説明

ヘアトリートメント組成物

ヘアトリートメント組成物は、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤と、組成物に溶解しているフケ防止剤とを含む。組成物は、ユーザーに感じられる低刺激性及びフケ防止剤のような有効物質の付着性に関して有益な効果を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物及び該組成物を使用する頭髪のトリートメント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー組成物は一般に界面活性剤を含有している。組成物はまたフケ防止剤のような有効物質を含有している。有効物質の効果を高めるためには、有効物質を組成物から頭髪及び/または頭皮に付着させることが必要である。
【0003】
ある種のシャンプー組成物について該組成物のユーザーらは髪が傷むと感じている。より低刺激性の組成物が要望されている。
【0004】
また、頭髪及び/または頭皮に対する付着性が改善されたシャンプー組成物が要望されている。
【0005】
欧州特許公開EP−A−0569028は、ポリグリセリルエステルを粘度上昇剤として含む透明な低刺激性シャンプーを記載している。実施例1の組成物は6%のラウリル硫酸ナトリウムと16%のココアミドプロピルベタインと各2%のココアンフォ酢酸ナトリウム及びココアンフォ二酢酸二ナトリウムとを含有している。フケ防止剤については全く言及されていない。米国特許5,478,490にも同様の開示が見出される。
【0006】
米国特許5,874,073及び6,297,203は、ヘアスタイリングポリマーとその他の成分とを含むスタイリングシャンプー組成物を開示している。実施例では、ラウロアンフォアセテートとココアミドプロピルベタインとが代替成分として使用されている。
【0007】
米国特許5,962,395は、アニオン性界面活性剤と両性及び/または双イオン性界面活性剤とを含む液体クレンジング組成物を開示している。
【0008】
本発明は、界面活性剤のある種の組合せは低刺激性であるとユーザーに感じられるヘアトリートメント組成物を与えるという意外な知見に基づく。界面活性剤の同じ組合せはまた有効物質の付着性を予想外に強化し得る。
【発明の開示】
【0009】
第一の側面によれば、本発明は、
アニオン性界面活性剤と、
両性または双イオン性の界面活性剤と、
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤と、
組成物に溶解しているフケ防止剤と、
を含むヘアトリートメント組成物を提供する。
【0010】
本発明の別の側面は、本発明の組成物を頭髪に塗布することを含む頭髪のトリートメント方法である。
【0011】
別の側面は、組成物に溶解しているフケ防止剤を含むヘアトリートメント組成物の低刺激性を強化するための、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤とを含む界面活性剤混合物の使用の提案である。
【0012】
本発明のまた別の側面は、ヘアトリートメント組成物からのフケ防止剤の付着性を強化するための、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤とを含む界面活性剤混合物の使用である。
【0013】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤は本発明の組成物の1つの成分である。本発明の組成物中にアニオン性界面活性剤として使用できる適当なアニオン性界面活性剤の例は、洗浄用界面活性剤、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルカリールスルホネート、アルカノイルイセチオネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルキルサルコシネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート及びアルファ−オレフィンスルホネート、特に、それらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム、並びに、モノ−、ジ−及びトリエタノールアミン塩である。アルキル基及びアシル基は一般に、8−18個の炭素原子を含有しており、不飽和でもよい。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェート及びアルキルエーテルカルボキシレートは1分子あたり1−10個のエチレンオキシド単位またはプロピレンオキシド単位を含有し得る。
【0014】
本発明の組成物中のアニオン性界面活性剤成分として使用するための典型的なアニオン性洗浄用界面活性剤は、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネート、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム及びN−ラウリルサルコシン酸ナトリウムを包含する。最も好ましいアニオン性界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸(n)EOナトリウム(ここにnは1−3の範囲)、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸(n)EOアンモニウム(ここにnは1−3の範囲)である。
【0015】
上記のアニオン性界面活性剤のいずれかの混合物もアニオン性界面活性剤として使用するのに適している。
【0016】
アニオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤混合物中の全部のアニオン性界面活性剤を包含する)は本発明の組成物中に、好ましくは組成物の5−25重量%、より好ましくは10−20重量%、もっと好ましくは11−16重量%、最も好ましくは13−15重量%の量で存在する。
【0017】
両性または双イオン性の界面活性剤
本発明の組成物の別の成分は両性または双イオン性の界面活性剤である。
【0018】
両性または双イオン性の界面活性剤の例は、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレート及びアシルグルタメートであり、それらのアルキル基及びアシル基は8−19個の炭素原子を有している。本発明のシャンプーに使用するための好ましい両性及び双イオン性の界面活性剤は、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタインを包含し、好ましくはラウリルベタイン及びココアミドプロピルベタインである。ココアミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0019】
上記の両性または双イオン性の界面活性剤のいずれかの混合物も両性または双イオン性の界面活性剤として使用するのに適している。
【0020】
両性または双イオン性の界面活性剤(両性または双イオン性の界面活性剤混合物中の全部の両性または双イオン性の界面活性剤を包含する)は本発明の組成物中に、好ましくは組成物の0.1−10重量%、より好ましくは0.5−5重量%、もっと好ましくは1−4重量%、最も好ましくは1−3重量%の量で存在する。
【0021】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤
本発明の組成物はまたアルキルアンフォアルカノエートを含み、本発明でこれは両性または双イオン性の界面活性剤とは別の成分として考えられており化学的に異なっている。好ましくは(C−C30アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)、より好ましくは(C−C18アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)、いっそう好ましくは(C−C18アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)、最も好ましくは(C−C18アルキル)アンフォアセテートである。最も好ましい(C−C30アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)の例は、ココアンフォアセテート及びラウリルアンフォアセテートであり、ココアンフォ酢酸ナトリウムのようなこれらの化合物のナトリウム塩がより好ましい。
【0022】
アルキルアンフォアセテートのようなアルキルアンフォアルカノエートは業界でCosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)によって定義されている。
【0023】
上記のアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤のいずれかの混合物も本発明の組成物中でアルキルアンフォアルカノエートとして使用するのに適しているであろう。
【0024】
アンフォアルカノエート界面活性剤(アンフォアルカノエート界面活性剤混合物中の全てのアンフォアルカノエート界面活性剤を包含する)は本発明の組成物中に、好ましくは組成物の0.1−10重量%、より好ましくは0.5−5重量%、もっと好ましくは1−4重量%、最も好ましくは1−3重量%の量で存在する。
【0025】
特に好ましい組成物
特に好ましい本発明の組成物は、組成物の10−20重量%の量のラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリルエーテル硫酸(n)EOナトリウム(ここにnは1−3の範囲)、組成物の0.5−5重量%の量のココアミドプロピルベタイン、及び、組成物の0.5−5重量%の量のココアンフォ酢酸ナトリウムまたはラウリルココアンフォ酢酸ナトリウムを含む界面活性剤組成物を含む。
【0026】
フケ防止剤
本発明の組成物はフケ防止剤を含む。フケ防止剤は例えば、オクトピロクス、クリンバゾール及びケトコナゾールのようなフケを治療または予防する目的でシャンプー組成物に含有させる化合物を包含する。
【0027】
フケ防止剤は組成物に溶解している。従って、フケ防止剤が25℃で組成物中のフケ防止剤の使用レベルで本発明の組成物に可溶性であるのが好ましい。最も好ましくはフケ防止剤が、クリンバゾール(1−イミダゾリル−1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチルブタン−2−オン)である。
【0028】
フケ防止剤は単一種類のフケ防止化合物でもよくまたは異なる種類のフケ防止化合物の混合物でもよい。
【0029】
フケ防止剤は組成物中に、好ましくは0.1−5重量%、より好ましくは0.1−2重量%の量で存在している。
【0030】
意外にも、本発明の組成物では、組成物が更にカチオン性ポリマー(例えば、カチオン性グアー)を含むときに、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とを含有しアンフォアルカノエート非含有の対応組成物に比べて、頭皮へのフケ防止剤の付着性が改善されることが知見された。
【0031】
pH
本発明の組成物のpHは好ましくは5−8の範囲、より好ましくは6−7の範囲、例えば6.5である。本発明の組成物のpHは、当業界でよく知られているようにアルカリ性物質(例えば、水酸化ナトリウム)または酸性物質(例えば、クエン酸)を使用して調整できる。
【0032】
意外にも、組成物の低刺激性(即ち、組成物のユーザーが知覚する頭髪及び/または頭皮に対する組成物の低刺激性)は、前節に示したpH範囲で特に優れていることが知見された。
【0033】
製品形態
本発明のヘアトリートメント組成物の最終製品形態は例えば、シャンプー、コンディショナー、スプレー、ムース、ジェル、ワックスまたはローションが適当であろう。特に好ましい製品形態は、シャンプー、洗髪後コンディショナー(リーブイン型及びリンスオフ型)、及び、ヘアエッセンスのようなヘアトリートメント製品である。シャンプーが特に好ましい製品形態である。
【0034】
好ましくは、組成物がヘアスタイリングポリマー非含有であるかまたは実質的に非含有である。
【0035】
本発明の組成物は好ましくは、頭髪のトリートメント組成物及びその後のリンス用組成物として配合される。
【0036】
本発明による特に好ましいヘアトリートメント組成物はシャンプー組成物である。本発明のシャンプー組成物中の界面活性剤(共界面活性剤及び/または乳化剤をも含める)の総量は、一般には組成物の5−30重量%、好ましくは10−25重量%、より好ましくは15−20重量%である。
【0037】
場合によっては含まれるその他の界面活性剤
化粧品に許容されかつ頭髪に外用塗布するために適当な1種または複数の別の界面活性剤が本発明のシャンプー組成物中に追加成分として存在してもよい。
【0038】
一例は非イオン性界面活性剤であり、0−8重量%、好ましくは2−5重量%の量で含有され得る。
【0039】
例えば、本発明のシャンプー組成物に含有させ得る代表的な非イオン性界面活性剤は、脂肪族(C−C18)の第一級または第二級の直鎖状または分枝状のアルコールまたはフェノールとアルキレンオキシド、通常はエチレンオキシドとの通常は6−30個のエチレンオキシド基を含む縮合物を包含する。
【0040】
別の代表的な非イオン性界面活性剤は、モノ−、または、ジ−アルキルアルカノールアミドを包含する。具体例は、ココモノ−またはジ−エタノールアミド及びココモノ−イソプロパノールアミドである。
【0041】
本発明のシャンプー組成物に含有させ得る別の非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)類である。典型的には、APGは、1つまたは複数のグリコシル基のブロックに(場合によっては架橋基を介して)結合されたアルキル基を含むAPGである。好ましいAPGは以下の式:
RO−(G)n
によって定義され、式中のRは飽和または不飽和のいずれでもよい分枝状または直鎖状のアルキル基を表し、Gは糖基である。
【0042】
Rは約C−約C20の平均アルキル鎖長を表し得る。好ましくはRが約C−約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくはRの値が約9.5−約10.5の範囲である。GはCまたはCの単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノース及びそれらの誘導体を含むグループから選択され得る。好ましくはGがグルコースである。
【0043】
重合度nは約1−約10またはそれ以上の値を有し得る。好ましくは、nの値が約1.1−約2の範囲である。最も好ましくは、nの値が約1.3−約1.5の範囲である。
【0044】
本発明に使用するための適当なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えば、Seppic社のOramix NS10、Henkel社のPlantaren 1200及びPlantaren 2000などと呼ばれている材料がある。
【0045】
本発明のシャンプー組成物に含有させ得る別の糖由来の非イオン性界面活性剤としては、例えば国際特許WO92 06154及び米国特許5194639に記載されているC12−C18のN−メチルグルカミドのようなC10−C18のN−アルキル(C−C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及び、C10−C18のN−(3−メトキシプロピル)グルカミドのようなN−アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドがある。
【0046】
シャンプー組成物はまた場合によっては1種または複数のカチオン性共界面活性剤を0.01−10重量%、より好ましくは0.05−5重量%、最も好ましくは0.05−2重量%の範囲の量で含有できる。有用なカチオン性界面活性剤は本文中のコンディショナー組成物に関する部分で後述する。
【0047】
その他の任意成分
本発明の組成物はヘアトリートメント組成物に使用できる1種または複数の別の任意成分を含有し得る。このような任意成分の例を以下に示す。
【0048】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは本発明のシャンプー組成物中でシャンプーのコンディショニング性能を強化するための好ましい成分である。
【0049】
カチオン性ポリマーはホモポリマーでもよくまたは2種以上のモノマーから形成されてもよい。ポリマーの分子量は、一般には5,000−10,000,000g/molの範囲、典型的には少なくとも10,000g/molであり、好ましくは100,000−約2,000,000g/molの範囲であろう。ポリマーは、第四アンモニウム基またはプロトン付加アミノ基のようなカチオン性窒素含有基またはそれらの混合物を有しているであろう。
【0050】
カチオン性窒素含有基は一般には、カチオン性ポリマーの全モノマー単位の一部分に置換基として存在するであろう。従って、ポリマーがホモポリマーでないとき、該ポリマーはスペーサーの非カチオン性モノマー単位を含有できる。このようなポリマーは、CTFA Cosmetic Ingredient Directory,3rd editionに記載されている。カチオン性モノマー単位対非カチオン性モノマー単位の比は、必要な範囲のカチオン性電荷密度を有しているポリマーが得られるように選択される。
【0051】
適当なカチオン性コンディショニングポリマーは例えば、カチオン性のアミンまたは第四アンモニウム官能基を有しているビニルモノマーと、(メタ)アクリルアミド、アルキル及びジアルキル(メタ)アクリルアミド、アルキル(メタ)アクリレート、ビニルカプロラクトン及びビニルピロリジンのような水溶性スペーサーモノマーとのコポリマーを包含する。アルキル及びジアルキル置換モノマーは好ましくはC1−C7のアルキル基、より好ましくはC1−3のアルキル基を有している。別の適当なスペーサーは、ビニルエステル、ビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコール及びエチレングリコールなどである。
【0052】
カチオン性アミンは、特定の種及び組成物のpHに依存して、第一級、第二級または第三級アミンであり得る。一般には第二級及び第三級アミン、特に第三級アミンが好ましい。
【0053】
アミン置換ビニルモノマー及びアミンは、アミン形態で重合させ、次いで第四級化によってアンモニウムに変換できる。
【0054】
カチオン性コンディショニングポリマーは、アミン−及び/または第四アンモニウム−置換モノマーに由来のモノマー単位及び/または共存し得るスペーサーモノマーの混合物を含むことができる。
【0055】
適当なカチオン性コンディショニングポリマーの例を以下に挙げる:
−1−ビニル−2−ピロリジンと1−ビニル−3−メチル−イミダゾリウム塩(例えば、塩化物塩)とのコポリマー。業界ではCosmetic,Toiletry,and Fragrance Association(CTFA)によってポリクォータニウム−16と呼ばれている。この材料は、BASF Wyandotte Corp.(Parsippany,NJ,USA)から商品名LUVIQUAT(例えば、LUVIQUAT FC 370)で市販されている;
−1−ビニル−2−ピロリジンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー。業界(CTFA)でポリクォータニウム−11と呼ばれている。この材料はGaf Corporation(Wayne,NJ,USA)から商品名GAFQUAT(例えば、GAFQUAT 755N)で市販されている;
−カチオン性のジアリル第四アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー及びアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー、業界(CTFA)でそれぞれポリクォータニウム6及びポリクォータニウム7と呼ばれている;
−3−5個の炭素原子を有している不飽和カルボン酸のホモ−及びコ−ポリマーのアミノ−アルキルエステルの無機酸塩(米国特許第4,009,256号に記載);
−カチオン性ポリアクリルアミド(国際特許WO95/22311に記載)。
【0056】
使用できる別のカチオン性コンディショニングポリマーは、カチオン性多糖ポリマー、例えば、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体及びカチオン性グアーガム誘導体、などである。このようなカチオン性多糖ポリマーは0.1−4meq/gの範囲の電荷密度を有しているのが適当である。
【0057】
本発明の組成物に使用するための適当なカチオン性多糖ポリマーとしては式:
A−O−[R−N(R)(R)(R)X
のポリマーがあり、式中の、Aはデンプンまたはセルロースの無水グルコース残基のような無水グルコース残基を表す。Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基またはそれらの組合せである。R、R及びRは独立に、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキルまたはアルコキシアリール基を表し、各基は約18個以下の炭素原子を含有している。各カチオン性部分の炭素原子の総数(即ち、R、R及びRの炭素原子の総和)は好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。
【0058】
カチオン性セルロースは、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)からPolymer JR(商標)及びLR(商標)のポリマーシリーズで、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩として入手できる。これは業界(CTFA)でポリクォータニウム10と呼ばれている。別の種類のカチオン性セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム−置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの重合体第四アンモニウム塩があり、業界(CTFA)でポリクォータニウム24と呼ばれている。これらの材料は、Amerchol Corp.(Edison,NJ,USA)から商品名Polymer LM−200で入手できる。
【0059】
別の適当なカチオン性多糖ポリマーとしては、第四窒素含有セルロースエーテル(例えば、米国特許第3,962,418号に記載)、及び、エーテル化セルロースとデンプンとのコポリマー(米国特許第3,958,581号に記載)がある。
【0060】
使用できる特に適当な種類のカチオン性多糖ポリマーは、カチオン性グアーガム誘導体であり、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(Rhone−PoulencからJAGUAR商標シリーズで市販)がある。
【0061】
具体例は、カチオン性基が低置換度でありかつ高粘度を有しているJAGUAR C13S、中位の置換度で低粘度のJAGUAR C15、JAGUAR C17(高置換度、高粘度)、低レベルの置換基とカチオン性第四アンモニウム基とを含有しているヒドロキシプロピル化カチオン性グアー誘導体であるJAGUAR C16、及び、高透明度、中位の粘度、低置換度のグアーであるJAGUAR 162である。
【0062】
Jaguar C17は本発明の組成物に使用するための特に好ましい付着ポリマーである。
【0063】
好ましくはカチオン性コンディショニングポリマーがカチオン性セルロース及びカチオン性グアーガム誘導体から選択される。特に好ましいカチオン性ポリマーは、JAGUAR C13S、JAGUAR C15、JAGUAR C17及びJAGUAR C16及びJAGUAR C162である。
【0064】
カチオン性コンディショニングポリマーは本発明の組成物中に、一般には0.01−5重量%、好ましくは0.05−1重量%、より好ましくは0.08−0.5重量%のレベルで存在するであろう。
【0065】
懸濁化剤
好ましい実施態様では、ヘアトリートメント組成物が、特にシャンプー組成物である場合、被覆粒子のために0.1−5重量%の懸濁化剤を更に含む。適当な懸濁化剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリルエステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋コポリマー、ヘテロ多糖ガム及び結晶質長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は望ましくは、エチレングリコールステアレート、16−22個の炭素原子を有している脂肪酸のアルカノールアミド及びそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレート及びポリエチレングリコール3ジステアレートが好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488またはCarbopol 493として市販されている。多官能価物質で架橋したアクリル酸のポリマーを使用してもよく、これらは、Carbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 940、Carbopol 941及びCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクルル酸エステルとのコポリマーの好適例の1つはCarbopol 1342である。すべてのCarbopol(商標)材料はGoodrichから入手可能である。
【0066】
アクリル酸とアクリレートエステルとの架橋ポリマーの好適例はPemulen TR1またはPemulen TR2である。適当なヘテロ多糖ガムは、例えばKelzan muとして入手可能なキサンタンガムである。
【0067】
被覆粒子の懸濁化剤は好ましくは重合体懸濁化剤である。
【0068】
コンディショニング剤
本発明の組成物はまた、シリコーンコンディショニング剤及び非シリコーン油性コンディショニング剤から選択された1種または複数のコンディショニング剤を含有できる。
【0069】
コンディショニング剤がヘアトリートメント組成物中に小滴形態で存在するとき、これらが完全配合製品中に実質的に均一に分散している限り、小滴は、液体、半固体または固体のいずれでもよい。油性コンディショニング剤の小滴は、好ましくは液体または半固体の小滴として、より好ましくは液体の小滴として存在する。
【0070】
シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物は、コンディショニング性能を強化するために、乳化したシリコーンコンディショニング剤の小滴を含有できる。シリコーンは組成物の水性マトリックスに不溶性であり、従って乳化形態で存在する。シリコーンは分散した小滴として存在している。
【0071】
適当なシリコーンとしてはポリジオルガノシロキサン、特に、ジメチコーンというCTFA名をもつポリジメチルシロキサンがある。ジメチコノールというCTFA名の、ヒドロキシル末端基をもつポリジメチルシロキサンも本発明の組成物(特にシャンプー及びコンディショナー)に使用するのに適している。また、例えば国際特許WO96/31188に記載されているような軽度に架橋したシリコーンガムも本発明の組成物中で使用するのに適している。これらの材料は、髪にコシの強さ、ボリューム及びスタイリング適性を与えることができ、また、濡れた髪及び乾いた髪の双方に優れたコンディショニング効果を与える。
【0072】
乳化シリコーン自体(エマルジョンでもなく最終ヘアコンディショニング組成物でもない)の粘度は典型的には少なくとも10,000cstである。我々は、一般的に粘度の増加に伴ってコンディショニング性能が向上することを知見した。従って、シリコーン自体の粘度は好ましくは少なくとも60,000cst、最も好ましくは少なくとも500,000cst、理想的には少なくとも1,000,000cstである。配合を容易にするためには粘度が10cstを超過しないのが好ましい。
【0073】
本発明のシャンプー組成物に使用するための乳化シリコーンは典型的には、組成物中で30μm未満、好ましくは20μm未満、より好ましくは10μm未満の平均シリコーン小滴サイズを有するであろう。我々は、一般的に小滴サイズが小さいほどコンディショニング性能が改善されることを知見した。極めて好ましくは、組成物中の乳化シリコーンの平均シリコーン小滴サイズは2μm未満であり、理想的には0.01−1μmの範囲である。0.15μm以下の平均シリコーン小滴サイズを有しているシリコーンエマルジョンを一般にマイクロエマルジョンと呼ぶ。
【0074】
本発明に使用するための適当なシリコーンエマルジョンはまた予め乳化した形態で市販されている。
【0075】
適当な予形成エマルジョンの具体例は、エマルジョンDC2−1766、DC2−1784並びにマイクロエマルジョンDC2−1865及びDC2−1870であり、これらはすべてDow Corningから入手可能である。これらはすべてジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンガムも予め乳化された形態で入手でき、これらは配合し易いという利点を有している。好ましい例は、Dow CorningからDC X2−1787として入手できる材料であり、これは架橋ジメチコノールガムのエマルジョンである。別の好ましい例は、Dow CorningからDC X2−1391として入手できる材料であり、これは架橋ジメチコノールガムのマイクロエマルジョンである。
【0076】
本発明のシャンプー及びコンディショナーに含有させるための別の好ましいシリコーンのクラスはアミノ官能性シリコーンである。“アミノ官能性シリコーン”という用語は、少なくとも1つの第一級、第二級または第三級のアミン基または第四アンモニウム基を含有しているシリコーンを意味する。
【0077】
適当なアミノ官能性シリコーンの例を以下に挙げる:
(i)CTFA名で“アモジメチコーン”と呼ばれているポリシロキサン。これは一般式:
HO−[Si(CH−O−]−[Si(OH)(CHCHCH−NH−CHCHNH)−O−]−H
を有しており、式中のx及びyはポリマーの分子量に依存する数値であり、一般には分子量が約5,000−500,000の範囲になるような数値である;
(ii)一般式:
R′3−a−Si(OSiG−(OSiGR′2−b−O−SiG3−a−R′
を有しているポリシロキサン。式中の、
Gは、H、フェニル、OHまたはC1−8アルキル例えばメチルから選択され;
aは0または1−3の整数、好ましくは0であり;
bは0または1、好ましくは1であり;
m及びnは(m+n)が1−2000の範囲、好ましくは50−150の範囲になるような数であり;
mは1−2000、好ましくは1−10の数であり;
nは0−1999、好ましくは49−149の数であり;
R′は、式−C2qLの一価のラジカルであり、式中のqは2−8の数であり、Lは、
−NR″−CH−CH−N(R″)
−N(R″)
−N(R″)
−NH(R″)
−N(R″)A
−N(R″)−CH−CH−N(R″)A
から選択されたアミノ官能基であり、R″は、H、フェニル、ベンジル、または、飽和した一価の炭化水素基例えばC1−20アルキルから選択され、Aはハロゲン化物イオン、例えばクロリドイオンまたはブロミドイオンである。
【0078】
上記の式に対応する適当なアミノ官能性シリコーンは、以下に示すような“トリメチルシリルアモジメチコーン”と呼ばれるポリシロキサンを包含し、これは十分に水不溶性なので本発明の組成物に使用できる:
Si(CH−O−[Si(CH−O−]−[Si(CH)(R−NH−CHCHNH)−O−]−Si(CH
式中のx+yは約50−約500の数であり、Rは2−5個の炭素原子を有しているアルキレン基である。好ましくは数x+yが約100−約300の範囲である;
(iii)一般式:
{(R)(R)(R)NCHCH(OH)CHO(CH[Si(R)(R)−O−]−Si(R)(R)−(CH−O−CHCH(OH)CH(R)(R)(R10)}(X
を有している第四級シリコーンポリマー、
式中のR及びR10は同じでもまたは異なっていてもよく、独立に、H、飽和または不飽和の長鎖または短鎖のアルキル(アルケニル)、分枝状アルキル(アルケニル)、及び、C−Cの環系から選択され、
からRまでは同じでもまたは異なっていてもよく、独立に、H、直鎖状または分枝状の低級アルキル(アルケニル)及びC−Cの環系から選択され、
nは約60−約120の範囲の数、好ましくは約80であり、
は好ましくはアセテートであるが、例えばハロゲン化物、有機カルボキシレート、有機スルホネート、などでもよい。このクラスの適当な第四級シリコーンポリマーは欧州特許公開EP−A−0 530 974に記載されている。
【0079】
本発明のシャンプー及びコンディショナーに使用するための適当なアミノ官能性シリコーンは典型的にはモル%にして、約0.1−約8.0モル%、好ましくは約0.1−約5.0モル%、最も好ましくは約0.1−約2.0モル%の範囲のアミン官能価を有するであろう。一般的に、アミン濃度は約8.0モル%を超過してはならない。過度に高いアミン濃度は全シリコーン付着量を減少させ、従ってコンディショニング性能を損なうことが知見されたからである。
【0080】
アミノ官能性シリコーンの粘度は特に厳密ではなく、約100−約500,000cstの範囲が適当であろう。
【0081】
本発明に使用するための適当なアミノ官能性シリコーンの特定例は、アミノシリコーン油DC2−8220、DC2−8166、DC2−8466及びDC2−8950−114(いずれもDow Corningの製品)、及び、GE 1149−75(General Electric Siliconesの製品)である。非イオン性及び/またはカチオン性の界面活性剤とアミノ官能性シリコーン油とのエマルジョンも適当である。
【0082】
このような予形成エマルジョンの場合、シャンプー組成物中のアミノ官能性シリコーンの平均小滴サイズは、適正には30μm未満、好ましくは20μm未満、より好ましくは10μm未満である。一般的に小滴サイズが小さいほどコンディショニング性能が改善される。最も好ましくは、組成物中のアミノ官能性シリコーンの平均小滴サイズは2μm未満であり、理想的には0.01−1μmの範囲である。
【0083】
アミノ官能性シリコーンの予形成エマルジョンはまた、Dow Corning及びGeneral Electricのようなシリコーン油の供給業者からも入手できる。特定例は、DC929カチオン性エマルジョン、DC939カチオン性エマルジョン、並びに、非イオン性エマルジョンDC2−7224、DC2−8467、DC2−8177及びDC2−8154(いずれもDow Corningの製品)である。
【0084】
本発明に有用な第四級シリコーンポリマーの具体例は、Goldschmidt社の材料K3474である。
【0085】
“混性”毛髪(即ち、毛根が脂性で毛先が乾燥性)をトリートメントするための本発明のシャンプー組成物の場合、特に組成物がシャンプー組成物の形態であるときは、本発明の組成物中にアミノ官能性シリコーンと非アミノ官能性シリコーンとを併用するのが好ましい。このような場合、アミノ官能性シリコーン対非アミノ官能性シリコーンの重量比は典型的には1:2−1:20、好ましくは1:3−1:20、より好ましくは1:3−1:8の範囲であろう。本発明の組成物に含有させるシリコーンの全量は所望のコンディショニングレベル及び使用される材料に依存する。好ましい量は0.01−10重量%であるが、これらの範囲は絶対的ではない。下限値はコンディショニングを果たすための最低レベルによって決定され、上限値は毛髪及び/または皮膚が許容できないほど脂性になるのを避ける最高レベルによって決定される。
【0086】
シリコーンの全量は0.3−5重量%、好ましくは0.5−3重量%が好適レベルであることが知見された。
【0087】
シリコーン及びシリコーンエマルジョンの粘度は、Dow Corning Corporate Test Method CTM004, July 20,1970に詳細に記載されているようにガラス毛管粘度計を用いて測定できる。
【0088】
シリコーンを含む組成物中には、シリコーンの懸濁化剤も存在するのが好ましい。適当な懸濁化剤に関しては本文中で前述した。
【0089】
(ii)非シリコーン系の油性コンディショニング成分
本発明の組成物はまた、分散した不揮発性、水不溶性の油性コンディショニング剤を含み得る。
【0090】
この成分は小滴の形態で組成物中に分散し、組成物の水性連続相から独立した不連続相を形成している。言い換えると、油性コンディショニング剤はシャンプー組成物中に水中油型エマルジョンの形態で存在するであろう。
【0091】
“不溶性”という用語は、25℃、0.1%(w/w)の濃度で水(蒸留水または等価の水)に可溶性でない材料を意味する。
【0092】
油性コンディショニング成分のD3,2平均小滴サイズは少なくとも0.4μm、好ましくは少なくとも0.8μm、より好ましくは少なくとも1μmが適当である。更に、油性コンディショニング成分のD3,2平均小滴サイズは好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、もっと好ましくは5μm以下、更に好ましくは4μm以下、最も好ましくは3.5μm以下である。
【0093】
油性コンディショニング剤は好適には、油性または脂肪質の材料及びそれらの混合物から選択される。
【0094】
油性または脂肪質の材料は本発明のシャンプー組成物中で、髪のつやを増し、また、乾いた髪の櫛通り及び乾いた髪の感触を改善するために好ましいコンディショニング剤である。
【0095】
好ましい油性または脂肪質の材料は一般に、スピンドル3を使用し100rpmで作動するブルックフィールド粘度計(例えば、ブルックフィールドRV)によって25℃で測定して5Pa.s未満、より好ましくは1Pa.s未満、最も好ましくは0.5Pa.s未満、例えば、0.1Pa.s及びそれ以下の粘度を有している。
【0096】
もっと高い粘度をもつ油性または脂肪質の材料を使用してもよい。例えば、65Pa.sという高い粘度の材料を使用し得る。このような材料(即ち、5Pa.s以上の粘度をもつ材料)の粘度は、Dow Corning Corporate Test Method CTM004,July 20,1970に詳細に記載されているようにガラス毛管粘度計を用いて測定できる。
【0097】
適当な油性または脂肪質の材料は、炭化水素油、脂肪酸エステル及びそれらの混合物から選択される。
【0098】
炭化水素油は、環状炭化水素、直鎖状脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)、及び、分枝状脂肪族炭化水素(飽和または不飽和)を包含する。直鎖状炭化水素油は好ましくは約12−約30個の炭素原子を含有するであろう。分枝状炭化水素油はもっと多い数の炭素原子を含有できまた一般にそうであろう。アルケニルモノマー、例えば、C−Cのアルケニルモノマーの重合体炭化水素も適当である。これらのポリマーは直鎖状ポリマーでも分枝状ポリマーでもよい。直鎖状ポリマーは典型的には鎖長が比較的短く、直鎖状炭化水素一般について上述したような炭素原子総数を有している。分枝状ポリマーは実質的にもっと長い鎖長を有し得る。このような材料の数平均分子量は広範囲であり得るが、典型的には約2000以下、好ましくは約200−約1000、より好ましくは約300−約600であろう。
【0099】
適当な炭化水素油の特定例は、パラフィン油、鉱油、飽和及び不飽和のドデカン、飽和及び不飽和のトリデカン、飽和及び不飽和のテトラデカン、飽和及び不飽和のペンタデカン、飽和及び不飽和のヘキサデカン、及び、それらの混合物である。これらの化合物及びより長い鎖長の炭化水素の分枝鎖異性体も使用できる。代表的な分枝鎖異性体は、ペルメチル置換異性体のような高度に枝分かれした飽和または不飽和のアルカン、例えば、Permethyl Corporationによって販売されている2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル−10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6−ジメチル−8−メチルノナンのようなヘキサデカン及びエイコサンのペルメチル置換異性体である。炭化水素ポリマーの別の例は、イソブレチンとブテンとのコポリマーのようなポリブテンである。この種類の市販材料はAmoco Chemical Co.(Chicago,Ill.,U.S.A.)社のL−14ポリブテンである。
【0100】
特に好ましい炭化水素油は種々のグレードの鉱油である。鉱油は石油から得られた透明な油性液体である。石油からワックスを除去し高揮発性画分を蒸留によって除去する。250℃−300℃で留出する留分を鉱油と呼び、C1634からC2144までの範囲の炭化水素の混合物から構成されている。この種の適当な市販材料はSirius M85及びSirius M125などであり、いずれもSilkoleneから入手可能である。
【0101】
適当な脂肪酸エステルの特徴は、少なくとも10個の炭素原子を有していることであり、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖をもつエステル、例えば、モノカルボン酸エステル、多価アルコールエステル並びにジ−及びトリカルボン酸エステルなどがある。これらの脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルはまた、アミド及びアルコキシ部分のような及びエトキシ結合またはエーテル結合のような別の共存し得る官能基を含んでもよく、共有結合していてもよい。
【0102】
モノカルボン酸エステルとしては、式R′COORのアルコール及び/または酸のエステルがあり、式中のR′及びRは独立にアルキルまたはアルケニルラジカルを表し、R′及びRに含まれる炭素原子の総和は少なくとも10個、好ましくは少なくとも20個である。
【0103】
特定例は例えば、炭素原子数約10−約22の脂肪鎖を有している脂肪酸のアルキル及びアルケニルエステル、炭素原子数約10−約22のアルキル及び/またはアルケニルアルコール由来の脂肪鎖を有しているアルキル及び/またはアルケニル脂肪族アルコールカルボン酸エステル、約12−20個の炭素原子を有している脂肪族アルコールの安息香酸エステルである。
【0104】
モノカルボン酸エステルは、脂肪鎖の炭素原子の総数が少なくとも10個である限りは、炭素原子数10以上の鎖を必ずしも1つ以上含んでいなくてもよい。具体例は、イソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレート、ジヘキシルデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート、及び、オレイルアジペートである。カルボン酸のジ−及びトリアルキル及びアルケニルエステルも使用できる。これらは例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸及びオクタン酸のC−C22(好ましくはC−C)エステルのようなC−Cのジカルボン酸のエステルである。具体例は、ジイソプロピルアジペート、ジイソヘキシルアジペート及びジイソプロピルセバケートである。別の特定例には、イソセチルステアロイルステアレート及びトリステアリルシトレートがある。
【0105】
多価アルコールエステルとしては、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノ及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコールモノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、ポリグリセロールポリ−脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、並びに、モノ−、ジ−及びトリグリセリドがある。
【0106】
特に好ましい脂肪酸エステルは、モノ−、ジ−及びトリグリセリドである。より特定的には、グリセロールとC−C22カルボン酸のような長鎖カルボン酸とのモノ−、ジ−及びトリエステルである。これらの種類の多様な材料が、植物性及び動物性の油脂、例えば、ココヤシ油、ヒマシ油、ベニバナ油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パームヤシ油、ゴマ油、ピーナツ油、ラノリン及びダイズ油から得られる。合成油としてはトリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートがある。
【0107】
好ましい材料の特定例は、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油及びココヤシ油などである。
【0108】
油性または脂肪質の材料は、適正には0.05−10重量%、好ましくは0.2−5重量%、より好ましくは約0.5−3重量%のレベルで存在する。
【0109】
本発明の組成物は好ましくは3重量%以下のスタイリングポリマー、より好ましくは1重量%未満のスタイリングポリマーを含有しており、好ましくは0.1重量%未満のスタイリングポリマーを含有しており、最適にはスタイリングポリマー非含有である。
【0110】
コンディショニング剤を含有しているヘアトリートメント組成物中には同時にカチオン性ポリマーが存在するのが好ましい。
【0111】
補助剤
本発明の組成物は更に、ヘアケア用の適当な補助剤を含有し得る。一般的にこのような成分は各々が全組成物の2重量%以下、好ましくは1重量%以下のレベルで含有される。
【0112】
適当なヘアケア用補助剤の例は:
(i)アミノ酸及び糖のような天然の毛根栄養素。適当なアミノ酸の例は、アルギニン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、セリン及びバリン、及び/または、それらの前駆体及び誘導体である。アミノ酸は単独で添加しても混合物として添加してもよく、または、ペプチド、例えばジ−及びトリペプチドの形態で添加してもよい。アミノ酸はまたケラチンまたはコラーゲンの加水分解物のようなタンパク質の加水分解物の形態で添加してもよい。適当な糖はグルコース、デキストロース及びフルクトースである。これらは単独で添加してもよく、または、例えば果実エキスの形態で添加してもよい。本発明の組成物に含有させる天然の毛根栄養素の特に好ましい組合せはイソロイシンとグルコースである。特に好ましいアミノ酸栄養素はアルギニンである。
(ii)毛髪繊維有益物質。具体例は:
−繊維に潤いを与えクチクラの完全性を維持するセラミド。セラミドは天然資源から抽出してもよく、または合成セラミド及び擬似セラミドとして入手してもよい。好ましいセラミドは、Quest社のCeramide IIである。Laboratoires Serobiologiques社のCeramides LSのようなセラミド混合物も適当であろう。
【0113】
微量成分
組成物はまた色素、着香料及び安定剤のような慣用成分を含有し得る。
【0114】
次に本発明を以下の非限定的な実施例によって例示する。
【0115】
実施例及び明細書中のすべてのパーセンテージは、他の例示がない限り全重量を基準とした重量%である。
【実施例1】
【0116】
本発明のシャンプー組成物の1つの例を以下に示す。
【0117】
【表1】

【実施例2】
【0118】
Jaguar C17を含有している本発明の組成物からのクリンバゾールの付着量を、異なる界面活性剤系を含有している以外は同一の組成物からのクリンバゾールの付着量と比較した。試験をin vitro皮膚で行った。以下の結果が得られた。
【0119】
【表2】

【実施例3】
【0120】
in vitro角質表面測定器を使用して本発明の組成物の低刺激性を測定した。以下の結果が得られた。
【0121】
【表3】

【実施例4】
【0122】
本発明の組成物の官能評価は一群のユーザーへの自己知覚アンケートによって行った。14:2:2のSLES:CAPB:SCAAを含有している組成物は、SLESとCAPBとだけを含有している組成物に比べて、濡れた髪及び乾いた髪の梳き易さ及び揃い易さのような特性についても、フケ防止性及び頭皮乾燥性のような知覚できる頭皮の有益効果についても卓越していることが知見された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アニオン性界面活性剤と、
(b)両性または双イオン性の界面活性剤と、
(c)アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤と、
(d)組成物に溶解しているフケ防止剤と、
を含むヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸(n)EOナトリウム(ここにnは1−3の範囲)、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸(n)EOアンモニウム(ここにnは1−3の範囲)から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アニオン性界面活性剤が組成物の10−20重量%の量で存在する請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
両性または双イオン性の界面活性剤がベタインである請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
両性または双イオン性の界面活性剤がココアミドプロピルベタインである請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
両性または双イオン性の界面活性剤が組成物の0.5−5重量%の量で存在する請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤が(C−C18アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)である請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤がココアンフォ酢酸ナトリウムまたはラウリルココアンフォ酢酸ナトリウムである請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤が組成物中に組成物の0.5−5重量%の量で存在する請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
フケ防止剤がクリンバゾールである請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
フケ防止剤が組成物中に0.1−5重量%の量で存在する請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が0.01−5重量%の量のカチオン性ポリマーを含む請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
5−8の範囲のpHを有している請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
6−7の範囲のpHを有している請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
シャンプーである請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物を頭髪に塗布する頭髪のトリートメント方法。
【請求項17】
組成物に溶解しているフケ防止剤を含むヘアトリートメント組成物の低刺激性を強化するための、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤とを含む界面活性剤混合物の使用。
【請求項18】
ヘアトリートメント組成物からのフケ防止剤の付着性を強化するための、アニオン性界面活性剤と両性または双イオン性の界面活性剤とアルキルアンフォアルカノエート界面活性剤とを含む界面活性剤混合物の使用。
【請求項19】
フケ防止剤がクリンバゾールである請求項17または18に記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アニオン性界面活性剤と、
(b)両性または双イオン性の界面活性剤と、
(c)アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤と、
(d)組成物に溶解しているフケ防止剤と、
を含み、フケ防止剤がクリンバゾールであるヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸(n)EOナトリウム(ここにnは1−3の範囲)、ラウリル硫酸アンモニウム及びラウリルエーテル硫酸(n)EOアンモニウム(ここにnは1−3の範囲)から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アニオン性界面活性剤が組成物の10−20重量%の量で存在する請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
両性または双イオン性の界面活性剤がベタインである請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
両性または双イオン性の界面活性剤がココアミドプロピルベタインである請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
両性または双イオン性の界面活性剤が組成物の0.5−5重量%の量で存在する請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤が(C−C18アルキル)アンフォ(C−Cアルカノエート)である請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤がココアンフォ酢酸ナトリウムまたはラウリルココアンフォ酢酸ナトリウムである請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
アルキルアンフォアルカノエート界面活性剤が組成物中に組成物の0.5−5重量%の量で存在する請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
フケ防止剤が組成物中に0.1−5重量%の量で存在する請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が0.01−5重量%の量のカチオン性ポリマーを含む請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
5−8の範囲のpHを有している請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
6−7の範囲のpHを有している請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
シャンプーである請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を頭髪に塗布する頭髪のトリートメント方法。

【公表番号】特表2006−512342(P2006−512342A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561287(P2004−561287)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014180
【国際公開番号】WO2004/056329
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】