説明

プーリユニット

【課題】固定手段を設けることなく、プーリ本体を余長解除位置に保持可能とすることにある。
【解決手段】プーリ軸34はスロット45に移動自在に挿通され、プーリ本体31が余長発生位置と余長解除位置との間で移動自在にプーリケース32内に収容されている。また、レバー部材33はレバー軸38を軸心として、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、プーリ軸34の係止を解除する解放位置とに回動自在である。係止位置のもとではレバー部材33に開側ケーブル21による引っ張り力が作用しており、その作用線Lと平行に延びるとともにレバー軸38の軸心CLを通る直線Mに対してプーリ軸34の軸心CPが回動方向一方側へずらして配置されている。これにより、レバー部材33には、開側ケーブル21による引っ張り力により、レバー部材33を係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが作用されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
駆動ユニットとスライドドアとの間で配索されるケーブルの移動方向を変換するプーリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワゴンタイプやワンボックスタイプの車両では、車両前後方向に開閉移動するスライドドアを車体側部に設けることにより、車両側方からの乗降や荷物の積み下ろしを容易に行えるようにしている。車体側部には、車両前後方向に延びる直線部と、直線部の車両前方側の端部から車室内側へ向けて湾曲する引き込み部とを備えるガイドレールが固定されており、スライドドアはガイドレールに沿って車両前後方向に移動することによりスライド式に開閉される。
【0003】
スライドドアの開閉を容易に行うために、車両にはスライドドアを自動的に開閉するパワースライド装置が搭載されている。パワースライド装置としては、ガイドレールに沿って配索されたケーブルを牽引することでスライドドアを自動的に開閉するケーブル式のものが多く用いられている。また、ケーブル式のパワースライド装置には、ケーブルを駆動する駆動ユニットを車体側部に搭載した車体内蔵型と、駆動ユニットをスライドドアに搭載したドア内蔵型とがある。
【0004】
車体内蔵型のパワースライド装置では、ガイドレールの長手方向両端部にそれぞれ配置された一対のプーリユニットを介して、駆動ユニットとスライドドアとの間でケーブルが配索されている。つまり、ケーブルは一対のプーリユニットによりその移動方向が変換され、それぞれ開方向および閉方向からスライドドアに接続されている。それぞれのプーリユニットは、ケーブルが巻き掛けられるプーリ本体と、プーリ本体を収容するプーリケースとを有しており、プーリケースに支持されたプーリ軸によりプーリ本体が回転自在に支持されている。
【0005】
ところで、パワースライド装置を車体に組み付ける際には、駆動ユニットから引き出されたケーブルの一端をスライドドアに係止する作業を容易に行えるようにするために、ケーブル余長を十分に確保する必要がある。そこで、例えば、特許文献1に記載されるプーリユニットでは、ケーブル引出方向に沿ってプーリ軸が移動自在に挿通されるスロットがプーリケース(外側ケース)に形成されており、プーリ本体(反転プーリ)がプーリケースに対して移動自在となっている。これにより、ケーブルを配索する際には、ケーブルを引っ張ることでプーリ本体がケーブル引出方向側に移動され、ケーブル余長を十分に確保することが可能となる。また、ケーブルの配索が完了した後には、プーリ軸に連結されたスライドプレートをスライド操作させることでプーリ本体がケーブル引出方向側とは反対側に移動され、ケーブル余長が解除されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−273308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、特許文献1に記載されるプーリユニットでは、プーリ軸に連結されたスライドプレートをケーブル引出方向側とは反対側へスライド操作させることで、ケーブル余長を解除させるようにしている。このため、スライドプレートには、プーリ軸を介してスライドプレートに作用されるケーブルによる引っ張り力によって、ケーブル引出方向側へ戻ろうとする力が作用することとなる。したがって、ケーブル余長を解除した位置にプーリ本体を保持するためには、スライドプレートをプーリケースに固定するボルト等の固定部材が必要となり、ケーブル余長を解除した位置にプーリ本体を保持する作業が煩雑となるとともに、部品点数が多くなりコストアップや重量増加となる。
【0008】
本発明の目的は、固定手段を設けることなく、プーリ本体を余長解除位置に保持可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプーリユニットは、車体に搭載された駆動ユニットによりケーブルを駆動することでスライドドアを自動的に開閉するパワースライド装置に設けられ、前記駆動ユニットと前記スライドドアとの間で配索される前記ケーブルの移動方向を変換するプーリユニットであって、前記ケーブルが巻き掛けられるプーリ本体を回転自在に支持するプーリ軸と、前記プーリ軸が移動自在に挿通されるスロットが形成され、前記ケーブルに張力を付与する余長解除位置と、当該余長解除位置よりもケーブル引出方向側に配置される余長発生位置との間で前記プーリ本体を移動自在に収容するプーリケースと、前記プーリケースに回動自在に組み付けられ、前記余長解除位置のもとで前記プーリ軸を係止する係止位置と、前記余長解除位置のもとでの前記プーリ軸の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のプーリユニットは、前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに支持されたレバー軸を軸心として回動自在に前記プーリケースに組み付けられ、前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力の作用線と平行に延びるとともに前記レバー軸の軸心を通る直線に対して、前記プーリ軸の軸心が回動方向一方側にずれて配置され、前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記レバー部材を前記係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが前記レバー部材に作用されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のプーリユニットは、前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに形成されたガイド部に沿って案内される被ガイド部と、前記プーリ軸を軸心として回転自在に支持される軸支持部と、前記被ガイド部と前記軸支持部とを連結する連結部とを備え、前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力の作用線に対して、前記連結部が回動方向一方側にずれて配置され、前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記レバー部材を前記係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが前記レバー部材に作用されていることを特徴とする。
【0012】
本発明のプーリユニットは、前記レバー部材には、前記解放位置から前記係止位置への回動操作に伴って、前記プーリ軸を前記余長発生位置から前記余長解除位置へ案内する案内部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明のプーリユニットは、前記プーリケースには前記係止位置のもとで前記レバー部材が突き当てられるストッパが設けられ、当該ストッパにより前記レバー部材が前記係止位置のもとからさらに回動方向一方側へ回動することが防止されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のプーリユニットは、前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側とは反対側において前記プーリケースに形成されたガイド部に沿って案内される被ガイド部と、前記プーリ軸を軸心として回転自在に支持される軸支持部と、前記被ガイド部と前記軸支持部とを連結する連結部とを備え、前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、前記ガイド部にケーブル引出方向側に向けて突出して形成された係合部に前記被ガイド部が係合され、前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記被ガイド部を前記係合部に係合させる方向の荷重が前記レバー部材に作用されることを特徴とする。
【0015】
本発明のプーリユニットは、前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに支持されたレバー軸に一端部が回動自在に組み付けられる第1回動部材と、前記プーリ軸に一端部が回動自在に組み付けられるとともに他端部が前記第1回動部材の他端部に回動自在に連結される第2回動部材とを備え、前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、前記第1回動部材と前記第2回動部材との連結部が前記車体に突き当てられることにより、前記レバー部材が前記解放位置へ向けて回動されることが防止されていることを特徴とする。
【0016】
本発明のプーリユニットは、前記プーリケースが前記車体に取り付けられることにより、前記車体により前記第1回動部材と前記第2回動部材との連結部が前記プーリ軸と前記レバー軸との間へ向けて押し付けられ、前記レバー部材が前記係止位置に回動操作されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、余長解除位置のもとでプーリ軸を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材をプーリケースに回動自在に組み付けるようにしたので、レバー部材によりプーリ本体を余長解除位置に保持することが可能となる。
【0018】
本発明によれば、レバー部材が係止位置のもとで、レバー部材に作用されるケーブルによる引っ張り力により、レバー部材を係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントをレバー部材に作用させるようにしたので、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材を係止位置に保持することが可能となる。これにより、プーリ本体を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニットのコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0019】
本発明によれば、レバー部材が係止位置のもとで、ケーブル引出方向側に向けて突出して形成された係合部に被ガイド部を係合させ、レバー部材に作用されるケーブルによる引っ張り力により、被ガイド部を係合部に係合させる方向の荷重をレバー部材に作用させるようにしたので、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材を係止位置に保持することが可能となる。これにより、プーリ本体を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニットのコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0020】
本発明によれば、レバー部材が係止位置のもとで、第1回動部材と第2回動部材との連結部を車体に突き当てることにより、レバー部材が解放位置へ向けて回動されることを防止するようにしたので、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材を係止位置に保持することが可能となる。これにより、プーリ本体を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニットのコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0021】
本発明によれば、プーリケースが車体に取り付けられることにより、車体により第1回動部材と第2回動部材との連結部がプーリ軸とレバー軸との間へ向けて押し付けられ、レバー部材が係止位置に回動操作されるようにしたので、プーリケースの車体への取付作業と、ケーブルの余長発生を解除する作業とを同時に行うことが可能となり、プーリユニットの組立作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】パワースライド装置を備えた車両の一部を示す概略図である。
【図2】パワースライド装置の詳細を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態であるリア側のプーリユニットを示す斜視図である。
【図4】図3に示すプーリユニットの平面図である。
【図5】図3に示すプーリユニットの分解斜視図である。
【図6】図4におけるA−A線に沿う断面図である。
【図7】図6におけるB−B線に沿う断面図である。
【図8】図7におけるC−C線に沿う断面図である。
【図9】レバー部材が係止位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。
【図10】レバー部材が解放位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。
【図11】図10におけるD−D線に沿う断面図である。
【図12】本発明の他の実施の形態であるリア側のプーリユニットを示す斜視図である。
【図13】図12に示すプーリユニットの平面図である。
【図14】図12に示すプーリユニットの分解斜視図である。
【図15】図13におけるA−A線に沿う断面図である。
【図16】図15におけるB−B線に沿う断面図である。
【図17】図16におけるC−C線に沿う断面図である。
【図18】レバー部材が係止位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。
【図19】レバー部材が解放位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。
【図20】図19におけるD−D線に沿う断面図である。
【図21】(A)、(B)は本発明のさらに他の実施形態であるプーリユニットを示す概略図である。
【図22】本発明のさらに他の実施形態であるプーリユニットを示す一部切り欠き斜視図である。
【図23】図22に示すプーリユニットの分解斜視図である。
【図24】図22に示すプーリユニットの平面図である。
【図25】図24におけるA−A線に沿う断面図である。
【図26】レバー部材が解放位置のもとでのプーリユニットを示す平面図である。
【図27】図26におけるB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1に示す車両11はワンボックスタイプの乗用車であり、その車体12の側部に設けられた乗降用の開口部13を開閉するための開閉体としてのスライドドア14を備えている。このスライドドア14は、車体12の側部に固定されたガイドレールとしてのセンタレール15に沿って車両前後方向に移動されることで開口部13を開閉するようになっている。
【0025】
センタレール15は、車両上下方向の略中央部において開口部後方のアウタパネル16に固定されており、車体12の側部に沿って車両前後方向に延びる直線部15aと、直線部15aの車両前方側の端部から車室内側へ向けて湾曲する引き込み部15bとを備えている。一方、スライドドア14の車両後端部には、センタレール15に対応させてローラアッシー17が設けられており、ローラアッシー17がセンタレール15に移動自在に装着されている。
【0026】
このローラアッシー17がセンタレール15に沿って車両前後方向に移動することにより、スライドドア14は車体12の側部に沿ってスライド式に開閉される。つまり、ローラアッシー17がセンタレール15の直線部15aの車両後端部に案内されるとスライドドア14は全開位置となり、ローラアッシー17がセンタレール15の引き込み部15bに案内されると、スライドドア14は車体12の側面と面一となるように車室内側へ引き込まれて全閉位置となる。
【0027】
なお、ガイドレールは図示する位置(センター部)以外に、車体12の開口部13の上下縁部(アッパー部、ロワー部)にも設けられており、これらに対応して、スライドドア14の車両前端部の上下部位にはそれぞれ図示しないローラアッシーが設けられている。これにより、スライドドア14は計3カ所において車体12に支持されている。
【0028】
この車両11には、スライドドア14を自動的に開閉するために、車両用自動開閉装置としてのパワースライド装置20が搭載されている。図2はパワースライド装置の詳細を示す斜視図である。
【0029】
パワースライド装置20は、スライドドア14の開閉方向に沿って配索された開側ケーブル21と閉側ケーブル22とを備える所謂ケーブル式の開閉装置であり、一対のケーブル21,22を駆動するための駆動源としての駆動ユニット(PSDモータ)23を車体12の側部に搭載した車体内蔵型の開閉装置となっている。駆動ユニット23は、センタレール15の長手方向略中央部に位置して、アウタパネル16の車室内側に固定されている。
【0030】
駆動ユニット23から車両後方側へ引き出された開側ケーブル21は、センタレール15の車両後端部に配置されるリア側のプーリユニット24により、その移動方向つまり開側ケーブル21の配索方向が変換され、センタレール15に沿って車両後方側(センタレール15の閉側)からスライドドア14のローラアッシー17に接続されている。また、駆動ユニット23から車両前方側へ引き出された閉側ケーブル22は、センタレール15の車両前端部に配置されるフロント側のプーリユニット25により、その移動方向つまり閉側ケーブル22の配索方向が変換され、センタレール15に沿って車両前方側(センタレール15の開側)からスライドドア14のローラアッシー17に接続されている。
【0031】
駆動ユニット23と各プーリユニット24,25との間には、ケーブル21,22をそれぞれ案内するための一対のアウタケーシング26,27が設けられている。各アウタケーシング26,27は可撓性を有する樹脂材料によりチューブ状に形成されており、ケーブル21,22がそれぞれ対応するアウタケーシング26,27に挿通されてアウタケーシング26,27に沿って案内されている。各アウタケーシング26,27の両端にはエンドキャップ26a,27aがそれぞれ装着されており、各アウタケーシング26,27はエンドキャップ26a,27aにより駆動ユニット23および各プーリユニット24,25に固定されている。
【0032】
駆動ユニット23は、モータ本体28とモータ本体28の出力によりケーブル21,22を駆動する駆動部29とを有している。モータ本体28としては、例えばブラシ付直流モータなど、モータシャフトを正逆両方向に回転可能な電動モータが用いられている。駆動部29は、減速機構およびクラッチ機構を介してモータ本体28の出力が伝達される図示しないドラムを備えており、ドラムにはケーブル21,22の一端がそれぞれ固定されるとともに、ケーブル21,22が一端から他端側に向けて互いに逆向きに巻き掛けられている。
【0033】
これにより、ドラムが回転されるとケーブル21,22が相互に反対方向に駆動される。すなわち、ドラムにより開側ケーブル21が巻き取られるとともに閉側ケーブル22が送り出されることで、スライドドア14が車両後方側へ牽引されて自動開動作する。逆に、ドラムにより閉側ケーブル22が巻き取られるとともに開側ケーブル21が送り出されることで、スライドドア14が車両前方側へ牽引されて自動閉動作することとなる。なお、スライドドア14が手動により開閉されるときには、駆動部29に設けられたクラッチ機構によりモータ本体28とドラムとの間の動力伝達経路が遮断されるようになっている。
【0034】
また、駆動ユニット23には、ケーブル21,22にそれぞれ所定の張力を付与するための図示しないテンショナ機構が設けられている。テンショナ機構はドラムとエンドキャップ26a,27aとの間に設けられており、テンショナ機構により各ケーブル21,22に所定の張力が付与されている。したがって、ローラアッシー17がセンタレール15の引き込み部15bに案内される等して、駆動ユニット23とローラアッシー17との間で配索されるケーブル21,22のケーブル長が変化しても、テンショナ機構によりケーブル21,22の張力が保たれるため、ケーブル21,22に緩みが生じることが防止されるようになっている。
【0035】
なお、本実施の形態においては、一対のケーブル21,22を用いたが、1本のケーブルの略中央部をドラムに巻き掛け、ケーブルの一端側を開側ケーブルとするとともにケーブルの他端側を閉側ケーブルとしても良い。
【0036】
図3は本発明の一実施の形態であるリア側のプーリユニットを示す斜視図であり、図4は図3に示すプーリユニットの平面図であり、図5は図3に示すプーリユニットの分解斜視図である。図6は図4におけるA−A線に沿う断面図であり、図7は図6におけるB−B線に沿う断面図であり、図8は図7におけるC−C線に沿う断面図である。
【0037】
リア側のプーリユニット24は、車体12のアウタパネル16を車室内外方向(車両左右方向)に跨ぐように配置されており、プーリユニット24を介して開側ケーブル21が車室内外へ案内されている。このプーリユニット24は、図5に示すように、開側ケーブル21が巻き掛けられるプーリ本体31と、プーリ本体31を収容するプーリケース32と、プーリケース32に回動自在に組み付けられるレバー部材33とを有している。
【0038】
プーリ本体31は樹脂製の円盤形状をしており、その外周面には開側ケーブル21が巻き掛けられるプーリ溝31aが形成されている。プーリ本体31の軸心には軸方向に貫通する貫通孔31bが形成されており、貫通孔31bに挿通される金属製のプーリ軸34によりプーリ本体31がプーリ軸34を軸心として回転自在に支持されている。このプーリ本体31はプーリ軸34の軸方向を車両上下方向に向けた状態で横置きに配置されており、開側ケーブル21がスライドドア14側および駆動ユニット23側へ向けてプーリ本体31から車両前方側へ引き出されている。
【0039】
樹脂製のレバー部材33は、相互にプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて配置された一対のガイド壁部36を備えている。ガイド壁部36は、レバー部材33が後述する係止位置(図9に示す)のもとで、車両前後方向に延びるとともにその車両後方側の端部から車室内側へ屈曲して延びており、平面視において略L字形状に形成されている。一対のガイド壁部36の車室外側の側面には、車両後方側へ向かうにつれて車室内側へ向けて湾曲する案内面(案内部)36aがそれぞれ形成されており、案内面36aの車両後方側の端部には円弧状の軸保持面36bが形成されている。
【0040】
一対のガイド壁部36の車両前方側の端部は、車両前方側へ延びる軸支持部37により相互に連結されている。この軸支持部37にはプーリ軸34の軸方向に貫通する貫通孔37aが形成されており、貫通孔37aに挿通される金属製のレバー軸38によりレバー部材33がレバー軸38を軸心として回転自在に支持されている。また、一対のガイド壁部36の車室内側の端部は、車両後方側へ延びる操作部39により相互に連結されている。この操作部39の車両後方側の端部には、車室外側へ向けて延びる係止爪40が設けられており、係止爪40の先端部は車両前方側へ突出する楔形状をしている。
【0041】
樹脂製のプーリケース32は、プーリ軸34の径方向つまり車室内外方向に分割された一対のケース半体42,43を有する径方向分割型となっている。
【0042】
アウタパネル16の車室内側に配置される第1のケース半体42は車室内外方向に開口するケース部44を備えており、プーリ本体31の車室内側部分を収容可能な形状をしている。ケース部44には、図6に示すように、相互にプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて配置された一対の支持壁44aが設けられており、プーリ本体31の車室内側部分が一対の支持壁44aによりプーリ軸34の軸方向両側から覆われた状態で、プーリ本体31がケース半体42内に収容されている。
【0043】
一対の支持壁44aには、プーリ軸34の軸方向に貫通するスロット(長孔)45がそれぞれ同軸上に形成されており、スロット45がプーリ本体31からのケーブル引出方向に沿って車両前後方向に延びている。これら一対のスロット45にはプーリ軸34の軸方向両端部がそれぞれ移動自在に挿通されており、プーリ軸34がスロット45内をその長手方向に沿って移動可能な範囲において、プーリ本体31がケース半体42に対して車両前後方向に移動自在となっている。
【0044】
また、一対の支持壁44aには、スロット45よりも車両前方側つまりプーリ本体31からのケーブル引出方向側に位置させて、プーリ軸34の軸方向に貫通する円形状の支持孔46がそれぞれ同軸上に形成されている。一対の支持孔46にはレバー軸38の軸方向両端部がそれぞれ挿通されており、レバー軸38を軸心としてレバー部材33がケース半体42に対して回動自在に組み付けられている。図7に示すように、この支持孔46はスロット45の長手方向に対して車室内側にずれて配置されており、プーリ軸34の軸心CPに対してレバー軸38の軸心CLが車室内側に所定の距離Eだけオフセットされて配置されている。プーリ本体31およびレバー部材33がケース半体42に組み付けられた状態では、プーリ本体31の一部がレバー部材33の一対のガイド壁部36の相互間に突出された状態で配置されている。
【0045】
ケース部44の車室内側部には、ケース半体42から駆動ユニット23側へのケーブル引出位置においてキャップ取付部44bが設けられている。キャップ取付部44bには、キャップ保持部材48に設けられた係合爪48aをキャップ取付部44bの係合溝49に係合させることにより、キャップ保持部材48が着脱自在に組み付けられるようになっている。そして、キャップ取付部44bにエンドキャップ26aを嵌め込んだ状態でキャップ取付部44bにキャップ保持部材48を組み付けることで、ケース半体42にエンドキャップ26aが固定されている。プーリ本体31から駆動ユニット23側に向けて車両前方側へ引き出された開側ケーブル21は、レバー部材33の一対のガイド壁部36の相互間に挿通され、エンドキャップ26aを介してアウタケーシング26により案内されている。
【0046】
ケース半体42には、ケース部44から車両上下方向および車両前後方向に延びる略矩形状のブラケット部50がケース部44と一体に設けられている。ブラケット部50の四隅には車室内外方向に貫通する取付孔50aがそれぞれ形成されている。ケース半体42は、車体12のアウタパネル16に形成された貫通孔16aを介して一対の支持壁44aが車室外側へ突出された状態で、取付孔50aに挿通されるボルト等の図示しない固定部材によりアウタパネル16の車室内側に固定されている。このブラケット部50の車両後方側の端部には、車室内外方向に貫通する係止孔51が形成されている。
【0047】
一方、アウタパネル16の車室外側に配置される第2のケース半体43は車室内側および車両前方側に開口しており、プーリ本体31の車室外側部分を収容可能な形状をしている。ケース半体43には、図6に示すように、相互にプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて配置された一対の被覆壁43aが設けられている。一対のケース半体42,43はプーリ軸34の径方向から互いに組み付けられ、ケース半体43に設けられた係合爪43bとケース半体42の係合溝42aとをそれぞれ係合させることによりプーリケース32が形成されている。
【0048】
ケース半体42,43が互いに組み付けられた状態では、プーリ本体31の車室外側部分が一対の被覆壁43aによりプーリ軸34の軸方向両側から覆われた状態で、プーリ本体31がケース半体43に収容されている。図8に示すように、一対の被覆壁43aは一対の支持壁44aの相互に離反する側の端面(外面)を覆うように配置されており、一対のスロット45に支持されたプーリ軸34の軸方向両端面が一対の被覆壁43aにより挟み込まれることによって、プーリ軸34が一対のスロット45から抜けることが防止されている。同様に、一対の支持孔46に支持されたレバー軸38の軸方向両端面が一対の被覆壁43aにより挟み込まれることによって、レバー軸38が一対の支持孔46から抜けることが防止されている。
【0049】
また、図3に示すように、ケース半体43の車両前方側の開口部にはケース半体42の一部が突出して配置されており、ケース半体43の車両前方側の開口部により、ケース半体42,43の相互間においてケーブル引出孔52が形成されている。このケーブル引出孔52を介して、開側ケーブル21がプーリ本体31からスライドドア14側へ向けて車両前方側へ引き出されている。
【0050】
このプーリユニット24では、プーリ軸34がスロット45の長手方向に沿って移動自在にプーリケース32に支持されており、プーリ軸34がスロット45の車両後方側の一端部に配置される余長解除位置と、プーリ軸34がスロット45の車両前方側の他端部に配置される余長発生位置との間でプーリ本体31が車両前後方向に移動自在にプーリケース32に収容されている。また、レバー部材33は、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とにレバー軸38を軸心として回動自在にプーリケース32に組み付けられている。
【0051】
図9はレバー部材が係止位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。図10はレバー部材が解放位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図であり、図11は図10におけるD−D線に沿う断面図である。なお、図3乃至図8には、レバー部材33が係止位置のもとでのプーリユニット24を示している。
【0052】
図9に示すように、レバー部材33が係止位置のもとでは、レバー部材33の軸支持部37がスロット45の長手方向とほぼ平行に配置されており、操作部39の車室外側の端面がストッパとしてのケース半体42のブラケット部50に突き当てられている。これにより、レバー部材33が係止位置のもとからさらにレバー軸38を軸心として回動方向一方側(図中、時計回り方向側)へ回動されることが防止されている。また、図7に示すように、レバー部材33の係止爪40はケース半体42の係止孔51に挿通され、係止爪40と係止孔51とが互いに係合されている。
【0053】
このとき、レバー部材33の一対のガイド壁部36は、スロット45の車両前方側部分に対してプーリ軸34の軸方向にラップする(重なり合う)ように配置されている。プーリ軸34の車両前方側の側面には一対のガイド壁部36の軸保持面36bがそれぞれ突き当てられており、プーリ軸34がスロット45の車両後方側の端面とガイド壁部36の軸保持面36bとの間で挟み込まれることにより、プーリ軸34が余長解除位置のもとでスロット45の車両後方側の一端部に係止されている。
【0054】
この係止位置のもとでは、プーリ軸34を介してレバー部材33に開側ケーブル21による引っ張り力が作用されており、図中矢印で示すように、開側ケーブル21による引っ張り力がレバー部材33の軸保持面36bに車両前方側(プーリ本体31からのケーブル引出方向側)へ向けて作用されている。したがって、プーリ軸34の軸心CPに対してレバー軸38の軸心CLが車室内側へオフセットして配置されているため、レバー部材33には、レバー部材33に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、レバー軸38を軸心としてレバー部材33を解放位置から係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向(図中、時計回り方向)のモーメントが作用することとなる。
【0055】
すなわち、レバー部材33に作用される開側ケーブル21による引っ張り力の作用線Lと平行に延びるとともにレバー軸38の軸心CLを通る直線Mに対して、プーリ軸34の軸心CPがレバー軸38を軸心として回動方向一方側にずれて配置されている。このため、レバー部材33に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、レバー部材33にはレバー軸38を軸心としてレバー部材33を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが作用しており、このモーメントによってレバー部材33が係止位置に保持されている。
【0056】
一方、図10に示すように、レバー部材33が解放位置のもとでは、係止位置のもとからレバー軸38を軸心として回動方向他方側(図中、反時計回り方向側)に回動された位置にレバー部材33が配置されており、レバー部材33がケース半体42の車室内側の開口部から車室内側へ突出されている。このとき、レバー部材33の一対のガイド壁部36は、スロット45に対してプーリ軸34の軸方向にラップしないように配置されている。これにより、プーリ軸34がスロット45内をその長手方向に沿って移動自在であり、プーリ本体31が図9に示す余長解除位置と図10に示す余長発生位置との間で車両前後方向に移動自在となっている。
【0057】
次に、駆動ユニット23とスライドドア14のローラアッシー17との間で開側ケーブル21を配索する際のプーリユニット24の操作について説明する。
【0058】
まず、駆動ユニット23から引き出された開側ケーブル21は、プーリユニット24のプーリ本体31に巻き掛けられ、スライドドア14側へ向けてセンタレール15に沿って配索される。プーリユニット24はレバー部材33が解放位置に回動操作されており、プーリ本体31が余長解除位置と余長発生位置との間で移動自在となっている。この状態において、スライドドア14側へ引き出された開側ケーブル21の他端を車両前方側へ引っ張ることで、開側ケーブル21の引っ張り力によりプーリ本体31が余長発生位置へ移動される。
【0059】
プーリ本体31が余長発生位置のもとでは、余長解除位置よりもプーリ本体31がケーブル引出方向側(車両前方側)に配置されており、プーリケース32内で配索される開側ケーブル21のケーブル長が小さくなった分だけ、プーリユニット24からスライドドア14側へ引き出された開側ケーブル21のケーブル長が大きくなる。これにより、スライドドア14のローラアッシー17に開側ケーブル21の他端を係止する際に、開側ケーブル21のケーブル余長を十分に確保することができ、開側ケーブル21の他端をローラアッシー17に容易に係止することが可能となる。
【0060】
開側ケーブル21の配索が完了した後には、レバー軸38を軸心としてレバー部材33を回動方向一方側へ回動させ、レバー部材33を係止位置へ回動操作する。このとき、プーリ軸34は、レバー部材33の回動操作に伴って、一対のガイド壁部36の案内面36aによりスロット45に沿って車両後方側へ案内され、プーリ本体31が余長発生位置から余長解除位置へ移動される。そして、プーリ軸34がスロット45の車両後方側の側面とガイド壁部36の軸保持面36bとの間で挟み込まれることにより、プーリ軸34が余長解除位置のもとで係止される。また、レバー部材33は、係止爪40と係止孔51とが係合されるとともに、レバー部材33を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントがレバー部材33に作用することにより係止位置に保持される。プーリ本体31が余長解除位置のもとでは、駆動ユニット23とスライドドア14との間で開側ケーブル21が緩みなく配索されており、開側ケーブル21には駆動ユニット23に設けられたテンショナ機構により所定の張力が付与されている。
【0061】
このように、本実施の形態のプーリユニット24では、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材33をプーリケース32に回動自在に組み付けるようにしている。このレバー部材33によりプーリ本体31を余長解除位置に保持することが可能となる。
【0062】
また、本実施の形態のプーリユニット24では、レバー部材33が係止位置のもとで、レバー部材33に作用される開側ケーブル21による引っ張り力の作用線Lと平行に延びるとともにレバー軸38の軸心CLを通る直線Mに対して、プーリ軸34の軸心CPを回動方向一方側へずらして配置することで、レバー部材33に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、レバー部材33を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントをレバー部材33に作用させるようにしている。これにより、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材33を係止位置に保持することが可能となり、プーリ本体31を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニット24のコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0063】
図12は本発明の他の実施の形態であるリア側のプーリユニットを示す斜視図であり、図13は図12に示すプーリユニットの平面図であり、図14は図12に示すプーリユニットの分解斜視図である。図15は図13におけるA−A線に沿う断面図であり、図16は図15におけるB−B線に沿う断面図であり、図17は図16におけるC−C線に沿う断面図である。図12乃至図17において、上述した部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
このリア側のプーリユニット60は、図14に示すように、開側ケーブル21が巻き掛けられるプーリ本体31と、プーリ本体31を収容するプーリケース61と、プーリケース61に回動自在に組み付けられるレバー部材62とを有している。プーリ本体31はプーリ軸34の軸方向を車両上下方向に向けた状態で横置きに配置されており、開側ケーブル21がスライドドア14側および駆動ユニット23側へ向けてプーリ本体31から車両前方側へ引き出されている。
【0065】
樹脂製のレバー部材62は、相互にプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて配置された一対の軸駆動部63と、一対の軸駆動部63を相互に連結する操作部64とを備えている。レバー部材62は、後述する係止位置(図18に示す)のもとで、一対の軸駆動部63が車両前後方向に延びるとともに、操作部64が一対の軸駆動部63の車両前方側の端部から車室内側へ屈曲して延びており、平面視において略L字形状に形成されている。
【0066】
一対の軸駆動部63の車両後方側の端部には、プーリ軸34の軸方向に貫通する支持孔65がそれぞれ同軸上に形成された円筒状の軸支持部63aが設けられている。一対の軸支持部63aの支持孔65にはプーリ軸34の軸方向両端部がそれぞれ挿通されており、プーリ軸34により軸支持部63aがプーリ軸34を軸心として回転自在に支持されている。また、一対の軸駆動部63の車両前方側の端部には被ガイド部63bが設けられており、これら軸支持部63aと被ガイド部63bとが連結部63cにより相互に連結されている。
【0067】
操作部64には、車両前後方向に貫通するとともに車室外側に開口するケーブル挿通孔66が操作部64の長手方向に沿って形成されており、操作部64の一端部が一対の軸駆動部63の被ガイド部63bにそれぞれ連結されている。操作部64は他端部に係止部64aを備えており、係止部64aには、操作部64の一端側へ向けて延びる一対の係止爪64bがプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて設けられている。この一対の係止爪64bの先端部は相互に対向する側(プーリ軸34の軸方向内側)へ突出する楔形状をしている。
【0068】
樹脂製のプーリケース61は、プーリ軸34の軸方向つまり車両上下方向に分割された一対のケース半体68,69を有する軸方向分割型となっている。
【0069】
車両上方側に配置される第1のケース半体68は車両下方側に開口する有底状のケース部70を備えており、ケース部70はプーリ本体31を収容可能な形状をしている。ケース部70の底壁70aには、図17に示すように、車両下方側に開口するスロット(長孔)71が形成されており、スロット71がプーリ本体31からのケーブル引出方向に沿って車両前後方向に延びている。また、ケース部70の底壁70aには、レバー部材62の一対の軸駆動部63のうち車両上方側の軸駆動部63を回動自在に収容するための組み付け溝72が車両下方側に開口して形成されている。組み付け溝72は、スロット71よりも車両前方側つまりプーリ本体31からのケーブル引出方向側に位置させて、軸駆動部63の被ガイド部63bを案内するためのガイド部としてのガイド溝部72aを備えている。このガイド溝部72aは、車室内側に向かうにつれて車両後方側へ湾曲して形成されている。
【0070】
ケース部70の車室内側部には、ケース半体68から駆動ユニット23側へのケーブル引出位置においてキャップ取付半体部70bが設けられており、キャップ取付半体部70bは車両下方側に開口する段付き溝を備えている。このキャップ取付半体部70bには、プーリ軸34の軸方向に貫通する係止孔73が形成されている。また、ケース半体68には、ケース部70から車両上方側へ延びるブラケット部74がケース部70と一体部設けられており、ブラケット部74の車両上方側の端部には車室内外方向に貫通する取付孔74aが形成されている。
【0071】
一方、車両下方側に配置される第2のケース半体69は、ケース半体68のケース部70に対向して配置されるケース部76を備えており、ケース部76はケース部70の開口部を閉塞可能なカバー形状をしている。ケース部76の底壁76aには、ケース部70の底壁70aと同様に、プーリ本体31からのケーブル引出方向に沿って車両前後方向に延びるスロット71と、レバー部材62の車両下方側の軸駆動部63を回動自在に収容するための組み付け溝72とが車両上方側に開口して形成されている。
【0072】
ケース部76の車室内側部には、ケース半体69から駆動ユニット23側へのケーブル引出位置においてキャップ取付半体部76bが設けられており、キャップ取付半体部76bはケース半体68のキャップ取付半体部70bの開口部を閉塞可能なカバー形状をしている。このキャップ取付半体部76bには、キャップ取付半体部70bと同様に、プーリ軸34の軸方向に貫通する係止孔73が形成されている。また、ケース半体69には、ケース部76から車両下方側へ延びるブラケット部77がケース部76と一体に設けられており、ブラケット部77の車両後方側の端部には車室内外方向に貫通する図示しない取付孔が形成されている。
【0073】
これら一対のケース半体68,69は、ケース部70,76内にプーリ本体31およびレバー部材62を収容した状態でプーリ軸34の軸方向から互いに組み付けられ、ケース部70の開口側がケース部76により閉塞されてプーリケース61が形成されている。ケース部70には、ケース半体68からスライドドア14側へのケーブル引出位置において車両前方側および車両下方側に開口する開口部が形成されており、当該開口部の車両下方側がケース部76により閉塞されることによって、ケース半体68,69の相互間においてケーブル引出孔78が形成されている。このケーブル引出孔78を介して、開側ケーブル21がプーリ本体31からスライドドア14側に向けて車両前方側へ引き出されている。
【0074】
また、キャップ取付半体部70bにエンドキャップ26aを嵌め込んだ状態でケース半体68,69を互いに組み付けることで、プーリケース61にエンドキャップ26aが保持されている。プーリ本体31から駆動ユニット23側に向けて車両前方側へ引き出された開側ケーブル21は、レバー部材62の一対の軸駆動部63の相互間または操作部64のケーブル挿通孔66に挿通され、エンドキャップ26aを介してアウタケーシング26により案内されている。
【0075】
ケース半体68,69が互いに組み付けられた状態では、プーリ軸34の軸方向両端部が一対のスロット71にそれぞれ移動自在に挿通されており、プーリ軸34がスロット71内をその長手方向に沿って移動可能な範囲において、プーリ本体31がプーリケース61に対して車両前後方向に移動自在となっている。つまり、プーリ軸34がスロット71の車両後方側の一端部に配置される余長解除位置と、プーリ軸34がスロット71の車両前方側の他端部に配置される余長発生位置との間でプーリ本体31が車両前後方向に移動自在にプーリケース61に収容されている。
【0076】
また、レバー部材62はプーリ軸34を介してプーリケース61に支持されており、レバー部材62の一対の軸駆動部63が組み付け溝72内にそれぞれ移動自在に収容されている。このレバー部材62は、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とにプーリ軸34を軸心として回動自在にプーリケース61に組み付けられている。
【0077】
なお、プーリケース61は、アウタパネル16に形成された貫通孔16aを介してケース部70,76が車室外側へ一部突出された状態で、ブラケット部74,77の取付孔74aに挿通されるボルト等の図示しない固定部材によりアウタパネル16の車室内側に固定されている。また、ケース半体68とケース半体69とは、図示しない係合爪等により互いに係合されるようになっている。
【0078】
図18はレバー部材が係止位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図である。図19はレバー部材が解放位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示す説明図であり、図20は図19におけるD−D線に沿う断面図である。図12乃至図17には、レバー部材62が係止位置のもとでのプーリユニット60を示している。
【0079】
図18に示すように、レバー部材62が係止位置のもとでは、レバー部材62の被ガイド部63bがプーリ軸34の軸心よりも車室外側に配置されている。つまり、レバー部材62の連結部63cがスロット71の長手方向に対して車室外側へずれて配置されており、一対の軸駆動部63の車室外側の側面がケース部70,76に設けられたストッパ部79にそれぞれ突き当てられている。これにより、レバー部材62が係止位置のもとからさらにプーリ軸34を軸心として回動方向一方側(図中、反時計回り方向側)へ回動されることが防止されている。また、図12に示すように、レバー部材62の一対の係止爪64bはケース半体68,69の係止孔73にそれぞれ係合されている。
【0080】
このとき、レバー部材62の一対の連結部63cはそれぞれ被ガイド部63bから車両後方側へ延びており、一対の軸支持部63aがスロット71の車両後方側の端部に位置するように配置されている。また、一対の被ガイド部63bの車両前方側の側面はガイド溝部72aの側面にそれぞれ突き当てられており、レバー部材62の車両前方側への移動が防止されている。プーリ軸34は、このレバー部材62の一対の軸支持部63aに支持されることにより、余長解除位置のもとでスロット71の車両後方側の一端部に係止されている。
【0081】
この係止位置のもとでは、プーリ軸34を介してレバー部材62に開側ケーブル21による引っ張り力が作用されており、図中矢印で示すように、開側ケーブル21による引っ張り力がレバー部材62の軸支持部63aに車両前方側(プーリ本体31からのケーブル引出方向側)へ向けて作用されている。したがって、スロット71の長手方向に対してレバー部材62の連結部63cが車室外側へずれて配置されているため、レバー部材62には、レバー部材62に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、プーリ軸34を軸心としてレバー部材62を解放位置から係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向(図中、反時計回り方向)のモーメントが作用することとなる。
【0082】
すなわち、レバー部材62に作用される開側ケーブル21による引っ張り力の作用線Lに対して、レバー部材62の連結部63cの長手方向に沿う直線Nがプーリ軸34を軸心として回動方向一方側へ角度αだけ傾斜して配置されている。このため、レバー部材62に作用される開側ケーブルによる引っ張り力により、プーリ軸34を軸心としてレバー部材62を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントがレバー部材62に作用しており、このモーメントによってレバー部材62が係止位置に保持されている。
【0083】
一方、図19に示すように、レバー部材62が解放位置のもとでは、レバー部材62が係止位置のもとからプーリ軸34を軸心として回動方向他方側(図中、時計回り方向側)へ回動された位置に配置されており、レバー部材62の操作部64がプーリケース61の車室内側の開口部から外部へ突出されている。このとき、レバー部材62の被ガイド部63bがプーリ軸34の軸心よりも車室内側に配置されており、プーリ軸34の車両前方側への移動がレバー部材62により規制されていない。このため、プーリ軸34を介してレバー部材62に開側ケーブル21による引っ張り力がケーブル引出方向へ向けて作用されると、プーリ軸34を軸心とするレバー部材62の回動に伴って、プーリ軸34はスロット71内を車両前方側へ移動されることになる。
【0084】
次に、駆動ユニット23とスライドドア14のローラアッシー17との間で開側ケーブル21を配索する際のプーリユニット60の操作について説明する。
【0085】
プーリユニット60からスライドドア14側へ引き出された開側ケーブル21の他端をローラアッシー17に接続する際には、プーリユニット24と同様に、レバー部材62が解放位置に回動操作された状態で開側ケーブル21の他端を車両前方側へ引っ張ることで、開側ケーブル21の引っ張り力によりレバー部材62の回動に伴ってプーリ本体31が余長発生位置へ移動される。この余長発生位置のもとでは、開側ケーブル21のケーブル余長を十分に確保することができ、開側ケーブル21の他端をローラアッシー17に容易に係止することが可能となる。
【0086】
開側ケーブル21の配索が完了した後には、プーリ軸34を軸心としてレバー部材62を回動方向一方側へ回動させ、レバー部材62を係止位置へ回動操作する。このとき、レバー部材62の被ガイド部63bがガイド溝部72aに沿って案内されることで、プーリ軸34はレバー部材62の回動操作に伴ってスロット71に沿って車両後方側へ案内され、プーリ本体31が余長発生位置から余長解除位置へ移動される。そして、レバー部材62が係止位置となると、レバー部材62によりプーリ軸34が余長解除位置のもとで係止される。また、レバー部材62は、係止爪64bと係止孔73とが係合されるとともに、レバー部材62を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントがレバー部材62に作用することにより係止位置に保持される。
【0087】
このように、本実施の形態のプーリユニット60では、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材62をプーリケース61に回動自在に組み付けるようにしている。このレバー部材62によりプーリ本体31を余長解除位置に保持することが可能となる。
【0088】
また、本実施の形態のプーリユニット60では、レバー部材62が係止位置のもとで、レバー部材62に作用される開側ケーブル21による引っ張り力の作用線Lに対して、レバー部材62の連結部63cを回動方向一方側へずらして配置することで、レバー部材62に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、レバー部材62を回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントをレバー部材62に作用させるようにしている。これにより、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材62を係止位置に保持することが可能となり、プーリ本体31を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニット60のコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0089】
図21(A)、(B)は本発明のさらに他の実施形態であるプーリユニットを示す概略図である。図21(A)、(B)において、上述した部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0090】
このリア側のプーリユニット80では、レバー部材81が上述したレバー部材62と同様の形状をしており、図示しないプーリケースに形成されたガイド溝部(ガイド部)82に沿って案内される被ガイド部83と、プーリ軸34を軸心として回転自在に支持される軸支持部84と、被ガイド部83と軸支持部84とを連結する連結部85とを備えている。プーリ本体31はプーリ軸34の軸方向を車両上下方向に向けた状態で横置きに配置されており、開側ケーブル21がスライドドア14側および駆動ユニット23側へ向けてプーリ本体31から車両前方側へ引き出されている。
【0091】
プーリケースには、プーリ軸34の軸方向両端部を移動自在に支持するためのスロット(長孔)86が形成されており、スロット86がプーリ本体31からのケーブル引出方向に沿って車両前後方向に延びている。また、ガイド溝部82は、スロット86よりも車両後方側、つまりプーリ本体31からのケーブル引出方向とは反対側に位置して形成されている。このガイド溝部82は、車室外側に向かうにつれて車両後方側に湾曲して形成されており、ガイド溝部82の回動方向一方側(車室外側)の端部には、車両前方側つまりケーブル引出方向側に向けて突出する係合溝部82aが係合部として形成されている。
【0092】
このプーリケースには、プーリ軸34の軸方向両端部が一対のスロット86にそれぞれ移動自在に挿通されており、プーリ軸34がスロット86内をその長手方向に沿って移動可能な範囲において、プーリ本体31がプーリケースに対して車両前後方向に移動自在となっている。つまり、プーリ軸34がスロット86の車両後方側の一端部に配置される余長解除位置と、プーリ軸34がスロット86の車両前方側の他端部に配置される余長発生位置との間でプーリ本体31が車両前後方向に移動自在にプーリケースに収容されている。
【0093】
また、レバー部材81はプーリ軸34を介してプーリケースに支持されている。このレバー部材81は、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とにプーリ軸34を軸心として回動自在にプーリケースに組み付けられている。
【0094】
図21(A)はレバー部材が係止位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示しており、図21(B)はレバー部材が解放位置のもとでのプーリ本体およびレバー部材を示している。
【0095】
図21(A)に示すように、レバー部材81が係止位置のもとでは、レバー部材81の被ガイド部83がガイド溝部82の係合溝部82aに係合されている。つまり、ケーブル引出方向側に窪んだ係合溝部82aに被ガイド部83が嵌め込まれている。これにより、プーリ軸34を介してレバー部材81に開側ケーブル21による引っ張り力がケーブル引出方向へ向けて作用されると、被ガイド部83が係合溝部82aに係合する方向の荷重がレバー部材81に掛かるため、レバー部材81が回動方向他方側(図中、反時計回り方向側)へ向けて回動されることはなく、レバー部材81が係止位置に保持されるようになっている。また、レバー部材81の被ガイド部83がガイド溝部82の車室外側の端部に突き当てられることにより、レバー部材81が係止位置のもとからさらにプーリ軸34を軸心として回動方向一方側(図中、時計回り方向側)へ回動されることが防止されている。
【0096】
一方、図21(B)に示すように、レバー部材81が解放位置のもとでは、レバー部材81が係止位置のもとからプーリ軸34を軸心として回動方向他方側へ回動された位置に配置されている。このとき、レバー部材81の被ガイド部83がガイド溝部82の係合溝部82aに係合されておらず、プーリ軸34の車両前方側への移動がレバー部材81により規制されていない。このため、プーリ軸34を介してレバー部材81に開側ケーブル21による引っ張り力がケーブル引出方向へ向けて作用されると、プーリ軸34を軸心とするレバー部材81の回動に伴って、プーリ軸34はスロット86内を車両前方側へ移動されることになる。
【0097】
次に、駆動ユニット23とスライドドア14のローラアッシー17との間で開側ケーブル21を配索する際のプーリユニット80の操作について説明する。
【0098】
プーリユニット80からスライドドア14側へ引き出された開側ケーブル21の他端をローラアッシー17に接続する際には、プーリユニット24と同様に、レバー部材81が解放位置に回動操作された状態で開側ケーブル21の他端を車両前方側へ引っ張ることで、開側ケーブル21の引っ張り力によりレバー部材81の回動に伴ってプーリ本体31が余長発生位置へ移動される。この余長発生位置のもとでは、開側ケーブル21のケーブル余長を十分に確保することができ、開側ケーブル21の他端をローラアッシー17に容易に係止することが可能となる。
【0099】
開側ケーブル21の配索が完了した後には、プーリ軸34を軸心としてレバー部材81を回動方向一方側へ回動させ、レバー部材81を係止位置へ回動操作する。このとき、レバー部材81の被ガイド部83がガイド溝部82に沿って案内されることで、プーリ軸34はレバー部材81の回動操作に伴ってスロット86に沿って車両後方側へ案内され、プーリ本体31が余長発生位置から余長解除位置へ移動される。そして、レバー部材81が係止位置となると、レバー部材81によりプーリ軸34が余長解除位置のもとで係止される。また、レバー部材81は、被ガイド部83を係合溝部82aに係合させる方向の荷重がレバー部材81に作用することにより係止位置に保持される。
【0100】
このように、本実施の形態のプーリユニット80では、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材81をプーリケースに回動自在に組み付けるようにしている。このレバー部材81によりプーリ本体31を余長解除位置に保持することが可能となる。
【0101】
また、本実施の形態のプーリユニット80では、レバー部材81が係止位置のもとで、ケーブル引出方向側に向けて突出して形成された係合溝部82aに被ガイド部83を係合させ、レバー部材81に作用される開側ケーブル21による引っ張り力により、被ガイド部83を係合溝部82aに係合させる方向の引っ張り力をレバー部材81に作用させるようにしている。これにより、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材81を係止位置に保持することが可能となり、プーリ本体31を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニット80のコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0102】
図22は本発明のさらに他の実施形態であるプーリユニットを示す一部切り欠き斜視図であり、図23は図22に示すプーリユニットの分解斜視図である。図24は図22に示すプーリユニットの平面図であり、図25は図24におけるA−A線に沿う断面図である。図22乃至図25において、上述した部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0103】
このフロント側のプーリユニット90は、閉側ケーブル22が巻き掛けられるプーリ本体31と、プーリ本体31を収容するプーリケース91と、プーリケース91に回動自在に組み付けられるレバー部材92とを有している。プーリ本体31はプーリ軸34の軸方向を車両上下方向に向けた状態で横置きに配置されており、閉側ケーブル22がスライドドア14側および駆動ユニット23側へ向けてプーリ本体31から車両後方側へ引き出されている。
【0104】
レバー部材92は、相互に回動自在に組み付けられる第1回動部材93と一対の第2回動部材94とを有している。図23に示すように、第1回動部材93は、相互にプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて平行に延びる一対のアーム部95と、これら一対のアーム部95の車両後方側の一端部を相互に連結する連結部96とを備えている。一対のアーム部95の一端部には、車両上下方向外側つまり相互に離反する側に開口する円形の軸孔97が同軸上に形成されている。また、一対のアーム部95の車両前方側の他端部には、車両上下方向内側つまり相互に対向する側に開口する円形の組付孔98が同軸上に形成されている。
【0105】
一方、第2回動部材94は第1回動部材93のアーム部95とほぼ同様の形状に形成されており、一対の第2回動部材94がプーリ軸34の軸方向に所定の間隔をあけて相互に平行に配置されている。一対の第2回動部材94の車両前方側の一端部には、相互に離反する側に突出する円筒状の軸支持部99が設けられており、一対の軸支持部には円形の軸孔100が同軸上に形成されている。また、一対の第2回動部材94の車両後方側の他端部には、第1回動部材93の組付孔98に対応させて、相互に離反する側に開口する円形の組付孔101が同軸上に形成されている。
【0106】
これら第1回動部材93と一対の第2回動部材94とは、第1回動部材93の一対のアーム部95の他端部の内側面に第2回動部材94の他端部がそれぞれ突き当てられており、それぞれの回動部材93,94の他端部に形成された組付孔98,101が相互に連通されている。そして、相互に連通する組付孔98,101にそれぞれ挿通された一対の連結軸102により、第1回動部材93の他端部と一対の第2回動部材94の他端部とが連結軸102を軸心として回動自在に連結されている。
【0107】
プーリケースは、プーリ軸34の軸方向つまり車両上下方向に分割された一対のケース半体を有する軸方向分割型となっており、車両上方側に配置される第1のケース半体と、車両下方側に配置される第2のケース半体104とを有している。車両上方側に配置される第1のケース半体は、車両下方側に配置される第2のケース半体104と同様の形状をしており、プーリユニット90の内部構造を把握しやすくなるように、第1のケース半体の図示を省略してある。
【0108】
第2のケース半体104は、車両上方側および車室外側に開口する有底状のケース部105を備えており、ケース部105はプーリ本体31の車室内側部分を収容可能な形状をしている。ケース部105の底壁105aには、第1回動部材93の車両下方側の一方のアーム部95および車両下方側に配置される一方の第2回動部材94を収容するための組み付け溝106が車両上方側および車室外側に開口して形成されている。また、ケース部105の底壁105aには、組み付け溝106に連通するように車両上方側に開口するスロット(長孔)107が形成されており、スロット107がケーブル引出方向に沿って車両前後方向に延びている。同様に、ケース部105の底壁105aには、スロット107よりも車両後方側つまりケーブル引出方向側に位置させて、組み付け溝106に連通するように車両上方側に開口する円形の支持孔108が形成されている。
【0109】
ケース部105の車室内側部には、ケース半体104から駆動ユニット23側へのケーブル引出位置においてキャップ取付半体部109が設けられており、キャップ取付半体部109は車両上方側に開口する段付き溝を備えている。また、ケース半体104には、ケース部105の車室外側部分から車両前後方向へ延びるブラケット部110がケース部105と一体に設けられており、ブラケット部110には車室内外方向に開口する取付孔110aが形成されている。
【0110】
これら第1のケース半体と第2のケース半体104とは、ケース部105内にプーリ本体31およびレバー部材92を収容した状態でプーリ軸34の軸方向から互いに組み付けられ、プーリケース91が形成されている。プーリ本体31に巻き掛けられた閉側ケーブル22は、プーリケース91の車室外側の開口部を介してプーリ本体31からスライドドア14側に向けて車両後方側へ引き出されている。
【0111】
また、キャップ取付半体部109にエンドキャップ27aを嵌め込んだ状態で第1のケース半体と第2のケース半体104とを互いに組み付けることで、プーリケース91にエンドキャップ27aが保持されている。プーリ本体31から駆動ユニット23側に向けて車両後方側へ引き出された閉側ケーブル22は、エンドキャップ27aを介してアウタケーシング27により案内されている。
【0112】
第1のケース半体と第2のケース半体104とが互いに組み付けられた状態では、プーリ軸34の軸方向両端部が一対のスロット107にそれぞれ移動自在に挿通されており、プーリ軸34がスロット107内をその長手方向に沿って移動可能な範囲において、プーリ本体31がプーリケース91に対して車両前後方向に移動自在となっている。つまり、プーリ軸34がスロット107の車両前方側の一端部に配置される余長解除位置と、プーリ軸34がスロット107の車両後方側の他端部に配置される余長発生位置との間でプーリ本体31が車両前後方向に移動自在にプーリケース91に収容されている。
【0113】
また、レバー部材92は、第1回動部材93の一対の軸孔97にそれぞれ挿通されるレバー軸111がプーリケース91の支持孔108に挿通されることにより、プーリケース91の組み付け溝106内に移動自在に収容されている。このレバー部材92は、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、余長解除位置のもとでのプーリ軸34の係止を解除する解放位置とにレバー軸111を軸心として回動自在にプーリケース91に組み付けられている。
【0114】
なお、プーリケース91は、アウタパネル16に形成された貫通孔16aを介してプーリ本体31が車室外側へ一部突出した状態で、ブラケット部110の取付孔110aに挿通されるボルト112によりアウタパネル16の車室内側に固定されている。また、第1ケース半体と第2のケース半体104とは図示しない係合爪等により互いに係合されるようになっている。
【0115】
図26はレバー部材が解放位置のもとでのプーリユニットを示す平面図であり、図27は図26におけるB−B線に沿う断面図である。図22乃至図24には、レバー部材92が係止位置のもとでのプーリユニット90を示している。
【0116】
図24に示すように、アウタパネル16へのプーリケース91の取付作業が完了した状態ではレバー部材92が係止位置となり、第1回動部材93と一対の第2回動部材94とがほぼ一直線上に配置され、第1回動部材93と第2回動部材94とを連結する連結軸102がプーリ軸34とレバー軸111との間に配置されている。このレバー部材92により、一対の第2回動部材94の一端部に支持されたプーリ軸34が余長解除位置に配置されている。
【0117】
このとき、第1回動部材93の他端部と一対の第2回動部材94の他端部との連結部113の車室外側の側面がアウタパネル16の内側面に当接されており、レバー部材92が解放位置へ向けて回動することが防止されている。つまり、第1回動部材93と一対の第2回動部材94との連結部113がアウタパネル16に突き当てられることにより、第1回動部材93がレバー軸111を軸心として回動方向他方側(図中、反時計回り方向側)へ回動されることが防止されるとともに、第2回動部材94がプーリ軸34を軸心として回動方向一方側(図中、時計回り方向側)へ回動されることが防止されている。これにより、レバー部材92が係止位置に保持され、プーリ軸34がレバー部材92により余長解除位置のもとで係止されている。
【0118】
一方、図26に示すように、プーリケース91がアウタパネル16に仮取り付けされた状態では、プーリケース91とアウタパネル16との間に所定の隙間が設けられている。この隙間によって、第1回動部材93および第2回動部材94の回動方向他方側への回動が規制されることなく、連結軸102が係止位置のもとよりも車室外側に配置される解放位置に向けてレバー部材92が回動自在となる。このため、プーリ軸34を介してレバー部材92に閉側ケーブル22による引っ張り力がケーブル引出方向へ向けて作用されると、レバー部材92の回動に伴って、プーリ軸34はスロット71内を車両前方側へ移動されることになる。
【0119】
次に、駆動ユニット23とスライドドア14のローラアッシー17との間で閉側ケーブル22を配索する際のプーリユニット90の操作について説明する。
【0120】
プーリユニット90からスライドドア14側へ引き出された閉側ケーブル22の他端をローラアッシー17に接続する際には、図26に示すようにアウタパネル16にプーリケース91が仮取り付け状態で閉側ケーブル22の他端を車両後方側へ引っ張ることで、レバー部材92が閉側ケーブル22の引っ張り力により解放位置へ回動操作され、プーリ軸34が余長発生位置へ移動される。この余長発生位置のもとでは、閉側ケーブル22のケーブル余長を十分に確保することができ、閉側ケーブル22の他端をローラアッシー17に容易に係止することが可能となる。
【0121】
閉側ケーブル22の配索が完了した後には、ボルト112を締め付けてプーリケース91をアウタパネル16に固定することで、第1回動部材93と第2回動部材94との連結部113がアウタパネル16によりプーリ軸34とレバー軸111との間へ向けて車室内側へ押し付けられ、第1回動部材93と第2回動部材94とがほぼ一直線上に配置されるようにレバー部材92が係止位置へ回動操作される。このとき、レバー部材92の係止位置への回動操作に伴って、プーリ軸34がスロット107に沿って車両前方側へ案内され、プーリ本体31が余長発生位置から余長解除位置へ移動される。そして、レバー部材92が係止位置となると、レバー部材92によりプーリ軸34が余長解除位置のもとで係止される。また、レバー部材92は、第1回動部材93と第2回動部材94との連結部113がアウタパネル16の内側面に突き当てられることにより係止位置に保持される。
【0122】
このように、本実施の形態のプーリユニット90では、余長解除位置のもとでプーリ軸34を係止する係止位置と、プーリ軸34の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材92をプーリケース91に回動自在に組み付けるようにしている。このレバー部材92によりプーリ本体31を余長解除位置に保持することが可能となる。
【0123】
また、本実施の形態のプーリユニット90では、レバー部材92が係止位置のもとで、第1回動部材93と第2回動部材94との連結部113がアウタパネル16に突き当てられることにより、レバー部材92が解放位置へ向けて回動されることが防止するようにしている。これにより、ボルト等の固定部材を設けることなく、レバー部材92を係止位置に保持することが可能となり、プーリ本体31を余長解除位置に保持する作業が容易となるとともに、部品点数の削減によりプーリユニット90のコストダウンや重量低減を図ることができる。
【0124】
さらに、本実施の形態のプーリユニット90では、プーリケース91がアウタパネル16に取り付けられることにより、アウタパネル16により第1回動部材93と第2回動部材94との連結部113がプーリ軸34とレバー軸111との間へ向けて押し付けられ、レバー部材92が係止位置に回動操作されるようにしている。これにより、プーリケース91のアウタパネル16への取付作業と、レバー部材92を係止位置へ回動操作して閉側ケーブル22の余長発生を解除する作業とを同時に行うことが可能となり、プーリユニット90の組立作業性を向上させることができる。
【0125】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態のプーリユニット24,60,80,90においては、スロット45,71,86,107を車両前後方向に沿って直線状に形成したが、これに限られず、例えば、車両前後方向に延びる円弧形状のスロットとしても良い。
【0126】
また、上記実施の形態のプーリユニット24においては、プーリケース32を径方向分割型としたが、プーリケース32を軸方向分割型としても良い。同様に、上記実施の形態のプーリユニット60,90においては、プーリケース61,91を軸方向分割型としたが、プーリケース61,91を径方向分割型としても良い。
【0127】
さらに、上記実施の形態のプーリユニット24,60,80をリア側のプーリユニットに適用するようにしたが、これらプーリユニット24,60,80をフロント側のプーリユニットに適用するようにしても良い。同様に、上記実施の形態のプーリユニット90をフロント側のプーリユニットに適用するようにしたが、このプーリユニット90をリア側のプーリユニットに適用するようにしても良い。
【0128】
さらに、上記実施の形態のプーリユニット24,60においては、レバー部材33,62が係止位置のもとでレバー部材33,62の係止爪40,64bとプーリケース32,61の係止孔51,73とを係合させるようにしたが、レバー部材33,62は回動方向一方側へのモーメントにより保持されるようになっているため、係合爪構造を設けないようにしても良い。但し、開側ケーブル21に緩みが生じる等してレバー部材33,62に作用される開側ケーブル21による引っ張り力が低減した場合でも、係合爪構造を設けることでレバー部材33,62を係止位置に確実に保持することが可能となる。
【0129】
さらに、上記実施の形態のプーリユニット60.80においては、レバー部材62,81の被ガイド部63b,83を案内するガイド溝部72a,82をプーリケース61に形成するようにしたが、これに限定されることはない。例えば、被ガイド部63b,83に形成された被ガイド溝部を案内するガイド部としてのガイド突起をプーリケース61に設けるようにしても良い。
【符号の説明】
【0130】
11 車両
12 車体
13 開口部
14 スライドドア
15 センタレール
15a 直線部
15b 引き込み部
16 アウタパネル
16a 貫通孔
17 ローラアッシー
20 パワースライド装置
21 開側ケーブル
22 閉側ケーブル
23 駆動ユニット
24 プーリユニット
25 プーリユニット
26,27 アウタケーシング
26a,27a エンドキャップ
28 モータ本体
29 駆動部
31 プーリ本体
31a プーリ溝
31b 貫通孔
32 プーリケース
33 レバー部材
34 プーリ軸
36 ガイド壁部
36a 案内面(案内部)
36b 軸保持面
37 軸支持部
37a 貫通孔
38 レバー軸
39 操作部
40 係止爪
42 第1のケース半体
42a 係合溝
43 第2のケース半体
43a 被覆壁
43b 係合爪
44 ケース部
44a 支持壁
44b キャップ取付部
45 スロット
46 支持孔
48 キャップ保持部材
48a 係合爪
49 係合溝
50 ブラケット部(ストッパ)
50a 取付孔
51 係止孔
52 ケーブル引出孔
60 プーリユニット
61 プーリケース
62 レバー部材
63 軸駆動部
63a 軸支持部
63b 被ガイド部
63c 連結部
64 操作部
64a 係止部
64b 係止爪
65 支持孔
66 ケーブル挿通孔
68 第1のケース半体
69 第2のケース半体
70 ケース部
70a 底壁
70b キャップ取付半体部
71 スロット
72 組み付け溝
72a ガイド溝部(ガイド部)
73 係止孔
74 ブラケット部
74a 取付孔
76 ケース部
76a 底壁
76b キャップ取付半体部
77 ブラケット部
78 ケーブル引出孔
79 ストッパ部
80 プーリユニット
81 レバー部材
82 ガイド溝部(ガイド部)
82a 係合溝部(係合部)
83 被ガイド部
84 軸支持部
85 連結部
86 スロット
90 プーリユニット
91 プーリケース
92 レバー部材
93 第1回動部材
94 第2回動部材
95 アーム部
96 連結部
97 軸孔
98 組付孔
99 軸支持部
100 軸孔
101 組付孔
102 連結軸
104 第2のケース半体
105 ケース部
105a 底壁
106 組み付け溝
107 スロット
108 支持孔
109 キャップ取付半体部
110 ブラケット部
110a 取付孔
111 レバー軸
112 ボルト
113 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に搭載された駆動ユニットによりケーブルを駆動することでスライドドアを自動的に開閉するパワースライド装置に設けられ、前記駆動ユニットと前記スライドドアとの間で配索される前記ケーブルの移動方向を変換するプーリユニットであって、
前記ケーブルが巻き掛けられるプーリ本体を回転自在に支持するプーリ軸と、
前記プーリ軸が移動自在に挿通されるスロットが形成され、前記ケーブルに張力を付与する余長解除位置と、当該余長解除位置よりもケーブル引出方向側に配置される余長発生位置との間で前記プーリ本体を移動自在に収容するプーリケースと、
前記プーリケースに回動自在に組み付けられ、前記余長解除位置のもとで前記プーリ軸を係止する係止位置と、前記余長解除位置のもとでの前記プーリ軸の係止を解除する解放位置とに回動操作されるレバー部材とを有することを特徴とするプーリユニット。
【請求項2】
請求項1記載のプーリユニットにおいて、
前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに支持されたレバー軸を軸心として回動自在に前記プーリケースに組み付けられ、
前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、
前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力の作用線と平行に延びるとともに前記レバー軸の軸心を通る直線に対して、前記プーリ軸の軸心が回動方向一方側にずれて配置され、
前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記レバー部材を前記係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが前記レバー部材に作用されていることを特徴とするプーリユニット。
【請求項3】
請求項1記載のプーリユニットにおいて、
前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに形成されたガイド部に沿って案内される被ガイド部と、前記プーリ軸を軸心として回転自在に支持される軸支持部と、前記被ガイド部と前記軸支持部とを連結する連結部とを備え、
前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、
前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力の作用線に対して、前記連結部が回動方向一方側にずれて配置され、
前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記レバー部材を前記係止位置へ向けて回動方向一方側へ回動させる方向のモーメントが前記レバー部材に作用されていることを特徴とするプーリユニット。
【請求項4】
請求項2記載のプーリユニットにおいて、前記レバー部材には、前記解放位置から前記係止位置への回動操作に伴って、前記プーリ軸を前記余長発生位置から前記余長解除位置へ案内する案内部が設けられていることを特徴とするプーリユニット。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載のプーリユニットにおいて、前記プーリケースには前記係止位置のもとで前記レバー部材が突き当てられるストッパが設けられ、当該ストッパにより前記レバー部材が前記係止位置のもとからさらに回動方向一方側へ回動することが防止されていることを特徴とするプーリユニット。
【請求項6】
請求項1記載のプーリユニットにおいて、
前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側とは反対側において前記プーリケースに形成されたガイド部に沿って案内される被ガイド部と、前記プーリ軸を軸心として回転自在に支持される軸支持部と、前記被ガイド部と前記軸支持部とを連結する連結部とを備え、
前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、
前記ガイド部にケーブル引出方向側に向けて突出して形成された係合部に前記被ガイド部が係合され、
前記プーリ軸を介して前記レバー部材に作用される前記ケーブルによる引っ張り力により、前記被ガイド部を前記係合部に係合させる方向の荷重が前記レバー部材に作用されることを特徴とするプーリユニット。
【請求項7】
請求項1記載のプーリユニットにおいて、
前記レバー部材は、前記プーリ軸よりもケーブル引出方向側において前記プーリケースに支持されたレバー軸に一端部が回動自在に組み付けられる第1回動部材と、前記プーリ軸に一端部が回動自在に組み付けられるとともに他端部が前記第1回動部材の他端部に回動自在に連結される第2回動部材とを備え、
前記レバー部材が前記係止位置のもとでは、
前記第1回動部材と前記第2回動部材との連結部が前記車体に突き当てられることにより、前記レバー部材が前記解放位置へ向けて回動されることが防止されていることを特徴とするプーリユニット。
【請求項8】
請求項7記載のプーリユニットにおいて、前記プーリケースが前記車体に取り付けられることにより、前記車体により前記第1回動部材と前記第2回動部材との連結部が前記プーリ軸と前記レバー軸との間へ向けて押し付けられ、前記レバー部材が前記係止位置に回動操作されることを特徴とするプーリユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate