説明

ヘッジホッグ阻害剤

ヘッジホッグシグナル伝達を阻害するための化合物、医薬組成物、および、方法が本明細書に記載される。前記化合物、医薬組成物、および、方法は、ヒトと動物の疾患と障害の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年1月7日に出願された米国仮出願第61/293,128号の利益を主張し、その全体は引用によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヘッジホッグシグナル伝達の阻害のための化合物、医薬組成物および方法が本明細書に記載されている。前記化合物、医薬組成物および方法は、ヒトと動物の疾患および障害の処置において有用性を有している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態は、式(I)の構造を有する化合物:
【0004】
【化1】

【0005】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を提供し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0006】
別の実施形態は、Xが−S−、−O−である、式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0007】
別の実施形態は、GとGが両方とも水素にはなりえない式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0008】
別の実施形態は、式(I)の構造を有する化合物を提供し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、ここで、GおよびGは両方とも水素になりえず、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
はハロゲン、−CN、アルキル、アリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は、アルコキシ、−CN、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
および、
、R、および、Rは各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択される。
【0009】
別の実施形態は、nが0である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0010】
別の実施形態は、nが1である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0011】
別の実施形態は、GがHである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0012】
別の実施形態は、GがHで、Gがアルキルの式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0013】
別の実施形態は、Xが−S−である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0014】
別の実施形態は、Rが−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、または、−CH−(C結合型複素環)である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0015】
別の実施形態は、Rがハロゲン、−CN、−アルキル、−CFである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0016】
別の実施形態は、Rが−SOMeまたは−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0017】
別の実施形態は、Rがハロゲンで、Rが−SOMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0018】
別の実施形態は、Rがハロゲンで、Rが−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0019】
別の実施形態は、nが0であり、GがHであり、Gがアルキルであり、Xが−S−であり、Rがハロゲンであり、Rが−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0020】
別の実施形態は、nが0であり、GがHであり、Gがアルキルであり、Xが−S−であり、Rがハロゲンであり、Rが−SOMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0021】
1つの実施形態は、式(I)の化合物(compond)、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩、および、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供し、ここで、式(I)の化合物は以下の構造:
【0022】
【化2】

【0023】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0024】
1つの実施形態は細胞内のヘッジホッグ経路を阻害する方法を提供し、該方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【0025】
【化3】

【0026】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0027】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型(loss−of−function phenotype)であることによって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0028】
1つの実施形態は、細胞内のsmoothenedタンパク質の活性を阻害する方法を提供し、該方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【0029】
【化4】

【0030】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、smoothenedタンパク質と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0031】
別の実施形態は、細胞がPatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0032】
1つの実施形態は、細胞内のGli転写調節因子の転写の活性を抑制する方法を提供し、該方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【0033】
【化5】

【0034】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0035】
別の実施形態は、細胞がPatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0036】
1つの実施形態は、細胞内のGliを媒介とした遺伝子転写を阻害する方法を提供し、該方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【0037】
【化6】

【0038】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0039】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0040】
1つの実施形態は、ヘッジホッグ経路によって媒介されるヒトの疾患または障害を処置する方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を患者に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は以下の構造、
【0041】
【化7】

【0042】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0043】
別の実施形態は、疾患または障害が増殖性疾患である方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が結腸癌、肺癌、膵臓癌、胃癌、前立腺癌、および、肝細胞癌から選択される方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が、基底細胞癌、乳癌、骨肉腫、軟部組織肉腫、慢性骨髄白血病、急性骨髄白血病、血液癌、髄芽腫、横紋筋肉腫(rhabdomyosaracoma)、神経芽細胞腫、膵臓癌、乳癌、髄膜腫、膠芽腫、星細胞腫、メラノーマ、胃癌、食道癌、胆道癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膠細胞癌(glial cell cancer)、多発性骨髄腫、結腸癌、神経外胚葉性腫瘍、神経内分泌腫瘍、肥満細胞腫、および、ゴーリン症候群から選択される方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が基底細胞癌である方法を提供する。
【0044】
1つの実施形態は、ヘッジホッグ経路によって媒介される動物の疾患または障害を処置する方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を被験体に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は以下の構造、
【0045】
【化8】

【0046】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0047】
別の実施形態は、動物の疾患または障害を処置する方法を提供し、疾患または障害は肥満細胞腫または骨肉腫から選択される増殖性疾患である。
【0048】
(引用による組み込み)
この明細書で言及されるすべての公報および特許出願は、個々の出版物または特許出願が特異的にかつ個別に引用によって組み込まれると意図されたような同程度まで、引用によって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲内に説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられている実施形態を説明する下記の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【0050】
【図1】本明細書に記載されているアルカリフォスファターゼアッセイにおける、シクロパミン(陽性対照)の用量反応を示す。
【図2】本明細書に記載されているアルカリフォスファターゼアッセイにおける実施例4の化合物の用量反応を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
(複素環式ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤)
1つの実施形態は、式(I)の構造を有する化合物、
【0052】
【化9】

【0053】
または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を提供し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルである。
【0054】
別の実施形態は、Xが−S−、−O−である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0055】
別の実施形態は、GとGが両方とも水素にはなりえない式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0056】
別の実施形態は、式(I)の構造を有する化合物を提供し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、ここでGとGは両方とも水素になりえず、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
はハロゲン、−CN、アルキル、アリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は、アルコキシ、−CN、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、ならびに、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択される。
【0057】
別の実施形態は、nが0である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0058】
別の実施形態は、nが1である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0059】
別の実施形態は、GがHである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0060】
別の実施形態は、GがHで、Gがアルキルである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0061】
別の実施形態は、Xが−S−である式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0062】
別の実施形態は、Rが−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、または、−CH−(C結合型複素環)である、式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0063】
別の実施形態は、Rがハロゲン、−CN、−アルキル、または、−CFである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0064】
別の実施形態は、Rが−SOMeまたは−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0065】
別の実施形態は、RがハロゲンでRが−SOMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0066】
別の実施形態は、RがハロゲンでRが−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0067】
別の実施形態は、nが0で、GがHで、Gがアルキルで、Xが−S−で、Rがハロゲンで、および、Rが−OMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0068】
別の実施形態は、nが0で、GがHで、Gがアルキルで、Xが−S−で、Rがハロゲンで、および、Rが−SOMeである式(I)の構造を有する化合物を提供する。
【0069】
特定の実施形態では、式(I)の化合物は表1に示される構造を有する。
【0070】
【表1−1】

【0071】
【表1−2】

【0072】
【表1−3】

【0073】
【表1−4】

【0074】
さらなる実施形態では、式(I)の化合物は、例19−193として以下に示された構造から選択される。
【0075】
【化10】

【0076】
【化11】

【0077】
【化12】

【0078】
【化13】

【0079】
【化14】

【0080】
【化15】

【0081】
【化16】

【0082】
【化17】

【0083】
【化18】

【0084】
【化19】

【0085】
【化20】

【0086】
【化21】

【0087】
【化22】

【0088】
(定義)
本明細書と添付の請求項で用いられているように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が他に明確に指示していない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「細胞」への言及は、1以上の細胞(または複数の細胞)と、当業者にとって知られているその同等物への言及を含む。分子量などの物理的特性、または、化学式などの化学的特性について、様々な範囲が本明細書で使用される場合、範囲のすべての組み合わせと部分的な組み合わせ、および、その特定の実施形態はすべて含まれるように意図される。用語「約(about)」は、数または数の範囲について言及する際、その数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または、統計的な実験誤差の範囲内)の近似値であり、したがって、その数または数の範囲が、記載される数または数の範囲の1%と15%の間で変動してもよいことを意味する。用語「含む(comprising)」(および、「comprise」または「comprises」または「having」または「including」のような関連する用語)は、他の特定の実施形態、例えば、本明細書に記載の任意の物質の組成物、組成物、方法、または、工程などの実施形態において、それを除外するようには意図されず、記載される特徴「からなる(consist of)」か、または、「から本質的にはな(consist essentially of)」ってもよい。
【0089】
「アミノ」は−NHラジカルを指す。
【0090】
「シアノ」は−CNラジカルを指す。
【0091】
「ニトロ」は−NOラジカルを指す。
【0092】
「オキサ」は−O−ラジカルを指す。
【0093】
「オキソ」は=Oラジカルを指す。
【0094】
「イミノ」は=NHラジカルを指す。
【0095】
「チオキソ」は=Sラジカルを指す。
【0096】
「アルキル」とは、1乃至15の炭素原子を有し(例えば、C−C15アルキル)、不飽和をまったく含まない、炭素と水素の原子のみからなる、直線状の、または、分枝した炭化水素鎖ラジカルを指す。特定の実施形態では、アルキルは1乃至13の炭素原子を含む(例えば、C−C13アルキル)。特定の実施形態では、アルキルは1乃至8の炭素原子を含む(例えば、C−Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは1乃至5の炭素原子を含む(例えば、C−Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは1乃至4の炭素原子を含む(例えば、C−Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは1乃至3の炭素原子を含む(例えば、C−Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは1乃至2の炭素原子を含む(例えば、C−Cアルキル)。アルキルは単結合による分子の残りに付けられ、その例は例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシルなどである。明細書に別段の定めのない限り、アルキル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(tは1または2である)、−S(O)OR(tは1または2である)、および、S(O)N(R(tは1または2である)の1以上によって随意に置換され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル(carbocyclyl)、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル(heterocyclyl)、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。明細書に別段の定めのない限り、アルキル基は、随意に、CF、CFCF、CHF、CHF、CHCFなどのフッ素化した、または、全フッ素置換したアルキル基である。
【0097】
「アルケニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、かつ、2乃至12の炭素原子を有する、直線状の、または、分枝した炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルケニルは2乃至8の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルケニルは2乃至4の炭素原子を含む。アルケニルは単結合によって分子の残りに付けられ、その例は例えば、エテニル(すなわち、ビニール)、prop−1−enyl(すなわち、アリール)、but−1−enyl、pent−1−enyl、penta−1,4−dienylなどである。本明細書に別段の定めのない限り、アルケニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(tは1または2である)、−S(O)OR(tは1または2である)、および、−S(O)N(R(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。
【0098】
「アルキニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの三重結合を含み、2乃至12の炭素原子を有する、直線状の、または、分枝した、炭化水素鎖ラジカル基を指す。特定の実施形態では、アルキニルは2乃至8の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは2乃至4の炭素原子を有する。アルキニルは単結合によって分子の残りに付けられ、その例は例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどである。明細書に別段の定めのない限り、アルキニル基は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(tは1または2である)、−S(O)OR(tは1または2である)、および、−S(O)N(R(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。
【0099】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残りをラジカル基につなぎ、炭素と水素の原子のみからなり、不飽和を含まず、および、1乃至12の炭素原子、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、nブチレンなどを有する、直線状の、または、分枝した、二価の炭化水素鎖を指す。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残りに、および、単結合を介してラジカル基に取り付けられる。分子の残りとラジカル基へのアルキレン鎖の付着点は、アルキレン鎖中の1つの炭素を介するか、または、鎖内の任意の2つの炭素を介するものであってもよい。明細書に別段の定めのない限り、アルキレン鎖は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、酸素、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)−R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(ここでtは1または2である)、−S(O)OR(ここでtは1または2である)、および、−S(O)N(R(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、ここで、各々のRは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、カルボシクリル、カルボシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルである。
【0100】
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、分子の残りをラジカル基につなぎ、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、および、2乃至12の炭素原子、例えば、エチレン、プロピレン、nブチレンなどを有する、直線状の、または、分枝した、二価の炭化水素鎖を指す。アルケニレン鎖は、二重結合または単結合を介して分子の残りに付けられ、二重結合または単結合を介してラジカル基に付けられる。分子の残りとラジカル基へのアルケニレン鎖の付着点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介するものであってもよい。明細書に別段の定めのない限り、アルケニレン鎖は、以下の置換基:ハロ、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、オキソ、チオキソ、トリメチルシラニル、−OR、−SR、−OC(O)R、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)S(O)(tは1または2である)、−S(O)OR(tは1または2である)、および、−S(O)N(R(tは1または2である)の1つ以上によって随意に置換され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1つ以上のハロ基によって置換される)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであって、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換型である。
【0101】
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を取り除くことによる、芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系に由来するラジカルを指す。芳香族の単環式または多環式の炭化水素環系は、水素と、6乃至18の炭素原子の炭素のみを含み、環系における環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、ヒュッケル理論に従って、環式の非局在化した(4n+2)π−電子系を含む。アリール基は、フェニル、フルオレニル、および、ナフタレニルなどの基を含むが、これらに限定されない。明細書で別段の定めのない限り、用語「アリール」または接頭辞「ar−」(「アラルキル」のように)は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(tは1または2である)、−R−S(O)OR(tは1または2である)、および、−R−S(O)N(R(tは1または2である)から独立して選択される1つ以上の置換基によって随意に置換されたアリールラジカルを含むように意図され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(随意に1つ以上のハロ基により置換された)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、各々のRは、独立して、直接結合、または、直線状のあるいは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは直線状のまたは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、および、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換型である。
【0102】
が例えばベンジル、ジフェニルメチルなど、上に定義されるようなアルキレン鎖である場合、「アラルキル」は式−R−アリールのラジカルを指す。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖について先に記載されたように随意に置換される。アラルキルラジカルのアリール部分は、アリール基について先に記載されたように随意に置換される。
【0103】
が上に定義されるようなアルケニレン鎖である場合、「アラルケニル」は、式−R−アリールのラジカルを指す。アラルケニルラジカルのアリール部分は、アリール基について先に記載されたように随意に置換される。アラルケニルラジカルのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基について先に定義されるように随意に置換される。
【0104】
Reが上に定義されるようなアルキニレン鎖である場合、「アラルキニル」は式−Re−アリールのラジカルを指す。アラルキニルラジカルのアリール部分は、アリール基について先に記載されたように随意に置換される。アラルキニルラジカルのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖について先に定義されるように随意に置換される。
【0105】
「カルボシクリル」は、3乃至15の炭素原子を有する、縮合環または架橋環の系を含む、炭素と水素の原子のみからなる、安定した非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指す。特定の実施形態では、カルボシクリルは3乃至10の炭素原子を含む。他の実施形態では、カルボシクリルは5乃至7の炭素原子を含む。カルボシクリルは単結合によって分子の残りに付けられる。カルボシクリルは随意に飽和されるか(すなわち、単一のC−C結合のみを含む)、または、不飽和である(すなわち、1つ以上の二重結合または三重結合を含む)。完全飽和したカルボシクリルラジカルも「シクロアルキル」と呼ばれる。単環式のシクロアルキルの例は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、および、シクロオクチルを含む。不飽和のカルボシクリルも「シクロアルケニル」と呼ばれる。単環式のシクロアルケニルの例は、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、および、シクロオクテニルを含む。多環式のカルボシクリルラジカルは、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(norbornyl)(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル(decalinyl)、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどを含む。明細書に別段の定めのない限り、用語「カルボシクリル」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(tは1または2である)、−R−S(O)OR(tは1または2である)、および、−R−S(O)N(R(tは1または2である)から独立して選択される1以上の置換基によって随意に置換されるカルボシクリルラジカルを含むように意図され、各々のRは、独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、各々のRは、独立して、直接結合、または、直線状のあるいは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは直線状のまたは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、および、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々が非置換型である。
【0106】
「カルボシクリルアルキル」とは、Rが上に定義されるようなアルキレン鎖である、式−R−カルボシクリルのラジカルを指す。アルキレン鎖およびカルボシクリルラジカルは、先に定義されるように随意に置換される。
【0107】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、または、ヨードの置換基を指す。
【0108】
「フルオロアルキル」は、先に定義されるようにアルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチルなど、上に定義されるような1以上のフルオロラジカルによって置換される。フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキルについて先に定義されるように随意に置換される。
【0109】
「ヘテロシクリル」は、2乃至12の炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選択される1乃至6のヘテロ原子とを含む、安定した3乃至18員の非芳香環ラジカルを指す。明細書に別段の定めのない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式、または、四環式の環系であり、縮合環系または架橋環系を含む。ヘテロシクリルラジカル中のヘテロ原子は随意に酸化される。1つ以上の窒素原子は、もし存在すれば、随意に4分割される。ヘテロシクリルラジカルは、部分的にまたは完全に飽和される。ヘテロシクリルは環の任意の原子によって分子の残りに付けられる。そのようなヘテロシクリルラジカルの例は限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル(isothiazolidinyl)、イソオキサゾリジニル(isoxazolidinyl)、モルホリニル、オクタヒドロインドリル(octahydroindolyl)、オクタヒドロイソインドリル(octahydroisoindolyl)、2−オキソピペラジニル(oxopiperazinyl)、2−オキソピぺリジニル(oxopiperidinyl)、2−オキソピロリジニル(oxopyrrolidinyl)、オキサゾリジニル(oxazolidinyl)、ピぺリジニル(piperidinyl)、ピペラジニル、4−ピペリドニル(piperidonyl)、ピロリジニル(pyrrolidinyl)、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル(thiazolidinyl)、テトラヒドロフリル、トリチアニル(trithianyl)、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および、1,1−ジオキソ−チオモルホリニルを含む。明細書に別段の定めのない限り、用語「ヘテロシクリル」は、随意にアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(tは1または2である)、−R−S(O)OR(tは1または2である)、および、−R−S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1以上の置換基によって随意に置換される、先に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを含むことを意図され、各々のRは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、各々のRは独立して、直接結合、または、直線状のあるいは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは直線状のまたは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、および、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換型である。
【0110】
「N−ヘテロシクリル」または「Nが付いたヘテロシクリル」とは、少なくとも1つの窒素を含有する先に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの付着点は、ヘテロシクリルラジカル内の窒素原子を介したものである。N−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて先に記載されたように随意に置換される。そのようなN−ヘテロシクリルラジカルの例は、限定されないが、1−モルホリニル、1−ピぺリジニル、1−ピペラジニル、1−ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニルを含んでいる。
【0111】
「C−ヘテロシクリル」または「Cが付いたヘテロシクリル」は、少なくとも1つのヘテロ原子を包含する、先に定義されるようなヘテロシクリルラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロシクリルラジカルの付着点は、ヘテロシクリルラジカル内の炭素原子を介したものである。C−ヘテロシクリルラジカルは、ヘテロシクリルラジカルについて先に記載されたように随意に置換される。そのようなC−ヘテロシクリルラジカルの例は、限定されないが、2−モルホリニル、2−または3−または4−ピぺリジニル、2−ピペラジニル、2−または3−ピロリジニルなどを含んでいる。
【0112】
「ヘテロシクリルアルキル」は、Rが先に定義されるようなアルキレン鎖である、式−R−ヘテロシクリルのラジカルを指す。ヘテロシクリルが窒素を含有するヘテロシクリルである場合、ヘテロシクリルは窒素原子でアルキルラジカルに随意に付けられる。ヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について先に定義されるように随意に置換される。ヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、ヘテロシクリル基について先に定義されるように随意に置換される。
【0113】
「ヘテロアリール」は、2乃至17の炭素原子と、窒素、酸素および硫黄から選ばれる1乃至6のヘテロ原子とを含む、3乃至18員の芳香族環ラジカルに由来したラジカルを指す。本明細書で使用されているように、ヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式、四環式の環系であり、環系における環の少なくとも1つは完全に不飽和であり、すなわち、それは、ヒュッケル理論に従って、環式の非局在化した(4n+2)π−電子系を含む。ヘテロアリールは、縮合環系または架橋環系を含む。
ヘテロアリールラジカル内のヘテロ原子は随意に酸化する。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、随意に4分割される。ヘテロアリールは環の任意の原子によって分子の残りに付けられる。ヘテロアリールの例は、限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル(dioxepinyl)、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シノリニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]ピリジニル、および、チオフェニル(すなわち、チエニル)を含む。明細書に別段の定めのない限り、用語「ヘテロアリール」は、先に定義されるようにヘテロアリールラジカルを含むよう意図とされ、該ヘテロアリールラジカルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ、チオキソ、シアノ、ニトロ、随意に置換されたアリール、随意に置換されたアラルキル、随意に置換されたアラルケニル、随意に置換されたアラルキニル、随意に置換されたカルボシクリル、随意に置換されたカルボシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたヘテロシクリルアルキル、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロアリールアルキル、−R−OR、−R−SR、−R−OC(O)−R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(tは1または2である)、−R−S(O)OR(tは1または2である)、および、−R−S(O)N(R(tは1または2である)から選択される1以上の置換基によって随意に置換され、各々のRは独立して、水素、アルキル、フルオロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、または、ヘテロアリールアルキルであり、各々のRは独立して、直接結合、または、直線状のあるいは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、Rは直線状のまたは分枝したアルキレンまたはアルケニレン鎖であり、および、別段の定めのない限り、上記の置換基の各々は非置換型である。
【0114】
「N−ヘテロアリール」は少なくとも1つの窒素を含有する、先に定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの付着点は、ヘテロアリールラジカル内の窒素原子を介したものである。ヘテロアリールラジカルについて先に記載されたように、N−ヘテロアリールラジカルは随意に置換される。
【0115】
「C−ヘテロアリール」は上に定義されるようなヘテロアリールラジカルを指し、分子の残りに対するヘテロアリールラジカルの付着点は、ヘテロアリールラジカル内の炭素原子を介したものである。ヘテロアリールラジカルについて先に記載されたように、C−ヘテロアリールラジカルは随意に置換される。
【0116】
「ヘテロアリールアルキル」は、Rが先に定義されるようなアルキレン鎖である、式−R−ヘテロアリールのラジカルを指す。ヘテロアリールが窒素を含有するヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは窒素原子でアルキルラジカルに随意に付けられる。ヘテロアリールアルキルラジカルのアルキレン鎖は、アルキレン鎖について先に定義されるように、随意に置換される。ヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリールの一部は、ヘテロアリール基について先に定義されるように、随意に置換される。
【0117】
化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、1以上の不斉中心を包含してもよく、アミノ酸について、(R)−または(S)−として、あるいは、(D)−または(L)−として、絶対的な立体化学の観点から定義されるエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性形状を生じさせてもよい。本明細書に記載の化合物がオレフィンの二重結合または幾何学的非対称な他の中心を包含する場合、別段定めのない限り、化合物はEとZの両方の幾何異性体(例えば、cisまたはtrans)を含むように意図される。同様に、すべての起こりうる異性体が、そのラセミで光学上純粋な形状およびすべての互変異性形状と同様に、含まれるように意図されている。
【0118】
「立体異性体」は、同じ結合によって接合した同じ原子から構成されるが重ねることができない異なる三次元構造を有する、2以上の化合物の関係のことを指す。用語「エナンチオマー」は、重ねることができない互いの鏡像である2つの立体異性体を指す。本明細書に開示される化合物の様々な立体異性体とその混合物は、本開示の範囲内であり、とりわけエナンチオマーを含んでいると考えられる。
【0119】
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同じ分子の別の原子までのプロトン移動が可能な化合物を指す。本明細書に示される化合物は互変異性体として存在してもよい。互変異性化が可能な解決策において、互変異性体の化学平衡は存在する。互変異性体の正確な比は、温度、溶媒、および、pHを含むいくつかの因子に依存する。互変体の平衡のいくつかの例は以下に示される。
【0120】
【化23】

【0121】
「随意の」または「随意に」は、以後に記載される事象または状況が生じたり、生じたりしなかったりすること、および、その記載が、その事象または状況が生じる場合の例と、その事象または状況が生じない場合の例を含むことを意味する。例えば、「随意に置換されるアリール」は、アリールラジカルが置換されるかまたは置換されないことと、その記載が置換されたアリールラジカルと置換を含まないアリールラジカルとの両方を含むことを意味する。
【0122】
複素環ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤の合成のための一般的な方法
合成模式図1乃至5は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤の合成のための一般的な方法を示す。模式図1乃至5で示される一般的な置換は、以前に本明細書で示された式(I)によって定義される。
【0123】
模式図1は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤の合成を示す。メチル2−ヨード−4−メチルスルホニルベンゾアートはエステルの加水分解にさらされ、その後、複素環式置換アニリンとの結合によって高度なベンズアミド中間物がもたらされる。様々なクロスカップリング反応(特に、D.A.Evansらによる「Tetrahedron Letters,1998,39,2937−2940」、「D.M.T.Chanらによる「Tetrahedron Lett.,1998,39,2933−2936」、P.Y.S.Lamらによる「Tetrahedron Lett.,1998,39,2941−2944」、Y.−C.Wongらによる「Org.Lett.,2006,8,5613−5616」、S.A.Weissman、D.Zewge、C.Chenによる「J.Org.Chem.,2005,70,1508−1510」、M.McLaughlinによる「Org.Lett.,2005, 7,4875−4878」、A.Cwik、Z.Hell、F.Figuerasによる「Org.Biomol.Chem.,2005,3,4307−4309」、R.Kuwano、M.Yokogiによる「Org.Lett.,2005,7,945−947」で記載されたもの)は、ハロベンズアミド(halobenzamide)上で、または、ボリル化(borylated)ベンズアミド(T. Ishiyamaらの「J.Org.Chem.,1995,60,7508−7510」の手順によって入手可能)で行うことができる。
【0124】
【化24】

【0125】
【化25】

【0126】
模式図2は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤の合成を示す。酸の4−ヨードアニリンとの結合は、4−ヨードベンズアミドを与える。チアゾールボロン酸又はチアゾールスタナンと4−ヨードベンズアミドの間のパラジウムで触媒されたクロスカップリング反応は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤を与える。
【0127】
【化26】

【0128】
模式図3は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤の合成を示す。T. Ishiyama et al, J. Org. Chem., 1995, 60, 7508−7510の方法によって調製された、メチル3−ヨード−4−置換された安息香酸塩誘導体、又は3−ボリル誘導体は、クロスカップリング反応にさらされ(とりわけ、D. A. Evans, et al, Tetrahedron Letters, 1998, 39, 2937−2940; D. M. T. Chan, et al, Tetrahedron Lett., 1998, 39, 2933−2936; P. Y. S. Lam, et al, Tetrahedron Lett., 1998, 39, 2941−2944; Y.−C. Wong, et al, Org. Lett., 2006, 8, 5613−5616; S. A. Weissman, D. Zewge, C. Chen, J. Org. Chem., 2005, 70, 1508−1510; M. McLaughlin, Org. Lett., 2005, 7, 4875−4878; A. Cwik, Z. Hell, F. Figueras, Org. Biomol. Chem., 2005, 3, 4307−4309; R. Kuwano, M. Yokogi, Org. Lett., 2005, 7, 945−947に記載される反応)、官能化された安息香酸塩を与える。エステルの加水分解及び官能化されたアニリンとの結合は、ベンズアミドヘッジホッグ阻害剤を与える。
【0129】
【化27】

【0130】
模式図4は、所望の生成物を形成するための、適切なカルボン酸に結合され得るアニリン中間物の一般的な合成を示す。
【0131】
【化28】

【0132】
模式図5は、ヘキサフルオロホスファート(o−(7−アザベンゾ−トリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HATU)とのアミド結合形成に基づいた、チアゾールベースのヘッジホッグ阻害剤の合成をさらに示す。
【0133】
(ヘッジホッグ経路)
1990年代以降、科学者は、正常細胞が癌細胞になる、いくつかの複雑なプロセスを解明してきており、腫瘍の異種混合の性質についてのより深い知識を発展させてきた。大量の腫瘍細胞における異常な成長因子のシグナル伝達という結果をもたらす、突然変異事象は、「腫瘍誘発遺伝子依存」の理論につながり、これは特定の経路の活性化への依存又はこれらの経路内の腫瘍形成性のタンパク質の活性への依存に対する癌細胞の増殖及び生存に帰する。より最近では、研究者は、ヒト原発腫瘍サンプル内に、一般に癌幹細胞と呼ばれる、「幹細胞」様の特性を備える腫瘍細胞の小さな個体群を発見した。これらの新しく記載された癌幹細胞は、よりゆっくり複製し、従来の化学療法に対してより耐性があり、及びそれらの生存は、手術及び/又は化学療法の後の腫瘍再成長に対する主な一因であるように見える。大量の腫瘍細胞とは対照的に、癌幹細胞は、それらの増殖及び生存の特性に関する胚の経路により依存しているように見える。
【0134】
ヘッジホッグ経路:いくつかの重要なシグナル伝達経路(例えばHedgehog,Notch,Wnt)は、胚の正常な発達にとって不可欠なほとんどのプロセスに関係する。ヘッジホッグ経路は、Dr. Eric Wieschaus and Dr. Christiane Nusslein−Volhardによってショウジョウバエにおいて最初に発見され、細胞分化、組織極性及び細胞増殖に関する主要なレギュレーターである。ヘッジホッグ経路は、変異又は他の機構のいずれかを介して成体組織において再活性化される時に、腫瘍形成に重大な役割を果たし得ることも明らかになりつつある。ヘッジホッグ経路は、すべてのタイプの癌の少なくとも1/3において腫瘍形成の重要な駆動機構(driver)であると考えられる。
【0135】
ヘッジホッグ経路における腫瘍形成性の変異は、基底細胞癌及び髄芽細胞腫において見出され、Hh過剰発現(Hh over expression)は、少なくとも膵臓、結腸、胃、肝臓及び前立腺癌に関係する。米国におけるHhのリガンド依存の活性化を有する癌の推定された事例は、毎年200,000件以上であり、世界中で約10倍高い(表2を参照)。
【0136】
【表2】

【0137】
より多くのことが、再発における癌幹細胞の役割及び癌の蔓延についてより知られつつある。癌幹細胞の自己複製と分化プロセスの制御は、ヘッジホッグを含む胚の経路によって規制されると考えられる。増加する証拠が示すのは、これらの経路がいくつかの場合において規制緩和され、これが異常な細胞拡大及び癌の形成につながるということである。
【0138】
(ヘッジホッグ経路のシグナル伝達)
ヒトソニックヘッジホッグタンパク質(SHh)は、正常なヘッジホッグ経路のシグナル伝達の原因である20kDaフラグメントをもたらすために自己分割を経験する45kDa前駆体タンパク質として合成される。細胞表面では、そのヘッジホッグシグナルは、12の膜貫通ドメインのタンパク質、Patched(Ptc)及び7の膜貫通ドメインのタンパク質、Smoothened(Smo)を介して中継されると考えられる。正常な成体細胞において、Ptcは、Smo活性の負の規制として役立つ。Ptcに対するSHhの結合は、Smoに対するPtcの正常な阻害効果を阻害し、Smoが形質膜にわたってSHhシグナルを変換することを可能にする。Smoによって開始されるシグナルのカスケードは、核に移動するGli転写因子の活性化を結果的にもたらし、そこでGli転写因子は、胚細胞の細胞増殖及び分化をもたらす標的転写因子を制御し、成体細胞の制御されない活性化は、悪性腫瘍に関係する。
【0139】
(ヘッジホッグシグナル伝達を阻害する方法)
1つの実施形態は、細胞を、阻害濃度の式(I)の化合物:
【0140】
【化29】

【0141】
又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩と接触させる工程を含む、細胞においてヘッジホッグ経路を阻害する方法を提供し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0142】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0143】
1つの実施形態は、smoothenedタンパク質を、阻害濃度の式(I)の化合物:
【0144】
【化30】

【0145】
又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩と接触させる工程を含む、細胞においてsmoothenedタンパク質の活性を阻害する方法を提供し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0146】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0147】
1つの実施形態は、細胞を、阻害濃度の式(I)の化合物:
【0148】
【化31】

【0149】
又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩と接触させる工程を含む、細胞においてGli転写因子の転写活性を阻害する方法を提供し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0150】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0151】
1つの実施形態は、細胞を、阻害濃度の式(I)の化合物:
【0152】
【化32】

又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩と接触させる工程を含む、細胞においてGli媒介性遺伝子の転写を阻害する方法を提供し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0153】
別の実施形態は、細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられる方法を提供する。別の実施形態は、細胞がGliの発現によって特徴付けられる方法を提供する。
【0154】
(処置の方法)
1つの実施形態は、ヘッジホッグ経路によって媒介された、ヒトの疾患又は障害を処置する方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を患者に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は、以下の構造:
【0155】
【化33】

【0156】
又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩を有し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0157】
別の実施形態は、疾患又は障害が増殖性疾患である方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が、結腸癌、肺癌、膵臓癌、胃癌、前立腺癌、及び肝細胞癌から選択される方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が、基底細胞癌、乳癌、骨肉腫、軟部組織肉腫、慢性骨髄白血病、急性骨髄白血病、血液癌、髄芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽腫、膵臓癌、乳癌、髄膜腫、膠芽腫、星細胞腫、メラノーマ、胃癌、食道癌、胆道癌、前立腺癌、肺小細胞癌、肺非小細胞癌、膠細胞癌、多発性骨髄腫、結腸癌、神経外胚葉性腫瘍、神経内分泌腫瘍、肥満細胞腫及びゴーリン症候群から選択される方法を提供する。別の実施形態は、増殖性疾患が基底細胞癌である方法を提供する。
【0158】
1つの実施形態は、ヘエジホッグ経路によって媒介された、動物の疾患又は障害を処置する方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を患者に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は、以下の構造:
【0159】
【化34】

【0160】
又はその立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物又は薬学的に許容可能な塩を有し、ここで、
Xは、−S−、−O−、−N(H)−又は−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
nは、0、1、2又は3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、又はアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、又は−CFであり、
は、H又はC−Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、及びC結合型複素環から選択され、
は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、及び−COアルキルから選択され、
、R及びRは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、及び−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、H又はC−Cアルキルである。
【0161】
別の実施形態は、動物の疾患又は障害を処置する方法を提供し、ここで、該疾患又は障害は、肥満細胞腫又は骨肉腫から選択される増殖性疾患である。
【実施例】
【0162】
I.化学合成
(中間物の合成)
中間物1:3−クロロ−(2−メチルチアゾール−4−イル)アニリン
【0163】
【化35】

【0164】
工程1:3−クロロ−4−(ブロモアセチル)ニトロベンゼン
【0165】
【化36】

【0166】
アセトニトリル(100mL)中の(J. Med. Chem. 2005, 48, 6066に記載されるように調製された)3−クロロ−4−アセチル−ニトロベンゼン(1.685g、8.44mmol)及びパラトルエンスルホン酸(2.41g、12.66mmol)の撹拌溶液を、NBS(1.503g、8.44mmol)によって処理し、80℃まで23時間加熱した。別のグラムのNBSを21時間後に加えた。反応物を室温まで冷却し、真空内で濃縮した。残留物を、EtOAc中に取り込み、有機質層を、水(2x)、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。0〜40%のEtOAc/ヘキサンの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、蝋様の固形物として554mgの表題化合物をもたらした(23%の収率):H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ4.95(s、2H)、8.09(d、1H)、8.35(dd、1H)、8.44(d、1H)。
工程2:3−クロロ−(2−メチルチアゾール−4−イル)アニリン
【0167】
無水のEtOH(8mL)中の3−クロロ−4−(ブロモアセチル)ニトロベンゼン(546mg、1.96mmol)及びチオアセトアミド(162mg、2.15mmol)の溶液を、85℃で1時間撹拌し、室温まで冷却した。溶媒を真空内で蒸発させた。無水のEtOH(12mL)中のSnCl.2HO(1.46g、6.47mmol)及び濃塩酸(2mL)の懸濁液を、還流するまで加熱し、結果として生じた透明溶液を残留物に加えた。反応混合物を、還流で1時間撹拌し、室温まで冷却し、0℃で水(50mL)中のKOH(4.4g)の溶液へ注いだ。水層を、EtOAc(3x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、真空内で濃縮し、暗黄色油(定量的収率)として438mgの表題生成物を得た:H NMR(400MHz、DMSO−d6)、δ2.70(s、3H)、5.61(broad s、2H)、6.59(dd、1H)、6.69(d、1H)、7.58(d、1H)、7.62(s、1H);[M+Hm/z 225。
【0168】
中間物2:2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド及び2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0169】
【化37】

【0170】
工程1:(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)ニトロベンゼン
【0171】
【化38】

【0172】
無水のEtOH(20mL)中の4−ブロモアセチル−ニトロベンゼン(1.8g、7.37mmol)及びエチルチオオキサマート(982mg、7.37mmol)の溶液を、80℃で19時間撹拌し、室温まで冷却し、飽和した水溶性の炭酸ナトリウムへ注いだ。結果として生じる沈澱物を、ろ過し、水で洗浄し、真空内で乾燥し、黄色固形物(89%の収率)として1.826gの表題生成物を得た:H NMR(400MHz、DMSO−d6)δ1.40(t、3H)、4.46(q、2H)、8.32(d、2H)、8.38(d、2H)、8.89(s、1H)。
工程2:(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)アニリン及び4−(4−アミノフェニル)チアゾール
【0173】
【化39】

【0174】
無水のEtOH(25mL)中のSnCl.2HO(4.01g、17.79mmol)及び濃塩酸(5.4mL)の懸濁液を、還流するまで加熱し、結果として生じた透明溶液を、(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)ニトロベンゼン(1.5g、5.39mmol)に加えた。反応混合物を、還流で2時間撹拌し、室温まで冷却し、0℃で水(140mL)中のKOH(12.1g)の溶液へ注いだ。水層を、EtOAc(3x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、シリカのパッドを介してろ過し、真空内で濃縮し、暗黄色油として540mgの表題生成物の(2:1)混合物を得た。
【0175】
工程3:2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド及び2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド(1:1の混合物)
【0176】
DCM(10mL)中の(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)アニリン/4−(4−アミノフェニル)チアゾール混合物(540mg、2.17mmol)の撹拌溶液に、2−クロロ−4−メチルスルホニル安息香酸(510mg、2.17mmol)及びDMAP(27mg、0.217mmol)を加えた。反応混合物を5分間撹拌し、その後、EDCI.HCl(500mg、2.60mmol)を加えた。17時間撹拌した後に、反応混合物を、水とEtOAcの間で分けた。有機質層を、分離し、水(2x)及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。10〜70%のEtOAc/ヘキサンの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、黄色固形物として520mgの表題化合物の(1:1)混合物をもたらした。
2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド:[M+Hm/z 465。
2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド:[M+Hm/z 393。
【0177】
中間物3:4−メトキシ−2−(モルホリノメチル)安息香酸
【0178】
【化40】

【0179】
工程1:メチル2−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゾアート
【0180】
【化41】

【0181】
CCl(25mL)中のメチル4−メトキシ−2−安息香酸メチル(1g、5.6mmol)の溶液に、事前にCCl(5mL)中に溶解した滴下のN−ブロモスクシンイミド(1.1g、6.2mmol)及び触媒量の過酸化ベンゾイルを加えた。混合物を、2時間還流され、室温まで冷却し、氷水上に注いだ。水性混合物を、DCM(3x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、真空内で濃縮し、淡黄色固形物(〜100%の収率)として2.1gの表題生成物を提供した:[M+H]m/z 260。
【0182】
工程2:メチル4−メトキシ−2−(モルホリノメチル)安息香酸塩
【0183】
【化42】

【0184】
DCM(18.5mL)中のメチル2−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゾアート(960mg、3.7mmol)の溶液に、モルホリン(0.68mL、7.8mmol)を加えた。反応混合物を、室温で一晩撹拌し、氷水上に注いだ。水性混合物を、DCM(3x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、真空内で濃縮し、黄色油を提供した:原料を、溶離剤としてヘキサン(0〜50%)中のEtOAcの勾配を使用して、シリカ上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。表題生成物を、透明油(490mg、50%)として得た。
【0185】
工程3:4−メトキシ−2−(モルホリノメチル)安息香酸
【0186】
【化43】

【0187】
メチル2−(ブロモメチル)−4−メトキシベンゾアート(160mg、0.6mmol)の溶液をEtOH(5mL)中に溶解し、水酸化ナトリウムの水溶液を加えた(1N、6.1mL、6.1mmol)。結果として生じた混合物を、室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、白色固形物を生成した。化合物を、次の工程のように使用した。LC−MS(M+H):252.09
【0188】
中間物4:4−(2−メチルオキサゾール−4−イル)アニリン
【0189】
【化44】

【0190】
2−メチル−4−(4−ニトロフェニル)オキサゾール(J. Heteocyclic Chemistry, 1981, 885)(1.12g、5.48mmol)を、SnCl.2HO(6.33g、28.1mmol)、濃塩酸(10mL)及びEtOH(20mL)の還流する溶液に加えた。反応物を、30分間撹拌し、その後、室温まで冷却し、100mLの水中の24gのKOHの溶液へ注いだ。結果として生じた混合物を、氷浴内で冷却し、さらに30分間撹拌した。生成物を、黄色固形物(1.35g、83%)としてろ過によって収集した。LC−MS(M+H):191
【0191】
基本手順:
【0192】
【化45】

【0193】
例1:2,4−ジクロロ−N−(4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0194】
【化46】

【0195】
室温でのジメチルホルムアミド(20mL)中の4−(2−メチルチアゾール−4−イル)アニリン(0.05g、0.26mmol)及び2,4−ジクロロ安息香酸(0.05g、0.26mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.067g、0.09mL、0.52mmol)の溶液に、HATU(0.148g、0.39mmol)を一度に加えた。反応物を、室温で4時間撹拌し、その後、水(200mL)に注ぎ、20分間撹拌した。淡黄色固形物としての生成物(0.094g、100%)を、ろ過を介して収集した。LC−MS(M+H):364。H NMR(400MHz、dmso−d6):10.67(s、1H)、7.95(d、2H)、7.87(s、1H)、7.80−7.77(m、3H)、7.69−7.58(m、2H)、2.74(s、3H)。
【0196】
例2、3、4、5及び6を、方法Aに従って調整した(表3を参照)。
【0197】
【化47】

【0198】
例7:2−クロロ−N−(3−クロロ−4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド:
【0199】
【化48】

【0200】
DCM(8mL)中の3−クロロ−(2−メチルチアゾール−4−イル)アニリン(435mg、1.936mmol)、2−クロロ−4−メチルスルホニル安息香酸(545mg、2.32mmol)及びDMAP(237mg、1.936mmol)の撹拌混合物に、EDCI.HCl(445mg、2.32mmol)を加えた。一晩撹拌した後に、反応混合物を、水とEtOAcの間で分けた。有機質層を、分離し、飽和した水溶性の炭酸水素ナトリウム、飽和した水溶性の塩化アンモニウム及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。20〜80%のEtOAc/ヘキサンの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、淡黄色固形物(63%の収率)として543mgの表題化合物をもたらした。あるいは、いくつかの化合物を、沈殿によって精製した:DCMを、反応混合物から取り除き、DMF及び0.1MのNHCl(化合物18)又は1NのHCl(化合物14、15、16、17)を加え、これによって生成物は溶液から砕けた(crash out)。
【0201】
例8、14、15、16、17、及び18を、方法Bに従って調整した(表3を参照)
【0202】
【化49】

【0203】
例9:2−クロロ−N−メチル−4−(メチルスルホニル)−N−(4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0204】
【化50】

【0205】
窒素雰囲気下でのTHF(1ml)中の2−クロロ−4−(メチルスルホニル)−N−(4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド(50mg、0.123mmol)の撹拌溶液に、滴下でtBuOH(0.14mL)中のtBuOKの1Mの溶液を加えた。15分間撹拌した後に、CHI(0.009mL、0.14mmol)を加え、反応混合物を60℃で1時間撹拌し、その後、水とEtOAcの間で分けた。有機質層を、分離し、ブラインで洗浄し、シリカ上で吸収した。40〜100%のEtOAc/ヘキサンの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、オフホワイト固形物(77%の収率)として40mgの表題化合物をもたらした。
【0206】
【化51】

【0207】
例10:2−クロロ−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0208】
【化52】

【0209】
窒素雰囲気下でのTHF(1mL)中の2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド及び2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド(1:1の混合物)(100mg、0.215mmol)の撹拌懸濁液を、0℃まで冷却し、滴下でTHF(0.32mL)中の1MのLAH溶液によって処理した。反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、0.64mLの1Nの水溶性のHClでクエンチし、水とEtOAcの間で分けた。水層を、単離し、EtOAc(2x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。0〜80%のEtOAc/ヘキサンの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、黄色固形物(18%の収率)として12mgの表題化合物をもたらした。
【0210】
【化53】

【0211】
例11及び12:2−クロロ−N−(4−(2−(ヒドロキシメチル)チアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド及び2−クロロ−N−(4−(2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)チアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド
【0212】
【化54】

【0213】
窒素雰囲気下でのTHF(1mL)中の2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド及び2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド(1:1の混合物)(100mg、0.215mmol)の撹拌懸濁液を、0℃まで冷却し、滴下でトルエン/THF(0.77mL)中の1.4MのCHMgBr溶液によって処理した。反応混合物を、0℃で1時間撹拌し、1mLの1Nの水溶性のHClでクエンチし、水とEtOAcの間で分けた。水層を、単離し、EtOAc(2x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。0〜20%のCHCN/DCMの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、白色固形物として38mgの2−クロロ−N−(4−(2−(ヒドロキシメチル)チアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド、及びオフホワイト固形物として34mgの−クロロ−N−(4−(2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)チアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミドをもたらした。
【0214】
【化55】

【0215】
例13:2−クロロ−N−(−4−(2−(ヒドロキシメチル)チアゾール−4−イル)フェニル)−4−(メチルスルホニル)ベンズアミド
【0216】
【化56】

【0217】
窒素雰囲気下でのTHF(1mL)中の2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(2−エトキシカルボニルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド、及び2−クロロ−(4−メチルスルホニル)−N−(4−(チアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド(1:1の混合物)(50mg、0.107mmol)の撹拌懸濁液を、滴下でTHF(0.11mL)中の2MのLiBH溶液によって処理した。反応混合物を、60℃で1時間撹拌し、水でクエンチし、水とEtOAcの間で分けた。水層を、単離し、EtOAc(3x)で抽出し、組み合わされた有機物を、MgSO上で乾燥し、ろ過し、シリカ上で吸収した。0〜20%のCHCN/DCMその後の10%のMeOH/DCMの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによるシリカ上の精製は、白色固形物として5mgの表題生成物をもたらした。
【0218】
表3における化合物を、示された方法を使用して調製した。
【0219】
【表3−1】

【0220】
【表3−2】

【0221】
【表3−3】

【0222】
【表3−4】

【0223】
【表3−5】

【0224】
例19:4−メトキシ−2−((4−メチルピペラジン−1−イル)メチル)−N−(4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0225】
【化57】

【0226】
例19を、以下の合成の模式図に従って、例5に関して記載される化学的性質(chemistry)を使用して合成する。
【0227】
【化58】

【0228】
例20:2−((2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル)−4−メトキシ−N−(4−(2−メチルチアゾール−4−イル)フェニル)ベンズアミド
【0229】
【化59】

【0230】
例20を、以下の合成の模式図に従って、例5に関して記載される化学的性質を使用して合成する。
【0231】
【化60】

【0232】
以下の化合物を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される4−(2−メチルチアゾール−4−イル)アニリン(市販)を使用して合成する。
【0233】
【化61】

【0234】
以下の化合物を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物1を使用して合成する。
【0235】
【化62】

【0236】
中間物5:4−(2−(トリフルオロメチル)チアゾール−4−イル)アニリン
【0237】
【化63】

【0238】
化合物を、2,2,2−トリフルオロエタンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る。
【0239】
【化64】

【0240】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物5を使用して合成する。
【0241】
【化65】

【0242】
中間物6:3−クロロ−4−(2−(トリフルオロメチル)チアゾール−4−イル)アニリン
【0243】
【化66】

【0244】
化合物を、2,2,2−トリフルオロエタンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る(中間物1を参照)。
【0245】
【化67】

【0246】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物6を使用して合成する。
【0247】
【化68】

【0248】
中間物7:4−(2−エチルチアゾール−4−イル)アニリン
【0249】
【化69】

【0250】
化合物を、プロパンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る。
【0251】
【化70】

【0252】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物7を使用して合成する:
【0253】
【化71】

【0254】
中間物8:3−クロロ−4−(2−エチルチアゾール−4−イル)アニリン
【0255】
【化72】

【0256】
化合物を、プロパンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る(中間物1を参照)。
【0257】
【化73】

【0258】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物8を使用して合成する。
【0259】
【化74】

【0260】
中間物9:4−(2−イソプロピルチアゾール−4−イル)アニリン
【0261】
【化75】

【0262】
化合物を、2−メチルプロパンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る。
【0263】
【化76】

【0264】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物9を使用して合成する。
【0265】
【化77】

【0266】
中間物10:3−クロロ−4−(2−イソプロピルチアゾール−4−イル)アニリン
【0267】
【化78】

【0268】
化合物を、2−メチルプロパンチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る(中間物1を参照)。
【0269】
【化79】

【0270】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物10を使用して合成する。
【0271】
【化80】

【0272】
中間物11:4−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)アニリン
【0273】
【化81】

【0274】
化合物を、シクロプロパンカルボチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る。
【0275】
【化82】

【0276】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物11を使用して合成する。
【0277】
【化83】

【0278】
中間物12:3−クロロ−4−(2−シクロプロピルチアゾール−4−イル)アニリン
【0279】
【化84】

【0280】
化合物を、シクロプロパンカルボチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る(中間物1を参照)。
【0281】
【化85】

【0282】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物12を使用して合成する。
【0283】
【化86】

【0284】
中間物13:4−(2−フェニルチアゾール−4−イル)アニリン
【0285】
【化87】

【0286】
化合物を、フェニルカルボチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る。
【0287】
【化88】

以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物13を使用して合成する。
【0288】
【化89】

【0289】
中間物14:3−クロロ−4−(2−フェニルチアゾール−4−イル)アニリン
【0290】
【化90】

【0291】
化合物を、フェニルカルボチオアミドを使用して、以下の模式図に従って作る(中間物1を参照)。
【0292】
【化91】

【0293】
以下の例を、方法A又はBを用いて、適切なカルボン酸と結合される中間物14を使用して合成する。
【0294】
【化92】

【0295】
例180及び182を、以下の模式図に従って調整する。
【0296】
【化93】

【0297】
例181及び184を、以下の模式図に従って調製する。
【0298】
【化94】

【0299】
例183を、以下の模式図に従って調製する。
【0300】
【化95】

【0301】
例185乃至187を、以下の模式図に従って調製する。
【0302】
【化96】

【0303】
例188及び189を、適切なカルボン酸を使用して、以下の模式図に従って調製する。
【0304】
【化97】

【0305】
例190乃至193を、適切なカルボン酸を使用して、以下の模式図に従って調製する。
【0306】
【化98】

【0307】
II.生物学的評価
ヘッジホッグ経路のシグナル伝達を阻害する本発明に記載される化合物の能力を、以下の細胞分化アッセイから測定し(方法A、又は下記に記載されるような修正された方法A)、そのアッセイにおいて、下記に述べられるような修正を有する、文献(Wu et al., Chemistry & Biology, 11: 1229−1238, 2004; Couve−Privat, et al., Cancer Research, 64; 3559−3565, 2004; Dwyer et al., J. Biological Chemistry, 282: 8959−8968, 2007)に以前に記載されるように、細胞のアルカリフォスファターゼ活性を、対照ビヒクル又は試験化合物がある状態で評価する。
【0308】
方法A:American Type Tissue Culture Collection (Maryland, USA)から得られたマウスのC3H10T1/2(CCL−226(商標))又はM2−10B4(CRL−1972(商標))細胞を、加熱不活性化した10%のウシ胎児血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(C3H10T1/2細胞)又は加熱不活性化した10%のウシ胎児血清を含むRPMI−1640媒体(M2−10B4細胞)において、60〜80%のコンフルエンスまで培養した。細胞培養を、10U/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン及び2mMのグルタミンにおいて維持した。その後、細胞を、トリプシン処理し、数え、5%のCO中に37℃で一晩インキュベートする前に、96ウェルの微量定量プレートへ平板培養した。翌朝、対照緩衝液又は組み替えマウスのソニックヘッジホッグ(Shh−N, CF, 461−SH−025/CF, R&D Systems, Minnesota, USA)を2μg/mLの終末濃度に加える30分前に、対照ビヒクル(DMSO)又は100%のジDMSO中に溶解された化合物を、個々のウェルに連続して加えた。その後、96ウェルの微量定量プレートを、パラニトロフェニルリン酸(pNPP, Anaspec, California, USA)を使用して、アルカリフォスファターゼ活性に関してアッセイされる前に、5%のCO中に37℃で72時間インキュベートした。簡潔に言うと、72時間のインキュベーション後、細胞培養媒体を、96ウェルの微量定量プレートのウェルから慎重に吸収し、細胞を、リン酸緩衝食塩水、pH7.4(PBS)でそっと洗浄した。PBSの除去後に、細胞を、50μLのRIPA溶解緩衝液中に溶解し、50μLのpNPP反応混合物を30分間加えた後に、アルカリフォスファターゼ活性をアッセイし、その間に、プレートをそっと撹拌することによって試薬を混合した。続いて、吸収度を405nmで測定し、ソニックヘッジホッグの50%の阻害を引き起こすのに必要な試験化合物の濃度は、用量反応曲線から計算されるアルカリフォスファターゼ活性(IC50)を刺激した。同様に、IC90を測定した。個々の試験化合物濃度に関する少なくとも三重の測定を行い、DMSO対照ビヒクルに対する平均+標準偏差としてデータをプロットした。図1は、上に記載されるアッセイにおける、シクロパミン(陽性対照)の用量反応を示す。図2は、上に記載されるアッセイにおける、例4の化合物の用量反応を示す。例4の化合物は、63nMのIC50及び300nMのIC90を有することが見出された。
【0309】
修正された方法A:ヘッジホッグ経路のシグナル伝達の阻害を評価するための更なる方法も適用され、その中で、100nMのsmoothenedアゴニスト、プルモルファミン(Stemgent, California)を、組み換え型のソニックヘッジホッグタンパク質の代わりにコンフルエントC3H10T1/2細胞に加え、化合物を用いるコインキュベーションの72時間後に、アルカリフォスファターゼ活性を、BioAssay Systems(Haywood, California)からのアルカリフォスファターゼアッセイキットを使用してアッセイした。
【0310】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され記載されているが、このような実施形態が、ほんの一例として提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変更、変化、及び置換が、本発明から逸脱することなく当業者によってここで理解される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明を実行する際に利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、これらの特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の方法及び構造がそれによって包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の構造を有する化合物:
【化1】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする化合物。
【請求項2】
Xが−S−、−O−であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
とGが両方とも水素にはなりえないことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、ここで、GおよびGは両方とも水素になりえず、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
はハロゲン、−CN、アルキル、アリール、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は、アルコキシ、−CN、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
および、
、R、および、Rは各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
nが0であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
nが1であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
がHであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がHで、Gがアルキルであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Xが−S−であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、または、−CH−(C結合型複素環)であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がハロゲン、−CN、−アルキル、−CFであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が−SOMeまたは−OMeであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
がハロゲンで、Rが−SOMeであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
がハロゲンで、Rが−OMeであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
nが0であり、GがHであり、Gがアルキルであり、Xが−S−であり、Rがハロゲンであり、Rが−OMeであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
nが0であり、GがHであり、Gがアルキルであり、Xが−S−であり、Rがハロゲンであり、Rが−SOMeであることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
式(I)の化合物、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩、および、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、
式(I)の化合物は以下の構造:
【化2】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする組成物。
【請求項18】
細胞内のヘッジホッグ経路を阻害する方法であって、
前記方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【化3】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項19】
細胞内のsmoothenedタンパク質の活性を阻害する方法であって、
前記方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【化4】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、smoothenedタンパク質と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項20】
細胞内のGli転写調節因子の転写の活性を抑制する方法であって、
前記方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【化5】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項21】
細胞内のGliを媒介とした遺伝子転写を阻害する方法であって、
前記方法は、阻害濃度の式(I)の化合物、
【化6】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を、細胞と接触させる工程を含み、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項22】
細胞がpatched機能喪失型の表現型によって特徴付けられることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
細胞がsmoothened機能獲得型の表現型によって特徴付けられることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
細胞が構成的に活性なsmoothened表現型によって特徴付けられることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
細胞がGliの発現によって特徴付けられることを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ヘッジホッグ経路によって媒介されるヒトの疾患または障害を処置する方法であって、
前記方法は、式(I)の化合物、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を患者に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は以下の構造、
【化7】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項27】
疾患または障害が増殖性疾患であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
増殖性疾患が結腸癌、肺癌、膵臓癌、胃癌、前立腺癌、および、肝細胞癌から選択されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
増殖性疾患が、基底細胞癌、乳癌、骨肉腫、軟部組織肉腫、慢性骨髄白血病、急性骨髄白血病、血液癌、髄芽腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、乳癌、髄膜腫、膠芽腫、星細胞腫、メラノーマ、胃癌、食道癌、胆道癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膠細胞癌、多発性骨髄腫、結腸癌、神経外胚葉性腫瘍、神経内分泌腫瘍、肥満細胞腫、および、ゴーリン症候群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
増殖性疾患が基底細胞癌であることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ヘッジホッグ経路によって媒介される動物の疾患または障害を処置する方法であって、
前記方法は、式(I)の化合物、または、その立体異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を含む治療上有効な量の組成物を被験体に投与する工程を含み、ここで、式(I)の化合物は以下の構造、
【化8】

または、その立体異性体、互変異性体、水和物、溶媒和物、あるいは、薬学的に許容可能な塩を有し、
Xは−S−、−O−、−N(H)−、または、−N(R)−であり、
Yは、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
nは0、1、2、または、3であり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、−CN、−CF、または、アリールであり、
は、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、−CN、または、−CFであり、
は、HまたはC−Cアルキルであり、
は水素、ハロゲン、−CN、アルキル、−CF、アリール、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−CH−アリール、−CH−ヘテロアリール、−NH−アリール、−SO−アリール、SO−アルキル−NH−ヘテロアリール、−NH−アルキル、−CH−NH−アルキル、−CH−N(アルキル)、−CH−(N結合型複素環)、−CH−(C結合型複素環)、N結合型複素環、および、C結合型複素環から選択され、
は水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、−CN、−CF、−SO−アルキル、−SONH、−NHSO−アルキル、−NHSO−アリール、−NHCO−アルキル、−NHCO−アリール、−NHCONH−アルキル、−NHCONH−アリール、−CONH、−CONH−アルキル、−CONH−アリール、−CON(アルキル)、−CON(アリール)、−COH、および、−COアルキルから選択され、
、R、および、Rは、各々、水素、ハロゲン、−CN、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C結合型複素環、−O−アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、N結合型複素環、−NH−アルキル、−N(アルキル)、−NH−アリール、−NHヘテロアリール、−COH、−COアルキル、−SOアルキル、−SONH、−SONHアルキル、−SON(アルキル)、−NHSOアルキル、−NHSOアリール、−NHCONH−アルキル、−NHCON(アルキル)、−N(アルキル)CONH、−N(アルキル)CONH(アルキル)、および、−N(アルキル)CON(アルキル)から独立して選択され、
は、HまたはC−Cアルキルであることを特徴とする方法。
【請求項32】
疾患または障害は肥満細胞腫または骨肉腫から選択される増殖性疾患であることを特徴とする請求項31に記載の方法。

【図2】
image rotate

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2013−516480(P2013−516480A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548127(P2012−548127)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際出願番号】PCT/US2011/020416
【国際公開番号】WO2011/085128
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512178042)セレクサゲン セラピューティクス,インク. (1)
【Fターム(参考)】