説明

プロジェクタ

【課題】プレゼンテーションに使用する際に、発表者へ当てるスポットライトとの切り替えを効率的に行うことのできるプロジェクタを提供する。
【解決手段】入力される映像信号に基づき映像を投射する投射部と、投射部が投射する投射光の形状を変更する投射光形状変更手段と、投射光形状変更手段の動作を制御する制御部120と、操作内容に対応した操作信号を受け付けて制御部120に出力する操作信号入力部112と、を備え、制御部120は、操作信号入力部112より投射光の形状を変更すべき旨の操作信号を受け付けると、投射光形状変更手段に投射光の形状を変更するよう指示し、投射光形状変更手段は、その指示に基づき投射光をスポットライト状に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタを用いたプレゼンテーションシステムに関し、『安全性の確立、複雑多様なポイント形状の生成、マルチスクリーンへの対応などを可能とするプレゼンテーションシステムを提供する。』ことを目的とした技術として、『スクリーン10と、このスクリーン10に画像を投影する液晶プロジェクタ1と、プレゼンターが手に持つ指示棒3を撮影するエリアCCD5と、制御演算部2とを備えている。制御演算部2は、エリアCCD5が撮影した指示棒3のベクトルを演算し、演算した指示棒3のベクトルから画像における指示棒3の延長線上でのポイント座標を生成し、液晶プロジェクタ1は、画像上のポイント座標にポイント画像を投影する。』というものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、計算機ホログラム光学素子に関し、『表面に油、水等の汚れが付着したとしても、イメージ変換機能の低下が少ない計算機ホログラム光学素子を提供する』ことを目的とした技術として、『本発明は、基材、および、上記基材上に形成され、フーリエ変換レンズとしての機能を有するイメージ変換層からなる透過型フーリエ変換ホログラムと、上記透過型フーリエ変換ホログラムのイメージ変換層上に配置され、上記イメージ変換層と一定の屈折率差を有する回折機能層と、上記回折機能層上に形成された保護層と、を有すること特徴とする、計算機ホログラム光学素子を提供することにより、上記目的を達成するものである。』というものが提案されている(特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−44222号公報(要約)
【特許文献2】特開2007−17643号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロジェクタをプレゼンテーションに用いる場面では、一般に周囲の照明を落として聴講者がプロジェクタの投射光を見やすいように配慮する。また、発表者をクローズアップするため、プロジェクタの投射光を切るかもしくは光量を落とし、発表者にスポットライトを当てる場合がある。
【0006】
しかし、発表者をクローズアップする際に、プロジェクタの電源を完全にOFFしてしまうと、次に発表者がプロジェクタを使用する際に、プロジェクタの電源をONして使用可能状態になるまでに時間を要し、プレゼンテーションの円滑な進行を妨げる。
また、プロジェクタの光量を落として待機させていると、その間はプロジェクタを使用していないにも関わらずプロジェクタの内部温度が不要に上昇し、使用効率の観点から好ましくない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、プレゼンテーションに使用する際に、発表者へ当てるスポットライトとの切り替えを効率的に行うことのできるプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプロジェクタは、入力される映像信号に基づき映像を投射する投射部と、前記投射部が投射する投射光の形状を変更する投射光形状変更手段と、前記投射光形状変更手段の動作を制御する制御部と、操作内容に対応した操作信号を受け付けて前記制御部に出力する操作信号入力部と、を備え、前記制御部は、前記操作信号入力部より前記投射光の形状を変更すべき旨の操作信号を受け付けると、前記投射光形状変更手段に前記投射光の形状を変更するよう指示し、前記投射光形状変更手段は、その指示に基づき前記投射光をスポットライト状に変更する。
そのため、プロジェクタを映像投射とスポットライト代用の2種類の用途で使用することができ、プロジェクタ単体で、プレゼンテーション表示とスポットライトとの切り替えを効率的に行うことができる。
【0009】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記投射光形状変更手段は、前記投射光の形状をスポットライト状に変更するホログラム光学素子を備えてなり、前記制御部の指示に基づき前記ホログラム光学素子を前記投射光の光路に挿入して前記投射光の形状を変更する。
そのため、当該プロジェクタのプレゼンテーション表示とスポットライトとの切り替えを即座に行うことができ、プレゼンテーションの円滑な進行に資する。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記投射光の投射位置を変更する投射位置変更手段を備え、前記制御部は、前記操作信号入力部より前記投射位置を変更すべき旨の操作信号を受け付けると、前記投射位置変更手段に前記投射位置を変更するよう指示し、前記投射位置変更手段は、その指示に基づき前記投射位置を変更する。
そのため、当該プロジェクタをスポットライト動作させるときに、投射光の位置を所望の位置に変更することができ、クローズアップする対象に適切にスポットライトを当てることができる。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記投射位置変更手段は、前記投射部が有するレンズを移動させることで前記投射部が投射する映像の投射位置を変更するレンズシフト部を備えてなり、前記制御部の指示に基づき前記レンズを移動させて前記投射位置を変更する。
そのため、投射光の位置を即座に変更することができ、プレゼンテーションの円滑な進行に資する。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記投射光の進行方向を屈折させる屈折部材を備え、前記投射位置変更手段は、前記屈折部材を前記投射光の光路に挿入して前記投射位置を変更する。
そのため、投射光の位置を変更可能な範囲を広げることができ、当該プロジェクタの動作をよりスポットライトに近づけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るプロジェクタ100の機能ブロック図である。
プロジェクタ100は、操作パネル111、操作信号入力部112、制御部120、映像信号処理部130、光源140、液晶ライトバルブ駆動部151、液晶ライトバルブ152、投射光学系153、ホログラム光学素子160を備える。
【0014】
操作パネル111は、ユーザがプロジェクタ100に対する操作指示を入力するためのボタン等を備えており、操作内容に対応した操作信号を生成して操作信号入力部112に出力する。
操作信号入力部112は、操作パネル111が出力した操作信号を受け取り、デジタル信号に変換するなど、制御部120が処理するのに適した形式に変換して、制御部120に出力する。
【0015】
制御部120は、操作信号入力部112から操作信号を受け取り、これに対応した制御動作を行う。また、ホログラム光学素子160の位置移動を制御する。また、映像信号処理部130、光源140の動作を制御する。
【0016】
制御部120は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、CPU(Central Processing Unit)やマイコンのような演算装置と、その動作を規定するソフトウェアとで構成することもできる。
【0017】
映像信号処理部130は、プロジェクタ100の外部機器等から与えられる入力映像信号を受け取るインターフェースを備え、その入力映像信号と制御部120の指示に基づいて出力映像信号を生成して液晶ライトバルブ駆動部151に出力する。
【0018】
光源140は、最終的にユーザへ表示する映像のための光源供給部であり、液晶ライトバルブ152に向けて光を射出する。
液晶ライトバルブ駆動部151は、映像信号処理部130が出力する出力映像信号に基づいて、液晶ライトバルブ152を駆動する。
液晶ライトバルブ152は、複数の図示しない画素がマトリクス状に形成されており、液晶ライトバルブ駆動部151により各画素の透過率が調整されることで、光源140から射出された光を変調し、投射光学系153に向けて射出する。
液晶ライトバルブ152から射出された光は、投射光学系153によってスクリーン200上に拡大投射される。
投射光学系153には、投射光の焦点を変更可能なフォーカス機構と、投射光の拡大率を変更可能なズーム機構とが備えられている。
【0019】
ホログラム光学素子160は、光源140から照射された光を入射すると、入射光を所定のイメージへ変換する光学素子である。変換イメージは後述の図2で説明する。
また、ホログラム光学素子160は、制御部120の指示に従って動作するモータ等の駆動手段により配置位置を可変可能に構成されている。通常は光源140から照射される光の光路から外れた位置に配置されており、制御部120から位置変更の指示があると、光源140から照射される光の光路上に挿入される。
ホログラム光学素子160は、計算機ホログラム光学素子(CGH:Computer Generated Hologram)などを用いて構成することができる。
【0020】
以上、本実施の形態1に係るプロジェクタ100の構成について説明した。
次に、本実施の形態1に係るプロジェクタ100の動作について説明する。
【0021】
図2は、プロジェクタ100の通常動作とスポットライト動作の切り替えを説明するものである。ここでは、発表者300がプロジェクタ100を用いて、スクリーン200に投射される映像を適宜指し示しながらプレゼンテーションを行っている場面を想定する。
図2(a)は通常動作時、図2(b)はスポットライト動作時の使用イメージである。
【0022】
図2(a)に示すような通常動作時は、プロジェクタ100は、供給される映像信号に基づき映像をスクリーン200に投射し、その投射光の形状は一般的には矩形である。
一方、プレゼンテーションを行っている途中の要所や、もしくはプレゼンテーションが終了したときなどに、プレゼンテーションを一旦中断し、発表者300にスポットライトを当てて聴講者を発表者300に注目させる場合がある。
このとき、プロジェクタ100の投射光とスポットライトが重なると、スポットライトの効果が薄れるため、プロジェクタ100の投射光を切る、光量を落とすなどの対応をとり、スポットライトの効果を高めるよう配慮する。
【0023】
しかし、プロジェクタ100を上記のように動作させる場合は、以下の(1)〜(3)それぞれに述べるような不都合がある。
【0024】
(1)プロジェクタ100の電源をOFFにすることで投射光を切った場合、発表者300が再度プロジェクタ100を用いてプレゼンテーションを継続しようとしたときに、プロジェクタ100が使用可能になるまで時間を要し、円滑なプレゼンテーション進行の妨げとなる。
【0025】
(2)プロジェクタ100の投射光をスポットライトと重ならない方向に向ける、もしくは投射部を遮るなどして投射光を遮断する、といった対応をとる場合、プロジェクタ100は、発表者300にスポットライトが当てられている間も、使用されない投射光を照射し続けることになる。
この場合、プロジェクタ100の内部温度が無用に上がることになり、プロジェクタ100の使用効率の観点から好ましくない。
【0026】
(3)プロジェクタ100の光量を落とす場合は、投射光とスポットライトの重なりを完全に排除できるわけではなく、またプロジェクタ100が動作し続けることに変わりはないため、プロジェクタ100の内部温度が無用に上がることに関しては上記(2)と同様である。
【0027】
本発明では、上記(1)〜(3)のような不都合に鑑み、プロジェクタ100の投射光をスポットライトとして利用することを考える。
図2(b)は、発表者300がスクリーン200の前に立ち、プロジェクタ100が発表者300にスポットライト状の投射光を当てている様子を示すものである。以下、図2(a)から図2(b)に切り替わる際のプロジェクタ100の動作について、以下のステップ(1)〜(5)で説明する。
【0028】
(1)発表者300がスクリーン200の前に移動する際に、プロジェクタ100のオペレータ(発表者300が兼ねてもよい。以下同様。)は、操作パネル111を操作するか、もしくは図示しないリモコンを使用して、投射光をスポットライト状に変更すべき旨を、プロジェクタ100に指示する。
【0029】
(2)操作信号入力部112は、上記の操作内容に対応した操作信号を操作パネル111または図示しないリモコンから受信し、制御部120の処理に適した形式に変換して制御部120に出力する。
(3)制御部120は、上記の操作信号を受け取り、ホログラム光学素子160の駆動手段を駆動し、同素子の位置を光源140の光路上に移動させる。
【0030】
(4)ホログラム光学素子160は、光源140の投射光をスポットライト状(例えば円形)に変換するように、光回折等の仕様があらかじめ設計されており、光源140の光路上に移動すると、投射光学系153から投射される投射映像は、図2(b)に示すようにスポットライト状に変更される。
なおこのとき、スポットライトに映像が写らないよう、制御部120は、投射映像を一時的に全白画面に切り替えるよう、映像信号処理部130に指示を出す。
【0031】
(5)発表者300は、スポットライト状に変更されたプロジェクタ100の投射光上に移動する。これにより、発表者300に通常のスポットライトが当てられているのと同様の視覚的効果が発揮される。
【0032】
以上のようなスポットライト動作を行うことにより、プロジェクタ100は、映像投射を行わないときはスポットライトの代用として用いることができるので、映像投射を行わないときに投射光を切るような動作と比較して、使用効率が非常に良い。
【0033】
また、スポットライト動作から通常動作に切り替えるときは、上記(1)〜(5)と反対の動作を行うことになるが、この場合、プロジェクタ100を起動し直すような必要はないので、発表者300はスムーズにプレゼンテーションを再開することができ、円滑なプレゼンテーションの進行に資する。
【0034】
本実施の形態1では、液晶ライトバルブ152と投射光学系153の間にホログラム光学素子160を挿入する例を示したが、例えば光源140と液晶ライトバルブ152の間など、光路上のその他の位置に挿入するように構成してもよい。
【0035】
以上のように、本実施の形態1に係るプロジェクタ100によれば、ホログラム光学素子160を用いて光源140の投射光をスポットライト状に変更することができるので、プロジェクタ100を、通常の映像投射とスポットライト代用の2種類の用途で使用することができ、使用効率が非常に良い。
【0036】
また、通常動作とスポットライト動作の間でプロジェクタ100の電源をOFFする必要がないので、切り替えの前後に係る動作がスムーズである。
【0037】
また、プロジェクタ100をスポットライトに代用することができるので、別途スポットライトを設置する必要がなく、コストの観点からも望ましい。さらには、投射光の光束をスポットライト状に絞って全ての光量をスポットライト代用として利用できるので、光源140の利用効率の観点からも好ましい。
【0038】
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2に係るプロジェクタ100の機能ブロック図である。
本実施の形態2に係るプロジェクタ100は、実施の形態1の図1で説明した構成に加えて、新たにレンズシフト部170を備える。その他の構成は図1と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
レンズシフト部170は、投射光学系153が備える光学レンズを移動させるモータ等の駆動手段を備えており、制御部120からの指示に基づき光学レンズを移動させ、これにより投射映像の投射位置を変更する。
投射位置を変更可能な方向と量は、光学レンズが移動可能な方向と量に依存する。例えば、光学レンズを前後左右に移動させ、これにともなって投射映像を前後左右に所定範囲内で移動させることができる。
【0040】
図4は、本実施の形態2に係るプロジェクタ100の動作を説明するものである。以下同図について説明する。
【0041】
図4(a)は、プロジェクタ100がスポットライト動作に切り替わった状態を示し、図2(b)の状態に相当する。図4(a)において、発表者300の位置とスポットライト状の投射光の位置がズレており、スポットライトとして適切でない。
この場合、発表者300が移動するか、もしくは投射光の投射位置を変更する必要がある。以下、投射光の投射位置を変更する際のプロジェクタ100の動作について、次のステップ(1)〜(5)で説明する。
【0042】
(1)プロジェクタ100のオペレータは、操作パネル111を操作するか、もしくは図示しないリモコンを使用して、投射光の投射位置を変更すべき旨を、プロジェクタ100に指示する。
(2)操作信号入力部112は、上記の操作内容に対応した操作信号を操作パネル111または図示しないリモコンから受信し、制御部120の処理に適した形式に変換して制御部120に出力する。
【0043】
(3)制御部120は、上記の操作信号を受け取り、レンズシフト部170に投射光学系153のレンズを移動するよう指示する。
(4)レンズシフト部170は、制御部120の指示に基づき、投射光が図4の右方向に移動するように、レンズ位置を移動する。
(5)プロジェクタ100のオペレータは、スポットライト状の投射光が発表者300の位置と重なるまで、ステップ(1)の操作を実行する。
【0044】
以上のように、本実施の形態2に係るプロジェクタ100によれば、スポットライト動作に切り替わったときに投射光が所望の位置にない場合でも、レンズシフト部170が投射光学系153のレンズを移動させることにより投射位置を変更することができるので、プロジェクタ100の動作を、よりスポットライトに近づけることができる。
【0045】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るプロジェクタ100の投射光学系153の詳細を模式的に示す図である。
図5において、153aは投射レンズであり、投射光をスクリーン200に拡大投射する。153bは屈折レンズであり、ホログラム光学素子160と投射レンズ153aの間に配置される。また、モータ等の駆動手段により、制御部120の指示に従って若干回転して角度を可変する。
屈折レンズ153bは、投射光を屈折させる機能を備え、回転角度に応じて投射光を屈折させて、投射光の投射位置を変更する。
【0046】
特許請求の範囲における「屈折部材」は、本実施の形態3では屈折レンズ153bがこれに相当する。
【0047】
プロジェクタ100のオペレータは、実施の形態2の図4で説明したものと同様に、スポットライト状の投射光の投射位置を変更するときは、操作パネル111を操作するか、もしくは図示しないリモコンを使用して、投射光の投射方向を変更すべき旨を、プロジェクタ100に指示する。
制御部120は、その操作信号に基づき屈折レンズ153bを回転させて角度を変更し、もって投射光の投射位置を可変する。
【0048】
なお、本実施の形態3で説明した屈折レンズ153bと、実施の形態2で説明したレンズシフト部170とを併用し、投射光の投射位置を変更可能な範囲を広げることも可能である。
【0049】
以上のように、本実施の形態3に係るプロジェクタ100によれば、実施の形態2と同様の効果を発揮する。また、屈折レンズ153bとレンズシフト部170を併用することにより、投射光の投射位置を変更可能な範囲を広げることができる。
【0050】
実施の形態4.
図6は、本発明の実施の形態4に係るプロジェクタ100の側面図である。
本実施の形態4に係るプロジェクタ100は、実施の形態1〜3のいずれかで説明した構成に加えて、新たにアタッチメント180を備える。その他の構成は実施の形態1〜3と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
アタッチメント180は、屈折自在のアーム181でプロジェクタ100の本体外部に配設されている。アタッチメント180の中には、屈折レンズや金属ナノロッドなどの光を屈折させる部材が内蔵されており、内部に投射光学系153から投射される投射光を通過させることで屈折させ、投射位置を変更する機能を有する。
また、これら屈折部材の他に、実施の形態1で説明したようなホログラム光学素子を内蔵し、投射光の形状を変換する機能を有するように構成してもよい。
【0052】
図6(a)は、プロジェクタ100の通常使用時の状態を示すものである。通常使用時はアタッチメント180を投射光の光路から外しておき、投射光の形状や投射位置を通常状態に保つ。
図6(b)は、アタッチメント180装着時の状態を示すものである。プロジェクタ100をスポットライト動作させるときは、アーム181を曲げてアタッチメント180を投射レンズに被せるような位置に移動させ、アタッチメント180を投射光の光路上に位置させる。
【0053】
図6(b)の状態では、投射レンズから投射された投射光は、アタッチメント180を通過するときに投射位置や形状を変更され、実施の形態1〜3で説明したものと同様の効果を発揮する。
なお、アタッチメント180は、実施の形態1〜3で説明した各構成と併用してもよく、これにより投射光の形状や投射位置を変換できる範囲が広がる。
【0054】
また、アーム181の内部等に駆動モータを内蔵しておき、制御部120の指示に基づきアタッチメント180の位置を自動的に可変するように構成してもよい。
例えば、操作パネル111や図示しないリモコンからスポットライト動作をすべき旨の操作入力があったときは、制御部120はその操作信号を受け取り、アーム181を駆動してアタッチメント180の位置を投射レンズの前に移動させる、といった動作が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施の形態1に係るプロジェクタ100の機能ブロック図である。
【図2】通常動作とスポットライト動作の切り替えを説明するものである。
【図3】実施の形態2に係るプロジェクタ100の機能ブロック図である。
【図4】実施の形態2に係るプロジェクタ100の動作を説明するものである。
【図5】実施の形態3における投射光学系153の詳細を模式的に示す図である。
【図6】実施の形態4に係るプロジェクタ100の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
100 プロジェクタ、111 操作パネル、112 操作信号入力部、120 制御部、130 映像信号処理部、140 光源、151 液晶ライトバルブ駆動部、152 液晶ライトバルブ、153 投射光学系、153a 投射レンズ、153b 屈折レンズ、160 ホログラム光学素子、170 レンズシフト部、180 アタッチメント、181 アーム、200 スクリーン、300 発表者。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される映像信号に基づき映像を投射する投射部と、
前記投射部が投射する投射光の形状を変更する投射光形状変更手段と、
前記投射光形状変更手段の動作を制御する制御部と、
操作内容に対応した操作信号を受け付けて前記制御部に出力する操作信号入力部と、
を備え、
前記制御部は、
前記操作信号入力部より前記投射光の形状を変更すべき旨の操作信号を受け付けると、
前記投射光形状変更手段に前記投射光の形状を変更するよう指示し、
前記投射光形状変更手段は、
その指示に基づき前記投射光をスポットライト状に変更する
ことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記投射光形状変更手段は、
前記投射光の形状をスポットライト状に変更するホログラム光学素子を備えてなり、
前記制御部の指示に基づき前記ホログラム光学素子を前記投射光の光路に挿入して前記投射光の形状を変更する
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記投射光の投射位置を変更する投射位置変更手段を備え、
前記制御部は、
前記操作信号入力部より前記投射位置を変更すべき旨の操作信号を受け付けると、
前記投射位置変更手段に前記投射位置を変更するよう指示し、
前記投射位置変更手段は、
その指示に基づき前記投射位置を変更する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記投射位置変更手段は、
前記投射部が有するレンズを移動させることで前記投射部が投射する映像の投射位置を変更するレンズシフト部を備えてなり、
前記制御部の指示に基づき前記レンズを移動させて前記投射位置を変更する
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記投射光の進行方向を屈折させる屈折部材を備え、
前記制御部は、
前記屈折部材を前記投射光の光路に挿入して前記投射位置を変更する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−199854(P2009−199854A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−39767(P2008−39767)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】