一照明装置31は、第1光源装置4A及び第2光源装置5から入射される光を合成し、当該合成された光により、後述する各光変調装置34を略均一に照明する。この均一照明装置31は、全反射ミラー311、ダイクロイックミラー312、一対のレンズアレイ313,314、偏光変換素子315及び重畳レンズ316を備える。
全反射ミラー311は、第2光源装置5から入射される青色光をダイクロイックミラー312に向けて反射させる。
ダイクロイックミラー312は、第1光源装置4Aから入射される緑色光及び赤色光を含む光を透過してレンズアレイ313に導くとともに、全反射ミラー311を介して第2光源装置5から入射される青色光をレンズアレイ313に向けて反射させる。
【0027】
レンズアレイ313は、図示を省略するが、ダイクロイックミラー312から入射される光束を、複数の部分光束に分割する小レンズを有する。
レンズアレイ314は、レンズアレイ313の小レンズに対応する小レンズを有し、重畳レンズ316とともに、レンズアレイ313から入射される各部分光束を光変調装置34に重畳させる。
偏光変換素子315は、レンズアレイ314と重畳レンズ316との間に配置され、当該レンズアレイ314からの光を1種類の直線偏光に変換する。
【0028】
色分離装置32は、均一照明装置31から入射される光から、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色光を分離する。この色分離装置32は、青色光を透過させ、緑色光及び赤色光を反射させるダイクロイックミラー321と、緑色光を緑色光用の光変調装置34(34G)に向けて反射させ、赤色光を透過させるダイクロイックミラー322と、入射される青色光を反射させて、青色光用の光変調装置34(34B)に導く反射ミラー323とを備える。
【0029】
リレー装置33は、ダイクロイックミラー322を透過した赤色光を、赤色光用の光変調装置34(34R)に導くものであり、入射側レンズ331、リレーレンズ333及び全反射ミラー332,334を備える。このリレー装置33は、拡散等による赤色光の利用効率の低下を防止するためのものであるが、赤色光に代えて他の色光(例えば、青色光)を通す構成としてもよい。
【0030】
光変調装置34(赤色光用、緑色光用及び青色光用の光変調装置をそれぞれ34R,34G,34Bとする)は、それぞれ、入射された光束を変調して、制御装置6から入力される画像信号に応じた画像を形成する。これら光変調装置34は、詳しい図示を省略するが、当該画像信号に応じて駆動する液晶パネルと、当該液晶パネルを挟む一対の偏光板とを備える液晶ライトバルブとして構成されている。
色合成装置35は、クロスダイクロイックプリズムにより構成されている。この色合成装置35は、各光変調装置34から入射される色光毎の変調光(画像)を合成してフルカラーの画像光を形成する
投射光学装置36は、色合成装置35により合成された画像光を被投射面上に拡大投射する。この投射光学装置36は、詳しい図示を省略するが、鏡筒と、当該鏡筒内に配置される複数のレンズとを有する組レンズとして構成されている。
【0031】
〔第1光源装置の構成〕
図2は、第1光源装置4Aの構成を示す模式図である。
第1光源装置4Aは、前述のように、緑色光及び赤色光を含む光をダイクロイックミラー312に出射する。この第1光源装置4Aは、図2に示すように、固体光源アレイ41、反射ミラー群42、集光レンズ群43、ダイクロイックプリズム44、ピックアップレンズ45及び波長変換装置46を有する。
【0032】
固体光源アレイ41は、複数の固体光源411と、当該複数の固体光源411が実装される基板412と、各固体光源411に応じて設けられ、当該固体光源411から入射される光を平行化する平行化レンズ413とを有する。なお、本実施形態では、固体光源411は、所定波長の色光(例えば、紫外領域の色光)を出射するLDにより構成され、当該各固体光源411は、基板412においてマトリクス状に配列されている。
反射ミラー群42は、それぞれの固体光源411に応じて設けられる反射ミラー421を複数有する。これら反射ミラー421は、平行化レンズ413を介して固体光源411から入射される平行光を、集光レンズ群43に向けて互いに略平行に反射させる。
【0033】
集光レンズ群43は、集光レンズ431と、平行化レンズ432と、均一化装置433とを有する。
集光レンズ431は、それぞれの反射ミラー421から入射される光を集光して光束とし、平行化レンズ432に向けて出射する。
平行化レンズ432は、入射される光束を、当該光束の中心軸に沿う平行光に変換して、均一化装置433に出射する。
【0034】
図3は、均一化装置433を示す分解斜視図である。
均一化装置433は、入射される光束の面内照度(当該光束の中心軸に直交する面内における照度)を均一化する。この均一化装置433は、図3に示すように、前述のレンズアレイ313,314と同様の構成を有する第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435と、保持部材436とを有する。
【0035】
具体的に、第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435は、互いに同じ構成を有する。
これらのうち、第1レンズアレイ434は、矩形状の小レンズである第1レンズ4341がマトリクス状に複数配列された構成を有し、各第1レンズ4341により、第1レンズアレイ434に入射される光束を複数の部分光束に分割する。
第2レンズアレイ435は、第1レンズアレイ434と同様に、矩形状の小レンズである第2レンズ4351がマトリクス状に複数配列された構成を有する。これら第2レンズ4351は、それぞれ第1レンズ4341に対応しており、ある第1レンズ4341から出射された部分光束は、対応する第2レンズ4351に入射される。そして、これら各第2レンズ4351は、入射される各部分光束を、ダイクロイックプリズム44及びピックアップレンズ45を介して、波長変換装置46のホイール461に形成された蛍光層4611上に重畳させる。これにより、当該蛍光層4611には、面内照度が均一化された光が入射される。
【0036】
このような第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435は、例えば、ガラスモールドにより製造される。これらレンズアレイ434,435をガラスモールドにより製造する場合、部分的に引けが生じる場合がある。この引けの影響を低減するために、第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435は、第1レンズ4341及び第2レンズ4351が同じ方向を向くように、それぞれ配置されている。具体的に、本実施形態では、第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435は、第1レンズ4341及び第2レンズ4351が形成された面(第1レンズ4341及び第2レンズ4351が突出する面)がそれぞれ光束入射側を向くように配置されている。
【0037】
保持部材436は、第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435を、それぞれ所定の間隔を維持したまま保持するものであり、枠状に形成されている。この第1レンズアレイ434と第2レンズアレイ435との間隔は、プロジェクター1Aを構成する光学部品の配置等により設定される。
このような保持部材436は、光束入射側(平行化レンズ432側)に第1レンズアレイ434が嵌め込まれる凹部4361を有し、また、光束出射側(ダイクロイックプリズム44側)に第2レンズアレイ435が嵌め込まれる凹部4362を有する。
【0038】
なお、詳しくは後述するが、保持部材436は、後述する第1駆動装置91及び第2駆動装置92によって駆動される調整機構7(図4参照)により、均一化装置433に入射される光束の中心軸に対してそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する回動軸A1及びB1を中心としたA方向及びB方向に回動自在に設けられている。このため、ホイール461の蛍光層4611に対する光の入射位置を調整可能とされている。このような均一化装置433及び調整機構7は、本発明の調整装置に相当する。
【0039】
図2に戻り、ダイクロイックプリズム44は、所定波長未満の光を反射し、当該所定波長以上の光を透過する分離層441を有する。この分離層441は、本実施形態では、均一化装置433から入射される紫外領域の光をピックアップレンズ45に向けて反射させ、当該光の光路を略90度屈曲させる。また、当該分離層441は、ピックアップレンズ45を介して入射される光(波長変換装置46で波長変換された光)を透過させる。このダイクロイックプリズム44を透過した光は、前述の均一照明装置31のダイクロイックミラー312に入射される。
【0040】
ピックアップレンズ45は、ダイクロイックプリズム44を介して入射される各部分光束を波長変換装置46のホイール461における蛍光層4611の所定部位に集光及び重畳させる。この他、ピックアップレンズ45は、当該波長変換装置46により波長変換された光を集光し、ダイクロイックプリズム44を介して、ダイクロイックミラー312に入射させる。
【0041】
波長変換装置46は、入射された光の波長を変換して、当該変換された光を出射する。この波長変換装置46は、ホイール461及び回転手段462とを有する。
これらのうち、回転手段462は、ホイール461の中心軸を回転軸として回転させるホイールモーターにより構成されている。この回転手段462によってホイール461が回転されることにより、当該ホイール461が冷却される。
【0042】
ホイール461は、本発明の板状体に相当し、ピックアップレンズ45に対向する表面に形成された反射層4612と、当該反射層4612上に積層された蛍光層4611を有する。このような蛍光層4611に含まれる蛍光体は、ピックアップレンズ45から入射される光を吸収して励起されることにより、全方位に所定波長の光を出射する。なお、本実施形態では、当該蛍光体は、紫外領域の光を吸収して、緑色光及び赤色光を含む光を出射する。
このような蛍光体によって波長変換された光は、反射層4612により反射され、前述のように、ピックアップレンズ45及びダイクロイックプリズム44を透過して、ダイクロイックミラー312に入射される。
【0043】
〔制御装置の構成〕
図4は、プロジェクター1Aが有する他の構成を示すブロック図である。
プロジェクター1Aは、図4に示すように、光学装置3の他、前述の筐体2内に配置される制御装置6、調整機構7及び移動機構8を備える。
制御装置6は、前述のように、プロジェクター1A全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びフラッシュメモリー等の回路素子が実装された回路基板として構成されている。
この制御装置6は、例えば、プロジェクター1Aの外部から入力される画像情報(データ及び信号を含む)を処理し、当該画像情報に基づく画像信号を光変調装置34に出力する。また、制御装置6は、各固体光源411を点灯させる点灯信号を固体光源アレイ41に出力し、ホイール461を回転させる制御信号を回転手段462に出力する。
【0044】
〔調整機構の構成〕
調整機構7は、前述のように、均一化装置433とともに、本発明の調整装置を構成する。この調整機構7は、プロジェクター1Aの出荷前の調整段階で、それぞれプロジェクター1A外の第1駆動装置91及び第2駆動装置92により駆動され、前述の均一化装置433の保持部材436を、当該均一化装置433に入射される光束の中心軸に直交する回動軸を中心として回動させる。このような調整機構7は、第1回動手段71及び第2回動手段72を有する。
【0045】
第1回動手段71及び第2回動手段72は、例えば、当該保持部材436と係合する枠体や、回動を案内するガイド、及び、駆動装置91,92からの駆動力が伝達されるギヤ(それぞれ図示省略)等により構成される。
第1回動手段71は、第1駆動装置91の駆動力により駆動され、均一化装置433に入射される光束の中心軸に直交する回動軸A1(図3参照)を中心とするA方向(図2及び図3参照)に保持部材436を回動させ、ひいては、レンズアレイ434,435をA方向に回動させる。
第2回動手段72は、第2駆動装置92の駆動力により駆動され、当該中心軸及び回動軸A1にそれぞれ直交する回動軸B1(図3参照)を中心とするB方向(図2及び図3参照)に保持部材436を回動させ、ひいては、レンズアレイ434,435をB方向に回動させる。
【0046】
このような調整機構7により、第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435の間隔が維持された上で、入射される光束の中心軸に対する各レンズアレイ434,435の傾斜状態が調整される。これにより、均一化装置433から出射される光束の向きが調整され、蛍光層4611における光の入射位置が調整される。このような光の入射位置調整は、前述のように、プロジェクター1Aの出荷段階で行われる。そして、当該調整が完了した後は、第1駆動装置91及び第2駆動装置92は、プロジェクター1Aから取り外される。
なお、本発明の駆動装置としての第1駆動装置91及び第2駆動装置92は、ステッピングモーター等のモーター、当該モーターのスピンドルに設けられる少なくとも1つのギアを有する構成を例示できる。
【0047】
〔移動機構の構成〕
移動機構8は、プロジェクター1A外の第3駆動装置93により駆動され、蛍光層4611に入射される光の光路上に配置された光学部品を、当該光学部品に入射される光の中心軸に沿って移動させることで、当該蛍光層4611に入射される光の面積及び密度を調整する。本実施形態では、移動機構8は、ホイール461に入射される光の中心軸に沿うC方向(図2参照)に当該ホイール461を進退させることにより、当該ホイール461に入射される光の面積及び密度を低減させ、光飽和を生じにくくしている。
このような光の入射面積及び密度調整は、前述の光の入射位置調整と同様に、プロジェクター1Aの出荷前の調整段階で行われ、当該調整が完了した後は、第3駆動装置93は、プロジェクター1Aから取り外される。
【0048】
なお、移動機構8は、詳しい図示を省略するが、ホイール461に当接して、当該ホイール461を進退させる当接部や、当該当接部を移動させるギア等を有する構成を例示でき、第3駆動装置93は、前述の第1駆動装置91及び第2駆動装置92と同様の構成を例示できる。
また、移動機構8は、本実施形態では、ホイール461を進退させる構成であるが、これに限らず、波長変換装置46全体を進退させることで、蛍光層4611に入射される光の面積及び密度を調整する構成としてもよい。
【0049】
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aによれば、以下の効果がある。
調整機構7の第1回動手段71及び第2回動手段72が、第1駆動装置91及び第2駆動装置92により駆動されて、均一化装置433に入射される光の中心軸に対して互いに直交する方向を回動軸として、当該均一化装置433を回動させることにより、蛍光層4611における光の入射位置が調整される。これによれば、当該蛍光層4611において適切な位置に光を入射させることができる。このため、波長変換装置46に対して光路後段に位置する光変調装置34及び投射光学装置36等の光学部品に、適切に光を入射させることができるので、画像形成に利用される光の損失が生じることを抑制できる。従って、表示画像の輝度低下を抑制できる。
【0050】
各固体光源411から出射された光の中心軸に直交する面内の照度を均一化する均一化装置433が、当該固体光源411と波長変換装置46との間に配置されている。これによれば、面内照度が均一化された光が蛍光層4611に入射されるので、部分的に密度が高い光が当該蛍光層4611に入射されることを抑制できる。従って、光飽和が生じることを抑制でき、波長変換後の光を利用して形成される表示画像の輝度を高めることができる。
更に、均一化装置433が、駆動装置91,92により駆動される調整機構7によって回動されることで、蛍光層4611に対する光の入射位置が調整されるので、当該入射位置を調整するために光路を変更する光学部材を均一化装置433とは別に設ける必要がない。従って、プロジェクター1Aの構成の複雑化及び製造コストの増大を抑制できる。
【0051】
均一化装置433は、入射される光束を複数の部分光束に分割する複数の第1レンズ4341を有する第1レンズアレイ434と、それぞれ対応する第1レンズ4341から部分光束が入射される複数の第2レンズ4351を有する第2レンズアレイ435とを有し、各部分光束は、各第2レンズ4351により所定の位置に重畳される。これによれば、均一化装置として各レンズアレイ434,435に代えてロッドインテグレーター等を用いた場合に比べ、光が透過する方向の均一化装置433の寸法を小さくできる。従って、当該均一化装置433の小型化、ひいては、プロジェクター1Aの小型化を図ることができる。
【0052】
ここで、第1レンズアレイ434と第2レンズアレイ435との間隔(光束の透過方向の距離)は、光学部品の配置位置等の設計により予め定められる。この間隔は、調整機構7により当該第1レンズアレイ434及び第2レンズアレイ435が回動される際にも、保持部材436により維持される。従って、蛍光層4611に対する光の入射位置を適切に調整できる。
【0053】
固体光源411は基板412上に複数設けられており、当該各固体光源411から出射されて蛍光層4611に入射される光の総量が高くなるので、光飽和が生じやすい。また、当該光はピックアップレンズにより集約され、密度が高い状態で蛍光層4611に入射されるので、光飽和は更に生じやすい。
これに対し、第3駆動装置93によって駆動される移動機構8が、蛍光層4611が形成された板状体であるホイール461を、当該蛍光層4611に入射される光の中心軸に沿う方向(C方向)に移動させる。これによれば、蛍光層4611に入射される光の焦点位置を、当該光の中心軸に沿う方向にずらすことができるので、当該蛍光層4611への光の入射面積を拡大することができ、当該光の密度を下げることができる。従って、光飽和を生じにくくすることができ、表示画像の輝度低下を抑制できる。
【0054】
また、第1光源装置4Aは、蛍光層4611にて波長変換され、反射層4612にて反射された光を均一照明装置31に出射し、当該光を光変調装置34は画像形成に利用する。このような構成の第1光源装置4Aでは、固体光源411から出射された光と、蛍光層4611により波長変換された光とを分離するダイクロイックプリズム44を配置する必要があるなど、固体光源411から蛍光層4611までの間の光学部品の配置が密となる。
これに対し、移動機構8は、当該光学部品の周囲に比べて配置に比較的自由度があるホイール461を移動させ、ひいては、蛍光層4611を移動させる。このため、密に配置された光学部品の周囲に移動機構8を設ける必要がないので、プロジェクター1Aの構成部品の組立を簡略化できる他、ホイール461の移動範囲を確実に確保できる。
【0055】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、前述のプロジェクター1Aと同様の構成を有する。ここで、当該プロジェクター1Aでは、蛍光層4611により波長変換された光は、反射層4612にて反射される他、移動機構8は、ホイール461を進退させる構成であった。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターでは、波長変換された光はホイールを透過する他、移動機構は、他の光学部品を進退させる。この点で、本実施形態に係るプロジェクターとプロジェクター1Aとは相違する。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一または略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
図5は、本実施形態に係るプロジェクター1Bが備える第1光源装置4Bの構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第1光源装置4Aに代えて第1光源装置4Bを有する他は、前述のプロジェクター1Aと同様の構成を有する。
第1光源装置4Bは、図5に示すように、固体光源アレイ41、反射ミラー群42、集光レンズ群43、ピックアップレンズ45、波長変換装置46及び平行化レンズ47を有する。これらのうち、集光レンズ群43から出射された光は、ピックアップレンズ45を介して、ホイール461の蛍光層4611に入射される。このホイール461は反射層4612を有しないため、蛍光層4611に入射されて波長変換された光は、ホイール461を透過して、当該ホイール461の光路後段に位置する平行化レンズ47に入射される。
平行化レンズ47は、入射された光を当該光の中心軸に対する平行光に変換して、前述のダイクロイックミラー312に入射させる。
【0057】
また、本実施形態に係るプロジェクター1Bの移動機構8は、前述の第3駆動装置93により駆動され、集光レンズ431、平行化レンズ432及びピックアップレンズ45のうち少なくともいずれかの光学部品を、当該光学部品に入射される光の中心軸に沿ってD方向に移動(進退)させる。これにより、蛍光層4611に入射される光の焦点位置が、当該光の中心軸に沿って移動されて、当該光の面積及び密度が調整されるので、前述の光飽和を生じにくくすることができる。
なお、本実施形態においては、移動機構8は、集光レンズ431、平行化レンズ432及びピックアップレンズ45のうち少なくともいずれかの光学部品を進退させればよいが、これら全てを進退させてもよく、或いは、これらのうちの2つを進退させる構成としてもよい。
【0058】
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Bによれば、前述のプロジェクター1Aと同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
第1光源装置4Bは、蛍光層4611が形成されたホイール461を透過した光(波長変換後の光)を均一照明装置31に出射し、当該光を光変調装置34は画像形成に利用する。このような第1光源装置4Bでは、ホイール461に対して光路後段の光学部品の配置が密となる。
これに対し、本実施形態では、移動機構8は、ホイール461近傍に比べて部品の配置自由度がある集光レンズ431、平行化レンズ432及びピックアップレンズ45の少なくともいずれかを移動させる。これによれば、光学部品が密に配置された位置に移動機構8を設ける必要がないので、プロジェクター1Bの構成部品の組立を簡略化できる他、当該移動機構8によって移動される対象の移動範囲を確実に確保できる。
【0059】
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、第1光源装置4A,4B及び第2光源装置5は、固体光源411としてLDを有するとしたが、本発明はこれに限らず、LED等の他の固体光源を有する構成としてもよい。
【0060】
前記各実施形態では、調整機構7は、第1方向に沿う回動軸を中心として均一化装置433を回動させる第1回動手段71と、当該第1方向に直交する第2方向に沿う回動軸を中心として均一化装置433を回動させる第2回動手段72とを有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、調整機構7は、第1回動手段71及び第2回動手段72の少なくともいずれかを有していれば、蛍光層4611に対する光の入射位置を調整可能である。
【0061】
前記各実施形態では、均一化装置433は、第1レンズアレイ434、第2レンズアレイ435及び保持部材436を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、入射される光束の中心軸に直交する面内の照度を均一化することが可能であれば、均一化装置の構成は、他の構成でもよい。例えば、均一化装置として、柱状のロッドインテグレーターを採用してもよい。
【0062】
前記各実施形態では、均一化装置433を調整機構7が移動(回動)させることで、蛍光層4611に対する光の入射位置を調整するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、調整機構7が均一化装置433ではなく他の光学部品を移動させることで、蛍光層4611に対する光の入射位置を調整する構成としてもよい。
【0063】
前記第1実施形態では、第1光源装置4Aは、波長変換後の光がホイール461の反射層4612により反射される構成とされ、移動機構8は、ホイール461を進退させる構成であった。また、前記第2実施形態では、第1光源装置4Bは、波長変換後の光がホイール461を透過する構成とされ、移動機構8は、集光レンズ431、平行化レンズ432及びピックアップレンズ45の少なくともいずれかを進退させる構成であった。しかしながら、本発明はこれに限らない。すなわち、波長変換後の光が反射層4612で反射される構成であっても、移動機構8が、集光レンズ431、平行化レンズ432及びピックアップレンズ45の少なくともいずれかを進退させる構成としてもよい。また、波長変換後の光がホイール461を透過する構成であっても、移動機構8が、当該ホイール461を進退させる構成としてもよい。更に、他の光学部品を移動させることで、蛍光層4611に入射される光の焦点位置をずらして、当該光の入射面積及び密度を調整する構成としてもよい。
【0064】
前記第2実施形態では、ホイール461におけるピックアップレンズ45に対向する面に蛍光層4611が形成されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ピックアップレンズ45に対向する面、及び、当該面とは反対側の面の少なくともいずれかに蛍光層4611が形成されていればよい。
同様に、前記第1実施形態では、ホイール461におけるピックアップレンズ45に対向する面に蛍光層4611及び反射層4612が形成されているとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、ホイール461が透光性を有し、当該ホイール461におけるピックアップレンズ45に対向する面とは反対側の面に反射層4612が形成されていてもよい。
【0065】
前記各実施形態では、調整機構7を駆動させる第1駆動装置91及び第2駆動装置92と、移動機構8を駆動させる第3駆動装置93とは、プロジェクター1A,1Bの外部に設けられ、調整機構7による光の入射位置調整と、移動機構8による光の入射面積及び密度調整とは、プロジェクター1A,1Bの出荷段階で行われるとした。しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば、第1駆動装置91及び第2駆動装置92の少なくともいずれかが、本発明の調整装置を構成する駆動装置として、プロジェクター内部に設けられ、出荷後でも必要に応じて光の入射位置調整を実行できるように構成してもよい。更に、第3駆動装置93が、調整機構の一構成としてプロジェクター内に設けられ、出荷後でも必要に応じて光の入射面積及び密度調整を実行できるように構成してもよい。これらの場合、駆動装置の制御は、前述の制御装置が行うように構成してもよい。
【0066】
前記各実施形態では、プロジェクター1A,1Bは、3つの光変調装置34(34R,34G,34B)を備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
また、前記実施形態では、光束入射面と光束射出面とが異なる透過型の液晶パネルを有する光変調装置34を用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを有する光変調装置を採用してもよい。
【0067】
前記各実施形態では、光変調装置34(34R,34G,34B)は液晶パネルを有するとしたが、入射光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光変調装置であれば、他の構成の光変調装置を採用してもよい。例えば、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶パネル以外の光変調装置を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、プロジェクターに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0069】
1A,1B…プロジェクター、7…調整機構(調整装置)、8…移動機構、34(34R,34G,34B)…光変調装置、36…投射光学装置、45…ピックアップレンズ、46…波長変換装置、411…固体光源、431…集光レンズ、432…平行化レンズ、433…均一化装置(調整装置)、434…第1レンズアレイ、435…第2レンズアレイ、436…保持部材、461…ホイール(板状体)、4341…第1レンズ、4351…第2レンズ、4611…蛍光層、4612…反射層、91…第1駆動装置(駆動装置、調整装置)、92…第2駆動装置(駆動装置、調整装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定波長の光を出射する固体光源と、
前記固体光源から入射される光の波長を変換する蛍光体を含む蛍光層を有する波長変換装置と、
前記波長変換装置により波長が変換された光を変調する光変調装置と、
変調された前記光を投射する投射光学装置と、
前記固体光源と前記波長変換装置との間に設けられ、前記蛍光層に対する前記固体光源から出射された光の入射位置を調整可能な調整装置とを備える
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記固体光源を複数備え、
前記調整装置は、
複数の前記固体光源と前記波長変換装置との間に配置され、それぞれの前記固体光源から出射された光の中心軸に直交する面内の照度を均一化して、当該光を出射する均一化装置と、
前記均一化装置に入射される光の中心軸に対して直交する方向を回動軸として、当該均一化装置を回動させて、前記蛍光層に対する光の入射位置を調整可能な調整機構と、を有する
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記調整装置は、前記調整機構を駆動させて、前記均一化装置を回動させる駆動装置を有する
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記均一化装置は、
当該均一化装置に入射される光の中心軸に対する直交面内に複数の第1レンズが配設された第1レンズアレイと、
前記第1レンズに対応する第2レンズが複数配設された第2レンズアレイと、
前記第1レンズアレイ及び前記第2レンズアレイを所定の間隔を隔てた状態で保持する保持部材とを有する
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
それぞれの前記固体光源から出射された光を集光する集光レンズと、
前記集光レンズにより集光された光を平行化して、前記均一化装置に入射させる平行化レンズと、
前記均一化装置により均一化された光を、前記蛍光層に入射させるピックアップレンズと、
前記集光レンズ、前記平行化レンズ、前記ピックアップレンズ及び前記蛍光層の少なくともいずれかを、入射される光の中心軸に沿う方向に移動可能な移動機構と、を備える
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項5に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換装置は、前記蛍光層と、当該蛍光層により波長が変換された光を反射させる反射層とを有する板状体を備え、
前記移動機構は、前記板状体を移動可能に構成されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項5に記載のプロジェクターにおいて、
前記波長変換装置は、前記蛍光層が形成され、当該蛍光層により波長が変換された光が透過する板状体を有し、
前記移動機構は、前記集光レンズ、前記平行化レンズ及び前記ピックアップレンズの少なくともいずれかを移動可能に構成されている
ことを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−25215(P2013−25215A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161773(P2011−161773)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】