説明

プロセス装置特に安全装置上のポリマーの蓄積を最小化するための方法および設備

【課題】安全装置上のポリマーの蓄積を最小化し、装置の作動即応性を維持しこれにより、プロセス設備の安全な長期操作するための方法および設備が提供される。
【解決手段】この方法は、装置、たとえば圧力除去装置を蒸留塔に、液相流体を含む湿潤領域に近接して配置し、固定して、動いている液相流体がこの装置と少なくとも断続的に接触し、蓄積する重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーを装置から洗い流されるようにすることを含む。設備はプロセスの作動中、動いている液相流体を含む少なくとも1つの湿潤領域を含む内部空間を形成する壁を有するプロセス容器;およびプロセス容器中でのプロセスの作動中、動いている液相流体が装置と少なくとも断続的に接触し、蓄積する重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーが装置から洗い流されるような装置を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学プロセス、たとえば、(メタ)アクリル酸およびそのエステル、塩化ビニル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレンおよび他のビニルモノマーを包含するが、これに限定されない重合性モノマーをはじめとする重合性物質の製造中に、プロセス装置、たとえば、圧力除去装置上のポリマーの蓄積を最小化するための方法に関する。さらに詳細には、本発明は、他のプロセス設備の構成部品および液相流体に対してそのようなプロセス装置を適切に配置し、固定することにより、たとえば、安全装置を作動中の蒸留塔における湿潤領域に近接して配置し、固定することにより、プロセス装置上のポリマーの蓄積を防止するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
重合性物質を製造するためのプロセスは、通常のプロセスの動作中にポリマーがその上に蓄積する傾向があるプロセス装置を含むことが多い。この蓄積は可動部を静止位置に固定するか、またはプロセス装置の適切な機能に必要な流体流れを制限することにより、プロセス装置の適切な機能を妨害することが多い。これらのプロセスの多くは、液相流体をはじめとする1以上のプロセス流体を含み、これらを有利に使用することができる。
【0003】
特に、蒸留塔などの分離装置における重合性モノマーの精製の間のポリマー形成を防止する努力にもかかわらず、ポリマーの望ましくない形成及び蓄積は一般的で、面倒なことである。たとえば、1種の重合である「縮合重合」は、「縮合ポリマー」を形成するが、これは重合性モノマーを蒸留する際に特に厄介である。蒸留の間に縮合重合を受けることが知られているモノマーとしては、これに限定されないが:(メタ)アクリル酸およびそのエステル、塩化ビニル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、および他のビニルモノマーが挙げられる。縮合重合は、蒸気相モノマーが、適当な重合阻害化合物の非存在下で装置表面上に凝縮する場合に起こり、その後、無制約の重合を受け、縮合ポリマー固体を形成する。縮合ポリマーは、プロセス装置における縮合がチェックされない限り、装置表面上に蓄積し続けるであろう。
【0004】
特に厄介で危険な問題は、たとえば圧力除去装置などの安全装置上およびその付近のポリマーの蓄積である。圧力除去装置の目的は、異常な圧力状態、たとえば高圧(過圧)または異常に低い圧力(真空)状態が起こった場合に、蒸留塔などのプロセス装置への損傷を最小化することである。圧力除去装置は、プロセス装置の内部と外部との間で流体の連通経路を開き(すなわち、弁が開くか、破裂板が破裂するか、または押し開くか、破裂パネルが破裂する)、これにより内部圧力を周囲圧力と平衡化させることにより、異常な圧力条件下でのプロセス装置の爆発または内破を回避する。
【0005】
圧力除去装置などの安全装置上およびその付近のポリマーの蓄積を防止するかまたは最小限に抑えて、その正しく安全な作動を保証することが非常に重要である。たとえば、圧力除去装置の取り付け連結部中およびその上のポリマーの蓄積は、取り付け連結部と圧力除去装置間に望ましくないシールを形成し、安全装置の除去および交換を損なう。さらに、ポリマーは安全装置の上流および近接して、たとえば導管または安全装置が配置されている陥凹領域の内壁上に蓄積し得る。いずれかの部分におけるポリマーの蓄積は、安全装置付近および安全装置へのプロセス流体の自由流動を制限する傾向があり、従って、プロセス流体圧力に応答して圧力除去装置が適切に作動するのを妨げる。この状況は、圧力除去装置の能力を制限し、危険な状態をもたらす。ポリマーは圧力除去装置の表面にも付着し、これらが意図されるように作動することを妨害する。たとえば、ポリマーの蓄積により安全弁が閉鎖位置に「固着」する可能性があるか、または破裂板が意図される破裂圧力で開かなくなる可能性がある。
【0006】
圧力除去装置を有する蒸留塔中で重合性モノマーを蒸留する場合、圧力除去装置上および圧力除去装置付近のポリマーの蓄積を回避するか、または最小限に抑えて、装置の正しく、安全な作動を保証し、これにより、蒸留塔の安全な長期作動も保証するべきである。
【0007】
貯蔵タンク、反応釜、および蒸留塔などのプロセス装置の蒸気含有領域における縮合重合に対抗するための公知の一方法は、装置の表面温度を生産されるモノマーの露点より高く維持することである。プロセス装置の被覆、断熱および電気またはスチームトレースは、「オープンフロー」領域、すなわち、蒸気相モノマーが加熱された表面から自由に流れさることができる領域において比較的有効であることが証明されている。しかしながら、この方法は低流動性領域、たとえば、圧力除去装置取り付け連結部に近接した領域ではあまり有効ではなく、ここにおいて、モノマー蒸気は停滞し、トラップされるようになりうる。この状況は、蒸留塔のトップヘッド上に取り付け連結部があり、圧力除去装置の上流表面が水平に方向付けられる場合にさらに悪化する。
【0008】
蒸気相重合阻害剤の添加は、蒸留塔などのプロセス装置内部の縮合重合を防止するための手段としても利用されてきた。かかる蒸気相重合阻害剤の例としては、シアン化水素製造プロセスにおいて用いられる二酸化硫黄(SO)、および(メタ)アクリル酸製造プロセスにおいて用いられる、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン(NPH)の1以上の塩、たとえば、アンモニウム塩が挙げられるが、これに限定されない。しかしながら、ノズル付近、または内部コーナーなどの低流動性領域において存在する流体は、本質的に停滞し、従って不十分な混合が起こり、阻害剤がこれらの領域中に流入しなくなる傾向にあり、これによりポリマー形成および蓄積が実質的に衰えることなく進行し得るので、蒸気相重合阻害剤の添加の効能は制限される。
【0009】
モノマー蒸留塔における縮合重合に対抗するもうひとつ別の方法は、液体をプロセス装置の内面上に噴霧し、これにより重合が起こり得る前に凝縮物を洗い流すために内部噴霧装置を用いることである。米国特許第6,409,886B1号は、蒸留塔の内部に配置された噴霧および供給手段であって、ポリマー形成を阻害する目的で、蒸留塔の内部表面上に液体を噴霧する手段を開示している。しかしながら、意図的に、このタイプの噴霧装置は大きなオープンフロー領域、たとえば、蒸留塔のトップヘッドまたは貯蔵タンク中でのポリマー形成を最小化するのに最も有効である。しかしながら、この方法は小さな低流動性領域、たとえば、塔のトップヘッド上の圧力除去装置取り付け連結部およびプロセス設備の対面上の物質の蓄積を適切に防止しない。これは、噴霧流の方向が、下方向、斜め下方向、またはおそらくは横向きであるが、ほとんど上方向ではなく、常に線形であるように噴霧装置に組み込まれる傾向にあるためである。このような状況において、噴霧装置上の表面はしばしば液体で噴霧されない。同様に、少なくとも部分的に噴霧装置に面しないプロセス装置の表面は、液体で噴霧されない。以下に記載するように、さらなる噴霧装置を用いることができるが、この方法は他の難点をもたらす。
【0010】
蓄積を小さなプロセス連結部、たとえば、容器ノズルおよびバルブ上またはその付近で防止しなければならない場合、米国特許第6,409,886B1号はさらに、1以上のスプレーノズルを使用して、これらの連結部に特異的に噴霧できることを示唆している。しかしながら、スプレーノズルを組み入れるのは、機械的に複雑で、容器に侵入し、容器壁上の別の場所で容器を貫通することを必要とし、スプレーノズルに液体を供給するために容器の内部にラインを配置することを必要とする。この方法に関して、スプレーノズルそれ自体の高さおよび配置、ならびに流速及びスプレーパターンは重要であり、実際、ポリマー蓄積が完全に防止されるように、これらの可変事項の適切な組み合わせを得ることは非常に困難である。このような配置の有効性は、複数のスプレーノズルおよび圧倒的に大量の液体スプレーの使用により改善することができるが、このような方法は費用がかかり、商業的操作において実用的でない。この方法の別の制限は、意図されるように操作するためにフラッシング流体を連続して供給する必要があることである。フラッシング流体の供給において有意な中断があるならば、開示された装置および方法の利点は維持されない場合があり、圧力除去装置の作動即応性(service−readiness)は損なわれ得る。
【0011】
さらに、スプレーノズルおよびその供給ラインの物理的存在は、プロセス連結部において望ましくない閉塞をもたらし、これにより取り付けられた圧力除去装置を通る物質の自由流れを妨害し、また縮合ポリマーが蓄積するための構成部品上のさらなる表面を提供する。幾つかの例において、加圧スプレー液体が除去装置上に直接衝突することにより、機械的疲労が起こり、これにより装置の耐用年数が短くなり、初期故障につながりうる。米国特許第6,409,886号において開示されている装置および方法は従来技術の多くの問題を解決するが、前記制限のために、この装置および方法は、たとえば、蒸留塔中の圧力除去装置の上流にある、小さい低流動性領域に適用される場合、実用的でない。
【特許文献1】米国特許第6,409,886B1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、圧力除去装置などのプロセス装置上のポリマーの蓄積および重合性物質の縮合を最小限に抑え、これにより重合性モノマーの製造の間、プロセス装置の使用中に、圧力除去装置の作動即応性を保証するための、簡素化され、信頼性があり、安価かつ有効な方法を提供することへの長年にわたる切実な要求が依然として存在する。圧力除去装置上および装置付近のポリマーの蓄積を防止するために、誰にでも使える、受動的方法を用いることが望まれる。本発明の方法は、重合性モノマーを安全に蒸留する方法についての化学プロセス業界の要求を満たしつつ、従来技術の欠点を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施態様は、重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスを作動させるためのプロセス設備と共に使用される装置上のポリマーの蓄積を最小化するための方法であり、前記プロセス設備は、少なくとも1つのプロセス流体をその中に保持するための内部空間を形成する少なくとも1つの壁を有し、および前記装置は少なくとも断続的に前記重合性物質と接触し、前記方法は:(a)プロセスの作動中に、前記動いている液相流体が前記プロセス設備の前記内部空間内で動いている湿潤領域を配置し;(b)前記プロセス設備の前記壁に、前記装置を前記内部空間と流体連通し、かつ前記湿潤領域に近接するように配置し、かつ固定することにより、前記動いている液相流体を少なくとも断続的に前記装置の少なくとも一部と接触させ;(c)プロセスを作動させ、これにより前記動いている液相流体は1以上の蓄積される重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーを前記装置から洗い流す:ことを含む。
【0014】
装置は安全装置を含むことができ、これは:破裂板、破裂パネル、および安全弁からなる群から選択される少なくとも1つの圧力除去装置でありうる。プロセス設備は、蒸留塔、吸収塔、エバポレーター、リボイラー、導管、スクラバー、および垂直塔からなる群から選択される分離容器を含むことができる。このプロセスは、重合性物質を製造するための方法であってよく、重合性物質は:(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、ビニルモノマー類、および(メタ)アクリルエステルからなる群から選択される少なくとも1つの重合性モノマーを含んでいてもよい。
【0015】
本発明のもう1つ別の実施態様は、重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスを作動させるために設備を使用する間、前記設備に固定された装置上での重合性物質の蓄積を最小化するための設備であり、前記設備は:(a)少なくとも1つのプロセス流体をその中に保持するための内部空間を形成する少なくとも1つの壁を有するプロセス容器(プロセスの作動中、前記内部空間は前記動いている液相流体を含む少なくとも1つの湿潤領域を含む);(b)プロセスの作動中、前記動いている液相流体が前記装置と少なくとも断続的に接触して、蓄積される重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーの1以上が前記装置から洗い流されるように、前記内部空間と流体連通し、かつ前記湿潤領域に近接して配置された、前記プロセスの前記壁に固定された装置:を含む。
【0016】
装置は:破裂板、破裂パネル、および安全弁からなる群から選択される少なくとも1つの圧力除去装置を含む安全装置を含むことができる。プロセス設備は、蒸留塔、吸収塔、エバポレーター、リボイラー、導管、スクラバー、および垂直塔からなる群から選択される分離容器を含むことができる。このプロセスは、重合性物質を製造するための方法であることができ、重合性物質は:(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、ビニルモノマー類、および(メタ)アクリルエステルからなる群から選択される少なくとも1つの重合性モノマーを含む。
【0017】
第三の実施態様において、本発明は、重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスの作動中にポリマーの蓄積を最小化するための方法であり、前記方法は、前記設備を用いる前記プロセスを作動させることを含み、前記設備は:(a)少なくとも1つのプロセス流体をその中に保持するための内部空間を形成する少なくとも1つの壁を有するプロセス容器(プロセスの作動中、前記内部空間は前記動いている液相流体を含む少なくとも1つの湿潤領域を含む);(b)プロセスの作動中、前記動いている液相流体が前記装置と少なくとも断続的に接触して、蓄積される重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーの1以上が前記装置から洗い流されるように、前記内部空間と流体連通し、かつ前記湿潤領域に近接して配置された、前記プロセスの前記壁に固定された装置:を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に議論される実施態様および添付の図面を参照して、本発明のさらに完全な理解が得られるであろう。図中、同じ参照番号は、同様の機構を示す。
本発明の方法および設備は、重合性物質および少なくとも1つの動いている液相流体を含むプロセスにおいて作動中である安全装置などのプロセス装置上のポリマーの蓄積を最小限に抑えて、装置の継続した適切な機能およびプロセス及びプロセス設備の継続した安全な動作を保証する要望に対処する。プロセス装置上のポリマーの蓄積は、プロセス装置、特に可動部または柔軟性部品を有する装置の安全かつ意図される機能を妨害するか、またはさらには完全に防げる可能性を有する。装置上のポリマーの蓄積は、この装置を動いている液相流体に対して、この液相流体が装置の表面の少なくとも一部と少なくとも断続的に接触し、重合性物質、凝縮物、および任意のすでに形成されたポリマーをプロセスの作動中に装置から洗い流す様な配置にすることにより、最小化することができる。加えて、重合阻害剤が動いている液相流体中に存在することにより、動いている液相流体の洗浄効果を向上させることができる。本発明の設備は、その中でプロセスを作動させるための任意のプロセス設備(たとえば、蒸留塔)であって、プロセスの作動中に、液相流体がプロセス装置と少なくとも断続的に接触するような位置に固定されたプロセス装置(たとえば、圧力除去装置)を有するものを含む。
【0019】
当業者らは、重合性物質および動いている液相流体を含む多くの種類のプロセス設備および多くのプロセスが本発明の方法及び設備を適用することにより恩恵を受け、かつ改良されるであろうことを理解するであろう。本発明がうまく適用されるプロセスに限定されることを意図しないが、以下の詳細な記載は、重合性モノマーの精製のためのプロセスにおいて用いられる分離設備に固定された安全装置、特に蒸留塔に固定された圧力安全装置上のポリマーの蓄積を最小化することに焦点を当てるものである。
【0020】
「動いている液相流体」は、プロセスの作動中にプロセス設備中に存在し、かつ動いている任意の液相流体を含むことができる。「動いている」とは、プロセスの作動中に、液相流体がある領域において少なくとも部分的に動いている、すなわち、停滞していないことを意味し、ここにおいて、もしプロセス装置がこの領域に近接してあるならば、これは液相流体と少なくとも断続的に接触するであろう。動いている液相プロセス流体は、プロセスに対して不活性である液状流体、またはプロセスにおいてなんらかの関与をする1以上の流体、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0021】
重合性物質は、たとえば、制限なく、重合性モノマー、たとえば、(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、および他のビニルモノマー、並びに(メタ)アクリルエステルであってよい。(メタ)アクリルエステルは、これに限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、およびジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレートであってよい。
【0022】
本明細書において用いられる場合、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸およびメタクリル酸のどちらも包含すると理解される。同様に、「アクリル酸」なる用語は、「(メタ)アクリル酸」および関連する/類似の化合物を包含すると理解される。同様に、「(メタ)アクリロニトリル」はアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのどちらも包含すると理解される。「メタクリロニトリル」はアクリロニトリルを包含し、逆も当てはまる。「(メチル)スチレン」も同じパターンに従う。「(メチル)スチレン」は、スチレンおよびメチルスチレンのどちらも包含する。「スチレン」はメチルスチレンを包含し、逆も当てはまる。
【0023】
当業者は、重合性モノマーを精製するために運転される蒸留塔などの所定のプロセス設備に好適であるか、または必要な圧力除去装置を決定し選択することができる。これは、加圧及び/または減圧状態から塔を保護するために必要な緩衝域、設定圧力、および除去装置の必要な数を計算することを包含するが、これに限定されない。
【0024】
図を参照して、本発明の設備および方法の代表的な一実施態様を詳細に議論する。図1は、通常な動作中のプロセス設備8、すなわち蒸留塔9の部分破断概略図であり、湿潤領域を形成する動いている液相流体および本発明の安全装置アセンブリ17の相対的位置を示す。蒸留塔9の外部垂直壁16の一部を切り取って、通常の動作中に蒸留塔9に存在する流体の相および層(ゾーン)を概略的に示す。湿潤領域を含む流体の相および層を以下でさらに詳細に議論する。
【0025】
さらに詳細には、図1は、垂直壁16(その断面のみを図示)および複数のトレイ10、11、たとえば制限なく10より多いトレイを有する蒸留塔9を含むプロセス設備を示す。隣接するトレイ10、11のそれぞれの対のトレイ10、11は距離Tで離れた位置にあり、このTは当該分野においては通常「トレイ間隔」として知られている。図1において示される実施態様において、トレイ間隔Tは蒸留塔9全体にわたるすべてのトレイ(図示せず)について60インチ(152.40センチメートル)で一定である。しかしながら、当業者には理解されるように、蒸留塔9のデザインおよび用途に応じて、トレイ間隔Tは隣接するトレイの各対について一定である必要はない。
【0026】
隣接するトレイの各対の間、たとえば図1におけるトレイ10および11間で、通常の作動条件下では、蒸留を受ける流体は一般に、複数の水平層またはゾーンと当該分野において概念的に呼ばれるものであって、蒸気、液体および混合相、ならびに様々な組成物を含むものを形成する。これらのゾーンの性質および配置は当業者には周知であるが、当該分野において一般的な専門用語を用いたさらなる議論を容易にするために以下に簡単に説明する。これらのゾーンは概念的であり、これらの間に明確で識別可能な境界はないので、実際的理由から、ゾーンの境界および高さはおおよそである。
【0027】
図1において示すように、正常な動作条件下で、トレイ液体12はトレイ10の上面上に蓄積し、実際、トレイ液12は同様に蒸留塔9における各トレイ(図示せず)の上面上に蓄積する。蒸気相流体18は隣接する上側トレイ11の下部に蓄積する傾向にある。各隣接するトレイ対10、11間における蒸気および液相流体の正常な相互作用の結果、混合相を有する流体の中間層として概念的に記載されるものが形成され、この中間層は、トレイ液体12と蒸気相流体18の中間である。さらに詳細には、蒸気および液相流体はどちらも乱流フロスゾーン13中に存在し、これはトレイ液体12に隣接してその上に形成される。スプレーゾーン14は乱流フロスゾーン13に隣接してその上に、そして蒸気相流体18の下に形成され、動的液滴および蒸気相流体を含む。このような液体用語は、当業者には公知であり、Distillation Design,Kister,Henry Z.,1992、McGraw−Hill,第6章(全部)pp259−363(ISBN0−07−034909−6)に記載されている。
【0028】
「湿潤領域」なる用語は、一般に、蒸留塔内の所定のトレイの上の領域をさし、通常の動作条件下では、少なくとも一部の液相流体が常に存在する。たとえば、トレイ10の上の湿潤領域が図1において概略的に図示されており、さらに詳細に説明される。併せて、トレイ10などの各トレイの上の体積は、トレイ液体12、フロスゾーン13およびスプレーゾーン14を含み、本明細書においては「湿潤領域」(図1において12、13、14まとめて)と呼ぶ。その理由は、これらの領域のそれぞれの少なくとも一部分が液相流体を含むからである。さらに図1に関して、湿潤領域(12、13、14)の全垂直範囲Wは、トレイ10の上面からスプレーゾーン14の上端までである。さらに、湿潤領域の体積は、トレイ10の上のあらゆる方向において水平方向に広がり、実質的に蒸留塔9の全直径を満たす。
【0029】
典型的には、トレイ10、11がダウンカマー(downcomer)を有する多孔板(図1において図示されていないが、図7に関連して以下に詳細に議論する)である通常の蒸留操作条件下で、特定のトレイ(たとえばトレイ10)の上の湿潤領域の全垂直範囲は、トレイ10の上面から垂直に測定して、トレイ間隔Tの約80%以下である。たとえば、図1において示される蒸留塔9において、連続したトレイ10、12間のトレイ間隔Tは、60インチ(152.40センチメートル)であり、湿潤領域はトレイ10の上面から、トレイ10の上面上約48インチ(121.92センチメートル)の地点まで垂直にWで広がる。所望により、通常の操作条件下で、例えば、点検ガラスごしにトレイを観察するか、または内部に搭載されたカメラを用いて、トレイダイナミクスを観察することにより、正確な湿潤領域の高さの上限高さを検証することができる。
【0030】
例えば、当業者には認識されるように、トレイ10、11が二系統流れトレイ(すなわち、ダウンカマーのない多孔板−図示せず)である場合、蒸気相流体18は蒸留塔9の正常な動作中に発生せず、そのかわり、スプレーゾーン14は蒸留塔9中において、より大きな領域を占め、上方に、実質的に上側トレイ11の下面まで広がる。この配置において、湿潤領域は依然としてトレイ液体12、フロスゾーン13およびスプレーゾーン14を含むが、この範囲は、トレイ間隔Tの垂直距離の実質的に全部を含む。言い換えれば、湿潤領域の垂直範囲Wは、蒸留トレイ10、11および多孔板がダウンカマーを有さない場合、トレイ間隔Tとほぼ同じである。下側トレイ10上のスプレーゾーン14は、実質的に上側トレイ11の下面まで広がり、スプレーゾーン14中の液相流体は、少なくとも断続的に、上側トレイ11の下面と接触し、ポリマー及び凝縮物をこれから洗い流す。さらに、上側トレイ11上のトレイ液体12aは上側トレイ11の孔から流出する傾向があるが、混合相または蒸気相ゾーン中に迅速に同伴されず、それによりトレイ液体12aは少なくとも断続的に上部トレイ11の下側と接触し、これにより、少なくとも断続的にポリマーおよび凝縮物をこれから洗い流す。
【0031】
図1の実施態様において、蒸留塔9は、圧力除去装置アセンブリ17などの安全装置を取り付けるための取り付け連結部15をさらに含み、これは以下で詳細に議論する。取り付け連結部15は、圧密的に安全な方法で、たとえば、溶接または他の通常の手段で、トレイ上の湿潤領域、たとえば、トレイ10上の湿潤領域(12、13、14)に近接した、蒸留塔9の垂直壁セクション16に固定される。さらに詳細には、取り付け連結部15は、実質的に垂直方向に、トレイ10の上面上に取り付け高さCで、取り付け連結部15の垂直中心VCが取り付け高さCに近接した位置に固定され、これにより、取り付け連結部15はトレイ10上の湿潤領域の垂直範囲Wに近接し、またその範囲内の位置になる(図1参照)。本明細書において用いられる場合、「実質的に垂直な方向」なる用語は、水平に対して約45度から90度の間の角度の方向を意味する。対照的に、「実質的に水平」なる用語は、水平に対して0度から約44度の間の角度の方向を意味する。
【0032】
特定のプロセスおよび関与する装置に応じて、当業者には容易に決定できるように、取り付け連結部15の取り付け高さCおよび垂直中心VCは、トレイ間隔Tの15%から75%の間でトレイ10の上面から垂直距離Cに配置することができる。たとえば、制限なく、取り付け連結部15の取り付け高さCおよび垂直中心VCは、トレイ10の上面からある垂直距離で配置されることができ、前記距離は、トレイ間隔Tの約25%、または約50%、またはさらには約60%に等しいものでありうる。
【0033】
たとえば、図1の第一の実施態様において、取り付け高さCは、トレイ10の上面から約30インチ(76.2センチメートル)の垂直距離であり、これはトレイ間隔Tの約50%である。取り付け連結部15は、取り付け連結部15の垂直中心VCが取り付け高さCに近接し、従って、トレイ10の上面から約30インチ(76.2センチメートル)の垂直距離(トレイ間隔Tの約50%である)の位置になるように、垂直壁セクション16に配置され、固定される。かくして、取り付け連結部15はトレイ10上の湿潤領域の垂直範囲Wに近接し、そして垂直範囲内に配置される。
【0034】
幾つかの例において、取り付け連結部15は実質的に円形の断面を有することができ、さらに、均一の内径Dを含み得る。このような実施態様において、取り付け高さCは、トレイ10の上面上、ある垂直距離に配置されることができ、この距離は、取り付け連結部15の内径Dの約1から約4倍の間である(式:D≦C≦4Dで表される)。たとえば、取り付け連結部15が、8インチ(20.32センチメートル)の名目内径を有する標準的円形スタッディングアウトレット(studding outlet)である一実施態様において、取り付け連結部は蒸留塔の最上トレイの上に配置することができる。この場合において、取り付け連結部の中心線は、トレイの上面の上、1.5直径(1.5D)、または約12インチ(30.48センチメートル)に等しい高さに配置される。
【0035】
すでに記載したように、安全装置、たとえば、図1に示される圧力除去装置アセンブリ17は、ガスケットおよびボルトなどの通常の手段を用いて取り付け連結部15に圧密的に取り付けられ、圧密シールが得られる。当該分野において周知の様々な別の取り付け手段を用いて、圧力除去装置アセンブリ17を取り付け連結部15に圧密的に取り付けることができ、このような手段は:溶接、ブラケット、クリップ、クランプ、コンプレッションフィッティング、ねじ、ディスクホルダー、フランジ、タブ、ガスケット、ボルト、ねじ式止め輪、取り付け連結挿入部の1以上を包含するが、これに限定されない。圧力除去装置アセンブリ17は商業的に入手可能であるか、または他の圧力除去装置アセンブリであってよい。
【0036】
圧力除去装置アセンブリ17は、少なくとも1つの圧力除去装置を含む(図1において図示されていないが、たとえば、図3〜9および関連する文章を参照)。本発明の方法によると、圧力除去装置は、安全弁、破裂板(ラプチュアディスクまたはバーストディスクとも呼ばれる)、圧力除去パネル、および破裂ピン安全弁から選択される1以上の装置であってよい。このような圧力除去装置、および本発明の方法に関する使用に好適な他のものは、たとえば、BS&B Safety Systems,of Tulsa,OK;Fike Corporation, of Blue Springs,MO;Oseco, of Broken Arrow、OK;Rupture Pin Technology、of Oklahoma City、OK;Continental Disc Corporation, of Liberty、MO;およびGroth Corporation, of Stafford,TXを包含するが、これに限定されない多くの供給源から商業的に入手可能である。
【0037】
圧力除去装置アセンブリ17が取り付け連結部15に連結され、取り付け連結部15が前記のように蒸留塔9の垂直壁セクション16に配置され、固定されて、取り付け連結部15の垂直中心VCが取り付け高さCに近接する場合、少なくとも1つの圧力除去装置の垂直中心は、取り付け連結部15の垂直中心VCおよび取り付け高さCに近接して配置される。たとえば、制限なく、少なくとも1つの圧力除去装置の垂直中心は取り付け連結部15の垂直中心VCおよび取り付け高さCの少なくとも一方または両方と同中心に配置することができる。
【0038】
図1からわかるように、本発明の方法に従い、取り付け連結部15、圧力安全装置アセンブリ17、および圧力安全装置(図示せず)をトレイ10上の湿潤領域に対して蒸留塔9に配置、配向、および固定するための前記方法は、これらの装置を前記湿潤領域に近接し、そして湿潤領域の垂直範囲W内に配置する。このような位置決定により、トレイ10上の湿潤領域中の動いている液相流体の少なくとも一部が除去装置(図示せず)の露出した表面と接触するようになり、任意の重合性物質、凝縮物、およびすでに形成されたポリマーを洗い流すことが可能になる。
【0039】
本発明の方法は、通常の作動条件の結果、湿潤領域、すなわち、動いている液相流体が形成される蒸留塔、たとえば、制限なく、多孔板トレイ、たとえば、シーブトレイおよび二系統流れトレイ、ならびにバブルキャップトレイおよびバルブトレイを含む蒸留塔に適用することができることが知られている。液相動液体(たとえば、蒸留塔中の蒸留トレイ上の湿潤領域)の形成が起こらない場合、または体積または流れにおいて不十分である場合、本発明の方法は最適には実施できない。
【0040】
したがって、本発明の方法は、蒸留塔の壁に取り付けられ、実質的に垂直な方向に配置され、蒸留塔のトレイ上の湿潤領域内に位置する取り付け高さCに近接した位置にある取り付け連結部15の垂直中心を有する取り付け連結部に安全装置を連結することにより、重合性物質の精製のための蒸留塔において用いられる安全装置などの装置上のポリマーの蓄積を最小化する。
【0041】
図2は、異なるタイプの安全装置、すなわち、破裂パネル24を含む本発明の別の実施態様を示し、これを説明する。図2は、重合性物質の精製に用いられる蒸留塔20の破断断面図である。蒸留塔20は壁22、蒸留トレイ23、および圧力除去装置アセンブリ21を有する。圧力除去装置アセンブリ21は、長方形断面を有する破裂パネル24を有し、圧力除去装置アセンブリ21は蒸留トレイ23に近接した壁22に固定される。長方形取り付け具(図示せず)は破裂パネル24を壁22と同一平面上、壁22の曲率半径と実質的につりあった弧状に配置するために使用される。破裂パネル24の垂直中心VCPは、蒸留トレイ23から上方に測定して、トレイ間隔(図示せず、図1参照)の約25%に等しい垂直取り付け高さCに配置される。
【0042】
幾つかの実施態様において、圧力除去装置アセンブリは、短いパイプスプールにより分離された、破裂板および下流安全弁の両方を含みうる。安全弁の上流に破裂板を配置することは、安全弁が正常な作動条件下でシールを維持できなければ、潜在的な一時的放出を最小化する働きをする。このような圧力除去装置アセンブリは、圧力測定のための手段、たとえば、パイプスプールに接続された圧力計を含むこともでき;これは破裂板と安全弁間の圧力変化を表示し、これにより破裂板が破裂した場合および取り替えが必要な場合を示唆する。このような圧力除去装置アセンブリ構造は産業界において一般的であり、たとえば、米国特許第6,983,758号の図3において例示されており、この特許は本発明の一部として参照される。
【0043】
図3および4を参照して、取り付け連結部33、43および安全装置アセンブリ(図3および4においてそれぞれ完全に図示されない)が前記のように本発明に従って適切に配置されている場合でも、すなわち、安全装置(34、44)がプロセスの湿潤領域(図示せず)内に配置する垂直位置で配置されている場合でも、動いている液相流体は安全装置と容易かつ十分に接触せず、およびその上に蓄積したポリマーおよび凝縮物を移動、または洗浄できない場合がある。この状況は、典型的には、たとえば、取り付け連結部33、43、および安全装置アセンブリ(完全に示されていない)は、安全装置が容器壁32、42に対して奥まった位置にある構造である場合に起こる(それぞれ図3および4における破裂板34、44参照)。この配置は、安全装置と接触し、望ましくないポリマーおよび凝縮物を移動させるために動いている液相流体が流れるか、または移動しなければならない平均有効距離(それぞれ、図3および4におけるE3およびE4)を増大させる。本明細書において用いられる場合、「平均有効距離」なる用語は、除去装置の上流表面と、取り付け連結部および除去装置が固定される容器壁の内面との間の平均直線距離を意味する。たとえば、図3は破裂板34の上流表面34aと、容器壁32の内面35との間の平均有効距離E3を示す。同様に、図4は、破裂板44の上流表面44aと容器壁42の内面45との間の平均有効距離E4を示す。
【0044】
幾つかのタイプの安全装置、たとえば、破裂板34、44は安全装置の一部が取り付け連結部から離れるように向かって(図3における凹型破裂板34参照)、または取り付け連結部および容器に向かって(図4における凸型破裂板44参照)伸びることができる(または突出する)ように形成される。このような状況において、平均有効距離を最小化することができ、従って、本発明の方法および装置は、安全装置44を安全装置アセンブリ(完全に示されていない)および取り付け連結部43に対して配置し、連結させて、安全装置44の一部が取り付け連結部33に向かって突出するようにすることにより、さらに改善することができる。安全装置44のこのような配向および位置決定は、図4の破断図により示され、この図は、容器壁42の内面45と安全装置44の上流表面44a間の最小化された平均有効距離E4を示す。
【0045】
取り付け連結部33、34の平均有効距離E3、E4および標準ノズル突出N3、N4は、図3および4において概略的に示されるように、同じでなくてよい。さらに詳細には、図3においてわかるように、本発明のいくつかの実施態様において、平均有効距離E3は、標準的ノズル突出N3よりも若干大きい。図3において、取り付け連結部33は、2つの隣接する蒸留トレイ30および31間の位置で蒸留の容器壁32に連結されている。ノズル突出N3は約6インチ(15.24センチメートル)であり、平均有効距離E3は約7インチ(17.78センチメートル)である。この配置において、破裂板34の上流表面34aは凹型である(すなわち、取り付け連結部33から離れて湾曲している)ので、E3はN3よりも大きい。
【0046】
図4において、破裂板44の上流表面44a間の平均有効距離E4は標準的ノズル突出N4よりも小さい。取り付け連結部43は、2つの隣接する蒸留トレイ40、41間の位置で容器壁42に取り付けられている。ノズル突出N4は約6インチ(15.24センチメートル)であり、平均有効距離E4は約5インチ(12.70センチメートル)である。図4から明らかなように、破裂板44の上流表面44aは凸型である(すなわち、取り付け連結部43に向かって湾曲している)ので、E4はN4よりも小さい。図3および4の比較は、前記論議と併せて、平均有効距離E3、E4を最小化するための可能な一方法は、破裂板34、44の上流表面34a、44aが取り付け連結部33、43に対して凸型であるように、破裂板34、44を連結することであることを証明する。
【0047】
別法として、ノズル突出(たとえば、それぞれ図3および4のN3、N4)を最小限にし、これにより容器壁32、42の内面35、45と安全装置34、44の上流表面34a、44a間の平均有効距離(たとえば、それぞれ図3および4のE3、E4)も最小限にするために、標準的フランジ付きノズル(それぞれ、図1、3および4における取り付け連結部15、33、43参照)ではなくスタッディングアウトレット(図示せず、当業者に周知の通常の接続手段)を取り付け連結部として利用することができる。たとえば、取り付け連結部として6インチ(15.24センチメートル)のノズル突出を有する、3インチ150#(7.62センチメートル10.2気圧)フランジ付きノズルではなく、1.5インチ(3.81センチメートル)のノズル突出Nを有する3インチ150#(7.62センチメートル10.2気圧)スタッディングノズルを用いることができる。このようにして、破裂板34、44の配向(すなわち、凹型であるか凸型であるか)にかかわらず、平均有効距離を最小化することができる。
【0048】
比較例1に関して以下にさらに詳細に論議される図6および7に示すように、取り付け連結挿入部を使用し、取り付け連結部とともに容器壁に連結し、これによりノズル突出を減らし、その結果、平均有効距離をノズル突出よりも小さくすることができる。取り付け連結挿入部は取り付け連結部に永久的に取り付けることができるか(たとえば、溶接による)、あるいは取り外し可能に取り付けることができる。一般に、ポリマーの蓄積を許容し得る空隙を最小化するために、取り付け連結挿入部の外部表面は、取り付け連結部の内部と実質的に同じ形状である。従って、取り付け連結部の内部が実質的に円形であるならば、円筒形の取り付け連結挿入部が好ましい。同様に、取り付け連結部が実質的に円形で、その内面上に螺旋状凹部を含む場合、任意の取り付け連結挿入部は、相補的な隆起したらせん端部を有する円筒形であり、これにより取り付け連結挿入部を取り付け連結部中に装着することができる。取り付け連結部が実質的に長方形である場合、任意の取り付け連結挿入部は同様に長方形である。
【0049】
本発明の別の実施態様において、図9において示されるように、蒸留塔102が、作業員による蒸留塔内部への物理的アクセスのためのカラムアクセスマンウェイ(column access manway)を含む場合、任意のトロイダルプレート(troidal plate)91を取り付け連結挿入部として使用できる。当業界において周知のように、カラムアクセスマンウェイは、約18から約36インチ(45.72から91.44センチメートル)の間の直径を有する実質的に円形のマンウェイ開口部104を含み、円形マンウェイ開口部104の直径よりも若干大きな直径を有する円形マンウェイカバー90を含む。トロイダルプレート91は、円形マンウェイ開口部104の内径と等しい外径を有するべきであり、マンウェイカバー90の内面に直接溶接することができる。トロイダルプレート91は、取り付け連結部内の空隙体積を減らし、かつマンウェイカバーがプロセス流体と直接接触するのを防止する二重の目的を果たす。この構造は、取り付け連結部に取り付けられた安全装置上のポリマーの蓄積を最小化する。高価でない材料、たとえば、炭素鋼でマンウェイカバーを構築し、一方、トロイダルプレート91および圧力除去装置97のみは、より高価な腐蝕耐性合金材料で製造することによっても装置コストを軽減することができる。典型的には、トロイダルプレート91が取り付け連結挿入部として使用される場合、プレート91は厚さ0.125”(0.32cm)以上であり、厚さが0.25インチ(0.64センチメートル)、0.375インチ(0.95センチメートル)、0.5インチ(1.27センチメートル)またはさらに大きくてもよい。あるいは、マンウェイ内径104に等しい第二の内径(図示せず)を有するさらに厚いマンウェイカバー90を製造して、取り付け連結挿入部がマンウェイカバー90の一体型部分になり、従って別のトロイダルプレートが必要ないようにすることができる。このような別の実施態様は、0.75インチ(1.91cm)より大きい等価厚さの連結挿入部が望まれる場合に好ましい。
【0050】
いずれかのすでに記載された方法及び装置を組み合わせて平均有効距離(たとえば、それぞれ図3および4におけるE3、E4)の最小化を達成することができることは容易に予想される。
【0051】
当業者の能力の範囲内であるものとして、本発明によると、取り付け連結部および他の機構のタイプおよびサイズは、これに限定されないが、ノズル突出Nが約12インチ(30.48センチメートル)未満、または約9インチ(22.86センチメートル)未満、または約6インチ(15.24センチメートル)未満、またはさらには約3インチ(7.62センチメートル)未満になるように選択することができる。
【0052】
同様に、取り付け連結部および他の機構のタイプおよびサイズは、平均有効距離が、たとえば制限なく、6インチ(15.24センチメートル)未満になるように選択することができる。あるいは、平均有効距離は4インチ(10.16センチメートル)未満、または2インチ(5.08センチメートル)未満、またはさらには1インチ(2.54センチメートル)未満であってよい。
【0053】
当業者らは、1以上の圧力除去装置アセンブリ、取り付け連結部および取り付け連結挿入部を構築する適当な材料を選択する必要性を容易に認識するであろう。そして、操作される特定のプロセスに基づいて適当な材料を選択するのは、当業者の能力の範囲内のことであると考えられる。たとえば、制限なく、圧力除去装置アセンブリ、取り付け連結部、および取り付け連結挿入部の少なくとも1つは、適宜、ニッケル合金、ステンレス鋼、モネル、インコネル、および他の腐蝕耐性材料(モリブデン、クロム、窒素、およびタンタルからなる群から選択される1以上の元素を含む)からなる群から選択される構築材料を含むことができる。さらに、これらの装置の部品の1以上は、その上へのポリマーの蓄積に対する耐性を向上させるために、銅を含むことができる。
【0054】
圧力除去装置アセンブリ、取り付け連結部、および取り付け連結挿入部の1以上は、任意に平滑化されて、その上でのポリマー蓄積に対する耐性が向上された材料を含むことができる。たとえば、バフ研磨(バフ仕上げ)および電解研磨法を代表とする機械的研磨法を用いることが可能であり、この方法は高度の平滑化を可能にする。一実施態様において、たとえば、これらの装置の表面は、ポリマー蓄積を最小化するためには、12.5s以下、さらに好ましくは6.3s以下、最も好ましくは3.2s以下の表面粗さを有する。「表面粗さ」なる用語および記号「s」は日本工業規格(JIS)B0601に基づき、s値は表面不規則性の最大高さ(マイクロメートル)の最大値に対応する。
【0055】
さらに、構造のタイプおよび材料をはじめとする、破裂板、ガスケットおよび他の装置の選択も、操作されるプロセスの性質および条件に基づいて、当業者の能力の範囲内のものであると考えられる。たとえば、圧力除去装置アセンブリは、メンブランシールタイプ破裂板を含むことができるが、ポリテトラフルオロエチレン(しばしばPTFEと略記、DuPontからTEFLON(登録商標)として入手可能)から作られたシール破裂板を、アクリルエステル(たとえば、エチルアクリレート)、またはメタクリレートエステル(たとえば、メチルメタクリレート)を含むプロセスにおいて使用されることは推奨されない。その理由は、(メタ)アクリルエステルは長期にわたるとPTFEに浸透し、これによりポリマーが破裂板上に形成され、蓄積され、このために破裂板が適切に機能するのを妨げる。同様に、PTFEを含むガスケットは、アクリルエステルまたはメタクリルエステルが蒸留される場合の圧密シールの形成における使用には推奨されない。(メタ)アクリルエステルが蒸留される場合、グラファイトでコーティングされたステンレス鋼ガスケットを使用するのが好ましい。グラファイトでコーティングされたステンレス鋼ガスケットは、もちろん、(メタ)アクリル酸の蒸留においても使用できる。300シリーズステンレス鋼を含む好適なガスケットは、JM Clipper Corp of Nacogdoches、TexasからELASTOGRAPH(商標)およびDYNAGRAPH(商標)の商品名で商業的に入手可能である。プロセスがシアン化水素製造および精製プロセスである場合、Flexitallic Gasket Company of Camden、New JerseyからFLEXITALLIC(登録商標)として入手可能な渦巻型グラファイトコートスチールで作られたガスケットを使用することが推奨される。
【0056】
当該分野において周知のように、重合阻害剤は、重合性モノマーを精製する場合に蒸留塔に添加することができる。水溶性または有機物可溶性重合阻害剤を本発明の方法との組み合わせにおいて有利に使用することができる。好適な重合阻害剤の例は:ヒドロキノン(HQ);4−メトキシフェノール(MEHQ);4−エトキシフェノール;4−プロポキシフェノール;4−ブトキシフェノール;4−ヘプトキシフェノール;ヒドロキノンモノベンジルエーテル;1,2−ジヒドロキシベンゼン;2−メトキシフェノール;2,5−ジクロロヒドロキノン;2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン;2−アセチルヒドロキノン;ヒドロキノンモノベンゾエート;1,4−ジメルカプトベンゼン;1,2−ジメルカプトベンゼン;2,3,5−トリメチルヒドロキノン;4−アミノフェノール;2−アミノフェノール;2−N,N−ジメチルアミノフェノール;2−メルカプトフェノール;4−メルカプトフェノール;カテコールモノブチルエーテル;4−エチルアミノフェノール;2,3−ジヒドロキシアセトフェノン;ピロガロール−1,2−ジメチルエーテル;2−メチルチオフェノール;t−ブチルカテコール;ジ−tert−ブチルニトロキシド;ジ−tert−アミルニトロキシド;2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−ジメチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;4−エタノールオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;3−アミノ−2,2,5,5−テトラメチル−ピロリジニルオキシ;2,2,5,5−テトラメチル−1−オキサ−3−アザシクロペンチル−3−オキシ;2,2,5,5−テトラメチル−3−ピロリニル−1−オキシ−3−カルボン酸;2,2,3,3,5,5,6,6−オクタメチル−1,4−ジアザシクロヘキシル−1,4−ジオキシ;4−ニトロソフェノレートの塩;2−ニトロソフェノール;4−ニトロソフェノール;ジメチルジチオカルバミン酸銅;ジエチルジチオカルバミン酸銅;ジブチルジチオカルバミン酸銅;サリチル酸銅;メチレンブルー;テトラメチルチオニンスルフェート;鉄;フェノチアジン(PTZ);3−オキソフェノチアジン;5−オキソフェノチアジン;フェノチアジン二量体;1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,4−ジメチルペンチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−1,4−ベンゼンジアミン;N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンおよびその塩;酸化窒素;ニトロソベンゼン;p−ベンゾキノン;またはその異性体;これらの2以上の混合物;前記物質の1以上と分子酸素の混合物を包含するが、これに限定されない。阻害剤は単独でまたは好適な希釈剤と組み合わせて用いることができる。1以上の好適な阻害剤の選択は、当業者の能力の範囲内のことである。
【0057】
追加のプロセス装置も本発明の範囲から逸脱することがなく圧力除去装置アセンブリに組み入れることができる。たとえば、ジャッキングスタッドを圧力除去装置アセンブリに加えて、取り付け連結部からの除去の容易性を改善し、およびバーストインジケーターを破裂板に加えることができる。圧力除去装置アセンブリ、取り付け連結部、および蒸留塔壁をプロセスにおいて用いられる重合性物質の露点より高い温度に維持するために、トレーシングおよび断熱も用いることができる。さらに、排気管、キャッチタンク、またはスラストプレートの様な装置を圧力除去装置アセンブリの下流に任意に加えて、流出排出物を管理することができる。
【実施例】
【0058】
比較例1
図5(先行技術)は、本発明の方法または設備に適合しない蒸留塔に関する安全装置のオリジナルの従来技術の配列の破断概略図を示す。アクリル酸を重合阻害剤および酸素の存在下、商業的規模の蒸留塔54(その先端部分のみを図5に示す)中で精製した。蒸留塔は、減圧で作動し、13の多孔板トレイを含み、トレイ間隔が27インチ(69.58センチメートル)になるように設計された。各トレイはダウンカマーを有する多孔板、特に、シーブトレイであり、そのそれぞれは、調節可能なせき(weir)を含み、せきの高さは1.5から2.0インチ(3.81から5.08センチメートル)の間であった。典型的な操作圧力は、約35mmHgであり、温度は55℃から65℃の間であり、どちらも蒸留塔54の最上トレイの上のトップヘッド部分において測定された。
【0059】
引き続き図5を参照して、逆バックリング破裂板52を圧密的に取り付け連結部53中に連結し、これを次に蒸留塔54の容器壁50に、塔のトップヘッド部分(その一部のみを図5において示す)上で固定した。破裂板52は25ポンド/平方インチ(ゲージ圧)(psig)(1.7気圧)の名目バースト圧を有し、完全真空操作について評価される。取り付け連結部51は6インチ、150#グレード(米国機械学会標準)突出面スタッディングアウトレット(RFSO)であり、これは蒸留塔54のトップヘッドでの傾斜付き容器壁50に対して約2.75インチ(6.99センチメートル)の平均ノズル突出Nを提供した。図5からわかるように、破裂板52および取り付け連結部53はどちらも実質的に水平方向に配置され、破裂板52は容器壁50と近接していた。このような配列では、取り付け連結部51も破裂板52も、蒸留塔54中の最上トレイ(図示せず)の上の湿潤領域内になかった。
【0060】
図示されるような配向(凸型上流表面、図4におけるディスク44と類似)の破裂板52を用いて、得られる平均有効距離は約2インチ(5.08センチメートル)未満であったが、スタッディングアウトレットの内部で形成される低流動性領域53は、破裂板52に隣接し、このことは、プロセス流体が破裂板52の上流表面と非常に接触しにくく、かつポリマーおよび凝縮物を洗い流しにくいことを意味する。この構造の結果、蒸留塔の通常の操作の間、重合性モノマーを含む蒸気相流体が取り付け連結部51の内部に流入し、破裂板52の上流表面52a上、および近接して凝縮し、ポリマーが形成する。このような反復的ポリマー蓄積により、蒸留塔の安全な長期操作に必要な、危険なほど高い操作圧に対して所望の保護レベルを提供するのに破裂板は効果的でなくなる。
【0061】
実施例1
圧力除去装置を本発明に従って、比較例1に匹敵するデザインの商業的規模の蒸留塔中に組み込み、蒸留塔をアクリル酸精製のプロセスにおいて再度使用した。比較例1においてと同様に、圧力除去装置は25psig(1.7気圧)の名目バースト圧および完全真空レーティングを有する破裂板であった。
【0062】
図6および7をまとめて参照して、破裂板61を有する安全装置アセンブリ60を本発明の方法および設備により蒸留塔74の塔壁73に連結させた(図7参照)。さらに詳細には、安全装置アセンブリ60を最上トレイ72に対して、実質的に垂直な方向に、最上トレイ72の上に存在する湿潤領域(図示せず)内の高さで配置した。安全装置アセンブリ60のこの位置および配向で、最上トレイ72の上に存在するフロス/液体スプレー(液体相流体)は、安全装置アセンブリ60中の破裂板61の上流表面65と断続的に接触し(図6および7参照)、これにより望ましくないポリマーおよび凝縮物の蓄積を防止する。
【0063】
図6を参照して、この圧力除去装置アセンブリ60は、直径6インチ(15.24センチメートル)の逆バックリング破裂板61であって、取り付け連結部に連結するための任意のフランジ付き316Lステンレス鋼取り付け連結挿入部63に、円周溶接62により取り付けられたものを含んでいた(図6には図示されていないが、図7における機構71参照)。使用した特定の破裂板61は、インコネル600、A8876−X型ディスク(Fike Corporation of Blue Springs、Missouri,USAにより製造)であった。図6および7において見られるように、取り付け連結挿入部63は、取り付け連結部71に取り付けるための少なくとも2つのボルト孔64a、64bを有しており、これを次に塔壁73に連結した。
【0064】
図7の概略的部分破断上面図において示されるように、安全装置アセンブリ60は、塔壁73に取り付けられ、蒸留塔74の操作中に、トレイ上の蒸留塔74中に存在する液相流体12(図示せず)が安全装置アセンブリ60中の破裂板61の上流の凸型表面65に断続的に接触するように、トレイ72に対して配置される。
【0065】
さらに図7を参照すると、トレイ(1つのトレイ72のみ図示)はシーブトレイであり、当該分野においては通常、「ダウンカマーを有する多孔板」として知られている。各シーブトレイ72は、垂直に向けられたプレート70を有し、このプレート70はシーブトレイ72のまっすぐにカット切断された端部70aに、シーブトレイ72の水平面に対してほぼ直角に取り付けられており、垂直に向いたプレート70の下部はトレイ72の水平面の下に伸びており、その上部はトレイ72の水平面の上方に伸びていた。当該分野における習慣で、プレート70の下部は「ダウンカマー(downcomer)」と呼ばれ、プレート70の上部は「せき(weir)」と呼ばれる(ダウンカマーおよびせきは図7において示される上面図からは独立して見られない)。
【0066】
一般的なプラクティスにおいて、垂直に向けられたプレート70の垂直面70a、70bは塔壁73に取り付けられていた。塔74におけるすべてのトレイ72のプレート70は、垂直に整列し、全体として垂直に配向したチムニースペース75を形成した。蒸留塔74の作動中、トレイ液12は蓄積し、せき70からオーバーフローし、次いでチムニースペース75中に流入し、塔74を下方に流れた。トレイ液12がチムニースペース75を通って下方に流れる場合、動いている液相流体および湿潤領域はチムニースペース75中に存在し、その結果、安全装置アセンブリ60を配置し、固定するために適当な別の位置が形成される。
【0067】
図6および7に示される実施例1の特定の実施態様に戻ると、取り付け連結部71および安全装置アセンブリ60の出口開口部66をチムニースペース75(図7参照)の外側の塔壁73上に配置して、トレイ72の上の湿潤領域の利点を利用した。安全装置アセンブリ60の出口開口部66の中心線Cを最上トレイ72の上部表面の上約12インチ(30.48センチメートル)の高さに配置し、これは、この場合、トレイ72の上部表面上の取り付け連結部71の直径の約2倍に等しいとされた(2D=2×6=12インチ(30.48センチメートル))。圧力除去装置アセンブリ60を実質的に垂直な取り付け連結部71に連結して、圧密シールを提供した。取り付け連結部71は、6インチ(15.24センチメートル)、150#上昇面スタッディングアウトレットノズルを含み、これにより約2インチ(5.08センチメートル)の最小ノズル突出Nを提供した。
【0068】
別法として、取り付け連結部71および安全装置アセンブリ60の出口開口部66の中心線Cは、チムニースペース75内の塔壁73に、安全装置アセンブリ60とチムニースペース75中の動いている液相流体間での少なくとも断続的な接触を可能にするように配置され、固定されることができる。しかしながら、当業者には認識されるように、安全装置アセンブリ60が固定されるべきトレイ72上の高さは異なり、安全装置アセンブリ60がチムニースペース75の外側の塔壁73に配置され、固定されていた場合に適切であるよりもおそらくはより低い。
【0069】
前記のように、また図6において示されるように、この実施態様の圧力除去装置アセンブリ60は、任意の取り付け連結挿入部63を含んでいた。特定の取り付け連結挿入部63は円筒形であり、伸長長さ(ノズル突出Nと同じ)は約2インチ(5.08センチメートル)であり、外径は円形取り付け連結部71の内径と実質的に同じであった。従って、取り付け連結挿入部63は、スタッディングアウトレットノズルの内部中の低流動性領域の深さを減じ、ポリマーおよび凝縮物の蓄積に利用可能な体積を有利に減少させる。従って、取り付け連結部71のノズル突出Nは約2インチ(5.08センチメートル)であるが、結果として得られる平均有効距離Eはこの実施態様において約1インチ未満であった。
【0070】
圧力除去装置アセンブリ60を組み込んだ後、アクリル酸を蒸留塔において比較例1と同様にして精製した。40日後、蒸留塔の操作を中断し、圧力除去装置アセンブリを検査のために取り出した。破裂板61の上流面65には実質的にポリマーおよび凝縮物は存在せず、本発明の方法および設備は、破裂板61から蓄積したポリマーおよび凝縮物を有効に除去したことを示す。従って、本発明の方法および設備は、破裂板61の作動即応性を有効に維持し、蒸留塔の安全な長期操作を提供した。
【0071】
比較例2
図8(先行技術)は蒸留塔に関する別のタイプの安全装置のオリジナルの従来技術の配置の概略的部分破断側面図を提供し、この配置は本発明の方法または設備と一致しない。アクリル酸を重合阻害剤および酸素の存在下で商業的規模の蒸留塔84(その先端部分のみ図8において示す)中で精製した。蒸留塔は減圧で作動するように設計され、35の多孔板トレイ(図示せず)を含み、トレイ間隔は27インチ(68.58センチメートル)であった。各トレイは特に二系統フロートレイであり、したがって、せきまたはダウンカマーを有していなかった。典型的な操作圧は約35mmHgであり、温度は55℃から65℃の間であり、どちらも蒸留塔84の最上トレイ上のトップヘッド部分において測定した。
【0072】
引き続き図8を参照すると、安全装置は破裂ピン安全弁(RPR弁)87であり、これはRupture Pin Technology of Oklahoma City、Oklahoma,OKから商業的に入手可能であり、危険なほど高い圧力が蒸留塔84内で発生したならば開くことを意図する。用いられた具体的なRPR弁87は316ステンレス鋼8”CM型であり、名目設定圧は15psig(1気圧)、完全真空レーティングであった。当業者はすでに気づいているであろうように、RPR弁87は、端と端が本体83中で接合した配列のプランジャー82およびバックリングピン86を有する本体83を含んでいた。この実施態様において、RPR弁87は取り付け連結部81に、実質的に水平方向にボルトで取り付けられ、圧密シールが得られた。このように、プランジャー82の上流表面85は、蒸留塔84のトップヘッド上に実質的に水平方向に、容器壁80に非常に近接して配置された。この位置で、取り付け連結部81およびRPR弁87は最上トレイの上の湿潤領域内になかった。取り付け連結部81は8インチ(20.32センチメートル)150#上昇面スタッディングアウトレットを含み、これは蒸留塔84のトップヘッド部分の傾斜付き壁80に対して約2.75インチ(6.99センチメートル)の平均ノズル突出Nを提供した。しかしながら、このプランジャータイプのRPR弁を用いることにより、平均有効距離Eを約0.6インチ(1.54センチメートル)に減じ、これによりポリマーが蓄積できる体積を最小化することが可能であった。残念なことに、アクリル酸を精製するための蒸留塔84の典型的な作動中、いくらかのポリマー蓄積がプランジャー82の上流面85に近接して依然として起こり、これにより、蒸留塔84の安全な長期操作に必要な、危険なほど高い操作圧に対して所望の保護を提供するRPR弁安全装置の能力が制限された。さらに詳細には、RPR弁本体83と取り付け連結部81の内面間の環状空間88におけるポリマーの蓄積は、検査および洗浄のためのRPR弁のとりはずしを非常に困難で、費用がかかるものにした。RPR弁を容易にとりはずし、洗浄することができないので、蒸留塔84の安全な長期操作は保証されなかった。
【0073】
実施例2
比較例2に匹敵するデザインの商業的規模の蒸留塔中に、本発明に従って圧力除去装置を組み入れ、蒸留塔を再度、アクリル酸の精製プロセスにおいて使用した。圧力除去装置は、15psig(1気圧)の名目バースト圧および完全真空レーティングを有する破裂板であった。
【0074】
図9を参照して、安全装置アセンブリを、蒸留塔に対し本発明に従って、すなわち、実質的に垂直な方向で、蒸留塔の最上トレイの上の湿潤領域の垂直範囲W内の高さで連結し、配置して、最上トレイの上に存在するフロス/液体スプレー(液相流体)が破裂板の上流表面に断続的に接触し、これにより望ましくないポリマーおよび凝縮物の蓄積を防止した。
【0075】
図9において概略的に示されるように、蒸留塔102は塔102の内部に作業員が物理的に近づけるように塔壁103を通るマンウェイ開口部104を有していた。安全装置アセンブリ100(以下にさらに詳細に記載)を150#(10.2気圧)、24インチ(60.96センチメートル)炭素鋼マンウェイカバー90に接続し、これはマンウェイ開口部104を覆うために特別に改変され、蒸留塔120に固定されていた。さらに詳細には、直径24インチ(60.96センチメートル)、厚さ0.375インチ(0.95センチメートル)の316ステンレス鋼円形挿入プレート91をマンウェイカバー90の内面上を中心とし、マンウェイカバー90に円周溶接されていた。名目直径24インチ(60.96センチメートル)マンウェイ開口部104の外径は実際は直径約30.5インチ(77.47センチメートル)であり、プレート91の同心的配置の結果、幅約3インチ(76.2センチメートル)のトロイダル凹部92がマンウェイカバー90の外端に近接して形成される。凹部92はマンウェイ開口部のガスケット表面であった。
【0076】
直径13.5インチ(34.29センチメートル)の同心孔を次いでマンウェイカバー90および挿入プレート91を貫通して切り出した。8インチ(20.32センチメートル)、150#上昇面スタッディングアウトレットノズルを含む取り付け連結部93をマンウェイカバー90中の前記孔中に挿入し、取り付け連結部93の内面94がプレート91の内面と同一平面になるように配置した。第一円周溶接95が取り付け連結部93とプレート91との間になされた。この結果、取り付け連結部93の内面94がプレート91の内面と実質的に平坦であり、プレート91に対するスタッディングアウトレット93の突出が有効にゼロになった。第二円周溶接96を取り付け連結部93およびマンウェイカバー90の外部表面の間に施した。
【0077】
この実施例において用いられる圧力除去装置アセンブリ100は図6において示されたタイプと構造が類似していたが、この場合において、円周溶接(図示せず)の手段によりフランジ付き円筒形取り付け連結挿入部98に取り付けられた、直径8インチ(20.32センチメートル)の逆バックリング破裂板97を含んでいた。この実施例において用いられた具体的な破裂板97は、Oseco of Broken Arrow、Oklahomaにより製造される8インチ(20.32センチメートル)PLR型316ステンレス鋼破裂板であった。
【0078】
取り付け連結挿入部98を316ステンレス鋼から構築し、全体的な伸長は約3インチ(7.62センチメートル)、外径は約9.9インチ(25.15センチメートル)であり、これは円形取り付け連結部93の内径と実質的に同じであった。この配置において、挿入部98はスタッディングアウトレットノズル93の内部における低流動性領域を満たすことができ、凝縮物およびポリマーが他の方法ではその中に蓄積する傾向がある利用可能な体積を有利に減少させる。圧力除去装置アセンブリ100を取り付け連結部93にボルト付けし、圧密シールを提供した。
【0079】
圧密シールを形成するためのボルト付けによりマンウェイカバー90を次いで蒸留塔壁上の既存の直径24インチ(60.96センチメートル)のスタッディングアウトレット99に取り付けた。スタッディングアウトレット99の使用により、約2.5インチ(6.35センチメートル)の最小マンウェイノズル突出Nを提供し、破裂板97の凸型上流表面の結果、2インチ(5.08センチメートル)未満の平均有効除去経路Eが得られる。
【0080】
一旦組み入れられると、取り付け連結部93の中心線は最上トレイ101の上部表面の上16インチ(40.6センチメートル)の高さCの位置にある。この位置で、取り付け連結部93の中心線は、トレイの上面の上の、2取り付け連結直径(D=8インチ(20.3センチメートル))に等しい高さ(すなわち、2D=16)の位置にある。
【0081】
圧力除去装置アセンブリ100を組み入れた後、アクリル酸を蒸留塔中で比較例2において上述したのと同じ方法で精製した。10ヶ月後、塔の操作を中断し、圧力除去装置アセンブリ100を検査のために取り出した。破裂板97に隣接する領域はポリマーがないことが判明し、本発明の方法及び設備が蓄積されるポリマーおよび凝縮物を破裂板97から有効に除去することが証明された。従って、本発明の方法および装置は破裂板97の作動即応性を有効に維持し、蒸留塔の安全な長期操作を提供した。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】作動中の蒸留塔の一部の概略的部分破断側面図であり、湿潤領域、および本発明に従った安全装置の相対的配置を示す。
【図2】蒸留塔および本発明に従って配置された別のタイプの安全装置を有する本発明の別の実施態様の概略的破断斜視図である。
【図3】本発明に従った、取り付け連結部に対して突出した部分を有する、破裂板の1つの可能な配置の概略的断面側面図である。
【図4】本発明の方法に従った、取り付け連結部に対して突出した部分を有する破裂板の別の配置の概略的断面側面図である。
【図5】比較例1において議論されるような、先行技術に従った、安全装置の相対的配置および位置を示す、蒸留塔および安全装置の部分の概略的破断側面図である。
【図6】実施例1において議論されるような本発明に従った蒸留塔に対して配置され、容易に連結できる取り付け連結部および安全装置の概略的破断側面図である。
【図7】蒸留塔の壁に連結された図6(実施例1)の取り付け連結部および安全装置の概略的破断部分平面図であって、チムニー開口部を形成するダウンカマーを有する蒸留トレイおよび前記チムニー開口部に対する取り付け連結部および安全装置の位置を示す。
【図8】取り付け連結部および異なるタイプの安全装置、すなわち、破裂ピン安全弁および比較例2において議論されるような、先行技術の蒸留塔に関連するその向きおよび位置の概略的部分破断側面図である。
【図9】本発明の実施例2の実施態様を示す、マンウェイ、取り付け連結部、および破裂板の断面図である。
【符号の説明】
【0083】
9 蒸留塔
10 トレイ
11 トレイ
12 トレイ液体
12a トレイ液体
13 乱流フロスゾーン
14 スプレーゾーン
15 取り付け連結部
16 垂直壁
18 蒸気相流体
T トレイ間隔
W 全垂直範囲
C 取り付け高さ
20 蒸留塔
21 圧力除去装置アセンブリ
22 壁
23 蒸留トレイ
24 破裂パネル
VCP 垂直中心
C 取り付け高さ
30 蒸留トレイ
31 蒸留トレイ
32 容器壁
33 取り付け連結部
34 破裂板
34a 上流表面
35 容器壁の内面
E3 平均有効距離
N3 ノズル突出
40 蒸留トレイ
41 蒸留トレイ
42 容器壁
43 取り付け連結部
44 破裂板
44a 上流表面
45 容器壁の内面
E4 平均有効距離
N4 ノズル突出
50 容器壁
51 取り付け連結部
52 逆バックリング破裂板
52a 上流表面
53 低流動性領域
54 蒸留塔
N 平均ノズル突出
60 安全装置アセンブリ
61 破裂板
66 出口開口部
70 プレート
70a 垂直面
70b 垂直面
71 円形取り付け連結部
72 最上トレイ
73 塔壁
74 蒸留塔
75 チムニースペース
E 平均有効距離
80 傾斜付き壁
81 取り付け連結部
82 プランジャー
83 本体
84 蒸留塔
85 上流面
86 バックリングピン
87 RPR弁
88 環状空間
90 マンウェイカバー
91 プレート
92 トロイダル凹部
93 取り付け連結部
94 取り付け連結部の内面
95 第一円周溶接
96 第二円周溶接
97 破裂板
98 挿入部
99 スタッディングアウトレット
100 圧力除去装置アセンブリ
101 最上トレイ
102 蒸留塔
103 塔壁
104 マンウェイ開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスを作動させるためのプロセス設備と共に使用される装置上のポリマーの蓄積を最小化するための方法であって、前記プロセス設備は、少なくとも1つのプロセス流体をその中に保持するための内部空間を形成する少なくとも1つの壁を有し、および前記装置は少なくとも断続的に前記重合性物質と接触し、
前記方法は:
(a)プロセスの作動中に、前記動いている液相流体が前記プロセス設備の前記内部空間内で動いている湿潤領域を配置し;
(b)前記プロセス設備の前記壁に、前記装置を前記内部空間と流体連通し、かつ前記湿潤領域に近接するように配置し、かつ固定することにより、前記動いている液相流体を少なくとも断続的に前記装置の少なくとも一部と接触させ;
(c)プロセスを作動させ、これにより前記動いている液相流体は1以上の蓄積される重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーを前記装置から洗い流す:ことを含む方法。
【請求項2】
前記装置が安全装置を含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記安全装置が、破裂板、破裂パネルおよび安全弁からなる群から選択される少なくとも1つの圧力除去装置を含む請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記プロセス設備が、蒸留塔、吸収塔、エバポレーター、リボイラー、導管、スクラバー、および垂直塔からなる群から選択される分離容器を含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記プロセスが、重合性モノマーを含む重合性物質を製造する方法である請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記重合性モノマーが:(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、ビニルモノマー類、および(メタ)アクリルエステルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記動いている液相が重合性物質を含むプロセス流体を含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスを作動させるために設備を使用する間、前記設備に固定された装置上での重合性物質の蓄積を最小化するための設備であって、
前記設備は:
(a)少なくとも1つのプロセス流体をその中に保持するための内部空間を形成する少なくとも1つの壁を有するプロセス容器(プロセスの作動中、前記内部空間は前記動いている液相流体を含む少なくとも1つの湿潤領域を含む);
(b)プロセスの作動中、前記動いている液相流体が前記装置と少なくとも断続的に接触して、蓄積される重合性物質、これを含む凝縮物、およびポリマーの1以上が前記装置から洗い流されるように、前記内部空間と流体連通し、かつ前記湿潤領域に近接して配置された、前記プロセスの前記壁に固定された装置:
を含む設備。
【請求項9】
前記装置が安全装置を含む請求項8記載の設備。
【請求項10】
前記安全装置が、破裂板、破裂パネルおよび安全弁からなる群から選択される少なくとも1つの圧力除去装置を含む請求項9記載の設備。
【請求項11】
前記プロセス設備が、蒸留塔、吸収塔、エバポレーター、リボイラー、導管、スクラバー、および垂直塔からなる群から選択される分離容器を含む請求項8記載の設備。
【請求項12】
前記プロセスが、重合性モノマーを含む重合性物質を製造する方法である請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記重合性モノマーが:(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、ビニルモノマー類、および(メタ)アクリルエステルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む請求項12記載の方法。
【請求項14】
重合性物質と、動いている液相流体を含む少なくとも1つのプロセス流体とを含むプロセスの作動中のポリマーの蓄積を最小化するための方法であって、請求項8記載の設備を用いて前記プロセスを作動させることを含む方法。
【請求項15】
前記装置が安全装置を含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記安全装置が破裂板、破裂パネルおよび安全弁からなる群から選択される少なくとも1つの圧力除去装置を含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記プロセス設備が、蒸留塔、吸収塔、エバポレーター、リボイラー、導管、スクラバー、および垂直塔からなる群から選択される分離容器を含む請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記プロセスが、重合性モノマーを含む重合性物質を製造する方法である請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記重合性モノマーが:(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、シアン化水素、(メタ)アクリロニトリル、(メチル)スチレン、ビニルモノマー類、および(メタ)アクリルエステルからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーを含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記動いている液相が、重合性物質を含むプロセス流体を含む請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−321146(P2007−321146A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−132679(P2007−132679)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】