説明

ヘッジホッグ経路阻害剤の経口製剤

【課題】ヒト又は動物の被検体への式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、IPI−926)の経口投与に有用である医薬製剤を提供する。
【解決手段】IPI−926の粒子径を増加させることによって、IPI−926の溶解の度合い及び溶解率の両方を増加させる。また、医薬製剤は、1つ以上の他の薬学的に許容可能な充填剤、結合剤、界面活性剤、及び、崩壊剤及び1つ以上の他の治療剤などを含むことができる。また、本発明は、前記医薬製剤を調製し、及び、使用する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互引用】
【0001】
この出願は、2009年11月6日に出願された米国仮出願61/280,628号に基づく優先権の利益を主張する。この米国仮出願の全体が、本出願に引用によって組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[背景技術]
ヘッジホッグ(Hh)経路を介する悪性活性化(ないしは、癌化 Malignant activation)は、癌において、極めて重要な役割を果たす(Jiang and Hui, "Hedgehog Signaling in Development and Cancer" Developmental Cell Review (2008) 15:801-812)。このHh経路には、2つの細胞膜タンパク質(パッチド(Patched:PTC)及びスムーズンド(Smoothend:SMO))が関与しており、Hh経路はHhリガンドの有無によって制御される。ほとんどの成熟した細胞においては、Hh経路は、活性状態ではない。リガンドの不在下では、Smoは、Ptcによって、不活性の状態に保たれ、Gli転写因子は、核に転写の促進をさせない。Hhリガンドが存在する場合には、このリガンドがPtcに結合することによって、Smoによるシグナルカスケード(Gli転写因子を修飾してGliを核に移行させるカスケード)の開始を許容する。このシグナルカスケードは、腫瘍の生存及び成長を促進する遺伝子の転写を引き起こす。Smoが、Hh経路を介する悪性活性化において重要な役割を果たすことから、Smoは、広範囲の癌の制御(ないし管理 management)のための標的となる。IPI−926は、Smoの活性を直接的にブロックする、新規の半合成の(semisynthetic)Hh経路阻害剤である(Tremblay et al., "Discovery of a Potent and Orally Active Hedgehog Pathway Antagonist (IPI-926)" Journal of Medicinal Chemistry (2009) 52: 14 4400-4418)。

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Jiang and Hui "Hedgehog Signaling in Development and Cancer" Developmental Cell Review (2008) 15:801-812)
【非特許文献2】Tremblay et al., "Discovery of a Potent and Orally Active Hedgehog Pathway Antagonist (IPI-926)" Journal of Medicinal Chemistry (2009) 52: 14 4400-4418
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経口投与は、一般的には、簡便で患者にとって許容可能な投与経路であるので、好ましい医薬品の投与形態の1つである。このタイプの投与形態において、薬剤物質(drug substance)は、典型的には、少なくとも1つの膜を介して吸収される必要がある。薬剤物質が、固体状の経口投与製剤の成分である場合には、薬剤物質の吸収は、典型的には、固体状の経口投与剤が溶解する時点で生じる。上記の事象は、時には、薬剤の薬物動態に対する大きな影響を有し、吸収される薬剤物質の実際量の減少をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、ヒト又は動物の被検体への式(I)の化合物(下記)又はその薬学的に許容可能な塩(例えばIPI−926)の経口投与に有用であること(例えば、固体状の投与形態であること)を特徴とする医薬製剤に関する。

本発明に係る製剤(formulation)は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、IPI−296)を活性成分として含む。本発明に係る製剤は、例えば、1つ以上の他の薬学的に許容可能な充填剤(単数又は複数)(ないしはフィラー filler)、結合剤(単数又は複数)、界面活性剤(単数又は複数)、崩壊剤(単数又は複数)、及び、1つ以上の他の治療剤をさらに含むことができるが、これらに限定されない。また、本出願は、前記製剤を調製し、及び使用することを特徴とする方法に関する。
【0006】
一般的には、治療上の効果をもたらすためには、経口投与剤が少なくとも可溶化し、腸壁を経て身体に拡散する必要がある。しかしながら、薬剤が、例えば、(崩壊性を低下させる)低溶解性を有する場合、及び/又は、崩壊性を低下させる他の特徴を有する場合には、このプロセスは妨げられる。薬剤又は製剤が固体である場合には、この問題は、典型的には、薬剤の粒子径を減少させることによって対処される。固体の粒子径の減少によって、グラムあたりの固体の表面積は増加する。言い換えれば、固体の粒子径の減少によって、溶解に利用できる表面積は増加する。一般的に、グラムあたりの固体の表面積が増加すると、溶解率(dissolution rate)もまた増加する。このため、固体の粒子径の減少によって、ある特定の固体の溶解率を増加することが期待される。
【0007】
様々な水性の媒体に溶解させようとすると、IPI−926は、溶解するよりもむしろゲルを形成する。ゲルの形成は、例えば、インビボにおけるIPI−926のイレギュラーな放出の原因となり得るため、製剤としての観点から問題である。小さい粒子径(例えば、150マイクロメートル未満の粒子径)のIPI−926が採用される場合でさえ、溶解率は低く、溶解率の低さに起因してゲル形成も生じる。
【0008】
しかしながら、驚くべきことに、製剤化されたIPI−926の粒子径を増加させることによって、IPI−926の溶解の度合い及び溶解率の両方が増加し得ることが分かった(例えば、0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体において37℃で90分後に75%が溶解する)。大きな粒子の溶解率は小さい粒子の溶解率よりも低くなる傾向があることが予測されたため、この結果は驚くべき結果であり、予想外の結果でもあった。繰り返すが、大きな粒子ほど、グラムあたりの表面積がより小さく(ないしは、低く)なる傾向があるため、したがって、溶解に利用できる表面積が減少することとなる。本出願に記載の1つの実施例において、500マイクロメートル以上の粒子径を有する、製剤化されたIPI−926が、実用的な速度(practical rate)で溶解し、(例えば、0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体において37℃で90分後に75%が溶解する)、そして、実質的なゲル形成も無く溶解することが分かった。
【0009】
さらに、製剤中の大きな粒子径[を有する粒子]及び小さな粒子径[を有する粒子]の配合のバランスをとることによって、より小さな粒子径の粒子(この粒子径は、例えば、溶解が試みられた際にゲル化することが知られている製剤化されたIPI−926の粒子径である(例えば、250マイクロメートル未満であり、150マイクロメートル未満であり、125マイクロメートル未満の[粒子径]である))の僅かとは言えないかなりの量(non-trivial amounts、例えば20−50%)を使用することができる。したがって、上記で論じた所望の結果を達成するために、より大きな寸法の粒子のみを使用する必要はなく、スケールアップの目的にとって有利であり得る。それ故、本出願に記載のいくつかの実施例において、製剤中に、様々な粒子径の粒子を配合することができ、これは例えば、相対的に大きな粒子(例えば、500マイクロメートル以上の粒子径)、及び相対的に小さな粒子(例えば、250マイクロメートル未満であり、150マイクロメートル未満であり、125マイクロメートル未満の粒子径)の両方を、[製剤中に]含むことができる。また、様々な結晶度(crystallinity)(例えば、80%を上回る結晶度(crystalline)、又は80%未満の結晶度)の化合物も使用できることがさらに分かっており、上記の溶解特性を達成できることも分かっている。例えば80%を上回る結晶度を有する化合物であっても、製剤化されたIPI−926の粒子径を大きくすることによって(例えば、製剤中に、500マイクロメートルより大きい粒子径の粒子を少なくとも50%含むようにする)、使用可能であることが分かっている。
【0010】
本出願に使用される場合、用語「粒子」(particle)は、固形混合物(ないし混成物(solid composite))を意味し、該固形混合物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、必要であるならば、1つ以上の追加の薬学的に許容可能な固体と、を含む。ここで、追加の薬学的に許容可能な固体とは、例えば、1つ以上の薬学的に許容可能な充填剤(単数又は複数)、結合剤(単数又は複数)、界面活性剤(単数又は複数)、崩壊剤(単数又は複数)及び1つ以上の他の治療剤(単数又は複数)を示す。同様に、用語「粒子径」は、固形混合物の粒子の大きさを意味し、該固形混合物は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、必要であるならば、1つ以上の追加の薬学的に許容可能な固体と、を含む。ここで、追加の薬学的に許容可能な固体とは、例えば、1つ以上の薬学的に許容可能な充填剤(単数又は複数)、結合剤(単数又は複数)、界面活性剤(単数又は複数)、崩壊剤(単数又は複数)及び1つ以上の他の治療剤(単数又は複数)を示す。
【0011】
説明の便宜上、本出願に記載される250マイクロメート未満の粒子径を有する固体物質(該粒子径は、150マイクロメートル未満の粒子径又は125マイクロメートル未満の粒子径を含むが、これらに限定されない)は、本出願において時には、「微粒子(fines)」又は「微粒子の形態」と称される。
【0012】
本出願に記載される製剤は、好ましくは、経口的に投与される式(I)の化合物(例えば、IPI−926)の投与後(post-delivery)の溶解率を増加させるために使用される。いくつかの実施形態において、製剤は、胃及び消化管における、式(I)の化合物(例えば、IPI−926)の溶解の度合い及び/又は溶解率の増加を達成するために使用され得、式(I)の化合物が排出及び/又は分解(degradation)される前に、これらの組織で吸収される可能性を増加させる。このため、本出願に記載されるように製剤化される場合には、化合物の経口の生物学的利用性(bioavailability)が増加し得る。式(I)の化合物(例えば、IPI−926)が、湿式顆粒化製剤として製剤化されるとき、溶解性及び/又は崩壊率のさらなる増加が、達成され得る。湿式顆粒化処理によって得られる化合物の大半は、例えば、より大きな粒子径、及び/又は、より低いパーセントの結晶度を示す傾向があり、この化合物においては、実質的に検出可能なゲル形成は生じず、実用的な速度で溶解することがさらに観察される。
【0013】
1つの視点において、式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、製剤中に存在する微粒子の量が製剤のゲル形成を生じない範囲内であること、及び、製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。本出願に使用される場合、「製剤中に存在する微粒子の量が製剤のゲル形成を生じない範囲内である」という表現は、微粒子を含まない製剤をも包含することが意図される。
【0014】
他の視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、製剤の80%以下が250マイクロメートル未満の粒子径を有すること、及び、製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。本出願に使用される場合、「製剤の80%以下が250マイクロメートル未満の粒子径を有する」という表現は、250マイクロメートル未満の大きさの粒子を含まない製剤(即ち、製剤における250マイクロメートル未満の粒子径の粒子は0%である)をも包含することが意図される。
【0015】
さらなる視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、製剤の80%以下が150マイクロメートル未満の粒子径を有すること、及び、製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。本出願で使用される場合、「製剤の80%以下が150マイクロメートル未満の粒子径を有する」という表現は、150マイクロメートル未満の大きさの粒子を含まない製剤(即ち、製剤における150マイクロメートル未満の粒子径の粒子は0%である)をも包含することが意図される。
【0016】
他の視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、製剤の60%以下が125マイクロメートル未満の粒子径を有すること、及び製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。本出願で使用される場合、「製剤の60%以下が125マイクロメートル未満の粒子径を有する」という表現は、125マイクロメートル未満の大きさの粒子を含まない製剤(即ち、製剤における125マイクロメートル未満の粒子径の粒子は0%である)をも包含することが意図される。
【0017】
粒子径ごとに粒子を区分けること(particle sizing)及び粒子径の決定は、次のように行なった。約50−100gの乾燥した顆粒化物をブレンドした後に採取する(remove)。次の米国で標準的な篩(篩目及び孔径について以下に記載される)を最大の[篩目及び孔径を有する]篩から最小の[篩目及び孔径を有する]篩まで重ねた、即ち、[上から順に、]#20(850μm)、#40(425μm)、#60(250μm)、#80(180μm)、#120(125μm)、#200(75μm)、そして[最後に]受け皿を重ねた。次に、計量した顆粒化物を、重ねられた篩の頂点に位置する#20の篩に移した。次に、篩をゆっくり撹拌するための振動の力又は鈍力を使用して、順にメカニカル的に篩をゆっくり撹拌した。篩を通過する粒子がなくなるまで、[即ち、篩によって粒子径ごとに分離が完了するまで]篩をゆっくり振動した。次に、各篩に残る顆粒化物の重さを測定する。次に、各篩に残る(顆粒化物の)重量パーセント(% w/w)を以下の式を使用して算出する。
(篩上にある顆粒化物の重量/顆粒化物の総重量)×100
【0018】
また、粒子径は、本発明の技術分野で知られる他の従来の方法(レーザー回折のような方法)を使用して測定することができ、光散乱は、粒子径を測定するのに使用することができる。
【0019】
一つの視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、式(I)の化合物又はその塩が、20%未満の結晶度(又は、10%未満の結晶度、又は、例えば、1,2,3又は4%の結晶度のような5%未満の結晶度)であることを特徴とする。
【0020】
%結晶度を次のように測定した。IPI−926薬剤物質(”DS”)とは、イソプロパノール(”IPA”)溶媒和化合物(solvate)と結晶固体の両方を示す。溶媒和化合物におけるIPAは、活性成分と1対1の割合で存在するので、本出願に記載される製剤の結晶度(%)を、製剤中の残余のIPAの量(これは、ガスクロマトグラフィー(「GC」)によって測定する)を基にして決定した。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、(i)顆粒化前のIPI−926薬剤物質の結晶格子が顆粒化処理の間に破壊される時に、IPAが放出される、(ii)製剤を乾燥させる際に続いてIPAが取り除かれると考えられる。それ故、このように、製剤に残っている全てのIPAは、薬剤物質における結晶固体の存在に起因していると考えられる。50ミリグラム(「mg」)の顆粒化前のサンプル(結晶性のIPI−926薬剤物質)、及び50mgの製剤のサンプルを、個別のバイアルにそれぞれ置き、5.0mLのDMSOに溶解し、GCによって分析した。製剤中の残余のIPAを測定し、100万分の1の単位(「ppm」)によって表した。顆粒化前の薬剤物質中のIPAの量も測定し、製剤全体におけるIPI−926のパーセンテージで規格化した(adjusted)。例えば、薬剤物質中のIPAの量を100000ppmと測定し、製剤が10%の薬剤物質を含んでいるとした場合、製剤の理論上のIPA濃度は、(100000)×(0.1)=10000ppmとなる。結晶度(%)は、次の方程式を使用して決定した。

【0021】
また、結晶度の度合いは、本発明の技術分野で知られる従来の方法、例えば走査式示差熱測定(differential scanning calorimetry)、FTNIR、又は顕微鏡を使用して測定され得る。
【0022】
一つの視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体中で、0.011mg/mLと、0.033mg/mLと、0.133mg/mLとから選択される溶解媒体中の式(I)の化合物の理論上の(最大)濃度で、37℃で製剤を撹拌する場合に、式(I)の化合物の溶解率が、HPLCによって測定した時には、90分後に少なくとも60%(例えば、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%;例えば、少なくとも75%完了)であることを特徴とする。
【0023】
溶解の度合いを、10mg又は30mgの活性成分を含む製剤に対して、次の溶解/サンプル収集(sampling)条件を使用して決定した。

【0024】
溶解の度合いは、続いてHPLCによって決定された。

【0025】
使用する[移動相の濃度]勾配のプログラムは次のとおりである。0分時点(70%[濃度の移動相]A/30%[濃度の移動相]B);6分(35%A/65%B);6.5分(5%A/95%B);7分(70%A/30%B);10分(70%A/30%B)
【0026】
溶解媒体が0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenを含み、HPLC容積が20μLであったことを除いては、本質的に上記の条件と同一である条件を使用して、120mgの活性成分を含む製剤の溶解の度合いを決定した。
【0027】
一つの視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、長期間の安定性を示すことを特徴とする。
【0028】
例えば、本発明に係る製剤は、少なくとも6ヶ月間(例えば、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、少なくとも24ヶ月間)、5℃での実際の又は模式的な(simulated)保存において安定である。
【0029】
他の実施例として、本発明に係る製剤は、少なくとも3ヶ月間(例えば、少なくとも6ヶ月間、少なくとも9ヶ月間、少なくとも12ヶ月間、少なくとも18ヶ月間、少なくとも24ヶ月間)、25℃/60%の相対湿度(relative humidity)での実際の又は模式的な保存において安定である。
【0030】
さらなる実施例として、本発明に係る製剤は、少なくとも1ヶ月間(例えば、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間)、40℃/75%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定である。
【0031】
安定性試験を次のとおり行った。30mL容量の、広い口を持ち、III型のアンバーガラス製であり、レーヨンコイル(rayon coil)(28846)で洗浄された(W015122)瓶に、7つのカプセル化された製剤を置き、0.005厚のテフロン(登録商標)を表面処理した(W015122)を有する、0.040厚のF217発泡ポリエチレン付き白色ポリプロピレン密封材(closure)を取り付けた(fit)。サンプルを、温度/相対湿度で示された[条件で]調節された環境で保存し、以下の、外観、HPLC相対保持時間、純度、不純物/分解物(Degradants)、検定(Assay)、湿度、溶解度、及び微生物限度試験についてテストした。純度が≧95%であること、外観が白からオフホワイトの固体を含む無傷の大きさ「x」のカプセルであること、HPLCの相対保持時間が0.98−1.02であること、検定[の値]が、表示値(label claim)の90.0−110.0%[の範囲]であること、90分間でのQ値(USP<711>基準におけるQ値)が≧75%という判断基準を溶解度が満足すること、細菌試験期間中、酵母及びカビ(mold)の総計が≦10cfu/gであり、好気性細菌数の総計が≦10cfu/gであること、に適合する場合には、本発明に係る医薬製剤は安定であると決定した。0.1%w/w以上である全ての不純物が、報告される。湿度は、情報を知る目的で用いられる。
【0032】
一つの視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、ビーグル犬に製剤を1回の処置で投与した際の式(I)の化合物の平均ピーク血漿濃度(Cmax)が、30mgの(式(I)の化合物の)活性成分を含む製剤については、180と225ng/mLの間であること、及び/又は、ビーグル犬に製剤を一日1回、30mg投与した際の式(I)の化合物の定常状態の平均の薬物濃度時間曲線下面積(AUC(0−24時間))が、7000と10000nghr/mLの間、又は、8000と9500nghr/mLの間であることを特徴とする。他の視点において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、ビーグル犬に製剤を1回の処置で投与した際の式(I)の化合物の平均ピーク血漿濃度(Cmax)が、10mgの活性成分を含む製剤については、60と80ng/mLの間であること、及び/又は、ビーグル犬に製剤を一日1回、10mg投与した際の式(I)の化合物の定常状態の平均の薬物濃度時間曲線下面積(AUC(0−24時間))が、2000と3000nghr/mLの間であることを特徴とする。
【0033】
いくつかの実施形態において、活性化合物(active compound)を1mg/kgの投与量で投与した場合に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、活性化合物のAUCが少なくとも1000ng・ml/時、少なくとも5000ng・ml/時、又は少なくとも10000ng・ml/時の値に達するのに十分な化合物の量を送達することが可能である。いくつかの実施形態において、活性化合物を2mg/kgの投与量で投与した場合に、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤は、活性化合物のAUCが少なくとも5000ng・ml/時、少なくとも10000ng・ml/時、又は少なくとも15000ng・ml/時の値に達するのに十分な化合物の量を送達することが可能である。AUCの値は、本発明の技術分野で知られる従来の方法を使用して測定され得る(例えば、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 10th ed.;Hardman, J. G., Limbird, L. E., Eds.; McGraw-Hill: New York, 2001を参照)。
【0034】
1つの視点において、本発明に係る、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤(pharmaceutical formulation)は、該製剤が、経口投与に適する形態であること、次の何れかの特徴(feature)を2つ以上有すること、又は、次の何れかの特徴を3つ以上有することを特徴とする。
・微粒子の形態で存在する式(I)の化合物又はその塩の量が、製剤のゲル形成を生じない範囲内であること
・式(I)の化合物又はその塩の80%以下が、250マイクロメートル未満の粒子径を有すること
・式(I)の化合物又はその塩の80%以下が、150マイクロメートル未満の粒子径を有すること
・式(I)の化合物又はその塩の60%以下が、125マイクロメートル未満の粒子径を有すること
・式(I)の化合物又はその塩は、20%未満の結晶度(又は10%未満の結晶度、又は5%未満の結晶度)であること
・本発明に係る製剤が、0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体中で、0.011mg/mL、0.033mg/mL、0.133mg/mLから選択される、溶解媒体中の式(I)の化合物の最大濃度で、製剤を37℃で撹拌する場合、式(I)の化合物の溶解率が、HPLCによって測定した時には、90分後に少なくとも75%完了であること
・本発明に係る製剤が、少なくとも6ヶ月(例えば、少なくとも9ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月)の間、5℃での実際の又は模式的な保存において安定であること
・本発明に係る製剤が、少なくとも3ヶ月(例えば、少なくとも6ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも24ヶ月)の間、25℃/60%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定であること
・本発明に係る製剤が、少なくとも1ヶ月(例えば、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月)の間、40℃/75%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定であること
・ビーグル犬に製剤を1回の処置で投与した際の式(I)の化合物の平均ピーク血漿濃度(Cmax)が、30mgの活性成分を含む製剤については、180と225ng/mLの間であること、及び/又は、10mgの活性成分を含む製剤については、60と80ng/mLの間であること、及び/又は、ビーグル犬に前記製剤を一日1回、30mg投与した際の式(I)の化合物の定常状態の平均の薬物濃度時間曲線下面積(AUC(0−24時間))が、7000と10000nghr/mLの間であること
・式(I)の活性化合物を1mg/kg[の濃度で]含む製剤をヒトへ投与することによって、活性化合物が少なくとも1000ng・ml/時のAUCに達するのに十分な化合物の量を送達することが可能であること
【0035】
一つの視点において、式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与型の医薬投与形態製剤(dosage formulation)は、前記化合物が80%より大きい結晶度(例えば、85%より大きい結晶度、90%より大きい結晶度、95%より大きい結晶度、98%より大きい結晶度)であること、
前記製剤の粒子の少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%)が500マイクロメートルより大きい粒子径を有すること、及び、製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。ある実施形態において、前記製剤の粒子の少なくとも60%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有する。前記製剤の粒子の少なくとも80%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有する。
【0036】
一つの視点において、式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与型の医薬投与形態製剤は、前記化合物が80%未満の結晶度(例えば、70%未満の結晶度、60%未満の結晶度、50%未満の結晶度、40%未満の結晶度、30%未満の結晶度、20%未満の結晶度)であること、及び、前記製剤の粒子の少なくとも20%(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%)が250マイクロメートルより大きい粒子径を有すること、及び、製剤が経口投与に適する形態であることを特徴とする。ある実施形態において、前記製剤の粒子の少なくとも40%は、250マイクロメートルより大きい粒子径を有する。[また、ある実施形態のおいては、]前記製剤の粒子の少なくとも50%は、250マイクロメートルより大きい粒子径を有する。ある実施形態において、前記製剤の粒子の少なくとも20%は、500マイクロメートルより大きい粒子径を有する。[また、ある実施形態のおいては、]前記製剤の粒子の少なくとも50%は、500マイクロメートルより大きい粒子径を有する。
【0037】
実施形態(複数)は、次の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0038】
本発明に係る製剤の10パーセントから60パーセントは、250マイクロメートル未満の粒子径を有する。本発明に係る製剤の10パーセントから30パーセントは、250マイクロメートル未満の粒子径を有する。
【0039】
本発明に係る製剤の20パーセントから90パーセントは、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。本発明に係る製剤の30パーセントから80パーセントは、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0040】
本発明に係る製剤の40パーセントから90パーセントは、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0041】
本発明に係る製剤の10パーセントから60パーセントは、250マイクロメートル未満の粒子径を有し、かつ、該製剤の40パーセントから90パーセントは、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0042】
本発明に係る製剤は、最大で約1000マイクロメートルの粒子径を有することができる。
【0043】
本発明に係る製剤の20パーセントから90パーセントは、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。本発明に係る製剤の30パーセントから70パーセントは、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。
【0044】
本発明に係る製剤の40パーセントから90パーセントは、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径を有する。
【0045】
本発明に係る製剤の10パーセントから60パーセントは、250マイクロメートル未満の粒子径を有することができ、かつ、該製剤の40パーセントから90パーセントは、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することができる。
本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。本発明に係る製剤の40パーセントから80パーセントは、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径を有する。
【0046】
式(I)の化合物(又はその塩)は、20%未満の結晶度である。式(I)の化合物(又はその塩)は、10%未満の結晶度である。式(I)の化合物(又はその塩)は、5%未満の結晶度である。
【0047】
本発明に係る製剤が、0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体中で、0.011mg/mL、0.033mg/mL、0.133mg/mLから選択される溶解媒体中の式(I)の化合物の最大濃度で、
37℃で製剤を撹拌する場合、式(I)の化合物の溶解率は、HPLCによって測定した時には、90分後に少なくとも75%が完了する。
【0048】
本発明に係る製剤は、少なくとも6ヶ月間、5℃での実際の又は模式的な保存において安定である。
【0049】
本発明に係る製剤は、少なくとも3ヶ月間、25℃/60%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定である。
【0050】
本発明に係る製剤は、1ヶ月間、40℃/75%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定である。
【0051】
ビーグル犬に製剤を1回の処置で投与した際の式(I)の化合物の平均ピーク血漿濃度(Cmax)が、30mgの式(I)の化合物を含む製剤については、180と220ng/mLの間であり、そして、10mgの式(I)の化合物を含む製剤については、60と80ng/mLの間である。
【0052】
ビーグル犬に、30mgの式(I)の活性化合物を含む製剤を一日1回投与した際の式(I)の化合物の定常状態の平均の薬物濃度時間曲線下面積(AUC(0−24時間))が、7000と10000nghr/mLの間である。
【0053】
本出願で記載される製剤は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、IPI−926)を、活性成分として含む。本出願に記載のいくつかの実施例において、製剤は、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩(例えば、IPI−926)を含む。したがって、そのような塩は、式(I)の化合物自体(これは、生物学的に活性のある部分(モイエティ moiety)である)と、付随する塩形成要素(例えば、塩酸塩の場合、HとClである)との両方を含む。このように、当業者は、所与の塩の量(例えば、質量又は重量パーセントで示す)が、生物学的に活性な部分(即ち、式(I)の化合物自体)の量と一致しない[即ち、同量でない]ことを理解するだろう。例えば、塩のサンプルの重量、10mgは、式(I)の化合物自体の重量、10mgと一致しない。繰り返すが、この量の不一致は、式(I)の化合物自体が塩形成要素の存在によって「希釈(diluted)」されることから生じ、したがって、塩全体に存在する式(I)の化合物自体は、塩全体に占めるパーセンテージを構成しているに過ぎない。さらに例示すれば、本出願に記載のいくつかの実施例において、式(I)の化合物は、塩酸塩/IPA溶媒和化合物の形態で提供される。この場合、活性のある部分(ないしはモイエティ moiety)のパーセントは、次の方程式によって計算され得る。
(100%−HPLCによって[算出された]不純物のパーセント−カールフィッシャー[法]によって[算出された]含水量パーセント−GCによって[算出された]残余の溶媒和化合物パーセント)×(塩酸塩補正値(correction))。
ここで、塩酸塩補正値=1−((541.23−504.77)/541.23)である。
【0054】
したがって、誤解を避けるために、本願で使用される「式(I)の活性化合物」という表現は、式(I)の化合物自体のみを示すものと意図される(時には、式(I)の化合物の構成原子全体、及び、遊離塩基の形態としての結合性(connectivity)を示す式(I)の化合物の形態を意味することもある)、即ち:

例えば、本出願に記載される製剤における式(I)の活性化合物の特定の量とは、式(I)の化合物自体(即ち、活性のある部分)に起因する量のみを意味する。
【0055】
実施形態(複数)において、本発明に係る製剤は、5%と50%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と40%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。本発明に係る製剤は、20%と30%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と15%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤は、5ミリグラムから500ミリグラムの式(I)の活性化合物を含む。本発明に係る製剤は、10ミリグラム又は30ミリグラムの式(I)の活性化合物を含む。
【0056】
本発明に係る製剤は、110ミリグラムから130ミリグラムの式(I)の活性化合物を含む。本発明に係る製剤は、120ミリグラムの式(I)の活性化合物を含む。
【0057】
ある実施形態において、化合物は、塩酸塩である(即ち、IPI−926)。
【0058】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、固体状の投与形態で経口的に投与される。ある実施形態において、固体状の投与形態とは、カプセル[の形態]又は錠剤[の形態]である(例えば、カプセル)。ある実施形態において、カプセルは、ゼラチンカプセル又はヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルである。
【0059】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は充填剤(フィラー)をさらに含む。ある実施形態において、充填剤は、微結晶セルロース、ラクトース、圧縮可能な糖(compressible sugar)、アルファ化澱粉(pregelatinized starch)、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、及び硫酸カルシウムから選択される。ある実施形態において、充填剤は、微結晶セルロースである。
【0060】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は結合剤をさらに含む。ある実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化澱粉、スクロース及びアカシアガムから選択される。ある実施形態において、結合剤はポリビニルピロリドン由来である。
【0061】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は界面活性剤をさらに含む。ある実施形態において、界面活性剤は、Tween20、Tween80、ラウリル硫酸ナトリウム(sodium laurel sulfate [sic. sodium lauryl sulfate])及びドデシル硫酸ナトリウムから選択される。ある実施形態において、界面活性剤は、Tween80である。
【0062】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、崩壊剤をさらに含む。ある実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)、クロスポビドン及び澱粉から選択される。
【0063】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は顆粒化処理によって調製される。
【0064】
上記の製剤を製造する方法、及び、上記製剤を単体で、又は1つ以上の追加の癌治療剤と組み合わせて投与することを含む癌を治療する方法もまた提供される。
【0065】
1つの視点において、医薬製剤を製造する方法は、
式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩と、液体との混合物を顆粒化することを含むことを特徴とする。
【0066】
本発明に係る実施形態は、次の特徴を1つ以上含むことができる。
【0067】
液体は水を含む。例えば、液体は、界面活性剤の水溶液であり得る。
【0068】
固体全体(即ち、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と、もし必要であるならば、1つ以上の追加の薬学的に許容可能な固体(例えば、1つ以上の薬学的に許容可能な充填剤(単数又は複数)、結合剤(単数又は複数)、界面活性剤(単数又は複数)、崩壊剤(単数又は複数)及び、1つ以上の他の治療剤))の重量(即ち、総重量)に対する液体の重量の比率は、0.25より大きい(例えば、0.25から1.5;0.25から1;0.25から0.8、0.25から0.6;0.4から0.6;0.5から0.6;1未満)。ある実施形態において、25重量パーセントから80重量パーセント、又は、50重量パーセントから80重量パーセント(例えば、50重量パーセントから70重量パーセント、55重量パーセントから70重量パーセント、又は60重量パーセントから70重量パーセント)の水が使用される。例えば、50、55、57、60、62、64、65、67、68、70、72、74、75、76、78、80重量パーセントの水が使用され得る。本出願に記載のいくつかの実施例において、57.3重量パーセントの水が使用される。本出願に記載の他の実施例において、64.5重量パーセントの水が使用される。
【0069】
本発明に係る方法は、混合物中において充填剤を(充填剤が入った混合物を)顆粒化することをさらに含むことができる。該方法は、混合物中において結合剤を(結合剤が入った混合物を)顆粒化することをさらに含むことができる。該方法は、顆粒化物を乾燥させるステップをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、ゼラチンカプセルに入った、IPI−926とAvicel(登録商標)PH−200との直接混合物(40/60)からの、及び、以下の3つの顆粒化製剤からの、pH1.2で、酵素を含まない模式胃腸液(simulated gastrointestinal fluid:SGF)の中での経時的な、放出したIPI−926のパーセントを示すグラフである。(i)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926と、Avicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(水性顆粒化製剤);(ii)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+メチルセルロースと、Avicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(MC顆粒化製剤);そして、(iii)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+Tween−80+メチルセルロースと、Avicel(登録商標)PH−200の混合物の顆粒化製剤(Tween/MC顆粒化製剤)。
【0071】
【図2】図2は、ゼラチンカプセルに入った、IPI−926とAvicel(登録商標)PH−200との直接混合物(40/60)の投与後のビーグル犬におけるIPI−926の暴露を示すグラフである。
【0072】
【図3】図3は、IPI−926の懸濁液(メチルセルロース、Tween80、水)、及び以下の3つのカプセル化製剤を投与した際の、ビーグル犬におけるIPI−926の暴露を示すグラフである。(i)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926とAvicel(登録商標)PH−200(40/60)との直接混合物(直接混合製剤);(ii)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+PVP(ポリビニルピロリドン)とAvicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(PVP顆粒化製剤);そして、(iii)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+メチルセルロースとAvicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(MC顆粒化製剤)。
【0073】
【図4】図4は、以下の2つの顆粒化製剤からの、pH1.2で、酵素を含まない模式胃腸液(SGF)の中での経時的な、放出したIPI−926のパーセントを示すグラフである。(i)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+PVPとAvicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(PVP顆粒化製剤)、(ii)ゼラチンカプセルに入った、IPI−926+メチルセルロースとAvicel(登録商標)PH−200との混合物の顆粒化製剤(MC顆粒化製剤)。
【0074】
【図5】図5は、図4のPVP顆粒化製剤を4mg/kgで投与したビーグル犬と、8mg/kgで投与したビーグル犬とにおけるIPI−926の暴露を示すグラフである。
【0075】
【図6】図6は、表2に示した調節PVP顆粒化製剤(10mgカプセル、30mgカプセル及び120mgカプセル)からの、pH1.2で酵素を含まない模式胃腸液(SGF)の中での経時的に、放出したIPI−926のパーセントを示す。
【0076】
【図7】図7は、30mgのIPI−926の懸濁液(メチルセルロース、Tween80及び水)を以下の2つのカプセル化した製剤を投与した際の、ビーグル犬におけるIPI−926の暴露を示すグラフである。(i)HPMCカプセルに入った、10mgのIPI−926+PVP+Avicel(登録商標)PH−200+Tween80の顆粒化製剤(10mgカプセル)、及び、(ii)HPMCカプセルに入った、30mgIPI−926+PVP+Avicel(登録商標)PH−200+Tween80の顆粒化製剤(30mgカプセル)。
【0077】
【図8】図8は、単一の60mgカプセル(表3の高薬効の製剤)を投与したビーグル犬と、2個の30mgカプセル(表2の低薬効の製剤)を投与したビーグル犬とにおけるIPI−926の暴露を示すグラフである。
【0078】
【図9】図9は、追加の微粒子でスパイクした(spiked)低薬効の製剤からの経時的なIPI−926の放出を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0079】
この出願は、式(I)の化合物(下記)又はその薬学的に許容可能な塩(例えば、IPI−926)の、ヒト又は動物の被検体への経口投与に有用である医薬製剤(例えば、固体状の投与形態)であることを特徴とする。

【0080】
本出願で使用される場合、用語「薬学的に許容可能な塩」又は「塩」は、健全な医薬的判断(sound medical judgment)の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしで、ヒト及びより下等な動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比率が得られる塩を意味する。薬学的に許容可能な塩が本発明の技術分野で良く知られている。例えば、S.M.Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences (1977) 66:1-19において、薬学的に許容可能な塩を詳細に記載する。この発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、適切な無機酸及び有機酸由来の塩を含む。薬学的に許容可能であり、非毒性の酸の添加によって形成された塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸[の添加]によって、又は、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸又はマロン酸などの有機酸[の添加]によって形成され、もしくはイオン交換などの本発明の技術分野で使用される他の方法を使用して形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容可能な塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などを含む。
【0081】
ある実施形態において、式(I)の化合物は、薬学的に許容可能な塩である。
【0082】
ある実施形態において、式(I)の化合物は、塩酸塩である。
【0083】
いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤は、微粒子(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル、又はそれらの任意の組み合わせ;例えば250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])を含む。
【0084】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の80重量パーセント以下(例えば、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下)が微粒子である(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル又は、それらの任意の組み合わせ;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])。ある実施形態において、本発明に係る製剤の80重量パーセント以下が、250マイクロメートル未満の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の80重量パーセント以下が、150マイクロメートル未満の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の60重量パーセント以下が、125マイクロメートル未満の粒子径を有する。
【0085】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の1重量パーセントから80重量パーセント(例えば、1重量パーセントから75重量パーセント、1重量パーセントから70重量パーセント、1重量パーセントから65重量パーセント、1重量パーセントから60重量パーセント、1重量パーセントから55重量パーセント、1重量パーセントから50重量パーセント、1重量パーセントから45重量パーセント、1重量パーセントから40重量パーセント、1重量パーセントから35重量パーセント、1重量パーセントから30重量パーセント、1重量パーセントから20重量パーセント、1重量パーセントから10重量パーセント、1重量パーセントから5重量パーセント)が微粒子である(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル又は、それらの任意の組み合わせ;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])。
【0086】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の5重量パーセントから80重量パーセント(例えば、5重量パーセントから75重量パーセント、5重量パーセントから70重量パーセント、5重量パーセントから65重量パーセント、5重量パーセントから60重量パーセント、5重量パーセントから55重量パーセント、5重量パーセントから50重量パーセント、5重量パーセントから45重量パーセント、5重量パーセントから40重量パーセント、5重量パーセントから35重量パーセント、5重量パーセントから30重量パーセント、5重量パーセントから20重量パーセント、5重量パーセントから10重量パーセント)が微粒子である(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル、又はそれらの任意の組み合わせ;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])。
【0087】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の10重量パーセントから80重量パーセント(例えば、10重量パーセントから75重量パーセント、10重量パーセントから70重量パーセント、10重量パーセントから65重量パーセント、10重量パーセントから60重量パーセント、10重量パーセントから55重量パーセント、10重量パーセントから50重量パーセント、10重量パーセントから45重量パーセント、10重量パーセントから40重量パーセント、10重量パーセントから35重量パーセント、10重量パーセントから30重量パーセント、10重量パーセントから20重量パーセント)が微粒子である(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル、又はそれらの任意の組み合わせ;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])。
【0088】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の10重量パーセントから60重量パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の10重量パーセントから30重量パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有する。
【0089】
いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤の20重量パーセントから99重量パーセント(例えば、20重量パーセントから95重量パーセント、20重量パーセントから90重量パーセント、20重量パーセントから85重量パーセント、20重量パーセントから80重量パーセント、20重量パーセントから75重量パーセント、20重量パーセントから70重量パーセント、20重量パーセントから65重量パーセント、20重量パーセントから60重量パーセント、20重量パーセントから55重量パーセント、20重量パーセントから50重量パーセント、20重量パーセントから45重量パーセント、20重量パーセントから40重量パーセント、20重量パーセントから35重量パーセント、20重量パーセントから30重量パーセント)が、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の20重量パーセントから90重量パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも20重量パーセントもしくは20重量パーセント超(例えば、少なくとも30重量パーセントもしくは30重量パーセント超、少なくとも40重量パーセントもしくは40重量パーセント超、少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が250マイクロメートル以上の粒子径(例えば、250マイクロメートルよりも大きい粒子径)を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも20重量パーセントもしくは20重量パーセント超(例えば、少なくとも30重量パーセントもしくは30重量パーセント超、少なくとも40重量パーセントもしくは40重量パーセント超、少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が500マイクロメートル以上の粒子径(例えば、500マイクロメートルよりも大きい粒子径)を有する。
【0090】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の30重量パーセントから80重量パーセント(例えば、30重量パーセントから75重量パーセント、30重量パーセントから70重量パーセント、30重量パーセントから65重量パーセント、30重量パーセントから60重量パーセント、30重量パーセントから55重量パーセント、30重量パーセントから50重量パーセント、30重量パーセントから45重量パーセント、30重量パーセントから40重量パーセント)が、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0091】
いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから99重量パーセント(例えば、40重量パーセントから95重量パーセント、40重量パーセントから90重量パーセント、40重量パーセントから85重量パーセント、40重量パーセントから80重量パーセント、40重量パーセントから75重量パーセント、40重量パーセントから70重量パーセント、40重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセントから60重量パーセント、40重量パーセントから55重量パーセント、40重量パーセントから50重量パーセント)が、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから90重量パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超(例えば、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が、250マイクロメートル以上の粒子径(例えば、250マイクロメートルより大きい粒子径)を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超(例えば、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が500マイクロメートル以上の粒子径(例えば、500マイクロメートルよりも大きい粒子径)を有する。
【0092】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから80重量パーセント(例えば、40重量パーセントから75重量パーセント、40重量パーセントから70重量パーセント、40重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセントから60重量パーセント、40重量パーセントから55重量パーセント、40重量パーセントから50重量パーセント)が、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超(例えば、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超)が500マイクロメートル以上の粒子径(例えば、500マイクロメートルよりも大きい粒子径)を有する。
【0093】
いくつかの実施形態において、(i)本発明に係る製剤の1重量パーセントから80重量パーセント(例えば、5重量パーセントから80重量パーセント、10重量パーセントから80重量パーセント、及び、本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲(sub-ranges)を含む)は微粒子である(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル、又はそれらの任意の組み合わせ;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径を有する[微粒子])、及び、(ii)本発明に係る製剤の20重量パーセントから99重量パーセント(例えば、20重量パーセントから90重量パーセント、40重量パーセントから90重量パーセント、及び本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲を含む)が、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。実施形態において、本発明に係る製剤の30重量パーセントから80重量パーセント(例えば、40重量パーセントから80重量パーセント及び本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲を含む)が、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0094】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の10重量パーセントから60重量パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有し、かつ、該製剤の40重量パーセントから90重量パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有する。実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから80重量パーセントが、500マイクロメートル以上の粒子径を有する。
【0095】
いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤は、最大で約1000マイクロメートルの粒子径を有する。
【0096】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の20重量パーセントから99重量パーセント(例えば、20重量パーセントから95重量パーセント、20重量パーセントから90重量パーセント、20重量パーセントから85重量パーセント、20重量パーセントから80重量パーセント、20重量パーセントから75重量パーセント、20重量パーセントから70重量パーセント、20重量パーセントから65重量パーセント、20重量パーセントから60重量パーセント、20重量パーセントから55重量パーセント、20重量パーセントから50重量パーセント、20重量パーセントから45重量パーセント、20重量パーセントから40重量パーセント、20重量パーセントから35重量パーセント、20重量パーセントから30重量パーセント)が、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の20重量パーセントから90重量パーセントが、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも20重量パーセントもしくは20重量パーセント超(例えば、少なくとも30重量パーセントもしくは30重量パーセント超、少なくとも40重量パーセントもしくは40重量パーセント超、少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が250マイクロメートル以上から1000マイクロメートル(例えば、250マイクロメートルよりも大きく、1000マイクロメートルまで)の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも20重量パーセントもしくは20重量パーセント超(例えば、少なくとも30重量パーセントもしくは30重量パーセント超、少なくとも40重量パーセントもしくは40重量パーセント超、少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が500マイクロメートル以上から1000マイクロメートル(例えば、500マイクロメートルよりも大きく、1000マイクロメートルまで)の粒子径を有する。
【0097】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の30重量パーセントから80重量パーセント(例えば、30重量パーセントから75重量パーセント、30重量パーセントから70重量パーセント、30重量パーセントから65重量パーセント、30重量パーセントから60重量パーセント、30重量パーセントから55重量パーセント、30重量パーセントから50重量パーセント、30重量パーセントから45重量パーセント、30重量パーセントから40重量パーセント)が500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。
【0098】
いくつかの実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから99重量パーセント(例えば、40重量パーセントから95重量パーセント、40重量パーセントから90重量パーセント、40重量パーセントから85重量パーセント、40重量パーセントから80重量パーセント、40重量パーセントから75重量パーセント、40重量パーセントから70重量パーセント、40重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセントから60重量パーセント、40重量パーセントから55重量パーセント、40重量パーセントから50重量パーセント)が250マイクロメートル以上の粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから90重量パーセントが250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の50重量パーセント超が250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の少なくとも50重量パーセントもしくは50重量パーセント超(例えば、少なくとも60重量パーセントもしくは60重量パーセント超、少なくとも70重量パーセントもしくは70重量パーセント超、少なくとも80重量パーセントもしくは80重量パーセント超、少なくとも90重量パーセントもしくは90重量パーセント超)が500マイクロメートルから1000マイクロメートル(例えば、>500マイクロメートルから1000マイクロメートルまで)の粒子径を有する。
【0099】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから80重量パーセント(例えば、40重量パーセントから75重量パーセント、40重量パーセントから70重量パーセント、40重量パーセントから65重量パーセント、40重量パーセントから60重量パーセント、40重量パーセントから55重量パーセント、40重量パーセントから50重量パーセント)が500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径(例えば、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径)を有する。ある実施形態において、本発明に係る製剤の50重量パーセント超(例えば、60重量パーセント超、70重量パーセント超)が500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径(例えば、>500マイクロメートルから1000マイクロメートルまでの粒子径)を有する。
【0100】
いくつかの実施形態において、(i)本発明に係る製剤の1重量パーセントから80重量パーセント(例えば、5重量パーセントから80重量パーセント、10重量パーセントから80重量パーセント及び、本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲を含む)が微粒子であり(例えば、250マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、250マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから125マイクロメートル、又はそれらの任意の組み合わせの粒子径を有する;例えば、250マイクロメートル未満の粒子径)、及び、(ii)本発明に係る製剤の20重量パーセントから99重量パーセント(例えば、20重量パーセントから90重量パーセント、40重量パーセントから90重量パーセント及び、本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲を含む)が250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。実施形態(複数)において、本発明に係る製剤の30重量パーセントから80重量パーセント(例えば、40重量パーセントから80重量パーセント及び、本出願に記載される任意の、より小さい部分範囲を含む)が500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径(例えば、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径)を有する。
【0101】
ある実施形態において、本発明に係る製剤の化合物の10重量パーセントから60重量パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有し、かつ、該製剤の40重量パーセントから90重量パーセントが、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有する。実施形態(複数)において、本発明に係る製剤の40重量パーセントから80重量パーセントが500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径(例えば、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径)を有する。
【0102】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、薬学的に許容可能な賦形剤(本出願に記載される固形状の投与形態に利用可能な、本出願に記載される薬学的に許容可能な固体を含む)をさらに含む。
【0103】
薬学的に許容可能な賦形剤は、配合者の判断により、所望の特定の投与形態に適合するような、任意の及び全ての充填剤(複数)、結合剤(複数)、界面活性剤(複数)、崩壊剤(複数)、糖(複数)、ポリマー(複数)、抗酸化剤(複数)、溶解用又は懸濁用薬剤(複数)、キレート用薬剤(複数)、保存剤(複数)、緩衝用薬剤(複数)及び/又は潤滑剤(複数)又はそれらの組み合わせを含む。Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)は、医薬的に許容可能な製剤の調製に使用されるさまざまな薬学的に許容可能な賦形剤及び、それらの製剤を調製するための公知の技術を開示する。従来の担体媒体の何れかが本出願に開示される製剤に不適合な場合(望ましくない生物学的影響をもたらす場合や、製剤の何れかの成分と有害な様式で相互作用する場合など)を除いて、担体媒体の使用は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0104】
例えば、ある実施形態において、本発明に係る製剤は充填剤をさらに含む。
【0105】
充填剤は、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、圧縮可能な糖(例えば、砂糖粉末)、微結晶セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH−101、Avicel(登録商標) PH−102、Avicel(登録商標) PH−103、Avicel(登録商標) PH−105及びAvicel(登録商標) PH−200)、ラクトースとの微粉末セルロースの共処理混合物(coprocessed mixuture)(Cellactose(登録商標))、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム及びアルファ化澱粉を含むが、これらに限定されない。
【0106】
ある実施形態において、充填剤は、微結晶セルロース、ラクトース、圧縮可能な糖、アルファ化澱粉、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、及び硫酸カルシウムから選択される。
【0107】
ある実施形態において、充填剤は微結晶セルロースである。
【0108】
ある実施形態において、本発明に係る製剤が塩の形態の式(I)の化合物を含む場合には、塩形成要素を受容する(に適合する)ように、その塩形成要素の量に関連させて充填剤(例えば、微結晶セルロース、例えば、Avicel PH−200)の量を減らす。例えば、IPI−926薬剤産物を製造する場合、IPI−926の重量及びAvicel PH 200(粒子内)の重量が、次の計算値を使用して調節される。
調節後のIPI−926の重量=(理論上のIPI−926の重量/([塩全体に占める]IPI−926の活性部分のパーセンテージ/100))
調節後のAvicel PH200(粒子内)の重量=(理論上のIPI−926の量+理論上のAvicel PH200(粒子内)の量)−調節後のIPI−926の重量
【0109】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は結合剤を含む。
【0110】
結合剤は、澱粉(例えば、コーンスターチ及びスターチペースト);ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど);天然及び合成ガム(例えば、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、アイルランドゴケ(Irish moss)の抽出物、パンワールガム(panwar gum)、ガッチガム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husks)の粘液(mucilage)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、ポリビニルピロリドン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Veegum)、及びカラマツアラボガラクタン(larch arabogalactan));アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリル酸塩及びワックスを含むが、これらに限定されない。
【0111】
ある実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化澱粉、スクロース及びアカシアガムから選択される。
【0112】
ある実施形態において、結合剤はポリビニルピロリドン(PVP)である。ポリビニルピロリドンは、非イオン性水溶性ポリマーであり、ビニルピロリドンホモポリマー及び分子量が異なる(分子との)コポリマーを含む。分子量が異なるPVP(複数)の区別(等級分け)は、典型的には、PVPの分子量と関連する粘度指数(viscosity index)を表すPVPのK値を基になされる。K値は、Fikentscherの式、及び、ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対的な粘度を使用して計算が可能であり、後者は、25℃での細管粘度計(capillary viscometer)によって測定される。K値(次に、括弧で示される)を基にしたPVPの等級(grade)の例には、12(11−14);17(16−18);25(24−27);30(28−32);及び90(85−95)が含まれる(例えば、www.springerlink.comを参照する)。本出願に記載のいくつかの実施例において、結合剤は、PVP−30である。
【0113】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、界面活性剤をさらに含む。
【0114】
界面活性剤は、天然乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス及びレシチン)、コロイド粘土(例えば、ベントナイト[ケイ酸アルミニウム]及びVeegum[ケイ酸マグネシウムアルミニウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、及びモノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、Tween界面活性剤(例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン[Tween20]、ポリオキシエチレンソルビタン[Tween60]、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン[Tween80]、モノパルミチン酸ソルビタン[Span40]、モノステアリン酸ソルビタン[Span60]、トリステアリン酸ソルビタン[Span65]、モノオレイン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン[Span80]のようなソルビタン脂肪酸エステル)、ポリオキシエチレンエステル(例えば、モノステアリン酸ポリオキシエチレン[Myrj45]、ポリオキシエチレン水素化ひまし油、ポリエトキシル化ひまし油、ポリオキシメチレンステアラート、及びソルトール(Solutol))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor)、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル[Brij30])、ポリ(ビニル−ピロリドン)、モノラウリル酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、Pluronic F68、Poloxamer 188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、及びドクサートナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0115】
ある実施形態において、界面活性剤は、Tween界面活性剤、ラウリル硫酸ナトリウム及びドデシル硫酸ナトリウムから選択される。ある実施形態において、界面活性剤は、Tween界面活性剤である。ある実施形態において、界面活性剤は、Tween80である。
【0116】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、崩壊剤をさらに含む。
【0117】
崩壊剤は、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ(citrus pulp)、寒天、ベントナイト、セルロース及び木材産物、天然海綿(natural sponge)、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム;AcDiSol(登録商標))、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル澱粉(澱粉グリコール酸ナトリウム sodium starch glycolate)、澱粉(例えば、ジャガイモ澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、アルファ化澱粉(starch 1500)、微結晶澱粉、水不溶性澱粉)、ケイ酸マグネシウムアルミニウム(Veegum)及びラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を含むが、これらに限定されない。
【0118】
ある実施形態において、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスポビドン及び澱粉から選択される。ある実施形態において、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウム(AcDiSol(登録商標))である。
【0119】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、式(I)の化合物又はその塩と、Avicel(登録商標)PH−200から選択される充填剤と、ポリビニルピロリドン(PVP)(例えば、PVP−30)から選択される結合剤、及びTween80から選択される界面活性剤とを含む。ある実施形態において、本発明に係る製剤は、クロスカルメロースナトリウム(AcDiSol(登録商標))から選択される崩壊剤をさらに含む。
【0120】
医薬組成物の構成要素としてさらに提供され得る他の賦形剤は、様々な糖、ポリマー、抗酸化剤、溶解用薬剤又は懸濁用薬剤、キレート用薬剤、保存剤、緩衝剤及び/又は潤滑剤を含む。
【0121】
糖は、グリセロール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、マンニトール、グロース、デキストロース、イドース、ガラクトース、タロース、グルコース、フルクトース、デキストラート(dextrates)、ラクトース、スクロース、澱粉(即ち、アミラーゼ及びアミロペクチン)、澱粉グリコール酸ナトリウム、セルロース及びセルロース誘導体(即ち、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロール、酢酸フタル酸セルロース、クロスカルメロース、ヒポメロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)、カラギーナン、シクロデキストリン(例えば、ヒドロキシプロピル−ガンマ−CD)、デキストリン、ポリデキストロース及びトレハロースを含むが、これらに限定されない。
【0122】
ポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルブミン、ポリエチレンイミン(PEI)、アカシアガム、セルロース誘導体、ポリペクチン酸カルシウム、無水マレイン酸誘導体、ポリアクリル酸及びメタクリル酸、リン脂質、グリコール(プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなど)、ポリグリコリド及びラクチド誘導体(lactide derivatives)、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、澱粉、ワックス、オイル、アルギン酸塩及びアルギン酸、カルシウムカゼイン(calcium caseinate)、カラギーナン、ペクチン、ポリヘキサメタリン酸塩、ポリ酢酸ビニル及びポリビニルアルコールを含むが、これらに限定されない。
【0123】
抗酸化剤は、アルファトコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミタート(acorbyl palmitate [sic. ascorbyl palmitate])、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、システイン塩酸塩、チオグリセロール、メルカプト酢酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒトスルホキシラート(SFS)、レシチン及び有機亜リン酸エステル(例えば、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリス(2−クロロエチル)、及び亜リン酸トリス(2−4−t−ブチル−フェニル)など)を含むが、これらに限定されない。
【0124】
溶解用薬剤又は懸濁用薬剤は、水、有機溶剤、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、ブラックカラント種油、ボリジ油(borage)、カデ油、カモミール油、カノーラ油、カラウェー油、カルナウバ油、ひまし油、シナモン油、ココアバター油、ココナッツ油、タラ肝油、コーヒー油、トウモロコシ油、綿種油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、アマニ油、ゲラニオール油、瓢箪油(gourd)、ブドウ種油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンディン油、ラベンダー油、レモン油、アオモジ油(litsea cubeba)、マカデミアナッツ油、マロー油、マンゴー種油、メドウフォーム種油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラッフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシ種油、カボチャ種油、菜種油、ぬか油、ローズマリー油、紅花油、ビャクダン油、サスクアナ(sasquana)油、セイボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター油、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティートリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチバー油、クルミ油、及び小麦胚芽油、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、及びシリコーン油を含むが、これらに限定されない。
【0125】
キレート用薬剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸及びエデト酸三ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0126】
抗菌性保存剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール及びチメロサールを含むが、これらに限定されない。
【0127】
抗真菌保存剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム及びソルビン酸を含むが、これらに限定されない。
【0128】
アルコール保存剤は、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキ安息香酸及びフェニルエチルアルコールを含むが、これらに限定されない。
【0129】
酸性保存剤(酸化防止剤)は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータ−カロテン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸及びフィチン酸を含むが、これらに限定されない。
【0130】
他の保存剤は、トコフェロール、酢酸トコフェロール、デテルオキシムメシラート(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluened [sic. butylated hydroxytoluen])(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム(sodium metabisulfite)、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム(potassium metabisulfite)、Glydant Plus、Phenonip、メチルパラベン、Germall 115、Germaben II、Neolone、Kathon及びEuxylを含むが、これらに限定されない。
【0131】
緩衝用薬剤は、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、第二リン酸カルシウム、リン酸、第三リン酸カルシウム、水酸化カルシウムリン酸塩(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、第二リン酸カリウム、第一リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱性物質除去水(pyrogen-free water)、等張食塩水、リンガー溶液、及びエチルアルコールを含むが、これらに限定されない。
【0132】
潤滑剤(lubricating agents)は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、グリセリルベハナート(glyceryl behanate)、水素添加植物油(hydrogenated vegetable oils)、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、及びラウリル硫酸ナトリウムを含むが、これらに限定されない。
【0133】
いくつかの実施形態において、医薬組成物に加えられる1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%の純度である。いくつかの実施形態において、賦形剤は、ヒト及び動物に対する使用が認可されている。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国食品医薬品局によって認可されている。いくつかの実施形態において、賦形剤は、医薬品の等級のものである。いくつかの実施形態において、賦形剤は、米国薬局方(USP)、欧州薬局方(EP)、英国薬局方、及び/又は国際薬局方の基準に適合する。
【0134】
投与量及び投与(Dosage and Administration)
本出願により提供される製剤(formulations)の記載は、主にヒトへの投与に適合するが、このような組成物は、一般的に、あらゆる種類の動物(例えば、霊長類、ウシ類、ブタ類、ウマ類、ヒツジ類、ネコ類、イヌ類及び鳥類)への投与に適合可能であることが、当業者に理解されよう。様々な動物への投与に適合可能な製剤とすることを目的として、ヒトへの投与に適合した製剤を改変することは良く理解されるだろう。そして、動物薬理学における通常の知識を有する者が、必要であれば、単なる通常の試験を用いて、「改変を目的として製剤を」デザインし、及び/又はその様な改変を行なうことが可能である。
【0135】
本出願に記載される医薬的に許容可能な製剤中の、式(I)の化合物又はその塩と、薬学的に許容可能な賦形剤の相対的な量は、処置される被検体の個性(アイデンティティ)、大きさ、及び/又は、状態に依存し、そしてさらには、該製剤が投与される経路に依存して変化するだろう。式(I)の活性化合物の有効量は、被検体の種類、年齢、及び一般的な状態、副作用又は疾患の重症度、特殊な化合物(単数又は複数)の特性(アイデンティティ)、投与の方式(mode)などに依存して、被検体ごとに変化するだろう。本出願で使用される場合、「有効量」(effective amount)とは、治療上の効果(例えば、進行をコントロールする、軽減させる、回復させる、緩和する又は、進行を遅延させる)をもたらす、又は、病気、疾患又は状態、あるいは処置された被験者のそれらの症状を予防(阻止)する(例えば、発症が遅延する、又は、発症のリスクが減少する)式(I)の活性化合物の量を意味する。治療上の効果は客観的であり得(即ち、いくつかのテスト又はマーカーによって測定可能である)又は、主観的であり得る(即ち、被検体が効果の兆候(indication)を与え又は、効果を感じる)。
【0136】
所望の投与量は、一日に3回、一日に2回、一日に1回、一日おきに、三日おきに、一週間おきに、二週間おきに、三週間おきに、又は四週間おきに、送達され得る。ある実施形態において、所望の投与量は、複数回の投与によって送達され得る(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回又はそれ以上の投与回数)。
当業者には理解されるであろうが、所望の投与量はまた、2つ以上の同一の又は異なった投与形態による投与により達成され得る。この出願は、異なる量(differing amounts)の式(I)の活性化合物を含む様々な投与形態(例えば、カプセル[の形態])を記載する。しかしながら、前記投与形態中に存在する式(I)の活性化合物の量は、一回以上の投与回数で投与可能な式(I)の活性化合物の量に関する如何なる制限をも明示し又は暗示することを意図するものではない(例えば、本出願に記載される何れかの投与形態において表された量が、例えば、その量が最大耐用量を示すことを明示し又は暗示することを意図するものではない)。それどころか、式(I)の活性化合物の所望の投与量が、本出願に記載されるいずれかの投与形態に存在する量よりも多い場合、当該所望の投与量は、2つ以上の同一又は異なる投与形態での投与によって達成できることを当業者は認識するだろう(例えば、150mgの式(I)の活性化合物の所望の投与量は、120mgの式(I)の活性化合物を含むカプセルと、30mgの式(I)の活性化合物を含む他のカプセルの投与によって達成できる)。
【0137】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1重量パーセントから100重量パーセントの式(I)の化合物又はその塩(一日1回送達)を含み得る。説明の便宜上、「0.1%重量パーセントから100重量パーセントの式(I)の化合物」というような表現は、時には、本出願において、「0.1%と100%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩」と表現される。ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1%と80%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩(一日1回送達)を含み得る。
【0138】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1%と100%(w/w)の間の式(I)の活性化合物(一日1回送達)を含み得る。ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1%と80%(w/w)の間の式(I)の活性化合物(一日1回送達)を含み得る。
【0139】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、1%と80%(w/w)の間、1%と70%(w/w)の間、1%と60%(w/w)の間、1%と50%(w/w)の間、1%と40%(w/w)の間、1%と30%(w/w)の間、1%と20%(w/w)の間、1%と15%の間、1%と10%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、1%と80%(w/w)の間、1%と70%(w/w)の間、1%と60%(w/w)の間、1%と50%(w/w)の間、1%と40%(w/w)の間、1%と30%(w/w)の間、1%と20%(w/w)の間、1%と15%の間、1%と10%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0140】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と80%(w/w)の間、5%と70%(w/w)の間、5%と60%(w/w)の間、5%と50%(w/w)の間、5%と40%(w/w)の間、5%と30%(w/w)の間、5%と20%(w/w)の間、5%と15%の間、5%と10%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
【0141】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と80%(w/w)の間、5%と70%(w/w)の間、5%と60%(w/w)の間、5%と50%(w/w)の間、5%と40%(w/w)の間、5%と30%(w/w)の間、5%と20%(w/w)の間、5%と15%の間、5%と10%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0142】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と50%(w/w)の間、5%と45%(w/w)の間、5%と40%(w/w)の間、5%と35%(w/w)の間、5%と30%(w/w)の間、5%と25%(w/w)の間、5%と20%(w/w)の間、5%と15%の間、5%と10%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
【0143】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と50%(w/w)の間、5%と45%(w/w)の間、5%と40%(w/w)の間、5%と35%(w/w)の間、5%と30%(w/w)の間、5%と25%(w/w)の間、5%と20%(w/w)の間、5%と15%の間、5%と10%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0144】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と80%(w/w)の間、10%と70%(w/w)の間、10%と60%(w/w)の間、10%と50%(w/w)の間、10%と40%(w/w)の間、10%と30%(w/w)の間、10%と20%(w/w)の間、10%と15%の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
【0145】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と80%(w/w)の間、10%と70%(w/w)の間、10%と60%(w/w)の間、10%と50%(w/w)の間、10%と40%(w/w)の間、10%と30%(w/w)の間、10%と20%(w/w)の間、10%と15%の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0146】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と50%(w/w)の間、10%と40%(w/w)の間、10%と30%(w/w)の間、10%と20%(w/w)の間、10%と15%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
【0147】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と50%(w/w)の間、10%と40%(w/w)の間、10%と30%(w/w)の間、10%と20%(w/w)の間、10%と15%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0148】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、20%と80%(w/w)の間、20%と60%(w/w)の間、20%と40%(w/w)の間、30%と80%(w/w)の間、40%と80%(w/w)の間、50%と80%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩を含む。
【0149】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、20%と80%(w/w)の間、20%と60%(w/w)の間、20%と40%(w/w)の間、30%と80%(w/w)の間、40%と80%(w/w)の間、50%と80%(w/w)の間の式(I)の活性化合物を含む。
【0150】
ある実施形態において、70kgの成人へ一日1回以上投与するための、式(I)の活性化合物の有効量は、投与形態における1ユニットあたり、0.1mgから500mgの量であり得る。例えば、ある実施形態において、効果的な一日あたりの投与量は、一日あたり、30mgと500mgの間、50mgと350mgの間、75mgと300mgの間、約100mgと250mgの間、約100mgと210mgの間、又は、約110mgと170mgの間の式(I)の活性化合物を含み得る。本出願に記載されるような投与量の範囲は、成人に供される医薬的に許容可能な製剤の投与用のガイダンスを提供することが理解されよう。例えば、子供又は若者に投与される量は、医師又は当業者によって決定され得、成人に投与される量よりも少ないか又は同量であり得る。
【0151】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1mgと500mgの間;0.5mgと250mgの間、1mgと200mgの間;5mgと500mgの間、約5mgと150mgの間;又は10mgと120mgの間の式(I)の活性化合物を含む(例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、125、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500mgの式(I)の活性化合物)。
【0152】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、少なくとも0.5mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも4mg、少なくとも8mg、少なくとも10mg、少なくとも20mg、少なくとも30mg、少なくとも40mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、少なくとも70mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、少なくとも100mg、少なくとも110mg、少なくとも120mg、少なくとも130mg、少なくとも140mg、少なくとも150mg、少なくとも160mg、少なくとも175mg、少なくとも190mg、少なくとも200mg、少なくとも210mg、又は、少なくとも220mgの式(I)の活性化合物を含む。
【0153】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、約4mg、約8mg、10mg、30mg又は120mgの式(I)の活性化合物を含む。
【0154】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5重量パーセントから50重量パーセントの式(I)の化合物又はその塩を含む。ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5重量パーセントから15重量パーセントの式(I)の活性化合物を含む。また、そのような製剤は、5ミリグラムから40ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことができる(例えば、10ミリグラム又は30ミリグラムの式(I)の活性化合物)。他の実施形態において、本発明に係る製剤は、20重量パーセントから30重量パーセントの式(I)の活性化合物を含む。また、そのような製剤は、110ミリグラムから130ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことができる(例えば、120ミリグラムの式(I)の活性化合物)。
【0155】
ある実施形態において、本発明に係る組成物は、20%と95%(w/w)の間、30%と95%(w/w)の間、40%と95%(w/w)の間、40%と90%(w/w)の間、40%と85%(w/w)の間、40%と80%(w/w)の間、40%と70%(w/w)の間、50%と85%の間又は、60%と85%(w/w)の間の充填剤を含む。
【0156】
ある実施形態において、本発明に係る組成物は、約0.1%と50%(w/w)の間、0.1%と40%(w/w)の間;0.1%と30%(w/w)の間;0.1%と20%(w/w)の間;0.1%と10%(w/w)の間;0.1%と5%(w/w)の間;1%と5%(w/w)の間;又は2%と5%(w/w)の間の結合剤を含む。
【0157】
ある実施形態において、組成物は、0.1%と50%(w/w)の間、0.1%と40%(w/w)の間;0.1%と30%(w/w)の間;0.1%と20%(w/w)の間;0.1%と10%(w/w)の間;1%と10%(w/w)の間;又は2%と10%(w/w)の間の界面活性剤を含む。
【0158】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、0.1%と50%(w/w)の間、0.1%と40%(w/w)の間;0.1%と30%(w/w)の間;1%と30%(w/w)の間;1%と10%の間;1%と5%の間、5%と30%(w/w)の間;10%と25%(w/w)の間の崩壊剤を含む。
【0159】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、5%と40%(w/w)の間の式(I)の化合物又はその塩と、40%と85%(w/w)の間の充填剤と、2%と5%(w/w)の間の結合剤と、2%と10%(w/w)の間の界面活性剤とを含む。ある実施形態において、本発明に係る製剤は、10%と25%(w/w)の間の崩壊剤をさらに含む。
【0160】
調製
本出願によれば、経口投与のための医薬製剤が提供される。そのような経口の医薬製剤は、公知の方法、又は、本願の出願後に薬学の分野において開発された何れかの方法によって調製することができる(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E. W. Martin, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980を参照)。一般的には、これらの方法は、式(I)の化合物又はその塩と、薬学的に許容可能な賦形剤、及び/又は、1つ以上の他の追加の賦形剤とを関連(混合)させるステップを含む。そして、次に、必要に応じて、及び/又は、望ましくは、製造物を所望の1回分の投与形態(single dosage form)に成形及び/又はパッケージするステップを含む。
【0161】
例えば、1つの視点において、本出願によれば式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を顆粒化することを含む医薬製剤を製造する方法が提供される。
【0162】
ある実施形態において、顆粒化は、乾式顆粒化又は湿式顆粒化である。
【0163】
顆粒化は、粉末混合物の流動性(フロー)及び錠剤の力学的な特徴を改善することが分かっている。湿式顆粒化は、液体と、薬剤製造物(drug product)と、任意的に(optionally)追加される1つ以上の賦形剤とを混合することを含む。顆粒化に用いる液体の量が多ければ、より狭い粒子径の範囲で、より粗く(coarser)、かつ、より硬い顆粒が生成される(すなわち、細かい(fine)顆粒化粒子の割合が減少する)。湿式顆粒化は、フロー、圧縮率、生物学的利用性、均質性、帯電性、及び、固体状の投与形態の安定性を改善することに使用される。一方では、乾式顆粒化は、薬剤製造物と1つ以上の賦形剤との混合物を圧縮し、粉砕する(milling)ことを含む。粉砕の後には、湿式顆粒化と同様に、薬剤製造物と賦形剤との両方を含む、より大きい粒子が残る。
【0164】
例えば、1つの視点において、本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容可能な塩と液体との混合物を顆粒化することを含む、医薬組成物を製造するプロセスを提供する。
【0165】
液体の例は、水、又は、薬学的に許容可能な賦形剤の水溶液を含む。ある実施形態において、液体は、界面活性剤、例えば、Tween界面活性剤の水溶液である。
【0166】
ある実施形態において、本発明の方法は、混合物中において充填剤を(充填剤が入った混合物を)顆粒化することをさらに含む。ある実施形態において、本発明の方法は、混合物中において結合剤を(結合剤が入った混合物を)顆粒化することをさらに含む。
【0167】
ある実施形態において、式(I)の化合物又はその塩と、充填剤と、結合剤との混合物を、界面活性剤の水溶液を用いて顆粒化することを含む、医薬組成物を製造する方法が提供される。
【0168】
ある実施形態において、本発明の方法は、顆粒化物を乾燥させるステップをさらに含む。
【0169】
ある実施形態において、本発明の方法は、賦形剤(例えば、充填剤又は崩壊剤)と、乾燥した顆粒化物とを混合するステップをさらに含む。
【0170】
ある実施形態において、本発明の方法は、乾燥した顆粒化物をスクリーニングする(篩にかける)ステップをさらに含む。
【0171】
ある実施形態において、さらに、顆粒化製剤は単一(ないし1回分)の投与形態(single dosage form)に成形及び/又はパッケージされる。ある実施形態において、投与形態は液体状の投与形態である。ある実施形態において、投与形態は固体状の投与形態である。
【0172】
経口投与のための液体状の投与形態は薬学的に許容可能なエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリクサーを含むが、これらに限定されない。
【0173】
経口投与のための固体状の投与形態は錠剤、ドラジェ(糖衣錠)、カプセル、丸薬及び顆粒を含むが、これらに限定されない。本出願に記載のいくつかの実施例において、経口投与のための固体状の投与形態はカプセルである。
【0174】
ある実施形態において、本発明に係る製剤は、固体状の投与形態で経口的に投与される。
【0175】
ある実施形態において、固体状の投与形態は、カプセル又は錠剤である。ある実施形態において、固体状の投与形態はカプセルである。ある実施形態において、カプセルはゼラチンカプセル、又は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose:HPMC)カプセルである。
【0176】
処置の方法
本出願によれば、処置が必要な患者に、上述及び本出願に記載の製剤を経口的に投与することを含む、進行しつつある疾患(癌など)を処置する方法が提供される。
【0177】
投与されるべき患者は、ヒト(例えば、男性、女性、幼児、子供、青年、大人、高齢者など)、及び/又は、他の霊長類;哺乳類(商業的に入手可能で適切な哺乳類:ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、及び/又は、イヌなどを含む)、及び/又は、鳥類(商業的に入手可能で適切な鳥類:鶏、アヒル、ガチョウ、及び/又は、シチメンチョウなどを含む)を含むものとするが、これらに限定されない。
【0178】
本出願において、「処置する」とは、最少量の又は最小濃度の式(I)の化合物又はその塩を投与することを意味し、投与された場合には、治療上の効果(例えば、コントロールする、軽減させる、回復させる、緩和する、進行を遅延させる)がもたらされる、又は、病気、疾患又は状態、あるいは処置された被験者のそれらの症状が予防(阻止)される(例えば、発症が遅延する、又は、発症のリスクが減少する)。本出願におけるいくつかの実施例において、病気、疾患、又は、状態、あるいは、処置された被験者のそれらの症状に対する治療上の効果(例えば、コントロールする、軽減させる、回復させる、緩和する、進行を遅延させる)、が処置によってもたらされる。本出願に記載の他の実施例においては、処置によって予防(阻止)される(例えば、発症が遅延する、又は、発症のリスクが減少する)。
【0179】
IPI−926(PCT出願公開WO2008083252号及びWO2008083248号に記載されており、該出願公開の両方は、本出願に引用によって組み込まれる)は、インビトロにおいて、膵臓癌、髄芽腫、肺癌、多発性骨髄腫、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、非ホジキンタイプのリンパ腫、ホジキン病及びリンパ性白血病を患う患者に由来するヒト細胞株の成長を阻害することが示されている。
【0180】
IPI−926は、いくつかの前臨床のインビボモデルにおいて、腫瘍の成長を阻害することも実証されている。即ち、髄芽腫(Pink et al., "Activity of IPI-926, a potent HH pathway inhibitor, in a novel model of medulloblastoma derived from Ptch/HIC +/- mice" American Association for Cancer Research, 1588, 2008; Villavicencia et al., "Activity of the Hh pathway inhibitor IPI-926 in a mouse model of medulloblastoma" American Association for Cancer Research, 2009)、小細胞肺癌(Travaglione et al., "A novel Hh pathway inhibitor, IPI-926, delays recurrence post-chemotherapy in a primary human SCLC xenograft model", American Association for Cancer Research, 4611, 2008; Peacock et al., "Visualization of SMOOTHENED activation supports an essential role for Hedgehog signaling in the regulation of self-renewal in small cell lung cancer" American Association for Cancer Research, 2009)、非小細胞肺癌(Mandley, E., et al. The Hh inhibitor IPI-926 delays tumor re-growth of a non-small cell lung cancer xenograft model following treatment with an EGFR targeted tyrosine kinase inhibitor. American Association for Cancer Research, 2010)、皮膚癌、頭部及び頸部の癌、そして、卵巣癌(Growdon et al, "Hedgehog pathway inhibitor cyclopamine suppresses Gli1 expression and inhibits serous ovarian cancer xenograft growth." Society of Gynecologic Oncologists Annual Meeting on Women's Cancer, 2009)などのいくつかの前臨床のインビボモデルにおいて、腫瘍の成長を阻害することが示されている。
【0181】
さらに、IPI−926は、ヒト膵臓癌のモデルにおいて単回投与の後に、急速かつ持続的にストロマ細胞のヘッジホッグ経路(ヘッジホッグシグナリングの下流の媒介物)を阻害することが実証されている(Traviglione et al., "Activity of IPI-926, a novel inhibitor of the Hh pathway, in subcutaneous and orthotopically implanted xenograft tumors that express SHh ligand." EORTC-NCI-AACR Symposium on "Molecular Targets and Cancer Therapeutics" 2008)。
【0182】
IPI−926は、臨床治験においても研究されている。
【0183】
ヘッジホッグ経路の阻害は、種々の癌を減少させるか、又は成長を阻害することも示されている(急性リンパ性白血病(ALL)(Ji et al, Journal of Biological Chemistry (2007) 282:37370-37377)、急性骨髄性白血病(AML)、基底細胞癌(Xie et al., Nature (1998) 391 :90-92; Williams et al., PNAS (2003) 100:4616-4621; Bale and Yu (2001) Human Molecular Genetics (2001) 10:757-762);胆管癌(Berman et al., Nature (2003) 425:846-851; WO 2005/013800);脳の癌及びグリオーマ(Clement et al., Current Biology (2007) 17: 1-8; Ehtesham et al., Ongogene (2007) 1-10);膀胱癌;胸部の癌(Kubo et al., Cancer Research (2004) 64:6071-6074; Lewis et al., J. Mammary Gland Biology and Neoplasia (2004) 2: 165-181);軟骨肉腫(Wunder et al., Lancet Oncology (2007) 513-524);慢性リンパ性白血病(CLL)(Hedge et al., Mol. Cancer Res. (2008) 6: 1928-1936);慢性骨髄性白血病(CML)(Dierks et al., Cancer Cell (2008) 14:238-249);大腸(結腸)癌(Yang and Hinds, BMC Developmental Biology (2007) 7:6);食道癌(Berman et al., Nature (2003) 425:846-851; WO2005/013800);胃癌(Berman et al., Nature (2003) 425:846-851; Ma et al., Carcinogenesis (2005) 26: 1698-1705; WO2005/013800; Shiotani et al., J. Gastroenterol. Hepatol. (2008) S161-S166; Ohta et al., Cancer Research (2005) 65: 10822-10829; Ma et al., World J. Gastroenterol (2006) 12:3965-3969);胃腸間質性腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)(Yoshizaki et al., World J. Gastroenterol (2006) 12:5687-5691);肝細胞癌(Sicklick et al, Carcinogenesis (2006) 27:748-757; Patil et al, Cancer Biology & Therapy (2006) 5: 111-117);腎臓癌(Cutcliffe et al, Human Cancer Biology (2005) 11 :7986-7994);肺癌(Watkins et al, Nature (2003) 422:313-317);髄芽腫(Berman et al, Science (2002) 297: 1559-1561; Pietsch et al. Cancer Research (1997) 57:2085-2088);メラノーマ(Stecca et al, PNAS (2007) 104:5895-5900; Geng et al, Angiogenesis (2007) 10:259-267);多発性骨髄腫(Peacock et al, PNAS USA (2007) 104:4048-4053; Dierks et al., Nature Medicine (2007) 13:944-951);神経外胚葉性腫瘍(Reifenberger et al., Cancer Research (1998) 58: 1798-1803);非ホジキンタイプのリンパ腫(NHL)(Dierks et al., Nature Medicine (2007) 13:944-951; Lindemann, Cancer Research (2008) 68:961-964);骨肉種(Warzecha et al, J. Chemother. (2007) 19:554-561);卵巣癌(Steg et al, J. Molecular Diagnostics (2006) 8:76-83);膵臓癌(Thayer et al., Nature (2003) 425:851-856; Berman et al., Nature (2003) 425:846-851; WO2005/013800);前立腺癌(Karhadkar et al., Nature (2004) 431 :707-712; Sheng et al., Molecular Cancer (2004) 3:29-42; Fan et al., Endocrinology (2004) 145:3961-3970);及び、精巣癌(Dormeyer et al., J. Proteome Res. (2008) 7:2936-2951)など)。
【0184】
組み合わせ療法
本出願に記載の癌を処置するために、上記の及び本出願に記載の医薬組成物を、照射(radiation)治療、外科処置などの1つ以上の追加的な治療法と組み合わせて、及び/又は、1つ以上の治療剤と組み合わせて投与することが望ましい。
【0185】
「〜と組み合わせて」の語は、治療又は治療剤を同時に投与しなければならないこと、及び/又は、一緒に送達されるように製剤化しなければならないことを示唆するものではないが、これらの送達の方法は、本発明の範囲内である。医薬組成物は、1つ以上の他の追加的な治療法又は治療剤と、同時に、前に、又は、後に投与することができる。一般的には、各薬剤は、それらの薬剤について決定された投与量、及び/又は、タイムスケジュールで投与されるだろう。この組み合わせにおいて利用される追加的な治療剤を、単一の組成物において一緒に投与することができること、又は、異なる組成物において個別に投与することができることは、さらに望ましい。あるレジメン(処置法)に特定の組み合わせ療法を採用する際には、本発明に係る医薬組成物と追加的な治療的に活性な薬剤との両立、及び/又は、達成されるべき所望の治療上の効果が考慮されるだろう。
【0186】
一般的には、組み合わせにおいて利用される追加的な治療剤は、個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが予測される。いくつかの実施形態において、組み合わせにおいて利用されるレベルは、個々に利用されるものを下回るだろう。
【0187】
ある実施形態において、本出願に記載の方法によって処置される癌は、例えば、髄芽腫、軟骨肉腫、骨肉種、膵臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌(small cell lung cancer:SCLC)又は非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer:NSCLC))、卵巣癌、頭部及び頸部の扁平上皮細胞癌(head and neck squamous cell carcinoma:HNSCC)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia:CML)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)、急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)、多発性骨髄腫、そして、前立腺癌から選択され得る。
【0188】
髄芽腫の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は、化学療法的な薬剤(例えば、ロムスチン、シスプラチン、カルボプラチン、ビンクリスチン、及び、シクロフォスファミド)、照射(radiation)治療、外科処置、及び、それらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0189】
軟骨肉腫の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は、化学療法的な薬剤(例えば、トラベクテジン)、照射治療(例えば、陽子線治療)、外科処置、及び、それらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0190】
骨肉種の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は、化学療法的な薬剤(例えば、メトトレキサート(例えば、単独で又はロイコボリンでの補助(レスキュー)と組み合わせて)、シスプラチン、アドリアマイシン、イホスファミド (例えば、単独で又はメスナと組み合わせて)、BCG(Bacillus Calmette-Guerin)、エトポシド、ムラミルトリペプチド(muramyl tri-peptite [sic,muramyl tri-peptide]:MTP))、照射治療、外科処置、及び、それらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0191】
膵臓癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤、例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤(例えば、TAXOLなどのパクリタキセル製剤、アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(albumin-stabilized nanoparticle paclitaxel formulation、例えば、ABRAXANE)又はリポソーム性パクリタキセル製剤);ゲムシタビン(例えば、ゲムシタビン単独で、又は、ゲムシタビンとAXP107−11とを組み合わせて);他の化学療法的な薬剤(オキサリプラチン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン(rubitecan)、エピルビシン塩酸(塩)、NC−6004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、マイトマイシンC、イホスファミドなど);インターフェロン;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ));HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ);二重特異性(dual)キナーゼ阻害剤(例えば、ボスチニブ、サラカチニブ(saracatinib)、ラパチニブ、バンデタニブ);マルチキナーゼ(multikinase)阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、AV−951、ブリバニブ);放射免疫療法(例えば、XR303);癌ワクチン(例えば、GVAX、サバイビンペプチド);COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ);IGF−1受容体阻害剤(例えば、AMG479、MK−0646);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス);IL−6阻害剤(例えば、CNTO328);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276−00、UCN−01);AEMD(Altered Energy Metabolism-Directed)化合物(例えば、CPI−613);HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット);TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、コナツムマブ(conatumumab));MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ(selumetinib)、GSK1120212);Raf/MEK二重特異性(dual)キナーゼ阻害剤(例えば、RO5126766);Notchシグナリング阻害剤(例えば、MK0752);モノクローナル抗体−抗体融合タンパク質(例えば、L19IL2);クルクミン;HSP90阻害剤(例えば、IPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090);rIL−2;デニロイキンジフチトクス;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02);スタチン(例えば、シンバスタチン);ファクタVIIa阻害剤(例えば、PCI−27483);AKT阻害剤(例えば、RX−0201);低酸素−活性化(hypoxia-activated)プロドラッグ(例えば、TH−302);メトホルミン塩酸(塩)、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば、3−AP);イムノトキシン(例えば、HuC242−DM4);PARP阻害剤(例えば、KU−0059436、ベリパリブ(veliparib));CTLA−4阻害剤(例えば、CP−675,206、イピリムマブ);AdV−tk療法;プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ (Velcade)、NPI−0052);チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン);NPC−1C;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、R763/AS703569);CTGF阻害剤(例えば、FG−3019);siG12D LODER;放射線照射療法(例えば、トモセラピー、定位的放射線照射、陽子線治療)、外科処置、及び、それらの組み合わせ。ある実施形態において、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤と、ゲムシタビンとの組み合わせを、本発明の医薬組成物と一緒に使用することができる。
【0192】
小細胞肺癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、エトポシド、カルボプラチン、シスプラチン、イリノテカン、トポテカン、ゲムシタビン、リポソームSN−38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR901228、フラボピリドール);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ);マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、バンデタニブ);癌ワクチン(例えば、GVAX);Bcl−2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム、ABT−263);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI−0052);パクリタキセル又はパクリタキセル製剤;ドセタキセル;IGF−1受容体阻害剤(例えば、AMG479);HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102、MK−0646);クロロキン;オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237);放射免疫療法(例えば、TF2);HSP90阻害剤(例えば、IPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090);mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス);Ep−CAM−/CD3−二重特異性(bispecific)抗体(例えば、MT110);CK−2阻害剤(例えば、CX−4945);HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット);SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923);ペプチド癌ワクチン;放射線照射療法(例えば、強度変調放射線療法(intensity-modulated radiation therapy:IMRT)、低酸素誘導性放射線療法(hypoxia-guided radiotherapy))、外科処置、及び、それらの組み合わせ。
【0193】
非小細胞肺癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療剤の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、ペメトレキセド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソームSN−38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム、アザシチジン、イリノテカン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム、サパシタビン);チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF−00299804、ニモツズマブ、RO5083945)、MET阻害剤(例えば、PF−02341066、ARQ197)、PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC−0941)、Raf/MEK二重(特異性)キナーゼ阻害剤(例えば、R05126766)、PI3K/mTOR二重(特異性)キナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、二重(dual)阻害剤(例えば、BIBW2992、GSK1363089、ZD6474、AZD0530、AG−013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG706、XL184、MGCD265、BMS−690514、R935788)、VEGF阻害剤(例えば、エンドスター(endostar)、エンドスタチン、ベバシズマブ、セディラニブ、BIBF1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えば、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組み換えDNA及びアデノウィルス発現性L523Sタンパク質(recombinant DNA and adenovirus expressing L523S protein))、Bcl−2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、NPI−0052、MLN9708)、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、ドセタキセル、IGF−1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ、MK−0646、OSI906、CP−751,871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例えば、IPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス(ridaforolimus))、Ep−CAM−/CD3−二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK−2阻害剤(例えば、CX−4945)、HDAC阻害剤(例えば、MS275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体−薬剤コンジュゲート(例えば、SGN−15)、ビスホスホナート(例えば、ゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えば、ベラゲンプマツセル−L)、低分子量ヘパリン(low molecular weight heparin: LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレンジタイド、ErbB3阻害剤(例えば、MM−121、U3−1287)、サバイビン阻害剤(例えば、YM155、LY2181308)、エリブリンメシレート、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、CS−1008)、CNGRCペプチド−TNFαコンジュゲート、ジクロロ酢酸塩(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH900105)、SAR240550、PPAR−ガンマアゴニスト(例えば、CS−7017)、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、エピジェネティック療法(例えば、5−アザシチジン)、ニトログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、コレステロール−Fus1、抗チューブリン製剤(例えば、E7389)、ファルネシル−OH−トランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファーニブ)、イムノトキシン(例えば、BB−10901、SS1(dsFv)PE38)、フォンダパリヌクス、血管破壊剤(例えば、AVE8062)、PD−L1阻害剤(例えば、MDX−1105、MDX−1106)、β−グルカン、NGR−hTNF、EMD521873、MEK阻害剤(例えば、GSK1120212)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、キネシン−スピンドル阻害剤(例えば、4SC−205)、テロメアターゲッティング剤(例えば、KML−001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)、AKT阻害剤(例えば、MK−2206)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドマイド)、Notchシグナリング阻害剤(例えば、OMP−21M18)、(放射線)照射療法、外科処置、及びそれらの組み合わせ。
【0194】
卵巣癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤;ドセタキセル;カルボプラチン;ゲムシタビン;ドキソルビシン;トポテカン;シスプラチン;イリノテカン、TLK286、イホスファミド、オラパリブ(olaparib)、オキサリプラチン、メルファラン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG−136、シクロフォスファミド、エトポシド、デシタビン);グレリンアンタゴニスト(例えば、AEZS−130)、免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT−821)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、二重(dual)阻害剤(例えば、E7080)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI−101、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、ON01910.Na)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、BIBF1120、セディラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC−3G3)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例えば、ファーレツズマブ)、アンジオポエチン阻害剤(例えば、AMG386)、エポチロン類似体(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カーフィルゾミブ)、IGF−1受容体阻害剤(例えば、OSI906、AMG479)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ(veliparib)、AG014699、イニパリブ、MK−4827)、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD−2076)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドマイド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、放射免疫療法に用いる製剤(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR−102)、癌ワクチン(例えば、p53合成長鎖ペプチドワクチン(p53 synthetic long peptides vaccine)、自己OC−DCワクチン(autologous OC-DC vaccine))、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET−A受容体アンタゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR−2)アゴニスト(例えば、CS−1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG102)、EGEN−001、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI6727)、ガンマ−セクレターゼ阻害剤(例えば、RO4929097)、Wee−1阻害剤(例えば、MK−1775)、抗チューブリン製剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、イムノトキシン(例えば、デニロイキンジフチトクス)、SB−485232、血管破壊剤(例えば、AVE8062)、インテグリン阻害剤(例えば、EMD525797)、キネシン−スピンドル阻害剤(例えば、4SC−205)、レブリミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB3阻害剤(例えば、MM−121)、(放射線)照射療法;及びそれらの組み合わせ。
【0195】
慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia: AML[sic, CML])の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的製剤(例えば、シタラビン、ヒドロキシ尿素、クロファラビン、メルファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コルジセピン、ペントスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロフォスファミド、クラドリビン、トポテカン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、二重(dual)阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、DCC−2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB−286638))、インターフェロンα、ステロイド、アポトーシス誘導剤(例えば、オマセタキシンメペスクシナート(omacetaxine mepesuccinate))、免疫療法剤(例えば、同種間(アロジェニック)CD4+記憶Th1様T細胞/微粒子結合性抗CD3/抗CD28、自己の(autologous) サイトカイン誘導性キラー細胞(CIK)、AHN−12)、CD52ターゲッティング製剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、IPI−493、IPI−504、タネスピマイシン、STA−9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS833923)、リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば、3−AP)、JAK−2阻害剤(例えば、INCBO18424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット、ボリノスタット、JNJ−26481585)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ(veliparib))、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、オーロラBキナーゼ阻害剤(例えば、TAK−901)、放射線免疫療法(例えば、アクチニウム−225標識抗CD33抗体HuM195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF−04449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、KB004、癌ワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、(放射線)照射療法、及びそれらの組み合せ。
【0196】
慢性リンパ性白血病(CLL)の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、フルダラビン、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5−アザシチジン、ペメトレキセドジソディウム(二ナトリウム))、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI−32765)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB−286638)、CD−20ターゲッティング製剤(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、RO5072759、LFB−R603)、CD52ターゲッティング製剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンα、レナリドマイド、Bcl−2阻害剤(例えば、ABT−263)、免疫療法(例えば、同種間(アロジェニック)CD4+記憶Th1様T細胞/微粒子結合性抗CD3/抗CD28、自己の(autologous)サイトカイン誘導性キラー細胞(CIK))、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、LBH589、JNJ−26481585、AR−42)、XIAP阻害剤(例えば、AEG35156)、CD−74ターゲッティング製剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、AT−101、イムノトキシン(例えば、CAT−8015、抗Tac(Fv)−PE38(LMB−2))、CD37ターゲッティング製剤(例えば、TRU−016)、放射線免疫療法(例えば、131−トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリホシン、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kデルタ阻害剤(例えば、CAL−101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、プレリキサフォル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、TAK−901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD−19ターゲッティング製剤(例えば、MEDI−551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT−348)、JAK−2阻害剤(例えば、INCBO18424)、低酸素−活性化プロドラッグ(例えば、TH−302)、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、HSP90阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG−CoA阻害剤(例えば、シンバスタチン)、GNKG186、(放射線)照射療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びそれらの組み合わせ。
【0197】
急性リンパ性白血病(ALL)の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロフォスファミド、シタラビン、エトポシド、チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソーム性アンナマイシン、ブスルファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ))、CD−20ターゲッティング製剤(例えば、リツキシマブ)、CD52ターゲッティング製剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA−9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス、ラパマイシン)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、HER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD−22ターゲッティング製剤(例えば、エピラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自己の(オートロガス)サイトカイン誘導性キラー細胞(CIK)、AHN−12)、ブリナツモマブ(blinatumomab)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、CD45ターゲッティング製剤(例えば、BC8)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、イムノトキシン(例えば、CAT−8015、DT2219ARL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ−26481585)、JVRS−100、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ(veliparib))、EZN−2285、(放射線)照射療法、ステロイド、骨髄移植、幹細胞移植、又はそれらの組み合せ。
【0198】
急性骨髄性白血病(AML)の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロファラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、CPX−351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON01910.Na、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU11248、キザルチニブ、ソラフェニブ))、イムノトキシン(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)、DT388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589)、プレリキサフォル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA−9090)、レチノイド(例えば、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI811283)、JAK−2阻害剤(例えば、INCB018424)、Polo様キナーゼ阻害剤(例えば、BI6727)、セネルセン(cenersen)、CD45ターゲッティング製剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN−01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636−ナトリウム、ZRx−101、MLN4924、レナリドマイド、免疫療法(例えば、AHN−12)、ヒスタミンジヒドロクロリド(二塩酸)、(放射線)照射療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びそれらの組み合わせ。
【0199】
多発性骨髄腫(MM)の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB L−0501)、サリドマイド、レナリドマイド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマリドマイド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、MLN9708)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、CD−40ターゲッティング薬剤(例えば、SGN−40、CHIR−12.12)、ペリホシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE−A3、NY−ESO−1、HuMax−CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589、AR−42)、アプリジン、サイクリン−依存性キナーゼ阻害剤(例えば、PD−0332991、ジナシクリブ)、三酸化ヒ素(亜ヒ酸)、CB3304、HSP90阻害剤(例えば、KW−2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、セツキシマブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、AT9283))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサフォル、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、IPH2101、アトルバスタチン、イムノトキシン(例えば、BB−10901)、NPI−0052、放射免疫療法剤(例えば、イットリウム90イブリツモマブ・チウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB−31121)、MLN4924、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD−2076)、IMGN901、ACE−041、CK−2阻害剤(例えば、CX−4945)、(放射線)照射療法、骨髄移植、幹細胞移植、及び、それらの組み合わせ。
【0200】
頭部及び頸部の癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、カルボプラチン、ドセタキセル、アミホスチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ドセタキセル)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イコチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ザルツムマブ、ニモツズマブ、ネシツムマブ、マツズマブ、セツキシマブ)、二重(dual)阻害剤(例えば、ラパチニブ、ネラチニブ、バンデタニブ、BIBW2992、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、XL−647))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、レオウイルス、(放射線)照射療法、外科処置、及び、それらの組み合せ。
【0201】
前立腺癌の処置のための本発明の医薬組成物との組み合わせにおける使用のための適切な治療(剤)の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。化学療法的な薬剤(例えば、ドセタキセル、カルボプラチン、フルダラビン)、アビラテロン、ホルモン療法(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、酢酸シプロテロン、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリックス、デガレリクス、リュープロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、二重(特異性)キナーゼ阻害剤(例えば、ラパチニブ)、マルチキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ))、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK−700、癌ワクチン(例えば、BPX−101、PEP223)、レナリドマイド、TOK−001、IGF−1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ)、TRC105、オーロラAキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、OGX−011、放射線免疫療法(例えば、HuJ591−GS)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、ドビチニブ(dovitinib) ラクタート(乳酸塩)、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OGX−427、ゲニステイン、IMC−3G3、バフェチニブ、CP−675,206、(放射線)照射療法、外科処置、又は、それらの組み合わせ。
【0202】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、mTOR阻害剤(例えば、以下から選択された1つ以上のmTOR阻害剤)と組み合わせて使用される。ラパマイシン、テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、エベロリムス(RAD001、AFINITOR(登録商標))、リダフォロリムス(ridaforolimus)、AP23573、AZD8055、BEZ235、BGT226、XL765、PF−4691502、GDC0980、SF1126、OSI−027、GSK1059615、KU−0063794、WYE−354、INK128、テムシロリムス(CCI−779)、パロミド(Palomid)529(P529)、PF−04691502、又は、PKI−587。ある実施形態において、mTOR阻害剤は、TORC1及びTORC2を阻害する。TORC1及びTORC2二重(dual)阻害剤の例は、例えば、OSI−027、XL765、パロミド(Palomid)529、及びINK128を含む。
【0203】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、インスリン様成長因子受容体(IGF−1R)の阻害剤(例えば、BMS−536924、GSK1904529A、AMG479、MK−0646、シクスツムマブ、OSI906、フィギツムマブ(CP−751,871)、又は、BIIB022)と組み合わせて使用される。
【0204】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と組み合わせて使用される。チロシンキナーゼ阻害剤の例は、以下のものを含むが、これらに限定されない。上皮成長因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤)、血管内皮成長因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)阻害剤(例えば、VEGFR−1阻害剤、VEGFR−2阻害剤、VEGFR−3阻害剤))、血小板由来成長因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えば、PDGFR−β阻害剤))、RAF−1阻害剤、KIT阻害剤及びRET阻害剤。いくつかの実施形態において、ヘッジホッグ阻害剤と組み合わせて使用される抗癌剤は、以下のものから成る群から選択される。アキシチニブ(AGO13736)、ボスチニブ(SKI−606)、セディラニブ(RECENTIN(登録商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BMS−354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)、CGP57148B、STI−571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、TYVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP−701)、ネラチニブ(HKI−272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマクサニブ(セマキシニブ、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラニブ(toceranib)(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、ENMD−2076、PCI−32765、AC220、ドビチニブラクタート(TKI258、CHIR−258)、BIBW2992(TOVOK(登録商標))、SGX523、PF−04217903、PF−02341066、PF−299804、BMS−777607、ABT−869、MP470、BIBF1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ−26483327、MGCD265、DCC−2036、BMS−690154、CEP−11981、チボザニブ(AV−951)、OSI−930、MM−121、XL−184、XL−647、XL228、AEE788、AG−490、AST−6、BMS−599626、CUDC−101、PD153035、ペリチニブ(EKB−569)、バンデタニブ(zactima)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、ABT−869(リニファニブ)、AEE788、AP24534(ポナチニブ)、AV−951(チボザニブ)、アキシチニブ、BAY73−4506(レゴラフェニブ)、ブリバニブアラニナト(BMS−582664)、ブリバニブ(BMS−540215)、セディラニブ(AZD2171)、CHIR−258(ドビチニブ)、CP673451、CYC116、E7080、Ki8751、マシチニブ(AB1010)、MGCD−265、モテサニブ二リン酸(AMG−706)、MP−470、OSI−930、パゾパニブ塩酸塩、PD173074、ソラフェニブトシル酸塩(BAY43−9006)、SU5402、TSU−68(SU6668)、バタラニブ、XL880(GSK1363089、EXEL−2880)。選択したチロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又は、ソラフェニブから選択される。ある実施形態において、チロシンキナーゼ阻害剤はスニチニブである。
【0205】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、以下のものと組み合わせて使用される。即ち、フォルフィリノックス(オキサリプラチン85mg/m2と、イリノテカン180mg/m2と、+ロイコボリン400mg/m2を含む)の投与に続き、ボーラスとしてのフルオロウラシル(5−FU)400mg/m2を投与すること(以上第1日目)と、次に5−FU 2,400mg/m2を46時間の連続的な点滴で投与することとを含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、PI3K阻害剤と組み合わせて投与される。一つの実施形態において、PI3K阻害剤は、PI3Kのデルタ及びガンマアイソフォームの阻害剤である。例示的なPI3K阻害剤は、例えば、WO2010/036380号、WO2010/006086号、WO09/114870号、WO05/113556号に記載された組み合わせで使用することができる。本発明の医薬組成物と組み合わせて使用することができる追加のPI3K阻害剤は、以下のものを含むが、これらに限定されない。GSK2126458、GDC−0980、GDC−0941、Sanofi XL147、XL756、XL147、PF−46915032、BKM120、CAL−101、CAL263、SF1126、PX−886、及び、二重(dual)PI3K阻害剤(例えば、Novartis BEZ235)。一つの実施形態において、PI3K阻害剤は、イソキノリノンである。一つの実施形態において、PI3K阻害剤は、INK1197又はその誘導体である。他の実施形態において、PI3K阻害剤は、INK1117又はその誘導体である。
【0207】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、BRAF阻害剤、(例えば、GSK2118436、RG7204、PLX4032、GDC−0879、PLX4720、及び、ソラフェニブトシラート(BAY43−9006))と組み合わせて投与される。
【0208】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、MEK阻害剤(例えば、ARRY−142886、GSK1120212、RDEA436、RDEA119/BAY869766、AS703026、AZD6244(セルメチニブ)、BIX02188、BIX02189、CI−1040(PD184352)、PD0325901、PD98059、及び、U0126)と組み合わせて投与される。
【0209】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、JAK2阻害剤(例えば、CEP−701、INCB18424、CP−690550(タソシチニブ))と組み合わせて投与される。
【0210】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤(例えば、TAXOL(登録商標)、タンパク質結合性パクリタキセル(例えば、ABRAXANE(登録商標))と組み合わせて投与される。本出願において使用される「パクリタキセル製剤」とは、パクリタキセルの製剤(例えば、TAXOL)、又は、パクリタキセルの均等物(例えば、パクリタキセルのプロドラッグ)を意味する。パクリタキセルの均等物の例は以下のものを含むが、これらに限定されない。ナノ粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE、Abraxis Bioscience社製)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA−パクリタキセル、タクサオプレキシン、Protarga社製)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(PG−パクリタキセル、パクリタキセル・ポリグルメックス、CT−2103、XYOTAX、Cell Therapeutic社製)、腫瘍において活性化されるプロドラッグ(TAP)、ANG105(3つのパクリタキセルの分子に結合したAngiopep-2、ImmunoGen社製)、パクリタキセル−EC−1(erbB2−認識ペプチドEC−1に結合したパクリタキセル;Li et ah, Biopolymers (2007) 87:225-230参照)、グルコース−コンジュゲート型のパクリタキセル(例えば、2’−パクリタキセルメチル2−グルコピラノシルスクシナート、Liu et ah, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (2007) 17:617-620参照)。ある実施形態において、パクリタキセル製剤は、パクリタキセルの均等物である。ある実施形態において、パクリタキセルの均等物は、ABRAXANEである。
【0211】
いくつかの実施形態において、本出願に記載の医薬組成物は、パクリタキセル製剤及びゲムシタビンと組み合わせて投与される。
【実施例】
【0212】
以下の実施例は単に説明の目的で含まれ、本出願の開示を限定するものではない。
【0213】
直接混合製剤(Direct Blend Formulations)
ゼラチンカプセルにカプセル化したIPI−926についての早期溶出に関する実験は、不溶性の固体状の凝集体(agglomerate)をもたらした。IPI−926の暴露は、この製剤のビーグル犬への投与の際には、ほとんどないし全く観察されなかった。何れかの特定の理論に結び付けられることなく、水和(hydration)の際にIPI−926が固体状の凝集体を形成するとの仮定が立てられた。従って、直接混合製剤について研究した。
【0214】
充填剤(微結晶性のセルロース(microcrystalline cellulose)など)は、IPI−926の表面の特徴、付着(ないし凝集)の特徴、そして、水への不溶性に起因して、IPI−926との直接的な混合物として良好に適する。微結晶セルロースの充填剤であるAvicel(登録商標)PH−200(FMC社から入手可能)は、粗い(rough)多孔性の表面を有し、非球状の形状である。そして、充填剤は、規格公称(nominal)では約180ミクロンの粒子径となっており、微粒子(fines)を低い含有率で含む(125ミクロンより小さい粒子は25%未満(重量)である)。
【0215】
ある実験において、40%w/wのIPI−926と、60%w/wのAvicel(登録商標)PH−200とをTurbulaブレンダにおいて混合し、ゼラチンカプセルの中に手動で充填した。この直接混合製剤は、他のIPI−926製剤(上述)と比較して、改善された溶出プロファイルを示し、1時間後もなお30%未満の放出を示した(図1)。図2は、この直接混合製剤(4mg/kg/日)の投与後における、オス及びメスのビーグル犬へのIPI−926の暴露態様を示す。
【0216】
II.懸濁製剤(Suspension Formulations)
経口による強制投与を容易にするために、IPI−926の懸濁製剤を調製した。これらの懸濁物(suspensions)は、典型的には、ポリソルベート80(Tween−80)などの湿式顆粒化処理(levigating)に用いる薬剤でIPI−926を湿潤させ、メチルセルロースなどの懸濁処理に用いる水溶性の薬剤の存在下で該湿潤混合物をゆっくり攪拌することによって調製される。結果として生じた懸濁物は、粘着性の泡か、又は、固体状の凝集体(agglomerate)のいずれかを形成した。次に、異なる湿式顆粒化用薬剤(グリセロールなど)、異なる懸濁用薬剤(水溶性のカルボキシメチルセルロースナトリウムなど)、又はそれらの混合物を使用して、泡又は固体状の凝集体の製剤を調製した。均質化処理(ホモゲナイゼーション)の際に、これらの懸濁物は大きい結晶の凝集体(aggregates)を過剰に含み、さらにゲル化したように見えた。追加の混合処理、ボルテックス処理、及び/又は、超音波処理によっては、この問題を解決できなかった。
【0217】
後になってから、湿式顆粒化処理の前にTween界面活性剤(例えば、Tween−80)を懸濁用薬剤に添加することによって、泡の形成、固体化(settling)、凝集体の形成及び/又は沈殿体の形成が減少して自由流動性で良好に分散した懸濁液(サスペンション)がもたらされることが分かった。
【0218】
ある実験において、1%メチルセルロースとIPI−926との懸濁物への約5%から約10%の間のTween−80の添加によって、泡の形成が減少し、均一な粘性の懸濁物がもたらされることが分かった。一連の製剤は、賦形剤のレベルが最小で、所望の懸濁物の特徴を維持するように調製した。
【0219】
オスのビーグル犬への、IPI−926の懸濁物(0.25%のメチルセルロース、2.5%のTween−80、97.25%の水)の投与(4mg/kg)は、良好な暴露態様を示した(図3)。
【0220】
III.顆粒化製剤(Granulated Formulations)
顆粒化プロセスは典型的には混合均一性(blend uniformity)及び流動性を増加させて、薬剤製造プロセス(例えば、カプセルへの充填)の助けになるので、顆粒化製剤についても研究した。
【0221】
ある実験において、IPI−926のメチルセルロース顆粒化製剤について研究した。
【0222】
IPI−926を測量して、#20の篩にかけた(screened)。水、メチルセルロースの水溶液、又は、Tween−80:メチルセルロースが10:1の混合物を、視覚的な終点(IPI−926の顆粒化が観察される時点)までスポイト(transfer pipette)で添加した。次に、湿式顆粒化物をオーバーナイトで対流オーブンにおいて50℃で乾燥させた。乾燥処理の後に、顆粒化物を#20の篩目(メッシュ)の篩にかけた。次に、40%w/wの顆粒化物と、60%w/wのAvicel(登録商標)PH−200とを、5分間Turbulaブレンダで混合した。30mgのIPI−926となるように、最終混合物をゼラチンカプセルに手動で充填した。
【0223】
この手法によれば、次の顆粒化製剤がもたらされる。水を用いて顆粒化処理したIPI−926とAvicel(登録商標)PH−200との混合製剤(水性顆粒化製剤)、97%w/wのIPI−926+3%w/wのメチルセルロースの顆粒化物とAvicel(登録商標)PH−200との混合製剤(MC顆粒化製剤)、及び、96.7%w/wのIPI−926+3.0%のTween−80+0.3%w/wのメチルセルロースの顆粒化物とAvicel(登録商標)PH−200との混合製剤(Tween/MC顆粒化製剤)。この手法によってもたらされたこれらの製剤は、各々、類似の放出プロファイルを示した(図1)。一般的には、40%w/wのIPI−926と60%w/wのAvicel(登録商標)PH−200との直接混合製剤に比べて、顆粒化処理によって溶出プロファイルが改善されることが分かった。メチルセルロース顆粒化製剤及びTween/メチルセルロース顆粒化製剤は、両方とも水性顆粒化製剤よりも良好な顆粒強度(結合剤の含有に起因すると思われる)をもたらした。
【0224】
他の実験において、IPI−926のPVP顆粒化製剤について研究した。PVP顆粒化製剤については、97%w/wのIPI−926と、3%w/wのPVP−K30とを計量し、#20の篩にかけた。次に、視覚的な終点(混合物の顆粒化が観察される時点)まで、水をスポイトで添加した。次に、顆粒化物をオーバーナイトで対流オーブンにおいて50℃で乾燥させた。乾燥処理の後に、顆粒化物を#20の篩目の篩にかけた。次に、40%w/wの顆粒化物と、60%w/wのAvicel(登録商標)PH−200とを、5分間、Turbulaブレンダで混合した。30mgのIPI−926となるように、最終混合物をゼラチンカプセルに手動で充填した。
【0225】
溶出に関する研究において、この手法によってもたらされたPVP顆粒化製剤は、上述のメチルセルロース顆粒化製剤と類似の放出プロファイルを示した(図4)。PVP顆粒化製剤と、メチルセルロース顆粒化製剤と、直接混合製剤(IPI−926とAvicel(登録商標)PH−200)とを、オスのビーグル犬に投与すると(4mg/kg)、類似の暴露態様が示された(図3)。
【0226】
PVP顆粒化製剤は処理し易いので、さらなるインビボの実験をPVP顆粒化製剤を用いて実行した。PVP顆粒化製剤を、4mg/kgで空腹状態の時に、そして、8mg/kgで空腹状態の時にビーグル犬に投与して、該製剤が投与量に比例する暴露態様を示すか否かを観察した。食事摂取状態の時と空腹状態の時との相関関係を確立するために、PVP顆粒化製剤を4mg/kgで食事摂取状態の時に投与した。全てのセッションは、各セッションの間に少なくとも10日間のウォッシュアウト期間を含んだ。各セッションにおいて、平均体重が7kgの同一の犬を使用した。カプセルは、犬の体重に適合するように個々に充填した。この実験の結果は表1及び図5に概説される。
[表1]

【0227】
暴露態様は、4mg/kgで食事摂取状態の時に投与したビーグル犬と、4mg/kgで空腹状態の時に投与したビーグル犬との間で類似していた。しかしながら、4mg/kgで投与した犬と8mg/kgで投与した犬とにおいては、投与量に比例する暴露態様は示されなかった(図5)。
【0228】
他の実験において、製剤の溶解度とカプセルの崩壊の特徴とを増強するために、PVP製剤を改変した。Tween80を顆粒化処理に用いる溶液に添加して、インビボにおける溶解度及び浸透性を増加させた。顆粒化プロセスを助けるためと顆粒化した混合物の乾燥を容易にするために、Avicel(登録商標)PH−200を顆粒化ステップに加えた。顆粒外(extragranular)のAvicel(登録商標)PH−200をより少なくすることは、粒子の偏析(segregation)を減少させることに必要であった。そして、添加するIPI−926をより少なくすることは、より良好な内容物の均一性を得るためと、崩壊時間を減少させることによって放出速度を増加させるために必要であった。
【0229】
代表的な例において、視覚的な終点(混合物が顆粒化した時点)まで、Tween−80水溶液をIPI−926、PVP−K30及びAvicel(登録商標)PH−200が入った遊星型ミキサに加えた。次に、強制的に対流を生じさせるオーブン(forced convection oven)の中で、40℃で、水が<5%になるまで顆粒化物をトレー上で乾燥させ、#20の篩目の篩に手動でかけるか、Comil整粒機において粉砕処理した(milled)。乾燥した顆粒化物についてHPLC分析を実行し、結果として生じる薬効(potency)に基づいてカプセルに充填する重量を決定した。顆粒外のAvicel(登録商標)PH−200は、顆粒化物と任意的に(optionally)混合した。Minicap100(カプセル充填装置)を使用して、HPMCカプセルに乾燥した顆粒化物を充填し、カプセルを5℃で保存した。このプロセスは、製剤を改良(refine)すること、及び、臨床治験に用いる材料を製造する前の開発版のバッチを製造することに使用された。
【0230】
試験的バッチ(パイロット)のカプセルを3段階の強度:10mg、30mg及び120mgで作製した(表2)。薬効が低い顆粒化物(低薬効)として10mgカプセルと30mgカプセルとを製造し、薬効が高い顆粒化物(高薬効)として120mgカプセルを製造した。
[表2]

【0231】
10mgカプセル及び30mgカプセルからの溶出テストによれば、良好な放出プロファイルが示された(図6)。驚くべきことに、120mgカプセルは90分間でQ=75%の溶出基準(dissolution specification)を満足しなかった。120mgカプセルにおいては局部的な凝集が生じることによって、該凝集物の表面領域が減少して溶出が阻害されたと仮定された。崩壊の欠如を克服するために、崩壊剤としてのクロスカルメロースナトリウム(AcDiSol(登録商標))を使用して、製剤を研究した。120mgカプセルの最終の臨床製剤(clinical formulation)には、顆粒内的(intagranularly)及び顆粒外的(extragranularly)の両方でAcDiSol(登録商標)を添加した(表3)。
[表3]

【0232】
10mgカプセル及び30mgカプセルの各強化バージョン(capsule strengths)については12個のカプセルをテストし、120mgカプセルの強化バージョンについては6個のカプセルをテストした。10mgカプセル及び30mgカプセルの各強化バージョンは、許容可能な放出プロファイルを示した。表3の製剤を含む120mgカプセル(強化バージョン)は、カプセルの内容物の崩壊性(disintegration)を改善することによって、カプセル毎のばらつきが少なくなり、かつ、表2の120mgカプセル(パイロットバージョン)よりもより完全な放出を示した。両方の製剤が、許容可能な溶出プロファイルを示した。3種類全てのカプセル(強化バージョン)が類似の放出プロファイルを示す(図6)。
【0233】
許容可能な溶出プロファイルを有するさらなるIPI−926の製剤を表4及び表5に示す。
[表4]

[表5]

【0234】
粒子の分布に関する実験
表4に示した製剤を、本出願に記載の方法を使用して粒子径について解析した。結果を以下の表6に概説する。
[表6]

【0235】
表6に示すように、顕著な量の製剤が>500マイクロメートルの粒子径を有した。
【0236】
粒子径ごとの溶出
上述のように取得された製剤の粒子径(表6参照)に関して、本出願に記載の方法を使用して溶出の度合いについて解析した。以下の表7に結果を概説する。表7では、溶出の度合いがIPI−926の放出%として表現される。
[表7]

【0237】
表7に示すように、最も小さいサイズの粒子は、一般的には、約50%のフラットなラインでの放出を示す。最も大きいサイズの粒子は、よりスローな放出を示すが、ゲル化について顕著に減少したポテンシャル(傾向)を示した。
【0238】
微粒子(fines)の許容性
表4に示した低薬効の臨床製剤(これらの製剤の顕著な量が>500マイクロメートルの粒子径を有することが分かった)について、本出願に記載の溶出プロトコルを使用して、微粒子の量の増加に関する許容性を解析した。表4の製剤を、<150マイクロメートルの粒子径(即ち、一般的に約50%のフラットなラインでの放出を示した粒子径)を20%、30%及び50%(w/w)で有する製剤へと再度混合して配合した。その結果は図9にまとめられるとおり、図示の微粒子の添加レベルは、溶出パフォーマンスに基づいて許容されることを示す。
【0239】
安定性についての実験
表3に示した臨床製剤の2つのロットを、57.3重量パーセントの水及び64.5重量パーセントの水を使用して湿式顆粒化によって調製した。両方のロットは、本出願に記載の方法を使用して保存安定性について研究した。両方のロットは、−20℃での保存(3日間)及び5℃(6ヶ月)の保存の際に、同程度の安定性を示した。64.5重量パーセントの水を使用して取得したロットは、25℃/60%の相対湿度(3ヶ月の代わりに6ヶ月)及び40℃/75%の相対湿度(3日間の代わりに1ヶ月)の両方において、より少ない水を使用して調製したロットと比較して、増強された安定性を示すことが分かった。
【0240】
結晶化の度合いの決定
本出願に記載の方法(残留IPA(isopropanol)法)を使用して、安定性についての実験において記載した2つのロットの結晶化の度合いを測定した。57.3重量パーセントの水及び64.5重量パーセントの水を使用して調製したロットの結晶化の度合いは、それぞれ、6.0%と1.4%とであることが分かった。GC(gas chromatography)の条件は以下のとおりである。Agilent J&W column(DB−624、30m x 0.32mm ID、1.8μmフィルム厚)、0.9mL/分でのヘリウムキャリアガス、21分間のランタイム、インジェクタ温度=150℃で10:1のスプリット比、検出FID(Flame Ionization Detector)=300℃(30mL/分の水素、300mL/分の空気、10mL/分のヘリウムでメイクアップ)。初期のカラム温度は40℃であり120℃まで上昇させて(1分あたり20℃ずつ)5分間保持し、そして、240℃まで上昇させる(1分あたり30℃ずつ)。オーブン温度は120℃である。ループ及びトランスファラインの温度はそれぞれ135℃と145℃とである。
【0241】
溶出に対する粒子径及び結晶化の度合いの影響
表8は、低い含有率で(<1%)結晶性の顆粒化物を含む30mgIPI−926カプセルからの溶出についての研究の結果を示す。表8に示すように、少なくとも75%の放出が、90分後に、テストした異なる粒子径の分布の各々において達成された。表9は、高い含有率で(<95%)結晶性の顆粒化物を含む30mgIPI−926カプセルからの溶出についての研究の結果を示す。表9に示すように、75%の放出が、90分後に、より大きい粒子径(>500マイクロメートル)のサンプルにおいてのみ達成された。
【0242】
表10は、低い含有率で(<1%)結晶性の顆粒化物を含む10mgIPI−926カプセルからの溶出についての研究の結果を示す。表10に示すように、90分後に少なくとも75%の放出がより大きい粒子径(>500マイクロメートル)のサンプル及び混合サンプルにおいて達成されたが、より小さい粒子径のサンプル(<150マイクロメートル)では達成されなかった。表11は、高い含有率で(<95%)結晶性の顆粒化物を含む10mgIPI−926カプセルからの溶出についての研究の結果を示す。表11に示すように、90分後に75%の放出がより大きい粒子径(>500マイクロメートル)のサンプルにおいてのみ達成された。
[表8]

[表9]

[表10]

[表11]

【0243】
この実験例は、結晶度が低い材料は対応する含有率が高い材料よりも良好な溶出プロファイルを示す傾向があることを示す。この実験例は、さらに、大きいサイズの粒子が小さいサイズの粒子よりも良好な溶出プロファイルを示す傾向があることを示す。要するに、この実験例は、より大きい粒子径を採用した時に結晶度が高い材料の溶出プロファイルが増強されることを示す。
【0244】
錠剤型(タブレット型)の製剤
許容可能な溶出プロファイルを有する錠剤も調製した(例えば、200mg、250mg及び400mgの錠剤)。代表的な例を以下に示す。
[表12A]

【0245】
10mgカプセル及び30mgカプセルの強化バージョンについての薬物動態(PK)に関する実験を4匹の空腹状態のオス及びメスのビーグル犬に対して実行した。各犬に、単一の30mgカプセルを投与した。8日間のウォッシュアウト期間の後に、各犬に単一の10mgカプセルを投与した。12日間のウォッシュアウト期間の後に、各犬に、15mlのIPI−926の懸濁液(2mg/mlのIPI−926、0.25%のメチルセルロース、2.5%のTween−80及び97.25%の水)を経口の強制投与によって与えた。血液サンプルを、投与前、投与の15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、24時間後、36時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後、144時間後及び168時間後に採取した。これらの結果を図7及び表12Bに概説する。
[表12B]

【0246】
ビーグル犬において薬効が低い製剤と、薬効が高い製剤とを比較するために、一日に60mgの投与を選択した。該投与量は、4週間前に行ったマウスを用いた非臨床的な毒性の研究における最も高い投与量に対応する。
【0247】
4匹のオスのビーグル犬(オーバーナイトで空腹状態にした)に、1回の処置で60mg(臨床に用いた120mgの顆粒化製剤(高薬効)の半分の投与量を含む)を投与した。2週間のウォッシュアウト期間が経過した後に、4匹の同じ犬を、オーバーナイトで空腹状態にして、2つの30mgカプセル(臨床に用いた30mgの顆粒化製剤(低薬効))を投与した。血漿解析のために、血液を、投与前、投与の15分後、30分後、1時間後、2時間後、4時間後、8時間後、24時間後、36時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後、144時間後及び168時間後に取得した。各製剤は、インビボにおいて類似の暴露を示した(表13及び図8参照)。
[表13]

【0248】
均等物
本発明の分野における通常の知識を有する者は、本出願に記載の発明の特定の実施形態として多くの均等物を認識するだろうし、あるいは、該均等物についてルーチン的な実験方法のみを用いて確認することができる。そのような均等物は、特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬製剤であって、
前記製剤の80%以下が250マイクロメートル未満の粒子径を有すること、及び、
前記製剤が経口投与に適する形態であること、
を特徴とする医薬製剤。
【請求項2】
前記製剤の10パーセントから60パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項3】
前記製剤の10パーセントから30パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記製剤の20パーセントから90パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記製剤の30パーセントから80パーセントが、500マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項4に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記製剤の40パーセントから90パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項6に記載の医薬製剤。
【請求項8】
前記製剤の10パーセントから60パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有し、かつ、前記製剤の40パーセントから90パーセントが、250マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項9】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートル以上の粒子径を有することを特徴とする請求項8に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記製剤が、最大で約1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記製剤の20パーセントから90パーセントが、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記製剤の30パーセントから70パーセントが、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項11に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記製剤の40パーセントから90パーセントが、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項14】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項13に記載の医薬製剤。
【請求項15】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項14に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記製剤の10パーセントから60パーセントが、250マイクロメートル未満の粒子径を有し、かつ、前記製剤の40パーセントから90パーセントが、250マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項10に記載の医薬製剤。
【請求項17】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートルから1000マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項16に記載の医薬製剤。
【請求項18】
前記製剤の40パーセントから80パーセントが、500マイクロメートルから850マイクロメートルの粒子径を有することを特徴とする請求項17に記載の医薬製剤。
【請求項19】
式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与型の医薬投与形態製剤であって、
前記化合物が80%より大きい結晶度であること、
前記製剤の粒子の少なくとも50%が500マイクロメートルより大きい粒子径を有すること、及び、
前記製剤が経口投与に適する形態であること、
を特徴とする医薬製剤。
【請求項20】
前記製剤の粒子の少なくとも60%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項21】
前記製剤の粒子の少なくとも80%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項19に記載の医薬製剤。
【請求項22】
式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与型の医薬投与形態製剤であって、
前記化合物が80%未満の結晶度であること、
前記製剤の粒子の少なくとも20%が250マイクロメートルより大きい粒子径を有すること、及び、
前記製剤が経口投与に適する形態であること、
を特徴とする医薬製剤。
【請求項23】
前記製剤の粒子の少なくとも40%が、250マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項24】
前記製剤の粒子の少なくとも50%が、250マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項25】
前記製剤の粒子の少なくとも20%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項26】
前記製剤の粒子の少なくとも50%が、500マイクロメートルより大きい粒子径を有することを特徴とする請求項22に記載の医薬製剤。
【請求項27】
0.1NのHCl水溶液と、0.1NのHCl水溶液/0.5%Tweenとから選択される溶解媒体中で、
0.011mg/mL、0.033mg/mL、及び、0.133mg/mLから選択される溶解媒体中の前記式(I)の化合物の最大濃度で、
37℃で前記製剤を撹拌する場合に、
前記式(I)の化合物の溶解率が、HPLCによって測定した時には、90分後に少なくとも75%完了であること、
を特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項28】
前記製剤が、少なくとも6ヶ月間、5℃での実際の又は模式的な保存において安定であることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項29】
前記製剤が、少なくとも3ヶ月間、25℃/60%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定であることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項30】
前記製剤が、1ヶ月間、40℃/75%の相対湿度での実際の又は模式的な保存において安定であることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項31】
ビーグル犬に前記製剤を1回の処置で投与した際の式(I)の化合物の平均ピーク血漿濃度(Cmax)が、式(I)の化合物を30mg含む製剤については、約190ng/mLと220ng/mLの間であり、そして、
式(I)の化合物を10mg含む製剤については、約60ng/mLと80ng/mLの間であること、
を特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項32】
前記製剤のヒトへの一日1回の投与によって、5000nghr/mLと15000nghr/mLの間の式(I)の化合物の定常状態における平均の薬物濃度−時間曲線下面積(AUC(0−24時間))が得られることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項33】
前記製剤が、5%と50%(w/w)の間で式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項34】
前記製剤が、5%と15%(w/w)の間で式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項33に記載の医薬製剤。
【請求項35】
前記製剤が、5ミリグラムから500ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項36】
前記製剤が、10ミリグラム又は30ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項35に記載の医薬製剤。
【請求項37】
前記製剤が、20%と30%(w/w)の間で式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項33に記載の医薬製剤。
【請求項38】
前記製剤が、110ミリグラムから130ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項1又は37に記載の医薬製剤。
【請求項39】
前記製剤が、120ミリグラムの式(I)の活性化合物を含むことを特徴とする請求項38に記載の医薬製剤。
【請求項40】
前記式(I)の化合物が、塩酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項41】
前記製剤が、固体状の投与形態であることを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項42】
前記固体状の投与形態が、カプセル又は錠剤であることを特徴とする請求項41に記載の医薬製剤。
【請求項43】
前記固体状の投与形態が、カプセルであることを特徴とする請求項42に記載の医薬製剤。
【請求項44】
前記カプセルが、ゼラチンカプセル又はヒドロキシプロピルメチルセルロースカプセルであることを特徴とする請求項43に記載の医薬製剤。
【請求項45】
前記製剤が、充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項46】
前記充填剤が、微結晶セルロース、ラクトース、圧縮可能な糖、アルファ化澱粉、第二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、及び硫酸カルシウムから選択されることを特徴とする請求項45に記載の医薬製剤。
【請求項47】
前記充填剤が微結晶セルロースであることを特徴とする請求項45に記載の医薬製剤。
【請求項48】
前記製剤が、結合剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は45に記載の医薬製剤。
【請求項49】
前記結合剤が、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルファ化澱粉、スクロース及びアカシアガムから選択されることを特徴とする請求項48に記載の医薬製剤。
【請求項50】
前記結合剤が、ポリビニルピロリドンであることを特徴とする請求項49に記載の医薬製剤。
【請求項51】
前記製剤が、界面活性剤をさらに含むことを特徴とする請求項1、45又は48のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項52】
前記界面活性剤が、Tween80、Tween20、ラウリル硫酸ナトリウム及びドデシル硫酸ナトリウムから選択されることを特徴とする請求項51に記載の医薬製剤。
【請求項53】
前記界面活性剤がTween80であることを特徴とする請求項52に記載の医薬製剤。
【請求項54】
前記製剤が、崩壊剤をさらに含むことを特徴とする請求項1、45、48又は51のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項55】
前記崩壊剤が、クロスカルメロースナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、クロスポビドン及び澱粉から選択されることを特徴とする請求項54に記載の医薬製剤。
【請求項56】
前記製剤が、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン及びTween80をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項57】
前記製剤が、クロスカルメロースナトリウムをさらに含むことを特徴とする請求項56に記載の医薬製剤。
【請求項58】
前記製剤が以下の表に示す成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤。

【請求項59】
前記製剤が以下の表に示す成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤

【請求項60】
前記製剤が以下の表に示す成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の医薬製剤

【請求項61】
前記製剤が、顆粒化処理によって調製されることを特徴とする請求項1から60のいずれか1項に記載の医薬製剤。
【請求項62】
式(I)の化合物:

又はその薬学的に許容可能な塩と、液体との混合物を顆粒化することを含む医薬製剤を製造する方法。
【請求項63】
前記液体が水を含むことを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記液体が界面活性剤の水溶液であることを特徴とする請求項63に記載の方法。
【請求項65】
顆粒化物の重量に対する前記液体の重量の比率が、0.25より大きいことを特徴とする請求項62、63又は64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記混合物中において充填剤を顆粒化することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記混合物中において結合剤を顆粒化することを特徴とする請求項62に記載の方法。
【請求項68】
前記顆粒化物を乾燥させるステップをさらに含む請求項62に記載の方法。
【請求項69】
請求項1から60のいずれか1項に記載の医薬製剤を、該医薬製剤を必要とする患者に経口的に投与することを特徴とする癌を治療する方法。
【請求項70】
1つ以上の他の癌の治療剤を投与するステップをさらに含む請求項69に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2013−510180(P2013−510180A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538069(P2012−538069)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/055879
【国際公開番号】WO2011/057222
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(507063584)インフィニティ ファーマスーティカルズ、インク. (6)
【Fターム(参考)】