説明

ヘアトリートメント組成物

(i)(a)MQ樹脂とポリジオルガノシロキサンとのブレンドと、(b)疎水性に改質されたセルロースエーテルとを含むヘアトリートメントクリーム組成物を毛髪に塗布する段階と、(ii)毛髪を櫛梳きおよび/またはスタイリングする段階とを含む毛髪のスタイリング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘアトリートメント組成物および毛髪のトリートメントにおけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO 2007/051505(Unilever)はリーブオンスタイリング組成物中の感圧接着剤を記載している。
【0003】
本発明は、毛髪のスタイリングに使用できしかも櫛通り容易性を増進する組成物に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2007/051505号
【発明の概要】
【0005】
従って本発明は、
(1)(a)MQ樹脂とポリジオルガノシロキサンとのブレンドと、
(b)疎水性に改質されたセルロースエーテルと、
を含むヘアトリートメントクリームを毛髪に塗布する段階を含む毛髪のスタイリング方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
他に特定されていなければ、以後に引用するすべての重量%の値はヘアトリートメント組成物の全重量を基準とした重量パーセンテージである。
【0007】
本発明の組成物はMQシリコーン樹脂とポリジオルガノシロキサンとのブレンドを含む。好ましくはこのような材料は感圧接着剤として作用する。“感圧接着剤”(PSA)という用語は室温で恒久的に粘着性であり接触するだけでまたは軽度の圧力を加えることによって測定可能な接着力を表面に発揮できる材料を意味する。一般的にそれらは熱を必要としない。接着剤と被着面との間に化学反応は全く生じない。接着剤の硬化は不要でありまた接着過程中に消失させるべき溶媒も不要である。
【0008】
好ましいブレンドは、(a)40から70重量部の少なくとも1種類のシリコーンコポリマー樹脂と、(b)30から60重量部の少なくとも1種類のポリジオルガノシロキサンとを含む。
【0009】
好ましいMQ樹脂は(MeSiO1/2(SiO4/2)であり、式中、1<x<3、より好ましくは0.5<x<1.5である。
【0010】
記載したブレンドは好ましくは溶媒和している。溶媒の例はエステル類およびアルコール類であり、好ましい溶媒はシリコーンおよび炭化水素またはそれらの混合物である。好ましい溶媒はシクロペンタシロキサンである。
【0011】
ブレンドの溶媒はブレンドと溶媒系との合計レベルの少なくとも50重量%、より好ましくは40から70重量%、最も好ましくは50から60重量%のレベルで存在するのが好ましい。
【0012】
溶媒和したブレンドのレベルは好ましくは全組成物の0.001から3重量%、より好ましくは0.01から2重量%、最も好ましくは全組成物の0.1から1重量%である。
【0013】
本発明の組成物は疎水性に改質されたセルロースエーテルを増粘剤として含む。
【0014】
本発明に有用な疎水性に改質されたセルロースエーテルは好ましくは非イオン性ポリマーである。本発明に有用な疎水性に改質されたセルロースエーテルは親水性セルロース主鎖と疎水性置換基とを含む。親水性セルロース主鎖はセルロースが水溶性になるために十分な程度の非イオン性置換を有している。このような親水性セルロース主鎖は、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物から成る群から選択される。非イオン性置換の量は臨界的でなく、親水性セルロース主鎖が水溶性になることを確保するために十分な量で存在しさえすればよい。親水性セルロース主鎖は、約800,000未満、好ましくは約20,000から約700,000、または約75D.P.から約2500D.P.の分子量を有している。また、高い粘度増進効果が望まれていないときは、もっと低い分子量のセルロース主鎖が好ましい。好ましい親水性セルロース主鎖の1つは約50,000から700,000の分子量を有しているヒドロキシエチルセルロースである。この分子量のヒドロキシエチルセルロースは考察された材料のうちで最も親水性の材料の1つであることが判っている。したがって、ヒドロキシエチルセルロースは他の親水性セルロース主鎖よりも高度に改質することができる。
【0015】
親水性セルロース主鎖はさらに、疎水性に改質されたセルロースエーテルの水への溶解度を1%未満、好ましくは0.2%未満にするためにエーテル結合を介して疎水性置換基で置換される。疎水性置換基は、炭素数約10から約22の直鎖状または分枝状アルキル基から選択され、親水性セルロース主鎖中の親水性基と疎水性置換基との比は約2:1から約1000:1、好ましくは約10:1から約100:1である。
【0016】
本発明に有用な疎水性に改質された市販のセルロースエーテルは、NATROSOL PLUS 330CSおよびPOLYSURF 67という商品名を有しているセチルヒドロキシエチルセルロースを含む。いずれもAqualon Company,Del,USAから入手可能であり、全ポリマーの約0.4から約0.65重量%のセチル基置換を有している。
【0017】
ヒドロキシエチルセルロースまたはその誘導体は好ましくは全組成物の0.01から3重量%、より好ましくは0.01から0.1重量%のレベル、最も好ましくは0.1重量%を下回るレベルで存在している。
【0018】
MQ樹脂/ポリジオルガノシロキサンのブレンド(a)と疎水的に改質されたセルロース(b)との比は好ましくは1:1から10:1、より好ましくは2:1から12:1、最も好ましくは5:1から10:1である。
【0019】
本発明の組成物はさらに、0.001から10重量%のヘアスタイリングポリマーを含み得る。
【0020】
本発明の組成物中のヘアスタイリングポリマーのより好ましい量は、組成物の0.1から5重量%、いっそう好ましくは0.5から3重量%である。しかしながら、追加のヘアスタイリングポリマーは存在しないかまたは全組成物の0.01重量%を下回るレベルで存在するのが極めて好ましい。
【0021】
ヘアスタイリングポリマーは公知である。適当なヘアスタイリングポリマーは、ポリマーの性質をカチオン性、アニオン性、両性または非イオン性にする部分を含有する市販のポリマーを含む。適当なヘアスタイリングポリマーはたとえばブロックコポリマーおよびグラフトコポリマーを含む。ポリマーは合成でもよく天然由来でもよい。
【0022】
本発明の組成物は界面活性剤を含み得る。本発明の組成物に使用するための適当な界面活性剤は、製品形態次第で、非イオン性、カチオン性、アニオン性、双イオン性またはこのような界面活性剤の混合物でよい。
【0023】
全組成物が3重量%未満、より好ましくは1重量%未満のアニオン性および非イオン性の界面活性剤を含むのが好ましい。
【0024】
本発明の組成物はまた水を含むことができる。水は典型的には30から98重量%、好ましくは50から95重量%の範囲の量で存在するであろう。
【0025】
炭化水素、エステル、シリコーン油およびカチオン性材料のようなヘアコンディショニング剤を本発明の組成物に含有させ得る。ヘアコンディショニング剤は、典型的には0.001から10重量%、好ましくは0.1から3重量%の量で本発明の組成物中に存在し得る。ヘアコンディショニング剤は単一化合物でもよく、または、同じクラスもしくは異なる一般クラスの2種以上の化合物の混合物でもよい。
【0026】
ヘアコンディショニング剤は、組成物がヘアスタイリングポリマーを含有しているか否かにかかわりなく、いかなる本発明の組成物にも含有させ得る。本発明の1つの実施態様においては、組成物(たとえば、エアゾールムース配合物)がヘアコンディショニング剤を含みヘアスタイリングポリマーを実質的に含まない。
【0027】
適当な炭化水素は直鎖状でも分枝状でもよく、約10から約16、好ましくは約12から約16個の炭素原子を含有している。適当な炭化水素の例は、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカンおよびそれらの混合物である。
【0028】
適当な油脂材料は炭化水素油、脂肪エステルおよびそれらの混合物から選択される。
【0029】
直鎖状炭化水素油は好ましくは約12から約30個の炭素原子を含有するであろう。C−Cアルケニルモノマーのようなアルケニルモノマーの重合性炭化水素も適当である。
【0030】
適当な炭化水素油の具体例は、パラフィン油、鉱油、飽和および不飽和のドデカン、飽和および不飽和のトリデカン、飽和および不飽和のテトラデカン、飽和および不飽和のペンタデカン、飽和および不飽和のヘキサデカン、それらの混合物を含む。これらの化合物の分枝状異性体およびより長い鎖長の炭化水素も使用できる。
【0031】
適当な脂肪エステルの特徴は少なくとも10個の炭化水素を有することであり、脂肪酸またはアルコールから誘導されたヒドロカルビル鎖をもつエステルを含む。モノカルボン酸エステルは、式R’COORのアルコールおよび/または酸のエステルを含み、式中のR’およびRは独立にアルキルまたはアルケニルラジカルを表し、R’とRとの炭素原子の和は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である。カルボン酸のジ−およびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用できる。
【0032】
特に好ましい脂肪エステルは、モノ−、ジ−およびトリグリセリド、より具体的にはグリセロールのモノ−、ジ−およびトリ−エステル、ならびに、C−C22カルボン酸のような長鎖カルボン酸である。好ましい材料は、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油およびココヤシ油を含む。
【0033】
油脂材料は適正には0.05から10、好ましくは0.2から5、より好ましくは約0.5から3重量%のレベルで存在する。
【0034】
本発明に有用な適当なシリコーンコンディショニング剤の例は、環状または直鎖状のポリジメチルシロキサン、フェニルおよびアルキルフェニルシリコーン、ならびに、シリコーコポリオールを含み得る。本発明に有用なカチオン性コンディショニング剤は第四級アンモニウム塩または脂肪アミンの塩たとえばセチルアンモニウムクロリドを含み得る。
【0035】
本発明の組成物は場合により、0.1から10重量%の揮発性シリコーンをヘアコンディショニング剤として含み得る。揮発性シリコーンは当業界で公知であり、市販されており、たとえば、直鎖状および環状化合物を含む。揮発性シリコーン油は好ましくは約3から約9個のケイ素原子を含有する直鎖状または環状のポリジメチルシロキサンである。
【0036】
本発明の組成物はまた別のシリコーンを好ましくはエマルジョンの形態で含み得る。
【0037】
適当なシリコーンエマルジョンは、ポリジオルガノシロキサン、特に、CTFA名称をジメチコーンというポリジメチルシロキサン、CTFA名称をジメチコノールというヒドロキシル末端基をもつポリジメチルシロキサン、および、CTFA名称をアモジメチコーンというアミノ官能性ポリジメチルシロキサンのようなシリコーンから形成されたエマルジョンを含む。
【0038】
本発明の組成物においてエマルジョンの液滴は典型的には0.01から20マイクロメーター、より好ましくは0.2から10マイクロメーターの範囲のSauter平均液滴直径(D3,2)を有し得る。
【0039】
Sauter平均液滴直径(D3,2)の適当な測定方法は、Malvern Mastersizerのような計器を使用するレーザー光散乱による方法である。
【0040】
本発明の組成物に使用するための適当なシリコーンエマルジョンは、Dow CorningおよびGE Siliconesのようなシリコーン供給業者から入手できる。加工容易性およびシリコーン粒度管理のためにはこのような予製(pre−formed)シリコーンエマルジョンの使用が好ましい。このような予製シリコーンエマルジョンは典型的には、アニオン性または非イオン性乳化剤またはそれらの混合物のような適当な乳化剤をさらに含み、乳化重合のような化学的乳化工程または高剪断ミキサーを使用する機械的乳化によって調製され得る。0.15マイクロメーター未満のSauter平均液滴直径(D3,2)を有している予製シリコーンエマルジョンは一般にマイクロエマルジョンと呼ばれている。
【0041】
適当な予製シリコーンエマルジョンの例は、エマルジョンDC2−1766、DC2−1784、DC−1785、DC−1786、DC−1788、ならびに、マイクロエマルジョンDC2−1865およびDC2−1870を含み、いずれもDow Corningから入手可能である。これらはいずれもジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。DC939、DC7134(Dow Corning製)およびSME253(GE Silicones製)のようなアモジメチコーンエマルジョンも適当である。
【0042】
上記に記載のシリコーンエマルジョンのいずれかの混合物も使用し得る。
【0043】
シリコーンは、組成物の全重量を基準としたシリコーンの総重量で表して一般には0.05から10重量%、好ましくは0.05から5重量%、より好ましくは0.5から2重量%のレベルで本発明の組成物中に存在するであろう。
【0044】
本発明の組成物は場合により単独でまたは混合物として使用されたカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0045】
本発明の組成物は、化粧品に許容され毛髪への外用塗布に適している1種以上のカチオン性界面活性剤を含む。
【0046】
本発明の組成物に使用するための適当なカチオン性界面活性剤は、組成物中で溶解したときに正電荷を帯びるアミノまたは第四級アンモニウム親水性部分を含有する。
【0047】
適当な第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤は、以下の一般式(I):
[N(R)(R)(R)(R)](X) (I)
に対応しており、式中の、R、R、RおよびRはおのおの独立に、(a)炭素原子数1から22の脂肪族基、または(b)炭素原子数22以下の芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され、Xはハロゲン(たとえば、クロリド、ブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフェートおよびアルキルスルフェートラジカルから選択されるような塩形成アニオンである。
【0048】
脂肪族基は炭素原子および水素原子に加えて、エーテル結合、および、アミノ基のような他の基を含有できる。より長鎖の脂肪族基、たとえば、炭素数約12以上の脂肪族基は飽和でも不飽和でもよい。
【0049】
一般式(I)のカチオン性界面活性剤の1つの適当なクラスにおいて、RおよびRはおのおの独立に、RおよびRの双方に少なくとも1つのエステル結合を含むC16からC22のヒドロカルビル鎖から選択され、RおよびRはおのおの独立にCHおよびCHCHOHから選択される。
【0050】
一般式(I)のカチオン性界面活性剤の別の適当なクラスにおいて、RおよびRはおのおの独立に、C16からC22の飽和または不飽和、好ましくは飽和鎖から選択され、RおよびRはおのおの独立にCHおよびCHCHOHから選択され、好ましくはCHである。
【0051】
一般式(I)のカチオン性界面活性剤の1つの好ましいクラスにおいて、RはC16からC22のアルキル鎖であり、R、RおよびRはおのおの独立にCHおよびCHCHOHら選択され、好ましくはCHである。
【0052】
一般式(I)の適当な第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドテシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウムクロリド、PEG−2オレイルアンモニウムクロリド、および、クロリドがハロゲン(たとえばブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフェートまたはアルキルスルフェートによって置換されたこれらの塩である。本発明に使用するための特に好ましい第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤は、たとえば、Hoechst Celanese社のGENAMIN CTAC、Akzo Nobelによって供給されているArquad 16/29のような市販のセチルトリメチルアンモニウムクロリド、および、Clariantによって供給されているGenamin KDM−Pのようなベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)である。
【0053】
上記材料のいずれかの混合物も適当であろう。
【0054】
第一級、第二級および第三級脂肪アミンの塩も本発明に使用するための適当なカチオン性界面活性剤である。このようなアミンのアルキル基は好ましくは約12から約22の炭素原子を有しており、置換されていても未置換でもよい。これらのアミンは典型的にはカチオン性種を与えるために酸と組合せて使用される。
【0055】
アミンの好ましいクラスは以下の一般式(II):
−C(O)−N(H)−R−N(R)(R) (II)
に対応しており、式中のRは12から22個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖であり、Rは1から4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、RおよびRは独立に、1から4個の炭素原子を有しているアルキル基である。
【0056】
適当な一般式(II)の材料の具体例は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、および、ジエチルアミノエチルステアラミドである。
【0057】
また、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロウプロパンジアミン、(5モルのエチレンオキシドで)エトキシル化したステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、および、アラキジルベヘニルアミンも有用である。
【0058】
ステアラミドプロピルジメチルアミンが特に好ましい。
【0059】
上記材料のいずれかの混合物も適当であろう。
【0060】
カチオン性種を提供するために使用される酸は遊離アミン窒素を中和するために十分な酸度をもついかなる有機酸または無機酸でもよい。このような酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、酢酸、グルコン酸、グリコール酸およびプロピオン酸またはそれらの組合せを含む。一般的に、アミドアミン化合物を中和し組成物の最終pHを約2.5から約6の範囲内、好ましくは約3から約5のpH範囲に調整するために十分な量の酸を添加する。陽子付加可能なアミン基と酸由来のHとのモル比は好ましくは約1:0.3から1:1.2、より好ましくは約1:0.5から約1:1.1である。
【0061】
上記に記載のカチオン性界面活性剤のいずれかの混合物も適当であろう。
【0062】
本発明の組成物中で、カチオン性界面活性剤のレベルは、組成物の全重量を基準としてカチオン性界面活性剤が好ましくは0.1から10重量%、より好ましくは0.2から5重量%、最も好ましくは0.25から4重量%となる範囲である。
【0063】
本発明のコンディショナー組成物はさらに脂肪アルコール材料を含む。コンディショニング組成物中で脂肪アルコール材料とカチオン性界面活性剤とを併用すると、これによってカチオン性界面活性剤を分散させているラメラ相が形成されるので特に有利であると考えられる。
【0064】
“脂肪アルコール材料”は、脂肪アルコール、アルコキシル化脂肪アルコールまたはそれらの混合物を意味する。
【0065】
代表的な脂肪アルコールは8から22個の炭素原子、より好ましくは16から20個の炭素原子を含む。適当な脂肪アルコールの例。
【0066】
本発明の組成物は好ましくはリーブイン配合物として配合される。
【0067】
製品が塗布後に毛髪に維持され直ちに(塗布後1時間以内に)洗い落とされない(より好ましくは製品が少なくとも4時間は毛髪に維持される、最も好ましくは普通は1日に1回または2回の髪を整えるときにだけ製品が塗布され、髪を整え直すのが必要になるまで除去されない)のが好ましい。
【0068】
本発明の組成物は、たとえばムース、ジェル、ローション、クリーム、スプレーおよびトニックのような様々な形態を有し得る。これらの製品形態は当業界で公知である。
【0069】
好ましい製品はクリームである。
【0070】
クリームはまた別の構造化剤または増粘剤を全重量基準で典型的には0.1から10重量%、好ましくは0.5から3重量%のレベルで含む。
【0071】
適当な構造化剤または増粘剤の例は、カルボキシビニルポリマーのような高分子増粘剤である。カルボキシビニルポリマーは、不飽和オレフィン系カルボン酸モノマーと全モノマーの約0.01から約10重量%の多価アルコールのポリエーテルとを含むモノマー混合物のインターポリマーである。カルボキシビニルポリマーは液体に実質的に不溶な揮発性有機炭化水素であり、空気に暴露されたときに寸法安定性である。カルボキシビニルポリマーの適正な分子量は少なくとも750,000、好ましくは少なくとも1,250,000、最も好ましくは少なくとも3,000,000である。好ましいカルボキシビニルポリマーはUS特許2,798,053に記載されているようなアリルスクロースまたはアリルペンタエリトリトールで架橋されたアクリル酸のコポリマーである。これらのポリマーはB.F.Goodrich CompanyによってたとえばCARBOPOL 934、940、941および980として提供されている。同じく構造化剤または増粘剤として使用できる他の材料は、組成物にゲル様粘度を付与できる材料、たとえば、セルロースエーテル(たとえば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース)、グアーガム、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルグアーガム、デンプンおよびデンプン誘導体のような水溶性またはコロイド的に水溶性のポリマー、ならびに、他の増粘剤、粘度調整剤、ゲル化剤などを含む。また、ベントナイトクレーまたはラポナイトクレーのような無機増粘剤を使用することも可能である。
【0072】
本発明の毛髪用組成物は、美容的に好感される組成物とするためまたは容器からの吐出を含めて製品を使用し易くするための様々な必須でない任意成分を含有できる。このような慣用の任意成分は当業者に公知であり、たとえば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベンおよびイミダゾリジニルウレアのような保存剤、セテアリールアルコール、セチルアルコールおよびステアリルアルコールのような脂肪アルコール、クエン酸、コハク酸、水酸化ナトリウムおよびトリエタノールアミンのようなpH調整剤、FD&CまたはD&C染料のいずれかのような着色剤、香料油、エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤、グリセリンおよびプロピレングリコールのようなポリマー可塑剤がある。
【0073】
次に、以下の非限定実施例によって本発明をより詳細に説明する。
【実施例】
【0074】
本発明の実施例を番号で表し、比較例を文字で表す。
【0075】
【表1】

5gの毛髪用製品でトリートメントを行ったヘアピースを熟練のパネリストが評価した。
【0076】
【表2】

結果は、比較例と本発明の実施例との間の有意な差を示す。
【0077】
本発明の実施例は、容易な櫛通りおよび滑らかな感触を有意に向上させ、毛羽立ちを有意に減少させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)毛髪に
(a)MQ樹脂とポリジオルガノシロキサンとのブレンド、および
(b)疎水性に改質されたセルロースエーテル、
を含むヘアトリートメントクリーム組成物を塗布する段階、
(ii)毛髪を櫛梳きおよび/またはスタイリングする段階
を含む毛髪のスタイリング方法。
【請求項2】
MQ樹脂が式:
(MeSiO1/2(SiO4/2
[式中、1<x<3]
を有している請求項1または2に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
MQ樹脂とポリジオルガノシロキサンとのブレンドが溶媒和されている請求項1から2のいずれか一項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
疎水性に改質されたセルロースがエーテルセチルヒドロキシエチルセルロースである請求項1から3のいずれかに記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
さらにヘアコンディショニング剤を含む請求項1から4のいずれかに記載のヘアトリートメント組成物。

【公表番号】特表2012−516866(P2012−516866A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548633(P2011−548633)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/050651
【国際公開番号】WO2010/089199
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】