説明

ヘッドクリーニング装置、流体噴射装置、およびヘッドクリーニング方法

【課題】流体噴射ヘッドのクリーニング時に、噴射ノズルの開口端付近に付着した流体や固化物を確実に除去し、流体噴射ヘッドから流体を正確に噴射することを可能にするヘッドクリーニング装置、およびこれを備えた流体噴射装置を提供する。
【解決手段】ヘッドクリーニング装置16は、一面が開口41aを成す凹状の収容室41と、この収容室41の内部に、界面活性剤を含む洗浄液Qを供給する洗浄液供給機構42と、収容室41の内部の液体や気体を吸引する吸引機構43とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドクリーニング装置、流体噴射装置、およびヘッドクリーニング方法に関し、詳しくは流体噴射ヘッドのメンテナンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体、例えばインクを噴射する流体噴射装置として、例えばインクジェットプリンターが知られている。インクジェットプリンターは、ターゲットに向けて流体を噴射(吐出)し、文字や画像等を記録したり、薄膜層を形成する装置である。こうしたインクジェットプリンターは、流体噴射ヘッド(記録ヘッド)に設けられた噴射ノズルからターゲットに向けて流体を噴射させる構成になっている。
【0003】
インクジェットプリンターの流体噴射ヘッドは、流体を高密度に噴射させるために、極めて微細な噴射ノズルを複数配列している。こうした微細な噴射ノズルに付着した流体が乾燥すると、目詰まりや噴射方向の屈曲といった不具合が生じやすい。このため、インクジェットプリンターには、不使用時に流体噴射ヘッドの噴射面を覆い、ノズル内に残留した流体を吸引するヘッドクリーニング装置が設けられている。
【0004】
従来、ヘッドクリーニング装置は、噴射ノズルの開口端が露呈した噴射面側を負圧にすることにより、噴射ノズルの内部に残留している流体(インク)を吸引除去する、これにより、流体が乾燥して固化し、噴射ノズルの開口端付近に固着することを防止する。
【0005】
しかし、噴射ノズルの内部に残留している流体を吸引除去するだけでは、噴射ノズルの開口端付近に付着した流体を完全に除去することができなかった。このため、噴射ノズルの開口端付近で乾燥、固化した付着物によって、噴射時に流体が所定の噴射(吐出)方向から曲がったり、目詰まりを引き起こすことがあった。こうした課題に対応するために、例えば、流体噴射ヘッドのクリーニング時に、流体噴射ヘッドに超音波振動を与えることによって、噴射ノズルの開口端付近に付着した流体を除去する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−361908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述したような、流体噴射ヘッドに超音波振動を与えるだけでは、噴射ノズルの開口端付近に残留した流体や、流体が固化した付着物を完全に除去できないことがあり、目詰まりによる噴射不良の懸念があった。
【0008】
本発明にかかるいくつかの態様は、上記事情に鑑みてなされたものであり、流体噴射ヘッドのクリーニング時に、噴射ノズルの開口端付近に付着した流体や固化物を確実に除去し、流体噴射ヘッドから流体を正確に噴射することを可能にするヘッドクリーニング装置、およびこれを備えた流体噴射装置を提供する。
また、流体噴射ヘッドのクリーニング時に、噴射ノズルの開口端付近に付着した流体や固化物を確実に除去することが可能なヘッドクリーニング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は次のようなヘッドクリーニング装置、流体噴射装置、およびヘッドクリーニング方法を提供した。
すなわち、本発明のヘッドクリーニング装置は、流体を噴射する複数の噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング装置であって、
前記噴射ノズルの開口端が露呈した噴射面を含む領域を気密状態で収容する収容室と、該収容室の内部を界面活性剤を含む洗浄液で満たす洗浄液供給機構と、前記収容室の内部の液体および気体を吸引する吸引機構と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
【0010】
前記界面活性剤は、前記流体に含まれる界面活性剤と同一の組成であることが好ましい。
【0011】
本発明の流体噴射装置は、前記ヘッドクリーニング装置と、複数の噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッドに微細な振動が生ずるように制御する制御装置と、を少なくとも備えたこと特徴とする。
【0012】
本発明のヘッドクリーニング方法は、噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドをクリーニングするためのヘッドクリーニング方法であって、
収容室の内部を界面活性剤を含む洗浄液で満たす洗浄液注入工程と、前記噴射ノズルの開口端が露呈した噴射面を含む領域を前記収容室に気密状態で収容する収容工程と、前記流体噴射ヘッドに微細な振動を生じさせ、前記噴射ノズルの開口端近傍に付着しているインクを前記洗浄液によって剥離させる洗浄工程と、前記洗浄工程の完了後に前記収容室の内部にある界面活性剤を排出する洗浄液排出工程と、前記噴射ノズルの内部に残存している流体を吸引する吸引工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の流体噴射装置の一例を示す斜視図である。
【図2】流体の噴射機構を説明する説明図である。
【図3】本発明のヘッドクリーニング装置の構成を示す断面図である。
【図4】本発明のヘッドクリーニング装置の動作を段階的に説明する説明図である。
【図5】本発明のヘッドクリーニング方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のヘッドクリーニング装置と、これを備えた流体噴射装置の最良の形態について説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0015】
図1は、本発明のヘッドクリーニング装置を備えた流体噴射装置の概略構成を示す斜視図である。流体噴射装置10は、流体噴射ヘッド11、X軸方向駆動軸12、Y軸方向ガイド軸13、制御装置14、およびステージ15を備えている。また、ステージ15に隣接して、ヘッドクリーニング装置16、基台18、およびヒータ19が形成されている。
【0016】
ステージ15は、流体噴射装置10によって流体、例えばインクを噴射するターゲットPを支持するものである。流体噴射ヘッド11は、例えば、複数の噴射ノズルを備えたマルチノズルタイプの流体噴射ヘッドであり、長手方向がX軸方向に沿うように配される。
【0017】
複数の噴射ノズルは、流体噴射ヘッド11の下面(噴射面)において、開口端が露呈するように、一定間隔で設けられている。流体噴射ヘッド11の噴射ノズルからは、ステージ15に支持されているターゲットPに向けて、流体(液滴、インク)が吐出されるようになっている。流体(液滴)の噴射対象であるターゲットPは、例えば、カラーフィルターを形成するための基板や、タッチパネルを形成するための基板であればよい。また、紙などの記録媒体であってもよい。吐出する流体(液滴、インク)は、ターゲットPの種類に応じて、カラーフィルターを形成する樹脂インク、配線パターンを形成する配線パターン形成インク、絶縁膜を形成するための絶縁膜形成インク、記録媒体にプリントを行う染料、顔料インクなどであればよく、限定されるものではない。
【0018】
X軸方向駆動軸12には、X軸方向駆動モータ21が接続されている。このX軸方向駆動モータ21は、ステッピングモータ等からなるもので、制御装置14からX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸12を回転させる。X軸方向駆動軸12が回転すると、流体噴射ヘッド11はX軸方向に沿って移動する。
【0019】
Y軸方向ガイド軸13は、基台18に対して固着されている。ステージ15は、Y軸方向駆動モータ22を備えている。Y軸方向駆動モータ22は、例えばステッピングモータ等から構成されれば良く、制御装置14からY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ15をY軸方向に移動させる。
【0020】
制御装置14は、流体噴射ヘッド11に液滴の吐出制御を行う制御電圧を入力する。また、X軸方向駆動モータ21に流体噴射ヘッド11のX軸方向の移動を制御するX軸駆動パルス信号を入力する。更に、Y軸方向駆動モータ22にステージ15のY軸方向の移動を制御するY軸駆動パルス信号を入力する。
【0021】
ヒータ19は、例えば、ランプアニールによりターゲットP上に噴射された液滴(インク)に含まれる溶媒の蒸発、及び乾燥を行うものである。このヒータ19の動作も制御装置14により制御される。
【0022】
流体噴射装置10は、流体噴射ヘッド11とターゲットPを支持するステージ15とを相対的に走査しつつ、ターゲットPに対して、流体噴射ヘッド11の下面に配列された複数の噴射ノズルから液滴(インク)を吐出するようになっている。
【0023】
ヘッドクリーニング装置16は、流体噴射ヘッド11をクリーニングするものである。ヘッドクリーニング装置16には、Y軸方向の駆動モータ(図示略)が備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、ヘッドクリーニング装置16は、Y軸方向ガイド軸13に沿って移動する。ヘッドクリーニング装置16の移動も制御装置14により制御される。このヘッドクリーニング装置16の詳細、およびこれを用いたヘッドクリーニング方法は後ほど詳述する。
【0024】
図2は、ピエゾ方式による流体(インク)の吐出原理を簡単に説明する説明図である。
流体噴射ヘッド11には、流体(液滴、インク)を収容する液体室31に隣接してピエゾ素子32が設置されている。液体室31には、流体を収容する材料タンクを含む液体材料供給系33を介して流体が供給される。ピエゾ素子32は駆動回路34に接続されており、この駆動回路34を介してピエゾ素子32に電圧を印加し、ピエゾ素子32を変形させる。
【0025】
ピエゾ素子32の変形によって液体室31が変形し、噴射ノズル35の開口端から流体(液滴)Sが吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子32の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子32の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による流体噴射は材料に熱を加えないため、吐出させる流体の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
【0026】
図3は、ヘッドクリーニング装置の概要を示す断面図である。
ヘッドクリーニング装置16は、一面が開口41aを成す凹状の収容室41と、この収容室41の内部に洗浄液Qを供給する洗浄液供給機構42と、収容室41の内部の液体や気体を吸引する吸引機構43とを備えている。また、収容室41を流体噴射ヘッド11に向けて移動させる上下動装置44が設けられている。
【0027】
収容室41は、例えば樹脂等から形成され、上下動装置44によって上昇した時に、開口41aを区画する縁部41bが流体噴射ヘッド11の噴射面11aに接する。これにより、噴射ノズル35の開口端35aが露呈した噴射面11aを含む領域が、収容室41に収容される。また、流体噴射ヘッド11は、噴射面11aを含む領域が収容室41に収容された位置において、微細な振動が生ずるように制御装置14(図1参照)によって制御されるのが好ましい。
【0028】
洗浄液供給機構42は、洗浄液Qを貯留する洗浄液タンク45から、供給ノズル46を介して収容室41の内部に洗浄液Qを供給する。この洗浄液Qは、界面活性剤を含む溶液であればよい。好ましくは、流体噴射ヘッド11の噴射ノズル35から噴射される流体(インク)に含まれる界面活性剤と同一組成の界面活性剤を含む溶液であればよい。以下に、洗浄液Qに含有させる好ましい界面活性剤の具体例を列記する。
【0029】
好ましい界面活性剤の具体例(アニオン界面活性剤):
高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、モノグリサルフェート、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸モノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸カリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸ジエタノールアミン、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム。
【0030】
好ましい界面活性剤の具体例(ノニオン界面活性剤):
フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノステアレート、アセチレングリコール、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物(アセチレングリコールアルコールエチレンオキサイド)、プロピルエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
【0031】
こうした界面活性剤は洗浄液Qの中に、例えば、重量0.1%〜重量1.0%の濃度範囲で含有させればよい。
【0032】
吸引機構43は、例えば、吸引ポンプ48と、吸引ノズル49とから構成されていれば良い。こうした吸引機構43によって、収容室41の内部を満たす洗浄液Qや、収容室41の内部の気体(空気)を吸引する。
【0033】
以上のような構成のヘッドクリーニング装置16を備えた流体噴射装置10の作用、効果を、本発明のヘッドクリーニング方法として、図1、図4、図5を用いて説明する。
図4は、本発明のヘッドクリーニング方法を段階的に示した説明図である。また、図5は、本発明のヘッドクリーニング方法を段階的に示したフローチャートである。
本発明のヘッドクリーニング方法は、例えば、流体噴射装置によるプリントが終了し、流体噴射装置を一時停止、ないし休止させる際に、流体噴射ヘッドのメンテナンス工程として行えばよい。
【0034】
まず、プリントが完了した流体噴射ヘッド11に向けて、ヘッドクリーニング装置16がY軸方向ガイド軸13に沿って移動する。そして、図4(a)に示すように、流体噴射ヘッド11が収容室41の上部に達した後、洗浄液供給機構42が、洗浄液タンク45から供給ノズル46を介して収容室41の内部に、界面活性剤を含む洗浄液Qを満たす(洗浄液注入工程:S1)。
【0035】
次に、上下動装置44によって収容室41を流体噴射ヘッド11に向けて移動させ、噴射ノズル35の開口端35aが露呈した噴射面11aを収容室41に収容する(接する位置まで上昇させる)。これにより、噴射ノズル35の噴射面11aは、収容室41を満たす界面活性剤を含む洗浄液Qに浸される(収容工程:S2)。
【0036】
次に、図4(b)に示すように、噴射面11aが洗浄液Qに浸された状態で、制御装置14から流体噴射ヘッド11に対して、微振動が生じるようなヘッド動作信号を送る。流体噴射ヘッド11は、微振動が生じるような動作を行う(洗浄工程:S3)。これによって、噴射面11aは洗浄液Qに接した(浸された)状態で微振動が生じるため、噴射ノズル35の開口端35a付近に付着した残留インクCは、洗浄液Qによって取り除かれる(洗い落とされる)。しかも、この洗浄液Qには、所定の濃度で界面活性剤が含まれているため、残留インクCを容易に溶解することができる。
【0037】
所定の時間だけ流体噴射ヘッド11を微振動させ、噴射ノズル35の開口端35a付近に付着した残留インクCを洗浄液Qによって取り除いた後、吸引機構43を構成する吸引ポンプ48を動作させ、収容室41を満たす洗浄液Qを吸引ノズル49を介して吸引する(洗浄液排出工程:S4)。そして、図4(c)に示すように、洗浄液Qを全量吸引した後、更に収容室41の内部の空気を吸引して負圧にすることによって、噴射ノズル35の内部に残留している残留インクCも吸引して抜き取る(吸引工程:S5)。
【0038】
以上のように、本発明のヘッドクリーニング装置16を用いたヘッドクリーニング方法によれば、界面活性剤を含む洗浄液Qに流体噴射ヘッド11の噴射面11aを浸し、更に流体噴射ヘッド11に微振動が生じるように制御することで、噴射ノズル35の開口端35a付近に付着した残留インク(流体)Cを確実に除去することができる。これによって、次にプリントを行う際に、流体噴射ヘッド11から噴射される流体(インク)が屈曲して吐出されたり、微細な噴射ノズル35が目詰まりを起こすことが無い。
【0039】
また、流体(インク)の目詰まりを防止するために、待機時に流体を少量づつ吐出させるフラッシング動作で廃棄される流体(インク)の量を低減することもできる。例えば、この流体噴射装置16を2週間(14日)稼動させた際に、1日約500ml、14日で7056mlの流体(インク)を節約できることが確認された。
【0040】
なお、上述した実施形態では、収容室の開口面の縁部に流体噴射ヘッドの噴射面を接することで、収容室に噴射面を含む領域を気密状態で収容する構成としているが、収容室の中ほどまで噴射面が入り込むような形態で収容室に噴射面を含む領域を収容する構成であっても良い。
【0041】
また、上述した実施形態では、収容室を満たす洗浄液と、収容室内のガス(空気)とを同一の吸引機構で吸引しているが、洗浄液を吸引する吸引機構と、収容室内を負圧にして噴射ノズルの内部に残留している流体を抜き取る吸引機構とを、それぞれ個別に設けても良い。
【符号の説明】
【0042】
10…流体噴射装置、11…流体噴射ヘッド、11a…噴射面、16…ヘッドクリーニング装置、41…収容室、41a…開口、41b…縁部、42…洗浄液供給機構、43…吸引機構。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射する複数の噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドをクリーニングするヘッドクリーニング装置であって、
前記噴射ノズルの開口端が露呈した噴射面を含む領域を気密状態で収容する収容室と、該収容室の内部を界面活性剤を含む洗浄液で満たす洗浄液供給機構と、前記収容室の内部の液体および気体を吸引する吸引機構と、を少なくとも備えたことを特徴とするヘッドクリーニング装置。
【請求項2】
前記界面活性剤は、前記流体に含まれる界面活性剤と同一の組成であることを特徴とする請求項1記載のヘッドクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のヘッドクリーニング装置と、複数の噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッドに微細な振動が生ずるように制御する制御装置と、を少なくとも備えたこと特徴とする流体噴射装置。
【請求項4】
噴射ノズルを有する流体噴射ヘッドをクリーニングするためのヘッドクリーニング方法であって、
収容室の内部を界面活性剤を含む洗浄液で満たす洗浄液注入工程と、
前記噴射ノズルの開口端が露呈した噴射面を含む領域を前記収容室に気密状態で収容する収容工程と、
前記流体噴射ヘッドに微細な振動を生じさせ、前記噴射ノズルの開口端近傍に付着しているインクを前記洗浄液によって剥離させる洗浄工程と、
前記洗浄工程の完了後に前記収容室の内部にある界面活性剤を排出する洗浄液排出工程と、
前記噴射ノズルの内部に残存している流体を吸引する吸引工程と、
を少なくとも備えたことを特徴とするヘッドクリーニング方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−247360(P2010−247360A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−96708(P2009−96708)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】