ヘッドライニング及び製造方法
【課題】長短2種類のキャブ長さを有する車両の一方のキャブ長さに対応する成形型の多くの部分を、他方のキャブ長さに対応するヘッドライニングの素形材の成形に流用出来るようなヘッドライニングおよびその製造方法の提供。
【解決手段】長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニング(HL)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)とによって構成され、短いキャブのヘッドライニング(HS)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)をそのまま用いている。
【解決手段】長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニング(HL)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)とによって構成され、短いキャブのヘッドライニング(HS)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)をそのまま用いている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラック等のキャブ(車体)において一般的にベッドスペースを有する標準キャブと、積載効率を上げるため、ベッドスペースを排除した、ショートキャブとの2種類の仕様のキャブがある。
従って、その天井内装であるヘッドライニングも2種類必要となる。
【0003】
従来は、先ず、基材である樹脂のPET(ポリエーテル・テレフタレート)から成る素材を、型を用いて標準キャブのヘッドライニング形状にプレス成形して製造する。
標準キャブ用として用いる場合は、図12に示すように、プレス成形されたヘッドライニングの素形材Haにおいて、乗員シートとベッドスペースとの境目に相当する位置L1で前後に2分するように分断する。2分された位置L1は、ベッドスペースを遮蔽するための図示しないカーテン用のカーテンレールで埋める。
【0004】
一方、ショートキャブ用として使用する場合は、図13に示すように、ヘッドライニングの素形材Hbの前後方向の中央部から後方にかけての2箇所L2,L3で3分割(Sf、Sm、Sr)にするように分断する。
3分割に分断された中央部分(L2とL3との間の領域)Smは廃棄して、前部Sfと後部Srとの間を標準キャブと同様に、例えば、図14に示すように、カーテンレールRで埋めて使用することとなるが、キャブ内にベッドスペースが獲れないため、本来はそのカーテンレールは不要である。
また、カーテンレールRは天井部分の略平らな領域にしか埋められないので、左右両側部の傾斜部Sfc、Srcは、エンドキャップCと言う本来不要である隙間隠し部材で埋めなくてはならず、室内の見栄えを損なうのみならず、エンドキャップCの作成及び、2箇所で裁断するためのカッティングの型が2種類必要となり、コストアップ要因ともなっていた。
【0005】
ヘッドライニングに関する技術については、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術は、上述した要請に応えるものではない。
【特許文献1】特開2002−240636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングについて、一方のキャブ長さに対応するヘッドライニングは長手方向の途中で分割しないで用い、その一方のキャブ長さのキャブの室内の見栄えを良くするとともに、製造コストを圧縮し、他方のキャブ長さに対応するヘッドライニングの素形材の成形に当たっては、前記一方のキャブ長さに対応する成形型の多くの部分を流用出来るようなヘッドライニングおよびその製造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のヘッドライニングは、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニング(HL)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)とによって構成され、短いキャブのヘッドライニング(HS)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)をそのまま用いている(請求項1)。
【0008】
長いキャブのヘッドライニング(HL)は、前記短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)との間にカーテンレール(R)を介装している(請求項2)。
【0009】
また、本発明のヘッドライニング(HL、HS)は、基材と樹脂(例えばPET)とから成る材料を用いてプレス成形して構成されている(請求項3)。
【0010】
本発明のヘッドライニングの製造方法は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、長いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス成形する工程(図3)と、プレス成形された素形材を長手方向の所定位置で2分割に切断する工程(図4)及びプレス成形された素形材の前端部の余肉(4)を切除する工程(図4)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってヘッドライニング後方部分(5)をプレス形成する工程とを有し、プレス成形された前後のヘッドライニング素形材(1,5)の主要部(2,6)をカーテンレール(R)を介して接続する(請求項4)。
【0011】
また、本発明のヘッドライニングの製造方法は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、短いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス成形する工程(図3)と、プレス形成されたヘッドライニング素形材の前端部の余肉(4)を切除する工程(図4の一部)とを有する(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
上述の本発明のヘッドライニングおよびその製造方法によれば、短いキャブのヘッドライニング(HS)は前端部の余肉(4)の切除のみを行えば良く、製造の効率が向上する。
【0013】
短いキャブのヘッドライニング(HS)は、天井部において、切断されていないので、完成時に、従来のような本来は不要なカーテンレール(図14のR)の介装や、両側部の傾斜部のエンドキャップ(図14のC)のような不要な部材を用いることがない。従って、不要物を装着する工数及びその製造コストの削減が図られる。
【0014】
カーテンレール及びエンドプラグの廃止により、室内の見栄えを良好にする。
【0015】
標準キャブ用のヘッドライニング(HL)の前方部分の型として、短いキャブ用のヘッドライニングの型(Msa、Msb)が利用出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、標準キャブ用の、即ちショートキャブに対して長いキャブ用のヘッドライニングHLを完成させた状態(図示しないキャブのルーフパネルに貼り付けた状態)を示している。
図中、矢印Fは車両前方を、矢印Uは上方、即ち、図示しないルーフパネル側を示す。
【0018】
当該ヘッドライニングHLは、後述するショートキャブ用のヘッドライニング用型によってプレス成形された素形材(後端が二点差線Bによって示されている)の主要部2を前方部材とし、後述する標準キャブ用の型によってプレス成形された素形材の主要部6を後方部材として、その間の隙間NをカーテンレールRによって埋めるように構成されている。
【0019】
主要部2側の車両の左右方向端部の傾斜部11と、主要部6側の車両の左右方向端部の傾斜部12とに跨るようにエンドキャップCが室内側から貼り付けられ、隙間Nを塞いでいる。
【0020】
図2は、ショートキャブ用及び標準キャブ用のヘッドライニングHS、HLの製造工程を立体的に示した図である。図中、符号Y1〜Y5は符号順に工程間の推移の順番を示す矢印である。
また、図3〜図9は標準キャブのヘッドライニングHLの製造工程(図3はショートキャブのヘッドライニングHSの製造工程と同じである)をヘッドライニングHLの中心断面を用いて工程順に示した工程図である。
【0021】
図2及び、図3〜図9を参照して、標準キャブ用のヘッドライニングHLの製造工程を説明する。
【0022】
図3において、基材と樹脂(例えばPET)とから成る平板の材料20を雌型Msa、と雄型Msbの間にセットし、プレス成形する。すなわち、雌型Msaを矢印方向に下降させる
【0023】
図4はプレス成形されたショートキャブ用の素形材1の断面が示されている(図2の図2−1に対応)。
即ち、素形材1は前端の余肉部4と主要部2と後方傾斜部3とで構成されている。
図4のカッティングラインL24、L23で、素形材1を切断する(図2の図2−3に対応)。
【0024】
図5では、主要部2を残し、切断された前端余肉部4と後方傾斜部3を排除する。或いはリサイクルに回す。
【0025】
図6では、基材と樹脂(例えばPET)とから成る平板の材料25を標準キャブのヘッドライニング後方部分成形用の雌型Mla、と雄型Mlbの間にセットし、ヘッドライニング後方部分をとるための素形材5をプレス成形する。
【0026】
図7では、素形材5を、カッティングラインL67とL68で切断して、主要部6をトリミングする。尚、前端余肉部7及び後端余肉部8は排除(矢印)、或いはリサイクルに回される(図2の図2−4に対応)。
【0027】
図8では、図示しないルーフパネルに前記プレス成形したヘッドライニング前方主要部2と後方主要部6とを所定の隙間Nを保って貼り付ける(図2の図2−5、図2−6に対応)。
そして、図9において、前記隙間NにカーテンレールRの突起部を埋め込む。
【0028】
前方主要部2の傾斜部11と後方主要部6の傾斜部12との間の隙間Nに、エンドキャップCを貼り付けることで隙間Nを埋め、標準キャブ用のヘッドライニングHLの製造(キャブへの組付け)が完了する。
【0029】
次に、図10及び図11を参照して、ショートキャブ用のヘッドライニングHSの製造工程を説明する。
【0030】
図10はプレス成形されたショートキャブ用の素形材1(図4で示した素形材と同じ物)の断面が示されている。
【0031】
次に、図11において、素形材1をカッティングラインL49、L91で、切断する。
するとショートキャブのヘッドライニングHSの主要部9と、前端の余肉部4と後端の余肉部10に分断されるので、前端の余肉部4と後端の余肉部10を排除か、或いはリサイクルに回す(図2の図2−2に対応)。
【0032】
上述したように、本実施形態のヘッドライニングおよびその製造方法によれば、ショートキャブのヘッドライニングHSは前後端部の余肉4、10の切除のみを行えば良く、製造の効率が向上する。
【0033】
ショートキャブのヘッドライニングHSは、天井部において、切断されていないので、完成時に、従来のような本来は不要なカーテンレール(従来例の図14のR)の介装や、両側部の傾斜部のエンドキャップ(従来例の図14のC)のような不要な部材を用いることがない。従って、不要物を装着する工数及びコストの削減が図られる。
【0034】
カーテンレール及びエンドプラグの廃止により、室内の見栄えを良好にする。
【0035】
標準キャブ用のヘッドライニングHLの前方部分の型として、ショートキャブ用のヘッドライニングの型Msa、Msbが利用出来る。
【0036】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではなないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るヘッドライニングの製造工程を説明する斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分のプレス成形工程図。
【図4】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分のトリムカット工程図。
【図5】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分の余肉排除工程図。
【図6】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の後方部分のプレス成形工程図。
【図7】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の後方部分のトリムカット工程図。
【図8】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前後主要部の貼付工程図。
【図9】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程のカーテンレール及びエンドキャップ取り付け工程図。
【図10】本発明の実施形態に係るショートキャブ用ヘッドライニングの製造工程のプレス成形が完了した時点の様態図。
【図11】本発明の実施形態に係るショートキャブ用ヘッドライニングの製造工程の余肉排除工程図。
【図12】従来技術における標準キャブ用ヘッドライニングの完成状態を表した斜視図。
【図13】従来技術におけるショートキャブ用ヘッドライニングの素形材(標準キャブ用と同一)のトリミング前の状態図。
【図14】従来技術によるショートキャブ用ヘッドライニングの完成状態を表した斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1、5・・・素形材
2、6、9・・・主要部
3・・・後方傾斜部
4、7・・・前端の余肉部
8、10・・・後端の余肉部
11、12・・・傾斜部
C・・・エンドキャップ
L23、L24、L67、L68、L49、L91・・・カッティングライン
Msa、Mla・・・雌型
Msb、Mlb・・・雄型
N・・・隙間
R・・・カーテンレール
【技術分野】
【0001】
本発明は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラック等のキャブ(車体)において一般的にベッドスペースを有する標準キャブと、積載効率を上げるため、ベッドスペースを排除した、ショートキャブとの2種類の仕様のキャブがある。
従って、その天井内装であるヘッドライニングも2種類必要となる。
【0003】
従来は、先ず、基材である樹脂のPET(ポリエーテル・テレフタレート)から成る素材を、型を用いて標準キャブのヘッドライニング形状にプレス成形して製造する。
標準キャブ用として用いる場合は、図12に示すように、プレス成形されたヘッドライニングの素形材Haにおいて、乗員シートとベッドスペースとの境目に相当する位置L1で前後に2分するように分断する。2分された位置L1は、ベッドスペースを遮蔽するための図示しないカーテン用のカーテンレールで埋める。
【0004】
一方、ショートキャブ用として使用する場合は、図13に示すように、ヘッドライニングの素形材Hbの前後方向の中央部から後方にかけての2箇所L2,L3で3分割(Sf、Sm、Sr)にするように分断する。
3分割に分断された中央部分(L2とL3との間の領域)Smは廃棄して、前部Sfと後部Srとの間を標準キャブと同様に、例えば、図14に示すように、カーテンレールRで埋めて使用することとなるが、キャブ内にベッドスペースが獲れないため、本来はそのカーテンレールは不要である。
また、カーテンレールRは天井部分の略平らな領域にしか埋められないので、左右両側部の傾斜部Sfc、Srcは、エンドキャップCと言う本来不要である隙間隠し部材で埋めなくてはならず、室内の見栄えを損なうのみならず、エンドキャップCの作成及び、2箇所で裁断するためのカッティングの型が2種類必要となり、コストアップ要因ともなっていた。
【0005】
ヘッドライニングに関する技術については、従来から種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術は、上述した要請に応えるものではない。
【特許文献1】特開2002−240636号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の目的は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングについて、一方のキャブ長さに対応するヘッドライニングは長手方向の途中で分割しないで用い、その一方のキャブ長さのキャブの室内の見栄えを良くするとともに、製造コストを圧縮し、他方のキャブ長さに対応するヘッドライニングの素形材の成形に当たっては、前記一方のキャブ長さに対応する成形型の多くの部分を流用出来るようなヘッドライニングおよびその製造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のヘッドライニングは、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニング(HL)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)とによって構成され、短いキャブのヘッドライニング(HS)は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)をそのまま用いている(請求項1)。
【0008】
長いキャブのヘッドライニング(HL)は、前記短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(1)の主要部(2)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってプレス形成されたヘッドライニング素形材(5)の主要部(6)との間にカーテンレール(R)を介装している(請求項2)。
【0009】
また、本発明のヘッドライニング(HL、HS)は、基材と樹脂(例えばPET)とから成る材料を用いてプレス成形して構成されている(請求項3)。
【0010】
本発明のヘッドライニングの製造方法は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、長いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス成形する工程(図3)と、プレス成形された素形材を長手方向の所定位置で2分割に切断する工程(図4)及びプレス成形された素形材の前端部の余肉(4)を切除する工程(図4)と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型(Mla、Mlb)によってヘッドライニング後方部分(5)をプレス形成する工程とを有し、プレス成形された前後のヘッドライニング素形材(1,5)の主要部(2,6)をカーテンレール(R)を介して接続する(請求項4)。
【0011】
また、本発明のヘッドライニングの製造方法は、長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、短いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型(Msa、Msb)によってプレス成形する工程(図3)と、プレス形成されたヘッドライニング素形材の前端部の余肉(4)を切除する工程(図4の一部)とを有する(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
上述の本発明のヘッドライニングおよびその製造方法によれば、短いキャブのヘッドライニング(HS)は前端部の余肉(4)の切除のみを行えば良く、製造の効率が向上する。
【0013】
短いキャブのヘッドライニング(HS)は、天井部において、切断されていないので、完成時に、従来のような本来は不要なカーテンレール(図14のR)の介装や、両側部の傾斜部のエンドキャップ(図14のC)のような不要な部材を用いることがない。従って、不要物を装着する工数及びその製造コストの削減が図られる。
【0014】
カーテンレール及びエンドプラグの廃止により、室内の見栄えを良好にする。
【0015】
標準キャブ用のヘッドライニング(HL)の前方部分の型として、短いキャブ用のヘッドライニングの型(Msa、Msb)が利用出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、標準キャブ用の、即ちショートキャブに対して長いキャブ用のヘッドライニングHLを完成させた状態(図示しないキャブのルーフパネルに貼り付けた状態)を示している。
図中、矢印Fは車両前方を、矢印Uは上方、即ち、図示しないルーフパネル側を示す。
【0018】
当該ヘッドライニングHLは、後述するショートキャブ用のヘッドライニング用型によってプレス成形された素形材(後端が二点差線Bによって示されている)の主要部2を前方部材とし、後述する標準キャブ用の型によってプレス成形された素形材の主要部6を後方部材として、その間の隙間NをカーテンレールRによって埋めるように構成されている。
【0019】
主要部2側の車両の左右方向端部の傾斜部11と、主要部6側の車両の左右方向端部の傾斜部12とに跨るようにエンドキャップCが室内側から貼り付けられ、隙間Nを塞いでいる。
【0020】
図2は、ショートキャブ用及び標準キャブ用のヘッドライニングHS、HLの製造工程を立体的に示した図である。図中、符号Y1〜Y5は符号順に工程間の推移の順番を示す矢印である。
また、図3〜図9は標準キャブのヘッドライニングHLの製造工程(図3はショートキャブのヘッドライニングHSの製造工程と同じである)をヘッドライニングHLの中心断面を用いて工程順に示した工程図である。
【0021】
図2及び、図3〜図9を参照して、標準キャブ用のヘッドライニングHLの製造工程を説明する。
【0022】
図3において、基材と樹脂(例えばPET)とから成る平板の材料20を雌型Msa、と雄型Msbの間にセットし、プレス成形する。すなわち、雌型Msaを矢印方向に下降させる
【0023】
図4はプレス成形されたショートキャブ用の素形材1の断面が示されている(図2の図2−1に対応)。
即ち、素形材1は前端の余肉部4と主要部2と後方傾斜部3とで構成されている。
図4のカッティングラインL24、L23で、素形材1を切断する(図2の図2−3に対応)。
【0024】
図5では、主要部2を残し、切断された前端余肉部4と後方傾斜部3を排除する。或いはリサイクルに回す。
【0025】
図6では、基材と樹脂(例えばPET)とから成る平板の材料25を標準キャブのヘッドライニング後方部分成形用の雌型Mla、と雄型Mlbの間にセットし、ヘッドライニング後方部分をとるための素形材5をプレス成形する。
【0026】
図7では、素形材5を、カッティングラインL67とL68で切断して、主要部6をトリミングする。尚、前端余肉部7及び後端余肉部8は排除(矢印)、或いはリサイクルに回される(図2の図2−4に対応)。
【0027】
図8では、図示しないルーフパネルに前記プレス成形したヘッドライニング前方主要部2と後方主要部6とを所定の隙間Nを保って貼り付ける(図2の図2−5、図2−6に対応)。
そして、図9において、前記隙間NにカーテンレールRの突起部を埋め込む。
【0028】
前方主要部2の傾斜部11と後方主要部6の傾斜部12との間の隙間Nに、エンドキャップCを貼り付けることで隙間Nを埋め、標準キャブ用のヘッドライニングHLの製造(キャブへの組付け)が完了する。
【0029】
次に、図10及び図11を参照して、ショートキャブ用のヘッドライニングHSの製造工程を説明する。
【0030】
図10はプレス成形されたショートキャブ用の素形材1(図4で示した素形材と同じ物)の断面が示されている。
【0031】
次に、図11において、素形材1をカッティングラインL49、L91で、切断する。
するとショートキャブのヘッドライニングHSの主要部9と、前端の余肉部4と後端の余肉部10に分断されるので、前端の余肉部4と後端の余肉部10を排除か、或いはリサイクルに回す(図2の図2−2に対応)。
【0032】
上述したように、本実施形態のヘッドライニングおよびその製造方法によれば、ショートキャブのヘッドライニングHSは前後端部の余肉4、10の切除のみを行えば良く、製造の効率が向上する。
【0033】
ショートキャブのヘッドライニングHSは、天井部において、切断されていないので、完成時に、従来のような本来は不要なカーテンレール(従来例の図14のR)の介装や、両側部の傾斜部のエンドキャップ(従来例の図14のC)のような不要な部材を用いることがない。従って、不要物を装着する工数及びコストの削減が図られる。
【0034】
カーテンレール及びエンドプラグの廃止により、室内の見栄えを良好にする。
【0035】
標準キャブ用のヘッドライニングHLの前方部分の型として、ショートキャブ用のヘッドライニングの型Msa、Msbが利用出来る。
【0036】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではなないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係るヘッドライニングの製造工程を説明する斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分のプレス成形工程図。
【図4】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分のトリムカット工程図。
【図5】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前方部分の余肉排除工程図。
【図6】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の後方部分のプレス成形工程図。
【図7】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の後方部分のトリムカット工程図。
【図8】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程の前後主要部の貼付工程図。
【図9】本発明の実施形態に係る標準キャブ用ヘッドライニングの製造工程のカーテンレール及びエンドキャップ取り付け工程図。
【図10】本発明の実施形態に係るショートキャブ用ヘッドライニングの製造工程のプレス成形が完了した時点の様態図。
【図11】本発明の実施形態に係るショートキャブ用ヘッドライニングの製造工程の余肉排除工程図。
【図12】従来技術における標準キャブ用ヘッドライニングの完成状態を表した斜視図。
【図13】従来技術におけるショートキャブ用ヘッドライニングの素形材(標準キャブ用と同一)のトリミング前の状態図。
【図14】従来技術によるショートキャブ用ヘッドライニングの完成状態を表した斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1、5・・・素形材
2、6、9・・・主要部
3・・・後方傾斜部
4、7・・・前端の余肉部
8、10・・・後端の余肉部
11、12・・・傾斜部
C・・・エンドキャップ
L23、L24、L67、L68、L49、L91・・・カッティングライン
Msa、Mla・・・雌型
Msb、Mlb・・・雄型
N・・・隙間
R・・・カーテンレール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニングは短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部とによって構成され、短いキャブのヘッドライニングは短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部をそのまま用いることを特徴としたヘッドライニング。
【請求項2】
長いキャブのヘッドライニングは、前記短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部との間にカーテンレールを介装した請求項1のヘッドライニング。
【請求項3】
基材と樹脂とから成る材料を用いてプレス成形して構成される請求項1および2の何れかのヘッドライニング。
【請求項4】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、長いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス成形する工程と、プレス成形された素形材を長手方向の所定位置で2分割に切断する工程及びプレス成形された素形材の前端部の余肉を切除する工程と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってヘッドライニング後方部分をプレス形成する工程とを有し、プレス成形された前後のヘッドライニング素形材の主要部をカーテンレールを介して接続することを特徴としたヘッドライニングの製造方法。
【請求項5】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、短いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス成形する工程と、プレス形成されたヘッドライニング素形材の前端部の余肉を切除する工程とを有することを特徴としたヘッドライニングの製造方法。
【請求項1】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニングにおいて、長いキャブのヘッドライニングは短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部とによって構成され、短いキャブのヘッドライニングは短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部をそのまま用いることを特徴としたヘッドライニング。
【請求項2】
長いキャブのヘッドライニングは、前記短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってプレス形成されたヘッドライニング素形材の主要部との間にカーテンレールを介装した請求項1のヘッドライニング。
【請求項3】
基材と樹脂とから成る材料を用いてプレス成形して構成される請求項1および2の何れかのヘッドライニング。
【請求項4】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、長いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス成形する工程と、プレス成形された素形材を長手方向の所定位置で2分割に切断する工程及びプレス成形された素形材の前端部の余肉を切除する工程と、長いキャブの後方部分のヘッドライニング後方型によってヘッドライニング後方部分をプレス形成する工程とを有し、プレス成形された前後のヘッドライニング素形材の主要部をカーテンレールを介して接続することを特徴としたヘッドライニングの製造方法。
【請求項5】
長短2種類のキャブ長さを有する車両のヘッドライニング製造方法において、短いキャブのヘッドライニング製造方法は短いキャブのヘッドライニングの型によってプレス成形する工程と、プレス形成されたヘッドライニング素形材の前端部の余肉を切除する工程とを有することを特徴としたヘッドライニングの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−123838(P2006−123838A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317620(P2004−317620)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000003908)日産ディーゼル工業株式会社 (1,028)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]